以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる。
遊技領域のほぼ中央位置には、可変入賞装置40が設けられている。可変入賞装置40の右側方には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。例えば、「0」〜「9」を示す数字のそれぞれに対して、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号に対して、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
可変入賞装置40の左側方には、普通図柄表示装置20が設けられている。一例として、普通図柄表示装置20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。普通図柄表示装置20は、例えば通過ゲート41を通過した遊技球が図9に示すゲートスイッチ21によって検出されたことを実行条件とする普図ゲームにおいて、普通図柄の可変表示を行う。そして、例えば普通図柄の可変表示結果として「−」を示す記号が表示された場合には「普図ハズレ」となる。その一方で、例えば普通図柄の可変表示結果として「7」を示す数字が表示された場合には「普図当り」となる。
可変入賞装置40の下方には、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、一般入賞口42F、42L、42Rなどが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、例えば図9に示す普通電動役物用ソレノイド55によって垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。特別可変入賞球装置7は、例えば図9に示す第2大入賞口扉用ソレノイド54によって開閉駆動される第2大入賞口扉61を有し、その第2大入賞口扉61によって、第2大入賞口60を第1の状態となる開放状態と第2の状態となる閉鎖状態とに変化させる。一般入賞口42F、42L、42Rはそれぞれ、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図9に示す始動口スイッチ22A、22Bのうち、第1始動口スイッチ22Aによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄の可変表示を実行するための第1始動条件(第1実行条件ともいう)が成立する。
普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図9に示す始動口スイッチ22A、22Bのうち、第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示を実行するための第2始動条件(第2実行条件ともいう)が成立する。普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用ソレノイド55がオン状態であるときに、可動翼片が傾動位置となることにより、通常開放状態に比べて遊技球が第2始動入賞口に進入しやすい第1誘導状態としての拡大開放状態となる。これに対して、普通電動役物用ソレノイド55がオフ状態であるときには、可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しにくい第2誘導状態としての通常開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、第2誘導状態となる通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、第1誘導状態である拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、第2誘導状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動条件が成立しやすい第1誘導状態と第2始動条件が成立しにくい、または、しない第2誘導状態とに変化する始動入賞装置を構成する。
特別可変入賞球装置7に形成された第2大入賞口に進入した遊技球は、例えば図9に示す下部カウントスイッチ28によって検出される。下部カウントスイッチ28によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。特別可変入賞球装置7では、第2大入賞口扉用ソレノイド54がオフ状態であるときに、第2大入賞口扉61が第2大入賞口60を第1の状態としての閉鎖状態にする。他方、第2大入賞口扉用ソレノイド54がオン状態であるときには、第2大入賞口扉61が第2大入賞口60を第2の状態としての開放状態にする。このように、特別可変入賞球装置7は、遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに変化する特定動作を行う変動入賞装置を構成する。
また、特別可変入賞球装置7の内部には、遊技球の検出(V入賞検出)に伴って大当りの継続権を成立させるための検出器である継続入賞検出器が設けられるようにしてもよい。この場合、継続入賞検出器の上部には、一旦V入賞検出があると次に第2大入賞口60が閉鎖状態となってから開放状態となるまでは遊技球が継続入賞検出器を通過しないようにするVシャッターを設けるようにすればよい。Vシャッターは、所定のリンク機構などを介してVシャッター用ソレノイドと連結されていればよい。
一般入賞口42Fに進入した遊技球は、例えば図9に示す一般入賞球スイッチ27F、27L、27Rのうち、第1一般入賞球スイッチ27Fによって検出される。一般入賞口42Lに進入した遊技球は、例えば図9に示す一般入賞球スイッチ27F、27L、27Rのうち、第2一般入賞球スイッチ27Lによって検出される。一般入賞口42Rに進入した遊技球は、例えば図9に示す一般入賞球スイッチ27F、27L、27Rのうち、第3一般入賞球スイッチ27Rによって検出される。一般入賞球スイッチ27F、27L、27Rのいずれかによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
図2(A)及び(B)は、可変入賞装置40の一構成例を拡大して示す図である。可変入賞装置40には、一対の開閉部材となる可動部材として、「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rが、摺動変化可能に設けられている。「左」の第1大入賞口扉32Lは、例えば連係アームといった所定のリンク機構などを介して、図9に示す第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rのうち、「左」の第1大入賞口扉用ソレノイド53Lにおけるコイルに内装されたプランジャなどに連結されている。「右」の第1大入賞口扉32Rは、所定のリンク機構などを介して、図9に示す第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rのうち、「右」の第1大入賞口扉用ソレノイド53Rにおけるコイルに内装されたプランジャなどに連結されている。そして、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rがオン状態であるときには、「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rが、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを、第1の状態としての開放状態にする。他方、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rがオフ状態であるときには、「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rが、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを、第2の状態としての閉鎖状態にする。なお、「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rは、摺動変化可能に構成されたものに限定されず、例えば回動可能に構成されることにより、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを、第1の状態である開放状態と第2の状態である開放状態とに変化させることができるものであればよい。このように、可変入賞装置40は、遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに変化する始動動作を実行することができるように構成されている。
可変入賞装置40の内部には、例えば「左」及び「右」の上部球経路34L、34Rや、特別球経路37、山ステージ38などといった、遊技球が流下や転動をして通過可能な複数の球経路が設けられている。また、可変入賞装置40の左側には、「左」の足模型51Lを備えた「左」の人形模型47Lが設けられており、可変入賞装置40の右側には、「右」の足模型51Rを備えた「右」の人形模型47Rが設けられている。可変入賞装置40の内部に進入した遊技球は、いずれかの球経路を通過した後に、例えば特定領域49や通常領域50などといった、複数の領域のいずれかに進入して、可変入賞装置40の外部へと排出される。このとき、特定領域49に進入した遊技球は、特定領域スイッチ24によって検出される。すなわち、特定領域スイッチ24は、可変入賞装置40に設けられた複数の領域のうち、特定領域49に進入した遊技球を検出する。この実施の形態では、小当り遊技状態における始動動作で「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rにより開放状態となった「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rのいずれかより可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が、特定領域49に進入して特定領域スイッチ24によって検出されたことに対応して、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
可変入賞装置40の上部には、天入賞口39が形成されている。天入賞口39に進入した遊技球は、そのまま遊技盤2の裏面に排出される。このとき、天入賞口39に進入した遊技球は、図9に示す天入賞球スイッチ26によって検出される。天入賞球スイッチ26によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
図2(A)では、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rが閉鎖状態となっており、図2(B)では、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rが開放状態となっている。「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rはそれぞれ、可変入賞装置40の内部と外部とを連通させる開口部であり、図2(B)に示すような開放状態であるときに、遊技球を可変入賞装置40の外部から内部に進入させることができる。「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rのいずれかから可変入賞装置40の内部に進入した遊技球は、図2(B)に示す上部ステージ33上へと誘導される。
図2(C)は、上部ステージ33の一構成例を拡大して示す図である。図2(C)に示すように、上部ステージ33には、「左」、「中」、「右」の振分穴46L、46C、46Rが形成されている。そして、上部ステージ33では、中央部33Cが左側部33Lや右側部33Rに比べて一段高く盛り上がるように形成されている。そのため、上部ステージ33に誘導された遊技球は、「中」の振分穴46Cに振り分けられて進入する可能性よりも、「左」の振分穴46Lや「右」の振分穴46Rに振り分けられて進入する可能性の方が高くなっている。すなわち、「中」の振分穴46Cは、「左」の振分穴46Lや「右」の振分穴46Rに比べて、遊技球が進入しにくくなるように構成されている。
「左」の振分穴46Lに進入した遊技球は、図9に示す上部カウントスイッチ23L、23C、23Rのうち、図2(B)に示す「左」の上部カウントスイッチ23Lによって検出される。「中」の振分穴46Lに進入した遊技球は、上部カウントスイッチ23L、23C、23Rのうち、図2(B)に示す「中」の上部カウントスイッチ23Cによって検出される。「右」の振分穴46Rに進入した遊技球は、上部カウントスイッチ23L、23C、23Rのうち、図2(B)に示す「右」の上部カウントスイッチ23Rによって検出される。このようにして、上部カウントスイッチ23L、23C、23Rはそれぞれ、可変入賞装置40に進入した遊技球を検出する。上部カウントスイッチ23L、23C、23Rのいずれかによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。「左」の振分穴46Lに進入した遊技球と、「右」の振分穴46Rに進入した遊技球は、図2(A)に示す「左」の上部球経路34Lへと誘導される。「中」の振分穴46Cに進入した遊技球は、図2(A)に示す「右」の上部球経路34Rへと誘導される。
図3(A)及び(B)は、「左」の上部球経路34Lへと誘導された遊技球の流れを示す図である。図2(A)や図3(A)及び(B)に示すように、「左」の上部球経路34Lの付近には、装飾模型の一例として、「左」の人形模型47Lが設けられている。「左」の人形模型47Lには、振分部材となる可動部材の一例として、「左」の足模型51Lが取り付けられている。「左」の足模型51Lは、所定のリンク機構などを介して、図9に示す模型用ソレノイド52L、52Rのうち、「左」の模型用ソレノイド52Lにおけるコイルに内装されたプランジャなどに連結されている。なお、「左」の模型用ソレノイド52Lは、「左」の人形模型47Lに取り付けられた「左」の口飾り模型などにも連結され、「左」の足模型51Lと連係して動作させるようにしてもよい。
「左」の模型用ソレノイド52Lがオフ状態であるときには、図3(A)に示すように、「左」の足模型51Lが「左」の上部球経路34Lを流下する遊技球には接触しないよう遊技球の経路よりも上方向に保持される。このとき、「左」の上部球経路34Lを流下した遊技球は、「左」の足模型51Lには接触することなく、下部ステージ35へと振り分けられるように誘導される。「左」の模型用ソレノイド52Lがオン状態であるときには、図3(B)に示すように、「左」の足模型51Lが下方向に移動して、「左」の上部球経路34Lを流下する遊技球と接触する。このとき、「左」の上部球経路34Lを流下した遊技球は、「左」の足模型51Lに接触して、「左」の下部球経路36Lへと振り分けられるように誘導される。
図4(A)及び(B)は、「右」の上部球経路34Rへと誘導された遊技球の流れを示す図である。図2(A)や図4(A)及び(B)に示すように、「右」の上部球経路34Rの付近には、装飾模型の一例として、「右」の人形模型47Rが設けられている。「右」の人形模型47Rには、振分部材となる可動部材の一例として、「右」の足模型51Rが取り付けられている。「右」の足模型51Rは、所定のリンク機構などを介して、図9に示す模型用ソレノイド52L、52Rのうち、「右」の模型用ソレノイド52Rにおけるコイルに内装されたプランジャなどに連結されている。なお、「右」の模型用ソレノイド52Rは、「右」の人形模型47Rに取り付けられた「右」の口飾り模型などにも連結され、「右」の足模型51Rと連係して動作させるようにしてもよい。
「右」の模型用ソレノイド52Rがオフ状態であるときには、図4(A)に示すように、「右」の足模型51Rが「右」の上部球経路34Rを流下する遊技球には接触しないよう遊技球の経路よりも上方向に保持される。このとき、「右」の上部球経路34Rを流下した遊技球は、「右」の足模型51Rには接触することなく、特別球経路37へと振り分けられるように誘導される。特別球経路38を通過する遊技球は、山ステージ38へと誘導される。「右」の模型用ソレノイド52Rがオン状態であるときには、図4(B)に示すように、「右」の足模型51Rが下方向に移動して、「右」の上部球経路34Rを流下する遊技球と接触する。このとき、「右」の上部球経路34Rを流下した遊技球は、「右」の足模型51Rに接触して、「右」の下部球経路36Rへと振り分けられるように誘導される。
山ステージ38の直下方には、振分部材となる可動部材の一例として、図5に示すような回転体45が、図9に示すモータ56の回転軸に取り付けられることにより回転可能に設けられている。回転体45は、パチンコ遊技機1に電源が投入されている間、モータ56の駆動力により一定の速度で常時回転動作(回動)を行うようにしてもよい。あるいは、可変入賞装置40において「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rが「左」及び「右」の第1大入賞口31L、32Rを閉鎖状態から開放状態とすることに対応した所定期間において、モータ56の駆動力により所定の回動態様で回転動作を行い、所定期間が終了するときには、回転動作を停止するようにしてもよい。
図5に示すように、回転体45には、それぞれ遊技球を進入させて保持可能な複数の進入穴が形成されている。図5に示す例では、回転体45に、7つのハズレ穴43A〜43Gと、1つのV穴44とが形成されている。各ハズレ穴43A〜43Gは、回転体45の外周側が閉鎖されたロ字状に形成され、各ハズレ穴43A〜43Gに進入した遊技球を通常領域50へと誘導する。V穴44は、回転体45の外周側が開放されたコ字状に形成され、V穴44に進入した遊技球を特定領域49へと誘導することができる。
図6(A)及び(B)は、山ステージ38から放出された遊技球が、回転体45の上面をハズレ穴43A〜43GやV穴44に進入することなく通過した後、特定領域49に直接進入するように誘導される様子を示している。図7(A)及び(B)は、山ステージ38から放出された遊技球や下部ステージ35を通過した遊技球が、回転体45のV穴44に進入した後、V穴44から放出されて特定領域49に進入するように誘導される様子を示している。図8(A)及び(B)は、回転体45のハズレ穴43A〜43G及びV穴44のいずれかに進入した遊技球や、「左」及び「右」の下部球経路36L、36Rのそれぞれを通過した遊技球が、通常領域50へと誘導される様子を示している。このように、山ステージ38を通過した遊技球は、回転体45の上面を通過して特定領域49に進入することがある。そのため、山ステージ38を通過した遊技球は、下部ステージ35を通過した遊技球に比べて、特定領域49に進入しやすくなる。そして、山ステージ38に誘導される遊技球は「右」の上部球経路34Rを通過した遊技球であるのに対して、下部ステージ35に誘導される遊技球は「左」の上部球経路34Lを通過した遊技球であることから、「右」の上部球経路34Rへと誘導された遊技球の方が、「左」の上部球経路34Lへと誘導された遊技球に比べて、特定領域49に進入しやすくなる。このように、「右」の上部球経路34Rの方が、「左」の上部球経路34Lに比べて、遊技者にとって有利な経路となるように構成されている。
図7(B)に示すように、特定領域49に進入した遊技球は、特定領域スイッチ24によって検出された後、可変入賞装置40から排出されるときに、排出口スイッチ25によって検出される。図8(B)に示すように、通常領域50に進入した遊技球は、特定領域スイッチ24によって検出されることなく、可変入賞装置40から排出されるときに、排出口スイッチ25によって検出される。
可変入賞装置40の入賞空間内において、例えば可変入賞装置40の背面部分などには、画像表示装置5が配置されている。画像表示装置5は、例えば液晶表示器(LCD;Liquid Crystal Display)といった、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行うものであればよい。画像表示装置5には、演出画像を表示する表示領域が形成されている。画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して、例えば3つに分割された飾り図柄可変表示部にて、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、開始条件が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部が配置され、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特図ゲームが実行されることに対応して、各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特別図柄の可変表示が開始されるときには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の可変表示(例えば切換表示やスクロール表示)を開始させ、その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示(導出表示)される。また、、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部は、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部では、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す演出画像であればよい)が、飾り図柄として変動可能に表示される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字のそれぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されていればよい。
画像表示装置5の表示領域において飾り図柄の可変表示が開始されると、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部では、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと切換表示やスクロール表示が行われ、図柄番号が最大の「8」である飾り図柄が表示されると、次に図柄番号が最小の「1」である飾り図柄が表示される。あるいは、図柄番号が大きいものから小さいものへと切換表示やスクロール表示を行って、図柄番号が最小の「1」である飾り図柄が表示されると、次に図柄番号が最大の「8」である飾り図柄が表示されてもよい。飾り図柄の可変表示中には、例えば可変表示結果が「大当り」や「小当り」となることを予告する予告演出画像といった、各種の演出表示を行うための画像が、画像表示装置5の表示領域内において表示されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5の表示領域には、普通入賞球装置6Aに進入した有効進入球数としての第1保留記憶数や普通可変入賞球装置6Bに進入した有効進入球数としての第2保留記憶数を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。具体的な一例として、第1保留記憶数が1加算されたときには、通常青色であった表示部位のうちの1つ(例えば青色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を赤色表示に変化させる。また、第2保留記憶数が1加算されたときには、通常緑色であった表示部位のうちの1つ(例えば緑色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を黄色表示に変化させる。これに対して、第1保留記憶数が1減算されたときには、赤色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば赤色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を青色表示に戻す。また、第2保留記憶数が1減算されたときには、黄色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば黄色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を緑色表示に戻す。あるいは、特別図柄始動記憶表示エリアでは、第1保留記憶数や第2保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、第1保留記憶数や第2保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。あるいは、特別図柄始動記憶表示エリアでは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別することなく、例えば各保留記憶数の加算値に対応する表示が行われるようにしてもよい。
加えて、画像表示装置5の表示領域には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにより実行される特図ゲームにて可変表示される特別図柄を、飾り図柄とは別個に特定可能として表示する特別図柄可変表示エリアが設けられていてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されたことに対応して、特別図柄可変表示エリアにて特別図柄の可変表示に対応した「◎」や「○」、「×」などを示す演出画像の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が終了して確定特別図柄が停止表示されることに対応して、特別図柄可変表示エリアにて確定特別図柄に対応して予め定められた「◎」や「○」、「×」などの演出画像を停止表示すればよい。例えば、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄である場合には特別図柄可変表示エリアに「◎」を停止表示し、小当り図柄である場合には「○」を停止表示し、ハズレ図柄である場合には「×」を停止表示すればよい。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bの上方には、第1特別図柄保留記憶LED15Aと、第2特別図柄保留記憶LED15Bとが設けられている。第1特別図柄保留記憶LED15Aと第2特別図柄保留記憶LED15Bはそれぞれ、例えば4個のLEDを含んで構成されている。第1特別図柄保留記憶LED15Aは、第1保留記憶数を表示する。第2特別図柄保留記憶LED15Bは、第2保留記憶数を表示する。また、普通図柄表示装置20の上方には、普通図柄保留記憶LED15Cが設けられている。普通図柄保留記憶LED15Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない遊技球が取り込まれるアウト口69が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、可変入賞装置40等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。例えば、打球操作ハンドル30は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル30には、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
普通図柄表示装置20による普図ゲームにおいて普通図柄の可変表示を開始させた後、可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、例えば普通電動役物用ソレノイド55をオン状態とすることなどにより、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が、垂直位置にある通常開放状態から傾動位置にある拡大開放状態に変化する。その後、所定時間が経過すると、通常開放状態に戻る。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が進入したことといった、第1特別図柄表示装置4Aにて特別図柄の可変表示を実行するための第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームが終了したことや大当り遊技状態が終了したことといった、特別図柄の可変表示を開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入したことといった、第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の可変表示を実行するための第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームが終了したことや大当り遊技状態が終了したことといった、特別図柄の可変表示を開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて、開始される。このように、第1特別図柄表示装置4Aは、第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、識別情報となる特別図柄を可変表示する第1可変表示手段を構成する。また、第2特別図柄表示装置4Bは、第2始動条件が成立した後に第2開始条件が成立したことに基づいて、識別情報となる特別図柄を可変表示する第2可変表示手段を構成する。ここで、この実施の形態では、例えば第1始動条件と第2始動条件の双方が成立した後に、それぞれに対応する第1開始条件と第2開始条件とがいずれも成立していない場合のように、第1開始条件と第2開始条件の双方を成立させることができる場合に、第2開始条件の方を第1開始条件よりも優先して成立させる。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になると、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になると、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「1」、「2」、「3」、「4」を示す数字を小当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果である確定特別図柄として停止表示される大当り図柄は第1特定表示結果となり、小当り図柄は第1所定表示結果となる。また、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果である確定特別図柄として停止表示される大当り図柄は第2特定表示結果となり、小当り図柄は第2所定表示結果となる。
画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が行われることに対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。そして、特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄となる場合には、飾り図柄の可変表示結果として、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて所定の大当り組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。このような大当り組合せの確定飾り図柄には、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて、「7」を示す英数字といった、同一の飾り図柄が揃って導出表示されるものが含まれていればよい。また、特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となる場合には、飾り図柄の可変表示結果として、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて所定の小当り組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。このような小当り組合せの確定飾り図柄には、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて、「1」、「2」、「3」、「4」を示す英数字のうちいずれか1つといった、大当り組合せを構成する確定飾り図柄とは異なる同一の飾り図柄が揃って導出表示されるものや、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部にそれぞれ「1」、「3」、「5」を示す英数字を停止表示させる場合のように、予め定められた組合せの飾り図柄が導出表示されるものが含まれていればよい。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となったことに基づく小当り遊技状態では、例えば第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rをオフ状態からオン状態に切り換えることなどにより、可変入賞装置40における「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rを摺動させて、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを所定の始動態様で閉鎖状態から開放状態に変化させる。その後、所定時間が経過すると、例えば第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rをオン状態からオフ状態に切り換えることなどにより、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを閉鎖状態に戻す。このような小当り遊技状態で行われる「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rの開閉動作を、始動動作という。例えば、小当り遊技状態では、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを開閉する始動動作が、1回、あるいは2回といった複数回行われる。このように、始動動作は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームでの可変表示結果が第1所定表示結果である「小当り」となったこと、または、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの可変表示結果が第2所定表示結果である「小当り」となったことに対応して、可変入賞装置40における「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを、遊技者にとって不利な第2の状態である閉鎖状態から遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態とした後に、再び第2の状態である閉鎖状態へと変化させる。
始動動作にて開放状態となった「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rのいずれかより可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49に進入して特定領域スイッチ24によって検出された場合には、大当り遊技状態となる。ここで、可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が上部ステージ33にて「中」の振分穴46Cに進入して「右」の上部球経路34Rに振り分けられた場合には、「左」及び「右」の振分穴46L、46Rのいずれかに進入して「左」の上部球経路34Lに振り分けられた場合に比べて、高い確率で特定領域49に進入し、特定領域スイッチ24によって検出される。すなわち、遊技球が「左」の上部球経路34Lに振り分けられた場合に比べて、「右」の上部球経路34Rに振り分けられた場合の方が、小当り遊技状態となった後に大当り遊技状態となる確率が高く、遊技者にとって有利になる。
このように、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となった場合には、始動動作にて開放状態となった「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rのいずれかより可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されたことに対応して、大当り遊技状態とする制御が行われる。他方、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄となった場合には、特定領域49に遊技球が進入したか否かに関わりなく、大当り遊技状態とする制御が行われる。この場合には、可変入賞装置40に設けられた「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを開放状態とすることなく、特別可変入賞球装置7に設けられた第2大入賞口扉61により第2大入賞口60を開放状態とする特定動作が開始されればよい。
大当り遊技状態では、ラウンド遊技として予め定められた動作単位の特定動作が実行可能となり、特別可変入賞球装置7に形成された第2大入賞口60が、第2の状態としての閉鎖状態から第1の状態としての開放状態となる。一例として、特別可変入賞球装置7では、第2大入賞口扉61が第2大入賞口60を閉鎖状態から開放状態へと変化させた後、所定時間(例えば29秒)が経過したこと、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生したことに応じて、第2大入賞口60を開放状態から閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位が、1回のラウンド遊技として定められている。また、大当り遊技状態にてラウンド遊技を繰り返し実行可能(継続可能)な最大継続回数としてのラウンド最大値は、「2」、「8」、「16」のいずれかに決定される。ここで、ラウンド最大値が「16」に決定された大当り遊技状態は、ラウンド最大値が「2」や「8」に決定された大当り遊技状態に比べて、第2大入賞口60に多くの遊技球が入賞することで払い出される賞球の個数を多くすることが可能であり、遊技者にとって有利である。このように、大当り遊技状態には、ラウンド最大値が「2」や「8」に決定された場合のような第1特定遊技状態となる大当り遊技状態と、ラウンド最大値が「16」に決定された場合のような第1特定遊技状態よりも遊技者にとってさらに有利な第2特定遊技状態となる大当り遊技状態とが、含まれている。
大当り遊技状態では、ラウンド最大値に達した最終のラウンド遊技以外の各ラウンド遊技の終了後に、次のラウンド遊技が実行可能となる。このときには、ラウンド遊技の実行中に下部カウントスイッチ28によって遊技球が検出されたこと、あるいは、継続入賞検出器によってV入賞検出がなされたことを、次のラウンド遊技が実行可能となるための条件(ラウンド継続条件)としてもよい。他方、ラウンド最大値に達するまでは、下部カウントスイッチ28や継続入賞検出器によって遊技球が検出されたか否かに関わりなく、ラウンド遊技の終了後に次のラウンド遊技が実行可能となるようにしてもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、通常遊技状態や大当り遊技状態とは異なり、通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利な特別遊技状態としての有利状態に制御されることがある。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や有利状態等の特別遊技状態及び小当り遊技状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御されている。有利状態では、例えば普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率が通常遊技状態よりも向上することや、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となったときに普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片が第2始動入賞口を第1誘導状態としての拡大開放状態とする期間や回数が通常遊技状態よりも増大すること、普図ゲームにて普通図柄の可変表示を開始してから可変表示結果が停止表示されるまでの可変表示時間が通常遊技状態よりも短くなること、これらのいずれかを組み合わせること、あるいは、これらの全てを組み合わせることなどにより、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が通常遊技状態に比べて成立しやすくなればよい。
この実施の形態では、通常遊技状態であるときに、小当り遊技状態に続いて大当り遊技状態に制御されたこと、あるいは、小当り遊技状態に制御されることなく大当り遊技状態に制御されたことに対応して、例えば大当り遊技状態が終了するときに、有利状態への制御が開始される。これに対して、有利状態であるときに、小当り遊技状態に続いて大当り遊技状態に制御されたこと、あるいは、小当り遊技状態に制御されることなく大当り遊技状態に制御されたことに対応して、例えば大当り遊技状態が開始されるときか終了するときのいずれかにて、有利状態への制御が終了する。
パチンコ遊技機1には、例えば図9に示す振動センサ70や磁石センサ71、電波センサ72といった、不正行為や不正動作を感知する各種のセンサが、所定位置に設けられていてもよい。一例として、遊技領域の内部における所定位置に対応した遊技盤2の裏面には、振動センサ70や磁石センサ71、電波センサ72が設けられ、パチンコ遊技機1を振動させることによる不正行為や、磁石または電波を用いた不正行為を感知できるようにしてもよい。振動センサ70は、遊技機用枠3の裏面における所定位置に設けられてもよい。振動センサ70は、例えば可変入賞装置40の内部に遊技球が進入したときに遊技機用枠3を叩いて遊技球の動きに変化を与えて特定領域49に進入させるといった、不正行為により生じる振動を検出する。磁石センサ71は、例えば可変入賞装置40に設けられた特定領域49に磁力で遊技球を誘導すること、あるいは、普通入賞球装置6Aに設けられた第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bに設けられた第2始動入賞口に磁力で遊技球を誘導することといった、不正行為に用いられる磁石を検出する。電波センサ72は、例えば図9に示す始動口スイッチ22A、22Bや上部カウントスイッチ23L、23C、23R、特定領域スイッチ24、下部カウントスイッチ28などの各種スイッチや検出器から出力される検出信号を電波によりオン状態とすることといった、不正行為に用いられる電波を検出する。
加えて、可変入賞装置40において「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rが「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rのそれぞれを開放状態とする際の開放位置や、特別可変入賞球装置7において第2大入賞口扉61が第2大入賞口60を開放状態とする際の開放位置、普通可変入賞球装置6Bにおいて可動翼片が第2始動入賞口を拡大開放状態とする際の傾動位置などには、動作監視用のセンサが設けられていてもよい。一例として、「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rにおける動作監視用のセンサは、「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rのそれぞれにより「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rが開放状態となっているか閉鎖状態となっているかを検出可能にする。そして、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rの駆動が停止されているにもかかわらず、「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rの少なくともいずれかが開放位置にあることが検出された場合には、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rのいずれかが不正に開放状態とされたものとして、エラー判定を行うことができるようにすればよい。
パチンコ遊技機には、例えば図9に示すような主基板11及び演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための信号中継基板13なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11には、遊技盤2に設けられた各スイッチ21、22A、22B、23L、23C、23R、24、25、26、27F、27L、27R、28や各センサ70、71、72からの信号が入力される。主基板11からは、遊技盤2に設けられた各ソレノイド52L、52R、53L、53R、54、55やモータ56を駆動制御するための駆動制御信号が出力される。また、主基板11からは、遊技の進行状況に応じた画像表示制御や電飾制御、効果音出力制御といった演出制御を指示する電気信号としての演出制御コマンドが出力され、演出制御基板12へと伝送される。加えて、主基板11からは、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20等の表示状態を制御するための表示制御信号が出力される。さらに、主基板11からは、所定の情報端子基板などに対して、各種の遊技情報が伝送されるようにしてもよい。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路101、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各種ソレノイドに対する駆動制御信号を出力するソレノイド回路102、モータ56に対する駆動制御信号を出力するモータ駆動回路103などが搭載されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて出力される制御信号としての演出制御コマンドは、信号中継基板13によって中継される。主基板11には、例えば信号中継基板13に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、信号中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する。従って、演出制御基板12や信号中継基板13の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
信号中継基板13を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図10は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図10に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図10に示す例において、コマンド80XXHは、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームとして特別図柄の可変表示を開始するときに送信される可変表示開始コマンドである。なお、XXHは不特定の16進数であるであることを示し、演出制御コマンドによる指令内容に応じて任意に設定される値であればよい。可変表示開始コマンドでは、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンなどに応じて異なるEXTデータが設定される。ここで、可変表示開始コマンドでは、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームが開始されるかに対応して、異なるEXTデータが設定されるようにしてもよい。これにより、演出制御基板12の側では、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームが行われるかに応じて異なる演出態様となるように、画像表示や電飾点灯、効果音出力といった演出動作の制御を行うことができる。
可変表示開始コマンドのMODEデータは、第1保留記憶数や第2保留記憶数などに基づいて決定される特別図柄や飾り図柄の可変表示時間に応じて、「80H」、「81H」、「82H」のいずれかが設定されるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを開始する場合に第1保留記憶数が「0」あるいは「1」であるとき、または、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始する場合に第2保留記憶数が「0」あるいは「1」であるときには、MODEデータを「80H」に設定する。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを開始する場合に第1保留記憶数が「2」であるとき、または、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始する場合に第2保留記憶数が「2」であるときには、MODEデータを「81H」に設定する。また、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを開始する場合に第1保留記憶数が「3」あるいは「4」であるとき、または、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始する場合に第2保留記憶数が「3」あるいは「4」であるときには、MODEデータを「82H」に設定する。
図10に示すコマンドA0XXHは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」になったことに対応して、大当り遊技状態が開始されることを示す大当り開始コマンド(「ファンファーレコマンド」とも称される)である。大当り開始コマンドでは、大当り遊技状態におけるラウンド最大値が「2」、「8」、「16」のいずれに決定されたかに対応して、異なるEXTデータが設定される。また、大当り開始コマンドでは、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームで特別図柄の可変表示結果が「大当り」になったかに対応して、異なるEXTデータが設定されるようにしてもよい。コマンドA100Hは、大当り遊技状態が終了することを示す大当り終了コマンドである。
図10に示すコマンドB0XXHは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「小当り」になったことに対応して、小当り遊技状態が開始されることを示す小当り開始コマンドである。小当り開始コマンドでは、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームで特別図柄の可変表示結果が「小当り」になったかに対応して、異なるEXTデータが設定されるようにしてもよい。これにより、演出制御基板12の側では、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームに基づいて小当り遊技状態が開始されるかに応じて異なる演出態様となるように、画像表示や電飾点灯、効果音出力といった演出動作の制御を行うことができる。コマンドB100Hは、小当り遊技状態が終了することを示す小当り終了コマンドである。
図10に示すコマンドC1XXHは、画像表示装置5に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアなどにて入賞表示を行うために、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に入賞した有効入賞球数となる第1保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドでは、第1保留記憶数に対応して、異なるEXTデータが設定される。コマンドC2XXHは、画像表示装置5に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアなどにて入賞表示を行うために、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に入賞した有効入賞球数となる第2保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第2保留記憶数通知コマンドでは、第2保留記憶数に対応して、異なるEXTデータが設定される。
図11は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100の構成例を示す図である。図11に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)111と、ゲーム制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)112と、CPU111のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)113と、CPU111とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路114と、入出力ポート115とを備えて構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU111がROM112から読み出したプログラムを実行し、RAM113をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
乱数回路114は、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てまたは一部を生成する回路である。図12は、主基板11の側において用いられる乱数値を例示する説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、普図表示結果判定用の乱数値MR2、小当り種別決定用の乱数値MR3、ラウンド数決定用の乱数値MR4が用いられ、これらの乱数値を示す数値データがカウント可能となるように制御される。なお、遊技効果を高めるために、主基板11の側でこれら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR4の全部または一部を示す数値データが、乱数回路114にて更新されればよい。また、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データは、CPU111が乱数回路114とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。乱数回路114は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果を、「大当り」とするか「小当り」とするか「ハズレ」とするかなどの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「299」の範囲の値をとる。すなわち、特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に基づきパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態となるか否かなどの判定を行うために用いられる。
普図表示結果判定用の乱数値MR2は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を、「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「149」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果判定用の乱数値MR2は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果に基づき普通可変入賞球装置6Bにて可動翼片により第2始動入賞口を通常開放状態から拡大開放状態とするか否かなどの判定を行うために用いられる。
小当り種別決定用の乱数値MR3は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果を「小当り」とすることが決定された場合に、小当り遊技状態における始動動作の動作態様などを、予め定められた複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「199」の範囲の値をとる。この実施形態では、複数種類の小当り種別として、第1小当り〜第4小当りの4種類が予め定められている。そして、第1小当り〜第4小当りのいずれに決定されたかに対応して、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間、始動動作により可変入賞装置40の「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rが「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを開放状態とする期間や回数などを、異ならせるように始動動作の制御を行うことができる。
ラウンド数決定用の乱数値MR4は、始動動作にて「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rにより開放状態とされた「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rのいずれかより可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49に進入した場合に、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が継続可能となるラウンド最大値(最大継続回数)を、複数種類のうちから決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「199」の範囲の値をとる。
図11に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM112には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM112には、CPU111が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM112には、CPU111が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄、飾り図柄などの可変表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM112が記憶する判定テーブルには、例えば図13に示す特図表示結果判定テーブル140や、図14に示す普図表示結果判定テーブル141などが含まれている。図13に示す特図表示結果判定テーブル140は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かなどを判定するために参照されるテーブルである。例えば、特図表示結果判定テーブル140は、特図表示結果判定用の乱数値MR1を、大当り判定値データや小当り判定値データ、ハズレ判定値データなどに対応付ける(割り当てる)設定データ(決定用データ)から構成されている。図14に示す普図表示結果判定テーブル141は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどを判定するために参照されるテーブルである。例えば、普図表示結果判定テーブル141は、有利状態フラグがオフ状態であるかオン状態であるかに応じて、普図表示結果判定用の乱数値MR2を、普図当り判定値データやハズレ判定値データなどに対応付ける(割り当てる)設定データ(決定用データ)から構成されている。
ここで、有利状態フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であることに対応してオン状態にセットされる一方で、有利状態が終了することに対応してクリアされてオフ状態となる。そして、図14に示すように、普図表示結果判定テーブル141では、有利状態フラグがオンであるか否かに応じて、普図当り判定値データやハズレ判定値データに対する普図表示結果判定用の乱数値MR2の割当てが異なるように、テーブルデータが構成されている。一例として、有利状態フラグがオン状態である場合には、有利状態フラグがオフ状態である場合に比べて多くの普図表示結果判定用の乱数値MR2が普図当り判定値データに割り当てられている。このような設定により、有利状態であるときに普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率は、通常遊技状態に比べて高くなり、有利状態の方が通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利になる。
ROM112が記憶する決定テーブルには、例えば図15に示す小当り種別決定テーブル142や、図16に示す特図変動パターン決定テーブル143、図17に示すラウンド数決定テーブル144などが含まれている。
図15に示す小当り種別決定テーブル142は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果を「小当り」とする場合に、小当り種別を第1小当り〜第4小当りのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。例えば、小当り種別決定テーブル142は、小当り種別決定用の乱数値MR3を、第1小当り〜第4小当りの各小当り種別、「1」、「2」、「3」、「4」といった小当り図柄となる確定特別図柄、さらには、小当り遊技状態における始動動作を制御するために用いられる小当り制御パターンKP1〜KP4と対応付ける設定データ(決定用データ)などから構成されている。
図16に示す特図変動パターン決定テーブル143は、特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されてから確定特別図柄が停止表示されるまでの変動パターン(特図変動パターン)を決定するために参照されるテーブルである。例えば、特図変動パターン決定テーブル143は、特図変動パターンの種類や、特別図柄の可変表示が開始されてから確定特別図柄が停止表示されるまでの時間である特図変動時間を、特図ゲームにおける表示結果種別である特図表示結果が「大当り」、「第1小当り」〜「第4小当り」、「ハズレ」のいずれであるかに対応して決定するための設定データ(決定用データ)などから構成されている。この実施の形態では、特図変動パターンとなる複数種類の変動パターンとして、大当り、小当りA〜小当りD、ハズレの変動パターンが用意されている。
図17に示すラウンド数決定テーブル144は、始動動作により開放状態となった可変入賞装置40の第1大入賞口31L、31Rに進入した遊技球が特定領域49に進入した場合に、大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技の最大継続回数であるラウンド最大値を決定するために参照されるテーブルである。例えば、ラウンド数決定テーブル144は、変動特図指定フラグの値が“1”と“2”のいずれであるかに応じて、ラウンド数決定用の乱数値MR4を、「2」、「8」、「16」といったラウンド最大値や、大当り遊技状態におけるラウンド遊技を制御するために用いられるラウンド制御パターンRP1〜RP3と対応付ける設定データ(決定用データ)などから構成されている。
ここで、変動特図指定フラグの値は、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが実行されることに対応して“1”に設定され、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが実行されることに対応して“2”に設定される。そして、図17に示すように、ラウンド数決定テーブル144では、変動特図指定フラグの値に応じて、ラウンド最大値に対するラウンド数決定用の乱数値MR4の割当てが異なるように、テーブルデータが構成されている。一例として、変動特図指定フラグの値が“1”である場合には、「2」、「8」、「16」のラウンド最大値のそれぞれに対して、ラウンド数決定用の乱数値MR4が割り当てられている。これに対して、変動特図指定フラグの値が“2”である場合には、「16」のラウンド最大値のみ対してラウンド数決定用の乱数値MR4が割り当てられ、「2」や「8」のラウンド最大値に対しては、ラウンド数決定用の乱数値MR4が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームで特別図柄の可変表示結果が「小当り」となったことに基づく始動動作で可変入賞装置40に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出された場合にはラウンド最大値が「2」、「8」、「16」のいずれかに決定される一方で、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームで特別図柄の可変表示結果が「小当り」となったことに基づく始動動作で可変入賞装置40に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出された場合にはラウンド最大値が「16」に決定される。この点において、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームで特別図柄の可変表示結果が「小当り」となった場合には、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームで特別図柄の可変表示結果が「小当り」となった場合に比べて遊技者にとって有利である。
ROM112が記憶する制御パターンテーブルには、例えば図18(A)に示す普電作動パターンテーブル145Aや、図18(B)に示す小当り制御パターンテーブル145B、図18(C)に示すラウンド制御パターンテーブル145Cなどが含まれている。
図18(A)に示す普電作動パターンテーブル145Aには、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに基づき、普通電動役物用ソレノイド55による普通可変入賞球装置6Bにおける駆動動作の内容を示すデータが、普電作動パターンとして複数種類格納されていればよい。一例として、普電作動パターンテーブル145Aには、2種類の普電作動パターンFA1、FA2が格納されている。普電作動パターンFA1は、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態である通常時に、普図表示結果が「普図当り」に決定された場合に対応して選択されるパターンである。普電作動パターンFA2は、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態である有利時に、普図表示結果が「普図当り」に決定されたことに対応して選択されるパターンである。
例えば、普電作動パターンFA1では、図19に示すように、普通電動役物用ソレノイド55をオン状態とすることにより普通可変入賞球装置6Bにおいて可動翼片が第2始動入賞口を拡大開放状態とする時間である拡大開放時間を、「0.1秒」に設定する。普電作動パターンFA2では、拡大開放時間を「5秒」に設定する。このような設定により、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態である有利時には、通常遊技状態である通常時に比べて、第2始動入賞口が拡大開放状態となる期間が長くなり、遊技球が第2大入賞口に入賞しやすくなる。
図18(B)に示す小当り制御パターンテーブル145Bには、パチンコ遊技機1における遊技状態が小当り遊技状態に制御されている期間における、CPU111による遊技制御用マイクロコンピュータ100での設定内容や、模型用ソレノイド52L、52R、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53R及びモータ56における駆動動作の内容を示すデータが、小当り制御パターンとして複数種類格納されていればよい。一例として、小当り制御パターンテーブル145Bには、第1小当り〜第4小当りからなる4種類の小当り種別のそれぞれに対応して、4種類の小当り制御パターンKP1〜KP4が格納されている。各小当り制御パターンKP1〜KP4は、小当り種別が第1小当り〜第4小当りのそれぞれに決定された場合に対応して選択される。
小当り制御パターンテーブル145Bに格納される複数種類の小当り制御パターンKP1〜KP4はそれぞれ、例えば図20に示すように、各種の判定値と対応付けられた設定データや制御データから構成され、時系列的に、CPU111による遊技制御用マイクロコンピュータ100での設定内容や、模型用ソレノイド52L、52R、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53R及びモータ56における駆動動作の内容といった、始動動作に対応した各種の設定や制御の内容、実行タイミング等を示している。なお、小当り制御パターンは、CPU111による設定や制御の内容と実行タイミング等を、時系列的に示すものに限定されず、時系列に関わりなく列記したものであってもよい。例えば、小当り制御パターンKP1〜KP4はそれぞれ、模型用ソレノイド52L、52R、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53R及びモータ56について、駆動制御信号を生成するタイミングを示すデータや、駆動制御信号の出力を停止するタイミングを示すデータと、駆動制御信号の生成パターンや停止指令を示す制御データとを、個別に対応付けたものであってもよい。
図20に示す小当り制御パターンに示された各判定値(例えば特定入賞有効判定値、第1大入賞口開放開始判定値、模型用ソレノイド駆動判定値#1、モータ駆動開始判定値、模型用ソレノイド停止判定値#1、第1大入賞口開放終了判定値、モータ駆動切換判定値など)は、CPU111によって、図21に示す遊技制御用データ保持エリア150の遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにおけるタイマ値である遊技制御プロセスタイマ値と、比較される。このとき、判定値のいずれかと遊技制御プロセスタイマ値とが合致した場合には、その合致した判定値と対応付けられた設定データや制御データに応じた設定や制御が実行される。こうした小当り制御パターンKP1〜KP4の設定に基づき、小当り遊技状態では、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを始動動作で開放状態とする回数(始動開放回数)や開放時間などが、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄として停止表示された小当り図柄などに応じて、異ならせることができる。
図18(C)に示すラウンド制御パターンテーブル145Cには、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態に制御される期間にて、CPU111による遊技制御用マイクロコンピュータ100での設定内容や、第2大入賞口扉用ソレノイド54における駆動動作の内容を示すデータが、ラウンド制御パターンとして複数種類格納されていればよい。一例として、ラウンド制御パターンテーブル145Cには、大当り遊技状態におけるラウンド最大値が「2」である場合に対応した2ラウンド用のラウンド制御パターンRP1や、ラウンド最大値が「8」である場合に対応した8ラウンド用のラウンド制御パターンRP8、ラウンド最大値が「16」である場合に対応した16ラウンド用のラウンド制御パターンRP16が格納されている。
ラウンド制御パターンテーブル145Cに格納される複数種類のラウンド制御パターンRP1〜RP3はそれぞれ、図21に示す遊技制御用データ保持エリア150の遊技制御カウンタ設定部154に設けられたラウンド数カウンタにおけるカウント値であるラウンド数カウント値を、第2大入賞口60の最大開放時間(上限時間)である第2大入賞口開放時間と対応付ける設定データや制御データなどから構成されている。例えば、各ラウンド制御パターンでは、第2大入賞口開放時間が「29秒」に設定される。
図11に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM113には、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図21に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図21に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されることで第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを実行するための第1始動条件は成立したが、従前の特図ゲームを実行中であるなどの理由により未だ第1開始条件は成立していない特図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、第1特図保留記憶部151Aは、遊技球が第1始動入賞口に進入した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU111により乱数回路114やランダムカウンタなどから抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを、保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されることで第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件は成立したが、従前の特図ゲームを実行中であるなどの理由により未だ第2開始条件は成立していない特図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、第2特図保留記憶部151Bは、遊技球が第2始動入賞口に進入した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU111により乱数回路114やランダムカウンタなどから抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを、保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されることで普通図柄表示装置20による普図ゲームを実行するための実行条件は成立したが、従前の普図ゲームを実行中であるなどの理由により未だ開始条件は成立していない普図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU111により乱数回路114やランダムカウンタなどから抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR2を示す数値データなどを、保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152は、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御フラグ設定部152には、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、変動特図指定フラグ、大当りフラグ、小当りフラグ、有利状態フラグ、特定球検出フラグが設けられている。
特図プロセスフラグは、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの進行等を制御するために実行される図24のステップS16や図27に示す特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普通図柄プロセスフラグは、普通図柄表示装置20による普図ゲームの進行等を制御するために実行される図25のステップS17や図36に示す普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。変動特図指定フラグは、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームが実行されるかを示す。一例として、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定フラグの値が“1”に設定される。また、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定フラグの値が“2”に設定される。そして、特図ゲームが終了したことなどに対応して、変動特図指定フラグの値が“0”に設定される。
大当りフラグは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果を「大当り」とする判定結果に対応してオン状態にセットされる一方で、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄として大当り図柄が導出表示されたことなどに対応してクリアされてオフ状態となる。小当りフラグは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果を「小当り」とする判定結果に対応してオン状態にセットされる一方で、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄として小当り図柄が導出表示されたことなどに対応してクリアされてオフ状態となる。有利状態フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、有利状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。特定球検出フラグは、小当り遊技状態における始動動作で「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rにより開放状態とされた第1大入賞口31L、31Rのいずれかより可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が、特定領域49に進入して特定領域スイッチ24によって検出されたときに、オン状態にセットされる。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153は、各タイマにおけるタイマ値を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御タイマ設定部153には、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマなどが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態もしくは小当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
特図変動タイマは、特図ゲームの実行時間である特図変動時間といった特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
普図変動タイマは、普図ゲームの実行時間である普図変動時間といった普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154は、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御カウンタ設定部154には、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタ、普図保留記憶数カウンタ、残存球数カウンタ、ラウンド数カウンタなどが設けられている。
第1保留記憶数カウンタは、第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの数である第1保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第1保留記憶数カウンタには、第1保留記憶数に対応したカウント値データが、第1保留記憶数カウント値として記憶され、第1保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。第2保留記憶数カウンタは、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの数である第2保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第2保留記憶数カウンタには、第2保留記憶数に対応したカウント値データが、第2保留記憶数カウント値として記憶され、第2保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。普図保留記憶数カウンタは、普図保留記憶部151Cにおける保留データの数である普図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、普図保留記憶数カウンタには、普図保留記憶数に対応したカウント値データが、普図保留記憶数カウント値として記憶され、普図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
残存球数カウンタは、可変入賞装置40の内部に残存している遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、残存球数カウンタには、上部カウントスイッチ23L、23C、23Rのいずれかによって遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、残存球数カウント値としてセットされる。そして、排出口スイッチ25によって遊技球が検出されるごとに、残存球数カウント値が1減算されて更新される。ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数をカウントするためのものである。例えば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技が開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。
図9に示す演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、画像表示装置5の表示動作やスピーカ8L、8Rからの効果音出力動作、遊技効果ランプ9の点灯動作といった各種の演出動作を、主基板11からの演出制御コマンドに応じて制御する。一例として、演出制御基板12には、演出制御用マイクロコンピュータ120と、表示制御部121と、音制御部122と、ランプ制御部123とが搭載されている。
図22は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120の構成例を示す図である。図22に示す演出制御用マイクロコンピュータ120は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、プログラムに従って制御動作を行うCPU131と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM132と、CPU131のワークエリアを提供するRAM133と、CPU131とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路134と、入出力ポート135とを備えている。演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU131がROM132から読み出したプログラムを実行し、RAM133をワークエリアとして用いることで、画像表示装置5などによる演出動作を制御するための処理が実行される。
演出制御用マイクロコンピュータ120のROM132には、CPU131による制御動作において各種の決定や判定、設定を行うために読出可能なデータとして、例えば複数種類の飾り図柄決定テーブルや演出実行決定テーブル、演出制御パターンテーブルといった、各種のテーブルを構成するデータが記憶されている。飾り図柄決定テーブルは、画像表示装置5の表示領域における飾り図柄の可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄などを決定するために用いられるテーブルである。演出実行決定テーブルは、演出制御基板12の側において、所定の演出動作を実行するか否かや、実行する場合における演出動作の態様を示す演出パターンなどを決定するために用いられるテーブルである。演出制御パターンテーブルは、例えば画像表示装置5の表示領域における表示動作といった、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されたテーブルである。各演出制御パターンは、各種の演出動作について設定や制御を行うための設定データや制御データから構成され、時系列的に各種の演出制御の内容や演出制御の切換タイミング等を示すものであればよい。
ROM132が記憶する演出制御パターンテーブルの一例として、図23に示すような演出制御パターンテーブル300が用意されている。例えば、演出制御パターンテーブル300には、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間における、CPU131による演出制御用マイクロコンピュータ120での設定内容、画像表示装置5の表示制御の内容、スピーカ8L、8Rの音声出力制御の内容、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの点灯制御の内容といった、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。また、演出制御パターンテーブル300には、小当り遊技状態あるいは大当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして格納されていてもよい。
各演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードといった、演出動作を制御するための各種データから構成され、時系列的に、画像表示装置5の表示内容やスピーカ8L、8Rからの音声出力内容、遊技効果ランプ9あるいは装飾用LEDの点灯動作内容といった、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されている。
この実施の形態では、特図表示結果が「大当り」、「第1小当り」〜「第4小当り」、「ハズレ」のそれぞれに決定されたことに対応して、互いに異なる演出制御パターン(例えば図23に示す大当り演出制御パターン、第1小当り演出制御パターン〜第4小当り演出制御パターン、ハズレ演出制御パターンなど)が用意されている。これにより、特図表示結果に応じて異なる演出態様で、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応した飾り図柄の可変表示などを実行することができる。
また、この実施の形態では、大当り遊技状態に制御されている期間に用いられる演出制御パターンとして、ラウンド最大値が「2」、「8」、「16」のそれぞれに対応して、互いに異なる演出制御パターン(例えば図23に示す2ラウンドの大当り遊技時演出制御パターン、8ラウンドの大当り遊技時演出制御パターン、16ラウンドの大当り遊技時演出制御パターンなど)が用意されている。
さらに、小当り遊技状態に制御されている期間に用いられる演出制御パターンとして、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのうちいずれの特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に基づき小当り遊技状態に制御されたかに対応して、互いに異なる演出制御パターン(例えば図23に示す第1特図の小当り遊技時演出制御パターン、第2特図の小当り遊技時演出制御パターンなど)が用意されている。これにより、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される第1特図と、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される第2特図のうち、いずれの特別図柄が小当り図柄となったことによる小当り遊技状態であるかに応じて異なる演出態様で、小当り遊技状態における始動動作などに対応した演出を実行することができる。
図22に示す演出制御用マイクロコンピュータ120のRAM133には、演出動作を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。例えば、RAM133には、演出動作状態や演出制御コマンド等に応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータが記憶される演出制御フラグ設定部や、演出制御に用いられる各種のタイマ値を示すデータが記憶される演出制御タイマ設定部、演出制御に用いられる各種のカウント値を示すデータが記憶される演出制御カウンタ設定部、演出制御に用いられる各種のデータが一時的に記憶される演出制御バッファ設定部といった、各種のデータ設定部となる領域が設けられていればよい。
乱数回路134は、演出制御基板12の側において用いられる各種の乱数値の全てまたは一部を生成する回路である。なお、演出制御基板12の側において用いられる各種の乱数値の全てまたは一部は、CPU131が乱数回路134とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントされるようにしてもよい。CPU131により乱数値のカウントを行うことにより、例えば乱数回路134といったハードウェア回路に故障が発生した場合でも、ソフトウェアによる更新によって乱数値のカウントを継続できることから、各種の演出動作が固定的なものになるのを防止できる。そして、CPU131自体に故障が発生した場合には、パチンコ遊技機1における演出動作自体の進行が制御不能となるため、直ちにその故障発生を認識することが可能になる。入出力ポート135は、演出制御用マイクロコンピュータ120に伝送された演出制御コマンド等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、入出力ポート135の出力ポートからは、表示制御部121へと伝送される表示制御信号や、音制御部122やランプ制御部123へと伝送される情報信号などが出力される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部121は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御信号などに基づき、画像表示装置5の表示領域における表示動作の制御を行うためのものである。例えば、表示制御部121では、画像表示装置5の表示領域にて演出画像の切換表示を行わせることなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。
演出制御基板12に搭載された音制御部122では、遊技制御用マイクロコンピュータ120から入力される情報信号としての効果音信号に応じて、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作の制御が行われる。演出制御基板12に搭載されたランプ制御部123では、遊技制御用マイクロコンピュータ120から入力される情報信号としての電飾信号に応じて、遊技効果ランプ9や装飾用LEDによる点灯動作の制御が行われる。なお、音制御部122やランプ制御部123は、演出制御基板12とは別個に設けられた制御基板上に搭載されるように構成されてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板などから電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU111によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU111は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、所定のクリアスイッチが押圧操作されたか否かの判定を行い、押圧操作された場合には、RAM113をクリアした後に所定の作業領域に初期値を設定するなどの初期設定処理が実行される。これに対して、クリアスイッチが押圧操作されていない場合には、RAM113のバックアップ領域における記憶内容などに基づき、チェックサムを算出した結果とチェックサムバッファの内容とが一致した場合などに、主基板11の内部状態をパチンコ遊技機1にて電源断が生じる前の状態に戻すための復旧処理が実行される。なお、チェックサムバッファは、例えば図21に示す遊技制御バッファ設定部155などに設けられ、パチンコ遊技機1の電源断が発生した場合でも、記憶内容が消滅せずに保持されるものであればよい。
また、遊技制御メイン処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU111へと送出され、CPU111は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定や復旧処理が終了すると、割込みを許可した後に、ループ処理に入る。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU111は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図24のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図24に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU111は、まず、所定の電源断処理を実行する(ステップS11)。この電源断処理では、所定の電源確認信号における信号状態をチェックして、電源断判定中以外であればバックアップ監視タイマをクリアする。これに対して、電源断判定中であればバックアップ監視タイマの更新や判定を行い、電源断が発生したか否かを判定する。このとき、電源断が発生すれば、チェックサムバッファの設定や、RAM113をアクセス禁止とする設定、電源確認信号の監視などといった、所定の設定や処理を実行する。
電源断処理に続いて、所定のスイッチ処理を実行する(ステップS12)。このスイッチ処理では、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22A、22B、上部カウントスイッチ23L、23C、23R、特定領域スイッチ24、排出口スイッチ25、天入賞球スイッチ26、一般入賞球スイッチ27F、27L、27R及び下部カウントスイッチ28といった各スイッチの状態を示す検出信号を取り込み、各スイッチにおける検出状態の判定が行われる。例えば、スイッチ処理では、図25のフローチャートに示すような入賞エラー判定処理が実行される。
図25に示す入賞エラー判定処理を開始すると、CPU111は、まず、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値が“3”となっているか否かを判定する(ステップS51)。ここで、特図プロセスフラグの値が“3”であるときには、後述する特別図柄プロセス処理において、小当り遊技状態での各種制御を行うための小当り開放時処理が実行される(図27のステップS113)。小当り遊技状態では、可変入賞装置40に設けられた「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rが「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rのそれぞれによって開放状態となる始動動作が行われ、可変入賞装置40の内部に正常な遊技に基づく遊技球が進入可能となる。これに対して、小当り遊技状態以外の遊技状態では、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rが「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rのそれぞれによって開放状態となる制御は行われないことから、可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が検出された場合には、異常が発生した旨のエラー判定を行うことが望ましい。
そこで、ステップS51にて特図プロセスフラグの値が“3”以外の値であれば(ステップS51;No)、可変入賞装置40の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出するための第1エラー判定処理を実行する。すなわち、CPU111は、上部カウントスイッチ23L、23C、23Rからの検出信号のうちいずれかがオン状態となっているか否かを判定し(ステップS52)、オフ状態であれば(ステップS52;No)、特定領域スイッチ24からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS53)。
ステップS52にて上部カウントスイッチ23L、23C、23Rからの検出信号のうちいずれかがオン状態である場合や(ステップS52;Yes)、ステップS53にて特定領域スイッチ24からの検出信号がオン状態である場合には(ステップS53;Yes)、可変入賞装置40に形成された第1大入賞口31L、31Rが閉鎖状態となってから所定の有効入賞検出期間が経過した後、不適切に可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が検出されたことになる。そこで、これらの場合には、賞球の払出しを禁止するための設定を行う(ステップS54)。例えば、ステップS54の処理において、CPU111は、入出力ポート115に含まれる出力ポートのうち払出制御基板に対して賞球個数信号を送信するための出力ポートをクリアすることにより、賞球個数信号の送信を停止させる。また、CPU111は、遊技制御バッファ設定部155に設けられた賞球個数設定バッファや、入出力ポート115にて賞球個数信号を送信するための出力ポートにつき、制御データの書込みを禁止することにより、賞球数の設定が行われないようにする。さらに、CPU111は、払出制御基板に対して所定の異常報知信号を送信することにより、不適切に検出された遊技球に対する賞球の払出しを停止させるようにしてもよい。なお、特定領域スイッチ24により遊技球が検出されても賞球の払い出しが行われない場合には、ステップS53の処理で特定領域スイッチ24からの検出信号がオン状態であると判定されたときに、ステップS54の処理を実行することなく、ステップS55の処理に進むようにしてもよい。
その後、所定の第1異常報知処理を実行するループ処理に入り(ステップS55)、以後の処理には進まないように制御を行う。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS55の第1異常報知処理では、例えば図26(A)に示すような第1異常報知画面といった所定の報知画面を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、遊技効果ランプ9に含まれる所定の警告ランプを点灯させること、スピーカ8L、8Rから所定の警告音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。
また、ステップS51にて特図プロセスフラグの値が“3”以外の値であるときには、排出口スイッチ25からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定し、オン状態である場合にはステップS55の処理に進むようにしてもよい。これにより、小当り遊技状態以外の遊技状態では、可変入賞装置40の外部へと排出される遊技球を排出口スイッチ25により検出した場合に、異常が発生した旨のエラー判定に対応した異常の報知などを行うことができる。
ステップS51にて特図プロセスフラグの値が“3”である場合や、ステップS53にて特定領域スイッチ24からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS53;No)、特図プロセスフラグの値が“4”以上の値となっているか否かの判定を行う(ステップS56)。ここで、特図プロセスフラグの値が“4”以上であるときには、後述する特別図柄プロセス処理において、大当り遊技状態での各種制御を行うための処理が実行される(図27のステップS114〜S117)。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7に設けられた第2大入賞口60が第2大入賞口扉61により開放状態となるラウンド遊技が行われ、特別可変入賞球装置7の内部に正常な遊技に基づく遊技球が進入可能となる。これに対して、大当り遊技状態以外の遊技状態では、第2大入賞口60が第2大入賞口扉61により開放状態となる制御は行われないことから、特別可変入賞球装置7の内部に進入した遊技球が検出された場合には、異常が発生した旨のエラー判定を行うことが望ましい。
そこで、ステップS56にて特図プロセスフラグの値が“4”未満であれば(ステップS56;No)、特別可変入賞球装置7の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出するための第2エラー判定処理を実行する。すなわち、CPU111は、下部カウントスイッチ28からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS57)。
ステップS57にて下部カウントスイッチ28からの検出信号がオン状態である場合には(ステップS57;Yes)、特別可変入賞球装置7に形成された第2大入賞口60が閉鎖状態となった後、不適切に特別可変入賞球装置7の内部に進入した遊技球が検出されたことになる。そこで、この場合には、ステップS54の処理と同様にして、賞球の払い出しを禁止するための設定を行う(ステップS58)。続いて、所定の第2異常報知処理を実行するループ処理に入り(ステップS59)、以後の処理には進まないように制御を行う。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS59の第2異常報知処理では、例えば図26(B)に示すような第2異常報知画面といった所定の報知画面を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、遊技効果ランプ9に含まれる所定の警告ランプを点灯させること、スピーカ8L、8Rから所定の警告音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。
こうした入賞エラー判定処理では、例えば普通可変入賞球装置6Bが第2誘導状態において第2始動入賞口には遊技球を進入させないように構成されている場合に、第2誘導状態であるにも関わらず第2始動入賞口に進入した遊技球が検出されたことに対応して異常の発生を報知するための処理が実行されてもよい。一例として、図25に示すステップS56にて特図プロセスフラグの値が“4”以上である場合や(ステップS56;Yes)、ステップS57にて下部カウントスイッチ28からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS58;No)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値が“4”となっているか否かの判定を行う。ここで、普図プロセスフラグの値が“4”であるときには、後述する普通図柄プロセス処理において、普通電動役物用ソレノイド55を駆動して普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させることで、第2始動入賞口に遊技球が進入可能となる。これに対して、普図プロセスフラグの値が“4”以外の値である期間では、第2始動入賞口に遊技球が進入可能となる制御は行われないことから、第2始動入賞口に進入した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出された場合には、異常が発生した旨のエラー判定を行うことが望ましい。
そこで、普図プロセスフラグの値が“4”以外の値であれば、第2始動入賞口に進入した遊技球を異常な入賞球として検出するための第3エラー判定処理が実行されればよい。すなわち、CPU111は、普図プロセスフラグの値が“4”以外の値である場合に、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う。これに対して、普図プロセスフラグの値が“4”であれば、入賞エラー判定処理を終了する。普図プロセスフラグの値が“4”以外の値であり、かつ、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態である場合には、第2始動入賞口に遊技球が進入できない期間にて、不適切に第2始動入賞口に進入した遊技球が検出されたことになる。この場合には、ステップS54やステップS58の処理と同様にして、賞球の払い出しを禁止するための設定を行った後、所定の第3異常報知処理を実行するループ処理に入るようにすればよい。このときには、以後の処理に進まないように制御を行う。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。第3異常報知処理では、例えば図26(A)に示す第1異常報知画面や図26(B)に示す第2異常報知画面とは異なる第3異常報知画面を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、遊技効果ランプ9に含まれる所定の警告ランプを点灯させること、スピーカ8L、8Rから所定の警告音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。
ステップS55にて実行される第1異常報知処理やステップS59にて実行される第2異常報知処理、さらに、第3異常報知処理は、電源基板からの電力供給停止時、すなわち電源断が生じるまで、繰返し行われるようにすればよい。この場合、電源断が生じたときには、電源の再投入時にクリアスイッチの押圧操作が行われることにより、RAM113がクリアされた後に初期設定処理が実行されて、異常状態がクリア(解除)されればよい。これに対して、電源断が生じたときには、電源の再投入時にクリアスイッチの押圧操作が行われなくても、異常の報知を終了させるようにしてもよい。これにより、異常状態をクリア(解除)するために特別な信号を主基板11に入力させる必要がないので、不正な信号が入力される可能性を低減することができる。また、クリアスイッチの押圧操作を不要とすることで、例えば球詰まりが生じた場合のように、不正行為以外の原因で各種の入賞口に遊技球を進入させない状態で遊技球が検出された場合でも、遊技状態を初期化する必要がなく復旧させることができるので、遊技者に不利益を与えることがない。
また、ステップS55にて実行される第1異常報知処理やステップS59にて実行される第2異常報知処理、さらに、第3異常報知処理は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで繰返し行われるようにして、その所定時間が経過した後には、自動的に異常状態から復旧できるようにしてもよい。これにより、異常状態が発生したことを遊技場の店員等に対して確実に報知することができる一方で、クリアスイッチの押圧操作や電源の再投入などによりRAM113をクリアしなくても異常状態から復旧させられるので、ノイズ等の原因で異常状態と判定された場合などに、遊技者に与える不利益を軽減することができる。あるいは、ステップS55にて実行される第1異常報知処理やステップS59にて実行される第2異常報知処理、さらに、第3異常報知処理では、例えば演出制御基板12に対してエラーコマンドとなる演出制御コマンドを送信してエラーの発生を報知させた後、ループ処理には入らずに入賞エラー判定処理を終了するようにしてもよい。このようにループ処理には入らずに入賞エラー判定処理を終了する場合には、演出制御基板12の側において、たとえ画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄の可変表示が行われている場合などであっても、主基板11からのエラーコマンドを受信したことに対応して、異常の報知を開始すればよい。この場合には、演出制御基板12の側で異常の報知を開始してからの経過時間を計測し、計測された経過時間が一定時間に達したことに対応して、異常の報知を終了するようにしてもよい。
ステップS51の処理では、「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rにおける動作監視用のセンサによる検出結果に基づき、「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rにより「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rが開放状態となっているか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rが開放状態であると判定されたことに対応してステップS56の処理に進む一方で、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rが閉鎖状態であると判定されたことに対応してステップS52の処理に進めばよい。また、ステップS56の処理では、第2大入賞口扉61における動作監視用のセンサによる検出結果に基づき、第2大入賞口扉61により第2大入賞口60が開放状態となっているか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、第2大入賞口60が開放状態であると判定されたことに対応して入賞エラー判定処理を終了する一方で、第2大入賞口60が閉鎖状態であると判定されたことに対応してステップS57の処理に進めばよい。さらに、第2誘導状態では第2始動入賞口に遊技球を進入させないように構成されている場合には、普図プロセスフラグの値が“4”であるか否かを判定する処理に代えて、普通可変入賞球装置6Bにおける動作監視用のセンサによる検出結果に基づき、第2始動入賞口に遊技球が進入可能な第1誘導状態となっているか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、第1誘導状態であると判定されたことに対応して入賞エラー判定処理を終了する一方で、第1誘導状態ではなく第2誘導状態であると判定されたことに対応して、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する処理に進めばよい。
加えて、ステップS12のスイッチ処理では、遊技盤2の裏面などに設けられた振動センサ70や磁石センサ71、電波センサ72といった各種センサのいずれかが不正行為や不正動作を感知したか否かの判定を行い、感知した旨の判定がなされた場合には、ステップS55の第1異常報知処理やS59の第2異常報知処理と同様に、異常を報知するための処理が実行されるようにしてもよい。また、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rの駆動が停止されている期間にて「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rにおける動作監視用のセンサにより「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rのいずれかが開放状態となっていることが検出された場合や、第2大入賞口扉用ソレノイド54の駆動が停止されている期間にて第2大入賞口扉61における動作監視用のセンサにより第2大入賞口60が開放状態となっていることが検出された場合などにも、ステップS55の第1異常報知処理やステップS59の第2異常報知処理と同様に、異常を報知するための処理が実行されるようにしてもよい。
図24に示すステップS12にてスイッチ処理を実行した後には、表示制御処理が実行される(ステップS13)。この表示制御処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20などにおける表示動作を制御するための駆動信号、第1特別図柄保留記憶LED15Aと第2特別図柄保留記憶LED15Bや普通図柄保留記憶LED15Cにおける表示動作を制御する駆動信号などが、各表示装置やLEDへと出力される。表示制御処理が終了すると、乱数更新処理が実行される(ステップS14)。この乱数更新処理では、各種の乱数値を生成するための数値データを、CPU111がソフトウェアにより更新する。
乱数更新処理の後には、初期値決定用乱数更新処理が実行される(ステップS15)。この初期値決定用乱数更新処理では、各種の乱数値における初期値を決定するために用いられる乱数値を更新する。初期値決定用乱数更新処理が終了すると、特別図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。この特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、その特図プロセスフラグの値に対応して、第1特別図柄表示装置4Aあるいは第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うための各種設定や、可変入賞装置40あるいは特別可変入賞球装置7における大入賞口開閉動作を制御するための各種設定などが行われる。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS17)。この普通図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、その普図プロセスフラグの値に対応して、普通図柄表示装置20による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示を行うための各種設定や、普通電動役物用ソレノイド55の駆動制御により普通可変入賞球装置6Bに設けられた可動翼片を垂直位置あるいは傾動位置とするための各種設定などが行われる。
普通図柄プロセス処理が終了すると、表示コマンド制御処理が実行される(ステップS18)。この表示コマンド制御処理では、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作といった各種の演出動作を制御するために、演出制御コマンドが演出制御基板12に対して送信される。表示コマンド制御処理に続いて、情報出力処理が実行される(ステップS19)。この情報出力処理では、パチンコ遊技機1における各種の遊技情報が、情報端子基板などを介して遊技場に設置されたホール用管理コンピュータへと出力される。情報出力処理の後には、賞球処理が実行される(ステップS20)。この賞球処理では、各スイッチからの検出信号に応じて賞球個数信号を払出制御基板に対して出力することなどにより、賞球数の設定が行われる。具体的な一例として、ステップS20の賞球処理では、第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態である場合には賞球数を「3」とする設定が行われる一方で、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態である場合には賞球数を「4」とする設定が行われる。また、上部カウントスイッチ23L、23C、23Rや転入賞球スイッチ26、一般入賞球スイッチ27F、27L、27Rからの検出信号のうちいずれかがオン状態である場合には賞球数を「10」とする設定が行われる。さらに、下部カウントスイッチ28からの検出信号がオン状態である場合には賞球数を「14」とする設定が行われる。
賞球処理に続いて、試験端子処理が実行される(ステップS21)。この試験端子処理では、例えば普通図柄可変表示中や特別図柄可変表示中における設定、「普図当り」や「大当り」や「小当り」の発生に対応する設定、可変入賞装置40での始動動作中における設定、特別可変入賞球装置7でのラウンド遊技中における設定、普通可変入賞球装置6Bでの普通電動役物用ソレノイド55を駆動中における設定といった各種の設定を示す信号が、所定の試験端子などから出力される。試験端子処理の後には、出力処理が実行される(ステップS22)。この出力処理では、各ソレノイド52L、52R、53L、53R、54、55やモータ56を駆動あるいは停止させるために、駆動制御信号の出力制御を行う。出力処理が終了すると、記憶処理が実行される(ステップS23)。この記憶処理では、例えば第1特別図柄保留記憶LED15Aや第2特別図柄保留記憶LED15B、普通図柄保留記憶LED15Cなどにおける点灯動作を制御するための駆動信号が設定される。
記憶処理の後には、特別図柄表示制御処理が実行される(ステップS24)。この特別図柄表示制御処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作を制御するための駆動信号が設定される。特別図柄表示制御処理が終了すると、普通図柄表示制御処理が実行される(ステップS25)。この普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示装置20における表示動作を制御するための駆動信号が設定される。普通図柄表示制御処理に続いて、状態表示灯制御処理が実行される(ステップS26)。この状態表示灯制御処理では、所定の状態表示灯における表示動作の制御が行われる。状態表示灯制御処理が終了すると、割込み許可状態に設定してから(ステップS27)、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図27は、特別図柄プロセス処理として、図24に示すステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU111は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS100)。図28は、始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図28に示す始動入賞判定処理において、CPU111は、まず、図9に示す始動口スイッチ22A、22Bのうち、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態であれば(ステップS201;Yes)、第1特図保留記憶部151Aに記憶されている保留データの個数である第1保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。
ステップS202にて第1保留記憶数が上限値ではない場合には(ステップS202;No)、例えばCPU111が、乱数回路114やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS203)。そして、抽出した各乱数値を示す数値データを、第1特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの先頭にセットする(ステップS204)。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタにおけるカウント値である第1保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、第1保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS205)。また、CPU111は、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファに第1保留記憶数に対応した制御データをセットすることなどにより、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドとなる所定の演出制御コマンドを送信するための設定を行う(ステップS206)。こうして設定された第1保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図24に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。この第1保留記憶数通知コマンドに応じて、演出制御基板12の側では、画像表示装置5の表示領域に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアにて、第1保留記憶数を特定可能とする演出画像を表示させることができる。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオフ状態である場合や(ステップS201;No)、ステップS202にて第1保留記憶数が上限値となっている場合(ステップS202;Yes)、あるいは、ステップS206の処理を実行した後には、図9に示す始動口スイッチ22A、22Bのうち、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS207)。このとき、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオフ状態であれば(ステップS207;No)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態である場合には(ステップS207;Yes)、第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの個数である第2保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS208)。
ステップS208にて第2保留記憶数が上限値である場合には(ステップS208;Yes)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、ステップS208にて第2保留記憶数が上限値ではない場合には(ステップS208;No)、例えばステップS203の処理と同様にして、特図表示結果判定用の乱数値MR1や小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS209)。そして、抽出した各乱数値を示す数値データを、第2特図保留記憶部151Bにおける空きエントリの先頭にセットする(ステップS210)。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタにおけるカウント値である第2保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、第2保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS211)。その後、CPU111は、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファに第2保留記憶数に対応した制御データをセットすることなどにより、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドとなる所定の演出制御コマンドを送信するための設定を行ってから(ステップS212)、始動入賞判定処理を終了する。こうして設定された第2保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図24に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。この第2保留記憶数通知コマンドに応じて、演出制御基板12の側では、画像表示装置5の表示領域に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアにて、第2保留記憶数を特定可能とする演出画像を表示させることができる。
なお、図28に示すステップS203〜S206の処理とステップS209〜S212の処理は、共通の処理モジュール(処理プログラム)を用いて実行されるようにしてもよい。この場合、ステップS202の処理で第1保留記憶数が上限値ではないと判定されたことに対応して、例えばRAM113における第1特図保留記憶部151Aのアドレスを、CPU111の内部レジスタなどにより構成された保留記憶ポインタにセットする。このときには、例えばROM112などに予め格納された第1保留記憶数通知コマンド送信テーブルのアドレスを、CPU111の内部レジスタなどにより構成されたコマンド送信ポインタにセットする。また、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタのRAM113におけるアドレスを、CPU111の内部レジスタなどにより構成されたカウンタポインタにセットする。他方、ステップS208の処理で第2保留記憶数が上限値ではないと判定されたことに対応して、例えばRAM113における第2特図保留記憶部151Bのアドレスを、保留記憶ポインタにセットする。このときには、例えばROM112などに予め格納された第2保留記憶数通知コマンド送信テーブルのアドレスを、コマンド送信ポインタにセットする。また、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタのRAM113におけるアドレスを、カウンタポインタにセットする。
この後、ステップS203やステップS209の処理として、共通の処理モジュールを実行することにより、特図表示結果判定用の乱数値MR1や小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する。そして、抽出した各乱数値を示す数値データを、保留記憶ポインタにセットされたアドレスに対応する特図保留記憶部(第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bのいずれか)における空きエントリの先頭にセットする。こうして、ステップS204とステップS210の処理が、共通の処理モジュールを用いて実行される。このときには、カウンタポインタにセットされたアドレスに対応する保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタと第2保留記憶数カウンタのいずれか)におけるカウント値を1加算することにより、第1保留記憶数と第2保留記憶数のいずれかを1加算するように更新する。こうして、ステップS205とステップS211の処理が、共通の処理モジュールを用いて実行される。続いて、コマンド送信ポインタにセットされたアドレスに対応するコマンド送信テーブル(第1保留記憶数通知コマンド送信テーブルと第2保留記憶数通知コマンド送信テーブルのいずれか)から読み出したテーブルデータに基づいて送信コマンドバッファに制御データをセットすることなどにより、第1保留記憶数通知コマンドと第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを送信するための設定を行う。こうして、ステップS206とステップS212の処理が、共通の処理モジュールを用いて実行される。以上のような始動入賞判定処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値に応じて、図27に示すステップS110〜S117の各処理を実行する。
このように共通の処理モジュールを用いてステップS203〜S206の処理とステップS209〜S212の処理を実行する場合には、まず、ステップS207の処理やステップS208の処理といった第2始動入賞口に遊技球が進入する場合に対応した処理を実行するとともに、第2始動入賞口に進入した遊技球の検出に応じて保留データを第2特図保留記憶部151Bに記憶させる処理を実行し、その後に、ステップS201の処理やステップS202の処理といった第1始動入賞口に遊技球が進入する場合に対応した処理を実行するとともに、第1始動入賞口に進入した遊技球の検出に応じて保留データを第1特図保留記憶部151Aに記憶させる処理を実行するようにしてもよい。これにより、1回のタイマ割込みに対応して、第1始動入賞口と第2始動入賞口の双方について、遊技球が進入したか否かをチェックすることができ、例えば第1始動入賞口と第2始動入賞口に遊技球が同時に進入した場合などでも、第2開始条件の方を第1開始条件よりも確実に優先して成立させることができる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの判定が行われる。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける停止図柄(大当り図柄、小当り図柄及びハズレ図柄のいずれか)が決定される。そして、特別図柄可通常処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の可変表示を開始することに対応して、可変表示の開始を指示する演出制御コマンドである可変表示開始コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる。
ステップS111の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この特別図柄変動処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が特図変動パターンに対応して定められた特図変動時間に達したか否かの判定が行われる。そして、特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う。このときには、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動が終了することに対応した演出制御コマンドとして、特図変動終了コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行うようにしてもよい。この場合、演出制御基板12の側では、特図変動終了コマンドを受信したことに基づき、特図変動時演出を終了するための設定が行われればよい。あるいは、主基板11から演出制御基板12に対する特図変動終了コマンドの送信は行われないようにしてもよい。この場合、演出制御基板12の側では、可変表示開始コマンドに示された特図変動パターンなどに対応する特図変動時間を特定し、可変表示開始コマンドを受信してからの経過時間が特定された特図変動時間に達したときに、主基板11からの演出制御コマンドを受信しなくても、特別図柄の可変表示に対応して実行される演出を終了するための設定が行われるようにすればよい。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて確定特別図柄を停止表示させるための設定などは、ステップS112の特別図柄停止処理にて行われるようにしてもよい。このような各種設定が行われた後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ここで、特別図柄変動処理では、共通の処理モジュールを用いて第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示を制御する。一例として、特別図柄変動処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた変動特図指定フラグの値が“1”であるか“2”であるかに対応して、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかにより特別図柄を変動させるための設定が行われる。なお、変動特図指定フラグの値は、図29に示すステップS225の処理が実行されることにより“2”に設定される一方で、図29に示すステップS230の処理が実行されることにより“1”に設定される。例えば、変動特図指定フラグの値が“1”である場合には、第1特別図柄表示装置4Aに対応して遊技制御バッファ設定部155に設けられた第1特図選択バッファにおけるバッファ値を更新することなどにより、第1特別図柄表示装置4Aにおける特別図柄の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定フラグの値が“2”である場合には、第2特別図柄表示装置4Bに対応して遊技制御バッファ設定部155に設けられた第2特図選択バッファにおけるバッファ値を更新することなどにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。第1特図選択バッファや第2特図選択バッファにおけるバッファ値は、特別図柄プロセス処理が終了した後に図24に示すステップS24の特別図柄表示制御処理で読み出され、読み出されたバッファ値に対応した駆動信号が第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bに対して伝送されるようにすればよい。
ステップS112の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄停止処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグと小当りフラグのいずれかがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新し、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。また、大当りフラグと小当りフラグがいずれもオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。ここで、特別図柄停止処理では、共通の処理モジュールを用いて第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示を制御する。一例として、特別図柄停止処理では、変動特図指定フラグの値が“1”であるか“2”であるかに対応して、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかにて変動している特別図柄を停止させ、確定特別図柄を導出表示させるための設定が行われればよい。例えば、変動特図指定フラグの値が“1”である場合には、第1特図選択バッファにおけるバッファ値を、ステップS110の特別図柄通常処理で決定された停止図柄を示す値に設定することなどにより、第1特別図柄表示装置4Aに確定特別図柄を停止表示させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定フラグの値が“2”である場合には、第2特図選択バッファにおけるバッファ値を、ステップS110の特別図柄通常処理で決定された停止図柄を示す値に設定することなどにより、第2特別図柄表示装置4Bに確定特別図柄を停止表示させる駆動信号を送信するための設定を行う。こうして第1特図選択バッファや第2特図選択バッファにおけるバッファ値を設定した後には、図24に示すステップS24の特別図柄表示制御処理により読み出されたバッファ値に対応した駆動信号が第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bに対して伝送されることで、確定特別図柄を停止表示させることができる。
ステップS113の小当り開放時処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この小当り開放時処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「小当り」となったことに対応して、可変入賞装置40に設けられた「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを、始動動作により開放状態とするための制御が行われる。また、小当り開放時処理では、小当り制御パターンに従って、各種の設定や制御が実行される。ここで、小当り開放時処理では、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームで特別図柄の可変表示結果が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態における始動動作と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームで特別図柄の可変表示結果が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態における始動動作とを、共通の処理モジュールを用いて制御する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となったことや、始動動作により開放状態となった「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rのいずれかより可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49に進入したことに基づき、大当り遊技状態におけるラウンド遊技を開始するための設定が行われる。例えば、ステップS114の大当り開放前処理では、所定の大当り遊技開始待ち時間が経過するまで待機した後に、遊技制御カウンタ設定部154に設けられたラウンド数カウンタにおけるカウント初期値として、大当り遊技状態において最初のラウンド遊技が実行されることに対応した「1」を設定するとともに、特図プロセスフラグの値を“5”に更新する処理などが実行される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理では、大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技で、例えば第2大入賞口扉用ソレノイド54の駆動を開始するための設定を行うことなどにより、特別可変入賞球装置7に設けられた第2大入賞口60を第2大入賞口扉61によって開放状態とするための設定が行われる。また、大当り開放中処理では、第2大入賞口60を開放状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が大入賞口開放終了判定値に対応した開放終了時間に達したか否かの判定が行われる。さらに、大当り開放中処理では、下部カウントスイッチ28によって検出された遊技球の個数が開放終了判定値に達したか否かの判定なども行われる。そして、経過時間が開放終了時間に達した場合、または、下部カウントスイッチ28によって検出された遊技球の個数が開放終了判定値に達した場合には、例えば第2大入賞口扉用ソレノイド54の駆動を停止するための設定を行うことなどにより、第2大入賞口60を第2大入賞口扉61によって閉鎖状態とするための設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“6”に更新する処理などが実行される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、大当り遊技状態にて次のラウンド遊技に移行するか否かの判定を行い、移行する場合には次のラウンド遊技を開始するための設定が行われる。例えば、大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタにおけるカウント値であるラウンド数カウント値が、最大継続回数としてのラウンド最大値に達しているか否かの判定を行い、達していない場合には、ラウンド数カウント値を1加算するなどして更新するとともに、特図プロセスフラグの値を“5”に更新する処理などが実行される。この場合には、下部カウントスイッチ28によって遊技球が検出されたことや、継続入賞検出器によってV入賞検出がなされたことを、次のラウンド遊技に移行するための条件としてもよい。あるいは、下部カウントスイッチ28や継続入賞検出器により遊技球が検出されたか否かに関わりなく、ラウンド数カウント値がラウンド最大値に達するまでは、次のラウンド遊技に移行できるようにしてもよい。また、ラウンド数カウント値がラウンド最大値に達している場合には、ラウンド数カウンタをクリアして初期化するとともに、演出制御基板12に対して大当り遊技状態の終了に対応した演出制御コマンドとして大当り終了コマンドを送信するための設定や、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理などが実行される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理では、大当り遊技状態の終了時における各種の設定や制御が行われた後に、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。以上のようなステップS114〜S117の処理では、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に基づく大当り遊技状態と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に基づく大当り遊技状態とを、共通の処理モジュールを用いて制御する。
図29は、図27のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す特別図柄通常処理において、CPU111は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部154から第2保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データの個数である第2保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS221)。このとき、第2保留記憶数が「0」以外であれば(ステップS221;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データとを、それぞれ読み出す(ステップS222)。このとき読み出された各乱数値を示す数値データは、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた特図判定バッファなどにセットされればよい。
ステップS222の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2保留記憶数を1減少させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1及び乱数値MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS223)。このときには、例えば送信コマンドバッファに第2保留記憶数に対応した制御データをセットすることなどにより、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドとなる所定の演出制御コマンドを送信するための設定を行う(ステップS224)。その後、変動特図指定フラグの値を“2”に設定する(ステップS225)。
ステップS221にて第2保留記憶数が「0」である場合には(ステップS221;Yes)、例えば遊技制御カウンタ設定部154から第1保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データの個数である第1保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS226)。このとき、第1保留記憶数が「0」であれば(ステップS226;Yes)、特別図柄通常処理を終了する。こうして、ステップS226の処理では、ステップS221の処理で第2保留記憶数が「0」である旨の判定がなされてから、第1保留記憶数が「0」であるか否かの判定が行われる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示を開始するための第2開始条件は、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示を開始するための第1開始条件よりも、優先的に成立することになる。
ステップS226にて第1保留記憶数が「0」以外である場合には(ステップS226;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データとを、それぞれ読み出す(ステップS227)。このとき読み出された各乱数値を示す数値データは、例えば特図判定バッファなどにセットされればよい。続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1保留記憶数を1減少させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1及び乱数値MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS228)。
ステップS228の処理を実行した後には、例えば送信コマンドバッファに第1保留記憶数に対応した制御データをセットすることなどにより、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドとなる所定の演出制御コマンドを送信するための設定を行う(ステップS229)。そして、変動特図指定フラグの値を“1”に設定する(ステップS230)。
なお、図29に示すステップS222〜S224の処理とステップS227〜S229の処理は、共通の処理モジュールを用いて実行されるようにしてもよい。この場合、ステップS221の処理で第2保留記憶数が「0」ではないと判定されたことに対応して、例えばステップS225の処理と同様にして変動特図指定フラグの値を“2”に設定するとともに、RAM113における第2特図保留記憶部151Bのアドレスを、保留記憶ポインタにセットする。このときには、ROM112などに予め格納された第2保留記憶数通知コマンド送信テーブルのアドレスを、コマンド送信ポインタにセットする。また、第2保留記憶数カウンタのRAM113におけるアドレスを、カウンタポインタにセットする。他方、ステップS226の処理で第1保留記憶数が「0」ではないと判定されたことに対応して、例えばステップS230の処理と同様にして変動特図指定フラグの値を“1”に設定するとともに、RAM113における第1特図保留記憶部151Aのアドレスを、保留記憶ポインタにセットする。このときには、ROM112などに予め格納された第1保留記憶数通知コマンド送信テーブルのアドレスを、コマンド送信ポインタにセットする。また、第1保留記憶数カウンタのRAM113におけるアドレスを、カウンタポインタにセットする。
この後、保留記憶ポインタにセットされたアドレスに対応する特図保留記憶部(第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bのいずれか)にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データを読み出し、特図判定バッファなどにセットする。こうして、ステップS222とステップS227の処理が、共通の処理モジュールを用いて実行される。このときには、カウンタポインタにセットされたアドレスに対応する保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタと第2保留記憶数カウンタのいずれか)におけるカウント値を1減算することにより、第1保留記憶数と第2保留記憶数のいずれかを1減算するように更新する。また、保留記憶ポインタにセットされたアドレスに対応する特図保留記憶部(第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bのいずれか)にて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。こうして、ステップS223とステップS228の処理が、共通の処理モジュールを用いて実行される。続いて、コマンド送信ポインタにセットされたアドレスに対応するコマンド送信テーブル(第1保留記憶数通知コマンド送信テーブルと第2保留記憶数通知コマンド送信テーブルのいずれか)から読み出したテーブルデータに基づいて送信コマンドバッファに制御データをセットすることなどにより、第1保留記憶数通知コマンドと第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを送信するための設定を行う。こうして、ステップS224とステップS229の処理が、共通の処理モジュールを用いて実行される。
ステップS225、S230の処理のいずれかを実行した後には、特図判定バッファなどにセットされた特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、図13に示す特図表示結果判定テーブル140を参照することにより、乱数値MR1が大当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS231)。このとき、乱数値MR1が大当り判定値データと合致すれば(ステップS231;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS232)。これに対して、乱数値MR1が大当り判定値データと合致しない場合には(ステップS231;No)、その乱数値MR1が小当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS233)。
ステップS233にて乱数値MR1が小当り判定値データと合致した場合には(ステップS233;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットするとともに(ステップS234)、小当り種別の決定を行う(ステップS235)。ステップS235の処理では、特図判定バッファなどにセットされた小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づき、図15に示す小当り種別決定テーブル142を参照することにより、乱数値MR3に対応した小当り種別を、第1小当り〜第4小当りのうちいずれかに決定する。
ステップS232、S235の処理のいずれかを実行した後には、図16に示す特図変動パターン決定テーブル143を参照することにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果に対応した特図変動パターンを決定する(ステップS236)。例えば、ステップS236の処理では、大当りフラグや小当りフラグがオンであるか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて特図表示結果を特定すればよい。このときには、大当りフラグがオンであれば特図表示結果が「大当り」であると特定し、小当りフラグがオンであればステップS235での処理結果に応じて特図表示結果が「第1小当り」〜「第4小当り」のいずれであるかを特定する。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフであれば特図表示結果が「ハズレ」であると特定する。
ステップS236の処理に続いて、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた確定特別図柄バッファに確定特別図柄を示すデータを記憶させることなどにより、予定停止図柄をセットする(ステップS237)。例えば、ステップS237の処理では、大当りフラグや小当りフラグがオンであるか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて確定特別図柄を特定すればよい。このときには、大当りフラグがオンであれば確定特別図柄が「7」を示す数字といった大当り図柄であることを特定し、小当りフラグがオンであればステップS235での処理結果に応じて確定特別図柄が「1」、「2」、「3」、「4」を示す数字のいずれかといった小当り図柄であることを特定する。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフであれば確定特別図柄が「−」を示す記号といったハズレ図柄であることを特定する。
ステップS237の処理を実行した後には、例えばステップS236の処理で決定した特図変動パターンに対応した特図変動時間を特定し、特定された特図変動時間に対応するタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにセットするといった、特図変動時間の設定を行う(ステップS238)。このとき、特図変動パターンに対応する特図変動時間は、図16に示す特図変動パターン決定テーブル143を参照することなどにより特定できればよい。この場合には、図27に示すステップS111の特別図柄変動処理が実行されるごとに、例えば特図変動タイマの値を1減算するように更新し、その値が「0」になったときに、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。あるいは、ステップS238の処理では、特図変動タイマをクリアすることによりタイマ初期値として「0」をセットするとともに、特図変動時間に対応する特図変動終了判定値を設定するようにしてもよい。この場合には、図27に示すステップS111の特別図柄変動処理が実行されるごとに、例えば特図変動タイマの値を1加算するように更新し、その値が特図変動終了判定値に達したときに、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。
ステップS238にて特図変動時間を設定した後には、主基板11から演出制御基板12に対して可変表示開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS239)。ここで、可変表示開始コマンドは、ステップS231やステップS233の処理にて判定された特図表示結果や、ステップS235の処理にて決定された小当り種別、ステップS236の処理にて決定された特図変動パターン、ステップS238の処理にて設定された特図変動時間などを示す演出制御コマンドであればよい。また、可変表示開始コマンドは、変動特図指定フラグの値に応じて異なるEXTデータが設定されることなどにより、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されるかを示すようにしてもよい。なお、可変表示開始コマンドとは別に、特図表示結果を示す演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するようにしてもよい。ただし、可変表示開始コマンドにより特図表示結果が示されることで、別個に特図表示結果を示す演出制御コマンドを送信する必要がなくなるので、主基板11から演出制御基板12に対して送信する演出制御コマンドの数を削減して、主基板11における制御負担や記憶データの容量を低減することができる。こうして主基板11から演出制御基板12に対して送信された可変表示開始コマンドなどに基づき、画像表示装置5の表示領域における飾り図柄の可変表示などが開始されることになる。
ステップS239の処理を実行した後には、変動特図指定フラグの値に応じて第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特図ゲームにおける特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS240)。一例として、ステップS240の処理では、変動特図指定フラグの値が“1”である場合に、第1特図選択バッファにおけるバッファ値を更新することなどにより、第1特別図柄表示装置4Aにおける特別図柄の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定フラグの値が“2”である場合には、第2特図選択バッファにおけるバッファ値を更新することなどにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。こうしたステップS240の処理に続いて、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS241)、特別図柄通常処理を終了する。
ここで、ステップS231〜S241の処理は、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにて特別図柄の変動が行われるか、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の変動が行われるかに関わりなく、共通の処理モジュールを用いて実行される。すなわち、ステップS231〜S235の処理は、特図判定バッファにおけるバッファ値などに基づいて実行されることから、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームが行われる場合でも、共通の処理として実行することができる。また、ステップS236〜S238の処理は、ステップS231あるいはステップS233の処理における判定結果や、ステップS235の処理における決定結果に基づいて実行されるので、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームが行われる場合でも、共通の処理として実行することができる。さらに、ステップS241の処理も、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームが行われるかに関わりなく、共通の処理として実行することができる。ステップS239やステップS240の処理では、変動特図指定フラグの値に応じた制御や設定を行うことにより、共通の処理モジュールを用いて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の変動と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の変動のそれぞれに対応して、演出制御コマンドを送信するための設定や特別図柄の変動を開始させるための設定などを行うことができる。
図30は、図27のステップS112にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す特別図柄停止処理において、CPU111は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS251)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS251;Yes)、ラウンド最大値が「16」であることに対応したラウンド制御パターンRP3をセットする(ステップS252)。これにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる場合には、ラウンド最大値が「16」の大当り遊技状態に制御されることになる。
ステップS252の処理に続いて、主基板11から演出制御基板12に対して大当り開始コマンドを送信するための設定が行われる(ステップS253)。例えば、ステップS253の処理において、CPU111は、ROM112に記憶された大当り開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータを読み出して送信コマンドバッファにセットする。こうしてステップS253での設定を行った場合には、特別図柄停止処理が終了してから図24に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対して大当り開始コマンドが送信されることになる。
ステップS253における設定に続いて、大当り遊技開始待ち時間の設定を行う(ステップS254)。例えば、ステップS254の処理ではCPU111が、大当り遊技開始待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマへセットする。その後、大当りフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS255)、変動特図指定フラグをクリアして、その値を“0”に更新する(ステップS256)。そして、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS257)、特別図柄停止処理を終了する。
また、ステップS251にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS251;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS258)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS258;Yes)、小当り種別に対応した小当り制御パターンをセットする(ステップS259)。ステップS259の処理では、図29に示すステップS235の処理にて図15に示す小当り種別決定テーブル142を参照することにより決定された小当り種別に対応して、小当り制御パターンKP1〜KP4のいずれかがセットされる。これにより、特図ゲームにおける確定特別図柄が複数種類の小当り図柄のいずれに決定されたか対応して、小当り制御パターンKP1〜KP4のいずれかがセットされることになる。
ステップS259の処理に続いて、変動特図指定フラグの値に応じた小当り開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS260)。例えば、ステップS260の処理では、変動特図指定フラグの値が“1”である場合に、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「小当り」となったことに対応した小当り開始コマンドB001Hを送信するための制御データを、送信コマンドバッファにセットする。これに対して、変動特図指定フラグの値が“2”である場合には、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「小当り」となったことに対応した小当り開始コマンドB002Hを送信するための制御データを、送信コマンドバッファにセットする。こうしてステップS260での設定を行った場合には、特別図柄停止処理が終了してから図24に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対して小当り開始コマンドが送信されることになる。
ステップS260における設定に続いて、小当り遊技制御時間の設定を行う(ステップS261)。例えば、ステップS261の処理ではCPU111が、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、小当り遊技制御時間に対応して予め定められた小当り遊技終了基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットする。このときセットされた小当り遊技終了基準値は、図27に示すステップS113にて実行される小当り開放時処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。例えば、小当り遊技終了基準値は、小当り遊技状態を開始してから、始動動作により開放状態となった「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rより可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49に進入するまでに十分な時間に対応するタイマ基準値であればよい。すなわち、小当り遊技終了基準値は、小当り遊技状態において始動動作により開放状態となった「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rのいずれかに進入した遊技球が、特定領域49に進入した場合に特定領域スイッチ24によって有効に検出されるまでの猶予期間である有効入賞検出期間を示している。加えて、ステップS261の処理では、遊技を停止させるまでの猶予期間に対応した遊技停止判定値の初期設定を行うようにしてもよい。
ステップS261にて小当り遊技制御時間を設定した後には、小当りフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS262)、特図プロセスフラグの値を小当り開放時処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS263)、特別図柄停止処理を終了する。ステップS258にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS258;No)、変動特図指定フラグをクリアして、その値を“0”に更新する(ステップS264)。そして、特図指定フラグの値を“0”に更新してから(ステップS265)、特別図柄停止処理を終了する。
図31及び図32は、図27のステップS113にて実行される小当り開放時処理の一例を示すフローチャートである。この小当り開放時処理において、CPU111は、まず、遊技制御プロセスタイマ値を、例えば1加算することなどにより更新する(図31のステップS271)。遊技制御プロセスタイマ値は、例えば図30に示すステップS261の処理により「0」に設定された後、ステップS271の処理が実行されるごとに更新されることで、小当り遊技状態における経過時間に対応した値を示すことができる。ステップS271の処理に続いて、更新後の遊技制御プロセスタイマ値に対応した各種の設定や制御が行われる。このときには、図30に示すステップS259の処理でセットした小当り制御パターンに従って、各種設定や制御の内容が決定されることになる。
例えば、CPU111は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される第1大入賞口開放開始判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS272)。ここで、小当り遊技状態にて「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを開放状態とする始動動作が複数回実行される場合には、小当り制御パターンにて互いに異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の第1大入賞口開放開始判定値が設定されている。この場合、ステップS272の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の第1大入賞口開放開始判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、第1大入賞口開放開始判定値と合致したとの判定がなされる。
ステップS272にて遊技制御プロセスタイマ値が第1大入賞口開放開始判定値と合致した場合には(ステップS272;Yes)、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rを駆動して、可変入賞装置40に設けられた「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを第1大入賞口扉32L、32Rにより開放状態とする動作の開始設定を行う(ステップS273)。ステップS273の処理では、小当り制御パターンに含まれる第1大入賞口開放開始制御データが示す駆動パターンに従って第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rの駆動を開始する駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS272にて遊技制御プロセスタイマ値が第1大入賞口開放開始判定値と合致しない場合には(ステップS272;No)、ステップS273の処理をスキップする。
この後、CPU111は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される模型用ソレノイド駆動判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS274)。ここで、小当り遊技状態にて「左」の人形模型47Lが備える「左」の足模型51Lと「右」の人形模型47Rが備える「右」の足模型51Rとを、複数回動作させる場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の模型用ソレノイド駆動判定値が設定されている。この場合、ステップS274の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の模型用ソレノイド駆動判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、模型用ソレノイド駆動判定値と合致したとの判定がなされる。
ステップS274にて遊技制御プロセスタイマ値が模型用ソレノイド駆動判定値と合致した場合には(ステップS274;Yes)、「左」及び「右」の足模型51L、51Rのそれぞれに対応して設けられた模型用ソレノイド52L、52Rの駆動を開始する設定を行う(ステップS275)。ステップS275の処理では、小当り制御パターンに含まれる模型用ソレノイド駆動制御データが示す駆動パターンに従って模型用ソレノイド52L、52Rの駆動を開始する駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS274にて遊技制御プロセスタイマ値が模型用ソレノイド駆動判定値と合致しない場合には(ステップS274;No)、ステップS275の処理をスキップする。
続いて、CPU111は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示されるモータ駆動開始判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS276)。例えば、モータ駆動開始判定値は、ステップS272にて最初に「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを開放状態とするための第1大入賞口開放開始判定値と同じ遊技制御プロセスタイマ値を示していてもよい。この場合には、小当り遊技状態における始動動作で「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを開放状態とするタイミングにて、モータ56の駆動による回転体45の回動を開始することができる。
ステップS276にて遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動開始判定値と合致した場合には(ステップS276;Yes)、回転体45をモータ56の駆動力により回動させる動作の開始設定を行う(ステップS277)。例えば、ステップS277の処理では、小当り制御パターンに含まれるモータ駆動開始制御データが示す駆動パターンに従ってモータ56を駆動して、回転体45を所定の回転速度や回転方向で回動させるように、駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS276にて遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動開始判定値と合致しない場合には(ステップS276;No)、ステップS277の処理をスキップする。
そして、CPU111は、第1大入賞口進入時処理を実行することにより、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rのいずれかより可変入賞装置40の内部に遊技球が進入した場合における各種の設定や制御が行われる(ステップS278)。
ステップS278にて第1大入賞口進入時処理を実行した後には、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される模型用ソレノイド停止判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS279)。ここで、小当り遊技状態にて「左」の人形模型47Lが備える「左」の足模型51Lと「右」の人形模型47Rが備える「右」の足模型51Rとを、複数回動作させる場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の模型用ソレノイド停止判定値が設定されている。この場合、ステップS279の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の模型用ソレノイド停止判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、模型用ソレノイド停止判定値と合致したとの判定がなされる。
ステップS279にて遊技制御プロセスタイマ値が模型用ソレノイド停止判定値と合致した場合には(ステップS279;Yes)、模型用ソレノイド52L、52Rの駆動を停止する設定を行う(ステップS280)。ステップS280の処理では、小当り制御パターンに含まれる模型用ソレノイド停止制御データが示す駆動パターンに従って模型用ソレノイド52L、52Rの駆動を停止する駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS279にて遊技制御プロセスタイマ値が模型用ソレノイド停止判定値と合致しない場合には(ステップS279;No)、ステップS280の処理をスキップする。
この後、CPU111は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される第1大入賞口開放終了判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS281)。ここで、小当り遊技状態にて「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを開閉する始動動作が複数回行われる場合には、小当り制御パターンにて互いに異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の第1大入賞口開放終了判定値が設定されている。この場合、ステップS281の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の第1大入賞口開放終了判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、第1大入賞口開放終了判定値と合致したとの判定がなされる。
ステップS281にて遊技制御プロセスタイマ値が第1大入賞口開放終了判定値と合致した場合には(ステップS281;Yes)、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rの駆動を停止して、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを第1大入賞口扉32L、32Rにより閉鎖状態とする動作の設定を行う(ステップS282)。ステップS282の処理では、小当り制御パターンに含まれる第1大入賞口開放終了制御データが示す駆動パターンに従って第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rの駆動を停止する駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS281にて遊技制御プロセスタイマ値が第1大入賞口開放終了判定値と合致しない場合には(ステップS281;No)、ステップS282の処理をスキップする。
続いて、CPU111は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示されるモータ駆動切換判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS283)。ここで、小当り遊技状態にて回転体45の回転速度や回転方向を複数回切り換える場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数のモータ駆動切換判定値が設定されている。この場合、ステップS283の処理では、小当り制御パターンに設定された複数のモータ駆動切換判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、モータ駆動切換判定値と合致したとの判定がなされる。これに対して、小当り遊技状態では回転体45の回転速度や回転方向を切り換えず、一定の回転速度で一定の回転方向に継続して回動させる場合には、小当り制御パターンにてモータ駆動切換判定値が設定されておらず、ステップS283の処理でモータ駆動切換判定値と合致したとの判定がなされない。例えば、モータ駆動切換判定値は、ステップS276にてモータ56の駆動により回転体45の回動を開始するためのモータ駆動開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していればよい。
ステップS283にて遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動切換判定値と合致した場合には(ステップS283;Yes)、回転体45をモータ56の駆動力により回動させる動作の切換設定を行う(ステップS284)。ステップS284の処理では、小当り制御パターンに含まれるモータ駆動切換制御データが示す駆動パターンに従ってモータ56を駆動することにより、回転速度や回転方向を変化させるように、例えば切換設定前の励磁パターンとは異なる励磁パターンを示す制御データを所定の出力ポートにセットすることによる駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS283にて遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動切換判定値と合致しない場合には(ステップS283;No)、ステップS284の処理をスキップする。
そして、CPU111は、遊技制御プロセスタイマ値を小当り遊技終了基準値と比較して、遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達したか否かを判定する(図32のステップS285)。このとき、遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達していなければ(ステップS285;No)、小当り開放時処理を終了する。これに対して、ステップS285にて遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達している場合には(ステップS285;Yes)、残存球数カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS286)。なお、残存球数カウント値は、図31に示すステップS278の第1大入賞口進入時処理にて、後述するステップS502、S506(図33)の処理が実行されることにより、更新される。
ステップS286にて残存球数カウント値が「0」である場合には(ステップS286;Yes)、特定入賞判定処理を実行することにより、小当り遊技状態における有効入賞検出期間にて特定領域49に遊技球が進入したか否かの判定が行われる(ステップS287)。続いて、例えば模型用ソレノイド52L、52Rの駆動を停止させる駆動制御信号を生成することなどにより、模型用ソレノイド52L、52Rの駆動を停止させるための設定を行う(ステップS288)。また、例えばモータ56の駆動を停止させる駆動制御信号を生成することなどにより、モータ56の駆動を停止させるための設定を行う(ステップS289)。その後、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値をクリアするとともに(ステップS290)、変動特図指定フラグをクリアして、その値を“0”に更新してから(ステップS291)、小当り開放時処理を終了する。
ステップS286にて残存球数カウント値が「0」ではない場合には(ステップS286;No)、遊技制御プロセスタイマ値が遊技停止判定値に達したか否かを判定する(ステップS292)。このとき、遊技停止判定値に達していなければ(ステップS292;No)、小当り開放時処理を終了する。これに対して、ステップS292にて遊技停止判定値に達している場合には(ステップS292;Yes)、異常状態である旨を報知する異常報知処理を繰返し実行する(ステップS293)。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS293の異常報知処理では、所定の報知画面を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、遊技効果ランプ9に含まれる所定の警告ランプを点灯させること、スピーカ8L、8Rから所定の警告音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。
ステップS293にて実行される異常報知処理は、電源基板からの電力供給停止時、すなわち電源断が行われるまで、繰返し行われるようにすればよい。この場合、電源断が生じたときには、電源の再投入時にクリアスイッチの押圧操作が行われることにより、RAM113がクリアされた後に初期設定処理が実行されて、異常状態がクリア(解除)されればよい。これに対して、電源断が生じたときには、電源の再投入時にクリアスイッチの押圧操作が行われなくても、異常の報知を終了させるようにしてもよい。これにより、異常状態をクリア(解除)するために特別な信号を主基板11に入力させる必要がないので、不正な信号が入力される可能性を低減することができる。
また、ステップS293にて実行される異常報知処理は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで繰返し行われるようにして、その所定時間が経過した後には、自動的に異常状態から復旧できるようにしてもよい。これにより、異常状態が発生したことを遊技場の店員等に対して確実に報知することができる一方で、クリアスイッチの押圧操作や電源の再投入などによりRAM113をクリアしなくても異常状態から復旧させられるので、ノイズ等の原因で異常状態と判定された場合などに、遊技者に与える不利益を軽減することができる。あるいは、ステップS293の異常報知処理では、例えば演出制御基板12に対してエラーコマンドとなる演出制御コマンドを送信してエラーの発生を報知させた後、ループ処理には入らずに小当り開放時処理を終了するようにしてもよい。あるいは、ステップS292にて遊技制御プロセスタイマ値が遊技停止判定値に達した場合でも、CPU111は異常報知処理を実行しないようにして、演出制御基板12の側で所定時間の経過を検出して、異常を報知するようにしてもよい。一例として、主基板11から演出制御基板12に対しては、上部カウントスイッチ23L、23C、23Rのいずれかによって遊技球が検出されたときに、その遊技球の検出を示す演出制御コマンドとしての上部カウント検出コマンドを送信する。演出制御基板12の側では、上部カウント検出コマンドを受信してからの経過時間を計測し、主基板11からの小当り終了コマンドや大当り開始コマンドを受信することなく、計測された経過時間が所定のエラー判定時間に達したときには、異常の発生を報知するための処理を実行すればよい。この場合、例えば上部カウントスイッチ23L、23C、23Rのいずれかによる遊技球の検出に対応した異常入賞に関しては賞球の払い出しを行い、異常の発生を報知する動作のみが実行されるようにしてもよい。これにより、例えばパチンコ遊技機1を設置する店舗の閉店時において、出球補償を容易に行うことができるようになる。
図33は、図31のステップS278にて実行される第1大入賞口進入時処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す第1大入賞口進入時処理において、CPU111は、まず、上部カウントスイッチ23L、23C、23Rからの検出信号のいずれかがオン状態となっているか否かを判定する(ステップS501)。このとき、上部カウントスイッチ23L、23C、23Rからの検出信号のいずれかがオン状態であれば(ステップS501;Yes)、残存球数カウント値を1加算する(ステップS502)。これに対して、上部カウントスイッチ23L、23C、23Rからの検出信号がいずれもオフ状態である場合には(ステップS501;No)、ステップS502の処理をスキップする。
この後、特定領域スイッチ24からの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS503)。このとき、特定領域スイッチ24からの検出信号がオン状態であれば(ステップS503;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特定球検出フラグをオン状態にセットする(ステップS504)。これに対して、特定領域スイッチ24からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS503;No)、ステップS504の処理をスキップする。
続いて、排出口スイッチ25からの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS505)。このとき、排出口スイッチ25からの検出信号がオフ状態であれば(ステップS505;No)、第1大入賞口進入時処理を終了する。これに対して、排出口スイッチ25からの検出信号がオン状態である場合には(ステップS505;Yes)、残存球数カウント値を1減算してから(ステップS506)、第1大入賞口進入時処理を終了する。
図34は、図32のステップS287にて実行される特定入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。図34に示す特定入賞判定処理において、CPU111は、まず、特定球検出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS521)。このとき、特定球検出フラグがオンであれば(ステップS521;Yes)、特定球検出フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS522)、例えばCPU111が、乱数回路114やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、ラウンド数決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する(ステップS523)。そして、ステップS523にて抽出された数値データに示される乱数値MR4や、変動特図指定フラグの値に基づき、図17に示すラウンド数決定テーブル144を参照することにより、ラウンド最大値を「2」、「8」、「16」のいずれかに決定する(ステップS524)。ここで、図17に示すラウンド数決定テーブル144では、変動特図指定フラグの値が“1”である場合に、ラウンド最大値が「2」、「8」、「16」のいずれかに決定される。これに対して、変動特図指定フラグの値が“2”である場合には、ラウンド最大値が「16」のみに決定される。このようにして、ステップS524の処理では、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームで第2特図の可変表示結果が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態で始動動作により開放状態となった「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rのいずれかに進入した遊技球が特定領域49に進入して特定領域スイッチ24によって検出された場合に、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームで第1特図の可変表示結果が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態で始動動作により開放状態となった「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rのいずれかに進入した遊技球が特定領域49に進入して特定領域スイッチ24によって検出された場合よりも、ラウンド最大値が「16」の大当り遊技状態に制御する割合が高くなるように設定されたラウンド数決定テーブル144を用いて、ラウンド最大値が「2」や「8」の大当り遊技状態とするか、ラウンド最大値が「16」の大当り遊技状態とするかを決定する。
ステップS524にてラウンド最大値を決定したときには、そのラウンド最大値に対応するラウンド制御パターンRP1〜RP3のいずれかを、大当り遊技状態におけるラウンド遊技などを制御するための制御パターンとしてセットする(ステップS525)。続いて、主基板11から演出制御基板12に対して大当り開始コマンドを送信するための設定が行われる(ステップS526)。例えば、ステップS526の処理において、CPU111は、ROM112に記憶された大当り開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータを読み出して送信コマンドバッファにセットする。こうしてステップS526での設定を行った場合には、特定入賞判定処理や小当り開放時処理が終了してから図24に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対して大当り開始コマンドが送信されることになる。
ステップS526における設定の後には、大当り遊技開始待ち時間の設定を行う(ステップS527)。例えば、ステップS527の処理ではCPU111が、大当り遊技開始待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を、遊技制御プロセスタイマへセットする。そして、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS528)、特定入賞判定処理を終了する。
ステップS521にて特定球検出フラグがオフである場合には(ステップS521;No)、小当り遊技状態の終了を示す小当り終了演出コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS529)。例えば、ステップS529の処理において、CPU111は、ROM112に記憶された小当り終了コマンドテーブルを構成するテーブルデータを読み出して送信コマンドバッファにセットする。こうしてステップS529での設定を行った場合には、特定入賞判定処理や小当り開放時処理が終了してから図24に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対して小当り終了コマンドが送信されることになる。続いて、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS530)、特定入賞判定処理を終了する。
このように、特定入賞判定処理は、図32に示すステップS286の処理にて残存球数カウント値が「0」であると判定されたことに対応して実行される。そして、特定入賞判定処理では、例えばステップS528の処理が実行されることにより特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、ステップS530の処理が実行されることにより特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。こうして特定入賞判定処理にて特図プロセスフラグの値が更新されることにより、可変入賞装置40の内部に遊技球が存在しないとの判定に対応して、図25に示すステップS52〜S55の処理が実行可能となり、可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が不適切に検出されたか否かの判定(第1エラー判定処理の実行)を開始させることができる。
図35は、図27のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す大当り終了処理において、CPU111は、まず、所定の大当り終了待ち時間が経過したか否かの判定を行う(ステップS311)。このとき、大当り終了待ち時間が経過していなければ(ステップS311;No)、そのまま大当り終了処理を終了させる。
ステップS311にて大当り終了待ち時間が経過した場合には(ステップS311;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた有利状態フラグがオンであるか否かの判定を行う(ステップS312)。このとき、有利状態フラグがオンであれば(ステップS312;Yes)、有利状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS313)。これに対して、有利状態フラグがオフである場合には(ステップS312;No)、有利状態フラグをオン状態にセットする(ステップS314)。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときに特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果などに基づき大当り遊技状態に制御された場合には、その大当り遊技状態が終了するときに、パチンコ遊技機1における遊技状態を有利状態に制御することができる。他方、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるときに特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果などに基づき大当り遊技状態に制御された場合には、その大当り遊技状態におけるラウンド最大値が「2」、「8」、「16」のいずれであるかに関わりなく有利状態を終了して、大当り遊技状態の終了後には通常遊技状態に制御する。ステップS313、S314の処理のいずれかを実行した後には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS315)、大当り終了処理を終了する。
このように、大当り終了処理では、ステップS311の処理にて大当り終了待ち時間が経過したと判定されたことに対応してステップS315の処理を実行することにより、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。こうして大当り終了処理にて特図プロセスフラグの値が更新されることにより、特別可変入賞球装置7の内部に遊技球が存在しなくなり大当り遊技状態が終了することに対応して、図25に示すステップS57〜S59の処理が実行可能となり、特別可変入賞球装置7の内部に進入した遊技球が不適切に検出されたか否かの判定(第2エラー判定処理の実行)を開始させることができる。
図36は、図24のステップS17にて実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU111は、まず、通過ゲート41に設けられたゲートスイッチ21からの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、通過ゲート41を遊技球が通過したか否かの判定を行う(ステップS131)。遊技球が通過ゲート41を通過してゲートスイッチ21からの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS131;Yes)、ゲート通過時処理を実行する(ステップS132)。他方、ゲートスイッチ21からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS131;No)、ステップS132の処理をスキップする。
ステップS132にて実行されるゲート通過時処理では、まず、普図保留記憶部151Cに記憶されている保留データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球検出は無効として、そのままゲート通過時処理を終了する。これに対して、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、例えばCPU111が、乱数回路114やランダムカウンタにより更新されている数値データのうちから、普図表示結果判定用の乱数値MR2を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値MR2を示す数値データを、普図保留記憶部151Cにおける空きエントリの先頭にセットする。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた普図保留記憶数カウンタにおけるカウント値である普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してもよい。以上のようなゲート通過時処理を実行した後や、ステップS131にてゲートスイッチ58aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普図プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS140〜S144の各処理を実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部151Cに格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示装置20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部151Cに格納された保留データがある場合には、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS141の普通図柄判定処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄判定処理では、普図表示結果判定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果としての普図表示結果を、「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかの判定などが行われる。また、普通図柄判定処理では、普図表示結果に対応する普図変動パターンの決定も行われる。
ステップS142の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示装置20において普通図柄を変動させるための設定が行われる。こうした設定に基づいて変動する普通図柄は、ステップS143の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動が停止して普通図柄の可変表示結果となる普図表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が普図変動パターンに対応して定められた普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。そして、普図変動時間に達したときには、普図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS143の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示装置20にて普通図柄の可変表示結果を停止表示させるための設定が行われる。なお、普通図柄の可変表示結果を停止表示させるための設定は、ステップS142の普通図柄変動処理にて、計測された経過時間が普図変動時間に達したときに、普図プロセスフラグの値を“3”に更新する以前に、行われるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普図表示結果が「普図当り」である場合に、普通可変入賞球装置6Bに対応して設けられた普通電動役物用ソレノイド55を駆動するための設定が行われ、普図プロセスフラグの値が“5”に更新される。他方、普図表示結果が「普図ハズレ」である場合には、普図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS144の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を通常開放状態から拡大開放状態に変化させるための設定などが行われる。例えば、普通電動役物作動処理では、ステップS143の普通図柄停止処理にてセットされた普電作動パターンの設定に応じて、普通電動役物用ソレノイド55を駆動するための駆動制御信号の生成が行われるようにすればよい。また、普通電動役物作動処理では、普通電動役物用ソレノイド55を駆動して第2始動入賞口を拡大開放状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が普電作動パターンに対応した拡大開放時間に達したか否かの判定が行われる。そして、経過時間が拡大開放期間に達した場合には、普通電動役物用ソレノイド55の駆動を停止して可動翼片を傾動位置から垂直位置に戻すことにより、第2始動入賞口を拡大開放状態から通常開放状態に変化させるための設定を行う。このときには、普図プロセスフラグの値を“0”に更新すればよい。
図37は、図36のステップS141にて実行される普通図柄判定処理の一例を示すフローチャートである。図37に示す普通図柄判定処理において、CPU111は、まず、普図保留記憶部151Cにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、普図表示結果判定用の乱数値MR2を示す数値データを読み出す(ステップS331)。このときには、例えば普図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、普図保留記憶数を1減少させるように更新するとともに、普図保留記憶部151Cにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR2を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS332)。
ステップS332の処理に続いて、ステップS332の処理で抽出した数値データに示される乱数値MR2や、有利状態フラグがオフであるかオンであるかなどに基づき、図14に示す普図表示結果判定テーブル141を参照することにより、乱数値MR2が普図当り判定値データと合致するか否かの判定を行う(ステップS333)。ここで、例えば図14に示すように、有利状態フラグがオンである場合には、有利状態フラグがオフである場合に比べて多くの乱数値MR2が普図当り判定値データに割り当てられている。これにより、有利状態フラグがオンである有利状態では、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となりやすくなることで、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となりやすくなって、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすくなる。こうして、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるときには、通常遊技状態であるときに比べて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなる。ステップS333にて乱数値MR2が普図当り判定値データと合致すれば(ステップS333;Yes)、普図当りフラグをオン状態にセットする(ステップS334)。これに対して、乱数値MR2が普図当り判定値データと合致しない場合には(ステップS333;No)、ステップS334の処理をスキップする。
その後、CPU111は、ステップS334の処理における判定結果や、有利状態フラグがオフであるかオンであるかなどに基づき、例えばROM112に予め格納された普図変動パターン決定テーブルを参照することなどにより普図変動パターンを決定し、決定された普図変動パターンに対応して定められた普図変動時間を設定する(ステップS335)。ここで、有利状態フラグがオンである場合には、有利状態フラグがオフである場合に比べて普図変動時間が短くなるように設定されればよい。これにより、有利状態フラグがオンである有利状態では、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となりやすくなって、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすくなる。こうして、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるときには、通常遊技状態であるときに比べて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなる。ステップS335にて普図変動時間を設定した後には、普図プロセスフラグの値を普通図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS336)、普通図柄判定処理を終了する。
図38は、図36のステップS143にて実行される普通図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す普通図柄停止処理において、CPU111は、まず、普図当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS351)。このとき、普図当りフラグがオンであれば(ステップS351;Yes)、普図当りフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS352)、有利状態フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS353)。
ステップS353にて有利状態フラグがオンである場合には(ステップS353;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であることに対応した普電作動パターンFA2をセットする(ステップS354)。これに対して、有利状態フラグがオフである場合には(ステップS353;No)、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であることに対応した普電作動パターンFA1をセットする(ステップS355)。ここで、普電作動パターンFA2では、例えば図19に示すように、普電作動パターンFA1に比べて拡大開放時間が長くなるように設定されている。このように、有利状態フラグがオンである有利状態では、拡大開放時間が長くなることで、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる。こうして、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるときには、通常遊技状態であるときに比べて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなる。ステップS354、S355の処理のいずれかを実行した後には、普図プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS356)、普通図柄停止処理を終了する。また、ステップS351にて普図当りフラグがオフである場合には(ステップS351;No)、普図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS357)、普通図柄停止処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、CPU131が図39のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図39に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU131は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS401)、RAM133のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、乱数更新処理が実行され(ステップS402)、演出制御に用いる各種の乱数値を示す数値データの更新が行われる。続いて、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS403)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU131は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。CPU131は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、演出制御用マイクロコンピュータ120が備える入出力ポート135に含まれる入力ポートのうちで、信号中継基板13を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM133の演出制御バッファ設定部に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、CPU131は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS403にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS403;No)、ステップS402の処理に戻る。他方、ステップS403にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS403;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS404)、コマンド解析処理を実行する(ステップS405)。ステップS405にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS405にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS406)。この演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける点灯動作について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた設定や制御が行われる。
図40は、図39のステップS406にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、CPU131は、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の各処理を実行する。
ステップS170の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始コマンド受信待ち処理は、主基板11からの可変表示開始コマンドを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の飾り図柄可変表示設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この飾り図柄可変表示設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの開始に対応して画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を含めた各種の演出動作を行うために、特図変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の飾り図柄可変表示中処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この飾り図柄可変表示中処理において、CPU131は、RAM133が備える演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データといった演出制御データを読み出す。このとき読み出された演出制御データに従って、例えば表示制御部121に対して送信する表示制御信号の決定や、音制御部122に対して送信する効果音信号の決定、ランプ制御部123に対して送信する電飾信号の決定などといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御が行われる。そして、演出制御パターンから飾り図柄の可変表示の終了を示す終了コードが読み出されると、所定の表示制御信号を表示制御部121に対して送信することなどにより、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を表示させる。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、CPU131は、主基板11から送信された大当り開始コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始コマンドを受信したきには、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」であると判断して、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“5”に更新する。これに対して、主基板11からの大当り開始コマンドを受信することなく、小当り開始コマンドを受信したときには、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「小当り」であると判断して、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り開始コマンドと小当り開始コマンドのいずれも受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「ハズレ」であると判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理は、例えば表示制御部121に対する表示制御信号の出力により小当り遊技状態に対応した演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音制御部122に対する効果音信号の出力によりスピーカ8L、8Rにおける音声出力動作を制御して小当り遊技状態に応じた音声を出力させること、ランプ制御部123に対する電飾信号の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作を制御して小当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を行う。また、小当り中演出処理では、主基板11からの大当り開始コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“5”に更新する。さらに、小当り中演出処理では、主基板11からの小当り終了コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、CPU131は、例えば表示制御部121に対する表示制御信号の出力により大当り遊技状態に対応した演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音制御部122に対する効果音信号の出力によりスピーカ8L、8Rにおける音声出力動作を制御して大当り遊技状態に応じた音声を出力させること、ランプ制御部123に対する電飾信号の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作を制御して大当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、主基板11からの大当り終了コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“6”に更新する。
ステップS176のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、CPU131は、例えば表示制御部121に対する表示制御信号の出力により大当り遊技状態の終了に対応した演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音制御部122に対する効果音信号の出力によりスピーカ8L、8Rにおける音声出力動作を制御して大当り遊技状態の終了に応じた音声を出力させること、ランプ制御部123に対する電飾信号の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作を制御して大当り遊技状態の終了に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせることといった、大当り遊技状態の終了に対応した各種の演出制御を行う。
図41は、図40のステップS173にて実行される特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。図41に示す特図当り待ち処理において、CPU131は、まず、所定の特図当り待ち時間が経過したか否かの判定を行う(ステップS371)。このとき、特図当り待ち時間が経過していなければ(ステップS371;No)、大当り開始コマンドの受信があったか否かの判定を行う(ステップS372)。そして、大当り開始コマンドの受信があった場合には(ステップS372;Yes)、例えば図23に示す演出制御パターンテーブル300に格納された複数種類の大当り遊技時演出制御パターンのうちから、大当り開始コマンドのEXTデータなどから特定されるラウンド最大値に対応したものを選択し、大当り遊技状態における演出制御に用いる演出制御パターンとしてセットする(ステップS373)。その後、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS374)、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS372にて大当り開始コマンドの受信がない場合には(ステップS372;No)、小当り開始コマンドの受信があったか否かの判定を行う(ステップS375)。このとき、小当り開始コマンドの受信があれば(ステップS375;Yes)、例えば図23に示す演出制御パターンテーブル300に格納された複数種類の小当り遊技時演出制御パターンのうちから、小当り開始コマンドのEXTデータなどから特定される第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図のうちいずれの可変表示結果が「小当り」となったかに対応したものを選択し、小当り遊技状態における演出制御に用いる演出制御パターンとしてセットする(ステップS376)。その後、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS377)、特図当り待ち処理を終了する。また、ステップS371にて特図当り待ち時間が経過した場合には(ステップS371;Yes)、演出プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS378)、特図当り待ち処理を終了する。
このように、ステップS376の処理では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図のうちいずれの可変表示結果が「小当り」となったかに対応した小当り遊技時演出制御パターンを複数種類のうちから選択してセットすることで、図40に示すステップS174の小当り中演出処理では、第1特図と第2特図のうちでいずれが「小当り」となったかに応じて異なる演出態様で、小当り遊技状態に対応した演出を実行することができる。一例として、ステップS376の処理で第1特図が「小当り」となったことに対応して図23に示す演出制御パターンテーブル300から第1特図の小当り遊技時演出制御パターンが選択されてセットされた場合には、小当り遊技状態にて可変表示装置40が始動動作により閉鎖状態から開放状態に変化することに対応した演出として、図42(A)に示すような第1特図小当り時の演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させる。これに対して、ステップS376の処理で第2特図が「小当り」となったことに対応して図23に示す演出制御パターンテーブル300から第2特図の小当り遊技時演出制御パターンが選択されてセットされた場合には、小当り遊技状態にて可変表示装置40が始動動作により閉鎖状態から開放状態に変化することに対応した演出として、図42(B)に示すような第2特図小当り時の演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させる。また、スピーカ8L、8Rにおける効果音出力、あるいは、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作といった、画像表示装置5の表示領域における表示動作とは異なる演出動作についても、第1特図と第2特図のうちでいずれが「小当り」となったかに応じて異なる演出態様となるように、ステップS376の処理でセットされた演出制御パターンに従った演出制御が行われるようにすればよい。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。ここではまず、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「第1小当り」〜「第4小当り」のいずれかとなることに対応して小当り遊技状態に制御される場合における制御例について説明する。この例では、遊技球が普通入賞球装置6Aに設けられた第1始動入賞口に進入して第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示が行われ、その可変表示結果が「小当り」となるものとする。
図43は、第1特図の可変表示結果が「第1小当り」に対応した小当り図柄としての「1」を示す数字となる場合において、普通入賞球装置6Aに対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aの動作タイミングや、第1特別図柄表示装置4A、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53R、模型用ソレノイド52L、52Rの制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図43(A)〜(D)では、横軸が時間の経過を示している。
普通入賞球装置6Aが形成する第2始動入賞口に進入した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出され、図43(A)に示すように第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態となったことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始され、第1特図の可変表示が行われる。このとき、図29に示すステップS233にて乱数値MR1が小当り判定値データと合致したとの判定結果に基づき、ステップS235の処理にて図15に示す小当り種別決定テーブル142を参照することで、小当り種別が第1小当りに決定される。この場合、ステップS236の処理では、図16に示す特図変動パターン決定テーブル143を参照することにより、第1小当りに対応する特図変動パターンとして「小当りA」の特図変動パターンが決定される。この「小当りA」の特図変動パターンが決定された場合には、ステップS238の処理により、特図ゲームにて特別図柄の変動を開始してから確定特別図柄を導出表示して特図ゲームを終了するまでの特図変動時間が「1.2秒」に設定される。
これらの決定や設定に基づき、第1特別図柄表示装置4Aでは、例えば図43(B)に示すように、第1特図の変動を開始してから1.2秒が経過したときに、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了する。このときには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「第1小当り」に対応した小当り図柄としての「1」を示す数字となる。こうして特図表示結果が「第1小当り」となる特図ゲームが終了すると、第1小当り時用の小当り制御パターンKP1で定められた駆動パターンに従って、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rや模型用ソレノイド52L、52R、モータ56などの駆動制御が開始される。第1小当り時用の小当り制御パターンKP1は、図30に示すステップS259の処理にて、特図表示結果(小当り種別)が「第1小当り」であることに対応して決定される。
第1小当り時用の小当り制御パターンKP1による設定に基づき、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rは第1の開閉駆動パターンで駆動される。この第1の開閉駆動パターンでは、例えば図31に示すステップS272の処理で遊技制御プロセスタイマ値が第1大入賞口開放開始判定値と合致したことに対応して(ステップS272;Yes)、図43(C)に示すように、特図ゲームが終了してから特図表示結果を示す確定特別図柄を停止表示しておく時間などに対応する所定の待機時間(例えば0.5秒)が経過した後に、始動開放回数が「1」で開放時間が「1秒」となるように、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rの駆動制御が開始される(ステップS273)。こうして、可変入賞装置40に設けられた「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rは、始動開放回数が「1」で開放時間が「1秒」となる始動動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化した後、図31に示すステップS281の処理で遊技制御プロセスタイマ値が第1大入賞口開放終了判定値と合致したことに対応して(ステップS281;Yes)、閉鎖状態に戻る(ステップS282)。また、模型用ソレノイド52L、52Rは第1の振分駆動パターンで駆動される。この第1の振分駆動パターンでは、例えば図43(D)に示すように、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rの駆動が開始されて「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rが開放状態となるタイミングから1秒が経過するまでは模型用ソレノイド52L、52Rの駆動を停止する。このときには、「左」の上部球経路34Lを流下する遊技球に「左」の足模型51Lが接触しないよう保持して下部ステージ35へ遊技球を振り分けるとともに、「右」の上部球経路34Rを流下する遊技球に「右」の足模型51Rが接触しないよう保持して特別球経路37や山ステージ38へ遊技球を振り分ける。
その後、例えば図31に示すステップS274の処理で遊技制御プロセスタイマ値が模型用ソレノイド駆動判定値と合致したことに対応して(ステップS274;Yes)、1秒間にわたり模型用ソレノイド52L、52Rを駆動させる。これにより、「左」の足模型51Lが下方向に移動して「左」の上部球経路34Lを流下する遊技球に接触させ、遊技球を「左」の下部球経路36Lへと振り分ける。また、「右」の足模型51Rが下方向に移動して「右」の上部球経路34Rを流下する遊技球に接触させ、遊技球を「右」の下部球経路36Rへと振り分ける。モータ56は、例えば図31に示すステップS276の処理で遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動開始判定値と合致したことに対応して(ステップS276;Yes)、駆動が開始される(ステップS277)。これにより、回転体45が所定の回転速度と回転方向で回動を開始する。その後、例えば図31に示すステップS283の処理で遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動切換判定値と合致したことに対応して(ステップS283;Yes)、モータ56の回転速度や回転方向などを切り換える。
図44は、第1特図の可変表示結果が「第2小当り」に対応した小当り図柄としての「2」を示す数字となる場合において、普通入賞球装置6Aに対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aの動作タイミングや、第1特別図柄表示装置4A、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53R、模型用ソレノイド52L、52Rの制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図44(A)〜(D)でも、横軸が時間の経過を示している。
この例では、図44(A)に示すように第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態となったことに基づき、図29に示すステップS235の処理において小当り種別が第2小当りに決定される。そして、ステップS236の処理では、第2小当りに対応する特図変動パターンとして「小当りB」の特図変動パターンが決定される。この「小当りB」の特図変動パターンが決定された場合には、ステップS238の処理により、特図変動時間が「4.1秒」に設定される。これらの決定や設定に基づき、第1特別図柄表示装置4Aでは、例えば図44(B)に示すように、第1特図の変動を開始してから4.1秒が経過したときに、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了する。このときには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「第2小当り」に対応した小当り図柄としての「2」を示す数字となる。こうして特図表示結果が「第2小当り」となる特図ゲームが終了すると、第2小当り時用の小当り制御パターンKP2で定められた駆動パターンに従って、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rや模型用ソレノイド52L、52R、モータ56などの駆動制御が開始される。
第2小当り時用の小当り制御パターンKP2による設定に基づき、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rは第2の開閉駆動パターンで駆動される。この第2の開閉駆動パターンでは、例えば図44(C)に示すように、特図ゲームが終了してから所定の待機時間(例えば0.5秒)が経過した後に、始動開放回数が「1」で開放時間が「2秒」となるように、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rの駆動制御が開始される。こうして、可変入賞装置40に設けられた「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rは、始動開放回数が「1」で開放時間が「2秒」となる始動動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化した後、閉鎖状態に戻る。また、模型用ソレノイド52L、52Rは第2の振分駆動パターンで駆動される。この第2の振分駆動パターンでは、例えば図44(D)に示すように、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rの駆動が開始されて「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rが開放状態となるタイミングから1秒が経過するまでは模型用ソレノイド52L、52Rの駆動を停止する。このときには、「左」の上部球経路34Lを流下する遊技球に「左」の足模型51Lが接触しないよう保持して下部ステージ35へ遊技球を振り分けるとともに、「右」の上部球経路34Rを流下する遊技球に「右」の足模型51Rが接触しないよう保持して特別球経路37や山ステージ38へ遊技球を振り分ける。
その後、第1の振分駆動パターンにおける1秒間よりも長い5秒間にわたり模型用ソレノイド52L、52Rを駆動させる。これにより、「左」の足模型51Lが下方向に移動して「左」の上部球経路34Lを流下する遊技球に接触させ、遊技球を「左」の下部球経路36Lへと振り分ける。また、「右」の足模型51Rが下方向に移動して「右」の上部球経路34Rを流下する遊技球に接触させ、遊技球を「右」の下部球経路36Rへと振り分ける。このように、特図表示結果が「第2小当り」となったことに基づく小当り遊技状態では、特図表示結果が「第1小当り」となったことに基づく小当り遊技状態に比べて、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rの開放時間や、模型用ソレノイド52L、52Rを駆動する時間などが、異なるように制御される。また、小当り種別が第2小当りに決定された場合には、特図変動時間が「4.1秒」に設定され、小当り種別が第1小当りに決定された場合における特図変動時間「1.2秒」とは異なるものになる。このようにして、小当り遊技状態における始動動作の制御パターンを多様化して、いずれの制御パターンで始動動作が行われるかに応じて遊技者に異なる期待感を与えることで、遊技興趣を向上させることができる。
図45は、第1特図の可変表示結果が「第3小当り」に対応した小当り図柄としての「3」を示す数字となる場合において、普通入賞球装置6Aに対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aの動作タイミングや、第1特別図柄表示装置4A、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53R、模型用ソレノイド52L、52Rの制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図45(A)〜(D)でも、横軸が時間の経過を示している。
この例では、図45(A)に示すように第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態となったことに基づき、図29に示すステップS235の処理において小当り種別が第3小当りに決定される。そして、ステップS236の処理では、第3小当りに対応する特図変動パターンとして「小当りC」の特図変動パターンが決定される。この「小当りC」の特図変動パターンが決定された場合には、ステップS238の処理により、特図変動時間が「5.5秒」に設定される。これらの決定や設定に基づき、第1特別図柄表示装置4Aでは、例えば図45(B)に示すように、第1特図の変動を開始してから5.5秒が経過したときに、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了する。このときには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「第3小当り」に対応した小当り図柄としての「3」を示す数字となる。こうして特図表示結果が「第3小当り」となる特図ゲームが終了すると、第3小当り時用の小当り制御パターンKP3で定められた駆動パターンに従って、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rや模型用ソレノイド52L、52R、モータ56などの駆動制御が開始される。
第3小当り時用の小当り制御パターンKP3による設定に基づき、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rは第3の開閉駆動パターンで駆動される。この第3の開閉駆動パターンでは、例えば図45(C)に示すように、特図ゲームが終了してから所定の待機時間(例えば0.5秒)が経過した後に、始動開放回数が「2」で開放時間が「1秒」となるように、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rの駆動制御が開始される。こうして、可変入賞装置40に設けられた「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rは、始動開放回数が「2」で開放時間が「1秒」となる始動動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化した後、閉鎖状態に戻る。また、模型用ソレノイド52L、52Rは第1の振分駆動パターンと同様に、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rの駆動が開始されて「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rが開放状態となるタイミングから1秒が経過するまでは駆動が停止され、その後、1秒間にわたり駆動される。このように、特図表示結果が「第3小当り」となったことに基づく小当り遊技状態では、特図表示結果が「第1小当り」や「第2小当り」となったことに基づく小当り遊技状態に比べて、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rの開放時間や開放回数と模型用ソレノイド52L、52Rを駆動する時間との組合せなどが、異なるように制御される。また、小当り種別が第3小当りに決定された場合には、特図変動時間が「5.5秒」に決定され、小当り種別が第1小当りや第2小当りに決定された場合における特図変動時間とは異なるものになる。このようにして、小当り遊技状態における始動動作の制御パターンを多様化して、いずれの制御パターンで始動動作が行われるかに応じて遊技者に異なる期待感を与えることで、遊技興趣を向上させることができる。
図46は、第1特図の可変表示結果が「第4小当り」に対応した小当り図柄としての「4」を示す数字となる場合において、普通入賞球装置6Aに対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aの動作タイミングや、第1特別図柄表示装置4A、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53R、模型用ソレノイド52L、52Rの制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図46(A)〜(D)でも、横軸が時間の経過を示している。
この例では、図46(A)に示すように第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態となったことに基づき、図29に示すステップS235の処理において小当り種別が第4小当りに決定される。そして、ステップS236の処理では、第4小当りに対応する特図変動パターンとして「小当りD」の特図変動パターンが決定される。この「小当りD」の特図変動パターンが決定された場合には、ステップS238の処理により、特図変動時間が「11.5秒」に設定される。これらの決定や設定に基づき、第1特別図柄表示装置4Aでは、例えば図46(B)に示すように、第1特図の変動を開始してから11.5秒が経過したときに、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了する。このときには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「第4小当り」に対応した小当り図柄としての「4」を示す数字となる。こうして特図表示結果が「第4小当り」となる特図ゲームが終了すると、第4小当り時用の小当り制御パターンKP4で定められた駆動パターンに従って、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rや模型用ソレノイド52L、52R、モータ56などの駆動制御が開始される。
第4小当り時用の小当り制御パターンKP4による設定に基づき、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rは第4の開閉駆動パターンで駆動される。この第4の開閉駆動パターンでは、例えば図46(C)に示すように、特図ゲームが終了してから所定の待機時間(例えば0.5秒)が経過した後に、始動開放回数が「2」で開放時間が「2秒」となるように、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rの駆動制御が開始される。こうして、可変入賞装置40に設けられた「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rは、始動開放回数が「2」で開放時間が「2秒」となる始動動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化した後、閉鎖状態に戻る。また、模型用ソレノイド52L、52Rは第2の振分駆動パターンと同様に、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rの駆動が開始されて「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rが開放状態となるタイミングから1秒が経過するまでは駆動が停止され、その後、5秒間にわたり駆動される。このように、特図表示結果が「第4小当り」となったことに基づく小当り遊技状態では、特図表示結果が「第1小当り」〜「第3小当り」のいずれかとなったことに基づく小当り遊技状態に比べて、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rの開放時間や開放回数と模型用ソレノイド52L、52Rを駆動する時間との組合せなどが、異なるように制御される。また、小当り種別が第4小当りに決定された場合には、特図変動時間が「11.5秒」に決定され、小当り種別が第1小当り〜第3小当りのいずれかに決定された場合における特図変動時間とは異なるものになる。このようにして、小当り遊技状態における始動動作の制御パターンを多様化して、いずれの制御パターンで始動動作が行われるかに応じて遊技者に異なる期待感を与えることで、遊技興趣を向上させることができる。
次に、可変入賞装置40の内部に遊技球を不正に進入させた場合などに、異常が発生した旨のエラー判定を行うための制御例について説明する。パチンコ遊技機1における遊技状態が小当り遊技状態となるときには、図30に示すステップS263の処理により、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。例えば図47(A)に示すように、第1始動口スイッチ22Aが遊技球を検出したことに対応するタイミングTi01にて、図29に示すステップS233の処理における乱数値MR1が小当り判定値データと合致する旨の判定や、ステップS235の処理における小当り種別を第1小当りとする旨の決定などに基づき、図47(B)に示すように、第1特別図柄表示装置4Aにて第1特図の変動が開始される。その後、タイミングTi01から「小当りA」の特図変動パターンに対応した特図変動時間である「1.2秒」が経過したタイミングTi02にて、可変表示結果となる確定特別図柄として特図表示結果が「第1小当り」に対応した小当り図柄となる「1」を示す数字が停止表示されて特図ゲームが終了する。このとき、図30に示すステップS263の処理が実行されることで、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
こうして特図プロセスフラグの値を“3”とすることで、図25に示すステップS51の処理で特図プロセスフラグの値が“3”であると判定されることにより(ステップS51;Yes)、ステップS52〜S55の処理が実行されなくなる。したがって、小当り遊技状態における始動動作で開放状態となった「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rから可変入賞装置40の内部に進入する遊技球は、上部カウントスイッチ23L、23C、23Rのいずれかによって検出されたときでも、異常な入賞球としては検出されなくなる。これに対して、図25に示すステップS56の処理では、特図プロセスフラグの値は“4”未満であると判定されることから(ステップS56;No)、ステップS57〜S59の処理は実行可能である。そのため、特別可変入賞球装置7が形成する第2大入賞口60に進入した遊技球などが下部カウントスイッチ28によって検出されたときには(ステップS57;Yes)、賞球の払い出しが禁止されるとともに(ステップS58)、例えば図26(B)に示すような第2異常報知画面を画像表示装置5の表示領域に表示させることといった、異常が発生した旨の報知を行うことができる(ステップS59)。
図47(C)に示すように、タイミングTi02から特図表示結果を示す確定特別図柄を停止表示しておく時間などに対応する所定の待機時間(例えば0.5秒)が経過したタイミングTi03(タイミングTi01からは1.7秒が経過したタイミング)では、特図表示結果が「第1小当り」であることに対応した第1小当り時用の小当り制御パターンKP1における設定に基づき、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rの駆動が開始されることにより、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rが閉鎖状態から開放状態へと変化し、可変入賞装置40の内部に遊技球が進入可能となる。そして、図47(E)に示すように、タイミングTi04にて上部カウントスイッチ23L、23C、23Rのうち「左」の上部カウントスイッチ23Lによって遊技球が検出されるときには、特図プロセスフラグの値が“3”であることから、図25に示すステップS52の処理が実行されないので、この遊技球を異常な入賞球とするエラー判定が行われることはない。
その後、例えば図47(F)に示すように、排出口スイッチ25により遊技球が検出されたことに対応するタイミングTi05では、図33に示すステップS506の処理により1減算された残存球数カウント値が、図32に示すステップS286の処理にて「0」であると判定されたことに対応して、ステップS287の特定入賞判定処理が実行される。この特定入賞判定処理が実行された場合には、図34に示すステップS528の処理により特図プロセスフラグの値を“4”に更新することと、ステップS530の処理により特図プロセスフラグの値を“0”に更新することの、いずれかが行われる。一例として、可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49に進入せず、通常領域50に進入して可変入賞装置40の外部へと排出された場合には、ステップS530の処理により特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。こうして、始動動作にて開放状態となった「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rのいずれかより可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が上部カウントスイッチ23L、23C、23Rのいずれかによって検出された後には、残存球数カウント値が「0」となったときに特図プロセスフラグの値を“3”以外の値に更新することで、可変入賞装置40の内部に遊技球が存在しないと判定されてから、図25に示すステップS52〜S55の処理を実行可能とし(ステップS51;Yes)、その後は可変入賞装置40の内部に進入した遊技球を異常な入賞球とするエラー判定が行われる。
例えば、タイミングTi05より後に可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が上部カウントスイッチ23L、23C、23Rのいずれかによって検出されたときには(図25のステップS52;Yes)、賞球の払出しが禁止されるとともに(ステップS54)、例えば図26(A)に示すような第1異常報知画面を画像表示装置5の表示領域に表示させることといった、異常が発生した旨の報知を行うことができる(ステップS55)。また、タイミングTi05より後に特定領域49に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されたときにも(図25のステップS53;Yes)、例えば図26(A)に示すような第1異常報知画面を表示させるといった、異常が発生した旨の報知などを行うことができる。
加えて、図47(F)に示すような排出口スイッチ25による遊技球の検出に基づき、図32に示すステップS286の処理にて残存球数カウント値が「0」であると判定され(ステップS286;Yes)、可変入賞装置40の内部に遊技球が存在しないと判定されたことに対応して、ステップS288、S289の処理を実行することにより、模型用ソレノイド52L、52Rとモータ56の駆動動作を停止させることができる。
次に、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となることに対応して大当り遊技状態に制御される場合における制御例について説明する。この例では、遊技球が普通入賞球装置6Aに設けられた第1始動入賞口に進入して第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示が行われ、その可変表示結果が「大当り」となるものとする。
図48は、第1特図の可変表示結果が「大当り」に対応した大当り図柄としての「7」を示す数字となる場合において、普通入賞球装置6Aに対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aの動作タイミングや、第1特別図柄表示装置4A、第2大入賞口扉用ソレノイド54の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図48(A)〜(C)では、横軸が時間の経過を示している。
この例では、図48(A)に示すように、第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態となったことに対応するタイミングTi11にて、図29に示すステップS231の処理により乱数値MR1が大当り判定値データと合致する旨の判定や、ステップS236の処理により特図変動パターンを「大当り」の特図変動パターンとする旨の決定などに基づき、図48(B)に示すように第1特別図柄表示装置4Aにて第1特図の変動が開始される。ここで、「大当り」の特図変動パターンが決定された場合には、図29に示すステップS238の処理により、特図変動時間が「9.6秒」に設定される。
その後、タイミングTi11から「大当り」の特図変動パターンに対応した特図変動時間である「9.6秒」が経過したタイミングTi12にて、可変表示結果となる確定特別図柄として特図表示結果が「大当り」に対応した大当り図柄となる「7」を示す数字が停止表示されて特図ゲームが終了する。こうして特図表示結果が「大当り」となる特図ゲームが終了すると、小当り遊技状態とする制御は行われず、可変入賞装置40の内部に設けられた特定領域49に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されたか否かに関わりなく、大当り遊技状態とする制御が開始される。すなわち、図30に示すステップS252の処理にてラウンド制御パターンRP3をセットした後、ステップS257の処理にて特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。そして、大当り遊技状態では、ステップS252の処理にてセットされたラウンド制御パターンRP3で定められた駆動パターンに従って第2大入賞口扉用ソレノイド54の駆動制御を行うことで、特別可変入賞球装置7に設けられた第2大入賞口60を、第2大入賞口扉61により閉鎖状態から開放状態とした後、所定時間の経過などにより再び閉鎖状態に戻すラウンド遊技が行われる。
こうして特図プロセスフラグの値を“4”とすることで、図25に示すステップS56の処理で特図プロセスフラグの値が“4”以上であると判定されることにより(ステップS56;Yes)、ステップS57〜S59の処理が実行されなくなる。したがって、大当り遊技状態におけるラウンド遊技で開放状態となった第2大入賞口60から特別可変入賞球装置7の内部に進入する遊技球は、下部カウントスイッチ28によって検出されたときでも、異常な入賞球としては検出されなくなる。これに対して、図25に示すステップS51の処理では、特図プロセスフラグの値は“3”ではないと判定されることから(ステップS51;No)、ステップS52〜S55の処理は実行可能である。そのため、可変入賞装置40が形成する「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rのいずれかに進入した遊技球などが上部カウントスイッチ23L、23C、23Rのいずれかによって検出されたときや(ステップS52;Yes)、特定領域49に進入した遊技球などが特定領域スイッチ24によって検出されたときには(ステップS53;Yes)、賞球の払い出しを禁止することや(ステップS54)、例えば図26(A)に示すような第1異常報知画面を画像表示装置5の表示領域に表示させるといった、異常が発生した旨の報知を行うことができる(ステップS55)。
大当り遊技状態においてラウンド遊技が繰り返し実行されて、ラウンド数カウント値がラウンド最大値に達してから、図35に示すステップS311の処理により大当り終了待ち時間が経過したと判定されたことに対応して(ステップS311;Yes)、ステップS315の処理により特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。これにより、例えば図48(B)に示すように、タイミングTi14にて特図プロセスフラグの値が“0”となる。こうして、大当り遊技状態が終了するときには、特図プロセスフラグの値が“4”未満の値となることで、図25に示すステップS57〜S59の処理を実行可能とし(ステップS56;Yes)、その後は特別可変入賞球装置7の内部に進入した遊技球を異常な入賞球とするエラー判定が行われる。
例えばタイミングTi14より後に特別可変入賞球装置7の内部に進入した遊技球が下部カウントスイッチ28によって検出されたときには(図25のステップS57;Yes)、賞球の払出しを禁止することや(ステップS58)、例えば図26(B)に示すような第2異常報知画面を画像表示装置5の表示領域に表示させるといった、異常が発生した旨の報知を行うことができる(ステップS59)。
また、大当り遊技状態が終了するときには、図35に示すステップS312の処理により有利状態フラグがオンであるか否かの判定が行われ、有利状態フラグがオンであれば(ステップS312;Yes)、ステップS313の処理により有利状態フラグをクリアしてオフ状態とする。その一方で、有利状態フラグがオフであれば(ステップS312;No)、ステップS314の処理により有利状態フラグをオン状態にセットする(ステップS314)。ステップS314の処理で有利状態フラグをオン状態にセットすることにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態に制御される。有利状態では、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態になりやすくなることなどにより、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなる。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが実行される場合には、特図表示結果が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態で可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49に進入して特定領域スイッチ24によって検出されたときに、図34に示すステップS524の処理で図17に示すラウンド数決定テーブル144を参照することで大当り遊技状態におけるラウンド最大値が「16」のみに決定されるなどの点で、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが実行される場合に比べて、遊技者にとって有利となる。そのため、有利状態では、普通可変入賞球装置4Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなって通常遊技状態に比べて多くの賞球を獲得できる可能性が高まる点や、特図ゲームが通常遊技状態よりも頻繁に実行されて次に特図表示結果が「小当り」や「大当り」となるまでに要する時間が通常遊技状態よりも短くなる点の他にも、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームに比べて遊技者にとって有利な第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が通常遊技状態に比べて成立しやすくなるという点でも、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となる。
そして、例えば図35に示すステップS313の処理により有利状態フラグがクリアされてオフ状態となることなどにより有利状態が終了した後でも、大当り遊技状態に制御されているときなどに第2始動入賞口に遊技球が進入したことにより成立した第2始動条件に対応する第2開始条件を、第1始動入賞口に遊技球が進入したことにより成立した第1始動条件に対応する第1開始条件よりも、優先して成立させる。すなわち、図29に示すステップS221の処理では、第2保留記憶数が「0」であるか否かの判定を行い、第2保留記憶数が「0」以外である場合には(ステップS221;Yes)、ステップS222〜S225の処理を実行することなどにより、第2開始条件を成立させる。これに対して、第1保留記憶数が「0」であるか否かの判定は、ステップS221の処理で第2保留記憶数が「0」であると判定されてから(ステップS221;No)、ステップS226の処理により行われることになる。こうして、有利状態が終了した後でも、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームに比べて遊技者にとって有利な第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなることで、第2保留記憶数が「0」以外である期間において、次の大当り遊技状態でラウンド最大値が「16」となることに対する遊技者の期待感を高めることにより、遊技興趣を向上させることができる。
図27に示すステップS113の小当り開放時処理では、図30のステップS259の処理によりセットされた小当り制御パターンKP1〜KP4のいずれかに従って、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームで特別図柄の可変表示結果が「小当り」となったかに関わりなく、小当り遊技状態における各種設定や制御の内容が決定されることになる。そのため、ステップS113の小当り開放時処理は、共通の処理モジュールを用いて第1特図が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態における始動動作と第2特図が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態における始動動作とを制御することができる。
図27に示すステップS114〜ステップS117の処理では、図30に示すステップS252の処理によりセットされたラウンド制御パターンRP3や、図34に示すステップS525の処理によりセットされたラウンド制御パターンRP1〜RP3のいずれかに従って、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームで特別図柄の可変表示結果などに基づく大当り遊技状態であるかに関わりなく、大当り遊技状態における各種設定や制御の内容が決定されることになる。そのため、ステップS114〜S117の処理は、共通の処理モジュールを用いて第1特図の可変表示結果に基づく大当り遊技状態と第2特図の可変表示結果に基づく大当り遊技状態とを制御することができる。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、図34に示すステップS524の処理において、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームで第2特図の可変表示結果が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態で始動動作により開放状態となった「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rのいずれかに進入した遊技球が特定領域49に進入して特定領域スイッチ24によって検出された場合に、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームで第1特図の可変表示結果が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態で始動動作により開放状態となった「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rのいずれかに進入した遊技球が特定領域49に進入して特定領域スイッチ24によって検出された場合よりも、ラウンド最大値が「16」の大当り遊技状態に制御する割合が高くなるように設定されたラウンド数決定テーブル144を用いて、ラウンド最大値が「2」や「8」の大当り遊技状態とするか、ラウンド最大値が「16」の大当り遊技状態とするかを決定する。そして、図29に示すステップS221の処理では、第2保留記憶数が「0」であるか否かの判定を行い、第2保留記憶数が「0」であると判定されてから(ステップS221;No)、ステップS226の処理にて第1保留記憶数が「0」であるか否かの判定を行うことで、第2開始条件を、第1始動条件よりも優先して成立させる。これにより、有利状態といった通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利な遊技状態が終了した後でも、第2保留記憶数が「0」となるまでは、小当り遊技状態で特定領域49に遊技球が進入すれば、ラウンド最大値が「2」や「8」の大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利なラウンド最大値が「16」の大当り遊技状態に制御されることになり、次に制御される大当り遊技状態のラウンド最大値が「16」となることに対する遊技者の期待感を高め、遊技興趣を向上させることができる。
図29に示すステップS231の処理にて乱数値MR1が大当り判定値データと合致した場合には、ステップS232の処理により大当りフラグをオン状態にセットしておき、特図ゲームが終了するときに図30に示すステップS251の処理で大当りフラグがオンであると判定されたことに対応して、ステップS252の処理にて16ラウンド用のラウンド制御パターンRP3をセットしてから、ステップS257の処理にて特図プロセスフラグの値を“4”に更新することで、大当り遊技状態への制御を開始する。こうして、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる場合には、可変入賞装置40の内部に設けられた特定領域49に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されたか否かに関わりなく、大当り遊技状態に制御する。これにより、大当り遊技状態となることの意外性を高め、遊技興趣を向上させることができる。
図29に示すステップS233の処理にて乱数値MR1が小当り判定値データと合致したと判定された場合には、ステップS235の処理により小当り種別を第1小当り〜第4小当りのいずれかに決定する。そして、図30に示すステップS259の処理では、小当り種別に応じて異なる小当り制御パターンKP1〜KP4のいずれかをセットする。これにより、例えば「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rの開放時間や開放回数、あるいは、特図変動時間といった、可変入賞装置40が閉鎖状態から開放状態に変化する始動動作の制御パターンを多様化し、いずれの制御パターンで始動動作が行われるかに応じて遊技者に異なる期待感を与え、遊技興趣を向上させることができる。
小当り遊技状態への制御が開始されるときには、図30に示すステップS263の処理にて、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、その小当り遊技状態が終了するときには、図34に示すステップS528の処理として特図プロセスフラグの値を“4”に更新する処理と、ステップS530の処理として特図プロセスフラグの値を“0”に更新する処理のうち、いずれか一方の処理が行われる。そして、特図プロセスフラグの値が“3”以外の値であるときには、図25に示すステップS52〜S55の処理を実行可能とすることで、可変入賞装置40の内部に進入した遊技球を異常な入賞球とするエラー判定を行うことができる。こうして異常な入賞球によるエラー判定が行われた場合には、ステップS55の処理により、例えば図26(A)に示すような第1異常報知画面を画像表示装置5の表示領域に表示させることといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる。これにより、可変入賞装置40への異常な遊技球の進入による不正行為を防止することができる。
大当り遊技状態への制御が開始されるときには、図30に示すステップS257の処理や、図34に示すステップS528の処理にて、特図プロセスフラグの値が“4”に更新され、その大当り遊技状態が終了するときには、図35に示すステップS315の処理により特図プロセスフラグの値が“0”に更新されるまでは、特図プロセスフラグの値が“4”以上の値となる。そして、特図プロセスフラグの値が“4”未満の値であるときには、図25に示すステップS57〜S59の処理を実行可能とすることで、特別可変入賞球装置7の内部に進入した遊技球を異常な入賞球とするエラー判定を行うことができる。こうして異常な入賞球とするエラー判定が行われた場合には、ステップS59の処理により、例えば図26(B)に示すような第2異常報知画面を画像表示装置5の表示領域に表示させることといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる。これにより、特別可変入賞球装置7への異常な遊技球の進入による不正行為を防止することができる。
図35に示すステップS312の処理にて有利状態フラグがオンであると判定された場合には、ステップS313の処理により有利状態フラグをクリアしてオフ状態とする。こうして、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるときに大当り遊技状態に制御されることに対応して、その大当り遊技状態におけるラウンド最大値が「2」、「8」、「16」のいずれであるかに関わりなく、有利状態を終了させる。これにより、有利状態が長期間継続して多数の賞球が異常に払い出されることを防ぎ、遊技者の射幸心を不当に煽ることを防止できる。
図41に示すステップS376の処理では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図のうちいずれの可変表示結果が「小当り」となったかに対応した小当り遊技時演出制御パターンを複数種類のうちから選択してセットする。そして、図40に示すステップS174の小当り中演出処理では、ステップS376の処理でセットされた小当り遊技時演出制御パターンに従った演出制御を行うことにより、第1特図と第2特図のうちでいずれが「小当り」となったかに応じて異なる演出態様で、小当り遊技状態に対応した演出を実行させる。そして、第1特図が「小当り」となったことによる小当り遊技状態では遊技球が特定領域49に進入すればラウンド最大値が「2」、「8」、「16」のいずれかとなる大当り遊技状態に制御される一方で、第2特図が「小当り」となったことによる小当り遊技状態では遊技球が特定領域49に進入すればラウンド最大値が「16」の大当り遊技状態に制御されるので、遊技者にとって有利な大当り遊技状態となる期待度に応じた演出態様の演出を行うことで、遊技興趣を向上させることができる。
図27に示すステップS111の特別図柄変動処理やステップS112の特別図柄停止処理では、共通の処理モジュールを用いて第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示を制御する。ステップS113の小当り開放時処理では、共通の処理モジュールを用いて第1特図が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態における始動動作と第2特図が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態における始動動作とを制御する。ステップS114〜S117の処理では、共通の処理モジュールを用いて第1特図の可変表示結果に基づく大当り遊技状態と第2特図の可変表示結果に基づく大当り遊技状態とを制御する。さらに、図28に示すステップS203〜S206の処理とステップS209〜S212の処理も、共通の処理モジュールを用いて実行することができる。加えて、図29に示すステップS222〜S224の処理とステップS227〜S229の処理も、共通の処理モジュールを用いて実行することができる。これにより、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bといった、複数の特別図柄表示装置により特図ゲームとして特別図柄の変動を行い、それぞれによる特別図柄の可変表示結果に基づいてパチンコ遊技機1における遊技状態を制御する場合に、1つの特別図柄表示装置による特図ゲームしか行われないパチンコ遊技機1に比べてプログラム量が極端に増大することを防止して、プログラム量の削減を図ることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、図34に示すステップS524の処理において図17に示すようなラウンド数決定テーブル144を参照することにより、変動特図指定フラグの値が“1”であるときにもラウンド最大値を「16」に決定できるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば第1特図が「小当り」となったことによる小当り遊技状態では遊技球が特定領域49に進入した場合には、ラウンド最大値を「2」と「8」のいずれかに決定し、ラウンド最大値を「16」に決定することはできないようにしてもよい。この場合には、ラウンド数決定テーブル144において、ラウンド数決定用の乱数値MR4を、変動特図指定フラグの値が“1”である場合には、「16」のラウンド最大値に対しては割り当てないように、テーブルデータを構成すればよい。これにより、第2特図が「小当り」となったことによる小当り遊技状態で遊技球が特定領域49に進入すれば、第1特図が「小当り」となったことによる小当り遊技状態で遊技球が特定領域49に進入した場合に比べて、常に遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されることになり、第1特図と第2特図のいずれが「小当り」となるかに応じた遊技者の期待感に差異を生じさせて、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、図34に示すステップS523の処理によりラウンド数決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出することで、小当り遊技状態にて可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49に進入したことに対応して、乱数値MR4を示す数値データを抽出するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば図28に示すステップS203の処理やステップS209の処理にて乱数値MR4を示す数値データの抽出も行い、抽出された数値データは、保留データとして第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されるようにしてもよい。これにより、小当り遊技状態が開始される時点で、その小当り遊技状態にて特定領域49に遊技球が進入した場合に制御される大当り遊技状態でのラウンド最大値を決定することができ、例えば小当り遊技状態に対応して行われる演出を、大当り遊技状態でのラウンド最大値に応じて異ならせることで、特定領域49に遊技球が進入した場合に制御される大当り遊技状態でのラウンド最大値に対する遊技者の期待感を高め、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、図35に示すステップS312の処理にて有利状態フラグがオフである場合に、ラウンド最大値が「2」、「8」、「16」のいずれであるかに関わりなくステップS314の処理を実行することで有利状態フラグをオン状態にセットして、有利状態に制御するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばステップS312にて有利状態フラグがオフである場合には、ラウンド最大値が「16」である場合に限り、ステップS314の処理に進んで有利状態フラグをオン状態にセットし、ラウンド最大値が「2」や「8」の場合には、有利状態フラグをオフのままとするようにしてもよい。これにより、ラウンド最大値が「16」の大当り遊技状態となった場合には、ラウンド最大値が「2」や「8」の大当り遊技状態に比べて、多くのラウンド遊技が実行可能となって多数の賞球を獲得できる可能性があるという点だけでなく、その大当り遊技状態が終了した後に有利状態に制御されるという点でも、遊技者にとって有利となり、ラウンド最大値が「16」の大当り遊技状態となることに対する遊技者の期待感を高め、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、図35に示すステップS312の処理にて有利状態フラグがオンである場合に、ラウンド最大値が「2」、「8」、「16」のいずれであるかに関わりなくステップS313の処理を実行することで有利状態フラグをクリアしてオフ状態とし、有利状態を終了させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばステップS312にて有利状態フラグがオンである場合には、ラウンド最大値が「16」である場合に限り、ステップS313の処理に進んで有利状態フラグをクリアしてオフ状態とし、ラウンド最大値が「2」や「8」の場合には、有利状態フラグをオンのままとするようにしてもよい。これにより、有利状態であるときに制御される大当り遊技状態でのラウンド最大値が「2」や「8」といった遊技者にとって不利な大当り遊技状態である場合に、その大当り遊技状態に対応して有利状態が終了してしまうことを防ぎ、遊技興趣が低下してしまうことを防止できる。
上記実施の形態では、図35に示すステップS313の処理により有利状態フラグをクリアしてオフ状態とすることから、有利状態であるときに大当り遊技状態に制御された場合に、その大当り遊技状態となっている期間でも、通常遊技状態であるときに比べて第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなる。しかしながら、この発明はこれに限定されず、大当り遊技状態となっている期間では、第2始動条件の成立しやすさが通常遊技状態と同程度に制御されるようにしてもよい。この場合には、例えば図30に示すステップS251の処理にて大当りフラグがオンであると判定されたことに対応して、有利状態フラグがオンであるか否かの判定を行い、オンであれば有利状態終了フラグをオン状態にセットするとともに、有利状態フラグをクリアしてオフ状態とする。また、例えば図34に示すステップS521の処理にて特定球検出フラグがオンであると判定された場合にも、有利状態フラグがオンであるか否かの判定を行い、オンであれば有利状態終了フラグをオン状態にセットするとともに、有利状態フラグをクリアしてオフ状態とする。そして、図35に示すステップS312の処理では、有利状態終了フラグがオンであるか否かの判定を行い、オフであれば有利状態フラグをオン状態にセットする一方で、オンであれば有利状態終了フラグをクリアしてオフ状態とするものの、有利状態フラグはオフ状態のままに保持すればよい。
上記実施の形態では、図29に示すステップS221の処理により第2保留記憶数が「0」以外であると判定された場合には、ステップS222〜S225の処理を実行して、ステップS227〜S230の処理は実行しない。また、ステップS226の処理により第1保留記憶数が「0」以外であると判定された場合には、ステップS227〜S230の処理を実行して、ステップS222〜S225の処理は実行しない。そして、図27に示すステップS111の特別図柄変動処理やステップS112の特別図柄停止処理では、図29に示すステップS225、S230の処理のいずれかにより設定された変動特図指定フラグの値に対応して、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのうちいずれか一方による特図ゲームにて特別図柄の変動を行い、他方による特別図柄の変動は行わないように制御する。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1特別図柄表示装置4Aにて可変表示される第1特図と第2特別図柄表示装置4Bにて可変表示される第2特図とが、同時に変動できるように制御してもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのそれぞれに対応する特別図柄プロセス処理として、第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理を実行する。そして、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれか一方による特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」や「小当り」となった場合には、他方による特図ゲームの進行を停止させて、大当り遊技状態や小当り遊技状態が競合することを防止できればよい。
上記実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技では、特別可変入賞球装置7に設けられた第2大入賞口60だけが、第2大入賞口扉61により閉鎖状態と開放状態とに変化するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、可変入賞装置40に設けられた「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rにより閉鎖状態と開放状態とに変化させるものが含まれるようにしてもよい。一例として、図49に示すように、ラウンド数が奇数と偶数のいずれであるかに応じて、開放する大入賞口を可変入賞装置40に設けられた「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rと特別可変入賞球装置7に設けられた第2大入賞口60とで切り換えるラウンド制御パターンRP10を用意しておく。そして、例えば図30に示すステップS252の処理や、図34に示すステップS525の処理では、ラウンド制御パターンRP1〜RP3の他に、ラウンド制御パターンRP10も含めて、ラウンド制御パターンを複数種類のいずれかに決定する処理を実行すればよい。
あるいは、例えば特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態において最初(1回目)に実行されるラウンド遊技として、可変入賞装置40に設けられた「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rにより閉鎖状態から開放状態とした後に閉鎖状態とするラウンド遊技が行われるようにしてもよい。一例として、図27に示すステップS115の大当り開放中処理では、ラウンド数カウント値が「1」である場合に、第1大入賞口扉用ソレノイド53L、53Rの駆動を開始して、可変入賞装置40に設けられた「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを「左」及び「右」の第1大入賞口扉32L、32Rのそれぞれにより閉鎖状態から開放状態とした後に閉鎖状態とする駆動制御を行う。加えて、ラウンド遊技として「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rを開放状態とする際には、例えばラウンド制御パターンの設定に従って模型用ソレノイド52L、52R及びモータ56の駆動制御も行うようにしてもよい。そして、このラウンド遊技で特定領域49に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されたか否かに応じて異なる演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するようにしてもよい。あるいは、特定領域49に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されたか否かに関わりなく、同一の演出制御コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するようにしてもよい。その一方で、例えば特定領域スイッチ24からの検出信号を演出制御基板12に入力することなどにより、演出制御基板12の側では特定領域49に遊技球が進入したか否かを判断可能とし、判断結果に応じて異なる演出を実行するようにしてもよい。
演出制御基板12の側では、例えば大当り遊技状態への制御が開始される時点では、大当り遊技状態への制御が開始される旨を報知しないような演出を実行させる。一例として、図40に示すステップS175の大当り中演出処理にて大当り遊技状態における最初(1回目)のラウンド遊技が実行中であると判定した場合に、図42(A)に示した第1特図小当り時の演出画像と同様の画像を、画像表示装置5の表示領域に表示させる。その後、大当り遊技状態にて最初のラウンド遊技が終了するときには、例えば2回目のラウンド遊技が開始される以前の所定期間にて、特定領域49に遊技球が進入したか否かに応じて異なる演出を実行する。一例として、特定領域49に遊技球が進入した場合には、V入賞成功演出として予め定められた演出に対応する画像を画像表示装置5の表示領域に表示させる。これに対して、特定領域49に遊技球が進入しなかった場合には、V入賞失敗演出として予め定められた演出に対応する画像を画像表示装置5の表示領域に表示させる。そして、大当り遊技状態にて最初のラウンド遊技が終了した後には、そのラウンド遊技中に特定領域49に遊技球が進入したか否かに関わりなく、次のラウンド遊技に移行するようにしてもよい。これにより、大当り遊技状態でも始動動作と同様に「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rが開放状態に変化する一方で、特定領域49に遊技球が進入しなくても大当り遊技状態が継続して次のラウンド遊技を行うことが可能になり、遊技の意外性を高めて遊技興趣を向上させることができる。また、特定領域49に遊技球が進入しないにもかかわらず小当り遊技状態における始動動作の後に大当り遊技状態に制御されるかのような印象を遊技者に抱かせて遊技の意外性を高め、また、特定領域49に遊技球が進入することに対する期待感とともに、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rが開放状態から閉鎖状態となった後に大当り遊技状態へと制御されることに対する期待感を持続させて、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、図40に示すステップS174の小当り中演出処理において、図41に示すステップS376の処理によりセットされた小当り遊技時演出制御パターンに対応した演出を実行するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば小当り遊技状態では、可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が通過した経路などに応じて異なる態様の演出が行われるようにしてもよい。一例として、図33に示すステップS501の処理により上部カウントスイッチ23L、23C、23Rからの検出信号のいずれかがオン状態であると判定された場合には、「左」及び「右」の上部カウントスイッチ23L、23Rのいずれかが遊技球を検出したときと、「中」の上部カウントスイッチ23Cが遊技球を検出したときとで、互いに異なる演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信する。これにより、演出制御基板12の側では、例えば「左」及び「右」の上部カウントスイッチ23L、23Rのいずれかが遊技球を検出したことに対応して図50(A)に示すような「左」の上部球経路34Lを遊技球が通過する通過時の演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させ、「中」の上部カウントスイッチ23Cが遊技球を検出したことに対応して図50(B)に示すような「右」の上部球経路34Rを遊技球が通過する通過時の演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させるといったように、遊技球が通過する経路に応じて異なる態様の演出を行うことができる。こうした演出を行うことで、遊技球が特定領域49に進入する可能性の高さに応じて遊技者に異なる期待感を与え、遊技興趣を向上することができる。
上記実施の形態では、図25に示すステップS52の処理により上部カウントスイッチ23L、23C、23Rからの検出信号のいずれかがオン状態であると判定されたときや、ステップS53の処理により特定領域スイッチ24からの検出信号がオン状態であると判定されたときに、直ちにステップS54やステップS55の処理が実行されて、賞球の払出を禁止する設定や、異常が発生したことの報知が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばステップS52、S53の処理において、上部カウントスイッチ23L、23C、23Rや特定領域スイッチ24により複数個の遊技球が検出されたときに、ステップS54やステップS55の処理を実行するようにしてもよい。また、ステップS57の処理でも、下部カウントスイッチ28により複数個の遊技球が検出されたときに、ステップS58やステップS59の処理に進むようにしてもよい。これにより、「左」及び「右」の第1大入賞口31L、31Rや第2大入賞口60などに偶然遊技球が進入した場合には異常な入賞球が検出されたとのエラー判定は行わない一方で、多数の遊技球を各大入賞口などに進入させて不当に賞球を獲得しようとする不正行為を確実に防止することができる。
上記実施の形態では、特定領域49に進入した遊技球と、通常領域50に進入した遊技球は、いずれも排出口スイッチ25で検出されてから可変入賞装置40の外部に排出されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば特定領域49に進入した遊技球は、排出口スイッチ25によって検出されずに、可変入賞装置40の外部へと排出されるようにしてもよい。この場合、例えば通常領域50に進入した遊技球を排出するための誘導領域とは別個に、特定領域49に進入した遊技球を排出するための誘導領域を設けるように構成すればよい。そして、図33に示すステップS503の処理で特定領域スイッチ24からの検出信号がオン状態であると判定されたことに対応して、残存球数カウント値を1減算するように更新すればよい。このとき、特定領域49に進入した遊技球を検出する特定領域スイッチ24は、特定領域49に進入した遊技球を検出するとともに、可変入賞装置40から排出される遊技球を検出することになる。
上記実施の形態では、図29に示すステップS231の処理で特図表示結果判定用の乱数値MR1が大当り判定値データと合致した場合に、ステップS232の処理により大当りフラグをオン状態にセットしたことに対応して図30に示すステップS251の処理で大当りフラグがオンであると判定されたことに基づき、ステップS252の処理で16ラウンド用のラウンド制御パターンRP3をセットすることで、第1特図と第2特図のいずれにおける可変表示結果が「大当り」となったかに関わりなく、常にラウンド最大値が「16」の大当り遊技状態に制御するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1特図と第2特図のうちいずれの可変表示結果が「大当り」となったかに対応して、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御するか否かを決定するようにしてもよい。一例として、図30に示すステップS251の処理で大当りフラグがオンである場合には、変動特図指定フラグの値が“1”であるか“2”であるかの判定を行い、その判定結果に応じたラウンド制御パターンをセットすればよい。このとき、例えば変動特図指定フラグが“1”であれば2ラウンド用のラウンド制御パターンRP1または8ラウンド用のラウンド制御パターンRP2をセットすることでラウンド最大値が「2」または「8」の大当り遊技状態に制御する一方で、変動特図指定フラグが“2”であれば16ラウンド用のラウンド制御パターンRP3をセットすることでラウンド最大値が「16」の大当り遊技状態に制御する。これにより、第2特図の可変表示結果が「大当り」となった場合には、第1特図の可変表示結果が「大当り」となった場合よりも遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御することで、第2特図の可変表示結果が「大当り」となることに対する遊技者の期待感を高め、遊技興趣を向上させることができる。あるいは、例えば変動特図指定フラグが“1”であれば16ラウンド用のラウンド制御パターンRP3をセットすることでラウンド最大値が「16」の大当り遊技状態に制御する一方で、変動特図指定フラグが“2”であれば2ラウンド用のラウンド制御パターンRP1または8ラウンド用のラウンド制御パターンRP2をセットすることでラウンド最大値が「2」または「8」の大当り遊技状態に制御する。これにより、第1特図の可変表示結果が「大当り」となった場合には、第2特図の可変表示結果が「大当り」となった場合よりも遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御することで、第1特図の可変表示結果が「大当り」となることに対する遊技者の期待感を高め、遊技興趣を向上させることができる。なお、変動特図指定フラグの値が“1”であるか“2”であるかの判定結果に応じてセットされるラウンド制御パターンには、その判定結果に関わりなくセットすることができる共通のラウンド制御パターンが含まれていてもよい。例えば、変動特図指定フラグが“1”であればラウンド制御パターンRP1〜RP3のいずれかをセットすることで大当り遊技状態におけるラウンド最大値を「2」、「8」、「16」のいずれかとする一方で、変動特図指定フラグが“2”であれば16ラウンド用のラウンド制御パターンPR3をセットすることで大当り遊技状態におけるラウンド最大値を「16」のみとするようにしてもよい。あるいは、変動特図指定フラグが“2”であれば8ラウンド用のラウンド制御パターンPR2または16ラウンド用のラウンド制御パターンPR3をセットすることで大当り遊技状態におけるラウンド最大値を「8」または「16」のいずれかとするようにしてもよい。さらに、変動特図指定フラグが“1”であるときと“2”であるときとで、セットするラウンド制御パターンの設定を入れ替えたものであってもよい。
また、第1特図や第2特図の可変表示結果が「大当り」となった場合には、例えばCPU111が乱数回路114やランダムカウンタなどから取得した乱数値を示す数値データに基づいて、大当り遊技状態におけるラウンド最大値を決定するようにしてもよい。一例として、CPU111は、図28に示すステップS203の処理やステップS209の処理にて、乱数値MR1、MR3を示す数値データとともに、ラウンド数決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出し、ステップS204の処理では乱数値MR4を示す数値データも乱数値MR1、MR3を示す数値データとともに第1特図保留記憶部151Aに記憶させる一方で、ステップS210の処理では乱数値MR4を示す数値データも乱数値MR1、MR3を示す数値データとともに第2特図保留記憶部151Bに記憶させる。そして、図30に示すステップS251の処理で大当りフラグがオンである場合には、例えば特図判定バッファなどにセットされた乱数値MR4を示す数値データや、変動特図指定フラグの値に基づき、図17に示すラウンド数決定テーブル144を参照することにより、大当り遊技状態におけるラウンド最大値を決定すればよい。また、図30に示すステップS251の処理で大当りフラグがオンである場合には、図17に示すラウンド数決定テーブル144とは各ラウンド最大値に対する変動特図指定フラグの値や乱数値MR4の割当てが異なる決定テーブルを用いて、可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態におけるラウンド最大値を決定するようにしてもよい。この場合には、第1特図や第2特図における可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態であるか、可変表示結果が「小当り」となった後に特定領域49に遊技球が進入したことに基づく大当り遊技状態であるかに応じて、遊技者に異なる期待感を持たせ、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、図29に示すステップS222の処理やステップS227の処理で読み出した特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づき、ステップS231にて図13に示すような特図表示結果判定テーブル140を参照して乱数値MR1が大当り判定値データと合致するか否かを判定するとともに、ステップS233でも特図表示結果判定テーブル140を参照して、乱数値MR1が小当り判定値データと合致するか否かを判定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定と、可変表示結果を「小当り」とするか否かの判定とを、異なる乱数値を用いて行うようにしてもよい。一例として、CPU111は、図28に示すステップS203の処理やステップS209の処理において、大当り判定用の乱数値を示す数値データと、大当り判定用の乱数値とは異なる小当り判定用の乱数値を示す数値データを抽出する。このとき抽出された数値データは、ステップS204の処理やステップS210の処理にて、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに保留データとして記憶されるようにすればよい。そして、図29に示すステップS231の処理では、特図判定バッファにセットされた大当り判定用の乱数値を示す数値データに基づき、ROM112などに予め格納された大当り判定テーブルを参照することにより、乱数値が大当り判定値データと合致するか否かを判定して、可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定を行う。ここで、大当り判定テーブルは、大当り判定用の乱数値をそれぞれ、大当り判定値データと非大当り判定値データのいずれかに割り当てるテーブルデータなどから構成されていればよい。また、図29に示すステップS233の処理では、特図判定バッファにセットされた小当り判定用の乱数値を示す数値データに基づき、ROM112などに予め格納された小当り判定テーブルを参照することにより、乱数値が小当り判定値データと合致するか否かを判定して、可変表示結果を「小当り」とするか否かの判定を行う。ここで、小当り判定テーブルは、小当り判定用の乱数値をそれぞれ、小当り判定値データとハズレ判定値データのいずれかに割り当てるテーブルデータなどから構成されていればよい。
上記実施の形態では、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことにより第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことや、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことにより第2始動条件が成立した後に第2開始条件が成立したことに対応して、画像表示装置5の表示領域では、常に「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示における飾り図柄の可変表示が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば第1特図や第2特図の可変表示結果を「小当り」や「ハズレ」とする判定がなされた場合には、飾り図柄の可変表示が行われないようにしてもよい。この場合、可変表示結果を「小当り」とする判定がなされたときには、例えば図29に示すステップS235の処理で決定された小当り種別に対応した演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることなどにより、小当り制御パターンKP1〜KP4のいずれに応じた始動動作が実行されるかを認識できるような演出が実行されるようにしてもよい。このとき実行される演出は、小当り遊技状態の開始時に実行される演出と連続性を有するものであってもよい。さらに、第1特図や第2特図の可変表示結果を「大当り」とする判定がなされた場合には必ず飾り図柄の可変表示を行う一方で、可変表示結果を「小当り」や「ハズレ」とする判定がなされた場合には、所定の乱数値や判定テーブルなどを用いて飾り図柄の可変表示を実行するか否かの判定を行い、実行する旨の判定がなされた場合のみ、可変表示結果が「小当り」や「ハズレ」となる飾り図柄の可変表示が実行されるようにしてもよい。これにより、飾り図柄の可変表示が実行された場合に可変表示結果が「大当り」となることに対する遊技者の期待感を高め、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、図34に示すステップS524の処理で図17に示すラウンド数決定テーブル144を参照することにより、変動特図指定フラグの値が“2”であるとき、すなわち、第2特図の可変表示結果が「小当り」となった後の小当り遊技状態にて特定領域49に遊技球が進入したときには、常にラウンド最大値が「16」の大当り遊技状態に制御するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第2特図の可変表示結果が「小当り」となった後の小当り遊技状態にて特定領域49に遊技球が進入したときでも、ラウンド最大値が「16」とは異なる大当り遊技状態に制御できるようにしてもよい。一例として、ラウンド数決定テーブル144は、変動特図指定フラグの値が“2”である場合でも、「2」や「8」のラウンド最大値に対してラウンド数決定用の乱数値MR4を割り当てるテーブルデータを含むように構成されればよい。この場合、変動特図指定フラグの値が“2”である場合には、変動特図指定フラグの値が“1”である場合に比べて「16」のラウンド最大値に対して多くの乱数値MR4が割り当てられるようにラウンド数決定テーブル144のテーブルデータを構成すればよい。このようにしても、第2特図の可変表示結果が「小当り」となった後の小当り遊技状態にて特定領域49に遊技球が進入した場合には、第1特図の可変表示結果が「小当り」となった後の小当り遊技状態にて特定領域49に遊技球が進入した場合よりも、ラウンド最大値が「16」の大当り遊技状態に制御する割合を高くすることができる。
上記実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのそれぞれに対応して、別個の第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bとを設けるものとして説明した。これに対して、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bに共通する特図保留記憶部に、各乱数値を示す数値データや始動入賞データなどを保留データとして、保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。ここで、始動入賞データは、遊技球が第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに進入したかを特定可能に示すデータであればよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかに関わりなく、第1保留記憶数や第2保留記憶数のそれぞれが所定の上限値(例えば「4」)に達するまでは、共通の特図保留記憶部における空きエントリの先頭に保留データを格納すればよい。この場合には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合計特図保留記憶数としてカウントする合計保留記憶数カウンタを設け、例えば図28に示すステップS205、S211の処理や、図29に示すステップS223、S228の処理において、第1保留記憶数や第2保留記憶数が更新されることに対応して、合計特図保留記憶数も更新されるように、合計保留記憶数カウンタにおけるカウント値を1加算または1減算すればよい。これにより、例えば図28に示すステップS203〜S206の処理とステップS209〜S212の処理が共通の処理モジュールを用いて実行される場合には、保留記憶ポインタにセットするアドレスを、RAM113の記憶領域に確保された共通の特図保留記憶部における先頭アドレスと合計特図保留記憶数とから特定することができ、この保留記憶ポインタの設定処理も、共通の処理モジュールを用いて実行することができる。このとき、保留記憶ポインタは、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したことに対応して、共通の特図保留記憶部に乱数値等を示す保留データを記憶させるために、RAM113の記憶領域に設けられた共通の特図保留記憶部における空きエントリの先頭アドレスを指定する。なお、合計保留記憶数カウンタを備える構成に代えて、保留記憶ポインタの設定処理が実行されるときに、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を、その都度計算により特定するようにしてもよい。
また、例えば図29に示すステップS222〜S224の処理とステップS227〜S229の処理が共通の処理モジュールを用いて実行される場合には、保留記憶ポインタにセットするアドレスを、RAM113に設けられた共通の特図保留記憶部における保留番号「1」のエントリに対応して予め定められたアドレスとすればよく、この保留記憶ポインタの設定処理も、共通の処理モジュールを用いて実行することができる。このときには、共通の保留記憶部に記憶された保留データに含まれる始動入賞データを、保留番号「1」のエントリに記憶されたものから下位のエントリに記憶されたものへと順番に読み取る。そして、第1開始条件が成立している場合(変動特図指定フラグが“1”の場合)には、第1始動入賞口への進入を示す始動入賞データを含む保留データが見つかった時点で始動入賞データの読み取りは停止し、その保留データを特図保留記憶部から読み出して特図判定バッファなどにセットすればよい。これに対して、第2開始条件が成立している場合(変動特図指定フラグが“2”の場合)には、第2始動入賞口への進入を示す始動入賞データを含む保留データが見つかった時点で始動入賞データの読み取りは停止し、その保留データを特図保留記憶部から読み出して特図判定バッファなどにセットすればよい。
上記実施の形態では、演出制御基板12に表示制御部121が搭載され、演出制御基板12の制御下にて、画像表示装置5における表示動作などを制御するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出制御基板12とは別個にマイクロコンピュータが搭載された表示制御基板を設け、その表示制御基板に表示制御部121が搭載されるように構成してもよい。この場合、表示制御基板では、演出制御用マイクロコンピュータ120とは別個に搭載されたマイクロコンピュータにて、演出制御基板12からの制御信号を受け、その制御信号に対応して所定の表示制御データを参照することなどにより、各種の制御を行うようにすればよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。