JP6344028B2 - 空気電池スタック - Google Patents

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Description

本発明は、酸素を正極活物質として利用する空気電池に関し、この空気電池を複数段に積層して成る空気電池スタックに関するものである。
従来における空気電池としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載の空気電池は、いわゆるボタン型電池であって、正極を収容した正極ケースと、負極を収容した負極ケースと、正極と負極の間に介装するセパレータとを備えると共に、正極ケースと負極ケースとをガスケットを介して組み合わせた構造である。この空気電池は、正極ケースに形成した空気孔から外気を導入し、正極の表面を覆う撥水膜を通して正極に酸素を供給することにより起動(発電)する。
特開2008−71579号公報
ところで、近年では、自動車等の車両の電源又は補助電源として使用する空気電池の研究開発が進められている。この車載用の空気電池は、車両に要する出力と容量が求められるので、板状の空気電池を構成し、この空気電池を複数段に積層して空気電池スタックを構成する必要がある。
このような空気電池スタックは、正極に酸素を供給する機能に加えて、スタック全体を冷却(空冷)する機能も不可欠になるので、導入空気を大流量にする必要がある。ところが、空気電池スタックは、導入空気を大流量にすると、正極層を通して電解液の蒸発が促進され、電解液の液面低下や電解液の濃縮により発電性能が低下するおそれがあることから、このような問題点を解決することが課題であった。
本発明は、上記従来の課題を解決するために成されたものであって、正極に酸素を供給する機能とスタック全体を冷却する機能とを両立させたうえで、正極層からの電解液の蒸発を抑制して、発電性能の低下を防ぐことができる空気電池スタックを提供することを目的としている。
本発明に係わる空気電池スタックは、電解質層を間にして正極層及び負極層を備えた空気電池を積層した構造を有するものである。この空気電池スタックは、積層方向に隣接する空気電池同士の正極層と負極層との間に、面内方向にガスを流通させるガス流路を備えている。そして、空気電池スタックは、ガス流路に、負極側領域のガス流速に対して、正極側領域のガス流速を相対的に小さくするガス流速調整手段を備え、前記ガス流速調整手段が、正極層の表面に設けた正極側多孔体を備えていると共に、前記正極側多孔体の厚さが、前記ガス流路の間隙の1/4である構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
本発明に係わる空気電池スタックは、ガス流速調整手段により、ガス流路の負極側領域のガス流速に対して、正極側領域のガス流速を相対的に小さくすることで、負極側領域では空気を大流量とし、正極側領域では空気を小流量にする。これにより、空気電池スタックは、正極に酸素を供給する機能とスタック全体を冷却する機能とを両立させたうえで、正極層からの電解液の蒸発を抑制して、発電性能の低下を防ぐことができる。
さらに、上記の空気電池スタックは、とくに、前記ガス流速調整手段として正極側多孔体を採用したので、比較的簡単な構成でありながら、正極への酸素供給機能と冷却機能との両立を実現することができ、製造コストの低減などにも貢献することができ、また、前記正極側多孔体の厚さを前記ガス流路の間隙の1/4としたので、大型のブロアを用いなくても正極触媒層に充分な酸素を供給することができると共に、電解液の蒸発を抑制し得るものとなる。
本発明に係わる空気電池スタックの第1実施形態を説明する要部の断面図である。 本発明に係わる空気電池スタックの第2実施形態を説明する要部の斜視図(A)、及び断面図(B)である。 本発明に係わる空気電池スタックの第3実施形態を説明する要部の斜視図(A)、及び断面図(B)である。 本発明に係わる空気電池スタックの第4実施形態を説明する要部の斜視図である。 本発明に係わる空気電池スタックの第5実施形態を説明する要部の斜視図である。 本発明に係わる空気電池スタックの第6実施形態を説明する要部の斜視図である。 本発明に係わる空気電池スタックの第7実施形態を説明する要部の分解斜視図である。 本発明に係わる空気電池スタックの第8実施形態を説明する要部の断面図である。 本発明に係わる空気電池スタックの第9実施形態を説明する要部の断面図である。 本発明に係わる空気電池スタックの第10実施形態を説明する要部の断面図(A)、及び正極基板の斜視図(B)である。
〈第1実施形態〉
図1に示す空気電池スタックSは、複数の空気電池Cを積層した構造を有している。空気電池Cは、電解質層1を間にして正極層2及び負極層3を備えたものである。この空気電池スタックSは、各空気電池Cの正負の向きを同じにし、図示例では正極2を上側にして、積層方向に隣接する空気電池C同士の正極層2と負極層3との間に、面内方向(層表面に沿う方向)にガスを流通させるガス流路Fを備えている。図示例のガス流路Fでは、図中左側から右側へガスを流通させる。また、ガスは、酸素含有ガスであり、一般的には空気である。
電解質層1は、水酸化カリウム(KOH)や塩化物を主成分とした水溶液(電解液)もしくは非水溶液をセパレータ内に含浸させたものであり、その水溶液や非水溶液を貯留させるために、セパレータには微細な孔が所定の割合で形成されている。なお、電解質層1そのものを、固体あるいはゲル状の電解質としても良い。
正極層2は、図中下側の電解質層1側から、正極触媒層2A,正極撥水層2B,及び正極支持板2Cを積層した構造である。正極触媒層2Aは、例えば、カーボン粉末に二酸化マンガン(MnO)などの触媒を担持させたものである。正極撥水層2Bは、例えば、カーボン粉末とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子とを分散混合させたものであって、電解質層1の電解液に対する液密性を有し、且つ酸素に対する通気性を有している。これにより、正極撥水層2Bは、電解液の外部への漏出を阻止しつつ、酸素を外部から透過させる。正極支持板2Cは、集電部材を兼用するものであって、例えば、ステンレス製板材に、エッチングにより多数の空気穴2Dを所定間隔で形成したものである。
負極層3は、図中上側の電解質層1側から、負極金属3A、及び負極支持板3Bを積層した構造である。負極金属3Aは、リチウム(Li)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、及びマグネシウム(Mg)等の純金属、もしくは合金などの材料から成るものである。負極支持板3Bは、集電部材を兼用するものであって、電解質層1の電解液が外部に漏出するのを阻止し得る材質から成り、例えば、ステンレス、及び銅(合金)や、金属材料の表面に耐食性を有する金属をメッキしたものなどである。
上記構成を備えた空気電池Cは、図示例では、電解質層1、正極層2の正極触媒層2A及び正極撥水層2B、並びに負極層3の負極金属3A外周を包囲する外枠部材4を備えている。このとき、正極層2の正極支持板2C、及び負極層3の負極支持板3Bは、外枠部材4の上下の開口を夫々閉塞するように配置される。この外枠部材4は、電気絶縁性を有しており、その材料としては、例えば、ポリプロピレン(PP)やエンジニアリングプラスチック(いわゆるエンプラ)などの耐電解液性を有する樹脂や、これらの樹脂を繊維で強化した繊維強化プラスチック(FRP)などが使用される。
そして、上記空気電池Cを複数段に積層して成る空気電池スタックSは、ガス流路Fに、負極側領域のガス流速に対して、正極側領域のガス流速を相対的に小さくするガス流速調整手段を備えている。
この実施形態におけるガス流速調整手段は、正極層2の表面に設けた板状の正極側多孔体11である。正極側多孔体11は、正極2の表面、すなわち正極側支持板2Cの外面に積層してあり、ガス流速を低下させる機能があれば、その材料がとくに限定されるものではないが、具体的には、メッシュ、パンチングメタル、及び不織布状のシート等が使用可能である。
また、ガス流速調整手段としての正極側多孔体11は、ガス流路Fの間隙寸法(空気電池C同士の間隔寸法)の1/4程度の厚さにすることがより望ましい。これは、正極側多孔体11の厚さが、ガス流路Fの間隙寸法の1/4を超えると、導入した空気中の酸素が正極触媒層2Aに到達することが困難になって、電気化学反応が進まなくなり、正極2の反応過電圧が上昇して発電性能が低下するからである。また、ガス流路F全体の流れ抵抗が上昇するので、ガスを充分に加圧供給するための大型のブロアが必要になる。
さらに、正極側多孔質層11の厚さが、ガス流路Fの間隙寸法の1/4未満であると、後記する電解液の蒸発を抑制する効果が小さくなる。そこで、正極側多孔質層11は、その厚さをガス流路Fの間隙寸法の1/4程度にすることにより、大型のブロアを用いなくても正極触媒層2Aに充分な酸素を供給することができると共に、電解液の蒸発を抑制し得るものとなる。
さらに、この実施形態の空気電池スタックSは、とくに図1(B)に示すように、下段の空気電池Cの正極2と、上段の空気電池Cの負極3との間に、ガス流れ方向に沿う複数(図示では3個)のリブ5が所定間隔設けてある。このリブ5は、導電性を有する部材から成り、積層方向に隣接する空気電池C同士を電気的に接続している。これにより、空気電池スタックSは、各空気電池Cが直列に接続されたものとなる。
上記構成を備えた空気電池スタックSは、例えば、ガスの流通を遮断した状態にしてケースに収容されている。そして、空気電池スタックSは、ガスの遮断を開放してブロアを作動させることにより、各ガス流路Fにガス(空気)を供給すると共に、正極2に酸素を供給して起動(発電)を開始し、また、ガスによりスタック全体を冷却(空冷)する。
このとき、空気電池スタックSは、ガス流路Fに、ガス流速調整手段としての正極側多孔体11を備えているので、ガス流路Fの負極側領域では、図1A中に実線の矢印で示すように、ブロアに加圧されたガスがそのままのガス流速で流れることになり、ガス流量も大きくなる。これにより、スタック全体の冷却も行われる。
他方、ガス流路Fの正極側領域では、正極側多孔体11がガス流の抵抗になるので、図1A中に波線の矢印で示すように、負極側領域に比べてガス流速もガス流量も相対的に小さくなる。ここで、電解液の蒸発速度は、ガス流速の1/2乗に比例するので、上記の如くガス流速を小さくすることで、電解液の蒸発を抑制しながら、正極触媒層2Aに充分な酸素を供給し得ることとなる。
このようにして、上記空気電池スタックSは、正極に酸素を供給する機能とスタック全体を冷却する機能とを両立させたうえで、正極層2からの電解液の蒸発を抑制して、発電性能の低下を防ぐことができる。よって、空気電池スタックSは、スタック全体の温度を安定させながら、所望の発電性能を維持した運転を継続することができる。
また、上記空気電池スタックSは、ガス流速調整手段として、正極側多孔体11を採用したことにより、比較的簡単な構成でありながら、正極への酸素供給機能と冷却機能との両立を実現することができ、製造コストの低減などにも貢献することができる。
さらに、上記空気電池スタックSは、ガス流路F内に、ガス流れ方向に沿うリブ5を設けているので、空気電池C同士の電気的な接続と、機械的な強度向上の両機能が得られるうえに、リブ5が、後記する負極側突起体と同様に、ガス流路Fの負極側領域のガス流れを案内する役割を果たすものとなる。
図2〜図10は、本発明に係わる空気電池スタックの第2〜10実施形態を夫々説明する図である。なお、以下の実施形態において、第1実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
〈第2実施形態〉
図2に示す空気電池スタックSは、第1実施形態と同等の基本構成を備え、ガス流路Fに、負極側領域のガス流速に対して正極側領域のガス流速を相対的に小さくするガス流速調整手段を備えている。この実施形態のガス流速調整手段は、正極層2の表面に設けた板状の正極側多孔体12である。この正極側多孔体12は、空隙率の異なる複数(図示例では3個)の多孔部材12A〜12Cから成り、ガス流れ方向に対して各多孔部材12A〜12Cを選択的に配置した構成である。なお、この実施形態では、ガス流路Fにおいて、図中で左側の入口側から出口側に向けて、空隙率が増大するように(空隙が密から疎になるように)各多孔部材12A〜12Cを配置している。
上記構成を備えた空気電池スタックSは、先の実施形態と同様に、ガス流路Fの負極側領域では、実線の矢印で示すガスの流速及び流量が大きくなり、正極側領域では、正極側多孔体12がガス流の抵抗になるので、波線の矢印で示すガスの流速及び流量が小さくなる。これにより、空気電池スタックSは、正極に酸素を供給する機能とスタック全体を冷却する機能とを両立させたうえで、正極層2からの電解液の蒸発を抑制して、発電性能の低下を防ぐことができる。
また、上記空気電池スタックSは、ガス流速調整手段として、空隙率の異なる多孔部材12A〜12Cから成る正極側多孔体12を採用したことにより、正極層2に対するガスの流速及び流量を部分的に異ならせることができ、例えば、正極層2の全面における酸素供給量の均一化などを図ることも可能になる。
〈第3実施形態〉
図3に示す空気電池スタックSは、第1実施形態と同等の基本構成を備え、ガス流路Fに、負極側領域のガス流速に対して正極側領域のガス流速を相対的に小さくするガス流速調整手段を備えている。この実施形態のガス流速調整手段は、正極層2の表面に設けた板状の正極側多孔体13と、負極層3の表面に設けた負極側多孔体14を備えている。この負極側多孔体14は、正極側多孔体13の空隙率よりも大きい空隙率を有するものであって、正極側多孔体13との間に隙間を形成するものでも良いし、正極側多孔体13に接触するものでも良い。
上記構成を備えた空気電池スタックSは、負極側多孔体14の空隙率が、正極側多孔体13の空隙率よりも大きいので、ガス流路Fの負極側領域では、実線の矢印で示すガスの流速及び流量が相対的に大きくなる。また、正極側領域では、波線の矢印で示すガスの流速及び流量が相対的に小さくなる。これにより、空気電池スタックSは、正極に酸素を供給する機能とスタック全体を冷却する機能とを両立させたうえで、正極層2からの電解液の蒸発を抑制して、発電性能の低下を防ぐことができる。
さらに、この実施形態の空気電池スタックSでは、ガス流速調整手段である正極側多孔体13と負極側多孔体14とを接触させる構成にすれば、これらを空気電池C同士の間を電気的に接続する部材として用いることが可能となり、専用の電気接続手段を廃止し得るなどの利点がある。
〈第4実施形態〉
図4に示す空気電池スタックSは、第1実施形態と同等の基本構成を備え、ガス流路Fに、負極側領域のガス流速に対して正極側領域のガス流速を相対的に小さくするガス流速調整手段を備えている。この実施形態のガス流速調整手段は、正極側領域のガス流れを抑制するための正極側突起体15を備えている。図示例の正極側突起体15は、図中に矢印で示すガス流れ方向に対して、これを横切る方向に沿うリブ状(突条)のものであり、ガス流れ方向において、所定間隔で互いに平行に配置してある。
上記構成を備えた空気電池スタックSは、ガス流路Fの負極側領域では、実線の矢印で示すように、ガスがそのままの流速及び流量で流れることとなる。その一方で、ガス流路Fの正極側領域では、ガス流速調整手段である正極側突起体15がガス流れの障壁になり、負極側領域に対してガス流速及びガス流量が相対的に小さくなる。これにより、空気電池スタックSは、正極に酸素を供給する機能とスタック全体を冷却する機能とを両立させたうえで、正極層2からの電解液の蒸発を抑制して、発電性能の低下を防ぐことができる。
また、上記の空気電池スタックSでは、ガス流速調整手段として、正極側突起体15を採用したことにより、例えば、正極支持板2Cに正極突起体15を一体的に設けることが可能になり、部品点数の削減や製造コストの低減などを図ることができる。
〈第5実施形態〉
図5に示す空気電池スタックSは、第1実施形態と同等の基本構成を備え、ガス流路Fに、ガス流速調整手段としての正極側突起体16を備えている。図示例の正極側突起体16は、小さな立方体であり、正極層2の表面に所定間隔で縦横に配置してある。
上記構成を備えた空気電池スタックSにあっても、第4実施形態と同様に、ガス流路Fにおいて、正極側領域のガス流速及びガス流量が相対的に小さくなり、正極に酸素を供給する機能とスタック全体を冷却する機能とを両立させたうえで、正極層2からの電解液の蒸発を抑制して、発電性能の低下を防ぐことができる。
〈第6実施形態〉
図6に示す空気電池スタックSは、第1実施形態と同等の基本構成を備え、ガス流路Fに、ガス流速調整手段としての正極側突起体15を備えている。図示例の正極側突起体15は、ガス流れ方向を横切る方向に沿うリブ状(突条)のものであり、ガス流路Fの入口に配置されている。
上記構成を備えた空気電池スタックSにあっても、第4実施形態と同様に、ガス流路Fにおいて、正極側領域のガス流速及びガス流量が相対的に小さくなり、正極に酸素を供給する機能とスタック全体を冷却する機能とを両立させたうえで、正極層2からの電解液の蒸発を抑制して、発電性能の低下を防ぐことができる。
ここで、空気電池スタックSにおいて、正極層2の上流域Aでは、拡散層が充分に発達せずに薄い状態になっているので、ガス流速が全体的に一定であると、電解液の蒸発速度が高くなる。そこで、この実施形態の空気電池スタックSは、ガス流速調整手段としての正極側突起体15をガス流路Fの入口のみに配置することで、とくに電解液の蒸発が生じやすい上流域Aのガス流速を小さくして、電解液の蒸発を抑制する。また、構造が非常に簡単になり、部品点数の削減や製造コストの低減などに貢献することができる。
〈第7実施形態〉
図7に示す空気電池スタックSは、第1実施形態と同等の基本構成を備えると共に、ガス流路Fに、負極側領域のガス流速に対して正極側領域のガス流速を相対的に小さくするガス流速調整手段を備えている。このガス流速調整手段は、正極側領域のガス流れを抑制するための正極側突起体15と、負極側領域のガス流れを案内するための負極側突起体17を備えたものである。
正極側突起体15は、第4実施形態で説明したものと同様に、図中に矢印で示すガス流れ方向に対して、これを横切る方向に沿うリブ状のものであり、ガス流れ方向において、所定間隔で平行に配置してある。他方、負極側突起体17は、ガス流れ方向に沿うリブ状のものであり、ガス流れに直交する方向において、所定間隔で平行に配置してある。要するに、正極側突起体15と負極側突起体17は、互いに直交する配置である。また、負極側突起体17は、正極側突起体15との間に隙間を形成するものでも良いし、正極側突起体15に接触するものでも良い。
上記構成を備えた空気電池スタックSは、ガス流路Fの負極側領域では、実線の矢印で示すように、ガスが負極側突起体17に案内されて、そのままの流速及び流量で流れることとなる。その一方で、ガス流路Fの正極側領域では、正極側突起体15がガス流れの障壁になり、負極側領域に対して、ガス流速及びガス流量が相対的に小さくなる。これにより、空気電池スタックSは、正極に酸素を供給する機能とスタック全体を冷却する機能とを両立させたうえで、正極層2からの電解液の蒸発を抑制して、発電性能の低下を防ぐことができる。
また、この実施形態における空気電池スタックSは、ガス流路Fの負極側領域に、ガスの流れを案内する負極側突起体17を備えているので、負極側領域でのガス流れがより円滑になり、負極側領域のガス流速と正極側領域のガス流速との差が顕著になる。
さらに、この実施形態の空気電池スタックSでは、ガス流速調整手段である正極側突起体15と負極側突起体17とを接触させる構成にすれば、これらを空気電池C同士の間を電気的に接続する部材として用いることが可能となり、専用の電気接続手段を廃止し得るなどの利点がある。
上記の第4〜7実施形態で説明した空気電池スタックSは、正極側突起体(15,16)を、基板のプレス加工、基板の押し出し加工、基板の切削加工、基板のエンボス加工、及び基板の切り曲げ加工のうちのいずれかの加工により形成することができる。また、負極側突起体(17)を同様の加工で形成することも当然可能である。
ここで、正極側突起体は、第4実施形態でも説明したように、正極層2の最外層となる正極支持板(図1中の符号2C)と一体化したり、それ自体を正極支持板として用いることができる。以下に説明する第8〜10実施形態では、正極側突起体そのものが正極支持板を兼用している構成を例示している。
〈第8実施形態〉
図8に示す空気電池スタックSは、ガス流速調整手段が、基板をハット材のようにプレス加工したものを正極側突起体18としている。したがって、正極側突起体18は、所定の長さを有するリブ状(突条)のものである。この正極側突起体18は、図中に矢印で示すガス流れ方向において、所定間隔で互いに平行に配置され、複数の正極側突起体18により、全体として正極支持板(2C)を構成している。
上記構成を備えた空気電池スタックSにあっても、先の実施形態と同様の作用及び効果を得ることができ、とくに、正極側突起体18を基板のプレス加工により形成しているので、正極側突起体18が大量生産に優れたものとなり、製造時間の短縮や材料の歩留まり向上などを図ることができる。また、複数の正極側突起体18を正極支持板としているので、部品点数の削減や製造コストの低減に貢献し得るものとなる。
〈第9実施形態〉
図9に示す空気電池スタックSは、ガス流速調整手段が、基板の押し出し加工、基板の切削加工、及び基板のエンボス加工のいずれかの加工により形成した正極側突起体19である。このため、第8実施形態の正極側突起体(18)が中空状であるのに対して、図示例の正極側突起体19は中実である。これらの加工による場合、正極側突起体19は、複数個を互いに連続した状態に成形した後、個別に切断して得ることができる。
上記構成を備えた空気電池スタックSにあっても、先の実施形態と同様の作用及び効果を得ることができ、とくに、正極側突起体19を基板の押し出し加工により形成することで、薄肉で複雑な断面形状を有する正極側突起体19を製造することができ、生産速度、材料歩留まり、及び寸法精度のいずれも優れたものとなる。
また、空気電池スタックSは、正極側突起体19をフライスやエンドミルを用いた切削加工により形成することで、寸法精度がより高い正極側突起体19を得ることができると共に、製造ロットが少ないような場合には、プレス型を用いる場合よりも安価に製造することができる。
さらに、空気電池スタックSは、正極側突起体19を基板のエンボス加工より形成することで、比較的簡単な設備を用いて、正極側突起体19を容易に製造することができ、製造コストの低減などを実現し得るものとなる。
〈第10実施形態〉
図10に示す空気電池スタックSは、ガス流速調整手段が、基板21の切り曲げ加工により形成した正極側突起体20である。すなわち、後に正極支持板(2C)になる基板21は、複数の舌片状の正極側突起体20を縦横に配列した構造である。これらの正極側突起体20は、基板21の一部を矩形状に切り起こして形成したものである。これにより、基板21には、個々の正極側突起体20の抜き跡である開口部21Aが形成され、この開口部21Aが正極層2に対する空気孔となる。
上記構成を備えた空気電池スタックSにあっても、先の実施形態と同様の作用及び効果を得ることができ、とくに、正極側突起体20を基板21の切り曲げ加工により形成することで、正極側突起体20を有する正極支持板を簡単に製造することができ、製造コストの低減などを実現し得るものとなる。
本発明に係る空気電池スタックは、その構成が上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の細部を適宜変更したり、上記各実施形態の構成を組み合わせたりすることが可能である。
C 空気電池
F ガス流路
S 空気電池スタック
1 電解質層
2 正極層
3 負極層
11,12 正極側多孔体(ガス流速調整手段)
12A〜12C 多孔部材(ガス流速調整手段)
13 正極側多孔体(ガス流速調整手段)
14 負極側多孔体(ガス流速調整手段)
15,16 正極側突起体 (ガス流速調整手段)
17 負極側突起体(ガス流速調整手段)
18〜20 正極側突起体(ガス流速調整手段)
21 基板

Claims (8)

  1. 電解質層を間にして正極層及び負極層を備えた空気電池を積層した構造を有し、
    積層方向に隣接する前記空気電池同士の前記正極層と前記負極層との間に、面内方向にガスを流通させるガス流路を備えると共に、
    前記ガス流路に、負極側領域のガス流速に対して、正極側領域のガス流速を相対的に小さくするガス流速調整手段を備え
    前記ガス流速調整手段が、正極層の表面に設けた正極側多孔体を備えていると共に、前記正極側多孔体の厚さが、前記ガス流路の間隙の1/4であることを特徴とする空気電池スタック。
  2. 電解質層を間にして正極層及び負極層を備えた空気電池を積層した構造を有し、
    積層方向に隣接する前記空気電池同士の前記正極層と前記負極層との間に、面内方向にガスを流通させるガス流路を備えると共に、
    前記ガス流路に、負極側領域のガス流速に対して、正極側領域のガス流速を相対的に小さくするガス流速調整手段を備え、
    前記ガス流速調整手段が、正極層の表面に設けた正極側多孔体を備え、
    前記正極側多孔体が、空隙率の異なる複数の多孔部材から成り、ガス流れ方向に対して各多孔部材を選択的に配置したことを特徴とする空気電池スタック。
  3. 前記ガス流速調整手段が、前記負極層の表面に設けた負極側多孔体を備えており、
    前記負極側多孔体が、前記正極側多孔体の空隙率よりも大きい空隙率を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気電池スタック。
  4. 前記負極側多孔体が、前記正極側多孔体に接触していることを特徴とする請求項に記載の空気電池スタック。
  5. 電解質層を間にして正極層及び負極層を備えた空気電池を積層した構造を有し、
    積層方向に隣接する前記空気電池同士の前記正極層と前記負極層との間に、面内方向にガスを流通させるガス流路を備えると共に、
    前記ガス流路に、負極側領域のガス流速に対して、正極側領域のガス流速を相対的に小さくするガス流速調整手段を備え、
    前記ガス流速調整手段が、正極側領域のガス流れを抑制するための正極側突起体と、負極側領域のガス流れを案内するための負極側突起体とを備えていることを特徴とする空気電池スタック。
  6. 前記正極側突起体が、前記ガス流路の入口に配置してあることを特徴とする請求項に記載の空気電池スタック。
  7. 前記負極側突起体が、前記正極側突起体に接触していることを特徴とする請求項5又は6に記載の空気電池スタック。
  8. 前記正極側突起体が、基板のプレス加工、基板の押し出し加工、基板の切削加工、基板のエンボス加工、及び基板の切り曲げ加工のうちのいずれかの加工により形成してあることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の空気電池スタック。
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