JP2012230892A - 空気電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電解液としてアルカリ性水溶液を用いた場合でも、本体内での負極の脱落が防止された空気電池の提供。
【解決手段】正極触媒を含む正極21、負極22、正極21に空気を補給する空気補給口201、及び負極22を支持する面(上面)23aを有する拡散部材23が設けられた本体部2Aと、電解液3と、本体部2Aに電解液3を循環させる循環手段(貯留部4、送液手段5及び配管6)とを備え、負極22は、負極補給口202から本体部2Aに連続的に補充可能とされ、電解液3が拡散部材23の内部を通過して、負極22の拡散部材23により支持される面(底面)22aに到達可能とされた空気電池1。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気電池に関する。
空気電池は、正極活物質として空気中の酸素を用いる電池である。
空気中の酸素を正極活物質として使用可能なため、空気電池本体の大部分は負極で構成できる。そのため、他の電池と比べて高エネルギー密度の電池が得られるという利点を有する。
一方、空気電池の負極活物質は、一般的には亜鉛やアルミニウム合金であり、これらは放電反応で金属酸化物や金属水酸化物を生成する。特に、アルミニウム合金を負極に用いたアルミニウム空気電池は、高エネルギー密度であることが知られている。
また、従来のアルミニウム空気電池の電解液としては、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化アルミニウム(AlCl)、塩化マンガン(II)(MnCl)などの電解質を水に溶解させた中性水溶液、又は水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)などの電解質を水に溶解させたアルカリ性水溶液が用いられている。
しかしながら、中性水溶液を電解液として用いた場合には、アルミニウム電極上の酸化被膜が中性水溶液に不溶であるため、負荷がかかった状態で動作し、動作電圧及び電流効率が低いという問題点があった。
一方、アルカリ性水溶液を電解液として用いた場合には、動作電圧および電流効率が高いものの、電池が無負荷な状態におけるアルミニウム合金の腐食(いわゆる、自己腐食)、すなわち自己放電が大きいという問題点があった。
そこで、アルカリ性水溶液を電解液として用いた場合の上記問題点を解決する空気電池として、負極としてのアルミニウムブロックを連続的に補給口から電池本体に補充する構成を持つ空気電池が開示されている(非特許文献1参照)。この空気電池では、補充されたアルミニウムブロックは、電解液中で負極集電体の突起部分により、点接触又は線接触によって支持され、その補給口を介して、大気開放されている(非特許文献1の図3−7−4参照)。
松田好晴 著他、「電池便覧」、丸善株式会社出版、平成2年8月20日、P.313−315
しかしながら、非特許文献1に記載の空気電池では、アルミニウムブロックは電解液と接している面で溶解反応が進行するが、アルミニウムブロックと負極集電体との接触部での溶解反応がより優先的に進行するために、補充されたアルミニウムブロックが本体内で脱落してしまい、負極の利用率が低下してしまうという問題点があった。
本発明の課題は、電解液としてアルカリ性水溶液を用いた場合でも、本体内での負極の脱落が防止された空気電池を提供することである。
本発明は、正極触媒を含む正極、負極、及び前記負極を支持する面を有する拡散部材が設けられた本体部と、前記正極に空気を補給する空気補給口と、電解液と、前記本体部に前記電解液を循環させる循環手段と、を備えた空気電池であって、前記負極は、負極補給口から前記本体部に連続的に補充可能とされ、前記電解液が前記拡散部材の内部を通過して、前記負極の前記拡散部材により支持された面に到達可能とされた空気電池を提供する。
前記空気電池においては、前記拡散部材が、前記電解液と反応しない多孔質絶縁材料からなることが好ましい。
前記空気電池においては、前記多孔質絶縁材料がジルコニアであることが好ましい。
前記空気電池においては、前記本体部内の電解液が前記負極補給口側で外部から遮蔽された、遮蔽構造が設けられていることが好ましい。
前記空気電池においては、前記遮蔽構造が、前記本体部内で前記負極と前記本体部との間を封止した第一のパッキングを有することが好ましい。
前記空気電池においては、前記第一のパッキングが、さらに前記拡散部材に接して配置されていることが好ましい。
前記空気電池においては、前記遮蔽構造が、さらに前記本体部内で前記負極と前記本体部との間を封止した第二のパッキングを有することが好ましい。
前記空気電池においては、前記第一のパッキングと、前記第二のパッキングとの間の空隙部に、前記負極と反応しない気体又は液体が封入されていることが好ましい。
前記空気電池においては、前記第一のパッキング及び第二のパッキングのいずれか一方又は両方が、O字状であることが好ましい。
前記空気電池においては、前記負極が角柱状又は円柱状であることが好ましい。
前記空気電池においては、前記負極がアルミニウム又はアルミニウム合金からなることが好ましい。
前記空気電池においては、前記負極がアルミニウム合金からなり、前記アルミニウム合金が下記条件を満たすことが好ましい:
マグネシウムの含有量が0.0001〜8質量%であり、
下記(a)及び(b)の少なくとも一方を満たし、
(a)鉄の含有量が0.0001〜0.03質量%
(b)ケイ素の含有量が0.0001〜0.02質量%
且つ、アルミニウム、マグネシウム、ケイ素及び鉄以外の元素の含有量が、それぞれ0.005質量%以下である。
前記空気電池においては、前記アルミニウム合金における、アルミニウム及びマグネシウム以外の元素の含有量の合計値が0.1質量%以下であることが好ましい。
前記空気電池においては、前記負極がアルミニウム合金からなり、前記アルミニウム合金が、合金マトリックス中に金属間化合物粒子を含み、前記合金の表面において観察される前記金属間化合物粒子のうち、表面積が0.1μm以上100μm未満の粒子の密度が1000個/mm以下であり、100μm以上の粒子の密度が10個/mm以下であり、且つ、前記合金の表面単位面積あたりの前記金属間化合物粒子の占有面積が、0.5%以下であることが好ましい。
前記空気電池においては、前記電解液が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選ばれる一種以上の電解質を含有する水溶液であることが好ましい。
前記空気電池においては、前記正極触媒が、二酸化マンガン又は白金を含むことが好ましい。
前記空気電池においては、前記正極触媒が、一般式「ABO」で表されるペロブスカイト型複合酸化物を含むことが好ましく、Aはランタン、ストロンチウム及びカルシウムからなる群より選ばれる二種以上の元素を含むことが好ましく、Bはマンガン、鉄、クロム及びコバルトからなる群より選ばれる一種以上の元素を含むことが好ましい。
前記空気電池においては、前記空気補給口から補給された空気のうち、酸素を透過させて前記酸素を前記正極に到達させる酸素選択透過膜が設けられていることが好ましい。
前記空気電池においては、前記酸素選択透過膜の表面に対する前記電解液の接触角が90°以上であることが好ましい。
前記空気電池においては、前記接触角が150°以上であることが好ましい。
前記空気電池においては、前記酸素選択透過膜の酸素選択係数が、400×10−10cm・cm/cm・s・cmHg以上であることが好ましい。
前記空気電池においては、前記酸素選択透過膜の酸素/二酸化炭素の選択透過性が、0.15以上であることが好ましい。
本発明によれば、電解液としてアルカリ性水溶液を用いた場合でも、本体内での負極の脱落が防止された空気電池を提供できる。
本発明に係る空気電池の第一の実施形態を例示する概略構成図である。 図1に示す空気電池における正極の拡大断面図である。 図1に示す空気電池における正極の構成を例示する正面図である。 本発明に係る空気電池の第二の実施形態における本体部を例示する概略断面図である。 本発明に係る空気電池の第三の実施形態における本体部を例示する概略断面図である。 本発明に係る空気電池の第四の実施形態における本体部を例示する概略断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る空気電池の第一の実施形態を例示する概略構成図である。
ここに示す空気電池1は、本体部2Aと、電解液3と、電解液3が充填された貯留部4と、電解液3を送液する送液手段5と、配管6と、を備える。本体部2A、貯留部4及び送液手段5は、配管6により相互に接続され、送液手段5の作動時に、本体部2Aに電解液3が連続的に供給(循環)可能となっている。すなわち、貯留部4、送液手段5及び配管6は、空気電池1において、本体部2Aに電解液3を循環させるための循環手段として機能する。図1においては、説明を判り易くするために、本体部2Aの一部のみ断面表示している。
本体部2Aには、正極触媒を含む正極21、負極22、正極21に空気を補給する空気補給口201、及び負極22を支持する面を有する拡散部材23が設けられている。空気補給口201、正極21、拡散部材23及び負極22が、下方から上方に向けてこの順に配置されている。
負極22は、円柱状、だ円柱状、角柱状等の柱状であることが好ましい。
負極22は、本体部2Aの上部に開口された負極補給口202より、本体部2Aの内部に挿入され、本体部2Aの内表面203の凸部によってガイドされると共に、拡散部材23の上面23aによって、底面22aにおいて支持されている。このように、負極22は、本体部2Aにおいて、着脱可能に配置されている。また、負極補給口202より外側に位置する負極22の表面には、負極リード24の一端が接触して配置され、その他端は螺子25によって本体部2Aの上面に固定されている。負極リード24の固定方法は、ここに示す螺子留め以外の方法でもよい。
図2は、正極21の拡大断面図である。ここに示すように、正極21は、貫通孔を多数有するメッシュ状の正極集電体21a、正極触媒層21b、及び多孔質性の疎水性膜21cがこの順に積層されてなる。さらに、ここに示す正極21は、前記積層体が、開口部を有するリング状の二つのゴム製板21d,21dによって挟み込まれている。正極21は、疎水性膜21cが、空気補給口201の方向、すなわち本体部2Aの外側(図1において下側)を向くように配置されている。したがって、図2における正極21の下側のゴム製板21dのうち、内周部寄りの表面に接触して、拡散部材23が配置されている。また、正極集電体21aには、ニッケル等の金属からなる外部接続用の端子21eが接続されている。
図3は、正極21の構成を例示する正面図である。図3(a)は、正極集電体21a上に正極触媒層21bが形成された第一の積層体210aを例示する正面図である。図3(b)は、さらに、図3(a)の第一の積層体210aの正極集電体21a上に、正極触媒層21bを覆うようにして、疎水性膜21cが積層された第二の積層体210bを例示する正面図である。図3(c)は、さらに、図3(b)の第二の積層体210bが、二つのゴム製板21d,21dによって挟み込まれて形成された正極21を例示する正面図である。正極21は、上記のように、各層を積層し、二つのゴム製板21d,21dで挟み込むことで作製できる。
本体部2Aの側面には、内部に配置された拡散部材23に対して電解液3を供給及び回収して、電解液3を循環させるための二つの第一のノズル261,261が設けられている。すなわち、本体部2Aは、第一のノズル261,261を介して、配管6により貯留部4及び送液手段5と接続されている。
また、本体部2Aの側面には、内部の負極22の配置部位に接続するように、二つの第二のノズル262,262が設けられている。これら第二のノズル262,262を、開放又は閉塞することで、本体部2Aの内部を外部に対して開放又は遮断するように調節できる。開放時には、例えば、第二のノズル262を介して外部から洗浄液を供給することで、本体部2Aの内部を洗浄できる。また、電解液3の循環時に、第二のノズル262を介して外部から加圧することで、負極22の配置部位への電解液3の漏れを抑制できる。
正極集電体21a、正極触媒層21b、及び疎水性膜21cは、いずれも公知の材料でよい。
好ましい正極集電体21aとしては、ステンレス等の合金製の材料が例示できる。
好ましい正極触媒層21bとしては、アセチレンブラック等の導電材と、二酸化マンガン(MnO)又は白金(Pt)等の酸素還元触媒(正極触媒)と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の結着剤とを含有する材料が例示できる。また、正極触媒として一般式「ABO」で表されるペロブスカイト型複合酸化物を含む材料も例示できる。かかる複合酸化物は、Aサイトにランタン、ストロンチウム及びカルシウムからなる群より選ばれる二種以上の元素を含み、Bサイトにマンガン、鉄、クロム及びコバルトからなる群より選ばれる一種以上の元素を含む。
好ましい疎水性膜21cとしては、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂製の多孔質膜が例示できる。疎水性膜21cが設けられていることにより、空気補給口201からの電解液3の漏れがより抑制される。
拡散部材23は、その上面23aが負極22を支持する面(支持面)となっている板状の部材である。ただし、形状はこれに限定されず、負極22の前記支持面を有していれば、ブロック状等、他の形状でもよい。
拡散部材23は、多孔質体等、電解液3が内部を通過可能な構造を有し、その材料は、絶縁性を有し、且つ電解液3と反応しない材料であればよく、好ましくはジルコニア(二酸化ジルコニウム、ZrO)が例示できる。
拡散部材23の多孔度は、特に限定されないが、強度を損なうことなく、後述するように電解液3に効率よく乱流を生じさせるためには、30〜70%であることが好ましい。多孔度の下限値としては、35%以上がより好ましく、40%以上がさらに好ましい。多孔度の上限値としては、65%以下がより好ましく、60%以下がさらに好ましい。
拡散部材23の大きさは、負極22の大きさや電解液3の送液量等を考慮して適宜調節すればよい。例えば、厚さは、負極22の拡散部材23との接触面である底面22a(拡散部材23により支持される面)の面積が20〜180mmである場合には、2〜8mmであることが好ましい。上記厚さは3mm以上であることがより好ましく、4mm以上であることがさらに好ましい。また、上記厚さは7mm以下であることがより好ましく、6mm以下であることがさらに好ましい。上面23aの面積は、負極22の前記底面22aの面積に対して2〜6倍であることが好ましい。負極22の前記底面22aの面積に対する、上面23aの面積の下限値として、3倍以上がより好ましい。また、上限値として、5倍以下であることがより好ましく、4倍以下であることがさらに好ましい。
負極22は公知の材料でよく、アルミニウム、亜鉛、鉄、及びこれらのいずれかの合金が例示できる。なかでも、発電性能に優れることから、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
前記アルミニウム合金は、(i)マグネシウムの含有量が0.0001〜8質量%であることが好ましい。また、(ii)前記アルミニウム合金は、下記(a)及び(b)の少なくとも一方を満たすことが好ましい:
(a)鉄の含有量が0.0001〜0.03質量%
(b)ケイ素の含有量が0.0001〜0.02質量%。
また、(iii)前記アルミニウム合金は、アルミニウム、マグネシウム、ケイ素及び鉄以外の元素の含有量が、それぞれ0.005質量%以下であることが好ましい。
本発明において、前記アルミニウム合金は、前記(i)〜(iii)のいずれか一つ以上を満たすことが好ましく、前記(i)〜(iii)をすべて満たすことがより好ましい。前記(i)〜(iii)をすべて満たす場合、前記アルミニウム合金は、さらに、アルミニウム及びマグネシウム以外の元素の含有量の合計値が0.1質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以下であることがさらに好ましい。下限値としては、0.0001質量%以上が好ましい。前記アルミニウム合金における各元素の含有量は、例えば、発光分光分析装置、グロー放電質量分析装置等により測定できる。
前記マグネシウムの含有量は、0.001質量%以上であることがより好ましく、0.005質量%以上であることがさらに好ましい。また、前記マグネシウムの含有量は、7質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
前記鉄の含有量は、0.0005質量%以上がより好ましく、0.001質量%以上がさらに好ましい。また、前記鉄の含有量は、0.02質量%以下がより好ましく、0.01質量%以下がさらに好ましい。
前記ケイ素の含有量は、0.0005質量%以上がより好ましく、0.001質量%以上がさらに好ましい。また、前記ケイ素の含有量は、0.01質量%以下がより好ましく、0.005質量%以下がさらに好ましい。
前記アルミニウム、マグネシウム、ケイ素及び鉄以外の元素の含有量は、それぞれ0.002質量%以下がより好ましく、0.001質量%以下がさらに好ましい。また、前記アルミニウム、マグネシウム、ケイ素及び鉄以外の元素の含有量は、それぞれ0質量%でもよい。
前記アルミニウム合金は、好ましくは合金マトリックス中に金属間化合物粒子を含む。この場合、合金表面において観察される前記金属間化合物粒子のうち、(iv)表面積が0.1μm以上100μm未満の粒子の密度は1000個/mm以下であることが好ましく、(v)100μm以上の粒子の密度は10個/mm以下であることが好ましい。前記金属間化合物粒子の表面積は、例えば、電子顕微鏡等により粒子を観察することで算出できる。前記金属間化合物粒子の密度は、例えば、合金表面における対象粒子の数を電子顕微鏡等により測定することで算出できる。
また、(vi)合金の表面単位面積あたりの前記金属間化合物粒子の占有面積は、0.5%以下であることが好ましい。合金の表面における前記金属間化合物粒子の占有面積は、例えば、電子顕微鏡等により合金の表面を観察することで測定できる。
本発明において、前記アルミニウム合金は、前記(iv)〜(vi)のいずれか一つ以上を満たすことが好ましく、前記(iv)〜(vi)をすべて満たすことがより好ましい。
前記金属間化合物粒子のうち、前記表面積が0.1μm以上100μm未満の粒子の密度は、800個/mm以下であることがより好ましく、700個/mm以下であることがさらに好ましい。また、前記表面積が0.1μm以上100μm未満の粒子の密度は、0個/mmでもよい。
前記金属間化合物粒子のうち、前記表面積が100μm以上の粒子の密度は、7個/mm以下であることがより好ましく、5個/mm以下であることがさらに好ましい。また、前記表面積が100μm以上の粒子の密度は、0個/mmでもよい。
前記合金の表面単位面積あたりの前記金属間化合物粒子の占有面積は、0.3%以下ことがより好ましく、0.1%以下であることがさらに好ましい。また、前記合金の表面単位面積あたりの前記金属間化合物粒子の占有面積は、0.001%以上であることが好ましい。
本体部2Aにおける、正極21、負極22、拡散部材23等の上記で説明した各部材以外の部分(以下、「外装材」という。)の材料は、例えば、電解液3と反応しない材料等、本発明の効果を妨げない材料であれば、特に限定されない。好ましい材料としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の各種樹脂が例示できる。
電解液3は公知の材料でよく、例えば、中性水溶液及びアルカリ性水溶液のいずれでもよい。
前記中性水溶液としては、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化アルミニウム(AlCl)、塩化マンガン(II)(MnCl)等の電解質を含有する水溶液が例示できる。
前記アルカリ性水溶液としては、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化バリウム(Ba(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))等の電解質を含有する水溶液が例示できる。
電解液3の電解質は、一種のみでもよいし二種以上でもよい。二種以上である場合、その組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
貯留部4は、電解液3と反応しない材料から構成されていればよく、好ましい材料として、ポリプロピレン等の各種樹脂製の容器が例示できる。
送液手段5としては、液体を送液し得る手段であればよく、通常の送液ポンプが使用できる。
配管6は、電解液3と反応しない材料から構成されていればよく、貯留部4と同様の材料でよい。
空気電池1は、以下のように動作する。すなわち、本体部2Aの内部に負極22を挿入した状態で、送液手段5を作動させると、図中の矢印で示す方向に、配管6内で電解液3が送液される。これにより、上流側(送液手段5に近い側)の第一のノズル261を経由して、電解液3が本体部2Aの内部に配置された拡散部材23に供給される。そして、電解液3は、板状の拡散部材23に対して、その側面から内部に侵入し、通過して、負極22の拡散部材23によって支持されている面(底面22a)と、場合によってはその近傍の側面に到達し、負極22と接触する。また、電解液3は、正極21とも接触する。この時、多孔質体である拡散部材23の内部では、電解液3の乱流が生じ易く、その結果、放電で生じた生成物が負極22に付着せずに円滑に除去されて、負極22と電解液3とが効率的に接触すると推測される。その結果、従来よりも優れた発電性能が得られる。拡散部材23を通過した電解液3は、下流側(送液手段5から遠い側)の第一のノズル261から本体部2Aの外部に排出され、配管6を介して貯留部4に回収され、再度本体部2Aに供給されて、循環する。
発電により、負極22は、拡散部材23側の部位(下側)から消費され、長手方向の長さが徐々に短くなっていくが、新たな負極22を別途、負極補給口202より本体部2Aの内部に挿入することで連続的に補充でき、連続発電が可能である。この時、負極22は、本体部2Aの内表面203の凸部によってガイドされると共に、拡散部材23の上面23aによって、面接触によって支持されているので、本体部2Aの内部で安定して保持され、脱落が防止される。
ここでは正極21として、正極触媒層21b上に多孔質性の疎水性膜21cが設けられた空気電池について説明したが、疎水性膜21cは設けられていなくてもよい。また、疎水性膜21cに代わり、これとは異なる特性の膜が設けられていてもよい。さらに、一つの膜に代わり、2以上の膜が積層されていてもよい。疎水性膜以外の前記膜としては、酸素選択透過膜が例示できる。疎水性膜21cに代えて酸素選択透過膜を設ける場合も、正極21は、酸素選択透過膜が、本体部2Aの外側(図1において下側)を向くように配置される。
上記のように、本体部2Aにおいて、空気補給口201と正極触媒層21bとの間に酸素選択透過膜が設けられていることによって、空気補給口201から本体部2A内に補給された空気のうち、酸素が選択的にこの膜を透過する。したがって、本体部2A内の電解液3への二酸化炭素の混入が抑制される。これにより、特に電解液3としてアルカリ性水溶液を用いている場合には、混入した二酸化炭素による電解液3の中和が抑制され、品質変化を抑制できる。さらに、正極触媒の二酸化炭素による被毒が抑制される。これらの結果、発電性能がより向上する。
前記酸素選択透過膜の材料は公知の材料でよく、特に限定されないが、好ましい材料として、シリコーン等のシロキサン結合を主骨格として有する有機ケイ素化合物が例示できる。
前記酸素選択透過膜は、酸素選択係数(PO)が、400×10−10cm・cm/cm・s・cmHg以上である膜が好ましく、500×10−10cm・cm/cm・s・cmHg以上である膜がより好ましく、600×10−10cm・cm/cm・s・cmHg以上である膜がさらに好ましい。また、酸素選択係数(PO)が、1000×10−10cm・cm/cm・s・cmHg以下である膜が好ましい。前記酸素選択透過膜は、酸素/二酸化炭素の選択透過性が、0.15以上である膜が好ましく、0.16以上である膜がより好ましく、0.19以上である膜がさらに好ましい。また、酸素/二酸化炭素の選択透過性が、0.80以下である膜が好ましい。このような酸素選択透過膜を用いることで、酸素の選択性がより向上し、二酸化炭素の遮蔽能がより向上するので、発電性能がより向上する。
前記酸素選択透過膜は、その表面に対する電解液3の接触角が90°以上である膜が好ましく、150°以上である膜がより好ましい。また、接触角は、180℃でもよい。このような膜を選択することで、酸素を選択的に透過させるだけでなく、撥水性を有するので、空気補給口201からの電解液3の漏れがより抑制される。
空気電池1における本体部としては、ここに示す以外に種々の構成が使用できる。
図4は、本発明に係る空気電池の第二の実施形態における本体部を例示する概略断面図である。
ここに示す本体部2Bは、図1に示す本体部2Aにおいて、開口部を有するO(オー)字状(リング状)である第一のパッキング271が内部に装着され、第一のパッキング271により、負極22と本体部の内表面203との間が封止された構成を持つ。「O字状」とは、開口部を見下ろすように平面視した時の第一のパッキング271の形状を指し、長半径と短半径から計算される扁平率が−5°〜5°程度のズレを許容し、そのズレは−3°〜3°であることが好ましく、−1°〜1°であることがより好ましい。
ここで、負極22の外周面に沿って拡散部材23の上部に設けられ、第一のパッキング271が装着された空隙部を、第一の空隙部と称し、符号204Aを付す。この点以外は、本体部2Bは、図1に示す本体部2Aと同じである。第二の実施形態の空気電池は、本体部2Aに代えて本体部2Bを備えていること以外は、空気電池1と同じである。
このように、拡散部材23に対して負極補給口202側に本体部の内部を外部から遮蔽する遮蔽構造が設けられていることにより、本体部2B内の電解液3は外部から遮蔽される。その結果、負極補給口202から電解液3への異物やガスの混入が抑制され、電解液3を良好な品質で維持できる。例えば、電解液3への空気中の二酸化炭素の混入が抑制されるので、電解液3の品質変化を抑制できる。また、循環時の電解液3の供給圧力を厳密に管理しなくても、負極補給口202からの電解液3の漏れを抑制できる。
第一のパッキング271の材料は、例えば、電解液3と反応しない材料であればよく、好ましくは、EPM、EPDM等のエチレンプロピレンゴム;六フッ化プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素ゴムが例示できる。
図5は、本発明に係る空気電池の第三の実施形態における本体部を例示する概略断面図である。
ここに示す本体部2Cは、図4に示す本体部2Bにおいて、第一の空隙部204Aの形状が異なり、第一のパッキング271が、さらに拡散部材23に接して配置された構成を持つ。ここでは、第一のパッキング271の下部が、拡散部材23の上面23aに密着した例を示している。拡大断面図にも示すように、ここでは、負極22の外周面のうち、拡散部材23近傍の最下部22bにおいては、第一のパッキング271が密着し、この部位への電解液3の接触が抑制される。その結果、電解液3は、負極22に対して、その底面22a(拡散部材23により支持される面)のみに接触するようになり、放電が底面22aのみで起こるので、底面が優先的に消費され、使用中の負極22の形状をより安定して保持できる。
第三の実施形態の空気電池は、本体部2Aに代えて本体部2Cを備えていること以外は、空気電池1と同じである。
図6は、本発明に係る空気電池の第四の実施形態における本体部を例示する概略断面図である。
ここに示す本体部2Dは、図5に示す本体部2Cにおいて、内部に第一のパッキング271以外に、さらにO(オー)字状のリングである第二のパッキング272が装着され、第二のパッキング272により、負極22と本体部の内表面203との間が封止された構成を持つ。ここで、負極22の外周面に沿って、第一の空隙部204Aの上部に設けられ、第二のパッキング272が装着された空隙部を、第二の空隙部と称し、符号204Bを付す。
第二のパッキング272は、第一のパッキング271と同様の材料であり、第一のパッキング271と同じでもよいし、異なってもよい。
本体部2Dは、第二のパッキング272が設けられたことで、本体部2D内における電解液3の外部からの遮蔽効果がより向上する。さらに、第一のパッキング271と、第二のパッキング272との間に、空隙部205が形成される。空隙部205は、ここに接続する第二のノズル262閉塞時には、密閉された空間となる。そこで、第二のノズル262から空隙部205に、負極22と反応しないガス又は液体を供給することで、空隙部205をこれらガス又は液体で満たすことができ、電解液3の外部からの遮蔽効果がさらに向上する。特に、ガスを供給して空隙部205を加圧状態とすることで、より優れた効果が得られる。
第四の実施形態の空気電池は、本体部2Aに代えて本体部2Dを備えていること以外は、空気電池1と同じである。
本体部2B、2C又は2Dを備えた空気電池も、それぞれ本体部2Aを備えた空気電池1と同様に動作して発電する。
本発明に係る空気電池は、これまでに説明した構成に限定されず、本発明の効果を著しく妨げない範囲内において、前記構成の一部が変更されていてもよい。例えば、本体部としては、図1、4〜6において、電解液3が拡散部材23に対して、その側面から内部に侵入するように電解液3の流路が設定された構成を示しているが、例えば、電解液3が拡散部材23の下面(負極22を支持している上面23aとは反対側の面)から内部に侵入するようにしてもよい。そのためには、拡散部材23及び正極21を離間させてこれらの間に空間を形成し、第一のノズル261を拡散部材23の側面ではなく、この空間に接続するようにすればよい。また、第一のパッキング271等のパッキングの数も特に限定されず、三つ以上でもよい。
また、ここでは、空気補給口が本体部に設けられた構成について説明したが、空気補給口を設ける場所は、正極に空気を補給できる限り限定されない。例えば、電解液を送液するための前記配管、好ましくは空気電池の本体部に電解液を供給する上流側の配管に空気補給口を設け、電解液中に空気を混入させることで、空気を電解液と共に正極に到達させるようにしてもよい。
本発明に係る空気電池は、所望の形状に成形した前記外装材に、正極、負極、拡散部材等の各部材を装着することで製造できる。また、前記外装材を、さらに2以上の部材に分割して、これらの組み立て時に、正極、負極、拡散部材等を装着するようにしてもよい。
本発明に係る空気電池は、負極が拡散部材の支持面によって面接触で支持されているので、放電が進行して消費されても、負極は本体部内で安定して保持され、脱落が防止される。その結果、安定した発電性能が得られる。また、拡散部材により、負極と電解液とが効率的に接触し、優れた発電性能が得られる。また、本発明に係る空気電池は、前記遮蔽構造や酸素選択透過膜を設けるのに適しており、これらの併用で電解液の品質変化が抑制され、より安定した発電性能が得られる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に限定されない。
<正極の製造>
[製造例1]
導電材としてアセチレンブラックと、酸素還元触媒として電解MnOと、結着剤としてPTFE粉末とを混合し(アセチレンブラック:電解MnO:PTFE=10:10:1、質量比)、混合物を得た。得られた混合物を直径15mm、厚さ0.3mmとなるように成形した後、ステンレスメッシュ製の正極集電体(直径30mm、厚さ0.1mm)上に圧着した。また、正極集電体の端部には、外部接続用のニッケルリボン端子(縦50mm、横3mm、厚さ0.20mm)を接続した。以上により、図3(a)に示す第一の積層体を作製した。
得られた第一の積層体において、正極集電体上に、正極触媒層を覆うようにして、疎水性膜としてポリフッ化ビニリデン製多孔質膜(ミリポア社製「デュラポア メンブレンフィルター」、直径22mm、厚さ0.1mm)を積層し、図3(b)に示す第二の積層体を作製した。
次いで、得られた第二の積層体を、開口部を有するリング状のゴム製板2枚で挟み込んで圧着し、図3(c)に示す正極(1)を作製した。
[製造例2]
ポリフッ化ビニリデン製多孔質膜に代えて、酸素選択透過膜を用いたこと以外は、製造例1と同様の方法で正極(2)を作製した。酸素選択透過膜は、電解液の接触角が105°であるシリコーン膜(アズワン社製「シリコンフィルム」、厚さ0.1mm)で、酸素選択係数(PO)は620×10−10cm・cm/cm・s・cmHgで、酸素/二酸化炭素の選択透過性は0.20であった。
<負極の製造>
[製造例3]
高純度アルミニウム(純度:99.999%以上)を750℃で溶融し、マグネシウム(純度:99.99%以上)を溶融アルミニウム中に加えて、マグネシウムの含有量が2.5質量%であるアルミニウム−マグネシウム合金溶湯を得た。
次いで、得られた合金溶湯を、750℃で2時間、真空度50Paの条件で保持することにより清浄化した。
次いで、150℃の鋳鉄鋳型(22mm×150mm×200mm)を用いて合金溶湯を鋳造し、鋳塊を得た。
次いで、得られた鋳塊を以下の条件で溶体化処理した。すなわち、鋳塊を室温(25℃)から430℃まで50℃/時の速度で昇温し、430℃で10時間保持した。引き続き、500℃まで50℃/時の速度で昇温し、500℃で10時間保持した。その後、500〜200℃まで300℃/時の速度で冷却した。
次いで、溶体化処理した鋳塊の6面を2mm面削加工した後、直径10mm、長さ196mmのアルミニウム円柱に加工した。その後、長さ30mmに切断して、アルミニウム合金からなる負極(1)を作製した。負極(1)のアルミニウム(Al)以外の元素の含有量を、発光分光分析装置を用いて測定した。測定結果を表1及び2に示す。
[製造例4]
マグネシウムを加えなかったこと以外は、製造例3と同様の方法で、直径10mm、長さ30mmのアルミニウム(アルミニウム純度:99.999%)からなる負極(2)を作製した。負極(2)のアルミニウム(Al)以外の元素の含有量を、グロー放電質量分析装置を用いて測定した。測定結果を表1及び2に示す。
[製造例5]
高純度アルミニウムに代えて、純度が99%のアルミニウムを用いたこと以外は、製造例4と同様の方法で、直径10mm、長さ30mmのアルミニウム(アルミニウム純度:99%)からなる負極(3)を作製した。負極(3)のアルミニウム(Al)以外の元素の含有量を、発光分光分析装置を用いて測定した。測定結果を表1及び2に示す。
Figure 2012230892
Figure 2012230892
<空気電池の製造>
[実施例1]
図1と同じ構成の空気電池(1)を製造した。正極として正極(1)を、負極として負極(1)を、電解液として濃度が1.0モル/Lの水酸化カリウム水溶液を、拡散部材としてジルコニア製円板(直径20mm、厚さ5.0mm、多孔度50%)を、貯留手段として1000mLのポリプロピレン製容器を、送液手段として送液ポンプを、配管としてポリプロピレン製チューブを、それぞれ用いた。
[実施例2]
本体部2Aに代えて、図4に示す本体部2Bを用いたこと以外は、実施例1と同様に空気電池(2)を製造した。第一のパッキングとしては、NOK社製「ZF型オイルシール(部品番号AZ0264E0)」を用いた。
[実施例3]
本体部2Aに代えて、図5に示す本体部2Cを用いたこと以外は、実施例1と同様に空気電池(3)を製造した。第一のパッキングとしては、NOK社製「ZF型オイルシール(部品番号AZ0264E0)」を用いた。
[実施例4]
本体部2Aに代えて、図6示す本体部2Dを用いたこと以外は、実施例1と同様に空気電池(4)を製造した。第一及び第二のパッキングとしては、NOK社製「ZF型オイルシール(部品番号AZ0264E0)」を用いた。
[実施例5]
本体部2Dにおいて、正極(1)に代えて正極(2)を用いたこと以外は、実施例4と同様に空気電池(5)を製造した。
[実施例6]
本体部2Dにおいて、負極(1)に代えて負極(2)を用いたこと以外は、実施例5と同様に空気電池(6)を製造した。
[実施例7]
本体部2Dにおいて、負極(1)に代えて負極(3)を用いたこと以外は、実施例5と同様に空気電池(7)を製造した。
[実施例8]
本体部2Dにおいて、負極(1)に代えて負極(2)を用いたこと以外は、実施例4と同様に空気電池(8)を製造した。
[実施例9]
本体部2Dにおいて、負極(1)に代えて負極(3)を用いたこと以外は、実施例4と同様に空気電池(9)を製造した。
[比較例1]
本体部2Aにおいて、拡散部材に代えて、側面に直径1mmの2つの孔を有するリング状のスペーサー(外径20mm、厚さ4mm、孔径(内径)12mm)の2つの孔に、円柱状の支持部材(直径1mm、長さ7mm)が挿入された構成を用いたこと以外は、実施例1と同様に空気電池(1R)を製造した。
<空気電池の性能試験1>
上記で製造した空気電池を、充放電試験機(東洋システム社製「TOSCAT−3000U」)に接続し、23.55mA(負極に対して、30mA/cm)で定電流放電(CC放電)を行う。電解液の送液量は0.5g/分とする。充放電試験機は、電池電圧が0.5V以下になると放電が停止するように設定する。以下の手順で空気電池の性能試験を行う。
[試験例1]
実施例1の空気電池(1)の性能試験1を行う。この時、放電開始から90時間経過後に、別途未使用の負極(1)を補充する。
その結果、後述する試験例8よりも、負極が脱落しにくい。
[試験例2]
実施例2の空気電池(2)の性能試験1を行う。この時、5時間毎に負極(1)をその上部から加圧することで拡散部材に押しつける(放電での消失により生じたスペースを埋め合わせる)こと以外は、試験例1と同様にして性能試験を行う。また、放電開始から90時間経過後に、別途未使用の負極(1)を補充する。
その結果、後述する試験例8よりも、負極が脱落しにくい。
[試験例3]
試験例2と同様にして、実施例3の空気電池(3)の性能試験1を行う。この時、放電開始から90時間経過後に、別途未使用の負極(1)を補充する。
その結果、後述する試験例8よりも、負極が脱落しにくい。
[試験例4]
試験例2と同様にして、実施例4の空気電池(4)の性能試験1を行う。この時、放電開始から90時間経過後に、別途未使用の負極(1)を補充する。
その結果、後述する試験例8よりも、負極が脱落しにくい。
[試験例5]
試験例2と同様にして、実施例5の空気電池(5)の性能試験1を行う。この時、放電開始から90時間経過後に、別途未使用の負極(1)を補充する。
その結果、後述する試験例8よりも、負極が脱落しにくい。
[試験例6]
試験例5と同様にして、実施例6の空気電池(6)の性能試験1を行う。この時、放電開始から50時間経過後に、別途未使用の負極(2)を補充する。
その結果、後述する試験例8よりも、負極が脱落しにくい。
[試験例7]
試験例5と同様にして、実施例7の空気電池(7)の性能試験1を行う。
その結果、後述する試験例8よりも、負極が脱落しにくい。
[試験例8]
試験例2と同様にして、比較例1の空気電池(1R)の性能試験1を行う。
<空気電池の性能試験2>
上記で製造した空気電池を、それぞれソーラーモーターに接続し、20mA(負極に対して、25.5mA/cm)相当で放電試験を行った。電解液の送液量は0.5g/分とした。ソーラーモーターの回転が停止する時間を確認した。
[試験例9]
実施例4の空気電池(4)の性能試験2を行ったところ、放電開始から8時間経過後もソーラーモーターは回転していた。また、後述する試験例12よりも、負極が脱落しにくい。
[試験例10]
実施例8の空気電池(8)の性能試験2を行ったところ、放電開始から60分後にソーラーモーターが停止した。負極のアルミニウムを確認したところ正極触媒に対向している面が白色になっていた。この白色化は、アルミニウムの酸化を示す。また、後述する試験例12よりも、負極が脱落しにくい。
[試験例11]
実施例9の空気電池(9)の性能試験2を行ったところ、放電開始から10分後にソーラーモーターが停止した。負極のアルミニウムを確認したところ正極触媒に対向している面が白色になっていた。この白色化は、アルミニウムの酸化を示す。また、後述する試験例12よりも、負極が脱落しにくい。
[試験例12]
比較例1の空気電池(1R)の性能試験2を行ったところ、放電開始から30分後にソーラーモーターが停止した。負極のアルミニウムを確認したところ正極触媒に対向している面は平らではなく白色になっていた。この白色化は、アルミニウムの酸化を示す。
本発明は、エネルギー分野で利用可能であるため、産業上極めて有用である。
1・・・空気電池、2A,2B,2C,2D・・・本体部、201・・・空気補給口、202・・・負極補給口、205・・・空隙部、21・・・正極、21b・・・正極触媒層、21c・・・疎水性膜(酸素選択透過膜)、22・・・負極、22a・・・負極の底面、23・・・拡散部材、23a・・・拡散部材の上面(支持面)、271・・・第一のパッキング、272・・・第二のパッキング、3・・・電解液、4・・・貯留部、5・・・送液手段、6・・・配管

Claims (22)

  1. 正極触媒を含む正極、負極、及び前記負極を支持する面を有する拡散部材が設けられた本体部と、
    前記正極に空気を補給する空気補給口と、
    電解液と、
    前記本体部に前記電解液を循環させる循環手段と、
    を備えた空気電池であって、
    前記負極は、負極補給口から前記本体部に連続的に補充可能とされ、
    前記電解液が前記拡散部材の内部を通過して、前記負極の前記拡散部材により支持された面に到達可能とされた空気電池。
  2. 前記拡散部材が、前記電解液と反応しない多孔質絶縁材料からなる請求項1に記載の空気電池。
  3. 前記多孔質絶縁材料がジルコニアである請求項2に記載の空気電池。
  4. 前記本体部内の電解液が前記負極補給口側で外部から遮蔽された、遮蔽構造が設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気電池。
  5. 前記遮蔽構造が、前記本体部内で前記負極と前記本体部との間を封止した第一のパッキングを有する請求項4に記載の空気電池。
  6. 前記第一のパッキングが、さらに前記拡散部材に接して配置されている請求項5に記載の空気電池。
  7. 前記遮蔽構造が、さらに前記本体部内で前記負極と前記本体部との間を封止した第二のパッキングを有する請求項4〜6のいずれか一項に記載の空気電池。
  8. 前記第一のパッキングと、前記第二のパッキングとの間の空隙部に、前記負極と反応しない気体又は液体が封入されている請求項7に記載の空気電池。
  9. 前記第一のパッキング及び第二のパッキングのいずれか一方又は両方が、O字状である請求項5〜8のいずれか一項に記載の空気電池。
  10. 前記負極が角柱状又は円柱状である請求項1〜9のいずれか一項に記載の空気電池。
  11. 前記負極がアルミニウム又はアルミニウム合金からなる請求項1〜10のいずれか一項に記載の空気電池。
  12. 前記負極がアルミニウム合金からなり、前記アルミニウム合金が下記条件を満たす請求項11に記載の空気電池:
    マグネシウムの含有量が0.0001〜8質量%であり、
    下記(a)及び(b)の少なくとも一方を満たし、
    (a)鉄の含有量が0.0001〜0.03質量%
    (b)ケイ素の含有量が0.0001〜0.02質量%
    且つ、アルミニウム、マグネシウム、ケイ素及び鉄以外の元素の含有量が、それぞれ0.005質量%以下である。
  13. 前記アルミニウム合金における、アルミニウム及びマグネシウム以外の元素の含有量の合計値が0.1質量%以下である請求項12に記載の空気電池。
  14. 前記負極がアルミニウム合金からなり、前記アルミニウム合金が、合金マトリックス中に金属間化合物粒子を含み、
    前記合金の表面において観察される前記金属間化合物粒子のうち、表面積が0.1μm以上100μm未満の粒子の密度が1000個/mm以下であり、100μm以上の粒子の密度が10個/mm以下であり、
    且つ、前記合金の表面単位面積あたりの前記金属間化合物粒子の占有面積が、0.5%以下である請求項11〜13のいずれか一項に記載の空気電池。
  15. 前記電解液が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選ばれる一種以上の電解質を含有する水溶液である請求項1〜14のいずれか一項に記載の空気電池。
  16. 前記正極触媒が、二酸化マンガン又は白金を含む請求項1〜15のいずれか一項に記載の空気電池。
  17. 前記正極触媒が、一般式「ABO」で表されるペロブスカイト型複合酸化物を含み、Aはランタン、ストロンチウム及びカルシウムからなる群より選ばれる二種以上の元素を含み、Bはマンガン、鉄、クロム及びコバルトからなる群より選ばれる一種以上の元素を含む請求項1〜15のいずれか一項に記載の空気電池。
  18. 前記空気補給口から補給された空気のうち、酸素を透過させて前記酸素を前記正極に到達させる酸素選択透過膜が設けられている請求項1〜17のいずれか一項に記載の空気電池。
  19. 前記酸素選択透過膜の表面に対する前記電解液の接触角が90°以上である請求項18に記載の空気電池。
  20. 前記接触角が150°以上である請求項19に記載の空気電池。
  21. 前記酸素選択透過膜の酸素選択係数が、400×10−10cm・cm/cm・s・cmHg以上である請求項18〜20のいずれか一項に記載の空気電池。
  22. 前記酸素選択透過膜の酸素/二酸化炭素の選択透過性が、0.15以上である請求項18〜21のいずれか一項に記載の空気電池。
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