JP2012236974A - 粘着剤組成物、及び粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、高温高湿環境下での白化現象を防止する粘着剤組成物を提供することである。
【解決手段】(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来の構成単位と水酸基を有する単量体に由来の構成単位とを含む(メタ)アクリル系ポリマー(A)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来の構成単位と水酸基を有する単量体に由来の構成単位とアルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位とを含み、重量平均分子量(Mw)が2500以上10000以下である(メタ)アクリル系オリゴマー(B)と、を含有する粘着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物、及び粘着シートに関する。
近年、モバイル端末、パーソナルコンピューター、電化製品等の入力部位に、タッチパネルが広く用いられている。タッチパネルは、例えば、ポリカーボネート等の透明プラスチックフィルムと、ITO透明導電膜が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムとを粘着剤層により貼り合わせることで、製造されている。このタッチパネル用の粘着剤組成物には、接着性、透明性に加え、高温高湿環境下で発泡や剥がれが生じないという耐久信頼性が求められている。
このタッチパネル用の粘着剤組成物として、例えば、特開2005−255877号(特許文献1)、特開2005−15524号(特許文献2)に、特定の構造を有するアクリル系ポリマーとオリゴマーとを配合した粘着剤組成物が開示されている。これら粘着剤組成物はタッチパネルに使用され、高温下の使用においても、ポリカーボネート板から発生するガスによる粘着剤層の発泡や膨れを抑えられるとされている。
特開2005−255877号公報 特開2005−015524号公報
近年、タッチパネルは幅広い分野に用いられるようになってきているため、粘着剤組成物には、高温高湿の過酷な使用条件下において、より高い耐久信頼性が求められている。しかしながら、従来の粘着剤組成物では、タッチパネルを高温高湿環境下で使用すると、水分が粘着剤層に侵入し、粘着剤層が白化する場合があった。
そこで、本発明は、高温高湿環境下での白化現象を防止する粘着剤組成物、及び粘着シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは、鋭意検討した結果、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重合成分として、アルキレンオキシ基を有する単量体を多量に含有させると、高温高湿環境下での白化現象を防止できることを突止めた。しかし、高温高湿環境下での白化現象の防止のために、その単量体を多量に含有させると、粘着剤組成物の接着性が失われてしまうことが判明した。
また、重量平均分子量(Mw)が2500未満である、アルキレンオキシ基を有する化合物(例えば、ポリエチレングリコール)を、粘着剤組成物に直接添加した場合、粘着剤組成物の表面にその化合物がブリードアウトし、粘着剤組成物の接着性が失われてしまうことが判明した。
そこで、本発明者らは、さらに鋭意検討を進め、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(5)に記載の事項をその特徴とする。
(1)(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来の構成単位と水酸基を有する単量体に由来の構成単位とを含む(メタ)アクリル系ポリマー(A)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来の構成単位と水酸基を有する単量体に由来の構成単位とアルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位とを含み、重量平均分子量(Mw)が2500以上10000以下である(メタ)アクリル系オリゴマー(B)と、を含有する粘着剤組成物。
(2)前記(メタ)アクリル系オリゴマー(B)における前記アルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位の含有比率は、前記(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を構成する単量体由来の構成単位の総質量に対して、0.1〜20質量%である前記(1)に記載の粘着剤組成物。
(3)前記(メタ)アクリル系オリゴマー(B)の含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100質量部に対して、20〜60質量部である前記(1)又は(2)に記載の粘着剤組成物。
(4)前記(メタ)アクリル系オリゴマー(B)における前記アルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位の含有比率は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)におけるアルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位の含有比率より大きい前記(1)〜(3)に記載の粘着剤組成物。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の粘着剤組成物が架橋剤と反応して形成された架橋構造を含む粘着剤層を有する粘着シート。
このような粘着剤組成物によれば、アルキレンオキシ基を有する単量体を、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)の重合成分として粘着剤組成物に含有させることで、高温高湿環境下での白化現象を防止するとともに、良好な接着性を有することができる。
以上のように、本発明によれば、高温高湿環境下での白化現象を防止する粘着剤組成物、及び粘着シートが提供される。
以下、本発明の粘着剤組成物について、より詳細に説明する。
[粘着剤組成物]
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来の構成単位と水酸基を有する単量体に由来の構成単位とを含む(メタ)アクリル系ポリマー(A)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来の構成単位と水酸基を有する単量体に由来の構成単位とアルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位とを含み、重量平均分子量(Mw)が2500以上10000以下である(メタ)アクリル系オリゴマー(B)と、を含む。
本発明においては、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)は、分子量が低く、更に(メタ)アクリル系ポリマーAと架橋するため、ブリードアウトしにくく、粘着剤組成物の全体にわたって分散する。その(メタ)アクリル系オリゴマー(B)に、重合成分としてアルキレンオキシ基を有する単量体を含有させることにより、高温高湿環境下などでの白化現象が効果的に抑えられると共に、接着性の低下を招くこともない。すなわち、本発明においては、被着材料との間の接着性と高温高湿環境など水分量の多い環境下で生じやすい白化現象の防止との両立が可能になる。
尚、本発明において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルの少なくとも一方を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの少なくとも一方を意味する。
また、本願明細書で説明する、(メタ)アクリル系ポリマー(A)及び(メタ)アクリル系オリゴマー(B)の重量平均分子量(Mw)は、以下の方法により測定された値である。
[重量平均分子量(Mw)の測定方法]
下記(1)〜(3)に従って測定する。
(1)(メタ)アクリル系ポリマー(オリゴマー)溶液を剥離紙に塗布し、100℃の条件下で2分間乾燥し、フィルム状の(メタ)アクリル系ポリマー(オリゴマー)を得る。
(2)上記(1)で得られたフィルム状の(メタ)アクリル系ポリマー(オリゴマー)をテトラヒドロフランにて固形分0.2%になるように溶解させる。
(3)下記条件にて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、(メタ)アクリル系ポリマー(オリゴマー)の重量平均分子量(Mw)を測定する。
(条件)
GPC :HLC−8220 GPC〔東ソー(株)製〕
カラム :TSK−GEL GMHXL 4本使用
移動相溶媒 :テトラヒドロフラン
流速 :0.6ml/min
カラム温度 :40℃
[(メタ)アクリル系ポリマー(A)]
(メタ)アクリル系ポリマー(A)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(a−1)に由来の構成単位と水酸基を有する単量体(以下、水酸基含有単量体(a−2))に由来の構成単位とを含むポリマーであれば、各種用いることができる。
(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、好ましくは、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(a−1)と、水酸基含有単量体(a−2)とを共重合させたものである。
一般式(1)
H2C=C(R2)COOR1 (1)
(ここでR1は、アルキル基を示し、R2は水素原子又はメチル基を表す)
上記一般式(1)のR1は、炭素数2〜8の直鎖又は分鎖アルキル基であることが好ましい。その理由は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)のガラス転移温度を適切な範囲にし易く、粘着剤組成物の接着力を適切な範囲に制御し易いためである。
このような(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(a−1)としては、具体的に、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。特に、n−ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
尚、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(a−1)は、上記具体例をそれぞれ単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(a−1)に由来の構成単位の含有比率は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)を構成する単量体由来の構成単位の総質量に対して、一般に50〜99質量%、好ましくは70〜90質量%の範囲である。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(a−1)の重合比が50質量%以上であれば、接着性、耐久性、凹凸面(段差)への追従性のバランスが良いため好ましい。
(メタ)アクリル系ポリマー(A)に、水酸基含有単量体(a−2)に由来の構成単位を含有させることにより、接着性、耐久性、及び凹凸面(段差)への追従性が得られる。
水酸基含有単量体(a−2)としては、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体が好ましい。具体的に、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等が挙げられる。
これらのうち、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(a−1)との共重合性及び(メタ)アクリル系オリゴマー(B)との相溶性が優れるため、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートが好ましい。
水酸基含有単量体(a−2)に由来の構成単位の含有比率は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)を構成する単量体由来の構成単位の総質量に対して、0.5〜50質量%、好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは1〜20質量%の範囲である。水酸基含有単量体(a−2)の重合比が50質量%以下であれば、凹凸面(段差)への追従性が高いため好ましい。また、0.5質量%以上であれば、接着性及び凝集力が高いため好ましい。
尚、(メタ)アクリル系ポリマー(A)には、重合成分として、アルキレンオキシ基を含有する単量体(以下、アルキレンオキシ基含有単量体(a−3))を、粘着剤組成物の接着性が低下しない範囲において含有させることができる。
また、(メタ)アクリル系ポリマー(A)には、必要に応じて、上記以外の他の共単量体(a−4)を含有させることができる。
共単量体(a−4)とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(a−1)と水酸基含有単量体(a−2)とアルキレンオキシ基含有単量体(a−3)とは異なる単量体であって、これら単量体と共重合可能な単量体である。
共単量体(a−4)としては、具体的に、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート(例:メチルアクリレ−ト)、メタクリル酸エステル(例:メチルメタリレート)、飽和脂肪酸ビニルエステル(例:蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル)、芳香族ビニル単量体(例:スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン)、シアン化ビニル単量体(例:アクリロニトリル、メタクリロニトリル)等が挙げられる。
さらに、ジメチルマレート、ジ−n−ブチルマレート、ジ−2−エチルヘキシルマレート、ジ−n−オクチルマレート、ジメチルフマレート、ジ−n−ブチルフマレート、ジ−2−エチルヘキシルフマレート、ジ−n−オクチルフマレート等のマレイン酸又はフマル酸のジエステル等も挙げられる。
また、共単量体(a−4)として、水酸基含有単量体(a−2)とは異なる、分子内に1個のラジカル重合性不飽和基の他に少なくとも1個の官能基を有する単量体(以下、官能性共単量体(a−4’)という)を用いることができる。
このような官能性共単量体(a−4’)としては、アミド基もしくは置換アミド基、アミノ基もしくは置換アミノ基、低級アルコキシル基、エポキシ基又は珪素含有基等を有する単量体が挙げられる。
これら官能性共単量体(a−4’)としては、具体的に、
アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−i−ブトキシメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、及びN−メチルアクリルアミド等のアミド基もしくは置換アミド基含有単量体、アミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、及びN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基もしくは置換アミノ基含有単量体、
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−n−ブトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート等の低級アルコキシル基含有単量体、
グリシジルアクリレート、グリシジルアリルエーテル、及びグリシジルメタリルエーテル等のエポキシ基含有単量体、
ビニルトリクロロシラン、ビニルトリブロモシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−i−プロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(2−ヒドロキシメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジエトキシシラノール、ビニルエトキシシラジオール、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、及び2−アクリルアミドエチルトリエトキシシラン等の珪素含有基を有する単量体、等が挙げられる。
これら官能性共単量体(a−4’)に由来の構成単位の含有比率は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)を構成する単量体由来の構成単位の総質量に対して、一般に0〜30質量%、好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%の範囲である。官能性共単量体(a−4’)の重合比が30質量%以下であれば、接着性、耐久性、及び凹凸面(段差)への追従性のバランスが良いため好ましい。
さらに、共単量体(a−4)として、必要に応じて、「分子内に2個以上のラジカル重合性不飽和基を有する共単量体(a−4’’)」を用いることができる。
このような単量体(a−4’’)として、具体的に、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
このような「分子内に2個以上のラジカル重合性不飽和基を有する単量体(a−4’’)」は、例えば重合比0.5質量%以下など、本発明の優れた効果を損なわない範囲において含有させることができる。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、重量平均分子量(Mw)が40万以上140万以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは50万以上80万以下の範囲である。
重量平均分子量(Mw)が上記範囲であることは、後述の(メタ)アクリル系オリゴマーと区別されるポリマー成分であることを表す。また更には、重量平均分子量(Mw)が40万以上であれば、凝集力が適切に保たれ、耐久性試験において気泡が発生しない。また140万以下であれば、凹凸面(段差)への追従性を保つことができる。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、そのガラス転移温度(TgA)が−70〜−30℃の範囲であることが好ましく、−50〜−40℃の範囲であることがさらに好ましい。TgAが−30℃以下であれば、凹凸面(段差)への追従性が高いため、好ましい。また、−70℃以上であれば、接着性が高く、高温での耐久性が高いため、好ましい。
[(メタ)アクリル系オリゴマー(B)]
(メタ)アクリル系オリゴマー(B)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)に由来の構成単位と水酸基を有する(以下、水酸基含有単量体(b−2))に由来の構成単位と、アルキレンオキシ基を有する単量体(以下、アルキレンオキシ基含有単量体(b−3))に由来の構成単位とを含み、重量平均分子量(Mw)が2500以上10000以下であるオリゴマーであれば、各種用いることができる。
(メタ)アクリル系オリゴマー(B)は、好ましくは、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)と、水酸基含有単量体(b−2)と、アルキレンオキシ基含有単量体(b−3)を、共重合させたものである。
一般式(1)
H2C=C(R2)COOR1 (1)
(ここでR1は、アルキル基を示し、R2は水素原子又はメチル基を表す)
上記一般式(1)のR1は、炭素数2〜8の直鎖又は分鎖アルキル基であることが好ましい。その理由は、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)のガラス転移温度を適切な範囲にし易いためである。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)は、具体的に、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。好ましくは、接着性、耐久性、透明性の点から、t-ブチルメタアクリレート、i-ブチルメタアクリレート、n-ブチルメタアクリレートである。さらに、好ましくは、接着性、高温での耐久性の点から、t-ブチルメタアクリレートである。
尚、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)は、上記具体例をそれぞれ単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)に由来の構成単位の含有比率は、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を構成する単量体由来の構成単位の総質量に対して、一般に50〜99質量%、好ましくは、70〜90質量%である。重合比が50質量%以上であれば、接着性、高温での耐久性が高いため好ましい。重合比が99質量%以下であれば、凹凸面(段差)への追従性、及び被着体への濡れ性が高いため好ましい。
水酸基含有単量体(b−2)としては、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体が好ましい。具体的に、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等が挙げられる。
これらのうち、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)との共重合性及び(メタ)アクリル系ポリマー(A)との相溶性が優れるため、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートが好ましい。
水酸基含有単量体(b−2)に由来の構成単位の含有比率は、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を構成する単量体由来の構成単位の総質量に対して、0〜50質量%、好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは1〜20質量%の範囲である。50質量%以下であれば、高温での耐久性及び(メタ)アクリル系ポリマー(A)との相溶性が高いため、好ましい。
アルキレンオキシ基含単量体(b−3)としては、アルキレンオキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体が好ましい。具体的に、エチレンオキシド鎖、プロピレンオキサイド鎖を有するアクリル酸エステル単量体等が挙げられ、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。特に、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが好ましい。
これらアルキレンオキシ基含有単量体は、「MPEM−400」、「MPEM−1000」、「RN−20」、〔以上第一工業製薬(株)製〕、「PME−100」〔日油製〕等の商品名により市販されているものを、好適に用いることができる。
また、アルキレンオキシ基含有単量体(b−3)におけるアルキレンオキシ基の単位数(n)は、平均付加モル数で4〜23が好ましく、9〜23がより好ましい。
アルキレンオキシ基の単位数が23以下であれば、溶剤への溶解性が高いため好ましい。一方、単位数の4以上であれば、高温高湿環境下での白化現象をより一層防止できるため、好ましい。
アルキレンオキシ基含有単量体(b−3)に由来の構成単位の含有比率は、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を構成する単量体由来の構成単位の総質量に対して、0.1〜20質量%含むことが好ましく、0.9〜10質量%がさらに好ましい。アルキレンオキシ基含有単量体(b−3)が0.1質量%以上であれば、高温高湿環境下での白化現象をより一層防止するため好ましい。また、20質量%以下であれば、接着性が優れるため好ましい。
このように、アルキレンオキシ基含有単量体(b−3)の含有比率を(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を構成する単量体由来の構成単位の総質量に対して所定範囲内とすることで、接着性は良好なものとしつつ、高温高湿環境下での白化現象をより一層防止することができる。
(メタ)アクリル系オリゴマー(B)は、その重量平均分子量(Mw)が2500〜10000の範囲である。好ましくは、4000〜7000の範囲である。
重量平均分子量(Mw)が2500以上であれば、凝集力の低下が少ないため好ましい。また、10000以下であれば、凹凸面(段差)への追従性が優れるため、及び(メタ)アクリル系ポリマー(A)との相溶性が高いため、好ましい。
また、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)には、必要に応じて、上記以外の他の単量体を含有させることもできる。上記以外の単量体としては、(メタ)アクリル系ポリマー(A)に用いられる共単量体(a−4)を用いることができる。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系オリゴマー(B)のガラス転移温度(TgB)は、10〜120℃の範囲であることが好ましく、50〜120℃の範囲であることがさらに好ましい。TgBが120℃以下であれば、(メタ)アクリル系ポリマー(A)との相溶性が高くなるため好ましい。10℃以上であれば、接着性及び高温での耐久性が高くなるため好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100質量部に対して、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を、20〜60質量部、好ましくは20〜40質量部を含むことが好ましい。
(メタ)アクリル系オリゴマー(B)の含有量が60質量部以下であれば、凝集力及び相溶性の低下が少なく、接着性が高いため、好ましい。また、含有量が20質量部以上であれば、高温高湿環境下での白化現象をより一層防止でき、凹凸面(段差)への追従性が高いため好ましい。
このように、アルキレンオキシ基含有単量体(b−3)を共重合させた(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を、(メタ)アクリル系ポリマー(A)に対して所定範囲内含有させることで、接着性は良好なものとしつつ、高温高湿環境下での白化現象をより一層防止することができる。
また、本発明に用いられる(メタ)アクリル系ポリマー(A)及び(メタ)アクリル系オリゴマー(B)には、重合成分としてカルボキシル基を有する単量体を含まないことが好ましい。カルボキシル基を有する単量体を含まなければ、本発明の粘着剤組成物がITO等の金属に接触した際に、その金属の腐食が起こらない。そのため、本発明の粘着剤組成物は、タッチパネル用途として最適である。
また、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)におけるアルキレンオキシ基含有単量体(b−3)に由来の構成単位の含有比率は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)におけるアルキレンオキシ基含有単量体(a−3)に由来の構成単位の含有比率より大きいことが好ましい。
なお、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)におけるアルキレンオキシ基含有単量体(b−3)に由来の構成単位の含有比率が、(メタ)アクリル系ポリマー(A)におけるアルキレンオキシ基含有単量体(a−3)に由来の構成単位の含有比率より大きいとは、下記2つの場合のことを示す。
まず1つは、アルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位が、(メタ)アクリル系ポリマー(A)に含まずに、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)にのみ含む場合のことである。
もう1つは、アルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位が(メタ)アクリル系ポリマー(A)に含むとともに、アルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位の含有比率が、(メタ)アクリル系ポリマー(A)より(メタ)アクリル系オリゴマー(B)の方が大きい場合のことである。
(メタ)アクリル系ポリマー(A)のアルキレンオキシ基は、粘着剤組成物の内部に局在しやすい。そのため、(メタ)アクリル系ポリマー(A)にアルキレンオキシ基がより多く含有した場合、アルキレンオキシ基は粘着剤組成物の内部により局在することになる。従って、高温高湿環境下において粘着剤組成物に侵入した水分は、粘着剤組成物の内部に局在するアルキレンオキシ基に捕捉されて、内部に留まりやすくなるため、粘着剤組成物が白化しやすくなってしまう。
それに対し、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)のアルキレンオキシ基は、メタ)アクリル系オリゴマー(B)が粘着剤組成物の全体に亘って分散することに伴い、全体に亘って分散する。そのため、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)にアルキレンオキシ基をより多く含有した場合、アルキレンオキシ基は粘着剤組成物の全体に亘ってより分散することになる。そのため、高温高湿環境下において粘着剤組成物に侵入した水分は、粘着剤組成物の全体に分散したアルキレンオキシ基により捕捉されやすくなるため、白化現象をより一層防止することができる。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系ポリマー(A)及び(メタ)アクリル系オリゴマー(B)の重合方法は、特に制限されるものではなく、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、及び塊状重合等の公知の方法により重合できる。本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)と(メタ)アクリル系オリゴマー(B)とを混合して製造するため、それらを混合する工程において、処理が比較的簡単でかつ短時間で行えることから溶液重合が好ましい。
溶液重合は、一般に、重合槽内に所定の有機溶媒、単量体、重合開始剤、及び、必要に応じて連鎖移動剤を仕込み、窒素気流中又は有機溶媒の還流温度で、撹拌しながら数時間加熱反応させることにより行われる。この場合に有機溶媒、単量体、重合開始剤及び/又は連鎖移動剤の少なくとも一部を逐次添加してもよい。
上記の重合用有機溶媒としては、具体的に、
「芳香族炭化水素類」:ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、テトラリン、デカリン、芳香族ナフサ、
「脂肪系又は脂環族系炭化水素類」:n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−デカン、ジペンテン、石油スピリット、石油ナフサ、テレピン油、
「エステル類」:酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸2−ヒドロキシエチル、酢酸2−ブトキシエチル、酢酸3−メトキシブチル、安息香酸メチル、
「ケトン類」:アセトン、メチルエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、
「グリコールエーテル類」:エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
「アルコール類」:メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、
等が挙げられる。これら重合用有機溶媒はそれぞれ単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
(メタ)アクリル系ポリマー(A)を重合する場合、重合用有機溶媒は、重合反応中に連鎖移動を生じにくい有機溶媒である、エステル類、ケトン類を使用することが好ましい。特に、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の溶解性、重合反応の容易さの点から、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトンが好ましい。
また、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を重合する場合、重合用有機溶媒は、連鎖移動を生じやすい有機溶媒である、ケトン類、芳香族炭化水素類を使用することが好ましい。特に、重合反応の容易さの点から、トルエン、メチルエチルケトンが好ましい。
重合開始剤としては、通常の溶液重合で使用できる有機過酸化物、アゾビス化合物を用いることができる。
このような有機過酸化物としては、具体的に、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、カプロイルペルオキシド、ジ−i−プロピルペルオキシジカルボナト、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカルボナト、t−ブチルペルオキシビバラト、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−アミルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−α−クミルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルペルオキシシクロヘキシル)ブタン等が挙げられる。このようなアゾビス化合物としては、具体的に、2,2’−アゾビス−i−ブチルニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等が挙げられる。
(メタ)アクリル系ポリマー(A)を重合する場合、重合開始剤は、重合反応中にグラフト反応を起こさない重合開始剤が好ましく、特にアゾビス系化合物が好ましい。その含有量は、通常、単量体の全量100質量部に対して、0.01〜2質量部、好ましくは0.1〜1質量部である。
また、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を重合する場合、重合開始剤は、反応温度により異なるが、10時間半減期温度の低い重合開始剤が好ましい。10時間半減期温度が80℃以下である重合開始剤が好ましく、70℃以下である重合開始剤がより好ましい。その含有量は、通常、単量体の全量100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは1.0〜15質量部である。
また、本発明に用いられる(メタ)アクリル系ポリマー(A)及び(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を重合する際、連鎖移動剤を用いることがある。
このような連鎖移動剤としては、具体的に、シアノ酢酸;シアノ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;ブロモ酢酸;ブロモ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;α−メチルスチレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン、9−フェニルフルオレン等の芳香族化合物類;p−ニトロアニリン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−ニトロ安息香酸、p−ニトロフェノール、p−ニトロトルエン等の芳香族ニトロ化合物類;ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラメチル−p−ベンゾキノン等のベンゾキノン誘導体類;トリブチルボラン等のボラン誘導体;四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,2−テトラブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロロエチレン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタン、3−クロロ−1−プロペン等のハロゲン化炭化水素類;クロラール、フラルデヒド等のアルデヒド類:炭素数1〜18のアルキルメルカプタン類;チオフェノール、トルエンメルカプタン等の芳香族メルカプタン類;メルカプト酢酸;メルカプト酢酸の炭素数1〜10のアルキルエステル類;炭素数1〜12のヒドロキシアルキルメルカプタン類;ビネン、ターピノレン等のテルペン類;等が挙げられる。
尚、(メタ)アクリル系ポリマー(A)を重合する場合、連鎖移動剤は用いないことが好ましい。
また、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を重合する場合、上記連鎖移動剤のうち、メルカプタン類、ハロゲン化炭化水素が好ましい。その含有量は、単量体の全量100質量部に対して0.005〜10.0質量部であることが好ましい。
重合温度としては、一般に30〜180℃、好ましくは50〜150℃の範囲が良い。(メタ)アクリル系ポリマー(A)を重合する場合、好ましくは50〜90℃、より好ましくは50〜80℃である。(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を重合する場合、好ましくは70〜110℃、より好ましくは80〜100℃である。
[架橋剤]
本発明の粘着剤組成物は、通常、(メタ)アクリル系ポリマー(A)、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)以外に、架橋剤を含むものである。粘着剤組成物を架橋剤により架橋させることで、凝集力を一層大きくすることができる。架橋剤は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)や(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を架橋させるものであれば、各種用いることができる。好ましくは、(メタ)アクリル系ポリマー(A)と反応して架橋構造を形成することができる官能基を2つ以上、好ましくは2〜5個有する架橋剤である。
架橋剤として、具体的に、ポリイソシアネート化合物、ポリエポキシ化合物、ポリアジリジン化合物、メラミンホルムアルデヒド縮合物、金属塩、金属キレート化合物等が挙げられる。これら架橋剤のうち、基材への密着性、(メタ)アクリル系ポリマー(A)と配合した後の安定性等の観点から、ポリイソシアネート系化合物、ポリアジリジン化合物、ポリエポキシ化合物の使用が好ましい。これら架橋剤はそれぞれ単独、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
架橋剤のポリイソシアネート化合物としては、具体的に、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、該芳香族ポリイソシアネート化合物の水素添加物等の脂肪族又は脂環族ポリイソシアネート;それらポリイソシアネートの2量体もしくは3量体、又はそれらポリイソシアネートとトリメチロールプロパン等のポリオールとのアダクト体等の各種ポリイソシアネートに由来するポリイソシアネート化合物が挙げられる。
これらのポリイソシアネート化合物の中では、ヘキサメチレンジイソシアネートの2量体又は3量体、ヘキサメチレンジイソシアネート又はキシリレンジイソシアネートと、トリメチロールプロパン等のポリオールとのアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネート又はキシリレンジイソシアネートに由来するポリイソシアネート化合物が好ましい。
これらのポリイソシアネート化合物は、例えば「コロネートHX」、「コロネートHL−S」、「コロネート2234」〔以上日本ポリウレタン(株)製〕、「スミジュールN75」「デスモジュールN3400」〔住友バイエルウレタン(株)製〕、「デュラネートE−405−80T」、「デュラネートTSE−100」〔旭化成工業(株)製〕、「タケネートD−110N」、「タケネートD−120N」、「タケネートM−631N」〔以上三井武田ケミカル(株)製〕等の商品名により市販されているものを、好適に用いることができる。
架橋剤のポリアジリジン化合物としては、ポリイソシアネート化合物とエチレンイミンとの反応生成物を用いることができる。尚、ポリイソシアネート化合物としては、上記で例示したものを用いることができる。また、トリメチロールプロパンやペンタエリトリトール等のポリオールと(メタ)アクリル酸等のα,β−不飽和カルボン酸との多価エステルにエチレンイミンを付加させた化合物も用いることができる。
このようなポリアジリジン化合物としては、具体的に、N,N’−ヘキサメチレンビス(1−アジリジンカルボアミド)、メチレンビス[N−(1−アジリジニルカルボニル)−4−アニリン]、テトラメチロールメタントリス(β−アジリジニルプロピオナト)、トリメチロールプロパントリス(β−アジリジニルプロピオナト)等が挙げられる。これらのうち、例えば「TAZO」、「TAZM」〔以上相互薬工(株)製〕、「ケミタイトPZ−33」〔(株)日本触媒製〕等の商品名により市販されているものを、好適に用いることができる。
架橋剤のポリエポキシ化合物としては、具体的に、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、トリス(グリシジル)イソシアヌレート、トリス(グリシドキシエチル)イソシアヌレート、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン等が挙げられる。
これらのポリエポキシ化合物のうち、3つ以上のエポキシ基を含有するポリエポキシ化合物が好ましく、中でもトリス(グリシジル)イソシアヌラト、トリス(グリシドキシエチル)イソシアヌラト、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン等のポリエポキシ化合物がさらに好ましく、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンが特に好ましい。
これらのポリエポキシ化合物は、例えば「TETRAD−C」、「TETRAD−X」〔三菱瓦斯化学(株)製〕等の商品名により市販されているものを、好適に用いることができる。
これらの架橋剤の含有量は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100質量部に対して、好ましくは0.001〜10質量部、さらに好ましくは0.005〜5質量部の範囲である。架橋剤の含有量が0.001質量部未満であると、凝集力不足等に伴う気泡が生じやすく、被着体表面の汚染性が低下するため、好ましくない。10質量部を超えると、凝集力過多に伴う凹凸面(段差)への追従性及び被着体への濡れ性の低下が生じるため、好ましくない。
特に架橋剤としてポリイソシアネート化合物を用いるとき、含有量は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100質量部に対して、ポリイソシアネート化合物を0.05〜5質量部、特には0.5〜2質量部の範囲含むことが好ましい。
また架橋剤としてポリアジリジン化合物を用いるとき、含有量は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100質量部に対して、ポリアジリジン化合物を0.001〜0.1質量部、特には0.001〜0.05質量部の範囲含むことが好ましい。
さらに架橋剤としてポリエポキシ化合物を用いるとき、含有量は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100質量部に対して、ポリエポキシ化合物を0.005〜0.3質量部、特には0.01〜0.2質量部の範囲含むことが好ましい。
架橋剤の反応性官能基の種類と、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の反応性官能基の種類により、架橋剤の含有量は定まる。
また架橋剤は、上述したように、2種以上組み合わせて用いることができる。ポリイソシアネート化合物とポリアジリジン化合物との混合物、ポリイソシアネート化合物とポリエポキシ化合物との混合物、等を用いることができる。その場合、ポリイソシアネート化合物、ポリアジリジン化合物、ポリエポキシ化合物は、上記含有量範囲において、適宜選択することができる。好ましくは、質量比、ポリイソシアネート化合物:ポリアジリジン化合物=1〜500:1、特には10〜300:1の範囲である。質量比、ポリイソシアネート化合物:ポリエポキシ化合物=1〜300:1、特には10〜100:1の範囲である。
本発明の粘着剤組成物には、(メタ)アクリル系ポリマー(A)、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)、架橋剤以外に、必要に応じて、粘着剤組成物に通常添加される添加剤を添加することができる。具体的には、促進剤、耐候性安定剤、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、無機充填剤等が挙げられる。
[粘着シート]
また、本発明の粘着シートは、本発明の粘着剤組成物が架橋剤と反応して形成された架橋構造を含む粘着剤層を設けて構成されたものである。本発明の粘着剤組成物を用いるので、高温高湿環境など水分量の多い環境下に曝されても、白化現象を防止することができる。
本発明の粘着シートの例として、粘着剤組成物を塗布等して架橋剤により架橋されることで形成された粘着剤組成物層の架橋体からなる粘着剤層を有する両面粘着テープなどが挙げられる。この両面粘着テープは、前記粘着剤組成物が架橋剤を含み、これを粘着剤溶液として剥離紙上に塗工し、乾燥、架橋させることによって作製することができる。
前記両面粘着テープは、基材(例えば透明基材)の両面に粘着剤層が設けられたタイプ(有基材タイプ)と、基材を設けていないタイプ(無基材タイプ)のいずれであってもよい。
「有基材タイプ」の両面粘着テープは、基材の一方の面に粘着剤層を形成するための粘着剤組成物を塗布等して乾燥し、他方の面にさらに粘着剤層を形成するための粘着剤組成物を塗布等して乾燥する方法や、剥離ライナー(剥離シート)上に透明な粘着剤層を粘着剤組成物により形成し、この粘着剤層を基材(例えば透明基材)に転写する方法などにより作製することができる。
透明基材等の基材の厚さは、特に限定されないが、耐久性の点から5〜100μm程度の範囲が好ましい。
粘着剤層の厚さは、特に制限されないが、基材上の凹凸、段差に対する追従性の点から、50〜175μm程度の範囲が好ましい。
両面粘着テープ等の粘着シートは、透明であることが好ましく、例えば可視光波長領域における全光線透過率(JIS
K 7361)が85%以上、好ましくは90%以上であるのが望ましい。
また、粘着シートのヘイズ(JIS K 7136)は、1.0%以下が好ましく、より好ましくは0.5%以下である。
基材や剥離シートに粘着剤組成物を塗布する場合、塗布方法としては、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどを用いた通常の方法により行なうことができる。
粘着シートとして、架橋剤を含む本発明の粘着剤組成物を架橋反応させて形成した架橋体は、その透明性、耐久性、段差追随性の点から、シート状の光学部材等を有する光学用積層シートに適用することができる。
具体的には、シート状の基材の少なくとも片面に本発明の粘着剤組成物の架橋体からなる層(粘着剤層)を設けたシート等である。シート状の基材としては、例えば、グラシン紙、コート紙、キャストコート紙などの紙基材、これらの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリメチルペンテンなどのポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、酢酸セルロース系フィルムなどのプラスチックフィルム、又はこれらを含む積層シートなどが挙げられる。
シート状の基材の厚さとしては、特に制限はないが、通常は20〜150μm程度であり、その用途に応じて適当なものが選定される。この場合、基材上の粘着剤層の上に、必要に応じて更に剥離シートが設けられてもよい。剥離シートが設けられることで、粘着剤層の表面が保護される。
前記剥離シートとしては、粘着剤層からの剥離が容易に行なえるものであれば特に制限はなく、例えば、フッ素化合物等を用いて表面に離型処理が施された樹脂フィルム(例えばPET等のポリエステルフィルム)などを用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に示すが、本発明はこれら実施例によってなんら限定されるものではない。尚、各例における諸特性は以下に示す方法に従って評価した。
(1)試験用シートの作製
片面に離型処理が施されているPETフィルムP(厚さ:75μm)の離型処理面に、以下の各実施例で調製した粘着剤組成物溶液を、乾燥後の厚さが約50μmとなるように流延塗布し、100℃で2分間加熱乾燥させて粘着剤層を形成した。PETフィルムPとは別に、片面に離型処理が施されている(軽剥離性の)PETフィルムQ(厚さ:38μm)を用意し、PETフィルムPの粘着材層の表面に、PETフィルムQをその離型処理面が接触するように重ねて加圧ニップロ−ルを通して圧着し、貼り合わせた。その後、温度23℃、相対湿度50%の条件下で7日間養生を行なうことで、粘着剤層の両面にそれぞれ離型処理されたPETフィルムを有する両面粘着フィルムを得た。この両面粘着シートは、離型処理を介して設けられている2枚のPETフィルムを剥がすことで、基材のない粘着材層自体からなる粘着シートである。
得られた両面粘着シートの一方に設けられている厚さ38μmのPETフィルムQを剥離し、露出した粘着剤層の表面に接するように、離型処理が施されていない厚さ100μmのPETフィルムR〔商品名;A4100;東洋紡績(株)製〕を重ね、加圧ニップロ−ルを通して圧着し、貼り合わせることで試験用シートを作製した。
(2)接着力測定
(1)項により作製した試験用シートを25mm×150mmにカットしてサンプル片とし、得られたサンプル片のPETフィルムPを剥離し、露出した粘着剤層の表面を厚さ2mmのガラス板に、卓上ラミネート機を用いて圧着し、試験サンプルとした。得られた試験サンプルを23℃、50%RHの条件下で24時間放置した後、卓上型材料試験機STA−1225((株)オリエンテック製)によりPETフィルムRの一端を180゜の方向に引っ張り、180゜剥離における接着力(剥離速度:300mm/min)を測定した。評価は、下記の評価基準にしたがって行なった。
○:接着力 15N/25mm以上
△:接着力 10N/25mm以上15N/25mm未満
×:接着力 10N/25mm未満
(3)高温高湿試験後のHAZE測定
(1)項により作製した試験用シートを80mm×75mmにカットしてサンプル片とし、得られたサンプル片のPETフィルムPを剥離し、露出した粘着剤層の表面を厚さ100μmのPETフィルム〔商品名;A4100;東洋紡績(株)製〕に、卓上ラミネート機を用いて圧着し、試験サンプルとした。得られた試験サンプルを23℃、50%RHの条件下で24時間放置した後、さらに60℃、95%RHの条件下に1ヶ月放置することにより高温高湿試験を行った。この高温高湿試験直後の粘着剤層の白度を下記の評価基準にしたがって目視にて確認した。
○:粘着剤層の白化無し
△:若干の粘着剤層の白化有り
×:粘着剤層の白化有り
((メタ)アクリル系ポリマー(A)の製造例A1〜4)
(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重合成分の単量体として、表1に示す組成の材料を配合、混合して、単量体の混合物を得た。
攪拌機、還流冷却器、逐次滴下装置、温度計を備えた反応装置に、単量体の混合物33質量%と、酢酸エチル230質量部(重合用有機溶媒)と、アセトン67質量部(重合用有機溶媒)と、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.08質量部(重合開始剤)と、を加えて加熱し、還流温度で25分間重合を行った。
次いで、還流温度条件下で、単量体の混合物の残量67質量%と、酢酸エチル67質量部と、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.16質量部とを、210分間にわたって逐次滴下し重合を行った。
反応終了後、酢酸エチルで希釈し、固形分約35%の(メタ)アクリル系ポリマー溶液(A)を得た。
(メタ)アクリル系ポリマー溶液(A)の固形分である(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量については、表1に示す。
((メタ)アクリル系オリゴマー(B)の製造例B1〜9)
(メタ)アクリル系オリゴマー(B)の重合成分の単量体として、表2に示す組成の材料を配合、混合して、単量体の混合物を得た。
攪拌機、還流冷却器、逐次滴下装置、温度計を備えた反応装置に、トルエン25質量部、メチルエチルケトン(MEK)25質量部を加えて加熱し、還流温度で10分間重合を行った。
次いで還流温度条件下で、単量体の混合物100質量%と、トルエン10質量部(重合用有機溶媒)と、メチルエチルケトン(MEK)10質量部(重合用有機溶媒)と、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピネート)13.3質量部(重合開始剤)とを180分にわたって逐次滴下し、更に230分間重合反応を行った。
反応終了後、固形分約60%の(メタ)アクリル系オリゴマー溶液(B)を得た。
(メタ)アクリル系オリゴマー溶液(B)の固形分である(メタ)アクリル系オリゴマー(B)の重量平均分子量)については、表2に示す。
(実施例1〜15、比較例1〜4)
表3に示す組成になるように、(メタ)アクリル系ポリマー(A)溶液と、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)溶液と、架橋剤(商品名「スミジュールN75」(住友バイエルウレタン社製;HMDI系架橋剤))と、促進剤(「アデカスタブOT−1」(ADEKA社製))とを配合、混合して、粘着剤組成物溶液を得た。
尚、表3に記示す組成は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100質量部に対する、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)と、架橋剤(固形分)と、促進剤(固形分)との含有量である。
この粘着剤組成物溶液を用いて、上記「試験用シートの作製方法」に基づいて試験用シートを作製した。この試験用シートを用いて、上記「接着力測定」及び上記「高温高湿試験後のHAZE測定」を行った。その結果を表3に示す。
(比較例5)
(メタ)アクリル系ポリマー(A−1)溶液と、(メタ)アクリル系オリゴマー(B−1)溶液と、ポリエチレングリコールと、架橋剤(商品名「スミジュールN75」)と、促進剤(「アデカスタブOT−1」)と、を配合、混合して、粘着剤組成物溶液を得た。
尚、上記粘着剤組成物溶液の組成は、(メタ)アクリル系ポリマー(A−1)100質量部に対して、アクリル系オリゴマー(B−1)30質量部と、ポリエチレングリコール10質量部(重量平均分子量1200)と、架橋剤(固形分)0.45質量部と、促進剤(固形分)0.003質量部とである。
この粘着剤溶液を用いて、上記「試験用シートの作製方法」に基づいて試験用シートを作製した。この試験用シートを用いて、上記「接着力測定」、上記「高温高湿試験後のHAZE測定」を行った。その結果、接着力対ガラス「×」、HAZE「○」であった。
Figure 2012236974
BA:n−ブチルアクリレ−ト
MA:メチルアクリレート
2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
MPEM−1000:メトキシポリエチレングリコール1000メタクリレート、第一工業製薬(株)製〕、アルキレンオキシ基の単位数23
Figure 2012236974
tBMA:t−ブチルメタクリレート
2HEMA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
MPEM−1000:メトキシポリエチレングリコール1000メタクリレート、第一工業製薬(株)製〕、アルキレンオキシ基の単位数23
RN−20:ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル、第一工業製薬製、アルキレンオキシ基の単位数20
MPEM−400:メトキシポリエチレングリコール400メタクリレート、第一工業製薬(株)製〕、アルキレンオキシ基の単位数9
PME−100:メトキシポリエチレングリコール100メタクリレート、日油製、アルキレンオキシ基の単位数2
Figure 2012236974
また、実施例3、14、15について、上記「高温高湿試験後のHAZE測定」を行った後に、さらに85℃、90%RHの条件下に1ヶ月放置して、粘着剤層の白度を下記の評価基準にしたがって目視にて確認した。
○:粘着剤層の白化無し
△:若干の粘着剤層の白化有り
×:粘着剤層の白化有り
その結果、実施例3及び15のHAZEは「○」であったのに対し、実施例14のHAZEは「△」であった。
表3より、本発明の粘着剤組成物及び粘着シートは、高温高湿環境下での白化現象を防止し、良好な接着性を有することができる。

Claims (5)

  1. (メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来の構成単位と水酸基を有する単量体に由来の構成単位とを含む(メタ)アクリル系ポリマー(A)と、
    (メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来の構成単位と水酸基を有する単量体に由来の構成単位とアルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位とを含み、重量平均分子量(Mw)が2500以上10000以下である(メタ)アクリル系オリゴマー(B)と、
    を含有する粘着剤組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル系オリゴマー(B)における前記アルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位の含有比率は、前記(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を構成する単量体由来の構成単位の総質量に対して、0.1〜20質量%である請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記(メタ)アクリル系オリゴマー(B)の含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100質量部に対して、20〜60質量部である請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
  4. 前記(メタ)アクリル系オリゴマー(B)における前記アルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位の含有比率は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)におけるアルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位の含有比率より大きい請求項1〜3に記載の粘着剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物が架橋剤と反応して形成された架橋構造を含む粘着剤層を有する粘着シート。
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