JP2012230895A - 異方性導電材料及び接続構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】速やかに硬化させることができ、更に電極又は導電性粒子などの金属の腐食を抑制できる異方性導電材料、並びに該異方性導電材料を用いた接続構造体を提供する。
【解決手段】本発明に係る異方性導電材料は、硬化性化合物と、カチオン開始剤と、導電性粒子5とを含有する。上記カチオン開始剤は、テトラフルオロボレートアニオンを含む。本発明に係る接続構造体1は、第1の接続対象部材2と、第2の接続対象部材4と、該第1,第2の接続対象部材2,4を電気的に接続している接続部3とを備える。接続部3が、上記異方性導電材料を硬化させることにより形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の導電性粒子を含む異方性導電材料に関し、例えば、フレキシブルプリント基板、ガラス基板及び半導体チップなどの様々な接続対象部材の電極間の電気的な接続に用いることができる異方性導電材料、並びに該異方性導電材料を用いた接続構造体に関する。
ペースト状又はフィルム状の異方性導電材料が広く知られている。該異方性導電材料では、バインダー樹脂などに複数の導電性粒子が分散されている。
上記異方性導電材料は、具体的には、ICチップとフレキシブルプリント回路基板との接続、ICチップとITO電極を有する回路基板との接続、並びにITO電極を有する回路基板とフレキシブルプリント回路基板との接続等に使用されている。例えば、ICチップの電極と回路基板の電極との間に異方性導電材料を配置した後、加熱及び加圧することにより、これらの電極同士を接続できる。
上記異方性導電材料の一例として、下記の特許文献1には、カチオン系硬化剤及び第1の熱硬化性樹脂を含む第1の層と、ラジカル系硬化剤及び第2の熱硬化性樹脂を含む第2の層とを含み、上記第1の層と上記第2の層との少なくとも一方が導電性粒子を含む異方性導電フィルムが開示されている。特許文献1では、上記第1の熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であり、上記カチオン系硬化剤がスルホニウム塩である構成が記載されている。
下記の特許文献2には、下記式(101)で表されるスルホニウムボレート錯体が開示されている。
Figure 2012230895
上記式(101)中、R1はアラルキル基であり、R2は低級アルキル基である。但し、R2がメチル基である場合には、R1はベンジル基ではない。Xはハロゲン原子であり、nは1〜3の整数である。
特開2009−259787号公報 特開2008−303167号公報
特許文献1に記載のような従来の異方性導電材料により、例えば、半導体チップの電極
とガラス基板の電極とを電気的に接続する際には、ガラス基板上に、導電性粒子を含む異方性導電材料を配置する。次に、半導体チップを積層して、加熱及び加圧する。これにより、異方性導電材料を硬化させて、かつ導電性粒子を介して電極間を電気的に接続し、接続構造体を得る。
特許文献1に記載のような従来の異方性導電材料では、硬化が速やかに進行しないことがある。
近年、精密電子機器の分野では、回路の高密度化が進んでおり、電極幅及び電極間隔が極めて狭くなっている。従来の異方性導電材料を用いて接続構造体を作製すると、異方性導電材料の硬化が速やかに進行しないため、配線の脱落、剥離及び位置ずれが生じやすくなってきている。
さらに、従来の異方性導電材料では、該異方性導電材料中で導電性粒子が腐食したり、該異方性導電材料により接続された電極が腐食したりすることがある。また、従来の異方性導電材料では、長期間保存された場合に、硬化が進行することがあり、保存安定性が低いことがある。
なお、特許文献2には、上記スルホニウムボレート錯体を異方性導電材料に用いることは特に記載されていない。さらに、特許文献2では、上記スルホニウムボレート錯体におけるアニオンとして、アンチモンを有するアニオンを含めて、様々なアニオンが挙げられているにすぎない。
本発明の目的は、速やかに硬化させることができ、更に電極又は導電性粒子などの金属の腐食を抑制できる異方性導電材料、並びに該異方性導電材料を用いた接続構造体を提供することである。
本発明の限定的な目的は、保存安定性を高めることができる異方性導電材料、並びに該異方性導電材料を用いた接続構造体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、硬化性化合物と、カチオン開始剤と、導電性粒子とを含有し、上記カチオン開始剤が、テトラフルオロボレートアニオンを含む、異方性導電材料が提供される。
本発明に係る異方性導電材料のある特定の局面では、上記カチオン開始剤は、下記式(21)で表されるカチオン開始剤である。
Figure 2012230895
上記式(21)中、R1はアラルキル基であり、R2は炭素数1〜10のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。但し、R2がメチル基である場合には、R1はベンジル
基ではない。
本発明に係る異方性導電材料の他の特定の局面では、カリックスアレーン又は該カリックスアレーンの誘導体がさらに含まれている。
本発明に係る異方性導電材料のさらに他の特定の局面では、上記カリックスアレーンは、下記式(51)で表される化合物である。
Figure 2012230895
上記式(51)中、R1は、OCOR3基又はOR4COOR5基を表し、R2は、水素原子、SONa基又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R3は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R4は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R5は炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは2〜10の整数を表す。
本発明に係る接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、該第1,第2の接続対象部材を電気的に接続している接続部とを備えており、該接続部が、本発明に従って構成された異方性導電材料を硬化させることにより形成されている。
本発明に係る異方性導電材料は、硬化性化合物と、カチオン開始剤と、導電性粒子とを含有し、上記カチオン開始剤が、テトラフルオロボレートアニオンを含むので、速やかに硬化させることができる。さらに、本発明に係る異方性導電材料では、電極又は導電性粒子などの金属の腐食を抑制できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る異方性導電材料を用いた接続構造体を模式的に示す正面断面図である。 図2(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る異方性導電材料を用いて接続構造体を得る各工程を説明するための正面断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る異方性導電材料は、硬化性化合物と、カチオン開始剤と、導電性粒子とを含有する。上記カチオン開始剤は、テトラフルオロボレートアニオンを含む。本発明に係る異方性導電材料は、光の照射又は加熱により硬化可能である。本発明に係る異方性導電材料は光の照射により硬化させてもよく、加熱により硬化させてもよく、光の照射と加熱
とにより硬化させてもよい。
本発明は、硬化性化合物と導電性粒子とを含む異方性導電材料において、テトラフルオロボレートアニオンを含むカチオン開始剤を用いることに主な特徴を有する。本発明に係る異方性導電材料の上記組成の採用により、速やかに硬化させることが可能な異方性導電材料を得ることができる。さらに、上記組成の採用により、電極又は導電性粒子などの金属の腐食を抑制することができる。
本発明者は、硬化性化合物と、カチオン開始剤と、導電性粒子とを含有し、更に上記カチオン開始剤がテトラフルオロボレートアニオンを含む組成の採用により、異方性導電材料の速硬化性と金属の腐食の抑制効果との双方を高めることができることを見出した。
さらに、本発明に係る異方性導電材料は、カリックスアレーン又は該カリックスアレーンの誘導体を含むことが好ましい。カリックスアレーン又は該カリックスアレーンの誘導体の使用により、異方性導電材料の硬化速度が速くても、該異方性導電材料の保存安定性をかなり高めることができる。
本発明に係る異方性導電材料は、ペースト状である異方性導電ペーストであってもよく、フィルム状である異方性導電フィルムであってもよい。本発明に係る異方性導電材料は、異方性導電ペーストであることが好ましい。
以下、先ず、本発明に係る異方性導電材料に含まれている各成分の詳細を説明する。
(硬化性化合物)
本発明に係る異方性導電材料に含まれている上記硬化性化合物は光の照射又は加熱により硬化可能である。該硬化性化合物は特に限定されない。上記硬化性化合物として、従来公知の硬化性化合物が使用可能である。上記硬化性化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記硬化性化合物は、光の照射と熱の付与とにより硬化可能な光及び熱硬化性化合物であってもよい。さらに、本発明に係る異方性導電材料は、加熱により硬化可能であるように熱硬化性化合物を含んでいてもよい。
本発明に係る異方性導電材料を光の照射により硬化させる場合には、光の照射により硬化性化合物を半硬化させて、異方性導電材料の流動性を低下させることができる。本発明に係る異方性導電材料を光の照射と加熱とにより硬化させる場合には、光の照射により硬化性化合物を半硬化させて、異方性導電材料の流動性を低下させた後、加熱により硬化性化合物を硬化させることができる。
上記硬化性化合物としては特に限定されず、(メタ)アクリル樹脂及び環状エーテル基含有樹脂等が挙げられる。
上記硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物であることが好ましい。上記(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物としては、エポキシ基を有さず、かつ(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物、及びエポキシ基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物が挙げられる。
上記(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物として、(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、又はイソシアネートに
水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が好適に用いられる。上記「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基とを示す。上記「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルとを示す。上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを示す。
上記(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物は特に限定されない。該エステル化合物として、単官能のエステル化合物、2官能のエステル化合物及び3官能以上のエステル化合物のいずれも用いることができる。
上記エポキシ基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上有する化合物の一部のエポキシ基を、(メタ)アクリロイル基に変換することにより得られる硬化性化合物であることが好ましい。このような硬化性化合物は、部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物である。
硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上有する化合物と、(メタ)アクリル酸との反応物であることが好ましい。この反応物は、エポキシ基を2個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られる。エポキシ基の20%以上が(メタ)アクリロイル基に変換(転化率)されていることが好ましい。該転化率は、より好ましくは30%以上、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である。エポキシ基の40%以上、60%以下が(メタ)アクリロイル基に変換されていることが最も好ましい。
上記部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、カルボン酸無水物変性エポキシ(メタ)アクリレート、及びフェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
硬化性化合物として、エポキシ基を2個以上有するフェノキシ樹脂の一部のエポキシ基を(メタ)アクリロイル基に変換した変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。すなわち、エポキシ基と(メタ)アクリロイル基とを有する変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。
また、上記硬化性化合物は、架橋性化合物であってもよく、非架橋性化合物であってもよい。
上記架橋性化合物の具体例としては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン、ポリエステル(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記非架橋性化合物の具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレー
ト、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート及びテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記硬化性化合物としては、エポキシ化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、シリコーン化合物及びポリイミド化合物等も挙げられる。
上記異方性導電材料の硬化を容易に制御したり、接続構造体の導通信頼性をより一層高めたりする観点からは、上記硬化性化合物は、エポキシ基を有する硬化性化合物であることが好ましい。エポキシ基を有する化合物は、エポキシ化合物である。
上記エポキシ化合物は、芳香族環を有することが好ましい。上記芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、テトラセン環、クリセン環、トリフェニレン環、テトラフェン環、ピレン環、ペンタセン環、ピセン環及びペリレン環等が挙げられる。なかでも、上記芳香族環は、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環であることが好ましい。
上記エポキシ化合物は、下記式(1−1)、(2−1)、(3)、(7)又は(8)で表される構造を有するエポキシ化合物であることが好ましく、下記式(1−1)、(2−1)又は(3)で表される構造を有するエポキシ化合物であることがより好ましい。下記式(1−1)において、ベンゼン環に結合している6つの基の結合部位は特に限定されない。下記式(2−1)において、ナフタレン環に結合している8つの基の結合部位は特に限定されない。
Figure 2012230895
上記式(1−1)中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を表す。R3、R4、R5及びR6の4個の基の内の2〜4個の基は水素原子を表す。R3、R4、R5及びR6の内の水素原子ではない基は下記式(4)で表される基を表す。R3、R4、R5及びR6の4個の基の全てが水素原子であってもよい。R3、R4、R5及びR6の4個の基の内の1個又は2個が下記式(4)で表される基であり、かつR3、R4、R5及びR6の4個の基の内の下記式(4)で表される基ではない基は水素原子であってもよい。
Figure 2012230895
上記式(4)中、R7は炭素数1〜5のアルキレン基を表す。
Figure 2012230895
上記式(2−1)中、R51及びR52はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を表す。R53、R54、R55、R56、R57及びR58の6個の基の内の4〜6個の基は水素原子を表す。R53、R54、R55、R56、R57及びR58の内の水素原子ではない基は、下記式(5)で表される基を表す。R53、R54、R55、R56、R57及びR58の6個の基の全てが水素原子であってもよい。R53、R54、R55、R56、R57及びR58の6個の基の内の1個又は2個が下記式(5)で表される基であり、かつR53、R54、R55、R56、R57及びR58の内の下記式(5)で表される基ではない基は水素原子であってもよい。
Figure 2012230895
上記式(5)中、R59は炭素数1〜5のアルキレン基を表す。
Figure 2012230895
上記式(3)中、R101及びR102はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を表す。R103、R104、R105、R106、R107、R108、R109及びR110の8個の基の内の6〜8個の基は水素原子を表す。R103、R104、R105、R106、R107、R108、R109及びR110の内の水素原子ではない基は、下記
式(6)で表される基を表す。R103、R104、R105、R106、R107、R108、R109及びR110の8個の基の全てが水素原子であってもよい。R103、R104、R105、R106、R107、R108、R109及びR110の8個の基の内の1個又は2個が下記式(6)で表される基であり、かつR103、R104、R105、R106、R107、R108、R109及びR110の内の下記式(6)で表される基ではない基は水素原子であってもよい。
Figure 2012230895
上記式(6)中、R111は炭素数1〜5のアルキレン基を表す。
Figure 2012230895
上記式(7)中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を表す。
Figure 2012230895
上記式(8)中、R3及びR4はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を表す。
上記式(1−1),(2−1)で表される構造を有するエポキシ化合物は、下記式(1−2),(2−2)で表される構造を有するエポキシ化合物であることが好ましい。
Figure 2012230895
上記式(1−2)中、R1〜R6は、上記式(1−1)中のR1〜R6と同様の基である。
Figure 2012230895
上記式(2−2)中、R51〜R58は、上記式(2−1)中のR51〜R58と同様の基である。
「フェノキシ樹脂」は、一般的には、例えばエピハロヒドリンと2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂、又は2価のエポキシ化合物と2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂である。
さらに、上記エポキシ化合物としては、エポキシ基を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ樹脂、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ化合物の具体例としては、例えばエピクロルヒドリンと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂又はビスフェノールD型エポキシ樹脂等とから誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂、並びにエピクロルヒドリンとフェノールノボラック又はクレゾールノボラックとから誘導されるエポキシノボラック樹脂が挙げられる。グリシジルアミン、グリシジルエステル、並びに脂環式又は複素環式等の1分子内に2個以上のオキシラン基を有する各種のエポキシ化合物を用いてもよい。
さらに、上記異方性導電材料は、エポキシ化合物として、下記式(21)で表される構造を有するエポキシ化合物の単量体、該エポキシ化合物が少なくとも2個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物を含んでいてもよい。
Figure 2012230895
上記式(21)中、R1は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、R2は炭素数1〜5の
アルキレン基を表し、R3は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は下記式(22)で表される構造を表し、R4は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は下記式(23)で表される構造を表す。
Figure 2012230895
上記式(22)中、R5は炭素数1〜5のアルキレン基を表す。
Figure 2012230895
上記式(23)中、R6は炭素数1〜5のアルキレン基を表す。
上記式(21)で表される構造を有するエポキシ化合物は、不飽和二重結合と、少なくとも2個のエポキシ基とを有することを特徴とする。上記式(21)で表される構造を有するエポキシ化合物の使用により、異方性導電材料をより一層低温で速やかに硬化させることができる。
上記異方性導電材料は、エポキシ化合物として、下記式(31)で表される構造を有する化合物の単量体、該化合物が少なくとも2個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物を含んでいてもよい。
Figure 2012230895
上記式(31)中、R1は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基又は下記式(3
2)で表される構造を表し、R2は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、R3は炭素数1〜5のアルキレン基を表す。
Figure 2012230895
上記式(32)中、R4は炭素数1〜5のアルキレン基を表す。
上記異方性導電材料は、エポキシ化合物として、窒素原子を含む複素環を有するエポキシ化合物を含んでいてもよい。上記窒素原子を含む複素環を有するエポキシ化合物は、下記式(41)で表されるエポキシ化合物、又は下記式(42)で表されるエポキシ化合物であることが好ましい。このような化合物の使用により、異方性導電材料の硬化速度をより一層速くし、硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。
Figure 2012230895
上記式(41)中、R1〜R3はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Zはエポキシ基又はヒドロキシメチル基を表す。R1〜R3は同一であってもよく、異なっていてもよい。
Figure 2012230895
上記式(42)中、R1〜R3はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を示し、p、q及びrはそれぞれ1〜5の整数を表し、R4〜R6はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を表す。R1〜R3は同一であってもよく、異なっていてもよい。p、q及びrは同一であってもよく、異なっていてもよい。R4〜6は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記窒素原子を含む複素環を有するエポキシ化合物は、トリグリシジルイソシアヌレート、又はトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリグリシジルエーテルであることが好ましい。これらの化合物の使用により、異方性導電材料の硬化速度をさらに一層速くすることができる。
上記異方性導電材料は、エポキシ化合物として、芳香族環を有するエポキシ化合物を含むことが好ましい。芳香族環を有するエポキシ化合物の使用により、異方性導電材料の硬化速度をより一層速くし、異方性導電ペーストを塗布しやすくすることができる。異方性導電ペーストの塗布性をより一層高める観点からは、上記芳香族環は、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環であることが好ましい。上記芳香族環を有するエポキシ化合物としては、レゾルシノールジグリシジルエーテル又は1,6−ナフタレンジグリシジルエーテルが挙げられる。なかでも、レゾルシノールジグリシジルエーテルが特に好ましい。レゾルシノールジグリシジルエーテルの使用により、異方性導電材料の硬化速度を速くし、ペースト状の異方性導電ペーストを塗布しやすくすることができる。
(カチオン開始剤)
本発明に係る異方性導電材料に含まれているカチオン開始剤は、テトラフルオロボレートアニオンを含む。テトラフルオロボレートアニオンは、下記式(1)で表される。該カチオン開始剤は、アンチモンを有するアニオンを含まないことが好ましい。異方性導電材料の速硬化性と金属の腐食の抑制効果とをより一層高める観点からは、上記カチオン開始剤は、アンチモンを有さないことが好ましい。カチオン開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
Figure 2012230895
上記カチオン開始剤におけるカチオンとしては、スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオン等が挙げられる。なかでも、カチオン開始剤は、スルホニウムカチオンを含むことが好ましい。上記カチオン開始剤におけるカチオンは特に限定されないが、下記式(11)で表されるスルホニウムカチオンであることが好ましい。下記式(11)で表されるスルホニウムカチオンを含むカチオン開始剤を用いれば、異方性導電材料の速硬化性と金属の腐食の抑制効果との双方とをより一層高いレベルで両立できる。なお、下記式(11)において、ベンゼン環に結合する水酸基の結合部位は特に限定されない。但し、硫黄原子に対して、水酸基はベンゼン環のパラ位に結合していることが好ましい。
Figure 2012230895
上記式(11)中、R1はアラルキル基であり、R2は炭素数1〜10のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。但し、R2がメチル基である場合には、R1はベンジル基ではない。
従って、上記カチオン開始剤は、下記式(21)で表されるカチオン開始剤であることが好ましい。
Figure 2012230895
上記式(21)中、R1はアラルキル基であり、R2は炭素数1〜10のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。但し、R2がメチル基である場合には、R1はベンジル基ではない。
また、上記式(11)で表されるスルホニウムカチオンの具体例としては、下記式(11A)、下記式(11B)又は下記式(11C)で表されるスルホニウムカチオン等が挙げられる。下記式(11A)、下記式(11B)又は下記式(11C)で表されるスルホ
ニウムカチオンが好ましい。下記式(11A)、(11B)又は(11C)で表されるスルホニウムカチオンを含むカチオン開始剤を用いれば、異方性導電材料の速硬化性と金属の腐食の抑制効果との双方とをさらに一層高いレベルで両立できる。
Figure 2012230895
Figure 2012230895
Figure 2012230895
従って、上記式(21)で表されるカチオン開始剤の具体例としては、下記式(21A)、下記式(21B)又は下記式(21C)で表されるカチオン開始剤等が挙げられる。下記式(21A)、下記式(21B)又は下記式(21C)で表されるスルホニウムカチオンを含むカチオン開始剤が好適に用いられる。
Figure 2012230895
Figure 2012230895
Figure 2012230895
上記カチオン開始剤の含有量は特に限定されない。上記硬化性化合物100重量部に対して、上記カチオン開始剤の含有量は、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。上記カチオン開始剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、異方性導電材料の速硬化性と金属の腐食の抑制効果とをより一層高めることができる。さらに、異方性導電材料を効果的に光硬化させることができる。また、異方性導電材料に光を照射し、Bステージ化することにより、異方性導電材料の流動を抑制することも可能である。
(熱硬化剤)
上記異方性導電材料は、熱硬化剤を含んでいてもよい。上記熱硬化剤は特に限定されない。上記熱硬化剤として、従来公知の熱硬化剤を用いることができる。上記熱硬化剤としては、イミダゾール硬化剤、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、ポリチオール硬化剤及び酸無水物等が挙げられる。上記熱硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、異方性導電材料の保存安定性を高めることができるので、潜在性の硬化剤が好ましい。該潜在性の硬化剤は、潜在性ポリチオール硬化剤であることが好ましい。上記熱硬化剤は、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂等の高分子物質で被覆されていてもよい。
上記イミダゾール硬化剤としては、特に限定されず、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン及び2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。
上記ポリチオール硬化剤としては、特に限定されず、トリメチロールプロパントリス−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート及びジペンタエリスリトールヘキサ−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
上記アミン硬化剤としては、特に限定されず、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、メタフェニレンジアミン及びジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されない。上記硬化性化合物100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは5重量部以上、より好ましくは10重量部以上、好ましくは30重量部以下、より好ましくは20重量部以下である。上記熱硬化剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、異方性導電材料を充分に熱硬化させることができる。
(カリックスアレーン又は該カリックスアレーンの誘導体)
本発明に係る異方性導電材料は、カリックスアレーン又は該カリックスアレーンの誘導体を含むことが好ましい。カリックスアレーン又は該カリックスアレーンの誘導体の使用により、異方性導電材料の保存安定性をかなり高めることができる。
異方性導電材料の保存安定性をより一層高める観点からは、カリックスアレーン又は該カリックスアレーンの誘導体はSONa基を有することが好ましい。
上記カリックスアレーンとしては、下記式(51)で表されるカリックスアレーンが挙げられる。本発明に係る異方性導電材料は、カリックスアレーン又は該カリックスアレーンの誘導体を含むことが好ましく、下記式(51)で表される化合物を含むことがより好ましい。
Figure 2012230895
上記式(51)中、R1は、OH基、OCOR3基又はOR4COOR5基を表し、R2は、水素原子、SONa基又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R3は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R4は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R5は炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは2〜10の整数を表す。
異方性導電材料の保存安定性をより一層高める観点からは、カリックスアレーン又は該カリックスアレーンの誘導体は、SONa基を有することが好ましい。SONa基は、スルホン酸ナトリウム基である。
上記式(51)中のR2が炭素数1〜10のアルキル基である場合には、該R2は炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基又はt−ブチル基であることがより好ましい。上記式(51)中のnは、好ましくは3以上、より好ましくは4
以上、好ましくは9以下、より好ましくは8以下である。
上記式(51)中、R1は、OH基又はOR4COOR5基を表すことが好ましく、OH基又はOCHCOOC基を表すことがより好ましい。
上記硬化性化合物100重量部に対して、上記カリックスアレーン又は該カリックスアレーンの誘導体の含有量は、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。上記カリックスアレーン又は該カリックスアレーンの誘導体の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、異方性導電材料の保存安定性がより一層高くなる。
(導電性粒子)
本発明に係る異方性導電性材料に含まれている導電性粒子は、第1,第2の接続対象部材の電極間を電気的に接続する。上記導電性粒子は、導電性を有する粒子であれば特に限定されない。導電性粒子の導電層の表面が絶縁層により被覆されていてもよい。この場合には、接続対象部材の接続時に、導電層と電極との間の絶縁層が排除される。上記導電性粒子としては、例えば、有機粒子、金属粒子を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子もしくは金属粒子等の表面を金属層で被覆した導電性粒子、又は実質的に金属のみで構成される金属粒子等が挙げられる。上記金属層は特に限定されない。上記金属層としては、金層、銀層、銅層、ニッケル層、パラジウム層又は錫を含有する金属層等が挙げられる。
電極と導電性粒子との接触面積を大きくし、電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子は、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面上に配置された導電層とを有することが好ましい。電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子は、少なくとも外側の導電性の表面が低融点金属層である導電性粒子であることが好ましい。上記導電性粒子は、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面上に配置された導電層とを有し、該導電層の少なくとも外側の表面が、低融点金属層であることがより好ましい。
上記低融点金属層は、低融点金属を含む層である。該低融点金属とは、融点が450℃以下の金属を示す。低融点金属の融点は好ましくは300℃以下、より好ましくは160℃以下である。また、上記低融点金属層は錫を含むことが好ましい。低融点金属層に含まれる金属100重量%中、錫の含有量は好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。上記低融点金属層における錫の含有量が上記下限以上であると、低融点金属層と電極との接続信頼性がより一層高くなる。なお、上記錫の含有量は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(堀場製作所社製「ICP−AES」)、又は蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)等を用いて測定可能である。
導電層の外側の表面が低融点金属層である場合には、低融点金属層が溶融して電極に接合し、低融点金属層が電極間を導通させる。例えば、低融点金属層と電極とが点接触ではなく面接触しやすいため、接続抵抗が低くなる。また、少なくとも外側の表面が低融点金属層である導電性粒子の使用により、低融点金属層と電極との接合強度が高くなる結果、低融点金属層と電極との剥離がより一層生じ難くなり、導通信頼性が効果的に高くなる。
上記低融点金属層を構成する低融点金属は特に限定されない。該低融点金属は、錫、又は錫を含む合金であることが好ましい。該合金は、錫−銀合金、錫−銅合金、錫−銀−銅合金、錫−ビスマス合金、錫−亜鉛合金、錫−インジウム合金等が挙げられる。なかでも、電極に対する濡れ性に優れることから、上記低融点金属は、錫、錫−銀合金、錫−銀−銅合金、錫−ビスマス合金、錫−インジウム合金であることが好ましい。錫−ビスマス合金、錫−インジウム合金であることがより好ましい。
また、上記低融点金属層は、はんだ層であることが好ましい。上記はんだ層を構成する材料は特に限定されないが、JIS Z3001:溶剤用語に基づき、液相線が450℃以下である溶可材であることが好ましい。上記はんだ層の組成としては、例えば亜鉛、金、鉛、銅、錫、ビスマス、インジウムなどを含む金属組成が挙げられる。なかでも低融点で鉛フリーである錫−インジウム系(117℃共晶)、又は錫−ビスマス系(139℃共晶)が好ましい。すなわち、はんだ層は、鉛を含まないことが好ましく、錫とインジウムとを含むはんだ層、又は錫とビスマスとを含むはんだ層であることが好ましい。
上記低融点金属層と電極との接合強度をより一層高めるために、上記低融点金属層は、ニッケル、銅、アンチモン、アルミニウム、亜鉛、鉄、金、チタン、リン、ゲルマニウム、テルル、コバルト、ビスマス、マンガン、クロム、モリブデン、パラジウム等の金属を含んでいてもよい。低融点金属と電極との接合強度をさらに一層高める観点からは、上記低融点金属は、ニッケル、銅、アンチモン、アルミニウム又は亜鉛を含むことが好ましい。低融点金属層と電極との接合強度をより一層高める観点からは、接合強度を高めるためのこれらの金属の含有量は、低融点金属層100重量%中、好ましくは0.0001重量%以上、好ましくは1重量%以下である。
上記導電性粒子は、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面上に配置された導電層とを有し、該導電層の外側の表面が低融点金属層(はんだ層など)であり、上記樹脂粒子と上記低融点金属層との間に、上記低融点金属層とは別に第2の導電層を有することが好ましい。この場合に、上記低融点金属層は上記導電層全体の一部であり、上記第2の導電層は上記導電層全体の一部である。
上記低融点金属層とは別の上記第2の導電層は、金属を含むことが好ましい。該第2の導電層を構成する金属は、特に限定されない。該金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、亜鉛、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム及びカドミウム、並びにこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属として、錫ドープ酸化インジウム(ITO)を用いてもよい。上記金属は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記第2の導電層は、ニッケル層、パラジウム層、銅層又は金層であることが好ましく、ニッケル層又は金層であることがより好ましく、銅層であることが更に好ましい。導電性粒子は、ニッケル層、パラジウム層、銅層又は金層を有することが好ましく、ニッケル層又は金層を有することがより好ましく、銅層を有することが更に好ましい。これらの好ましい導電層を有する導電性粒子を電極間の接続に用いることにより、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、これらの好ましい導電層の表面には、低融点金属層をより一層容易に形成できる。なお、上記第2の導電層は、はんだ層などの低融点金属層であってもよい。導電性粒子は、複数層の低融点金属層を有していてもよい。
上記導電性粒子の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、好ましくは100μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは15μm以下、特に好ましくは10μm以下である。熱履歴を受けた場合の接続構造体の接続信頼性をより一層高める観点からは、導電性粒子の平均粒子径は、1μm以上、10μm以下であることが特に好ましく、1μm以上、4μm以下であることが最も好ましい。
上記導電性粒子の「平均粒子径」は、数平均粒子径を示す。導電性粒子の平均粒子径は、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
上記樹脂粒子は、実装する基板の電極サイズ又はランド径によって使い分けることができる。
上下の電極間をより一層確実に接続し、かつ横方向に隣接する電極間の短絡をより一層抑制する観点からは、導電性粒子の平均粒子径Cの樹脂粒子の平均粒子径Aに対する比(C/A)は、1.0を超え、好ましくは3.0以下である。また、上記樹脂粒子と上記はんだ層との間に上記第2の導電層がある場合に、はんだ層を除く導電性粒子部分の平均粒子径Bに対する樹脂粒子の平均粒子径Aに対する比(B/A)は、1.0を超え、好ましくは2.0以下である。さらに、上記樹脂粒子と上記はんだ層との間に上記第2の導電層がある場合に、はんだ層を含む導電性粒子の平均粒子径Cのはんだ層を除く導電性粒子部分の平均粒子径Bに対する比(C/B)は、1.0を超え、好ましくは2.0以下である。上記比(B/A)が上記範囲内であったり、上記比(C/B)が上記範囲内であったりすると、上下の電極間をより一層確実に接続し、かつ横方向に隣接する電極間の短絡をより一層抑制できる。
上記導電性粒子の含有量は特に限定されない。異方性導電性材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、更に好ましくは1重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、更に好ましくは20重量%以下、更に好ましくは15重量%以下である。異方性導電ペースト100重量%中、上記導電性粒子の含有量は、1重量%以上、20重量%以下であることが特に好ましい。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、接続されるべき上下の電極間に導電性粒子を容易に配置できる。さらに、接続されてはならない隣接する電極間が複数の導電性粒子を介して電気的に接続され難くなる。すなわち、隣り合う電極間の短絡をより一層防止できる。
(他の成分)
上記異方性導電材料は、フィラーを含むことが好ましい。フィラーの使用により、異方性導電材料の硬化物の潜熱膨張を抑制できる。上記フィラーの具体例としては、シリカ、窒化アルミニウム及びアルミナ等が挙げられる。フィラーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記異方性導電材料は、硬化促進剤をさらに含むことが好ましい。硬化促進剤の使用により、硬化速度をより一層速くすることができる。硬化促進剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記硬化促進剤は、アリルグリシジルエーテルなどのアリル基を有する硬化促進剤であることが好ましい。
上記硬化性化合物の合計100重量部に対して、上記硬化促進剤の含有量は、好ましくは0.5重量部以上、より好ましくは1重量部以上、好ましくは6重量部以下、より好ましくは4重量部以下である。硬化促進剤の含有量が上記下限以上であると、異方性導電材料を充分に硬化させることが容易である。硬化促進剤の含有量が上記上限以下であると、硬化後に硬化に関与しなかった余剰の硬化促進剤が残存し難くなる。
上記異方性導電材料は、エポキシ化合物とともに、フェノール性化合物をさらに含むことが好ましい。上記エポキシ化合物と熱硬化剤とフェノール性化合物との併用により、異方性導電材料の保管時にエポキシ基がより一層開環し難くなる。また、電極間に異方性導電材料を配置して導電性粒子を適度に圧縮したときに、電極に適度な圧痕を形成できる。従って、電極間の接続抵抗を低くすることができる。
上記フェノール性化合物は、ベンゼン環に水酸基が結合したフェノール性水酸基を有する。上記フェノール性化合物としては、ポリフェノール、トリオール、ハイドロキノン、
及びトコフェロール(ビタミンE)等が挙げられる。上記フェノール性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記異方性導電材料は、溶剤を含んでいてもよい。該溶剤の使用により、異方性導電材料の粘度を容易に調整できる。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、メチルセロソルブ、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテル等が挙げられる。
上記異方性導電材料は、貯蔵安定剤を含むことが好ましい。上記異方性導電材料は、上記貯蔵安定剤として、リン酸エステル、亜リン酸エステル及びホウ酸エステルからなる群から選択された少なくとも一種を含むことが好ましく、リン酸エステル及び亜リン酸エステルの内の少なくとも一種を含むことがより好ましく、亜リン酸エステルを含むことが更に好ましい。これらの貯蔵安定剤の使用により、特に亜リン酸エステルの使用により、上記エポキシ化合物の保存安定性をより一層高めることができる。上記貯蔵安定剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記異方性導電材料は、アスコルビン酸、アスコルビン酸の誘導体、アスコルビン酸の塩、イソアスコルビン酸、イソアスコルビン酸の誘導体及びイソアスコルビン酸の塩からなる群から選択された少なくとも1種の成分を含んでいてもよい。これらの成分の配合により、異方性導電材料の保存安定性がより一層高くなる。
上記異方性導電材料は、必要に応じて、イオン捕捉剤又はシランカップリング剤をさらに含んでいてもよい。
(異方性導電材料の詳細及び用途)
本発明に係る異方性導電材料は、ペースト状又はフィルム状の異方性導電材料であり、ペースト状の異方性導電材料であることが好ましい。ペースト状の異方性導電材料は、異方性導電ペーストである。フィルム状の異方性導電材料は、異方性導電フィルムである。異方性導電材料が異方性導電フィルムである場合、該導電性粒子を含む異方性導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されてもよい。
上記異方性導電ペーストの25℃での粘度は、好ましくは20Pa・s以上、好ましくは300Pa・s以下である。上記粘度が上記下限以上であると、異方性導電ペースト中での導電性粒子の沈降を抑制できる。上記粘度が上記上限以下であると、導電性粒子の分散性がより一層高くなる。塗布前の上記異方性導電ペーストの上記粘度が上記範囲内であれば、第1の接続対象部材上に異方性導電ペーストを塗布した後に、硬化前の異方性導電ペーストの流動をより一層抑制できる。
本発明に係る異方性導電材料は、様々な接続対象部材を接着するために使用できる。上記異方性導電材料は、第1,第2の接続対象部材が電気的に接続されている接続構造体を得るために好適に用いられる。
図1に、本発明の一実施形態に係る異方性導電材料を用いた接続構造体の一例を模式的に断面図で示す。
図1に示す接続構造体1は、第1の接続対象部材2と、第2の接続対象部材4と、第1,第2の接続対象部材2,4を接続している接続部3とを備える。接続部3は、硬化物層であり、導電性粒子5を含む異方性導電材料を硬化させることにより形成されている。
第1の接続対象部材2は上面2a(表面)に、複数の電極2b(第1の電極)を有する
。第2の接続対象部材4は下面4a(表面)に、複数の電極4b(第2の電極)を有する。電極2bと電極4bとが、1つ又は複数の導電性粒子5により電気的に接続されている。従って、第1,第2の接続対象部材2,4が導電性粒子5により電気的に接続されている。
電極2b,4b間の接続は、通常、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材4とを異方性導電材料を介して電極2b,4b同士が対向するように重ね合わせた後に、異方性導電材料を硬化させる際に、加圧することにより行われる。加圧により、一般に導電性粒子5は圧縮される。
上記接続構造体としては、具体的には、回路基板上に、半導体チップ、コンデンサチップ又はダイオードチップ等の電子部品チップが搭載されており、該電子部品チップの電極が、回路基板上の電極と電気的に接続されている接続構造体等が挙げられる。回路基板としては、フレキシブルプリント基板等の様々なプリント基板、ガラス基板、又は金属箔が積層された基板等の様々な回路基板が挙げられる。第1,第2の接続対象部材は、電子部品又は回路基板であることが好ましい。
図1に示す接続構造体1は、例えば、図2(a)〜(c)に示す状態を経て、以下のようにして得ることができる。
図2(a)に示すように、電極2bを上面2aに有する第1の接続対象部材2を用意する。次に、第1の接続対象部材2の上面2aに、複数の導電性粒子5を含む異方性導電材料を配置し、第1の接続対象部材2の上面2aに異方性導電材料層3Aを形成する。このとき、電極2b上に、1つ又は複数の導電性粒子5が配置されていることが好ましい。
次に、異方性導電材料層3Aに光を照射することにより、異方性導電材料層3Aの硬化を進行させる。図2(a)〜(c)では、異方性導電材料層3Aに光を照射して、異方性導電材料層3Aの硬化を進行させて、異方性導電材料層3AをBステージ化している。すなわち、図2(b)に示すように、第1の接続対象部材2の上面2aに、Bステージ化されたBステージ状硬化物層3Bを形成している。Bステージ化により、第1の接続対象部材2とBステージ状硬化物層3Bとが仮接着される。Bステージ状硬化物層3Bは、半硬化状態にある半硬化物である。Bステージ状硬化物層3Bは、完全に硬化しておらず、熱硬化がさらに進行され得る。但し、異方性導電材料層3AをBステージ化せずに、異方性導電材料層3Aに光を照射して、異方性導電材料層3Aを一度に硬化させてもよい。
異方性導電材料層3Aの硬化を効果的に進行させるために、光を照射する際の光の照射エネルギーは50〜200mJ/cmの範囲内であることが好ましい。光を照射する際に用いる光源は特に限定されない。該光源としては、例えば、波長420nm以下に充分な発光分布を有する光源等が挙げられる。また、光源の具体例としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、及びメタルハライドランプ等が挙げられる。
次に、図2(c)に示すように、Bステージ状硬化物層3Bの上面3aに、第2の接続対象部材4を積層する。第1の接続対象部材2の上面2aの電極2bと、第2の接続対象部材4の下面4aの電極4bとが対向するように、第2の接続対象部材4を積層する。
さらに、第2の接続対象部材4の積層の際に、Bステージ状硬化物層3Bに熱を付与(加熱)することにより、Bステージ状硬化物層3Bをさらに硬化させ、接続部3を形成する。ただし、第2の接続対象部材4の積層の前に、Bステージ状硬化物層3Bに熱を付与してもよい。さらに、第2の接続対象部材4の積層の後にBステージ状硬化物層3Bに熱
を付与してもよい。
熱の付与により異方性導電材料層3A又はBステージ状硬化物層3Bを硬化させる際の加熱温度は、好ましくは140℃以上、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下である。
Bステージ状硬化物層3Bを硬化させる際に、加圧することが好ましい。加圧によって電極2bと電極4bとで導電性粒子5を圧縮することにより、電極2b,4bと導電性粒子5との接触面積を大きくすることができる。このため、導通信頼性を高めることができる。
Bステージ状硬化物層3Bを硬化させることにより、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材4とが、接続部3を介して接続される。また、電極2bと電極4bとが、導電性粒子5を介して電気的に接続される。このようにして、異方性導電ペーストを用いた図1に示す接続構造体1を得ることができる。ここでは、光硬化と熱硬化とが併用されているため、異方性導電材料を短時間で硬化させることができる。
以下、本発明について、実施例および比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
硬化性化合物であるEBECRYL3702(ダイセルサイテック社製「エポキシアクリレート」)5重量部と、上記式(21A)で表されるカチオン開始剤4重量部と、カリックスアレーン(スガイ化学社製「CALX−S4」、上記式(51)中、R1がOH基、R2がSONa基、nが4)1重量部と、フィラーであるシリカ(平均粒子径0.25μm)10重量部と、フィラーであるアルミナ(平均粒子径0.5μm)20重量部とを配合し、さらに平均粒子径3μmの導電性粒子Aを配合物100重量%中での含有量が10重量%となるように添加した後、遊星式攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、配合物を得た。
なお、用いた上記導電性粒子Aは、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面にニッケルめっき層が形成されており、かつ該ニッケルめっき層の表面に金めっき層が形成されている金属層を有する導電性粒子であり、比重が3.0である導電性粒子である。
得られた配合物を、ナイロン製ろ紙(孔径10μm)を用いてろ過することにより、導電性粒子の含有量が10重量%である異方性導電ペーストを得た。
(実施例2)
上記式(21A)で表されるカチオン開始剤を、上記式(21B)で表されるカチオン開始剤に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
(実施例3)
上記式(21A)で表されるカチオン開始剤を、上記式(21C)で表されるカチオン開始剤に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
(実施例4)
カリックスアレーン(スガイ化学社製「CALX−S4」)を、カリックスアレーン(スガイ化学社製「CALX−4」、上記式(51)中、R1がOH基、R2が水素原子、nが4)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
(実施例5)
カリックスアレーン(スガイ化学社製「CALX−S4」)を、カリックスアレーン(スガイ化学社製「CALX−S6」、上記式(51)中、R1がOH基、R2がSONa基、nが6)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
(実施例6)
カリックスアレーン(スガイ化学社製「CALX−S4」)を、カリックスアレーン(スガイ化学社製「CALX−S8」、上記式(51)中、R1がOH基、R2がSONa基、nが8)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
(実施例7)
カリックスアレーン(スガイ化学社製「CALX−S4」)を、カリックスアレーン(スガイ化学社製「CALX−B4」、上記式(51)中、R1がOH基、R2がt−ブチル基、nが4)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
(実施例8)
カリックスアレーン(スガイ化学社製「CALX−S4」)を、カリックスアレーン(スガイ化学社製「CALX−B6」、上記式(51)中、R1がOH基、R2がt−ブチル基、nが6)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
(実施例9)
カリックスアレーン(スガイ化学社製「CALX−S4」)を、カリックスアレーン(スガイ化学社製「CALX−B8」、上記式(51)中、R1がOH基、R2がt−ブチル基、nが8)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
(実施例10)
カリックスアレーン(スガイ化学社製「CALX−S4」)を、カリックスアレーン(スガイ化学社製「CALX−B4−EA」、上記式(51)中、R1がOCHCOOC基、R2がt−ブチル基、nが4)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
(実施例11)
硬化性化合物を、エポキシアクリレート(ダイセルサイテック社製「EBECRYL3603」)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
(実施例12)
カリックスアレーン(スガイ化学社製「CALX−S4」)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
(実施例13〜24)
平均粒子径10μmのジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−210」)を無電解ニッケルめっきし、樹脂粒子の表面上に厚さ0.1μmの下地ニッケルめっき層を形成した。次いで、下地ニッケルめっき層が形成された樹脂粒子を電解銅めっきし、厚さ1μmの銅層を形成した。更に、錫及びビスマスを含有する電解めっき液を用いて、電解めっきし、厚さ3μmのはんだ層を形成した。このようにして、樹脂粒
子の表面上に厚み1μmの銅層が形成されており、該銅層の表面に厚み3μmのはんだ層(錫:ビスマス=43重量%:57重量%)が形成されている導電性粒子Bを作製した。
実施例13〜24では、導電性粒子Aを導電性粒子Bに変更したこと、並びにろ過に用いたろ紙をナイロン製ろ紙(孔径30μm)に変更したこと以外は実施例1〜12と同様にして、異方性導電ペーストを得た。実施例13は実施例1、実施例14は実施例2、実施例15は実施例3、実施例16は実施例4、実施例17は実施例5、実施例18は実施例6、実施例19は実施例7、実施例20は実施例8、実施例21は実施例9、実施例22は実施例10、実施例23は実施例11、実施例24は実施例12をそれぞれ上記のように変更した実施例である。
(比較例1)
上記式(21A)で表されるカチオン開始剤を、下記式(111A)で表されるカチオン開始剤に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
Figure 2012230895
(比較例2)
上記式(21A)で表されるカチオン開始剤を、下記式(111B)で表されるカチオン開始剤に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
Figure 2012230895
(比較例3)
上記式(21A)で表されるカチオン開始剤を、下記式(111C)で表されるカチオン開始剤に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
Figure 2012230895
(実施例1〜24及び比較例1〜3の評価)
(1)硬化時間
L/Sが20μm/20μmのITO電極パターンが上面に形成された透明ガラス基板を用意した。また、L/Sが20μm/20μmの銅電極パターンが下面に形成された半導体チップを用意した。
上記透明ガラス基板上に、得られた異方性導電ペーストを実施例1〜12及び比較例1〜3では厚さ20μmとなるように、実施例13〜24では厚さ40μmとなるように厚さ20μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、異方性導電ペースト層上に上記半導体チップを、電極同士が互いに対向し、接続するように積層した。その後、異方性導電ペースト層に420nmの紫外線を光照射強度が60mW/cmとなるように照射して、異方性導電ペースト層を半硬化させた後に150℃で加熱して硬化させ、接続構造体を得た。この接続構造体を得る際に、150℃加熱により硬化性組成物層が硬化するまでの時間を測定した。
(2)対向する電極間の導通の有無
得られた接続構造体の上下の電極間の接続抵抗をそれぞれ、4端子法により測定した。2つの接続抵抗の平均値を算出した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めることができる。接続抵抗の平均値が2.0Ω以下である場合を「○」、接続抵抗の平均値が2.0Ωを超える場合を「×」と判定した。
(3)金属の腐食性
得られた接続構造体を85℃で湿度85%の条件で20日間保管した。保管後の銅電極の表面に腐食が生じているか否かを評価した。銅電極に腐食が生じていない場合を「○」、導通不良が生じない程度に銅電極に部分的に腐食が生じている場合を「△」、導通不良が生じる程度に銅電極に腐食が生じている場合を「×」と判定した。
(4)保存安定性
E型粘度計を用いて、作製された直後の異方性導電ペーストの25℃及び2.5rpmでの粘度η1を測定した。また、異方性導電ペーストを25℃で100時間保管した。保存後の異方性導電ペーストの25℃及び2.5rpmでの粘度η2を測定した。保存後の粘度η2の変化率を下記式(X)により求めた。
変化率(%)=(η2−η1)/η1×100 ・・・式(X)
異方性導電ペーストの保存安定性を下記の判定基準で判定した。
[保存安定性の判定基準]
○○:変化率が130%未満
○ :変化率が130%以上200%未満
△ :変化率が200%以上300%未満
× :変化率が300%以上
結果を下記の表1に示す。
Figure 2012230895
なお、実施例12及び24では、保存安定性は比較的悪かったが、製造直後の異方性導電ペーストでは、硬化時間は短く、かつ金属の腐食も抑制されていた。
また、実施例1と実施例13、実施例2と実施例14、実施例3と実施例15、実施例4と実施例16、実施例5と実施例17、実施例6と実施例18、実施例7と実施例19、実施例8と実施例20、実施例9と実施例21、実施例10と実施例22、実施例11と実施例23、実施例12と実施例24を対比した結果、導電層の外側の表面が低融点金属層である導電性粒子を用いた場合に、導電層の外側の表面が低融点金属層ではない導電性粒子を用いた場合と比べて、接続構造体における接続信頼性が高いことを確認した。これは、圧着時に低融点金属層が電極表面を濡れ拡がっており、溶融後に固化した低融点金属が電極と強固に接続されていたためである。
(比較例4)
下記式(61)で表される構造を有するエピスルフィド化合物を用意した。
Figure 2012230895
上記式(61)で表される構造を有するエピスルフィド化合物30重量部と、熱硬化剤であるアミンアダクト(味の素ファインテクノ社製「PN−23J」)5重量部と、硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール1重量部とをさらに添加したこと以外は比較例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
(比較例5)
下記式(62)で表される構造を有するエピスルフィド化合物を用意した。
Figure 2012230895
上記式(61)で表される構造を有するエピスルフィド化合物を、上記式(62)で表されるエピスルフィド化合物に変更したこと以外は比較例4と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
(比較例6)
上記式(61)で表される構造を有するエピスルフィド化合物を、エピスルフィド化合物(三菱化学社製「YL7007」)に変更したこと以外は比較例4と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
(比較例4〜6の評価)
(1)硬化時間
L/Sが20μm/20μmのITO電極パターンが上面に形成された透明ガラス基板を用意した。また、L/Sが20μm/20μmの銅電極パターンが下面に形成された半導体チップを用意した。
上記透明ガラス基板上に、得られた異方性導電ペーストを厚さ20μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、異方性導電ペースト層上に上記半導体チップを、電極同士が互いに対向し、接続するように積層した。その後、異方性導電ペースト層に420nmの紫外線を光照射強度が60mW/cmとなるように照射して、異方性導電ペースト層を半硬化させた後に150℃で加熱して硬化させ、接続構造体を得た。この接続構造体を得る際に、150℃加熱により硬化性組成物層が硬化するまでの時間を測定した。
(2)対向する電極間の導通の有無
実施例1〜24及び比較例1〜3と同様にして、比較例4〜6の異方性導電材料を用いた接続構造体について、対向する電極間の導通の有無を評価した。
(3)金属の腐食性
実施例1〜24及び比較例1〜3と同様にして、比較例4〜6の異方性導電材料を用いた接続構造体について、金属の腐食性を評価した。
(4)保存安定性
実施例1〜24及び比較例1〜3と同様にして、比較例4〜6の異方性導電材料について保存安定性を評価した。
結果を下記の表2に示す。
Figure 2012230895
1…接続構造体
2…第1の接続対象部材
2a…上面
2b…電極
3…接続部
3a…上面
3A…異方性導電材料層
3B…Bステージ状硬化物層
4…第2の接続対象部材
4a…下面
4b…電極
5…導電性粒子

Claims (5)

  1. 硬化性化合物と、カチオン開始剤と、導電性粒子とを含有し、
    前記カチオン開始剤が、テトラフルオロボレートアニオンを含む、異方性導電材料。
  2. 前記カチオン開始剤が、下記式(21)で表されるカチオン開始剤である、請求項1に記載の異方性導電材料。
    Figure 2012230895
    前記式(21)中、R1はアラルキル基であり、R2は炭素数1〜10のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。但し、R2がメチル基である場合には、R1はベンジル基ではない。
  3. カリックスアレーン又は該カリックスアレーンの誘導体をさらに含む、請求項1又は2に記載に記載の異方性導電材料。
  4. 前記カリックスアレーンが下記式(51)で表される化合物である、請求項3に記載の異方性導電材料。
    Figure 2012230895
    前記式(51)中、R1は、OH基、OCOR3基又はOR4COOR5基を表し、R2は、水素原子、SONa基又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R3は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R4は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R5は炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは2〜10の整数を表す。
  5. 第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、該第1,第2の接続対象部材を電気的に接続している接続部とを備え、
    前記接続部が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の異方性導電材料を硬化させることにより形成されている、接続構造体。
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