JP2012243892A - 有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機半導体層の形成位置について、別途精密な制御を必要とすることなく、高精細なパターニングが行われた有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】ソース電極1、ドレイン電極2、ゲート電極3、有機半導体層4及びゲート絶縁膜5を備え前記ソース電極1及び前記ドレイン電極2の表面エネルギーが、いずれも30mN/m以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜トランジスタの製造方法、特に、有機半導体層の形成位置について、別途精密な制御を必要とすることなく、高精細なパターニングが行われた有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜トランジスタの製造方法に関するものである。
近年、有機半導体材料を利用した有機薄膜トランジスタの研究開発が盛んである。有機半導体材料は、容易に薄膜形成が可能であり、従来の無機半導体材料を利用した薄膜トランジスタと比べて、製造プロセス温度を低温化できるという利点がある。そのため、一般に耐熱性の低いプラスチック基板上への形成が可能となり、電子ペーパーや、ディスプレイ等のエレクトロニクスデバイスの軽量化、低コスト化に寄与するとともに、プラスチック基板のフレキシビリティーを活かした用途等、多様な展開が期待できる。
前記有機薄膜トランジスタの半導体層は、リーク電流の抑制やクロストークの防止の点から、動作領域のみに形成されることが好ましい。そのため、スピンコート法や蒸着法によって全面に半導体膜を形成した後、フォトリソグラフィ法やレーザー加工などを行うことで動作領域以外の半導体膜を除去する2段階の加工が行われることが一般的である。ただし、リソグラフィ法やレーザー加工については、製造コストが高い、加工時に半導体層にダメージが加わることでトランジスタの性能が低下する、といった問題があった。
上記問題点を解決すべく、半導体膜の形成とそのパターニングとを同時に行うことの出来る印刷方式が注目されており、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷などが検討されている。しかし、有機半導体材料は一般的溶媒への溶解性に乏しく、またインクに印刷適合性を付与するための添加剤の使用が制限されるため、動作領域のみに高精度な印刷を行う事が難しかった。
印刷方式を用いて有機半導体層を形成する際に、より高精細な描画を行うため、事前に基板に前処理を施す手法が提案されている。
前記基板の前処理方法としては、例えば特許文献1に開示されているように、隔壁を形成する技術や、特許文献2に開示されているように、絶縁膜上に少なくとも一種の有機半導体材料を含む有機半導体層を有する有機トランジスタにおいて、該絶縁膜表面の少なくとも動作領域を疎水性表面とし、その他の領域を親水性表面とする技術が挙げられる。
特開2008−277370号 特開2009−60032号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、製造プロセスにおいて、隔壁を形成するための工程が新たに必要となり、特許文献2の技術では、親水パターン/疎水パターン形成のための工程が新たに必要となり、それぞれ製造コスト及び生産性の悪化が生じる。そのため、より簡便で、かつ製造コストの悪化を招かない有機薄膜トランジスタの製造方法が強く求められていた。
そこで本発明の目的は、ソース電極及びドレイン電極の適正化を図ることで、有機半導体層の形成位置について、別途精密な制御を必要とすることなく、高精細なパターニングが行われた有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、有機半導体層及びゲート絶縁膜を備える有機薄膜トランジスタについて、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、前記ソース電極及び前記ドレイン電極の表面エネルギーを、30mN/m以下とすることで、有機半導体層の形成位置について、別途精密な制御を必要とすることなく、高精細なパターニングが行われた有機半導体層が得られることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、その要旨は以下の通りである。
(1)ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、有機半導体層及びゲート絶縁膜を備え、前記ソース電極及び前記ドレイン電極の表面エネルギーが、30mN/m以下であることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
(2)前記ソース電極及び前記ドレイン電極が、表面エネルギーが低い第1の樹脂を含むインク材料によって形成されることを特徴とする上記(1)に記載の有機薄膜トランジスタ。
(3)前記インク材料は、表面エネルギーが高い第2の樹脂をさらに含むことを特徴とする上記(2)に記載の有機薄膜トランジスタ。
(4)前記第2の樹脂は、前記第1の樹脂よりも表面エネルギーが10mN/m以上高く、前記インク材料中の樹脂の総量100質量部に対して40〜80質量部の範囲で含有されることを特徴とする上記(3)に記載の有機薄膜トランジスタ。
(5)基板上に、ゲート電極を形成し、該ゲート電極上に、印刷又は塗布によってゲート絶縁膜を形成し、該ゲート絶縁膜上に、表面エネルギーが30mN/m以下であるソース電極及びドレイン電極を、印刷によって形成した後、有機半導体層を印刷又は塗布によって形成することを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
(6)前記ソース電極及び前記ドレイン電極の形成は、表面エネルギーが低い第1の樹脂を配合したインク材料を用いることを特徴とする上記(5)に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
(7)前記インク材料に、表面エネルギーが高い第2の樹脂をさらに配合することを特徴とする上記(6)に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
本発明によれば、有機半導体層の形成位置について、別途精密な制御を必要とすることなく、高精細なパターニングが行われた有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供することが可能となった。
(a)は本発明に従う有機薄膜トランジスタの一実施形態についての模式断面図、(b)は従来の有機薄膜トランジスタの一実施形態についての模式断面図である。 (a)は、形成されたソース電極及びドレイン電極の上面、(b)は、本発明に従う有機薄膜トランジスタの上面を示す平面図である。 実施例及び比較例における、ゲート電圧とドレイン電流との関係を示す図である。
以下、本発明の構成と限定理由について、図面を用いて説明する。
図1(a)は、本発明に従う有機薄膜トランジスタの一実施形態についての断面を模式的に示したものである。図1(b)は、従来の方法によって製造された有機薄膜トランジスタの一実施形態についての断面を模式的に示したものである。
<有機薄膜トランジスタ>
本発明による有機薄膜トランジスタは、図1(a)に示すように、ソース電極1、ドレイン電極2、ゲート電極3、有機半導体層4及びゲート絶縁膜5を備える。
そして、本発明は、前記ソース電極1及び前記ドレイン電極2の表面エネルギーが、いずれも30mN/m以下であることを特徴とする。
上記構成を備えることで、従来の製造方法と同様の材料・プロセスによって有機薄膜トランジスタを形成できるとともに、別途精密な制御を行わなくとも、ソース電極1とドレイン電極2の間に高精細にパターニングした有機半導体層4を形成することが出来る。
一方、従来の製造方法によって製造された有機薄膜トランジスタは、図1(b)に示すように、ソース電極1及びドレイン電極2の上にも有機半導体層4が形成されることとなる。そのため、半導体層が各素子の動作領域だけに独立してパターニングされず、隣接する素子と繋がった連続膜を形成する。その結果、周辺素子とのクロストークが生じ、本発明による有機薄膜トランジスタに比べて性能が低下すると考えられる。
以下、本発明による有機薄膜トランジスタの各構成部材について説明する。
(基板)
本発明による有機薄膜トランジスタ10は、図1(a)に示すように、通常、最下層として基板6を備える。前記基板の種類については、特に限定はされない。例えば、シリコン基板、ガラス基板、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート等を用いることができる。
(ゲート電極)
本発明による有機薄膜トランジスタ10は、図1(a)に示すように、前記基板6の上に、ゲート電極3が形成される。該ゲート電極3は、トランジスタの入力端子としての電極である。本発明では、トランジスタ10の表面側に前記ソース電極1及び前記ドレイン電極2を形成するため、ゲート電極3は基板6側に形成されている。
前記ゲート電極に用いられる材料としては、特に限定はされない。例えば、p型ドープシリコン、n型ドープシリコン、インジウム・錫酸化物(ITO)や、化学ドーピングにより高い導電性を示すポリチオフェン系、ポリアニリン系などの高分子といった導電性ポリマーや、金、銀、銅、白金、クロム、チタン、アルミニウム、タンタルなどの金属等を用いることができる。
(ゲート絶縁膜)
本発明による有機薄膜トランジスタ10は、図1(a)に示すように、前記ゲート電極3の上に、ゲート絶縁膜5が形成される。該ゲート絶縁膜5の種類については、絶縁性の高いものであれば、特に限定はされず、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化タンタルなどの無機物や、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン、ジビニルテトラメチルジシロキサン−ビスベンゾシクロブテン(BCB)、シアノエチルプルラン、パリレン、ポリイミド、フッ素化高分子などの有機物を用いることができる。
(ソース電極、ドレイン電極)
本発明による有機薄膜トランジスタ10は、図1(a)に示すように、前記ゲート絶縁膜5の上にソース電極1及びドレイン電極2を備え、これらの表面エネルギーは、いずれも30mN/m以下である。ここで表面エネルギーとは、物質表面の有するエネルギーで、物質の濡れ性に影響を与えるパラメータであり、表面エネルギーが高くなるほど濡れ性も高くなる。前記ソース電極1及びドレイン電極2の表面エネルギーが30mN/mを超えると電極表面の撥液性が十分ではなく、電極表面上に前記有機半導体層4が形成されるおそれがある。
前記ソース電極及び前記ドレイン電極の表面エネルギーを30mN/m以下に制御するための手法としては、電極を形成するインク材料に低い表面エネルギーを有する樹脂を配合する方法、電極表面の化学処理によって撥液性を付与する方法などがある。
このうち、インク材料に低い表面エネルギーを有する樹脂(以下、第1の樹脂と呼ぶ)を配合する手法は、従来のプロセスに変更を加えることなく確実な電極形成が可能なため、より好適である。
ここで、前記表面エネルギーが低い第1の樹脂とは、表面エネルギーが、30mN/m以下の樹脂のことをいう。該第1の樹脂としては、上記条件を満たす樹脂であれば特に限定はされない。例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン等を挙げることができる。
また、前記ソース電極及び前記ドレイン電極を形成するためのインク材料は、表面エネルギーが高い第2の樹脂をさらに含むことが好ましい。前記第2の樹脂をインク材料に含有することによって、電極と半導体層の界面の接触抵抗が減少し、閾値電圧のシフトを抑制できるためである。
ここで、前記表面エネルギーが高い第2の樹脂とは、前記第1の樹脂よりも表面エネルギーが10mN/m以上高い樹脂のことをいう。該第2の樹脂としては、上記条件を満たすものであれば特に限定はされないが、例えばエポキシ、ポリイミド、ポリエステル、アクリル、ナイロン、フェノール、ポリビニルフェノール、ポリカーボネート等を挙げることができる。
さらに、表面エネルギーが30 mN/m以下のソース電極及びドレイン電極を、確実に形成できる点及び閾値電圧のシフトを抑制する点から、前記第2の樹脂は、前記第1の樹脂よりも表面エネルギーが10mN/m以上高く、前記インク材料中の樹脂の総配合量100質量部に対して40〜80質量部の範囲で含有されることが好ましい。前記第1の樹脂に対して、前記第2の樹脂の表面エネルギーが10mN/m以上高くない場合や、40質量部未満の含有量である場合には、前記第2の樹脂を含有させることによる閾値電圧の抑制効果が十分に発揮されないためであり、一方、含有量が80質量部を超える場合には、第2の樹脂が多くなりすぎるため、ソース電極及びドレイン電極の表面エネルギーが30mN/mを上回るおそれがあるからである。
なお、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、導電性インクを使用し印刷法にて形成する。印刷の手法としては、特に限定されず、インクジェット、ディスペンサー、フレキソ、グラビア、オフセット、コンタクトプリント、スクリーンなどが挙げられる。
導電性インクは少なくとも1種類以上の導電材料を主成分として含有する。上記導電材料は、特に限定はされず、金、銀、銅、チタン、白金、クロム、アルミニウム、インジウム、アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Sr、Ba)、ITO、IZO、AZOなどの金属酸化物、ポリチオフェン系、ポリアニリン系などの高分子といった導電性ポリマーなどを用いることができる。
なお、導電性インクには、必要に応じて、樹脂を添加することができる。樹脂を添加する目的は主に基板への密着性の向上や電極強度の確保などである。
(有機半導体層)
本発明による有機薄膜トランジスタ10は、図1(a)に示すように、前記ゲート絶縁膜5の上で、かつ前記ソース電極1と前記ドレイン電極2との間に、有機半導体層4を備える。該有機半導体層4は、半導体としての性質を示す有機物の層である。
前記有機半導体層4の材料については、通常用いられる材料であれば特に限定はされない。例えば、ペンタセンやアントラセン、ルブレンなどの多環芳香族炭化水素や、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)などの低分子化合物をはじめ、ポリアセチレンやポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)などのポリマー等を用いることができる。なお、上記材料は、前記有機半導体層4の材料の一部を列挙したものであり、本発明の適用の範囲を示したものではない。
<有機薄膜トランジスタの製造方法>
本発明による有機薄膜トランジスタの製造方法は、図1(a)に示すように、基板6上に、ゲート電極3を形成し、該ゲート電極上3に、印刷又は塗布によってゲート絶縁膜5を形成し、該ゲート絶縁膜5上に、表面エネルギーが30mN/m以下であるソース電極1及びドレイン電極2を、印刷によって形成した後、有機半導体層4を印刷又は塗布によって形成することを特徴とする。
上記構成を備えることで、電極上に塗布ないし印刷された導電性インクは電極表面上で撥液され、ソース電極1及びドレイン電極2の間に自発的に移動する。インクの自発的な動きにより動作領域のみに有機半導体層4が形成されるため、工程数や必要となるマスク・版の枚数を増大させることなく、高精細なパターニングが行われた有機半導体層を備える有機薄膜トランジスタの製造が可能となる。
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
本発明の実施例について説明する。
<実施例1>
(発明例)
実施例1として、図1(a)に示すように、0.7mmの厚みのソーダライムガラスを基板6とし、該基板6上に、ITOをスパッタで成膜した後、フォトリソグラフィによりパターニングすることでゲート電極3を形成した。その後、前記ゲート電極3上に、ポリイミド樹脂(京セラケミカル製 CT4112)をスピンコートによって塗布し、180℃、1時間の焼成により完全に硬化させることで、ゲート絶縁膜5を形成した。ゲート絶縁膜5の厚みは、スピンコートの回転数により1μmに調整した。
そして、前記ゲート絶縁膜5の上に、スクリーン印刷法によって、上から見たときに、図2(a)に示すパターンとなるソース電極1及びドレイン電極2を印刷した。電極間の間隔は50μm、幅は2mmであり、図2(b)に示すように、同様の形状の素子が0.2mm間隔で9個配列してある。印刷で用いたインク材料については、銀微粒子(平均粒径約20nm)と第1の樹脂となるフッ素樹脂、及び、溶剤のトリブチルアミンの3種を主成分として含有するものを用いた。ソース電極1及びドレイン電極2の表面エネルギーは、いずれも23mN/mであった。なお、該電極の表面エネルギーについては、インク材料をバーコーターでガラス基板上に塗布し、150℃で30分間焼成した後、協和界面化学製の接触角測定装置により、接触角の測定を行い(測定の指示液としては水・ジョードメタン・ブロモナフタレンの3液を用いた。)、得られた接触角をKitazawa−Hataの式を用いて算出して得た。
上記ソース電極1及びドレイン電極2の印刷を行った後、150℃30分で焼成を行った。その後、高分子有機材料F8T2(シグマ-アルドリッチ社製)を0.2質量%の濃度でジクロロベンゼンに溶解させたインク材料を、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング製NANO MASTER SMP-II)を用いて基板上へと滴下した。インク材料は、基板表面に着滴後、すぐに電極表面からはじかれてソース電極とドレイン電極の間に凝集した。その結果、図1(a)に示すように、ソース電極1とドレイン電極2との間の動作領域のみに半導体膜(有機半導体層4)が形成された。
(従来例)
前記ソース電極1及び前記ドレイン電極2を形成するための、スクリーン印刷に用いるインク材料として、エポキシ樹脂と、イソホロン及びブチルカルビトールアセテートの混合溶媒とからなるものを用いたこと以外は、発明例と同様の条件によって、サンプルとなる有機薄膜トランジスタを作製した。なお、ソース電極1及びドレイン電極2の表面エネルギーは、いずれも45mN/mであった。実施例と同様の条件で半導体インクを滴下した所、ソース・ドレイン電極を覆う形で連続的に半導体膜の形成が起こり、図1(b)に示すように、ソース電極1及びドレイン電極2の上にも前記有機半導体層4が形成され、図2(b)の9つの素子の半導体膜(有機半導体層4)が上下左右の隣接素子と繋がった形状となった。
(評価)
発明例及び従来例の各サンプルについて、Agilent社製半導体パラメターアナライザー4155Cを用いて、ゲート電圧(V)と、ドレイン電流(A)との関係を導出し、TFT特性の評価を行った。各サンプルの、ゲート電圧(V)と、ドレイン電流(A)との関係を図3に示す。
図3の結果から、発明例のサンプルは、従来例のサンプルに比べて、On/Off比の上昇が見られ、良好な結果を示すことがわかる。従来例のサンプルにおいては、ソース電極−ドレイン電極間を流れる本来のドレイン電流に加えて、左右上下の隣接する素子からの電流がノイズとして流入・流出するため、On電流の減少、Off電流の増加が生じている。一方、発明例のサンプルでは、半導体膜がソース電極―ドレイン電極間のみに形成されたため、隣接素子からのノイズとなる電流の流入が生じない。このことが、On/Off比の上昇の原因である。
<実施例2>
しかし、実施例1においては、On/Off比は向上したものの、閾値電圧が負側に大きくシフトしてしまっている。閾値電圧は0V付近に存在することが好ましい。そこで、前記ソース電極及び前記ドレイン電極を形成するための、スクリーン印刷に用いるインク材料の配合において、第2の樹脂としてエポキシ樹脂をさらに含有させたこと以外は、実施例1の発明例と同様の条件によって有機半導体トランジスタのサンプルを作製した。そして、前記第1の樹脂(フッ素樹脂)及び前記第2の樹脂(エポキシ樹脂)の含有量(具体的な含有量は表1に示す。)をそれぞれ変化させたサンプルを作製した後、各サンプルのソース・ドレイン電極の表面エネルギー、On/Off比、及び、閾値電圧(V)の測定を行った。
なお、前記ソース・ドレイン電極の表面エネルギーについては、インク材料をバーコーターでガラス基板上に塗布し、150℃で30分間焼成した後、協和界面化学製の接触角測定装置により、接触角の測定を行い(測定の指示液としては水・ジョードメタン・ブロモナフタレンの3液を用いた。)、得られた接触角をKitazawa−Hataの式を用いて算出して得た。
Figure 2012243892
表1の結果から、On/Off比は高いほど良いが、電極の表面エネルギーと明確な相関しており、第1の樹脂(フッ素樹脂)の配合比率が40%以上で飽和することがわかった。一方、閾電圧は0V付近に存在することが望ましいが、フッ素配合量が90%以上の場合には、大きく増加することがわかった。そのため、2つの特性の両立の観点から、第1樹脂の配合比率を前記インク材料中の樹脂の総量100質量部に対して40〜80質量部の範囲とすることで、最も優れたトランジスタ特性が得られることがわかった。
なお、第2の樹脂の追加により閾値電圧が変化した原因は十分に解明されていないが、電極と半導体の界面の接触抵抗が原因と考えられる。すなわち両者の樹脂の表面エネルギーの違いにより、電極の形成及び焼成時の溶剤が揮発する過程において、より表面エネルギーの高いエポキシ樹脂が電極の下方に、表面エネルギーの低いフッ素樹脂が電極の上部に層分離したためと推定される。
本発明によれば、有機半導体層の形成位置について、別途精密な制御を必要とすることなく、高精細なパターニングが行われた有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供することが可能となる。その結果、優れた特性の有機薄膜トランジスタを低コストで製造できる点で、産業上有用である。
1 ソース電極
2 ドレイン電極
3 ゲート電極
4 有機半導体層
5 ゲート絶縁膜
6 基板
10 有機薄膜トランジスタ

Claims (7)

  1. ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、有機半導体層及びゲート絶縁膜を備え、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極の表面エネルギーが、30mN/m以下であることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  2. 前記ソース電極及び前記ドレイン電極が、表面エネルギーが低い第1の樹脂を含むインク材料によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  3. 前記インク材料は、表面エネルギーが高い第2の樹脂をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の有機薄膜トランジスタ。
  4. 前記第2の樹脂は、前記第1の樹脂よりも表面エネルギーが10mN/m以上高く、前記インク材料中の樹脂の総量100質量部に対して40〜80質量部の範囲で含有されることを特徴とする請求項3に記載の有機薄膜トランジスタ。
  5. 基板上に、ゲート電極を形成し、該ゲート電極上に、印刷又は塗布によってゲート絶縁膜を形成し、該ゲート絶縁膜上に、表面エネルギーが30mN/m以下であるソース電極及びドレイン電極を、印刷によって形成した後、有機半導体層を印刷又は塗布によって形成することを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 前記ソース電極及び前記ドレイン電極の形成は、表面エネルギーが低い第1の樹脂を配合したインク材料を用いることを特徴とする請求項5に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 前記インク材料に、表面エネルギーが高い第2の樹脂をさらに配合することを特徴とする請求項6に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
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