JP2012236722A - 籾殻灰を用いたセメントの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】籾殻灰を利用したセメントの製造方法は、籾殻灰を利用するものであり、セメントクリンカを1t製造するにあたり、籾殻灰を25〜350kg部配合して焼成することによりセメントクリンカを調製して、セメントを製造するものである。籾殻灰は、セメントクリンカ送窯原料中のSiO2原料として10〜100質量%の割合で用いられる。
【選択図】図2
Description
また更に、廃棄物である籾殻灰の有効利用を図ることを目的とする。
更に好適には、セメントは、低熱ポルトランドセメント又は中庸熱ポルトランドセメントである。
また、本発明のセメントの製造方法により、従来は廃棄物であった籾殻灰の有効利用の促進を図ることが可能になる。
コンクリートダムや部材寸法の大きなコンクリート構造物、いわゆるマスコンクリートでは、温度応力によるひび割れが発生しやすいために、水和熱が低く長期強度が高いセメントが要求されており、特に中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントが用いられている。
一方、セメントには主として4種類、3CaO・SiO2(C3S)、2CaO・SiO2(C2S)、3CaO・Al2O3(C3A)および4CaO・Al2O3・Fe2O3(C4AF)のセメントクリンカ鉱物が含まれており、これら鉱物の含有量によって強度発現性および水和発熱特性が異なる。
また、セメント鉱物の1つであるC2Sは水和反応がエーライトに比べて強度発現が遅いため、長期強度を増加させるためにはC2Sの水和活性を高める必要がある。
すなわち、長期強度に最も大きな影響を及ぼすのは、上記した主要4種類のクリンカ鉱物のうちC2Sであり、C2Sの水和反応性を、籾殻灰によって変えることによって長期強度を制御することができるセメントの製造方法である。
これは、焼成キルン内でα’相であったC2Sが冷却とともに大部分β相へ転移してしまうのが通常であるが、本発明の籾殻灰利用により、かかる転移が抑制され、より多くのα’相が得られ、長期強度が増進すると考えられる。これにより水和活性を高めることができる。
該籾殻灰は、セメントクリンカを製造する際に、送窯原料として配合されるSiO2送窯原料として使用される。これは、該籾殻灰は非晶質シリカだからである。
通常、セメントクリンカを製造する際には、SiO2送窯原料として、例えば珪石等を使用するが、通常SiO2送窯原料として使用される珪石等一部または全部を、該籾殻灰に換えて使用する。
その割合は、SiO2送窯原料の10〜100質量%、好ましくは25〜100質量%を籾殻灰に置換する。
かかる焼成条件は特に限定されず、通常セメントクリンカを焼成する条件、任意の公知の条件で焼成して、セメントクリンカを製造する。
このようにしてセメントクリンカを製造することにより、得られるセメントクリンカ中に生成するC2Sの水和活性を高めることができる。
セメントクリンカの製造に用いる各原料を化学組成とともに、下記表1に示す。
上記表1に示す組成を有する低熱ポルトランドセメント用の送窯原料である、石灰石、鉄原料、粘土(1)、粘土(2)及び珪石を用いて、得られる低熱ポルトランドセメントクリンカの化学成分が表2に示すようになるように調整して配合し、焼成温度1000℃にて30分焼成し、次いで1000℃から15℃/分で温度を上昇させて1450℃で30分焼成する温度条件(図1に示す温度条件)にてカンタルスーパー炉にて焼成して、低熱ポルトランドセメントクリンカを調製した。但し、珪石は、得られる低熱ポルトランドセメントクリンカ1tあたり、273kgの割合で配合した。
当該石膏は、得られる低熱ポルトランドセメント中に含有されるSO3の量が2.4質量%になるように添加した。
得られた低熱ポルトランドセメントに含有されるCaO、SiO2、Al2O3及びFe2O3をJIS R 5202「ポルトランドセメントの化学分析方法」にて分析し、ボーグ式を用いてC3S、C2S、C3A、C4AFを算出した。
JIS R 5202「ポルトランドセメントの化学分析方法」にて分析したSO3量(石膏)を含めて、その結果を下記表3に示す。
低熱ポルトランドセメントクリンカを製造するにあたり比較例1で用いた珪石の4.6質量%(得られるクリンカ1tあたり、12.5kgに相当)を、表1に示す籾殻灰で置換した以外には、比較例1と同様にして、低熱ポルトランドセメントクリンカを製造し、更に低熱ポルトランドセメントを調製した。
低熱ポルトランドセメントクリンカを製造するにあたり比較例1で用いた珪石の9.2質量%(得られるクリンカ1tあたり、25kgに相当)を、表1に示す籾殻灰で置換した以外には、比較例1と同様にして、低熱ポルトランドセメントクリンカを製造し、更に低熱ポルトランドセメントを調製した。
低熱ポルトランドセメントクリンカを製造するにあたり比較例1で用いた珪石の22.9質量%(得られるクリンカ1tあたり、62.5kgに相当)を、表1に示す籾殻灰で置換した以外には、比較例1と同様にして、低熱ポルトランドセメントクリンカを製造し、更に低熱ポルトランドセメントを調製した。
低熱ポルトランドセメントクリンカを製造するにあたり比較例1で用いた珪石の45.8質量%(得られるクリンカ1tあたり、125kgに相当)を、表1に示す籾殻灰で置換した以外には、比較例1と同様にして、低熱ポルトランドセメントクリンカを製造し、更に低熱ポルトランドセメントを調製した。
低熱ポルトランドセメントクリンカを製造するにあたり比較例1で用いた珪石全量(得られるクリンカ1tあたり、273kgに相当)を、表1に示す籾殻灰で置換した以外には、比較例1と同様にして、低熱ポルトランドセメントクリンカを製造し、更に低熱ポルトランドセメントを調製した。
低熱ポルトランドセメントクリンカを製造するにあたり比較例1で用いた珪石全量(得られるクリンカ1tあたり、273kgに相当)を、表1に示すシリカゲルで置換した以外には、比較例1と同様にして、低熱ポルトランドセメントクリンカを製造し、更に低熱ポルトランドセメントを調製した。
低熱ポルトランドセメントクリンカを製造するにあたり比較例1で用いた珪石全量(得られるクリンカ1tあたり、273kgに相当)を、表1に示すシリカヒュームで置換した以外には、比較例1と同様にして、低熱ポルトランドセメントクリンカを製造し、更に低熱ポルトランドセメントを調製した。
上記実施例1〜4、比較例1〜3で得られた各クリンカ及び各セメントを下記試験により評価し、得られた結果を下記表4に示す。
(試験例1)
得られた各クリンカを、JCAS I−01に準拠して、クリンカ中のf−CaOを測定した。なお、f−CaOは一般に焼成の良・不良を判断する指標として用いられ、1質量%以下であると、焼成が「良」と判断される。
(試験例2)
得られた各クリンカを、遊星ミルPM−400(Retsch製)を用いて、300rpm20分、ブレーン値が概ね6000cm2/g程度となるまで粉砕し、試験試料を調製した。各試験試料を粉末X線回折装置X’Pert MPD(パナリティカル製)を用いて管電流40mA−管電圧45kVで回折ピークを測定後、同社製,解析ソフトHigh Score Plusにてリートベルト解析を行って、C2Sの結晶相のα’C2Sのセメントクリンカ中の含有量(質量%)と、βC2Sの格子体積を測定し、その結果を表4及び図2に示す。
得られた各セメントについて、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準拠して、水/セメント比が50質量%となるように水を加え、各モルタルを調製した。
得られた各モルタルのモルタル強度を、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準拠して行い、各モルタル打設7日後、28日後、91日後の強度を測定し、その結果を表4、図3〜6に示す。
このように、非晶質シリカゲルである籾殻灰を一定の割合で配合して、セメントクリンカを製造することで、水和活性の高いα’C2Sが多く生成し、またβC2Sの格子体積も増大し、結果としてセメントの所望する長期強度の発現が可能となる。
Claims (3)
- セメントクリンカを1t製造するにあたり、籾殻灰を25〜350kg配合して焼成することによりセメントクリンカを調製することを特徴とする、籾殻灰を利用したセメントの製造方法。
- 請求項1記載のセメントの製造方法において、籾殻灰は、セメントクリンカ送窯原料中のSiO2原料として10〜100質量%の割合で用いられることを特徴とする、籾殻灰を利用したセメントの製造方法。
- 請求項1又は2記載のセメントの製造方法において、セメントは、低熱ポルトランドセメントであることを特徴とする、籾殻灰を利用したセメントの製造方法。
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