図1は、本実施例1におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域2aが形成されている。この遊技領域2aには、遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる。
遊技領域2aのほぼ中央位置には、可変入賞装置40が設けられている。可変入賞装置40の右側方には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。例えば、「0」〜「9」を示す数字のそれぞれに対して、「0」〜「9」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
可変入賞装置40の左側方には、普通図柄表示装置20が設けられている。一例として、普通図柄表示装置20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。普通図柄表示装置20は、例えば、可変入賞装置40の向かって右側方位置に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたことを実行条件とする普図ゲームにおいて、普通図柄の可変表示を行う。そして、例えば普通図柄の可変表示結果として「−」を示す記号が表示された場合には「普図ハズレ」となる。その一方で、例えば普通図柄の可変表示結果として「7」を示す数字が表示された場合には「普図当り」となる。
可変入賞装置40の両側方位置の領域は、遊技領域2aに打ち込まれた遊技球が流下可能とされており、可変入賞装置40の向かって左側の側方領域(第1遊技領域2aL)の下方位置には普通入賞球装置6Aが、可変入賞装置40の向かって右側の側方領域(第2遊技領域2aR)の下方位置には普通可変入賞球装置6Bが設けられているとともに、可変入賞装置40の下方位置には、特別可変入賞球装置7、一般入賞口42L、42Rが設けられている。
普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、例えば図4に示す普通電動役物用ソレノイド55によって垂直位置となる通常開放状態(第2の状態)と傾動位置となる拡大開放状態(第1の状態)とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。特別可変入賞球装置7は、例えば図4に示す大入賞口扉用ソレノイド54によって開閉駆動される大入賞口扉61を有し、その大入賞口扉61によって、大入賞口60を第1の状態となる開放状態と第2の状態となる閉鎖状態とに変化させる。一般入賞口42L、42Rはそれぞれ、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図4に示す始動口スイッチ22L、22Rのうち、第1始動口スイッチ22Lによって検出される。第1始動口スイッチ22Lによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄の可変表示を実行するための第1始動条件(第1実行条件ともいう)が成立する。
普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図4に示す始動口スイッチ22L、22Rのうち、第2始動口スイッチ22Rによって検出される。第2始動口スイッチ22Rによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示を実行するための第2始動条件(第2実行条件ともいう)が成立する。
普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用ソレノイド55がオン状態であるときに、可動翼片が傾動位置となることにより、通常開放状態に比べて遊技球が第2始動入賞口に進入しやすい拡大開放状態となる一方、普通電動役物用ソレノイド55がオフ状態であるときには、可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しにくい通常開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら通常開放状態であるときにおいて、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。つまり、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動条件が成立しやすい拡大開放状態(第1誘導状態)と第2始動条件が成立しにくい、または、しない通常開放状態(第2誘導状態)とに変化する始動入賞装置を構成する。
特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口60に進入した遊技球は、例えば図4に示す下部大入賞口スイッチ28によって検出される。下部大入賞口スイッチ28によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用ソレノイド54がオフ状態であるときに、大入賞口扉61が大入賞口60を遊技者にとって不利となる閉鎖状態にする。他方、大入賞口扉用ソレノイド54がオン状態であるときには、大入賞口扉61が大入賞口60を遊技者にとって有利な開放状態にする。このように、特別可変入賞球装置7は、遊技者にとって有利な開放状態と遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する特定動作を行う変動入賞装置を構成する。
また、特別可変入賞球装置7の内部には、遊技球の検出(V入賞検出)に伴って大当りの継続権を成立させるための検出器である継続入賞検出器が設けられるようにしてもよい。この場合、継続入賞検出器の上部には、一旦V入賞検出があると次に大入賞口60が閉鎖状態となってから開放状態となるまでは遊技球が継続入賞検出器を通過しないようにするVシャッターを設けるようにすればよい。Vシャッターは、所定のリンク機構などを介してVシャッター用ソレノイドと連結されていればよい。
一般入賞口42Lに進入した遊技球は、例えば図4に示す一般入賞球スイッチ27L、27Rのうち、一般入賞球スイッチ27Lによって検出される。一般入賞口42Rに進入した遊技球は、例えば図4に示す一般入賞球スイッチ27L、27Rのうち、一般入賞球スイッチ27Rによって検出される。一般入賞球スイッチ27L、27Rのいずれかによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
可変入賞装置40は、例えば、その上部中央位置に画像表示装置5を有するとともに、第1役物装置40A(向かって右部)と第2役物装置(向かって左部に)40Bの2つの個別の役物装置を有しているものであれば良い。
第1役物装置40Aには、例えば、第1遊技領域2aに臨むように設けられた第1役物入賞口32Aと、該第1役物入賞口32Aを開閉するとともに、開放状態において側方領域に突出して遊技球を第1役物装置40A内に誘導する可動翼片10A(第1羽根ともいう)が設けられているものであれば良い。可動翼片10Aは、第1役物用ソレノイド53A(図4参照)に接続されており、第1役物用ソレノイド53Aがオン状態であるときに可動翼片10Aが傾動位置となることにより、遊技球が第1役物入賞口32Aから第1役物装置40A内に進入可能とされる開放状態となる一方、第1役物用ソレノイド53Aがオフ状態であるときには、可動翼片10Aが垂直位置となることにより、遊技球が第1役物入賞口32Aから第1役物装置40A内に進入不可とされる閉鎖状態となる。尚、第1役物入賞口32Aには、該第1役物入賞口32Aから第1役物装置40A内に進入する遊技球を検出するための上部カウントスイッチ23Lが設けられる。
第1役物装置40A内には、例えば、図2に示す回転役物装置200が、その上面がパチンコ遊技機1の前方側が低くなるように傾斜して設けられており、第1役物入賞口32Aから進入した遊技球は、回転役物装置200の中央直上部に位置するように設けられた排出口14A’を有する誘導管14Aにより、回転役物装置200の中央直上部に誘導されて回転役物装置200上に供給される。尚、回転役物装置200のパチンコ遊技機1の前方側には、回転役物装置200の上面外周高さ位置よりも高く盛り上げられることで、排出口14A’から排出されて傾斜配置された回転役物上を下方に流下した遊技球の流下を止めて停留する停留部が形成される。
この回転役物装置200としては、図2に示すように、その上面に、特定領域となる大当り流入口207とハズレ流入口208とが形成された円柱体202と、該円柱体202の上面中央の回転軸206に回転可能に軸支され、円柱体とほぼ同径とされた回転円盤201とから構成されるものとすればよく、回転円盤201は、第1役物モータ56Aにて常時一定に回転駆動される。
尚、本実施例では、これら回転円盤201を常時一定回転するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら回転円盤201を第1役物入賞口32Aが開放される期間を含む所定期間においてのみ回転させるようにしても良いし、回転形態を第1役物入賞口32Aの開放の時々において、異なる(例えば、ある時は正転、ある時は逆転)ようにしても良い。
回転円盤201には、図3(a)に示すように、遊技球の直径よりもやや大きな径を有することで遊技球が通過可能とされた、例えば7つのハズレ孔204と1つの当り孔203とが穿設されており、当り孔203のみが回転円盤の外周に接するように、外周にごく近い位置に形成されているのに対し、7つのハズレ孔204は、当り孔203が形成されている位置よりも回転円盤201の中心側にずれた位置に、同心円状に形成される。
これら各ハズレ孔204と当り孔203の周囲には、ハズレ孔204と当り孔203の周囲の遊技球や停留部に停留された遊技球を各ハズレ孔204或いは当り孔203内に誘導するための段部205が形成されている。尚、当り孔203の中心側には、「V」の文字を印刷表示して、当該孔が当り孔であることを遊技者が認識できるようにすればよい。
さらに、円柱体202に形成された大当り流入口207とハズレ流入口208が、図3(a)に示すように、大当り流入口207が、当り孔203に対応して円柱体202の外周にごく近い位置に形成されているとともに、ハズレ流入口208も、ハズレ孔204に対応して円柱体202の外周からやや内方側にずれた位置に形成されていることで、ハズレ孔208に入った遊技球は、回転円盤201が回転して大当り流入口207の直上に位置しても該大当り流入口207に流入できずにハズレ流入口208にのみ流入するとともに、当り孔203に入った遊技球は、回転円盤201が回転してハズレ流入口208の直上に位置しても該ハズレ流入口208に流入できずに大当り流入口207にのみ流入することになる。
大当り流入口207には、該大当り流入口207に流入した遊技球を検出するための特定領域スイッチ24L(図4参照)が設けられるとともに、大当り流入口207並びにハズレ流入口208から流入した遊技球が合流して流下する排出経路に、該排出経路を流下する遊技球、つまり、大当り流入口207並びにハズレ流入口208から流入した遊技球の排出を検知するための排出口スイッチ25L(図4参照)が設けられ、特定領域スイッチ24Lにて遊技球が検出されることによって特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
つまり、第1役物入賞口32Aから第1役物装置40A内に進入する遊技球は、上部カウントスイッチ23Lにて検出された後、誘導管14Aにより、回転役物装置200の中央直上部に誘導されて回転円盤201上に供給され、各ハズレ孔204若しくは当り孔203に入るか、或いは、回転円盤201上を下方まで流下して停留部に到達した後、回転している回転円盤201の各ハズレ孔204若しくは当り孔203に入る。そして、当り孔203に入った遊技球は、回転円盤201の回転により特定領域となる大当り流入口207に進入して特定領域スイッチ24Lによって検出された後、第1役物装置40A(可変入賞装置40)から排出されるときに、排出口スイッチ25Lによって検出される一方、ハズレ孔207に入った遊技球は、回転円盤201の回転によりハズレ流入口207に進入して、特定領域スイッチ24Lによって検出されることなく、第1役物装置40A(可変入賞装置40)から排出されるときに、排出口スイッチ25Lによって検出される。
このように、第1役物装置40Aにおいては、進入した遊技球が当り孔203に入ることにより大当り流入口207に流入して大当りとなるが、これら大当りとなる確率は、図16に示すように、当り孔203の数を当り孔203の数(1)とハズレ孔204の数(7)の総数(8)で除した値である1/8となる。
第2役物装置40Bには、例えば、第2遊技領域2aRに臨むように設けられた第2役物入賞口32Bと、該第2役物入賞口32Bを開閉するとともに、開放状態において側方領域に突出して遊技球を第2役物装置40B内に誘導する可動翼片10B(第2羽根ともいう)が設けられているものであれば良い。可動翼片10Bは、第2役物用ソレノイド53B(図4参照)に接続されており、第2役物用ソレノイド53Bがオン状態であるときに可動翼片10Bが傾動位置となることにより、遊技球が第2役物入賞口32Bから第2役物装置40B内に進入可能とされる開放状態となる一方、第2役物用ソレノイド53Bがオフ状態であるときには、可動翼片10Bが垂直位置となることにより、遊技球が第2役物入賞口32Bから第2役物装置40B内に進入不可とされる閉鎖状態となる。尚、第2役物入賞口32Bには、該第2役物入賞口32Bから第2役物装置40B内に進入する遊技球を検出するための上部カウントスイッチ23Rが設けられる。
第2役物装置40B内には、例えば、図2に示す、前述した第1役物装置40A内に配置された回転役物装置200と同様の回転役物装置200’が、その上面がパチンコ遊技機1の前方側が低くなるように傾斜して設けられており、第2役物入賞口32Bから進入した遊技球は、回転役物装置200’の中央直上部に位置するように設けられた排出口14B’を有する誘導管14Bにより、回転役物装置200’の中央直上部に誘導されて回転役物装置200’上に供給される。尚、回転役物装置200’のパチンコ遊技機1の前方側には、回転役物装置200’の上面外周高さ位置よりも高く盛り上げられることで、排出口14B’から排出されて傾斜配置された回転役物上を下方に流下した遊技球の流下を止めて停留する停留部が形成される。
この回転役物装置200’としては、上述した図2に示す回転役物装置200と同様に、その上面に、特定領域となる大当り流入口217とハズレ流入口218とが形成された円柱体212と、該円柱体212の上面中央の回転軸216に回転可能に軸支され、円柱体とほぼ同径とされた回転円盤211(図3(b)参照)とから構成されるものとすればよく、回転円盤211は、第2役物モータ56Bにて常時一定に回転駆動される。
尚、本実施例では、これら回転円盤211も常時一定回転するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら回転円盤211を、上述した回転円盤201と同様に、第2役物入賞口32Bが開放される期間を含む所定期間においてのみ回転させるようにしても良いし、回転形態を第2役物入賞口32Bの開放の時々において、異なる(例えば、ある時は正転、ある時は逆転)ようにしても良い。
回転円盤211には、図3(b)に示すように、遊技球の直径よりもやや大きな径を有することで遊技球が通過可能とされた、例えば2つのハズレ孔214と1つの当り孔213とが穿設されており、当り孔213のみが回転円盤の外周に接するように、外周にごく近い位置に形成されているのに対し、2つのハズレ孔214は、当り孔213が形成されている位置よりも回転円盤211の中心側にずれた位置に、同心円状に形成される。
これら各ハズレ孔214と当り孔213の周囲には、ハズレ孔214と当り孔213の周囲の遊技球や停留部に停留された遊技球を各ハズレ孔214或いは当り孔213内に誘導するための段部215が形成されている。尚、当り孔213の中心側には、「V」の文字を印刷表示して、当該孔が当り孔であることを遊技者が認識できるようにすればよい。
さらに、円柱体212に形成された大当り流入口217とハズレ流入口218が、図3(b)に示すように、大当り流入口217が、当り孔213に対応して円柱体212の外周にごく近い位置に形成されているとともに、ハズレ流入口218も、ハズレ孔214に対応して円柱体212の外周からやや内方側にずれた位置に形成されていることで、ハズレ孔218に入った遊技球は、回転円盤211が回転して大当り流入口217の直上に位置しても該大当り流入口217に流入できずにハズレ流入口218にのみ流入するとともに、当り孔213に入った遊技球は、回転円盤211が回転してハズレ流入口218の直上に位置しても該ハズレ流入口218に流入できずに大当り流入口217にのみ流入することになる。
大当り流入口217には、該大当り流入口217に流入した遊技球を検出するための特定領域スイッチ24R(図4参照)が設けられるとともに、大当り流入口217並びにハズレ流入口218から流入した遊技球が合流して流下する排出経路に、該排出経路を流下する遊技球、つまり、大当り流入口217並びにハズレ流入口218から流入した遊技球の排出を検知するための排出口スイッチ25R(図4参照)が設けられ、特定領域スイッチ24Rにて遊技球が検出されることによって特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
つまり、第2役物入賞口32Bから第2役物装置40B内に進入する遊技球は、上部カウントスイッチ23Rにて検出された後、誘導管14Bにより、回転役物装置200’の中央直上部に誘導されて回転円盤211上に供給され、各ハズレ孔214若しくは当り孔213に入るか、或いは、回転円盤211上を下方まで流下して停留部に到達した後、回転する回転円盤211により各ハズレ孔214若しくは当り孔213に入る。そして、当り孔213に入った遊技球は、回転円盤211の回転により特定領域となる大当り流入口217に進入して特定領域スイッチ24Rによって検出された後、第2役物装置40B(可変入賞装置40)から排出されるときに、排出口スイッチ25Rによって検出される一方、ハズレ孔217に入った遊技球は、回転円盤211の回転によりハズレ流入口217に進入して、特定領域スイッチ24Rによって検出されることなく、第2役物装置40B(可変入賞装置40)から排出されるときに、排出口スイッチ25Rによって検出される。
このように、第2役物装置40Bにおいては、進入した遊技球が当り孔213に入ることにより大当り流入口217に流入して大当りとなるが、これら大当りとなる確率は、図16に示すように、当り孔213の数を当り孔203の数(1)とハズレ孔214の数(2の総数(3)で除した値である1/3となる。
尚、本実施例では、第1役物装置40Aの大当り確率を1/8、第2役物装置40Bの大当り確率を1/3とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら確率としては、第2役物装置40Bの大当り確率が第1役物装置40Aの大当り確率よりも高いものとすれば良く、その確率の値は、適宜に決定すれば良い。
画像表示装置5は、例えば液晶表示器(LCD;)といった、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行うものであればよい。画像表示装置5には、演出画像を表示する表示領域が形成されている。画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の表示結果に対応して、例えば、後述する図39に示すように、表示結果に対応する小当りの種別に該当するメッセージ表示を表示する。
尚、これら画像表示装置5の表示領域において、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して、例えば3つに分割された飾り図柄可変表示部にて、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を可変表示するようにしても良い。
また、画像表示装置5の表示領域には、普通入賞球装置6Aに進入した有効進入球数としての第1保留記憶数や普通可変入賞球装置6Bに進入した有効進入球数としての第2保留記憶数を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。具体的な一例として、第1保留記憶数が1加算されたときには、通常青色であった表示部位のうちの1つ(例えば青色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を赤色表示に変化させる。また、第2保留記憶数が1加算されたときには、通常緑色であった表示部位のうちの1つ(例えば緑色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を黄色表示に変化させる。これに対して、第1保留記憶数が1減算されたときには、赤色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば赤色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を青色表示に戻す。また、第2保留記憶数が1減算されたときには、黄色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば黄色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を緑色表示に戻す。あるいは、特別図柄始動記憶表示エリアでは、第1保留記憶数や第2保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、第1保留記憶数や第2保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。あるいは、特別図柄始動記憶表示エリアでは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別することなく、例えば各保留記憶数の加算値に対応する表示が行われるようにしてもよい。
加えて、画像表示装置5の表示領域には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにより実行される特図ゲームにて可変表示される特別図柄を特定可能として表示する特別図柄可変表示エリアが設けられていてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されたことに対応して、特別図柄可変表示エリアにて特別図柄の可変表示に対応した「◎」や「○」、「×」(本実施例では、特図ゲームにおいてはハズレがないが、はずれがある場合等)などを示す演出画像の変動が開始する。その後、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が終了して確定特別図柄が停止表示されることに対応して、特別図柄可変表示エリアにて確定特別図柄に対応して予め定められた「◎」や「○」、「×」などの演出画像を停止表示すればよい。例えば、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄である場合には特別図柄可変表示エリアに「◎」を停止表示し、小当り図柄である場合には「○」を停止表示し、本実施例ではないがハズレ図柄である場合には「×」を停止表示すればよい。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bの上方には、第1特別図柄保留記憶LED15Aと、第2特別図柄保留記憶LED15Bとが設けられている。第1特別図柄保留記憶LED15Aと第2特別図柄保留記憶LED15Bはそれぞれ、例えば4個のLEDを含んで構成されている。第1特別図柄保留記憶LED15Aは、第1保留記憶数を表示する。第2特別図柄保留記憶LED15Bは、第2保留記憶数を表示する。また、普通図柄表示装置20の上方には、普通図柄保留記憶LED15C並びに5ラウンド用LED15Dと15ラウンド用LED15Eとが設けられている。普通図柄保留記憶LED15Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。5ラウンド用LED15D並びに15ラウンド用LED15Eは、例えば1個のLEDを含んで構成され、5ラウンド大当りまたは15ラウンド大当りにおいて点灯されることで、実施中の大当り状態が5ラウンド大当りであるか15ラウンド大当りであるかを報知する。
これら第1特別図柄保留記憶LED15A、第2特別図柄保留記憶LED15B、普通図柄保留記憶LED15C、5ラウンド用LED15D並びに15ラウンド用LED15Eは、図4に示すように、いずれも主基板11に接続され、遊技制御用マイクロコンピュータ100により点灯状態が制御される。
遊技盤2の表面に形成された遊技領域2aには、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられる。また、遊技領域2aの最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない遊技球が取り込まれるアウト口69が設けられる。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられ、さらに遊技領域2aの周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられる。遊技盤2上の遊技領域2aにおける各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、可変入賞装置40等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域2aに向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。例えば、打球操作ハンドル30は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル30には、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
普通図柄表示装置20による普図ゲームにおいて普通図柄の可変表示を開始させた後、可変表示結果が「普図当り」の図柄となったことに対応して、例えば普通電動役物用ソレノイド55をオン状態とすることなどにより、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が、垂直位置にある通常開放状態から傾動位置にある拡大開放状態に変化する。その後、所定時間が経過すると、通常開放状態に戻る。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム(第1特図ゲームともいう)は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が進入したことといった、第1特別図柄表示装置4Aにて特別図柄の可変表示を実行するための第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームが終了したことや大当り遊技状態が終了したことといった、特別図柄の可変表示を開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて開始される。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム(第2特図ゲームともいう)は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入したことといった、第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の可変表示を実行するための第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームが終了したことや大当り遊技状態が終了したことといった、特別図柄の可変表示を開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて開始される。このように、第1特別図柄表示装置4Aは、第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、識別情報となる特別図柄を可変表示する。また、第2特別図柄表示装置4Bは、第2始動条件が成立した後に第2開始条件が成立したことに基づいて、識別情報となる特別図柄を可変表示する。ここで、この実施例では、例えば第1始動条件と第2始動条件の双方が成立した後に、それぞれに対応する第1開始条件と第2開始条件とがいずれも成立していない場合のように、第1開始条件と第2開始条件の双方を成立させることができる場合に、第2開始条件の方を第1開始条件よりも優先して成立させる(図24参照)。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。尚、本実施例では、これら特図ゲームの抽選においては、「大当り」或いは「小当り」のいずれかに必ず当選するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら「大当り」或いは「小当り」のいずれにも当選しない「ハズレ」を抽選するようにして、「ハズレ」が抽選された場合には、大当り図柄や小当り図柄以外のハズレに対応する特別図柄を停止表示するようにしても良い。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になると、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になると、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「8」を示す数字を小当り図柄としている。尚、上記したハズレを抽選する場合には、例えば、「−」を示す記号をハズレ図柄とすれば良い。
これら第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄となるようにしてもよい。第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果である確定特別図柄として停止表示される大当り図柄は第1特定表示結果といい、小当り図柄は第1所定表示結果(始動表示結果)という。また、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果である確定特別図柄として停止表示される大当り図柄は第2特定表示結果といい、小当り図柄は第2所定表示結果という。
尚、本実施例では、実施していないが、これら第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が行われることに対応して、画像表示装置5の表示領域において、飾り図柄の可変表示を実施しても良い。
これら飾り図柄の可変表示を実施する場合にあっては、例えば、特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄となる場合には、飾り図柄の可変表示結果として、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて所定の大当り組合せを構成する確定飾り図柄を停止表示するようにすれば良く、このような大当り組合せの確定飾り図柄としては、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて、「7」を示す英数字といった、同一の飾り図柄が揃って導出表示されるものが含まれていればよい。また、特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となる場合には、飾り図柄の可変表示結果として、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて所定の小当り組合せを構成する確定飾り図柄を停止表示するようにすれば良く、このような小当り組合せの確定飾り図柄には、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて、「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「8」を示す英数字のうちいずれか1つといった、大当り組合せを構成する確定飾り図柄とは異なる同一の飾り図柄が揃って導出表示されるものや、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部にそれぞれ「1」、「3」、「5」を示す英数字を停止表示させる場合のように、予め定められた組合せの飾り図柄が導出表示されるものが含まれていればよい。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となったことに基づく小当り遊技状態では、第1役物用ソレノイド53Aや第2役物用ソレノイド53Bをオフ状態からオン状態に切り換えることなどにより傾動位置に移動させて、第1役物装置40Aにおける第1役物入賞口32Aや第2役物装置40Bにおける第2役物入賞口32Bを閉鎖状態から開放状態に変化させる。その後、所定時間が経過すると、例えば第1役物用ソレノイド53Aや第2役物用ソレノイド53Bをオン状態からオフ状態に切り換えることなどにより、第1役物入賞口32A及び第2役物入賞口32Bを閉鎖状態に戻す。このような小当り遊技状態で行われる第1役物入賞口32A及び第2役物入賞口32Bの開閉動作を、始動動作という。例えば、小当り遊技状態では、第1役物入賞口32A及び第2役物入賞口32Bを開閉する始動動作が、1回、あるいは2回といった複数回行われる。
このように、第1役物装置40Aにおける始動動作においては、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した遊技球が第1始動口スイッチ22Rによって検出されたことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームでの可変表示結果が第1所定表示結果である「小当り」となったことに対応して、第1役物入賞口32Aを、遊技者にとって不利な第2の状態である閉鎖状態から遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態とした後に、再び第2の状態である閉鎖状態へと変化させるとともに、第2役物装置40Bにおける始動動作においては、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した遊技球が第2始動口スイッチ22Lによって検出されたことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの可変表示結果が第2所定表示結果である「小当り」となったことに対応して、第2役物入賞口32Bを、遊技者にとって不利な第2の状態である閉鎖状態から遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態とした後に、再び第2の状態である閉鎖状態へと変化させる。
始動動作にて開放状態となった第1役物入賞口32Aまたは第2役物入賞口32Bから第1役物装置40Aまたは第2役物装置40Bの内部に進入した遊技球が、特定領域である大当り流入口207、217に進入して特定領域スイッチ24L,24Rによって検出された場合には、大当り遊技状態となる。ここで、第1役物装置40Aにおいては、遊技球が、特定領域である大当り流入口207に進入して大当りとなる確率が、前述したように1/8であるのに対し、第2役物装置40Bにおいては、遊技球が、特定領域である大当り流入口217に進入して大当りとなる確率が、前述したように1/3であり(図16参照)、すなわち、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入することにより始動動作される第2役物装置40Bの方が、小当り遊技状態となった後に大当り遊技状態となる確率が高く、遊技者にとって有利となる。
このように、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となった場合には、始動動作にて開放状態となった第1役物入賞口32Aまたは第2役物入賞口32Bから第1役物装置40Aまたは第2役物装置40Bの内部に進入した遊技球が特定領域スイッチ24L,24Rによって検出されたことに対応して、大当り遊技状態とする制御が行われる。他方、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄となった場合には、第1役物装置40Aまたは第2役物装置40Bの特定領域である大当り流入口207、217に遊技球が進入したか否かに関わりなく、大当り遊技状態とする制御が行われる。この場合には、第1役物入賞口32Aまたは第2役物入賞口32Bを開放状態とすることなく、特別可変入賞球装置7に設けられた大入賞口扉61により大入賞口60を開放状態とする特定動作が開始されればよい。
大当り遊技状態では、ラウンド遊技として予め定められた動作単位の特定動作が実行可能となり、特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口60が、遊技者に不利な第2の状態としての閉鎖状態から遊技者にとって有利な第1の状態としての開放状態となる。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉61が大入賞口60を閉鎖状態から開放状態へと変化させた後、所定時間(例えば29秒)が経過したこと、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生したことに応じて、大入賞口60を開放状態から閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位が、1回のラウンド遊技として定められている。また、大当り遊技状態にてラウンド遊技を繰り返し実行可能(継続可能)な最大継続回数としてのラウンド最大値は、「5」(実質的には後述するように4回)、「15」(小当りを経由した場合には、実質的には後述するように14回)のいずれかに決定される。ここで、ラウンド最大値が「15」に決定された大当り遊技状態は、ラウンド最大値が「5」に決定された大当り遊技状態に比べて、大入賞口60に多くの遊技球が入賞することで払い出される賞球の個数を多くすることが可能であり、遊技者にとって非常に有利である。このように、大当り遊技状態には、ラウンド最大値が「5」に決定された場合のような第1特定遊技状態となる大当り遊技状態と、ラウンド最大値が「15」に決定された場合のような第1特定遊技状態よりも遊技者にとってさらに有利な第2特定遊技状態となる大当り遊技状態とが、含まれている。
大当り遊技状態では、ラウンド最大値に達した最終のラウンド遊技以外の各ラウンド遊技の終了後に、次のラウンド遊技が実行可能となる。このときには、ラウンド遊技の実行中に下部大入賞口スイッチ28によって遊技球が検出されたこと、あるいは、継続入賞検出器によってV入賞検出がなされたことを、次のラウンド遊技が実行可能となるための条件(ラウンド継続条件)としてもよい。他方、ラウンド最大値に達するまでは、下部大入賞口スイッチ28や継続入賞検出器によって遊技球が検出されたか否かに関わりなく、ラウンド遊技の終了後に次のラウンド遊技が実行可能となるようにしてもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、通常遊技状態や大当り遊技状態とは異なり、通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利な特別遊技状態としての有利状態に制御されることがある。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態等の各特定遊技状態や有利状態等の特別遊技状態及び小当り遊技状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御されている。
有利状態では、例えば普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率が通常遊技状態よりも向上することや、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となったときに普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片が第2始動入賞口を第1誘導状態としての拡大開放状態とする期間や回数が通常遊技状態よりも増大すること、普図ゲームにて普通図柄の可変表示を開始してから可変表示結果が停止表示されるまでの可変表示時間が通常遊技状態よりも短くなること、これらのいずれかを組み合わせること、あるいは、これらの全てを組み合わせることなどにより、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が通常遊技状態に比べて成立しやすくなればよい。具体的に本実施例においては、有利状態では、「普図当り」となる確率は通常遊技状態と同じとされているものの、普図ゲームの可変表示時間が通常遊技状態(30秒)よりも短く(1秒)なるとともに、可動翼片が拡大開放状態とする期間が0.1秒から5秒に延長される(図14、図15)ことで、普通可変入賞球装置6Bに入賞しやすくなることにより、遊技者に有利とされる。
この実施例では、小当り遊技状態に制御されることなく大当り遊技状態に直接制御されたことに対応して、該大当り遊技状態が終了するときに、有利状態の制御が開始される。また、小当り遊技状態に制御されて特定領域である大当り流入口207に遊技球が流入したことにより大当り遊技状態に制御されたときには、当選した小当りの種別に応じて有利状態の制御が開始されるか否かが決定される。
この際、有利状態の制御が開始される確率としては、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによるそれぞれの特図ゲームで同一とされているが、小当り前の遊技状態が通常遊技状態であるか或いは有利状態であるかによって異なり、小当り前の遊技状態が通常遊技状態であるときには約1/10でしか有利状態の制御が開始されないのに対し、小当り前の遊技状態が有利状態であるときには約3/5で有利状態の制御が開始される、すなわち、約2/5の確率で有利状態の制御が終了する(図12参照)。
パチンコ遊技機1には、例えば図4に示す振動センサ70や磁石センサ71、電波センサ72といった、不正行為や不正動作を感知する各種のセンサが、所定位置に設けられていてもよい。一例として、遊技領域2aの内部における所定位置に対応した遊技盤2の裏面には、振動センサ70や磁石センサ71、電波センサ72が設けられ、パチンコ遊技機1を振動させることによる不正行為や、磁石または電波を用いた不正行為を感知できるようにしてもよい。振動センサ70は、遊技機用枠3の裏面における所定位置に設けられてもよい。振動センサ70は、例えば、第1役物装置40Aや第2役物装置40Bの内部に遊技球が進入したときに遊技機用枠3を叩いて遊技球の動きに変化を与えて特定領域に流入させることが可能な当り孔203、213に進入させるといった、不正行為により生じる振動を検出する。磁石センサ71は、例えば第1役物装置40Aや第2役物装置40Bに設けられた当り孔203、213に磁力で遊技球を誘導すること、あるいは、普通入賞球装置6Aに設けられた第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bに設けられた第2始動入賞口に磁力で遊技球を誘導することといった、不正行為に用いられる磁石を検出する。電波センサ72は、例えば図4に示す始動口スイッチ22R、22Lや上部カウントスイッチ23L、23R、特定領域スイッチ24L、24R、下部大入賞口スイッチ28などの各種スイッチや検出器から出力される検出信号を電波によりオン状態とすることといった、不正行為に用いられる電波を検出する。
加えて、可変入賞装置40において第1役物入賞口32Aや第2役物入賞口32Bのそれぞれを開放状態とする際の可動翼片10A、10Bの傾動開放位置や、特別可変入賞球装置7において大入賞口扉61が大入賞口60を開放状態とする際の開放位置、普通可変入賞球装置6Bにおいて可動翼片が第2始動入賞口を拡大開放状態とする際の傾動位置などに、動作監視用のセンサが設けられていてもよい。一例として、第1役物入賞口32Aや第2役物入賞口32Bにおける動作監視用のセンサは、第1役物入賞口32Aや第2役物入賞口32Bが可動翼片10A、10Bにより開放状態となっているか閉鎖状態となっているかを検出可能にする。そして、第1役物用ソレノイド53Aや第2役物用ソレノイド53Bの駆動が停止されているにもかかわらず、可動翼片10A、10Bの少なくともいずれかが開放位置にあることが検出された場合には、第1役物入賞口32Aや第2役物入賞口32Bのいずれかが不正に開放状態とされたものとして、エラー判定を行うことができるようにすればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図4に示すような主基板11及び演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための信号中継基板13なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11には、遊技盤2に設けられた各スイッチ21、22L、22R、23L、23R、24L、24R、25L、25R、27L、27R、28や各センサ70、71、72からの信号が入力される。主基板11からは、遊技盤2や各役物装置40A、40Bに設けられた各ソレノイド53A、53B、54、55や各役物用モータ56A、56Bを駆動制御するための駆動制御信号が出力される。
また、主基板11からは、遊技の進行状況に応じた画像表示制御や電飾制御、効果音出力制御といった演出制御を指示する電気信号としての演出制御コマンドが出力され、演出制御基板12へと伝送される。加えて、主基板11からは、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20等の表示状態を制御するための表示制御信号が出力される。さらに、主基板11からは、所定の情報端子基板などに対して、各種の遊技情報が伝送されるようにしてもよい。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路101、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各種ソレノイドに対する駆動制御信号を出力するソレノイド回路102、各役物モータ56に対する駆動制御信号を出力するモータ駆動回路103などが搭載されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて出力される制御信号としての演出制御コマンドは、信号中継基板13によって中継される。主基板11には、例えば信号中継基板13に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、信号中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する。従って、演出制御基板12や信号中継基板13の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
信号中継基板13を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図7は、この実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図7に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図7示す例において、コマンド80XXHは、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームとして特別図柄の可変表示を開始するときに送信される可変表示開始コマンドである。なお、XXHは不特定の16進数であるであることを示し、演出制御コマンドによる指令内容に応じて任意に設定される値であればよい。可変表示開始コマンドでは、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンなどに応じて異なるEXTデータが設定される。ここで、可変表示開始コマンドでは、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームが開始されるかに対応して、異なるEXTデータが設定されるようにしてもよい。これにより、演出制御基板12の側では、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームが行われるかに応じて異なる演出態様となるように、画像表示や電飾点灯、効果音出力といった演出動作の制御を行うことができる。
図7に示すコマンド8100Hは、特別図柄が停止表示されたこと、つまり、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームとして特別図柄の可変表示が終了したことを通知するためのコマンドであり、これら可変表示が終了により、例えば、特図ゲーム終了に応じた点灯演出制御や、画像表示装置5の特図ゲームに連動した表示演出を終了する制御を行うことができる。
尚、可変表示開始コマンドのMODEデータは、特図ゲームにおける大当りの有無に基づいて決定される特別図柄の可変表示時間に応じて、「82H」、「83H」のいずれかが設定されるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄表示装置4A或いは第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始する場合に、当該特図ゲームが大当りに当選していないときには、MODEデータを「82H」に設定する。これに対して、特図ゲームが大当りに当選しているときには、MODEデータを「83H」に設定する。これにより、演出制御基板12の側では、特図ゲームが大当り(直撃大当りともいう)の有無に応じて変化する特図ゲームの長さに合致した演出の制御を行うことができる。
図7に示すコマンドA0XXHは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」になったことに対応して、大当り遊技状態が開始されることを示す大当り開始コマンド(「ファンファーレコマンド」とも称される)である。大当り開始コマンドでは、大当り遊技状態におけるラウンド最大値が「5」、「15」のいずれに決定されたかに対応して、異なるEXTデータが設定される。また、大当り開始コマンドでは、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームで特別図柄の可変表示結果が「大当り」になったかに対応して、異なるEXTデータが設定されるようにしてもよい。
また、コマンドA1XXHは、大当り遊技状態が終了することを示す大当り終了コマンドである。大当り終了コマンドでは、大当り遊技状態の終了後に有利状態の制御が開始されるか否かに対応して、異なるEXTデータが設定される。
また、コマンドA2XXHは、特別図柄の可変表示結果が「小当り」になったことに対応して、小当り遊技状態が開始されることを示す小当り開始コマンドである。小当り開始コマンドでは、当選した小当りの種別(小当り1〜8)に対応して、異なるEXTデータが設定されるとともに、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームで特別図柄の可変表示結果が「小当り」になったかに対応して、異なるEXTデータが設定されるようにしてもよい。これにより、演出制御基板12の側では、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームに基づいて小当り遊技状態が開始されるかに応じて異なる演出態様となるように、画像表示や電飾点灯、効果音出力といった演出動作の制御を行うことができるとともに、小当りの制御開始に応じて、小当りの種別に対応する異なる演出表示を画像表示装置5に表示させる等の制御を行うことができる。また、コマンドA300Hは、小当り遊技状態が終了されることを示す小当り終了コマンドである。
図7に示すコマンドB0XXHは、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の動作単位の制御が開始されることを示すラウンド開始コマンドである。ラウンド開始コマンドでは、当該ラウンドが何ラウンド中の何回目のラウンドであるかに対応して、異なるEXTデータが設定される。また、コマンドB100Hは、ラウンド遊技の動作単位の制御が終了されることを示すラウンド終了コマンドである。
図7に示すコマンドC0XXHは、画像表示装置5に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアなどにて入賞表示等を行うために、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に入賞した有効入賞球数となる第1保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドでは、第1保留記憶数に対応して、異なるEXTデータが設定される。コマンドC1XXHは、画像表示装置5に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアなどにて入賞表示を行うために、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に入賞した有効入賞球数となる第2保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第2保留記憶数通知コマンドでは、第2保留記憶数に対応して、異なるEXTデータが設定される。
図7に示すコマンドD0XXHは、小当り後の第1役物装置40A或いは第2役物装置40Bの始動動作によって第1役物装置40A或いは第2役物装置40Bに進入した遊技球の数に応じた演出を実施するために、小当りに応じた一連の始動動作において上部カウントスイッチ23L,23Rにて検出された遊技球数を通知する上部カウント数通知コマンドである。上部カウント数通知コマンドでは、上部カウント数並びに第1役物装置40Aや第2役物装置40Bに対応して、異なるEXTデータが設定される。
図7に示すコマンドD100Hは、第1役物装置40A或いは第2役物装置40Bの特定領域である大当り流入口207、217に遊技球が流入したことを通知するための特定領域検知通知コマンドである。これにより、演出制御基板12の側では、特定領域である大当り流入口207、217に遊技球が流入したこと、つまり、V入賞したことに応じた演出動作の制御を行うことができる。
図7に示すコマンドE1XXHは、エラーの発生を通知するためのエラー検出通知コマンドである。このエラー検出通知コマンドは、検出されたエラーの種別(第1役物装置40Aにおける第1異常、第2役物装置40Bにおける第2異常、特別可変入賞球装置7における第3異常)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板12の側では、例えば図21に示すように、各異常に対応した各種の表示画面を画像表示装置5に表示することで、発生した異常の内容を報知することができる。
図5は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100の構成例を示す図である。図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)111と、ゲーム制御用のプログラムや乱数を生成する乱数生成プログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)112と、CPU111のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)113と、入出力ポート115とを備えて構成される。尚、本実施例では、ROM112に格納されている乱数生成プログラムにより所定の乱数を生成可能とされているので乱数回路を個別に設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら乱数回路を個別に搭載するようにしても良い。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU111がROM112から読み出したプログラムを実行し、RAM113をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU111は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
図8は、主基板11の側において用いられる乱数値を例示する説明図である。図8に示すように、本実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、普図表示結果判定用の乱数値MR2が用いられ、これらの乱数値を示す数値データが乱数生成プログラムにより生成される。なお、本発明に用いる乱数はこれに限定されるものではなく、有利状態を付与するか否かを決定するための専用の乱数値MR3や、ラウンド数を決定するための専用の乱数値MR4等を用いるようにしても良い。
また、遊技効果を高めるために、主基板11の側でこれら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR2の全部または一部を示す数値データが、乱数生成プログラムにて更新されればよい。また、乱数値MR1〜MR2の一部を示す数値データは、例えば、主基板11に乱数回路を設けた場合であれば、これら乱数回路を用いて、ハードウェア(回路)による更新によってカウントするようにしてもよい。尚、これら乱数回路は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、各特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果を、「大当り」とするかどの種別の「小当り」とするかの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「299」の範囲の値をとる。すなわち、特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に基づきパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態となるか否かなどの判定を行うために用いられる。
普図表示結果判定用の乱数値MR2は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を、「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「199」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果判定用の乱数値MR2は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果に基づき普通可変入賞球装置6Bにて可動翼片により第2始動入賞口を通常開放状態から拡大開放状態とするか否かなどの判定を行うために用いられる。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM112には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM112には、CPU111が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM112には、CPU111が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの可変表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM112が記憶する判定テーブルには、例えば図9に示す第1特図表示結果判定テーブル140や、図10に示す第2特図表示結果判定テーブル141や、図11に示す特図変動パターン選択テーブル142や、図13に示す普図表示結果判定テーブル143などが含まれている。
図9に示す第1特図表示結果判定テーブル140、並びに図10示す第2特図表示結果判定テーブル141は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かや、可動翼片10A、10Bの開放態様や、大当りとなった際のラウンド数や、大当り後に有利状態とするか否か等を判定するために参照されるテーブルである。これら第1特図表示結果判定テーブル140並びに第2特図表示結果判定テーブル141は、例えば、特図表示結果判定用の乱数値MR1を、大当り判定値データや小当り判定値データや、可動翼片10A、10Bの開放態様データや、ラウンド数データや、有利状態フラグがオフ状態であるかオン状態であるかに応じた有利状態または通常状態を示すデータなどに対応付ける(割り当てる)設定データ(決定用データ)から構成される。
図11に示す特図変動パターン選択テーブル142は、特図変動における変動パターンを選択するために参照されるテーブルである。特図変動パターン選択テーブル142は、例えば、特図表示結果判定用の乱数値MR1により判定された当りの種別である「大当り」や「小当り」に対応付ける(割り当てる)、第1特図や第2特図を変動する変動時間から構成される。尚、本実施例では、第1特図や第2特図で同一の変動パターンとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1特図や第2特図で個別の変動パターンとなるように、特図変動パターン選択テーブル142を設定してもよいし、更には、有利状態の有無に応じて異なる特図変動パターンが選択されるように、特図変動パターン選択テーブル142を設定してもよい。
図13に示す普図表示結果判定テーブル143は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするか等を判定するために参照されるテーブルである。例えば、普図表示結果判定テーブル141は、普図表示結果判定用の乱数値MR2を、普図当り判定値データやハズレ判定値データなどに対応付ける(割り当てる)設定データ(決定用データ)から構成されている。
ここで、有利状態フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であることに対応してオン状態にセットされる一方で、有利状態が終了することに対応してクリアされてオフ状態となる状態データである。そして、図9示すように、第1特図表示結果判定テーブル140では、大当りと、小当り1〜小当り5まで、図10に示すように、第2特図表示結果判定テーブル141では、大当りと、小当り6〜小当り8までに、異なる乱数値MR2の範囲が割り当てられているとともに、これら各大当りと小当りの種別毎に、有利状態フラグがオンであるか否か、つまり、有利状態であるか否かに応じて、大当り後に有利状態の制御を開始するか否かを示すデータが格納され構成とされている。一例として、有利状態フラグがオフ状態である場合には、有利状態の制御が開始される割合が低くなり、有利状態フラグがオン状態である場合には、有利状態の制御が開始される割合が高くなるように、データが格納された構成とされる。このような設定により、有利状態であるときに大当りとなった場合には有利状態となる確率が通常遊技状態に比べて高くなり、有利状態の方が通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利となる。
ROM112が記憶する決定テーブルには、例えば図14に示す普図変動パターン決定テーブル144や、図15に示す普電開放パターンテーブル145などが含まれている。
図14に示す普図変動パターン決定テーブル144は、普図ゲームにおいて普通図柄の可変表示が開始されてから確定普通図柄が停止表示されるまでの変動パターン(普図変動パターン)を決定するために参照されるテーブルである。例えば、普図変動パターン決定テーブル144は、普図変動パターンの種類や、普通図柄の可変表示が開始されてから確定普通図柄が停止表示されるまでの時間である普図変動時間を、普図ゲームにおける表示結果種別である普図表示結果が「当り」、「ハズレ」のいずれであるかを、有利状態フラグのオン/オフ、つまり、有利状態または通常状態のそれぞれに対応して決定するための設定データ(決定用データ)などから構成されている。本実施例では、普図変動パターンとなる複数種類の変動パターンとして、通常状態の「当り」に対応する変動パターンa(変動時間30秒)、普通状態の「はずれ」に対応する変動パターンb(変動時間30秒)、有利状態の「当り」に対応する変動パターンc(変動時間1秒)、有利状態の「はずれ」に対応する変動パターンd(変動時間1秒)の各変動パターンが用意されている。
図15に示す普電開放パターンテーブル145には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに基づき、普通電動役物用ソレノイド55により普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態される期間を示すデータが、普電開放パターンとして複数種類格納されていればよい。一例として、普電開放パターンテーブル145には、2種類の期間の普電開放パターンが格納されている。普電開放パターンFA1は、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態である通常時に、普図表示結果が「普図当り」に決定された場合に対応して選択されるパターンである。普電開放パターンFA2は、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態である有利時に、普図表示結果が「普図当り」に決定されたことに対応して選択されるパターンである。
具体的には、普電作動パターンFA1では、図15に示すように、普通電動役物用ソレノイド55をオン状態とすることにより普通可変入賞球装置6Bにおいて可動翼片が第2始動入賞口を拡大開放状態とする時間である拡大開放時間を、「0.1秒」に設定する。普電作動パターンFA2では、拡大開放時間を「5秒」に設定する。このような設定により、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態である有利時には、通常遊技状態である通常時に比べて、第2始動入賞口が拡大開放状態となる期間が長くなり、遊技球が第2大入賞口に入賞しやすくなる。
また、ROM112には、上記した各決定テーブルに加えて、ラウンド制御パターンデータが格納されたラウンド制御パターンテーブル等も記憶されている。このラウンド制御パターンテーブルには、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態に制御される期間にて、CPU111による遊技制御用マイクロコンピュータ100での設定内容や、大入賞口扉用ソレノイド54における駆動動作の内容を示すデータが、ラウンド制御パターンとして複数種類格納されていればよい。一例として、ラウンド制御パターンテーブルには、大当り遊技状態におけるラウンド最大値が「5」である場合に対応した5ラウンド用のラウンド制御パターンRP5や、ラウンド最大値が「15」である場合に対応した15ラウンド用のラウンド制御パターンRP15が格納されている。
ラウンド制御パターンテーブルに格納される複数種類のラウンド制御パターンRP5、RP15はそれぞれ、図17に示す遊技制御用データ保持エリア150の遊技制御カウンタ設定部154に設けられたラウンド数カウンタにおけるカウント値であるラウンド数カウント値を、大入賞口60の最大開放時間(上限時間)である第2大入賞口開放時間と対応付ける設定データや制御データなどから構成されている。例えば、各ラウンド制御パターンでは、大入賞口開放時間が「29秒」に設定される。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM113には、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図17に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図17に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した遊技球が第1始動口スイッチ22Rによって検出されることで第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを実行するための第1始動条件は成立したが、従前の特図ゲームを実行中や大当りであるなどの理由により未だ第1開始条件は成立していない特図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、第1特図保留記憶部151Aは、遊技球が第1始動入賞口に進入した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU111により乱数生成プログラムによるランダムカウンタや乱数回路などから抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データなどを、保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した遊技球が第2始動口スイッチ22Lによって検出されることで第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件は成立したが、従前の特図ゲームを実行中や大当りであるなどの理由により未だ第2開始条件は成立していない特図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、第2特図保留記憶部151Bは、遊技球が第2始動入賞口に進入した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU111により乱数生成プログラムによるランダムカウンタや乱数回路などから抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データなどを、保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されることで普通図柄表示装置20による普図ゲームを実行するための実行条件は成立したが、従前の普図ゲームを実行中であるなどの理由により未だ開始条件は成立していない普図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU111により乱数回路114やランダムカウンタなどから抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR2を示す数値データなどを、保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152は、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータを記憶する。この実施例において、遊技制御フラグ設定部152には、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、変動特図指定フラグ、大当りフラグ、小当りフラグ、有利状態フラグ、有利状態終了フラグ、大当り時有利フラグ、V入賞フラグ、大当り状態開始前フラグ、特図確定表示中フラグ、役物開放前設定フラグ等の各種のフラグが設けられている。
特図プロセスフラグは、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの進行等を制御するために実行される図19のステップS16や図22に示す特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普通図柄プロセスフラグは、普通図柄表示装置20による普図ゲームの進行等を制御するために実行される図19のステップS17や図33に示す普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。変動特図指定フラグは、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームが実行されるかを示す。一例として、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定フラグの値が“1”に設定される。また、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定フラグの値が“2”に設定される。そして、特図ゲームが終了したことなどに対応して、変動特図指定フラグの値が“0”に設定される。
大当りフラグは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果を「大当り」とする判定結果に対応してオン状態にセットされる一方で、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄として大当り図柄が導出表示されたことなどに対応してクリアされてオフ状態となる。小当りフラグは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果を「小当り」とする判定結果に対応してオン状態にセットされる一方で、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄として小当り図柄が導出表示されたことなどに対応してクリアされてオフ状態となる。有利状態フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、有利状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。V入賞フラグは、小当り遊技状態における始動動作で第1役物装置40A或いは第2役物装置40Bいずれかに進入した遊技球が、特定領域である大当り流入口207、217に流入して特定領域スイッチ24L、24Rによって検出されたときに、オン状態にセットされる。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153は、各タイマにおけるタイマ値を示すデータを記憶する。この実施例において、遊技制御タイマ設定部153には、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマ、始動動作制御タイマなどが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態もしくは小当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
特図変動タイマは、特図ゲームの実行時間である特図変動時間といった特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
普図変動タイマは、普図ゲームの実行時間である普図変動時間といった普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154は、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータを記憶する。本実施例において、遊技制御カウンタ設定部154には、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタ、普図保留記憶数カウンタ、残存球数カウンタ、ラウンド数カウンタ、有利状態カウンタなどが設けられている。
第1保留記憶数カウンタは、第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの数である第1保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第1保留記憶数カウンタには、第1保留記憶数に対応したカウント値データが、第1保留記憶数カウント値として記憶され、第1保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
第2保留記憶数カウンタは、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの数である第2保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第2保留記憶数カウンタには、第2保留記憶数に対応したカウント値データが、第2保留記憶数カウント値として記憶され、第2保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
普図保留記憶数カウンタは、普図保留記憶部151Cにおける保留データの数である普図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、普図保留記憶数カウンタには、普図保留記憶数に対応したカウント値データが、普図保留記憶数カウント値として記憶され、普図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
残存球数カウンタは、第1役物装置40Aに対応する第1役物残存球数カウンタと、第2役物装置40Bに対応する第2役物残存球数カウンタとで構成されており、第1役物装置40A或いは第2役物装置40Bの内部に残存している遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、第1(第2)役物残存球数カウンタには、上部カウントスイッチ23L(23R)によって遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、役物内遊技球カウント値としてセットされる。そして、排出口スイッチ25L(25R)によって遊技球が検出されるごとに、役物内遊技球カウント値が1減算されて更新される。
ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数をカウントするためのものである。例えば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技が開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。
図4に示す演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、画像表示装置5の表示動作やスピーカ8L、8Rからの効果音出力動作、遊技効果ランプ9の点灯動作といった各種の演出動作を、主基板11からの演出制御コマンドに応じて制御する。一例として、演出制御基板12には、演出制御用マイクロコンピュータ120と、表示制御部121と、音制御部122と、ランプ制御部123とが搭載されている。
図6は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120の構成例を示す図である。図6に示す演出制御用マイクロコンピュータ120は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、プログラムに従って制御動作を行うCPU131と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM132と、CPU131のワークエリアを提供するRAM133と、入出力ポート135とを備えている。演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU131がROM132から読み出したプログラムを実行し、RAM133をワークエリアとして用いることで、画像表示装置5などによる演出動作を制御するための処理が実行される。また、CPU131は、ROM132に記憶されている乱数生成プログラムを実行することで、演出制御基板12の側において用いられる各種の乱数を必要に応じて生成可能とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら乱数生成プログラムとは個別に、CPU131とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路を設けるようにしても良いが、乱数生成プログラムによってCPU131が乱数値のカウントを行うことにより、例えば乱数回路といったハードウェア回路に故障が発生した場合でも、ソフトウェアによる更新によって乱数値のカウントを継続できることから、各種の演出動作が固定的なものになるのを防止できる。そして、CPU131自体に故障が発生した場合には、パチンコ遊技機1における演出動作自体の進行が制御不能となるため、直ちにその故障発生を認識することが可能になる。
ROM132が記憶する演出制御パターンテーブルの一例として、図18に示すような演出制御パターンテーブル300が用意されている。例えば、演出制御パターンテーブル300には、特別図柄の可変表示が開始された時点から特別図柄の表示結果となる確定図柄が停止表示されるまでの期間における、CPU131による演出制御用マイクロコンピュータ120での設定内容、画像表示装置5の表示制御の内容、スピーカ8L、8Rの音声出力制御の内容、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの点灯制御の内容といった、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして当該演出制御パターンを特定可能な演出制御パターンコードに対応付けて複数種類格納されていればよい。また、演出制御パターンテーブル300には、小当り遊技状態あるいは大当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして格納されていてもよい。
各演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードといった、演出動作を制御するための各種データから構成され、時系列的に、画像表示装置5の表示内容やスピーカ8L、8Rからの音声出力内容、遊技効果ランプ9あるいは装飾用LEDの点灯動作内容といった、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されている。
本実施例では、演出制御パターンとして、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて小当りに対応する特図表示結果となる特図ゲームの変動表示期間における演出に用いられる演出制御パターン(CKE1−1)、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当りに対応する特図表示結果となる特図ゲームの変動表示期間における演出に用いられる演出制御パターン(CKE1−2)、小当り遊技状態に制御されている期間における演出に用いられる演出制御パターン(CKE2)、特定領域である大当り流入口207、217に遊技球が流入してV入賞した際の演出に用いられる演出制御パターン(CKE3)、小当り遊技状態の終了後の演出に用いられる演出制御パターン(CKE4)、小当りにより特定領域である大当り流入口207、217に遊技球が流入して5ラウンド大当りが成立した際の演出に用いられる演出制御パターン(CSE1−1)、小当りにより特定領域である大当り流入口207、217に遊技球が流入して15ラウンド大当りが成立した際の演出に用いられる演出制御パターン(CSE1−2)、特図表示結果が「大当り」に決定されたこと、つまり、直撃大当りとなった際の演出に用いられる演出制御パターン(CKE1−3)が用意されている。
さらに、大当り遊技状態に制御されている期間に用いられる演出制御パターンとして、ラウンド最大値が「5」、「15」のそれぞれに対応して、互いに異なる演出制御パターン(例えば図18に示す5ラウンドの大当り遊技時演出制御パターン(CSE2−1)、15ラウンドの大当り遊技時演出制御パターン(CSE2−2)など)が用意されている。
さらに、大当り遊技状態の終了時に用いられる演出制御パターンとして、ラウンド最大値並びに有利状態への移行の有無のそれぞれに対応して、互いに異なる演出制御パターン(例えば図18に示す、5ランド−有利状態無しの場合の大当り終了時制御パターン(CSE3−1)、5ランド−有利状態有りの場合の大当り終了時制御パターン(CSE3−2)、15ランド−有利状態無しの場合の大当り終了時制御パターン(CSE3−3)、15ランド−有利状態有りの場合の大当り終了時制御パターン(CSE3−4)など)が用意されている。これにより、各ラウンドの種別とともに、大当り後に有利状態に移行するか否かに応じて異なる態様の演出を実行することができる。
図6に示す演出制御用マイクロコンピュータ120のRAM133には、演出動作を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。例えば、RAM133には、演出動作状態や演出制御コマンド等に応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータが記憶される演出制御フラグ設定部や、演出制御に用いられる各種のタイマ値を示すデータが記憶される演出制御タイマ設定部、演出制御に用いられる各種のカウント値を示すデータが記憶される演出制御カウンタ設定部、演出制御に用いられる各種のデータが一時的に記憶される演出制御バッファ設定部といった、各種のデータ設定部となる領域が設けられていればよい。
入出力ポート135は、演出制御用マイクロコンピュータ120に伝送された演出制御コマンド等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、入出力ポート135の出力ポートからは、表示制御部121へと伝送される表示制御信号や、音制御部122やランプ制御部123へと伝送される情報信号などが出力される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部121は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御信号などに基づき、画像表示装置5の表示領域における表示動作の制御を行うためのものである。例えば、表示制御部121では、画像表示装置5の表示領域にて演出画像の切換表示を行わせることなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。
演出制御基板12に搭載された音制御部122では、遊技制御用マイクロコンピュータ120から入力される情報信号としての効果音信号に応じて、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作の制御が行われる。演出制御基板12に搭載されたランプ制御部123では、遊技制御用マイクロコンピュータ120から入力される情報信号としての電飾信号に応じて、遊技効果ランプ9や装飾用LEDによる点灯動作の制御が行われる。なお、音制御部122やランプ制御部123は、演出制御基板12とは別個に設けられた制御基板上に搭載されるように構成されてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)の一例について説明する。主基板11では、所定の電源基板などから電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU111によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU111は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、所定のクリアスイッチが押圧操作されたか否かの判定を行い、押圧操作された場合には、RAM113をクリアした後に所定の作業領域に初期値を設定するなどの初期設定処理が実行される。これに対して、クリアスイッチが押圧操作されていない場合には、RAM113のバックアップ領域における記憶内容などに基づき、チェックサムを算出した結果とチェックサムバッファの内容とが一致した場合などに、主基板11の内部状態をパチンコ遊技機1にて電源断が生じる前の状態に戻すための復旧処理が実行される。なお、チェックサムバッファは、例えば図17に示す遊技制御バッファ設定部155などに設けられ、パチンコ遊技機1の電源断が発生した場合でも、記憶内容が消滅せずに保持されるものであればよい。
また、遊技制御メイン処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU111へと送出され、CPU111は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定や復旧処理が終了すると、割込みを許可した後に、ループ処理に入る。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU111は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図19のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図19に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU111は、まず、所定の電源断処理を実行する(ステップS11)。この電源断処理では、所定の電源確認信号における信号状態をチェックして、電源断判定中以外であればバックアップ監視タイマをクリアする。これに対して、電源断判定中であればバックアップ監視タイマの更新や判定を行い、電源断が発生したか否かを判定する。このとき、電源断が発生すれば、チェックサムバッファの設定や、RAM113をアクセス禁止とする設定、電源確認信号の監視などといった、所定の設定や処理を実行する。
電源断処理に続いて、所定のスイッチ処理を実行する(ステップS12)。このスイッチ処理では、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22R、第2始動口スイッチ22L、上部カウントスイッチ23L、23R、特定領域スイッチ24L、24R、排出口スイッチ25L、25R、一般入賞球スイッチ27L、27R及び下部大入賞口スイッチ28といった各スイッチの状態を示す検出信号を取り込み、各スイッチにおける検出状態の判定が行われる。例えば、スイッチ処理では、図20のフローチャートに示すような入賞エラー判定処理が実行される。
図20に示す入賞エラー判定処理を開始すると、CPU111は、まず、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値が“5”となっているか否かを判定する(ステップS51)。ここで、特図プロセスフラグの値が“5”であるときには、後述する特別図柄プロセス処理において、第1特図の小当りによる小当り遊技状態での第1役物装置40Aの各種制御を行うための第1役物開放処理が実行される(図22のステップS114)。
第1特図の小当りによる小当り遊技状態では、第1役物装置40Aの第1役物入賞口32Aに設けられた可動翼片10Aが開放状態となる始動動作が行われ、第1役物装置40Aの内部に正常な遊技に基づく遊技球が進入可能となる。これに対して、第1特図の小当りによる小当り遊技状態以外の遊技状態(第2役物装置40Bが小当り状態である状態を含む)では、第1役物入賞口32Aに設けられた可動翼片10Aが開放状態となる始動動作の制御は行われないことから、第1役物装置40Aの内部に進入した遊技球が検出された場合には、異常が発生した旨のエラー判定を行うことが望ましい。
そこで、ステップS51にて特図プロセスフラグの値が“5”以外の値であれば(ステップS51;No)、第1役物装置40Aの内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出するための第1エラー判定処理を実行する。すなわち、CPU111は、上部カウントスイッチ23Lからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定し(ステップS52)、オフ状態であれば(ステップS52;No)、排出口スイッチ25Lからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS53)。
ステップS52にて上部カウントスイッチ23Lからの検出信号がオン状態である場合や(ステップS52;Yes)、ステップS53にて排出口スイッチ25Lからの検出信号がオン状態である場合には(ステップS53;Yes)、第1役物装置40Aの第1役物入賞口32Aが閉鎖状態となってから所定の有効入賞検出期間が経過した後、不適切に第1役物入賞口32Aから内部に進入した遊技球が検出されたことになる。
そこで、所定の第1異常報知処理を実行するループ処理に入り(ステップS54)、以後の処理には進まないように制御を行う。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS54の第1異常報知処理では、第1役物装置40Aにおける第1異常に対応するEXTデータを含むエラーコマンドを演出制御基板12に送信することで、例えば図21(a)に示すように、「第1ハネ入賞異常発生」のメッセージと第1役物装置40Aの存在位置を示す矢印とを含む第1異常報知画面といった所定の報知画面を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、遊技効果ランプ9に含まれる所定の警告ランプを点灯させること、スピーカ8L、8Rから所定の警告音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。
尚、第1異常報知処理においては、上記した異常報知に加えて、例えば、入出力ポート115に含まれる出力ポートのうち、払出制御基板に対して賞球個数信号を送信するための出力ポートをクリアすることにより、不正な遊技球の検出による賞球個数信号の送信を停止させたり、或いは、払出制御基板に対して所定の異常報知信号を送信することにより、不適切に検出された遊技球に対する賞球の払出しを停止させるようにしてもよい。
ステップS51にて特図プロセスフラグの値が“5”である場合や、ステップS52にて上部カウントスイッチ23Lからの検出信号がオフ状態(No)であって、ステップS53にて排出口スイッチ25Lからの検出信号がオフ状態(No)である場合には、ステップS55に進んで、特図プロセスフラグの値が“6”となっているか否かの判定を行う。
つまり、第2特図の小当りによる小当り遊技状態では、第2役物装置40Bの第2役物入賞口32Bに設けられた可動翼片10Bが開放状態となる始動動作が行われ、第2役物装置40Bの内部に正常な遊技に基づく遊技球が進入可能となる。これに対して、第2特図の小当りによる小当り遊技状態以外の遊技状態(第1役物装置40Aが小当り状態である状態を含む)では、第2役物入賞口32Bに設けられた可動翼片10Bが開放状態となる始動動作の制御は行われないことから、第2役物装置40Bの内部に進入した遊技球が検出された場合には、異常が発生した旨のエラー判定を行うことが望ましいので、ステップS55にて特図プロセスフラグの値が“6”以外の値であれば(No)、第2役物装置40Bの内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出するための第2エラー判定処理を実行する。すなわち、CPU111は、上部カウントスイッチ23Rからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定し(ステップS56)、オフ状態であれば(ステップS56;No)、排出口スイッチ25Rからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS57)。
ステップS56にて上部カウントスイッチ23Rからの検出信号がオン状態である場合や(ステップS56;Yes)、ステップS57にて排出口スイッチ25Rからの検出信号がオン状態である場合には(ステップS57;Yes)、第2役物装置40Bの第2役物入賞口32Bが閉鎖状態となってから所定の有効入賞検出期間が経過した後、不適切に第2役物入賞口32Bから内部に進入した遊技球が検出されたことになる。
そこで、所定の第2異常報知処理を実行するループ処理に入り(ステップS58)、以後の処理には進まないように制御を行う。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS58の第2異常報知処理では、第2役物装置40Bにおける第2異常に対応するEXTデータを含むエラーコマンドを演出制御基板12に送信することで、例えば図21(b)に示すように、「第2ハネ入賞異常発生」のメッセージと第2役物装置40Bの存在位置を示す矢印とを含む第2異常報知画面といった所定の報知画面を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、遊技効果ランプ9に含まれる所定の警告ランプを点灯させること、スピーカ8L、8Rから所定の警告音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。但し、これら遊技効果ランプ9に含まれる所定の警告ランプの報知態様や、スピーカ8L、8Rから所定の警告音を出力態様は、第1異常報知処理の場合と異なるようにすることで、発生した異常が第2役物装置40Bについての異常であることを音や点灯態様のみでも認識できるようにしても良い。
尚、第2異常報知処理においても、第1異常報知処理と同じく上記した異常報知に加えて、出力ポートのクリアや、払出制御基板への所定の異常報知信号の送信により、不適切に検出された遊技球に対する賞球の払出しを停止させるようにしてもよい。
また、本実施例では、特定領域スイッチ24R、24Lにより遊技球が検出されても賞球の払い出しを行わないので、上述した第1エラー判定処理並びに第2エラー判定処理において特定領域スイッチ24R、24Lからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定していないが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特定領域スイッチ24R、24Lにより遊技球が検出されることに応じて賞球の払い出しを行う場合には、第1エラー判定処理並びに第2エラー判定処理において特定領域スイッチ24R、24Lからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定し、特定領域スイッチ24R、24Lからの検出信号がオン状態となっている場合に、上述した第1異常報知処理或いは第2異常報知処理に移行するようにすれば良い。
また、本実施例では、排出口スイッチ25L、25Rによる遊技球の検出に応じて賞球の払い出しを実施するようにしていても、上述した第1エラー判定処理並びに第2エラー判定処理において上部カウントスイッチ23L、23Rからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定するようにしており、このようにすることは、排出口スイッチ25L、25Rにより検出されなくても、第1役物装置40Aや第2役物装置40Bへの不正な遊技球の流入を検知して、第1役物装置40Aや第2役物装置40Bに不正に流入されて滞留されている遊技球が、小当り時に排出口スイッチ25L、25Rにて検出されることにより、流入された遊技球が不正なものと判定されることなく賞球等の払出し等が実施されてしまうことを極力防止できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1エラー判定処理並びに第2エラー判定処理において上部カウントスイッチ23L、23Rからの検出信号がオン状態であるかの判定を実施せずに、排出口スイッチ25L、25Rからの検出信号がオン状態であるか否かの判定のみを実施するようにしても良い。
また、本実施例では、第1異常報知画面や第2異常報知画面において、異常が発生した役物装置を視覚的に容易に認識できるようにするために、異常対象の役物装置の存在位置を示す矢印を表示するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら矢印表示を実施しないようにしても良い。
ステップS55にて特図プロセスフラグの値が“6”である場合や、ステップS56にて上部カウントスイッチ23Rからの検出信号がオフ状態(No)であって、ステップS57にて排出口スイッチ25Rからの検出信号がオフ状態(No)である場合には、ステップS59に進んで、特図プロセスフラグの値が“8”となっているか否かの判定を行う。
ここで、特図プロセスフラグの値が“8”であるときには、後述する特別図柄プロセス処理において、大当り遊技状態でのラウンド遊技に関する各種制御を行うための処理が実行される(図22のステップS117)。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7に設けられた大入賞口60が大入賞口扉61により開放状態となるラウンド遊技が行われ、特別可変入賞球装置7の内部に正常な遊技に基づく遊技球が進入可能となる。これに対して、大当り遊技状態以外の遊技状態では、大入賞口60が大入賞口扉61により開放状態となる制御は行われないことから、特別可変入賞球装置7の内部に進入した遊技球が検出された場合には、異常が発生した旨のエラー判定を行うことが望ましい。
そこで、ステップS59にて特図プロセスフラグの値が“8”でなければ(ステップS59;No)、特別可変入賞球装置7の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出するための第3エラー判定処理を実行する。すなわち、CPU111は、下部大入賞口スイッチ28からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS60)。
ステップS60にて下部大入賞口スイッチ28からの検出信号がオン状態である場合には(ステップS60;Yes)、特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口60が閉鎖状態となった後、不適切に特別可変入賞球装置7の内部に進入した遊技球が検出されたことになる。そこで、この場合には、ステップS54やステップS58と同様に、所定の第3異常報知処理を実行するループ処理に入り(ステップS61)、以後の処理には進まないように制御を行う。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS61の第3異常報知処理では、特別可変入賞球装置7における第3異常に対応するEXTデータを含むエラーコマンドを演出制御基板12に送信することで、例えば図21(c)に示すような「アタッカー入賞異常発生」のメッセージを含む第3異常報知画面といった所定の報知画面を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、遊技効果ランプ9に含まれる所定の警告ランプを点灯させること、スピーカ8L、8Rから所定の警告音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。但し、これら遊技効果ランプ9に含まれる所定の警告ランプの報知態様や、スピーカ8L、8Rから所定の警告音を出力態様は、第1異常報知処理や第2異常報知処理の場合と異なるようにすることで、発生した異常が特別可変入賞球装置7についての異常であることを音や点灯態様のみでも認識できるようにしても良い。
尚、第3異常報知処理においても、上記した異常報知に加えて、上述した出力ポートのクリアや、払出制御基板への所定の異常報知信号の送信により、不適切に検出された遊技球に対する賞球の払出しを停止させるようにしてもよい。
こうした入賞エラー判定処理では、例えば普通可変入賞球装置6Bが第2誘導状態において第2始動入賞口には遊技球を進入させないように構成されている場合であれば、第2誘導状態であるにも関わらず第2始動入賞口に進入した遊技球が検出されたことに対応して異常の発生を報知するための処理が実行されてもよい。一例として、図20に示すステップS59にて特図プロセスフラグの値が“8”である場合や(ステップS59;Yes)、ステップS60にて下部大入賞口スイッチ28からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS60;No)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値が“4”となっているか否かの判定を行う。ここで、普図プロセスフラグの値が“4”であるときには、後述する普通図柄プロセス処理において、普通電動役物用ソレノイド55を駆動して普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させることで、第2始動入賞口に遊技球が進入可能となる。これに対して、普図プロセスフラグの値が“4”以外の値である期間では、第2始動入賞口に遊技球が進入可能となる制御は行われないことから、第2始動入賞口に進入した遊技球が第2始動口スイッチ22Rによって検出された場合には、異常が発生した旨のエラー判定を行うことが望ましい。
そこで、普図プロセスフラグの値が“4”以外の値であれば、第2始動入賞口に進入した遊技球を異常な入賞球として検出するための第4エラー判定処理が実行されればよい。すなわち、CPU111は、普図プロセスフラグの値が“4”以外の値である場合に、第2始動口スイッチ22Rからの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う。これに対して、普図プロセスフラグの値が“4”であれば、入賞エラー判定処理を終了する。普図プロセスフラグの値が“4”以外の値であり、かつ、第2始動口スイッチ22Rからの検出信号がオン状態である場合には、第2始動入賞口に遊技球が進入できない期間にて、不適切に第2始動入賞口に進入した遊技球が検出されたことになる。この場合には、ステップS54、ステップS58、ステップS61の処理と同様に、所定の第4異常報知処理を実行するループ処理に入るようにすればよい。このときには、以後の処理に進まないように制御を行う。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。第4異常報知処理では、普通可変入賞球装置6Bにおける第4異常に対応するEXTデータを含むエラーコマンドを演出制御基板12に送信することで、例えば図21に示す第1〜第3の各異常報知画面とは異なる第4異常報知画面を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、遊技効果ランプ9に含まれる所定の警告ランプを点灯させること、スピーカ8L、8Rから所定の警告音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。但し、これら遊技効果ランプ9に含まれる所定の警告ランプの報知態様や、スピーカ8L、8Rから所定の警告音を出力態様は、第1〜第3異常報知処理の場合と異なるようにすることで、発生した異常が普通可変入賞球装置6Bについての異常であることを音や点灯態様のみでも認識できるようにしても良い。
尚、第4異常報知処理においても、上記した異常報知に加えて、上述した出力ポートのクリアや、払出制御基板への所定の異常報知信号の送信により、不適切に検出された遊技球に対する賞球の払出しを停止させるようにしてもよい。
これら図20に示す入賞エラー判定処理から移行する第1〜第3異常報知処理(普通可変入賞球装置6Bが第2誘導状態において第2始動入賞口に遊技球を進入させない形態においては、第1〜第4異常報知処理)は、電源基板からの電力供給停止時、すなわち電源断が生じるまで、繰返し行われるようにすればよい。この場合、電源断が生じたときには、電源の再投入時にクリアスイッチの押圧操作が行われることにより、RAM113がクリアされた後に初期設定処理が実行されて、異常状態がクリア(解除)されればよい。これに対して、電源断が生じたときには、電源の再投入時にクリアスイッチの押圧操作が行われなくても、異常の報知を終了させるようにしてもよい。これにより、異常状態をクリア(解除)するために特別な信号を主基板11に入力させる必要がないので、不正な信号が入力される可能性を低減することができる。また、クリアスイッチの押圧操作を不要とすることで、例えば球詰まりが生じた場合のように、不正行為以外の原因で各種の入賞口に遊技球を進入させない状態で遊技球が検出された場合でも、遊技状態を初期化する必要がなく復旧させることができるので、遊技者に不利益を与えることがない。
また、図20に示す入賞エラー判定処理から移行する第1〜第3異常報知処理(普通可変入賞球装置6Bが第2誘導状態において第2始動入賞口に遊技球を進入させない形態においては、第1〜第4異常報知処理)は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで繰返し行われるようにして、その所定時間が経過した後には、自動的に異常状態から復旧できるようにしてもよい。これにより、異常状態が発生したことを遊技場の店員等に対して確実に報知することができる一方で、クリアスイッチの押圧操作や電源の再投入などによりRAM113をクリアしなくても異常状態から復旧させられるので、ノイズ等の原因で異常状態と判定された場合などに、遊技者に与える不利益を軽減することができる。
また、図20に示す入賞エラー判定処理から移行する第1〜第3異常報知処理(普通可変入賞球装置6Bが第2誘導状態において第2始動入賞口に遊技球を進入させない形態においては、第1〜第4異常報知処理)では、上記したエラーコマンドの送信後において、ループ処理には入らずに図20に示す入賞エラー判定処理を終了するようにしてもよい。このようにループ処理には入らずに入賞エラー判定処理を終了する場合には、演出制御基板12の側において、たとえ画像表示装置5の表示領域にて何らかの演出表示等が行われている場合などであっても、主基板11からのエラーコマンドを受信したことに対応して、異常の報知を開始すればよい。この場合には、演出制御基板12の側で異常の報知を開始してからの経過時間を計測し、計測された経過時間が一定時間に達したことに対応して、異常の報知を終了するようにしてもよい。
ステップS51の処理では、可動翼片10Aにおける動作監視用のセンサによる検出結果に基づき、第1役物入賞口32Aが開放状態となっているか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、第1役物入賞口32Aが開放状態であると判定されたことに対応してステップS55の処理に進む一方で、第1役物入賞口32Aが閉鎖状態であると判定されたことに対応してステップS52の処理に進めばよい。
また、ステップS55の処理では、可動翼片10Bにおける動作監視用のセンサによる検出結果に基づき、第2役物入賞口32Bが開放状態となっているか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、第2役物入賞口32Bが開放状態であると判定されたことに対応してステップS59の処理に進む一方で、第2役物入賞口32Bが閉鎖状態であると判定されたことに対応してステップS56の処理に進めばよい。
また、ステップS59の処理では、大入賞口扉61における動作監視用のセンサによる検出結果に基づき、大入賞口扉61により大入賞口60が開放状態となっているか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、大入賞口60が開放状態であると判定されたことに対応して入賞エラー判定処理を終了する一方で、大入賞口60が閉鎖状態であると判定されたことに対応してステップS57の処理に進めばよい。
さらに、第2誘導状態では第2始動入賞口に遊技球を進入させないように構成されている場合には、普図プロセスフラグの値が“4”であるか否かを判定する処理に代えて、普通可変入賞球装置6Bにおける動作監視用のセンサによる検出結果に基づき、第2始動入賞口に遊技球が進入可能な第1誘導状態となっているか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、第1誘導状態であると判定されたことに対応して入賞エラー判定処理を終了する一方で、第1誘導状態ではなく第2誘導状態であると判定されたことに対応して、第2始動口スイッチ22Rからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する処理に進めばよい。
加えて、ステップS12のスイッチ処理では、遊技盤2の裏面などに設けられた振動センサ70や磁石センサ71、電波センサ72といった各種センサのいずれかが不正行為や不正動作を感知したか否かの判定を行い、感知した旨の判定がなされた場合には、上述した第1〜第3異常報知処理と同様に、異常を報知するための処理が実行されるようにしてもよい。また、第1役物用ソレノイド53Aや第2役物用ソレノイド53Bの駆動が停止されている期間にて第1役物入賞口32Aや第2役物入賞口32Bにおける可動翼片10Aや可動翼片10Bの動作監視用のセンサにより、第1役物入賞口32A或いは第2役物入賞口32Bが開放状態となっていることが検出された場合や、大入賞口扉用ソレノイド54の駆動が停止されている期間にて大入賞口扉61における動作監視用のセンサにより大入賞口60が開放状態となっていることが検出された場合などにも、上述した第1〜第3異常報知処理と同様に、異常を報知するための処理が実行されるようにしてもよい。
図19に示すステップS12にてスイッチ処理を実行した後には、表示制御処理が実行される(ステップS13)。この表示制御処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20などにおける表示動作を制御するための駆動信号、第1特別図柄保留記憶LED15A、第2特別図柄保留記憶LED15B、普通図柄保留記憶LED15C、5ラウンド用LED15D、15ラウンド用LED15Eにおける表示動作を制御する駆動信号などが、各表示装置やLEDへと出力される。表示制御処理が終了すると、乱数更新処理が実行される(ステップS14)。この乱数更新処理では、各種の乱数値を生成するための数値データを、CPU111がソフトウェアにより更新する。
乱数更新処理の後には、初期値決定用乱数更新処理が実行される(ステップS15)。この初期値決定用乱数更新処理では、各種の乱数値における初期値を決定するために用いられる乱数値を更新する。初期値決定用乱数更新処理が終了すると、特別図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。この特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、その特図プロセスフラグの値に対応して、第1特別図柄表示装置4Aあるいは第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うための各種設定や、第1役物装置40Aや、第2役物装置40Bあるいは特別可変入賞球装置7における大入賞口開閉動作を制御するための各種設定などが行われる。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS17)。この普通図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、その普図プロセスフラグの値に対応して、普通図柄表示装置20による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示を行うための各種設定や、普通電動役物用ソレノイド55の駆動制御により普通可変入賞球装置6Bに設けられた可動翼片を垂直位置あるいは傾動位置とするための各種設定などが行われる。
普通図柄プロセス処理が終了すると、表示コマンド制御処理が実行される(ステップS18)。この表示コマンド制御処理では、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作といった各種の演出動作を制御するために、演出制御コマンドが演出制御基板12に対して送信される。表示コマンド制御処理に続いて、情報出力処理が実行される(ステップS19)。この情報出力処理では、パチンコ遊技機1における各種の遊技情報が、情報端子基板などを介して遊技場に設置されたホール用管理コンピュータへと出力される。情報出力処理の後には、賞球処理が実行される(ステップS20)。この賞球処理では、各スイッチからの検出信号に応じて賞球個数信号を払出制御基板に対して出力することなどにより、賞球数の設定が行われる。具体的な一例として、ステップS20の賞球処理では、第1始動口スイッチ22Lからの検出信号がオン状態である場合には賞球数を「3」とする設定が行われる一方で、第2始動口スイッチ22Rからの検出信号がオン状態である場合には賞球数を「4」とする設定が行われる。また、排出口スイッチ25L(25R)からの検出信号のうちいずれかがオン状態である場合には賞球数を「10」とする設定が行われる。さらに、下部大入賞口スイッチ28からの検出信号がオン状態である場合には賞球数を「14」とする設定が行われる。
賞球処理に続いて、試験端子処理が実行される(ステップS21)。この試験端子処理では、例えば普通図柄可変表示中や特別図柄可変表示中における設定、「普図当り」や「大当り」や「小当り」の発生に対応する設定、第1役物装置40Aや第2役物装置40Bでの始動動作中における設定、特別可変入賞球装置7でのラウンド遊技中における設定、普通可変入賞球装置6Bでの普通電動役物用ソレノイド55を駆動中における設定といった各種の設定を示す信号が、所定の試験端子などから出力される。試験端子処理の後には、出力処理が実行される(ステップS22)。この出力処理では、各ソレノイド53A、53B、54、55や各役物用モータ56A、56Bを駆動あるいは停止させるために、駆動制御信号の出力制御を行う。出力処理が終了すると、記憶処理が実行される(ステップS23)。この記憶処理では、例えば第1特別図柄保留記憶LED15Aや第2特別図柄保留記憶LED15B、普通図柄保留記憶LED15C、5ラウンド用LED15D、15ラウンド用LED15Eなどにおける点灯動作を制御するための駆動信号が設定される。
記憶処理の後には、特別図柄表示制御処理が実行される(ステップS24)。この特別図柄表示制御処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作を制御するための駆動信号が設定される。特別図柄表示制御処理が終了すると、普通図柄表示制御処理が実行される(ステップS25)。この普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示装置20における表示動作を制御するための駆動信号が設定される。普通図柄表示制御処理に続いて、状態表示灯制御処理が実行される(ステップS26)。この状態表示灯制御処理では、所定の状態表示灯における表示動作の制御が行われる。状態表示灯制御処理が終了すると、割込み許可状態に設定してから(ステップS27)、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図22は、特別図柄プロセス処理として、図19に示すステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU111は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS100)。図23は、始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図23に示す始動入賞判定処理において、CPU111は、まず、図4に示す始動口スイッチ22L、22Rのうち、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Lからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Lからの検出信号がオン状態であれば(ステップS201;Yes)、第1特図保留記憶部151Aに記憶されている保留データの個数である第1保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。
ステップS202にて第1保留記憶数が上限値ではない場合には(ステップS202;No)、例えばCPU111が、ランダムカウンタや乱数回路によって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを抽出する(ステップS203)。そして、抽出した各乱数値を示す数値データを、第1特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの先頭にセットする(ステップS204)。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタにおけるカウント値である第1保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、第1保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS205)。また、CPU111は、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファに第1保留記憶数に対応した制御データをセットすることなどにより、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドとなる所定の演出制御コマンドを送信するための設定を行う(ステップS206)。
こうして設定された第1保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図19に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。この第1保留記憶数通知コマンドに応じて、演出制御基板12の側では、画像表示装置5の表示領域に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアにて、第1保留記憶数を特定可能とする演出画像を表示させることができる。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Lからの検出信号がオフ状態である場合や(ステップS201;No)、ステップS202にて第1保留記憶数が上限値となっている場合(ステップS202;Yes)、あるいは、ステップS206の処理が終了した後には、図4に示す始動口スイッチ22L、22Rのうち、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Rからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS207)。このとき、第2始動口スイッチ22Rからの検出信号がオフ状態であれば(ステップS207;No)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2始動口スイッチ22Rからの検出信号がオン状態である場合には(ステップS207;Yes)、第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの個数である第2保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS208)。
ステップS208にて第2保留記憶数が上限値である場合には(ステップS208;Yes)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、ステップS208にて第2保留記憶数が上限値ではない場合には(ステップS208;No)、例えばステップS203の処理と同様にして、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを抽出する(ステップS209)。そして、抽出した各乱数値を示す数値データを、第2特図保留記憶部151Bにおける空きエントリの先頭にセットする(ステップS210)。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタにおけるカウント値である第2保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、第2保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS211)。その後、CPU111は、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファに第2保留記憶数に対応した制御データをセットすることなどにより、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドとなる所定の演出制御コマンドを送信するための設定を行ってから(ステップS212)、始動入賞判定処理を終了する。
こうして設定された第2保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図19に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。この第2保留記憶数通知コマンドに応じて、演出制御基板12の側では、画像表示装置5の表示領域に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアにて、第2保留記憶数を特定可能とする演出画像を表示させることができる。
なお、図23に示すステップS203〜S206の処理とステップS209〜S212の処理は、共通の処理モジュール(処理プログラム)を用いて実行されるようにしてもよい。この場合、ステップS202の処理で第1保留記憶数が上限値ではないと判定されたことに対応して、例えばRAM113における第1特図保留記憶部151Aのアドレスを、CPU111の内部レジスタなどにより構成された保留記憶ポインタにセットする。このときには、例えばROM112などに予め格納された第1保留記憶数通知コマンド送信テーブルのアドレスを、CPU111の内部レジスタなどにより構成されたコマンド送信ポインタにセットする。また、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタのRAM113におけるアドレスを、CPU111の内部レジスタなどにより構成されたカウンタポインタにセットする。他方、ステップS208の処理で第2保留記憶数が上限値ではないと判定されたことに対応して、例えばRAM113における第2特図保留記憶部151Bのアドレスを、保留記憶ポインタにセットする。このときには、例えばROM112などに予め格納された第2保留記憶数通知コマンド送信テーブルのアドレスを、コマンド送信ポインタにセットする。また、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタのRAM113におけるアドレスを、カウンタポインタにセットする。
この後、ステップS203やステップS209の処理として、共通の処理モジュールを実行することにより、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した各乱数値を示す数値データを、保留記憶ポインタにセットされたアドレスに対応する特図保留記憶部(第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bのいずれか)における空きエントリの先頭にセットする。こうして、ステップS204とステップS210の処理が、共通の処理モジュールを用いて実行される。このときには、カウンタポインタにセットされたアドレスに対応する保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタと第2保留記憶数カウンタのいずれか)におけるカウント値を1加算することにより、第1保留記憶数と第2保留記憶数のいずれかを1加算するように更新する。こうして、ステップS205とステップS211の処理が、共通の処理モジュールを用いて実行される。続いて、コマンド送信ポインタにセットされたアドレスに対応するコマンド送信テーブル(第1保留記憶数通知コマンド送信テーブルと第2保留記憶数通知コマンド送信テーブルのいずれか)から読み出したテーブルデータに基づいて送信コマンドバッファに制御データをセットすることなどにより、第1保留記憶数通知コマンドと第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを送信するための設定を行う。こうして、ステップS206とステップS212の処理が、共通の処理モジュールを用いて実行される。以上のような始動入賞判定処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値に応じて、図22に示すステップS110〜S117の各処理を実行する。
このように共通の処理モジュールを用いてステップS203〜S206の処理とステップS209〜S212の処理を実行する場合には、まず、ステップS207の処理やステップS208の処理といった第2始動入賞口に遊技球が進入する場合に対応した処理を実行するとともに、第2始動入賞口に進入した遊技球の検出に応じて保留データを第2特図保留記憶部151Bに記憶させる処理を実行し、その後に、ステップS201の処理やステップS202の処理といった第1始動入賞口に遊技球が進入する場合に対応した処理を実行するとともに、第1始動入賞口に進入した遊技球の検出に応じて保留データを第1特図保留記憶部151Aに記憶させる処理を実行するようにしてもよい。これにより、1回のタイマ割込みに対応して、第1始動入賞口と第2始動入賞口の双方について、遊技球が進入したか否かをチェックすることができ、例えば第1始動入賞口と第2始動入賞口に遊技球が同時に進入した場合などでも、第2開始条件の方を第1開始条件よりも確実に優先して成立させることができる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの判定が行われる。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける停止図柄(大当り図柄、小当り図柄のいずれか)が決定される。そして、特別図柄可通常処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の可変表示を開始することに対応して、可変表示の開始を指示する演出制御コマンドである可変表示開始コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる。
ステップS111の特別図柄変動中処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動中処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が特図変動パターンに対応して定められた特図変動時間(確定特別図柄が大当りに対応する図柄である場合には15秒、確定特別図柄が大当りに対応する図柄である場合には2秒)に達したか否かの判定が行われる。そして、特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定等を行う。このときには、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動が終了することに対応した演出制御コマンドとして、特図確定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行うようにしてもよい。この場合、演出制御基板12の側では、可変表示開始コマンドにて指示された当選内容(大当りまたは小当り種別)に対応した演出を開始するための設定が行われればよい。あるいは、例えば、特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示等の表示演出を行う場合であれば、該飾り図柄の表示演出を終了するための設定が行われればよい。尚、当選内容に対応した演出や飾り図柄による演出を実施しない場合には、主基板11から演出制御基板12に対する特図確定コマンドの送信は行われないようにしてもよい。この場合、演出制御基板12の側では、可変表示開始コマンドに示された特図変動パターンなどに対応する特図変動時間を特定し、可変表示開始コマンドを受信してからの経過時間が特定された特図変動時間に達したときに、主基板11からの演出制御コマンドを受信しなくても、特別図柄の可変表示に対応して実行される演出を終了するための設定が行われるようにすればよい。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて確定特別図柄を停止表示させるための設定などは、ステップS112の特別図柄停止処理にて行われるようにしてもよい。このような各種設定が行われた後には、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ここで、特別図柄変動中処理では、共通の処理モジュールを用いて第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示を制御する。一例として、特別図柄変動中処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた変動特図指定フラグの値が“1”であるか“2”であるかに対応して、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかにより特別図柄を変動させるための設定が行われる。なお、変動特図指定フラグの値は、図24に示すステップS225の処理が実行されることにより“2”に設定される一方で、図24に示すステップS230の処理が実行されることにより“1”に設定される。例えば、変動特図指定フラグの値が“1”である場合には、第1特別図柄表示装置4Aに対応して遊技制御バッファ設定部155に設けられた第1特図選択バッファにおけるバッファ値を更新することなどにより、第1特別図柄表示装置4Aにおける特別図柄の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定フラグの値が“2”である場合には、第2特別図柄表示装置4Bに対応して遊技制御バッファ設定部155に設けられた第2特図選択バッファにおけるバッファ値を更新することなどにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。第1特図選択バッファや第2特図選択バッファにおけるバッファ値は、特別図柄プロセス処理が終了した後に図19に示すステップS24の特別図柄表示制御処理で読み出され、読み出されたバッファ値に対応した駆動信号が第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bに対して伝送されるようにすればよい。
ステップS112の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか(小当りフラグがオフ)、或いは大当りフラグがオフとなっているか(小当りフラグのいずれかがオン)の判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“7”に更新し、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。ここで、特別図柄停止処理では、共通の処理モジュールを用いて第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示を制御する。一例として、特別図柄停止処理では、変動特図指定フラグの値が“1”であるか“2”であるかに対応して、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかにて変動している特別図柄を停止させ、確定特別図柄を導出表示させるための設定が行われればよい。例えば、変動特図指定フラグの値が“1”である場合には、第1特図選択バッファにおけるバッファ値を、ステップS110の特別図柄通常処理で決定された停止図柄を示す値に設定することなどにより、第1特別図柄表示装置4Aに確定特別図柄を停止表示させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定フラグの値が“2”である場合には、第2特図選択バッファにおけるバッファ値を、ステップS110の特別図柄通常処理で決定された停止図柄を示す値に設定することなどにより、第2特別図柄表示装置4Bに確定特別図柄を停止表示させる駆動信号を送信するための設定を行う。こうして第1特図選択バッファや第2特図選択バッファにおけるバッファ値を設定した後には、図19に示すステップS24の特別図柄表示制御処理により読み出されたバッファ値に対応した駆動信号が第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bに対して伝送されることで、確定特別図柄を停止表示させることができる。
ステップS113の役物開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この役物開放前処理では、共通の処理モジュールを用いて小当り遊技状態における始動動作により第1役物装置40A或いは第2役物装置40Bを閉鎖状態から開放状態に変化させるまでの開放前時間T03を設定して、該開放前時間T03の経過に応じて役物開放開始設定フラグを設定する処理などが行われる。ここで、役物開放前処理では、変動特図指定フラグの値が“1”である場合には特図プロセスフラグの値を“5”に更新し、変動特図指定フラグの値が“2”である場合には特図プロセスフラグの値を“6”に更新する。
ステップS114の役物開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この役物開放中処理では、当選した小当り種別に対応する役物開放動作制御パターン(開放態様)に基づいて、第1役物装置40Aを開放状態と閉鎖状態とに変化させる始動動作の制御が行われる。また、役物開放中処理では、特定領域である大当り流入口207への遊技球の流入(入賞)の有無が判定され、流入口207への遊技球の流入(入賞)があったことに応じてV入賞フラグがセットされる。また、第1役物装置40Aに進入した遊技球の検出並びに第1役物装置40Aから排出された遊技球の検出に基づき更新される役物内遊技球カウンタのカウンタ値により、第1役物装置40Aに進入した全ての遊技球が排出されたか否かの判定が行われ、全ての遊技球が排出されていないときには役物内遊技球カウント値異常報知処理が実施されることで、第1役物装置40A内から全ての遊技球が排出されていないこと、つまり、遊技球が第1役物装置40A内に残存していることが報知される。
ステップS115の役物開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この役物開放中処理では、当選した小当り種別に対応する役物開放動作制御パターン(開放態様)に基づいて、第2役物装置40Bを開放状態と閉鎖状態とに変化させる始動動作の制御が行われる。また、役物開放中処理では、特定領域である大当り流入口207への遊技球の流入(入賞)の有無が判定され、大当り流入口207への遊技球の流入(入賞)があったことに応じてV入賞フラグがセットされる。また、第2役物装置40Bに進入した遊技球の検出並びに第2役物装置40Bから排出された遊技球の検出に基づき更新される役物内遊技球カウンタのカウンタ値により、第2役物装置40Bに進入した全ての遊技球が排出されたか否かの判定が行われ、全ての遊技球が排出されていないときには役物内遊技球カウント値異常報知処理が実施されることで、第2役物装置40B内から全ての遊技球が排出されていないこと、つまり、遊技球が第2役物装置40B内に残存していることが報知される。
ステップS116の大入賞口開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大入賞口開放前処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となったことや、始動動作により開放状態となった第1役物装置40A或いは第2役物装置40Bの内部に進入した遊技球が特定領域である大当り流入口207、217に進入したことに基づき、大当り遊技状態におけるラウンド遊技を開始するための設定が行われる。例えば、所定のラウンド開始待ち時間が経過するまで待機した後に、特別可変入賞球装置7の最大開放時間の設定や、遊技制御カウンタ設定部154に設けられたラウンド数カウンタにおけるカウント初期値として、大当り遊技状態において最初のラウンド遊技が実行されることに対応した「1」を設定するとともに、特図プロセスフラグの値を“8”に更新する処理などが実行される。
ステップS115の大入賞口開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この大入賞口開放中処理では、大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技で、例えば大入賞口扉用ソレノイド54の駆動を開始するための設定を行うことなどにより、特別可変入賞球装置7に設けられた大入賞口60を大入賞口扉61によって開放状態とするための設定が行われる。また、大入賞口開放中処理では、大入賞口60を開放状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が大入賞口開放終了判定値に対応した開放終了時間に達したか否かの判定が行われる。さらに、大入賞口開放中処理では、下部大入賞口スイッチ28によって検出された遊技球の個数が開放終了判定値に達したか否かの判定なども行われる。そして、経過時間が開放終了時間に達した場合、または、下部大入賞口スイッチ28によって検出された遊技球の個数が開放終了判定値に達した場合には、例えば大入賞口扉用ソレノイド54の駆動を停止するための設定を行うことなどにより、大入賞口60を大入賞口扉61によって閉鎖状態とするための設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“9”に更新する処理などが実行される。
ステップS116の大入賞口開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この大入賞口開放後処理では、大当り遊技状態にて次のラウンド遊技に移行するか否かの判定を行い、移行する場合には次のラウンド遊技を開始するための設定が行われる。例えば、大入賞口開放後処理では、ラウンド数カウンタにおけるカウント値であるラウンド数カウント値が、最大継続回数としてのラウンド最大値に達しているか否かの判定を行い、達していない場合には、ラウンド数カウント値を1加算するなどして更新するとともに、特図プロセスフラグの値を“7”に更新する処理などが実行される。この場合には、下部大入賞口スイッチ28によって遊技球が検出されたことや、継続入賞検出器によってV入賞検出がなされたことを、次のラウンド遊技に移行するための条件としてもよい。あるいは、下部大入賞口スイッチ28や継続入賞検出器により遊技球が検出されたか否かに関わりなく、ラウンド数カウント値がラウンド最大値に達するまでは、次のラウンド遊技に移行できるようにしてもよい。また、ラウンド数カウント値がラウンド最大値に達している場合には、ラウンド数カウンタをクリアして初期化するとともに、演出制御基板12に対して大当り遊技状態の終了に対応した演出制御コマンドとして大当り終了コマンドを送信するための設定や、特図プロセスフラグを“10”に更新する処理などが実行される。
ステップS119の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この大当り終了処理では、大当り遊技状態の終了時における各種の設定や制御が行われた後に、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。さらに、大当り状態の契機となった特図ゲームにおいて当選した当りの種別に基づいて、大当り後に有利状態とするか否かが決定され、有利状態とするとの決定に応じて有利状態とするための設定が行われる。 以上のようなステップS116〜S119の処理では、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に基づく大当り遊技状態と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に基づく大当り遊技状態とを、共通の処理モジュールを用いて制御する。
図24は、図22のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す特別図柄通常処理において、CPU111は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部154から第2保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データの個数である第2保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS221)。このとき、第2保留記憶数が「0」以外であれば(ステップS221;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを読み出す(ステップS222)。このとき読み出された乱数値を示す数値データは、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた特図判定バッファなどにセットされればよい。
ステップS222の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2保留記憶数を1減少させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS223)。このときには、例えば送信コマンドバッファに第2保留記憶数に対応した制御データをセットすることなどにより、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドとなる所定の演出制御コマンドを送信するための設定を行う(ステップS224)。その後、変動特図指定フラグの値を“2”に設定する(ステップS225)。
一方、ステップS221にて第2保留記憶数が「0」である場合には(ステップS221;Yes)、例えば遊技制御カウンタ設定部154から第1保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データの個数である第1保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS226)。このとき、第1保留記憶数が「0」であれば(ステップS226;Yes)、特別図柄通常処理を終了する。こうして、ステップS226の処理では、ステップS221の処理で第2保留記憶数が「0」である旨の判定がなされてから、第1保留記憶数が「0」であるか否かの判定が行われる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示を開始するための第2開始条件は、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示を開始するための第1開始条件よりも、優先的に成立することになる。
ステップS226にて第1保留記憶数が「0」以外である場合には(ステップS226;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データとを読み出す(ステップS227)。このとき読み出された乱数値を示す数値データは、例えば特図判定バッファなどにセットされればよい。続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1保留記憶数を1減少させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS228)。
ステップS228の処理を実行した後には、例えば送信コマンドバッファに第1保留記憶数に対応した制御データをセットすることなどにより、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドとなる所定の演出制御コマンドを送信するための設定を行う(ステップS229)。そして、変動特図指定フラグの値を“1”に設定する(ステップS230)。
なお、図24に示すステップS222〜S224の処理とステップS227〜S229の処理は、共通の処理モジュールを用いて実行されるようにしてもよい。この場合、ステップS221の処理で第2保留記憶数が「0」ではないと判定されたことに対応して、例えばステップS225の処理と同様にして変動特図指定フラグの値を“2”に設定するとともに、RAM113における第2特図保留記憶部151Bのアドレスを、保留記憶ポインタにセットする。このときには、ROM112などに予め格納された第2保留記憶数通知コマンド送信テーブルのアドレスを、コマンド送信ポインタにセットする。また、第2保留記憶数カウンタのRAM113におけるアドレスを、カウンタポインタにセットする。他方、ステップS226の処理で第1保留記憶数が「0」ではないと判定されたことに対応して、例えばステップS230の処理と同様にして変動特図指定フラグの値を“1”に設定するとともに、RAM113における第1特図保留記憶部151Aのアドレスを、保留記憶ポインタにセットする。このときには、ROM112などに予め格納された第1保留記憶数通知コマンド送信テーブルのアドレスを、コマンド送信ポインタにセットする。また、第1保留記憶数カウンタのRAM113におけるアドレスを、カウンタポインタにセットする。
この後、保留記憶ポインタにセットされたアドレスに対応する特図保留記憶部(第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bのいずれか)にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データを読み出し、特図判定バッファなどにセットする。こうして、ステップS222とステップS227の処理が、共通の処理モジュールを用いて実行される。このときには、カウンタポインタにセットされたアドレスに対応する保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタと第2保留記憶数カウンタのいずれか)におけるカウント値を1減算することにより、第1保留記憶数と第2保留記憶数のいずれかを1減算するように更新する。また、保留記憶ポインタにセットされたアドレスに対応する特図保留記憶部(第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bのいずれか)にて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。こうして、ステップS223とステップS228の処理が、共通の処理モジュールを用いて実行される。続いて、コマンド送信ポインタにセットされたアドレスに対応するコマンド送信テーブル(第1保留記憶数通知コマンド送信テーブルと第2保留記憶数通知コマンド送信テーブルのいずれか)から読み出したテーブルデータに基づいて送信コマンドバッファに制御データをセットすることなどにより、第1保留記憶数通知コマンドと第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを送信するための設定を行う。こうして、ステップS224とステップS229の処理が、共通の処理モジュールを用いて実行される。
ステップS225、S230の処理のいずれかを実行した後には、特図判定バッファなどにセットされた特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、図9に示す第1特図表示結果判定テーブル140や図10に示す第2特図表示結果判定テーブル141を参照することにより、乱数値MR1が大当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS231)。このとき、乱数値MR1が大当り判定値データと合致すれば(ステップS231;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS232)。これに対して、乱数値MR1が大当り判定値データと合致しない場合には(ステップS231;No)、本実施例ではいずれの特図ゲームにおいてもハズレがないので小当りに当選していると断定できることから、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS233)とともに、小当り種別の特定を行う(ステップS234)。
ステップS234の処理では、特図判定バッファなどにセットされた小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づき、図9に示す第1特図表示結果判定テーブル140や図10に示す第2特図表示結果判定テーブル141を参照することにより、乱数値MR3に対応した小当り種別を、第1小当り〜第8小当りのうちのいずれであるかを特定するとともに、該特定した小当り種別を特定可能な小当り種別データを、例えば、遊技制御バッファ設定部155の小当り種別バッファなどにセット(記憶)した後(ステップS235)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた有利状態終了フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS236)。
このとき、有利状態終了フラグがオフであれば(ステップS236;No)、さらに、遊技制御フラグ設定部152に設けられた有利状態フラグがオンであるか否かの判定を行う(ステップS237)。
そして、有利状態フラグがオフであれば(ステップS237;No)、有利状態カウント値の更新を行う必要がないので、ステップS238〜S240の処理を実施することなくステップS241に進む一方、有利状態フラグがオンであれば(ステップS237;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154の有利状態カウンタにてカウントされている有利状態カウント値から1を減算更新するとともに(ステップS238)、減算後の有利状態カウント値が0となっているか、つまり、有利状態が特図ゲームについての所定の上限値である例えば100回に到達したか否かを判定する(ステップS239)。
このとき、有利状態カウント値が0であれば(ステップS239;Yes)、次の特図ゲームにおいて有利状態フラグをクリアして有利状態を終了させるための有利状態終了フラグをセットした後(ステップS240)、ステップS241に進む一方、有利状態カウント値が0でなければ(ステップS239;No)、有利状態終了フラグをセットすることなくステップS241に進む。つまり、有利状態が特図ゲームについての所定の上限値である例えば100回に到達したことに応じて有利状態終了フラグがセットされる。
一方、ステップS236の判定において、有利状態終了フラグがオンであれば(ステップS236;Yes)、有利状態終了フラグをクリアするとともに、有利状態フラグをクリアして有利状態を終了させた後(ステップS246)、ステップS241に進む。つまり、特図ゲームについての上限回数(100回)に到達することに応じて有利状態終了フラグがセットされた次の特図ゲームにおいて有利状態が終了されることで、上限回数(100回)に到達した特図ゲームを契機として大当りとなっても、有利状態にて発生した大当りとして判断できる。
ステップS241においては、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた確定特別図柄バッファに確定特別図柄を示すデータを記憶させることなどにより、予定停止図柄をセットする。このステップS241の処理では、例えば、大当りフラグや小当りフラグがオンであるか否かの判定や、小当り種別の判定を行い、その判定結果に基づいて確定特別図柄を特定すればよい。具体的には、大当りフラグがオンであれば確定特別図柄が「7」を示す数字といった大当り図柄であることを特定し、小当りフラグがオンであれば、小当り種別に応じて確定特別図柄が「1」、「2」、「3」、「4」を示す数字のいずれかといった小当り図柄であることを特定すれば良い。
ステップS241の処理を実行した後には、大当りフラグや小当りフラグがオンであるか否かの判定に基づいて特図変動時間を特定し、特定された特図変動時間に対応するタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにセットするといった、特図変動時間の設定を行う(ステップS242)。このとき、特図変動パターンに対応する特図変動時間は、図11に示す特図変動パターン選択テーブル142を参照することなどにより特定できればよい。この場合には、図22に示すステップS111の特別図柄変動中処理が実行されるごとに、例えば特図変動タイマの値を1減算するように更新し、その値が「0」になったときに、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。あるいは、ステップS242の処理では、特図変動タイマをクリアすることによりタイマ初期値として「0」をセットするとともに、特図変動時間に対応する特図変動終了判定値を設定するようにしてもよい。この場合には、図22に示すステップS111の特別図柄変動中処理が実行されるごとに、例えば特図変動タイマの値を1加算するように更新し、その値が特図変動終了判定値に達したときに、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。
ステップS242にて特図変動時間を設定した後には、主基板11から演出制御基板12に対して可変表示開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS243)。ここで、可変表示開始コマンドは、ステップS241の処理にて判定された特図表示結果や、ステップS234の処理にて決定された小当り種別、ステップS242の処理にて設定された特図変動時間などを示す演出制御コマンドであればよい。また、可変表示開始コマンドは、変動特図指定フラグの値に応じて異なるEXTデータが設定されることなどにより、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されるかを示すようにしてもよい。なお、可変表示開始コマンドとは別に、特図表示結果を示す演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するようにしてもよい。ただし、可変表示開始コマンドにより特図表示結果が示されることで、別個に特図表示結果を示す演出制御コマンドを送信する必要がなくなるので、主基板11から演出制御基板12に対して送信する演出制御コマンドの数を削減して、主基板11における制御負担や記憶データの容量を低減することができる。こうして主基板11から演出制御基板12に対して送信された可変表示開始コマンドなどに基づき、画像表示装置5の表示領域において、飾り図柄の可変表示などを開始するようにしても良い。
ステップS243の処理を実行した後には、変動特図指定フラグの値に応じて第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特図ゲームにおける特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS244)。一例として、ステップS244の処理では、変動特図指定フラグの値が“1”である場合に、第1特図選択バッファにおけるバッファ値を更新することなどにより、第1特別図柄表示装置4Aにおける特別図柄の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定フラグの値が“2”である場合には、第2特図選択バッファにおけるバッファ値を更新することなどにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。こうしたステップS244の処理に続いて、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。
ここで、ステップS231〜S245の処理は、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにて特別図柄の変動が行われるか、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の変動が行われるかに関わりなく、共通の処理モジュールを用いて実行される。すなわち、ステップS231〜S240並びにステップS246の処理は、特図判定バッファにおけるバッファ値や有利状態カウント値などに基づいて実行されることから、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームが行われる場合でも、共通の処理として実行することができる。また、ステップS241〜S245の処理は、ステップS232あるいはステップS233にてセットされる大当りフラグや小当りフラグの有無や、ステップS235の処理における小当り種別の特定結果等に基づいて実行されるので、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームが行われる場合でも、共通の処理として実行することができる。さらに、ステップS245の処理も、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームが行われるかに関わりなく、共通の処理として実行することができる。ステップS243やステップS244の処理では、変動特図指定フラグの値に応じた制御や設定を行うことにより、共通の処理モジュールを用いて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の変動と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の変動のそれぞれに対応して、演出制御コマンドを送信するための設定や特別図柄の変動を開始させるための設定などを行うことができる。
図25は、図22のステップS112にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す特別図柄停止処理において、CPU111は、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS251)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS255の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS251にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS251;No)、例えばROM112に記憶されている特別図柄表示制御データのうちで、ステップS241にて設定された予定停止図柄(確定特別図柄)に対応した制御データの読出設定を行うといった、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS252)。このときには、特図確定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS253)。また、特図確定表示時間T02として予め定められた一定時間(例えば800ms)を設定する(ステップS254)。例えば、ステップS254の処理では、特図確定表示時間T02に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS255)、特別図柄停止処理を終了する。こうして、ステップS252の処理により確定特別図柄が導出表示された後に、ステップS254にて設定された特図確定表示時間T02が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて特別図柄停止処理が実行されるごとに、ステップS251にて特図確定表示中フラグがオンであると判定されることになる。
ステップS251にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS251;Yes)、特図確定表示時間T02が経過したか否かを判定する(ステップS256)。例えば、ステップS256の処理では、ステップS254の処理によりタイマ初期値が設定された遊技制御プロセスタイマの格納値である遊技制御プロセスタイマ値を1減算するように更新し、更新後のタイマ値が「0」となったか否かに応じて、特図確定表示時間T02が経過したか否かを判定すればよい。このとき、特図確定表示時間T02が経過していなければ(ステップS256;No)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間T02が経過するまで待機する。ステップS256にて特図確定表示時間T02が経過したときには(ステップS256;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS257)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS258)。
ステップS258にて大当りフラグがオンであるときには(ステップS258;Yes)、大入賞口開放カウント初期値の設定を行う(ステップS259)。このときには、特図表示結果が「大当り」となったことに対応して、遊技制御カウンタ設定部154に設けられたラウンド数カウンタに、大当り時ラウンド数である「15」が設定されればよい。そして、CPU111は、大当り状態開始待ち時間を設定する(ステップS260)。例えば、ステップS260の処理では、大当り状態開始待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。その後、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた大当り状態開始前フラグを、オン状態にセットする(ステップS261)。
ステップS261の処理に続いて、有利状態フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS262)。このとき、有利状態フラグがオンであれば(ステップS262;Yes)、大当り遊技状態へと制御されることに対応して、有利状態を一旦終了させるための処理を実行する。例えば、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当り時有利フラグをオン状態にセットする一方で(ステップS263)、有利状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS264)。また、有利状態カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化しておく(ステップS265)とともに、ステップS262にて有利状態フラグがオンであるときには(ステップS262;Yes)、有利状態の上限回数に到達する特図ゲームにて有利状態終了フラグがセットされてから直接大当りとなった場合があることから、有利状態終了フラグをクリアしてオフ状態としておく(ステップS266)。このように、ステップS263にて大当り時有利フラグをオン状態にセットすることにより、大当り遊技状態へと制御されるより前に遊技状態が有利状態であった旨を記憶しておくことができる。
ステップS266の処理の後、或いはステップS262にて有利状態フラグがオフであるときには(ステップS262;No)、特図プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS267)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS258にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS258;No)、特図ゲームにおける特図表示結果が「小当り」となったことに対応して、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた役物開放前設定フラグをオン状態にセットしておく(ステップS269)。そして、特図プロセスフラグの値を役物開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS270)、特別図柄停止処理を終了する。
図26は、役物開放前処理として、図22のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す役物開放前処理において、CPU111は、まず、役物開放前設定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS281)。このとき、役物開放前設定フラグがオンであれば(ステップS281;Yes)、役物開放前設定フラグをクリアしてオフ状態としておく(ステップS282)。
ステップS282の処理に続いて、所定の役物開放前時間T03を設定する(ステップS283)。例えば、ステップS283の処理では、役物開放前時間T03として予め定められた一定時間(例えば1200ms)を設定する。尚、これら役物開放前時間T03としては一定のものに限定されるものではなく、例えば、確定特別図柄となった小当り図柄の図柄番号に対応付けて異なる役物開放前時間T03が設定された役物開放前時間設定テーブルを予め用意しておき、該役物開放前時間設定テーブルから特定された役物開放前時間T03に対応した数値(判定値)を、遊技制御タイマ設定部153に設けられた始動動作制御タイマの格納値である始動動作制御タイマ値と比較できるように、遊技制御バッファ設定部155に設けられた役物開放前時間判定値バッファなどにセットする等により、確定特別図柄に応じて異なる役物開放前時間T03がセットされるようにしても良いし、或いは、複数の役物開放前時間T03に対応付けて乱数値の範囲を記憶しておき、役物開放前時間T03の決定時に抽出した乱数値が該当する役物開放前時間T03を設定することで、異なる複数の役物開放前時間の中から設定する役物開放前時間T03を抽選にて決定するようにしても良い。
ステップS283における設定の後、始動動作制御タイマをスタートさせることにより(ステップS284)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた変動特図指定フラグにて特定される第1役物装置40A(変動特図指定フラグ=1)或いは第2役物装置40B(変動特図指定フラグ=2)を開放状態と閉鎖状態とに変化させる始動動作が行われる小当り遊技状態における経過時間の計測を開始させてから、役物開放前処理を終了する。
ステップS281にて役物開放前設定フラグがオフであるときには(ステップS281;No)、役物開放前時間T03が経過したか否かを判定する(ステップS291)。例えば、ステップS291の処理では、タイマ割込みが発生するごとに1加算するように更新される始動動作制御タイマ値を、役物開放前時間判定値バッファの格納値である役物開放前時間判定値バッファ値と比較して、両者が合致したか否かに応じて、役物開放前時間T03が経過したか否かを判定すればよい。このとき、役物開放前時間T03が経過していなければ(ステップS291;No)、役物開放前処理を終了する。これに対して、ステップS291にて役物開放前時間T03が経過したときには(ステップS291;Yes)、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた役物開放開始設定フラグをオン状態にセットする(ステップS292)。そして、変動特図指定フラグが1であるか否かを判定し(ステップS293)、変動特図指定フラグが1である場合(ステップS293;Yes)には、特図プロセスフラグの値を第1役物装置40Aの役物開放中処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS294)、役物開放前処理を終了する一方、変動特図指定フラグが2である場合(ステップS293;No)には、特図プロセスフラグの値を第2役物装置40Bの役物開放中処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS295)、役物開放前処理を終了する。
図27は、役物開放中処理として、図22のステップS114或いはステップS115にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。尚、以下の説明では、特図プロセスフラグの値が“5”の時に実施されるステップS114の場合の説明を主に、特図プロセスフラグの値が“6”の時に実施されるステップS115の場合については括弧書きにて説明する。
この役物開放中処理において、CPU111は、まず、役物開放開始設定フラグがオンであるか否かを判定する(図27のステップS301)。このとき、役物開放開始設定フラグがオンであれば(ステップS301;Yes)、役物開放開始設定フラグをクリアしてオフ状態としておく(ステップS302)。
ステップS302の処理に続いて、役物開放動作制御パターンを複数種類のいずれかに決めて設定するための使用テーブルとして、第1特図表示結果判定テーブル140(第2特図表示結果判定テーブル141)を選択してセットする(ステップS303)。また、遊技制御バッファ設定部155に格納された小当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、小当り種別が複数種類のいずれであるを特定する(ステップS304)。そして、ステップS304にて特定された小当り種別に基づき、ステップS303にてセットした第1特図表示結果判定テーブル140(第2特図表示結果判定テーブル141)を参照することにより、小当り種別である「第1小当り」〜「第8小当り」のいずれかに対応する開放態様を特定し、該特定した開放態様の役物開放動作制御パターンを選択して、使用パターンに設定する(ステップS305)。
ステップS305の処理を実行した後には、役物開放制御時間T20を設定する(ステップS306)。例えば、ステップS306の処理では、ステップS305にて選択された役物開放動作制御パターンから、役物開放制御時間T20を示すデータを読み出し、始動動作制御タイマ値と比較できるように、遊技制御バッファ設定部155に設けられた役物開放制御時間判定値バッファなどにセットすればよい。具体的な一例として、小当り種別が「第1小当り」〜「第3小当り」であるとき(S114のみ)には、第1特図表示結果判定テーブル140により、第1役物装置40Aの開放時間として1500ms(1.5秒)が特定され、これに第1役物装置40A内に進入した遊技球が、回転役物200にて回転されて大当り流入口207とハズレ流入口208に流入して第1役物装置40Aから排出されるまでの滞留時間である、例えば3000ms(3.0秒)が加算された4500ms(4.5秒)が役物開放制御時間T20として決定される。また、小当り種別が「第4小当り」または「第5小当り」であるとき(S114のみ)には、第1特図表示結果判定テーブル140により、第1役物装置40Aの開放時間として2000ms(2.0秒)が特定され、これに上記した滞留時間である、例えば3000ms(3.0秒)が加算された5000ms(5.0秒)が役物開放制御時間T20として決定される。また、小当り種別が「第6小当り」〜「第8小当り」であるとき(S115のみ)には、第2特図表示結果判定テーブル141により、第2役物装置40Bの開放時間として2000ms(2.0秒)が特定され、これに第2役物装置40B内に進入した遊技球が、回転役物200’にて回転されて大当り流入口217とハズレ流入口218に流入して第2役物装置40Bから排出されるまでの滞留時間である、例えば3000ms(3.0秒)が加算された5000ms(5.0秒)が役物開放制御時間T20として決定される。このときには、始動動作制御タイマ値から特定される経過時間と役物開放制御時間T20との加算値に対応した数値(判定値)が、役物開放制御時間判定値バッファにセットされればよい。
続いて、開放ソレノイド出力データをセットする(ステップS307)。例えば、ステップS307の処理では、ステップS305にて選択された役物開放動作制御パターンにて、役物開放制御時間T20を示すデータに続いて格納された開放ソレノイド出力データを読み出し、遊技制御バッファ設定部155に設けられたポート出力用バッファなどにセットすればよい。ここで、図19に示すステップS22の出力処理では、ポート出力用バッファにセットされた開放ソレノイド出力データに基づいてソレノイド53A(ソレノイド53B)が駆動されることにより、第1役物装置40A(第2役物装置40B)の開閉動作(始動動作)が行われる。
ステップS307の処理に続いて、役物開放時間を設定する(ステップS308)。例えば、ステップS308の処理では、ステップS306の処理で決定した各小当り種別に応じた役物開放制御時間T20に所定の経過時間を加算した役物開放時間を、始動動作制御タイマ値と比較できるように、遊技制御バッファ設定部155に設けられた役物開放時間判定値バッファなどにセットすればよい。具体的な一例として、ステップS306の処理で決定した各小当り種別に応じた役物開放制御時間T20に所定の経過時間、例えば1700ms等を加算した加算値に対応した数値(判定値)が、役物開放時間判定値バッファにセットされればよい。
また、CPU111は、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた役物内遊技球カウンタをクリアして、その格納値である役物内遊技球カウント値を「0」に初期化する(ステップS309)。そして、小当り開始コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS310)、役物開放中処理を終了する。例えば、ステップS310の処理では、例えば、小当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、小当り種別に応じて、EXTデータが異なる小当り開始コマンドを送信する設定が行われればよい。演出制御基板12の側では、主基板11から伝送された小当り開始コマンドにより、小当り遊技状態において第1役物装置40A(第2役物装置40B)を開放状態とする始動動作が開始されたタイミングを特定することができる。また、始動動作が実行されることに対応した演出動作として、例えば、該始動動作により第1役物装置40Aに進入した遊技球が特定領域である大当り流入口207に入賞することで発生する大当り状態においては5ラウンドのラウンド遊技しか付与されないが、該大当りの後に有利状態に移行する小当りである第3小当りであることが、小当り開始コマンドのEXTデータから特定される場合には、図39(a)に示すように、画像表示装置5に「チャンス」の文字を含む演出画面を表示する演出(示唆演出)を実施し、特定領域である大当り流入口207に入賞することで発生する大当り状態においては15ラウンドのラウンド遊技が付与される小当りである第4小当り或いは第5小当りであることが、小当り開始コマンドのEXTデータから特定される場合には、図39(b)に示すように、画像表示装置5に「V入賞で15ラウンド確定」の文字を含む演出画面を表示する演出を実行させることができる。また、これらの演出動作としては、これに限定されるものではなく、これら小当り開始コマンドのEXTデータとして、有利状態カウント値に対応したEXTデータとし、これら有利状態の継続回数を画像表示装置5に併せて表示したり、有利状態終了フラグをチェックすることなどにより、有利状態にて実行可能な最終の特図ゲームに基づく始動動作であるか否かを判定して、最終の特図ゲームに基づく始動動作であるか否かを判定した結果に対応したEXTデータとし、これら有利状態の最終の特図ゲームに対応した有利状態終了演出を実施するようにしても良い。
ステップS301にて役物開放開始設定フラグがオフであるときには(ステップS301;No)、例えば始動動作制御タイマ値や役物開放制御時間判定値バッファの格納値などに基づき、役物開放制御時間T20が経過したか否かを判定する(ステップS311)。一例として、ステップS311の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100にてタイマ割込みが発生するごとに1加算される始動動作制御タイマ値と役物開放制御時間判定値バッファの格納値とを比較して、両者が合致したか否かに応じて、役物開放制御時間T20が経過したか否かが判定されればよい。すなわち、始動動作制御タイマ値と役物開放制御時間バッファの格納値とが合致したときに、役物開放制御時間T20が経過したと判定すればよい。このとき、役物開放制御時間T20が経過していなければ(ステップS311;No)、上部カウントスイッチ23L(23R)からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定し(ステップS312)、上部カウントスイッチ23L(23R)からの検出信号がオンであれば(ステップS312;Yes)、第1役物装置40A(第2役物装置40B)に進入した遊技球が検出されたことに対応して、第1(第2)役物残存球数カウンタにおける役物内遊技球カウント値に1加算して更新するとともに(ステップS313)、演出制御基板12に対して上部カウント数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS314)。
ステップS312にて上部カウントスイッチ23L(23R)からの検出信号がオフである場合や(ステップS312;No)、ステップS314の処理を実行した後には、排出口スイッチ25L(25R)からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定し(ステップS315)、排出口スイッチ25L(25R)からの検出信号がオンであれば(ステップS315;Yes)、第1役物装置40A(第2役物装置40B)に進入した遊技球が排出されたことに対応して、第1(第2)役物残存球数カウンタにおける役物内遊技球カウント値から1を減算して更新する。
ステップS315にて排出口スイッチ25L(25R)からの検出信号がオフである場合や(ステップS315;No)、ステップS316の処理を実行した後には、特定領域スイッチ24L(24R)からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定し(ステップS318)、特定領域スイッチ24L(24R)からの検出信号がオンであれば(ステップS318;Yes)、V入賞フラグをセットするとともに(ステップS319)、特定領域検知通知コマンドを送信するための設定を行ってから(ステップS320)、役物開放中処理を終了する。また、ステップS318にて特定領域スイッチ24L(24R)からの検出信号がオフである場合には役物開放中処理を終了する。
尚、図27には明示しないが、このステップS318の判定においては、変動特図指定フラグが1であれば、特定領域スイッチ24Lからの検出信号のみが有効とされ、変動特図指定フラグが2であれば、特定領域スイッチ24Rからの検出信号のみが有効とされており、変動特図指定フラグが1において特定領域スイッチ24Rからの検出信号がオンであったり、変動特図指定フラグが2において特定領域スイッチ24Lからの検出信号がオンであった場合には、これらの検出信号のオン検出はいずれも無効(エラー)と判定されて大当りとなることはないとともに、該エラーの発生が、前述したS12の入賞エラー判定処理(図20)における第1異常報知処理や第2異常報知処理と同様に報知される。
また、図27のステップS311にて役物開放制御時間T20が経過したときには(ステップS311;Yes)、小当りフラグをクリアした後(ステップS329)、小当り終了コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS330)、第1(第2)役物残存球数カウンタにおける役物内遊技球カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS331)。
このとき、役物内遊技球カウント値が「0」でなければ(ステップS331;No)、役物内遊技球カウント値異常処理を実施する(ステップS346)。この役物内遊技球カウント値異常処理においては、例えば、前述したS12の入賞エラー判定処理(図20)における第1異常報知処理や第2異常報知処理と同様に、第1役物残存球数カウンタにおける役物内遊技球カウント値が「0」でない場合には、画像表示装置5の表示領域に、「第1ハネ残留球発生」のメッセージと第1役物装置40Aの存在位置を示す矢印とを含む第1残留異常報知画面を表示したり、第2役物残存球数カウンタにおける役物内遊技球カウント値が「0」でない場合には、画像表示装置5の表示領域に、「第2ハネ残留球発生」のメッセージと第2役物装置40Bの存在位置を示す矢印とを含む第2残留異常報知画面を表示させることや、遊技効果ランプ9に含まれる所定の警告ランプを点灯させること、スピーカ8L、8Rから所定の警告音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。
そして、ステップS346の処理の後、排出口スイッチ25L(25R)からの検出信号がオン状態であるかを検知するためのループ処理に移行する(ステップS347)。これにより、以後の処理には進まないように制御されるので、遊技の進行を停止することができ、遊技球が第1役物装置40A或いは第2役物装置40Bに残存する状態、例えば、磁石やワイヤ等により第1役物装置40A或いは第2役物装置40Bに進入した遊技球が不正に残留されている状態で遊技が進行されて、これら第1役物装置40A或いは第2役物装置40Bに残存する遊技球が、次の小当り時において特定領域である大当り流入口207(217)に入賞することで大当りとなってしまうこと等を確実に防止することができる。
このステップS347のループ処理において、排出口スイッチ25L(25R)からの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS347;Yes)、第1(第2)役物残存球数カウンタにおける役物内遊技球カウント値から1を減算更新した後、ステップS331に戻って、再度、役物内遊技球カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS331)。そして、役物内遊技球カウント値が「0」でない場合には、再度、役物内遊技球カウント値異常処理を含むステップS346〜348の処理が実施されるので、役物内遊技球カウント値が「0」となるまで、ステップS346〜348の処理が繰返し実施される。
一方、役物内遊技球カウント値が「0」であれば(ステップS331;Yes)、さらに、V入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS332)。このとき、V入賞フラグがオフであれば(ステップS332;No)、小当り種別バッファにセットされた小当り種別をクリアした後(ステップS343)、変動特図指定フラグの値を“0”に更新するとともに(ステップS344)、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS345)、役物開放中処理を終了する。つまり、小当りにおける始動動作で特定領域である大当り流入口207(217)に入賞しなかったことで、大当りとならずに次の特図ゲームに移行することになる。
V入賞フラグがオンであれば(ステップS332;Yes)、大当りフラグをセットした後(ステップS333)、大入賞口開放カウント初期値の設定を行う(ステップS334)。このときには、特図表示結果が「大当り」となったことに対応して、遊技制御カウンタ設定部154に設けられたラウンド数カウンタに、大当り時ラウンド数が設定されればよい。この大当り時ラウンド数としては、小当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、小当り種別に対応する大当り時ラウンド数を、第1特図表示結果判定テーブル140(第2特図表示結果判定テーブル141)を参照して特定すればよく、具体的には、小当り種別に応じて「4」または「14」が設定されればよい。尚、本実施例では、小当りによる大当りの場合には、小当りによる第1役物装置40A或いは第2役物装置40Bの始動動作が1のラウンド数と見なし、特別可変入賞球装置7が開放されるラウンド遊技の回数としては第1特図表示結果判定テーブル140(第2特図表示結果判定テーブル141)に設定されているラウンド数よりも1少ない回数となる(各特図表示結果判定テーブルにおける括弧書き)。但し、小当りによらずに特図ゲームにおいて直接大当りになった場合には、特別可変入賞球装置7が開放されるラウンド遊技の回数として15ラウンドが設定されるので、実質的には、小当りによる15ラウンドよりも1ラウンド分だけ多くの遊技球を遊技者は獲得することが可能である。
そして、CPU111は、大当り状態開始待ち時間を設定する(ステップS335)。例えば、ステップS335の処理では、大当り状態開始待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。その後、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた大当り状態開始前フラグを、オン状態にセットする(ステップS336)。
ステップS336の処理に続いて、有利状態フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS337)。このとき、有利状態フラグがオンであれば(ステップS337;Yes)、大当り遊技状態へと制御されることに対応して、有利状態を一旦終了させるための処理を実行する。例えば、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当り時有利フラグをオン状態にセットする一方で(ステップS338)、有利状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS339)。また、有利状態カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化しておく(ステップS340)とともに、ステップS262にて有利状態フラグがオンであるときには(ステップS262;Yes)、有利状態の上限回数に到達する特図ゲームにて有利状態終了フラグがセットされてからV入賞により大当りとなった場合があることから、有利状態終了フラグをクリアしてオフ状態としておく(ステップS341)。このように、ステップS338にて大当り時有利フラグをオン状態にセットすることにより、大当り遊技状態へと制御されるより前に遊技状態が有利状態であった旨を記憶しておくことができる。
ステップS341の処理の後、或いはステップS337にて有利状態フラグがオフであるときには(ステップS337;No)、特図プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS342)、役物開放中処理を終了する。
図29は、大入賞口開放前処理として、図22のステップS116にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す大入賞口開放前処理において、CPU111は、まず、大当り状態開始前フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS391)。このとき、大当り状態開始前フラグがオンであれば(ステップS391;Yes)、大当り状態開始待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS392)。そして、大当り状態開始待ち時間が経過していなければ(ステップS392;No)、大入賞口開放前処理を終了することで、大当り状態開始待ち時間が経過するまで待機する。演出制御基板12の側では、例えば大当り状態開始待ち時間が経過するまでの期間において、大当り遊技状態が開始されることを報知する演出動作などが実行されるようにすればよい。
ステップS392にて大当り状態開始待ち時間が経過したときには(ステップS392;Yes)、大当り状態開始前フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS393)。また、演出制御基板12に対して大当り開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS394)。そして、ラウンド開始待ち時間を設定してから(ステップS395)、大入賞口開放前処理を終了する。
ステップS391にて大当り状態開始前フラグがオフであるときには(ステップS391;No)、ラウンド開始待ちが経過したか否かを判定する(ステップS396)。このとき、ラウンド開始待ち時間が経過していなければ(ステップS396;No)、大入賞口開放前処理を終了することで、ラウンド開始待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS396にてラウンド開始待ち時間が経過したときには(ステップS396;Yes)、入賞個数カウンタをクリアして、その格納値である入賞個数カウント値を「0」に初期化する(ステップS397)。また、大入賞口最大開放時間(例えば29000ms)を設定する(ステップS398)。このときには、例えば大入賞口扉用ソレノイド54を駆動して大入賞口扉61により大入賞口60を開放状態とする設定を行う(ステップS399)。さらに、演出制御基板12に対してラウンド開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS400)。そして、特図プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理に対応した値である“8”に更新してから(ステップS401)、大入賞口開放前処理を終了する。
図30は、大入賞口開放中処理として、図22のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す大入賞口開放中処理において、CPU111は、まず、大入賞口最大開放時間が経過したか否かを判定する(ステップS411)。このとき、大入賞口最大開放時間が経過していなければ(ステップS411;No)、入賞個数カウント値が所定の最大入賞判定値(例えば「9」)に達したか否かを判定する(ステップS412)。
ステップS412にて最大入賞判定値に達していないときには(ステップS412;No)、下部大入賞口スイッチ28から伝送される検出信号をチェックすることなどにより、下部大入賞口スイッチ28がオンであるか否かを判定する(ステップS413)。そして、下部大入賞口スイッチ28からの検出信号がオフであれば(ステップS413;No)、大入賞口開放中処理を終了する。これに対して、下部大入賞口スイッチ28がオンであるときには(ステップS413;Yes)、入賞個数カウント値を1加算するように更新してから(ステップS414)、大入賞口開放中処理を終了する。
ステップS411にて大入賞口最大開放時間が経過した場合や(ステップS411;Yes)、ステップS412にて入賞個数カウント値が最大入賞判定値に達した場合には(ステップS412;Yes)、例えば大入賞口扉用ソレノイド54の駆動を停止して大入賞口扉61により大入賞口を閉鎖状態とする設定を行う(ステップS415)。続いて、ラウンド終了コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS416)。そして、特図プロセスフラグの値を大入賞口開放後処理に対応した値である“9”に更新してから(ステップS417)、大入賞口開放中処理を終了する。
図31は、大入賞口開放後処理として、図22のステップS118にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す大入賞口開放後処理において、CPU111は、まず、大入賞口開放カウント値が1減算されるように更新する(ステップS421)。このときには、更新後の大入賞口開放カウント値が「0」となったか否かを判定する(ステップS422)。そして、大入賞口開放カウント値が「0」以外であれば(ステップS422;No)、ラウンド開始待ち時間を設定するとともに(ステップS423)、特図プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS424)、大入賞口開放後処理を終了する。こうして、ステップS422の処理により更新後の大入賞口開放カウント値が「0」であると判定されるまでは、図22に示すステップS116〜S118の処理を繰り返し実行することにより、大当り遊技状態にて特別可変入賞球装置7を開放状態とする複数回のラウンド遊技を実行させることができる。
ステップS422にて大入賞口開放カウント値が「0」であるときには(ステップS422;Yes)、大当り終了前時間を設定する(ステップS425)。このときには、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS426)。そして、特図プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である“10”に更新してから、大入賞口開放後処を終了する。
図32は、大当り終了処理として、図22のステップS119にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す大当り終了処理において、CPU111は、まず、大当り終了前時間が経過したか否かを判定する(ステップS441)。このとき、大当り終了前時間が経過していなければ(ステップS441;No)、大当り終了処理を終了させることで、大当り終了前時間が経過するまで待機する。
ステップS441にて大当り終了前時間が経過したときには(ステップS441;Yes)、大当り時有利フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS442)。このとき、大当り時有利フラグがオンであれば(ステップS442;Yes)、大当り時有利フラグをクリアしてオフ状態としておく(ステップS443)。そして、V入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS444)。ステップS444にてV入賞フラグがオフであれば(ステップS444;No)、有利状態中に特図表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されたことになり、変動特図指定フラグに対応する第1特図表示結果判定テーブル140或いは第2特図表示結果判定テーブル141を参照することで、大当り後に有利状態となることが判定できるので、有利状態中特図大当りに対応する有利状態カウント初期値を設定する(ステップS445)。例えば、ステップS445の処理では、有利状態カウンタに「100」のカウント初期値をセットすることにより、大当り遊技状態の終了後における有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数を「100」に設定するとともに、有利状態フラグをセットする(ステップS446)。
その一方で、ステップS444にてV入賞フラグがオンであれば(ステップS444;Yes)、有利状態中に特図表示結果が「小当り」となり小当り遊技状態で遊技球がV入賞して大当り遊技状態に制御されたことになり、この場合には、小当りの種別に応じて有利状態と普通状態となる場合が存在することから、V入賞フラグをクリアした後(ステップS449)、小当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、小当り種別が第2小当りまたは第7小当りであるかを判定する(ステップS450)。
小当り種別が第2小当りまたは第7小当りでない場合、つまり第2小当りまたは第7小当り以外の小当りである場合は(ステップS450;No)、小当り種別バッファにセットされた小当り種別をクリアした後(ステップS451)、上述したステップS445の処理を実施して、大当り遊技状態の終了後における有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数を「100」に設定するとともに、有利状態フラグをセットする(ステップS446)。
小当り種別が第2小当りまたは第7小当りである場合には、第1特図表示結果判定テーブル140或いは第2特図表示結果判定テーブル141に示すように、大当りの終了後に有利状態が付与されない、つまり、大当り状態前の有利状態が該大当り状態により終了することになるので、小当り種別バッファにセットされた小当り種別をクリアした後(ステップS452)、ステップS445やステップS446を経由することなく、ステップS447に進むことで、特図ゲームの上限回数や有利状態フラグは設定されない。
また、ステップS442にて大当り時有利フラグがオフであるときにも(ステップS442;No)、V入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS453)。そして、ステップS453にてV入賞フラグがオフであれば(ステップS453;No)、通常状態中に特図表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されたことになり、変動特図指定フラグに対応する第1特図表示結果判定テーブル140或いは第2特図表示結果判定テーブル141を参照することで、大当り後に有利状態となることが判定できるので、前述したステップS445のステップに進み、有利状態カウンタに「100」のカウント初期値をセットすることにより、大当り遊技状態の終了後における有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数を「100」に設定するとともに、有利状態フラグをセットする(ステップS446)。
一方、ステップS453にてV入賞フラグがオンであれば(ステップS453;Yes)、通常状態中に特図表示結果が「小当り」となり始動動作状態で遊技球がV入賞して大当り遊技状態に制御されたことになり、この場合には、V入賞フラグをクリアした後(ステップS454)、小当りの種別に応じて有利状態と普通状態となる場合が存在することから、小当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、小当り種別が第3小当り、第5小当りまたは第8小当りであるかを判定する(ステップS455)。
小当り種別が第3小当り、第5小当りまたは第8小当りのいずれかである場合は(ステップS455;Yes)、小当り種別バッファにセットされた小当り種別をクリアした後(ステップS456)、前述したステップS445のステップに進み、有利状態カウンタに「100」のカウント初期値をセットすることにより、大当り遊技状態の終了後における有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数を「100」に設定するとともに、有利状態フラグをセットする(ステップS446)。
小当り種別が第3小当り、第5小当りまたは第8小当りのいずれでもない場合は(ステップS455;No)、第1特図表示結果判定テーブル140或いは第2特図表示結果判定テーブル141に示すように、大当りの終了後に有利状態が付与されないことになるので、ステップS452に進んで小当り種別バッファにセットされた小当り種別をクリアした後、ステップS445やステップS446を経由することなく、ステップS447に進むことで、特図ゲームの上限回数や有利状態フラグは設定されない。
ステップS446、S452の処理のいずれかを実行した後には、変動特図指定フラグの値を“0”に更新するとともに(ステップS447)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから(ステップS448)、大当り終了処理を終了する。
尚、本実施例では、有利状態における特図ゲームの上限回数を一律に100としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら上限回数を、特図ゲームにおいて直接大当りとなった大当り(ステップS444でNoである場合や、ステップS453でNoである場合)と、小当りを経由して大当りとなった場合とで、異なる回数の上限回数を設定したり、更には、小当りの種別に応じて異なる上限回数を設定するようにしても良い。
図33は、図19のステップS17にて実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU111は、まず、通過ゲート41に設けられたゲートスイッチ21からの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、通過ゲート41を遊技球が通過したか否かの判定を行う(ステップS131)。遊技球が通過ゲート41を通過してゲートスイッチ21からの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS131;Yes)、ゲート通過時処理を実行する(ステップS132)。他方、ゲートスイッチ21からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS131;No)、ステップS132の処理をスキップする。
ステップS132にて実行されるゲート通過時処理では、まず、普図保留記憶部151Cに記憶されている保留データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球検出は無効として、そのままゲート通過時処理を終了する。これに対して、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、例えばCPU111が、乱数回路114やランダムカウンタにより更新されている数値データのうちから、普図表示結果判定用の乱数値MR2を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値MR2を示す数値データを、普図保留記憶部151Cにおける空きエントリの先頭にセットする。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた普図保留記憶数カウンタにおけるカウント値である普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してもよい。以上のようなゲート通過時処理を実行した後や、ステップS131にてゲートスイッチ58aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普図プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS140〜S144の各処理を実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部151Cに格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示装置20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部151Cに格納された保留データがある場合には、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS141の普通図柄判定処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄判定処理では、普図表示結果判定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果としての普図表示結果を、「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかの判定などが行われる。また、普通図柄判定処理では、普図表示結果並びに有利状態の有無に対応する普図変動パターンの決定も行われる。
ステップS142の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示装置20において普通図柄を変動させるための設定が行われる。こうした設定に基づいて変動する普通図柄は、ステップS143の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動が停止して普通図柄の可変表示結果となる普図表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が普図変動パターンに対応して定められた普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。そして、普図変動時間に達したときには、普図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS143の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示装置20にて普通図柄の可変表示結果を停止表示させるための設定が行われる。なお、普通図柄の可変表示結果を停止表示させるための設定は、ステップS142の普通図柄変動処理にて、計測された経過時間が普図変動時間に達したときに、普図プロセスフラグの値を“3”に更新する以前に、行われるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普図表示結果が「普図当り」である場合に、普通可変入賞球装置6Bに対応して設けられた普通電動役物用ソレノイド55を駆動するための設定が行われ、普図プロセスフラグの値が“5”に更新される。他方、普図表示結果が「普図ハズレ」である場合には、普図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS144の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を通常開放状態から拡大開放状態に変化させるための設定などが行われる。例えば、普通電動役物作動処理では、ステップS143の普通図柄停止処理にてセットされた普電作動パターンの設定に応じて、普通電動役物用ソレノイド55を駆動するための駆動制御信号の生成が行われるようにすればよい。また、普通電動役物作動処理では、普通電動役物用ソレノイド55を駆動して第2始動入賞口を拡大開放状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が普電作動パターンに対応した拡大開放時間に達したか否かの判定が行われる。そして、経過時間が拡大開放期間に達した場合には、普通電動役物用ソレノイド55の駆動を停止して可動翼片を傾動位置から垂直位置に戻すことにより、第2始動入賞口を拡大開放状態から通常開放状態に変化させるための設定を行う。このときには、普図プロセスフラグの値を“0”に更新すればよい。
図34は、図33のステップS141にて実行される普通図柄判定処理の一例を示すフローチャートである。図34に示す普通図柄判定処理において、CPU111は、まず、普図保留記憶部151Cにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、普図表示結果判定用の乱数値MR2を示す数値データを読み出す(ステップS531)。このときには、例えば普図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、普図保留記憶数を1減少させるように更新するとともに、普図保留記憶部151Cにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR2を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS532)。
ステップS532の処理に続いて、ステップS532の処理で抽出した数値データに示される乱数値MR2や、有利状態フラグがオフであるかオンであるかなどに基づき、図13に示す普図表示結果判定テーブル142を参照することにより、乱数値MR2が普図当り判定値データと合致するか否かの判定を行う(ステップS533)。
尚、本実施例では、図13に示すように、有利状態フラグがオンであるか否かにかかわらず、乱数値MR2により普図当りかハズレであるかを判定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、有利状態フラグがオンである場合には、有利状態フラグがオフである場合に比べて多くの乱数値MR2が普図当り判定値データに割り当てられるように普図表示結果判定テーブルを設定することにより、有利状態フラグがオンである有利状態では、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となりやすくすることで、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となりやすくなって、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすくなるようにしても良い。つまり、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるときには、通常遊技状態であるときに比べて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件を成立しやすくするようにしても良い。
ステップS533にて乱数値MR2が普図当り判定値データと合致すれば(ステップS533;Yes)、普図当りフラグをオン状態にセットする(ステップS534)。これに対して、乱数値MR2が普図当り判定値データと合致しない場合には(ステップS533;No)、ステップS534の処理をスキップする。
その後、CPU111は、ステップS534の処理における判定結果や、有利状態フラグがオフであるかオンであるかなどに基づき、例えば、図14に示す普図変動パターン決定テーブルを参照することなどにより普図変動パターンを決定し、決定された普図変動パターンに対応して定められた普図変動時間を設定する(ステップS535)。ここで、有利状態フラグがオンである場合には、有利状態フラグがオフである場合に比べて普図変動時間が短くなる(30秒→1秒)ように設定されればよい。これにより、有利状態フラグがオンである有利状態では、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となりやすくなって、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすくなる。こうして、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるときには、通常遊技状態であるときに比べて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなる。ステップS335にて普図変動時間を設定した後には、普図プロセスフラグの値を普通図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS336)、普通図柄判定処理を終了する。
図35は、図33のステップS143にて実行される普通図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す普通図柄停止処理において、CPU111は、まず、普図当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS551)。このとき、普図当りフラグがオンであれば(ステップS551;Yes)、普図当りフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS552)、有利状態フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS553)。
ステップS553にて有利状態フラグがオンである場合には(ステップS553;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であることに対応した普電作動パターンFA2をセットする(ステップS554)。これに対して、有利状態フラグがオフである場合には(ステップS553;No)、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であることに対応した普電作動パターンFA1をセットする(ステップS555)。ここで、普電作動パターンFA2では、例えば図15に示すように、普電作動パターンFA1に比べて拡大開放時間が長くなるように設定されている。このように、有利状態フラグがオンである有利状態では、拡大開放時間が長くなることで、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる。こうして、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるときには、通常遊技状態であるときに比べて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなる。ステップS554、S555の処理のいずれかを実行した後には、普図プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS556)、普通図柄停止処理を終了する。また、ステップS551にて普図当りフラグがオフである場合には(ステップS551;No)、普図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS557)、普通図柄停止処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、CPU131が図36のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図36に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU131は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS601)、RAM133のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、乱数更新処理が実行され(ステップS602)、演出制御に用いる各種の乱数値を示す数値データの更新が行われる。続いて、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS603)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU131は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。CPU131は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、演出制御用マイクロコンピュータ120が備える入出力ポート135に含まれる入力ポートのうちで、信号中継基板13を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM133の演出制御バッファ設定部に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納される。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、CPU131は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS603にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS603;No)、ステップS602の処理に戻る。他方、ステップS603にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS603;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS604)、コマンド解析処理を実行する(ステップS605)。ステップS605にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS605にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS606)。この演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける点灯動作について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた設定や制御が行われる。
図37は、図36のステップS606にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、CPU131は、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の各処理を実行する。
ステップS170の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始コマンド受信待ち処理は、主基板11からの可変表示開始コマンドを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における特図の可変表示に連動した連動演出表示、例えば、サイコロ画像が回転する動画演出を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の連動演出設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この連動演出設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの開始に対応して画像表示装置5における動画演出を含めた各種の演出動作を行うために、特図変動パターンの種類などに応じた演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の連動演出中処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この連動演出中処理において、CPU131は、RAM133が備える演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから、小当り或いは大当りに対応する特図変動中演出の表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データといった演出制御データを読み出す。このとき読み出された演出制御データに従って、例えば表示制御部121に対して送信する表示制御信号の決定や、音制御部122に対して送信する効果音信号の決定、ランプ制御部123に対して送信する電飾信号の決定などといった、動画演出における各種の演出制御が行われる。そして、主基板11から送信された特図確定コマンドの受信があったか否かを判定し、特図確定コマンドの受信に応じて連動演出を終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、CPU131は、主基板11から送信された大当り開始コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始コマンドを受信したきには、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」であると判断して、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“5”に更新する。これに対して、主基板11からの大当り開始コマンドを受信することなく、小当り開始コマンドを受信したときには、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「小当り」であると判断して、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理は、例えば表示制御部121に対する表示制御信号の出力により小当り遊技状態に対応した演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音制御部122に対する効果音信号の出力によりスピーカ8L、8Rにおける音声出力動作を制御して小当り遊技状態に応じた音声を出力させること、ランプ制御部123に対する電飾信号の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作を制御して小当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を行う。また、小当り中演出処理では、主基板11からの大当り開始コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“5”に更新する。さらに、小当り中演出処理では、主基板11からの小当り終了コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、CPU131は、例えば表示制御部121に対する表示制御信号の出力により大当り遊技状態に対応した演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音制御部122に対する効果音信号の出力によりスピーカ8L、8Rにおける音声出力動作を制御して大当り遊技状態に応じた音声を出力させること、ランプ制御部123に対する電飾信号の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作を制御して大当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、主基板11からの大当り終了コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“6”に更新する。
ステップS176のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、CPU131は、例えば表示制御部121に対する表示制御信号の出力により大当り遊技状態の終了に対応した演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音制御部122に対する効果音信号の出力によりスピーカ8L、8Rにおける音声出力動作を制御して大当り遊技状態の終了に応じた音声を出力させること、ランプ制御部123に対する電飾信号の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作を制御して大当り遊技状態の終了に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせることといった、大当り遊技状態の終了に対応した各種の演出制御を行う。
図38は、図37のステップS173にて実行される特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す特図当り待ち処理において、CPU131は、まず、所定の特図当り待ち時間が経過したか否かの判定を行う(ステップS671)。このとき、特図当り待ち時間が経過していなければ(ステップS671;No)、大当り開始コマンドの受信があったか否かの判定を行う(ステップS672)。そして、大当り開始コマンドの受信があった場合には(ステップS672;Yes)、例えば図18に示す演出制御パターンテーブル300に格納された複数種類の大当り遊技時演出制御パターンのうちから、大当り開始コマンドのEXTデータなどから特定されるラウンド最大値に対応したものを選択し、大当り遊技状態における演出制御に用いる演出制御パターンとしてセットする(ステップS673)。その後、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS674)、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS672にて大当り開始コマンドの受信がない場合には(ステップS672;No)、小当り開始コマンドの受信があったか否かの判定を行う(ステップS675)。このとき、小当り開始コマンドの受信があれば(ステップS675;Yes)、例えば図18に示す演出制御パターンテーブル300に格納された複数種類の小当り遊技状態時演出制御パターンのうちから、小当り開始コマンドのEXTデータなどから特定される第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図のうちいずれの可変表示結果が「小当り」となったかに対応したものを選択し、小当り遊技状態における演出制御に用いる演出制御パターンとしてセットする(ステップS676)。その後、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS677)、特図当り待ち処理を終了する。また、ステップS671にて特図当り待ち時間が経過した場合には(ステップS671;Yes)、演出プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS378)、特図当り待ち処理を終了する。尚、本実施例では、特図ゲームにおいてハズレがないので、ステップS671の判定処理を有しない特図当り待ち処理としてもよい。
このように、ステップS676の処理では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図のうちいずれの可変表示結果が「小当り」となったかに対応した小当り遊技状態時演出制御パターンを複数種類のうちから選択してセットすることで、図37に示すステップS174の小当り中演出処理では、第1特図と第2特図のうちでいずれが「小当り」となったかに応じて異なる演出態様で、小当り遊技状態に対応した演出を実行することができる。一例として、ステップS676の処理で第1特図が「小当り」となったことに対応して図18に示す演出制御パターンテーブル300から第1特図の小当り遊技状態時演出制御パターンが選択されてセットされた場合には、小当り遊技状態にて第1役物装置40Aが始動動作により閉鎖状態から開放状態に変化することに対応した演出として、例えば、「左だ!!」のメッセージを有する第1特図小当り時の演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させる。これに対して、ステップS676の処理で第2特図が「小当り」となったことに対応して図18に示す演出制御パターンテーブル300から第2特図の小当り遊技状態時演出制御パターンが選択されてセットされた場合には、小当り遊技状態にて第2役物装置40Bが始動動作により閉鎖状態から開放状態に変化することに対応した演出として、「右だ!!」のメッセージを有する第2特図小当り時の演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させる。また、スピーカ8L、8Rにおける効果音出力、あるいは、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作といった、画像表示装置5の表示領域における表示動作とは異なる演出動作についても、第1特図と第2特図のうちでいずれが「小当り」となったかに応じて異なる演出態様、例えば、第1特図小当り時には、遊技機1に向かって左のスピーカ8Lのみから効果音を出力する一方、第2特図小当り時には、遊技機1に向かって右のスピーカ8Rのみから効果音を出力する等ように、ステップS676の処理でセットされた演出制御パターンに従った演出制御が行われるようにすればよい。
次に、本実施例1におけるパチンコ遊技機1の遊技方法について説明する。
遊技を行う場合、遊技者は打球操作ハンドル30を操作することにより、パチンコ機2を正面から見て遊技領域2aの右側下方に配設された打球発射装置(図示略)にて遊技球が発射される。打球操作ハンドル30は、前後方向を向く軸周りに回転可能に設けられ、初期位置から右回転操作することにより打球が発射されるとともに、操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力が変化するようになっている。本実施例では、回転量が増大すると弾発力も増大し、回転量が減少すると弾発力も減少する。
打球操作ハンドル30の操作により発射された遊技球は、図示しないガイドレールにて誘導され、正面視略円形状に形成された遊技領域2aの上部左側から遊技領域2a内に進入する。例えば打球操作ハンドル30を第1操作態様{例えば初期位置から所定角度θ1(例えばθ1=約40〜90度の範囲)右回転する操作態様}にて操作することにより遊技球が発射された場合、遊技領域2a内に進入した遊技球の多くは、遊技領域2aの中心位置に配置された可変入賞装置40の中心よりも左側の第1遊技領域2aLの上部から下部に向けて通過(流下)する。また、打球操作ハンドル30を第2操作態様{例えば初期位置から所定角度θ2(例えばθ2=約91〜180度の範囲)右回転する操作態様}にて操作することにより遊技球が発射された場合、遊技領域2a内に進入した遊技球の多くは、遊技領域2aの中心位置に配置された可変入賞装置40の中心よりも右側の第2遊技領域2aRの上部から下部に向けて通過(流下)する。
このように、打球操作ハンドル30を第1操作態様にて操作した場合は弾発力が弱いため、発射された遊技球の大半は第1遊技領域2aLを通過し、打球操作ハンドル30を第2操作態様にて操作した場合は第1操作態様にて操作した場合よりも弾発力が強いため、発射された遊技球の大半は第2遊技領域2aRを通過することになる。つまり、打球操作ハンドル30を第1操作態様にて操作した場合、発射された遊技球は第2遊技領域2aRを通過するよりも高い割合で第1遊技領域2aLを通過する(遊技球が100%の割合で第1遊技領域2aLを通過する場合を含む)。また、打球操作ハンドル30を第2操作態様にて操作した場合、発射された遊技球が第1遊技領域2aLを通過するよりも高い割合で第2遊技領域2aRを通過する(遊技球が100%の割合で第2遊技領域2aRを通過する場合を含む)。このように遊技者は打球操作ハンドル30の回転量を調整することにより、左側の第1遊技領域2aLまたは右側の第2遊技領域2aRのいずれかを狙って遊技球を発射させること(左右に打ち分けること)ができる。
そして、左側の第1遊技領域2aLには普通入賞球装置6Aが設けられており、この普通入賞球装置6Aの上方位置には、可変入賞装置40の第1役物装置40Aの左側部に形成された第1役物入賞口32Aが臨むように設けられ、かつ、該第1役物入賞口32Aを開閉する可動翼片10Aが、開放状態において左側方に突出して第1遊技領域2aを通過する遊技球を第1役物装置40A内に誘導可能に設けられているため、遊技者は左側の第1遊技領域2aLを狙って打球操作ハンドル30を第1操作態様にて操作すること(左打ちとも言う)で、第1特図ゲーム及び第1役物装置40Aによる遊技を行うことができる。
一方、右側の第2遊技領域2aLには普通可変入賞球装置6Bが設けられており、この普通可変入賞球装置6Bの上方位置には、通過ゲート41が設けられるとともに、可変入賞装置40の第2役物装置40Bの右側部に形成された第2役物入賞口32Bが臨むように設けられ、かつ、該第2役物入賞口32Bを開閉する可動翼片10Bが、開放状態において右側方に突出して第2遊技領域2aRを通過する遊技球を第2役物装置40B内に誘導可能に設けられているため、遊技者は右側の第2遊技領域2aRを狙って打球操作ハンドル30を第2操作態様にて操作すること(右打ちとも言う)で、第2特図ゲーム及び第2役物装置40Bによる遊技を行うことができる。
次に、本発明の実施例1における遊技の流れの概略を図40に基づいて説明する。尚、図40において左側は左打ちした場合の遊技の流れを示し、右側は右打ちした場合の遊技の流れを示す。
<通常遊技状態(左打ち)>
まず、通常遊技状態において左打ちした場合の遊技の流れを説明すると、打球発射装置により打ち出された遊技球が第1遊技領域2aLに進入し、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入すると、特図ゲームの抽選が実行されるとともに、該特図ゲームの抽選結果に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにて特別図柄の可変表示が開始される。そして特別図柄の可変表示結果として「第1〜5小当り」表示結果が導出されると小当り遊技状態となり、第1羽根が1回開放され、この開放により遊技球が第1役物装置40A内に進入し、かつ、大当り流入口207内に進入した場合は大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。
また、第1羽根の開放により遊技球が第1役物装置40A内に進入しなかった場合及び第1役物装置40A内に進入したものの大当り流入口207内に進入しなかった場合は、通常遊技状態に移行する。
また、特別図柄の可変表示結果として「大当り」表示結果が導出されると、小当り遊技状態を経由することなく大当りとなる。
尚、特図ゲームにおいて「第1,2,4小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後は、通常遊技状態に移行し、特図ゲームにおいて「第3,5小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後は、有利状態に移行する(図9参照)。
また、特図ゲームにおける「第1,2,4小当り」の当選確率の合算値は269/300であり、「第3,5小当り」の当選確率の合算値は30/300であり、「大当り」の当選確率は1/300である。従って、小当り遊技状態での大当りを契機に移行した大当り遊技状態の終了後において、通常遊技状態に移行する割合は約90%、有利状態に移行する割合は約10%である(図12参照)。
また、「第1〜3小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態では第1羽根は1.5秒開放し、当該小当り遊技状態を契機とする大当り遊技状態のラウンド数は5ラウンドとなる。一方、「第4,5小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態では第1羽根は2秒開放し、当該小当り遊技状態を契機とする大当り遊技状態のラウンド数は15ラウンドとなる。つまり、「第4,5小当り」に当選した場合には「第1〜3小当り」に当選した場合よりも開放時間が長いため、第1役物装置40A内に遊技球が進入しやすく、かつ、当該小当り遊技状態を契機とする大当り遊技状態のラウンド数が多くなる。
また、第1羽根の開放により第1役物装置40A内に進入した遊技球が大当り流入口207内に進入する割合は1/8である(図16参照)。
<通常遊技状態(右打ち)>
通常遊技状態において右打ちした場合の遊技の流れを説明すると、打球発射装置により打ち出された後、第2遊技領域2aRに進入した遊技球が通過ゲート41を通過すると、普図ゲームの抽選が実行されるとともに、該普図ゲームの抽選結果に応じて、普通図柄表示装置20にて普通図柄の可変表示が開始される。そして普通図柄の可変表示結果として「普図当り」表示結果が導出されると、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片が1回開放される。また、普通図柄の可変表示結果として「普図ハズレ」表示結果が導出されると、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片を開放せずに閉鎖状態に維持されるため、遊技球が第2始動入賞口に進入しにくい。
また、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片の開放により遊技球が普通可変入賞球装置6Bの第2始動入賞口に進入した場合、特図ゲームの抽選が実行されるとともに、該特図ゲームの抽選結果に応じて、第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の可変表示が開始される。そして特別図柄の可変表示結果として「第6〜8小当り」表示結果が導出されると小当り遊技状態となり、第2羽根が1回開放され、この開放により遊技球が第2役物装置40B内に進入し、かつ、大当り流入口217内に進入した場合は大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。
また、第2羽根の開放により遊技球が第2役物装置40B内に進入しなかった場合及び第2役物装置40B内に進入したものの大当り流入口217内に進入しなかった場合は、通常遊技状態に移行する。
また、特別図柄の可変表示結果として「大当り」表示結果が導出されると、小当り遊技状態を経由することなく大当りとなる。
ここで、普図ゲームにおいて「普図当り」の当選確率は196/199であり、「普図ハズレ」の当選確率は4/199である(図13参照)。普通図柄の変動時間は、「普図当り」または「普図ハズレ」のいずれが当選した場合も30秒であり(図14参照)、また、「普図当り」の当選に基づく拡大開放状態に維持される期間は0.1秒であるため(図15参照)、開放しても殆ど遊技球は第2始動入賞口に誘導されない。
また、特図ゲームにおいて「第6,7小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後は、通常遊技状態に移行し、特図ゲームにおいて「第8小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後は、有利状態に移行する(図9参照)。
ここで、特図ゲームにおける「第6,7小当り」の当選確率の合算値は269/300であり、「第8小当り」の当選確率の合算値は30/300であり、「大当り」の当選確率は1/300である。従って、小当り遊技状態での大当りを契機に移行した大当り遊技状態の終了後において、通常遊技状態に移行する割合は約90%、有利状態に移行する割合は約10%である(図12参照)。
また、「第6〜8小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態では第2羽根が2秒開放し、当該小当り遊技状態を契機とする大当り遊技状態のラウンド数は全て15ラウンドとなる。
また、第2羽根の開放により第2役物装置40B内に進入した遊技球が大当り流入口217内に進入する割合は1/3である(図16参照)。
<有利状態(左打ち)>
有利状態において左打ちした場合の遊技の流れは、通常遊技状態において左打ちした場合と同様であるため説明を省略し、以下、通常遊技状態と相違する点のみを説明する。
有利状態では、特図ゲームにおいて「第1,3,4,5小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後は、通常遊技状態に移行し、特図ゲームにおいて「第2小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後は、有利状態に移行する(図9参照)。
ここで、特図ゲームにおける「第1,3,4,5小当り」の当選確率の合算値は120/300であり、「第2小当り」の当選確率は179/300であり、「大当り」の当選確率は1/300である。従って、小当り遊技状態での大当りを契機に移行した大当り遊技状態の終了後において、通常遊技状態に移行する割合は約40%、有利状態に移行する割合は約60%である(図12参照)。
つまり、有利状態において第1役物装置40Aの小当り遊技状態での大当りを契機に移行した大当り遊技状態の終了後は、通常遊技状態において小当り遊技状態での大当りを契機に移行した大当り遊技状態の終了後(約40%)よりも高い割合(約60%)で有利状態に移行する。
尚、有利状態は、大当り遊技状態になることまたは大当り遊技状態の終了後から第1特図ゲーム及び第2特図ゲームそれぞれの変動数の合算値が100回に到達することで終了する。
<有利状態(右打ち)>
有利状態において右打ちした場合の遊技の流れは、通常遊技状態において右打ちした場合と同様であるため説明を省略し、以下、通常遊技状態と相違する点のみを説明する。
有利状態では、普図ゲームにおける「普図当り」「普図ハズレ」の当選確率は通常遊技状態と変わらないが(図13参照)、普通図柄の変動時間は、「普図当り」または「普図ハズレ」のいずれが当選した場合も1秒となり(図14参照)、また、「普図当り」の当選に基づく拡大開放状態に維持される期間は5秒となる(図15参照)。
すなわち、通常遊技状態に比べて、普通図柄の変動時間が30秒から1秒に短縮されることで、所定期間内において普図ゲームを実行する機会、つまり普通可変入賞球装置6Bが開放する機会が増加するとともに、普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態となる期間が0.1秒から5秒に延長されるため、特図ゲームの抽選を受ける機会が増加する。
尚、普通図柄の変動時間の短縮及び普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態となる期間の延長が行われる有利状態は、大当り遊技状態が発生することまたは大当り終了後から第1特図ゲーム及び第2特図ゲームそれぞれの変動数の合算値が100回行われることのうちいずれかが成立したことにより終了するようになっているが、本実施例では、通常の右打ち遊技を行っていれば第2特図ゲームが100回行われるまでにほぼ大当り遊技状態に移行することになる。
特図ゲームにおいて「第7小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後は、通常遊技状態に移行し、特図ゲームにおいて「第6,8小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後は、有利状態に移行する(図9参照)。
ここで、特図ゲームにおける「第7小当り」の当選確率は179/300であり、「第6,8小当り」の当選確率の合算値は120/300であり、「大当り」の当選確率は1/300である。従って、小当り遊技状態での大当りを契機に移行した大当り遊技状態の終了後において、通常遊技状態に移行する割合は約40%、有利状態に移行する割合は約60%である(図12参照)。
つまり、有利状態において第2役物装置40Bの小当り遊技状態での大当りを契機に移行した大当り遊技状態の終了後は、通常遊技状態において小当り遊技状態での大当りを契機に移行した大当り遊技状態の終了後(約40%)よりも高い割合(約60%)で有利状態に移行する。
以上説明したように、本実施例1のパチンコ遊技機1にあっては、通常遊技状態において、左打ち遊技を行う場合でも、右打ち遊技を行う場合でも、大当りに当選する割合(1/300)、小当りに当選する割合(通常299/300)、大当りを契機に移行した大当り遊技状態の終了後に有利状態に移行する割合(100%)、小当り遊技状態での大当りを契機に移行した大当り遊技状態の終了後に有利状態に移行する割合(約10%)は同じである。
一方、第2役物装置40B内に進入した遊技球が大当り流入口217内に進入する割合(1/3)は、第1役物装置40A内に進入した遊技球が大当り流入口207内に進入する割合(1/8)よりも高く、また、第2役物装置40Bでの小当り遊技状態を契機とする大当り遊技状態のラウンド数(15R)は、第1役物装置40Aでの一部の小当り遊技状態を契機とする大当り遊技状態のラウンド数(5R)よりも多いため、役物の有利度は第2役物装置40Bの方が高い。
しかし、普通図柄の変動時間は30秒であり、しかも普図当りに当選しても開放時間が0.1秒であるので遊技球は殆ど第2始動入賞口に誘導されない。つまり、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの実行頻度が第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームの実行頻度に比べて極めて低い。
このように通常遊技状態においては、小当り遊技状態において第2役物装置40Bで大当りとなる確率は第1役物装置40Aで大当りとなる確率よりも高いが、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの実行頻度が第1特図ゲームの実行頻度に比べて極めて低いため、右打ち遊技を行うよりも左打ち遊技を行う方が遊技者にとって有利となる。
有利状態においては、左打ち遊技を行う場合でも、右打ち遊技を行う場合でも、大当りに当選する割合(1/300)及び小当りに当選する割合(299/300)、大当りを契機に移行した大当り遊技状態の終了後に有利状態に移行する割合(100%)及び小当り遊技状態での大当りを契機に移行した大当り遊技状態の終了後に有利状態に移行する割合(約60%)は同じである。
一方、第2役物装置40B内に進入した遊技球が大当り流入口217内に進入する割合(1/3)は、第1役物装置40A内に進入した遊技球が大当り流入口207内に進入する割合(1/8)よりも高いため、役物の有利度は第2役物装置40Bの方が高い。
加えて、普通図柄の変動時間が30秒から1秒に短縮されることで、普図ゲームの抽選が実行される機会が増大するばかりか、普図当りの当選確率は通常遊技状態と同一であるものの、普図当りに当選した場合の拡大開放時間が0.1秒から5秒に延長(開放延長)されるので、通常遊技状態よりも遊技球が第2始動入賞口に誘導されやすくなるとともに、普通入賞球装置6Aは、普通可変入賞球装置6Bのように第1始動入賞口に向けて遊技球を誘導する可動翼片を有していないため、拡大開放状態となった普通可変入賞球装置6Bは、普通入賞球装置6Aよりも遊技球が第2始動入賞口に進入しやすくなるため、第2特図ゲームが実行される機会が高まる。
このように有利状態では、通常遊技状態よりも普通図柄の変動時間が短縮されるとともに、可動翼片が拡大開放状態となる時間が延長されることにより、一定期間において遊技球が第2始動入賞口に進入する割合が高くなることで、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの実行頻度が第1特図ゲームの実行頻度よりも高くなるだけでなく、小当り遊技状態において第2役物装置40Bで大当りとなる確率が第1役物装置40Aで大当りとなる確率よりも高いので、左打ち遊技を行うよりも右打ち遊技を行う方が遊技者にとって有利となる。
ここで、通常遊技状態と有利状態とを比較すると、有利状態では、通常遊技状態よりも普通図柄の変動時間が短縮されるとともに、可動翼片が拡大開放状態となる時間が延長されることにより、一定期間において遊技球が第2始動入賞口に進入する割合が高くなることで、通常遊技状態よりも第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの実行頻度が高まり、大当り遊技状態に移行する機会が増大するばかりか、大当り遊技状態でのラウンド数が全て15ラウンドとなり、大当り遊技状態において遊技者が獲得可能な遊技球数が多くなる。また、大当り遊技状態の終了後に有利状態に移行する割合(約60%)が、通常遊技状態において大当り遊技状態の終了後に有利状態に移行する割合(約10%)よりも高い、つまり有利状態が継続する割合が高い。
よって、大当り遊技状態の終了後に有利状態に移行した場合には、大当り遊技状態の終了後に有利状態に移行せずに通常遊技状態に移行した場合よりも、次回の大当り遊技状態の終了後も再び有利状態に移行しやすくなるばかりか、普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態となる頻度が高まることにより遊技球が第2始動入賞口へ進入しやすくなるとともに、第2羽根の開放時間が長くなり、かつ第2役物装置40Bに進入した遊技球は第1役物装置40Aに進入した遊技球よりも高い割合(1/3)で大当り流入口217に進入するため、短期間のうちに大当り遊技状態に移行されやすくなる。つまり、大当り遊技状態の終了後に有利状態に移行することにより、次回の大当り遊技状態が短期間で発生しやすくなるだけでなく、次回の大当り遊技状態の終了後も連続して大当り遊技状態に移行することに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
また、有利状態では、遊技領域2aに設けられた2つの第1役物装置40A及び第2役物装置40Bのうち一方の第2役物装置40Bを開放状態とする契機となる第2始動入賞口に遊技球が進入する割合を普通可変入賞球装置6Bにより高め、通常遊技状態よりも第2役物装置40Bでの小当り遊技状態の実行頻度を高めることにより大当り遊技状態を発生させる機会を増大させるので、特図ゲームにおける大当りの当選確率を高くすることのみで有利状態とする場合に比べて、小当り遊技状態を楽しむことができるため、遊技の興趣が向上する。
また、通常遊技状態及び有利状態のいずれにおいても第1役物装置40A(左打ち)または第2役物装置40B(右打ち)のいずれでも遊技が可能であるが、通常遊技状態においては第1役物装置40Aで遊技を行う方が第2役物装置40Bよりも遊技者にとって有利であり、有利状態においては第2役物装置40Bで遊技を行う方が第1役物装置40Aで遊技を行うよりも遊技者にとって有利である。このように遊技者は、通常遊技状態と有利状態とで異なる役物装置(左打ちまたは右打ち)で遊技を行うことができるため、1つの役物装置で通常遊技状態と有利状態とを構成する場合に比べて、内部に進入した遊技球が当り孔に進入する割合が異なる、つまり大当り確率が異なる役物装置それぞれで遊技を楽しむことができるので、遊技の興趣が向上するばかりか、有利状態にて小当り遊技状態を契機とした大当り遊技状態が発生することに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
また、第2役物装置40Bは、通常遊技状態において遊技球が進入する確率は極めて低いが、内部に進入した遊技球が大当り流入口に進入する割合は第1役物装置40Aよりも高い(1/3)ため、遊技球が進入したときにおける遊技者の期待感を向上させることができる。
尚、本実施例では、有利状態において移行した大当り遊技状態の終了後は60%の割合で有利状態に移行するようになっていたが、100%の割合で有利状態に移行するようにしてもよいし、通常遊技状態において発生した大当り遊技状態の終了後に100%の割合で通常遊技状態に制御しないようにしてもよい。
また、有利状態において小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後において、連続して大当り遊技状態の終了後に有利状態に移行した回数が所定の上限回数(例えば5回等)に到達している場合には、通常遊技状態において小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後よりも低い割合で有利状態に移行するようにしてもよい。このようにすることで、有利状態に連続して制御されることにより遊技者が短期間のうちに過度に遊技球を獲得することを防止できる。
尚、この場合、連続して大当り遊技状態の終了後に有利状態に移行した回数が所定の上限回数に到達している場合に100%の割合で有利状態に移行しない、つまり100%の割合で通常遊技状態に移行してもよい。