JP2012241622A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の燃料タンクの内圧上昇に伴って封鎖弁を開弁しても以後のパージ制御の精度を維持して適切にキャニスタの吸着量管理ができる蒸発燃料処理装置の提供。
【解決手段】タンク内圧が高くなることで封鎖弁が開弁すると内燃機関をパージ促進運転モードにしパージ制御を初期化して実行する。この運転モードでのパージ制御は燃料蒸気濃度Cpfが燃料蒸気濃度記憶値Caと同等のレベルに戻ると(S112でYES)、終了し(S116〜S122)、元の通常時のパージ制御状態に戻る(S104)。燃料蒸気濃度記憶値Caは封鎖弁開弁前の最新の燃料蒸気濃度Cpfである。この燃料蒸気濃度記憶値Caは封鎖弁開弁前でのキャニスタの燃料蒸気吸着量に高精度に対応している。したがってパージ途中で封鎖弁が開弁された場合も正確にキャニスタの吸着量が封鎖弁開弁前に戻った状態で元のパージ制御が再開でき、適切にパージを完了できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、パージ制御弁の開度を調節してパージ通路から燃料蒸気を内燃機関の吸気通路へパージするパージ制御を実行する蒸発燃料処理装置に関する。
内燃機関に給油する際に燃料タンクで発生する燃料蒸気を処理するための装置として、活性炭等の吸着材を収容したキャニスタを燃料タンクに接続し、給油時以外では封鎖弁によりキャニスタと燃料タンクとの間を封鎖する構成が知られている。
このように封鎖弁にて燃料タンクを密閉している構成では、燃料タンク内力が上昇した場合に、圧力抜きのために一時的に封鎖弁を開ける処理が行われる(例えば特許文献1〜3参照)。
特許文献1では、圧力抜きのために封鎖弁を開弁する処理を行うと共に、この封鎖弁開弁によりキャニスタに燃料蒸気が吸着した場合、この吸着量が上限を越えるとパージ処理を実行することで、キャニスタに吸着している燃料蒸気を全てパージしている。このキャニスタにおける燃料蒸気吸着量は給油時に吸着される量も含めた例が記載されている。
特許文献2では、圧力抜きのために封鎖弁を開弁する処理を行うと共に、封鎖弁開弁に伴って他の弁(大気開放弁)を制御している。
特許文献3では、圧力抜きのために封鎖弁を開弁する処理を行うと共に、給油やパージ履歴に基づいて封鎖弁の開閉制御用圧力閾値を変更している。
特開2010−281258号公報(第10〜15頁、図3〜7) 特開2004−308483号公報(第5〜8頁、図2) 特開2007− 64154号公報(第9〜10頁、図6,7)
特許文献1では、封鎖弁の開弁に伴って、燃料タンクからの蒸発燃料流量と封鎖弁開弁期間とに応じた吸着量が、給油時の吸着量に対して増加したものとして、キャニスタの吸着量を計算し、この新たな吸着量分が全てパージされるようにパージ制御を実行している。
しかし封鎖弁が開弁するのは内燃機関運転による昇温時であるのが通常であり、このような昇温時は、燃料タンク、キャニスタ、パージ通路などでは、場所により可成りの温度差や圧力差などが存在している。このため燃料タンクからの蒸発燃料流量と封鎖弁開弁期間とに応じて算出される吸着量は、相当な誤差を含む可能性がある。更にキャニスタに既に或る程度の吸着量が存在する場合には、この上に更に吸着される量を、蒸発燃料流量と封鎖弁開弁期間とによる単純な計算で求めることには正確性に問題がある。
したがってこのような不正確な吸着量に基づいてパージ制御を実行した場合には、パージ制御完了タイミングを正確に判断できなくなるおそれがある。
すなわち、実際にはキャニスタ吸着量が全て離脱してパージ完了と判断できる状態となっているにもかかわらず、計算される吸着量の誤差のためにパージ完了ではないと判断されるおそれがある。この場合にはパージのための内燃機関運転制御が延長されて燃費が悪化するおそれがある。
あるいは実際にはキャニスタ吸着量がまだ十分に存在しており、パージ完了と判断するには早すぎるにもかかわらず、計算される吸着量の誤差のためにパージ完了と判断してパージ制御を停止する場合があり、次の給油時に燃料タンク内の燃料蒸気を十分に吸着できなくなるおそれがある。
このような問題は特許文献2,3でも解決していない。
本発明は、燃料タンクの内圧上昇に伴って封鎖弁を開弁しても以後のパージ制御の精度を維持して適切にキャニスタの吸着量管理ができる蒸発燃料処理装置の提供を目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用・効果について記載する。
請求項1に記載の蒸発燃料処理装置は、内燃機関の燃料タンク、キャニスタ、キャニスタと燃料タンクとを接続する蒸発燃料通路、蒸発燃料通路に設けられた封鎖弁、キャニスタと内燃機関の吸気通路とを接続するパージ通路、パージ通路に設けられたパージ制御弁、及びパージ制御弁の開度によりパージ率を調節することでパージ制御を実行するパージ制御手段を備えた蒸発燃料処理装置であって、パージされる燃料蒸気の濃度を検出するパージ濃度検出手段と、前記燃料タンクの内圧が上限値を越えると前記封鎖弁を開弁する封鎖弁開弁手段と、前記封鎖弁開弁手段による前記封鎖弁の開弁実行前において前記パージ濃度検出手段により検出された最新の燃料蒸気濃度を記憶する最新パージ濃度記憶手段と、前記封鎖弁開弁手段による前記封鎖弁の開弁実行後に、この封鎖弁開弁に対応する運転モードに内燃機関運転を制御した状態でパージ制御を実行する封鎖弁開弁後制御手段と、前記パージ濃度検出手段により検出される燃料蒸気濃度が、前記最新パージ濃度記憶手段にて記憶されている燃料蒸気濃度と同等のレベルに戻ると、前記封鎖弁開弁後制御手段による制御を終了する封鎖弁開弁後制御終了手段とを備えたことを特徴とする。
燃料タンクの内圧が上限値を越えることにより封鎖弁開弁手段が封鎖弁を開弁すると、燃料タンク内の燃料蒸気がキャニスタ側へ大量に流れ込む。
このため封鎖弁開弁後制御手段は封鎖弁開弁に対応する運転モードに内燃機関運転を制御した状態でパージ制御を実行する。この内燃機関運転状態でのパージ制御の終了は、封鎖弁開弁後制御終了手段にて行われる。
封鎖弁開弁後制御終了手段は、燃料蒸気濃度が、最新パージ濃度記憶手段が記憶している燃料蒸気濃度と同等のレベルに戻ると、封鎖弁開弁後制御手段による制御を終了し元のパージ制御状態に戻す。
最新パージ濃度記憶手段が記憶している燃料蒸気濃度は、封鎖弁開弁前の元のパージ制御状態での最新の燃料蒸気濃度を記憶している。燃料蒸気濃度はキャニスタ内の燃料蒸気吸着量に高精度に対応しているため、最新パージ濃度記憶手段が記憶している燃料蒸気濃度は封鎖弁開弁前でのキャニスタの燃料蒸気吸着量に高精度に対応していることになる。
このため封鎖弁開弁後制御終了手段により、封鎖弁開弁後制御手段による制御が終了されたタイミングでは、キャニスタ内の燃料蒸気吸着量は、吸着量が全て離脱している場合も含めて正確に封鎖弁開弁前でのキャニスタ内の吸着量に戻っていることになる。
したがって元のパージ制御におけるパージ途中で封鎖弁が開弁された場合には、封鎖弁開弁後制御手段による制御が終了すると、正確にキャニスタの吸着量が封鎖弁開弁前に戻った状態で元のパージ制御によるパージが再開でき、その後、正確にキャニスタの吸着量が全て離脱したタイミングでパージを終了できる。
キャニスタ内の燃料蒸気が全て離脱している状態で封鎖弁が開弁された場合には、封鎖弁開弁後制御手段による制御が終了すると、この終了タイミングでは正確にキャニスタの吸着量は全て離脱した状態となっているので、元のパージ制御に戻ったタイミングでパージは終了することになる。
このようにパージ完了が高精度に判断できることから、パージが必要以上に延長されて内燃機関の燃費が悪化したり、あるいはパージ完了が早すぎて再度の給油時でキャニスタにおける吸着不足が生じたりすることがない。
こうして燃料タンクの内圧上昇に伴って封鎖弁を開弁しても以後のパージ制御の精度を維持でき、適切にキャニスタの吸着量管理ができる。
請求項2に記載の蒸発燃料処理装置では、請求項1に記載の蒸発燃料処理装置において、前記封鎖弁開弁後制御手段は、前記パージ制御手段によるパージ制御を初期状態に戻してから、パージ制御を実行することを特徴とする。
封鎖弁開弁後制御手段は、そのパージ制御を実行するに当たって、元のパージ制御がパージの途中であったとしても、パージ制御を初期状態に戻している。すなわち、封鎖弁開弁後は、元のパージ制御を引き継ぐことなく、最初からパージする制御状態に戻している。
したがって例えばパージされる燃料蒸気濃度を空燃比フィードバック制御に基づいて算出している場合には、空燃比フィードバック制御で学習される空燃比フィードバック補正係数などの学習値を最初から新たに演算したり、パージ率や燃料蒸気濃度などを初期値に戻したりする。そして、この初期化された状態でパージ制御を開始することで再度学習演算を最初から実行する。
このため元のパージ制御途中で封鎖弁開弁により不連続にキャニスタにおける吸着量が増加してパージされる燃料蒸気濃度が急激に上昇しても、初期値からパージ制御を開始するため、制御上の各種演算値が大きく変動することがない。したがって、以後のパージ制御の精度を維持できる。
請求項3に記載の蒸発燃料処理装置では、請求項1又は2に記載の蒸発燃料処理装置において、前記封鎖弁開弁後制御手段による前記運転モードは、パージが促進される運転モードであることを特徴とする。
封鎖弁開弁後制御手段におけるパージ制御は、内燃機関をパージが促進される運転モードにてなされる。したがってキャニスタ内の燃料蒸気吸着量を迅速に封鎖弁開弁前の状態に戻すことができる。
しかも燃料蒸気濃度が、最新パージ濃度記憶手段にて記憶されている燃料蒸気濃度と同等のレベルに戻ると、このような運転モードは終了するので、何時までもこのような特別な運転モードは継続しない。このようにパージが促進される運転モードは早期に終了するので、内燃機関の燃費が悪化しない。
請求項4に記載の蒸発燃料処理装置では、請求項3に記載の蒸発燃料処理装置において、内燃機関は車両走行用駆動源として電動モータと共に車両に搭載されたものであり、前記運転モードは、間欠運転制御による内燃機関の自動停止を禁止する運転モードであることを特徴とする。
間欠運転制御では内燃機関の運転が自動停止するため、その際にはパージが不可能となるが、運転モードとして間欠運転制御による内燃機関の自動停止を禁止することにより、パージすることが可能となり、パージが促進されることになる。
請求項5に記載の蒸発燃料処理装置では、請求項3に記載の蒸発燃料処理装置において、前記運転モードは、内燃機関を低負荷とする運転モードであることを特徴とする。
内燃機関を低負荷とすると、吸気圧が低下することからキャニスタからのパージが促進される。
請求項6に記載の蒸発燃料処理装置では、請求項3に記載の蒸発燃料処理装置において、前記運転モードは、内燃機関を一定の低仕事量とする運転モードであることを特徴とする。
このように一定の低仕事量に制御することにより、キャニスタからのパージが促進されると共に、空燃比フィードバック制御やパージ制御が安定化して、パージされる燃料蒸気濃度やキャニスタからの燃料蒸気離脱量などが高精度に判明するので、パージ状態を高精度に管理できる。
請求項7に記載の蒸発燃料処理装置では、請求項3に記載の蒸発燃料処理装置において、前記運転モードは、前記吸気通路において、前記パージ通路が開口する位置よりも上流側に設けられたスロットルバルブの開度に上限を設定する運転モードであることを特徴とする。
このように運転モードとして、スロットルバルブの開度に上限を設定することによって吸気圧上昇を抑制できるので、キャニスタからのパージが促進される。
請求項8に記載の蒸発燃料処理装置では、請求項5又は6に記載の蒸発燃料処理装置において、内燃機関は車両走行用駆動源として電動モータと共に車両に搭載されたものであり、前記封鎖弁開弁後制御手段は、電動モータが電源とするバッテリの残量が所定残量以下では、前記運転モードは実行しない内燃機関運転状態でパージ制御を実行することを特徴とする。
パージが促進される運転モードを実行している期間では、内燃機関の出力に制約を受けることになる。しかし、ハイブリッド車両のごとく車両走行用駆動源として内燃機関と電動モータとが存在する場合には、バッテリを電源とする電動モータの出力を用いることにより、パージが促進される運転モードを実行しても車両走行に支障を来すことはない。
ただし、バッテリの残量が所定残量以下の場合には、電動モータの出力による適切な走行ができなくなるおそれがある。このことから、封鎖弁開弁後制御手段は、バッテリの残量が所定残量以下では、前記運転モードは実行しない。このことにより安定した車両走行を継続させることができる。
実施の形態1のハイブリッド車両における車両走行用駆動源及びその制御系の構成図。 実施の形態1のECUが実行するパージ制御処理のフローチャート。 実施の形態1のECUが実行する圧力抜き処理のフローチャート。 実施の形態1の制御の一例を示すタイミングチャート。
[実施の形態1]
〈構成〉図1は上述した発明が適用されたハイブリッド車両における車両走行用駆動源及びその制御系2を表している。車両走行用駆動源は、後述するパージ機構を備えた内燃機関燃料系4を有する内燃機関6と、電動モータ(ここではモータジェネレータMG2)とからなる。この内燃機関6はガソリンエンジンである。制御系2は、後述するECU70を中心とした構成であり各部を駆動するためのアクチュエータと各種センサ・スイッチ類とを含むものである。
内燃機関6及びモータジェネレータMG2からの回転駆動力は減速機構8により減速されて、駆動輪10に伝達される。尚、モータジェネレータMG2にはバッテリ12の電力が、電力制御ユニット14を介して供給されることにより、モータジェネレータMG2から回転駆動力が出力される。電力制御ユニット14はバッテリ12の残量SOCを常に検出している。
内燃機関6と減速機構8との間には、動力分割機構16が配置されており、内燃機関6の回転駆動力を、減速機構8側と、発電機としてのモータジェネレータMG1とに分割して供給可能としている。
尚、2つのモータジェネレータMG1,MG2は、それぞれ発電機としても電動モータとしても機能し、必要に応じてその間の機能を切り換えることができる。
内燃機関6における各気筒の吸気ポート22にはそれぞれ燃料噴射弁24が配置されている。これらの燃料噴射弁24には、燃料タンク26内に貯留されている燃料が、燃料ポンプモジュール28により、燃料経路28aを介して圧送されて来る。そして燃料噴射制御により、燃料噴射弁24から所定のタイミングで吸気中に燃料が噴射され、各気筒に吸入されて燃焼される。このことにより内燃機関6が駆動運転される。
更に燃料ポンプモジュール28に付属する形で燃料温度センサ28bが配置されている。この燃料温度センサ28bにより内燃機関燃料系4の燃料温度、ここでは特に燃料タンク26内の燃料温度Tfを検出している。
燃料タンク26内には、フロート30aにより燃料タンク26内の燃料液面レベルSGLを検出するためのフューエルセンダーゲージ30が設けられている。燃料タンク26の上部にはタンク内圧センサ32が設けられて、燃料タンク26の上部空間26a内の圧力(タンク内圧Ptf)を検出している。
給油時における燃料タンク26内への燃料導入は、フューエルインレットパイプ34から行われる。燃料タンク26の上部空間26aは蒸発燃料通路35によりキャニスタ36に接続されている。キャニスタ36は内部に燃料蒸気を吸着する活性炭などの吸着材を備えている。
蒸発燃料通路35の途中には封鎖弁38aとリリーフ弁38bとを備えた封鎖弁ユニット38が設けられている。封鎖弁38aは、開弁状態と閉弁状態とで切り換えられる電磁弁であり、給油時に封鎖弁38aが開弁状態とされることで、燃料タンク26の上部空間26aとキャニスタ36とが蒸発燃料通路35により連通する。このことにより燃料タンク26の上部空間26aに発生している燃料蒸気をキャニスタ36側へ排出でき、キャニスタ36ではその燃料蒸気が吸着される。
封鎖弁38aを閉弁状態にすると蒸発燃料通路35が封鎖され、燃料タンク26の上部空間26aに発生している燃料蒸気をキャニスタ36側へ排出できなくなる。すなわち燃料タンク26内は密閉される。尚、リリーフ弁38bは、燃料タンク26側の蒸発燃料通路35内の圧力と、キャニスタ36側の蒸発燃料通路35の圧力との差が過大となると開弁して過大な差圧を解消させるものである。
キャニスタ36にはフューエルインレットパイプ34に設けられたフューエルインレットボックス34aに連通する大気通路40が接続されている。この大気通路40には途中にエアフィルタ40aが設けられている。更に大気通路40には、エアフィルタ40aよりもキャニスタ36側の位置に、常開型電磁弁としての大気開放弁42が設けられている。
キャニスタ36は、パージ通路44により、内燃機関6の吸気通路46に対して、吸入空気量を調節するスロットルバルブ48よりも下流の位置で接続されている。パージ通路44の途中には常閉型電磁弁としてのパージ制御弁50が配置されている。
このパージ制御弁50と大気開放弁42とが開弁状態とされることでパージが実行される。すなわち吸気通路46内の吸気負圧がパージ通路44側からキャニスタ36内に導入されることでキャニスタ36内の吸着材から燃料蒸気が離脱して、大気通路40側から導入される空気の気流中に放出される。そして燃料蒸気は、気流に乗ってパージ通路44から吸気通路46内を流れる吸気中に放出される。そしてサージタンク52内に流れ込んだパージ燃料蒸気を含む吸気は各気筒の吸気ポート22に分配され、燃料噴射弁24から噴射される燃料と共に、各気筒の燃焼室内に流れ込んで燃焼されることになる。
吸気通路46においては、エアフィルタ54とスロットルバルブ48との間にエアフロメータ56が設けられて、内燃機関6に供給される吸入空気量GA(g/sec)を検出している。
内燃機関6から燃焼後の排気を排出する排気通路58には空燃比センサ60が設けられて排気成分から空燃比を検出している。
この他、車両ドライバーが操作するアクセルペダルに設けられてアクセル開度ACCPを検出するアクセル開度センサ62、内燃機関6のクランク軸の回転数NEを検出する機関回転数センサ64、IGSW(イグニションスイッチ)66、その他のセンサ・スイッチ類が設けられて、それぞれ信号を出力している。他の信号としては、例えば冷却水温、吸気温、車速などが挙げられる。
燃料温度センサ28b、フューエルセンダーゲージ30、スロットル開度センサ48a、エアフロメータ56、空燃比センサ60、アクセル開度センサ62、機関回転数センサ64、IGSW66などの検出信号は、マイクロコンピュータを中心として構成されているECU(電子制御ユニット)70に入力される。
そして、このような信号データや予め記憶されたり算出されたりするデータに基づいて、ECU70は演算処理を実行して、燃料噴射弁24からの燃料噴射量、スロットルバルブ48の開度TAなどを制御する。
更にECU70は、給油後において内燃機関6が運転されている期間においてパージ制御処理を実行する。このパージ制御処理は、給油に伴って封鎖弁38aが開弁されることにより燃料タンク26側から蒸発燃料通路35を介してキャニスタ36側に吸着された燃料蒸気を、内燃機関運転中に吸気通路46に放出する処理である。
このパージ制御処理では、パージ制御弁50の開弁をデューティ制御することでパージ率を調節して、キャニスタ36に吸着されている燃料蒸気を、パージ通路44を介して吸気通路46へ放出する。尚、このときにパージされる燃料蒸気濃度Cpfは、空燃比制御における空燃比の制御ずれ量に基づいて、パージ制御中に周期的に行われる演算により学習値として求められる。
そしてこのように求められている燃料蒸気濃度Cpf、パージ率及び吸入空気量GAに基づいてキャニスタ36からの燃料蒸気の離脱量を周期的に演算し、この離脱量が所定量(ここではキャニスタ36の全吸着量)に到達してキャニスタ36の吸着燃料蒸気が全て離脱されたことが判明すると、パージを完了する。
このパージ制御処理では、内燃機関6の空燃比に急激な変動を与えないように目標パージ率を設定している。このことにより、空燃比に基づいて周期的な演算により求められている燃料蒸気濃度Cpfや、キャニスタ36からの燃料蒸気離脱量を高精度に求めている。
給油時以外においても封鎖弁38aが一時的に開弁して多量の燃料蒸気がキャニスタ36に流れ込む処理がなされる場合がある。このような処理として、ECU70は、タンク内圧センサ32により検出されるタンク内圧Ptfが上限値より高くなると、封鎖弁38aを開弁することで、燃料タンク26の上部空間26a内の気体をキャニスタ36側に排出する圧力抜き処理を実行している。
このようなタンク内圧Ptfの上昇は、内燃機関運転に伴う発熱により燃料タンク26が昇温し、このことにより燃料タンク26の上部空間26aでの燃料蒸気圧が上昇することにより生じる。
〈作用〉次に本実施の形態の作用について、ECU70が実行するパージ制御処理(図2)及び圧力抜き処理(図3)により説明する。本処理は短時間周期で繰り返し実行される処理である。尚、個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
パージ制御処理(図2)が開始されると、まず圧力抜き後パージモードが設定されているか否かが判定される(S102)。この圧力抜き後パージモードは、後述する圧力抜き処理(図3)にて封鎖弁38aが圧力抜きのために開弁した場合に設定されるモードである。
ここで圧力抜き後パージモードが設定されていなければ(S102でNO)、通常時のパージ制御処理が実行される(S104)。すなわち前述したごとく、給油中にキャニスタ36に吸着された燃料蒸気の全量を、給油後の内燃機関6が運転されている期間において、吸気通路46にパージする処理が行われる。
図4のタイミングチャートは本実施の形態での制御の一例を示している。タイミングt0以前に燃料タンク26に対して給油が行われ、その後の内燃機関運転期間(t0〜t1)に、前記ステップS104にて説明したごとくの通常時のパージ制御処理が実行されている。
パージ制御処理(図2)において圧力抜き後パージモードが設定されていれば(S102でYES)、ステップS106以下の処理が実行される。これらの処理の説明に先立って、圧力抜き後パージモードを設定する圧力抜き処理(図3)について説明する。
圧力抜き処理(図3)では、まず封鎖弁38aの開弁による燃料タンク26の圧力抜きの開始前か否かが判定される(S152)。ここで燃料タンク26の圧力抜き開始前であるとすると(S152でYES)、次にタンク内圧Ptfが上限値を越えているか否かが判定される(S154)。タンク内圧Ptfが上限値以下であれば(S154でNO)、このまま処理を出る。以後、タンク内圧Ptf≦上限値である限り、圧力抜き処理(図3)ではステップS152,S154の判定のみで実質的な処理はなされない。
図4の例において、タイミングt1からは間欠運転制御のために一時的に内燃機関停止状態にされているが、その直前の内燃機関運転(t0〜t1)で発生した燃焼熱により燃料タンク26内の燃料温度は上昇する。そして、この燃料温度上昇に対応して燃料蒸気圧が次第に高くなる。
この燃料蒸気圧上昇によりタンク内圧Ptfが上限値を越えた場合(t2)、圧力抜き処理(図3)では、タンク内圧Ptf>上限値と判定される(S154でYES)。
この判定により、パージ実行停止がなされる(S156)。図4の例では間欠運転制御により内燃機関自動停止中でありパージ制御弁50は閉じられてパージは実行されていない。したがって、特にパージ実行停止のためのパージ制御弁50の閉弁処理は実行しない。ただし内燃機関6が運転されていて、パージ実行中であれば、パージ制御弁50は完全に閉じられ、パージが強制的に停止される。
次に最新の燃料蒸気濃度Cpf、すなわち直前のパージ制御時において最後に算出されている燃料蒸気濃度Cpf(図4ではタイミングt1にて算出されている燃料蒸気濃度Cpf)が燃料蒸気濃度記憶値Caとして記憶される(S158)。この燃料蒸気濃度Cpfは、前述したごとく空燃比制御における空燃比の制御ずれ量に基づいてパージ制御中に周期的に演算されることにより学習値として求められているものである。尚、強制的にパージ実行を停止した場合には、その強制停止時に算出されている燃料蒸気濃度Cpfが燃料蒸気濃度記憶値Caとして記憶される。
ステップS158の次には封鎖弁38aの開弁による圧力抜きが実行される(S160:t2〜)。こうして本処理を出る。したがってステップS158の処理は、封鎖弁38aの開弁実行前において検出された最新の燃料蒸気濃度Cpfを燃料蒸気濃度記憶値Caとして記憶する処理に相当する。
圧力抜きのための封鎖弁38aの開弁時には、大気開放弁42は既に開放状態であるので、燃料タンク26の上部空間26aの燃料蒸気は、封鎖弁38aの開弁により蒸発燃料通路35を介してキャニスタ36側へ流れてキャニスタ36に吸着される。
圧力抜き処理(図3)の次の実行周期では、封鎖弁38aの開弁による燃料タンク26の圧力抜きの開始がなされているので(S152でNO)、次に圧力抜きが完了したか否かが判定される(S164)。封鎖弁38aの開弁によりタンク内圧Ptfが十分低下していれば、ここではほぼ大気圧に近くなれば、圧力抜き完了となるが、このタイミングで未だ圧力抜きが完了していないとすると(S164でNO)、このまま本処理を出る。
以後、圧力抜きが完了していなければ、ステップS164でNOと判定される状態が継続する(t2〜)。
そしてタンク内圧Ptfがほぼ大気圧となることにより圧力抜きが完了したと判定されると(S164でYES)、封鎖弁38aが閉弁される(S166:t3)。
次にパージ制御において算出されている各種の制御演算値がリセットされて初期値が設定される(S168)。ここでは燃料蒸気濃度Cpf及びパージ率などをリセットして初期値に戻す。このことにより、以後になされる圧力抜き後パージモードでは、キャニスタ36に吸着されている燃料蒸気をパージするに際して、最初の制御状態からパージ制御を開始することになる。
次に間欠運転制御を禁止する設定を行う(S170)。このことにより内燃機関6は自動停止されなくなる。したがってパージ制御処理を実行してもパージは中断されない。
そして圧力抜き後パージモードを設定して(S172)、ステップS156にて停止したパージ実行を許可して(S174)、本処理を出る。
ステップS166で封鎖弁38aが閉弁されたことにより、圧力抜き開始前の状態に戻る。このことから以後の実行周期ではステップS152でYESと判定される。そしてタンク内圧Ptfは上限値よりも十分に低下しているので(S154でNO)、このまま本処理を出る。
こうして圧力抜き処理(図3)では、燃料タンク26の圧力抜きが完了した後に、ステップS152,S154の判定を繰り返す状態に戻る(t3〜)。ただし、パージモードは、圧力抜き後パージモードが設定された状態に変化している。
パージ制御処理(図2)の説明に戻り、圧力抜き処理(図3)のステップS172にて圧力抜き後パージモードが設定されると(S102でYES)、次にバッテリ12の残量SOCが所定残量Sf以上存在するか否かが判定される(S106)。ここで所定残量SfはモータジェネレータMG2の駆動力のみで車両を走行できるバッテリ12の残量SOCを判断するための指標である。
ここで残量SOC≧所定残量Sfであれば(S106でYES)、車両走行中においても、モータジェネレータMG2により車両走行することにより、内燃機関6については一定の低仕事量状態での運転が可能である。このため内燃機関6に対する要求仕事量PEを一定とする内燃機関運転制御を実行する(S108)。ここでは要求仕事量PEは低仕事量であり、負荷が低いので吸気圧が低く維持される。
残量SOC<所定残量Sfであれば(S106でNO)、内燃機関6について一定の低仕事量状態での運転は不可能であることから、要求仕事量PEを一定とする内燃機関運転制御(S108)は実行しない。
ステップS108の実行後、あるいはステップS106でNOと判定された後に、圧力抜き後のパージ制御が実行される(S110)。具体的には給油後に実行される通常時のパージ制御と同様に、パージ制御弁50の開弁をデューティ制御することでパージ率を調節し、パージ通路44から吸気通路46へ、キャニスタ36に吸着されている燃料蒸気を離脱して放出する制御が開始される。
この圧力抜き後パージ制御では、前記通常時のパージ制御処理と同様に、パージされる燃料蒸気濃度Cpfは、空燃比制御における空燃比の制御ずれ量に基づいて、パージ制御中に周期的に演算されることにより学習値として求められる。そしてこの燃料蒸気濃度Cpf、パージ率及び吸入空気量GAに基づいてキャニスタ36内に吸着された燃料蒸気の離脱量を周期的に演算する。
この圧力抜き後のパージ制御では、通常時のパージ制御処理と同様に、内燃機関6の空燃比に急激な変動を与えないように目標パージ率を設定するが、特にバッテリ残量SOC≧所定残量Sfでは、要求仕事量PEが一定に維持された状態でパージ制御がなされることになる。したがって、安定した内燃機関運転状態において制御されている空燃比に基づいて周期的な演算により学習値として求められている燃料蒸気濃度Cpfやキャニスタ36からの燃料蒸気離脱量は、特に高精度な値として得られることになる。
そして、次にこの圧力抜き後のパージ制御にて算出される燃料蒸気濃度Cpfが、圧力抜き処理(図3)のステップS158にて記憶した燃料蒸気濃度記憶値Caと同等のレベルに戻ったか否かが判定される(S112)。ここで「同等のレベルに戻る」とは、燃料蒸気濃度Cpfが、燃料蒸気濃度記憶値Caと完全に同一の値あるいはこれよりも低濃度になった状態である、あるいは燃料蒸気濃度記憶値Caより少し高濃度側に設定した閾値と一致あるいはこれよりも低濃度になった状態としても良い。
前出したごとく、圧力抜き後パージ制御では、制御開始前に圧力抜き処理(図3)のステップS168にて、各種制御演算値が初期化されている。したがって算出されている燃料蒸気濃度Cpfの初期値は、あらためて最初から学習演算するために特定の低い値に設定されている(図4:t3)。
しかし封鎖弁38aの開弁後ではキャニスタ36には多量の燃料蒸気が吸着されており、実際にパージされる燃料蒸気濃度は、燃料蒸気濃度Cpfの初期値よりも十分に高い。(尚、図4の燃料蒸気濃度Cpfのタイミングチャートでは、上方が低濃度、下方が高濃度を示す。)
したがって、前述したごとく空燃比に基づいて周期的な演算がなされることにより正確な燃料蒸気濃度Cpfが算出されるようになり、燃料蒸気濃度Cpfと実際にパージされる燃料蒸気濃度との差は解消されてゆく。
このため圧力抜き後パージ制御処理の当初においては、燃料蒸気濃度Cpfは燃料蒸気濃度記憶値Caより低濃度状態を示すが、しばらくして空燃比に基づく周期的な演算により、燃料蒸気濃度Cpfの値は実際にパージされる燃料蒸気濃度に近づくため、一旦、燃料蒸気濃度記憶値Caを横切る(図4:t4)。このように燃料蒸気濃度記憶値Caを越えてから(t4〜)、燃料蒸気濃度Cpfは実際にパージされている燃料蒸気濃度を表す状態となる。
その後、パージが継続することで燃料蒸気濃度Cpfは次第に低下(図4のタイミングチャートでは実線の上昇部分)して燃料蒸気濃度記憶値Caと同等のレベルに戻る(t5)。このように燃料蒸気濃度Cpfが燃料蒸気濃度記憶値Caと同等のレベルに戻るまでは、ステップS112ではNOと判定される。
尚、ステップS112でNOと判定された場合に、スロットルバルブ48の開度(スロットル開度TA)の制限設定がなされる(S114)。このスロットル開度TAの制限設定は、スロットルバルブ48の下流側における吸気負圧を高めて、パージを促進するためになされる。
こうして本処理を出る。以後、燃料蒸気濃度Cpfが燃料蒸気濃度記憶値Caと同等のレベルに戻るまでは、スロットル開度TAの制限設定状態での圧力抜き後パージ制御が継続する。
このような迅速なパージ制御が継続した後に、燃料蒸気濃度Cpfが燃料蒸気濃度記憶値Caと同等のレベルに戻ると(t5)、ステップS112にてYESと判定される。
そして次にスロットル開度TAの制限設定が解除され(S116)、要求仕事量PE一定での内燃機関運転制御が解除され(S118)、間欠運転制御禁止が解除され(S120)、圧力抜き後パージモードが解除されて(S122)、本処理を出る。
次の実行周期では、圧力抜き後パージモードが解除されたことから、ステップS102にてNOと判定されて、通常時のパージ制御が実行されるようになる(S104)。尚、図4の例では、直ちに間欠運転制御による内燃機関6の自動停止に入っているため、実際のパージは中断している(t5〜)。
又、タンク内圧Ptf>上限値(S154でYES)となったタイミングが、既に通常のパージ制御にてパージが完了していた場合には、圧力抜き後パージモードが解除されて(S102でNO)、通常のパージ制御実行状態(S104)に戻っても、実際にはパージは完了することになる。
〈請求項との関係〉上述した構成において制御系2及び内燃機関燃料系4が蒸発燃料処理装置に相当し、ECU70がパージ制御手段、パージ濃度検出手段、最新パージ濃度記憶手段、封鎖弁開弁手段、封鎖弁開弁後制御手段、及び封鎖弁開弁後制御終了手段に相当する。
パージ制御処理(図2)のステップS104,S110がパージ制御手段としての処理に相当する。空燃比制御における空燃比の制御ずれ量に基づいてパージされる燃料蒸気濃度Cpfを求める処理がパージ濃度検出手段としての処理に相当する。圧力抜き処理(図3)のステップS158が最新パージ濃度記憶手段としての処理に、ステップS154,S160が封鎖弁開弁手段としての処理に相当する。パージ制御処理(図2)のステップS106〜S110,S114及び圧力抜き処理(図3)のステップS168,S170〜S174が封鎖弁開弁後制御手段としての処理に相当する。パージ制御処理(図2)のステップS112〜S122が封鎖弁開弁後制御終了手段としての処理に相当する。
〈効果〉(1)タンク内圧Ptfが上限値を越えて封鎖弁38aが開弁し、このことにより圧力抜きが実行されると、この圧力抜きに対応する運転モード(S170,S108,S114)に内燃機関運転を制御している。このような運転モードによる内燃機関運転状態でのパージ制御は、燃料蒸気濃度Cpfが燃料蒸気濃度記憶値Caと同等のレベルに戻った場合に(S112でYES)、終了となり(S116〜S122)、元の通常時のパージ制御状態に戻る(S104)。
燃料蒸気濃度記憶値Caは、封鎖弁38aの開弁前において通常時のパージ制御状態での最新の燃料蒸気濃度Cpfを記憶したものである。燃料蒸気濃度Cpfはキャニスタ36内の燃料蒸気吸着量に高精度に対応していることから、燃料蒸気濃度記憶値Caは封鎖弁開弁前でのキャニスタ36の燃料蒸気吸着量に高精度に対応した値となっている。
このためステップS112の判定にてYESと判定されたタイミングでは、キャニスタ36内の燃料蒸気吸着量は、吸着量が全て離脱している場合も含めて正確に封鎖弁開弁前でのキャニスタ36内の吸着量に戻っていることになる。
したがって元のパージ制御においてパージ途中で封鎖弁38aが開弁された場合には、ステップS112にてYESと判定された後は、正確にキャニスタ36の吸着量が封鎖弁開弁前に戻った状態で元のパージ制御によるパージが再開できる。したがって、その後、正確にキャニスタ36の吸着量が全て離脱したタイミングでパージを終了できる。
又、キャニスタ36内の燃料蒸気が全て離脱している状態で封鎖弁38aが開弁された場合には、ステップS112にてYESと判定されたタイミングでは正確にキャニスタ36の吸着量が全て離脱した状態となっているので、元のパージ制御に戻ったタイミングでパージは終了することになる。
このようにパージ完了が高精度に判断でき、パージが必要以上に延長されて内燃機関6の燃費が悪化したり、あるいはパージ完了が早すぎて再度の給油時でキャニスタ36における吸着不足が生じたりすることがない。
こうしてタンク内圧Ptfの上昇に伴って封鎖弁38aを開弁しても以後のパージ制御の精度を維持でき、適切にキャニスタ36の吸着量管理ができる。
(2)圧力抜き後のパージ制御(S110)を実行するに当たって、封鎖弁38aの開弁前において通常時のパージ制御(S104)がパージ途中であってパージが完了していない状態であったとしても、パージ制御を初期状態に戻している(S168)。このことにより、封鎖弁開弁後のパージ制御(S110)は、パージ途中の制御状態から継続されるのではなく、最初からパージする制御状態に戻される。
すなわち、ここでは空燃比フィードバック制御に基づいて燃料蒸気濃度Cpfが算出されているが、この燃料蒸気濃度Cpfやパージ率などを初期値に戻したり、空燃比フィードバック補正係数などの学習値を最初から新たに演算したりして、学習演算を再度最初から実行している。
このためパージ制御途中で、封鎖弁38aが開弁して、キャニスタ36における吸着量が不連続に増加してパージされる燃料蒸気濃度Cpfが急激に上昇しても、初期値からパージ制御を開始しているため制御上の各種演算値が大きく変動することがない。このため高精度な燃料蒸気濃度Cpfが求められ、以後のパージ制御の精度を維持できる。
(3)封鎖弁38aの開弁に対応する運転モード(S170,S108,S114)は、パージが促進される運転モードである。したがってキャニスタ36内の燃料蒸気吸着量を、迅速に封鎖弁38aの開弁直前の状態に戻すことができる。しかも燃料蒸気濃度Cpfが燃料蒸気濃度記憶値Caと同等のレベルに戻ると、このような運転モードは終了する。このため、何時までもこのような特別な運転モードは継続せず早期に終了するので、内燃機関6の燃費が悪化しない。
(4)特に、ステップS108の処理では、一定の低仕事量に制御している。このことによりパージが促進されると共に、空燃比フィードバック制御やパージ制御が安定化して、パージされる燃料蒸気濃度Cpfやキャニスタ36からの燃料蒸気離脱量が高精度に判明するので、パージ状態を高精度に管理できる。
(5)圧力抜き後のパージ制御では、スロットル開度TAに制限を設けている(S114)。このためバッテリ12の残量SOCが所定残量Sf未満で(S106でNO)、要求仕事量PE一定での内燃機関運転(S108)が不可能となっていても、スロットルバルブ48より下流の吸気通路46内での吸気負圧を確保できる。したがってバッテリ12の残量SOCが少なくても、パージ促進が可能である。
(6)パージが促進される運転モードを実行すると内燃機関6の出力に制約が生じる。しかしハイブリッド車両用の内燃機関6であることから、バッテリ12の残量SOCが所定残量Sf以上であれば(S106でYES)、バッテリ12を電源とする電動モータ(ここではモータジェネレータMG2)の出力を用いることにより、要求仕事量PE一定での内燃機関運転(S108)としても、車両走行に支障を来すことはない。
バッテリ12の残量SOCが所定残量Sf未満の場合には(S106でNO)、モータジェネレータMG2の出力による適切な走行ができなくなるおそれがある。この場合には、要求仕事量PE一定での内燃機関運転(S108)は実行しないようにすることにより安定した車両走行を継続させることができる。この場合は前記(5)に説明したごとく吸気負圧を確保できるのでパージ促進は可能である。
[その他の実施の形態]
・封鎖弁38aの開弁後の制御として、パージ制御処理(図2)では、ステップS106,S108は実行せずに、ステップS114のスロットル開度TAの制限によるパージ促進のみを実行しても良い。
あるいは、パージ制御処理(図2)では、ステップS114は実行せずに、ステップS106,S108によるパージ促進のみを実行しても良い。
あるいは、パージ制御処理(図2)ではステップS106,S108,S114を実行せずに、圧力抜き処理(図3)の間欠運転制御禁止設定(S170)によるパージ促進のみを実行しても良い。
あるいは、圧力抜き処理(図3)では間欠運転制御禁止設定(S170)は実行せずに、パージ制御処理(図2)のステップS106,S108あるいはステップS114によるパージ促進のみを実行しても良い。
・前記実施の形態において、空燃比センサ60でなく、酸素センサを用いて空燃比制御を実行しても良い。
・前記実施の形態では、車両はハイブリッド車両であるが、通常のガソリンエンジン車両でも良い。この場合には、間欠運転制御及びこれに関連する処理はなされない。
2…制御系、4…内燃機関燃料系、6…内燃機関、8…減速機構、10…駆動輪、12…バッテリ、14…電力制御ユニット、16…動力分割機構、22…吸気ポート、24…燃料噴射弁、26…燃料タンク、26a…上部空間、28…燃料ポンプモジュール、28a…燃料経路、28b…燃料温度センサ、30…フューエルセンダーゲージ、30a…フロート、32…タンク内圧センサ、34…フューエルインレットパイプ、34a…フューエルインレットボックス、35…蒸発燃料通路、36…キャニスタ、38…封鎖弁ユニット、38a…封鎖弁、38b…リリーフ弁、40…大気通路、40a…エアフィルタ、42…大気開放弁、44…パージ通路、46…吸気通路、48…スロットルバルブ、48a…スロットル開度センサ、50…パージ制御弁、52…サージタンク、54…エアフィルタ、56…エアフロメータ、58…排気通路、60…空燃比センサ、62…アクセル開度センサ、64…機関回転数センサ、66…IGSW、70…ECU、MG1,MG2…モータジェネレータ。

Claims (8)

  1. 内燃機関の燃料タンク、キャニスタ、キャニスタと燃料タンクとを接続する蒸発燃料通路、蒸発燃料通路に設けられた封鎖弁、キャニスタと内燃機関の吸気通路とを接続するパージ通路、パージ通路に設けられたパージ制御弁、及びパージ制御弁の開度によりパージ率を調節することでパージ制御を実行するパージ制御手段を備えた蒸発燃料処理装置であって、
    パージされる燃料蒸気の濃度を検出するパージ濃度検出手段と、
    前記燃料タンクの内圧が上限値を越えると前記封鎖弁を開弁する封鎖弁開弁手段と、
    前記封鎖弁開弁手段による前記封鎖弁の開弁実行前において前記パージ濃度検出手段により検出された最新の燃料蒸気濃度を記憶する最新パージ濃度記憶手段と、
    前記封鎖弁開弁手段による前記封鎖弁の開弁実行後に、この封鎖弁開弁に対応する運転モードに内燃機関運転を制御した状態でパージ制御を実行する封鎖弁開弁後制御手段と、
    前記パージ濃度検出手段により検出される燃料蒸気濃度が、前記最新パージ濃度記憶手段にて記憶されている燃料蒸気濃度と同等のレベルに戻ると、前記封鎖弁開弁後制御手段による制御を終了する封鎖弁開弁後制御終了手段と、
    を備えたことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 請求項1に記載の蒸発燃料処理装置において、前記封鎖弁開弁後制御手段は、前記パージ制御手段によるパージ制御を初期状態に戻してから、パージ制御を実行することを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載の蒸発燃料処理装置において、前記封鎖弁開弁後制御手段による前記運転モードは、パージが促進される運転モードであることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  4. 請求項3に記載の蒸発燃料処理装置において、内燃機関は車両走行用駆動源として電動モータと共に車両に搭載されたものであり、前記運転モードは、間欠運転制御による内燃機関の自動停止を禁止する運転モードであることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  5. 請求項3に記載の蒸発燃料処理装置において、前記運転モードは、内燃機関を低負荷とする運転モードであることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  6. 請求項3に記載の蒸発燃料処理装置において、前記運転モードは、内燃機関を一定の低仕事量とする運転モードであることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  7. 請求項3に記載の蒸発燃料処理装置において、前記運転モードは、前記吸気通路において、前記パージ通路が開口する位置よりも上流側に設けられたスロットルバルブの開度に上限を設定する運転モードであることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  8. 請求項5又は6に記載の蒸発燃料処理装置において、内燃機関は車両走行用駆動源として電動モータと共に車両に搭載されたものであり、前記封鎖弁開弁後制御手段は、電動モータが電源とするバッテリの残量が所定残量以下では、前記運転モードは実行しない内燃機関運転状態でパージ制御を実行することを特徴とする蒸発燃料処理装置。
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