JP2012243361A - 記録媒体、記録方法、記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体の狭トラックピッチによるさらなる高密度記録の実現。
【解決手段】記録媒体に形成されている情報記録トラックは、照射するレーザ光の波長と照射光学系のNAから規定される光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短いトラックピッチTp1で複数のトラックが隣接するトラック群が形成されている。さらに、隣接するトラック群どうしのトラック群ピッチTpGは、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長いピッチとなるように形成されている。トラック群どうしが光学的カットオフより長いトラック群ピッチを有していることで、その周期構造からサーボに用いる信号が得られるようにしつつ、トラック群内ではトラックピッチを狭くし、全体としてトラックピッチ方向の高密度化を図る。
【選択図】図2

Description

本開示は記録媒体、記録方法、記録装置に関し、特に狭トラックピッチ化による高密度記録を実現する技術に関する。
特開2010−225237号公報 特開2010−244672号公報 特許第4023365号公報 特開2005−332453号公報
CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等の範疇に属する再生専用ディスクや記録可能型ディスク(ライトワンスディスクやリライタブルディスク)が各種開発されている。
例えばこれらのような光ディスクの分野では、次世代ディスクとして、高密度記録による一層の大容量化が求められている。
例えばディスク状記録媒体における高密度記録の方向性としては、記録層を多層化すること、トラック線方向に記録密度を高めること、トラックピッチ方向に記録密度を高めること(狭トラックピッチ化)、さらにはデータ圧縮処理などの信号処理により記録容量を増加させることなどが考えられる。
このうち本開示では、トラックピッチ方向に記録密度を高めることに着目する。
光ディスクに対しては、レーザスポットを情報記録トラックに照射して、その反射光情報からデータを再生する。しかしこの場合、光ディスク上のトラックピッチが、光学的なカットオフ相当のピッチより狭くなっていると、良好な反射光情報が得られない。特にトラッキング方向の情報が得られなくなる。このためトラッキングサーボ制御によりレーザスポットを情報記録トラック上を適切にトレースさせることができなくなる。
従って、むやみに狭トラックピッチ化を図っても、適正に再生ができず、記録再生システムとして成り立たないものとなる。
なお、ここでいう「光学的なカットオフ相当のピッチ」とは、光学的なカットオフ空間周波数の逆数を意味し、「光学的なカットオフ相当のピッチより狭い」とは、すなわちそのピッチに対応する光学的な空間周波数がカットオフ空間周波数よりも高い状態を表している。
本開示では、狭トラックピッチ化による高密度記録として、それが適正なトラッキング制御を実現でき、記録再生システムとして成立する記録媒体、及び記録方法、記録装置を提供することを目的とする。
本開示の記録媒体は、レーザ光照射を行った際の反射光情報から記録された情報が読み出される情報記録トラックを有し、上記情報記録トラックは、照射するレーザ光の波長と照射光学系のNAから規定される光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短いトラックピッチで複数のトラックが隣接するトラック群が形成されていると共に、上記トラック群単位でみたトラック群ピッチは、上記光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くされている。
本開示の記録方法は、サーボ用レーザ光及び記録用レーザ光を記録媒体に照射する光学ヘッドと、上記サーボ用レーザ光に係る反射光情報を用いて上記サーボ用レーザ光と上記記録用レーザ光のトラッキング制御を上記光学ヘッドに実行させるサーボ回路部とを備えた記録装置の記録方法である。そして、上記サーボ用レーザ光の波長と上記光学ヘッドの照射光学系のNAから規定される光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短いトラックピッチで複数のトラックが隣接するトラック群を形成し、かつ、上記トラック群単位でみたトラック群ピッチが、上記光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くなるように、上記記録用レーザ光のトラッキング制御を行って、記録媒体上に情報記録トラックを形成する。
またこの場合に、記録用レーザ光により、独立した複数のトラック軌道がスパイラル状に形成されるマルチスパイラル構造の情報記録トラックを形成していくとともに、上記複数のトラック軌道により上記トラック群が形成され、マルチスパイラル構造で周回されて隣接する上記トラック群どうしのトラック群ピッチが、上記光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くなるように、上記記録用レーザ光のトラッキング制御を行う。
本開示の記録装置は、サーボ用レーザ光及び記録用レーザ光を共通の対物レンズを介して記録媒体に照射する光学ヘッドと、上記サーボ用レーザ光に係る反射光情報を用いて上記サーボ用レーザ光と上記記録用レーザ光のトラッキング動作を上記光学ヘッドに実行させるサーボ回路部とを備える。そして上記サーボ用レーザ光の波長と上記光学ヘッドの照射光学系のNAから規定される光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短いトラックピッチで複数のトラックが隣接するトラック群が形成され、かつ、上記トラック群単位でみたトラック群ピッチが、上記光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くなるように、上記記録用レーザ光のトラッキング制御を行って、記録媒体上に情報記録トラックを形成する記録装置である。
即ち本開示の技術では、記録媒体には光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短いトラックピッチで複数のトラックが隣接するトラック群が形成されているようにする。さらに、隣接するトラック群どうしのトラック群ピッチは、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くされている。
なお、トラック群ピッチとは、複数のトラックで形成されるトラック群を1つのトラックと想定した場合のピッチである。即ちトラック群全体でみた場合の半径方向のセンター位置と、隣のトラック群の同センター位置との間のピッチである。
トラック群ピッチが光学的カットオフより長いピッチとされていることで、そのトラック群の周期構造からトラッキングサーボに用いる信号が得られるようになる。その上でトラック群内ではトラックピッチを狭くし、全体としてトラックピッチ方向の高密度化を実現する。
本開示によれば、適正に再生可能な記録媒体として、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短いトラックピッチでの情報記録トラックを形成することができ、これにより、全体としてトラックピッチ方向の高密度化を実現し、記録媒体の大容量化を実現できる。
本開示の実施の形態の記録媒体の構造例の説明図である。 実施の形態の2重スパイラルのトラック構造の説明図である。 実施の形態の3重スパイラルのトラック構造の説明図である。 実施の形態の4重スパイラルのトラック構造の説明図である。 実施の形態のディスクドライブ装置のブロック図である。 実施の形態の2再生スポット+記録スポットによる記録再生方式例の説明図である。 実施の形態の非点収差スポット+記録(再生)スポットによる記録再生方式例の説明図である。 実施の形態の3再生スポット+記録スポットによる記録再生方式例の説明図である。 実施の形態の記録手順の例の説明図である。 従前の光ディスクで得られる信号の説明図である。 狭トラックピッチ化の信号への影響の説明図である。 光学的カットオフの説明図である。 実施の形態において変調される信号の説明図である。 実施の形態において変調される信号の検出感度の説明図である。 実施の形態の2スポットによるトラッキング方式の説明図である。 実施の形態の2スポットによるトラッキングを用いた記録動作の説明図である。 実施の形態の非点収差スポットによるトラッキング方式の説明図である。 実施の形態の非点収差スポットによるトラッキングを用いた記録動作の説明図である。 実施の形態の3スポット照射時の2スポットによるトラッキング方式の説明図である。 実施の形態の3重スパイラルトラックについての非点収差スポットによるトラッキングを用いた記録動作の説明図である。 実施の形態のセンタートラックが無い状態での3スポット照射時のトラッキング方式の説明図である。 実施の形態のさらに狭トラックピッチとした場合の2スポットによるトラッキング方式の説明図である。 実施の形態の光学系構成例の説明図である。 図23の光学系構成例におけるマルチビーム光束の説明図である。 実施の形態の光学系構成例の説明図である。 実施の形態の光学系構成例の説明図である。 図26の光学系構成例におけるマルチビーム光束の説明図である。 実施の形態の光学系構成例の説明図である。 実施の形態の光学系構成例の説明図である。 実施の形態の情報記録トラックトラック構造の変形例の説明図である。 実施の形態のレーザスポット照射位置関係の変形例の説明図である。
以下、本開示の実施の形態を次の順序で説明する。

<1.実施の形態の記録媒体>
<2.ディスクドライブ装置の構成例>
<3.記録再生方式>
<4.狭トラックピッチによる高密度化>
<5.トラッキング手法>
<6.光学系構成例>
<7.変形例>
<1.実施の形態の記録媒体>

実施の形態の記録媒体は、例えばCD、DVD、ブルーレイディスク(BD)等のように、例えば直径12cmの光ディスクであるとする。
図1は、実施の形態の記録媒体(光ディスク)90の断面構造の例を模式的に示している。
図1Aは、光ディスク90が、基板93、バルク層91、カバー層92を有する構造例を示している。バルク層91内の所定の深さ位置に記録層(レイヤーL0)が形成されている。なお「深さ」とは厚み方向にみてカバー層92の表面からの距離をいう。この図1Aの構造は、記録層が単層のシングルレイヤーディスクの例である。
カバー層92の表面側がレーザ光の入射面となる。レーザ光はカバー層92の表面側から入射され、レイヤーL0に合焦されて、スポットを形成し、記録又は再生が行われる。
図1Bは、バルク層に多数の記録層(レイヤーL0・・・Ln)が形成される多層ディスクの例を示している。この場合、レーザ光はカバー層92の表面側から入射され、目的とするレイヤーに合焦されてスポットを形成し、記録又は再生が行われる。
図1Cは、リファレンス面RLを設けた例である。リファレンス面RLは、例えばバルク層91とカバー層92の接合面部分に形成される。
このリファレンス面RLは、ランド/グルーブ構造を有する。例えばグルーブがスパイラル状に形成され、バルク層91内のレイヤーL0・・・Lnに形成される情報記録トラックの記録の際のトラッキングのガイドとなる。
なおリファレンス面RLはグルーブではなくピット列としてもよい。またグルーブ又はピット列をアドレス情報に基づいてウォブリング(蛇行)させ絶対位置情報を記録するようにしても良い。
図1の各例はあくまでも一例である。実施の形態の光ディスク90の層構造としては、これらの構造以外の例も考えられる。
シングルレイヤーの場合、図1Aのようなバルク層91を設ける必要は必ずしもない。例えば基板93上にカバー層92を形成し、基板93とカバー層92の接合面にレイヤーL0を形成してもよい。
また図1B、図1Cのようなマルチレイヤーの多層ディスクの場合に、バルク層91を積層膜構造とし、各積層膜上に各レイヤーL0・・・Lnを形成するようにしてもよい。
なお、以下では、記録層としてのシングルレイヤーの場合のレイヤーL0や、マルチレイヤーのレイヤーL0・・・Lnを総称する場合、「レイヤーL」と表記する。
実施の形態の光ディスク90としては、再生専用ディスクや記録可能型ディスク(ライトワンスディスクやリライタブルディスク)が想定される。
再生専用ディスクの場合、各レイヤーLにエンボスピット列が形成される。エンボスピット列は各レイヤーL用のディスク原盤から形成されたスタンパを用いたスタンピングにより形成されればよい。
記録可能型ディスクとしての光ディスク90の場合は、記録装置により回転駆動された状態にて記録用のレーザ光照射が行われてレイヤーLに記録情報に応じたマーク列が形成される。マークとしては、相変化マーク、色素変化マーク、干渉縞マーク、ボイド(空孔)マーク、屈折率変化マークなどが想定される。
光ディスク90に対する再生時には、再生装置により光ディスク90が回転駆動された状態にて、再生用のレーザ光が、再生する目的のレイヤーLに照射される。そしてそのレイヤーLに形成されたピット列又はマーク列に応じた反射光情報が検出され、データが再生される。
ここで本実施の形態の光ディスク90は、レイヤーLにおいてマーク列(又はエンボスピット列)により形成される情報記録トラックの狭トラックピッチ化により、高密度記録を行うことで、大容量化を図るものである。
図2,図3,図4に情報記録トラックの例を示す。
図2は2重スパイラル(ダブルスパイラル)構造でトラックが形成される例を示している。なお、「情報記録トラック」とは、スパイラル状の連続したマーク列(又はエンボスピット列)で形成されるトラック構造のことをいい、単に「トラック」というときは、1周回のトラック部分を指すものとする。
図2Aは、レイヤーLにマーク列(又はエンボスピット列:以下、マーク列の例で説明する)で形成される情報記録トラックを模式的に示している。
また図2Bは、マーク列で形成される情報記録トラックを、ディスク平面方向に見たときのトラック軌道を模式的に示している。
図2Bに示すように、情報記録トラックは、2つの独立したトラック軌道TKa、TKbがそれぞれスパイラル状に形成された、2重スパイラル構造となっている。
図2Aは、この2重スパイラル構造の情報記録トラックにおける半径方向に隣接する8個のトラック(TK1〜TK8)を拡大したものである。なお、各トラックTK1〜TK8には、符号末尾に(a)又は(b)を付しているが、(a)を付したトラックTK1,TK3,TK5,TK7は、トラック軌道TKa上のトラック、(b)を付したトラックTK2,TK4,TK6,TK8は、トラック軌道TKb上のトラックであるとしている。
この情報記録トラックは、トラック軌道TKa上のトラックとトラック軌道TKb上のトラックの、2つの隣接するトラックでトラック群を形成している。例えばトラックTK1,TK2がトラック群、トラックTK3,TK4がトラック群というようになる。
ここでトラック群とは、トラックピッチTp1で隣接する隣接トラックの組をいう。そしてトラックピッチTp1とは、照射するレーザ光の波長と照射光学系のNAから規定される光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短い第1のトラックピッチのことである。
例えばトラックTK1,TK2間は、光学的カットオフ相当より短いトラックピッチTp1となっている。
また、隣接するトラック群どうしで隣り合うことになるトラックは、トラックピッチTp2で離間している。トラックピッチTp2は、例えば光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長い第2のトラックピッチである。
例えばトラックTK2,TK3間や、トラックTK4,TK5間などが、隣接するトラック群どうしの間で隣り合うトラックとなり、これらのピッチがトラックピッチTp2となっている。
トラック群どうしのピッチをトラック群ピッチTpGとして示している。トラックピッチTp2が光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長い場合、必然的にトラック群ピッチTpGは、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長いものとなる。
即ちこの図2の情報記録トラックは、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短いトラックピッチTp1で2つのトラックが隣接するトラック群が形成されていると共に、隣接するトラック群どうしのトラック群ピッチTpGは、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くされている。
そして情報記録トラックは、図2Bのように独立した2本のトラック軌道TKa,TKbがそれぞれスパイラル状に形成されるダブルスパイラル構造とされており、トラック軌道TKa,TKbにより光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短いトラックピッチTp1のトラック群が形成される。また2重スパイラル構造で周回されて隣接する隣接する上記トラック群どうしのトラック群ピッチTpGが、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くされている。
トラックピッチTp1、TpGについては後に詳述するが、光学的カットオフ相当よりも短いトラックピッチTp1で隣接するトラックでは、レーザ照射時の反射光情報として、RF信号、SUM信号、プッシュプル信号等が良好に得られない。
本実施の形態では、このようなトラックピッチTp1で隣接する複数のトラックによるトラック群が、光学的カットオフ相当よりも長いトラック群ピッチTpGであるという周期構造を採ることで、トラッキング制御可能な信号を抽出できるようにするものである。
なお、トラックピッチTp2については、光学的カットオフ相当よりも短いものであってもよい。即ち、あくまで、トラック群ピッチTpGが、光学的カットオフ相当のピッチよりも長くされていれば良い。
例えばこの2重スパイラル構造の場合、トラック群ピッチTpG=Tp1+Tp2となる。従って、トラックピッチTp1、Tp2がいずれも光学的カットオフ相当よりも短くても、Tp1+Tp2が光学的カットオフ相当よりも長ければ良い。トラックピッチTp2を光学的カットオフ相当よりも短くすれば、それだけ高密度化に有利である。一方、トラックピッチTp2が光学的カットオフ相当よりも長ければ、トラッキングエラー信号TEの抽出や、再生時のクロストーク、また記録時のクロスライトの点で有利となる。
実施の形態のディスク90の情報記録トラックとしては、図2の2重スパイラル構造以外に、3重スパイラル構造、4重スパイラル構造等、より多重のスパイラル構造としてもよい。
図3A、図3Bは、図2A、図2Bと同様の形式で、情報記録トラックの構造を模式的に示している。
図3Bに示すように、情報記録トラックは、3つの独立したトラック軌道TKa、TKb、TKcがそれぞれスパイラル状に形成された、3重スパイラル構造となっている。
図3Aは、この3重スパイラル構造の情報記録トラックにおける半径方向に隣接する9個のトラック(TK1〜TK9)を拡大したものである。なお、各トラックTK1〜TK9の符号末尾の(a)(b)(c)は、そのトラックが含まれるトラック軌道TKa、TKb、TKcを示している。
この情報記録トラックは、トラック軌道TKa上のトラックと、トラック軌道TKb上のトラックと、トラック軌道TKcのトラックの3つの隣接するトラックでトラック群を形成している。例えばトラックTK1,TK2,TK3がトラック群、トラックTK4,TK5、TK6がトラック群というようになる。
そしてトラック群内のトラックは、トラックピッチTp1で隣接している。さらに、隣接するトラック群どうしはトラック群ピッチTpG2で離間している。
即ちこの図3の情報記録トラックは、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短いトラックピッチTp1で3つのトラックが隣接するトラック群が形成されていると共に、隣接するトラック群どうしのトラック群ピッチTpGは、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くされている。
そして情報記録トラックは、図3Bのように独立した3本のトラック軌道TKa,TKb、TKcがそれぞれスパイラル状に形成される3重(トリプル)スパイラル構造とされており、トラック軌道TKa,TKb,TKcによりトラックピッチTp1のトラック群が形成される。また3重スパイラル構造で周回されて隣接するトラック群どうしの間のトラック群ピッチTpGが、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くされている。
この3重スパイラル構造の場合、トラック群ピッチTpG=Tp1+Tp2+Tp1となる。
従って、隣接するトラック群どうしで隣り合うことになるトラックどうし(例えばトラックTK3,TK4)のトラックピッチTp2を、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くすれば、必然的にトラック群ピッチTpGは、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長いものとなる。
もちろんトラックピッチTp2は、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短くしても良い。
図4A、図4Bも、図2A、図2Bと同様の形式で、情報記録トラックの構造を模式的に示している。
図4Bに示すように、情報記録トラックは、4つの独立したトラック軌道TKa、TKb、TKc、TKdがそれぞれスパイラル状に形成された、4重スパイラル構造となっている。
図4Aは、この4重スパイラル構造の情報記録トラックにおける半径方向に隣接する12個のトラック(TK1〜TK12)を拡大したものである。なお、各トラックTK1〜TK12の符号末尾の(a)(b)(c)(d)は、そのトラックが含まれるトラック軌道TKa、TKb、TKc、TKdを示している。
この情報記録トラックは、トラック軌道TKa上のトラックと、トラック軌道TKb上のトラックと、トラック軌道TKcのトラックと、トラック軌道TKdのトラックとの4つの隣接するトラックでトラック群を形成している。例えばトラックTK1,TK2,TK3,TK4がトラック群、トラックTK5,TK6、TK7、TK8がトラック群というようになる。
そしてトラック群内のトラックは、トラックピッチTp1で隣接している。さらに、隣接するトラック群どうしはトラック群ピッチTpGで離間している。
即ちこの図4の情報記録トラックは、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短いトラックピッチTp1で4つのトラックが隣接するトラック群が形成されていると共に、隣接するトラック群どうしのトラック群ピッチTpGは、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くされている。
そして情報記録トラックは、図4Bのように独立した4本のトラック軌道TKa,TKb、TKc、TKdがそれぞれスパイラル状に形成される4重スパイラル構造とされており、トラック軌道TKa,TKb,TKc,TKdによりトラックピッチTp1のトラック群が形成される。また4重スパイラル構造で周回されて隣接するトラック群どうしのピッチが光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長いトラック群ピッチTpGとなる。
この4重スパイラル構造の場合、トラック群ピッチTpG=Tp1+Tp1+Tp1+Tp2となる。
従って、隣接するトラック群どうしで隣り合うことになるトラックどうし(例えばトラックTK4,TK5)のトラックピッチTp2を、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くすれば、必然的にトラック群ピッチTpGは、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長いものとなる。
もちろんトラックピッチTp2は、光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短くしても良い。
以上、2重スパイラル構造、3重スパイラル構造、4重スパイラル構造の例を示したが、5重スパイラル構造以上の多重スパイラル構造も同様に考えられる。
<2.ディスクドライブ装置の構成例>

本実施の形態のディスクドライブ装置(記録再生装置)の構成を図5により説明する。
実施の形態のディスクドライブ装置は、上述したような情報記録トラック構造を有する実施の形態のディスク90としての再生専用ディスクや記録可能型ディスク(ライトワンスディスクやリライタブルディスク)に対応して再生や記録を行うことができるものとする。
実施の形態の光ディスク90は、ディスクドライブ装置に装填されると図示しないターンテーブルに積載され、記録/再生動作時においてスピンドルモータ2によって一定線速度(CLV)又は一定角速度(CAV)で回転駆動される。
そして再生時には光ピックアップ(光学ヘッド)1によって光ディスク90上の情報記録トラックに記録されたマーク情報(又はエンボスピット情報)の読出が行われる。
また光ディスク90に対してのデータ記録時には、光ピックアップ1によって光ディスク90上のトラックに、ユーザーデータがマーク列として記録される。
光ピックアップ1内には、レーザ光源となるレーザダイオードや、反射光を検出するためのフォトディテクタ、レーザ光の出力端となる対物レンズ、対物レンズを介してディスク記録面にレーザ光を照射し、またその反射光をフォトディテクタに導く光学系等が形成される。
光ピックアップ1内において対物レンズは二軸機構によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持されている。
また光ピックアップ1全体はスレッド機構3によりディスク半径方向に移動可能とされている。
また光ピックアップ1におけるレーザダイオードはレーザドライバ13によって駆動電流が流されることでレーザ発光駆動される。
ディスク90からの反射光情報はフォトディテクタによって検出され、受光光量に応じた電気信号とされてマトリクス回路4に供給される。
マトリクス回路4には、フォトディテクタとしての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
例えば再生データに相当する再生情報信号(RF信号)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号などを生成する。
マトリクス回路4から出力される再生情報信号は、クロストークキャンセル回路6を介してデータ検出処理部5へ供給される。またマトリクス回路4から出力されるフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号は光学ブロックサーボ回路11へ供給される。
クロストークキャンセル回路6は、RF信号に対してクロストークキャンセル処理を行う。本実施の形態の光ディスク90は、図2,図3,図4で例示したように、非常に狭いトラックピッチTp1で隣接するトラックを有する。トラックピッチが狭くなるほど、再生時に隣接トラックのクロストーク成分の混入が多くなる。そこで、クロストークキャンセル回路6を設け、隣接するトラックのRF信号成分をキャンセルする処理を行うようにする。
なお、光ディスク90上の情報記録トラックのフォーマット(トラックピッチ等)によっては、クロストークキャンセル回路6は設けないで良い場合もある。
またクロストークキャンセル回路6は、トラッキングエラー信号の生成のためにマトリクス回路の動作を制御する場合もある。
データ検出処理部5は、再生情報信号の2値化処理を行う。
例えばデータ検出処理部5では、RF信号のA/D変換処理、PLLによる再生クロック生成処理、PR(Partial Response)等化処理、ビタビ復号(最尤復号)等を行い、パーシャルレスポンス最尤復号処理(PRML検出方式:Partial Response Maximum Likelihood検出方式)により、2値データ列を得る。
そしてデータ検出処理部5は、光ディスク90から読み出した情報としての2値データ列を、後段のエンコード/デコード部7に供給する。
エンコード/デコード部7は、再生時おける再生データの復調と、記録時における記録データの変調処理を行う。即ち、再生時にはデータ復調、デインターリーブ、ECCデコード、アドレスデコード等を行い、また記録時にはECCエンコード、インターリーブ、データ変調等を行う。
再生時においては、上記データ検出処理部5で復号された2値データ列がエンコード/デコード部7に供給される。エンコード/デコード部7では上記2値データ列に対する復調処理を行い、光ディスク90からの再生データを得る。
例えば光ディスク90に記録されたデータが、RLL(1,7)PP変調等のランレングスリミテッドコード変調(RLL;Run Length Limited、PP:Parity preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition runlength))が施されたものであった場合、このようなデータ変調に対しての復調処理を行い、またECCデコード処理でエラー訂正を行って、光ディスク90からの再生データを得る。
エンコード/デコード部7で再生データにまでデコードされたデータは、ホストインターフェース8に転送され、システムコントローラ10の指示に基づいてホスト機器100に転送される。ホスト機器100とは、例えばコンピュータ装置やAV(Audio-Visual)システム機器などである。
記録時には、ホスト機器100から記録データが転送されてくるが、その記録データはホストインターフェース8を介してエンコード/デコード部7に供給される。
この場合エンコード/デコード部7は、記録データのエンコード処理として、エラー訂正コード付加(ECCエンコード)やインターリーブ、サブコードの付加等を行う。またこれらの処理を施したデータに対して、例えばRLL(1−7)PP方式等のランレングスリミテッドコード変調等を施す。
エンコード/デコード部7で処理された記録データは、ライトストラテジ部14に供給される。ライトストラテジ部では、記録補償処理として、記録層の特性、レーザ光のスポット形状、記録線速度等に対するレーザ駆動パルス波形調整を行う。そして、レーザ駆動パルスをレーザドライバ13に出力する。
レーザドライバ13は、記録補償処理したレーザ駆動パルスに基づいて、光ピックアップ1内のレーザダイオードに電流を流し、レーザ発光駆動を実行させる。これにより光ディスク90に、記録データに応じたマークが形成されることになる。
なお、レーザドライバ13は、いわゆるAPC回路(Auto Power Control)を備え、光ピックアップ1内に設けられたレーザパワーのモニタ用ディテクタの出力によりレーザ出力パワーをモニタしながらレーザの出力が温度などによらず一定になるように制御する。
記録時及び再生時のレーザ出力の目標値はシステムコントローラ10から与えられ、記録時及び再生時にはそれぞれレーザ出力レベルが、その目標値になるように制御する。
光学ブロックサーボ回路11は、マトリクス回路4からのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号から、フォーカス、トラッキング、スレッドの各種サーボドライブ信号を生成しサーボ動作を実行させる。
即ちフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、二軸ドライバ18により光ピックアップ1内の二軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することになる。これによってピックアップ1、マトリクス回路4、光学ブロックサーボ回路11、二軸ドライバ18、二軸機構によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
また光学ブロックサーボ回路11は、システムコントローラ10からのトラックジャンプ指令に応じて、トラッキングサーボループをオフとし、ジャンプドライブ信号を出力することで、トラックジャンプ動作を実行させる。
また光学ブロックサーボ回路11は、トラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッドエラー信号や、システムコントローラ10からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッドドライバ19によりスレッド機構3を駆動する。スレッド機構3には、図示しないが、ピックアップ1を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギア等による機構を有し、スレッドドライブ信号に応じてスレッドモータを駆動することで、光ピックアップ1の所要のスライド移動が行なわれる。
スピンドルサーボ回路12はスピンドルモータ2をCLV回転させる制御を行う。
スピンドルサーボ回路12は、RF信号に対するPLL処理で生成されるクロック等として現在のスピンドルモータ2の回転速度情報として得、これを所定のCLV(又はCAV)基準速度情報と比較することで、スピンドルエラー信号を生成する。
そしてスピンドルサーボ回路12は、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を出力し、スピンドルドライバ17によりスピンドルモータ2のCLV回転又はCAV回転を実行させる。
またスピンドルサーボ回路12は、システムコントローラ10からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ2の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
なおスピンドルモータ2には、例えばFG(Freqency Generator)やPG(Pulse Generator)が設けられ、その出力がシステムコントローラ10に供給される。これによりシステムコントローラ10はスピンドルモータ2の回転情報(回転速度、回転角度位置)を認識できる。
以上のようなサーボ系及び記録再生系の各種動作はマイクロコンピュータによって形成されたシステムコントローラ10により制御される。
システムコントローラ10は、ホストインターフェース8を介して与えられるホスト機器100からのコマンドに応じて各種処理を実行する。
例えばホスト機器100から書込命令(ライトコマンド)が出されると、システムコントローラ10は、まず書き込むべき論理的もしくは物理的空間的なアドレスにピックアップ1を移動させる。そしてエンコード/デコード部7により、ホスト機器100から転送されてきたデータ(例えばビデオデータやオーディオデータ等)について上述したようにエンコード処理を実行させる。そして上記のようにエンコードされたデータに応じてレーザドライバ13がレーザ発光駆動することで記録が実行される。
また例えばホスト機器100から、光ディスク90に記録されている或るデータの転送を求めるリードコマンドが供給された場合は、システムコントローラ10はまず指示されたアドレスを目的としてシーク動作制御を行う。即ち光学ブロックサーボ回路11に指令を出し、シークコマンドにより指定されたアドレスをターゲットとする光ピックアップ1のアクセス動作を実行させる。
その後、その指示されたデータ区間のデータをホスト機器100に転送するために必要な動作制御を行う。即ちディスク90からのデータ読出を行い、データ検出処理部5、エンコード/デコード部7における再生処理を実行させ、要求されたデータを転送する。
なお図1の例は、ホスト機器100に接続されるディスクドライブ装置として説明したが、ディスクドライブ装置としては他の機器に接続されない形態もあり得る。その場合は、操作部や表示部が設けられたり、データ入出力のインターフェース部位の構成が、図1とは異なるものとなる。つまり、ユーザーの操作に応じて記録や再生が行われるとともに、各種データの入出力のための端子部が形成されればよい。もちろんディスクドライブ装置の構成例としては他にも多様に考えられる。
<3.記録再生方式>

実施の形態の記録再生方式としての各種の例を説明する。
図6は、情報記録トラックを図2のように2重スパイラル構造とする場合の記録動作例と再生動作例を示している。各図では、情報記録トラックを実線または破線で示す。
図6Aは、再生パワーのレーザによる2つの再生用レーザスポットSPp1、SPp2と、記録パワーのレーザによる2つの記録用レーザスポットSPr1、SPr2を光ディスク90のレイヤーLに照射する例である。
特には、2重スパイラルのトラック軌道を同時に形成していく例である。
再生用レーザスポットSPp1、SPp2はトラッキングエラー信号を検出するためのサーボ用のレーザ光とする。そして再生用レーザスポットSPp1、SPp2が、2重スパイラルのトラックTKx、TKx+1のトラック群に対してトレースするようにトラッキング制御を行う。例えばトラックTKx、TKx+1の中央にトラッキング制御されるようにする。
なお、トラックTKx、TKx+1の間のトラックピッチTp1は光学的カットオフ相当より短いトラックピッチであるが、2つの再生用レーザスポットSPp1、SPp2の各反射光情報により得られる各ラジアルコントラスト信号の差分信号としてトラッキングエラー信号を得ることができる。これについては後述する。
この場合、光ピックアップ1は、記録用レーザスポットSPr1、SPr2は、互いにディスク半径方向にトラックピッチTp1だけ離間する状態に照射する。また再生用レーザスポットSPp2と記録用レーザスポットSPr1とは、ディスク半径方向にトラックピッチTp2だけ離間する状態に照射する。
このようにすることで、内周側のトラック群(トラックTKx、TKx+1)に対してトラッキング制御しながら、そのトラックTKx、TKx+1に沿って、記録用レーザスポットSPr1、SPr2で、外周側のトラックTKx+2,TKx+3をトラック群ピッチTpGで記録していくことが可能となる。
また、2重スパイラルのトラック軌道を同時に形成していくことで、転送レートの高い記録が実現できる。
なお、このような記録動作は、再生用レーザスポットで内周側のトラックに対してトラッキング制御しながら、その外周側に記録用レーザスポットで記録を行うものとなる。このようなトラッキングサーボ方式を、説明上、「隣接トラッキングサーボ」ということとする。
この隣接トラッキングサーボを行う場合、まず1周回目のトラックが存在することが必要となる。
図1Cのように、リファレンス面RLが設けられ、リファレンス面RLのグルーブ等を利用できる場合は、そのリファレンス面RLのグルーブ等をガイドにして、1周目の2重スパイラルトラックを形成すればよい。その後の2周回目以降は、図6Aのように隣接トラッキングサーボで記録を実行できる。
一方、図1A,図1Bのようにリファレンス面RLが存在しない場合は、図9A〜図9Dに示すような動作例が考えられる。
まず、図9Aのように、光ディスク90のレイヤーLに、1周の正円となるガイドトラックTKG1、TKG2を記録する。これは、光ピックアップ1がレーザスポット位置を固定したまま、光ディスク90を1回転させることで形成できる。具体的には、まずガイドトラックTKG1を形成し、その後、ガイドトラックTKG1に対して隣接トラッキングサーボをかけてガイドトラックTKG2を形成する。
このとき、同心円のガイドトラックTKG1、TKG2の間隔(トラックピッチ)はトラック群ピッチTpGと等しくなるようにする。
このようにガイドトラックTKG1,TKG2を記録したら、ガイドトラックTKG1,からTKG2Gへのトラックジャンプがちょうど1回転となるようなジャンプパルスを学習する。即ち図9Bに破線で示す軌道を形成するジャンプパルスである。
そして、学習したジャンプパルスを用いて、図9Cのように1周回目の2重スパイラルトラックを記録する。学習したジャンプパルスを用いることで、この2重スパイラルトラックTKa,TKbの1周回目は、角度位置毎に、徐々に記録用レーザスポットSPr1、SPr2が外周側にずれていくようになる。つまり2重スパイラル状の1周回分のトラックが形成できる。
その後の2周回目以降は、図6Aで述べた隣接トラッキングサーボで、図9Dに破線で示すように、2重スパイラルトラックを記録していくことができる。
次に図6Bは、再生パワーのレーザによる2つの再生用レーザスポットSPp1、SPp2と、記録パワーのレーザによる1つの記録用レーザスポットSPrを光ディスク90のレイヤーLに照射し、2重スパイラルの各トラック軌道を別々に形成していく例である。
まず実線のように、トラック軌道TKaのトラックがすでにスパイラル状に記録されている状態を想定する。なお、このトラック軌道TKaのトラックは、この場合、トラックピッチはTp1+Tp2となるように記録することになる。
このトラック軌道TKaのトラックが存在する状態で、破線で示すトラック軌道TKbのトラックを記録していく。
この場合、再生用レーザスポットSPp1、SPp2が、実線のトラック軌道TKaのトラックに対してトラッキング制御されるようにする。例えば再生用レーザスポットSPp1、SPp2の中間がトラック軌道TKaのトラックに位置するようにトラッキング制御する。
そして記録用レーザスポットSPrは、トラック軌道TKaのトラックから、ディスク半径方向にトラックピッチTp1だけ離間する状態に照射する。
このようにすることで、トラック軌道TKaに対して隣接して2重スパイラルを形成するトラック軌道TKbのトラックが記録されていく。
結果として、2重スパイラルで、かつトラックピッチTp1,Tp2、及びトラック群ピッチTpGを有する図2のような情報記録トラックによるデータ記録を行うことができる。
なお、以上のようにこの記録動作も隣接トラッキングサーボを行うものとなるが、この場合、2重スパイラルのトラックを形成する前に、最初にトラックピッチがTp1+Tp2となるトラック軌道TKaのトラックを記録することとなる。
図1Cのように、リファレンス面RLが設けられ、リファレンス面RLのグルーブ等を利用できる場合は、そのリファレンス面RLのグルーブ等をガイドにして、図9EのようにトラックピッチTp1+Tp2のトラック軌道TKaのスパイラルトラックを形成すればよい。その後、トラック軌道TKbのスパイラルトラックの記録は、図6Bのように隣接トラッキングサーボを行うことで、図9Fの破線で示すように実行できる。
一方、図1A,図1Bのようにリファレンス面RLが存在しない場合は、まず図9Aのように、光ディスク90のレイヤーLに、正円となるガイドトラックTKG1,TKG2を記録する。
このようにガイドトラックTKG1,TKG2を記録したら、図9Bで説明したようにガイドトラックTKG1,からTKG2Gへのトラックジャンプがちょうど1回転となるようなジャンプパルスを学習する。そして、学習したジャンプパルスを用いて、トラック軌道TKaの1周回目のシングルスパイラルトラックを記録する。
その後、2周回目以降は、隣接トラッキングサーボで、トラックピッチTp1+Tp2のトラックを形成していけば、図9Eのようにトラック軌道TKaとしてのスパイラルトラックが形成できることとなる。
その後、トラック軌道TKbのスパイラルトラックの記録は、図6Bのように隣接トラッキングサーボを行うことで、図9Fの破線で示すように実行できる。
続いて、図6Cで再生動作を説明する。
これは図6Aまたは図6Bのような記録動作(または再生専用ディスク)で、図2のような2重スパイラル構造の情報記録トラックが形成されている場合の再生動作例である。
この場合、再生パワーのレーザによる2つの再生用レーザスポットSPp1、SPp2を光ディスク90のレイヤーLに照射する。再生用レーザスポットSPp1、SPp2は互いにディスク半径方向にトラックピッチTp1だけ離間する状態に照射する。
そして再生用レーザスポットSPp1、SPp2が、それぞれトラックピッチTp1のトラックTKx、TKx+1にオントラックするようにする。
トラックピッチTp1は光学的カットオフ相当より短いトラックピッチであるが、2つの再生用レーザスポットSPp1、SPp2の各反射光情報により得られる各ラジアルコントラスト信号の差分信号としてトラッキングエラー信号を得ることができる。このトラッキングエラー信号を用いたトラッキングサーボ制御により、再生用レーザスポットSPp1、SPp2を、それぞれトラックTKx、TKx+1にオントラックさせる。
そして、再生用レーザスポットSPp1、SPp2の各反射光情報からトラックTKx、TKx+1のデータを再生することができる。
また、2重スパイラルのトラック軌道を同時に再生していくことで、転送レートの高い再生が実現できる。
次に図7で、同じく情報記録トラックを図2のように2重スパイラル構造とする場合の記録動作例と再生動作例を説明する。この例は、サーボ用レーザスポットSPp45として、情報記録トラックの接線方向に対して略45°の角度をなす非点収差を与えたレーザスポットを照射する例である。
まず図7Aは、再生パワーのレーザによるサーボ用レーザスポットSPp45と、記録パワーのレーザによる2つの記録用レーザスポットSPr1、SPr2を光ディスク90のレイヤーLに照射する例である。特には、2重スパイラルのトラック軌道を同時に形成していく例を示している。
サーボ用レーザスポットSPp45を、2重スパイラルのトラックTKx、TKx+1のトラック群に対してトレースするようにトラッキング制御を行う。例えばトラックTKx、TKx+1の中央にトラッキング制御されるようにする。
なお、トラックTKx、TKx+1の間のトラックピッチTp1は光学的カットオフ相当より短いトラックピッチであるが、サーボ用レーザスポットSPp45として非点収差を与えたレーザ光を照射することで、その反射光情報としてのタンジェンシャルプッシュプル信号(トラック線方向に対して垂直方向に分割した各フォトディテクタの差分信号)としてトラッキングエラー信号を得ることができる。これについては後述する。
この場合、光ピックアップ1は、記録用レーザスポットSPr1、SPr2は、互いにディスク半径方向にトラックピッチTp1だけ離間する状態に照射する。またサーボ用レーザスポットSPp45と記録用レーザスポットSPr1とは、ディスク半径方向にトラックピッチTp2+(Tp1/2)だけ離間する状態に照射する。
このようにすることで、内周側のトラックTKx、TKx+1に対してトラッキング制御しながら、そのトラックTKx、TKx+1に沿って、記録用レーザスポットSPr1、SPr2で、外周側のトラックTKx+2,TKx+3を記録していくことが可能となる。結果として、図2のようなトラックピッチTp1、Tp2、及びトラック群ピッチTpGを有する2重スパイラル構造の情報記録トラックが形成される。
この場合、2重スパイラルのトラック軌道を同時に形成していくことで、転送レートの高い記録が実現できる。
なお、このような隣接トラッキングサーボを実行するための少なくとも1周回目のトラック群の記録の際には、リファレンス面RLを利用した記録や、図9A〜図9Dで説明した記録動作等を行えば良い。
次に図7Bは、再生パワーのレーザによるサーボ用レーザスポットSPp45と、記録パワーのレーザによる1つの記録用レーザスポットSPrを光ディスク90のレイヤーLに照射し、2重スパイラルの各トラック軌道を別々に形成していく例である。
まず実線のように、トラック軌道TKaのトラックがすでにスパイラル状に記録されている状態を想定する。なお、このトラック軌道TKaのトラックは、この場合、トラックピッチはTp1+Tp2(=TpG)となるように記録する。
このトラック軌道TKaのトラックが存在する状態で、破線で示すトラック軌道TKbのトラックを記録していく。
この場合、サーボ用レーザスポットSPp45が、実線のトラック軌道TKaのトラックに対してオントラックとなるようにトラッキング制御されるようにする。
そして記録用レーザスポットSPrは、トラック軌道TKaのトラックから、ディスク半径方向にトラックピッチTp1だけ離間する状態に照射する。
このようにすることで、トラック軌道TKaに対して隣接して2重スパイラルを形成するトラック軌道TKbのトラックが記録されていく。
結果として、2重スパイラルで、かつトラックピッチTp1,Tp2、及びトラック群ピッチTpGを有する図2のような情報記録トラックによるデータ記録を行うことができる。
なお、一方のスパイラルトラックとなるトラック軌道TKaのトラックを記録する際には、リファレンス面RLを利用した記録や、図9A、図9B、図9E、図9Fで説明した記録動作等を行えば良い。
続いて、図7Cで再生動作を説明する。
これは図7Aまたは図7Bのような記録動作(または再生専用ディスク)で、図2のような2重スパイラル構造の情報記録トラックが形成されている場合の再生動作例である。
この場合、再生パワーのレーザによるサーボ用レーザスポットSPp45と、2つの再生用レーザスポットSPp1,SPp2を光ディスク90のレイヤーLに照射する。
特に、サーボ用レーザスポットSPp45が、トラックTKx、TKx+1のトラック群に対してトレースするようにトラッキング制御を行う。例えばトラックTKx、TKx+1の中央にトラッキング制御されるようにする。
再生用レーザスポットSPp1、SPp2については、それぞれが半径方向にトラックピッチTp1だけ離間し、かつ再生用レーザスポットSPp1はサーボ用レーザスポットSPp45とは半径方向でみてTp2+(Tp1/2)だけ離間するように照射する。
この状態で、サーボ用レーザスポットSPp45の反射光情報としてのタンジェンシャルプッシュプル信号を用いた隣接トラッキングサーボにより、再生用レーザスポットSPp1、SPp2をトラックTKx+2、TKx+3にオントラックさせる。
これにより、再生用レーザスポットSPp1、SPp2の各反射光情報からトラックTKx+2、TKx+3のデータを再生することができる。
なお、図7Dのように、サーボ用レーザスポットSPp45が、トラックTKx、TKx+1の中央をトレースするときに、再生用レーザスポットSPp1、SPp2が、それぞれトラックTKx、TKx+1にオントラックするようにして、再生用レーザスポットSPp1、SPp2の各反射光情報からトラックTKx、TKx+1のデータを再生するようにすることもできる。
図7C、図7Dのいずれの場合も、2重スパイラルのトラック軌道を同時に再生していくことで高転送レート化が実現できる。
次に図8で、情報記録トラックを図3のように3重スパイラル構造とする場合の記録動作例と再生動作例を説明する。
図8Aは、再生パワーのレーザによる3つの再生用レーザスポットSPp1、SPp2、SPp0と、記録パワーのレーザによる3つの記録用レーザスポットSPr1、SPr2、SPr3を光ディスク90のレイヤーLに照射する例である。
特には、3重スパイラルのトラック軌道を同時に形成していく例である。
再生用レーザスポットSPp1、SPp0、SPp2はトラッキングエラー信号を検出するためのサーボ用のレーザ光とする。そして再生用レーザスポットSPp1、SPp0、SPp2が、3重スパイラルのトラックTKx、TKx+1、TKx+2のトラック群に対してトレースするようにトラッキング制御を行う。
なお、トラックTKx、TKx+1、TKx+2のそれぞれの間のトラックピッチTp1は光学的カットオフ相当より短いトラックピッチであるが、3つのうち2つの再生用レーザスポットSPp1、SPp2の各反射光情報により得られる各ラジアルコントラスト信号の差分信号としてトラッキングエラー信号を得ることができる。これについては後述する。
この場合、光ピックアップ1は、記録用レーザスポットSPr1、SPr2、SPr3は、互いにディスク半径方向にトラックピッチTp1だけ離間する状態に照射する。また再生用レーザスポットSPp2と記録用レーザスポットSPr1とは、ディスク半径方向にトラックピッチTp2だけ離間する状態に照射する。
このようにすることで、内周側のトラック群(トラックTKx、TKx+1、TKx+2)に対してトラッキング制御しながら、そのトラック群に沿って、記録用レーザスポットSPr1、SPr2、SPr3で、外周側のトラックTKx+3,TKx+4、TKx+5を記録していくことが可能となる。即ち光学的カットオフ相当より短いトラックピッチTp1のトラックを形成しつつ、光学的カットオフ相当より長いトラック群ピッチTpGのトラック群を形成していくことができる。
また3重スパイラルのトラック軌道を同時に形成していくことで、転送レートの高い記録が実現できる。
なお、このような隣接トラッキングサーボを行うために必要な、少なくとも1周回目のトラック群の記録の際には、リファレンス面RLを利用した記録や、図9A〜図9Dで説明した記録動作等を行えば良い。
次に図8Bは、3重スパイラルの各トラック軌道TKa、TKb、TKcを別々に形成していく例である。
まず、トラック軌道TKa、TKbの記録は図6Bで述べた手法で実行すればよい。但し、トラック軌道TKaの記録の際には、トラックピッチはTp1+Tp1+Tp2(=TpG)とする。
図8Bでは、実線のように、トラック軌道TKa、TKbのトラックが形成された後に、3つめのスパイラルトラックとしてトラック軌道TKcのトラック(破線)を記録する場合を示している。
光ピックアップ1は、再生パワーのレーザによる2つの再生用レーザスポットSPp1、SPp2と、記録パワーのレーザによる1つの記録用レーザスポットSPrを光ディスク90のレイヤーLに照射する。
この場合、再生用レーザスポットSPp1、SPp2が、実線のトラック軌道TKa、TKbの2つのトラックに対してトラッキング制御されるようにする。但し少なくとも、再生用レーザスポットSPp2が、トラック軌道TKbのトラックに対してオントラッキング制御されていればよい。
例えば再生用レーザスポットSPp1、SPp2が半径方向にトラックピッチTp1分だけ離間しているのであれば、再生用レーザスポットSPp1、SPp2の中間がトラック軌道TKa、TKbの中間に位置するようにトラッキング制御すればよい。
そして記録用レーザスポットSPrは、再生用レーザスポットSPp2から、ディスク半径方向にトラックピッチTp1だけ離間する状態に照射する。
このようにすることで、トラック軌道TKa、TKbに対して隣接して3重目のスパイラルを形成するトラック軌道TKcのトラックが記録されていく。
結果として、3重スパイラルで、かつトラックピッチTp1,Tp2、及びトラック群ピッチTpGを有する図3のような情報記録トラックによるデータ記録を行うことができる。
続いて、図8Cで再生動作を説明する。
これは図8Aまたは図8Bのような記録動作(または再生専用ディスク)で、図3のような3重スパイラル構造の情報記録トラックが形成されている場合の再生動作例である。
この場合、再生パワーのレーザによる3つの再生用レーザスポットSPp1、SPp0、SPp2を光ディスク90のレイヤーLに照射する。
再生用レーザスポットSPp1、SPp0、SPp2は、互いにディスク半径方向にトラックピッチTp1だけ離間する状態に照射する。そして再生用レーザスポットSPp1、SPp0、SPp2が、それぞれトラックピッチTp1のトラックTKx、TKx+1、TKx+2にオントラックするようにする。
トラックピッチTp1は光学的カットオフ相当より短いトラックピッチであるが、3つのうちの2つの再生用レーザスポットSPp1、SPp2の各反射光情報により得られる各ラジアルコントラスト信号の差分信号としてトラッキングエラー信号を得ることができる。このトラッキングエラー信号を用いたトラッキングサーボ制御により、再生用レーザスポットSPp1、SPp0、SPp2を、それぞれトラックTKx、TKx+1、TKx+2にオントラックさせる。
そして、再生用レーザスポットSPp1、SPp0、SPp2の各反射光情報からトラックTKx、TKx+1、TKx+2のデータを再生することができる。
また、3重スパイラルのトラック軌道を同時に再生していくことで、高転送レート化が実現できる。
以上の図6A,図6B、図7A,図7B、図8A,図8Bで例示した記録動作は、トラックピッチTp1で複数のトラックが隣接するトラック群を形成し、かつ、隣接するトラック群どうしが、トラック群ピッチTpGで離間するように、記録用レーザ光のトラッキング制御を行って、記録媒体上に情報記録トラックを形成する記録方法である。
特に、記録用レーザ光により、独立した複数のトラック軌道がスパイラル状に形成されるマルチスパイラル構造の情報記録トラックを形成していくとともに、上記複数のトラック軌道によりトラックピッチTp1のトラック群が形成される。そしてマルチスパイラル構造で周回されて隣接するトラック群どうしが、トラック群ピッチTpGとなるように、記録用レーザスポットのトラッキング制御を行うようにしている。
結果として、光学的カットオフ相当以下のトラックピッチTp1(場合によってはTp1及びTp2)を有する光ディスク90を実現でき、全体として狭トラックピッチ化による高密度記録を実現できる。
また図6C、図8Cで例示した再生動作は、トラック群内の複数のトラックに対して、少なくとも2つの再生用レーザスポットを照射し、2つの再生用レーザスポットの各反射光情報により得られる各ラジアルコントラスト信号の差分信号をトラッキングエラー信号とする。そしてそのトラッキングエラー信号を用いたトラッキングサーボ制御により、少なくとも1以上の再生用レーザスポットをいずれかの情報記録トラックにオントラック制御して、その反射光情報からデータを再生する再生方法である。
これにより、光学的カットオフ相当以下のトラックピッチTp1(場合によってはTp1及びTp2)を有する光ディスク90から、データ再生を実現できる。
また図7C、図7Dで例示した再生動作は、情報記録トラックの接線方向に対して略45°の角度をなす非点収差を与えたサーボ用レーザスポットSPp45と、1以上の再生用レーザスポットとを照射する。そしてサーボ用レーザスポットSPp45の反射光情報により得られるタンジェンシャルプッシュプル信号をトラッキングエラー信号とし、該トラッキングエラー信号を用いたトラッキングサーボ制御により、少なくとも1以上の再生用レーザスポットをいずれかの情報記録トラックにオントラック制御して、その反射光情報からデータを再生する再生方法である。
これによっても、光学的カットオフ相当以下のトラックピッチTp1(場合によってはTp1及びTp2)を有する光ディスク90から、データ再生を実現できる。
<4.狭トラックピッチによる高密度化>

以上の説明から理解されるように、本実施の形態では、光学的カットオフ相当以下のトラックピッチTp1等を有する光ディスク90として、高密度記録を実現する。またそのような光ディスク90から、データ再生を実現でき、記録再生システムとして適正に成立できるようにするものである。
ここでは、図2〜図4のような情報記録トラックを形成する理由について述べる。
まず図10は、従前のブルーレイディスクシステムで見られる信号波形を示している。ブルーレイディスクシステムの場合、波長405nmのレーザ(いわゆる青色レーザ)とNAが0.85の対物レンズの組み合わせという条件下で記録再生を行うものとされ、トラックピッチは0.32μmである。
また記録面にはスパイラル状のグルーブが形成され、グルーブが記録トラックとされる。
図10Aは、いわゆるトラバース状態(レーザスポットが半径方向にトラックを横切っている状態)で観測されるRF信号とプッシュプル信号P/P(トラック線方向に沿って2分割したフォトディテクタの差分であるラジアルプッシュプル信号)を示している。
また図10Bは、SUM信号として、RF信号の低域成分信号と、プッシュプル信号P/Pの拡大図を示している。横軸はデトラックとし、0°〜360°の範囲で示している。360°がトラックピッチ(=周期)に相当する。
RF信号、SUM信号、プッシュプル信号P/Pとも、トラバース時に横切るグルーブ/ランドに応じた信号変調が観測される。プッシュプル信号P/Pによればレーザスポットのラジアル方向の位置情報(トラッキングエラー信号)が検出できることも理解される。
ここで、高密度記録のために狭トラックピッチ化を進めることを考える。
図11は、トラックピッチTpを0.32μmから、0.27μm、0.23μmとした場合に観測されるSUM信号とプッシュプル信号P/Pを示している。
なお横軸のデトラックとして「G」はグルーブ中央位置、「L」はランド中央位置である。
この図11からわかるように、トラックピッチを狭くしていくと、SUM信号、プッシュプル信号P/Pとも変調成分が減少していき、0.23μmとした場合は、変調成分は観測されない。
トラックピッチ0.23μmとは、波長405nmのレーザとNAが0.85の光学系の場合に、ほぼ光学的カットオフより短いピッチとなる。
光学的カットオフについて図12で説明する。
図12にはレーザ光の0次光と回折光(+1次光、−1次光)を示している。回折光のシフト量を図中の矢印SFとして示す。
円の半径を「1」とした場合の回折光のシフト量は、
回折光のシフト量=λ/(NA・p)=(λ/NA)/p
で表される。
但しλは波長、pは周期構造の周期である。周期構造とは、例えばランド/グルーブ等の構造の周期である。
フォトディテクタに入射するレーザ光(反射光)については、0次光と、±1次光の重なり部分が変調成分となる。
つまり斜線部として示す重なり部分の面積が大きいほど、フォトディテクタでの検出上で明暗の差が大きくなり、大きな信号変調が得られる。
半径「1」の円とした場合、回折光のシフト量が「2」となると、重なり部分がなくなり、変調成分が得られなくなる。
つまり、(λ/NA)/p=2となると、変調信号が得られない。
ブルーレイディスクシステムの波長λやNAの場合、シフト量が「2」となる周期構造の周期pは0.24μmとなる。
従って、周期構造の周期pに相当するトラックピッチとしては、0.24μmが光学的カットオフ相当のピッチとなる。
整理すると次のようになる。
・周期p≦λ/(2NA)のときは、変調信号が得られない。
・周期p>λ/(2NA)のときは、変調信号が得られる。
このことから、狭トラックピッチ化による高密度記録を考えた場合、光学的カットオフ相当を越える狭トラックピッチ化はできないこととなる。
従ってブルーレイディスクシステムと同様の波長、NAで考えたら、トラックピッチは0.25μmが限界で、実際には0.25μmでは殆ど変調成分が得られないため、0.27μm程度以上が現実的なトラックピッチとなる。
さらに、ブルーレイディスクシステムの場合、グルーブ/ランド構造を有するが、本実施の形態の光ディスク90は、レイヤーLにグルーブ/ランド構造を形成しない。
各レイヤーLにグルーブ/ランド構造を形成しないのは、多層化に有利であるからである。
このような状況において、狭トラックピッチ化による大幅な高密度記録を検討した。
グルーブ/ランド構造を形成しない場合、マーク列またはエンボスピット列としてのトラック自体が、ラジアル方向での信号変調に影響を与える周期構造となる。
すると、上述した光学的カットオフ相当以下のトラックピッチTp1のみで情報記録トラックを形成すると、変調成分が得られず、トラッキングサーボをかけられないこととなる。
ところが、反射光情報の信号として変調成分を得るためには、周期p≦λ/(2NA)となる光学的カットオフ以下相当のトラックピッチTp1を含んでいたとしても、周期p>λ/(2NA)となるようにトラック群を構成すればよいことを見いだした。つまりトラック群による周期構造として、そのトラック群が光学的カットオフ相当より大きいトラック群ピッチTpGで形成されているようにすればよい。
即ち図2,図3,図4で例示したような構造の情報記録トラックを形成することで、光学的カットオフ相当以下のトラックピッチTp1を含んでいても、反射光情報として変調成分を得ることができる。
図13に、波長λ=405nm、NA=0.85において、レイヤーLにグルーブ/ランド構造を設けない場合において、各種トラックピッチ構造でのSUM信号とプッシュプル信号P/Pを示す。
まず、先にも述べたように通常のブルーレイディスクシステムと同様に、トラックピッチTp=0.32μmとすると、SUM信号の変調は観測される。
そしてそのままトラックピッチを詰めていき、光学的カットオフ相当以下のトラックピッチTp=0.23μmとすると、変調成分は観測されなくなる。
ここで、図2のようなトラックピッチTp1、Tp2を有するトラック構造とする。ここではTp1=0.20μm、Tp2=0.30μmとしている。すると、SUM信号として変調成分が観測される。つまりデトラック量に応じた変調成分が得られることとなる。この場合、トラック群ピッチTpG=0.50μmである。
なお、このTp1=0.20μm、Tp2=0.30μmの場合の信号波形の図においては、横軸のデトラックにおける360°とは、トラック群周期(トラック群ピッチTpGに相当)のこととなる。Tp=0.32μmの場合、及びTp=0.23μmの場合(さらに図10,図11の場合)では、横軸のデトラックにおける360°がトラック周期であることと異なっている点に注意されたい。
つまり、Tp1=0.20μm、Tp2=0.30μmの場合は、SUM信号は、トラック群の周期の単位で1周期の変調成分が得られていることを示している。
以降の図面においても、トラック群構造を有する場合のデトラックの表記は、360°とは、トラック群周期のことである。
また、レイヤーLがグルーブ/ランド構造が無いミラー面構造である場合、記録したマークに位相差がなければプッシュプル信号P/Pは得られない。
Tp1=0.20μm、Tp2=0.30μmの場合で、十分なSUM信号の変調が得られたことから、さらに狭トラックピッチ化を検討したのが図14である。
図14では、Tp1=0.19μm、Tp2=0.27μmの場合を、追加して示しているが、この場合も、十分なSUM信号の変調が得られている。この場合、トラック群ピッチTpG=0.46μmであり、これは、トラックピッチの平均値が0.23μmすなわち、図13で変調成分が観測されなくなるトラックピッチに等しくなる状態でも、充分な変調が得られることを意味している。
以上のように、実施の形態の情報記録トラックの構造とすることで、光学的カットオフ相当以下のトラックピッチTp1を有していたとしても、光学的カットオフに達しない周期構造、つまりトラック群ピッチTpGのトラック群を有することで、ラジアル方向(トラッキング制御方向)に対応する信号の変調成分が得られることが確認された。
<5.トラッキング手法>

このようにSUM信号として変調成分が得られることから、本実施の形態の光ディスク90については、以下の図15〜図21で例示するトラッキング手法が可能となる。
図15は、図6A或いは図8Bの記録動作や図6Cの再生動作に適用できるトラッキングエラー信号の演算手法を示している。
図15Aは、2重スパイラル構造の情報記録トラックを示している。
再生用レーザスポットSPp1、SPp2はトラッキングエラー信号を検出するためのサーボ用のレーザ光とする。そしてこの再生用レーザスポットSPp1、SPp2が、2重スパイラルのトラックTKx、TKx+1のトラック群に対してトレースするようにトラッキング制御を行う。
例えばトラックTKx、TKx+1の中央を、デトラック量270°の位置とする。(360°はトラック群の周期:以下図16〜図22においても同様)
再生用レーザスポットSPp1,SPp2の各反射光量信号をS1,S2とする。この場合、図15Bに示すように、差動演算回路31により反射光量信号S2−S1の演算を行うことで、トラッキングエラー信号TEを生成できる。
反射光量信号S1,S2としては、図15Cに示すようにラジアルコントラスト信号としての変調成分が得られる。
例えば再生用レーザスポットSPp1,SPp2が図15Aで右にずれると、反射光量信号S1は暗くなり(信号レベルが低下し)、反射光量信号S2は明るくなる(信号レベルが増加する)。
なお、ここではTp1=0.19μm、Tp2=0.27μmの場合(TpG=0.46)で示している。またこの場合のSUM信号は、再生用レーザスポットSPp1、SPp2のディスク半径方向での中間位置に仮想的なスポットを考えた場合の信号である。
そしてラジアルコントラスト成分の差分であるS2−S1として、トラック群の単位でのデトラック量に応じたトラッキングエラー信号TEが得られる。
このトラッキングエラー信号TEに基づいて270°位置にサーボ制御することで、図15Aのような再生用レーザスポットSPp1,SPp2によるトラッキング制御が可能となる。これによって図6A或いは図8Bの記録動作や図6Cの再生動作が実行できる。
ところで図15Bでは、反射光量信号S1,S2をクロストークキャンセル回路6に入力し、クロストークキャンセル回路6からのバランス制御信号TK−BLで差動演算回路31の動作を調整している。
これは、単純に反射光量信号S1,S2の差動をとるだけでは、各トラックの記録状態によってバランスがずれることがあるためである。クロストークキャンセル回路6では、隣接トラックのクロストーク成分を検出するため、これによってトラックTKx、TKx+1の光量バランスのずれを補正することが可能である。そこでクロストークキャンセル回路6は、隣接トラックのクロストーク成分が互いにバランスするように、バランス制御信号TK−BLを出力する。
差動演算回路31では、バランス制御信号TK−BLに応じて、反射光量信号S1,S2のそれぞれに、各トラックの記録状態に対応した補正係数をかけるようなバランス調整演算を行った上で、S2−S1の演算を行ったり、その演算結果に適宜オフセットバイアスを加えたりすることによって、記録状態の影響を受けにくいトラッキングエラー信号TEを生成するようにする。
なお、図15では図示を省略したが、クロストークキャンセル回路6でクロストークキャンセル処理を施された反射光量信号S1,S2は、図5に示したデータ検出処理部5に供給される。
即ち図6Cの再生を行う場合、反射光量信号S1,S2がトラックTKx、TKx+1についてのRF信号として、データ再生に用いられる。
次に図16は、図6Bの記録動作に適用できるトラッキングエラー信号の演算手法を示している。
図16Aに示すように、再生用レーザスポットSPp1、SPp2はトラッキングエラー信号を検出するためのサーボ用のレーザ光とし、この再生用レーザスポットSPp1、SPp2が、2重スパイラルの一方のトラックTKxを挟み込みながらトレースするようにトラッキング制御を行う。
この状態で、隣接トラッキングサーボを行い、記録用レーザスポットSPrにより、隣接するトラックTKx+1を記録していく。
この場合も、トラッキングエラー信号TEは、図16Bで示すように、差動演算回路31での反射光量信号のS2−S1の演算で得ることができる。またこの場合も、クロストークキャンセル回路6からのバランス制御信号TK−BLで反射光量信号S1,S2の調整を行っても良い。
なお、記録時にはトラックピッチが広いため、再生用レーザスポットSPp1、SPp2からのRF出力は、その大半がトラックTKxからのものとなり、再生用レーザスポットSPp1、SPp2からのRF出力及び出力信号の比較結果を用いて、トラックTKxの信号再生、及びバランス制御信号TK−BLを得ることができる。
図16Cに各種信号波形を示す。なお、トラック軌道TKaのトラックが記録されており、その後にトラック軌道TKbのトラックを記録していく場合で示しているため、記録前のトラックピッチはTp1+Tp2=0.46μmとなる。
反射光量信号S1,S2、及びSUM信号として、図示のようにラジアルコントラスト変調成分が得られる。そしてS2−S1として、デトラック量に応じたトラッキングエラー信号TEが得られる。
この場合、トラッキングエラー信号TEに基づいて0°位置にサーボ制御することで、図16Aのような再生用レーザスポットSPp1,SPp2によるトラッキング制御が可能となる。これによって図6Bの記録動作が実行できる。
続いて図17は、図7Aの記録動作や、図7C又は図7Dの再生動作に適用できるトラッキングエラー信号の演算手法を示している。
図17Aに示すように、情報記録トラックの接線方向に対して略45°の角度をなす非点収差を与えたサーボ用レーザスポットSPp45を光ディスク90のレイヤーLに照射する。そしてサーボ用レーザスポットSPp45が、トラックTKx、TKx+1のトラック群に対してトレースするようにトラッキング制御を行う。
この場合、光ピックアップ1では、図17Bに示す4分割フォトディテクタ33で、サーボ用レーザスポットSPp45の反射光を受光する。受光面A,B,C,Dで得られる各信号は演算回路34に供給される。
演算回路34では、受光面A+Dの信号から、受光面B+Cの信号を減算して、これをトラッキングエラー信号TEとして出力する。即ちトラック線方向に対して垂直方向に分割した各フォトディテクタの差分信号であるタンジェンシャルプッシュプル信号がトラッキングエラー信号TEとなる。
図17Cに信号波形を示す。ここではTp1=0.20μm、Tp2=0.30μm、TpG=0.50μmの場合で示している。
また非点収差量はZ6=0.275の場合である。(Z6は、フリンジ−ゼルニケの収差多項式におけるZ6)
図示のようにタンジェンシャルプッシュプル信号によるトラッキングエラー信号TEとして、デトラック量に応じた信号が得られる。
このトラッキングエラー信号TEに基づいて270°位置にサーボ制御することで、図17Aのようにサーボ用レーザスポットSPp45をトラック群にトレースさせるトラッキング制御が可能となる。これによって図7Aの記録動作や図7Cの再生動作が実行できる。
次に図18は、図7Bの記録動作に適用できるトラッキングエラー信号の演算手法を示している。
図18Aに示すように、サーボ用レーザスポットSPp45を光ディスク90のレイヤーLに照射し、2重スパイラルのうちで既に形成されているトラックTKxをトレースさせる。
この状態で、隣接トラッキングサーボを行い、記録用レーザスポットSPrにより、隣接するトラックTKx+1を記録していく。
この場合も図18Bに示すように、演算回路34で(A+D)−(B+C)の演算を行って得られるタンジェンシャルプッシュプル信号がトラッキングエラー信号TEとなる。
図18Cに信号波形を示す。なお、トラック軌道TKaのトラックが記録されており、その後にトラック軌道TKbのトラックを記録していく場合で示しているため、記録前のトラックピッチはTp1+Tp2=0.46μmとなる。また非点収差量はZ6=0.262の場合である。
図示のようにタンジェンシャルプッシュプル信号によるトラッキングエラー信号TEとして、デトラック量に応じた信号が得られる。
このトラッキングエラー信号TEに基づいて0°位置にサーボ制御することで、図18Aのようにサーボ用レーザスポットSPp45をトラックTKxにトレースさせるトラッキング制御が可能となる。これによって図7Bの記録動作が実行できる。
続いて図19は、図8Aの記録動作や図8Cの再生動作に適用できるトラッキングエラー信号の演算手法を示している。
図19Aは、3重スパイラル構造の情報記録トラックを示している。
再生用レーザスポットSPp1、SPp0、SPp2はトラッキングエラー信号を検出するためのサーボ用のレーザ光とする。そしてこの再生用レーザスポットSPp1、SPp0、SPp2が、3重スパイラルのトラックTKx、TKx+1、TKx+2のトラック群に対してトレースするようにトラッキング制御を行う。
トラックTKx、TKx+1、TKx+2の中央を、デトラック=270°の位置とする。
再生用レーザスポットSPp1,SPp0、SPp2の各反射光量信号をS1,S0,S2とする。この場合、図19Bに示すように、差動演算回路31により反射光量信号S2−S1の演算を行うことで、トラッキングエラー信号TEを生成できる。
反射光量信号S1,S0,S2としては、図19Cに示すようにラジアルコントラスト信号としての変調成分が得られる。なお、ここではTp1=0.19μm、Tp2=0.26μmの場合で示している。
そしてラジアルコントラスト成分の差分であるS2−S1として、デトラック量に応じたトラッキングエラー信号TEが得られる。
このトラッキングエラー信号TEに基づいて270°位置にサーボ制御することで、図19Aのような再生用レーザスポットSPp1,SPp2によるトラッキング制御が可能となる。これによって図8Aの記録動作や図8Cの再生動作が実行できる。
また図19Bでは、反射光量信号S1,S0,S2をクロストークキャンセル回路6に入力し、クロストークキャンセル回路6からのバランス制御信号TK−BLで差動演算回路31の動作を調整している。
先に図15の場合で述べたように、差動演算回路31が、バランス制御信号TK−BLに応じて、反射光量信号S1,S2のそれぞれに、各トラックの記録状態に対応した補正係数をかけるようなバランス調整演算を行った上で、S2−S1の演算を行ったり、その演算結果に適宜オフセットバイアスを加えたりすることによって、記録状態の影響を受けにくいトラッキングエラー信号TEを生成できる。
なお、図19では図示を省略したが、クロストークキャンセル回路6でクロストークキャンセル処理を施された反射光量信号S1,S0,S2は、図5に示したデータ検出処理部5に供給される。
即ち図8Cの再生を行う場合、反射光量信号S1,S0,S2がトラックTKx、TKx+1、TKx+2についてのRF信号として、データ再生に用いられる。
次に図20は、例えば図8Bのように、既にトラック軌道TKa、TKbのトラックが形成されている状態で、3つめのトラック軌道TKcを記録する際に、非点収差を与えたサーボ用レーザスポットSPp45を用いてトラッキングを行う例である。
図8Bの記録動作は、先に図15で述べたように2つの再生用レーザスポットSPp1、SPp2を用いてトラッキングサーボ方式を実行すれば良いが、ここでは、1つのサーボ用レーザスポットSPp45を用いる例を示したものである。
図20Aに示すように、サーボ用レーザスポットSPp45が、既に形成されているトラック軌道TKa、TKbのトラックTKx、TKx+1をトレースするようにトラッキング制御を行う。
この場合、図20Bのように演算回路34でタンジェンシャルプッシュプル信号を得ることで、それをトラッキングエラー信号TEとすることができる。
図20Cのようにトラッキングエラー信号TEとして、デトラック量に応じた信号が得られる。
このトラッキングエラー信号TEに基づいて90°位置にサーボ制御することで、図20Aのようにサーボ用レーザスポットSPp45をトラックTKx、TKx+1にトレースさせるトラッキング制御が可能となる。この状態での隣接トラッキングサーボによって記録用レーザスポットSPrで、3つめのトラック軌道TKcのトラックを記録していくことができる。
図21は、図19で述べたトラッキングサーボ方式と同様のサーボ方式であるが、3重スパイラルの情報記録トラックの内、トラック軌道TKa、TKcのトラックが既に形成され、真ん中のトラック軌道TKbが未記録の状態でのトラッキングサーボ方式を示している。
図21Aのように、真ん中のトラック軌道TKbのトラックが未記録であることから、トラック軌道TKaのトラックとトラック軌道TKcのトラックの間のピッチはTp1+Tp1=0.38となっている。またトラック群の間のトラックピッチTp2=0.26としている。
図21Bのトラッキングエラー信号TEの生成方式gは図19Bと同様である。
図21Cに各信号の波形を示す。この場合、真ん中のスパイラルが存在しないことで、トラッキングエラー信号TEの極性が図19の場合とは逆になるが、例えば270°位置にサーボ制御することで、図21Aのようなトラッキングサーボが可能となる。
このように、3重スパイラルの真ん中のスパイラルのトラックが未記録の状態でも、サーボ制御を行って記録または再生を行うことができる。
ところで、トラックピッチTp1だけでなく、トラックピッチTp2も光学的カットオフ相当以下のトラックピッチであってもよいと先に述べた。
上記図15〜図21の例では、トラックピッチTp2は光学的カットオフ相当よりも長い例を示しており、その場合、トラック群ピッチTpGは、必然的に光学的カットオフ相当よりも長くなる。
図22では、トラックピッチTp1、Tp2とも光学的カットオフ相当以下であっても、トラック群ピッチTpGが光学的カットオフ相当よりも長くされていれば、トラッキングエラー信号TEが得られることを示している。
図22A、図22B、図22Cは、図15と同様に、2重スパイラル構造の情報記録トラックに対して、再生用レーザスポットSPp1、SPp2のラジアルコントラスト信号によりトラッキングエラー信号TEを得る場合を示している。
この場合、トラックピッチTp1=0.15μm、Tp2=0.23μmとしており、共に光学的カットオフ相当以下のトラックピッチである。トラック群ピッチTpGは、0.38μmとなる。
反射光量信号S1,S2としては、図22Cに示すようにラジアルコントラスト信号としての変調成分が得られる。
そしてラジアルコントラスト成分の差分であるS2−S1として、デトラック量に応じたトラッキングエラー信号TEが得られる。
このトラッキングエラー信号TEに基づいて270°位置にサーボ制御することで、図22Aのような再生用レーザスポットSPp1,SPp2によるトラッキング制御が可能となる。
このように、トラックピッチTp1、Tp2が光学的カットオフ相当以下のトラックピッチであっても、トラック群ピッチTpGが光学的カットオフ相当よりも長くされていれば、適正なトラッキングサーボが可能となる。
なお、図22では図15のトラッキング方式に準拠して述べたが、図16〜図21で述べたトラッキング方式の場合でも、トラックピッチTp1、Tp2が光学的カットオフ相当以下のトラックピッチであっても、トラック群ピッチTpGが光学的カットオフ相当よりも長くされていれば、適正なトラッキングサーボが可能となる。
<6.光学系構成例>

以上の実施の形態の記録動作、再生動作を実現するための光ピックアップ1の光学系の構成例を説明する。
図23は、例えば図6、図8のように複数のレーザスポットをトラッキングサーボに用いる場合の例である。
光ピックアップ1内の光学系として、マルチビームLD(Lazer diode)41、コリメータレンズ42、ビームスプリッタ43、対物レンズ44、マルチレンズ45、受光素子部46、二軸機構47が設けられる。
マルチビームLD41から出射されたレーザ光はコリメータレンズ42で平行光とされ、ビームスプリッタ43を通過し、対物レンズ44で集光されて光ディスク90に照射される。
対物レンズ44は、二軸機構47によってフォーカス方向及びトラッキング方向に変位可能に保持されている。図5に示した二軸ドライバ18によって二軸機構47が駆動されることで、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボが実行される。
光ディスク90からの反射光は、対物レンズ44を介してビームスプリッタ43で反射され、マルチレンズ45に達する。そしてマルチレンズ45で集光され、受光素子部46に入射される。
この構成において、マルチビームLD41としては、図中に例1〜例4としての発光面の構成が考えられ、またこのマルチビームLD41の例に対応して、受光素子部46のフォトディテクタ構成として、例1〜例4が考えられる。
例1は、マルチビームLD41が、再生専用の2ビームの発光面を有する構成とされ、また受光素子部46は2つの4分割フォトディテクタPD1,PD2を有する構成とされる。これは再生装置として、例えば図6C及び図15で説明した再生動作を行うことができるようにする場合の構成例である。
2つの再生用レーザスポットSPp1、SPp2を照射するとともに、これらの反射光をフォトディテクタPD1,PD2で検出する。各フォトディテクタPD1,PD2の4分割受光面の和信号が図15でいう反射光量信号S1,S2となる。
また4分割の受光面の各信号の演算により、フォーカスエラー信号等、他の必要な信号が生成される。
例2は、マルチビームLD41が、再生専用の3ビームの発光面を有する構成とされ、また受光素子部46は2つのフォトディテクタPD3、PD5と、4分割フォトディテクタPD4を有する構成とされる。
これは再生装置として、例えば図8C及び図19で説明した再生動作を行うことができるようにする場合の構成例である。
3つの再生用レーザスポットSPp1、SPp0、SPp2を照射するとともに、これらの反射光をフォトディテクタPD3,PD4,PD5で検出する。フォトディテクタPD3,PD5から図19でいう反射光量信号S1,S2が得られる。またフォトディテクタPD4の4分割受光面の和信号が反射光量信号S0となる。
またフォトディテクタPD4の4分割の受光面の各信号の演算により、フォーカスエラー信号等、他の必要な信号が生成される。
例3は、図6(a)の記録動作を行う場合の構成で、マルチビームLD41が、再生用2ビームの発光面と記録用2ビームの発光面を有する構成とされる。これに対応して受光素子部46は再生用レーザスポットSPp1、SPp2用に2つのフォトディテクタPD6、PD7が設けられ、記録用レーザスポットSPr1、SPr2用に2つのフォトディテクタPD8、PD9が設けられる。
例4は、図8(a)の記録動作を行う場合の構成で、マルチビームLD41が、再生用3ビームの発光面と記録用3ビームの発光面を有する構成とされる。これに対応して受光素子部46は再生用レーザスポットSPp1、SPp2、SPp3用に3つのフォトディテクタPD10、PD11、PD12が設けられ、記録用レーザスポットSPr1、SPr2、SPr3用に3つのフォトディテクタPD13、PD14、PD15が設けられる。
図24は上記の例2、即ち再生専用3ビーム発光面と、これに対応する受光素子部46(フォトディテクタPD3、PD4、PD5)を有する構成を例に挙げて、光ディスク90に3つのレーザスポットを形成するマルチビーム光束を示したものである。
図示のように、マルチビームLD41からの3つのレーザは、コリメータレンズ42、ビームスプリッタ43、対物レンズ44による光学系を経て、ディスク90上の情報記録トラックに対し、3つのスポットを形成する。これが図8C及び図19で説明した再生用レーザスポットSPp1、SPp0、SPp2となる。
またこれら3つのレーザスポットに係る反射光は、対物レンズ44、ビームスプリッタ43、マルチレンズ45の光学系を経て、受光素子部46のフォトディテクタPD3、PD4、PD5に入射されることとなる。
ここでは例2の場合で述べたが、他の例1、例3,例4の場合も、それぞれ同様に考えれば良い。
図25は、同じく複数のレーザスポットをトラッキングサーボに用いる場合の例であるが、マルチビームLD41を用いない場合の再生用光学系の例を示している。
光ピックアップ1内の光学系として、LD51、コリメータレンズ42、ビームスプリッタ43、グレーティング52、QWP(1/4波長板)53、対物レンズ44、マルチレンズ45、受光素子部46、二軸機構47が設けられる。
マルチビームLD41から出射されたレーザ光はコリメータレンズ42で平行光とされ、ビームスプリッタ43を通過し、グレーティング52に達する。
グレーティング52は往路のみ回折する偏光グレーティングとしたり、回折オン/オフ可能な液晶グレーティングとすることができる。
グレーティング52によって得られる0次光と±1次光により、再生用の3ビーム光学系を形成することができる。これにより、図6Cの再生用レーザスポットSPp1、SPp2や、或いは図8Cの再生用レーザスポットSPp1、SPp2、SPp3を得ることができる。
0次光と±1次光はQWP53を経て対物レンズ44で集光されて光ディスク90に照射される。
光ディスク90からの反射光は、対物レンズ44を介してQWP53、グレーティング52を透過し、ビームスプリッタ43で反射され、マルチレンズ45に達する。そしてマルチレンズ45で集光され、受光素子部46に入射される。
受光素子部46では、0次光と±1次光による再生用レーザスポットSPp1、SPp2、SPp3に対応するフォトディテクタが構成されていればよい。
なお、この図25では1ビームのLD51を有する再生用光学系を示しているが、2ビームLD、3ビームLD等を用いて、記録及び再生可能な光学系を形成することも可能である。
図26は、図1Bのような多層の光ディスク90に対応する光学系の例を示している。
基本的な構成は図25の例と同様であるが、球面収差補正用のエキスパンダレンズ54を設けている。エキスパンダレンズ54は固定レンズ54aと可動レンズ54bから成る。可動レンズ54bは矢印V方向、即ち光軸方向に変位可能とされる。
目的とするレイヤーLに応じてエキスパンダレンズ54が駆動され、球面収差補正が行われる構成となる。
なお、グレーティング52は、エキスパンダレンズ54とQWP53の間に設けてもよいが、これに代えて、破線のグレーティング52Aとして示すようにコリメータレンズ42とビームスプリッタ43の間に設けるようにしてもよい。
グレーティング52を採用する場合は、偏光依存性が必要であるが、グレーティング52Aを採用する場合は、偏光依存性は不要である。
図27は、図26の構成において、光ディスク90に3つのレーザスポットを形成する場合のマルチビーム光束を示したものである。ここではグレーティング52Aを用いた例としている。
LD51から出力されたレーザ光は、グレーティング52Aで0次光、±1次光とされ、3スポットを形成するマルチビームが形成される。これによってディスク90のレイヤーLに照射される3つのレーザスポットとして、図8Cで述べた再生用レーザスポットSPp1、SPp2、SPp3を得ることができる。
これらのレーザスポットに係る反射光は、図示する光束で受光素子部46に入射される。従って受光素子部46では、例えば図23で例2として示したようなフォトディテクタ構成により、反射光を検出するように構成されていればよい。
なお、図26の構成においてLD51や受光素子部46については、図23,図25のような構成例が考えられる。
また、図23,図25,図26の各例において再生用レーザダイオードと、記録用レーザダイオードを独立して設けることも考えられる。
図28は、図1Cのようにリファレンス面RLが設けられた光ディスク90に対応する光学系構成例である。
LD51、コリメータレンズ42、グレーティング52A、ビームスプリッタ43、対物レンズ44、エキスパンダレンズ54、マルチレンズ45、受光素子部46は、図26と同様である。
この場合、異なる波長のレーザ光をリファレンス面RLに集光させる光学系を設ける。
即ちLD65、コリメータレンズ66、ビームスプリッタ67、エキスパンダレンズ60、ダイクロイックプリズム61、2波長QWP及び波長選択開口制限素子62を追加している。
LD65は、LD51とは波長の異なるレーザ光を出力する。例えばLD51を波長405nmの青色レーザとし、LD65は例えば波長650nmの赤色レーザなどとする。
LD65から出射されたレーザ光は、コリメータレンズ66で平行光とされ、ビームスプリッタ67を介して、エキスパンダレンズ60に導かれる。
エキスパンダレンズ60は、固定レンズ60aと可動レンズ60bからなり、赤色レーザ光のレーザスポットをリファレンス面RLに合焦するように焦点位置を補正する。
そしてダイクロイックプリズム61で反射され、2波長QWP及び波長選択開口制限素子62でλ/4偏光及び開口制限されたうえで、対物レンズ44を介して光ディスク90のリファレンス面RLに照射される。
リファレンス面RLからの反射光は、対物レンズ44、2波長QWP及び波長選択開口制限素子62、ダイクロイックプリズム61、エキスパンダレンズ60の系をたどり、ビームスプリッタ67で反射され、マルチレンズ68により受光素子部69に入射される。
なお、青色レーザであるLD51からのレーザ光は、コリメータレンズ66、グレーティング52A、ビームスプリッタ43、エキスパンダレンズ54、ダイクロイックプリズム61、2波長QWP及び波長選択開口制限素子62、対物レンズ44を介して光ディスク90の目的のレイヤーLに照射される。そして反射光は、対物レンズ44、2波長QWP及び波長選択開口制限素子62、ダイクロイックプリズム61、エキスパンダレンズ54、ビームスプリッタ43、マルチレンズ45の系で、受光素子部46に入射する。
この場合、ダイクロイックプリズム61により、LD65からの赤色レーザ光とLD51からの青色レーザ光が合成されて対物レンズ44に導かれる。
対物レンズ44のフォーカシングは、青色レーザが目的のレイヤーLに合焦するように制御され、その場合に、赤色レーザがリファレンス面RLに合焦するようにするため、エキスパンダレンズ60の可動レンズ60bが、光軸方向V2に調整されることになる。赤色レーザ光については、エキスパンダレンズ54による調整及び2波長QWP及び波長選択開口制限素子62による開口制限によって、そのレーザスポットがリファレンス面RLに合焦されることとなる。
このような光学系を用いる場合、受光素子部69で得られる反射光情報からリファレンス面RLに形成されたグルーブ等の情報を得ることができる。従って、それをトラッキングガイド情報として対物レンズ44のトラッキングサーボ動作を実行させ、青色レーザによるレイヤーLへの記録又は再生を実行できる。
なお図28の構成において、LD51に代えてマルチビームLD41を用いたり、再生用レーザダイオードと、記録用レーザダイオードを独立して設けることも考えられる。
続いて図29Aは、図7で述べたように非点収差を与えたサーボ用レーザスポットSPp45を用いる場合の光学系の構成例である。
再生用レーザスポットSPp1、SPp2を照射する光学系として、マルチビームLD41、コリメータレンズ42、ビームスプリッタ43、エキスパンダレンズ54、QWP53、対物レンズ44が設けられる。また反射光の受光のためマルチレンズ45、受光素子部46が設けられる。
これに加え、サーボ用レーザスポットSPp45の照射のため、LD70、コリメータレンズ71、45°非点ビーム回折素子72、光路合成用プリズム73が設けられる。
マルチビームLD41からのレーザ光は、コリメータレンズ42、光路合成用プリズム73、ビームスプリッタ43、エキスパンダレンズ54、QWP53、対物レンズ44を介して光ディスク90の目的のレイヤーLに照射される。そして反射光は、対物レンズ44、QWP53、エキスパンダレンズ54、ビームスプリッタ43、マルチレンズ45の系で、受光素子部46に入射する。
一方、LD70からのレーザ光は、コリメータレンズ71で平行光とされた後、45°非点ビーム回折素子72に入射する。
45°非点ビーム回折素子72は、図29Bに示すように、非点収差を生じさせるホログラムパターンで構成されており、一対の副光束(±1次光)に対して、互いの極性が逆向きで、かつ光ディスク90のレイヤーLに形成される情報記録トラックの接線方向に対して略45°の角度を為す非点収差を付与する。
図7等で述べたサーボ用レーザスポットSPp45は、45°の非点収差をもつレーザスポットである。そのため、45°非点ビーム回折素子72から得られる+1次光、もしくは−1次光が、サーボ用レーザスポットSPp45を形成するレーザ光として用いられれば良い。
なお、ホログラムパターンによる回折素子ではなく液晶素子によって非点収差を与える構成としてもよい。
45°非点ビーム回折素子72からの、サーボ用レーザ光スポットSPp45を形成するためのレーザ光は、光路合成用プリズム73で、LD70からのレーザ光(再生用レーザスポットSPp1、SPp2を形成するレーザ光)と合成され、同様の経路で光ディスク90に照射される。またサーボ用レーザスポットSPp45の反射光は、再生用レーザスポットSPp1、SPp2と同様の経路で受光素子部46に導かれる。
例えばこのような光学系を用いることで、略45°の角度をなす非点収差を与えたサーボ用レーザスポットSPp45の反射光情報により得られるタンジェンシャルプッシュプル信号をトラッキングエラー信号とし、該トラッキングエラー信号を用いたトラッキングサーボ制御により、再生用レーザスポットSPp1、SPp2を情報記録トラックにオントラック制御して、その反射光情報からデータを再生することができる。
なお図29の構成において、マルチビームLD41(又はそれに代えたLD51)から記録パワーのレーザ光を出射させることで図7A,図7Bのような記録動作が可能となる。
もちろん再生用レーザダイオードと、記録用レーザダイオードを独立して設けることも考えられる。
<7.変形例>

以上、実施の形態について説明してきたが、本開示の技術は実施の形態の例に限定されるものではなく、各種の変形例が考えられる。
光ディスク90の情報記録トラックは2重スパイラル構造、3重スパイラル構造等のマルチスパイラル構造としたが、同心円のトラックによる構造としてもよい。
即ち同心円のトラックとして、トラックピッチTp1で隣接する複数のトラック群を形成するとともに、トラック群どうしは、トラックピッチTp2だけ離間するような構造とするものである。これにより、図2A、図3A、図4Aで示したような情報記録トラックを形成しても良い。
また、マルチスパイラル構造の場合、スパイラル数と、トラック群内のトラックピッチTp1で離間するトラック数の関係は必ずしも同数とは限らない。
例えば図2、図3、図4は、それぞれ2重スパイラル構造で2トラックがトラック群となる場合、3重スパイラル構造で3トラックがトラック群となる場合、4重スパイラル構造で4トラックがトラック群となる場合について例示した。しかしながら、図30に示すような例も想定される。
図30Aに示す構造では、トラック軌道TKa、TKb、TKc、TKdとして4重スパイラル構造とされている。
そして図30Bに一部拡大して示すように、トラック軌道TKa、TKbの各トラックのトラックピッチがTp1、またトラック軌道TKc、TKdの各トラックのトラックピッチが同じくTp1とされる。一方、トラック軌道TKbとTKcの各トラックのトラックピッチがTp2となっている。
つまりこの場合、「光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短いトラックピッチTp1で複数のトラックが隣接するトラック群」とは、トラック軌道TKa、TKbのトラックの組や、トラック軌道TKc、TKdのトラックの組となる。従ってトラック群ピッチTpGは、トラック軌道TKa、TKbでのトラック群と、トラック軌道TKc、TKdでのトラック群の間のピッチとなる。
この例は、4重スパイラル構造であるが、2トラックずつがトラック群となる例となっており、ディスク半径方向にみれば、図2Aと同様の情報記録トラック構造となる。
このように、多重のスパイラル数の全てのトラックを、トラックピッチTp1で離間するトラック群としない例も考えられる。換言すれば、上記のように、スパイラル数と、トラック群内のトラックピッチTp1で離間するトラック数の関係は同数としなくてもよいということとなる。
同様に6重スパイラルで、トラックピッチTp1となる3トラックで2つのトラック群を形成したり、或いはトラックピッチTp1となる2トラックずつで3つのトラック群を形成するような例もある。
またトラック群内のトラックピッチも一定とは限らない。
例えば図4では、4つのトラックでトラック群を形成し、トラック群内の各トラックはそれぞれがトラックピッチTp1で離間している。
例えばTK1、TK2,TK3,TK4では、トラックTK1、TK2間、トラックTK2、TK3間、トラックTK3、TK4間はいずれもトラックピッチTp1となっている。ここで、トラックTK1、TK2間、トラックTK2、TK3間、トラックTK3、TK4間のトラックピッチ(Tp1)は、必ずしも同一でなくてもよい。
例えばトラックTK1、TK2間は0.15μm、トラックTK2、TK3間は0.20μm、トラックTK3、TK4間は0.15μm、などとするような場合である。
また、図6,図7,図8で説明したレーザスポット照射位置の配置も多様に考えられる。図31に例を示す。図31Aは図6Aの変形例、図31Bは図7Aの変形例、図31Cは図8Aの変形例である。
図6Aではサーボ用として用いる再生用レーザスポットSPp1,SPp2が、記録用レーザスポットSPr1、SPr2よりもトラック線方向に先行した状態とした。これを図31Aのように、記録用レーザスポットSPr1、SPr2がトラック線方向に先行する状態としてもよい。
図7Aでは、サーボ用レーザスポットSPp45が記録用レーザスポットSPr1、SPr2よりも先行しているが、図31Bのように、記録用レーザスポットSPr1、SPr2がトラック線方向に先行する状態としてもよい。
図8Aではサーボ用として用いる再生用レーザスポットSPp1,SPp0,SPp2が、記録用レーザスポットSPr1、SPr2、SPr3よりもトラック線方向に先行した状態としたが、これを図31Cのように、記録用レーザスポットSPr1、SPr2、SPr3がトラック線方向に先行する状態としてもよい。
また記録媒体の例として光ディスクを挙げたが、ディスク状の記録媒体に限られない。例えば光カードなどのカード状記録媒体でも実施の形態で挙げたトラック構造やトラッキングサーボ方式は適用できる。
なお本開示の記録媒体は以下のような構成も採ることができる。
(1)レーザ光照射を行った際の反射光情報から記録された情報が読み出される情報記録トラックを有し、
上記情報記録トラックは、
照射するレーザ光の波長と照射光学系のNAから規定される光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短いトラックピッチで複数のトラックが隣接するトラック群が形成されていると共に、上記トラック群単位でみたトラック群ピッチは、上記光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くされている記録媒体。
(2)上記情報記録トラックは、独立した複数のトラック軌道がそれぞれスパイラル状に形成されるマルチスパイラル構造とされており、
上記複数のトラック軌道により上記トラック群が形成され、
マルチスパイラル構造で周回されて隣接する上記トラック群どうしの上記トラック群ピッチが、上記光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くされている上記(1)に記載の記録媒体。
(3)上記情報記録トラックは、独立した2つのトラック軌道がそれぞれスパイラル状に形成されるダブルスパイラル構造とされている上記(1)又は(2)に記載の記録媒体。
(4)上記情報記録トラックは、独立した3つのトラック軌道がそれぞれスパイラル状に形成されるトリプルスパイラル構造とされている上記(1)又は(2)に記載の記録媒体。
(5)隣接する上記トラック群どうしで隣り合うことになるトラックが、上記光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長いトラックピッチで離間することで、上記トラック群ピッチが、上記光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くされている上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の記録媒体。
(6)上記情報記録トラックが形成された記録層が複数層設けられている上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の記録媒体。
また本開示の記録方法は以下のような構成も採ることができる。
(7)サーボ用レーザ光及び記録用レーザ光を記録媒体に照射する光学ヘッドと、
上記サーボ用レーザ光に係る反射光情報を用いて上記サーボ用レーザ光と上記記録用レーザ光のトラッキング制御を上記光学ヘッドに実行させるサーボ回路部と、
を備えた記録装置の記録方法として、
上記サーボ用レーザ光の波長と上記光学ヘッドの照射光学系のNAから規定される光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短いトラックピッチで複数のトラックが隣接するトラック群を形成し、かつ、上記トラック群単位でみたトラック群ピッチが、上記光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くなるように、上記記録用レーザ光のトラッキング制御を行って、記録媒体上に情報記録トラックを形成する記録方法。
(8)記録用レーザ光により、独立した複数のトラック軌道がスパイラル状に形成されるマルチスパイラル構造の情報記録トラックを形成していくとともに、
上記複数のトラック軌道により上記トラック群が形成され、マルチスパイラル構造で周回されて隣接する上記トラック群どうしのトラック群ピッチが、上記光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くなるように、上記記録用レーザ光のトラッキング制御を行う上記(7)に記載の記録方法。
(9)2つのレーザスポットの各反射光情報により得られる各ラジアルコントラスト信号の差分信号をトラッキングエラー信号とし、該トラッキングエラー信号を用いたトラッキングサーボ制御により、上記2つのレーザスポットを既存のトラック又はトラック群にトレースさせるとともに、この状態で、他の少なくとも1以上の記録用レーザスポットにより、上記既存のトラック又はトラック群に隣接した新たなトラックの記録を行う上記(7)又は(8)に記載の記録方法。
(10)情報記録トラックの接線方向に対して略45°の角度をなす非点収差を与えたサーボ用レーザスポットの反射光情報により得られるタンジェンシャルプッシュプル信号をトラッキングエラー信号とし、該トラッキングエラー信号を用いたトラッキングサーボ制御により、上記サーボ用レーザスポットを既存のトラック又はトラック群にトレースさせるとともに、この状態で、他の少なくとも1以上の記録用レーザスポットにより、上記既存のトラック又はトラック群に隣接した新たなトラックの記録を行う上記(7)又は(8)に記載の記録方法。
1 光ピックアップ、4 マトリクス回路、5 データ検出処理部、6 クロストークキャンセル回路、11 光学ブロックサーボ回路、31 差動演算回路、33 4分割フォトディテクタ、34 演算回路、41 マルチビームLD、42 コリメータレンズ、43 ビームスプリッタ、44 対物レンズ、45 マルチレンズ、46 受光素子部、51 LD、52 グレーティング、53 QWP、54 エキスパンダレンズ、90 光ディスク、91 バルク層、92 カバー層、93 基板

Claims (11)

  1. レーザ光照射を行った際の反射光情報から記録された情報が読み出される情報記録トラックを有し、
    上記情報記録トラックは、
    照射するレーザ光の波長と照射光学系のNAから規定される光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短いトラックピッチで複数のトラックが隣接するトラック群が形成されていると共に、上記トラック群単位でみたトラック群ピッチは、上記光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くされている記録媒体。
  2. 上記情報記録トラックは、独立した複数のトラック軌道がそれぞれスパイラル状に形成されるマルチスパイラル構造とされており、
    上記複数のトラック軌道により上記トラック群が形成され、
    マルチスパイラル構造で周回されて隣接する上記トラック群どうしの上記トラック群ピッチが、上記光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くされている請求項1に記載の記録媒体。
  3. 上記情報記録トラックは、独立した2つのトラック軌道がそれぞれスパイラル状に形成されるダブルスパイラル構造とされている請求項2に記載の記録媒体。
  4. 上記情報記録トラックは、独立した3つのトラック軌道がそれぞれスパイラル状に形成されるトリプルスパイラル構造とされている請求項2に記載の記録媒体。
  5. 隣接する上記トラック群どうしで隣り合うことになるトラックが、上記光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長いトラックピッチで離間することで、上記トラック群ピッチが、上記光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くされている請求項1に記載の記録媒体。
  6. 上記情報記録トラックが形成された記録層が複数層設けられている請求項1に記載の記録媒体。
  7. サーボ用レーザ光及び記録用レーザ光を記録媒体に照射する光学ヘッドと、
    上記サーボ用レーザ光に係る反射光情報を用いて上記サーボ用レーザ光と上記記録用レーザ光のトラッキング制御を上記光学ヘッドに実行させるサーボ回路部と、
    を備えた記録装置の記録方法として、
    上記サーボ用レーザ光の波長と上記光学ヘッドの照射光学系のNAから規定される光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短いトラックピッチで複数のトラックが隣接するトラック群を形成し、かつ、上記トラック群単位でみたトラック群ピッチが、上記光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くなるように、上記記録用レーザ光のトラッキング制御を行って、記録媒体上に情報記録トラックを形成する記録方法。
  8. 記録用レーザ光により、独立した複数のトラック軌道がスパイラル状に形成されるマルチスパイラル構造の情報記録トラックを形成していくとともに、
    上記複数のトラック軌道により上記トラック群が形成され、マルチスパイラル構造で周回されて隣接する上記トラック群どうしのトラック群ピッチが、上記光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くなるように、上記記録用レーザ光のトラッキング制御を行う請求項7に記載の記録方法。
  9. 2つのレーザスポットの各反射光情報により得られる各ラジアルコントラスト信号の差分信号をトラッキングエラー信号とし、該トラッキングエラー信号を用いたトラッキングサーボ制御により、上記2つのレーザスポットを既存のトラック又はトラック群にトレースさせるとともに、この状態で、他の少なくとも1以上の記録用レーザスポットにより、上記既存のトラック又はトラック群に隣接した新たなトラックの記録を行う請求項7に記載の記録方法。
  10. 情報記録トラックの接線方向に対して略45°の角度をなす非点収差を与えたサーボ用レーザスポットの反射光情報により得られるタンジェンシャルプッシュプル信号をトラッキングエラー信号とし、該トラッキングエラー信号を用いたトラッキングサーボ制御により、上記サーボ用レーザスポットを既存のトラック又はトラック群にトレースさせるとともに、この状態で、他の少なくとも1以上の記録用レーザスポットにより、上記既存のトラック又はトラック群に隣接した新たなトラックの記録を行う請求項7に記載の記録方法。
  11. サーボ用レーザ光及び記録用レーザ光を共通の対物レンズを介して記録媒体に照射する光学ヘッドと、
    上記サーボ用レーザ光に係る反射光情報を用いて上記サーボ用レーザ光と上記記録用レーザ光のトラッキング動作を上記光学ヘッドに実行させるサーボ回路部と、
    を備え、
    上記サーボ用レーザ光の波長と上記光学ヘッドの照射光学系のNAから規定される光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも短いトラックピッチで複数のトラックが隣接するトラック群が形成され、かつ、上記トラック群単位でみたトラック群ピッチが、上記光学的カットオフに相当するトラックピッチよりも長くなるように、上記記録用レーザ光のトラッキング制御を行って、記録媒体上に情報記録トラックを形成する記録装置。
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