JP2012226920A - 配線ダクト接続装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】配線ダクトの各導体に対する接触箇所を2箇所以上にして電気接続の信頼性を高くし、しかもそのためにコストが高くなることは抑えることのできる配線ダクト接続装置を提供する。
【解決手段】長尺溝型のコア105内の側壁にその長手方向Xに沿って導体110を配設してなる配線ダクト100の端部に挿入される接続本体部1と、接続本体部1にその両側面から突出自在に保持される接触子2と、接触子2を外側方に押し付ける弾性体7とを備えた配線ダクト接続装置とする。この弾性体7は、対応する接触子2の内側方にて長手方向Xに複数並設する。接触子2の外側端には、長手方向Xに連なる複数の凸状の接触部20を一体に形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線ダクトの端部に接続される配線ダクト接続装置に関する。
従来から、図9に示すような配線ダクト100に電源を引き込んだり、配線ダクト100同士を電気的にジョイントしたりするために、配線ダクト接続装置が用いられている。例えば、特許文献1には、図8に示す構造の配線ダクト接続装置が記載されている。この配線ダクト接続装置は、配線ダクト100の端部に挿入される接続本体部1と、接続本体部1から外側方に突出する接触子2と、接触子2を弾性的に支持する長板状の導通部材200と、導通部材200を介して接触子2に電気接続される端子台部4とを備えている。そして、接続本体部1を配線ダクト100内に挿入させた状態で、この配線ダクト100が有する導体110に対して接触子2が電気接続される構造である。
ところで、図8に示す配線ダクト接続装置は、配線ダクト100の各導体110に対して1つの接触子2だけが接触する構造であり、接触の信頼性に問題があった。
そこで、特許文献2には、一対の接触子を長手方向に並設し、配線ダクト100の各導体110に対して、一対の接触子がそれぞれ独立して接触するように設けた配線ダクト接続装置が提案されている。接触子は、それぞれが長板状の導通部材によって弾性的に支持され、この導通部材を通じて端子台部に電気接続されている。
この配線ダクト接続装置によれば、各導体110に対する接触箇所が2箇所となり、図8に示す配線ダクト接続装置に比べて接触の信頼性を向上させることができる。
特許第4088441号公報 特開209−283423号公報
しかし、前述した特許文献2の配線ダクト接続装置では、長手方向に並設される複数の接触子のそれぞれを、導通部材を介して端子台部に電気接続する必要がある。そのため、接続本体部内での電気接続箇所が多くなり、その分だけ信頼性が低くなるという問題がある。また、長手方向に並設するために接触子を多数用意する必要があり、コストが高くなるという問題もある。
本発明は前記問題点に鑑みて発明したものであって、配線ダクトの各導体に対する接触箇所を2箇所以上にして電気接続の信頼性を高くし、しかも、そのためにコスト高になることは抑えることのできる配線ダクト接続装置を提供することを、課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、下記構成を具備したものとする。
本発明は、長尺溝型のコア内の側壁にその長手方向に沿って導体を配設してなる配線ダクトの端部に挿入される接続本体部と、前記接続本体部にその両側面から突出自在となるように保持される接触子と、前記接触子を外側方に押し付ける弾性体とを備え、前記弾性体を、対応する前記接触子の内側方にて長手方向に複数並設し、前記接触子の外側端に、長手方向に連なる複数の凸状の接触部を一体に形成したことを特徴とする配線ダクト接続装置である。
前記接触子は、前記弾性体により外側方に押圧される押圧部分を、複数の前記弾性体ごとに距離をあけて別々に有し、長手方向に並設される複数の前記押圧部分のうち両端にある前記押圧部分の間の距離を、長手方向に並設される複数の前記接触部のうち両端にある前記接触部の間の距離よりも、小さく設けたものであることが好ましい。
また、前記接触子は、前記弾性体により外側方に押圧される押圧部分を、複数の前記弾性体ごとに距離をあけて別々に有し、長手方向に並設される複数の前記押圧部分と、長手方向に並設される複数の前記接触部とを、同一の中心線を挟んでそれぞれ線対称となるように配置したものであることが好ましい。
また、前記接触子の内側端には、前記押圧部分を長手方向と直交する方向にむけて延長する突起部分を設けることが好ましい。
また、前記接続本体部を前記配線ダクトに固定させるための固定孔を、前記接触子が有する複数の前記接触部の長手方向の中心点の、内側方に位置するように形成することも好ましい。
また、長手方向に並設される一対の前記弾性体を、1つの板バネ部材により形成し、前記板バネ部材は、その長手方向の両端に、U字状の屈曲片部とこの屈曲片部から延長されるバネ片部を有し、両端の前記バネ片部をそれぞれ前記押圧部分に接触させるものであることも好ましい。
前記バネ片部は、前記屈曲片部からいったん内側方に傾いて延長される第1部分と、前記第1部分から外側方に傾いて延長される第2部分とを有し、前記第2部分の先端部を前記押圧部分に接触させるものであることが好ましい。
また。前記接続本体部は、前記配線ダクトの前記コア内に挿入される先端側部分を長手方向の両側に有し、両側の前記先端側部分に配した前記接触子同士を、可撓性の導電体によって電気接続させて設けたものであることも好ましい。
本発明においては、配線ダクトの各導体に対する接触箇所を2箇所以上にして電気接続の信頼性を高くし、しかも、そのためにコスト高になることは抑えることができるという効果を奏する。
本発明の実施形態における第1例の配線ダクト接続装置の内部構造を示す正面図である。 同上の配線ダクト接続装置に備える接触子の斜視図である。 同上の接触子が弾性体に押圧される様子を示す斜視図である。 同上の配線ダクト接続装置を配線ダクトに装着した状態の概略図であり、(a)は傾きなく施工された場合、(b)は傾いて施工された場合を示す。 同上の配線ダクト接続装置にバネ部材の変形例を備えた場合を示す正面図である。 本発明の実施形態における第2例の配線ダクト接続装置の内部構造を示す正面図である。 本発明の実施形態における第3例の配線ダクト接続装置の内部構造を示す正面図である。 従来の配線ダクト接続装置を示す説明図である。 配線ダクトを示す斜視図である。
本発明を、添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1には、本発明の実施形態における第1例の配線ダクト接続装置を示している。本例の配線ダクト接続装置は、従来技術として前述した特許文献1や特許文献2の配線ダクト接続装置と同様に、配線ダクト100に装着して用いるものであり、ここでは配線ダクト100の導体110に対して給電を行うフィードインキャップとなっている。
まず、配線ダクト100の構造について、改めて詳述する。
図9に示すように、配線ダクト100は、その長手方向Xに垂直な断面がリップ付きコ字状をなすように形成した長尺の筒状部材であり、上壁101と、上壁101の両側端から延設される一対の側壁102と、各側壁102の先端から延設されてリップ部を成す底壁103とを有する。リップ部となる両底壁103間の隙間が、配線ダクト100の内部と外部を連通させる開口104となる。配線ダクト100は、開口104が下側をむくように配置され、開口104よりも内部の空間が、長尺溝型のコア105となる。
側壁102の内面には、内側方にむけて導体保持部106を突設しており、この導体保持部106の先端部に、導体110を固定させている。導体110は、配線ダクト100の長手方向Xに沿って配設され、一直線状に伸びる長尺矩形状の平坦な接続面111を、コア105内に露出させている。一対の導体110の互いの接続面111は、コア105を介して対向するように、同一高さに配置されている。
次に、前記配線ダクト100に装着する本例の配線ダクト接続装置の構造について、詳しく述べる。
図1に示すように、本例の配線ダクト接続装置は、後述の各部材を収容する接続本体部1を備えている。接続本体部1は、先端側部分1aとこれより僅かに幅広の基端側部分1bとに区分され、この先端側部分1aが、配線ダクト100の端部開口を通じてコア105内に挿入される。先端側部分1aには、その両側面から所定範囲内で外側方に突出自在となるように、全体として長板状をなす接触子2を、一対備えている。
接続本体部1の基端側部分1bには、両接触子2が電気接続される端子台部4を配設している。接続本体部1の先端側部分1aが配線ダクト100のコア105内に挿入された状態において、両接触子2はそれぞれ対応する導体110に2箇所で弾接する。これにより、一対の接触子2と一対の導体110は、一対一で電気接続される。
以下、配線ダクト接続装置の各構成について、より具体的に述べる。
接続本体部1のケーシング両側部には、接触子2が突没自在となる開口を設けている。接続本体部1内には、一対の接触子2が互いに接触することを防止する仕切壁6を、長手方向Xに沿って形成している。そして、幅方向Yの中央部に位置する仕切壁6と、これに隣接する両接触子2との間に、接触子2に接触して外側方への付勢力を付与する弾性体7を配置している。
ここでの幅方向Yは、長手方向Xと直交する方向である。なお、接続本体部1の説明に用いる長手方向Xは、配線ダクト100の説明で用いた長手方向Xと一致する方向である。
弾性体7は、接触子2に対して独立して弾性力を付与するものであり、1つの接触子2の内側方に、これと対応する弾性体7を複数(本例では一対)配置している。この一対の弾性体7は、長手方向Xに沿って一列をなすように並設されている。
一対の弾性体7は、それぞれが独立して接触子2に付勢力を与えるものであるが、以下に述べるように、この例ではその一部同士を連続させ、一部材として構成している。
即ち、この例では、両端を屈曲させた形状の板バネ部材10によって、長手方向Xに並設される一対の弾性体7を構成している。この板バネ部材10は、一直線状の支持片部11の両端からそれぞれU字状に屈曲片部12を延長させ、この屈曲片部12の先端から、さらにバネ片部13を延長させたものである。
バネ片部13は、傾きが異なる第1部分13aと第2部分13bとを、ヘ字状に連続させた形状を有する。第1部分13aは、屈曲片部12の先端からいったん内側方に傾いて延長された直線状の弾性片であり、第2部分13bは、この第1部分13aの先端から外側方に傾いて延長された直線状の弾性片である。この第2部分13bの先端部が、狙いの押圧部分Pと接触して、接触子2に対して弾性的な押圧力を加える。
言い換えれば、各弾性体7が、支持片部11と屈曲片部12とバネ片部13を有する略U字状の形状であり、長手方向Xに隣接する一対の弾性体7の支持片部11を一体化させることで、1つの板バネ部材10を構成している。
ところで、図5には、板バネ部材10の変形例を示している。この変形例では、バネ片部13を一直線状に形成している。即ち、一直線状の支持片部11の両端からU字状の屈曲片部12を延長させ、両端の屈曲片部12の先端から、互いに近づく方向に一直線状のバネ片部13を延長させている。この変形例の板バネ部材10によっても、一対の弾性体7を一部材として設けることができる。
なお、図1等に示す形状の板バネ部材10によれば、図5に示す変形例の板バネ部材10と比べて、バネ片部13と接触子2の接触部分(押圧部分P)の位置を安定させやすいという利点や、小さな変位量でも大きな弾性力を発生させやすいという利点がある。
接触子2の外側端には、凸状をなす接触部20を複数(本例では一対)形成している。各接触部20は、外側方にむけて緩やかに膨らんだ外形を有し、その外形のうち最も外側方に位置する点にて、配線ダクト100の導体110に接触(即ち点接触)するように設けている(図4参照)。つまり、接触子2は、長手方向Xに伸びる外側端縁のうち2箇所を外側方に膨らますことで一対の接触部20を形成したものであり、接触部20同士は一体に形成されている。
また、図2にも示すように、接触子2の内側端からは、受け部21を屈曲形成している。この受け部21は、厚み方向Zと平行な方向に伸びる片状の部分である。厚み方向Zは、長手方向Xおよび幅方向Yと直交する方向である。L字状に屈曲形成される受け部21は、内側方をむく平坦面21aを有する。この平坦面21aの別々の箇所に、一対の弾性体7がそれぞれ有するバネ片部13の先端が押圧される。
これにより、一対の弾性体7が、対応する1つの接触子2を外側方へと弾性的に押し付け、この接触子2に形成した一対の接触部20が、配線ダクト100の導体110にそれぞれ弾性的に接触する。
接続本体部1の接触子2と端子台部4とは、電線から成る可撓性の導電体8を介して電気接続される。導電体8の一端部8aは、接触子2から屈曲形成した接続部22に対して、機械的および電気的に接続される。この接続部22は、接触子2のうち端子台部4に近い側の端部から、受け部21と同一の方向にむけてL字状に屈曲形成したものである。導電体8の他端部8bは、端子台部4に対して機械的および電気的に接続される。
接触子2は、弾性体7が有するバネ片部13の先端が接触する押圧部分P(図2中の斜線部分)を、一対の弾性体7ごとに、距離をあけて別々に有する。この押圧部分Pは、受け部21が有する平坦面21a上に2箇所あり、その2箇所の押圧部分Pが、長手方向Xに距離D1をおいて並設されている。
この押圧部分P間の距離D1は、接触子2が有する一対の接触部20間の距離D2よりも、小さく設けている。なお、ここでの接触部20間の距離D2とは、接触部20のうち最も外側方に位置する点同士の間の、長手方向Xの距離である。
そして、長手方向Xに並設される一対の押圧部分Pと、同じく長手方向Xに並設される一対の接触部20とは、同一の中心線Cを挟んでそれぞれ線対称となるように配置される。この中心線Cは、長手方向Xと直交する方向に伸びる仮想線である(図1参照)。
つまり、それぞれの接触子2において、弾性体7からの押圧力を受ける一対の押圧部分Pと、配線ダクト100の導体110に対して弾接する一対の接触部20とは、同一の中心線Cを挟んで線対称となる位置に配置され、しかも、押圧部分P間の距離D1は、接触部20間の距離D2よりも小さく設定している。
このような線対称の配置とすることにより、配線ダクト100に接続本体部1を挿入して接続させたときに、接触子2の押圧部分Pや接続部20にかかる荷重にバラツキを生じることが、抑えられる。しかも、押圧部分P間の距離D1は小さく設けているため、配線ダクト100に対して接続本体部1が多少傾いて接続された場合(図4(b)参照)であっても、押圧部分Pや接続部20にかかる荷重のバラツキは、極力抑えることができる。
なお、中心線Cは、接続本体部1のうち、先端側部分1aの長手方向Xの中央部分を通過するように設定している。この中心線Cの設定によっても、接続本体部1が傾いて接続された場合に、押圧部分Pや接続部20の荷重にバラツキを生じることが抑えられる。好ましくは、長手方向Xにおいて、両側の接触子2が有する一対の接触部20間の中心位置と、先端側部分1aの長さ寸法の中心位置とを、一致させるように設ける。
さらに、本例の接触子2では、内側端に形成した受け部21の、長手方向Xの中央部分に、厚み方向Zにむけて突出した突起部分30を設けている。この突起部分30の内側方をむく平坦面30a(図2参照)は、受け部21の平坦面21aの中央部分を、厚み方向Zにむけて面一に延長するものである。
接触子2が有する一対の押圧部分Pは、受け部21の平坦面21aから突起部分30の平坦面30aにかけてそれぞれ一直線状に形成される。つまり、この突起部分30は、一対の押圧部分Pをそれぞれ厚み方向Zに沿って延長するものである。
仮にこの突起部分30を形成しない場合、図3に示すように、押圧部分Pの厚み方向Zの長さはL1となる。これに対して、本例では接触子2に突起部分30を形成しているため、押圧部分Pの厚み方向Zの長さがL2(>L1)となっている。これにより、図3中の矢印Fに示すような荷重が加わったときに、接触子2に傾きを生じることが、突起部分30を設けない場合に比べて抑えられる。
しかも、ここで突起部分30を突出させている方向は、受け部21をL字状に屈曲させている方向とは逆方向である。そのため、矢印Fのような荷重が加わったときに接触子2に傾きを生じることが、より効果的に抑えられる。
次に、本発明の実施形態における第2例の配線ダクト接続装置について、図6に基づいて説明する。なお、前記した第1例と同様の構成については詳しい説明を省略し、第1例とは相違する本例の特徴的な構成について、以下に詳述する。
本例の配線ダクト接続装置においては、接続本体部1を配線ダクト100に固定させるための固定孔50を、先端側部分1aの中央部に形成している。ここでの中央部とは、長手方向X及び幅方向Yの中心となる部分であり、この部分に、厚み方向Zに貫通する固定孔50を設けている。固定孔50には固定ネジ(図示せず)を通し、この固定ネジによって接続本体部1を配線ダクト100に固定する。
より具体的には、片側の接触子2が有する一対の接触部20の中心点と、もう片側の接触子2が有する一対の接触部20の中心点とを結ぶ仮想線(即ち、前記した中心線C)のうち、両側の接触子2の中心点が両端となるように結んだ線分の中点となる箇所に、円形状に開口する固定孔50の中心を設定している。
このようにして、固定孔50を、接触子2が有する一対の接触部20の長手方向Xの中心点の、内側方に位置させることで、固定ネジで配線ダクト100に固定したときに接続本体部1に傾きが生じた場合であっても、各接触部20にかかる荷重にバラツキが生じることを、極力抑えることができる。
一方、中心部に固定孔50を設けたことで、本例では複数の弾性体7を一部材として構成していない。即ち、第1例の板バネ部材10の支持片部11を、固定孔50が位置する部分でちょうど二部材に分断させた構造としている。
より具体的には、各弾性体7を、略U字状に屈曲した形状の板バネ部材としている。各弾性体7は、一直線状の支持片部11の一端からU字状の屈曲片部12を延長させ、この屈曲片部12の先端から、さらにバネ片部13を延長させたものである。バネ片部13は、第1例と同様に、第1部分13aと第2部分13bを連続させた、へ字状の形状を有する。本例では、押圧部分Pが都合4つ存在することから、この押圧部分Pと一対一で対応するように、接続本体部1内には4つの弾性体7を配している。
次に、本発明の実施形態における第3例の配線ダクト接続装置について、図7に基づいて説明する。なお、前記した第1例と同様の構成については詳しい説明を省略し、第1例とは相違する本例の特徴的な構成について、以下に詳述する。
本例の配線ダクト接続装置において、接続本体部1は、配線ダクト100のコア105内に挿入される先端側部分1aを、長手方向Xの両側に有している。即ち、本例の配線ダクト接続装置は、第1例のようなフィードインキャップではなく、配線ダクト100同士を電気的にジョイントするフィードインジョイナとなっている。
この接続本体部1内においては、両側の先端側部分1aに配した接触子2のうち、長手方向Xに並設される接触子2同士を、可撓性の導電体60によってそれぞれ電気接続させている。
以上、説明したように、第1〜第3例の配線ダクト接続装置は、長尺溝型のコア105内の側壁102にその長手方向Xに沿って導体110を配設してなる配線ダクト100の端部に挿入される接続本体部1と、接続本体部1にその両側面から突出自在となるように保持される接触子2と、接触子2を外側方に押し付ける弾性体7とを備えている。そして、この弾性体7を、対応する接触子2の内側方にて長手方向Xに複数並設し、接触子2の外側端には、長手方向Xに連なる複数の凸状の接触部20を一体に形成している。
したがって、本例の配線ダクト接続装置によれば、配線ダクト100の各導体110に対する接触箇所を複数設け、これにより、接触子2と導体110との間の電気接続をより安定化することができる。しかも、複数の接触部20は接触子2に一体に形成されるので、接続本体部1内での電気接続は、この接触子2に対して行えばよく、接触部20ごとに電気接続を行う必要がない。これにより、接続本体部1内において電気接続箇所が増加することを抑え、電気接続の信頼性を保つことができる。また、接触子2を多数用意する必要がないため、コストも抑えられる。
さらに、第1〜第3例の配線ダクト接続装置において、接触子2は、弾性体7により外側方に押圧される押圧部分Pを複数の弾性体7ごとに距離をあけて別々に有しており、長手方向Xに並設される複数の押圧部分Pのうち両端にある押圧部分Pの間の距離(本例では押圧部分Pが一対であるから、この一対の押圧部分P間の距離)D1は、長手方向Xに並設される複数の接触部20のうち両端にある接触部20の間の距離(本例では接触部20が一対であるから、この一対の接触部20間の距離)D2よりも、小さく設けている。
このように、接触子2が有する複数の押圧部分P同士をできるだけ近づけて配置することで、接続本体部1が配線ダクト100に対して傾いた状態で施工された場合であっても、それぞれの押圧部分Pや接触部20にかかる荷重にバラツキが生じることが抑えられる。
また、第1〜第3例の配線ダクト接続装置において、接触子2は、弾性体7により外側方に押圧される押圧部分Pを複数の弾性体7ごとに距離をあけて別々に有し、長手方向Xに並設される複数の押圧部分Pと、長手方向Xに並設される複数の接触部20とは、同一の中心線Cを挟んでそれぞれ線対称となるように配置している。
このような線対称の配置とすることで、接触子2が有するそれぞれの押圧部分Pや接触部20において荷重にバラツキを生じることが、より効果的に抑制される。
また、第1〜第3例の配線ダクト接続装置において、接触子2の内側端には、押圧部分Pを長手方向Xと直交する方向にむけて延長する突起部分30を設けている。
このように、接触子2が有する押圧部分Pの長さをできるだけ大きく設定することで、接触子2に荷重が加わった際に、その接触子2に傾きが生じることを、抑えることができる。
また、第2例の配線ダクト接続装置では、接続本体部1を配線ダクト100に固定させるための固定孔50を、接触子2が有する複数の接触部20の長手方向Xの中心点の、内側方に位置するように形成している。
このように固定孔50を配することで、固定孔50を通じてのネジ固定等によって接続本体部1が傾いて姿勢で固定された場合であっても、各接触部20にかかる負荷にバラツキを生じることが抑えられる。そのため、接続本体部1と配線ダクト100との電気接続が安定的に保たれる。
また、第1、第3例の配線ダクト接続装置では、長手方向Xに並設される一対の弾性体7を、1つの板バネ部材10により形成している。板バネ部材10は、その長手方向Xの両端に、U字状の屈曲片部12とこの屈曲片部12から延長されるバネ片部13を有し、両端のバネ片部13をそれぞれ押圧部分Pに接触させるものである。
このように、一対の弾性体7を一部材で構成することにより、接続本体部1内の限られたスペース内に多数の弾性体7を収容しやすくなり、部品点数も削減される。
さらに、バネ片部13は、屈曲片部12からいったん内側方に傾いて延長される第1部分13aと、第1部分13aから外側方に傾いて延長される第2部分13bとを有し、第2部分13bの先端部を押圧部分Pに接触させるように設けている。
このように、互いに傾きが異なる第1部分13a及び第2部分13bによって、バネ片部13をへ字状に構成したことで、この第2部分13bの先端部を、接触子2が有する所定の押圧部分Pに対して安定的に接触させることが可能となる。また、小さな変位量であっても大きな弾性力を発生させやすくなる。
また、第3例の配線ダクト接続装置において、接続本体部1は、配線ダクト100のコア105内に挿入される先端側部分1aを長手方向Xの両側に有し、両側の先端側部分1aに配した接触子2同士を、可撓性の導電体60によって電気接続させて設けたものである。
このように、前記した構成の接触子2や弾性体7を有する先端側部分1aを長手方向Xの両側に備えた配線ダクト接続装置とすることで、この配線ダクト接続装置を介して配線ダクト100同士を電気接続させることができる。そして、この配線ダクト接続装置は、電気接続の信頼性が高く、しかもそのためにコストが高くなることは抑えられたものとなる。
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、各実施形態は本発明の一例として示したものに過ぎず、本発明がこれら実施形態に限定されるわけではない。
例えば、各接触子2に付勢力を与える弾性体7の数は一対に限らず、3以上の複数であってもよい。また、各接触子2が一体に有する接触部20の数も一対に限らず、3以上の複数であってもよい。他の構成についても、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。また、各実施形態の構成の組み合わせや置換を行うことも、適宜可能である。
1 接続本体部
1a 先端側部分
2 接触子
7 弾性体
10 板バネ部材
12 屈曲片部
13 バネ片部
13a 第1部分
13b 第2部分
20 接触部
30 突起部分
60 導電体
100 配線ダクト
105 コア
110 導体
P 押圧部分
X 長手方向

Claims (8)

  1. 長尺溝型のコア内の側壁にその長手方向に沿って導体を配設してなる配線ダクトの端部に挿入される接続本体部と、前記接続本体部にその両側面から突出自在となるように保持される接触子と、前記接触子を外側方に押し付ける弾性体とを備え、
    前記弾性体を、対応する前記接触子の内側方にて長手方向に複数並設し、
    前記接触子の外側端に、長手方向に連なる複数の凸状の接触部を一体に形成した
    ことを特徴とする配線ダクト接続装置。
  2. 前記接触子は、前記弾性体により外側方に押圧される押圧部分を、複数の前記弾性体ごとに距離をあけて別々に有し、
    長手方向に並設される複数の前記押圧部分のうち両端にある前記押圧部分の間の距離を、長手方向に並設される複数の前記接触部のうち両端にある前記接触部の間の距離よりも、小さく設けたものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の配線ダクト接続装置。
  3. 前記接触子は、前記弾性体により外側方に押圧される押圧部分を、複数の前記弾性体ごとに距離をあけて別々に有し、
    長手方向に並設される複数の前記押圧部分と、長手方向に並設される複数の前記接触部とを、同一の中心線を挟んでそれぞれ線対称となるように配置したものである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配線ダクト接続装置。
  4. 前記接触子の内側端には、前記押圧部分を長手方向と直交する方向にむけて延長する突起部分を設けた
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の配線ダクト接続装置。
  5. 前記接続本体部を前記配線ダクトに固定させるための固定孔を、前記接触子が有する複数の前記接触部の長手方向の中心点の、内側方に位置するように形成した
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の配線ダクト接続装置。
  6. 長手方向に並設される一対の前記弾性体を、1つの板バネ部材により形成し、
    前記板バネ部材は、その長手方向の両端に、U字状の屈曲片部とこの屈曲片部から延長されるバネ片部を有し、両端の前記バネ片部をそれぞれ前記押圧部分に接触させるものである
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の配線ダクト接続装置。
  7. 前記バネ片部は、前記屈曲片部からいったん内側方に傾いて延長される第1部分と、前記第1部分から外側方に傾いて延長される第2部分とを有し、前記第2部分の先端部を前記押圧部分に接触させるものである
    ことを特徴とする請求項6に記載の配線ダクト接続装置。
  8. 前記接続本体部は、前記配線ダクトの前記コア内に挿入される先端側部分を長手方向の両側に有し、
    両側の前記先端側部分に配した前記接触子同士を、可撓性の導電体によって電気接続させて設けた
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の配線ダクト接続装置。
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