JP2012236869A - 粘着型光学フィルム及びプラズマディスプレイパネル - Google Patents

粘着型光学フィルム及びプラズマディスプレイパネル Download PDF

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Abstract

【課題】 ジイモニウム色素を含有する近赤外線吸収粘着層において、該ジイモニウム色素以外の近赤外線吸収色素、可視光吸収色素、ネオン発光吸収色素等の他の色素を加えても、上記近赤外線吸収粘着層を有する粘着型光学フィルムの初期吸収スペクトルを良好にすることができる手段を提供することを目的とする。
【解決手段】 アクリル系ポリマーと、ジイモニウム色素と、該ジイモニウム色素以外の他の色素と、を含有する近赤外線吸収粘着層と、基材層とを有し、該近赤外線吸収粘着層に凝集径100μm以下の色素凝集体が存在することを特徴とする粘着型光学フィルム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、粘着型光学フィルム及びプラズマディスプレイパネルに関し、より詳細には、近赤外線吸収性の粘着層を有する粘着型光学フィルム及び当該粘着型光学フィルムを有するプラズマディスプレイパネルに関する。
プラズマディスプレイは、その発光原理上、可視光と同時に、電磁波や、ネオン光や、近赤外線が発せられる。これらは、好ましくない影響を与えるため遮蔽する必要がある。そこで、光学フィルムが用いられる。
上記の機能に加えて、画像品位を上げるために視聴者側の反射防止や、コントラストの向上等の多用な機能を持たせるために、多数の層が積層された光学フィルムが用いられていた。多数の層としては、例えば、近赤外線吸収作用を有する層とネオン光カット機能を有する層を別々にすることが挙げられる。しかし、近年、これらの光学フィルムの層構成を簡素化する要求が強く、コストを低減する傾向にある。そこで、光学フィルムに用いられる1層の粘着層に様々な機能を持たせることが提案されている。
従来、光学フィルムの層構成は多層構成であったため、赤外線吸収色素を包含するマトリックス樹脂として、上記近赤外線吸収色素と反応性の小さな樹脂を使用することが可能であった(例えば、特許文献1)。これによって、長期にわたって上記近赤外線吸収色素の劣化を起こすことなく安定に保持することができていた。
しかしながら、粘着層に近赤外線吸収色素を含有させる場合、粘着層を構成する粘着性を有する樹脂が赤外線吸収色素と反応しやすく、耐久性に課題を有するものであった。
この課題を解決するために、粘着層を構成する樹脂として、重量平均分子量が50,000以上で、かつ、ガラス転移温度が異なる2種以上の樹脂を使用することが提案されている(例えば、特許文献2)。また、近赤外吸収色素としては、様々な物質が提案されているが、近赤外線吸収波長域の広いジイモニウム色素がしばしば用いられる(例えば、特許文献2)。
特開2007−108582号公報 特開2007−256758号公報
上記のジイモニウム色素を含有させた粘着層には、近赤外線吸収機能を更に向上させることや他の機能を持たせることが望まれている。しかし、上記粘着層に上記ジイモニウム色素以外の近赤外線吸収色素、可視光吸収色素またはネオン発光吸収色素等の他の色素を加えると、粘着層に含まれるジイモニウム色素の分解(劣化)により近赤外線吸収効果が減少する問題があった。
この色素分解(劣化)の問題は粘着層にジイモニウム色素と各種色素を混ぜ合わせた後から生じ、特に近赤外線領域における粘着型光学フィルムの初期吸収スペクトルが悪化する問題があった。
そこで、本発明はジイモニウム色素を含有する近赤外線吸収粘着層において、該ジイモニウム色素以外の近赤外線吸収色素、可視光吸収色素、ネオン発光吸収色素等の他の色素を加えても、上記近赤外線吸収粘着層を有する粘着型光学フィルムの初期吸収スペクトルを良好にすることができる手段を提供することを目的とする。
本発明は下記の技術的構成により上記課題を解決できたものである。
アクリル系ポリマーと、ジイモニウム色素と、該ジイモニウム色素以外の他の色素と、を含有する近赤外線吸収粘着層と、基材層とを有し、該近赤外線吸収粘着層に凝集径100μm以下の色素凝集体が存在することを特徴とする粘着型光学フィルムである。
前記近赤外線吸収粘着層において、400μm四方に含まれる、凝集径100μm超の色素凝集体の数が3個以下であることが好ましい。
前記近赤外線粘着層が下記式(1)で表されるシランカップリング剤を含有することが好ましい。
Figure 2012236869
(式中、Aは炭素数5〜50のアルコキシ基であり、Xは加水分解性シリル基であり、Yは有機反応基である。式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5の直鎖または側鎖を有するアルキル基またはアルコキシ基である。)
前記他の色素が、前記ジイモニウム色素以外の近赤外線吸収色素、可視光吸収色素またはネオン発光吸収色素から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
前記シランカップリング剤の数平均分子量(Mn)が500以上であることが好ましい。
前記シランカップリング剤の重量平均分子量(Mw)が5000以上であることが好ましい。
前記シランカップリング剤の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比であるMw/Mnが3以上、15以下であることが好ましい。
前記シランカップリング剤が前記アクリル系ポリマー100質量部に対して0.002質量部以上0.2質量部未満含有することが好ましい。
前記アクリル系ポリマーの酸価が7〜50mgKOH/gであることが好ましい。
前記近赤外線吸収粘着層が、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アミン系架橋剤、イミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤からなる群から選ばれる一の架橋剤又は二以上の架橋剤の組み合わせを含有することが好ましい。
前記近赤外線吸収粘着層が防錆剤を含有することが好ましい。
前記近赤外線吸収粘着層に金属メッシュフィルムが貼着されてなることが好ましい。
前記粘着型光学フィルムが表面に貼り付けられている、プラズマディスプレイパネルである。
本発明によれば、ジイモニウム色素以外の近赤外線吸収色素、可視光吸収色素、ネオン発光吸収色素等の他の色素を加えても、ジイモニウム色素の劣化を防ぐことができるため、粘着型光学フィルムの初期吸収スペクトルを良好にすることができる。
また、本発明によれば、粘着型光学フィルムの初期吸収スペクトルを良好にすることができるため、近赤外線域の光をより多く吸収させることができる。
また、粘着層に赤外線吸収機能と他の機能(調色機能、ネオン発光吸収機能等)を持たせることができるので、光学フィルムとしての層の数を減らすことができる。
粘着型光学フィルムを構成する近赤外線吸収粘着層を光学顕微鏡にて観察した模式図
[粘着型光学フィルム]
本発明に係る粘着型光学フィルムは、アクリル系ポリマーと、ジイモニウム色素と、該ジイモニウム色素以外の他の色素と、を含有する近赤外線吸収粘着層(以下、単に「粘着層」という場合がある)と、基材層とを有する。上記近赤外線吸収粘着層には、凝集径100μm以下の色素凝集体が存在する。この凝集体は近赤外線吸収粘着層に均一に分散していてもよいが、光学特性を損なわければある程度ムラをもった状態で散在していてもよい。色素凝集体は、ジイモニウム色素同士の凝集体、ジイモニウム色素と他の色素の凝集体、他の色素同士の凝集体、から選択される少なくとも一種であり、二種含む場合や三種含む場合もある。 なお、本明細書における「初期吸収スペクトル」とは、後述する実施例で示すように、近赤外線吸収粘着層の両面に剥離フィルムを積層した層構成にて、40℃で3日間養生させた後の近赤外線域(800nm〜950nm)における透過率を意味する。
色素凝集体の凝集径の下限値は特に限定されないが、例えば、0.01μmである。好ましい下限値は0.1μmであり、さらに好ましくは1μmであり、特に好ましくは10μmである。近赤外線吸収粘着層に含まれる種々の成分にもよるが、色素凝集体の凝集径の下限値がある程度大きくなった方が、ジイモニウム色素含有粘着層を有する粘着型光学フィルムの初期吸収スペクトルが好ましいものとなる。
色素凝集体は光学顕微鏡にて観察することができる。色素凝集体の凝集径および個数は、400μm四方の枠内に存在する凝集体から決定する(図1)。
図1は、粘着型光学フィルムを構成する近赤外線吸収粘着層を光学顕微鏡にて観察した模式図である。近赤外線吸収粘着層3は、色素凝集体1とマトリックス2から構成され、色素凝集体1の間隙にはマトリックス2が存在する。マトリックス2は主にアクリル系ポリマーである。本発明においては、色素凝集体の凝集径dを色素凝集体1の長径で表す。
色素凝集体1は様々な形状をとるものであり、例えば、円状、三角形状、四角形状、多角形状、不定形状等の形状をとるほか、点状物の集合体、針状物の集合体、放射状物の集合体等の集合体の形状が挙げられる。凝集体がこれらの集合体である場合、図1に示す凝集体1として、これらの集合体を当てはめることにより、凝集径dを測定することができる。
近赤外線吸収粘着層は、凝集径が100μm超の色素凝集体を実質的に含有しないことが好ましい。具体的には、粘着型光学フィルムを光学顕微鏡にて観察し、400μm四方の枠内において、凝集径が100μm超の色素凝集体数が3個以下であることが好ましく、2個以下であることがより好ましく、1個以下であることがさらに好ましく、全く含まないことが特に好ましい。凝集径が100μm超の色素凝集体として存在すると、粘着型光学フィルムの初期吸収スペクトルが悪化する。
凝集径が50μm以上100μm以下の色素凝集体数は、100個以下であることが好ましい。
凝集径が50μm未満の色素凝集体数は、粘着型光学フィルムの初期吸収スペクトルに影響しないため、特に制限されない。
(粘着剤組成物)
本発明に係る近赤外線吸収粘着層は、アクリル系ポリマーと、シランカップリング剤と、ジイモニウム色素とを含有する粘着剤組成物により形成することが好適である。粘着剤組成物は、アミン系添加剤の含有量が、前記アクリル系ポリマー100質量部に対して1質量部以下であり、前記アクリル系ポリマーの酸価が7〜50mgKOH/gであることが好適である。アミン系添加剤がほとんど含まれない条件(アクリル系ポリマー100質量部に対して、アミン系添加剤の含有量が1質量部以下)において、アクリル系ポリマーの酸価が前記範囲内であることにより、粘着層に含まれるジイモニウム色素の初期吸収スペクトルが良好となる。特に、アミン系添加剤の含有量がアクリル系ポリマー100質量部に対して1質量部超含まれると、ジイモニウム色素は、アミンと反応して分解してしまう。
尚、酸価は、15〜50mgKOH/gが好適であり、20〜40mgKOH/gがより好適である。このような範囲とすることにより、ジイモニウム色素の初期吸収スペクトルが良好である近赤外線吸収粘着層を得ることができる。
また本発明に係る粘着剤組成物は、種々の添加剤を加えることができるが、アミン系添加剤を実質的に含有しないことが好適である。実質的に含有しないとは、粘着剤組成物を構成する各成分には主要成分以外に他の成分が含まれる場合があり、当該他の成分を排除する趣旨である。アミン系の物質を添加すると、初期吸収スペクトル測定時までに、ジイモニウム色素とアミンが反応してジイモニウム色素が分解してしまうおそれがある。アミン系添加剤とは、一級アミン、二級アミン、又は三級アミンなどの窒素原子上に攻撃性を有する非共有電子対を有する物質を意味する。アミン系添加剤としては、アミン含有粘着付与剤が挙げられる。当該アミン系添加剤は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、1質量部以下が好適であり、0.1質量部以下がより好適であり、0.01質量部以下が特に好適である。
アクリル系ポリマー
本発明に係るアクリル系ポリマーは、アルキル(メタ)アクリレートモノマーを少なくとも含有することが好適であり、カルボキシル基含有モノマーと水酸基含有モノマーとから選択される少なくとも一種と前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーとを重合させて得られるものであることがより好適である。これらのポリマーの中でも、アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレート{(メタ)アクリル酸アルキルエステル}モノマーとカルボキシル基含有モノマーとを含有して重合されてなるアクリル系ポリマーを使用することが好適である。アクリル系ポリマーは、近赤外線吸収粘着層固形分成分100質量部に対し50質量部以上含まれていることが好適であり、60〜99.9質量部の範囲がより好適である。
アルキル(メタ)アクリレート(アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート)としては、特に制限されないが、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。尚、モノマー成分としてのアルキル(メタ)アクリレートは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらのアクリレートの中でも、n−ブチル(メタ)アクリレートの単体が特に好適である。アルキル(メタ)アクリレートの含有量は、アクリル系ポリマー100質量部中、1〜100質量%であればよいが、50〜99質量%が好適であり、70〜98質量%が更に好適である。
カルボキシル基含有モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられる。また、これらのカルボキシル基含有モノマーの無水物も、カルボキシル基含有モノマーとして用いることができる。カルボキシル基含有モノマーの割合としては、前記の酸価の値に応じて任意に設定できるが、例えば、アクリル系ポリマー100質量部中、1〜24質量%が好適であり、3〜20質量%が更に好適である。
アクリル系ポリマーのモノマー成分について説明したが、これらの組成の中でも、水酸基(OH基)を有しないことが好適である。このように水酸基を有しないことによって、粘着剤組成物中のジイモニウム色素が分解しにくくなり、当該色素の初期吸収スペクトルが良好となる。特に限定されないが、本発明の粘着剤組成物に含まれる水酸基含有モノマーは、アクリル系ポリマー100質量部中10質量%以下であることが好適であり、1質量%以下であることがより好適であり、0.1質量%以下であることが更に好適であり、0.01質量%以下であることが特に好適である。
アクリル系ポリマーは、公知の重合方法により製造することができるが、例えば、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合方法や紫外線照射による重合方法等が挙げられる。また、重合に際して用いられる重合開始剤、連鎖移動剤などは、公知のものを適宜用いることが可能である。
アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、10万〜200万が好適であり、30万〜150万がより好適であり、40万〜120万が更に好適である。
上記アクリル系ポリマーは、ガラス転移温度が0℃未満であることが好ましく、−20℃未満であれば粘着性は更に良好なものとなるので好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量計(DSC)により測定されるショルダー値である。
粘着層中にシランカップリング剤を含有させることで、アクリル系ポリマーとしてガラス転移温度が低いものを使用しても、ジイモニウム色素の初期吸収スペクトルが良好となり、色素凝集体の凝集径を100μm以下とすることができる。
シランカップリング剤
シランカップリング剤は、分子中に2つ以上の異なる官能基を有し、通常では結合させにくい有機質材料と無機質材料とを連結させる仲介役として一般的に使用されている。例えば、シランカップリング剤は、粘着剤中に含まれるアクリル系ポリマー(有機質材料)と、粘着層を貼り合わせるガラス(無機質材料)とを連結させることができるため、接着力やリワーク性を調節するために使用するのが一般的である。
アクリル系ポリマーと近赤外線吸収色素とを含有する粘着層に、シランカップリング剤を含有させることによって、近赤外線吸収色素の初期吸収スペクトルを良好にすることができる。すなわち、従来のシランカップリング剤含有粘着層の作用・効果からは予測ができない作用・効果を見出してなされたのが本発明である。
好ましいシランカップリング剤としては、下記一般式(1)で示されるものが挙げられる。
Figure 2012236869
(式中、Aは炭素数5〜50のアルコキシ基であり、Xは加水分解性シリル基であり、Yは有機反応基である。式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5の直鎖または側鎖を有するアルキル基またはアルコキシ基である。)
一般式(1)中、Aが炭素数5〜50のアルコキシ基であることにより、ジイモニウム色素の初期吸収スペクトルを好ましくすることができる。ジイモニウム色素と他の色素を含有する粘着層にシランカップリング剤を含有させない場合、色素凝集体の凝集径が100μm超になる。一方、ジイモニウム色素と他の色素を含有する粘着層にシランカップリング剤を含有させると、色素凝集体の凝集径を100μm以下にすることができるため、色素の凝集をシランカップリング剤が阻害していると考えられる。この理由は明らかではないが、一般式(1)で示されるシランカップリング剤のAの炭素数を5〜50にすることにより、粘着層中でのシランカップリング剤が移動しやすくなるため、凝集色素間にシランカップリング剤が存在しやすくなり、結果として色素同士の凝集を防いでいるものと考えられる。
一般式(1)中、Aのより好ましい範囲は炭素数8〜50のアルコキシ基であり、さらに10〜45であることが好ましく、15〜40であることが特に好ましい。好ましい範囲のシランカップリング剤を使用することによって、粘着層中でのジイモニウム色素の初期吸収スペクトルを良好なものにする事ができる。Aが炭素数5未満のアルコキシ基である場合、ジイモニウム色素の初期吸収スペクトルを良好なものにすることができない。Aが炭素数50超のアルコキシ基である場合、粘着層中のシランカップリング剤の分散性が悪くなり、均一な光学特性を得難くなる。
一般式(1)中、加水分解性シリル基であるXは、ケイ素原子に直結した1価の加水分解性原子(水と反応することでシラノール基を生成する原子)及びケイ素原子に直結した1価の加水分解性基(水と反応することでシラノール基を生成する基)の少なくとも一方を有するシリル基である限り特に限定されない。
加水分解性シリル基としては、例えばメチルシリル基、エチルシリル基、メトキシシリル基、エトキシシリル基、プロポキシシリル基、ブトキシシリル基等が挙げられる。
一般式(1)中、有機反応基であるYとしては、例えば、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基等が挙げられる。これらの有機反応基のうち、ビニル基、エポキシ基、アクリロイル基のいずれかであると、Yの部分がアクリル系ポリマーと連結しやすくなることから、シランカップリング剤が連結したアクリル系ポリマーの部分を中心にして当該シランカップリング剤が粘着層中を動きやすくなるため、色素の凝集を防ぎやすくなるとともに、粘着層に後述する他の色素を併用した場合において上記ジイモニウム色素の初期吸収スペクトル好ましいものにすることができる。
本発明で使用するシランカップリング剤の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、接着性やリワーク性の付与のために使用する通常のシランカップリング剤に比べて、いずれも大きいものを使用することが好ましい。
本発明で使用するシランカップリング剤の数平均分子量(Mn)は、500以上であることが好ましく、800以上であることがより好ましく、900以上であることがさらに好ましく、1000以上であることが特に好ましい。Mnが500以上であると、色素の凝集を防ぐことができる。また、Mnが大きくなるにつれ、より効果的に色素の凝集を防ぐことができるとともに、ジイモニウム色素の初期吸収スペクトルを好ましくさせることができる。
数平均分子量(Mn)の上限は特に限定されないが、例えば、20000である。Mnが大きくなりすぎると、合成に時間がかかることや、粘着層中での分散性が低くなり均一な光学特性を得難くなるおそれがある。
本発明で使用するシランカップリング剤の重量平均分子量(Mw)は、5000以上であることが好ましく、8000以上であることがより好ましく、9000以上であることがさらに好ましく、10000以上であることが特に好ましい。Mwが5000以上であると、色素の凝集を防ぐことができる。また、Mwが大きくなるにつれ、より効果的に色素の凝集を防ぐことができるとともに、ジイモニウム色素の初期吸収スペクトルを好ましくさせることができる。
重量平均分子量(Mw)の上限は特に限定されないが、例えば、200000である。Mwが大きくなりすぎると、合成に時間がかかることや、粘着層中での分散性が低くなり均一な光学特性を得難くなるおそれがある。
本発明で使用するシランカップリング剤の分散度(Mw/Mn)は、幅広いものであることが色素の凝集を防ぎやすくなるため好ましい。
Mw/Mnは3以上、15以下であることが好ましく、4以上、14以下であることがより好ましく、5以上、13以下であることがさらに好ましい。
シランカップリング剤の使用量の上限値は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.2質量部未満であることが好ましく、0.05質量部以下であることがより好ましく、0.02質量部以下であることがさらに好ましい。0.2質量部以上含ませると、粘着層上に剥離フィルムを積層した場合に、接着力が向上し当該剥離フィルムを剥離しにくくなる場合がある。
シランカップリング剤の使用量の下限値は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.002質量部以上であることが好ましく、0.005質量部以上であることがより好ましく、0.007質量部以上であることがさらに好ましい。0.002質量部未満であると色素の凝集を防ぐことが難しく、ジイモニウム色素の初期吸収スペクトルが好ましいものにならない。
本発明で使用するシランカップリング剤以外の通常使用するシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ構造を有するケイ素化合物、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有ケイ素化合物、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、アセトアセチル基含有トリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基含有シランカップリング剤などが挙げられる。特に、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アセトアセチル基含有トリメトキシシランは効果的に剥がれを抑えられることから好ましく用いられる。
ジイモニウム色素
本発明に係る粘着剤組成物はジイモニウム色素を含有する。ジイモニウム色素としては、溶剤を加えることでジイモニウム色素が溶解状態となるもの、溶剤を加えても溶解せずに結晶が分散した状態となるもの、溶剤存在下でジイモニウム色素分子が数個から数十個程度集合したもの、等が挙げられる。色素の溶解状態は、ジイモニウム色素の構造(官能基の種類)と、溶剤の種類または溶剤種の組み合わせにより変化する。溶剤としては良溶剤または貧溶剤をそれぞれ単独で使用してもよいし、両者を組み合わせて使用してもよいし、複数種の良溶剤あるいは複数種の貧溶剤を使用してもよい。ジイモニウム色素の中でも下記式(2)で示されるジイモニウムカチオンを有することが好適である。
Figure 2012236869
但し、式(2)中、R〜Rは同一または異なってもよい、水素原子、ハロゲン基、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、シアノアルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、フェニルアルキレン基またはアルコキシ基を示す。このR〜R基としては、前記置換基であれば特に限定されないが、炭素数1〜20(好適には1〜8)の直鎖もしくは側鎖を有するアルキル基、炭素数3〜12の環状アルキル基、シアノアルキル基、アルコキシ基やハロゲン化アルキル基等が好ましい。アリール基としては、炭素数6〜14のアリール基が好ましい。
より具体的な一般式Rの例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等の直鎖あるいは分岐状アルキル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、2−シクロペンチルエチル基、2−シクロペンチルプロピル基、3−シクロペンチルプロピル基、4−シクロペンチルブチル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロヘキシルプロピル基、3−シクロヘキシルプロピル基、4−シクロヘキシルブチル基等の環状アルキル基、シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、2−シアノプロピル基、4−シアノブチル基、3−シアノブチル基、2−シアノブチル基、5−シアノペンチル基、4−シアノペンチル基、3−シアノペンチル基、2−シアノペンチル基、6−シアノヘキシル基、5−シアノヘキシル基、4−シアノヘキシル基、3−シアノヘキシル基、2−シアノヘキシル基等のシアノ置換(C1〜C8)アルキル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、メトキシメチル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、2−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、3−メトキシブチル、2−メトキシブチル、5−メトキシペンチル、4−メトキシペンチル、3−メトキシペンチル、2−メトキシペンチル、6−メトキシヘキシル、エトキシメチル、2−エトキシエチル、3−エトキシプロピル、2−エトキシプロピル、4−エトキシブチル、3−エトキシブチル、5−エトキシペンチル、4−エトキシペンチル、6−エトキシヘキシル、プロポキシメチル、2−プロポキシエチル、3−プロポキシプロピル、4−プロポキシブチル、5−プロポキシペンチルなどの直鎖あるいは分岐状アルコキシアルキル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、5,5,5−トリフルオロペンチル基、6,6,6−トリフルオロヘキシル基、8,8,8−トリフルオロオクチル基、2−メチル−3,3,3−トリフルオロプロピル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロオクチル基、2−トリフルオロ−プロピル基、トリクロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、3,3,3−トリクロロオロプロピル基、4,4,4−トリクロロブチル基、5,5,5−トリクロロペンチル基、6,6,6−トリクロロヘキシル基、8,8,8−トリクロロオクチル基、2−メチル−3,3,3−トリクロロプロピル基、ペルクロロエチル基、ペルクロロプロピル基、ペルクロロブチル基、ペルクロロヘキシル基、ペルクロロオクチル基、2−トリクロロ−ペルクロロプロピル基、トリブロモメチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、3,3,3−トリブロモプロピル基、4,4,4−トリブロモブチル基、5,5,5−トリブロモペンチル基、6,6,6−トリブロモヘキシル基、8,8,8−トリブロモオクチル基、2−メチル−3,3,3−トリブロモプロピル基、パーブロモエチル基、ペルブロモプロピル基、ペルブロモブチル基、ペルブロモヘキシル基、ペルブロモオクチル基、2−トリブロモ−ペルブロモプロピル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ジイモニウム色素におけるカウンターアニオンの種類は特に限定されない。カウンターアニオンとしては、例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオンや、過塩素酸イオンや、過ヨウ素酸イオンや、テトラフルオロホウ酸イオンや、ヘキサフルオロリン酸イオンや、ヘキサフルオロアンチモン酸イオンや、トリフルオロメタンスルホン酸イオンや、トルエンスルホン酸イオンや、ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミドイオンや、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオンや、トリス(トリフルオロメタンスルホン)メチドイオンや、スルホンイミドアニオン等が挙げられる。
これらの中でも、特にスルホンイミドアニオンが好適であり、特に下記一般式(3)で示される含フッ素スルホンイミドアニオンが好適である。このように含フッ素スルホンイミドアニオンを使用することにより、特に凝集体を形成しやすくなる。
Figure 2012236869
但し、式(3)中、R、Rは、同一または異なってもよい、フッ素原子またはフッ化アルキル基を示す。R、Rとしては前記置換基であれば特に限定されないが、炭素数1〜8のフッ化アルキルが挙げられる。
なお、ジイモニウム色素は、公知の方法により製造可能であり、例えば、特開平8−511274号公報記載の方法に従って調製されたビス(フルオロスルホニル)イミド酸や米国特許第5,874,616号明細書に準じて調製されたフッ化アルカンスルホニル−フルオロスルホニルイミド酸をアニオン成分とし、これに銀を作用させてビス(フルオロスルホニル)イミド酸銀、または、フッ化アルカンスルホニル−フルオロスルホロイミド酸銀とし、ジイモニウム化合物を、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の有機溶媒中、温度30〜150℃で反応させ、析出した銀を濾別した後、水、酢酸エチルまたはヘキサン等の溶媒を加え、生じた沈殿を濾過することにより合成することができる。
また、市販されているジイモニウム色素としては、日本カーリット社製の商品名「CIR−1085」、日本カーリット社製の商品名「CIR−1085F」、日本化薬社製の商品名「KAYASORB IRG−022」、日本化薬社製の商品名「KAYASORB IRG−023」等が挙げられる。
ジイモニウム色素の近赤外線吸収粘着層の固形分比に対する添加量については特に制限がなく、要求される性能に応じて任意に選ぶことができるが、近赤外線吸収粘着層固形分成分100質量部に対し0.1〜20質量部にすることが好適である。
任意成分
本発明に係る粘着剤組成物は、その他、種々の公知の添加剤を添加することができるが、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を使用することもできる。また微粒子を含有して光拡散性を示す近赤外線吸収粘着層などとしてもよい。本発明に係る粘着剤組成物には、他の近赤外線吸収色素が添加されてもよい。また、色調を調整するため可視光吸収色素が添加されていてもよい。その他、防錆剤が添加されていることが好適である。
架橋剤
また、本発明に係る粘着剤組成物は、架橋剤を含有していることが好適である。架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、イミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ系架橋剤や、イソシアネート系架橋剤が好適である。
エポキシ系架橋剤は、エポキシ化合物を含有し、エポキシ化合物としては、例えば、グリセリンジグリシジルエーテルなどが挙げられる。エポキシ系架橋剤の使用量は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.001〜2質量部、好ましくは0.01〜1質量部、さらに好ましくは0.02〜0.5質量部である。エポキシ系化合物の使用量が0.001質量部未満では、光学フィルムとの密着性や耐久性の点で好ましくない。
イソシアネート系架橋剤は、イソシアネート化合物を含有し、イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネートモノマー及びこれらイソシアネートモノマーをトリメチロールプロパンなどの多価アルコールと付加したアダクト系イソシアネート化合物、イソシアヌレート化物、ビュレット型化合物、さらには公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなどを付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネートなどが挙げられる。これらイソシアネート系化合物のなかでも、光学フィルムとの密着性向上の面からは、キシリレンジイソシアネート等のアダクト系イソシアネート化合物が好ましい。
イソシアネート系架橋剤の使用量は、イソシアネート系架橋剤の使用量は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.001〜5質量部、好ましくは0.01〜3質量部、さらに好ましくは0.02〜2.5質量部である。イソシアネート系化合物の使用量が0.001質量部未満では、光学フィルムとの密着性や耐久性の点で好ましくない。
他の色素
併用されうる他の色素としては、近赤外線吸収色素、可視光吸収色素、ネオン発光吸収色素等が挙げられる。
併用されうる他の近赤外線吸収色素としては、公知のシアニン系色素、ポリメチン系色素、スクアリリウム系色素、ポルフィリン系色素、金属ジチオール錯体系色素、フタロシアニン系色素、ジイモニウム系色素、無機酸化物粒子等が挙げられる。
好ましい他の色素(ジイモニウム色素以外の色素)は、上記ジイモニウム色素に対してクエンチャー効果を奏しうる色素である。クエンチャー効果とは、励起状態にある活性分子を脱励起させる効果である。本発明の場合、ジイモニウム色素分子、ジイモニウムアニオン又はジイモニウムカチオンを脱励起して安定化させる効果を有する他の色素が好ましい。クエンチャー効果の観点から、この他の色素として、フタロシアニン系色素が好ましい。
他の色素(近赤外線吸収色素、ネオン発光吸収色素、可視光吸収色素)の配合量は特に限定されるものではないが、アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.001〜5質量部であることが好ましい。他の色素を複数種使用する場合は、それぞれの色素に対して上記範囲内の量にすればよい。
可視光吸収色素
また、粘着剤組成物の色調を調整するために、調色用の可視光吸収色素を添加してもよい。これは、通常、画像表示部の色調はニュートラルグレイが好ましいとされているからである。ニュートラルグレイとは、Labによる色相表示において、a値とb値がほぼゼロに近い色相であることを意味する。より具体的には、a値とb値とが±5以内の範囲にある色相を意味する。さらに好ましくは、a値が±3以内、b値が±4以内の範囲にある色相が好ましく使用される。より好ましくは、a値が+1〜−2.5、b値が±3.5以内の範囲にある色相が好ましく使用される。a値、b値が上記範囲特に±5の範囲を超えるとディスプレイの表示色に影響を及ぼし、色再現性が悪化する。色素としては、例えば、イソインドリノン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、アゾ系、ナフトール系、キノフタロン系、アゾメチン系、ベンズイミダゾロン系、ペリノン系、ピランスロン系、キナクリドン系、ペリレン系、ピランスロン系、フタロシアニン系、スレン系等が挙げられる。これらの色素は、目的とする色相に調整するため適宜混合して使用することもできる。具体的には、1:2クロム錯体、1:2コバルト錯体、銅フタロシアニン、アントラキノン、ジケトピロロピロール等が使用できる。より具体的には、オラゾールブルーGN(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)、オラゾールブルーBL(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)、オラゾールレッド2B(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)、オラゾールレッドG(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)、オラゾールブラックCN(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)、オラゾールイエロー2GLN(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)、オラゾールイエロー2RLN(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)、マイクロリスDPPレッドB−K(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)、等が挙げられる。
ネオン発光吸収色素
本発明に係る粘着剤組成物は、不要なネオン発光を吸収するために最大吸収波長が550〜650nmのネオン発光吸収色素を併用するのが好ましい。ネオン発光吸収色素は、特に限定されないが、例えば、シアニン色素、テトラアザポルフィリン色素が挙げられる。市販されているネオン発光吸収色素としては、アデカアークルズTY−102(旭電化工業社製)、アデカアークルズTY−14(旭電化工業社製)、アデカアークルズTY−15(旭電化工業社製)、TAP−2(山田化学工業製)、TAP−18(山田化学工業製)、TAP−45(山田化学工業製)、商品名NK−5451(林原生物化学研究所製)、NK−5532(林原生物化学研究所製)、NK−5450(林原生物化学研究所製)、PD−320(山本化成社製)等が挙げられる。ネオン発光吸収色素の添加量は、色素の種類によって異なるが、最大吸収波長での透過率が20〜80%程度になるように添加するのが好適である。
防錆剤
防錆剤としては無機系防錆剤および有機系防錆剤のいずれも用いることができる。無機系防錆剤としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、クロム酸ナトリウム等が挙げられる。また、有機系防錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、オクタデシルアミン等などが挙げられる。これらの防錆剤の中でもベンゾトリアゾール化合物を使用することが好適であり、更に1,2,3−ベンゾトリアゾールを使用することが好適である。
(基材層)
基材としては、特に限定されないが、例えば、剥離基材や、透光性基材が挙げられる。また、近赤外線吸収粘着層の片面に透光性基材、反対面に剥離基材が設けられていてもよく、また、近赤外線吸収粘着層の両面に剥離基材層が設けられていてもよい。剥離基材としては、特に限定されないが、グラシン紙、シリコーン処理されたポリエチレンがラミネートされたクラフト紙、シリコーン処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。
透光性基材としては、特に限定されないが、例えば、ガラス、シクロポリオレフィン、非晶質ポリオレフィン等のオレフィン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のメタクリル系ポリマー、酢酸ビニルやハロゲン化ビニル等のビニル系ポリマー、PET等のポリエステル、ポリカーボネート、ブチラール樹脂等のポリビニルアセタール、ポリアリールエーテル系樹脂、ラクトン環含有樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。更に、当該透光性基材には、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、グロー放電処理、粗面化処理、薬品処理等の従来公知の方法による表面処理や、アンカーコート剤やプライマー等のコーティングが施されてもよい。また、当該透光性基材を構成する基材樹脂には、公知の添加剤、耐熱老化防止剤、滑剤、帯電防止剤等が配合されていてもよい。当該透光性基材は、公知の射出成形、Tダイ成形、カレンダー成形、圧縮成形等の方法や、有機溶剤に溶融させてキャスティングする方法などを用い、フィルムまたはシート状に成形される。かかる透光性基材を構成する基材は、未延伸でも延伸されていてもよく、また他の基材と積層されていてもよい。
コーティング法で近赤外線吸収粘着層を得る場合の透光性基材としてはPETフィルムが好ましく、特に易接着処理をしたPETフィルムが好適である。具体的にはコスモシャインA4300(東洋紡績製)、ルミラーU34(東レ製)、メリネックス705(帝人デュポン製)等が挙げられる。また、TAC(トリアセチルセルロース)フィルム、反射防止フィルム、ぎらつき防止フィルム、衝撃吸収フィルム、電磁波シールドフィルム(メッシュフィルムを含む)、紫外線吸収フィルムなどの機能性フィルムも透光性基材として使用できる。これにより、簡便に薄型ディスプレイ用や光半導体素子用の光学フィルターを作製することができる。透光性基材は、フィルムであることが好ましい。
これらのうち、ガラス、PETフィルム、ラクトン環含有樹脂フィルム、易接着性PETフィルム、TACフィルム、反射防止フィルム及び電磁波シールドフィルムが透光性基材として好ましく使用される。基材層の厚みは、特に限定されないが、0.1μm〜10mmが好適である。
その他、任意層として如何なる層が形成されていてもよいが、近赤外線吸収粘着層表面に、電磁波をシールドするために金属メッシュフィルムが貼り付けられていることが好適である。金属メッシュフィルムとしては、特に限定されないが、例えば、銅製の金属メッシュフィルムが挙げられる。ここで、近赤外線吸収粘着層表面に貼り付けられるメッシュフィルムは、当該粘着剤層中に埋め込まれるような形で貼付されると、更に他の層を積層することが出来るため、好適である。
[製造方法]
本発明に係る粘着型光学フィルムは、特に限定されないが、例えば、粘着剤組成物と溶剤とを含有する塗工液(塗料)を基材上に塗工する塗工工程、前記塗工工程により形成した塗工膜を乾燥させる乾燥工程より近赤外線吸収粘着層を形成することができる。また、必要に応じて、前記乾燥工程後にエイジング工程を設けてもよい。
塗工工程
塗工工程において、粘着剤組成物を含有する塗工液を基材上に塗布する。ここで、塗工液には、粘着剤組成物と溶剤が含まれていてもよい。また、塗工液の中に、前記架橋剤やシランカップリング剤が含まれていてもよい。溶剤としては、公知の溶剤を用いることができるが、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロへキサノン、n−へキサン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどがあげられる。これらの溶剤は単独で使用してもよく、また二種以上を混合して使用してもよい。塗工方法としても、公知の方法により塗工することができるが、例えばアプリケーターを用いて塗工することができる。
乾燥工程
乾燥工程において、塗工工程により得られた塗工膜に含まれる溶剤を除去し、乾燥させる。乾燥方法は、公知の方法を用いることができるので特に限定されないが、例えば、オーブンを用いて乾燥させることができる。
エイジング工程
エイジング工程においては、得られた膜をエイジング(熟成)させることにより、粘着層中の成分を安定化させることができる。
[使用方法]
得られた粘着型光学フィルムは、プラズマディスプレイパネル用として用いられる。すなわち、プラズマディスプレイパネルのガラスパネル表面に貼り付けて使用することにより、近赤外線吸収フィルターとして使用することができる。特に本発明に係る粘着型光学フィルムによれば、ジイモニウム色素の初期吸収スペクトルが良好となり、近赤外線域の光をより多く吸収させることができる。また、粘着層に近赤外線吸収能を持たせることが可能であるため、光学フィルムの層構成を減らすことができ、よりコストの低い光学フィルムを得ることができる。
プラズマディスプレイ用として使用する場合、近赤外線吸収能のみならず、ネオンカット機能を持たせてもよい。すなわち、ネオン発光吸収色素を粘着剤組成物に添加するとよい。
その他、プラズマディスプレイに使用する際に、電磁波をカットするために銅製のメッシュフィルムを使用する場合があり、このメッシュフィルムと粘着フィルムの近赤外線吸収粘着層とを貼り合わせて粘着型光学フィルムとして使用する場合があるが、防錆剤を使用することにより、銅の酸化を防止することが可能となる。当該用途において、防錆剤として、特に、ベンゾトリアゾール化合物が好適であり、更に1,2,3−ベンゾトリアゾールを使用することが好適である。
以下、実施例を用いて説明する。なお、実施例で使用する「部」は「質量部」の意味である。
<製造例:粘着剤樹脂>
モノマーとしてブチルアクリレート(567.5部)、アクリル酸(32.5部)を秤量し、十分に混合して重合性モノマー混合物(1)を得た。160部の酢酸エチルと300部の重合性モノマー混合物(1)とをフラスコに入れた。また滴下ロートに300部の重合性モノマー混合物(1)、16部の酢酸エチル及び、0.15部のナイパーBMT−K40(重合開始剤、日油株式会社製)を入れ、よく混合して滴下用混合物(2)を作成した。窒素ガスを20ml/分で流通させながら、フラスコの内温を95℃まで上昇させ、重合開始剤であるナイパーBMT−K40(0.15部)をフラスコに投入し、重合反応を開始させた。滴下ロートからの滴下用混合物(1)の滴下を90分掛けて滴下した。滴下用混合物(1)の滴下終了後、粘度の上昇に応じて酢酸エチルで希釈を行いながら、6時間の熟成を行い、アクリル系ポリマーを得た。反応終了後、重量平均分子量60万、酸価25の粘着剤樹脂Aを得た。
各種値は下記の方法により測定した。
(酸価)
所定量の試料を容器に取り、溶剤を加えてよく溶解させる。
電位差滴定装置を用いて0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液で滴定を行い、得られた滴定曲線の変曲点を終点とする。
酸価(mgKOH/g)=(A×f×5.61)/S
A:終点における0.1mol/L水酸化カリウム溶液の消費量(mL)
f:0.1mol/L水酸化カリウム溶液のファクター
S:試料採取量(g)
(粘着剤樹脂の分子量)
数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、試料を0.01部に秤量して、テトラヒドロフラン(THF)10部に添加し、24時間放置して溶解した。この溶液をゲル・パーミエイション・クロマトグラフィ(GPC)法を用い、標準ポリスチレンにより作成した検量線から、それぞれの分子量を測定した。
(測定条件)
装置名:東ソー社製、HLC−8220GPC
サンプル濃度:0.1重量%(THF溶液)
サンプル注入量:20μl
溶離液:THF
流速:0.300ml/min
測定温度:40℃
カラム:サンプルカラム;TSKguardcolumn SuperHZ−L(1本)+TSKgel SuperHZM−M(2本)、リファレンスカラム;TSKgel SuperH−RC(1本)、東ソー製
検出器:示差屈折計(RI)
(シランカップリング剤の分子量)
数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量は試料を希釈している溶媒をエバポレーターにて、除去し、溶剤除去後の試料20mgにテトラヒドロフラン(THF)10mlを添加し、3時間放置して溶解した。0.45μmのシリンジフィルターにて異物等を除去後、この溶液をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法を用い、標準ポリスチレンおよび、プロピルベンゼン、ベンゼンにより作成した検量線から、それぞれの分子量を測定した。
(測定条件)
サンプル濃度:0.1重量%(THF溶液)
サンプル注入量:150μl
溶離液:THF
流速:1.0ml/min
測定温度:40℃
カラム:Shodex KF−806L(1本)+Shodex KF−801(1本)、昭和電工社製
検出器:YDR−880(SHIMAMURA社製)
[製造例1]
下記組成からなる材料をメチルエチルケトン(近赤外線吸収色素であるCIR−1085Fの良溶剤)に溶解させ、塗料を作成し、近赤外線吸収粘着剤aを得た。
・粘着剤樹脂A 100部
・エポキシ系硬化剤(N,N.N',N'-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン) 0.05部
・近赤外線吸収色素(日本カーリット社製 商品名:CIR-1085F)2.5部
・下記式(4)のシランカップリング剤(数平均分子量(Mn)が1230、重量平均分子量(Mw)が12300) 0.007部
近赤外線吸収粘着剤aをアプリケーターにて2次剥離PET(東レフィルム加工製、BX8A)に塗工した。塗工時の厚みは乾燥後の粘着剤厚みが25μmになる様に調整した。次いで80℃のオーブン中にて2分間乾燥させた。この近赤外線吸収粘着剤aからなる層に1次剥離PET(東レフィルム加工製、BKE(RX))を貼り合せ、40℃で3日間養生させ、近赤外線吸収粘着フィルム(粘着型光学フィルム)a1を得た。
Figure 2012236869
(CH−O)のnは20〜24の整数
[実施例1]
製造例1に記載の塗料に下記組成の材料を含有させた以外は上記と同様に、近赤外線吸収粘着剤bおよび近赤外線吸収粘着フィルムb1を得た。
・可視光吸収色素1(有本化学工業社製 商品名:oil Blue5511)0.1036部
・ネオン発光吸収色素(山本化成社製 商品名:PD-320)0.109部
・酸化防止剤(綜研化学社製 商品名:添加剤M)0.6部
・紫外線吸収剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製 商品名:TINUVIN109)4.5部
[実施例2]
製造例1に記載の塗料に下記組成の材料を含有させた以外は上記と同様に、近赤外線吸収粘着剤cおよび近赤外線吸収粘着フィルムc1を得た。
・可視光吸収色素1(有本化学工業社製 商品名:oil Blue5511)0.1036部
・可視光吸収色素2(有本化学工業社製 商品名:Plast Violet8855)0.1345部
・酸化防止剤(綜研化学社製 商品名:添加剤M)0.6部
・紫外線吸収剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製 商品名:TINUVIN109)4.5部
[実施例3]
製造例1に記載の塗料に下記組成の材料を含有させた以外は上記と同様に、近赤外線吸収粘着剤dおよび近赤外線吸収粘着フィルムd1を得た。
・可視光吸収色素2(有本化学工業社製 商品名:Plast Violet8855)0.1345部
・酸化防止剤(綜研化学社製 商品名:添加剤M)0.6部
・紫外線吸収剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製 商品名:TINUVIN109)4.5部
[実施例4]
製造例1に記載の塗料に下記組成の材料を含有させた以外は上記と同様に、近赤外線吸収粘着剤eおよび近赤外線吸収粘着フィルムe1を得た。
・ネオン発光吸収色素(山本化成社製 商品名:PD-320)0.109部
・酸化防止剤(綜研化学社製 商品名:添加剤M)0.6部
・紫外線吸収剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製 商品名:TINUVIN109)4.5部
[実施例5]
製造例1に記載の塗料に下記組成の材料を含有させた以外は上記と同様に、近赤外線吸収粘着剤fおよび近赤外線吸収粘着フィルムf1を得た。
・可視光吸収色素1(有本化学工業社製 商品名:oil Blue5511)0.1036部
・可視光吸収色素2(有本化学工業社製 商品名:Plast Violet8855)0.1345部
・ネオン発光吸収色素(山本化成社製 商品名:PD-320)0.109部
・酸化防止剤(綜研化学社製 商品名:添加剤M)0.6部
・紫外線吸収剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製 商品名:TINUVIN109)4.5部
[実施例6]
塗料にシランカップリング剤の添加量を0.013部にした以外は実施例5と同様にして、近赤外線吸収粘着剤gおよび近赤外線吸収粘着フィルムG1を得た。
[比較例1]
塗料にシランカップリング剤を添加していない以外は実施例1と同様にして、近赤外線吸収粘着剤Bおよび近赤外線吸収粘着フィルムB1を得た。
[比較例2]
塗料にシランカップリング剤を添加していない以外は実施例2と同様にして、近赤外線吸収粘着剤Cおよび近赤外線吸収粘着フィルムC1を得た。
[比較例3]
塗料にシランカップリング剤を添加していない以外は実施例3と同様にして、近赤外線吸収粘着剤Dおよび近赤外線吸収粘着フィルムD1を得た。
[比較例4]
塗料にシランカップリング剤を添加していない以外は実施例4と同様にして、近赤外線吸収粘着剤Eおよび近赤外線吸収粘着フィルムE1を得た。
[比較例5]
塗料にシランカップリング剤を添加していない以外は実施例5と同様にして、近赤外線吸収粘着剤Fおよび近赤外線吸収粘着フィルムF1を得た。
[比較例6]
塗料にシランカップリング剤の添加量を0.001部にした以外は実施例6と同様にして、近赤外線吸収粘着剤Gおよび近赤外線吸収粘着フィルムG1を得た。
得られた試験体を分光光度計(島津製作所製 UV3150、JIS Z 8722)で透過率(初期吸収スペクトル)、光学顕微鏡(500倍)で色素の凝集径を測定した。各結果を表1に示す。なお、色素の凝集径および個数は、400μm四方の枠内で実測した値である。初期吸収スペクトルは800nm、850nm、900nm、950nmの4点での結果を示した(表1)。
Figure 2012236869
シランカップリング剤を添加したもの(実施例1〜6)に関してはいずれも色素凝集体の凝集径が100μm以下となり、近赤外線(NIR)域の透過率も低く良好な初期吸収スペクトルを示している。一方、シランカップリング剤を添加しなかった場合(比較例1〜6)は、色素凝集体の凝集径はいずれも100μmを超えるものを含み、さらに着色色素(可視光吸収色素、ネオン発光吸収色素)等を含有したものは近赤外線域の透過率が上昇し実施例に比べ初期吸収スペクトルが悪化していることがわかる。
また、比較例6に示すように、シランカップリング剤を0.001部添加しただけでは近赤外線域の透過率上昇を抑える事が出来ず、凝集径も100μm超の色素凝集体を含むものであった。
以上のように、本発明によれば、着色色素等を含有させる事によって色素凝集体の凝集径が増大し上昇してしまう近赤外線域の透過率を、シランカップリング剤を適量添加することで色素凝集体の凝集径を100μmまでに押さえられ、なおかつ良好な近赤外線域の透過率を低く保持する事ができた。すなわち、他の色素(ジイモニウム色素以外の近赤外線吸収色素、可視高吸収色素、ネオン発光吸収色素等)を加えても、粘着層に含まれるジイモニウム色素の初期吸収スペクトルが好ましいものとなった。これにより様々な色度調整に対応可能な近赤外線吸収粘着シート(粘着型光学フィルム)および、それを使用したプラズマディスプレイパネルを提供する事が出来る。
前記近赤外線吸収粘着層が下記式(1)で表されるシランカップリング剤を含有することが好ましい。

Claims (13)

  1. アクリル系ポリマーと、ジイモニウム色素と、該ジイモニウム色素以外の他の色素と、を含有する近赤外線吸収粘着層と、基材層とを有し、
    該近赤外線吸収粘着層に凝集径100μm以下の色素凝集体が存在することを特徴とする粘着型光学フィルム。
  2. 前記近赤外線吸収粘着層において、400μm四方に含まれる、凝集径100μm超の色素凝集体の数が3個以下であることを特徴とする請求項1に記載の粘着型光学フィルム。
  3. 前記近赤外線粘着層が下記式(1)で表されるシランカップリング剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の粘着型光学フィルム。
    Figure 2012236869
    (式中、Aは炭素数5〜50のアルコキシ基であり、Xは加水分解性シリル基であり、Yは有機反応基である。式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5の直鎖または側鎖を有するアルキル基またはアルコキシ基である。)
  4. 前記他の色素が、前記ジイモニウム色素以外の近赤外線吸収色素、可視光吸収色素またはネオン発光吸収色素から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の粘着型光学フィルム。
  5. 前記シランカップリング剤の数平均分子量(Mn)が500以上であることを特徴とする請求項3に記載の粘着型光学フィルム。
  6. 前記シランカップリング剤の重量平均分子量(Mw)が5000以上であることを特徴とする請求項3または5に記載の粘着型光学フィルム。
  7. 前記シランカップリング剤の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比であるMw/Mnが3以上、15以下であることを特徴とする請求項3に記載の粘着型光学フィルム。
  8. 前記シランカップリング剤が前記アクリル系ポリマー100質量部に対して0.002質量部以上0.2質量部未満含有することを特徴とする請求項3に記載の粘着型光学フィルム。
  9. 前記アクリル系ポリマーの酸価が7〜50mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の粘着型光学フィルム。
  10. 前記近赤外線吸収粘着層が、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アミン系架橋剤、イミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤からなる群から選ばれる一の架橋剤又は二以上の架橋剤の組み合わせを含有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項記載の粘着型光学フィルム。
  11. 前記近赤外線吸収粘着層が防錆剤を含有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項記載の粘着型光学フィルム。
  12. 前記近赤外線吸収粘着層に金属メッシュフィルムが貼着されてなることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項記載の粘着型光学フィルム。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項記載の粘着型光学フィルムが表面に貼り付けられている、プラズマディスプレイパネル。
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