JP2012240615A - タイヤ空気圧モニター装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 送信機2dは、送信する無線信号を重複して複数のフレーム(第1〜第3フレーム)とし、各フレームを互いに間隔(例えば時間間隔100msec,140msec)をおいて送信し、各フレームに該フレームの送信時における送信機2dの回転位置情報(フレーム番号)を含め、車体側回転位置推定手段(回転位置演算部4a)は、複数のフレームのうち受信されたもの(例えば第2フレーム)の受信情報(フレーム番号等)に基づいて、送信機2dの送信時における回転位置(例えば歯数zt2)を推定する。
【選択図】 図3
Description
本発明の目的は、送信機の車輪位置をより精度良く判定できるタイヤ空気圧モニター装置を提供することにある。
〔実施例1〕
図1は、実施例1のタイヤ空気圧モニター装置の構成図である。図において、各符号の末尾のFLは左前輪、FRは右前輪、RLは左後輪、RRは右後輪に対応することを示す。以下の説明では、個別に説明する必要がない場合にはFL,FR,RL,RRの記載を省略する。
実施例1のタイヤ空気圧モニター装置は、TPMS(Tire Pressure Monitoring System)センサ2と、受信機3と、TPMSコントロールユニット(TPMSCU)4と、ディスプレイ5と、車輪速センサ(回転位置検出手段)8とを備える。TPMSセンサ2は各車輪1に装着され、受信機3、TPMSCU4、ディスプレイ5および車輪速センサ8は車体側に設けられている。
圧力センサ2aは、タイヤの空気圧[kPa]を検出する。
Gセンサ2bは、タイヤに作用する遠心方向加速度[G]を検出する。
センサCU2cは、ボタン電池2eからの電力により動作し、圧力センサ2aにより検出されたタイヤの空気圧情報とセンサID(識別情報)とを含むTPMSデータを無線信号により送信機2dから送信する。実施例1では、センサIDを1〜4とする。
受信機3は、車両に1つ設けられており、各TPMSセンサ2から出力された無線信号を受信してデコードし、TPMSCU4へ出力する。
ABSCU6は、各車輪速センサ8からの車輪速パルスに基づいて、各車輪1の車輪速を検出し、ある車輪がロック傾向にある場合、図外のABSアクチュエータを作動させて当該車輪のホイルシリンダ圧を増減または保持してロック傾向を抑制するアンチスキッドブレーキ制御を実施する。ABSCU6は、所定の時間間隔ΔT0(例えば、20msecの周期)で車輪速パルスのカウント値をCAN通信線7に出力する。
そこで、実施例1では、タイヤローテーション後の各センサIDと各車輪位置との対応関係をメモリ4dへの記憶更新により登録するために、タイヤローテーションが行われた可能性の有無を判断する。可能性がある場合、各TPMSセンサ2側ではTPMSデータの送信周期を変更し、TPMSCU4側ではTPMSデータの送信周期と各車輪速パルスとに基づいて各TPMSセンサ2がどの車輪のものであるのかを判定する。
TPMSセンサ2のセンサCU2cは、走行開始直前の車両停止判定時間が所定時間T1(例えば、15分)以上である場合、タイヤローテーションが行われた可能性があると判断する。
センサCU2cは、走行開始直前の車両停止判定時間が所定時間T1未満である場合、一定間隔(例えば、1分間隔)でTPMSデータを送信する「通常モード」を実施する。一方、センサCU2cは、車両停止判定時間が所定時間T1以上である場合、通常モードの送信間隔よりも短い間隔(例えば、約16秒間隔)であって、一定の回転位置でTPMSデータを送信する「定位置送信モード」を実施する。
TPMSCU4は、イグニッションスイッチのOFFからONまでの経過時間が所定時間T2(例えば、15分)以上である場合、タイヤローテーションが行われた可能性があると判断する。
TPMSCU4は、イグニッションスイッチのOFFからONまでの経過時間が所定時間T2未満である場合、各TPMSセンサ2から送信されたTPMSデータの空気圧情報に基づいて各車輪1のタイヤの空気圧を監視する「モニターモード」を実施する。一方、イグニッションスイッチのOFFからONまでの経過時間が所定時間T2以上である場合、各TPMSセンサ2の車輪位置を判定する「オートラーニングモード」を実施する。オートラーニングモードは、すべてのTPMSセンサ2の車輪位置を判定するまで、または、当該モードの開始から所定の累積走行時間(例えば、8分)が経過するまで実施する。すべてのTPMSセンサ2の車輪位置を判定した場合、または所定の累積走行時間が経過した場合、モニターモードへ移行する。
TPMSCU4は、オートラーニングモード中、ABSコントロールユニット(ABSCU)6からCAN通信線7を介して車輪速パルスのカウント値を入力し、以下に示すような車輪位置判定制御を実施する。
図4は、車輪位置判定制御を実施するためのTPMSCU4の制御ブロック図である。TPMSCU4は、回転位置演算部4aと、分散演算部4bと、車輪位置判定部4cと、メモリ4dとを備える。
回転位置演算部4aは、受信機3から出力されたデコード後のTPMSデータと、ABSCU6からCAN通信線7に出力された各車輪速パルスのカウント値を入力し、各TPMSセンサ2(送信機2d)の送信時(回転位置が最上点となったとき)における各車輪1の回転位置(ロータの歯数z)を演算する。ここで、「ロータの歯数」とは、車輪速センサ8がロータのどの歯をカウントしているかを示すものであり、車輪速パルスのカウント値をタイヤ1回転分のカウント値(1回転分の歯数z=48)で除算した余りで求めることができる。実施例1では、オートラーニングモードを開始してから最初に入力された車輪速パルスのカウント値を1回転分の歯数(=48)で除算した余りを基準歯数とし、以後は基準歯数からの車輪速パルスのカウント数(現在のカウント値-基準歯数)に基づいて歯数を決定する。
回転位置演算部4aは、TPMSデータ(第1〜第3フレーム)を受信する都度、その受信時刻とデータ内容を記憶する。また、CAN通信線7を介して車輪速パルスのカウント値の入力を受ける都度、その入力時刻とカウント値を記憶する。
よって、時刻t1でのロータの歯数をzt1、時刻t2での歯数をzt2、t5での歯数をzt5とすると、
(t2 - t1) / (t5 - t1) = (zt2 - zt1) / (zt5 - zt1)
が成立する。
zt2 - zt1 = (zt5 - zt1) × (t2 - t1) / (t5 - t1)
であるから、TPMSセンサ2の回転位置が最上点となって送信が指令された時刻t2の歯数zt2は、
zt2 = zt1 + (zt5 - zt1) × (t2 - t1) / (t5 - t1) ・・・(1)
により算出することができる。上記式(1)における{(zt5 - zt1) / (t5 - t1)}は、単位時間当たりの歯数に相当する。
なお、車輪速パルスのカウント値がTPMSデータの受信中に入力されるような場合(図6参照)もある。この場合も、TPMSデータを受信する直前に車輪速パルスのカウント値が入力された時刻t1とTPMSデータを受信した直後に車輪速パルスのカウント値が入力された時刻t5とに基づき、上記式(1)を用いて時刻t2の歯数zt2を算出することができる。
以上のように、回転位置演算部4aは、各車輪1について、送信機2dからの無線信号(送信データ)の受信情報(受信完了時刻t4)と、CAN通信線7を介して入力される車輪1の回転位置情報(入力時刻t1,t5、歯数zt1,zt5)とに基づいて、送信機2dの送信時(送信指令時刻t2)における回転位置(歯数zt2)を推定する。
t1= t1' - 100msec
t4= t4' - 100msec
t5= t5' - 100msec
により、仮に第1フレームが受信されたとした場合における時刻t1,t4,t5(図5参照)を算出する。また、回転位置演算部4aは、時刻t1での歯数zt1及びt5での歯数zt5を記憶している。さらに、
(t2 - t1)
= {t4 - (t4 - t3) - (t3 - t2) - t1}
= {t4' - (t4' - t3') - (t3' - t2') - t1'}
が成立する。すなわち、(t4' - t1') = (t4 - t1)であり、(t4' - t3') = (t4 - t3) = Δt1であり、(t3' - t2') = (t3 - t2) = Δt0である。よって、TPMSセンサ2の回転位置が最上点となった時刻t2の歯数zt2は、上記式(1)により算出できる。なお、第2フレームの送信指令時刻t2'における歯数を上記式(1)と同様の方法により算出した後、100msec分の歯数を減算することで、第1フレームの送信指令時刻t2における歯数zt2を算出することとしてもよい。
図7は、分散特性値の算出方法を示す図である。実施例1では、2次元平面上に原点(0,0)を中心とした単位円(半径が1の円)を考え、各車輪1の回転位置θ[deg](= 2π× ロータの歯数zt2 / 48)を、単位円の円周上の座標(cosθ,sinθ)に変換する。つまり、各車輪1の回転位置を、原点(0,0)を始点、座標(cosθ,sinθ)を終点とする長さ1のベクトルとみて、同じ回転位置データの各ベクトルの平均ベクトル(ave_cosθ,ave_sinθ)を求める。そして、平均ベクトルのスカラー量を回転位置データの分散特性値Xとして算出する。
(cosθ,sinθ) = (cos(2π×zt2) /48),sin(2π×zt2) /48))
よって、同一センサIDのTPMSデータの受信回数をn(nは正の整数)とすると、平均ベクトル(ave_cosθ,ave_sinθ)は、
(ave_cosθ,ave_sinθ) = ((Σ(cosθ))/n,(Σ(sinθ))/n)
となる。分散特性値Xは、
X = ave_cosθ2 + ave_sinθ2
で表すことができる。
車輪1の回転位置は周期性のある角度データである。平均ベクトルのスカラー量を分散特性値Xとして算出することで、周期性を回避して回転位置のばらつき度合いを求めることができる。
単に分散特性値Xの最高値を選択するのではなく、最高値を第1しきい値(0.57)と比較することで、一定の判定精度を確保できる。さらに、最高値以外の分散特性値Xを第2しきい値(0.37)と比較することで、最高値と他の3値とに所定(0.2)以上の差があることを確認でき、判定精度をより高めることができる。このため、10回という少ない受信回数で判定精度の確保と判定時間の短縮化の両立を実現できる。
図8は、実施例1の車輪位置判定制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。なお、以下の説明では、センサID=1の場合について説明するが、他のID(ID=2,3,4)についても並列して同様に車輪位置判定制御処理を行う。
ステップS1では、回転位置演算部4aにおいて、センサID=1のTPMSデータを受信する。第1〜第3フレームの少なくとも1つを受信すれば、TPMSデータを1回受信したものとする。
ステップS2では、回転位置演算部4aにおいて、受信データ(第1〜第3フレームのいずれか)の情報に基づき、各車輪1の回転位置を演算する。
ステップS4では、センサID=1のTPMSデータを所定回数(例えば、10回)以上受信したか否かを判定し、YESの場合にはステップS5へ進み、NOの場合にはステップS1へ戻る。
ステップS5では、車輪位置判定部4cにおいて、分散特性値の最高値が第1しきい値0.57よりも大きく、かつ、残りの分散特性値の値が第2しきい値0.37未満であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS6へ進み、NOの場合にはステップS7へ進む。
ステップS7では、車輪位置判定部4cにおいて、オートラーニングモードを開始してから所定の累積走行時間(例えば、8分)が経過したか否かを判定する。NOの場合にはステップS1へ戻り、YESの場合にはオートラーニングモードを終了する。
車輪位置判定部4cは、所定の累積走行時間内にすべてのセンサIDについて車輪位置が判定できた場合は、各センサIDと各車輪位置との対応関係をメモリ4dへの記憶更新により登録する。一方、所定の累積走行時間内にすべてのセンサIDについて車輪位置が判定できなかった場合は、現在メモリ4dに記憶された各センサIDと各車輪位置との対応関係を継続して使用する。
各TPMSセンサ2は、走行開始直前の車両停止判定時間が15分以上である場合、タイヤローテーションが行われた可能性があると判定し、通常モードから定位置送信モードへ移行する。定位置送信モードにおいて、各TPMSセンサ2は、前回の送信時刻から16秒経過し、かつ、自身の回転位置が所定位置(最上点)となったときにTPMSデータを送信する。一方、TPMSCU4は、イグニッションスイッチのOFFからONまでの経過時間が15分以上である場合、モニターモードからオートラーニングモードへ移行する。オートラーニングモードにおいて、TPMSCU4は、各TPMSセンサ2からTPMSデータを受信する都度、車輪速パルスのカウント値の入力時刻、当該TPMSデータの受信完了時刻等から、当該TPMSセンサ2の回転位置が所定位置(最上点)となったときの各車輪1の回転位置(ロータの歯数)を演算する。TPMSCU4は、この演算を10回以上繰り返して回転位置データとして蓄積し、各回転位置データのうち最もばらつき度合いが小さな回転位置データに対応する車輪位置を当該TPMSセンサ2の車輪位置と判定する。
TPMSセンサ2は、定位置送信モード時にTPMSデータを40回送信すると通常モードへ移行する。すなわち、TPMSセンサ2は、TPMSデータの送信時に最もボタン電池2eの電力を消費する。よって、十分な累積走行時間が経過しても各車輪位置が判定できない場合は、定位置送信モードを終了して通常モードへ移行することで、ボタン電池2eの電池寿命の低下を抑制できる。
一方、TPMSCU4は、オートラーニングモード開始からの累積走行時間が8分を経過しても各センサIDと各車輪位置との対応関係を判定できない場合は、オートラーニングモードを終了してモニターモードへ移行する。累積走行時間が8分を経過したときにTPMSセンサ2から送信された総TPMSデータ数は30弱であり、TPMSセンサ2の定位置送信モード終了にほぼ同期してオートラーニングモードを終了できる。
これに対し、実施例1のタイヤ空気圧モニター装置では、電波強度(の差)を用いることなく各TPMSセンサ2の車輪位置を判別できる。よって、受信環境やレイアウトに依らず各TPMSセンサ2の車輪位置を判定できる。また、受信機3が1つで済むため、コストを低く抑えることができる。
走行中、あるTPMSセンサ2(例えばID=1)の送信に対応して演算される各車輪1の回転位置(歯数zt2)が、ある車輪1(例えば左前輪1FL)においてのみ一定範囲内に限定されているとする。この場合、この車輪1(左前輪1FL)において、車体側で検出されるTPMSセンサ2の回転位置(上記演算値zt2)と、車輪1側で検出されるTPMSセンサ2の回転位置(ID=1のTPMSセンサ2が送信を行う基準位置=最上点)とが一対一に対応していることになる。よって、上記の場合、上記TPMSセンサ2(ID=1)の車輪位置が上記車輪1(左前輪1FL)であると判定することができる。
さらに、実施例1では、TPMSCU4において、各車輪1の回転位置を、車輪速センサ8の出力(車輪速パルスのカウント値)から算出する。ABSユニットは、車両のほとんどに搭載されており、車輪速センサ8は、ABSユニットに必須の構成であるから、車両側に新たなセンサを追加するコストを省くことができる。
よって、車体側で車輪1の回転位置(車輪速パルスのカウント値)を離散的に検出する場合でも、各TPMSセンサ2の回転位置(TPMSセンサ2が基準位置(最上点)となったときの各車輪1の回転位置(歯数zt2))を精度良く推定することができる。このため、車体側で推定したTPMSセンサ2の送信時における車輪1の回転位置(ロータの歯数)と、車輪側で検出したTPMSセンサ2の送信時における車輪1の回転位置(最上点)とを精度良く対応づけることができる。したがって、既存のシステムを利用してコスト増大を抑制しつつ、TPMSセンサ2の車輪位置を精度良く推定することができる。
zt3 = zt1 + (zt5 - zt1) × (t3 - t1) / (t5 - t1) ・・・(2)
実施例1では、TPMSセンサ2の送信指令から実際の送信までのタイムラグΔt0(= t3-t2)による誤差を考慮し、式(1)により回転位置zt2を算出して送信遅れ分Δt0を補正する。よって、各TPMSセンサ2の回転位置が実際に基準位置(最上点)となったときの各車輪1の回転位置(歯数)をより精度良く演算することができる。なお、タイムラグΔt0の情報は、TPMSセンサ2から送信されるデータと共にTPMSCU4(回転位置演算部4a)に入力してもよいし、TPMSCU4に予め記憶しておいてもよい。
zt4 = zt1 + (zt5 - zt1) × (t4 - t1) / (t5 - t1) ・・・(3)
実施例1では、TPMSデータの送信時間Δt1を考慮して、式(1)により回転位置zt2を算出する。よって、各TPMSセンサ2の回転位置が基準位置(最上点)となったときの各車輪1の回転位置(歯数)を実際に即してより精度良く演算することができる。
このように、TPMSセンサ2のデータを重複し、複数のフレームとすることで、第1フレームの送信位置(最上点)がNull点の近傍に位置するような場合でも、他のフレーム(第2,第3フレーム)を受信することで、受信確率を向上できる。なお、フレームの数は3に限らず、例えば2や4以上であってもよい。また、各フレームが回転位置情報(フレーム番号)を含むことで、複数のフレームのうちいずれが受信されても、その受信情報に基づき、車体側で、送信機2dの送信時における回転位置(歯数zt2)を推定することができる。よって、各車輪1における送信機2dの送信時の回転位置を車体側でより正確に検出し、TPMSセンサ2の車輪位置をより精度良く判定することが可能となる。したがって、早期にオートラーニングモードを完了することができる。
上記判定に際しては、実施例1のような分散特性値Xを用いても用いなくてもよい。また、基準フレームを設けてこれを所定の回転位置(最上点等)で送信する必要はなく、任意の回転位置で各フレームを送信すればよい。言換えると、各フレームの送信時におけるTPMSセンサ2の回転位置を、車輪位置判定のための基準位置とすることができる。フレーム間の間隔(時間間隔ないし回転位置間隔)も所定値である必要はない。
実施例1では、オートラーニングモード中、各車輪1のTPMSセンサ2は、前回のTPMSデータ送信時刻から16秒経過後、自身の回転位置が所定位置(最上点等)となるのを待ってから次のTPMSデータ(基準フレーム)を送信する必要がある。これに対し、各フレームに回転位置の推定値を含める上記例では、前回の送信時刻から16秒経過した直後の任意の回転位置で、TPMSデータ(任意のフレーム)を送信することができる。よって、オートラーニングモード中、各回のTPMSデータ送信時刻において、TPMSセンサ2の車輪位置判定のためのデータをより速やかに取得することが可能であるため、より早期にTPMSセンサ2の車輪位置を判定することができる。
実施例1のタイヤ空気圧モニター装置にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(1) 各タイヤの空気圧を監視するタイヤ空気圧モニター装置であって、各車輪1のタイヤに装着され、タイヤの空気圧を検出するタイヤ空気圧検出手段(圧力センサ2a)と、各車輪1に設けられ、空気圧情報を無線信号にて送信し、この無線信号に各送信機2d固有の識別情報(センサID)を含める送信機2dと、車体側に設けられ、無線信号を受信する受信機3と、各車輪1と対応して車体側に設けられ、各車輪1の回転位置(車輪速パルス)を検出する回転位置検出手段(車輪速センサ8)と、車体側に設けられ、送信機2dからの無線信号の受信情報(受信完了時刻t4)と、回転位置検出手段(車輪速センサ8)からの車輪1の回転位置情報(歯数zt1,zt5)とに基づいて、送信機2dの送信時(送信指令時刻t2)における回転位置(歯数zt2)を推定する車体側回転位置推定手段(回転位置演算部4a)と、推定された回転位置(歯数zt2)と無線信号に含まれる識別情報(センサID)とに基づき、送信機2dが設けられた車輪1の位置(FL〜RR)を判定する車輪位置判定手段(車輪位置判定部4c)と、を備え、送信機2dは、無線信号を重複して複数のフレーム(第1〜第3フレーム)とし、各フレームを互いに間隔をおいて送信し、各フレームに該フレームの送信時における送信機2dの回転位置情報(フレーム番号)を含める。
よって、受信確率を向上して、送信機2dの車輪位置をより精度良く判定することができる。
この場合、任意の回転位置で各フレームを送信すればよいため、より早期に送信機2dの車輪位置を判定することができる。
すなわち、各フレーム(第2、第3フレーム)に付された送信順番情報(フレーム番号)は、所定の間隔(時間間隔100msec,140msec)の情報と組み合わさって、該フレーム(第2、第3フレーム)の送信時における送信機2dの回転位置情報を表す。よって、各車輪1に、各フレームの送信時における送信機2dの回転位置を推定する手段を設ける必要がなく、構成を簡素化することができる。
よって、車体側回転位置推定手段(回転位置演算部4a)は、複数のフレームのうち受信されたもの(例えば第2フレーム)の受信情報(受信完了時刻t4' およびフレーム番号)に基づいて、所定の回転位置(最上点での歯数zt2)を推定することができる。
よって、車輪1の回転周期と各フレームの送信周期とが同期して各フレームの送信位置がNull点の近傍と一致する事態を抑制することで、受信確率をより向上することができる。
よって、既存のシステムを利用してコスト増大を抑制しつつ、TPMSセンサ2の車輪位置を精度良く推定することができる。
実施例2では、定位置送信モードにおいて、各TPMSセンサ2は、自身(送信機2d)の回転位置情報を含む複数のデータ(例えば第1〜第4フレーム)を送信する。図11に示すように、TPMSセンサ2は、TPMSデータの1回の送信につき、1つのフレーム(第1フレーム)を所定の回転位置(基準位置 = 最上点)で送信し、各フレームを互いに所定の回転位置間隔(例えば90度)をおいて送信する。また、他のフレーム(第2〜第4フレーム)に該フレームの送信時における送信機2dの回転位置情報を含める。具体的には、TPMSセンサ2は、各フレームに該フレームの送信順番情報(フレーム番号)を含める。回転位置演算部4aは、第1〜第4フレームのいずれかが受信されると、そのフレーム番号(1〜4)と上記回転位置間隔(90度)とに基づき、TPMSセンサ2が第1フレームを送信した基準位置(最上点)、すなわち歯数zt2を推定する。
例えば、回転位置演算部4aは、受信されたフレームが第3フレームである場合、第3フレームが送信された回転位置(歯数)を、上記式(1)と同様の方法で算出する。この算出した回転位置(歯数)から、第1フレームから第3フレームまでの回転位置間隔(90度×2 = 180度に相当するロータの歯数)を減算して、第1フレームが送信された所定の回転位置(歯数zt2)を算出する。
他の構成は実施例1と同様であるため、説明を省略する。
なお、受信確率を向上するため、フレーム間の回転位置間隔を異ならせたり、フレーム数を増やしたりすることとしてもよい。
その他、各フレームに含める回転位置情報として、該フレームの送信時における送信機2dの回転位置の(センサCU2cによる)推定値を含んでもよい。この場合、第1フレームを送信する基準位置は特定の回転位置(最上点)に限られない。
(1) 送信機2dは、各フレーム(第1〜第4フレーム)を互いに所定の回転位置間隔(例えば90度)をおいて送信する。
よって、各フレーム(第2、第3フレーム)に付された送信順番情報(フレーム番号)は、所定の回転位置間隔(90度)の情報と組み合わさって、該フレーム(第2、第3フレーム)の送信時における送信機2dの回転位置情報を表す。このため、車体側回転位置推定手段(回転位置演算部4a)は、複数のフレームのうち受信されたもの(例えば第2フレーム)の受信情報(受信完了時刻t4' およびフレーム番号)に基づいて、所定の回転位置(最上点での歯数zt2)を推定することができる。
実施例3では、定位置送信モードにおいて、各TPMSセンサ2は、TPMSデータの1回の送信につき、自身(送信機2d)の回転位置情報を含む複数のフレーム(例えば第1〜第3フレーム)を複数組(例えば第1〜第4組)送信する。実施例3では、4つの組を設け、各組がそれぞれ第1〜第3フレームを有する。よって、TPMSセンサ2が送信するフレーム数は合計で12(= 4×3)になる。
図12に示すように、TPMSセンサ2(送信機2d)は、互いに所定の回転位置間隔(例えば90度)をおいて複数(4つ)設けられた所定の回転位置(各組の基準位置)で、対応する組の1つのフレーム(第1フレーム)を送信する。具体的には、センサCU2cは、定位置送信モード中、Gセンサ2bにより検出された遠心方向加速度の重力加速度依存成分に基づいてTPMSセンサ2(送信機2d)の回転位置を演算し、第1組の第1フレームを最上点(0度)で送信し、第2組の第1フレームを最後点(90度)で送信し、第3組の第1フレームを最下点(180度)で送信し、第4組の第1フレームを最前点(270度)で送信する。TPMSセンサ2は、各組の基準位置(最上点、最後点、最下点、最前点)で各組の第1フレームを送信した後、同じ組の他のフレーム(第2,第3フレーム)を、例えば実施例1と同様の方法で送信する。すなわち、所定の時間間隔(100msec,140msec)をおいて、当該フレームの送信順番を示すフレーム番号(2,3)をそれぞれ付して、第2,第3フレームを送信する。さらに、各フレームには、そのフレームがどの組に属するかを示す情報(組番号、ないし各組の基準位置に応じたフラグ)を付す。
他の組(第3,第4組)のフレームが受信された場合も同様に、第1組の基準位置(最上点)の歯数zt2を演算する。分散演算部4bは、算出された第1組の基準位置(最上点)の歯数zt2の分散特性値Xを演算する。すなわち、算出される第1組の基準位置(最上点)を基準として、TPMSセンサ2の車輪位置を判定する。
他の構成は実施例1と同様であるため、説明を省略する。
Null点は一箇所とは限らず、複数箇所存在する場合もある。この場合、実施例1のように各フレームを異なる時間間隔(100msec,140msec)をおいて送信しても、車輪1の回転周期(回転数)、言い換えると車速によっては、全てのフレームの送信位置が(複数ある)Null点の近傍と一致し、各フレームがいずれも受信されない事態も想定しうる。これに対し、実施例3では、上記のように構成したことで、上記のような事態を回避できる。よって、フレームの受信確率をより向上しつつ、TPMSセンサ2の車輪位置を判定するための基準となる回転位置(第1組の基準位置での歯数)を、より確実に、車体側で特定することができる。
なお、各組ごとに基準位置の歯数の分散特性値Xを演算することとしてもよい。実施例3では、受信された全てのデータを第1組の基準位置(最上点での歯数)に換算することで、より速やかに自輪と他輪の分散特性値Xに有意な差を出すことができる。よって、TPMSセンサ2の車輪位置をより短時間で精度良く推定することができる。なお、車輪位置判定(分散特性値Xの算出)のための基準位置を、第1組の基準位置(最上点)に限らず、他の組(第2組等)の基準位置(最後点等)に集約することとしてもよい。
また、TPMSセンサ2は、組ごとに第1フレームを送信する所定の回転位置(各組の基準位置)を、互いに所定の時間間隔をおいて設けることとしてもよい。この場合も、上記所定の時間間隔分の歯数を減算することで、第1組の基準位置(最上点)の歯数を演算することができる。実施例3では、各組の基準位置を、互いに所定の回転位置間隔をおいて設けることとしたため、演算を簡略化することができる。
その他、各フレームに含める回転位置情報として、該フレームの送信時における送信機2dの回転位置の(センサCU2cによる)推定値を含んでもよい。この場合、各組の第1フレームを送信する基準位置は特定の回転位置(最上点等)に限られない。
また、組の数は、4に限らず、2や3,5等、他の数であってもよい。
(1) 送信機2dは、複数のフレーム(第1〜第3フレーム)を複数組(第1〜第4組)送信し、所定の間隔(90度)をおいて組ごとに設けた所定の回転位置(最上点、最後点、最下点、最前点)で各組の基準フレーム(例えば第1フレーム)を送信する。
よって、受信確率をより向上して、送信機2dの車輪位置の判定基準となる回転位置(第1組の基準位置での歯数)を、より確実に特定することができる。
よって、受信された全てのデータを1つの基準組(第1組)の基準位置(最上点での歯数zt2)に換算することで、送信機2dの車輪位置をより短時間で精度良く推定することができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づく実施例により説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例では、回転位置検出手段として車輪速センサを用いた例を示したが、駆動源としてインホイールモータを備えた車両では、モータのレゾルバを用いて回転角度を検出してもよい。
2a 圧力センサ(タイヤ空気圧検出手段)
2d 送信機
3 受信機
4a 回転位置演算部(車体側回転位置推定手段)
4c 車輪位置判定部(車輪位置判定手段)
8 車輪速センサ(回転位置検出手段)
Claims (9)
- 各タイヤの空気圧を監視するタイヤ空気圧モニター装置であって、
各車輪のタイヤに装着され、該タイヤの空気圧を検出するタイヤ空気圧検出手段と、
各車輪に設けられ、前記空気圧情報を無線信号にて送信し、該無線信号に各送信機固有の識別情報を含める送信機と、
車体側に設けられ、前記無線信号を受信する受信機と、
各車輪と対応して車体側に設けられ、各車輪の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
車体側に設けられ、前記送信機からの前記無線信号の受信情報と、前記回転位置検出手段からの車輪の回転位置情報とに基づいて、前記送信機の送信時における回転位置を推定する車体側回転位置推定手段と、
前記推定された回転位置と前記無線信号に含まれる前記識別情報とに基づき、前記送信機が設けられた車輪の位置を判定する車輪位置判定手段と、を備え、
前記送信機は、前記無線信号を重複して複数のフレームとし、各フレームを互いに間隔をおいて送信し、各フレームに該フレームの送信時における前記送信機の回転位置情報を含める
ことを特徴とするタイヤ空気圧モニター装置。 - 請求項1に記載のタイヤ空気圧モニター装置において、
各車輪に、各フレームの送信時における前記送信機の回転位置を推定する車輪側回転位置推定手段を設け、
前記送信機は、前記回転位置情報として、前記推定された回転位置を各フレームに含める
ことを特徴とするタイヤ空気圧モニター装置。 - 請求項1に記載のタイヤ空気圧モニター装置において、
前記送信機は、前記複数のフレームのうち所定の1つの基準フレームを所定の回転位置で送信し、各フレームを互いに所定の間隔をおいて送信し、前記回転位置情報として、各フレームに該フレームの送信順番情報を含め、
前記車体側回転位置推定手段は、前記複数のフレームのうち受信されたものの受信情報に基づいて前記所定の回転位置を推定し、
前記車輪位置判定手段は、前記推定された前記所定の回転位置に基づき、前記送信機が設けられた車輪の位置を判定する
ことを特徴とするタイヤ空気圧モニター装置。 - 請求項3に記載のタイヤ空気圧モニター装置において、
前記送信機は、各フレームを互いに所定の時間間隔をおいて送信することを特徴とするタイヤ空気圧モニター装置。 - 請求項4に記載のタイヤ空気圧モニター装置において、
前記送信機は、3以上のフレームを送信し、各フレームを異なる時間間隔をおいて送信することを特徴とするタイヤ空気圧モニター装置。 - 請求項3に記載のタイヤ空気圧モニター装置において、
前記送信機は、各フレームを互いに所定の回転位置間隔をおいて送信することを特徴とするタイヤ空気圧モニター装置。 - 請求項3ないし6のいずれかに記載のタイヤ空気圧モニター装置において、
前記送信機は、前記複数のフレームを複数組送信し、所定の間隔をおいて組ごとに設けた所定の回転位置で各組の前記基準フレームを送信することを特徴とするタイヤ空気圧モニター装置。 - 請求項7に記載のタイヤ空気圧モニター装置において、
前記送信機は、各フレームに該フレームがどの組に属するかという組情報を含め、
前記車体側回転位置推定手段は、受信されたフレームについて推定した該フレームが属する組の前記所定の回転位置と前記組情報とに基づき、前記複数の組のうち所定の1つの基準組の前記所定の回転位置を推定し、
前記車輪位置判定手段は、前記推定された前記基準組の前記所定の回転位置に基づき、前記送信機が設けられた車輪の位置を判定する
ことを特徴とするタイヤ空気圧モニター装置。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載のタイヤ空気圧モニター装置において、
前記回転位置検出手段は、通信線へ所定の時間間隔で前記車輪の回転位置情報を出力し、
前記車体側回転位置推定手段は、受信されたフレームの受信開始直前と受信完了直後にそれぞれ前記通信線を介して入力される前記車輪の回転位置と、該車輪の回転位置の入力時刻と、前記受信開始時刻または前記受信完了時刻とに基づいて、前記送信機の送信時における回転位置を推定する
ことを特徴とするタイヤ空気圧モニター装置。
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