JP2012228801A - 表面処理装置及び表面処理装置のフィルムカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面処理装置100は、加熱ユニット50と、着脱可能なフィルムカートリッジ14と、を有する。フィルムカートリッジ14は、加熱ユニット50が侵入する第1の開口部80やケーシング31の内部に配置され加熱ユニット50のシャッター55に作用してシャッター55を閉鎖位置(第1の位置)と開放位置(第2の位置)との間で移動させる作用部37a、37bを有する。加熱ユニット50はシャッター55が閉鎖位置にある状態で第1の開口部80からケーシング31内に侵入し、ケーシング31内で作用部37a、37bがシャッター55に作用してシャッター55は開放位置に移動する。
【選択図】図18
Description
1.表面処理装置の基本構成
図1は、本発明の一実施例に係る表面処理装置100の模式的な断面図である。本実施例では、表面処理装置100は、電子写真方式の画像形成装置によって熱溶融性のトナーで別途画像が形成された記録材を被処理媒体Sとして、その表面の表面性状を制御する処理(表面処理)を行う。
次に、表面処理装置100の各部の構成について更に説明する。
サーマルヘッド8の基本構成及び基本仕様について説明する。図3は、特に、サーマルヘッド8の発熱体の構成の概略図である。サーマルヘッド8は、アルミナなどを用いた基板151に印刷されたグレーズ152(保温層)上にコモン(共通)電極153a、リード(個別)電極153bを形成すると共に、これらの各電極の上面に発熱抵抗体155を形成して構成されている。更に、上記基板151、保温層152、各電極153a、153b及び発熱抵抗体155の上面に、保護膜154(オーバーコート層)が形成されている。又、サーマルヘッド8には、発熱体に選択的に電力を印加して発熱させるための駆動回路160(図6)が接続されている。更に、サーマルヘッド8には、被処理媒体Sに熱を与えた後の余分な熱を放熱させる放熱板などの部材が設けられている。サーマルヘッド8は、被処理媒体Sの搬送方向と略直交する方向に沿って直線状に配列された複数の発熱体(加熱部)を有し、その配列方向において異なる領域を選択的に加熱することでフィルム11を介して被処理媒体Sの面を加熱することができる。
プラテンローラ7は、軸(芯金)7aの周りに、硬質ゴムなどの摩擦係数の高い部材から成る弾性層7bをローラ状に形成した弾性ローラである。本実施例では、軸7aの周りにシリコーンゴムから成る弾性層7bをローラ状に形成した耐熱性のゴムローラである。プラテンローラ7は、軸7aにより装置本体1に回動可能に取り付けられている。そして、この軸7aを介してプラテンローラ7を駆動源としてのプラテンローラ駆動モータM3(図6)により回転駆動することにより、被処理媒体Sとフィルム11とが搬送される。本実施例では、被処理媒体Sの搬送速度は、プラテンローラ7の回転速度によって決定され、サーマルヘッド8へ送られるデータ(処理領域情報)は、このプラテンローラ7の回転速度に基づいて形成される。本実施例では、表面処理時に、処理部Tにおいて被処理媒体Sとフィルム11は略等速度で同方向に搬送される。
フィルム(転写フィルム)11は、供給軸12に所望の長さ巻き取られて蓄えられており、必要に応じて巻き取り軸13により巻き取ることにより、処理部Tに供給される。フィルム11は、被処理媒体Sの表面を局所的に加熱するために、薄い可撓性材料で構成することが望まれる。この観点から、フィルム11の厚さは40μm以下が望ましい。フィルム11の厚さは、光沢処理の観点からは2μmまで薄くすることが可能であるが、強度の観点からは4μm以上が好ましい。更に、表面処理において、写真調の写像性に優れた表面性を得るために、フィルム11はある程度の剛度を持つことが有効であり、下記のような材質においては8μm以上が好ましい。又、材質については、サーマルヘッド8に対する耐熱性が必要である。ポリイミドなど、200℃を超える耐熱性を有する材質が望ましい。しかし、加熱履歴は残るが、PET(ポリエチレンテレフタラート)など安価で一般的な樹脂フィルム(熱可塑性フィルム)を採用することができる。又、フィルム11の表層(被処理媒体Sに接触する面)には、離型コーティングを施すことができる。この機能層は、低表面エネルギーのコーティング層であり、フィルム11と被処理媒体Sの表層の樹脂の離型性を向上するために施すことができる。フィルム11の表面の形状を被処理媒体Sの表面に転写するにあたっては、フィルム11の形状を如何に正確に転写するかという観点から、スムーズに離型することが望ましい。これらの組成としては、例えばフッ素樹脂、シリコーン樹脂などを用いることができる。又、形成方法については、コーティングを用いることができるが、コーティングに限ることはなく、あくまで転写すべき表面性を形成できることが重要となる。例えば、写真用の平滑な面を作るため、ベースフィルムにコーティングにより平滑面を作成することができる。又、フィルム11の裏面(サーマルヘッド8と摺動する面)には、スティック防止層を設けることができる。これはサーマルヘッド8との機械的摩擦を低減するために施すことができる。上述の離型コーティングに近い特性が要求されるため、具体的には、離型層と同様のフッ素樹脂、シリコーン樹脂などによるコーティングが有効である。本実施例では、フィルム11として、PETフィルム(基材)に離型コーティングを施し、又スティック防止層を設けたものを使用した。
フィルム11から被処理媒体Sが分離する部分(分離部)について説明する。適切な表面処理のためには、サーマルヘッド8及び分離部の構成は重要である。本実施例では、分離部材15は、フィルム11の冷却機能と曲率によるフィルム11からの被処理媒体Sの分離機能の2つの役目を担っている。本実施例では、分離部材15は、SUS板などの金属により構成し、分離曲率(本例では曲率半径で1mm)を十分小さい値に設定することにより、被処理媒体Sとフィルム11とを確実に離型できるようにした。
本実施例では、被処理媒体Sとして、電子写真画像形成装置により出力された印刷物を用いた。例えば、CMYKの4色プロセスにより画像が形成された記録材、或いはCMYKの4色のトナーによる記録画像と色材を含まない樹脂主体の透明トナーとを用いた5色プロセスにより画像が形成された記録材が挙げられる。透明トナーとしては、例えば、顔料を含まず、主にポリエステル樹脂で構成されるものを用いることができる。又、透明トナーとしては、光透過性が高く、着色剤が実質的に入らない樹脂から成る、実質的に無色であり、少なくとも可視光を実質的に散乱することなく良く透過する粒子を好適に用いることができる。但し、透明トナーは、定着後に上述のように実質的に無色透明となるものであれば好適に用いることができ、定着前には無色透明でなくてもよく、例えば集合したときに白色に見えるようなものであっても構わない。例えば、透明トナーは、CMYKに分版後、印字率の低い部分に透明トナーを補い、記録材の全体をトナーで覆うように印字パターンを決定し出力することができる。これにより、被処理媒体Sの任意の場所の表面処理が可能となる。その他、一定量の透明トナーを記録材の全面に載せるなどしてもよい。例えば、電子写真画像形成装置による印刷物のグロスは、60°グロスで10%程度になるよう電子写真画像形成装置におけるトナーの定着状態を調整することができる。
本実施例では、被処理媒体Sの最小サイズとしては、写真のL版相当を想定しているため、各ローラ間のピッチは約100mm以下としている。プラテンローラ7も同様、上流・下流の搬送ローラとの距離は約100mmである。
図6は、本実施例の表面処理装置100の概略制御態様を示す。又、図7は、本実施例の表面処理装置100の表面処理の基本動作の手順を示す。
次に、フィルムカートリッジ14の構成について詳細に説明する。
次に、サーマルヘッドユニット50について説明する。図13は、左側から見たサーマルヘッドユニット50の一部要素を省略した側面図である。又、図14は、左右中央付近で切ったサーマルヘッドユニット50の一部要素を省略した断面図である。図15は、左右中央付近で切ったサーマルヘッドユニット50の一部をより詳細に示す断面図である。又、図16は、進入側から見たサーマルヘッドユニット50の部分断面側面図である。
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例において、実施例1の表面処理装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例において、実施例1、2の表面処理装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
上述の実施例では、被処理媒体の表面に部分的に光沢を付与する場合について説明した。一方、印刷物としては、特色として、金、銀などの金属質を表現することが求められることがある。サーマルヘッドを用いた熱転写プリンタでは、金属色のインクとして、例えばフィルムに金属蒸着層を形成し、これを熱により転写することにより、金属質の画像を形成することが可能である。熱転写方式で使用するフィルムは、フィルム基材と、フィルム基材にコーティングされたインク層とを有する。インク層は剥離層を介してフィルム基材にコーティングされることがあり、又インク層の上には接着層が設けられることがある。本発明は、このようなフィルムに金、銀などの金属色のインクを蒸着したものなどの特色用のフィルムを用い、サーマルヘッドで加熱することにより被処理媒体の表面に部分的にその特色の画像を熱転写する表面処理装置及びフィルムカートリッジにも適用できる。本発明においては、このように被処理媒体の表面に部分的に金属色のインクを熱転写し、金属光沢などの金属質の表現を付与することも含めて、被処理媒体の表面処理という。即ち、フィルムは被処理媒体上の熱可塑性樹脂画像表面と表面粗さが異なる表面粗さを表層に有するもの、或いは被処理媒体に加熱により溶融して転写されるインクがコーティングされたものとすることができる。このように、本発明は、フィルムを介して加熱して被処理媒体の表面の表面性状を部分的に制御したり、フィルム上の熱溶融性インクを被処理媒体の表面に部分的に熱転写したりする表面処理装置及びそのフィルムカートリッジに適用可能である。
7 プラテンローラ
8 サーマルヘッド
9 搬送ローラ対
11 フィルム
12 供給軸
13 巻き取り軸
14 フィルムカートリッジ
15 分離部材
50 サーマルヘッドユニット
55 シャッター
100 表面処理装置
200 画像形成装置
Claims (3)
- 供給軸から引き出されて巻き取り軸に巻き取られて搬送されるフィルムを介して加熱手段をプラテンに押圧し、該押圧部において被処理媒体の面を前記加熱手段により前記フィルムを介して加熱する処理を行う表面処理装置において、
装置本体内の前記加熱手段が前記フィルムを介して圧接可能な位置に設けられたプラテンと、
前記加熱手段、前記プラテンに押圧される側の前記加熱手段の表面を覆う第1の位置と前記加熱手段の表面を開放する第2の位置との間で移動可能なシャッター、及び前記加熱手段を前記プラテンに対して位置決めする加熱手段位置決め部を備えた加熱ユニットと、
前記供給軸から前記巻き取り軸に巻き取り可能に前記フィルムを収容するケーシングであって、前記加熱ユニットが侵入する第1の開口部、及び前記フィルムの前記加熱手段が接触する側とは反対側の面を前記プラテンに露出させる第2の開口部を備えたケーシングと、前記ケーシングを前記プラテンに対して位置決めするカートリッジ位置決め部と、前記ケーシングの内部に配置され前記加熱ユニットの前記シャッターに作用して前記シャッターを前記第1の位置と第2の位置との間で移動させる作用部と、を備え、前記表面処理装置の本体に対して着脱可能なフィルムカートリッジと、
を有し、
前記加熱ユニットは前記シャッターが前記第1の位置にある状態で前記第1の開口部から前記ケーシング内に侵入し、前記ケーシング内で前記作用部が前記シャッターに作用して前記シャッターは前記第2の位置に移動すること特徴とする表面処理装置。 - 供給軸から引き出されて巻き取り軸に巻き取られて搬送されるフィルムを介して加熱手段をプラテンに押圧し、該押圧部において被処理媒体の面を前記加熱手段により前記フィルムを介して加熱する処理を行う表面処理装置であって、装置本体内の前記加熱手段が前記フィルムを介して圧接可能な位置に設けられたプラテンと、前記加熱手段、前記プラテンに押圧される側の前記加熱手段の表面を覆う第1の位置と前記加熱手段の表面を開放する第2の位置との間で移動可能なシャッター、及び前記加熱手段を前記プラテンに対して位置決めする加熱手段位置決め部を有する加熱ユニットと、を有する表面処理装置の本体に対して着脱可能なフィルムカートリッジであって、
前記供給軸から前記巻き取り軸に巻き取り可能に前記フィルムを収容するケーシングであって、前記加熱ユニットが侵入する第1の開口部、及び前記フィルムの前記加熱手段が接触する側とは反対側の面を前記プラテンに露出させる第2の開口部を備えたケーシングと、前記ケーシングを前記プラテンに対して位置決めするカートリッジ位置決め部と、前記ケーシングの内部に配置され前記加熱ユニットの前記シャッターに作用して前記シャッターを前記第1の位置と第2の位置との間で移動させる作用部と、を有し、
前記作用部は、前記シャッターが前記第1の位置にある状態で前記加熱ユニットが前記第1の開口部から前記ケーシング内に侵入した際に、前記ケーシング内で前記シャッターに作用して前記シャッターを前記第2の位置に移動させるように設けられていること特徴とするフィルムカートリッジ。 - 前記第1の開口部を封止する、取外し自在に前記ケーシングに取付けられた第1のシールと、前記第2の開口部を封止する、取外し自在に前記ケーシングに取付けられた第2のシールと、前記第1の開口部の内側に前記フィルムの面を覆うように前記ケーシングに取り付けられたシート部材と、を有することを特徴とする請求項2に記載のフィルムカートリッジ。
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