JP2012246513A - ステント研磨装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 小型で簡便でありつつ、均一な研磨を行えるステント研磨装置を提供する。
【解決手段】 ステント研磨装置10は、研磨液PLを上流から下流に流す傾斜槽11と、研磨液PLの中にステント69を浸し、下流から上流に、ステント69を回転させつつ搬送させる搬送ユニット29と、を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ステント研磨装置に関する。
化学研磨または電解研磨は、一般に、切削、研削、熱処理等の様々な加工を施された金属の表面を平坦化する表面改質方法である。金属は、研磨されることによって、様々な加工で発生した金属表面の平面粗さを低減し、耐食性の向上、疲労破壊の低減、金属光沢による美観などが改善される。
一般に広く用いられる化学研磨または電解研磨は、バッチ式といわれ、研磨液槽に被研磨物を投入され、作業が行われる。例えば、化学研磨では、被研磨物を研磨液槽内に設定された温度、時間で投入され、その後、取り出されることで表面改質を行う。一方、電解研磨では、被研磨物に通電するための端子を取り付け、電解槽内に対極側を取り付け、一定時間、設定電圧で通電することで研磨を行う。
このような化学研磨または電解研磨では、液槽内に、被研磨物を投入したり、投入した被研磨物を取り出したりする。そのために、被研磨物には、何らかの持ち手または電極が取り付けられることが多いが、このような取り付けられた部分は研磨されにくい。そこで、事前に持ち手部分を作製しておき、研磨後持ち手部を除去する方法、または、持ち手部分を変更して、数回に分けて研磨する方法が強いられる。
これらの作業は、一般的な大きさの被研磨物であれば、多少の手間で済むものであり、複数回に分けて研磨しても大きな問題はない。しかし、ステントのように大きさが小さくなれば、持ち手を作ることができない。また、仮に持ち手があったとしても、その持ち手だけを再研磨することができないし、ステントの網目またはストラットの寸法に比べて、研磨を行う場合の研磨寸法が大きくなるため、持ち替えて研磨すると寸法にズレが発生するような問題が発生する。
特に、血管を拡張するために用いられるステントを一例とする医療用途に用いられる金属物は、金属溶出の低減、疲労特性の向上、清潔性の向上等の様々な目的のために化学研磨または電解研磨が施される。そして、このような金属物の寸法は、直径1.5mm,長さ10mm程度の大きさから直径12mm,長さ200mm程度と非常に小さな寸法であり、持ち手部などを作製、除去することが非常に困難である。そのため、このような金属物は、複数回での研磨を行われると、寸法不良を発生するほどの研磨ムラが起こりやすい。
特に、ステントの場合、円筒形の金属チューブにレーザ照射で網目状に加工した後、研磨を行う。通常、ステントにて屈曲した線状部分であるストラットと呼ばれる部分(幅寸法はおおよそ0.1mmから0.2mm程度)があるが、この部分には、レーザ切断またはレーザ加工後の熱処理により表面酸化被膜が付与される。そこで、研磨は、この表面酸化被膜を除去したり、レーザでカットされたストラットの断面の鋭利なエッジを丸め(ラウンド形状)加工をしたりする。
このような研磨工程での表面除去量は、一般の研磨工程に比べ非常に多く、5μmから20μm程度の研磨を要することもある。そのため、研磨条件が不安定であると、寸法変動が大きくなり、ステントが、設計強度未達になったり、表面ムラに起因した生体適合性の低下または疲労強度低下になったりするおそれがある。
また、一般的に、化学研磨または電解研磨では、金属の溶解によって、ステントの表面近傍に不動態化物質が発生し、不動態化膜の粘度が高いため研磨を阻害し、研磨性能が低下することがある。そのため、ポンプまたはマグネチックスターラーが用いられることで、研磨液を流動化し、不動態化物質を金属表面から剥離する方法が採用される。
しかし、ステントの場合、非常に小さなサイズであるため、ポンプまたはマグネチックスターラーでの撹拌では、研磨液の流速は不均一になってしまい、バッチ処理を行う場合、不動態化物質の剥離が積極的に行われている部分と剥離ができない部分とでは、研磨ムラが発生してしまうことが多い。
特に、電解研磨では、研磨液槽内の内側周辺にカソード電極を設置することが多いが、バッチ処理では、ステント(アノード電極)とカソード電極との距離が不均一になってしまうことから、研磨ムラの発生が深刻な問題となる。そのため、アノード電極、カソード電極の配置は、ステントの形状に対応した様々なテストを行って、条件が決められなくてはならない。
このような事情を踏まえ、ステントの研磨に関しては様々な提案がなされている(特許文献1および特許文献2参照)。
特許文献1では、アノードが金属ステントの外周に接触配置され、カソードが金属ステントの円筒内と周囲とに非接触で配置されることで、金属ステントにおける外表面と内表面との表面粗さを均質化しようしている。
特許文献2では、アノードワイヤが金属ステントの内腔に接触する一方、カソードが金属ステントから乖離して配置され、ローラが金属ステントの外壁に接触することで、その金属ステントを回転させる。これにより、金属ステントとアノードワイヤと接触部位を一定にさせず変化させることで、金属ステントの表面ムラを防止しようとしている。
特表2003−522841号公報 特許第4620060号公報
しかしながら、特許文献1では、金属ステント外周において、アノードに接触している部分は研磨されず、表面性、寸法性等を改善するに至っていない。また、金属ステント内部に設置するカソードが、金属ステントに接触しないためには、設置に手間がかかる。その上、金属ステントとカソードとが接触した場合には、通電が起き、金属ステントに過大な電流が流れ、その結果、金属ステントが焼け、破損に至ることもある。
また、特許文献2では、ステント研磨装置が複雑な機構を有さなくてはならない。その上、バッチ処理であるため、液流が不均一になり、研磨ムラが発生することもある。また、多くの機構が組み込まれているために、ローラが研磨液により腐食する可能性もある。さらに、ステントの設置に手間がかかるため、量産を行う場合には、非常に手間やコストがかかる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。そして、その目的は、小型で簡便でありつつ、均一な研磨を行えるステント研磨装置を提供することにある。
ステントを化学研磨または電解研磨するステント研磨装置では、研磨液を第1方向に流す研磨液流動部と、研磨液の中にステントを浸し、第1方向に対する逆方向である第2方向に、上記ステントを回転させつつ搬送させる搬送部と、を含む。
また、研磨液流動部は、重力によって研磨液を流す傾斜槽であると好ましい。
また、搬送部は、ステントの内腔に収まりつつ移動することで、ステントを搬送するロッドを含み、ステントが回転させられる場合、ロッドとステントとの接触箇所を変化させられる接触箇所可変機構が含まれると好ましい。
また、接触箇所可変機構は、ステントの内側に配置されるロッドと、ステントの外側に配置される対向面と、であると好ましい。
また、接触箇所可変機構は、回転するロッドであると好ましい。
また、研磨が化学研磨の場合、対向面が、傾斜槽の底面であると好ましい。
また、研磨が電解研磨の場合、ロッドがアノードで、対向面は、カソードになる電極板からステントまでの間に介在する中間部材であると好ましい。
本発明によれば、ステント研磨装置は、小型で簡易な構造でありつつ、均一な研磨を行える。
は、ステント研磨装置の説明図である。 は、ステントの斜視図である。 は、ステントを装着したロッドセットの斜視図である。 は、ロッドセットの斜視図である。 は、ステント研磨装置の説明図である。 は、ステントを装着したロッドセットの斜視図である。 は、比較例1に使用するステント研磨装置の説明図である。
[実施の形態1]
実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、便宜上、見やすいように調整されていることがある。
図1は、ステント69等を研磨する研磨装置10を示す。なお、以下では、図2に示すようなステント69を研磨対象の一例として説明する。ステント69は、網目構造を含むパイプ状(円筒形)の構造体であり、直径1mm〜12mm、全長10mm〜200mmを有する。なお、ステント69は、環状の略波形構成要素61を一方向に沿って連続的に配置させることで形成される。略波形構成要素61は伸長するストラット62(屈曲した線状部分)をつなげることで形成される。
このステント研磨装置10は、化学研磨を行う装置であり、研磨液を流すための流動ユニット19と、ステント69を搬送する搬送ユニット29と、を含む。
流動ユニット19は、貯留槽12、プール槽13、循環セット14、および傾斜槽[研磨液流動部]11を含む。
貯留槽12は、例えば、水平に配置され、研磨液PLを貯留する槽(桶形状)である。そして、この貯留槽12は、耐酸性の材料で形成されていると好ましく、例えば、塩化ビニルまたはポリプロピレンのような樹脂が、材料として挙げられる。
プール槽13は、例えば、貯留槽12から乖離した上方に配置される槽であり、循環セット14によって送り出される貯留槽12の研磨液PLを一時的に貯める。なお、プール槽13は、貯留槽12と同様、耐酸性の材料で形成されていると好ましく、例えば、塩化ビニルまたはポリプロピレンのような樹脂が、材料として挙げられる。また、プール槽13は、幅200mm〜600mm、長さ300mm〜600mm、深さ200mm〜500mmを有すると好ましい。
循環セット14は、貯留槽12の研磨液PLを、プール槽13に導くもので、パイプ14A、ポンプ14B、およびバルブ14Cを含む。
パイプ14Aは、貯留槽12とプール槽13との間における流路となるものであり、例えば、一端をプール槽13の底に流通可能につなげ、他端を貯留槽12の研磨液PLに浸す。ポンプ14Bは、パイプ14Aに取り付けられ、パイプ14Aの他端から貯留槽12の研磨液PLを吸い上げることで、プール槽13へと導く。バルブ14Cも、パイプ14Aに取り付けられ、ポンプ14Bによってパイプ14Aに送り出される研磨液PLの流量を調整する。
傾斜槽11は、プール槽13に連なる槽であり、一端をプール槽13に流通可能に連ね、他端を貯留槽12に近づけるようする。すなわち、傾斜槽11は、プール槽13から貯留槽12に向かって下るような傾斜を有する。そのため、プール槽13に一時的に貯められる研磨液PLは、傾斜槽11を流れることで、貯留槽12へと流れ落ちる(要は、研磨液PLは、重力により、傾斜槽11における上流から下流[第1方向]に向かって流れることで、その傾斜槽11の下流側に配置される貯留槽12に入る)。
そして、傾斜槽11から流れてきた研磨液PLは、貯留槽12に入ると、再度、循環セット14によって、プール槽13に送り出され、傾斜槽11へと循環する。そのため、貯留槽12は、研磨が終了した場合に研磨液PLを貯留する機能も併せ持つ容量を持っており、幅300mm〜1000mm、長さ600mm〜2000mm、深さ400mm〜1000mmの大きさを有すると好ましい。
なお、傾斜槽11は、貯留槽12およびプール槽13と同様、耐酸性の材料で形成されていると好ましく、例えば、塩化ビニルまたはポリプロピレンのような樹脂が、材料として挙げられる。また、傾斜槽11は、幅100mm〜300mm、長さ400mm〜1000mm、深さ50mm〜200mmを有すると好ましい。また、傾斜槽11の傾斜角度は、上流側、下流側の高さを調節できる位置決め機構(不図示)により、水平方向に対して10度〜45度まで変更できると好ましい。
搬送ユニット[搬送部]29は、ロッドセット21、ローラベルト22、およびガイドレール23を含む。
ロッドセット21は、図3および図4に示すように、ロッドセット21Rとアーム21Aとを含む。詳説すると、ロッドセット21は、ステント69の内腔に収まるロッド21Rと、このロッド21Rをつり下げるアーム21Aとを連結させたものである(なお、例えば棒状部材が、部分的に凹型に折り曲げられることで、凹の底部分がロッド21Rとなり、凹の側壁部分がアーム21Aとなる)。
そして、ロッド21Rが、ステント69の内腔に収まった状態で、アーム21Aでつり上げられて移動させられる。これにより、ロッド21Rが、ステント69の内腔に接触しつつ、そのステント69を搬送させることになる。
なお、ロッド21Rは、ステント69の内腔(内側)に収まるために、ステント69の内径の30%〜60%の内径を有する円柱状であると好ましい。また、このような内径を有するロッド21Rであれば、ステント69の内腔にも研磨液PLが通過し、内腔の研磨も行える。
また、化学研磨の場合、ロッドセット21は、耐酸性の樹脂または耐食性の高い金属で形成されると好ましく、例えば、塩化ビニルまたはポリプロピレン、もしくは、ステンレススチールまたはチタニウムが材料として挙げられる。
ローラベルト22は、平行配置の2つの回転ローラ22A・22Aに架け渡された環状ベルトで、不図示の動力源で回転する少なくとも一方の回転ローラ22Aの回転に応じて、回転する。また、ローラベルト22は、表面に、アーム21Aに引っ掛る爪22Cを環状方向に沿って複数含む(ただし、これに限定されず単数であってもよい)。そのため、ローラベルト22の回転によって動く爪22Cが、アーム21Aに引っ掛ると、ロッドセット21は移動する。
なお、2つの回転ローラ22A・22Aの並列方向は、図1に示すように、傾斜槽11の全長方向に対して平行で、かつ2つの回転ローラ22A・22Aの乖離距離は、傾斜槽11の全長よりも長い。
ガイドレール23は、アーム21Aをつり下げることのできるレールで、ローラベルト22の回転に応じて移動するロッドセット21の進行方向をガイドする(なお、ガイドレール23は、耐食性のある金属で形成されると好ましく、例えば、ステンレススチールまたはチタニウムが挙げられる)。
このガイドレール23は、図1に示すように、連なるプール槽13および傾斜槽11と、ローラベルト22との間に挟まれるように配置され、一部を傾斜槽11の全長方向に亘って、沿わせる。その上、ガイドレール23に向くローラベルト22の爪22Cと、ガイドレール23につり下げられるアーム21Aとが、引っ掛るように、ガイドレール23の配置は調整される。
そのため、図1に示すように、ガイドレール23につり下げられるロッドセット21は、回転するローラベルト22の爪22Cに引っ掛けられることで、一つずつ傾斜槽11の下流側から上流側[第2方向]へと搬送される(なお、ロッドセット21の移動速度は、回転ローラ22Aの回転速度によって調整される)。
さらに、ガイドレール23と傾斜槽11の底面11Bとの乖離距離は、ガイドレール23につり下げられたロッドセット21のアーム21Aの全長よりも短くなるように、ガイドレール23の配置は調整される。すると、ロッドセット21が搬送される過程で、ステント69の内腔(内側)はロッド21Rに接触し、ステント69の表面(外側)は傾斜槽11の底面[対抗面]11Bに接触する。その結果、ステント69は、ロッド21R上を回転しつつ、傾斜槽11の研磨液PL中を移動する。すなわち、ロッドセット21につり下げられたステント69は、上流側から下流側へと流れる研磨液PLの入った傾斜槽11の底面に接触しつつ、下流側から上流側へ移動することにより、流れる研磨液PL中を回転しながら搬送される。
このようにステント69が回転しつつ流れる研磨液PL中を移動すると、ステント69と研磨液PLとの接触(液接触)が均等になり、均一な研磨がなされやすい。したがって、ロッド21Rがステント69の内腔の1箇所に長期にわたって接触することに起因し、その接触箇所の研磨が不十分になるような事態は起こりにくい。
別表現すると、ステント研磨装置10は、ロッド21Rとステント69との接触箇所を変化させられる接触箇所可変機構を含むといえる。そして、図1に示すような化学学研磨を行うステント研磨装置10の場合、接触箇所可変機構は、ステント69の内側に配置されてステント69に接触しつつ移動するロッド21Rと、ステント69の外側に配置されてステント69の表面に接触する傾斜槽11の底面11Bとなる。
また、このようなステント研磨装置10では、複数のロッドセット21が比較的簡易な機構であるローラベルト22によって搬送される。そのため、多くのステント69が、簡単に、かつ素早く研磨される(すなわち、このようなステント研磨装置10は、小型で簡便な連続研磨型のステント研磨装置10といえる)。
[実施の形態2]
実施の形態2について説明する。なお、実施の形態1で用いた部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付記し、その部材の種々説明を省略する。
実施の形態1では、化学研磨の場合に用いられるステント研磨装置10を例に挙げた。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、図5に示されるような、電解研磨に適したステント研磨装置10であってもよい。
図5に示すステント研磨装置10では、電極板31が傾斜槽11の内部に配置され、電源32のマイナス極に電気的に接続される(要は、導通している)。したがって、電極板31は、カソード電極となる。
一方で、電源32のプラス極は、導通性のあるガイドレール23に電気的に接続される。そして、ガイドレール23につり下げられるロッドセット21は、耐食性を有しつつも導通性の有る材料、例えば、ステンレススチールまたはチタニウム等、若しくは、高い導電性を有するアルミニウムまたは銅で形成される(すなわち、ガイドレール23同様、ロッドセット21は電気的に電源32のプラス極に接続される)。そのため、ロッドセット21に接触する(すなわち、電気的に接続する)ステント69が、アノード電極となる。
なお、ステント69の電解研磨のためには、ステント69と電極板31との接触が防止されなくてはならない。そのため、ガイドレール23につり下げられロッドセット21と電極板31との間には、例えば、電極板31を覆る程度の面積を有する網[対向面]41が配置される(なお、網41は、耐酸性の材料で形成されていると好ましく、例えば、塩化ビニルまたはポリプロピレンのような樹脂が、材料として挙げられる)。
すなわち、ステント69の外側で、かつそのステント69と電極板31との間に、面状等の網41が配置されることで、ステント69と電極板31との接触が避けられ、確実にステント69が電解研磨される。
その上、ガイドレール23と電極板31との乖離距離は、ガイドレール23につり下げられたロッドセット21のアーム21Aの全長よりも短くなるように、ガイドレール23の配置は調整される。すると、ロッドセット21が搬送される過程で、ステント69の内腔(内側)はロッド21Rに接触し、ステント69の表面(外側)は網41に接触する。その結果、ステント69は、ロッド21R上を回転しつつ、傾斜槽11の研磨液PL中を移動する。すなわち、ロッドセット21につり下げられたステント69は、上流側から下流側へと流れる研磨液PLの入った傾斜槽11内の網41に接触しつつ、下流側から上流側へ移動することにより、流れる研磨液PL中を回転しながら搬送される。
このようにステント69が回転しつつ流れる研磨液PL中を移動すると、ステント69と研磨液PLとの接触が均等になり、均一な研磨がなされやすい。すなわち、実施形態2のステント研磨装置10であっても、実施の形態1同様の作用効果が奏ずる。
なお、実施形態2のステント研磨装置10でも、ロッド21Rとステント69との接触箇所を変化させられる接触箇所可変機構を含むといえる。図5に示すような電解学研磨を行うステント研磨装置10の場合、接触箇所可変機構は、ステント69の内側に配置されてステント69に接触しつつ移動するロッド21Rと、ステント69の外側に配置され、カソードになる電極板31からステント69までの間に介在する網[中間部材]41とである。
また、ロッドセット21および電極板31等のように、電流の流れる部品は、極力簡素化されたものであるため、破損等が起きにくい。
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
例えば、図6に示すように、ロッドセット21におけるロッド21Rに、ギアローラ51が取り付けられるとともに、傾斜槽11に、ギアローラ51に噛み合うラックギア52が取り付けられてもよい。
このようなギアローラ51とラックギア52とが含まれたステント研磨装置10であれば、傾斜槽11の下流側から上流側へと伸びるラックギア52に、ギアローラ51が噛み合うことで回転するので、そのギアローラ51に連なったロッド21Rも回転する。すると、ステント69は、ロッド21R上を回転しつつ、傾斜槽11の研磨液PL中を移動するので、均一に研磨される(すなわち、接触箇所可変機構は、回転するロッド21Rである)。
なお、このようなロッド21Rに取り付けられたギアローラ51と、ギアローラ51を回転させるラックギア52とは(なお、ギアローラ51とラックギア52とを、ロッド回転部とも称する)、研磨の種類の依存することなく、ステント研磨装置10に搭載できる。
また、ロッド回転部は、実施の形態1のステント研磨装置10に搭載されてもよいし、実施の形態2のステント研磨装置10に搭載されてもよい。そして、このようなステント研磨装置10の場合、ステント69が回転しやすくなり、その結果、そのステント69は、一層、均一な研磨がなされやすい。
以下に、比較例と実施例を用いた説明を行うが、これらに限定されるものではない。
(比較例1)
図7に、バッチ式のステント研磨装置110を示す。この装置にて、直径8mm、長さ40mmのNi−Ti製の円筒状ステント69が、ポリプロピレンの研磨槽171に貯められた市販のTi合金用電解研磨液PLに浸されることで、電解研磨された。
なお、電解研磨前のストラット幅は約125μmで、厚さは220μmのため、一般的なアノード接点が使えない。そのため、直径1.0mmのステンレススチール製の金属線をU字に折り曲げた電極棒172が、ステント69の内径に接するように取り付けられ、その電極棒172に対して、電源32のプラス極が電気的に接続する。したがって、電極棒172に支持されたステント69がアノード電極となる。一方で、カソード電極となる銅板173・173が、研磨槽171の側面に取り付けら、電源32のマイナス極が銅板173・173に電気的に接続する。
そして、アノード電極に対して、推奨電圧15Vにて、電源32から直流電流が流され、その電流がカソード電極を通じて電源へと流れる(なお、電流供給時間は12分であった)。また、研磨槽171底面の外側には、マグネチックスターラー175が配置されることで、研磨槽171の電解研磨液PLは撹拌されていた。
(実施例1)
図5に示すステント研磨装置10にて、比較例1と同形状のNi−Ti製ステント69を、比較例1同様、市販されているTi合金用電解研磨液PLにて電解研磨された。
なお、600mmの長さを有する傾斜槽11の傾斜角度は30度に調整され、さらに、ポンプ14Bで汲み上げる電解研磨液PLの流量は、傾斜槽11にて、ステント69を完全に電解研磨液PLに沈められるように調整した。また、回転ローラ22Aの回転数が調製されることで、ローラベルト22で搬送されるロッドセット21(ひいては、ステント69)の搬送速度は、5mm/minに設定されている。
また、電源32のプラス極は、ガイドレール23とロッドセット21とを通じて、ステント69に電気的に接続し、電源32のマイナス極は、傾斜槽11の底面に取り付けられた銅製の電極板(銅板)31に電気的に接続する。
そして、比較例1同様、アノード電極に対して、推奨電圧15Vにて、電源32から直流電流が流され、その電流がカソード電極を通じて電源へと流れる(なお、電流供給時間は12分であった)。また、ステント69は傾斜槽11の下流から上流へ研磨液PL内を約12分で通過させるように設定した。
(評価)
上記比較例1および実施例1に関して、以下の評価を実施した。
(1)ステントの表面検査
ステントを、実体顕微鏡を用いて100倍に拡大して観察し、ステントの外面および内面に研磨不良部がないか評価した。
(2)ステントの寸法評価
ステントのストラットの幅を任意に各40箇所、測定顕微鏡を用いて測定し、測定されたストラット幅の最大値と最小値との差を振れ幅と定義し、それを比較評価した。また、円筒厚さ測定用マイクロメータを用い、ステントの肉厚を各8箇所測定し、最大値と最小値の差を振れ幅と定義し、それを比較評価した。
(評価結果)
ステントの表面検査では、比較例1も実施例1も外面は、ほぼきれいな鏡面光沢を持っていた。しかし、比較例1では、内面側に電極棒の接地面と思われる未研磨面が線上にできており、この部分は鏡面にはなっていなかった。また、線状部のストラットはエッジが残っていた。実施例1の内面は全面に渡り研磨され、エッジが丸くなっており、鏡面光沢を持っていた。
また、寸法評価結果は、表1に示した。
この表1に示した通り、ステントのストラット幅の振れ幅は、実施例1の方が比較例1よりも少ない。これは、ステントと研磨液PLとの相対速度が安定していることが、研磨量の安定に寄与しているためと考えられる。また、カソード電極とステントとの位置も振れ幅の低減に寄与していると思われる。
また、肉厚測定でも、実施例1の方が、比較例1より、振れ幅が少ない結果が得られた。これは、比較例1では研磨の不均一が原因の1つであり、さらなる原因としては、電極棒172に接するステントの部位の研磨が行われていないため、部分的に厚さが不均一になったためと考えられる。以上から、ステント研磨装置10による研磨の安定性が確認できた。
10 ステント研磨装置
11 傾斜槽[研磨液流動部]
11B 傾斜槽の底面[対向面]
12 貯留槽
13 プール槽
14 循環セット
19 流動ユニット
21 ロッドセット
21R ロッド
21A アーム
22 ローラベルト
22A 回転ローラ
22C 爪
23 ガイドレール
31 電極板
32 電源
41 網[対向面、中間部材]
51 ギアローラ
52 ラックギア
69 ステント
PL 研磨液

Claims (7)

  1. ステントを化学研磨または電解研磨するステント研磨装置にあって、
    研磨液を第1方向に流す研磨液流動部と、
    上記研磨液の中に上記ステントを浸し、上記第1方向に対する逆方向である第2方向に、上記ステントを回転させつつ搬送させる搬送部と、
    を含むステント研磨装置。
  2. 上記研磨液流動部は、重力によって上記研磨液を流す傾斜槽である請求項1に記載のステント研磨装置。
  3. 上記搬送部は、上記ステントの内腔に収まりつつ移動することで、上記ステントを搬送するロッドを含み、
    上記ステントが回転させられる場合、
    上記ロッドと上記ステントとの接触箇所を変化させられる接触箇所可変機構が含まれる請求項2に記載のステント研磨装置。
  4. 上記接触箇所可変機構は、上記ステントの内側に配置される上記ロッドと、上記ステントの外側に配置される対向面と、である請求項3に記載のステント研磨装置。
  5. 上記接触箇所可変機構は、回転する上記ロッドである請求項3または4に記載のステント研磨装置。
  6. 研磨が化学研磨の場合、
    上記対向面が、上記傾斜槽の底面である請求項4または5に記載のステント研磨装置。
  7. 研磨が電解研磨の場合、
    上記ロッドがアノードで、
    上記対向面は、カソードになる電極板からステントまでの間に介在する中間部材である請求項4または5に記載のステント研磨装置。
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