JP2012241464A - 建物の天井構造 - Google Patents

建物の天井構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2012241464A
JP2012241464A JP2011114557A JP2011114557A JP2012241464A JP 2012241464 A JP2012241464 A JP 2012241464A JP 2011114557 A JP2011114557 A JP 2011114557A JP 2011114557 A JP2011114557 A JP 2011114557A JP 2012241464 A JP2012241464 A JP 2012241464A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceiling
attached
field
floor
field edge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011114557A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5582094B2 (ja
Inventor
Hideo Nagamatsu
英夫 永松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui House Ltd
Original Assignee
Sekisui House Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui House Ltd filed Critical Sekisui House Ltd
Priority to JP2011114557A priority Critical patent/JP5582094B2/ja
Publication of JP2012241464A publication Critical patent/JP2012241464A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5582094B2 publication Critical patent/JP5582094B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)

Abstract

【課題】施工費の低減を図りながらも、遮音性能を安定して高めることができる建物の天井構造を提供する。
【解決手段】この建物の天井構造は、建物上層階の床梁2に吊り下げ支持した複数の野縁受け12・・と、これら野縁受け12・・に対して略直交するように、野縁受け12・・の下側に取り付けた複数の野縁13・・と、これら野縁13・・の下側に取り付けた天井板16・・とを備え、一部又は全部の野縁13・・に対して、その長さ方向に沿って長尺の補強金具60・・を着脱可能に取り付けるとともに、それら補強金具60・・における長さ方向に間隔をあけた複数箇所に、重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパー70・・を装着している。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば住宅やマンション等の建物の天井構造に関する。
本発明者らは、例えば軽量鉄骨系プレハブ住宅における上層階から下層階へ伝搬する重量床衝撃音を低減するための対策として、上層階の床構成部材に支持された下層階の天井下地材に、複数の重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパーを分散配置させるといった遮音対策を提案している(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。このような遮音対策を講じることで、例えば床パネルの重量を重くするといった一般的な遮音対策に比べて、構造躯体に大きな負荷をかけることなく、重量床衝撃音を低減することができる。
具体的に、天井下地材は、上層階の床梁等に吊り具を介して吊り下げ支持した複数の野縁受けと、これら野縁受けに対して略直交するように、野縁受けの下側に取り付けた複数の野縁とを備え、これら野縁の下側には天井板が取り付けられている。そして、特許文献1に記載の遮音対策においては、野縁に対してダイナミックダンパーを装着しており、特許文献2に記載の遮音対策においては、野縁受けに対してダイナミックダンパーを装着している。
特開2006−77517号公報 特開2006−342580号公報
一般に、軽量鉄骨系プレハブ住宅の天井下地材に用いられる野縁は、断面略ロ字状の鋼製筒材からなり、天井板のビス止めを容易にするために、その肉厚が比較的薄肉となっている。また、野縁受けは、断面略コ字状の溝形鋼からなり、天井荷重を支えるために、その肉厚が比較的厚肉となっていて、野縁よりも剛性が高くなっているが、野縁に比べて配置本数が極端に少なくなっている。
ダイナミックダンパーは、質量体と弾性体とを組み合わせた構造となっていて、弾性体によって質量体を弾性支持するようにして装着されている。そして、上層階の床部で重量床衝撃音を伴う振動が発生すると、これに応じてダイナミックダンパーの質量体が振動することによって、天井板へ伝搬される重量床衝撃音を伴う振動を減衰して、重量床衝撃音が低減されるようになっている。ダイナミックダンパーの質量体の振動(ダイナミックダンパーの反力)を効率良く天井板に伝えて、重量床衝撃音を伴う振動を効果的に減衰するためには、ダイナミックダンパーを剛性の高い部材に装着する必要がある。
このため、剛性があまり高くない野縁に対してダイナミックダンパーを装着する場合には、ダイナミックダンパーの反力の伝達効率が低下して、遮音性能を高めることが難しくなるといった不具合があった。
特許文献1に記載の遮音対策では、野縁に対してダイナミックダンパーを装着するにあたって、短尺の取付金具を野縁に嵌合させており、これによってダイナミックダンパーの装着部位の剛性が高められているが、ダイナミックダンパーの反力は、取付金具を介して野縁に局部的に集中して伝わることから、野縁の変形を招き易くなって、ダイナミックダンパーの反力の伝達効率を格段に向上させるまでには至らず、依然として遮音性能を安定して高めることが困難であった。
一方、特許文献2に記載の遮音対策では、天井下地材全体の剛性を高めるとともに、ダイナミックダンパーの装着部位を増やして、ダイナミックダンパーを天井下地材全体に亘って分散配置するために、上層階の床梁等に吊り具を介して吊り下げ支持された野縁受けとは別に、吊り下げ支持されない複数の野縁受けを取り付けて、これら野縁受けに対してダイナミックダンパーを装着している。このため、ダイナミックダンパーの反力の伝達効率が格段に向上して、遮音性能を安定して高めることができる。
しかしながら、この場合、吊り下げ支持されない複数の野縁受けが別途必要とるだけでなく、これら野縁受けと野縁とを連結するための連結金具も数多く必要とすることから、施工費が増大するといった不具合があった。
この発明は、上記の不具合を解消して、施工費の低減を図りながらも、遮音性能を安定して高めることができる建物の天井構造の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、この発明の建物の天井構造は、建物上層階の床構成部材1に吊り下げ支持した複数の野縁受け12・・と、これら野縁受け12・・に対して略直交するように、野縁受け12・・の下側に取り付けた複数の野縁13・・と、これら野縁13・・の下側に取り付けた天井板16・・とを備え、一部又は全部の野縁13・・に対して、その長さ方向に沿って長尺の補強金具60・・を着脱可能に取り付けるとともに、それら補強金具60・・における長さ方向に間隔をあけた複数箇所に、重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパー70・・を装着したことを特徴とする。
具体的に、前記補強金具60は、前記野縁13を左右両側から挟み込む一対の側面部61、61と、これら側面部61、61の上端間を連結する上面部62とを備え、前記一対の側面部61、61に、前記ダイナミックダンパー70・・を夫々装着している。
また、前記補強金具60における一方の側面部61に装着したダイナミックダンパー70・・と、他方の側面部61に装着したダイナミックダンパー70・・とを、前記野縁13を挟んで左右対称となるように配置している。
さらに、前記ダイナミックダンパー70は、質量体71と弾性体72とを組み合わせてなり、このダイナミックダンパー70を、前記弾性体72によって前記質量体71を弾性支持するようにして、前記野縁13の高さ寸法内に収まるように水平方向に張り出した状態で配置している。
さらにまた、前記補強金具60を、前記野縁受け12・・と野縁13・・との各交差部を回避して取り付けている。
この発明の天井構造においては、上層階の床部での重量床衝撃音を伴う振動の発生に応じて、ダイナミックダンパーの質量体が振動すると、この質量体の振動(ダイナミックダンパーの反力)は、長尺な補強金具を介して長さ方向に分散された状態で、野縁全体に満遍なく伝わることになる。これにより、野縁の変形を極力抑えて、ダイナミックダンパーの反力を天井板に効率良く伝えることができ、重量床衝撃音の遮音性能を安定して高めることができる。しかも、このような遮音対策を施すにあたって、ダイナミックダンパー以外に補強金具を必要とするだけで、野縁受けを増設してダイナミックダンパーを装着する場合のような部品点数の大幅な増加を招くことがなく、施工費の低減を図ることができる。
また、補強金具の両方の側面部に、ダイナミックダンパーを装着しているので、野縁の左右両側においてダイナミックダンパーをバランス良く作用させることができる。特に、野縁を挟んで左右対称となるようにダイナミックダンパーを配置することで、野縁の左右両側においてダイナミックダンパーを均等に作用させることができる。これにより、ダイナミックダンパーの反力の伝達効率をより一層向上させて、重量床衝撃音の遮音性能を安定して高めることができる。
さらに、ダイナミックダンパーを、野縁の高さ寸法内に収まるように水平方向に張り出した状態で配置しているので、床下空間における配管や断熱材、吸音材等の施工に際して、ダイナミックダンパーが邪魔になり難く、施工性の向上を図ることができる。
さらにまた、補強金具を、野縁受けと野縁との各交差部を回避して取り付けるようにしているので、野縁受けに干渉することなく、補強金具を野縁に対して簡単に着脱させることができる。これにより、補強金具の取付本数を変更して、ダイナミックダンパーの設置個数を増減させるといった遮音性能の調整作業を容易に行うことができる。また、既設の天井部に対して、遮音対策を簡単に施すことができる。
この発明の一実施形態に係る天井構造を採用した建物の床・天井構造の一部破断斜視図である。 同じくその要部縦断面図である。 床パネルの斜視図である。 天井構造の要部斜視図である。 天井構造の概略平面図である。 防振吊り具の側面図である。 防振吊り具の防振ゴム付近の正面図である。 野縁受けと野縁の交差部付近の分解斜視図である。 野縁及び壁際野縁の端部付近の縦断面図である。 野縁のダンパー装着部分の分解斜視図である。 野縁のダンパー装着部分の縦断面図である。 ダイナミックダンパーの他の配置例を示す概略平面図である。 ダイナミックダンパーの別の配置例を示す概略平面図である。 ダイナミックダンパーのさらに別の配置例を示す概略平面図である。 重量床衝撃音の遮断性能試験の結果を示す図である。 軽量床衝撃音の遮断性能試験の結果を示す図である。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1及び図2は、この発明の一実施形態に係る天井構造を採用した床・天井構造を示している。この床・天井構造は、例えば軽量鉄骨系のプレハブ住宅に適用されており、建物上層階の床構成部材1に下層階の天井下地材10が支持されている。
床構成部材1は、例えばH形鋼からなる床梁2・・と、これら床梁2・・上に敷設した複数の床パネル3・・とを備えている。床パネル3は、図3に示すように、押出成形セメント板4の互いに略平行な複数の中空部4a・・の要所要所に、袋詰めした砂状無機材5・・を微動可能に充填してなり、その面密度が100〜120kg/m(好ましくは、120kg/m)であって、その厚みが100mm程度とされている。
この床パネル3においては、高い剛性を有するとともに、重量床衝撃音や軽量床衝撃音を伴う振動を砂状無機材5・・の微動により打ち消す効果を有していて、一般的なALCからなる床パネル(面密度が65kg/m、厚みが100mm)と比べて、重量床衝撃音及び軽量床衝撃音の遮音性能を5dB程度向上することができ、しかも重量については2倍以下、厚みについては略同等に抑えられている。なお、この床パネル3は、床梁2の上フランジ2a上に止め付け金具6によって止め付けられている。また、床パネル3・・上には、防湿シート7、パーティクルボード8、フローリング等の床仕上げ材9が順次敷設されている。
天井下地材10は、図1、図4及び図5に示すように、上層階の床梁2・・に複数の軽量床衝撃音低減用の防振吊り具11・・を介して吊り下げ支持されて、互いに略平行に配された複数の野縁受け12・・と、これら野縁受け12・・に対して略直交するように、野縁受け12・・の下側に取り付けられて、互いに略平行に配された複数の野縁13・・と、これら野縁13・・と同じ高さレベルで、野縁13・・と平行になるように建物内壁14に固定された複数の壁際野縁15・・とを備えている。そして、野縁13・・及び壁際野縁15・・の下側に、石膏ボード等からなる天井板16・・がビス止めされている。なお、天井下地材10の上側には、図1に示すように、吸音材17が適宜設けられている。
防振吊り具11は、図4、図6及び図7に示すように、床梁2に装着される梁装着部材20と、この梁装着部材20に取り付けられた圧縮型の防振ゴム21と、この防振ゴム21に貫通支持されて、野縁受け12に連結される吊りボルト22とを備えている。
梁装着部材20は、一対の側面部25、25と、これら側面部25、25の下端部間を連結する底面部26とによって、開放部分が上向きとなった略コ字状に形成されている。そして、一対の側面部25、25が床梁2に係合する係合部とされ、その底面部26が防振ゴム21を装着する装着部とされている。
側面部25、25には、嵌合溝25a、25aが横向きに夫々形成されており、これら嵌合溝25a、25aに床梁2の下フランジ2bを嵌め込むようにして、側面部25、25が床梁2に係合される。そして、この係合状態において、底面部26にねじ込んだ固定ボルト27の先端を下フランジ2bの下面に押し付けることで、梁装着部材20が床梁2に装着されるようになっている。
防振ゴム21は、略中央部を括れさせた略円筒状のゴム体を上下の鋼製プレートによって挟み込んだ構造となっていて、梁装着部材20の側面部25、25間において底面部26上から立ち上がるようにして装着されている。
吊りボルト22は、その上端部にカシメナット28が螺合された状態で、防振ゴム21及び梁装着部材20の底面部26を上下方向に貫通している。なお、カシメナット28は、防振ゴム21の上側プレートに回転可能に係合されるようになっている。
そして、吊りボルト22の下端部は、後述する野縁受け12の上側フランジ30を上下方向に貫通している。この吊りボルト22の下端部には、上下一対のナット29、29が螺合され、これらナット29、29を締め付けて野縁受け12の上側フランジ30を挟み込むことで、吊りボルト22の下端部に野縁受け12が取り付けられている。このように、軽量床衝撃音低減用の複数の防振吊り具11・・を使用して天井下地材10(野縁受け12・・)を吊り下げ支持することで、単なる吊り具を使用して吊り下げ支持するときと比べて、軽量床衝撃音の遮断性能を5dB程度向上することができるようになっている。
野縁受け12は、図6及び図8に示すように、例えば開放部分を側方へ向けるように配置された断面略コ字状の溝形鋼からなり、上下一対のフランジ30、30と、それらフランジ30、30の長手方向に沿った一端部同士を連結するウエブ31とを備えている。
野縁13は、図6及び図8に示すように、例えば断面略ロ字状の鋼製筒材からなり、その側面片40、40にはその長手方向に沿って係止溝41、41が夫々形成されている。この野縁13は、複数の連結具50・・を介して野縁受け12・・の下側に跨って取り付けられている。
連結具50は、図6及び図8に示すように、一対の側面部51、51と、これら側面部51、51の上端部間を連結する上面部52とによって、開放部分が下向きとなった略コ字状に形成されている。そして、上面部52には、一対の係合片53、53が形成されており、側面部51、51には、係止爪54、54が夫々形成されている。
この連結具50は、係合片53、53を野縁受け12の下側フランジ30に係合させることで、野縁受け12に取り付けられている。また、連結具50の側面部51、51間に野縁13の上部を差し入れて、係止爪54、54を野縁13の係止溝41、41に係合させることで、野縁13が支持されている。
また、野縁13・・及び壁際野縁15・・の端部は、図5及び図9に示すように、野縁13・・及び壁際野縁15・・に対して略直交するように、建物内壁14にビス45・・止めされた断面略コ字状の溝形鋼からなるランナー46に固定されている。具体的には、ランナー46の室内側に開放する溝部に、野縁13・・及び壁際野縁15・・の端部が差し込まれた状態で、ランナー46に野縁13・・及び壁際野縁15・・の端部がビス47・・止めされている。
このようにして構成された天井下地材10においては、野縁13・・に対して、その長さ方向に沿って長尺の補強金具60・・が着脱可能に夫々取り付けられている。補強金具60は、図4、図10及び図11に示すように、一対の側面部61、61と、これら側面部61、61の上端部間を連結する上面部62とによって、開放部分が下向きとなった断面略コ字状に形成されている。この補強金具60においては、その長さが例えば約1000mm以上で、且つ、野縁受け12・・間の配置間隔(例えば約2000mm)よりも短くなっており、その肉厚が例えば約1.6mmで、野縁13・・の肉厚(例えば約0.4mm)の3倍以上に設定されている。また、側面部61、61には、その長さ方向に間隔をあけて複数のリベット挿通用孔61a・・が夫々形成され、さらにリベット挿通用孔61a・・を回避するようにして、長さ方向に間隔をあけて複数の係止爪63・・が夫々形成されている。なお、係止爪63・・は、側面部61、61に切り込みを入れて、その切り込み箇所を内向きに押し込むことによって形成されている。
この補強金具60は、その側面部61、61によって野縁13を左右両側から挟み込むようにして、野縁13の上半分程度を覆うように上方から被せて、係止爪63・・を野縁13の係止溝41、41に係合させることで、野縁13に取り付けられている。これにより、野縁13と補強金具60とが一体化して、薄肉で強度的に弱い野縁13の剛性が高められた状態となっている。また、すべての補強金具60・・は、図1及び図5に示すように、野縁受け12・・と野縁13・・との各交差部すなわち連結具50・・による連結部位を回避するように取り付けられている。このため、天井下地材10を組み付けた状態のままで、野縁受け12・・に干渉することなく、補強金具60・・を野縁13・・に対して簡単に着脱させることができるようになっている。
そして、補強金具60の両方の側面部61、61には、その長さ方向に間隔をあけた複数箇所に、例えば63Hz帯域の振動に同調して振動する重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパー70・・が装着されている。なお、実際の施工に際しては、工場等において、ダイナミックダンパー70・・を補強金具60・・に予め装着した状態で現場へ搬入して、それらダイナミックダンパー70・・付きの補強金具60・・を野縁13・・に取り付けることで、施工性の向上を図るようにしている。
ダイナミックダンパー70は、図10に示すように、略直方体状に形成された例えば金属製の質量体71と、この質量体71よりも一回り小さな略直方体状に形成された例えば合成ゴム製の弾性体72とを接着一体化してなり、弾性体72における質量体71側とは反対側の側面には、一対のリベット挿通用孔73a、73aを有する金属製の装着板73が取り付けられている。
そして、ダイナミックダンパー70は、その装着板73を補強金具60の側面部61に当接させて、互いに一致するリベット挿通用孔61a、73a・・に挿通したリベット75、75により装着板73を側面部61にカシメ固定することで、弾性体72によって質量体71を弾性支持するようにして、補強金具60に装着されている。この装着状態において、図11に示すように、ダイナミックダンパー70は、野縁13の高さ寸法内に収まるように水平方向に張り出した状態で配置されている。これにより、床下空間における配管や断熱材、吸音材17等の施工に際して、ダイナミックダンパー70が邪魔になり難くなっている。なお、ダイナミックダンパー70と天井板16との間には、天井板16の上面に補強用の下地合板を追加的に張り付けることができるように、例えば約15mmの隙間が確保されている。
補強金具60における一方の側面部61に装着したダイナミックダンパー70・・と、他方の側面部61に装着したダイナミックダンパー70・・とは、野縁13を挟んで左右対称となるように配置されていて、図5に示すように、補強金具60の長さ方向に隣り合うダイナミックダンパー70・・の間隔L1が例えば約666mmとされている。また、野縁13・・は、図5に示すように、例えば約333mmの間隔L2をあけて同一平面上に配置されている。そして、ダイナミックダンパー70の1個当たりの重量は、200〜300gとされている。これにより、天井下地材10においては、その1m当たり(平面から見て1m四方の範囲内)のダイナミックダンパー70・・の総重量が、例えば2〜4kg(好ましくは、3kg)に設定されており、ダイナミックダンパーを設けていない天井下地材を採用するときと比べて、重量床衝撃音の遮断性能を5dB程度向上することができるようになっている。
ダイナミックダンパー70・・の配置については、上記に限定されるものではなく、例えば図12〜図14に示すように配置しても良い。図12においては、補強金具60における一方の側面部61に装着したダイナミックダンパー70・・と、他方の側面部61に装着したダイナミックダンパー70・・とは、野縁13を挟んで千鳥状に配置されていて、補強金具60の長さ方向に隣り合うダイナミックダンパー70・・の間隔L1aが例えば約666mmとされている。
図13においては、補強金具60における一方の側面部61に装着したダイナミックダンパー70・・と、他方の側面部61に装着したダイナミックダンパー70・・とは、野縁13を挟んで左右対称となるように配置されていて、補強金具60の長さ方向に隣り合うダイナミックダンパー70・・の間隔L1bが例えば約333mmとされている。また、図14においては、補強金具60における一方の側面部61に装着したダイナミックダンパー70・・と、他方の側面部61に装着したダイナミックダンパー70・・とは、野縁13を挟んで千鳥状に配置されていて、補強金具60の長さ方向に隣り合うダイナミックダンパー70・・の間隔L1cが例えば約333mmとされている。これらの場合、ダイナミックダンパー70・・を設けた野縁13と、ダイナミックダンパー70・・を設けない野縁13を交互に配置しても、天井下地材10の1m当たり(平面から見て1m四方の範囲内)のダイナミックダンパー70・・の総重量を例えば2〜4kg(好ましくは、3kg)に設定することができ、従って全部の野縁13に対して補強金具60・・を取り付けなくても、少なくとも半分程度の野縁13・・に補強金具60・・を取り付けるだけ済み、補強金具60・・の使用本数を半減することができる。
上記構成の床・天井構造においては、野縁13・・に対して、その長さ方向に沿って剛性の高い長尺の補強金具60・・が取り付けられて、それら補強金具60・・における長さ方向に間隔をあけた複数箇所に、ダイナミックダンパー70・・が装着されている。このため、上層階の床部で重量床衝撃音を伴う振動が発生して、これに応じてダイナミックダンパー70・・の質量体71・・が振動すると、この質量体71・・の振動(ダイナミックダンパー70・・の反力)は、補強金具60・・を介して長さ方向に分散された状態で、野縁13・・全体に満遍なく伝わることになる。これにより、剛性があまり高くない野縁13・・の変形を極力抑えて、ダイナミックダンパー70・・の反力を天井板16・・に効率良く伝えることができ、重量床衝撃音の遮音性能を安定して高めることができる。しかも、このような遮音対策を施すにあたって、ダイナミックダンパー70・・以外に補強金具60・・を必要とするだけで、野縁受けを増設してダイナミックダンパーを装着する場合のような部品点数の大幅な増加を招くことがなく、施工費の低減を図ることができる。
しかも、補強金具60の両方の側面部61、61に、ダイナミックダンパー70・・が装着されているので、野縁13の左右両側においてダイナミックダンパー70・・をバランス良く作用させることができ(特に、野縁13を挟んで左右対称となるようにダイナミックダンパー70・・を配置することで、野縁13の左右両側においてダイナミックダンパー70・・を均等に作用させることができ)、ダイナミックダンパー70・・の反力を天井板16・・へスムーズに伝達することができる。これにより、ダイナミックダンパー70・・の反力の伝達効率をより一層向上させて、重量床衝撃音の遮音性能を安定して高めることができる。
さらに、上記構成の床・天井構造においては、上記のようなダイナミックダンパー70・・の分散配置とともに、遮音性能の高い床パネル3・・及び軽量床衝撃音低減用の防振吊り具11・・を使用した複合的な遮音対策を講じている。これにより、重量床衝撃音及び軽量床衝撃音の遮音性能をそれぞれ10dB向上して、床衝撃音の遮音等級L−55(重量床衝撃音の遮音等級LH−55、軽量床衝撃音の遮音等級LL−55)を実現することができる。
図15は、以下に示す実施例及び比較例1〜3の床・天井構造に対して、重量床衝撃音の遮断性能試験(子供の飛び跳ね等による重量音を想定したバングマシン等を使用した試験)を実施したときの試験結果を示し、図16は、実施例及び比較例1〜3の床・天井構造に対して、軽量床衝撃音の遮断性能試験(スリッパのパタパタ音や軽量物を落とした音を想定したタッピングマシン等を使用した試験)を実施したときの試験結果を示している。
実施例の床・天井構造は、面密度120kg/mの床パネル3・・(以下、「高遮音床パネル」と称する。)を使用するとともに、防振吊り具11・・によって吊り下げ支持した天井下地材10において複数のダイナミックダンパー70・・を1m当たり3kgで分散配置した構造(以下、「高遮音天井下地」と称する。)となっている。比較例1の床・天井構造は、面密度65kg/mのALCからなる床パネル(以下、「ALC床パネル」と称する。)を使用するとともに、ダイナミックダンパーを設けていない天井下地材を単なる吊り具によって吊り下げ支持した構造(以下、「一般天井下地」と称する。)となっている。比較例2の床・天井構造は、「ALC床パネル」及び「高遮音天井下地」を採用した構造となっている。比較例3の床・天井構造は、「高遮音床パネル」及び「一般天井下地」を採用した構造となっている。
重量床衝撃音の遮断性能試験において、図15に示すように、比較例1ではLH−65、比較例2ではLH−60、比較例3ではLH−60、実施例ではLH−55であった。また、軽量床衝撃音の遮断性能試験においては、図16に示すように、比較例1ではLL−65、比較例2ではLL−60、比較例3ではLL−60、実施例ではLL−55であった。これにより、実施例においては、比較例2及び3と比べると、重量床衝撃音及び軽量床衝撃音の遮断性能がそれぞれ5dB程度向上し、比較例1と比べると、重量床衝撃音及び軽量床衝撃音の遮断性能がそれぞれ10dB程度向上しており、高い遮音性能を有することが判った。
以上に、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、この発明の天井構造は、また、軽量鉄骨系のプレハブ住宅だけでなく、木造住宅やRC造の建物に適用しても良い。
1・・床構成部材、12・・野縁受け、13・・野縁、16・・天井板、60・・補強金具、61・・側面部、62・・上面部、70・・ダイナミックダンパー、71・・質量体、72・・弾性体

Claims (5)

  1. 建物上層階の床構成部材(1)に吊り下げ支持した複数の野縁受け(12・・)と、これら野縁受け(12・・)に対して略直交するように、野縁受け(12・・)の下側に取り付けた複数の野縁(13・・)と、これら野縁(13・・)の下側に取り付けた天井板(16・・)とを備え、一部又は全部の野縁(13・・)に対して、その長さ方向に沿って長尺の補強金具(60・・)を着脱可能に取り付けるとともに、それら補強金具(60・・)における長さ方向に間隔をあけた複数箇所に、重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパー(70・・)を装着したことを特徴とする建物の天井構造。
  2. 前記補強金具(60)は、前記野縁(13)を左右両側から挟み込む一対の側面部(61)(61)と、これら側面部(61)(61)の上端間を連結する上面部(62)とを備え、前記一対の側面部(61)(61)に、前記ダイナミックダンパー(70・・)を夫々装着した請求項1記載の建物の天井構造。
  3. 前記補強金具(60)における一方の側面部(61)に装着したダイナミックダンパー(70・・)と、他方の側面部(61)に装着したダイナミックダンパー(70・・)とを、前記野縁(13)を挟んで左右対称となるように配置した請求項2記載の建物の天井構造。
  4. 前記ダイナミックダンパー(70)は、質量体(71)と弾性体(72)とを組み合わせてなり、このダイナミックダンパー(70)を、前記弾性体(72)によって前記質量体(71)を弾性支持するようにして、前記野縁(13)の高さ寸法内に収まるように水平方向に張り出した状態で配置した請求項2又は3記載の建物の天井構造。
  5. 前記補強金具(60)を、前記野縁受け(12・・)と野縁(13・・)との各交差部を回避して取り付けた請求項1乃至4のいずれかに記載の建物の天井構造。
JP2011114557A 2011-05-23 2011-05-23 建物の天井構造 Active JP5582094B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011114557A JP5582094B2 (ja) 2011-05-23 2011-05-23 建物の天井構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011114557A JP5582094B2 (ja) 2011-05-23 2011-05-23 建物の天井構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012241464A true JP2012241464A (ja) 2012-12-10
JP5582094B2 JP5582094B2 (ja) 2014-09-03

Family

ID=47463480

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011114557A Active JP5582094B2 (ja) 2011-05-23 2011-05-23 建物の天井構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5582094B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019060467A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 積水ハウス株式会社 ダイナミックダンパー

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006070494A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Tokai Rubber Ind Ltd 床構造
JP2008248507A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Sekisui Chem Co Ltd ダンパー、床構造、建物ユニット、ユニット建物及び建物
JP2010159553A (ja) * 2009-01-07 2010-07-22 Sekisui House Ltd 建物の天井構造

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006070494A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Tokai Rubber Ind Ltd 床構造
JP2008248507A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Sekisui Chem Co Ltd ダンパー、床構造、建物ユニット、ユニット建物及び建物
JP2010159553A (ja) * 2009-01-07 2010-07-22 Sekisui House Ltd 建物の天井構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019060467A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 積水ハウス株式会社 ダイナミックダンパー

Also Published As

Publication number Publication date
JP5582094B2 (ja) 2014-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5104764B2 (ja) 建物の天井構造
JP5505199B2 (ja) 建物の床・天井構造
JP2014012976A (ja) 建物
JP5582094B2 (ja) 建物の天井構造
JP4306644B2 (ja) 建物の天井構造
JP2013087479A (ja) 建築物の防音構造体及び床構造
JP5878766B2 (ja) 遮音天井構造
JP5114242B2 (ja) 防振・防音床下地構造
JP2013147870A (ja) 遮音床構造
JP2020076216A (ja) 間仕切壁構造、及びこの間仕切壁構造の施工方法
JP5793225B2 (ja) 床スラブ上の床下構造体
JP5454797B2 (ja) 床下構造体支持用の制振・遮音装置
JP7435271B2 (ja) 遮音構造
JP2016033298A (ja) 床構造および床パネル
JP6241648B2 (ja) 床構造、防振用架台
JP2012122315A (ja) 非干渉型二重床構造体(1)
JP6485637B2 (ja) 床構造
JP6798841B2 (ja) 階段の振動抑制構造
AU2019100278A4 (en) Insulated Mounting Device
JP5613085B2 (ja) 床スラブ上の床下構造体
JP2012122316A5 (ja)
JP2003155797A (ja) 建築物における床支持構造
JP2022041604A (ja) 遮音構造及び建物
JP5038948B2 (ja) 遮音床構造
JP2012012829A (ja) 建物の天井構造

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20131220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131225

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131225

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20131225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140617

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140630

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5582094

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250