JP2012235303A - イコライザ、イコライザ調整方法、及びプログラム - Google Patents

イコライザ、イコライザ調整方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】イコライザにおける実際の周波数−ゲイン特性を利用者の設定した特性に近づける。
【解決手段】複数の帯域毎に利用者が設定したゲインが入力されると、隣り合う帯域と同一ゲインが設定されていない帯域がある場合に(ステップS10:NO)、その帯域に対応するフィルタをピーキングフィルタに設定し(ステップS11)、隣接帯域に同一ゲインが設定された帯域群がある場合には(ステップS10:YES)、帯域群の両端の帯域に対応するフィルタをシェルビングフィルタに設定し(ステップS12)、帯域群の両端の間の帯域に対応するフィルタは、フラットな特性を持つフィルタに設定する(ステップS14)。
【選択図】図4

Description

本発明は、イコライザ、イコライザ調整方法、及びプログラムに関する。
イコライザは、例えばオーディオ再生装置等における再生音の周波数帯域をいくつかに分割し、各周波数帯域のゲイン(レベル)を増減させ、音楽或いは音の表現を細かいニュアンスで調整したり、必要以上の音域をカットするために用いられる。
グラフィックイコライザは、各帯域の設定ゲインを表示する設定画面を備えている。グラフィックイコライザの設定画面の多くは、図11に示すような棒グラフで各帯域に設定されるゲインを表示する。利用者は、設定画面の表示を見ながら、低音や高音の周波数特性を変化させる。
従来のグラフィックイコライザは、ピーキングフィルタ(Peaking Filter)により各帯域のゲインを調整している。このため、設定画面で設定された周波数−ゲイン特性と実際に設定された周波数−ゲイン特性とが異なってしまう。
例えば、利用者が設定画面で各帯域のゲインを図11のようにイメージして設定しても、実際に設定される周波数−ゲイン特性は、図12のようになる。図11の設定では、中心周波数が1kHzの帯域と4kHzの帯域とはゲインが同じになるが、実際に設定される周波数−ゲイン特性では、1kHzと4kHzとの間にゲインの谷ができてしまう。
また、全帯域のゲインを同じにするために、図13に示すように各帯域のゲインが等しくなるように設定しても、実際に設定される周波数−ゲイン特性は、図14に示すようになり、各帯域のゲインの間に谷ができる。
このような問題に対処するため、特許文献1に示されるグラフィックイコライザは、着目する帯域のゲインを設定するときに、ピーキングフィルタを3個使用し、さらに、連動して隣接する帯域のゲインを設定する。これにより、各帯域のピーク性を緩和している。
特開平7−111693号公報
従来のグラフィックイコライザでは、ピーキングフィルタで音の周波数−ゲイン特性を調整するので、利用者のイメージした音が再生されないおそれがある。
特許文献1のように複数帯域のピーキングフィルタを使い、尖鋭度を緩やかにして帯域間の変動を改善しても、周波数特性はピーキングフィルタで実現しているので、図14の山の間隔が狭くなるだけで平らな特性にはならない。さらに、設定1個に対してフィルタを3個使用するので、安価なDSP(Digital Signal Processor)では処理能力を割り当てる事ができないという問題もある。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、利用者が設定する周波数−ゲイン特性と実際の周波数−ゲイン特性とが近似するイコライザを提供することを目的とする。
また、本発明は、所望の周波数−ゲイン特性が簡単な構成で得られるイコライザを提供することを他の目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るイコライザは、
入力信号における複数の周波数帯域のそれぞれにゲインを指定するゲイン指定部と、
前記入力信号を、前記ゲイン指定部で指定されたゲインに基づいて前記複数の周波数帯域毎にフィルタリングする複数のフィルタと、
前記ゲイン指定部により指定された前記複数の周波数帯域毎のゲインの組み合わせに基づいて、前記複数のフィルタの一部をシェルビングフィルタに設定する設定部と、を備える、
ことを特徴とするイコライザ。
例えば、前記設定部は、前記複数の周波数帯域のうちの隣り合う周波数帯域に指定されたゲインの差が、所定の基準値以下となる周波数帯域群がある場合には、前記周波数帯域群の両端の周波数帯域に対応する前記フィルタを、シェルビングフィルタに設定する。
例えば、前記設定部は、ゲインの差が所定の基準値以下となる前記周波数帯域群が3つ以上の周波数帯域を含む場合に、前記3つ以上の周波数帯域のうちの両端の周波数帯域以外の周波数帯域に対応する前記フィルタの周波数−ゲイン特性をフラットに設定する。
例えば、前記設定部は、前記複数の周波数帯域のうち、ゲインの差が前記所定基準値以下となる前記周波数帯域以外の周波数帯域に対応する前記フィルタをピーキングフィルタに設定する。
例えば、前記設定部は、前記指定部によるゲインの指定が更新される度に、各フィルタへの設定も更新する。
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係るイコライザの調整方法は、
入力信号における複数の周波数帯域のそれぞれにゲインを指定するゲイン指定工程と、
前記入力信号を、前記ゲイン指定工程で指定されたゲインに基づいて前記複数の周波数帯域毎にフィルタリングする複数のフィルタ工程と、
前記ゲイン指定工程により指定された前記複数の周波数帯域毎のゲインの組み合わせに基づいて、前記複数のフィルタ工程の一部をシェルビングフィルタに設定する設定工程と、を含む。
また、上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
入力信号における複数の周波数帯域のそれぞれにゲインを指定するゲイン指定機能と、
前記入力信号を、前記ゲイン指定機能で指定されたゲインに基づいて前記複数の周波数帯域毎にフィルタリングする複数のフィルタ機能と、
前記ゲイン指定機能により指定された前記複数の周波数帯域毎のゲインの組み合わせに
基づいて、前記複数のフィルタ機能の一部をシェルビングフィルタに設定する設定機能と、
を実現させる。
本発明によれば、利用者が設定する周波数−ゲイン特性と実際の周波数−ゲイン特性とが近似するイコライザを実現できる。
本発明の実施形態に係るグラフィックイコライザの構成図である。 図1中のイコライザ処理部の要部を示す構成図である。 ピーキングフィルタ及びシェルビングフィルタの周波数−ゲイン特性を説明するための図である。 グラフィックイコライザの周波数−ゲイン特性を設定する動作を示すフローチャートである。 利用者が設定する周波数帯別のゲインの例を示す図である。 利用者が設定する周波数帯別のゲインの例を示す図である。 図11に示す設定がなされた場合の、グラフィックイコライザの実際の周波数−ゲイン特性を説明するための図である。 利用者によって設定された帯域毎のゲインと、実際に設定される周波数−ゲイン特性とを示す図である。 図13に示す設定がなされた場合の、グラフィックイコライザの実際の周波数−ゲイン特性を他の例で説明するための図である。 全ての帯域が同じゲインに設定される他の例を示す図である。 設定画面に表示される棒グラフを示す図である。 図11に示す設定画面により、実際に設定される周波数−ゲイン特性を示す図である。 利用者が設定するゲインの例を示す図である。 図13に示す設定画面により、実際に設定される周波数−ゲイン特性を示す図である。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態に係るグラフィックイコライザ100ついて説明する。
本実施形態に係るグラフィックイコライザ100は、図1に示すように、マイクロコンピュータ10と、マイクロコンピュータ10に接続されたDSP(Digital Signal Processor)20と、マイクロコンピュータ10に接続されたユーザインターフェイス部30と、を備えている。
ユーザインターフェイス部30は、ディスプレイ等で構成された表示器31と、利用者が操作するキー、マウス等の操作部32とを含む。
DSP20は、マイクロコンピュータ10と共働し、入力される音声信号の周波数帯域を複数に分割し、帯域毎にゲイン(レベル)を調整して出力する機能を有するイコライザ処理部21を備えている。
イコライザ処理部21は、図2に示すように、縦続接続された複数のIIRフィルタ21−1,21−2,21−3,・・・から構成されている。IIRフィルタ21−1,21−2,21−3,・・・は、それぞれ、音声信号の周波数帯域を分割した帯域に対応して設けられ、IIRフィルタ21−1,21−2,21−3,・・・の数nは、音声信号の周波数帯域を分割した帯域の数nと同一である。IIRフィルタ21−1,21−2,21−3,・・・は、それぞれ、割り当てられた周波数帯域の信号成分のゲインを調整するのに用いられる。
IIRフィルタ21−1は、4個の遅延部210,211,212,213と、5個の掛け算部214,215,216,217,218と、1個の加算部219とを備え、例えば、音源装置等から処理対象のデジタルデータが供給される。デジタルデータは、例えば、16ビットのデータである。
IIRフィルタ21−1の入力端子T1には、遅延部210と掛け算部214の入力端が接続されている。遅延部210は、入力端子T1から与えられたデータを1サンプリング時間遅延する。掛け算部214は、入力端子T1から与えられたデータに事前に設定された係数a0を乗算する。
遅延部210の出力端に遅延部211と掛け算部215の入力端が接続され、遅延部211の出力端に、掛け算部216の入力端が接続されている。
遅延部211は、遅延部210の出力データを1サンプリング時間遅延する。
掛け算部215は、遅延部210の出力データに事前に設定された係数a1を乗算する。
掛け算部216は、遅延部211の出力データに事前に設定された係数a2を乗算する。
掛け算部214,215,216の出力端が、5入力の加算部219の入力端に接続されている。
加算部219の出力端には、後述するビットシフタ220を介して遅延部212の入力端が接続されている。遅延部212は、加算部219の出力データを1サンプリング時間遅延する。
遅延部212の出力端には遅延部213と掛け算部217の入力端が接続されている。遅延部213の出力端には、掛け算部218の入力端が接続されている。遅延部213は、遅延部212の出力データを1サンプリング時間遅延する。掛け算部217は、遅延部212の出力データに事前に設定された係数b1を乗算する。掛け算部218は、遅延部213の出力データに事前に設定された係数b2を乗算する。
掛け算部217の出力端と掛け算部218の出力端には、加算部219の入力端が接続されている。加算部219の出力が、IIRフィルタ21−1の出力となり、加算部219の出力端は端子T2に接続されている。
IIRフィルタ21−1は、さらに、加算部219の出力データをビットシフトするビットシフタ220を備える。ビットシフタ220でデータをビットシフトすることにより、データを2のべき乗で割ることや、データに2のべき乗を乗算することが可能である。
各IIRフィルタ21−2,21−3,・・・21−nも、IIRフィルタ21−1と同様の構成を有し、4個の遅延部210,211,212,213と、5個の掛け算部214,215,216,217,218と、加算部219と、ビットシフタ220と、をそれぞれ備えている。
IIRフィルタ21−1,21−2,21−3,・・・は、掛け算部214,215,216,217,218の係数a0,a1,a2,b1,b2と、ビットシフタ220のビットシフト量の設定とを変化させることにより、種々のフィルタとなる。
IIRフィルタ21−1,21−2,21−3,・・・は、ピーキングフィルタ(Peaking Filter)またはシェルビングフィルタ(Shelving Filter)として機能するように、係数a0,a1,a2,b1,b2と、ビットシフタ220のビットシフト量が設定される。
図3に示すように、ピーキングフィルタは、ある周波数(センター周波数)にピークを有する山型の周波数−ゲイン(レベル)特性を有する。一方、シェルビングフィルタは、ある周波数(カットオフ周波数)から設定したゲインになる棚型の周波数−ゲイン特性を有する。入力信号のうち、カットオフ周波数より低い周波数の信号成分の信号レベルを一定レベル持ち上げたり、下げる加工をするシェルビングフィルタがLow Shelving Filterと呼ばれ、カットオフ周波数より高い周波数の信号成分の信号レベルを一定レベル持ち上げたり、下げる加工をするのがHigh Shelving Filterと呼ばれている。
各IIRフィルタ21−1,21−2,21−3,・・・の周波数−ゲイン特性を合成したものが、グラフィックイコライザ100の実際の周波数−ゲイン特性となる。
次に、グラフィックイコライザ100の動作について説明する。
まず、グラフィックイコライザ100の周波数−ゲイン特性を設定する動作を説明する。
図4は、グラフィックイコライザ100の周波数−ゲイン特性を設定する動作を示すフローチャートである。
グラフィックイコライザ100に対して利用者がゲインを設定をする際には、マイクロコンピュータ10は、表示器31にゲイン設定を行うための設定画面を表示する。利用者は、設定画面を見ながら操作部32を操作し、周波数帯域毎にゲインを設定する。
マイクロコンピュータ10は、利用者が設定した帯域毎のゲインをチェックし、いずれかの設定が変更される度に、図4に示す設定変更処理を開始し、まず、同一ゲインに設定された隣接する帯域を含む帯域群があるかどうかを判別する(ステップS10)。
例えば、入力音声信号を、中心周波数が62.5Hz、250Hz、1kHz、4kHzとなる4帯域に分割するイコライザにおいて、図11に示すように、62.5Hzの帯域のゲインを9dB、250Hzの帯域のゲインを−5dB、1kHzの帯域と4kHzの帯域のゲインを3dBに設定したとすれば、隣接する1kHzの帯域と4kHzの帯域が同一のゲインに設定されているので、同一ゲインに設定された隣接する帯域を含む帯域群がある(ステップS10;YES)と判別する。
また、例えば、図13に示すように、62.5Hz〜16kHzの全ての帯域のゲインを9dBに設定したとすれば、隣接する帯域が同一のゲインに設定されているので、帯域群がある(ステップS10;YES)と判別する。
一方、例えば、図5に示すように、62.5Hzの帯域のゲインを1dB、250Hzの帯域のゲインを3dB、1kHzの帯域を5dB、4kHzの帯域のゲインを7dBに設定したとすれば、同一ゲインの隣接する帯域が存在しないので、該当する帯域群は存在しない(ステップS10;NO)と判別する。
また、例えば、図6に示すように、62.5Hzの帯域のゲインを5dB、250Hzの帯域のゲインを1dB、1kHzの帯域を9dB、4kHzの帯域のゲインを5dBに設定したとすれば、62.5Hzの帯域と4kHzの帯域のゲインは同一であるが、両帯域は隣接していないので、該当する帯域群は存在しない(ステップS10;NO)と判別する。
隣り合う帯域と同じゲインに設定された帯域群がない場合には(ステップS10:NO)、各帯域に対応するIIRフィルタ21−1,21−2,21−3,・・・に対して、ピーキングフィルタとなり且つ周波数−ゲイン特性のピークが利用者の設定したゲインとなるように、係数a0,a1,a2,b1,b2及びビットシフタ220のビットシフト量を設定する(ステップS11)。
例えば、入力される音声信号の周波数帯域を、中心周波数が62.5Hz、250Hz、1kHz、4kHzとなる4帯域に分割し、中心周波数が62.5Hz、250Hz、1kHz、4kHzとなる4帯域に分割するイコライザにおいては、利用者が中心周波数が62.5Hzの帯域のゲインを9dBに設定した場合には、IIRフィルタ21−1の係数a0,a1,a2,b1,b2及びビットシフタ220のビットシフト量を、62.5Hzでピークとなりそのピーク値が9dBとなるピーキングフィルタの周波数−ゲイン特性が得られるように、設定する。
中心周波数が250Hz、1kHz、4kHzの各帯域についても、設定されたゲインに応じて、IIRフィルタ21−2,21−3,21−4の係数a0,a1,a2,b1,b2及びビットシフタ220のビットシフト量をそれぞれ設定する。
一方、隣り合う帯域と同じゲインに設定された帯域群があると判別された場合には(ステップS10:YES)、その帯域群の両端の帯域に対応するIIRフィルタ21−1,21−2,21−3,・・・に対して、シェルビングフィルタとなり、両端の帯域の各中心周波数がカットオフ周波数となり、且つ、周波数−ゲイン特性が適正になるように、係数a0,a1,a2,b1,b2及びビットシフタ220のビットシフト量を設定する(ステップS12)。
ここで、レベルが同一の帯域群の両端の帯域のうち、低周波数側の帯域については、設定されているゲインが正の値ならば、ハイシェルビングフィルタを設定し、設定されているゲインが負の値ならば、ローシェルビングフィルタを設定する。棚の高さは、設定されているゲインに等しい値とする。また、レベルが同一の帯域群の両端の帯域のうち、高周波数側の帯域については、設定されているゲインが正の値ならば、ローシェルビングフィルタを設定し、設定されているゲインが負の値ならば、ハイシェルビングフィルタを設定する。棚の高さは、設定されているゲインの符号を反転した値とする。
例えば、図11の設定例の場合、中心周波数が1kHzと4kHzの帯域のゲインが3dbで同一で隣接しており、それぞれ、帯域群の両端である。このため、1kHzの帯域すなわち低域端側を担当するIIRフィルタ21−3を、カットオフ周波数が1kHzで、高域側のゲインが3dB,低域側のゲインが0dB(棚の高さが3dB)のシェルビングフィルタに設定する。また、4kHzの帯域すなわち高域端側を担当するIIRフィルタ21−4を、カットオフ周波数が4kHzで、低域側のゲインが3dB,高域側のゲインが0dB(棚の高さが−3dB)のローシェルビングフィルタに設定する。
同様に、例えば、図13の設定例の場合、中心周波数が62.5Hzの帯域すなわち低域端側を担当するIIRフィルタ21−1を、カットオフ周波数が62.5Hzで、高域側のゲインが9dB,低域側のゲインが0dB(棚の高さが9dB)のハイシェルビングフィルタに設定する。また、16kHzの帯域すなわち高域端側を担当するIIRフィルタ21−5は、カットオフ周波数が16kHzで、低域側のゲインが9dB,高域側のゲインが0dB(棚の高さが−9dB)のローシェルビングフィルタに設定する。
ステップS12の終了後、同一ゲインに設定されている互いに隣接する帯域から構成される帯域群に含まれる帯域の数を判別し、帯域群に含まれる帯域が3帯域以上である場合には(ステップS13:3帯域以上)、両端の帯域に挟まれた帯域に対応するIIRフィルタ21−1,21−2,21−3,・・・の係数a0,a1,a2,b1,b2及びビットシフタ220のビットシフト量を、周波数−ゲイン特性がフラットになるように設定する(ステップS14)。この設定は、係数a0を1.0とし、他の係数a1,a2,b1,b2を0とし、加算データのビットシフト量を0とすることで設定可能である。
例えば、図13の設定例の場合、ゲインが同一に設定されている隣接する帯域から構成される帯域群に含まれる帯域の数が5であるので、帯域群に含まれる帯域が3帯域以上であると判別され(ステップS13:3帯域以上)、両端を除く中心周波数が250Hzと1kHzと4kHzの帯域を担当するIIRフィルタ21−2と21−3と21−4を周波数−ゲイン特性がフラットになるように設定する(ステップS13)。
一方、ステップS13で、ゲインが同じに設定された帯域の連続数が2帯域の場合(ステップS13:2帯域)或いはステップS14の処理が終了した段階で、未設定のIIRフィルタの有無を判別し、未設定のIIRフィルタが存在する場合、ステップS11と同様にして、周波数−ゲイン特性のピーク値が利用者の設定したゲインのピーキングフィルタとなるように、係数a0,a1,a2,b1,b2及びビットシフタ220のビットシフト量を設定する(ステップS15)。
ステップS11の処理或いはステップS15の処理が完了した時に、グラフィックイコライザ100の周波数−ゲイン特性を設定及び更新する動作が終了する。
以降、利用者が操作部32を操作していずれかの周波数帯域のゲインを変更する度に、ユーザインタフェース30からの通知に応答して、マイクロコンピュータ10が、図4の設定処理を行うことにより、変更に対応した周波数−ゲイン特性が得られる。
その後、再生装置等からデータが入力されると、イコライザ処理部21のIIRフィルタ21−1...は、設定に従って、入力データをフィルタリングして、次段のIIRフィルタ21−2...に転送する。最終段のIIRフィルタ21−nの出力がイコライザ処理部21の出力となる。
ここで、係数a0,a1,a2,b1,b2及びビットシフト量が設定されたIIRフィルタ21−1,21−2,21−3,・・・によって、構成されるフィルタの実際の周波数−ゲイン特性について、説明する。
図7は、従来のグラフィックイコライザ100の周波数−ゲイン特性と本実施形態のグラフィックイコライザ100の周波数−ゲイン特性とを対比する説明するための図である。
図11に示すように、利用者が、中心周波数が62.5Hzの帯域のゲインを9dB、中心周波数が250Hzの帯域のゲインを−5dB、中心周波数が1kHzの帯域を3dB、中心周波数が4kHzの帯域を3dBに設定したとする。この場合、ピーキングフィルタのみを用いる従来のグラフィックイコライザ100では、実際の周波数−ゲイン特性が、図5に破線で示す特性(図12に示す特性に等しい)となり、1kHzと4kHzの間の2kHz辺りでゲインが落ち込む。
これに対し、本実施形態のグラフィックイコライザ100では、中心周波数が1kHzの帯域に、高域側を3dB持ち上げるシェルビングフィルタの周波数−ゲイン特性が適用され、4kHzの帯域に、高域側を3dB下げるシェルビングフィルタの周波数−ゲイン特性が適用される。このため、1kHzと4kHzの間の周波数−ゲイン特性が、図7に実線で示すように平坦化され、従来よりも利用者の意識に沿った特性となる。
図7に実線で示される周波数−ゲイン特性に、利用者が設定画面で設定した帯域毎のゲインを重ねると、図8のようになり、利用者のイメージに近い周波数−ゲイン特性になっていることが判る。したがって、違和感のない音声信号を再生することが、可能である。
また、図13に示すように、入力される音声信号の周波数帯域を、中心周波数が62.5Hz、250Hz、1kHz、4kHz、16kHzとなる5帯域に分割するイコライザにおいて、利用者が、5帯域の全てのゲインに9dBを設定したとする。
この場合、ピーキングフィルタのみを用いる従来のグラフィックイコライザ100の周波数−ゲイン特性は、図9に破線で示す特性(図14に示す特性に等しい)となり、各帯域の間に落ち込みが発生する。
これに対し、本実施形態のグラフィックイコライザ100では、利用者によって連続する帯域に同じゲインが設定された場合、両端の帯域には、シェルビングフィルタの周波数−ゲイン特性が適用され、間の帯域には、フラットな周波数−ゲイン特性が適用される。したがって、図9に実線で示すように、各帯域の間で落ち込みが発生しない。
以上説明したように、本実施形態のグラフィックイコライザ100によれば、利用者が設定する周波数−ゲイン特性に近似した周波数−ゲイン特性を設定することができる。また、帯域数に応じた数のIIRフィルタで構成することができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。その変形例としては、次のようなものがある。
(1) 利用者が設定する帯域のゲインが全て同じ場合、シェルビングフィルタを用いずに、全体にフラットな周波数−ゲイン特性を、利用者が設定したゲインにまで持ち上げるようなフィルタを用いてもよい。
例えば、入力される音声信号を中心周波数が62.5Hz、250Hz、1kHz、4kHz、16kHzとなる5帯域に分割するイコライザにおいて、利用者が、5帯域の全てのゲインを9dB(入力出力電圧比で2.8倍に相当)に設定した場合、IIRフィルタ21−1,21−2,21−3,・・・のいずれか1つについて、係数a0を0.7に設定し、係数a1,a2,b1,b2を0に設定し、加算データのビットシフト量を2に設定する。そして、他のIIRフィルタ21−1,21−2,21−3,・・・、係数a0を1.0に設定し、係数a1,a2,b1,b2を0に設定し、加算データのビットシフト量を0に設定する。このように設定すると、図10に示すように、全帯域でゲインが9dBのフラットな周波数−ゲイン特性が得られる。
(2) 上記実施の形態では、2つ以上の周波数帯域が「同一のゲイン」に設置された場合に、両端の周波数帯域に対応するIIRフィルタをシェルビングフィルタに設定した。ここで、同一とは、完全に同一の場合に限らず、例えば、差の絶対価が1dB以下、差の絶対価が隣接する周波数帯域に設定されたゲインの10%以下というように、所定の基準値以下の場合に、IIRフィルタをシェルビングフィルタに設定するようにしてもよい。
また、フィルタとして、IIR(無限インパルス応答;Infinite impulse response)フィルタを使用する例を示したが、他のデジタルフィルタ、例えば、FIR(有限インパルス応答;Finite impulse response)フィルタを使用することも可能である。
(3) 上記実施形態では、DSP20により構成されるデジタルフィルタにより、デジタル音声信号に対するゲインを設定する構成にしたが、複数のアナログフィルタを備え、アナログフィルタの種類及びアナログフィルタの周波数−ゲイン特性が可変のアナログイコライザで構成してもよい。
(4) 図4に示すフィルタ設定処理のプログラムを記録媒体に格納して頒布し、この記録媒体からプログラムをマイクロコンピュータ10にインストールし、実行させることも可能である。
(5) システム構成、表示例、数値は一例であり、これらに限定されるものではない。
10 マイクロコンピュータ
20 DSP
21 イコライザ処理部
21−1〜21−3 IIRフィルタ
210〜213 遅延部
214〜218 掛け算部
219 加算部
220 ビットシフタ
30 ユーザインターフェイス部
31 表示器
32 操作部

Claims (7)

  1. 入力信号における複数の周波数帯域のそれぞれにゲインを指定するゲイン指定部と、
    前記入力信号を、前記ゲイン指定部で指定されたゲインに基づいて前記複数の周波数帯域毎にフィルタリングする複数のフィルタと、
    前記ゲイン指定部により指定された前記複数の周波数帯域毎のゲインの組み合わせに基づいて、前記複数のフィルタの一部をシェルビングフィルタに設定する設定部と、を備える、
    ことを特徴とするイコライザ。
  2. 前記設定部は、前記複数の周波数帯域のうちの隣り合う周波数帯域に指定されたゲインの差が、所定の基準値以下となる周波数帯域群がある場合には、前記周波数帯域群の両端の周波数帯域に対応する前記フィルタを、シェルビングフィルタに設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のイコライザ。
  3. 前記設定部は、ゲインの差が所定の基準値以下となる前記周波数帯域群が3つ以上の周波数帯域を含む場合に、前記3つ以上の周波数帯域のうちの両端の周波数帯域以外の周波数帯域に対応する前記フィルタの周波数−ゲイン特性をフラットに設定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のイコライザ。
  4. 前記設定部は、前記複数の周波数帯域のうち、ゲインの差が前記所定基準値以下となる前記周波数帯域以外の周波数帯域に対応する前記フィルタをピーキングフィルタに設定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のイコライザ。
  5. 前記設定部は、前記指定部によるゲインの指定が更新される度に、各フィルタへの設定も更新する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のイコライザ。
  6. 入力信号における複数の周波数帯域のそれぞれにゲインを指定するゲイン指定工程と、
    前記入力信号を、前記ゲイン指定工程で指定されたゲインに基づいて前記複数の周波数帯域毎にフィルタリングする複数のフィルタ工程と、
    前記ゲイン指定工程により指定された前記複数の周波数帯域毎のゲインの組み合わせに基づいて、前記複数のフィルタ工程の一部をシェルビングフィルタに設定する設定工程と、を含むイコライザ調整方法。
  7. コンピュータに、
    入力信号における複数の周波数帯域のそれぞれにゲインを指定するゲイン指定機能と、
    前記入力信号を、前記ゲイン指定機能で指定されたゲインに基づいて前記複数の周波数帯域毎にフィルタリングする複数のフィルタ機能と、
    前記ゲイン指定機能により指定された前記複数の周波数帯域毎のゲインの組み合わせに基づいて、前記複数のフィルタ機能の一部をシェルビングフィルタに設定する設定機能と、
    を実現させるプログラム。
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