JP2012228963A - 航空機用アクチュエータ制御装置 - Google Patents

航空機用アクチュエータ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】薄翼化が図られた翼の内部に設置可能なように高出力の航空機用アクチュエータ制御装置におけるシリンダの径方向寸法及び軸方向寸法を小型化し、舵面駆動の信頼性も容易に確保し、更に、航空機の飛行状態に応じて出力を効率よく変化させる。
【解決手段】複数の油圧作動式のアクチュエータ(11〜13)は、ピストン及びシリンダがそれぞれ設けられて航空機の舵面100をそれぞれ駆動する。制御弁15は、アクチュエータ(11〜13)の油室へ供給及び排出される圧油の経路を切り替える。状態切替弁16は、複数のアクチュエータ(11〜13)のうちの一部のアクチュエータのみを制御弁15に連通させる一部アクチュエータ制御位置と、複数のアクチュエータ(11〜13)の全てを制御弁15に連通させる全アクチュエータ制御位置と、の間で、位置を切替可能に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、航空機の舵面を駆動する油圧作動式の航空機用アクチュエータ制御装置に関する。
航空機においては、動翼(操縦翼面)として形成されて、補助翼(エルロン)や昇降舵(エレベータ)、方向舵(ラダー)等として構成される舵面が設けられている。そして、舵面には油圧作動式のアクチュエータを備える航空機用アクチュエータ制御装置が取り付けられ、この航空機用アクチュエータ制御装置によって舵面が駆動される。このような、舵面を駆動可能な油圧作動式の航空機用アクチュエータ制御装置として、特許文献1乃至特許文献3に開示されたものが知られている。
特許文献1及び特許文献2においては、2つのピストンが直列に並ぶように設けられたピストンロッドを有する1つのシリンダ機構として構成されたアクチュエータを備える航空機用アクチュエータ制御装置が開示されている。また、特許文献3においては、1つのピストンが設けられたピストンロッドを有するシリンダ機構が2つ備えられ、各シリンダ機構におけるピストンロッドがそれらの端部において結合された構造のアクチュエータを有する航空機用アクチュエータ制御装置が開示されている。特許文献1乃至特許文献3に開示されたような航空機用アクチュエータ制御装置が用いられることで、受圧面積の増大による高出力化が図られることになる。
特許第3652642号公報 米国特許第6685138号明細書 米国特許出願公開第2008/0185476号明細書
近年においては、燃費向上のための機体の効率向上を目的として翼の薄型化を図る薄翼化の対応が望まれている。そして、薄翼化された翼の内部に航空機用アクチュエータ制御装置が設置されるに際し、高出力の航空機用アクチュエータ制御装置におけるシリンダの径方向寸法及び軸方向寸法の小型化が図られることが非常に重要となる。従って、特許文献1乃至特許文献3に開示されたような構造の航空機用アクチュエータ制御装置よりもシリンダの径方向寸法及び軸方向寸法の小型化が図られるとともに、高出力化も図られることが必要となる。そして、高出力の航空機用アクチュエータ制御装置におけるシリンダの径方向寸法及び軸方向寸法の小型化に際しては、更に、舵面駆動の信頼性を容易に確保可能であることも重要となる。
また、航空機の舵面を駆動するために航空機用アクチュエータ制御装置において必要となる出力は、舵面に作用する負荷に対応するため、航空機の飛行状態に応じて種々変化することになる。即ち、航空機用アクチュエータ制御装置において必要となる出力は、航空機が離陸動作時又は着陸動作時である場合とそうでない場合とでは大きく変化し、また、航空機の飛行中に舵面に作用する空力抵抗の変化等によっても大きく変化することになる。しかしながら、特許文献1乃至特許文献3に開示された航空機用アクチュエータ制御装置は、2つのピストン又は2つのシリンダ機構が同時に作動するため、航空機の飛行状態に応じて出力を変化させることが困難である。よって、シリンダの径方向寸法及び軸方向寸法の小型化が図られた高出力の航空機用アクチュエータ制御装置において、更に、航空機の飛行状態に応じて出力を効率よく変化させること可能であることも望まれる。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、薄翼化が図られた翼の内部に設置可能なように高出力の航空機用アクチュエータ制御装置におけるシリンダの径方向寸法及び軸方向寸法を小型化でき、舵面駆動の信頼性も容易に確保でき、更に、航空機の飛行状態に応じて出力を効率よく変化させることができる、航空機用アクチュエータ制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための第1発明に係る航空機用アクチュエータ制御装置は、航空機の舵面を駆動する油圧作動式の航空機用アクチュエータ制御装置であって、ピストン及びシリンダがそれぞれ設けられて航空機の舵面をそれぞれ駆動する複数の油圧作動式のアクチュエータと、複数の前記アクチュエータの作動を制御する制御機構と、を備えている。そして、第1発明に係る航空機用アクチュエータ制御装置は、前記制御機構が、前記アクチュエータにおける一対の油室のそれぞれへ供給及び排出される圧油の経路を切り替え、前記アクチュエータの作動を制御する制御弁と、前記制御弁と複数の前記アクチュエータとの間において、前記制御弁と複数の前記アクチュエータとを連通可能に設けられ、複数の前記アクチュエータの作動状態を切り替える状態切替弁と、を有し、前記状態切替弁が、複数の前記アクチュエータのうちの一部の前記アクチュエータのみを前記制御弁に連通させる一部アクチュエータ制御位置と、複数の前記アクチュエータの全てを前記制御弁に連通させる全アクチュエータ制御位置と、の間で、位置を切替可能に設けられていることを特徴とする。
この発明によると、航空機用アクチュエータ制御装置において、ピストン及びシリンダがそれぞれ設けられて舵面をそれぞれ駆動する複数の油圧作動式のアクチュエータが設けられる。このため、各アクチュエータにおけるシリンダの径方向寸法及び軸方向寸法の小型化を容易に図ることができる一方で、航空機用アクチュエータ制御装置全体として高出力の仕様を容易に実現することができる。よって、薄翼化が図られた翼の内部に設置可能なように、高出力の航空機用アクチュエータ制御装置におけるシリンダの径方向寸法及び軸方向寸法の小型化を図ることができる。また、アクチュエータが複数設けられているため、航空機用アクチュエータ制御装置において冗長化も図られることになり、舵面駆動の信頼性も容易に確保することができる。
また、本発明の航空機用アクチュエータ制御装置においては、制御弁と複数のアクチュエータとの間に、複数のアクチュエータの作動状態を切り替える状態切替弁が設けられている。そして、状態切替弁は、一部のアクチュエータのみを制御弁に連通させる位置と、全てのアクチュエータを制御弁に連通させる位置との間で位置を切替可能に設けられている。このため、状態切替弁の位置が切り替えられることで、舵面を駆動する駆動力を出力するアクチュエータの数が変更されることになる。よって、舵面に作用する負荷に対応して、即ち、航空機用アクチュエータ制御装置において必要となる出力に応じて、容易に出力が調整されることになる。これにより、本発明の航空機用アクチュエータ制御装置では、シリンダの径方向寸法及び軸方向寸法の小型化が図られた高出力の航空機用アクチュエータ制御装置において、更に、航空機の飛行状態に応じて出力を効率よく変化させることが可能となる。
従って、本発明によると、薄翼化が図られた翼の内部に設置可能なように高出力の航空機用アクチュエータ制御装置におけるシリンダの径方向寸法及び軸方向寸法を小型化でき、舵面駆動の信頼性も容易に確保でき、更に、航空機の飛行状態に応じて出力を効率よく変化させることができる、航空機用アクチュエータ制御装置を提供することができる。
第2発明に係る航空機用アクチュエータ制御装置は、第1発明の航空機用アクチュエータ制御装置において、複数の前記アクチュエータとして、3つ以上の前記アクチュエータを備え、前記一部アクチュエータ制御位置として、前記制御弁に連通させる前記アクチュエータを1つずつ増加又は減少させるように順番に切替可能な複数の位置が設けられていることを特徴とする。
この発明によると、一部アクチュエータ制御位置として、制御弁に連通させるアクチュエータを1つずつ増加又は減少させるように切替可能な複数の位置が設けられる。このため、航空機の飛行状態に応じて航空機用アクチュエータ制御装置の出力をより細分化して段階的に調整することができる。
第3発明に係る航空機用アクチュエータ制御装置は、第1発明又は第2発明の航空機用アクチュエータ制御装置において、複数の前記アクチュエータとして、第1アクチュエータ、第2アクチュエータ、及び第3アクチュエータ、の3つが設けられ、前記一部アクチュエータ制御位置として、前記第1アクチュエータのみを前記制御弁に連通させる第1アクチュエータ制御位置と、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータのみを前記制御弁に連通させる第2アクチュエータ制御位置と、の2つの切替可能な位置が設けられ、前記状態切替弁は、複数の前記アクチュエータの全てと前記制御弁との間を遮断する全遮断位置にも切替可能に設けられていることを特徴とする。
この発明によると、一部アクチュエータ制御位置として、制御弁に対して第1アクチュエータのみを連通させる位置と第1及び第2アクチュエータのみを連通させる位置との2つの切替可能な位置が設けられる。このため、航空機の飛行状態に応じて航空機用アクチュエータ制御装置の出力をより細分化して段階的に調整することができる。そして、本発明の航空機用アクチュエータ制御装置では、状態切替弁が、全てのアクチュエータと制御弁との間を遮断する全遮断位置にも切替可能に設けられる。このため、全遮断位置として、全てのアクチュエータの作動を停止させる位置を、又は、全てのアクチュエータにおける一対の油室をバイパスさせる位置を、或いは、全てのアクチュエータにおける一対の油室をオリフィスを介して連通させてダンピング機能(減衰機能)を発揮させる位置を設けることができる。このような全遮断位置が設けられることにより、出力の大きさを段階的に変化させる作動形態に加え、航空機用アクチュエータ制御装置に圧油を供給する機能の低下又は喪失が発生した場合などに対応して、航空機用アクチュエータ制御装置の作動形態を更に変化させることができる。
本発明によると、薄翼化が図られた翼の内部に設置可能なように高出力の航空機用アクチュエータ制御装置におけるシリンダの径方向寸法及び軸方向寸法を小型化でき、舵面駆動の信頼性も容易に確保でき、更に、航空機の飛行状態に応じて出力を効率よく変化させることができる、航空機用アクチュエータ制御装置を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る航空機用アクチュエータ制御装置が適用される油圧回路を模式的に示す油圧回路図である。 図1に示す油圧回路図において複数のアクチュエータを拡大して示す図である。 図1に示す油圧回路図において状態切替弁を拡大して示す図である。 図3に回路図として示す状態切替弁の断面を模式的に示す断面図である。 図4に示す状態切替弁の作動を説明するための断面図である。 図4に示す状態切替弁の作動を説明するための断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、以下の実施形態で例示した形態に限らず、航空機の舵面を駆動する油圧作動式の航空機用アクチュエータ制御装置に関して広く適用することができるものである。
図1は、本発明の一実施の形態に係る航空機用アクチュエータ制御装置1が適用される油圧回路を模試的に示す油圧回路図である。図1に示す油圧回路は、図示しない航空機の舵面100を駆動する本実施形態の油圧作動式の航空機用アクチュエータ制御装置1を作動させる回路として構成されている。尚、舵面100は、航空機の動翼(操縦翼面)として設けられており、例えば、主翼に設けられるエルロン(補助翼)、水平尾翼に設けられるエレベータ(昇降舵)、垂直尾翼に設けられるラダー(方向舵)、等として構成される。
図1に示すように、航空機用アクチュエータ制御装置1は、複数の油圧作動式のアクチュエータ(11、12、13)と、複数のアクチュエータ(11、12、13)の作動を制御する制御機構14と、を備えて構成されている。尚、舵面100は、駆動機構の更なる冗長化を図る観点から、図1に示す航空機用アクチュエータ制御装置1に加え、これと同様に構成される他の航空機用アクチュエータ制御装置1(図示せず)によっても駆動されるように構成されていている。
図2は、図1に示す油圧回路図において複数のアクチュエータ(11、12、13)を拡大して示す図である。図1及び図2に示すように、航空機用アクチュエータ制御装置1においては、複数のアクチュエータ(11、12、13)として、個別に設けられた第1アクチュエータ11、第2アクチュエータ12、及び第3アクチュエータ13の3つが設けられている。
第1乃至第3アクチュエータ(11、12、13)は、同様に構成され、ピストン17、ロッド18及びシリンダ19がそれぞれ設けられている。そして、第1乃至第3アクチュエータ(11、12、13)は、ロッド18において舵面100にそれぞれ連結され、舵面100をそれぞれ駆動するように構成されている。
第1乃至第3アクチュエータ(11、12、13)においては、各ロッド18は、軸方向に移動自在な状態でシリンダ19を貫通しており、シリンダ19から突出した端部において舵面100に連結されている。また、各アクチュエータ(11、12、13)における各ピストン17は、シリンダ19内においてロッド18に固定されている。そして、各シリンダ19内は、各ピストン17により、一対の油室(19a、19b)に区画されている。尚、一対の油室(19a、19b)は、ピストン17により、シリンダ19内において連通しないように区画されている。
また、各アクチュエータ(11、12、13)には、位置センサ20及び圧力センサ21が設置されている。位置センサ20は、ピストン17及びロッド18のシリンダ19に対する位置を検出するセンサとして設けられている。圧力センサ21は、例えば、一対の油室(19a、19b)の各油室内の圧油の圧力をそれぞれ検出するセンサユニットとして設けられている。
図1に示すように、第1乃至第3アクチュエータ(11、12、13)は、制御機構14を介して、機体側油圧源101から圧油が供給されるとともに、リザーバ回路102に対して圧油を排出する。機体側油圧源101は、圧油(作動油)を供給する油圧ポンプを備えて構成され、図示しない航空機の中央部分である機体側に設置されている。尚、機体側油圧源101は、舵面100以外の舵面を駆動する航空機用アクチュエータ制御装置(図示せず)に対しても圧油を供給するように構成されている。
リザーバ回路102は、機体側油圧源101からの圧油として供給された後に第1乃至第3アクチュエータ(11、12、13)から排出される圧油が流入して戻るタンク(図示せず)を備えるとともに、機体側油圧源101に連通するように構成されている。これにより、リザーバ回路102に戻った油は、機体側油圧源101で昇圧され、第1乃至第3アクチュエータ(11、12、13)に供給される。
また、機体側油圧源101からの第1乃至第3アクチュエータ(11、12、13)への圧油の供給と、リザーバ回路102への第1乃至第3アクチュエータ(11、12、13からの圧油の排出とは、制御機構14を介して行われる。尚、機体側油圧源101と制御機構14との間には、油中の異物を除去するためのフィルター103、機体側油圧源101からの圧油の流れを許容し機体側油圧源101へ逆流する方向の流れを規制する逆止弁104、が設けられている。フィルター103及び逆止弁104は、機体側油圧源101からの圧油を制御機構14に供給する油路である供給油路22aに設けられている。
また、リザーバ回路102と制御機構14との間には、リリーフ弁を備えて構成される蓄圧器105が設けられている。蓄圧器105は、制御機構14から排出された圧油をリザーバ回路102に排出する油路である排出油路22bに設けられている。このような蓄圧器105が設けられていることで、蓄圧器105の上流側(リザーバ回路102が連通する側と反対側)における回路内の圧油の圧力が、蓄圧器105のリリーフ弁によるリリーフ圧以上に維持されることになる。
制御機構14は、制御弁15、状態切替弁16、等を備えて構成されている。制御弁15は、機体側油圧源101に対して供給油路22aを介して連通するとともに、リザーバ回路102に対して排出油路22bを介して連通するように構成されている。そして、制御弁15は、各アクチュエータ(11、12、13)における一対の油室(19a、19b)のそれぞれへ供給及び排出される圧油の経路を切り替え、各アクチュエータ(11、12、13)の作動を制御するためのバルブ機構として設けられている。この制御弁15は、例えば、電気油圧サーボ弁(EHSV)として設けられ、比例的にスプール(図示せず)の位置を切り替え可能に構成されている。そして、この制御弁15は、複数のアクチュエータ(11、12、13)の動作を制御するコントローラ106からの指令信号に基づいて駆動される。
また、制御弁15と状態切替弁16とは、給排油路(23a、23b)を介して連通するように構成されている。給排油路(23a、23b)は、制御弁15と状態切替弁16との間で並列に設けられた油路として構成されている。そして、制御弁15がコントローラ106からの指令信号に基づいて切り替えられることで、給排油路(23a、23b)の一方に圧油が供給され、給排油路(23a、23b)の他方から圧油が排出される。
給排油路(23a、23b)の一方に圧油が供給されることで、状態切替弁16を介して各アクチュエータ(11、12、13)における油室(17a、17b)の一方に圧油が供給されることになる。また、各アクチュエータ(11、12、13)における油室(17a、17b)の一方に圧油が供給されるときは、各アクチュエータ(11、12、13)における油室(17a、17b)の他方から圧油が排出される。これにより、各アクチュエータ(11、12、13)において、シリンダ19に対してピストン17及びロッド18が移動し、舵面100が駆動される。
制御弁15を駆動するコントローラ106は、舵面100の動作を指令する上位のコンピュータ(図示せず)からの指令信号に基づいて制御弁15を駆動し、第1乃至第3アクチュエータ(11、12、13)の動作を制御する。
また、コントローラ106には、第1乃至第3アクチュエータ(11、12、13)に設けられた各位置センサ20で検出された位置検出信号が入力されるように構成されている。そして、航空機の飛行中において、コントローラ106は、上位のコンピュータからの舵面10の動作指令信号と、位置センサ20からの位置検出信号とに基づいて、各アクチュエータ(11、12、13)におけるピストン17及びロッド18の位置のフィードバック制御を行うように構成されている。
また、コントローラ106には、第1乃至第3アクチュエータ(11、12、13)に設けられた各圧力センサ21で検出された圧力検出信号が入力されるように構成されている。そして、航空機の飛行中において、コントローラ106は、圧力センサ21からの圧力検出信号に基づいて、舵面100に作用している負荷を検知する。このように検知された舵面100の負荷に基づいて、コントローラ106は、航空機用アクチュエータ制御装置1において必要となる出力を確保可能なように複数のアクチュエータ(11、12、13)における駆動するアクチュエータの数を決定する。そして、決定された数のアクチュエータが駆動されるように、後述の状態切替弁16の位置を制御する。
図3は、図1に示す油圧回路図において状態切替弁16を拡大して示す図である。図1及び図3に示す状態切替弁16は、制御弁15と複数のアクチュエータ(11、12、13)における各一対の油室(19a、19b)との間に設けられている。そして、状態切替弁16は、制御弁15と複数のアクチュエータ(11、12、13)との間において、制御弁15とアクチュエータ(11、12、13)とを連通可能に設けられ、複数のアクチュエータ(11、12、13)の作動状態を切り替えるバルブ機構として設けられている。
また、状態切替弁16には、複数のポート(24a、24b、24c、24d、24e、24f、24g、24h)が設けられている。ポート24aは、給排油路22aに連通するように設けられている。ポート24bは、給排油路22bに連通するように設けられている。ポート24cは、第1アクチュエータ11の油室19aに連通するように設けられている。ポート24dは、第1アクチュエータ11の油室19bに連通するように設けられている。ポート24eは、第2アクチュエータ12の油室19aに連通するように設けられている。ポート24fは、第2アクチュエータ12の油室19bに連通するように設けられている。ポート24gは、第3アクチュエータ13の油室19aに連通するように設けられている。ポート24hは、第3アクチュエータ13の油室19bに連通するように設けられている。
また、状態切替弁16は、給排油路(22a、22b)に連通するポート(24a、24b)と、第1乃至第3アクチュエータ(11、12、13)に連通するポート(24c、24d、24e、24f、24g、24h)との接続状態を切り替えるバルブ機構として設けられている。そして、状態切替弁16には、上記の接続状態を切り替えるための複数の位置(25a、25b、25c、25d)が設けられている。即ち、状態切替弁16は、第1アクチュエータ制御位置25aと、第2アクチュエータ制御位置25bと、全アクチュエータ制御位置25cと、全遮断位置25dとの間で、位置を切替可能に設けられている。
第1アクチュエータ制御位置25aは、ポート24a及びポート24cを連通させ、ポート24b及びポート24dを連通させ、ポート24e及びポート24fをオリフィス26aを介して連通させ、ポート24g及びポート24hをオリフィス26bを介して連通させる位置として設けられている。即ち、第1アクチュエータ制御位置25aは、複数のアクチュエータ(11、12、13)のうち第1アクチュエータ11のみを制御弁15に連通させるように構成されている。そして、状態切替弁16が第1アクチュエータ制御位置25aのときは、第2アクチュエータ12における一対の油室(19a、19b)がオリフィス26aを介して連通し、第3アクチュエータ13における一対の油室(19a、19b)がオリフィス26bを介して連通することになる。
第2アクチュエータ制御位置25bは、ポート24aとポート24c及びポート24eとを連通させ、ポート24bとポート24d及びポート24fとを連通させ、ポート24g及びポート24hをオリフィス26cを介して連通させる位置として設けられている。即ち、第2アクチュエータ制御位置25bは、複数のアクチュエータ(11、12、13)のうち第1アクチュエータ11及び第2アクチュエータ12のみを制御弁15に連通させるように構成されている。そして、状態切替弁16が第2アクチュエータ制御位置25bのときは、第3アクチュエータ13における一対の油室(19a、19b)がオリフィス26cを介して連通することになる。
上記のように、第1アクチュエータ制御位置25a及び第2アクチュエータ制御位置25bは、複数のアクチュエータ(11、12、13)のうちの一部のアクチュエータのみを制御弁15に連通させる本実施形態の一部アクチュエータ制御位置として構成されている。即ち、状態切替弁16は、一部アクチュエータ制御位置として、第1アクチュエータ制御位置25aと、第2アクチュエータ制御位置25bと、の2つの切替可能な位置が設けられている。また、状態切替弁16は、一部アクチュエータ制御位置として、制御弁15に連通させるアクチュエータを1つずつ増加又は減少させるように順番に切替可能な複数の位置(25a、25b)が設けられていることになる。
全アクチュエータ制御位置25cは、ポート24aと、ポート24c、ポート24e及びポート24gとを連通させるとともに、ポート24bと、ポート24d、ポート24f及びポート24hとを連通させる位置として設けられている。即ち、全アクチュエータ制御位置25cは、複数のアクチュエータ(11、12、13)の全てを制御弁15に連通させるように構成されている。
全遮断位置25dは、ポート24a及びポート24bを遮断し、ポート24c及びポート24dをオリフィス26dを介して連通させ、ポート24e及びポート24fをオリフィス26eを介して連通させ、ポート24g及びポート24hをオリフィス26fを介して連通させる位置として設けられている。即ち、全遮断位置25dは、複数のアクチュエータ(11、12、13)の全てと制御弁15との間を遮断するように構成されている。そして、状態切替弁16が全遮断位置25dのときは、第1アクチュエータ11における一対の油室(19a、19b)がオリフィス26dを介して連通し、第2アクチュエータ12における一対の油室(19a、19b)がオリフィス26eを介して連通し、第3アクチュエータ13における一対の油室(19a、19b)がオリフィス26fを介して連通することになる。
尚、状態切替弁16に設けられたオリフィス(26a、26b、26c、26d、26e、26f)は、例えば、圧油の流路断面積を絞る部分の面積が変化せずに固定された固定オリフィスとして設けられる。しかし、この通りでなくてもよく、オリフィス(26a、26b、26c、26d、26e、26f)は、バイメタル機構によって圧油の流路断面積を絞る部分の面積が変化するように構成された可変オリフィスであってもよい。
また、状態切替弁16は、機体側油圧源101から供給される圧油と、コントローラ106によって駆動される電磁弁(27、28)の作動とによって、位置(25a、25b、25c、25d)の切替動作が行われるように構成されている。電磁弁27は、例えば励磁した状態では図1に示すように供給位置27aに切り替えられている。この状態では、機体側油圧源101からの圧油がパイロット圧油路30aを介して状態切替弁16の第1パイロット圧室29aにパイロット圧油として供給される(図1、図3を参照)。一方、電磁弁27は、例えば消磁した状態では排出位置27bに切り替えられる。この状態では、第1パイロット圧室29aに供給されたパイロット圧油がパイロット圧油路30aを介してリザーバ回路102に排出される。
また、電磁弁28は、例えば励磁した状態では図1に示すように供給位置28aに切り替えられている。この状態では、機体側油圧源101からの圧油がパイロット圧油路30bを介して状態切替弁16の第2パイロット圧室29bにパイロット圧油として供給される(図1、図3を参照)。一方、電磁弁28は、例えば消磁した状態では排出位置28bに切り替えられる。この状態では、第2パイロット圧室29bに供給されたパイロット圧油がパイロット圧油路30bを介してリザーバ回路102に排出される。
そして、コントローラ106は、第1乃至第3アクチュエータ(11、12、13)に設けられた各圧力センサ21で検出された圧力検出信号に基づいて、又は、舵面100の動作を指令する上位のコンピュータからの指令信号に基づいて、電磁弁(27、28)を励磁させ又は消磁させるように制御し、状態切替弁16の位置を制御する。尚、状態切替弁16には、第1パイロット圧室29a及び第2パイロット圧室29bに加え、第3パイロット圧室29cも設けられている。第3パイロット圧室29cには、機体側油圧源101からの圧油が、パイロット圧油として、電磁弁を介すことなくパイロット圧油路30cを介して直接に供給される。
ここで、状態切替弁16の構成について、更に詳しく説明する。図4は、図3に回路図として示す状態切替弁16の断面を模式的に示す断面図である。図4に示すように、状態切替弁16には、ケース31、スリーブ32、バネ33、第1スプール34、第2スプール35、第3スプール36、等が備えられている。
ケース31は、内部にスリーブ32が設置される空間が形成されている。そして、ケース31には、ポート(24a、24b、24c、24d、24e、24f、24g、24h)、各パイロット圧油路(30a、30b、30c)と各パイロット圧室(29a、29b、29c)とをそれぞれ連通する連通路、等が設けられている。尚、各パイロット圧油路(30a、30b、30c)と各パイロット圧室(29a、29b、29c)とをそれぞれ連通する連通路は、ケース31からスリーブ32に亘って形成されている。
スリーブ32は、ケース31内に設置されるとともに、筒状に形成されて内部に第1乃至第3スプール(34、35、36)が設置される空間が形成されている。第1スプール34、第2スプール35、及び第3スプール36は、円柱状の部材として設けられている。そして、第1スプール34、第2スプール35、及び第3スプール36は、円柱軸線方向が一致した状態で、スリーブ32内において直列に配置されている。また、第1乃至第3スプール(34、35、36)は、いずれも、スリーブ32の内壁に対して摺動自在に設置され、円柱軸線方向に沿って移動自在に設置されている。
また、スリーブ32内においては、スリーブ32の一端側に第1スプール34が設置され、スリーブ32の他端側に第3スプール36が設置され、第1及び第3スプール(34、36)の間に第2スプール35が設置されている。そして、スリーブ32内においては、第1スプール34の一端側の端部とスリーブ32の内壁との間でバネ室37が区画されている。このバネ室37に、バネ33が設置されている。バネ33は、例えばコイルバネとして設けられ、スリーブ32に対して第1スプール34を第2スプール35及び第3スプール36側に向かって付勢するように設けられている。
また、スリーブ32内においては、第1スプール34と第2スプール35との間で区画される領域が、第1パイロット圧室29aを構成している。そして、スリーブ32内において第2スプール35と第3スプール36との間で区画される領域が、第2パイロット圧室29bを構成している。更に、スリーブ32内の他端側において、第3スプール36の端部とスリーブ32の内壁との間で区画される領域が、第3パイロット圧室29cを構成している。
尚、第1スプール34の直径は、第2スプール35の直径よりも小径に形成されている。また、第2スプール35の直径は、第3スプール36の直径よりも小径に形成されている。このため、スリーブ32内において、第1スリーブ34が設置される第1スリーブ室34aの内周壁の直径は、第2スリーブ35が設置される第2スリーブ室35aの内周壁の直径よりも小径に形成されている。そして、スリーブ32内において、第2スリーブ35が設置される第2スリーブ室35aの内周壁の直径は、第3スリーブ36が設置される第3スリーブ室36aの内周壁の直径よりも小径に形成されている。
上記により、第1スプール34は、バネ33に付勢される一端側の端部と反対側である他端側の端部が第1スプール室34aから第2スプール室35aに一部突出可能に設置されている。そして、第2スプール35は、第1スプール34に当接可能な一端側の端部と反対側である他端側の端部が第2スプール室35aから第3スプール室36aに一部突出可能に設置されている。
尚、図4では図示が省略されているが、第1スプール34及びスリーブ32には、図4にて二点鎖線の斜線のハッチングで断面を示す領域において、ポート(24a、24b、24c、24d、24e、24f、24g、24h)間の接続状態を切り替えるための油路が形成されている。スリーブ32内において第1スプール34が移動することで、ポート(24a、24b、24c、24d、24e、24f、24g、24h)間の接続状態が切り替えられることになる。上記の構成のため、本実施形態の状態切替弁16においては、ポート(24a、24b、24c、24d、24e、24f、24g、24h)が、ケース31において、第1スプール34の側方の位置に形成されている。
次に、状態切替弁16の作動について、図1、図3乃至図6を参照しつつ、更に説明する。尚、図5及び図6は、状態切替弁16の作動を説明するための断面図である。そして、図4は、状態切替弁16が第1アクチュエータ制御位置25aに切り替えられた状態を示している。また、図5(a)は、状態切替弁16が第2アクチュエータ制御位置25bに切り替えられた状態を示している。また、図5(b)は、状態切替弁16が全アクチュエータ制御位置25cに切り替えられた状態を示している。また、図6は、状態切替弁16が全遮断位置25dに切り替えられた状態を示している。
機体側油圧源101からの圧油が供給されている状態では、パイロット圧油路30cを介して第3パイロット圧室29cにパイロット圧油が供給されている。これにより、第3スプール36は、第2スプール35側に向かって付勢され、第3スプール室36aの一端側における段状の部分に当接した位置に位置している(図4、図5を参照)。
上記の状態において、更に、電磁弁27がコントローラ106によって駆動されて供給位置27aに切り替えられた状態では、パイロット圧油路30aを介して第1パイロット圧室29aにパイロット圧油が供給され、状態切替弁16は図4に示す状態となっている。この状態では、第1スプール34は、第1パイロット圧室29aに供給されたパイロット圧油によって、バネ33のバネ力に抗して第1スプール室34aの一端側に(即ち、バネ33側に)付勢されて位置している。そして、状態切替弁16が第1アクチュエータ制御位置25aに切り替えられた状態となっている。
尚、図4では、第2パイロット圧室29bからパイロット圧油が排出された状態切替弁16の状態が図示されている。状態切替弁16は、第1パイロット圧室29aにパイロット圧油が供給されていることで、第2パイロット圧室29bへのパイロット圧油の供給の有無によらず、第1アクチュエータ制御位置25aに切り替えられた状態が維持される。即ち、状態切替弁16は、第1パイロット圧室29a及び第2パイロット圧室29bの両方にパイロット圧油が供給されている状態であっても、第1スプール34が第1スプール室34aの一端側に位置し、第1アクチュエータ制御位置25aに切り替えられた状態が維持される。
状態切替弁16の状態が図4に示す状態である場合は、電磁弁27が供給位置27aに切り替えられるとともに、電磁弁28が排出位置28bに切り替えられた状態が維持されている。この状態から、状態切替弁16が第2アクチュエータ制御位置25bに切り替えられる際には、電磁弁28が励磁されて供給位置28aに切り替えられ、更に、電磁弁27が消磁されて排出位置27bに切り替えられる。
上記により、状態切替弁16の状態が、図4に示す状態から図5(a)に示す状態に移行することになる。即ち、第2パイロット圧油路30bを介して第2パイロット圧室29bにパイロット圧油が供給され、第2スプール35が、第1スプール34側に向かって付勢され、第2スプール室35aの一端側における段状の部分に当接する位置に移動する。そして、第1パイロット圧油路30aを介して第1パイロット圧室29aからパイロット圧油が排出され、第1スプール34が、バネ33のバネ力によって第2スプール35側に向かって付勢され、第2スプール35の一端側の端部に当接する位置に移動する。これにより、状態切替弁16が第2アクチュエータ制御位置25bに切り替えられた状態となる。
状態切替弁16が、第2アクチュエータ制御位置25bから全アクチュエータ制御位置25cに切り替えられる際には、電磁弁27が排出位置27bの状態のままで、電磁弁28が励磁されて排出位置28bに切り替えられる。これにより、状態切替弁16の状態が、図5(a)に示す状態から図5(b)に示す状態に移行することになる。
即ち、第2パイロット圧油路30bを介して第2パイロット圧室29bからパイロット圧油が排出される。そして、第1スプール34及び第2スプール35が、バネ33のバネ力によって付勢されて、第3スプール36側に向かって移動する。このスプール(34、35)の移動が完了すると、バネ33のバネ力によって、第2スプール35の他端側の端部が第3スプール36に当接し、第1スプール34の他端側の端部が第2スプール35に当接した状態が維持されることになる。そして、状態切替弁16が全アクチュエータ制御位置25cに切り替えられた状態となる。
一方、状態切替弁16が第1アクチュエータ制御位置25a、第2アクチュエータ制御位置25b、及び全アクチュエータ制御位置25cのいずれかの位置である状態で、機体側油圧源101の機能の低下又は喪失が発生すると、第1乃至第3パイロット圧室(29a、29b、29c)のいずれに対してもパイロット圧油が供給されない状態となる。この場合、状態切替弁16の状態が、図6に示す状態に移行することになる。
即ち、第1乃至第3パイロット圧室(29a、29b、29c)の全てからパイロット圧油が排出された状態となる。そして、第1乃至第3スプール(34、35、36)が、バネ33のバネ力によって付勢されて、第3パイロット圧室29c側に向かって移動する。このスプール(34、35、36)の移動が完了すると、バネ33のバネ力によって、第3スプール36の他端側の端部がスリーブ32の内壁に当接し、第2スプール35の他端側の端部が第3スプール36に当接し、第1スプール34の他端側の端部が第2スプール35に当接した状態が維持されることになる。そして、状態切替弁16が全遮断位置25dに切り替えられた状態となる。
以上説明した本実施形態によると、航空機用アクチュエータ制御装置1において、ピストン17及びシリンダ19がそれぞれ設けられて舵面100をそれぞれ駆動する複数の油圧作動式のアクチュエータ(11、12、13)が設けられる。このため、各アクチュエータ(11、12、13)におけるシリンダ19の径方向寸法及び軸方向寸法の小型化を容易に図ることができる一方で、航空機用アクチュエータ制御装置1全体として高出力の仕様を容易に実現することができる。よって、薄翼化が図られた翼の内部に設置可能なように、高出力の航空機用アクチュエータ制御装置1におけるシリンダ19の径方向寸法及び軸方向寸法の小型化を図ることができる。また、アクチュエータ(11、12、13)が複数設けられているため、航空機用アクチュエータ制御装置1において冗長化も図られることになり、舵面駆動の信頼性も容易に確保することができる。
また、航空機用アクチュエータ制御装置1においては、制御弁15と複数のアクチュエータ(11、12、13)との間に、複数のアクチュエータ(11、12、13)の作動状態を切り替える状態切替弁16が設けられている。そして、状態切替弁16は、一部のアクチュエータのみを制御弁15に連通させる位置と、全てのアクチュエータ(11、12、13)を制御弁15に連通させる位置との間で位置を切替可能に設けられている。このため、状態切替弁16の位置が切り替えられることで、舵面100を駆動する駆動力を出力するアクチュエータの数が変更されることになる。よって、舵面100に作用する負荷に対応して、即ち、航空機用アクチュエータ制御装置1において必要となる出力に応じて、容易に出力が調整されることになる。これにより、本実施形態では、シリンダ19の径方向寸法及び軸方向寸法の小型化が図られた高出力の航空機用アクチュエータ制御装置1において、更に、航空機の飛行状態に応じて出力を効率よく変化させることが可能となる。
尚、前述のように、状態切替弁16は、コントローラ106によって駆動される電磁弁(27、28)の作動に基づいて、第1アクチュエータ制御位置25a、第2アクチュエータ制御位置25b、及び全アクチュエータ制御位置25cの間での位置の切替動作が行われる。そして、コントローラ106は、圧力センサ21からの圧力検出信号に基づいて、舵面100に作用している負荷を検知し、この負荷に応じて、状態切替弁16の位置の切替動作を制御するように構成されている。これにより、航空機の飛行中に舵面に作用する空力抵抗の変化に応じて、状態切替弁16の位置の切替動作が制御されることになる。また、コントローラ106は、航空機が離陸動作時又は着陸動作時である場合とそうでない場合とで、状態切替弁16の位置の切替動作を制御するように構成されていてもよい。
従って、本実施形態によると、薄翼化が図られた翼の内部に設置可能なように高出力の航空機用アクチュエータ制御装置1におけるシリンダ19の径方向寸法及び軸方向寸法を小型化でき、舵面駆動の信頼性も容易に確保でき、更に、航空機の飛行状態に応じて出力を効率よく変化させることができる、航空機用アクチュエータ制御装置1を提供することができる。
また、航空機用アクチュエータ制御装置1によると、一部アクチュエータ制御位置として、制御弁15に連通させるアクチュエータを1つずつ増加又は減少させるように切替可能な複数の位置(25a、25b)が設けられる。このため、航空機の飛行状態に応じて航空機用アクチュエータ制御装置1の出力をより細分化して段階的に調整することができる。
また、航空機用アクチュエータ制御装置1によると、状態切替弁16が、全てのアクチュエータ(11、12、13)と制御弁15との間を遮断する全遮断位置25dにも切替可能に設けられる。そして、本実施形態では、全遮断位置25dとして、全てのアクチュエータ(11、12、13)における一対の油室(19a、19b)をオリフィス(26d、26e、26f)を介して連通させてダンピング機能(減衰機能)を発揮させる位置が設けられている。このような全遮断位置25dが設けられることにより、出力の大きさを段階的に変化させる作動形態に加え、航空機用アクチュエータ制御装置1に圧油を供給する機能の低下又は喪失が発生した場合に対応して、航空機用アクチュエータ制御装置1の作動形態を更に変化させることができる。
尚、本実施形態においては、1つの舵面100を駆動するために複数の航空機用アクチュエータ制御装置1が設置される。このため、1つの航空機用アクチュエータ制御装置1の状態切替弁16が全遮断位置25dに切り替えられると、その切替動作が行われた航空機用アクチュエータ制御装置1における各アクチュエータ(11、12、13)は、他の航空機用アクチュエータ制御装置1によって駆動される舵面100の動作に応じて、追従するように作動することになる。
また、舵面100の剛性と舵面100に作用する空力抵抗との関係によっては、舵面100の動作時において舵面100の脈動が生じる虞がある。このような場合には、本実施形態のように1つの舵面100を駆動するために複数の航空機用アクチュエータ制御装置1が設置される場合、いずれかの航空機用アクチュエータ制御装置1の状態切替弁16を全遮断位置25dに切り替えることで、ダンピング機能により、舵面100の脈動を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)前述の実施形態では、複数のアクチュエータとして3つのアクチュエータが備えられる形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、複数のアクチュエータとして4つ以上のアクチュエータが備えられる形態の航空機用アクチュエータ制御装置を実施してもよい。
(2)前述の実施形態では、制御機構において、状態切替弁が1つ設けられた形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、1つの制御機構において、それぞれ複数のアクチュエータの作動状態を切り替える状態切替弁が、複数設けられた形態の航空機用アクチュエータ制御装置を実施してもよい。
(3)前述の実施形態では、状態切替弁に全遮断位置が設けられた形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、全遮断位置が設けられていない状態切替弁を備える航空機用アクチュエータ制御装置を実施してもよい。
(4)また、前述の実施形態では、全てのアクチュエータにおける一対の油室をオリフィスを介して連通させてダンピング機能を発揮させる全遮断位置が設けられた状態切替弁を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。全てのアクチュエータの作動を停止させる全遮断位置、又は、全てのアクチュエータにおける一対の油室をバイパスさせる全遮断位置が設けられた状態切替弁を備える航空機用アクチュエータ制御装置を実施してもよい。
(5)前述の実施形態では、コントローラが、各アクチュエータの圧力センサからの圧力検出信号に基づいて、舵面に作用している負荷を検知し、この負荷に応じて、状態切替弁の位置の切替動作を制御するように構成される形態を例にとって説明したが、この例に限られなくてもよい。例えば、オイルシールの破損等による油漏れといった故障が発生したアクチュエータが切り離されるように、即ち、故障したアクチュエータを制御弁に連通させずこの故障したアクチュエータによる舵面の駆動が行われないように、状態切替弁の位置の切替動作が制御されてもよい。この場合、状態切替弁は、個々のアクチュエータを選択して制御弁に連通させる複数の位置が設けられるように構成される。また、オイルシールの破損等による油漏れについては、例えば、各アクチュエータの圧力センサからの圧力検出信号に基づいて、コントローラにて判断される。
本発明は、航空機の舵面を駆動する油圧作動式の航空機用アクチュエータ制御装置として、広く適用することができるものである。
1 航空機用アクチュエータ制御装置
11 第1アクチュエータ(アクチュエータ)
12 第2アクチュエータ(アクチュエータ)
13 第3アクチュエータ(アクチュエータ)
14 制御機構
15 制御弁
16 状態切替弁
17 ピストン
19 シリンダ
25a 第1アクチュエータ制御位置(一部アクチュエータ制御位置)
25b 第2アクチュエータ制御位置(一部アクチュエータ制御位置)
25c 全アクチュエータ制御位置
100 舵面

Claims (3)

  1. 航空機の舵面を駆動する油圧作動式の航空機用アクチュエータ制御装置であって、
    ピストン及びシリンダがそれぞれ設けられて航空機の舵面をそれぞれ駆動する複数の油圧作動式のアクチュエータと、複数の前記アクチュエータの作動を制御する制御機構と、を備え、
    前記制御機構は、
    前記アクチュエータにおける一対の油室のそれぞれへ供給及び排出される圧油の経路を切り替え、前記アクチュエータの作動を制御する制御弁と、
    前記制御弁と複数の前記アクチュエータとの間において、前記制御弁と複数の前記アクチュエータとを連通可能に設けられ、複数の前記アクチュエータの作動状態を切り替える状態切替弁と、
    を有し、
    前記状態切替弁は、
    複数の前記アクチュエータのうちの一部の前記アクチュエータのみを前記制御弁に連通させる一部アクチュエータ制御位置と、
    複数の前記アクチュエータの全てを前記制御弁に連通させる全アクチュエータ制御位置と、
    の間で、位置を切替可能に設けられていることを特徴とする、航空機用アクチュエータ制御装置。
  2. 請求項1に記載の航空機用アクチュエータ制御装置であって、
    複数の前記アクチュエータとして、3つ以上の前記アクチュエータを備え、
    前記一部アクチュエータ制御位置として、前記制御弁に連通させる前記アクチュエータを1つずつ増加又は減少させるように順番に切替可能な複数の位置が設けられていることを特徴とする、航空機用アクチュエータ制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の航空機用アクチュエータ制御装置であって、
    複数の前記アクチュエータとして、第1アクチュエータ、第2アクチュエータ、及び第3アクチュエータ、の3つが設けられ、
    前記一部アクチュエータ制御位置として、前記第1アクチュエータのみを前記制御弁に連通させる第1アクチュエータ制御位置と、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータのみを前記制御弁に連通させる第2アクチュエータ制御位置と、の2つの切替可能な位置が設けられ、
    前記状態切替弁は、複数の前記アクチュエータの全てと前記制御弁との間を遮断する全遮断位置にも切替可能に設けられていることを特徴とする、航空機用アクチュエータ制御装置。
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