JP2012234974A - 太陽電池モジュール用バックシート - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストを上昇することなく、太陽光の反射量を増加させることのできる太陽電池モジュール用バックシートを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の太陽電池モジュール用バックシート4は、太陽光の入射側から順次積層される光反射樹脂(白ペット)層51とアルミニウム箔層52とを備え、アルミニウム箔層52を構成するアルミニウム箔の一方の面がマット面、他方の面が光沢面をなし、マット面52aを光反射樹脂層51に対向させて配置する。アルミニウム箔層52のマット面52aを光反射樹脂層51に向けて配置するという簡易な構成により、光反射樹脂層51を透過した長波長域の太陽光をより高い反射率で反射することができ、バックシート4における太陽光の反射量の増加を低コストにて実現することができる。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の太陽電池モジュール用バックシート4は、太陽光の入射側から順次積層される光反射樹脂(白ペット)層51とアルミニウム箔層52とを備え、アルミニウム箔層52を構成するアルミニウム箔の一方の面がマット面、他方の面が光沢面をなし、マット面52aを光反射樹脂層51に対向させて配置する。アルミニウム箔層52のマット面52aを光反射樹脂層51に向けて配置するという簡易な構成により、光反射樹脂層51を透過した長波長域の太陽光をより高い反射率で反射することができ、バックシート4における太陽光の反射量の増加を低コストにて実現することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、太陽電池モジュールに関し、特に太陽電池モジュールの裏面に配置されるバックシートに関するものである。
太陽電池モジュ−ルは、当初電卓に使用されたのを皮切りに、その後、各種の電子機器等に応用されてきた。しかるに、クリーンエネルギを供給する太陽電池モジュールは、環境問題に対する意識の高まりから、家庭用、産業用電力の供給源として注目度が高くなっている。
太陽電池モジュールは、結晶シリコン、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を主たる構成要素としており、より具体的には、フロントシートと称される表面保護層、充填材層、光起電力素子としての太陽電池素子、充填材層、および、バックシートと称される裏面保護層の順に積層し、例えば真空吸引して加熱圧着するラミネ−ション法により製造されている。なお、太陽電池素子の材質、太陽電池モジュールの積層構造はあくまで一例である。また、太陽光が照射される面を表面とする。
太陽電池モジュールは、結晶シリコン、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を主たる構成要素としており、より具体的には、フロントシートと称される表面保護層、充填材層、光起電力素子としての太陽電池素子、充填材層、および、バックシートと称される裏面保護層の順に積層し、例えば真空吸引して加熱圧着するラミネ−ション法により製造されている。なお、太陽電池素子の材質、太陽電池モジュールの積層構造はあくまで一例である。また、太陽光が照射される面を表面とする。
太陽電池モジュールの中で、バックシートは電気絶縁性を備えていることを前提に、水蒸気その他のガスバリヤ性を供え、内部に装着されている太陽電池素子の劣化を防止することを主たる目的として設けられる。また、バックシートには、フロントシートから入射してバックシートまで透過した太陽光を太陽電池素子の側に反射させ、その反射光を用いて太陽電池素子における発電効率を向上させるという効果も期待されている。
そこで、例えば、特許文献1には、透過してきた太陽光の反射率を高めることができるバックシートの構成が提案されている。このバックシートは、耐候性樹脂層と、裏面保護シート内の水分に対し高い耐性を有するシリコン酸化物蒸着層と、高い白色度を有し透過してきた太陽光の反射率の向上に寄与する白色ポリエチレンテレフタレート(白色ペット)層と、透過してきた太陽光を乱反射する球状粒子を含む球状粒子含有透明層と、から構成されている。このように構成されたバックシートでは、バックシートまで透過した太陽光をシリコン酸化物蒸着層の表面で反射し、その反射光が球状粒子含有透明層中の球状粒子の表面で拡散されて乱反射することにより、透過した太陽光の反射率を高めることができる。
しかしながら、特許文献1のバックシートは、太陽光を反射するシリコン酸化物蒸着層及び白色ペット層に加えて球状粒子含有透明層を備える。この球状粒子含有透明層は、所定範囲の真球度や平均粒径を満たす球状粒子を用意し、その球状粒子を溶媒に分散させて塗布し乾燥する、という手間のかかる工程を経て作製される。したがって、特許文献1によるとバックシートの製造コストの上昇を招く。
そこで本発明は、製造コストの上昇を招くことなく、太陽光の反射量を増加することのできる太陽電池モジュール用バックシートを提供することを目的とする。
そこで本発明は、製造コストの上昇を招くことなく、太陽光の反射量を増加することのできる太陽電池モジュール用バックシートを提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明者らは、バックシートを構成し得る種々の素材について光の反射率を測定した。その結果、以下説明するように、素材によって高い反射率が得られる波長域が異なることを確認した。
すなわち、白ペットは400〜500nmの波長域において平均で90%以上の高い反射率を示すものの、長波長域となるに従い反射率は比例的に低下し、800nm以上の波長域では反射率が80%未満となる。
これに対し、アルミニウム箔は、800nm以上の長波長域において反射率が80%以上の範囲で比例的に上昇し、90%を超える反射率が得られる。そしてアルミニウム箔の場合、マット面と光沢面とで反射率が異なり、マット面の反射率は850nm以上の波長域において光沢面の反射率を超える(図3)。
つまり、白ペットとアルミニウム箔のマット面とを組み合わせることで、400〜500nmの波長域の光を白ペットにより高い反射率で反射させ、さらに白ペットの反射率が低下する800nm以上の長波長域の光をアルミニウム箔のマット面により高い反射率で反射させることができる。したがって、白ペットにアルミニウム箔のマット面を対向させて積層するだけで、複雑な構成の反射層の作製を要することなく、広範囲の波長域の太陽光をより高い反射率で反射することができるので、バックシートにおける太陽光の反射量を増加することができる。
この知見に基づく本発明の太陽電池モジュール用バックシートは、太陽光の入射側から順次積層される白色ポリエチレンテレフタレート層と、アルミニウム箔層とを備える。そして、アルミニウム箔層は、一方の面がマット面、他方の面が光沢面であるアルミニウム箔が、マット面を白色ポリエチレンテレフタレート層側に向けて配設されていることを特徴とする。
すなわち、白ペットは400〜500nmの波長域において平均で90%以上の高い反射率を示すものの、長波長域となるに従い反射率は比例的に低下し、800nm以上の波長域では反射率が80%未満となる。
これに対し、アルミニウム箔は、800nm以上の長波長域において反射率が80%以上の範囲で比例的に上昇し、90%を超える反射率が得られる。そしてアルミニウム箔の場合、マット面と光沢面とで反射率が異なり、マット面の反射率は850nm以上の波長域において光沢面の反射率を超える(図3)。
つまり、白ペットとアルミニウム箔のマット面とを組み合わせることで、400〜500nmの波長域の光を白ペットにより高い反射率で反射させ、さらに白ペットの反射率が低下する800nm以上の長波長域の光をアルミニウム箔のマット面により高い反射率で反射させることができる。したがって、白ペットにアルミニウム箔のマット面を対向させて積層するだけで、複雑な構成の反射層の作製を要することなく、広範囲の波長域の太陽光をより高い反射率で反射することができるので、バックシートにおける太陽光の反射量を増加することができる。
この知見に基づく本発明の太陽電池モジュール用バックシートは、太陽光の入射側から順次積層される白色ポリエチレンテレフタレート層と、アルミニウム箔層とを備える。そして、アルミニウム箔層は、一方の面がマット面、他方の面が光沢面であるアルミニウム箔が、マット面を白色ポリエチレンテレフタレート層側に向けて配設されていることを特徴とする。
本発明によれば、太陽光の入射側から白色ポリエチレンテレフタレート層とアルミニウム箔が順次積層され、アルミニウム箔のマット面が白色ポリエチレンテレフタレート層に対向して配設されているという簡易な構成であるにもかかわらず、フロントシートから入射し、バックシートまで透過してきた太陽光を広範囲にわたる波長域において高い反射率で反射することができる。したがって、製造コストの上昇を招くことなく、太陽光の反射量を増加することのできる太陽電池モジュール用バックシートを提供することができる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1に示すように、本発明に係るバックシート4が用いられる太陽電池モジュール10は、フロントシート1と、樹脂からなる充填材層2と、バックシート4が順次に積層して構成されたものである。充填材層2の中には、光起電力素子としての複数個の太陽電池素子3が並んで配設され、電極5を介して接続配線6によって相互に電気的に接続されている。なお、この構成はあくまで太陽電池モジュールの一例であって、本発明におけるバックシートが適用される対象を限定するものでない。
図1に示すように、本発明に係るバックシート4が用いられる太陽電池モジュール10は、フロントシート1と、樹脂からなる充填材層2と、バックシート4が順次に積層して構成されたものである。充填材層2の中には、光起電力素子としての複数個の太陽電池素子3が並んで配設され、電極5を介して接続配線6によって相互に電気的に接続されている。なお、この構成はあくまで太陽電池モジュールの一例であって、本発明におけるバックシートが適用される対象を限定するものでない。
<フロントシート1>
フロントシート1は、光起電力素子としての太陽電池素子3を保護するものである。照射された太陽光が太陽電池素子3に到達するために、フロントシート1は光透過性に優れることが必要である。また、太陽電池素子3を保護するものであるから、耐候性、水蒸気その他のガスバリヤ性に優れることが必要である。フロントシート1としては、公知の材料、典型的にはガラスを用いることができる。
フロントシート1は、光起電力素子としての太陽電池素子3を保護するものである。照射された太陽光が太陽電池素子3に到達するために、フロントシート1は光透過性に優れることが必要である。また、太陽電池素子3を保護するものであるから、耐候性、水蒸気その他のガスバリヤ性に優れることが必要である。フロントシート1としては、公知の材料、典型的にはガラスを用いることができる。
<充填材層2>
充填材層2は、アモルファスシリコンや結晶性シリコンなどからなる太陽電池素子3を埋め込んで安定化させるために、複数個の太陽電池素子3を封止するように設けられている。充填材層2は、熱流動性および熱接着性に優れた各種の熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂組成物を使用することができる。例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、フッ素系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、または、シリコ−ン系樹脂の1種ないし2種以上の樹脂からなる樹脂組成物を使用することができる。これら樹脂は、いずれも、透明性を有して太陽光を透過するとともに、耐スクラッチ性、衝撃吸収性に優れている。また、これら樹脂は、熱の作用により劣化ないし分解等を起こしにくい耐熱性を有する。耐熱性は、太陽電池モジュ−ル10を製造する際に真空吸引して加熱圧着するラミネ−ション法における加熱作用、太陽電池モジュ−ル10として使用している間に太陽光の照射による加熱作用に対して要求される。
充填材層2の厚みは、200〜1000μmとすることが好ましく、350〜600μmとすることがより好ましい。
充填材層2は、アモルファスシリコンや結晶性シリコンなどからなる太陽電池素子3を埋め込んで安定化させるために、複数個の太陽電池素子3を封止するように設けられている。充填材層2は、熱流動性および熱接着性に優れた各種の熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂組成物を使用することができる。例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、フッ素系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、または、シリコ−ン系樹脂の1種ないし2種以上の樹脂からなる樹脂組成物を使用することができる。これら樹脂は、いずれも、透明性を有して太陽光を透過するとともに、耐スクラッチ性、衝撃吸収性に優れている。また、これら樹脂は、熱の作用により劣化ないし分解等を起こしにくい耐熱性を有する。耐熱性は、太陽電池モジュ−ル10を製造する際に真空吸引して加熱圧着するラミネ−ション法における加熱作用、太陽電池モジュ−ル10として使用している間に太陽光の照射による加熱作用に対して要求される。
充填材層2の厚みは、200〜1000μmとすることが好ましく、350〜600μmとすることがより好ましい。
<太陽電池素子3>
太陽電池モジュ−ル10を構成する光起電力素子としての太陽電池素子3としては、従来公知の単結晶シリコン型太陽電池素子、多結晶シリコン型太陽電池素子に代表される結晶シリコン太陽電子素子、シングル接合型あるいはタンデム構造型等からなるアモルファスシリコン太陽電池素子等、公知のものを広く適用できる。
太陽電池モジュ−ル10を構成する光起電力素子としての太陽電池素子3としては、従来公知の単結晶シリコン型太陽電池素子、多結晶シリコン型太陽電池素子に代表される結晶シリコン太陽電子素子、シングル接合型あるいはタンデム構造型等からなるアモルファスシリコン太陽電池素子等、公知のものを広く適用できる。
<バックシート4>
バックシート4は、図2に示されるように、接着剤層54を除き、3層構造をなしている。つまり、太陽電池素子3側から、光反射樹脂層(白ペット層)51、アルミニウム箔層52及び耐加水分解性樹脂層53が接着剤層54を介して順次積層されている。アルニミウム箔層52を構成するアルミニウム箔は、一方の面がマット面52a、他方の面が光沢面52bをなしているが、そのマット面52aを光反射樹脂層51の側に向けて配置される。アルミニウム箔層52は、光反射樹脂層51とともに光反射層55を構成する。
バックシート4は、図2に示されるように、接着剤層54を除き、3層構造をなしている。つまり、太陽電池素子3側から、光反射樹脂層(白ペット層)51、アルミニウム箔層52及び耐加水分解性樹脂層53が接着剤層54を介して順次積層されている。アルニミウム箔層52を構成するアルミニウム箔は、一方の面がマット面52a、他方の面が光沢面52bをなしているが、そのマット面52aを光反射樹脂層51の側に向けて配置される。アルミニウム箔層52は、光反射樹脂層51とともに光反射層55を構成する。
光反射樹脂層51は、ポリエチレンテレフタレートに白色顔料を練りこんだ白色ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムにより構成される。ポリエチレンテレフタレート(以下、白ペット)に添加する白色顔料としては、二酸化チタンや酸化亜鉛など公知の白色着色剤が用いられる。このように作製された白ペットは高い白色度を有し、光反射性に優れている。光反射樹脂層51は、バックシート4において、充填材層2を透過してきた太陽光を、太陽電池素子3に向けて反射させる機能を主に担う。一般的に、太陽電池モジュールは、350〜550nmの波長域における太陽光により最も効率的に発電することが知られているが、光反射樹脂層(白ペット層)51は、図3に示すとおり、400〜500nmの波長域で平均90%以上の高い反射率を有している。したがって、バックシート4において光反射樹脂層51を太陽電池素子3に近い側に積層することにより、上述の波長域における太陽光を太陽電池素子3に向けて多く反射することができ、太陽電池モジュール10の効率的な発電に寄与することができる。なお、光反射樹脂層51は、電気絶縁性をも担う。
アルミニウム箔層52は、一般的な太陽電池モジュール用のバックシートの中間層として使用されるアルミニウム箔を用いることができる。アルミニウム箔は、通常、箔を2枚重ねて箔の厚さをより薄くする重ね圧延により製造される。製造の際に箔と箔が接触した面は粗さが大きいために光沢度が小さく、圧延ロールと接触した面は粗さが小さいために光沢度が大きい。この光沢度の小さい面はマット面と、また、光沢度の大きい面は光沢面と、呼ばれている。本発明では、表面または裏面の一方がマット面、他方が光沢面であるアルミニウム箔を用い、マット面52aを光反射樹脂層51に対向するように配置してアルミニウム箔層を構成する。このような向きで光反射樹脂層51と積層されたアルミニウム箔層52は、光反射樹脂層51とともに光反射層55を構成する。
光反射層55を上述の構成とする理由は以下の通りである。なお、図3を参照願いたい。
白ペットからなる光反射樹脂層51は、400〜500nmの波長域の太陽光を90%以上の高い反射率で反射するが、長波長域になるに従い反射率は低下する。これに対して、アルミニウム箔のマット面は、400〜600nmの波長域で約90%と高い値で推移し、600nm〜850nm近傍の波長域で徐々に低下するが、850nm近傍で反射率が上昇に転じ、長波長域になるにつれて反射率が上昇し続ける。特に、マット面の反射率は850nm以上の波長域における反射率が光沢面の反射率を超え、950nm以上の長波長域で90%に達し、さらに長波長域になるに従い反射率が上昇し続ける。つまり、フロントシートから入射し、充填剤層2を透過した太陽光をアルミニウム箔層52のマット面52aで反射することで、長波長域の太陽光をより多く反射することができる。
したがって、光反射樹脂層51と、光反射樹脂層51にマット面52aを向けて積層したアルミニウム箔層52とから構成される光反射層55を用いることで、高範囲の波長域の太陽光をより高い反射率で反射することが可能となり、バックシート4全体における太陽光の反射量を増加させることができる。また、この効果は、アルミニウム箔層52のマット面52aが光反射樹脂層51に対向して配置されるという簡易な構成により得られるので、製造コストの上昇を招くことがない。
白ペットからなる光反射樹脂層51は、400〜500nmの波長域の太陽光を90%以上の高い反射率で反射するが、長波長域になるに従い反射率は低下する。これに対して、アルミニウム箔のマット面は、400〜600nmの波長域で約90%と高い値で推移し、600nm〜850nm近傍の波長域で徐々に低下するが、850nm近傍で反射率が上昇に転じ、長波長域になるにつれて反射率が上昇し続ける。特に、マット面の反射率は850nm以上の波長域における反射率が光沢面の反射率を超え、950nm以上の長波長域で90%に達し、さらに長波長域になるに従い反射率が上昇し続ける。つまり、フロントシートから入射し、充填剤層2を透過した太陽光をアルミニウム箔層52のマット面52aで反射することで、長波長域の太陽光をより多く反射することができる。
したがって、光反射樹脂層51と、光反射樹脂層51にマット面52aを向けて積層したアルミニウム箔層52とから構成される光反射層55を用いることで、高範囲の波長域の太陽光をより高い反射率で反射することが可能となり、バックシート4全体における太陽光の反射量を増加させることができる。また、この効果は、アルミニウム箔層52のマット面52aが光反射樹脂層51に対向して配置されるという簡易な構成により得られるので、製造コストの上昇を招くことがない。
図3に示すとおり、アルミニウム箔の光沢面も850nm以上の長波長域の太陽光を高い反射率で反射することができるが、マット面の反射率よりは劣る。したがって、アルミニウム箔の光沢面を白ペットに対向させて積層するよりも、マット面を白ペットに対向させて積層したほうが(マット面を太陽光の入射側に向けて積層したほうが)、より高い反射率を得ることができる。マット面の反射率が光沢面の反射率よりも高い理由は定かではないが、マット面の粗さが光沢面よりも粗いため、光反射樹脂層51を透過した太陽光がマット面で拡散され乱反射していることが原因と考えられる。
マット面52aと光沢面52bは、目視により容易に区別することができるが、表面粗さとして特定すると以下のとおりである。すなわち、マット面52aの表面粗さ(Ra:JIS B0601(1994)で規定される算術平均粗さの値)は0.2〜0.5μmであり、光沢面52bの表面粗さ(Ra)は0.03〜0.3μmである。なお、アルミニウム箔のマット面52aおよび光沢面52bの表面粗さ(Ra)は、アルミニウム箔の厚さに依存する。このことはアルミニウム箔の厚さごとのマット面52bおよび光沢面52aの表面粗さ(Ra)の実測例を記載する表1に示されている。なお、表1に示されるように、マット面52bおよび光沢面52aの表面粗さ(Ra)は、アルミニウム箔の厚さに従い一定の比率で変化するわけではない。例えば、試料No.1はマット面52aの表面粗さが光沢面52bの表面粗さの約2倍、試料No.4はマット面52aの表面粗さが光沢面52bの表面粗さの8.5倍である。
なお、一般的な太陽電池用モジュールのバックシートの中間層としてアルミニウム蒸着層が使用されることがあるが、アルミニウム蒸着層の表面はアルミニウム箔の光沢面と同様の表面粗さを有するものである。また、Raの値である。
マット面52aと光沢面52bは、目視により容易に区別することができるが、表面粗さとして特定すると以下のとおりである。すなわち、マット面52aの表面粗さ(Ra:JIS B0601(1994)で規定される算術平均粗さの値)は0.2〜0.5μmであり、光沢面52bの表面粗さ(Ra)は0.03〜0.3μmである。なお、アルミニウム箔のマット面52aおよび光沢面52bの表面粗さ(Ra)は、アルミニウム箔の厚さに依存する。このことはアルミニウム箔の厚さごとのマット面52bおよび光沢面52aの表面粗さ(Ra)の実測例を記載する表1に示されている。なお、表1に示されるように、マット面52bおよび光沢面52aの表面粗さ(Ra)は、アルミニウム箔の厚さに従い一定の比率で変化するわけではない。例えば、試料No.1はマット面52aの表面粗さが光沢面52bの表面粗さの約2倍、試料No.4はマット面52aの表面粗さが光沢面52bの表面粗さの8.5倍である。
なお、一般的な太陽電池用モジュールのバックシートの中間層としてアルミニウム蒸着層が使用されることがあるが、アルミニウム蒸着層の表面はアルミニウム箔の光沢面と同様の表面粗さを有するものである。また、Raの値である。
以上のとおり、アルミニウム箔層52は、バックシート4において、長波長域の太陽光を太陽光素子3に向けてより高い反射率で反射する役割を担う。この他にも、アルミニウム箔層52は、水蒸気その他のガスが太陽電池素子3に透過することを防ぐガスバリヤ性も担う。このガスバリヤ性は、樹脂に比べて格段に優れる。アルミニウム箔層52を構成するアルミニウム箔の厚みは、通常、5〜200μm、典型的には5〜100μmの範囲から選択される。
バックシート4において最外層に配置される耐加水分解性樹脂層53は、耐候性を担う。耐加水分解性樹脂層53は、オリゴマー含有量が0.5〜0.8wt%のものが好ましく、フィルム状のフッ素樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂から適宜選択して用いることができる。耐加水分解性樹脂層53の厚さは、5〜200μmとするのが好ましく、25〜150μmとするのがより好ましい。
接着材層54は、公知のものを広く適用することができ、例えば、2液硬化型ポリウレタン系接着剤、熱溶着性樹脂を、接着手法にあわせて適宜選択して使用することができる。
以上のように構成された本発明のバックシート4を太陽電池モジュール10に適用すると、フロントシート1から入射した太陽光が太陽電池素子3で発電に寄与するとともに、充填材層2を透過した太陽光は光反射樹脂層51の表面で反射し、光反射樹脂層51を透過した高波長域の太陽光はアルミニウム箔層52のマット面52aでより高い反射率で反射する。したがって、光反射樹脂層51とアルミニウム箔層52とから構成される光反射層55は、充填材層2を透過してきた太陽光を広い波長域において反射することができ、太陽光の反射量を増加することができる。
[実施例]
太陽電池モジュール用のバックシート4を構成する光反射層55を以下のようにして作製した。
白色顔料を練り込んだ厚さ50μmの白ペットフィルムと、厚さ20μmのアルミニウム箔を用意した。白ペットフィルムの一方の面にアルミニウム箔のマット面が対向するように配置して、白ペットフィルムとアルミニウム箔とを2液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いてドライラミネーション法で貼り合わせ、光反射層55を作製した。
光反射層55の、アルミニウム箔が貼り合わされていない方の面(PETフィルムが露出している面)に太陽光を照射し、光反射層55の波長域200〜1200nmにおける反射率を測定した。結果を図3に示す(実施例)。
また、比較例として、上述した白ペットフィルム単体に太陽光を照射した場合(図3の「白ペット」)、上述したアルニミウム箔の光沢面に直接太陽光を照射した場合(図3の「光沢面」)、上述したアルニミウム箔のマット面に直接太陽光を照射した場合(図3の「マット面」)についても反射率の測定を行った。
図3に示すとおり、実施例(光反射層55)の反射率は、200〜850nmまでの波長域の太陽光に対しては白ペット単体の反射率とほぼ同じ傾向を示し、400〜500nmの波長域では、平均で90%以上の高い反射率を有することが確認された。また、実施例は、850nm以上の長波長域でも75%以上の高い反射率を示し、さらなる長波長域でも反射率が上昇し続ける傾向を示した。これより、光反射層55は、広範囲の波長の太陽光をより高い反射率で反射することができ、太陽光の反射量を増加することができることが確認された。
太陽電池モジュール用のバックシート4を構成する光反射層55を以下のようにして作製した。
白色顔料を練り込んだ厚さ50μmの白ペットフィルムと、厚さ20μmのアルミニウム箔を用意した。白ペットフィルムの一方の面にアルミニウム箔のマット面が対向するように配置して、白ペットフィルムとアルミニウム箔とを2液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いてドライラミネーション法で貼り合わせ、光反射層55を作製した。
光反射層55の、アルミニウム箔が貼り合わされていない方の面(PETフィルムが露出している面)に太陽光を照射し、光反射層55の波長域200〜1200nmにおける反射率を測定した。結果を図3に示す(実施例)。
また、比較例として、上述した白ペットフィルム単体に太陽光を照射した場合(図3の「白ペット」)、上述したアルニミウム箔の光沢面に直接太陽光を照射した場合(図3の「光沢面」)、上述したアルニミウム箔のマット面に直接太陽光を照射した場合(図3の「マット面」)についても反射率の測定を行った。
図3に示すとおり、実施例(光反射層55)の反射率は、200〜850nmまでの波長域の太陽光に対しては白ペット単体の反射率とほぼ同じ傾向を示し、400〜500nmの波長域では、平均で90%以上の高い反射率を有することが確認された。また、実施例は、850nm以上の長波長域でも75%以上の高い反射率を示し、さらなる長波長域でも反射率が上昇し続ける傾向を示した。これより、光反射層55は、広範囲の波長の太陽光をより高い反射率で反射することができ、太陽光の反射量を増加することができることが確認された。
なお、上記実施の形態では、バックシート4の耐加水分解性樹脂層53としてフィルム状のフッ素樹脂等を用いることを提案しているが、PETフィルムに耐久性に優れた樹脂コーティング剤を塗布し耐加水分解性を向上させたものを用いることができる。また、バックシート4は、白ペット層51とアルミニウム箔層52と耐加水分解性樹脂層53とからなる3層の構成に限らず、蒸着ペット層や黒ペット層などを適宜追加して設けることもできる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
1…フロントシート、2…充填剤層、3…太陽電池素子、4…バックシート、51…白ペット層(光反射樹脂層)、52…アルミニウム箔層、52a…マット面、52b…光沢面、53…耐加水分解性樹脂、54…接着材層、55…光反射層
Claims (1)
- 太陽光の入射側から順次積層される白色ポリエチレンテレフタレート層とアルミニウム箔層とを備え、
前記アルミニウム箔層を構成するアルミニウム箔の一方の面がマット面、他方の面が光沢面をなし、
前記アルミニウム箔層は、前記マット面が前記白色ポリエチレンテレフタレート層側に対向して配設されている、ことを特徴とする太陽電池モジュール用バックシート。
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