以下、本発明を実施するための形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図中において、カバー部材が装着される側を上側として「上下方向」を便宜的に示しているが、この「上下方向」によって実際の取り付け方向が限定されるものではない。
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置(以下、「ブレーキ制御装置」という。)は、自動二輪車、自動三輪車、オールテレーンビークル(ATV)、自動四輪車などの車両に好適に用いられるものであり、車両の車輪に付与する制動力(ブレーキ液圧)を適宜制御する。以下においては、ブレーキ制御装置を図示しない自動四輪車に適用した例について説明するが、ブレーキ制御装置が搭載される車両を限定する趣旨ではない。
図1は、ブレーキ制御装置が組み込まれた車両用ブレーキシステムの概略構成図である。
図1に示す車両用ブレーキシステム10は、通常時用として、電気信号を伝達してブレーキを作動させるバイ・ワイヤ(By Wire)式のブレーキシステムと、フェールセーフ時用として、油圧を伝達してブレーキを作動させる旧来の油圧式のブレーキシステムの双方を備えて構成される。
このため、図1に示されるように、車両用ブレーキシステム10は、基本的に、操作者によってブレーキペダル(ブレーキ操作子)12が操作されたとき、その操作が入力されるブレーキ制御装置100と、図示しないモータによって駆動されるシリンダ(図示せず)によりブレーキ液圧を制御するモータシリンダ装置16と、車両挙動の安定化を支援するビークルスタビリティアシスト装置18(以下、VSA装置18という、VSA;登録商標)とを別体として備えて構成されている。
これらのブレーキ制御装置100、モータシリンダ装置16、及び、VSA装置18は、例えば、ホースやチューブ等の管材で形成された液圧路によって接続されていると共に、バイ・ワイヤ式のブレーキシステムとして、ブレーキ制御装置100とモータシリンダ装置16とは、図示しないハーネスで電気的に接続されている。
VSA装置18は、周知のものからなり、複数の導出ポートに接続される配管チューブによってブレーキ液がディスクブレーキ機構30a〜30dの各ホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLに対して供給される。各ホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL内の液圧が上昇することにより、各ホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLが作動し、対応する車輪(右側前輪、左側後輪、右側後輪、左側前輪)に対して制動力が付与される。
なお、車両用ブレーキシステム10は、例えば、エンジン(内燃機関)のみによって駆動される自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車等を含む各種車両に対して搭載可能に設けられる。
ブレーキ制御装置100は、運転者(操作者)によるブレーキペダル12の操作によって液圧を発生可能なタンデム式のマスタシリンダ34と、前記マスタシリンダ34に付設されたリザーバ36とを有する。このマスタシリンダ34のシリンダチューブ38内には、前記シリンダチューブ38の軸方向に沿って所定間隔離間する2つのピストン40a、40bが摺動自在に配設される。一方のピストン40bは、ブレーキペダル12に近接して配置され、プッシュロッド42を介してブレーキペダル12と連結されて直動される。また、他方のピストン40aは、一方のピストン40bよりもブレーキペダル12から離間して配置される。
なお、マスタシリンダ34のシリンダチューブ38は、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成され、後記するハウジングが装着される相手方部材として機能するものである(後記する図6参照)。
この一方及び他方のピストン40a、40bの外周面には、環状段部を介して一対のカップシール44a、44bがそれぞれ装着される。一対のカップシール44a、44bの間には、それぞれ、後記するサプライポート46a、46bと連通する背室48a、48bが形成される。また、一方及び他方のピストン40a、40bとの間には、ばね部材50bが配設され、ピストン40aとシリンダチューブ38の側端部(底壁)と間には、ばね部材50aが配設される。なお、一対のカップシール44a、44bは、シリンダチューブ38の内壁側に環状溝を介して装着されるようにしてもよい。
マスタシリンダ34のシリンダチューブ38には、2つのサプライポート46a、46bと、2つのリリーフポート52a、52bと、2つの出力ポート54a、54bとが設けられる。この場合、各サプライポート46a(46b)及び各リリーフポート52a(52b)は、それぞれ合流してリザーバ36内の図示しないリザーバ室と連通するように設けられる。
また、マスタシリンダ34のシリンダチューブ38内には、運転者がブレーキペダル12を踏み込む踏力に対応したブレーキ液圧を発生させる第1圧力室56a及び第2圧力室56bが設けられる。第1圧力室56aは、第1液圧路58aを介して接続ポート20aと連通するように設けられ、第2圧力室56bは、第2液圧路58bを介して接続ポート20bと連通するように設けられる。
マスタシリンダ34と接続ポート20aとの間であって、第1液圧路58aの上流側には、ノーマルオープンタイプ(常開型)の電磁弁からなる第1遮断弁60aが設けられると共に、第1液圧路58aの下流側には、圧力センサPpが設けられる。この圧力センサPpは、第1液圧路58a上において、第1遮断弁60aよりもホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL側である下流側の液圧を検知するものである。
マスタシリンダ34と接続ポート20bとの間であって、第2液圧路58bの上流側には圧力センサPmが配設されると共に、第2液圧路58bの下流側には、ノーマルオープンタイプ(常開型)の電磁弁からなる第2遮断弁60bが設けられる。この圧力センサPmは、第2液圧路58b上において、第2遮断弁60bよりもマスタシリンダ34側である上流側の液圧を検知するものである。
この第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bにおけるノーマルオープンとは、ノーマル位置(通電されていないときの弁体の位置)が開位置の状態(常時開)となるように構成されたバルブをいう。
マスタシリンダ34と第1遮断弁60aとの間の第1液圧路58aには、前記第1液圧路58aから分岐する分岐液圧路58cが設けられ、前記分岐液圧路58cには、ノーマルクローズタイプ(常閉型)の電磁弁からなる第3遮断弁62と、ストロークシミュレータ64とが直列に接続される。この第3遮断弁62におけるノーマルクローズとは、ノーマル位置(通電されていないときの弁体の位置)が閉位置の状態(常時閉)となるように構成されたバルブをいう。なお、以下の説明において、液圧路を総称していうときは、単に「液圧路58」という。
ストロークシミュレータ64は、バイ・ワイヤ制御時において、ブレーキのストロークと反力を発生させて、あたかも踏力で制動力を発生させているかのごとく操作者に思わせる装置であり、第1液圧路58a上であって、第1遮断弁60aよりもマスタシリンダ34側に配置されている。前記ストロークシミュレータ64には、分岐液圧路58cに連通する液圧室65が設けられ、前記液圧室65を介して、マスタシリンダ34の第1圧力室56aから導出されるブレーキ液(ブレーキフルード)が吸収可能に設けられる。
また、ストロークシミュレータ64は、互いに直列に配置されたばね定数の高い第1リターンスプリング66aとばね定数の低い第2リターンスプリング66bと、前記第1及び第2リターンスプリング66a、66bによって付勢されるシミュレータピストン68とを備え、ブレーキペダル12のペダルフィーリングを既存のマスタシリンダと同等となるように設けられている。
モータシリンダ装置16は、図示しない電動モータ及び駆動力伝達部を有するアクチュエータ機構(図示せず)と、前記アクチュエータ機構によって付勢される図示しないスレーブピストンが設けられたシリンダとを備える。
本実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置100が組み込まれた車両用ブレーキシステム10は、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその動作について概略説明する。
車両用ブレーキシステム10が正常に機能する正常時には、ノーマルオープンタイプの電磁弁からなる第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bが通電により励磁されて弁閉状態となり、ノーマルクローズタイプの電磁弁からなる第3遮断弁62が通電により励磁されて弁開状態となる。従って、第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bによって第1液圧系統70a及び第2液圧系統70bが遮断されているため、ブレーキ制御装置100のマスタシリンダ34で発生したブレーキ液圧がディスクブレーキ機構30a〜30dのホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLに伝達されることはない。
このとき、マスタシリンダ34の第1圧力室56aで発生したブレーキ液圧は、分岐液圧路58c及び弁開状態にある第3遮断弁62を経由してストロークシミュレータ64の液圧室65に伝達される。この液圧室65に供給されたブレーキ液圧によってシミュレータピストン68がばね部材66a、66bのばね力に抗して変位することにより、ブレーキペダル12のストロークが許容されると共に、擬似的なペダル反力を発生させてブレーキペダル12に付与される。この結果、運転者にとって違和感のないブレーキフィーリングが得られる。
このようなシステム状態において、図示しない制御手段は、例えば、図示しないストロークセンサからの検出信号に基づいて、運転者によるブレーキペダル12の踏み込みを検知すると、モータシリンダ装置16の電動モータを駆動させてアクチュエータ機構を付勢し、スレーブピストンの変位によってシリンダ内のブレーキ液圧がバランスするように加圧されて所望のブレーキ液圧が発生する。
このモータシリンダ装置16におけるシリンダ内のブレーキ液圧は、VSA装置18の図示しない複数のバルブを介してディスクブレーキ機構30a〜30dのホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLに伝達され、前記ホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLが作動することにより各車輪に所望の制動力が付与される。
換言すると、本実施形態に係る車両用ブレーキシステム10では、動力液圧源として機能するモータシリンダ装置16やバイ・ワイヤ制御する図示しないECU等が作動可能な正常時において、運転者がブレーキペダル12を踏むことでブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ34と各車輪を制動するディスクブレーキ機構30a〜30d(ホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL)との連通を第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bで遮断した状態で、モータシリンダ装置16が発生するブレーキ液圧でディスクブレーキ機構30a〜30dを作動させるという、いわゆるブレーキ・バイ・ワイヤ方式のブレーキシステムがアクティブになる。
一方、モータシリンダ装置16等が作動不能となる異常時では、第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bをそれぞれ弁開状態とし、且つ、第3遮断弁62を弁閉状態としてマスタシリンダ34で発生するブレーキ液圧をディスクブレーキ機構30a〜30d(ホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL)に伝達して、前記ディスクブレーキ機構30a〜30d(ホィールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL)を作動させるという、いわゆる旧来の油圧式のブレーキシステムがアクティブになる。
次に、車両用ブレーキシステム10に組み込まれたブレーキ制御装置100の具体的な構造を、図2〜図24を参照して以下詳細に説明する。
図2は、車両用ブレーキ液圧制御装置のハウジングからカバー部材を取り外した状態を示す斜視図である。
このブレーキ制御装置100は、電気絶縁性を有する樹脂材料によって一体成形されたハウジング102と、ハウジング102の開口を閉塞するカバー部材104(図6参照)とを備える。ハウジング102は、図2及び図3に示されるように、ハウジング102の四隅角部に配置された取付用孔部106に挿通されるボルト108を介して、マスタシリンダ34のシリンダチューブ38に取り付けられる(図6参照)。
図4に示されるように、ハウジング102内には、ノーマルオープンタイプ(常開型)の電磁弁からなる第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bと、ノーマルクローズタイプ(常閉型)の電磁弁からなる第3遮断弁62と、第1液圧路58a及び第2液圧路58b(図1参照)を流通するブレーキ液(ブレーキフルード)の液圧を検出する圧力センサ(電気部品)Pp及び圧力センサ(電気部品)Pmとが配設される。
図1に示されるように、第1遮断弁60aは、マスタシリンダ34から接続ポート20aに至る第1液圧路58aのうち、分岐液圧路58cとの分岐点よりも下流側に配置される。圧力センサPpは、第1液圧路58a中において、第1遮断弁60aの下流側に配置される。圧力センサPmは、マスタシリンダ34から接続ポート20bに至る第2液圧路58bに配置される。第2遮断弁60bは、第2液圧路58b中において、圧力センサPmの下流側に配置される。第3遮断弁62は、第1液圧路58aから分岐しストロークシミュレータ64に至る分岐液圧路58cに配置される。
ハウジング102は、図4(a)に示されるように、平面視して略矩形状に形成された枠体102aと、前記枠体102aの上下方向に沿った中間部に一体的に設けられ上部側と下部側とを区画する中間壁102b(取付壁、図2参照)と、図示しない外部導線と電気的に接続され、前記枠体102aの外周面から外方に向かって突出する一対のコネクタ102c、102dとから構成される。一方のコネクタ102cは、後記するコイル130に電流を流す電源用のコネクタであり、他方のコネクタ102dは、圧力センサPp、Pmからの検出信号を送給するセンサ用のコネクタである。
中間壁102bの内部には、図2の破線で示されるように、導電性金属によって形成された複数のバスバー110が埋設(モールド)されている。各バスバー110の一端部は、コネクタ102c、102dに設けられた図示しない端子と電気的に接続される。各バスバー110の他端部は、中間壁102bから外部に露出して第1〜第3遮断弁60a、60b、62のターミナル112(後記するコイルのターミナル)と電気的に接続されるターミナル114(ハウジング内のターミナル)を有する。各バスバー110は、隣接する他のバスバー110との間で所定の絶縁距離を保持しながら、中間壁102bの上下左右及び斜め方向に沿って延出している。
図11は、図2の中間壁を省略してバスバーを外部に露出させた状態を示す平面図である。図11に示されるように、このバスバー110のターミナル114は、バスバー110の導線部(他の部位)113と比較して幅広に形成された幅広部114aを有する。幅広部114aは、後記するコイル(電気部品)130、板ばね(電気部品付勢手段)120の周縁部や圧力センサPp、Pmの直上(カバー部材104側)に位置するように配置される。
すなわち、中間壁102bの面に沿って這うように形成された複数のバスバー110は、中間壁102bのうち、少なくとも、板ばね120が取り付けられる部位に埋設されている。また、幅広部114aは、図2に示されるように、中間壁102bの開口部からターミナル114が外部に露出する近傍部位に設けられ、幅広部114aとすることにより開口部から露出するターミナル114の支持強度を増大させることができる。なお、幅広部114aとは、導線部113と比較して幅寸法がそれよりも大きく形成されている部位をいい、図11中では、各バスバー110のなかで最も幅広に形成されている部位を例示している。
このようにすると、樹脂材料で形成された中間壁102bが導電性金属からなる複数のバスバー110によって補強(増強)されるので、コイル130を押圧する板ばね120の反力が中間壁102bに付与された場合であっても、中間壁102bが変形することを好適に回避することができる。
図4に示されるように、中間壁102bには、後記する電磁弁が挿通される略円形状の電磁弁挿通用孔部118が複数個形成される。前記電磁弁挿通用孔部118の周囲の近傍部位には、後記する板ばね120を中間壁102bに係止するための3つの係止突起122が形成される。
また、中間壁102bには、下側(マスタシリンダ34のシリンダチューブ38側)に向かって突出する一対のガイド用突起(突起部)124a、124bが設けられる。この一対のガイド用突起124a、124bは、それぞれ平面視して略コ字状を呈しており、第1〜第3遮断弁60a、60b、62に対応して3対設けられる。ガイド用突起124a、124bの側壁には、凹部126が形成され、後記するコイルの凸部と嵌合してコイルの回り止め機能が発揮される。
図4(b)に示されるように、ガイド用突起124a、124bの凹部126は、テーパ部126aとストレート部126bとから構成される。テーパ部126aは、中間壁102bに近接する中間部から先端部に向かって凹部126内の幅寸法が徐々に増加するように形成されている。ストレート部126bは、前記テーパ部126aの終端部から中間壁102bまで延在し凹部126内の幅寸法が略一定に形成されている。前記テーパ部126aは、後記するコイルの凸部の幅寸法よりも大きく設定され、前記ストレート部126bは、後記するコイルの凸部の幅寸法よりも僅かに大きく設定される。
図3は、被取付面側から見たハウジングの斜視図、図16は、図3の平面図、図17(a)は、図3に示すA部の拡大斜視図、図17(b)は、図16に示すB部の拡大平面図、図18は、ハウジングの側面図である。
図3及び図16に示されるように、中間壁102bには、ボディ200側に向かって突出する一対の位置決め用突起部128a、128bが設けられる。一対の位置決め用突起部128a、128bは、ハウジング102の枠部102fの内周側で相互に対向して配置される。一対の位置決め用突起部128a、128bは、いずれもシール部材129が装着されるシール溝の内側近傍に位置している。
一対の位置決め用突起部128a、128bには、先端側の中間部位から中間壁102bまで延在する複数のリブ131が設けられる。図17に示されるように、この複数のリブ131は、位置決め用突起部128a、128bの軸方向(突出方向)に沿って延在すると共に、中心から外径方向に向かって放射状に突出して形成されることで、位置決め用突起部128a、128bの強度を補強している。
さらに、位置決め用突起部128a、128bの基端部には、裾部131aが形成されている。裾部131aは、複数のリブ131のうちの三つに形成されており、三方向に分岐し中間壁102bに向かって徐々に裾幅寸法が増大する。なお、先端部近傍における各リブ131の矩形状端面131bは、位置決め用突起部128a、128bが位置決め用穴部222に挿入される際、位置決め用穴部222の環状段部223c(後記する図24(a)参照)に当接して挿入を規制するストッパとして機能するものである。
一対の位置決め用突起部128a、128bの先端部には、有底孔部135が形成される。この有底孔部135は、ヒケ防止用として機能するものである。さらにまた、図18に示されるように、一対の位置決め用突起部128a、128bの先端部は、ボディ200に当接するハウジング102の被取付面(端面)102eから所定長Tだけ突出するように設けられる。
一対の位置決め用突起部128a、128bのうち、コネクタ102c、102dから離間する側の位置決め用突起部128aの先端側には、複数の通気溝(間隙)137が形成される。通気溝137は、位置決め用突起部128aの外周面を断面円弧状に窪ませて形成したものである。この複数の通気溝137は、図17(b)に示されるように、周方向に沿って約90度の角度で離間して配置される。
なお、通気溝137が形成された位置決め用突起部128aは、ハウジング102内に少なくとも1つ設けられていればよい。また、通気溝137が形成された一方の位置決め用突起部128aは、後記するように、トーボード202側に配置され、通気溝137が形成されていない他方の位置決め用突起部128bは、車体フロント側に配置される(後記する図21参照)。
第1〜第3遮断弁60a、60b、62は、図7に示されるように、略円筒状に形成されたコイル(電気部品)130と、コイル130の中心孔130aに沿って挿入される電磁弁(電気部品)132とから構成される。コイル130は、図6に示されるように、巻線が巻回されたボビン133と、前記ボビン133を囲繞し磁路を形成するヨーク134とを備える。
図7に示されるように、ヨーク134は、ヨーク本体134aと、前記ヨーク本体134aの上面に装着されたヨークトップ134cとから構成される。ヨークトップ134cは、爪部134bを折り曲げることによってヨーク本体134aに係止される。前記ヨークトップ134cの外周には、一対のガイド用突起124a、124bの凹部126(図4(b)参照)に嵌合する一対の凸部136が設けられる。また、前記ヨークトップ134cの外周には一対の係止部137が形成される。各係止部137は、一対の爪部134b、134bの間に形成された溝部138に嵌合して回り止めの機能を発揮する。
コイル130の凸部136及びハウジング102のガイド用突起124a、124bの凹部126は、回動規制手段として機能するものである。すなわち、コイル130の凸部136とガイド用突起124a、124bの凹部126とが凸凹嵌合することによって、後記するターミナル同士の溶接作業時におけるコイル130の回動動作が規制される。この凸部136は、図7(b)に示されるように、略矩形状を呈し、半径外方向に向かって所定長だけ突出して形成される。なお、コイル130に設けられた一対の凸部136は、ガイド用突起124a、124bの配置に対応して、周方向に沿って所定角度だけ離間して配置される。
また、ヨーク本体134aの上部には、上方に向かって突出する一対のターミナル(コイルのターミナル)112が設けられる。ターミナル112は、ヨーク本体134a内の巻線と電気的に接続されると共に、バスバー110のターミナル114(ハウジング内のターミナル)と溶接される。コイル130の一対の凸部136は、ヨーク134における(コイル130の)ターミナル112側に位置するように設けられる。
なお、電磁弁132と同様に、圧力センサPp、Pmにもターミナル139が設けられる(図2参照)。前記圧力センサPp、Pmのターミナル139は、バスバー110のターミナル114(ハウジング内のターミナル)と溶接されて電気的に接続される。
図6に示されるように、電磁弁132は、円筒状の固定コア140と、前記固定コア140の基端側の内部に装着された弁座142と、前記固定コア140の先端側の内部に摺動自在に装着された弁体144と、励磁作用によって弁体144を押圧する可動コア146とを備える。
この場合、電磁弁132を外嵌するコイル130に電流が流されてコイル130が励磁されると、可動コア146が固定コア140側に向かって吸引されて変位し、これに伴って弁体144が弁座142側に変位して弁座142の開口部を閉塞する。また、コイル130に対する電流の供給を停止してコイル130を消磁すると、可動コア146が固定コア140から離間し、これに伴って弁体144が可動コア146側に変位して弁座142の開口部を開放する。
ハウジング102の中間壁102bとコイル130との間には、コイル130を中間壁102bから離間する方向に向かって付勢する板ばね(電気部品付勢手段)120が設けられる(図5及び図12参照、但し、図5中では、中間壁102bの図示を省略している)。
この板ばね120は、図4(a)に示されるように、ハウジング102(中間壁102b)に取り付けられる基部120aと、基部120aから延設されてコイル130を押圧する弾性部120bとを有する。図10(b)に示されるように、弾性部120bは、基部120aと重なるように基部120aの端部から延設されている。なお、図8(b)及び図9(b)に示されるように、基部120aと弾性部120bとは、側面視して略V字状に形成される。
基部120aには、中間壁102bの3つの係止突起122(図4(a)参照)が嵌合される3つの孔部(保持部)121が形成される(図8及び図9参照)。なお、板ばね120をハウジング102(中間壁102b)に対して固定する際、3つの係止突起122の中で、中央部の係止突起122は、ハウジング102に対して板ばね120を固定する固定機能を有し、左右の係止突起122は、ガイド機能及び回り止め機能を併有する。これに対応して、基部120aに形成された中央部の孔部121は、固定用孔部として機能し、左右の孔部121は、ガイド用及び回り止め用孔部として機能する。
前記基部120aは、平面視して略U字状に形成され、前記基部120aの両端部(後記する支点B)からは、弾性部120bがそれぞれ延設される。基部120aには、分断部位を含む略円形状の開口部123が形成される(図10(a)参照)。二つの弾性部120bは、基部120aから同一方向に折り曲げられ、所定間隔離間して略平行に延在する。なお、略U字状とは、その一部が分断された形状であればよく、例えば、略C字状の形状も略U字状に含まれる。
図10(a)に示されるように、基部120aの開口部123及び一対の弾性部120b、120bの間を、電磁弁132の先端部が貫通する。図4に示されるように、貫通した電磁弁132の先端部は、中間壁102bの電磁弁挿通用孔部118に挿通される。
また、図10(c)に示されるように、弾性部120bの先端の折れ部は、コイル130に接触する力点Aとなり、基部120aと弾性部120bとの間の折曲部位は弾性部120bの支点Bとなる。本実施形態では、図10(b)に示されるように、電磁弁132の中心軸Cを通る仮想面Fを基準として、力点Aと支点Bとはそれぞれ異なる領域に配置される。すなわち、力点Aが一側の領域に位置し、支点Bが力点Aと対向し力点Aと反対側の他側の領域に位置する。
さらに、コイル130のターミナル112とハウジング102内のターミナル114とが溶接されて固定される固定点と、コイル130に押圧力を付与する力点Aとが、中心軸Cを通る仮想面Fを基準として、それぞれ異なる領域に離間して配置されることにより、コイル130の振動時における押さえ効果やコイル130に対する回動規制効果をそれぞれ高めることができる。
さらにまた、コイル130からの反力を受容する作用点(力点A)が固定点から離間するように設定されているため、コイル130の振動や回動動作を弾性部120bで吸収(緩衝)して、振動や回動動作が固定点へ伝達されることを好適に回避することができる。
次に、ハウジング102内への板ばね120、コイル130及び電磁弁132の組付工程について、以下概略説明する。図12(a)〜(c)は、ハウジング内への板ばね、コイル及び電磁弁の組付工程を示す説明図である。なお、電磁弁132は、マスタシリンダ34のシリンダチューブ38の取付面に対して予め装着されているものとする。
先ず、ハウジング102の中間壁102bに設けられた3つの係止突起122を板ばね120の孔部121に対して嵌合し、中間壁102bに対して板ばね120を取り付ける。この場合、図12(a)に示されるように、板ばね120の基部120aがハウジング102の中間壁102b側に固定され、板ばね120の弾性部120bが前記中間壁102bから離間した状態にある。
続いて、コイル130を、中間壁102bから突出するガイド用突起124a、124bの凹部126に沿って変位させてハウジング102に取り付ける(図4参照)。この場合、コイル130に設けられた一対の凸部136と一対のガイド用突起124a、124bの凹部126とを係合させ、ガイド用突起124a、124bの凹部126によって凸部136を案内する。なお、ガイド用突起124a、124bの凹部126には、凸部136の幅寸法よりも僅かに大きく形成されたテーパ部126aが設けられているため、コイル130の組付時において、コイル130の凸部136をガイド用突起124a、124bの凹部126内に対して容易に挿入することができる。
図12(b)に示されるように、コイル130が板ばね120の弾性部120bと当接することにより、コイル130の変位が規制される。電磁弁132は、コイル130の中心孔130a(図7参照)に沿って挿入されて貫通する。この場合、コイル130は、凸部136と凹部126とが嵌合することによって周方向への回り止めがなされるが、コイル130のターミナル112は、未だ位置決めされておらず、バスバー110のターミナル114と上下方向で僅かにずれた位置にある。
続いて、図12(c)に示されるように、ハウジング102に対し矢印方向に沿って押圧力を付与し、板ばね120の弾性部120bを基部120aに近接するように弾性変形させる。板ばね120の弾性部120bが弾性変形した状態において、上下方向に沿って互いに所定位置に位置決めされたコイル130のターミナル112とバスバー110のターミナル114(ハウジング内のターミナル)とを溶接する。この溶接は、例えば、プロジェクション溶接等の抵抗溶接がなされる。この結果、板ばね120でコイル130が付勢された状態で、コイル130のターミナル112とバスバー110のターミナル114とが溶接されて、強固に結合される。
次に、ハウジング102が装着されるボディ200の具体的構造を図19〜図24に基づいて詳細に説明する。
図19は、電磁弁等を含むボディとハウジングとの分解斜視図、図20は、ボディの斜視図、図21は、ボディの側面図、図22は、ボディ内に形成された液圧路及び通気孔を示す部分拡大透過斜視図、図23は、図22のXXIII−XXIII線に沿った横断面図、図24(a)は、位置決め用穴部の拡大横断面図、図24(b)は、封止穴の拡大横断面図である。
図19に示されるように、ブレーキ制御装置100は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金等の金属からなり、マスタシリンダ34のシリンダチューブ38とストロークシミュレータ64とが一体的に形成されたボディ200を備える。このボディ200は、例えば、図示しないスタッドボルトを介して、エンジンルーム側からトーボード202に当接するように固定されている(図21、図23参照)。ボディ200は、ハウジング102が装着される相手方部材として機能するものである。
図19〜図21に示されるように、ボディ200の軸線と略直交する一側面には、ハウジング取付部206が設けられる。ハウジング取付部206は、ハウジング102が装着される平坦な装着面204を有する。装着面204と略直交するボディ200の後端側には、ボード取付部210が設けられる。ボード取付部210は、トーボード202と当接する平坦な当接面208を有する。さらに、ボード取付部210には、車室内側に向かって突出する円筒部214が設けられる。円筒部214は、トーボード202に形成された支持孔212を貫通してトーボード202の支持孔212に支持される(図20、図21参照)。
装着面204は、側面視して略矩形状に形成され、その四隅角部には、ハウジングを取り付けるための4つの取付用孔部216が形成される。また、装着面204には、電磁弁132が取り付けられる3つの電磁弁取付用孔部218と、圧力センサPp、Pmが取り付けられる2つのセンサ取付用孔部220と、位置決め用突起部128a、128bの先端部が挿入される2つの位置決め用穴部222と、液圧路58を封止するための球体(封止部材)224が圧入され加締められる複数の封止穴226とが形成される。電磁弁取付用孔部218及びセンサ取付用孔部220は、ブレーキ液を流通させる液圧路58と連通する。なお、2つの位置決め用穴部を総称するときには、「位置決め用穴部222」とし、トーボード202に近接する位置決め用穴部のみを示すときには、「位置決め用穴部222a」として以下説明する。また、図19及び図21中では、封止穴226に圧入され加締められた球体224を省略している。
図21に示されるように、センサ取付用孔部220は、比較的大径の円形状孔であり、電磁弁取付用孔部218は、センサ取付用孔部220よりも径の小さい円形状孔である。また、位置決め用穴部222と封止穴226とは、電磁弁取付用孔部218よりも径が小さい円形状孔であり、それぞれ同一の内径に設定されると共に、同一装着面204内に配置される。
2つの位置決め用穴部222は、装着面204から中心軸Sに向かって穿設することにより形成した穴であり、装着面204に投影してマスタシリンダ34の中心軸S上に配置される(図22参照)。この位置決め用穴部222(222a)は、図24(a)に示されるように、位置決め用突起部128a(128b)の先端部が挿入される小径孔部223aと、小径孔部223aに対して位置決め用突起部128a(128b)を挿入するときにガイドとして機能する大径孔部223bと、前記小径孔部223aと大径孔部223bとの間に形成される環状段部223cとから構成される。
封止穴226は、2つの位置決め用穴部222と同一内径で且つ同一形状に形成される。図24(b)に示されるように、封止穴226は、位置決め用穴部222と対応し、球体224が圧入されて加締められる小径孔部226aと、大径孔部226bと、前記小径孔部226aと大径孔部226bとの間に形成される環状段部226cとから構成される。
図21に示されるように、ボード取付部210には、ボディ200をトーボード202に固定するための4つの固定用孔部230が形成される。また、当接面208には、ハウジング取付部206側に向かって窪む凹部232が形成される。この凹部232は、軽量化を達成するための肉抜きとして機能するものであり、円筒部214の近傍部位に配置される。また、凹部232は、ボディ200を鋳造成形するときのヒケを防止するために形成される。凹部232内には、円形状の開口部234が形成される。この開口部234の中心には、後記する通気孔228が形成される。
図21又は図22に示されるように、ボディ200には、トーボード202側に近接する位置決め用穴部222aの小径孔部223aに連通し、トーボード202側に向かって開口する通気孔228が形成される。この通気孔228は、ボディ200の中心軸Sに沿って延在する(図21参照)。図23に示されるように、通気孔228の開口端は、水分の透過を阻止して空気の透過のみを許容する通気防水部材236で閉塞される。通気防水部材236は、例えば、ゴアテックス(登録商標)等で形成されるとよい。通気防水部材236は、開口部234内に圧入され、透孔を有する押さえ部材238によって保持される。なお、本実施形態では、一対の位置決め用穴部222、222のうちの一方のみに通気孔228を連通させているが、一対の位置決め用穴部222、222の両方に連通させるようにしてもよい。また、本実施形態において、トーボード202とは、前記トーボード202から上方に向かって延在する図示しないダッシュボードの下部側を含んで用いられる。
図21又は図23に示されるように、トーボード202の支持孔212には、車室側から見て断面略円弧状に切り欠いて形成された切り欠き部240が設けられる。この切り欠き部240と円筒部214との間のクリアランスによって、当接面208に形成された凹部232と車室内とが連通するように設けられる。
この場合、電磁弁132のコイル130や圧力センサPp、Pm等の電気部品が収納されたハウジング102内の収納室242と、車室内とがそれぞれ連通するように設けられる。すなわち、ハウジング102内の収納室242は、位置決め用穴部222aに挿入された位置決め用突起部128aの通気溝137、小径孔部222a、通気孔228、通気防水部材236、開口部234、凹部232、及び、切り欠き部240を通じて、車室内と通気するように設けられる。
また、図3に示されるように、一方のコネクタ102cのコネクタハウジング244には、コネクタハウジング244内の室とハウジング102の収納室242とを連通させる連通孔246が形成される。なお、図示していないが、同様に、他方のコネクタ102dのコネクタハウジングにも、コネクタハウジング内の室とハウジング102の収納室242とを連通させる連通孔246が形成される。
従って、コイル130や圧力センサPp、Pmに対する通電によって収納室242内の温度が変化した場合であっても、収納室242内の圧力変化を極力抑制することができる。この結果、例えば、ハウジング102の変形に起因するシール不良や、コネクタ102c、102dに接続される図示しない外部導線の絶縁チューブ及び導線間のクリアランスからの毛細管現象による水の吸い込み等が発生することを好適に回避することができる。
本実施形態では、ボディ200に形成された位置決め用穴部222aが、ボディ200に対してハウジング102を所定位置に位置決めする位置決め機能と、ハウジング102の収納室242と車室内とを通気させる通気機能とを併有する。すなわち、ボディ200側の位置決め用穴部222aに対してハウジング102側の位置決め用突起部128aを挿入することにより、位置決め機能が発揮されると共に、通気溝137及び通気孔228を通じてハウジング102の収納室242と車室内とを通気することができる。
この結果、本実施形態では、位置決め用穴部222aと通気孔228とが連通していない場合と比較して、穴加工の加工数を削減しボディ(相手方部材)200の製造コストを低減させることができる。
また、本実施形態では、位置決め用突起部128aが位置決め用穴部222aに挿入されたとき、通気孔228とハウジング102の収納室242とを連通させる通気溝137が、位置決め用突起部128の先端側に形成されている。このため、本実施形態では、位置決め用突起部128aに対して貫通孔を形成する穿孔加工が不要となり、通気溝137が形成された簡素な構造によってハウジング102の収納室242と車室内とを通気することができる。
さらに、本実施形態では、軸方向に沿って延在する複数のリブ131を位置決め用突起部128a、128bに設けることにより、樹脂材料でハウジング102を形成する際、リブ131で補強されるために位置決め用突起部128a、128bを薄肉とすることができる。また、ハウジング102の樹脂成形時において、ヒケの発生を防止すると共に、位置決め用突起部128a、128bの位置精度を向上させることができる。
さらにまた、本実施形態では、コネクタ102c、102dの内部とハウジング102の収納室242とを連通させる連通孔246を設けることにより、コネクタ102c、102dの内部をハウジング102内を通じて車室内の圧力(大気圧)と同一圧力とすることで、外部導線からの毛細管現象による水の吸い込みを好適に回避することができる。
さらにまた、本実施形態では、図24(a)と図24(b)とを比較して了解されるように、液圧路58の開口端を球体224で封止した封止穴226と位置決め用穴部222とが装着面204内にそれぞれ配置され、しかも、封止穴226の内径と位置決め用穴部222の内径とが同一径で且つ同一形状に設定されている。このように構成されることにより、例えば、ボディ200への加工時において、ボディ200の向き等を変更することがないと共に、穿孔刃具を交換することがなく、同一の穿孔刃具を用いて封止穴226及び位置決め用穴部222を略同時に穿孔加工することができ、加工時間を短縮することができる。
さらにまた、本実施形態では、ボディ200の位置決め用穴部222が装着面204に投影してマスタシリンダ34の中心軸S上に配置されることにより、ボディ200に形成される位置決め用穴部222の位置精度を向上させ、終局的には、ボディ200に対して装着されるハウジング102の取付精度を向上させることができる。
さらにまた、本実施形態では、通気孔228をトーボード202側に向かって開口させると共に、通気防水部材236によって閉塞することにより、通気孔228の開口側からの水(水分)や異物(塵埃)等の進入を防止することができる。
本実施形態では、コイル付勢手段として板ばね120を例示しているが、これに限定されるものではなく、押圧力(弾性力)によってコイル130をハウジング102が装着される部材側に向かって押圧するものであればよい。
本実施形態では、中間壁102bからマスタシリンダ34のシリンダチューブ38側へのガイド用突起124a、124bの突出寸法が、板ばね120の高さ寸法以上に設定されるため、コイル130のターミナル112とハウジング102内のターミナル114とが容易に位置決めされて、ターミナル112、114同士の溶接が簡便となる。
すなわち、図12(a)に示されるように、中間壁102bからマスタシリンダ34のシリンダチューブ38側へのガイド用突起124a、124bの突出寸法は、弾性変形前の板ばね120の高さ寸法(図12中における上下方向に沿った寸法)よりも大きく設定されているため、コイル130が板ばね120に当接する前の段階でコイル130の凸部136とガイド用突起124a、124bの凹部126とを容易に嵌合させることできる。
コイル130の凸部136とガイド用突起124a、124bの凹部126とが嵌合した後、図12(b)に示されるように、ガイド用突起124a、124bの凹部126の案内作用によって板ばね120の弾性部120bがコイル130の上面(ヨークトップ134c)に当接する。
さらに、図12(c)に示されるように、押圧力が付与されて板ばね120の弾性部120bが弾性変形した状態で、コイル130のターミナル112とハウジング102内のターミナル114との上下方向の位置が容易に位置決めされ、この位置決め状態を保持しながらコイル130とハウジング102内のターミナル112、114同士の溶接を簡便に行うことができる。
なお、本実施形態においては、自動四輪車に好適に用いられるブレーキ制御装置100を例示しているが、前記した技術的特徴を自動二輪車に用いられるブレーキ制御装置に適用しても差し支えない。また、前記した技術的特徴を、例えば、VSA装置18やABS装置等の図示しない液圧制御ユニットに適用してもよい。さらに、電気部品組立体の一例としてブレーキ制御装置100を示しているが、これに限定されるものではない。さらにまた、ハウジング102内に配置される電気部品の一例として、コイル130、電磁弁132、センサPp、Pm等を示しているが、これらに限定されるものではない。
図13は、中間壁を省略して他の実施形態に係るバスバーを外部に露出させた状態を示す平面図である。
図13に示されるように、他の実施形態に係るバスバー110aには、ターミナル114以外の部位に分岐部111が設けられる。この分岐部111は、バスバー110aの導線部113よりも幅広に形成され、しかも、板ばね120の直上位置で導線部113から分岐するように設けられる。この結果、樹脂材料で形成された中間壁102bの補強強度をより一層増大させることができる。
図13に示されるように、例えば、第1遮断弁60aの近傍部位では、一つのバスバー110aの導線部113から二つの分岐部111、111を略直交する方向に分岐(延出)させ、この分岐部111、111の端部同士を他の分岐部111で繋ぐことによって、開口部から電磁弁132の頭部を露出させ、電磁弁132の周囲を連続して(切れ目なく)囲繞するように形成される。
また、第3遮断弁62の近傍部位では、一つのバスバー110aの導線部113から二つの分岐111、111をそれぞれ図13中の下方側に向かって分岐(延出)させ、この分岐部111、111の端部同士を他の分岐部111で繋ぐことによって、開口部から電磁弁132の頭部を露出させ、電磁弁132の周囲を連続して(切れ目なく)囲繞するように形成される。
さらに、第2遮断弁60bの近傍部位では、一つのバスバーの110aの導線部113から図13中の下方側に向かって直線状に分岐(延出)させた一方の分岐部111と、前記一つのバスバー110aと異なる他の一つのバスバー110aの導線部113から図13中の下方側に向かって直線状に分岐(延出)させた他方の分岐部111とが形成され、それぞれ片持ち支持された一方の分岐部111と他方の分岐部111とが略平行に並設される。
このように、板ばね(電気部品付勢手段)120の直上位置で、中間壁102bに対して板ばね120が取り付けられる部位に複数の分岐部111を設けることにより、中間壁102bにおける樹脂部分(樹脂製部分)のみの面積を減少させて、中間壁102bの強度をより一層高めることができる。
図14及び図15は、板ばねの他の実施形態を示した斜視図である。
図8及び図9に示される板ばね120では、基部120aが分断されて構成されているのに対し、この他の実施形態に係る板ばね150では、図14及び図15に示されるように、基部150aが平面視して略O字状に形成されている点で異なっている。基部150aを切れ目なく連続させることにより、弾性部150bが弾性変形したときのばね荷重(反力)を増大させることができる。