JP2012236897A - 繊維強化樹脂成形用材料 - Google Patents

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【課題】常温においても複雑形状への賦形が可能な強化繊維束を一方向に引き揃えた強化繊維を含む繊維強化樹脂成形用材料料を提供する。
【解決手段】強化繊維束を一方向に引き揃えた強化繊維シートの少なくとも一方に、熱可塑性樹脂からなる不織布を当接させ、ガラス転移温度(Tg)以上融点(Tm)未満の温度域で加圧することにより一体化されたことを特徴とする繊維強化樹脂成形用材料。
【選択図】図1

Description

本発明は、強化繊維束を一方向に引き揃えた強化繊維を含む繊維強化樹脂成形用材料に関する。なかでも熱可塑性樹脂を含み、常温においても複雑形状への賦形が可能な繊維強化樹脂成形用材料に関する。
近年、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の強化繊維材料は、各種のマトリックス樹脂と複合化され、得られる繊維強化プラスチックは種々の分野・用途に広く利用されるようになってきた。熱可塑性樹脂をマトリックスとした場合、複合材料の耐衝撃性が優れ、プリプレグの保存管理が容易で、かつ成形時間が短く、成形コスト低減の可能性もある為、いくつもの中間基材やプリプレグが提案されている。連続繊維強化熱可塑性樹脂成形材料を樹脂の含浸状態で分類するには、樹脂が一旦溶融し、完全に強化繊維間に含浸しているシート状の形態のいわゆる完全含浸タイプのものと樹脂が未溶融の状態で存在している形態のものとに大別できる。
完全含浸タイプの成形材料は、既に樹脂が繊維間に含浸しているため成形加工工程で樹脂を再含浸する必要性がないため、加熱処理と成形圧力を適正に行うことで比較的短時間に成形品が得られるため高速成形性に優れており、生産性を高めるためには、好都合の材料形態である。しかし、複雑な形状の成形品を得ようよする場合にドレープ性を有さない為に、賦形が困難であり、成形品の形状が比較的単純なものに限定されている傾向がある。一方、このような問題を解決するためにドレープ性を付与した成形材料が開発されている。
特許文献1ではマトリックス樹脂を繊維化し、強化繊維と混繊した後バインダーで固定する方法が挙げられるが、このような方法では、ドレープ性を有するが、繊維に加工できない樹脂は、マトリックス樹脂として使えないという点で樹脂の種類が限定されるうえ、樹脂を繊維化する必要がある為コスト高を招くという問題点がある。
非特許文献1では熱可塑性樹脂粉末を付着した強化繊維集合体(繊維束)を加熱処理し、樹脂を半溶融させて強化繊維に付着する方法が挙げられる。このような方法では、ドレープ性を有するが、熱可塑性樹脂が単に半溶融して強化繊維束に付着しているのみであるため、外力による熱可塑性樹脂粉末の脱落を完全にカバーしきれず、樹脂と強化繊維の混合比が変化し、所望の機械特性を有する成形品を得ることは難しい。また、熱可塑性樹脂粉末が強化繊維束を拘束するものではないので、強化繊維束も外力により容易に開繊し、その成形材料の取扱い性に問題が生じる可能性があるという問題点がある。
また任意の切り込みを入れること等で複雑形状への追従性を解決する方法もあるが(特許文献2)、連続繊維を切ることは力学特性や基材製造工程の観点から好ましくない。
また不織布状態の熱可塑性樹脂を強化繊維シートに半含浸させてセミプレグ状態とする方法もあるが(特許文献3)、完全含浸タイプのものよりはドレープ性があるものの、複雑な3次元形状に連続繊維基材を賦形した場合には、形状表面を覆いきれない箇所で突っ張りが、基材が余った箇所でシワが発生するため、高品位な賦形が難しい。
特開平6−322159号公報 特開2010−23449号公報 特許第4324649号公報
"VARIABLES AFFECTING THE PHYSICAL PROPERTIES OF CONSOLIDATED FLEXIBLE POWDER−COATED TOWPREGS" D.W.Holty et al. Submitted for publication at the 38th International SAMPE Symposium:May 10−13,1993
本発明の目的は、複数本の強化繊維束を一方向に引き揃えた強化繊維を含む繊維強化基材でありながら、常温においても賦形性に優れる繊維強化樹脂成形用材料を提供することである。さらに本発明の目的は強化繊維熱可塑性プラスチックの積層体、繊維強化基熱可塑性プラスチックの製造方法を提供することである。
本発明者らは強化繊維束を一方向に引き揃えた強化繊維シートの少なくとも一方に、熱可塑性樹脂からなる不織布を当接させ、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)以上融点(Tm)未満の温度域で加圧することにより一体化することにより標記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は強化繊維束を一方向に引き揃えた強化繊維シートの少なくとも一方に、熱可塑性樹脂からなる不織布を当接させ、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)以上融点(Tm)未満の温度域で加圧することにより一体化されたことを特徴とする繊維強化樹脂成形用材料である。
本発明により、常温においても複雑形状への賦形が可能であり、製造方法が簡易な一方向繊維強化熱可塑性プラスチック用材料を提供することができる。
本発明の繊維強化樹脂成形用材料の模式図 実施例1で得られた繊維強化樹脂成形用材料から強化繊維シートを剥がした後の不織布の顕微鏡観察 実施例2で得られた繊維強化樹脂成形用材料から強化繊維シートを剥がした後の不織布の顕微鏡観察 比較例1で得られた繊維強化樹脂成形用材料から強化繊維シートを剥がした後の不織布の顕微鏡観察
以下に、本発明の実施の形態について順次説明する。
[繊維強化樹脂成形用材料]
本発明の繊維強化樹脂成形用材料は、強化繊維束を一方向に引き揃えた強化繊維シートの少なくとも一方に、熱可塑性樹脂からなる不織布を一体化させた積層体である。得ようとする繊維強化樹脂成形体に合わせて、不織布は強化繊維シートの両面に配しても片面に配しても良い。
繊維強化樹脂成形用材料の目付は、とくに限定はないが、複雑形状への賦形性の点で1〜1000g/m、より好ましくは20〜500g/mであることが好ましい。
本発明において強化繊維シートと不織布との一体化とは、接着剤を使用せず、かつマトリックスである熱可塑性樹脂の溶融による接着ではないことを特徴とする。本発明の繊維強化樹脂成形用材料は、熱可塑性樹脂のTg以上Tm未満、好ましくはTg+10度以上Tm−5度以下で強化繊維シートと不織布とを加圧して接着することにより好ましく得ることができる。接着温度は、接着する際の繊維強化樹脂成形用材料の温度であり、例えば加熱ローラーで加圧する場合、加熱ローラーの温度やローラーと繊維強化樹脂成形用材料との接触時間などで適宜制御することができる。
加圧機構についてはとくに限定はないがプレスなどを用いてバッチ式で加圧する方法よりもダブルベルトプレスやロールなどを用いて連続的に加圧する方法をとることでより好適に生産できる。例えばカレンダーロールを用いて一体化する場合、ローラーの材質、ローラー温度、ローラーの加圧力、材料のライン速度等の条件をコントロールすることにより一体化が可能である。
強化繊維シートには熱可塑性樹脂からなる不織布が溶融含浸していない為、任意の荷重によって、引き剥がすことが可能である。繊維強化樹脂成形材料を繊維長手方向に長さ100mm、幅25mmに切出した試験片を0.1〜10N、より好ましくは0.5〜5Nの力で引き剥がすことが可能な接着状態が望ましい。
本発明の繊維強化樹脂成形用材料は、980.67Paの圧力下における透気度が50〜1000(ml/min/cm)であることが好ましい。このようにある程度の空孔率を有する材であることにより、本発明の目的である優れた常温においても複雑形状への賦形が可能となる。本発明の繊維強化樹脂成形用材料の透気度は好ましくは50〜500(ml/min/cm)である。透気度が50(ml/min/cm)未満であると複雑な形状の成形品を得ようよする場合の賦形性がやや劣ったものになる。透気度が1000(ml/min/cm)超であると、成形用材料としてのハンドリング性の点でやや問題となる場合がある。
本発明の繊維強化樹脂成形用材料は、強化繊維束と直交する方向の引張試験において、下記式(1)で定義される賦形力評価値が、ひずみ10%において0.1〜12m/sの範囲となることが好ましい。より好ましくは賦形力評価値が、ひずみ10%において0.3〜6.5m/sである。
X=F/L/w (1)
(X=賦形力評価値(m/s)、F:引張荷重(N)、L:試料幅(m)、w:成形用材料目付(g/m))
本発明の繊維強化樹脂成形用材料は、繊維強化熱可塑性樹脂複合材料の前駆体として用いることができる。本発明の強化繊維基材は、得ようとする成形体の特性や形状に合わせて積層して用いることができる。この場合に、強化繊維束の引き揃え方向が同方向になるように積層しても、異なる方向になるように積層してもよい。積層方法としては特に限定はないが、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて部分的に融着や接着処理をして成型することができる。
[強化繊維シート]
本発明の繊維強化樹脂成形用材料における強化繊維シートは、強化繊維束を一方向に引き揃えたものである。本発明の強化繊維シートを構成する強化繊維としては、とくに限定はなく、例えばガラス繊維、炭素繊維、スチール繊維(ステンレス繊維)、ボロン繊維、セラミック繊維、玄武岩繊維、炭化珪素繊維などの無機繊維、およびアラミド繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維などが挙げられる。この中でも、汎用性や取扱い性からガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維が好ましい。
なかでも炭素繊維が好ましく挙げられ、ポリアクリロニトリル(PAN)系、石油・石炭ピッチ系、レーヨン系、リグニン系など、何れの炭素繊維も使用することができる。特に、PANを原料としたPAN系炭素繊維が、工業規模における生産性及び機械的特性に優れており好ましい。PAN系炭素繊維は、平均直径5〜10μmのものを使用できる。PAN系炭素繊維は、1000〜50000本の単繊維が繊維束となったものを使用できる。例えば炭素繊維の場合、単位面積あたり、2g以上500g以下、好ましくは、20g以上320g以下の強化繊維束が用いられる。
強化繊維束を一方向に引き揃える方法は、とくに限定はないが、好ましくは櫛やガイド及び溝ローラー等を使用して、複数本の繊維を引き揃える方法が挙げられる。任意の目付を得られるように、強化繊維束を開繊させたり、オーバーラップさせても良い。強化繊維シートには熱可塑性樹脂を複合させてもよく、強化繊維シートと熱可塑性樹脂との合計重量に対する割合でいうと、強化繊維99.09〜80重量%に対し、熱可塑性樹脂0.01〜20重量%、より好ましくは0.01〜7重量%ある。強化繊維シートの目付は、とくに限定はないが、炭素繊維の場合、含浸性の点で10〜800g/m、より好ましくは10〜320g/mであることが好ましい。
[熱可塑性樹脂からなる不織布]
本発明の繊維強化樹脂成形用材料のマトリックスは熱可塑性樹脂からなる不織布である。不織布は、980.67Paの圧力下における透気度が10〜100000(ml/min/cm)であることが好ましい。より好ましくは透気度が500〜50000(ml/min/cm)である。このような透気度を有する多孔質材料をマトリクスとすることで、常温において複雑形状への賦形が可能な繊維強化樹脂成形用材料となっている。
本発明の繊維強化樹脂成形用材料を構成する熱可塑性樹脂からなる不織布を得る方法は、特に限定はないが、乾式法、湿式法、スパンボンド法、スパンレース法、メルトブロー法、エアレイド法、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、水流交絡法、エレクトロスピニング法、フラッシュ紡糸法、トウ開繊法によりなるものなどが挙げられ、以下の特性を持っていれば、特に限定はない。
不織布の目付は、とくに限定はないが、成型物の繊維含有率及びハンドリングの点で10〜150g/mであることが好ましい。強化繊維シートの目付と不織布の目付比は特に限定はないが、例えば強化繊維が炭素繊維の場合、100に対して10〜1000であることが好ましい。
不織布の引張破断伸度は複雑形状への追従性の点で1〜200%であることが好ましい。より好ましくは、3〜100%不織布の引張強さは、賦形及びハンドリングの点でひずみ10%までの範囲は50N/mm以下であることが好ましい。不織布を構成する繊維の平均繊維径はとくに限定はないが、好ましくは0.001〜300μm、より好ましくは1〜100μmである。不織布を構成する繊維の平均繊維長ははとくに限定はないが、好ましくは10〜1000mm、より好ましくは30〜500mm、あるいは連続長である。不織布を構成する熱可塑性樹脂としては、とくに限定はないが、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド6樹脂、ポリアミド11樹脂、ポリアミド12樹脂、ポリアミド46樹脂、ポリアミド66樹脂、ポリアミド610樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトンポリエーテル等の単量体、共重合体、及びそれら2種以上の混合体が好ましく挙げられる。この中でも、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などが望ましい。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。
[参考例1]
ディーエスエムジャパンエンジニアリングプラスチックス株式会社製ノバミッド(登録商標)1010C2(Tg47度、Tm225度)を原料とし、メルトブロー法によりPA6不織布を得た。本発明で用いるメルトブロー法は、複数個配列されたオリフィスダイから溶融ポリマーを吐出し、オリフィスダイに隣接して設備した噴射ガス口から高速ガスを噴射せしめて、吐出された溶融ポリマーを細繊維化し、次いで繊維流をコレクタであるコンベヤネット上に捕集して不織布を製造する方法である。得られた不織布は、平均繊維径5μm、平均繊維長:連続繊維、目付け35g/mであった。
[参考例2]
プライムポリマー株式会社製プライムポリプロ(登録商標)J108M(Tg−20度、Tm170度)を原料とし、参考例1と同様にメルトブロー法によりポリプロピレン不織布を得た。得られた不織布は、平均繊維径:4μm、平均繊維長:連続繊維、目付け35g/mであった。透気度を細孔径分布測定器(パームポロメーター PMI社製)を用いて測定した結果、980.67Paの圧力下で20534(ml/min/cm)であった。
[実施例1]
引張強度4000MPa、引張弾性率240GPaの炭素繊維糸条(tenax(登録商標)STS40 F13 24K 1600tex、東邦テナックス(株)製)を幅3cmに開繊し、この炭素繊維糸条が略均一に密接して目付53g/mのシート状をなすところの炭素繊維糸条を一方向に引き揃えてなるシート状物にした後、その片面に参考例1で得られたPA6不織布を重ね合わせた(図1参照)。次いで、この積層体を25℃の弾性ローラーと210℃の金属ローラー間に50μmのクリアランスを有するカレンダーロール機を用いて、ライン速度1m/min、接着温度約190℃にて一体化し、目付88g/mの繊維強化樹脂成形用材料(以下基材という)を得た。得られた基材の透気度を細孔径分布測定器(パームポロメーター PMI社製)を用いて測定した結果、980.67Paの圧力下で364(ml/min/cm)であった。次いで、繊維長手方向に、長さ100mm、幅25mmに切出した基材の強化繊維を引き剥がしたところ、1.67Nの力を要した。引き剥がした後の不織布のみを顕微鏡観察した結果を図2に示す。縦筋(3)が多数観察されるが、これは強化繊維シートにおける一方向に引き揃えた繊維の痕跡である。不織布の繊維構造は維持されており、フィルムのように一体化されていなかった。また、得られた基材を強化繊維束と直交する方向に切り出し、JIS−K7127に従って引張試験を実施したところ、歪10%の時の荷重は4.6Nであり、下記式(1)で求めた賦形力評価値は2.09m/sであった。
X=F/L/w (1)
(X=賦形力評価値(m/s)、F:引張荷重(N)、L:試料幅(m)、w:成形用材料目付(g/m))
[実施例2]
引張り強度4000MPa、引張弾性率240Gpaの炭素繊維糸条(tenax(登録商標)STS40 F13 24K 1600tex、東邦テナックス(株)製)を幅3cmに開繊し、この炭素繊維糸条が略均一に密接して目付53g/mのシート状をなすところの繊維糸条を一方向に引き揃えてなるシート状物にした後、その片面に参考例2で得られたポリプロピレン不織布を重ね合わせた(図1参照)。次いで、この積層体を25℃の弾性ローラーと150度の金属ローラー間に50μmのクリアランスを有するカレンダーロール機にてライン速度5m/min、接着温度約130℃にて一体化し、目付88g/mの基材を得た。得られた基材の透気度を細孔径分布測定器(パームポロメーター PMI社製)を用いて測定した結果、980.67Paの圧力下で165[ml/min/cm]であった。次いで、繊維長手方向に、長さ100mm、幅25mmに切出した基材の強化繊維を引き剥がしたところ、0.74Nの力を要した。引き剥がした後の不織布のみを顕微鏡観察した(図3参照)。縦筋(3)が多数観察されるが、これは一方向に引き揃えた強化繊維シートの痕跡である。不織布の繊維構造は維持されており、フィルムのように一体化されていなかった。また、得られた基材を強化繊維束と直交する方向に切り出し、JIS−K7127に準じて引張試験を実施したところ、歪10%の時の荷重は9.8Nであり、上記式(1)で求めた賦形力評価値は4.45m/sであった。
[比較例1]
260℃の弾性ローラーと260℃の金属ローラーを用いて圧着し、接着温度約250℃とした以外は実施例1と同様に目付88g/mの基材を得た。次いで、繊維長手方向に、長さ100mm、幅25mmに切出した基材の強化繊維を引き剥がそうとしたところ、PA6不織布が溶融含浸しており、引き剥がすことはできなかった。得られた基材の透気度を細孔径分布測定器(パームポロメーター PMI社製)を用いて測定した結果、980.67Paの圧力下で8.1(ml/min/cm)であった。次いで、得られた基材を顕微鏡観察した。強化繊維間に樹脂は完全には含浸しておらず、未含浸の部分が確認された(図4参照)。また、得られた基材を強化繊維束と直交する方向に切り出し、JIS−K7127に従って引張試験を実施したところ、歪%1で基材が破断した。この時の荷重は3.3Nであった。破断時の荷重を用いて上記式(1)より賦形力評価値を計算すると、1.5m/sであった。
1 強化繊維シート
2 熱可塑性樹脂からなる不織布
3 強化繊維シートを剥がした跡

Claims (3)

  1. 強化繊維束を一方向に引き揃えた強化繊維シートの少なくとも一方に、熱可塑性樹脂からなる不織布を当接させ、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)以上融点(Tm)未満の温度域で加圧することにより一体化されたことを特徴とする繊維強化樹脂成形用材料。
  2. 980.67Paの圧力下における透気度が50〜1000(ml/min/cm)である請求項1記載の繊維強化樹脂成形用材料。
  3. 強化繊維束と直交する方向の引張試験において、式(1)で定義される賦形力評価値が、ひずみ10%において0.3〜6.5m/sの範囲となる請求項1または2の繊維強化樹脂成形用材料。
    X=F/L/w (1)
    (X=賦形力評価値(m/s)、F:引張荷重(N)、L:試料幅(m)、w:成形用材料目付(g/m))
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