JP2012240376A - 熱可塑性樹脂材の融着方法、熱可塑性樹脂材を融着する溶融棒、熱可塑性樹脂材の融着装置、及び融着した熱可塑性樹脂材 - Google Patents

熱可塑性樹脂材の融着方法、熱可塑性樹脂材を融着する溶融棒、熱可塑性樹脂材の融着装置、及び融着した熱可塑性樹脂材 Download PDF

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂材を積層した部分に加熱棒を挿入し融着して一体化した強度は一定の強度があるが、長時間の使用を経ると一体化した部分の一部が破れたり、剥がれたりしてしまう。
【解決手段】超音波振動用工具ホーンに、少なくとも尖端部とくびれ部を形成し、重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に押圧し、超音波振動する工具ホーンの尖端部で重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に貫通孔を開けるとともに溶融し、工具ホーンのくびれ部に溶融した熱可塑性樹脂材を取り込んだ後、工具ホーンを押圧方向と逆方向に引き抜くことによって、工具ホーンのくびれ部に取り込んだ溶融した熱可塑性樹脂材を貫通孔から持ち上げ、リング状部に成形して、冷却・固化して熱可塑性樹脂材を一体化する。
【選択図】図5

Description

本発明は、冷却塔用充填材や汚物処理装置用充填材として用いられる熱可塑性合成樹脂製積層材等の熱可塑性樹脂材の融着方法、熱可塑性樹脂材を融着する溶融棒、熱可塑性樹脂材の融着装置、及び融着した熱可塑性樹脂材に関し、特に薄板状あるいはシート状の熱可塑性樹脂材を重ねた部分を一体化する融着方法、熱可塑性樹脂材を融着する溶融棒、融着装置、及び融着した熱可塑性樹脂材に関する。
従来から冷却塔用充填材には、複数枚の熱可塑性合成樹脂製積層材を、間隔を明けて積層したものが使用されている。熱可塑性合成樹脂製積層材は、例えば図27に平面図を、図28に断面図を示したように、全面に大形中空凸部81と小形中空凸部82を縦横とも交互に等間隔おきに設けた形に作られている。複数の熱可塑性合成樹脂製積層材80は、同一の形であっても、互いに90度回転した位置関係で積み重ねると図29のように、大形中空凸部81の先端が小形中空凸部内82に嵌合する(例えば、特許文献1参照)。
この熱可塑性合成樹脂製積層材80を一体化する方法としては、これら大形中空凸部81と小形中空凸部内82が重なり合った嵌合部分を間隔保持用重ね部83として、その中央に加熱棒を挿入し、加熱棒の熱で溶融させて貫通孔を開けるとともに貫通孔の周縁部を互いに融着させている(例えば、特許文献2参照)。
図30から図32に、従来の一体化方法の手順を示す。図30では、ベースプレート50の上に重ねた二つの熱可塑性合成樹脂製積層材80を大形中空凸部81と小形中空凸部内82を嵌合した形で載置し、間隔保持用重ね部83の上にヒーターを内蔵した加熱棒90を配置している。加熱棒90は円柱状であり、先端は円錐状に尖っている。
加熱棒90のヒーターに加熱電源91を通電し加熱して、図31のように間隔保持用重ね部83に挿入すると、加熱棒90の先端の円錐部分は、熱で間隔保持用重ね部83を溶かして貫通孔を開ける。加熱棒90は先端の円錐部分で間隔保持用重ね部83を溶融しつつ押し下げていくので、溶融した部分は加熱棒90で外に押し出される。その後、図32のように加熱棒90を引き抜くと、溶融部分は冷却し固化する。このことにより、大形中空凸部81と小形中空凸部内82が融着して一体化する。図33に、融着した部分(J)の部分断面図を示す。大形中空凸部81と小形中空凸部内82は、溶融した範囲J1のうちJ2で示した部分で直接的に接合している。
なお、積層した冷却塔用充填材を一体化する方法として、「先端を尖らせた溶着ピンのほか、溶融貫通させない加熱平面を備えた溶着板、超音波溶着を行う超音波発振器(ホーン)、スパーク放電による溶着、高周波加熱による溶着などの溶着手段に置き換えることができる。」と記載した文献はあったが、それ以上の示唆はされていない(例えば、特許文献3参照)。
実公昭45−17649号公報 特開昭50−143139号公報 特開平8−159117号公報
しかし、従来の間隔保持用重ね部83の中央に加熱棒90を挿入する方法では、貫通孔を開け、貫通孔の周縁を融着・冷却して一体化しているが、加熱棒90を引き抜く際に、貫通孔の周縁部はリング状部となって固化するものの、大形中空凸部81と小形中空凸部内82の熱可塑性樹脂材が互いに混じりあわず、一度溶融した部分のほとんどがそのまま自然冷却して固化した。そのため、熱可塑性樹脂材を直接的に接合する部分(図33のJ2の部分)の断面積は小さく、一体化した強度は十分でなかった。そのため、長時間使用すると融着した部分の一部が破れたり、剥がれたりしてしまうことがあった。
また、超音波振動する工具ホーンを挿入する方法を用いた場合でも、加熱方法が異なるものの加熱棒を用いたときと融着する状況はほぼ同じであり、重なった熱可塑性樹脂材を直接的に接合する部分の断面積は増えず、一体化強度も同等であった。
本発明は、熱可塑性合成樹脂製積層材等の熱可塑性樹脂材を融着した後、長時間使用しても、融着した部分の一部が破れたり、剥がれたりしてすることのない熱可塑性樹脂材の融着方法、熱可塑性樹脂材を融着する溶融棒、熱可塑性樹脂材の融着装置、及び融着した熱可塑性樹脂材を提供することを課題としている。
請求項1の熱可塑性樹脂材の融着方法の発明では、尖端部とくびれ部とが形成された溶融棒を用いて、重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に溶融棒の尖端部を押圧する。そして、溶融棒の尖端部で重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に貫通孔を開けるとともに貫通孔の周縁部を溶融する。次に、溶融棒を更に押し込んで、溶融棒のくびれ部に溶融した熱可塑性樹脂材を取り込み、その後、溶融棒を押圧方向と逆方向に引き抜き、溶融棒のくびれ部に取り込んだ溶融した熱可塑性樹脂材を貫通孔から持ち上げてリング状部を成形し、リング状部を冷却・固化して熱可塑性樹脂材を一体化している。
請求項2の熱可塑性樹脂材の融着方法の発明では、尖端部と、根元側に押下部を有するくびれ部と、が形成された溶融棒を用いて、重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に前記溶融棒の尖端部を押圧し、溶融棒の尖端部で重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に貫通孔を開けるとともに貫通孔の周縁部を溶融し、溶融棒を更に押し込んで、溶融棒のくびれ部に溶融した熱可塑性樹脂材を取り込み、その後、溶融棒を押圧方向と逆方向に引き抜き、溶融棒のくびれ部に取り込んだ溶融した熱可塑性樹脂材を貫通孔から持ち上げてリング状部を成形して、再び溶融棒を押し下げて溶融棒の押下部でリング状部の上部を押下して貫通孔の周縁部を太くしたリング状部に成形し、その後、溶融棒を引き抜いて、太くしたリング状部を冷却・固化し、熱可塑性樹脂材を一体化している。
請求項3の熱可塑性樹脂材の融着方法の発明では、熱可塑性樹脂材を融着する溶融棒に尖端部とくびれ部を形成し、重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に溶融棒の尖端部を押圧し、溶融棒の尖端部で重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に貫通孔を開けるとともに貫通孔の周縁部を溶融し、溶融棒のくびれ部を貫通孔の周縁部に対向する位置まで押し下げ、この状態で、溶融棒のくびれ部で貫通孔の周縁部を押圧して太いリング状部を形成し、その後、溶融棒を引き抜いて、太いリング状部を冷却・固化して熱可塑性樹脂材を一体化している。
請求項4の熱可塑性樹脂材の融着方法の発明では、溶融棒の尖端部とくびれ部の間に柱状部が形成されており、溶融棒の尖端部で重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に貫通孔を開けるとともに貫通孔の周縁部を溶融した後、溶融棒を更に押し下げて、溶融棒の柱状部で貫通孔の周縁部を更に溶融するようにしている。
請求項5の熱可塑性樹脂材の融着方法の発明では、溶融棒を超音波振動する超音波振動用の工具ホーンとしている。
請求項6の熱可塑性樹脂材の融着方法の発明では、溶融棒を電熱ヒーターで加熱する加熱棒としている。
請求項7の溶融棒の発明では、溶融棒の形状として、重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に挿入して貫通孔を開けるための尖端部と、尖端部の最大外形寸法よりも外形寸法が小さく溶融した熱可塑性樹脂材を取り込むくびれ部を有し、貫通孔から溶融棒を引き抜いたときにくびれ部で溶融した熱可塑性樹脂材を持ち上げてリング状部を成形している。
請求項8の溶融棒の発明では、溶融棒の形状として、くびれ部の根元側に尖端部の最大外形寸法より大きな最大外形寸法を有する押下部を形成している。
請求項9の溶融棒の発明では、尖端部とくびれ部との間に、外形寸法が尖端部の最大外形寸法と略同じである柱状部を設けている。
請求項10の溶融棒の発明では、溶融棒を超音波振動する超音波振動用の工具ホーンとしている。
請求項11の溶融棒の発明では、溶融棒を電熱ヒーターで加熱する加熱棒としている。
請求項12の熱可塑性樹脂材の融着装置の発明では、請求項7から請求項11のいずれかに記載の溶融棒を往復動させ、重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に貫通孔を開けるとともに貫通孔の周縁部をリング状部に成形して、熱可塑性樹脂材を一体化するようにしている。
請求項13の熱可塑性樹脂材の融着装置の発明では、請求項7から請求項11のいずれかに記載の溶融棒の尖端部を、重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に押圧して貫通孔を開け、前記溶融棒のくびれ部を貫通孔の周縁部に対向する位置まで押し下げ、この状態で、前記溶融棒のくびれ部で貫通孔の周縁部を押圧して太くしたリング状部を形成し、前記溶融棒を引き抜いて、前記太くしたリング状部を冷却・固化して熱可塑性樹脂材を一体化するようにしている。
請求項14の熱可塑性樹脂材の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂材の融着方法を用いて複数の熱可塑性樹脂材を一体化している。
本発明によれば、重ねた二以上の熱可塑性樹脂材を一体化する方法として、超音波振動用の工具ホーンや電熱ヒーターで加熱する加熱棒などの溶融棒を、熱可塑性樹脂材を重ねた間隔保持用重ね部の中央に押圧して貫通孔を開け、溶融した貫通孔の周縁部を溶融棒のくびれ部に取り込んだ後、溶融棒を持ち上げて貫通孔の周縁部から上方に立ち上がるリング状部を形成して冷却・固化している。
従来は、加熱棒を間隔保持用重ね部に押圧して貫通孔を開け、貫通孔の周縁部を溶融し、溶融した部分を押し出す形でリング状部をつくり、加熱棒を引き抜いてリング状部を冷却・固化していた。これに対し本発明では、溶融部分を溶融棒のくびれ部に取り込み、持ち上げてリング状部を成形し、冷却・固化している。そのため、熱可塑性樹脂材を直接的に接合している部分の断面積が拡大している。また、熱可塑性樹脂材の溶融部分が混じって固化している。このことにより、熱可塑性樹脂材の一体化強度が増大している。
請求項1の熱可塑性樹脂材の融着方法の発明では、溶融棒のくびれ部に溶融した熱可塑性樹脂材を取り込み、溶融棒を押圧方向と逆方向に引き抜くことによって、溶融棒のくびれ部に取り込んだ溶融した熱可塑性樹脂材を貫通孔から持ち上げてリング状部を成形し、冷却・固化している。このことにより、熱可塑性樹脂材を直接的に接合する部分の断面積を拡大し、一体化強度を大きくしている。
請求項2の熱可塑性樹脂材の融着方法の発明では、特に、溶融棒のくびれ部に取り込んだ溶融した熱可塑性樹脂材を貫通孔から持ち上げ、その状態で再び溶融棒を押し下げて、溶融棒の押下部でリング状部の上部を押下して太いリング状部を成形している。そして、熱可塑性樹脂材を直接的に接合するリング状部を太くしたことにより実施の形態1より熱可塑性樹脂材の一体化強度を大きくしている。
請求項3の熱可塑性樹脂材の融着方法の発明では、特に、溶融棒のくびれ部を貫通孔の周縁部を押圧した状態で、貫通孔の周縁部を溶融棒のくびれ部で押し広げて、貫通孔の周縁にて厚みを増すとともに貫通孔の上下に伸びるリング状部を形成している。このことにより、熱可塑性樹脂材を直接的に接合する部分の断面積を拡大し、一体化強度を大きくしている。
請求項4の熱可塑性樹脂材の融着方法の発明では、溶融棒の尖端部とくびれ部の間に柱状部を形成しているため、柱状部で熱可塑性樹脂材を溶融する面積を増加し貫通孔の周縁部をより多く溶融させてリング状部を成形し、熱可塑性樹脂材を直接的に接合する部分の断面積を拡大して、一体化強度を大きくしている。
請求項5の熱可塑性樹脂材の融着方法の発明では、溶融棒を超音波振動する超音波振動用の工具ホーンとして、溶融棒から超音波振動エネルギーを熱可塑性樹脂材に伝えて溶融させている。このことにより、溶融棒自体の温度を上げずに、貫通孔を開け、貫通孔の周縁部を溶融し、貫通孔の周縁部を持ち上げて、リング状部を安定的に成形している。超音波振動用の工具ホーンを溶融棒にしているため、溶融した熱可塑性樹脂材がこびりつかず、熱可塑性樹脂材の糸引き現象が起きないという利点がある。
請求項6の熱可塑性樹脂材の融着方法の発明では、溶融棒を電熱ヒーターで加熱する加熱棒としたことにより、一般的な加熱制御を用いて安価に装置を構成できる利点がある。
請求項7の溶融棒の発明では、重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に挿入して貫通孔を開けるための尖端部と、尖端部の最大外形寸法よりも外形寸法が小さく溶融した熱可塑性樹脂材をためるくびれ部を有しているので、溶融棒を貫通孔から引き抜いたときにくびれ部で溶融した樹脂を持ち上げてリング状部を成形して、熱可塑性樹脂材を直接的に接合する部分の断面積を拡大して、一体化強度を大きくしている。
請求項8の溶融棒の発明では、溶融棒のくびれ部の根元側に尖端部の最大外形寸法より大きな最大外形寸法を有する押下部を形成しているので、貫通孔から持ち上げた周縁部のリング状部を押下部で押し縮めて太いリング状部に成形して、一体化強度を大きくすることができる。
請求項9の溶融棒の発明では、溶融棒の尖端部とくびれ部との間に、外形寸法が前記尖端部の最大外形寸法と略同じである柱状部を形成しているため、貫通孔の周縁部をより多く溶融させて太いリング状部を成形して、一体化強度を大きくすることができる。
請求項10の溶融棒の発明では、溶融棒を超音波振動する超音波振動用の工具ホーンとしたことにより、溶融棒自体の温度を上げず、熱可塑性樹脂材の糸引き現象を起さず、リング状部を安定的に成形している。
請求項11の溶融棒の発明では、溶融棒を電熱ヒーターで加熱する加熱棒としたことにより、一般的な加熱制御を用いて安価に装置を構成できる利点がある。
請求項12の熱可塑性樹脂材の融着装置の発明では、貫通孔の周縁部をリング状部に成形して熱可塑性樹脂材を直接的に接合する部分の断面積を拡大して、熱可塑性樹脂材の一体化強度を大きくする超音波溶着装置を提供する。
請求項13の熱可塑性樹脂材の融着装置の発明では、溶融棒の尖端部を、重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に押圧して貫通孔を開け、溶融棒のくびれ部を貫通孔の周縁部に対向する位置まで押し下げ、この状態で、溶融棒のくびれ部で貫通孔の周縁部を押圧して太いリング状部を形成し、溶融棒を引き抜いて、太いリング状部を冷却・固化して熱可塑性樹脂材の一体化強度を大きくする超音波溶着装置を提供する。
請求項14の融着した熱可塑性樹脂材の発明では、貫通孔の周縁部にリング状部を成形しているので、熱可塑性樹脂材の一体化強度を大きくして、長時間使用しても一体化した部分が破れたり、剥がれたりするのを防止している。
本発明の実施の形態1に係る超音波溶着装置(熱可塑性樹脂材の融着装置)で熱可塑性樹脂材を超音波溶着する構成を示す要部断面図。 本発明の実施の形態1に係る工具ホーン(溶融棒)の尖端部を熱可塑性樹脂材に押し付け、貫通孔を開けている状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態1に係る工具ホーン(溶融棒)の柱状部で熱可塑性樹脂材の貫通孔の周縁部を溶融している状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態1に係る工具ホーン(溶融棒)のくびれ部に貫通孔の溶融部分を取り込んだ状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態1に係る工具ホーン(溶融棒)のくびれ部で貫通孔の溶融部分を持ち上げている状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態1に係る工具ホーン(溶融棒)を貫通孔から抜き出して、持ち上げた貫通孔の周縁部をリング状部として成形して冷却・固化している状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態1に係る工具ホーン(溶融棒)を上下動させて溶融させた貫通孔の周縁部を持ち上げる動作の制御ステップを示したフロー図。 本発明の実施の形態1に係るリング状部の部分拡大断面図。 本発明の実施の形態2に係る工具ホーン(溶融棒)を下降させ、工具ホーン(溶融棒)の押下部をリング状部の上部に対向させた状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態2に係る工具ホーン(溶融棒)の押下部でリング状部の上部を押し縮めている状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態2に係る工具ホーン(溶融棒)を貫通孔から抜き出した状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態2に係る工具ホーン(溶融棒)を下降させ貫通孔の周縁部を立ち上げ、リング状部を押し縮める制御ステップを示したフロー図。 本発明の実施の形態2に係るリング状部の部分拡大断面図。 本発明の実施の形態3に係る工具ホーン(溶融棒)を軸心から偏心させて回転させている状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態3に係る工具ホーン(溶融棒)を貫通孔から抜き出した状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態3に係る工具ホーン(溶融棒)を軸心から偏心させて回転させる制御ステップを示したフロー図。 本発明の実施の形態3に係るリング状部の部分拡大断面図。 (a)本発明の実施の形態3に係る工具ホーン(溶融棒)の変形例の側面図(b)本発明の実施の形態3に係る工具ホーン(溶融棒)の他の変形例の側面図。 (a)本発明の実施の形態4に係る工具ホーン(溶融棒)の尖端部を、平らな三つの熱可塑性樹脂材を重ねた上面に押し付け、貫通孔を開けている状態を示す要部断面図(b)本発明の実施の形態4に係る工具ホーン(溶融棒)を押し下げて、工具ホーン(溶融棒)のくびれ部に貫通孔の溶融部分を取り込んだ状態を示す要部断面図。 (a)本発明の実施の形態4に係る工具ホーン(溶融棒)のくびれ部で貫通孔の周縁部を持ち上げている状態を示す要部断面図(b)本発明の実施の形態4に係る工具ホーン(溶融棒)を貫通孔から抜き出し、貫通孔の周縁部を持ち上げてリング状部を成形した後、冷却・固化している状態を示す要部断面図。 (a)本発明の実施の形態4に係る工具ホーン(溶融棒)を再び下降してリング状部に押下部を対向させた状態を示す要部断面図(b)本発明の実施の形態4に係る工具ホーン(溶融棒)を再び下降してリング状部の上部を押下部で押し縮めている状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態4に係る工具ホーン(溶融棒)を上昇させてリング状部から抜き去った状態を示す要部断面図。 (a)本発明の実施の形態5に係る加熱棒(溶融棒)と押下棒を下面に取り付けた上下動板を下降して、平らな三つの熱可塑性樹脂材を重ねた上面に加熱棒を押し付け、貫通孔を開けている状態を示す要部断面図(b)本発明の実施の形態5に係る加熱棒を更に下降して加熱棒のくびれ部に溶融した樹脂を取り込んでいる状態を示す要部断面図。 (a)本発明の実施の形態5に係る加熱棒(溶融棒)を上昇させ、加熱棒(溶融棒)のくびれ部に溶融した樹脂を持ち上げる状態を示す要部断面図(b)本発明の実施の形態5に係る加熱棒を更に上昇させた状態を示す要部断面図。 (a)重ねた熱可塑性樹脂材を水平移動してリング状部を押下棒の直下に位置決めした後、上下動板を再び下降して、熱可塑性樹脂材の上面に加熱棒を押し付け、貫通孔を開けている状態を示す要部断面図(b)本発明の実施の形態5に係る加熱棒を更に下降して加熱棒のくびれ部に溶融した樹脂を取り込むとともに、押下棒でリング状部の上部を押し縮めている状態を示す要部断面図。 (a)加熱棒を上昇させ、加熱棒のくびれ部に溶融した樹脂を持ち上げるとともに、押下棒をリング状部の上部から離した状態を示す要部断面図(b)本発明の実施の形態5に係る上下動板を更に上昇させた状態を示す要部断面図。 従来の熱可塑性樹脂材の平面図。 従来の熱可塑性樹脂材の断面図。 従来の熱可塑性樹脂材を複数枚重ねた状態を示す断面図。 従来の熱可塑性樹脂材に加熱棒を押し付けて一体化するときの位置関係を示す要部断面図。 従来の熱可塑性樹脂材に加熱棒を押し付けて溶融し貫通孔を開け、貫通孔の周縁部を融着して一体化する工程を示す要部断面図。 従来の熱可塑性樹脂材から加熱棒を抜き出した状態を示す要部断面図。 従来の熱可塑性樹脂材を一体に融着した貫通孔の周縁部の要部断面図。
本発明の熱可塑性樹脂材の融着方法は、少なくとも尖端部とくびれ部が形成された工具ホーン(溶融棒)を用いて、第一ステップとして、重ねた熱可塑性樹脂材の表面に超音波振動している工具ホーン(溶融棒)の尖端部を挿入する。このことにより、重ねた熱可塑性樹脂材の表面に貫通孔を開けるとともに、貫通孔の周縁部を溶融させる。第二ステップとして、工具ホーン(溶融棒)のくびれ部を貫通孔の周縁部が溶融している位置まで下降させ、工具ホーン(溶融棒)のくびれ部に溶融部分を取り込む。そして、第三ステップとして、工具ホーン(溶融棒)を上昇させ、貫通孔の周縁部の溶融部分を持ち上げて貫通孔の周縁部をリング状部に成形する。第四ステップとして、工具ホーン(溶融棒)を上方に抜き去り、貫通孔の周縁部を立ち上げたリング状部を冷却し固化する。そして、重ねた熱可塑性樹脂材を一体化している。
貫通孔の周縁部を所定のリング状部に成形して一体化する本発明の方法としては、上記の工具ホーン(溶融棒)のくびれ部に取り込んだ貫通孔の周縁部の溶融部分を持ち上げる方法の他に、リング状部を一旦成形した後に、工具ホーン(溶融棒)を再び押し下げて工具ホーン(溶融棒)の押下部でリング状部を押し縮めて太いリング状部とする方法がある。そして、工具ホーン(溶融棒)のくびれ部を貫通孔の周縁部に押し付けてリング状部を成形する方法もある。また、溶融棒として超音波振動用の工具ホーンを用いる方法の他に、ヒーターで加熱した加熱棒を用いる方法もある。以下、実施の形態1から実施の形態5を示して説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る熱可塑性樹脂材の融着方法では、超音波振動溶着用の工具ホーン(溶融棒)に、先端から根元側に向けて順に尖端部、柱状部、くびれ部を形成し、重ねた熱可塑性樹脂材に工具ホーン(溶融棒)の尖端部を押圧し、工具ホーン(溶融棒)の超音波振動エネルギーを与えて貫通孔を開けるとともに貫通孔の周縁部を溶融し、工具ホーン(溶融棒)の柱状部で貫通孔を所定寸法の孔にするとともに貫通孔の周縁部を更に溶融し、溶融した熱可塑性樹脂材を工具ホーン(溶融棒)のくびれ部に取り込み、その後、工具ホーン(溶融棒)を押圧方向と逆方向に引き抜いている。このことによって、工具ホーン(溶融棒)のくびれ部に取り込んだ溶融した貫通孔の周縁部の熱可塑性樹脂材を貫通孔から持ち上げてリング状部を成形し、冷却・固化して熱可塑性樹脂材を一体化している。
図1に、本発明の実施の形態1に係る超音波溶着装置で重ねた熱可塑性樹脂材を一体化するときの側面図の一部を断面として示す。図1において、ベースプレート50には支柱40a、40bが立ててあり、直接ベースプレートに立設した支柱40aの上部にてもう一方の支柱40bが接続されており、当該支柱40bはスライダ41を上下動自在に支持している。スライダ41は図示しない駆動手段により上下動する。
スライダ41は、図示しない超音波振動子と発振手段を組み込んだ超音波振動手段42を把持していて、超音波振動手段42の下方には工具ホーン10を一体にネジ25で結合している。超音波振動手段42には、図示しない電源制御手段から超音波振動用の電源及び制御信号が与えられる。
工具ホーン10の軸方向先端側に形成されている加工部1には、逆円錐状をして先端まで尖っている尖端部1a、円柱状をした柱状部1b、くびれ部1cを設けている。くびれ部1cは詳しくは、円錐状をした斜面部1d、円柱状の底部1e、逆円錐状をした押下部1fからなっている。なお、図1に示したとおり、柱状部1bの直径(外形寸法)は尖端部1aの最大直径(最大外形寸法)と略同じで、押下部1fの最大直径(最大外形寸法)は尖端部1aの最大直径(最大外形寸法)より大きくしている。
ベースプレート50の上には、熱可塑性樹脂材20、20’を大形中空凸部21と小形中空凸部22を嵌合した状態で載置している。熱可塑性樹脂材20、20’を嵌合した間隔保持用重ね部23の上には、工具ホーン10の加工部1を位置させている。
図1において、工具ホーン10を超音波振動手段42で超音波振動させ、スライダ41を下降させて間隔保持用重ね部23の上に押さえつけると、図2のように、工具ホーン10の加工部1の尖端部1aが、間隔保持用重ね部23の上面に貫入して貫通孔(A)を開けると同時に、貫通孔の周縁部を溶融する。図2以降の各図では溶融している部分を細い斜線(ハッチング)で示した。なお、尖端部1aの先は針状に尖っていなくてもよく、尖端部1aの先が球状になっていてもよい。尖端部1aから熱可塑性樹脂材20、20’に超音波振動エネルギーが伝わると溶融して貫通孔が開く。
工具ホーン10が更に下降すると、図3に示したように、加工部1の柱状部1bは、貫通孔を所定寸法の孔にし、柱状部1bの外周面は貫通孔の周縁部を溶融させる。工具ホーン10は軸方向に数ミクロン(μm)の振幅で20kHz程度以上の超音波振動をしているため、工具ホーン10の加工部1の表面から超音波振動エネルギーが出て、加工部1の表面に接する熱可塑性樹脂材は溶融し続け、溶融した部分(B)は下方に垂れ下がろうとする。
工具ホーン10が更に下降し、図4に示したように、工具ホーン10のくびれ部1cが貫通孔の周縁部の高さまで下がると、それまで貫通孔の周縁部の内面を外側に押していた工具ホーン10の柱状部1bの表面が軸心に向けてしぼむ形になる。そのため、熱可塑性樹脂材の溶融部分は図4の(C)のように工具ホーン10のくびれ部1cの空間に取り込まれる。
工具ホーン10のくびれ部1cの空間に熱可塑性樹脂材の溶融部分を取り込んだ状態から、図5のように、工具ホーン10を上昇させると、熱可塑性樹脂材の溶融部分の一部は図5の(D)のように持ち上げられる。
そして、工具ホーン10の加工部1を間隔保持用重ね部23から抜き去ると、図6のように、貫通孔の周縁部が上方に立ちあがってリング状部28ができる。リング状部28から工具ホーン10が離れると、超音波振動エネルギーが伝わらないのでリング状部28は、自然冷却されて固化する。
この超音波溶着動作のステップを図7のフロー図に示す。超音波振動させている工具ホーン10を下降させ(ステップST1)、工具ホーン尖端部1aを重ねた熱可塑性樹脂材に貫通させ(ステップST2)、くびれ部1cに溶融部分を取り込み(ステップST3)、工具ホーン10を上昇させ(ステップST4)、工具ホーンの加工部1を貫通孔から抜き去り離脱する(ステップST5)という各ステップの動作を行っている。この各ステップの動作を行うことにより、間隔保持用重ね部23に貫通孔が開き、貫通孔の周縁部の溶融部分が上方に持ち上がりリング状部28が成形され、自然冷却して固化する。
本発明では、特に超音波振動させている工具ホーン10を下降させ、重ねた熱可塑性樹脂材を溶融し(ステップST1)、貫通孔を開け(ステップST2)、くびれ部1cに溶融部分を取り込み(ステップST3)、工具ホーン10を上昇させて、溶融部分を持ち上げてリング状部28を成形している(ステップST4)。そのため、従来のように加熱棒で溶融させた溶融部分がそのまま固化するのでなく、重ねた熱可塑性樹脂材の溶融部分の一定部分が持ち上げられ混ざり合って所定形状に固化するので、熱可塑性樹脂材を直接的に接合している断面積が増え、一体化強度が大きくなっている。
図8に、実施の形態1の熱可塑性樹脂材の融着方法で成形したリング状部28の部分断面図を示す。従来の加熱棒90を用いた場合、加熱棒90で溶融した部分は、貫通孔から下方に垂れ下がった形で固化するが、本発明によれば、工具ホーン10の加工部1で溶融した部分は、工具ホーン10のくびれ部1cで持ち上げられたリング状部28として固化している。図8を、従来の加熱棒90を用いた場合の図33と対比すれば明らかなように、重なった熱可塑性樹脂材を直接的に接合している断面の高さ(E2)は、溶融した範囲(E1)とほぼ同じであり、図33の重なった熱可塑性樹脂材を直接的に接合している断面の高さ(J2)より高く、熱可塑性樹脂材がより強く一体化されている。
なお、上記では、工具ホーン10の加工部1にある柱状部1bは、所定の軸方向長さの柱状部とした。柱状部にしたのは、柱状部1bの外周面から貫通孔の周縁部に超音波振動エネルギーを与えて所定寸法の孔に溶融させるためである。工具ホーン10の下降速度を遅くすれば柱状部分の軸方向長さが短くても貫通孔を所定寸法の孔にすることができる。そのため、工具ホーン10の下降速度が遅い場合は、工具ホーン10の加工部1の柱状部1bを省略して尖端部1aと斜面部1dを続けた形にしてもよい。
また、図4に示した、工具ホーンのくびれ部1cに貫通孔の溶融部分を取り込む工程では、工具ホーン10を中心軸周りに回転させると、熱可塑性樹脂材の溶融部分を工具ホーン10の加工部1のくびれ部1cの空間に取り込み易くなるので、工具ホーン10を中心軸周りに回転させる回転手段を追加した構成にしてもよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る熱可塑性樹脂材の融着方法の発明では、超音波振動溶着用の工具ホーン(溶融棒)に、尖端部、柱状部、くびれ部、押下部を形成し、重ねた熱可塑性樹脂材に工具ホーン(溶融棒)を押圧し超音波振動エネルギーを与えて、工具ホーン(溶融棒)の尖端部で重ねた熱可塑性樹脂材に貫通孔を開けるとともに貫通孔の周縁部を溶融する。そして、工具ホーン(溶融棒)の柱状部で貫通孔を所定寸法の孔にするとともに、工具ホーン(溶融棒)の柱状部に接する貫通孔の周縁部を溶融し、工具ホーン(溶融棒)のくびれ部で溶融した熱可塑性樹脂材を取り込み、工具ホーン(溶融棒)を押圧方向と逆方向に引き抜くことによって、工具ホーン(溶融棒)のくびれ部に取り込んだ溶融した熱可塑性樹脂材を貫通孔から持ち上げてリング状部を成形し、再び工具ホーン(溶融棒)を下降させ、工具ホーン(溶融棒)の押下部で一旦成形したリング状部の上部を押し縮めて太いリング状部を成形している。そして、工具ホーン(溶融棒)を引き抜いて、太くしたリング状部を自然冷却・固化して熱可塑性樹脂材を接続している。
実施の形態2の、工具ホーン10のくびれ部1cに取り込んだ溶融した熱可塑性樹脂材を貫通孔から持ち上げてリング状部28を一旦成形するまでの工程は、実施の形態1と同じであるため、図示と説明を省略し、再び工具ホーン10を下降する工程から後を図9から図11を用いて説明する。
図9は、実施の形態1で説明したように、工具ホーン10で貫通孔の周縁部を持ち上げてリング状部28を成形した後、再び工具ホーン10を下降させて貫通孔に入れたときの断面図を示す。図9では、貫通孔の上方に持ち上がったリング状部28の上部に、逆円錐状の工具ホーン10の押下部1fの表面が対向している。工具ホーン10が更に下降すると、図10のように、工具ホーン10の押下部1fは、リング状部28の上部に超音波振動エネルギーを与えながら押し下げる。リング状部28は、上部が工具ホーン10の押下部1fにより押し縮められて太いリング状部29に成形される。工具ホーン10を一定位置まで下降させた後、図11のように上方へ引き抜くと、貫通孔の周縁部は太いリング状部29となったまま自然冷却され固化する。
図12に、実施の形態2の工具ホーンを超音波振動させながら上下動させる動作ステップをフロー図として示した。なお、一旦成形したリング状部28を工具ホーンの押下部1fで押し縮めて太いリング状部29に成形するステップは複数回繰り返してもよい。そのため、図12のフロー図では、既に図7で示した、一旦リング状部を成形するステップST1からステップST5の後、予め設定した繰り返し回数になったか否かを確認して(ステップST6)、予め設定した繰り返し回数に満たない場合は工具ホーン10の再下降(ステップST7)を行い、予め設定した繰り返し回数になるまで工具ホーン10の上下動を繰り返すようにしている。そして、予め設定した繰り返し回数を満たしたとき、作業を終了する(ステップST8)。
図13に、実施の形態2の熱可塑性樹脂材の融着方法で成形したリング状部29の部分断面図を示す。実施形態1で成形した貫通孔の周縁部のリング状部28と比べて、貫通孔の周縁部の高さ(F1)が縮まっていることで直接接合している断面の高さ(F2)も縮まっているが、リング状部29上部の厚さ(T3)は押し縮められた分だけ増しており、元の厚さ(T2)より太いリング状部29になっている。このように、実施の形態2では、貫通孔の周縁部を太いリング状部29に成形することで、熱可塑性樹脂材の混合を促進して、重ねた熱可塑性樹脂材をより強く一体化している。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る熱可塑性樹脂材の融着方法の発明では、工具ホーン(溶融棒)に、順に尖端部、柱状部、くびれ部を形成し、重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に工具ホーン(溶融棒)の尖端部を押圧し、工具ホーン(溶融棒)の尖端部で重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に超音波振動エネルギーを与えて貫通孔を開けるとともに貫通孔の周縁部を溶融し、工具ホーン(溶融棒)のくびれ部を貫通孔の周縁部に対向する位置まで押し下げ、この状態で、工具ホーン(溶融棒)を軸心に対して所定量偏心させて回転し、工具ホーン(溶融棒)のくびれ部を貫通孔の周縁部を押圧して貫通孔の上下に伸びる太いリング状部に形成し、その後、工具ホーン(溶融棒)を引き抜いて、太いリング状部を冷却・固化し、熱可塑性樹脂材を一体化している。
実施の形態3の、工具ホーン10を下降して工具ホーンの尖端部1aで貫通孔を開けて貫通孔の周縁部を溶融する工程から、工具ホーン10のくびれ部1cを貫通孔の周縁部内面に対向する位置まで押し下げるまでの工程は、実施の形態1、2とほぼ同じである。実施の形態3では、超音波振動している工具ホーン10のくびれ部1cを貫通孔の周縁部内面に対向する位置まで下降させた後、工具ホーン10の軸心を所定量(e)偏心させて回転させ、工具ホーン10のくびれ部1cを貫通孔の周縁部内面に押し当てて貫通孔の周縁部にリング状部30を成形している。工具ホーン10の回転手段としては、支柱40bに対して上下動するスライダ41と超音波振動手段42の間に図示しない偏心回転手段を設けてもよいし、超音波振動手段42と一体になった工具ホーン10を図示しない多間接アームロボットに取り付け、ロボットのアームを工具ホーン10の軸心に対して所定量偏心して回転させるよう構成してもよい。
実施の形態3の説明としては、図14で、超音波振動している工具ホーン10を、工具ホーン10のくびれ部1cが貫通孔の周縁部内面に対向する位置まで下降させ、工具ホーン10の軸心を所定量(e)偏心させて回転させている状態を示した。また、工具ホーン10の軸心を所定量(e)偏心させて回転させてリング状部30を成形した後、上方に工具ホーン10を引き抜いた状態を図15に示した。実施の形態3では、工具ホーン10のくびれ部を貫通孔の周縁部を押し広げてリング状部30を成形しているため、貫通孔の周縁部の内側の断面形状が、工具ホーン10の斜面部1d、底部1e、押下部1fで形成されるくびれ部1cで形作られ、上下方向中央部分が内側に突出して貫通孔の上下に伸びるリング状に形成されるという特徴がある。
図16は、実施の形態3の、工具ホーン10を下降する(ステップST1)、工具ホーン尖端部1aで貫通孔を開ける(ステップST2)、くびれ部1cに溶融部分を取り込む(ステップST3)までの工程と、それ以降の工程をフロー図として示している。
実施の形態3では、工具ホーン10のくびれ部1cに溶融部分を取り込んだ後(ステップST3)、くびれ部1cを所定の高さに位置決めし(ステップST10)、工具ホーン10の軸心を所定量(e)偏心させて回転させ(ステップST11)、工具ホーン10の軸心の偏心を戻して、工具ホーン10を上昇させ(ステップST12)、上方に抜き去り離脱している(ステップST13)。
図17に、実施の形態3の熱可塑性樹脂材の融着方法で成形したリング状部30の部分断面図を示す。貫通孔の周縁部の内側の断面形状は、工具ホーン10の斜面部1d、底部1e、押下部1fで形成されるくびれ部1cの断面形状に形成される。
本発明の実施の形態3では、貫通孔の周縁部の溶融部分を工具ホーン10の斜面部1d、底部1e、押下部1fで形成されるくびれ部1cの断面形状にリング状部31を形成しているので、貫通孔の周縁部の溶融部分をくびれ部1cの形状に沿った所定の形状に均一的に形成することができ、重ねた熱可塑性樹脂材の一体化を安定的に実現することができる。
また、実施の形態3では、熱可塑性樹脂材20、20’をベースプレート50上に固定した状態で動かさず工具ホーン10の軸心を所定量(e)偏心させて回転させた例を示したが、工具ホーン10を所定高さに下降したままにしてその位置を動かさず、工具ホーン10のくびれ部1cの表面に貫通孔の周縁部内面を押し当てた状態で工具ホーン10のくびれ部1cが貫通孔の周縁部を押し広げるように、熱可塑性樹脂材20、20’をベースプレート50ごと動かすよう構成してもよい。工具ホーン10のくびれ部1cを貫通孔の周縁部に対向する位置まで押し下げ、この状態で、工具ホーン10のくびれ部1cで貫通孔の周縁部を押圧して太いリング状部30を形成することは、工具ホーン10を軸心に対して所定量偏心させて回転しても、工具ホーン10の位置はそのまま動かさずに重ねた二以上の熱可塑性樹脂材20、20’を水平方向に円を描くように移動させても相対的な動きは同じであり、工具ホーン10のくびれ部1cの断面形状にリング状部30を成形する作用効果は同じだからである。
工具ホーン10を所定高さに下降したままにしてその位置を動かさず、工具ホーン10のくびれ部1cの表面に貫通孔の周縁部を押し当てた状態で工具ホーン10のくびれ部1cが貫通孔の周縁部を押し広げるように熱可塑性樹脂材20、20’をベースプレート50ごと動かすよう構成した場合、図16のフロー図では、ステップST11の代わりに、「工具ホーン10のくびれ部の表面に貫通孔の周縁部を押し当てた状態で、熱可塑性樹脂材をベースプレート50ごと動かす」という動作ステップを行い、ステップST12の代わりに、「工具ホーン10のくびれ部の表面に貫通孔の周縁部を押し当てていた状態を解除して、工具ホーン10を上昇させる」という動作ステップを行うことになる。
なお上記実施の形態1から実施の形態3では、工具ホーン10の加工部1の断面形状として、尖端部1a、柱状部1b、斜面部1d、底部1e、押下部1fの境界を直線で結んで屈曲している例を示したが、これら尖端部、柱状部、斜面部、くびれ部、押下部の境界を曲線で結んで湾曲させても良い。図18(a)に、尖端部2a、柱状部2b、斜面部2c、底部2d、押下部2eの境界を曲線で結んだ工具ホーン12を第一の変形例として示した。なお、図18(a)では、尖端部2aの先を小さい半球状に丸めた形を示した。
また、工具ホーン10を持ち上げるときにくびれ部1cに取り込んだ溶融部分を上方に持ち上げやすいように、くびれ部1cの斜面部1dに相当する部分を省略し柱状部3bとくびれ部3cの底部3eとが段差状に接続された構成にしてもよい。図18(b)に斜面部に相当する部分をなくして、加工部3を尖端部3a、柱状部3bとくびれ部3c(底部3d、押下部3e)で構成した工具ホーン13を第二の変形例として示した。
(実施の形態4)
実施の形態1から実施の形態3では、一対の熱可塑性樹脂材の全面に大形中空凸部と小形中空凸部を設け、大形中空凸部と小形中空凸部を嵌合した間隔保持用重ね部に、溶融棒を用いて貫通孔を開け、貫通孔の周縁部を溶着し、工具ホーン(溶融棒)で貫通孔の周縁部の溶融部分を持ち上げてリング状部を成形して一体化する例を説明した。しかし、本発明は、全面に大形中空凸部と小形中空凸部を設けていない薄板状熱可塑性樹脂材あるいはシート状熱可塑性樹脂材を重ねて一体化する場合にも適用することができる。また、本発明は、二つを超える複数の熱可塑性樹脂材を一体化することができる。そこで、本発明の実施の形態4として、三つの薄板状熱可塑性樹脂材を重ねて一体化する例を説明する。
図19(a)では、孔開きベースプレート51の上に三つの薄板状熱可塑性樹脂材60、61、62を重ね、その上に孔開き押さえ板52を載せて挟持し、孔開き押さえ板52の孔の上方から図示しない超音波振動手段によって超音波振動している工具ホーン13の尖端部3aを熱可塑性樹脂材60、61、62に押し付け、貫通孔を開けている状態を示している。図19(b)では、工具ホーン13をさらに押し込み、貫通孔の周縁部を溶融して、工具ホーン13のくびれ部3cに溶融した部分を取り込んだ状態を示している。そして、図20(a)では、工具ホーン13を押圧方向と逆方向に引き上げ、工具ホーン13のくびれ部3cで貫通孔の周縁部の溶融部分を持ち上げている状態を示している。図20(b)では、工具ホーン13を貫通孔から抜き出して、貫通孔の周縁部分を持ち上げてリング状部31として成形し、リング状部31を自然冷却・固化している状態を示している。
貫通孔を開け、貫通孔の周縁部を溶融し、工具ホーンのくびれ部に溶融した熱可塑性樹脂材を取り込み、工具ホーンを押圧方向と逆方向に引いてリング状部を形成し、自然冷却・固化して、熱可塑性樹脂材を一体化することは、既に説明した実施の形態1と同じである。
図20(b)の状態の後に、リング状部の上部に再び工具ホーンの押下部を押し当て押し縮めてもよい。つまり、図21(a)に示すように、まず、工具ホーン13を再び下降してリング状部31の上部に押下部3fを対向させる。次に図21(b)に示すように、本発明の実施の形態4に係る工具ホーン13を再び下降してリング状部31の上部を押下部3fで押し縮める。そして、図22に示すように、本発明の実施の形態4に係る工具ホーン13を上昇させてリング状部31から抜き去る。
リング状部31を一旦成形した後、工具ホーン13を再び下降して工具ホーン13の押下部3fでリング状部31の上部を押し縮めることで、実施の形態2と同じようにリング状部31の厚さが増し、太いリング状部31で三つの薄板状熱可塑性樹脂材60、61、62を一体化することができる。
なお実施の形態4では、ほぼ同じ厚さの三つの薄板状熱可塑性樹脂材60、61、62を一体化する例を示したが、三つの熱可塑性樹脂材の厚さを変えてもよく、また、異なる材料の熱可塑性樹脂材を重ねても本発明により一体化することができる。また図示していないが、必要により四以上の薄板状熱可塑性樹脂材を重ねた場合でも、本発明により重ねた薄板状熱可塑性樹脂材を一体化することが可能である。
また、上記の説明では、貫通孔を丸孔として、工具ホーンの加工部を円錐や円柱を組み合わせた軸対象の形状とした例を示したが、必要により、貫通孔を方形の孔や三角形の孔などの多角形の孔として、それに応じて工具ホーンの加工部の尖端部、柱状部やくびれ部として説明した部分の水平断面形状を方形や三角形などの多角形にしてもよい。
以上説明したとおり、本発明の実施の形態1から4では、溶融棒として超音波振動溶着用の工具ホーンを用い、この工具ホーンに少なくとも尖端部とくびれ部を設け、くびれ部で溶融した熱可塑性樹脂材を持ち上げてリング状部を成形し、熱可塑性樹脂材を所定の強度で一体化している。超音波振動溶着用の工具ホーンは、熱可塑性樹脂材に超音波エネルギーを与えるため、工具ホーンの表面に溶融した熱可塑性樹脂材を寄せ付けない。そのため、溶融した熱可塑性樹脂材が工具ホーンの表面にこびりついて糸を引くという、糸引き現象が起きない利点がある。
また、超音波振動溶着用工具ホーン自体の温度は低く、リング状部を冷却する効果がある。また、振幅や振動周波数などの超音波振動条件を瞬時に可変できる利点がある。そのため、押下部でリング状部の上部を押下して押し縮める際に、振動レベルを小さくしたり、振動を止めたりして、押下部でリング状部の上部を冷やしながら押し縮めて、所定の形状に成形することもできる。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について説明する。本発明の実施の形態5では、ヒーターで加熱する加熱棒に尖端部とくびれ部を設けて、尖端部で貫通穴を開け、くびれ部に溶融した熱可塑性樹脂材を取り込み、くびれ部で溶融部分を持ち上げてリング状部を成形する。加熱棒の温度が高いと加熱棒を引き抜くときに、加熱棒の表面に溶融した熱可塑性樹脂材がこびりついて糸を引く、糸引き現象が起こりやすいといわれているが、糸引き現象を起こさないように比較的低温で適切な温度制御をすれば、くびれ部に溶融した熱可塑性樹脂材を取り込み、くびれ部を持ち上げて熱可塑性樹脂材のリング状部を成形して、所定の一体化強度を得ることができる。
また、加熱棒に尖端部、くびれ部と押下部を設け、1回目の上下動で尖端部により貫通孔を開け、くびれ部に溶融した熱可塑性樹脂材を取り込み、くびれ部を持ち上げてリング状部を成形し、2回目の下降でリング状部の上部を押下部で押し縮めてもよい。実施の形態2で示したように、熱可塑性樹脂材に太いリング状部を形成して、一体化強度を更に増大させることができる。
本発明の実施の形態5では、実施の形態1から実施の形態4で示していない構成を図23から図26を用いて説明する。図23から図26では、重ねた熱可塑性樹脂材に向けて上下動する上下動板14の下面の左側(一側)に加熱棒15を設け、右側(他側)に押下棒16を設けている。加熱棒15の外形としては、既に図18(b)や図19、図20で示した工具ホーン13と同じ外形をしている。押下棒16の外形は、逆向きの円錐台の形をしている。加熱棒15は図示しないヒーターを内蔵させて加熱する。押下棒16は内蔵ヒーターを設けず、加熱しない。なお、上下動板14の材質は全体を熱が伝わりにくい絶縁材料とするか、加熱棒15の周辺だけを絶縁材料として、加熱棒15の熱が押下棒16に伝わらないようにしている。ベースプレート17は、熱可塑性樹脂材60、61、62を載せ、重ね板18で挟んだ状態で水平方向に順送り移動して位置決め停止するようにしている。
ベースプレート17を水平方向に順送り移動して位置決め停止するようにしたのは、第一の工程として加熱棒15でリング状部を成形した後、第二の工程として押下棒16でリング状部の上部を押し縮めるためである。
具体的には、まず図23(a)に示すように、上下動板14を下降させ、加熱棒15の尖端部5aを熱可塑性樹脂材60、61、62に押し付けて溶融させ、貫通孔を開ける。図23(b)に示すように、上下動板14を更に下降させ、加熱棒15のくびれ部5cに溶融した熱可塑性樹脂材を取り込む。なお、図23(a)、(b)では、押下棒16は熱可塑性樹脂材にまだ接触していない。
図24(a)に示すように、上下動板14を上昇させ、加熱棒15のくびれ部5cに取り込んだ溶融した熱可塑性樹脂材を持ち上げる。図24(b)に示すように、上下動板14を更に上昇させ加熱棒15によりリング状部32を成形し、加熱棒15をリング状部32から引き抜く。このあと、ベースプレート17ごと熱可塑性樹脂材を図面の紙面右方向に水平移動し、リング状部32を押下棒16の直下に位置決め停止する。
そして、図25(a)に示したように、再び上下動板14を下降させ、加熱棒15で熱可塑性樹脂材60、61、62に新たな貫通孔を開ける。次に、図25(b)のように、上下動板14を更に下降させ、加熱棒15のくびれ部5cに溶融した熱可塑性樹脂材を取り込むとともに、押下棒16でリング状部32の上部を押下して押し縮める。再び図26(a)のように、上下動板14を上昇させ、加熱棒15のくびれ部に取り込んだ溶融した熱可塑性樹脂材を持ち上げるとともに、押下棒16をリング状部32から離す。そして、図26(b)では、上下動板14を更に上昇させて新たなリング状部32を成形し、加熱棒15をリング状部32から引き抜く。
このように、図23から図26に示した実施の形態5では、加熱棒15と押下棒16を水平に離した位置に各別に設けたことにより、温度の高い加熱棒15でリング状部32を作り、温度の低い押下棒16でリング状部を押し縮めている。なお、図25(b)では説明しなかったが、必要により押下棒16でリング状部32の上部を押下して押し縮める際に、押下棒16とリング状部32の上部付近をエアーノズル19から空気を吹付けて冷却してもよい。押下棒16とリング状部32の上部の温度を下げることにより、継続して作業をしても、押下棒16とリング状部32の上部の間で糸引き現象をおこさないようにすることができる。
以上、実施の形態1から実施の形態5では、熱可塑性樹脂体の上から下へ溶融棒を動かす例を説明したが、熱可塑性樹脂体の下から上へ溶融棒を動かすようにしてもよい。また必要により、溶融棒を水平方向へ、あるいは斜め方向に動かすようにしてもよい。
また、上記では、熱可塑性樹脂材の貫通孔を開ける部分に孔が開いていない例を示したが、貫通孔を開ける部分に予め小さな位置決め孔を開けておいて、それより寸法の大きい溶融棒を入れて貫通孔の周縁を溶融するようにしても良い。
本発明は、冷却塔用充填材や汚物処理装置用充填材として用いられる熱可塑性合成樹脂製積層材等を重ねた熱可塑性樹脂材の一体化をはじめ、その他の薄板状又はシート状の熱可塑性樹脂材を一体化するときに適用することができる。
1 加工部
1a 尖端部
1b 柱状部
1c くびれ部
1d 斜面部
1e 底部
1f 押下部
10、12、13 工具ホーン
14 上下動板
15 加熱棒
16 押下棒
17 ベースプレート
18 重ね板
19 エアーノズル
20、20’ 熱可塑性合成樹脂材
21 大形中空凸部
22 小形中空凸部
23 間隔保持用重ね部
25 ネジ
28、29、30、31、32 リング状部
40a、40b 支柱
41 スライダ
42 超音波振動手段
50 ベースプレート

Claims (14)

  1. 尖端部とくびれ部とが形成された溶融棒を用いて、
    重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に前記溶融棒の尖端部を押圧し、
    前記溶融棒の尖端部で前記重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に貫通孔を開けるとともに前記貫通孔の周縁部を溶融し、
    前記溶融棒を更に押し込んで、前記溶融棒のくびれ部に溶融した熱可塑性樹脂材を取り込み、
    その後、前記溶融棒を押圧方向と逆方向に引き抜き、
    前記溶融棒のくびれ部に取り込んだ溶融した熱可塑性樹脂材を前記貫通孔から持ち上げてリング状部を成形して、
    前記リング状部を冷却・固化し、
    前記熱可塑性樹脂材を一体化することを特徴とする熱可塑性樹脂材の融着方法。
  2. 尖端部と、根元側に押下部を有するくびれ部と、が形成された溶融棒を用いて、
    重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に前記溶融棒の尖端部を押圧し、
    前記溶融棒の尖端部で前記重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に貫通孔を開けるとともに前記貫通孔の周縁部を溶融し、
    前記溶融棒を更に押し込んで、前記溶融棒のくびれ部に溶融した熱可塑性樹脂材を取り込み、
    その後、前記溶融棒を押圧方向と逆方向に引き抜き、
    前記溶融棒のくびれ部に取り込んだ溶融した熱可塑性樹脂材を前記貫通孔から持ち上げてリング状部を成形して、
    再び前記溶融棒を押し下げて前記溶融棒の押下部で前記リング状部の上部を押下して貫通孔の周縁部を太くしたリング状部に成形し、
    その後、前記溶融棒を引き抜いて、前記太くしたリング状部を冷却・固化し、
    前記熱可塑性樹脂材を一体化することを特徴とする熱可塑性樹脂材の融着方法。
  3. 熱可塑性樹脂材を融着する溶融棒に尖端部とくびれ部を形成し、
    重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に前記溶融棒の尖端部を押圧し、
    前記溶融棒の尖端部で前記重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に貫通孔を開けるとともに前記貫通孔の周縁部を溶融し、
    前記溶融棒のくびれ部を貫通孔の周縁部に対向する位置まで押し下げ、
    この状態で、前記溶融棒のくびれ部で貫通孔の周縁部を押圧して太いリング状部を形成し、
    その後、前記溶融棒を引き抜いて、前記太いリング状部を冷却・固化し、
    前記熱可塑性樹脂材を一体化することを特徴とする熱可塑性樹脂材の融着方法。
  4. 前記溶融棒の尖端部とくびれ部の間に柱状部が形成されており、
    前記溶融棒の尖端部で前記重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に貫通孔を開けるとともに前記貫通孔の周縁部を溶融した後、
    前記溶融棒を更に押し下げて、前記溶融棒の柱状部で前記貫通孔の周縁部を更に溶融するようにした請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂材の融着方法。
  5. 前記溶融棒を超音波振動する超音波振動用の工具ホーンとしたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂材の融着方法。
  6. 前記溶融棒を電熱ヒーターで加熱する加熱棒としたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂材の融着方法。
  7. 重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に挿入して貫通孔を開けるための尖端部と、前記尖端部の最大外形寸法よりも外形寸法が小さく溶融した熱可塑性樹脂材をためるくびれ部を有し、前記貫通孔から引き抜いたときに前記くびれ部で溶融した熱可塑性樹脂材を持ち上げてリング状部を成形するようにした溶融棒。
  8. 前記くびれ部の根元側に前記尖端部の最大外形寸法より大きな最大外形寸法を有する押下部を形成した請求項7に記載の溶融棒。
  9. 前記尖端部と前記くびれ部との間に、外形寸法が前記尖端部の最大外形寸法と略同じである柱状部を設けた請求項7または請求項8に記載の溶融棒。
  10. 前記溶融棒を超音波振動する超音波振動用の工具ホーンとしたことを特徴とする請求項7から請求項9のいずれかに記載の溶融棒。
  11. 前記溶融棒を電熱ヒーターで加熱する加熱棒としたことを特徴とする請求項7から請求項9のいずれかに記載の溶融棒。
  12. 請求項7から請求項11のいずれかに記載の溶融棒を往復動させ、重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に貫通孔を開けるとともに貫通孔の周縁部をリング状部に成形して、熱可塑性樹脂材を一体化するよう構成した熱可塑性樹脂材の融着装置。
  13. 請求項7から請求項11のいずれかに記載の溶融棒の尖端部を、重ねた二以上の熱可塑性樹脂材に押圧して貫通孔を開け、前記溶融棒のくびれ部を貫通孔の周縁部に対向する位置まで押し下げ、
    この状態で、前記溶融棒のくびれ部で貫通孔の周縁部を押圧して太くしたリング状部を形成し、前記溶融棒を引き抜いて、前記太くしたリング状部を冷却・固化して熱可塑性樹脂材を一体化するよう構成した熱可塑性樹脂材の融着装置。
  14. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂材の融着方法を用いて融着した熱可塑性樹脂材。
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