JP2012236974A - 粘着剤組成物、及び粘着シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来の構成単位と水酸基を有する単量体に由来の構成単位とを含む(メタ)アクリル系ポリマー(A)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来の構成単位と水酸基を有する単量体に由来の構成単位とアルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位とを含み、重量平均分子量(Mw)が2500以上10000以下である(メタ)アクリル系オリゴマー(B)と、を含有する粘着剤組成物。
【選択図】なし
Description
また、重量平均分子量(Mw)が2500未満である、アルキレンオキシ基を有する化合物(例えば、ポリエチレングリコール)を、粘着剤組成物に直接添加した場合、粘着剤組成物の表面にその化合物がブリードアウトし、粘着剤組成物の接着性が失われてしまうことが判明した。
そこで、本発明者らは、さらに鋭意検討を進め、本発明を完成するに至った。
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来の構成単位と水酸基を有する単量体に由来の構成単位とを含む(メタ)アクリル系ポリマー(A)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来の構成単位と水酸基を有する単量体に由来の構成単位とアルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位とを含み、重量平均分子量(Mw)が2500以上10000以下である(メタ)アクリル系オリゴマー(B)と、を含む。
下記(1)〜(3)に従って測定する。
(1)(メタ)アクリル系ポリマー(オリゴマー)溶液を剥離紙に塗布し、100℃の条件下で2分間乾燥し、フィルム状の(メタ)アクリル系ポリマー(オリゴマー)を得る。
(2)上記(1)で得られたフィルム状の(メタ)アクリル系ポリマー(オリゴマー)をテトラヒドロフランにて固形分0.2%になるように溶解させる。
(3)下記条件にて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、(メタ)アクリル系ポリマー(オリゴマー)の重量平均分子量(Mw)を測定する。
GPC :HLC−8220 GPC〔東ソー(株)製〕
カラム :TSK−GEL GMHXL 4本使用
移動相溶媒 :テトラヒドロフラン
流速 :0.6ml/min
カラム温度 :40℃
(メタ)アクリル系ポリマー(A)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(a−1)に由来の構成単位と水酸基を有する単量体(以下、水酸基含有単量体(a−2))に由来の構成単位とを含むポリマーであれば、各種用いることができる。
一般式(1)
H2C=C(R2)COOR1 (1)
(ここでR1は、アルキル基を示し、R2は水素原子又はメチル基を表す)
このような(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(a−1)としては、具体的に、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。特に、n−ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
尚、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(a−1)は、上記具体例をそれぞれ単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(a−1)との共重合性及び(メタ)アクリル系オリゴマー(B)との相溶性が優れるため、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートが好ましい。
共単量体(a−4)とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(a−1)と水酸基含有単量体(a−2)とアルキレンオキシ基含有単量体(a−3)とは異なる単量体であって、これら単量体と共重合可能な単量体である。
さらに、ジメチルマレート、ジ−n−ブチルマレート、ジ−2−エチルヘキシルマレート、ジ−n−オクチルマレート、ジメチルフマレート、ジ−n−ブチルフマレート、ジ−2−エチルヘキシルフマレート、ジ−n−オクチルフマレート等のマレイン酸又はフマル酸のジエステル等も挙げられる。
このような官能性共単量体(a−4’)としては、アミド基もしくは置換アミド基、アミノ基もしくは置換アミノ基、低級アルコキシル基、エポキシ基又は珪素含有基等を有する単量体が挙げられる。
アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−i−ブトキシメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、及びN−メチルアクリルアミド等のアミド基もしくは置換アミド基含有単量体、アミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、及びN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基もしくは置換アミノ基含有単量体、
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−n−ブトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート等の低級アルコキシル基含有単量体、
グリシジルアクリレート、グリシジルアリルエーテル、及びグリシジルメタリルエーテル等のエポキシ基含有単量体、
ビニルトリクロロシラン、ビニルトリブロモシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−i−プロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(2−ヒドロキシメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジエトキシシラノール、ビニルエトキシシラジオール、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、及び2−アクリルアミドエチルトリエトキシシラン等の珪素含有基を有する単量体、等が挙げられる。
これら官能性共単量体(a−4’)に由来の構成単位の含有比率は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)を構成する単量体由来の構成単位の総質量に対して、一般に0〜30質量%、好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%の範囲である。官能性共単量体(a−4’)の重合比が30質量%以下であれば、接着性、耐久性、及び凹凸面(段差)への追従性のバランスが良いため好ましい。
このような単量体(a−4’’)として、具体的に、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
このような「分子内に2個以上のラジカル重合性不飽和基を有する単量体(a−4’’)」は、例えば重合比0.5質量%以下など、本発明の優れた効果を損なわない範囲において含有させることができる。
重量平均分子量(Mw)が上記範囲であることは、後述の(メタ)アクリル系オリゴマーと区別されるポリマー成分であることを表す。また更には、重量平均分子量(Mw)が40万以上であれば、凝集力が適切に保たれ、耐久性試験において気泡が発生しない。また140万以下であれば、凹凸面(段差)への追従性を保つことができる。
(メタ)アクリル系オリゴマー(B)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)に由来の構成単位と水酸基を有する(以下、水酸基含有単量体(b−2))に由来の構成単位と、アルキレンオキシ基を有する単量体(以下、アルキレンオキシ基含有単量体(b−3))に由来の構成単位とを含み、重量平均分子量(Mw)が2500以上10000以下であるオリゴマーであれば、各種用いることができる。
一般式(1)
H2C=C(R2)COOR1 (1)
(ここでR1は、アルキル基を示し、R2は水素原子又はメチル基を表す)
尚、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)は、上記具体例をそれぞれ単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)との共重合性及び(メタ)アクリル系ポリマー(A)との相溶性が優れるため、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートが好ましい。
アルキレンオキシ基の単位数が23以下であれば、溶剤への溶解性が高いため好ましい。一方、単位数の4以上であれば、高温高湿環境下での白化現象をより一層防止できるため、好ましい。
このように、アルキレンオキシ基含有単量体(b−3)の含有比率を(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を構成する単量体由来の構成単位の総質量に対して所定範囲内とすることで、接着性は良好なものとしつつ、高温高湿環境下での白化現象をより一層防止することができる。
重量平均分子量(Mw)が2500以上であれば、凝集力の低下が少ないため好ましい。また、10000以下であれば、凹凸面(段差)への追従性が優れるため、及び(メタ)アクリル系ポリマー(A)との相溶性が高いため、好ましい。
(メタ)アクリル系オリゴマー(B)の含有量が60質量部以下であれば、凝集力及び相溶性の低下が少なく、接着性が高いため、好ましい。また、含有量が20質量部以上であれば、高温高湿環境下での白化現象をより一層防止でき、凹凸面(段差)への追従性が高いため好ましい。
このように、アルキレンオキシ基含有単量体(b−3)を共重合させた(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を、(メタ)アクリル系ポリマー(A)に対して所定範囲内含有させることで、接着性は良好なものとしつつ、高温高湿環境下での白化現象をより一層防止することができる。
まず1つは、アルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位が、(メタ)アクリル系ポリマー(A)に含まずに、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)にのみ含む場合のことである。
もう1つは、アルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位が(メタ)アクリル系ポリマー(A)に含むとともに、アルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位の含有比率が、(メタ)アクリル系ポリマー(A)より(メタ)アクリル系オリゴマー(B)の方が大きい場合のことである。
それに対し、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)のアルキレンオキシ基は、メタ)アクリル系オリゴマー(B)が粘着剤組成物の全体に亘って分散することに伴い、全体に亘って分散する。そのため、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)にアルキレンオキシ基をより多く含有した場合、アルキレンオキシ基は粘着剤組成物の全体に亘ってより分散することになる。そのため、高温高湿環境下において粘着剤組成物に侵入した水分は、粘着剤組成物の全体に分散したアルキレンオキシ基により捕捉されやすくなるため、白化現象をより一層防止することができる。
「芳香族炭化水素類」:ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、テトラリン、デカリン、芳香族ナフサ、
「脂肪系又は脂環族系炭化水素類」:n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−デカン、ジペンテン、石油スピリット、石油ナフサ、テレピン油、
「エステル類」:酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸2−ヒドロキシエチル、酢酸2−ブトキシエチル、酢酸3−メトキシブチル、安息香酸メチル、
「ケトン類」:アセトン、メチルエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、
「グリコールエーテル類」:エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
「アルコール類」:メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、
等が挙げられる。これら重合用有機溶媒はそれぞれ単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
また、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を重合する場合、重合用有機溶媒は、連鎖移動を生じやすい有機溶媒である、ケトン類、芳香族炭化水素類を使用することが好ましい。特に、重合反応の容易さの点から、トルエン、メチルエチルケトンが好ましい。
また、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を重合する場合、重合開始剤は、反応温度により異なるが、10時間半減期温度の低い重合開始剤が好ましい。10時間半減期温度が80℃以下である重合開始剤が好ましく、70℃以下である重合開始剤がより好ましい。その含有量は、通常、単量体の全量100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは1.0〜15質量部である。
また、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を重合する場合、上記連鎖移動剤のうち、メルカプタン類、ハロゲン化炭化水素が好ましい。その含有量は、単量体の全量100質量部に対して0.005〜10.0質量部であることが好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、通常、(メタ)アクリル系ポリマー(A)、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)以外に、架橋剤を含むものである。粘着剤組成物を架橋剤により架橋させることで、凝集力を一層大きくすることができる。架橋剤は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)や(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を架橋させるものであれば、各種用いることができる。好ましくは、(メタ)アクリル系ポリマー(A)と反応して架橋構造を形成することができる官能基を2つ以上、好ましくは2〜5個有する架橋剤である。
また架橋剤としてポリアジリジン化合物を用いるとき、含有量は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100質量部に対して、ポリアジリジン化合物を0.001〜0.1質量部、特には0.001〜0.05質量部の範囲含むことが好ましい。
さらに架橋剤としてポリエポキシ化合物を用いるとき、含有量は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100質量部に対して、ポリエポキシ化合物を0.005〜0.3質量部、特には0.01〜0.2質量部の範囲含むことが好ましい。
架橋剤の反応性官能基の種類と、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の反応性官能基の種類により、架橋剤の含有量は定まる。
また、本発明の粘着シートは、本発明の粘着剤組成物が架橋剤と反応して形成された架橋構造を含む粘着剤層を設けて構成されたものである。本発明の粘着剤組成物を用いるので、高温高湿環境など水分量の多い環境下に曝されても、白化現象を防止することができる。
「有基材タイプ」の両面粘着テープは、基材の一方の面に粘着剤層を形成するための粘着剤組成物を塗布等して乾燥し、他方の面にさらに粘着剤層を形成するための粘着剤組成物を塗布等して乾燥する方法や、剥離ライナー(剥離シート)上に透明な粘着剤層を粘着剤組成物により形成し、この粘着剤層を基材(例えば透明基材)に転写する方法などにより作製することができる。
K 7361)が85%以上、好ましくは90%以上であるのが望ましい。
具体的には、シート状の基材の少なくとも片面に本発明の粘着剤組成物の架橋体からなる層(粘着剤層)を設けたシート等である。シート状の基材としては、例えば、グラシン紙、コート紙、キャストコート紙などの紙基材、これらの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリメチルペンテンなどのポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、酢酸セルロース系フィルムなどのプラスチックフィルム、又はこれらを含む積層シートなどが挙げられる。
片面に離型処理が施されているPETフィルムP(厚さ:75μm)の離型処理面に、以下の各実施例で調製した粘着剤組成物溶液を、乾燥後の厚さが約50μmとなるように流延塗布し、100℃で2分間加熱乾燥させて粘着剤層を形成した。PETフィルムPとは別に、片面に離型処理が施されている(軽剥離性の)PETフィルムQ(厚さ:38μm)を用意し、PETフィルムPの粘着材層の表面に、PETフィルムQをその離型処理面が接触するように重ねて加圧ニップロ−ルを通して圧着し、貼り合わせた。その後、温度23℃、相対湿度50%の条件下で7日間養生を行なうことで、粘着剤層の両面にそれぞれ離型処理されたPETフィルムを有する両面粘着フィルムを得た。この両面粘着シートは、離型処理を介して設けられている2枚のPETフィルムを剥がすことで、基材のない粘着材層自体からなる粘着シートである。
得られた両面粘着シートの一方に設けられている厚さ38μmのPETフィルムQを剥離し、露出した粘着剤層の表面に接するように、離型処理が施されていない厚さ100μmのPETフィルムR〔商品名;A4100;東洋紡績(株)製〕を重ね、加圧ニップロ−ルを通して圧着し、貼り合わせることで試験用シートを作製した。
(2)接着力測定
(1)項により作製した試験用シートを25mm×150mmにカットしてサンプル片とし、得られたサンプル片のPETフィルムPを剥離し、露出した粘着剤層の表面を厚さ2mmのガラス板に、卓上ラミネート機を用いて圧着し、試験サンプルとした。得られた試験サンプルを23℃、50%RHの条件下で24時間放置した後、卓上型材料試験機STA−1225((株)オリエンテック製)によりPETフィルムRの一端を180゜の方向に引っ張り、180゜剥離における接着力(剥離速度:300mm/min)を測定した。評価は、下記の評価基準にしたがって行なった。
○:接着力 15N/25mm以上
△:接着力 10N/25mm以上15N/25mm未満
×:接着力 10N/25mm未満
(3)高温高湿試験後のHAZE測定
(1)項により作製した試験用シートを80mm×75mmにカットしてサンプル片とし、得られたサンプル片のPETフィルムPを剥離し、露出した粘着剤層の表面を厚さ100μmのPETフィルム〔商品名;A4100;東洋紡績(株)製〕に、卓上ラミネート機を用いて圧着し、試験サンプルとした。得られた試験サンプルを23℃、50%RHの条件下で24時間放置した後、さらに60℃、95%RHの条件下に1ヶ月放置することにより高温高湿試験を行った。この高温高湿試験直後の粘着剤層の白度を下記の評価基準にしたがって目視にて確認した。
○:粘着剤層の白化無し
△:若干の粘着剤層の白化有り
×:粘着剤層の白化有り
(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重合成分の単量体として、表1に示す組成の材料を配合、混合して、単量体の混合物を得た。
攪拌機、還流冷却器、逐次滴下装置、温度計を備えた反応装置に、単量体の混合物33質量%と、酢酸エチル230質量部(重合用有機溶媒)と、アセトン67質量部(重合用有機溶媒)と、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.08質量部(重合開始剤)と、を加えて加熱し、還流温度で25分間重合を行った。
次いで、還流温度条件下で、単量体の混合物の残量67質量%と、酢酸エチル67質量部と、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.16質量部とを、210分間にわたって逐次滴下し重合を行った。
反応終了後、酢酸エチルで希釈し、固形分約35%の(メタ)アクリル系ポリマー溶液(A)を得た。
(メタ)アクリル系ポリマー溶液(A)の固形分である(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量については、表1に示す。
(メタ)アクリル系オリゴマー(B)の重合成分の単量体として、表2に示す組成の材料を配合、混合して、単量体の混合物を得た。
攪拌機、還流冷却器、逐次滴下装置、温度計を備えた反応装置に、トルエン25質量部、メチルエチルケトン(MEK)25質量部を加えて加熱し、還流温度で10分間重合を行った。
次いで還流温度条件下で、単量体の混合物100質量%と、トルエン10質量部(重合用有機溶媒)と、メチルエチルケトン(MEK)10質量部(重合用有機溶媒)と、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピネート)13.3質量部(重合開始剤)とを180分にわたって逐次滴下し、更に230分間重合反応を行った。
反応終了後、固形分約60%の(メタ)アクリル系オリゴマー溶液(B)を得た。
(メタ)アクリル系オリゴマー溶液(B)の固形分である(メタ)アクリル系オリゴマー(B)の重量平均分子量)については、表2に示す。
表3に示す組成になるように、(メタ)アクリル系ポリマー(A)溶液と、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)溶液と、架橋剤(商品名「スミジュールN75」(住友バイエルウレタン社製;HMDI系架橋剤))と、促進剤(「アデカスタブOT−1」(ADEKA社製))とを配合、混合して、粘着剤組成物溶液を得た。
尚、表3に記示す組成は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100質量部に対する、(メタ)アクリル系オリゴマー(B)と、架橋剤(固形分)と、促進剤(固形分)との含有量である。
この粘着剤組成物溶液を用いて、上記「試験用シートの作製方法」に基づいて試験用シートを作製した。この試験用シートを用いて、上記「接着力測定」及び上記「高温高湿試験後のHAZE測定」を行った。その結果を表3に示す。
(メタ)アクリル系ポリマー(A−1)溶液と、(メタ)アクリル系オリゴマー(B−1)溶液と、ポリエチレングリコールと、架橋剤(商品名「スミジュールN75」)と、促進剤(「アデカスタブOT−1」)と、を配合、混合して、粘着剤組成物溶液を得た。
尚、上記粘着剤組成物溶液の組成は、(メタ)アクリル系ポリマー(A−1)100質量部に対して、アクリル系オリゴマー(B−1)30質量部と、ポリエチレングリコール10質量部(重量平均分子量1200)と、架橋剤(固形分)0.45質量部と、促進剤(固形分)0.003質量部とである。
この粘着剤溶液を用いて、上記「試験用シートの作製方法」に基づいて試験用シートを作製した。この試験用シートを用いて、上記「接着力測定」、上記「高温高湿試験後のHAZE測定」を行った。その結果、接着力対ガラス「×」、HAZE「○」であった。
MA:メチルアクリレート
2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
MPEM−1000:メトキシポリエチレングリコール1000メタクリレート、第一工業製薬(株)製〕、アルキレンオキシ基の単位数23
2HEMA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
MPEM−1000:メトキシポリエチレングリコール1000メタクリレート、第一工業製薬(株)製〕、アルキレンオキシ基の単位数23
RN−20:ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル、第一工業製薬製、アルキレンオキシ基の単位数20
MPEM−400:メトキシポリエチレングリコール400メタクリレート、第一工業製薬(株)製〕、アルキレンオキシ基の単位数9
PME−100:メトキシポリエチレングリコール100メタクリレート、日油製、アルキレンオキシ基の単位数2
○:粘着剤層の白化無し
△:若干の粘着剤層の白化有り
×:粘着剤層の白化有り
その結果、実施例3及び15のHAZEは「○」であったのに対し、実施例14のHAZEは「△」であった。
Claims (5)
- (メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来の構成単位と水酸基を有する単量体に由来の構成単位とを含む(メタ)アクリル系ポリマー(A)と、
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来の構成単位と水酸基を有する単量体に由来の構成単位とアルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位とを含み、重量平均分子量(Mw)が2500以上10000以下である(メタ)アクリル系オリゴマー(B)と、
を含有する粘着剤組成物。 - 前記(メタ)アクリル系オリゴマー(B)における前記アルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位の含有比率は、前記(メタ)アクリル系オリゴマー(B)を構成する単量体由来の構成単位の総質量に対して、0.1〜20質量%である請求項1に記載の粘着剤組成物。
- 前記(メタ)アクリル系オリゴマー(B)の含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100質量部に対して、20〜60質量部である請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
- 前記(メタ)アクリル系オリゴマー(B)における前記アルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位の含有比率は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)におけるアルキレンオキシ基を有する単量体に由来の構成単位の含有比率より大きい請求項1〜3に記載の粘着剤組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物が架橋剤と反応して形成された架橋構造を含む粘着剤層を有する粘着シート。
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