JP2013149466A - 異方性導電材料、接続構造体及び接続構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】銅電極を表面に有する接続対象部材を接続したときに、該銅電極における耐マイグレーション性を良好にすることができる異方性導電材料及び接続構造体を提供する。
【解決手段】本発明に係る異方性導電材料は、銅電極を表面に有する接続対象部材の接続に用いられる。本発明に係る異方性導電材料は、融点が400℃以上である金属を表面に有する導電性粒子3と、加熱により硬化可能な硬化性組成物と、熱カチオン発生剤と、フラックスとを含む。本発明に係る接続構造体21は、第1の電極22bを表面22aに有する第1の接続対象部材22と、第2の電極23bを表面23aに有する第2の接続対象部材23と、接続部1Aとを備える。第1の電極22b及び第2の電極23bの内の少なくとも一方が銅電極である。接続部1Aは、上記異方性導電材料を硬化させることにより形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る異方性導電材料は、銅電極を表面に有する接続対象部材の接続に用いられる。本発明に係る異方性導電材料は、融点が400℃以上である金属を表面に有する導電性粒子3と、加熱により硬化可能な硬化性組成物と、熱カチオン発生剤と、フラックスとを含む。本発明に係る接続構造体21は、第1の電極22bを表面22aに有する第1の接続対象部材22と、第2の電極23bを表面23aに有する第2の接続対象部材23と、接続部1Aとを備える。第1の電極22b及び第2の電極23bの内の少なくとも一方が銅電極である。接続部1Aは、上記異方性導電材料を硬化させることにより形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、銅電極を表面に有する接続対象部材の接続に用いられる異方性導電材料に関する。また、本発明は、該異方性導電材料を用いた接続構造体及び接続構造体の製造方法に関する。
ペースト状又はフィルム状の異方性導電材料が広く知られている。該異方性導電材料では、バインダー樹脂中に複数の導電性粒子が分散されている。
上記異方性導電材料は、各種の接続構造体を得るために、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等に使用されている。
上記異方性導電材料の一例として、下記の特許文献1には、熱硬化性樹脂である媒体と、該媒体中に分散保持された複数のはんだ粒と、該はんだ粒中に保持されたフラックスとを含む異方性導電材料が開示されている。
下記の特許文献2には、金属を含む導電性粒子と、熱硬化性樹脂と、フラックス活性剤とを含み、上記導電性粒子の融点が220℃以下である異方性導電材料が開示されている。
また、上記導電性粒子を含まない接続材料の一例として、下記の特許文献3には、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂と、硬化促進剤と、フラックス有効成分であるアビチエン酸又はその誘導体とを含む組成物が開示されている。特許文献3の実施例では、該組成物が、はんだボールとともに用いられている。
また、カチオン発生剤を含む異方性導電材料が知られている。下記の特許文献4には、脂環式エポキシ化合物と、カチオン発生剤と、上記脂環式エポキシ化合物よりもカチオン重合性が低い第2のカチオン重合性化合物と、導電性粒子とを含む異方性導電材料が開示されている。
特許文献1,2に記載の異方性導電材料では、導電性粒子として、はんだ粒又は融点が220℃以下である導電性粒子(具体的にははんだ粒子)が用いられているにすぎない。特許文献3に記載の組成物は、はんだボールとともに用いられているにすぎない。
はんだ粒子の表面には、一般に酸化膜が形成されやすい。特許文献1〜3では、フラックスが用いられているものの、該フラックスははんだ表面の酸化膜を除去するために用いられているにすぎない。特許文献1〜3では、フラックスとはんだ粒子とを併用することを開示しているにすぎない。
特許文献4に記載の異方性導電材料は、フラックスを含まない。また、特許文献4に記載の異方性導電材料では、導電性粒子として、はんだ粒子は記載されていない。
ところで、銅電極を表面に有する接続対象部材を、電極を表面に有する他の接続対象部材と電気的に接続して、接続構造体を得ることがある。このような銅電極の接続に、従来の異方性導電材料を用いた場合には、銅電極のマイグレーションが生じて、絶縁不良が生じやすいという問題がある。カチオン発生剤を含む特許文献4に記載のような従来の異方性導電材料を用いた場合でも、銅電極のマイグレーションを充分に抑制することは困難である。
本発明の目的は、銅電極を表面に有する接続対象部材を接続した場合に、該銅電極における耐マイグレーション性を良好にすることができる異方性導電材料、並びに該異方性導電材料を用いた接続構造体及び接続構造体の製造方法を提供することである。
本発明の広い局面によれば、銅電極を表面に有する接続対象部材の接続に用いられる異方性導電材料であって、融点が400℃以上である金属を表面に有する導電性粒子と、加熱により硬化可能な硬化性化合物と、熱カチオン発生剤と、フラックスとを含む、異方性導電材料が提供される。
本発明に係る異方性導電材料のある特定の局面では、上記熱カチオン発生剤のアニオン部分がB(C6F5)4 −で表される。
本発明に係る異方性導電材料の他の特定の局面では、上記融点が400℃以上である金属が、金、ニッケル、パラジウム又は銅を含む。
本発明に係る異方性導電材料の他の特定の局面では、上記銅電極を表面に有する接続対象部材は、半導体ウェーハ又は半導体チップである。
本発明に係る異方性導電材料のさらに他の特定の局面では、該異方性導電材料は、上記銅電極を表面に有する接続対象部材において、該銅電極側に絶縁材料を介して積層されて用いられる。
本発明に係る異方性導電材料の別の特定の局面では、該異方性導電材料は、フィルム状の異方性導電フィルムである。
本発明の広い局面によれば、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、上記第1の接続対象部材の上記第1の電極側及び上記第2の接続対象部材の上記第2の電極側に配置されており、かつ上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材との間に配置されている接続部とを備え、上記第1の電極及び上記第2の電極の内の少なくとも一方が銅電極であり、上記接続部が、上述した異方性導電材料を硬化させることにより形成されており、上記第1の電極と上記第2の電極とが上記導電性粒子により電気的に接続されている、接続構造体が提供される。
本発明の広い局面によれば、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、上述した異方性導電材料とを用いて、上記第1の接続対象部材の上記第1の電極側及び上記第2の接続対象部材の上記第2の電極側に上記異方性導電材料を配置して、かつ上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材との間に上記異方性導電材料を配置して、上記異方性導電材料により異方性導電材料層を形成する工程と、上記異方性導電材料層を硬化させることにより接続部を形成する工程とを備え、上記第1の電極及び上記第2の電極の内の少なくとも一方が銅電極であり、上記第1の電極と上記第2の電極とが上記導電性粒子により電気的に接続されている接続構造体を得る、接続構造体の製造方法が提供される。
本発明に係る異方性導電材料は、融点が400℃以上である金属を表面に有する導電性粒子と、加熱により硬化可能な硬化性化合物と、熱カチオン発生剤と、フラックスとを含むので、銅電極を表面に有する接続対象部材を接続した場合に、銅電極における耐マイグレーション性を良好にすることができる。
以下、本発明の詳細を説明する。
(異方性導電材料)
本発明に係る異方性導電材料は、銅電極を表面に有する接続対象部材の接続に用いられる。本発明に係る異方性導電材料は、融点が400℃以上である金属を表面に有する導電性粒子と、加熱により硬化可能な熱硬化性化合物と、熱カチオン発生剤と、フラックスとを含む。
本発明に係る異方性導電材料は、銅電極を表面に有する接続対象部材の接続に用いられる。本発明に係る異方性導電材料は、融点が400℃以上である金属を表面に有する導電性粒子と、加熱により硬化可能な熱硬化性化合物と、熱カチオン発生剤と、フラックスとを含む。
本発明に係る異方性導電材料は、上述した構成を備えているので、銅電極を表面に有する接続対象部材を接続した場合に、銅電極における耐マイグレーション性を良好にすることができる。このため、本発明に係る異方性導電材料により銅電極と他の電極とが電気的に接続された接続構造体において、絶縁信頼性を高めることができる。さらに、上記導電性粒子は融点が400℃以上である金属を表面に有するので、導通性がかなり高くなる。
本発明に係る異方性導電材料は、上記銅電極を表面に有する接続対象部材と、電極を表面に有する接続対象部材との接続に用いられることが好ましい。本発明に係る異方性導電材料は、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材との接続に用いられることが好ましい。上記第1の電極及び上記第2の電極の内の少なくとも一方が、銅電極である。上記第1の電極及び上記第2の電極の双方が銅電極であってもよい。上記第1の電極と上記第2の電極とを、上記導電性粒子により電気的に接続することが好ましい。
上記第1の接続対象部材は、突出した第1の電極を表面に有することが好ましい。上記第1の接続対象部材は、複数の第1の電極を有することが好ましい。上記第2の接続対象部材は、突出した第2の電極を表面に有することが好ましい。上記第2の接続対象部材は、複数の第2の電極を有することが好ましい。
上記接続対象部材(第1,第2の接続対象部材)としては、具体的には、半導体ウェーハ、半導体チップ(分割後半導体ウェーハ)、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板、ガラス基板及びガラスエポキシ基板等の回路基板である電子部品等が挙げられる。
上記銅電極を表面に有する接続対象部材は、半導体ウェーハ又は半導体チップであることが好ましい。
上記銅電極は、銅により形成される。上記銅電極を用いることで、電極間の接続抵抗が低くなり、接続構造体の導通性が高くなる。銅電極と銅電極以外の電極とを電気的に接続する場合には、銅電極以外の電極は、例えば、ITO、IZO又は金属等により形成される。銅電極は腐食及び酸化しやすく、マイグレーションが問題となりやすい。これに対して、銅電極を表面に有する接続対象部材の銅電極側に、本発明に係る異方性導電材料を配置して、銅電極と他の電極とを上記導電性粒子により電気的に接続することによって、銅電極の腐食及び酸化が抑えられ、耐マイグレーション性が効果的に高くなる。
以下、上記異方性導電材料に含まれている各成分の詳細を説明する。
[導電性粒子]
上記異方性導電材料に含まれている導電性粒子は、銅電極と他の電極とを電気的に接続する。上記導電性粒子は、第1,第2の接続対象部材の電極間を電気的に接続する。上記導電性粒子は、融点が400℃以上である金属を表面に有する。上記導電性粒子は、導電性を有する表面に、融点が400℃以上である金属を有する。上記導電性粒子は、少なくとも外表面が、融点が400℃以上である金属により形成されている。上記金属の融点は、450℃を超えていてもよく、500℃以上であってもよい。なお、一般に、はんだの融点は400℃未満である。従って、上記導電性粒子の表面ははんだではなく、上記導電性粒子ははんだ粒子及びはんだ被覆粒子ではない。
上記異方性導電材料に含まれている導電性粒子は、銅電極と他の電極とを電気的に接続する。上記導電性粒子は、第1,第2の接続対象部材の電極間を電気的に接続する。上記導電性粒子は、融点が400℃以上である金属を表面に有する。上記導電性粒子は、導電性を有する表面に、融点が400℃以上である金属を有する。上記導電性粒子は、少なくとも外表面が、融点が400℃以上である金属により形成されている。上記金属の融点は、450℃を超えていてもよく、500℃以上であってもよい。なお、一般に、はんだの融点は400℃未満である。従って、上記導電性粒子の表面ははんだではなく、上記導電性粒子ははんだ粒子及びはんだ被覆粒子ではない。
導電性粒子の導電層の表面が絶縁層により被覆されていてもよい。導電性粒子の導電層の表面が、絶縁性粒子により被覆されていてもよい。本発明に係る異方性導電材料に用いられる導電性粒子は上記絶縁層を有していてもよく、絶縁性粒子を有していてもよい。これらの場合には、接続対象部材の接続時に、導電層と電極との間の絶縁層又は絶縁性粒子が排除される。
上記導電性粒子としては、例えば、有機粒子、無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子もしくは金属粒子等の表面を導電層で被覆した導電性粒子、並びに実質的に金属のみで構成される金属粒子等が挙げられる。上記導電層の外側の表面及び上記金属粒子の表面が、融点が400℃以上である金属により形成されていればよい。上記導電層の外側の表面及び上記金属粒子の表面が、融点が400℃以上である金属(高融点金属層)であればよい。
電極と導電性粒子との接触面積を大きくし、電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子は、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面上に配置された導電層とを有することが好ましい。
上記導電性粒子は、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面上に配置された導電層とを有し、該導電層の外側の表面が上記高融点金属層であり、上記樹脂粒子と上記高融点金属層との間に、上記高融点金属層とは別に第2の導電層を有していてもよい。この場合に、上記高融点金属層は上記導電層全体の一部であり、上記第2の導電層は上記導電層全体の一部である。
上記融点が400℃以上である金属は、特に限定されない。該金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、亜鉛、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム及びカドミウム、並びにこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属として、錫ドープ酸化インジウム(ITO)を用いてもよい。上記金属は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記融点が400℃以上である金属は、金、ニッケル、パラジウム又は銅を含むことが好ましい。上記融点が400℃以上である金属は、金、ニッケル、パラジウム又は銅を合計で50重量%以上含むことが好ましく、75重量%以上含むことがより好ましい。上記高融点金属層は、金層、ニッケル層、パラジウム層又は銅層であることが好ましい。導電性粒子は、ニッケル層、パラジウム層、銅層又は金層を外側の表面に有することが好ましい。これらの好ましい金属表面を有する導電性粒子を電極間の接続に用いることにより、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。
上記導電層が多層構造を有する場の最外層の厚み及び上記高融点金属層の厚みは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上、好ましくは50μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下、特に好ましくは3μm以下である。上記最外層及び上記高融点金属層の厚みが上記下限以上であると、導電性が十分に高くなる。上記最外層及び上記高融点金属層の厚みが上記上限以下であると、樹脂粒子と高融点金属層との熱膨張率の差が小さくなり、上記最外層及び高融点金属層の剥離が生じ難くなる。
上記導電層の全体厚みは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上、好ましくは50μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下、特に好ましくは3μm以下である。
上記導電性粒子の粒子径は、好ましくは100μm以下、より好ましくは20μm未満、更に好ましくは15μm以下、特に好ましくは10μm以下である。導電性粒子の粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上である。
異方性導電材料における導電性粒子に適した大きさであり、かつ電極間の間隔をより一層小さくすることができるので、上記導電性粒子の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、好ましくは100μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは15μm以下、特に好ましくは10μm以下、最も好ましくは5μm未満である。
上記導電性粒子における粒子径は、導電性粒子が真球状である場合には直径を意味し、導電性粒子が真球状以外の形状である場合には最大径を示す。
上記導電性粒子の「平均粒子径」は、メディアン径を示す。該メディアン径は、レーザー回折式粒度分測定装置を用いて求められる。レーザー回折式粒度分測定装置としては、島津製作所社製「SALD−2100」等が挙げられる。異方性導電材料中の導電性粒子に関しては、硬化前であれば、粒子を溶剤に分散し、レーザー回折式粒度分測定装置を用いて粒度分布を求める方法や、各100個の粒子の粒径を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、粒度分布を求める方法により「平均粒子径」を算出可能である。
[バインダー樹脂]
上記異方性導電材料は、バインダー樹脂を含む。上記バインダー樹脂は、加熱により硬化可能な硬化性化合物と熱カチオン発生剤とを含む。従って、上記異方性導電材料は、加熱により硬化可能な硬化性化合物と熱カチオン発生剤とを含む。
上記異方性導電材料は、バインダー樹脂を含む。上記バインダー樹脂は、加熱により硬化可能な硬化性化合物と熱カチオン発生剤とを含む。従って、上記異方性導電材料は、加熱により硬化可能な硬化性化合物と熱カチオン発生剤とを含む。
上記異方性導電材料は、加熱により硬化可能な異方性導電材料であり、上記バインダー樹脂として、上記加熱により硬化可能な硬化性化合物を含む。該加熱により硬化可能な硬化性化合物は、光の照射により硬化しない硬化性化合物(熱硬化性化合物)であってもよく、光の照射と加熱との双方により硬化可能な硬化性化合物(光及び熱硬化性化合物)であってもよい。
また、上記異方性導電材料は、光の照射と加熱との双方により硬化可能な異方性導電材料であり、上記バインダー樹脂として、光の照射により硬化可能な硬化性化合物(光硬化性化合物、又は光及び熱硬化性化合物)をさらに含むことが好ましい。上記光の照射により硬化可能な硬化性化合物は、加熱により硬化しない硬化性化合物(光硬化性化合物)であってもよく、光の照射と加熱との双方により硬化可能な硬化性化合物(光及び熱硬化性化合物)であってもよい。上記異方性導電材料は、光硬化開始剤を含むことが好ましい。本発明に係る異方性導電材料は、上記光硬化開始剤として、光ラジカル発生剤を含むことが好ましい。上記異方性導電材料は、上記硬化性化合物として、熱硬化性化合物を含み、光硬化性化合物、又は光及び熱硬化性化合物をさらに含むことが好ましい。上記異方性導電材料は、上記硬化性化合物として、熱硬化性化合物と光硬化性化合物とを含むことが好ましい。
また、上記異方性導電材料は、反応開始温度が異なる2種以上の熱硬化剤を含むことが好ましい。また、反応開始温度が低温側の熱硬化剤が、熱ラジカル発生剤であることが好ましい。
上記硬化性化合物としては特に限定されず、不飽和二重結合を有する硬化性化合物及びエポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物等が挙げられる。
また、上記異方性導電材料の硬化性を高め、電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記硬化性化合物は、不飽和二重結合を有する硬化性化合物を含むことが好ましく、(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物を含むことが好ましい。上記不飽和二重結合は、(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。上記不飽和二重結合を有する硬化性化合物としては、エポキシ基又はチイラン基を有さず、かつ不飽和二重結合を有する硬化性化合物、及びエポキシ基又はチイラン基を有し、かつ不飽和二重結合を有する硬化性化合物が挙げられる。
上記(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物として、(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、又はイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が好適に用いられる。上記「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基とを示す。上記「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルとを示す。上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを示す。
上記(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物は特に限定されない。該エステル化合物として、単官能のエステル化合物、2官能のエステル化合物及び3官能以上のエステル化合物のいずれも使用可能である。
上記異方性導電材料の硬化性を高め、電極間の導通信頼性をより一層高め、更に硬化物の接着力をより一層高める観点からは、上記異方性導電材料は、不飽和二重結合と熱硬化性官能基との双方を有する硬化性化合物を含むことが好ましい。上記熱硬化性官能基としては、エポキシ基、チイラン基及びオキセタニル基等が挙げられる。上記不飽和二重結合と熱硬化性官能基との双方を有する硬化性化合物は、エポキシ基又はチイラン基を有し、かつ不飽和二重結合を有する硬化性化合物であることが好ましく、熱硬化性官能基と(メタ)アクリロイル基との双方を有する硬化性化合物であることが好ましく、エポキシ基又はチイラン基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物であることが好ましい。
上記エポキシ基又はチイラン基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する硬化性化合物の一部のエポキシ基又は一部のチイラン基を、(メタ)アクリロイル基に変換することにより得られる硬化性化合物であることが好ましい。このような硬化性化合物は、部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物又は部分(メタ)アクリレート化エピスルフィド化合物である。
上記硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物と、(メタ)アクリル酸との反応物であることが好ましい。この反応物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られる。エポキシ基又はチイラン基の20%以上が(メタ)アクリロイル基に変換(転化率)されていることが好ましい。該転化率は、より好ましくは30%以上、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である。エポキシ基又はチイラン基の40%以上、60%以下が(メタ)アクリロイル基に変換されていることが最も好ましい。
上記部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、カルボン酸無水物変性エポキシ(メタ)アクリレート、及びフェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記硬化性化合物として、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有するフェノキシ樹脂の一部のエポキシ基又は一部のチイラン基を(メタ)アクリロイル基に変換した変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。すなわち、エポキシ基又はチイラン基と(メタ)アクリロイル基とを有する変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。
上記「フェノキシ樹脂」は、一般的には、例えばエピハロヒドリンと2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂、又は2価のエポキシ化合物と2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂である。
また、上記硬化性化合物は、架橋性化合物であってもよく、非架橋性化合物であってもよい。
上記架橋性化合物の具体例としては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン、ポリエステル(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記非架橋性化合物の具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート及びテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、上記硬化性化合物としては、オキセタン化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、シリコーン化合物及びポリイミド化合物等が挙げられる。
上記異方性導電材料の硬化を容易に制御したり、接続構造体における導通信頼性をより一層高めたりする観点からは、上記硬化性化合物は、エポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物を含むことが好ましい。エポキシ基を有する硬化性化合物は、エポキシ化合物である。チイラン基を有する硬化性化合物は、エピスルフィド化合物である。異方性導電材料の硬化性を高める観点からは、上記硬化性化合物100重量%中、上記エポキシ基又はチイラン基を有する化合物の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、100重量%以下である。上記硬化性化合物の全量が上記エポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物であってもよい。取り扱い性を良好にし、かつ接続構造体における導通信頼性をより一層高める観点からは、上記エポキシ基又はチイラン基を有する化合物は、エポキシ化合物であることが好ましい。
また、上記異方性導電材料は、エポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物と、不飽和二重結合を有する硬化性化合物とを含むことが好ましい。
上記エポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物は、芳香族環を有することが好ましい。上記芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、テトラセン環、クリセン環、トリフェニレン環、テトラフェン環、ピレン環、ペンタセン環、ピセン環及びペリレン環等が挙げられる。なかでも、上記芳香族環は、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環であることが好ましく、ベンゼン環又はナフタレン環であることがより好ましい。また、ナフタレン環は、平面構造を有するためにより一層速やかに硬化可能であることから好ましい。
熱硬化性化合物と光硬化性化合物とを併用する場合には、光硬化性化合物と熱硬化性化合物との配合比は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物との種類に応じて適宜調整される。上記異方性導電材料は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物とを重量比で、1:99〜90:10で含むことが好ましく、5:95〜60:40で含むことがより好ましく、10:90〜40:60で含むことが更に好ましい。
上記異方性導電材料は、熱カチオン発生剤を含むことが好ましい。該熱カチオン発生剤は、銅電極表面に形成された酸化膜を除去することに大きく寄与する。従って、熱カチオン発生剤の使用により、銅電極における耐マイグレーション性が良好になる。また、熱カチオン発生剤の使用により、電極との金属接合が形成しやすくなり、接続信頼性がより一層高くなる。上記熱カチオン発生剤は、上記加熱により硬化可能な硬化性化合物を硬化させる。上記熱カチオン発生剤として、従来公知の熱カチオン発生剤を使用可能である。上記熱カチオン発生剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱カチオン発生剤としては、ヨードニウム系カチオン硬化剤、オキソニウム系カチオン硬化剤及びスルホニウム系カチオン硬化剤等が挙げられる。上記ヨードニウム系カチオン硬化剤としては、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。上記オキソニウム系カチオン硬化剤としては、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート等が挙げられる。上記スルホニウム系カチオン硬化剤としては、トリ−p−トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。
また、上記熱カチオン発生剤の他の具体例としては、2−ブテニルジメチルスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、2−ブテニルジメチルスルフォニウムテトラフルオロボレート、2−ブテニルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、2−ブテニルテトラメチレンスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、2−ブテニルテトラメチレンスルフォニウムテトラフルオロボレート、2−ブテニルテトラメチレンスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、3−メチル−2−ブテニルジメチルスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、3−メチル−2−ブテニルジメチルスルフォニウムテトラフルオロボレート、3−メチル−2−ブテニルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、3−メチル−2−ブテニルテトラメチレンスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、3−メチル−2−ブテニルテトラメチレンスルフォニウムテトラフルオロボレート、3−メチル−2−ブテニルテトラメチレンスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、4−ヒドロキシフェニルシンナミルメチルスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−ヒドロキシフェニルシンナミルメチルスルフォニウムテトラフルオロボレート、4−ヒドロキシフェニルシンナミルメチルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、α−ナフチルメチルテトラメチレンスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、α−ナフチルメチルテトラメチレンスルフォニウムテトラフルオロボレート、α−ナフチルメチルテトラメチレンスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、シンナミルジメチルスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、シンナミルジメチルスルフォニウムテトラフルオロボレート、シンナミルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、シンナミルテトラメチレンフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、シンナミルテトラメチレンフォニウムテトラフルオロボレート、シンナミルテトラメチレンフォニウムヘキサフルオロホスフェート、ビフェニルメチルジメチルスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビフェニルメチルジメチルスルフォニウムテトラフルオロボレート、ビフェニルメチルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、ビフェニルメチルテトラメチレンスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビフェニルメチルテトラメチレンスルフォニウムテトラフルオロボレート、ビフェニルメチルテトラメチレンスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、フェニルメチルジメチルスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェニルメチルジメチルスルフォニウムテトラフルオロボレート、フェニルメチルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、フェニルメチルテトラメチレンスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェニルメチルテトラメチレンスルフォニウムテトラフルオロボレート、フェニルメチルテトラメチレンスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、フルオレニルメチルジメチルスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フルオレニルメチルジメチルスルフォニウムテトラフルオロボレート、フルオレニルメチルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、フルオレニルメチルテトラメチレンスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フルオレニルメチルテトラメチレンスルフォニウムテトラフルオロボレート、及びフルオレニルメチルテトラメチレンスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
上記熱カチオン発生剤は、加熱により無機酸イオンを放出するか、又は加熱によりホウ素原子を含む有機酸イオンを放出することが好ましい。上記熱カチオン発生剤は、加熱により無機酸イオンを放出する成分であることが好ましく、加熱によりホウ素原子を含む有機酸イオンを放出する成分であることも好ましい。
加熱により無機酸イオンを放出する熱カチオン発生剤は、アニオン部分としてSbF6−又はPF6−を有する化合物であることが好ましい。上記熱カチオン発生剤は、アニオン部分としてSbF6−を有する化合物であることが好ましく、アニオン部分としてPF6−を有する化合物であることも好ましい。
銅電極における耐マイグレーション性をより一層良好にする観点からは、熱カチオン発生剤のアニオン部分がB(C6X5)4 −で表されることが好ましい。ホウ素原子を含む有機酸イオンを放出する熱カチオン発生剤は、下記式(1)で表されるアニオン部分を有する化合物であることが好ましい。
上記式(1)中、Xはハロゲン原子を表す。上記式(1)中のXは、塩素原子、臭素原子又はフッ素原子であることが好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。
銅電極における耐マイグレーション性をより一層良好にする観点からは、熱カチオン発生剤のアニオン部分がB(C6F5)4 −で表されることが好ましい。上記ホウ素原子を含む有機酸イオンを放出する熱カチオン発生剤は、下記式(1A)で表されるアニオン部分を有する化合物であることがより好ましい。
上記加熱により硬化可能な硬化性化合物100重量部に対して、上記熱カチオン発生剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。上記熱カチオン発生剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、異方性導電材料が充分に熱硬化する。
上記異方性導電材料は、上記熱カチオン発生剤以外の熱硬化剤を含むことが好ましい。該熱硬化剤は、上記加熱により硬化可能な硬化性化合物を硬化させる。該熱硬化剤として、従来公知の熱硬化剤を使用可能である。上記熱硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱硬化剤としては、イミダゾール硬化剤、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、ポリチオール硬化剤、酸無水物及び熱ラジカル発生剤等が挙げられる。なかでも、異方性導電材料を低温でより一層速やかに硬化可能であるので、イミダゾール硬化剤、ポリチオール硬化剤又はアミン硬化剤が好ましい。また、加熱により硬化可能な硬化性化合物と上記熱硬化剤とを混合したときに保存安定性が高くなるので、潜在性の硬化剤が好ましい。潜在性の硬化剤は、潜在性イミダゾール硬化剤、潜在性ポリチオール硬化剤又は潜在性アミン硬化剤であることが好ましい。これらの熱硬化剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なお、上記熱硬化剤は、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂等の高分子物質で被覆されていてもよい。
上記イミダゾール硬化剤としては、特に限定されず、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン及び2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。
上記ポリチオール硬化剤としては、特に限定されず、トリメチロールプロパントリス−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート及びジペンタエリスリトールヘキサ−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
上記アミン硬化剤としては、特に限定されず、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、メタフェニレンジアミン及びジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
上記熱カチオン発生剤としては、ヨードニウム系カチオン硬化剤、オキソニウム系カチオン硬化剤及びスルホニウム系カチオン硬化剤等が挙げられる。上記ヨードニウム系カチオン硬化剤としては、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。上記オキソニウム系カチオン硬化剤としては、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボラート等が挙げられる。上記スルホニウム系カチオン硬化剤としては、トリ−p−トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されない。上記加熱により硬化可能な硬化性化合物100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは1重量部以上、好ましくは200重量部以下、より好ましくは100重量部以下、更に好ましくは75重量部以下である。熱硬化剤の含有量が上記下限以上であると、異方性導電材料を充分に硬化させることが容易である。熱硬化剤の含有量が上記上限以下であると、硬化後に硬化に関与しなかった余剰の熱硬化剤が残存し難くなり、かつ硬化物の耐熱性がより一層高くなる。
上記異方性導電材料は、熱ラジカル発生剤を含むことが好ましい。該熱ラジカル発生剤は特に限定されない。上記熱ラジカル発生剤として、従来公知の熱ラジカル発生剤を使用可能である。熱ラジカル発生剤の使用により、電極間の導通信頼性及び接続構造体の接続信頼性がより一層高くなる。上記熱ラジカル発生剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱ラジカル発生剤としては、特に限定されず、アゾ化合物及び有機過酸化物等が挙げられる。上記アゾ化合物としては、アゾビスイゾブチロニトリル(AIBN)等が挙げられる。上記有機過酸化物としては、ジ−tert−ブチルペルオキシド及びメチルエチルケトンペルオキシド等が挙げられる。
上記加熱により硬化可能な硬化性化合物100重量部に対して、上記熱ラジカル発生剤の含有量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。上記熱ラジカル発生剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、異方性導電材料が適度に熱硬化する。異方性導電材料を、Bステージ化することにより、異方性導電材料の流動が抑えられ、更に接合時のボイドの発生が抑えられる。
上記異方性導電材料は、光硬化開始剤を含むことが好ましい。該光硬化開始剤は特に限定されない。上記光硬化開始剤として、従来公知の光硬化開始剤を使用可能である。電極間の導通信頼性及び接続構造体の接続信頼性をより一層高める観点からは、上記異方性導電材料は、光ラジカル発生剤を含むことが好ましい。上記光硬化開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光硬化開始剤としては、特に限定されず、アセトフェノン光硬化開始剤(アセトフェノン光ラジカル発生剤)、ベンゾフェノン光硬化開始剤(ベンゾフェノン光ラジカル発生剤)、チオキサントン、ケタール光硬化開始剤(ケタール光ラジカル発生剤)、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド及びアシルホスフォナート等が挙げられる。
上記アセトフェノン光硬化開始剤の具体例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、及び2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン等が挙げられる。上記ケタール光硬化開始剤の具体例としては、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
上記光硬化開始剤の含有量は特に限定されない。光の照射により硬化可能な硬化性化合物100重量部に対して、上記光硬化開始剤の含有量(光硬化開始剤が光ラジカル発生剤である場合には光ラジカル発生剤の含有量)は、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。上記光硬化開始剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、異方性導電材料が適度に光硬化する。異方性導電材料に光を照射し、Bステージ化することにより、異方性導電材料の流動が抑えられる。
[フラックス]
上記異方性導電材料は、フラックスを含む。該フラックスの使用により、銅電極表面に形成された酸化膜を効果的に除去できる。この結果、接続構造体における導通信頼性がより一層高くなる。上記熱カチオン発生剤と上記フラックスとの併用は、銅電極における耐マイグレーション性を良好にすることに大きく寄与する。
上記異方性導電材料は、フラックスを含む。該フラックスの使用により、銅電極表面に形成された酸化膜を効果的に除去できる。この結果、接続構造体における導通信頼性がより一層高くなる。上記熱カチオン発生剤と上記フラックスとの併用は、銅電極における耐マイグレーション性を良好にすることに大きく寄与する。
上記フラックスは特に限定されない。該フラックスとして、はんだ接合等に一般的に用いられているフラックスを使用可能である。上記フラックスとしては、例えば、塩化亜鉛、塩化亜鉛と無機ハロゲン化物との混合物、塩化亜鉛と無機酸との混合物、溶融塩、リン酸、リン酸の誘導体、有機ハロゲン化物、ヒドラジン、有機酸及び松脂等が挙げられる。上記フラックスは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記溶融塩としては、塩化アンモニウム等が挙げられる。上記有機酸としては、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、乳酸、クエン酸、ステアリン酸、グルタミン酸及びヒドラジン等が挙げられる。上記松脂としては、活性化松脂及び非活性化松脂等が挙げられる。上記フラックスは、松脂であることが好ましい。松脂の使用により、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。
上記松脂はアビエチン酸を主成分とするロジン類である。上記フラックスは、ロジン類であることが好ましく、アビエチン酸であることがより好ましい。この好ましいフラックスの使用により、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。
銅電極における耐マイグレーション性をより一層良好にする観点からは、上記フラックスはグルタル酸であることが好ましい。
上記フラックスは、バインダー樹脂中に分散されていてもよく、上記導電性粒子の表面上に付着していてもよい。
上記異方性導電材料100重量%中、上記フラックスの含有量は好ましくは0.5重量%以上、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下である。上記フラックスの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、銅電極表面に形成された酸化膜をより一層効果的に除去できる。また、上記フラックスの含有量が上記下限以上であると、フラックスの添加効果がより一層効果的に発現する。上記フラックスの含有量が上記上限以下であると、硬化物の吸湿性がより一層低くなり、接続構造体の信頼性がより一層高くなる。
[他の成分]
上記異方性導電材料は、フィラーを含むことが好ましい。フィラーの使用により、異方性導電材料の硬化物の熱線膨張率が低くなる。上記フィラーの具体例としては、シリカ、窒化アルミニウム、アルミナ、ガラス、窒化ボロン、窒化ケイ素、シリコーン、カーボン、グラファイト、グラフェン及びタルク等が挙げられる。フィラーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。熱伝導率が高いフィラーを用いると、本硬化時間が短くなる。
上記異方性導電材料は、フィラーを含むことが好ましい。フィラーの使用により、異方性導電材料の硬化物の熱線膨張率が低くなる。上記フィラーの具体例としては、シリカ、窒化アルミニウム、アルミナ、ガラス、窒化ボロン、窒化ケイ素、シリコーン、カーボン、グラファイト、グラフェン及びタルク等が挙げられる。フィラーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。熱伝導率が高いフィラーを用いると、本硬化時間が短くなる。
上記異方性導電材料は、溶剤を含んでいてもよい。上記異方性導電フィルムを形成するために、溶剤を用いてもよい。上記接続対象部材の表面上に、溶剤を含む異方性導電材料を塗布し、乾燥により溶剤を除去して、異方性導電フィルムを形成してもよい。
上記溶剤としては、脂肪族系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、パラフィン系溶剤及び石油系溶剤等が挙げられる。
上記溶剤を乾燥除去する温度は、用いる溶剤の種類に応じて適宜設定される。上記溶剤を乾燥除去する温度は、例えば、60〜130℃程度である。上記溶剤を乾燥除去する温度が低いほど、接続対象部材の熱劣化を抑制できる。
熱履歴を受けた場合の接続構造体の接続信頼性をさらに一層高める観点からは、上記異方性導電材料は、チクソ付与剤を含むことが好ましい。該チクソ付与剤としては、エラストマー粒子及びシリカ等が挙げられる。該エラストマー粒子としては、ゴム粒子が挙げられる。該ゴム粒子としては、天然ゴム粒子、イソプレンゴム粒子、ブタジエンゴム粒子、スチレンブタジエンゴム粒子、クロロプレンゴム粒子及びアクリロニトリルブタジエンゴム粒子等が挙げられる。上記シリカは、ナノシリカであることが好ましい。上記ナノシリカの平均粒子径は1000nm未満である。
上記異方性導電材料100重量%中、上記チクソ付与剤の含有量は好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上、好ましくは30重量%以下、より好ましくは15重量%以下である。上記チクソ付与剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、熱履歴を受けた場合の接続構造体の接続信頼性がより一層高くなる。
第1,第2の接続対象部材の接続信頼性をより一層高める観点からは、上記異方性導電材料は、接着付与剤を含むことが好ましい。該接着付与剤としては、カップリング剤及び可撓性材料等が挙げられる。
上記異方性導電材料100重量%中、上記接着付与剤の含有量は好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、好ましくは50重量%以下、より好ましくは25重量%以下である。上記接着付与剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、第1,第2の接続対象部材の接続信頼性がより一層高くなる。
(異方性導電材料の他の詳細)
本発明に係る異方性導電材料は、ペースト状又はフィルム状の異方性導電材料であり、ペースト状の異方性導電材料であることが好ましい。ペースト状の異方性導電材料は、異方性導電ペーストである。フィルム状の異方性導電材料は、異方性導電フィルムである。異方性導電材料が異方性導電フィルムである場合、該導電性粒子を含む異方性導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルム(絶縁フィルム)が積層されてもよい。
本発明に係る異方性導電材料は、ペースト状又はフィルム状の異方性導電材料であり、ペースト状の異方性導電材料であることが好ましい。ペースト状の異方性導電材料は、異方性導電ペーストである。フィルム状の異方性導電材料は、異方性導電フィルムである。異方性導電材料が異方性導電フィルムである場合、該導電性粒子を含む異方性導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルム(絶縁フィルム)が積層されてもよい。
上記異方性導電材料が異方性導電ペーストである場合に、該異方性導電ペーストは、ペースト状の状態で接続対象部材上に塗布される異方性導電ペーストであることが好ましい。
上記異方性導電ペーストの25℃での粘度は、好ましくは3Pa・s以上、より好ましくは5Pa・s以上、好ましくは500Pa・s以下、より好ましくは300Pa・s以下である。上記粘度が上記下限以上であると、異方性導電ペースト中での導電性粒子の沈降を抑制できる。上記粘度が上記上限以下であると、導電性粒子の分散性がより一層高くなる。塗布前の上記異方性導電ペーストの上記粘度が上記範囲内であれば、接続対象部材上に異方性導電ペーストを塗布した後に、硬化前の異方性導電ペーストの流動がより一層抑えられ、さらにボイドがより一層生じ難くなる。
上記異方性導電材料が硬化した硬化物の弾性率は、25℃で好ましくは100MPa以上、好ましくは5GPa以下であり、更に85℃で好ましくは10MPa以上、好ましくは3GPa以下である。上記弾性率が上記下限以上及び上記上限以下であると、熱履歴を受けた場合の接続信頼性が高くなる。
(接続構造体及び接続構造体の製造方法)
本発明に係る接続構造体は、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、上記第1の接続対象部材の上記第1の電極側及び上記第2の接続対象部材の上記第2の電極側に配置されており、かつ上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材との間に配置されている接続部とを備える。上記第1の電極及び上記第2の電極の内の少なくとも一方が銅電極である。上記接続部が、上述した異方性導電材料を硬化させることにより形成されている。上記第1の電極と上記第2の電極とが上記導電性粒子により電気的に接続されている。
本発明に係る接続構造体は、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、上記第1の接続対象部材の上記第1の電極側及び上記第2の接続対象部材の上記第2の電極側に配置されており、かつ上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材との間に配置されている接続部とを備える。上記第1の電極及び上記第2の電極の内の少なくとも一方が銅電極である。上記接続部が、上述した異方性導電材料を硬化させることにより形成されている。上記第1の電極と上記第2の電極とが上記導電性粒子により電気的に接続されている。
本発明に係る接続構造体の製造方法では、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、上述した異方性導電材料とが用いられる。本発明に係る接続構造体の製造方法は、上記第1の接続対象部材の上記第1の電極側及び上記第2の接続対象部材の上記第2の電極側に上記異方性導電材料を配置して、かつ上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材との間に上記異方性導電材料を配置して、上記異方性導電材料により異方性導電材料層を形成する工程と、上記異方性導電材料層を硬化させることにより接続部を形成する工程とを備える。該接続部により上記第1,第2の接続対象部材を接続する。上記第1の電極及び上記第2の電極の内の少なくとも一方が銅電極である。本発明に係る接続構造体の製造方法では、上記第1の電極と上記第2の電極とが上記導電性粒子により電気的に接続されている接続構造体を得る。
図1に、本発明の第1の実施形態に係る接続構造体の一例を模式的に断面図で示す。
図1に示す接続構造体21は、第1の接続対象部材22と、第2の接続対象部材23と、接続部1Aと、絶縁層2Aとを備える。接続部1Aと絶縁層2Aとは、第1,第2の接続対象部材22,23の間に配置されている。第1の接続対象部材22と、接続部1Aと、絶縁層2Aと、第2の接続対象部材23とがこの順で積層されている。
第1の接続対象部材22は表面22a(上面)に、複数の第1の電極22bを有する。第2の接続対象部材23は表面23a(下面)に、複数の第2の電極23bを有する。接続部1Aは導電性粒子3を含む。導電性粒子3は、融点が400℃以上である金属を表面に有する。導電性粒子3は、樹脂粒子と該樹脂粒子の表面上に配置された導電層とを備える。導電性粒子3にかえて金属粒子を用いてもよい。第1の電極22bと第2の電極23bとが、1つ又は複数の導電性粒子3により電気的に接続されている。導電性粒子3と第2の電極23bとの間には、絶縁層2Aは配置されていない。
接続部1A及び絶縁層2Aは、図2(a)に示す多層フィルム11を用いて形成されている。多層フィルム11は、異方性導電フィルム1と、異方性導電フィルム1の一方の表面に積層されている絶縁フィルム2とを備える。異方性導電フィルム1は、導電性粒子3と、加熱により硬化可能な硬化性化合物と、熱カチオン発生剤と、フラックスとを含む。絶縁フィルム2は、バインダー樹脂を含む。絶縁フィルム2は、加熱により硬化可能な硬化性化合物と熱硬化剤とを含むことが好ましい。絶縁フィルム2に含まれている熱硬化剤は、熱カチオン発生剤であってもよい。絶縁フィルム2はフラックスを含んでいてもよい。絶縁フィルム2は、導電性粒子を含まない。異方性導電フィルム1は、導電性粒子3と加熱により硬化可能な硬化性化合物と熱硬化剤とフラックスとを含む異方性導電材料を用いて、該異方性導電材料の溶剤を除去するか又は硬化を進行させることにより形成されていることが好ましい。
接続構造体21を作製する際には、図2(a),(b)に示すように、第1の接続対象部材22の第1の電極22b側及び第2の接続対象部材23の第2の電極23b側に多層フィルム11を配置して、かつ第1の接続対象部材22と第2の接続対象部材23bとの間に多層フィルム11を配置する。この結果、第1の接続対象部材22の第1の電極22b側及び第2の接続対象部材23の第2の電極23b側に異方性導電フィルム1を配置して、かつ第1の接続対象部材22と第2の接続対象部材23との間に異方性導電フィルム1を配置する。異方性導電フィルム1により異方性導電材料層を形成する。絶縁フィルム2により絶縁材料層を形成する。この結果、第1の接続対象部材22と多層フィルム11と第2の接続対象部材23とをこの順で積層された状態になる。具体的には、第1の接続対象部材22と異方性導電フィルム1(異方性導電材料層)と絶縁フィルム2(絶縁材料層)と第2の接続対象部材23とをこの順で積層された状態になる。
第1の接続対象部材22上に、多層フィルム11を積層してもよく、第2の接続対象部材23上に多層フィルム11を積層してもよい。第1の接続対象部材22上に絶縁フィルム2側から多層フィルム11を積層することが好ましい。第2の接続対象部材23上に異方性導電フィルム1側から多層フィルム11を積層することが好ましい。
次に、多層フィルム11を硬化させて接続部1Aと絶縁層2Aとを形成する。第1の接続対象部材1は、絶縁層2Aを介して間接的に接続部1Aにより接続する。接続部1Aと絶縁層2Aとにより第1,第2の接続対象部材22,23を接続する。また、圧着時に異方性導電フィルム1に含まれている導電性粒子3と第2の電極23bとの間の絶縁フィルム2及び異方性導電フィルム1中の導電性粒子ではない他の成分(バインダー樹脂など)を排除する。第1の電極22bと第2の電極23bとを導電性粒子3により電気的に接続する。この結果、図1に示す接続構造体21が得られる。
なお、多層フィルム11を用いずに、異方性導電フィルム1と絶縁フィルム2とを別々に用意してもよい。絶縁フィルムのみが、接続対象部材に予め積層されていてもよい。例えば、銅電極を表面に有する接続対象部材の銅電極側の表面に絶縁層又は絶縁材料層が形成されている積層体と、異方性導電材料と、電極を表面に有する接続対象部材とを用いて、接続構造体を得てもよい。
図3に、本発明の第2の実施形態に係る接続構造体の一例を模式的に断面図で示す。
図3に示す接続構造体41は、第1の接続対象部材22と、第2の接続対象部材23と、第1,第2の接続対象部材22,23を接続している接続部31Aとを備える。接続構造体41は、絶縁層を有さない。接続構造体21と接続構造体41とでは、絶縁層を有するか否か、及び硬化物層のみが異なっている。
第1の接続対象部材22と、接続部31Aと、第2の接続対象部材23とがこの順で積層されている。第1の電極22bと第2の電極23bとが、1つ又は複数の導電性粒子3により電気的に接続されている。
接続部31Aは、導電性粒子3と、加熱により硬化可能な硬化性化合物と、熱硬化剤と、フラックスとを含む異方性導電材料により形成されている。接続部31Aは、図4(a)に示す異方性導電フィルム31を用いて形成されている。異方性導電フィルム31は、導電性粒子3とバインダー樹脂とフラックスとを含む。異方性導電フィルム31は、導電性粒子3と、加熱により硬化可能な硬化性化合物と、熱カチオン発生剤と、フラックスとを含む異方性導電材料を用いて、該異方性導電材料の溶剤を除去するか又は硬化を進行させることにより形成されていることが好ましい。
接続構造体41を作製する際には、図4(a),(b)に示すように、第1の接続対象部材22の第1の電極22b側及び第2の接続対象部材23の第2の電極23b側に異方性導電フィルム31を配置して、かつ第1の接続対象部材22と第2の接続対象部材23との間に異方性導電フィルム31を配置する。この結果、第1の接続対象部材22と異方性導電フィルム31と第2の接続対象部材23とをこの順で積層された状態になる。
異方性導電フィルム31により異方性導電材料層を形成する。第1の接続対象部材上に異方性導電フィルムを積層してもよく、第2の接続対象部材上に異方性導電フィルムを積層してもよい。異方性導電フィルム31にかえて異方性導電ペーストを用いてもよい。第1の接続対象部材上に異方性導電ペーストを塗布してもよく、第2の接続対象部材上に異方性導電ペーストを塗布してもよい。
次に、異方性導電フィルム31を硬化させて接続部31Aを形成する。接続部31Aにより第1,第2の接続対象部材22,23を接続する。第1の電極22bと第2の電極23bとを導電性粒子3により電気的に接続する。この結果、図3に示す接続構造体41が得られる。
上記接続構造体の製造方法では、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材との間に上記異方性導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧することが好ましい。加熱及び加圧により、第1,第2の電極に導電性粒子がより一層効果的に接触する。上記加圧の圧力は9.8×104〜4.9×106Pa程度である。上記加熱の温度は、120〜220℃程度である。
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
また、実施例及び比較例では、異方性導電材料に以下の成分を用いた。
(導電性粒子)
導電性粒子1:ジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−205」、平均粒子径5.0μm)の表面が厚み2μmのニッケル層(融点500℃以上)により被覆されており、該ニッケル層の表面が厚み2μmの金層(融点500℃以上)により被覆されている
導電性粒子2:ジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−205」、平均粒子径5.0μm)の表面が厚み2μmのニッケル層(融点500℃以上)により被覆されている
導電性粒子3:ジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−205」、平均粒子径5.0m)の表面が厚み2μmのニッケル層(融点500℃以上)により被覆されており、該ニッケル層の表面が厚み2μmのパラジウム層(融点500℃以上)により被覆されている
導電性粒子4:ジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−205」、平均粒子径5.0μm)の表面が厚み2μmの銅層(融点500℃以上)により被覆されている
導電性粒子1:ジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−205」、平均粒子径5.0μm)の表面が厚み2μmのニッケル層(融点500℃以上)により被覆されており、該ニッケル層の表面が厚み2μmの金層(融点500℃以上)により被覆されている
導電性粒子2:ジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−205」、平均粒子径5.0μm)の表面が厚み2μmのニッケル層(融点500℃以上)により被覆されている
導電性粒子3:ジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−205」、平均粒子径5.0m)の表面が厚み2μmのニッケル層(融点500℃以上)により被覆されており、該ニッケル層の表面が厚み2μmのパラジウム層(融点500℃以上)により被覆されている
導電性粒子4:ジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−205」、平均粒子径5.0μm)の表面が厚み2μmの銅層(融点500℃以上)により被覆されている
(バインダー樹脂)
熱硬化性化合物1(エポキシ基含有アクリル樹脂、三菱化学社製「ブレンマーCP−30」)
熱硬化性化合物2(ビスフェノールA型エポキシ化合物、三菱化学社製「YL980」)
熱硬化性化合物3(レゾルシノール型エポキシ化合物、ナガセケムテックス社製「EX−201」)
熱硬化性化合物4(CTBN変性エポキシ樹脂、ADEKA社製「EPR−4023」)
熱硬化性化合物1(エポキシ基含有アクリル樹脂、三菱化学社製「ブレンマーCP−30」)
熱硬化性化合物2(ビスフェノールA型エポキシ化合物、三菱化学社製「YL980」)
熱硬化性化合物3(レゾルシノール型エポキシ化合物、ナガセケムテックス社製「EX−201」)
熱硬化性化合物4(CTBN変性エポキシ樹脂、ADEKA社製「EPR−4023」)
熱硬化剤1(イミダゾール化合物、四国化成工業社製「2P−4MZ」)
熱硬化剤2(イミダゾール化合物、日本曹達社製「TEP−2E4MZ」)
熱硬化剤3(アミン化合物、味の素ケミカル社製「MY−24」)
熱硬化剤2(イミダゾール化合物、日本曹達社製「TEP−2E4MZ」)
熱硬化剤3(アミン化合物、味の素ケミカル社製「MY−24」)
熱カチオン発生剤1(下記式(11)で表される化合物、加熱によりリン原子を含む無機酸イオンを放出する化合物)
熱カチオン発生剤2(下記式(12)で表される化合物、加熱によりアンチモン原子を含む無機酸イオンを放出する化合物)
熱カチオン発生剤3(下記式(13)で表される化合物、加熱によりホウ素原子を含む有機酸イオンを放出する化合物)
接着付与剤:信越化学工業社製「KBE−403」
(フラックス)
フラックス1:和光純薬社製「グルタル酸」
フラックス2:ロジン
フラックス1:和光純薬社製「グルタル酸」
フラックス2:ロジン
(実施例1〜7及び比較例1〜3)
下記の表1に示す成分を下記の表1に示す配合量で配合して、異方性導電ペーストを得た。
下記の表1に示す成分を下記の表1に示す配合量で配合して、異方性導電ペーストを得た。
(評価)
(1)接続構造体Aの作製
L/Sが100μm/100μmの銅電極パターンを上面に有するガラスエポキシ基板(FR−4基板)を用意した。また、L/Sが100μm/100μmの銅電極パターンを下面に有するフレキシブルプリント基板を用意した。
(1)接続構造体Aの作製
L/Sが100μm/100μmの銅電極パターンを上面に有するガラスエポキシ基板(FR−4基板)を用意した。また、L/Sが100μm/100μmの銅電極パターンを下面に有するフレキシブルプリント基板を用意した。
上記ガラスエポキシ基板の上面に、作製直後の異方性導電材料を厚さ50μmとなるように塗工し、異方性導電材料層を形成した。このとき、溶剤を含む異方性導電ペーストに関しては溶剤乾燥を行った。次に、異方性導電材料層の上面に上記フレキシブルプリント基板を、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電材料層の温度が185℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、フレキシブルプリント基板の上面に加圧加熱ヘッドを載せ、2.0MPaの圧力をかけて、異方性導電材料層を185℃で硬化させて、接続構造体Aを得た。
(2)接続構造体Bの作製
フェノキシ樹脂(三菱化学社製「4275」)35重量部とポリエーテルエステルアミド樹脂(下記合成例1で合成)20重量部と有機過酸化物(日油社製「パーブチルO」)0.01重量部とを配合して、遊星式攪拌機を用いて2000rpmで10分間攪拌することにより、配合物を得た。得られた配合物を、ナイロン製ろ紙(孔径10μm)を用いてろ過することにより、絶縁材料を得た。
フェノキシ樹脂(三菱化学社製「4275」)35重量部とポリエーテルエステルアミド樹脂(下記合成例1で合成)20重量部と有機過酸化物(日油社製「パーブチルO」)0.01重量部とを配合して、遊星式攪拌機を用いて2000rpmで10分間攪拌することにより、配合物を得た。得られた配合物を、ナイロン製ろ紙(孔径10μm)を用いてろ過することにより、絶縁材料を得た。
(合成例1)
3Lのセパラブルフラスコに、プリポール1009(式:HOOC−(CH2)34−COOH、クローダジャパン社製、分子量567)219重量部と、エチレンジアミン(分子量60)5重量部と、ピペラジン(分子量86)27重量部と、5重量%亜リン酸水溶液0.8重量部とを入れた。水分離管を取り付け、窒素フロー下にて、攪拌しながら190℃まで昇温し、重量平均分子量が1400になるまで重縮合反応を行った。その後、ドデカン二酸(東京化成工業社製)83重量部を添加し、内容物が透明になるまで190℃で攪拌した。その後、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学社製「PTMG1000」、重量平均分子量1000)358重量部と、イルガノックス1098(BASFジャパン社製)1重量部とを添加し、均一になるまで攪拌した。その後、三酸化アンチモン0.1重量部とモノブチルヒドロキシスズオキシド0.1重量部とを添加し、250℃まで昇温し、30分間攪拌した。1mmHgまで減圧し、250℃で4時間反応を行った。
3Lのセパラブルフラスコに、プリポール1009(式:HOOC−(CH2)34−COOH、クローダジャパン社製、分子量567)219重量部と、エチレンジアミン(分子量60)5重量部と、ピペラジン(分子量86)27重量部と、5重量%亜リン酸水溶液0.8重量部とを入れた。水分離管を取り付け、窒素フロー下にて、攪拌しながら190℃まで昇温し、重量平均分子量が1400になるまで重縮合反応を行った。その後、ドデカン二酸(東京化成工業社製)83重量部を添加し、内容物が透明になるまで190℃で攪拌した。その後、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学社製「PTMG1000」、重量平均分子量1000)358重量部と、イルガノックス1098(BASFジャパン社製)1重量部とを添加し、均一になるまで攪拌した。その後、三酸化アンチモン0.1重量部とモノブチルヒドロキシスズオキシド0.1重量部とを添加し、250℃まで昇温し、30分間攪拌した。1mmHgまで減圧し、250℃で4時間反応を行った。
このようにして、重量平均分子量が32000、融点が120℃であるポリエーテルエステルアミド樹脂(ポリアミド・ポリエステルプロックポリマー)を得た。
上記ポリエーテルエステルアミド樹脂60重量部に、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成社製)1.5重量部と、イルガノックス1010(BASFジャパン社製)0.1重量部と、p―メトキシフェノール(和光純薬社製)0.1重量部とを添加し、均一になるまで撹拌した。その後、ナフテン酸クロム溶液0.5重量部を添加し、85℃まで昇温したのち、85℃で12時間反応を行い、ポリエーテルエステルアミド樹脂を得た。得られたポリエーテルエステルアミド樹脂は末端に、アクリロイル基を1つ有する。
バンプサイズが20μm×100μm、ピッチが30μmである銅バンプ(突出した電極、高さ12μm)を上面に有する半導体ウェーハ(厚み400μm)を用意した。この半導体ウェーハの上面全面に、得られた絶縁材料をスピンコートにより塗布した。その後、80℃オーブン内にて20分間溶剤を乾燥により除去し、複数の電極上と該複数の電極間の隙間上とに、複数の電極を覆うように絶縁材料層(フィルム状の絶縁材料層)を形成した。突出した電極上の絶縁材料層の厚みは4μm、突出した複数の電極間の隙間上の絶縁材料層の厚みは15μmであった。
その後、ダイサー(DISCO社製「DFD6361」)を用いて、絶縁材料層付き半導体ウェーハをダイシングし、15mm×1.6mm×0.415mmの大きさに個片化した。このようにして、突出した複数の電極を上面に有する半導体チップ(分割後半導体ウェーハ、第1の接続対象部材)と、複数の電極上と該複数の電極間の隙間上とに絶縁材料層とを有する第1の積層体を得た。
L/Sが20μm/10μmのITO電極を上面に有するガラス基板(第2の接続対象部材)を用意した。該ガラス基板上に、得られた異方性導電材料を厚さ20μmとなるようにスクリーン印刷により塗工し、異方性導電材料層を形成し、第2の積層体を得た。
次に、得られた第2の積層体の異方性導電材料層のガラス基板側と反対の表面上に、得られた第1の積層体を絶縁材料層側から電極/バンプ同士が対向するように積層した。その後、異方性導電材料層の温度が185℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、2.0MPaの圧力をかけて、異方性導電材料層を185℃で硬化させて、接続構造体Bを得た。
(3)接続構造体Cの作製
離型PETフィルム上に、得られた異方性導電材料を厚さ20μmとなるようにスクリーン印刷により塗工し、異方性導電材料層(異方性導電フィルム)を形成した。このとき、溶剤を含む異方性導電ペーストに関しては溶剤乾燥を行った。
離型PETフィルム上に、得られた異方性導電材料を厚さ20μmとなるようにスクリーン印刷により塗工し、異方性導電材料層(異方性導電フィルム)を形成した。このとき、溶剤を含む異方性導電ペーストに関しては溶剤乾燥を行った。
また、離型PETフィルム上に、接続構造体Bの作製で得られた絶縁材料を厚さ4μmとなるようにスピンコートにより塗布し、絶縁材料層(絶縁フィルム)を形成した。異方性導電フィルムと絶縁フィルムとを積層し、多層フィルムを得た。
L/Sが100μm/100μmの銅電極パターンを上面に有するガラスエポキシ基板(FR−4基板)を用意した。また、L/Sが100μm/100μmの銅電極パターンを下面に有するフレキシブルプリント基板を用意した。
上記ガラスエポキシ基板の上面に、得られた多層フィルムを異方性導電フィルム側から積層し、異方性導電材料層及び絶縁材料層を形成した。次に、絶縁フィルム上に上記フレキシブルプリント基板を、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電材料層の温度が185℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、フレキシブルプリント基板の上面に加圧加熱ヘッドを載せ、2.0MPaの圧力をかけて、異方性導電材料層を185℃で硬化させて、接続構造体Cを得た。
(4)導通性
得られた接続構造体A,B,Cの20箇所の抵抗値を4端子法にて評価した。導通性を下記の基準で判定した。
得られた接続構造体A,B,Cの20箇所の抵抗値を4端子法にて評価した。導通性を下記の基準で判定した。
[導通性の判定基準]
○:全ての箇所で抵抗値が3Ω以下にある
△:抵抗値が3Ωを超える箇所が1箇所以上ある
×:全く導通していない箇所が1箇所以上ある
○:全ての箇所で抵抗値が3Ω以下にある
△:抵抗値が3Ωを超える箇所が1箇所以上ある
×:全く導通していない箇所が1箇所以上ある
(5)絶縁性
得られた接続構造体A,B,Cの隣り合う電極20個においてリークが生じているか否かを、テスターで測定した。絶縁性を下記の基準で判定した。
得られた接続構造体A,B,Cの隣り合う電極20個においてリークが生じているか否かを、テスターで測定した。絶縁性を下記の基準で判定した。
[絶縁性の判定基準]
○:リーク箇所が全くない
×:リーク箇所がある
○:リーク箇所が全くない
×:リーク箇所がある
(6)耐マイグレーション性
得られた接続構造体A,B,Cの互いに絶縁された測定用端子間に20Vの電圧を印加した状態で85℃及び85%RHの雰囲気下にて500時間暴露した(絶縁信頼性試験)。この間、測定用端子間の抵抗値変化を測定した。抵抗値が105Ω以下となった場合を絶縁不良と判断した。耐マイグレーション性を下記基準で判定した。
得られた接続構造体A,B,Cの互いに絶縁された測定用端子間に20Vの電圧を印加した状態で85℃及び85%RHの雰囲気下にて500時間暴露した(絶縁信頼性試験)。この間、測定用端子間の抵抗値変化を測定した。抵抗値が105Ω以下となった場合を絶縁不良と判断した。耐マイグレーション性を下記基準で判定した。
[耐マイグレーション性の判定基準]
○○:10個の接続構造体のうち、絶縁不良が生じている接続構造体がなく、かつ絶縁信頼性試験後の平均抵抗値が107Ω以上
○:10個の接続構造体のうち、絶縁不良が生じている接続構造体がなく、かつ絶縁信頼性試験後の平均抵抗値が106Ω以上、107Ω未満
△:10個の接続構造体のうち、絶縁不良が生じている接続構造体がなく、かつ絶縁信頼性試験後の平均抵抗値が105Ω以上、106Ω未満
×:10個の接続構造体のうち、絶縁不良が生じている接続構造体が1個以上ある
結果を下記の表1に示す。
○○:10個の接続構造体のうち、絶縁不良が生じている接続構造体がなく、かつ絶縁信頼性試験後の平均抵抗値が107Ω以上
○:10個の接続構造体のうち、絶縁不良が生じている接続構造体がなく、かつ絶縁信頼性試験後の平均抵抗値が106Ω以上、107Ω未満
△:10個の接続構造体のうち、絶縁不良が生じている接続構造体がなく、かつ絶縁信頼性試験後の平均抵抗値が105Ω以上、106Ω未満
×:10個の接続構造体のうち、絶縁不良が生じている接続構造体が1個以上ある
結果を下記の表1に示す。
1…異方性導電フィルム
1A…接続部
2…絶縁フィルム
2A…絶縁層
3…導電性粒子
11…多層フィルム
21…接続構造体
22…第1の接続対象部材
22a…表面
22b…第1の電極
23…第2の接続対象部材
23a…表面
23b…第2の電極
31…異方性導電フィルム
31A…接続部
41…接続構造体
1A…接続部
2…絶縁フィルム
2A…絶縁層
3…導電性粒子
11…多層フィルム
21…接続構造体
22…第1の接続対象部材
22a…表面
22b…第1の電極
23…第2の接続対象部材
23a…表面
23b…第2の電極
31…異方性導電フィルム
31A…接続部
41…接続構造体
Claims (8)
- 銅電極を表面に有する接続対象部材の接続に用いられる異方性導電材料であって、
融点が400℃以上である金属を表面に有する導電性粒子と、
加熱により硬化可能な硬化性化合物と、
熱カチオン発生剤と、
フラックスとを含む、異方性導電材料。 - 前記熱カチオン発生剤のアニオン部分がB(C6F5)4 −で表される、請求項1に記載の異方性導電材料。
- 前記融点が400℃以上である金属が、金、ニッケル、パラジウム又は銅を含む、請求項1又は2に記載の異方性導電材料。
- 前記銅電極を表面に有する接続対象部材が、半導体ウェーハ又は半導体チップである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の異方性導電材料。
- 前記銅電極を表面に有する接続対象部材において、前記銅電極側に絶縁材料を介して積層されて用いられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の異方性導電材料。
- フィルム状の異方性導電フィルムである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の異方性導電材料。
- 第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、
第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、
前記第1の接続対象部材の前記第1の電極側及び前記第2の接続対象部材の前記第2の電極側に配置されており、かつ前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材との間に配置されている接続部とを備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極の内の少なくとも一方が銅電極であり、
前記接続部が、請求項1〜6のいずれか1項に記載の異方性導電材料を硬化させることにより形成されており、
前記第1の電極と前記第2の電極とが前記導電性粒子により電気的に接続されている、接続構造体。 - 第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、請求項1〜6のいずれか1項に記載の異方性導電材料とを用いて、
前記第1の接続対象部材の前記第1の電極側及び前記第2の接続対象部材の前記第2の電極側に前記異方性導電材料を配置して、かつ前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材との間に前記異方性導電材料を配置して、前記異方性導電材料により異方性導電材料層を形成する工程と、
前記異方性導電材料層を硬化させることにより接続部を形成する工程とを備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極の内の少なくとも一方が銅電極であり、
前記第1の電極と前記第2の電極とが前記導電性粒子により電気的に接続されている接続構造体を得る、接続構造体の製造方法。
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