JP2012226060A - セルロースエステルフィルム、偏光板、及び液晶表示装置 - Google Patents

セルロースエステルフィルム、偏光板、及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶表示装置に適用した際に表示面での光ムラ発生を抑制でき、フィルム面状の良好なセルロースエステルフィルムを提供すること。
【解決手段】少なくとも一種のポリエステルを含むセルロースエステルフィルムであって、該ポリエステルの数平均分子量が2500以下であり、該ポリエステルにおける分子量が500以下の成分の比率が8%未満であるセルロースエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示装置の光ムラ発生を抑制できるセルロースエステルフィルム、及び該セルロースエステルフィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置に関する。
ハロゲン化銀写真感光材料、位相差フィルム、偏光板及び画像表示装置には、セルロースエステル、ポリエステル、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマービニルポリマー、及び、ポリイミド等に代表されるポリマーフィルムが用いられている。これらのポリマーからは、平面性や均一性の点でより優れたフィルムを製造することができるため、光学用途のフィルムとして広く採用されている。
これらのうち、適切な透湿度を有するセルロースエステルフィルムは、最も一般的なポリビニルアルコール(PVA)/ヨウ素からなる偏光膜とオンラインで直接貼り合わせることが可能である。そのため、特にセルロースアセテートフィルムは偏光板の保護フィルムとして広く採用されている。
このようなフィルムを、位相差フィルム、位相差フィルムの支持体、偏光板の保護フィルム、及び液晶表示装置のような光学用途に使用する場合、その光学異方性の制御は、表示装置の性能(例えば、視認性)を決定する上で非常に重要な要素となる。近年の液晶表示装置の広視野角化要求に伴ってレターデーションの補償性向上が求められるようになっており、偏光膜と液晶セルとの間に配置される位相差フィルムの面内方向のレターデーション値(Re;以下、単に「Re」と称することがある。)と膜厚方向のレターデーション値(Rth;以下、単に「Rth」と称することがある。)とを適切に制御することが要求されている。例えば、液晶テレビ用途で広く用いられているIPSモードの液晶表示装置においては、Re、Rthとも低減することが要求され、例えば、特許文献1には、セルロースアシレートに対して2価のアルコールと2塩基酸からなるポリエステル化合物を含有させる技術が開示されている。
また、その様な添加剤による制御において、特許文献2には重量平均分子量が20000以下のポリエステルを含むセルロースエステルフィルムに関する技術が開示されている。
最近では、液晶表示装置のスリム化が進むにつれ、特定の条件で表示面を正面から観察した際に円形状の光ムラが発生することが分かってきている。この光ムラの発生メカニズムは未だ不明確な点もあるが、1つの原因として、バックライト部材と液晶パネル(特に、バックライト側偏光板)とが接触することが挙げられている。そのため、特許文献3には、バックライト側偏光板のバックライト側保護フィルム表面に凹凸を設けることで、バックライト部材との接触を防ぎ、光ムラ発生の抑止を図る方法が開示されている。
特開2007−178992号公報 国際公開第07/000910号 特開2009−169393号公報
しかしながら、特許文献3の技術では、凹凸を設けているため、入射光が散乱して利用効率が低減するため、表面形状に凹凸変化を持たせずに光ムラが発生に対して十分な対策がなされることが要求されている。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、液晶表示装置に適用した際の表示面に発生する円形状の光ムラを抑制できるセルロースエステルフィルム及び偏光板を提供することを目的として検討を進めた。そして、セルロースエステルフィルムであって、特定のポリエステルを添加剤として含有させて、Rthの湿度依存性を低減させたセルロースエステルフィルムを用いることにより、光ムラの課題を解決できることを見出した。
ところが、このようなフィルムの製造を続けると、添加剤の添加量が増した場合に、添加剤の揮発成分に起因する光学的又は機械的な性能変化の発生(例えば、フィルム面状の悪化)という新たな課題が明らかになった。
本発明の目的は、液晶表示装置に適用した際に表示面での光ムラ発生を抑制でき、フィルム面状の良好なセルロースエステルフィルム、及び該セルロースエステルフィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、添加剤の揮発に関する問題は添加剤の低分子成分の揮発に由来することを見出した。即ち、添加剤を含む処方では低分子成分の揮発により添加剤が発現すべき効果が低減するため、所望な効果が安定して得られない。したがって、添加剤の分子量分布を制御することで揮発の抑制を図ることが好ましいことを見出し、この分子量制御によって所望の性能を有するフィルムを製造できることを見出した。そして、特定の分子量分布を有するポリエステルの添加により、Rthの湿度依存性を低減させることで光ムラの発生を抑制しつつ、かつ揮発による性能変化を抑えることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
なお、特許文献2には、分子量分布に関して低分子量側に分布の広いポリエステルがセルロースエステルとの相溶性がよいことを記載しているが、低分子量成分の揮発についての言及はない。したがって、特許文献2に従った場合、低分子量成分の揮発による製造工程の汚染やフィルム面状故障の発生を誘発する可能性があり、製造適性の観点で満足できるものではない。
本発明の上記目的は下記の手段により達成することができる。
[1]
少なくとも一種のポリエステルを含むセルロースエステルフィルムであって、
該ポリエステルの数平均分子量が2500以下であり、該ポリエステルにおける分子量が500以下の成分の比率が8%未満であるセルロースエステルフィルム。
[2]
前記ポリエステルが、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとの重縮合エステルである[1]に記載のセルロースエステルフィルム。
[3]
前記ポリエステルの両末端が、脂肪族モノカルボン酸のエステル誘導体である[2]に記載のセルロースエステルフィルム。
[4]
前記脂肪族ジオールの平均炭素数が2以上3以下である[2]又は[3]に記載のセルロースエステルフィルム。
[5]
前記脂肪族ジカルボン酸の平均炭素数が4以上6以下である[2]〜[4]のいずれか1項記載のセルロースエステルフィルム。
[6]
前記ポリエステルをセルロースエステルに対して30質量%以上含む[1]〜[5]のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
[7]
更に、少なくとも一種以上の含窒素芳香族化合物を含む[1]〜[6]のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
[8]
25℃60%RHにおける、面内レターデーションReが0〜5nm、厚み方向のレターデーションRthが−20〜10nmであり、
25℃10%RHにおける厚み方向のレターデーションRth(10%RH)と25℃80%RHにおける厚み方向のレターデーションRth(80%RH)との差が、下記式を満たす[1]〜[7]のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
Rth(10%RH)−Rth(80%RH) < 8nm
[9]
140℃で1時間保持した際のフィルムの重量減少率が0.25%未満である[1]〜[8]のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
[10]
[1]〜[9]のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムを少なくとも1枚含む偏光板。
[11]
[10]に記載の偏光板を含む液晶表示装置。
本発明のセルロースエステルフィルムは、フィルム面状が良好で、Rthの湿度変化が小さく、液晶表示装置に適用した際に表示面での光ムラ発生を抑制できる。また、フィルム自体の性能変化が小さいので、該セルロースエステルフィルムを用いることで、信頼性の高い偏光板、及び液晶表示装置を提供することができる。
本発明によれば、表示面の光ムラ発生が改善された、信頼性の高い液晶表示装置が提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、数値が物性値、特性値等を表す場合に、「(数値1)〜(数値2)」及び「(数値1)乃至(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。
本発明のセルロースエステルフィルムは、少なくとも一種のポリエステルを含むセルロースエステルフィルムであって、該ポリエステルの数平均分子量が2500以下であり、該ポリエステルにおける分子量が500以下の成分の比率が8%未満である。
このように数平均分子量が2500以下のポリエステルを添加することで、分子量が500以下の成分を8%未満に抑えた分子量分布を有するポリエステルを添加することで、Rthの湿度変化が小さく、液晶表示装置に適用した際に表示面での光ムラ発生を抑制でき、更に、フィルム自体の性能変化も抑制できる。
[ポリエステル添加剤]
本発明のセルロースエステルフィルムに使用されるポリエステルについて説明する。
該ポリエステルは、多価塩基酸と多価アルコールとの脱水縮合反応、又は、多価アルコールへの無水二塩基酸の付加及び脱水縮合反応などの公知の方法で得ることができ、好ましくは2塩基酸とジオールとから形成される重縮合エステル及びその誘導体からなるオリゴマー類(本明細書において、「重縮合エステル」と称する)である。
セルロースエステルのドープ及びセルロースエステルフィルムと相溶するものを、所望の光学特性及びその他の性能を満たすように、ポリエステルの構造や分子量、添加量を選択できる。
本発明のセルロースエステルフィルムにおいて、ポリエステルは、セルロースエステルに対して30質量%以上含有することが好ましく、30〜100質量%がより好ましく、30〜80質量%が更に好ましい。含有量が30質量%以上であれば光ムラを改善することができるため好ましく、100質量%以下であれば、フィルムからのブリードアウトを抑制し易く好ましい。なお、ポリエステルを2種以上含有させる場合には、該2種以上のポリエステルの合計含有量が上記範囲に収まればよい。
本発明におけるポリエステルの数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)から求めることができる。
本発明において、ポリエステルの数平均分子量は2500以下であり、400〜2500であることが好ましく、500〜2300がより好ましく、600〜1800が最も好ましい。数平均分子量が2500以下のポリエステルを用いることで、Rthの湿度変化を抑制し、光ムラを改善することができる。また、400以上であれば、下記の低分子量除去技術との併用で製造工程中のポリエステルの揮散を抑制できる。
また、本発明におけるポリエステルは、分子量500以下の成分の比率(重量分率)が8%未満であることが好ましく、7%未満であることが更に好ましい。分子量500以下の成分の比率は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)から求めることができる。
セルロースエステルフィルムを製膜する際に揮散するポリエステル成分は低分子量の成分であり、上記のとおり、分子量500以下の低分子量の成分の比率を抑えたポリエステルを使用することで製造工程の汚染を大幅に改善することができる。また、製膜後のセルロースエステルフィルムからのポリエステルのブリードアウトも抑制され、特に、ポリエステルを添加する効果(例えば、Rthの湿度依存性の改良)をより低添加量で効率的に発現させることができる。
低分子量の成分の比率を8%未満とするには、通常の真空蒸留、薄膜(分子)蒸留などの蒸留やクロマトグラフィーによる方法などを挙げることができるが、短時間で低分子量成分を除去可能な薄膜蒸留が好ましい。
ポリエステルが前記重縮合エステルの場合、該重縮合エステルを構成する二塩基酸としては、ジカルボン酸を好ましく挙げることができる。
ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等が挙げられ、いずれのジカルボン酸であっても用いることができるが、特に、脂肪族ジカルボン酸を好ましく用いることができる。
脂肪族ジカルボン酸の中でも、炭素数3〜8の脂肪族ジカルボン酸が好ましく、特に炭素数4〜6の脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。脂肪族ジカルボン酸の炭素数が少ない方が、セルロースエステルフィルムの透湿度を下げることができ、また、セルロースエステルとの相溶性の点からも好適である。
脂肪族ジカルボン酸の具体的な化合物としては、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸などを挙げることができ、これらを単独又は二種類以上を併用して用いることができる。好ましくは、コハク酸、アジピン酸、又はその混合物であり、より好ましくはアジピン酸である。
また、重縮合エステルを構成するジオールとしては、脂肪族ジオール、芳香族ジオール等が挙げられ、特に脂肪族ジオールが好ましい。
脂肪族ジオールの中でも、炭素数2〜4の脂肪族ジオールが好ましく、炭素数2〜4の脂肪族ジオールがより好ましい。これは炭素数が少ない脂肪族ジオールの方が、セルロースエステルドープ又はセルロースエステルフィルムとの相溶性に優れ、また高温高湿処理によるブリードアウト(泣き出し)耐性に優れるためである。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ブチレングリコールなどが挙げることができ、これらを単独又は二種類以上を併用して用いることができる。好ましくは、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコールである。
本発明におけるポリエステルは、本発明の効果の点から、特に、脂肪族ジカルボン酸と、脂肪族ジオールとの重縮合エステルであることが好ましい。
本発明におけるポリエステルの両末端はモノカルボン酸と反応させて封止してもよい。封止に用いるモノカルボン酸としては脂肪族モノカルボン酸が好ましく、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸及びその誘導体が好ましく、酢酸又はプロピオン酸がより好ましく、酢酸が最も好ましい。
[セルロースエステル]
次に、本発明におけるセルロースエステルについて説明する。
本発明のセルロースエステルフィルムに用いられるセルロースエステルは、原料のセルロースと酸とのエステルであり、炭素数2〜22程度のカルボン酸エステル(所謂セルロースアシレート)であることが好ましく、炭素数6以下の低級カルボン酸エステルであることがより好ましい。
本発明に用いられるセルロースエステルの原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースエステルでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えばプラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、本発明のセルロースエステルフィルムに対しては特に限定されるものではない。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への酢酸及び/又は炭素原子数3〜22の脂肪酸の置換度については特に限定されないが、偏光板、液晶表示装置の用途に用いる場合、フィルムに適度な透湿性や吸湿性を付与するため、セルロースの水酸基へのアシル置換度が2.00〜3.00であることが好ましい。更には置換度が2.30〜2.98であることが好ましく、2.70〜2.96であることがより好ましく、2.80〜2.94であることが更に好ましい。
セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素原子数3〜22の脂肪酸の置換度の測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じた方法や、NMR法を挙げることができる。
セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素原子数3〜22の脂肪酸のうち、炭素数2〜22のアシル基としては、脂肪族基でも芳香族基でもよく特に限定されず、単一でも二種類以上の混合物でもよい。これらアシル基を有するセルロースエステルとしては、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれ更に置換された基を有していてもよい。好ましいアシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、へプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどが好ましく、アセチル、プロピオニル、ブタノイルがより好ましい。
更に、これらの中でも、合成の容易さ、コスト、置換基分布の制御のしやすさなどの観点から、アセチル基単独、又はアセチル基とプロピオニル基との併用が好ましく、アセチル基が特に好ましい。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700であり、セルロースアセテートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。重合度が高すぎるとセルロースアシレートのドープ溶液の粘度が高くなり、流延によりフィルム作製が困難になる傾向がある。重合度が低すぎると作製したフィルムの強度が低下してしまう傾向がある。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。特開平9−95538に詳細に記載されている。
また、本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって評価され、その多分散性指数Mw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜4.0であることが好ましく、2.0〜3.5であることが更に好ましく、2.3〜3.4であることが最も好ましい。
低分子成分が除去されると、平均分子量(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。なお、低分子成分の少ないセルロースアシレートを製造する場合、酢化反応における硫酸触媒量を、セルロース100質量部に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、分子量分布の点でも好ましい(分子量分布が狭い)セルロースアシレートを合成することができる。本発明のセルロースアシレートフィルムの製造時に使用される際には、セルロースアシレートの含水率は2質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは1質量%以下であり、特に好ましくは0.7質量%以下である。一般に、セルロースアシレートは、水を含有しており、その含水率は2.5〜5質量%が知られている。本発明で上記のようなセルロースアシレートの含水率にするためには、乾燥することが必要であり、その方法は目的とする含水率になれば特に限定されない。本発明のこれらのセルロースアシレートに関しては、その原料綿や合成方法は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて7頁〜12頁に詳細に記載されている。
本発明では、セルロースアシレートは置換基、置換度、重合度、分子量分布などの観点で、単一あるいは異なる二種類以上のセルロースアシレートを混合して用いることができる。
[含窒素芳香族化合物]
本発明のセルロースエステルフィルムは、少なくとも一種以上の含窒素芳香族化合物を含むことが好ましい。
含窒素芳香族化合物は、レターデーション調整剤として機能することが好ましい。本発明のセルロースエステルフィルムの光学異方性は、先述のポリエステルの添加によって制御することもできるが、目的のレターデーションに応じて、更に上記含窒素芳香族化合物を加えてもよい。
含窒素芳香族化合物は、少なくとも2つ以上の芳香環を有する化合物であることが好ましい。少なくとも2つ以上の芳香環を有する化合物は一様配向した場合に光学的に正の1軸性を発現することが好ましい。
含窒素芳香族化合物の分子量は、300〜1200であることが好ましく、400〜1000であることがより好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムにおける含窒素芳香族化合物の含有量は、セルロースエステルに対して0.1〜6.0質量%が好ましく、0.5〜5.0質量%がより好ましく、1.0〜4.5質量%が特に好ましい。
含窒素芳香族化合物としては、WO2011/040468の段落[0026]〜[0115]に記載のものを好ましく用いることができる。
(添加剤)
セルロースエステルフィルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、本発明の効果の発現及びフィルム表面への劣化防止剤のブリードアウトの抑制の観点から、調製する溶液(ドープ)の0.01乃至1質量%であることが好ましく、0.01乃至0.2質量%であることが更に好ましい。
特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げることができる。
本発明のセルロースエステルフィルムには紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤としては特開2006−282979号公報に記載の化合物(ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、トリアジン)が好ましく用いられる。紫外線吸収剤は2種以上を併用して用いることもできる。
紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾールが好ましく、具体的にはTINUVIN328、TINUVIN326、TINUVIN329、TINUVIN571、アデカスタブLA−31等が挙げられる。
紫外線吸収剤の使用量はセルロースエステルに対して質量比で10%以下が好ましく、3%以下が更に好ましく、2%以下0.05%以上が最も好ましい。
(マット剤微粒子)
本発明のセルロースエステルフィルムは、マット剤として微粒子を含有することが好ましい。本発明に使用される微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子は珪素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/L以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径が5〜16nmと小さいものがフィルムのヘイズを下げることができより好ましい。見かけ比重は90〜200g/Lが好ましく、100〜200g/Lが更に好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。望ましい実施態様は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)35頁〜36頁に詳細に記載されており、本発明のセルロースエステルフィルムにおいても好ましく用いることができる。
[セルロースエステルフィルムの製造方法]
(ドープ溶液の有機溶媒)
本発明では、ソルベントキャスト法によりセルロースエステルフィルムを製造することが好ましく、ソルベントキャスト法においては、セルロースエステルを含むポリマーを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムは製造される。
ドープの主溶媒として好ましく用いられる有機溶媒は、セルロースエステルを含むポリマーが溶解するものであれば特に限定されないが、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、及び炭素原子数が1〜7のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトン及び、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトン及びエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−及び−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。
以上、本発明のセルロースエステルフィルムに対しては塩素系のハロゲン化炭化水素を主溶媒としても良いし、発明協会公開技報2001−1745(12頁〜16頁)に記載されているように、非塩素系溶媒を主溶媒としても良く、本発明の光学フィルムに対しては特に限定されるものではない。
その他、本発明に係るドープ溶液及びフィルムについての溶媒は、その溶解方法も含め以下の特許に開示されており、好ましい態様である。それらは、例えば、特開2000−95876、特開平12−95877、特開平10−324774、特開平8−152514、特開平10−330538、特開平9−95538、特開平9−95557、特開平10−235664、特開平12−63534、特開平11−21379、特開平10−182853、特開平10−278056、特開平10−279702、特開平10−323853、特開平10−237186、特開平11−60807、特開平11−152342、特開平11−292988、特開平11−60752、特開平11−60752などに記載されている。これらの特許によると本発明のセルロースエステルに好ましい溶媒だけでなく、その溶液物性や共存させる共存物質についても記載があり、本発明においても好ましい態様である。
(溶解工程)
本発明に係るドープ溶液の調製は、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよく、更には冷却溶解法あるいは高温溶解方法、更にはこれらの組み合わせで実施される。本発明におけるドープ溶液の調製、更には溶解工程に伴う溶液濃縮、ろ過の各工程に関しては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている製造工程が好ましく用いられる。
(流延、乾燥、巻き取り工程)
次に、本発明に係るドープ溶液を用いたフィルムの製造方法について述べる。本発明の光学フィルムを製造する方法及び設備は、従来セルローストリアセテートフィルム製造に供する溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置を用いることができる。溶解機(釜)から調製されたドープ溶液を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて得られたフィルムを加熱装置内のロール群で機械的に搬送して巻き取り機でロール状に所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。別の態様としては、先述の金属支持体を5℃以下に冷却したドラムとし、ドラム上にダイから押出したドープをゲル化させてから約1周した時点で剥ぎ取り、ピン状のテンターで延伸しながら搬送し、乾燥する方法など、ソルベントキャスト法で製膜する様々な方法をとることが可能である。
本発明のセルロースエステルフィルムでは、共流延法によって流延することが好ましい。すなわち、少なくとも添加量の異なる二種類以上のドープを同時又は逐次でダイの口金から押出すことによって複数層の流延を行う。このとき、少なくとも一種類のドープ溶液中の添加剤の含有量(c1[phr])と、別の層を形成するドープ溶液の添加剤含有量(c2[phr])との差(Δc=c2−c1)の絶対値は、2phr以上であり、5〜150phrであることが好ましく、10〜100phrであることがより好ましく、20〜50phrであることが更に好ましい。また、各層の厚みを調整することも好ましい。例えば、添加量が少ない層を流延支持体に接する層として配置することや、該層の膜厚を上昇させることによって、流延支持体の汚れを抑制してフィルムのヘイズを低減させたり、フィルムの添加剤の表面含有量を低下させたりすることができるため、これらの因子は、他の要求特性とのバランスを確認しながら適宜調整することができる。
c1>c2であることが好ましい。
c1、c2のそれぞれで形成される層の膜厚は厚いほうが好ましく、c1から形成される層の膜厚(D1)は1〜30μmであることが好ましく、3〜20μmであることがより好ましく、5〜15μmであることが更に好ましい。また、c2から形成される層の膜厚(D2)は1〜30μmであることが好ましく、3〜20μmであることがより好ましく、5〜15μmであることが更に好ましい。
D1とD2の膜厚は同じでも異なっていてもよい。D1とD2とが同じ場合は、フィルムのカールの観点から好ましく、異なっている場合は、フィルムやウェブの表裏の特性差をつけることにより、製造適性を付与したり、フィルムの総添加量を維持して画像表示装置の表示ムラ改良効果を維持しつつ表面硬度を付与したり、フィルムの面状を良好にしたりすることができる。
また、このような共流延において、流延支持体と接する層の固形分濃度を調整することによっても、フィルムのヘイズや添加剤の表面含有量を調整することができる。例えば、該層の固形分濃度を低下させることによって、流延支持体の表面形状を転写しにくくすることができる。すなわち、添加剤を多量に含むドープ(ウェブ)では乾燥速度が速いため、流延支持体から剥離するときの残留溶媒量が少なく、その後のプロセスにおいてレベリングしにくい。したがって、フィルムヘイズが上昇しやすいが、ヘイズ上昇の原因となる表面形状(凹凸)は微小であるため、局所的に固形分濃度を低下させることによって、ヘイズを低下させることが可能である。
一方、該層の固形分濃度を上昇させることによって、添加剤の拡散性を抑制することができ、流延支持体の汚れを抑制したり、フィルムの添加剤の表面含有量を低下させることもできる。この因子も、前述と同様に、他の要求特性とのバランスを確認しながら適宜調整することができる。
なお、共流延する場合には、例えば、層数の調整が容易なフィードブロック法や、各層の厚み精度に優れるマルチマニホールド法を用いることができ、本発明においては、フィードブロック法をより好ましく用いることができる。
本発明のセルロースエステルフィルムの主な用途である、電子ディスプレイ用の光学部材である機能性偏光板保護フィルムやハロゲン化銀写真感光材料に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらについては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁〜30頁に詳細に記載されており、流延(共流延を含む),金属支持体,乾燥,剥離などに分類され、本発明において好ましく用いることができる。
〔熱処理工程〕
本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法においては、必要に応じて、前記セルロースエステルフィルムを、更に熱処理する工程を適用することもできる。熱処理工程の効果は特に限定されることはないが、フィルムの種類に応じた温度と張力制御した熱処理とすることで、含有されるセルロースエステル分子の配向や結晶化を変化させ、例えば、湿度膨張係数を変化させることができると考えられる。
[フィルムの厚さ]
本発明のセルロースエステルフィルムの厚さは20〜120μmが好ましく、30〜90μmが更に好ましく、35〜80μmが特に好ましい。また、液晶パネルに貼合する偏光板保護フィルムとして用いる場合は、光ムラを改良する上で、30〜80μmが好ましく、35〜65μmがより好ましく、35〜50μmであることが特に好ましい。更に、この範囲にあると温湿度変化に伴うパネルの反りを小さくすることができる。
[レターデーション]
本発明のセルロースエステルフィルムは、25℃60%RHにおける面内レターデーションReが0〜5nmであることが好ましい。また、25℃60%RHにおける厚み方向のレターデーションRthが−20〜10nmであることが好ましく、−15〜−5nmがより好ましい。
ここで、Re及びRthは下記式(I)及び式(II)にて定義され、波長590nmの光に対する値である。
式(I) Re=(nx−ny)×d(nm)
式(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d(nm)
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さ(nm)である。)
Re及びRthが上記範囲にあると、液晶表示装置の表示画面のコントラストを向上させたり、視野角特性や色味を改善したりすることができる。
本明細書において、Re、Rth(単位:nm)は次の方法に従って求めたものである。
まず、フィルムを25℃、相対湿度60%にて24時間調湿後、プリズムカップラー(MODEL2010 Prism Coupler:Metricon製)を用い、25℃、相対湿度60%において、532nmの固体レーザーを用いて下記式(2)で表される平均屈折率(n)を求める。
式(2): n=(nTE×2+nTM)/3
[式中、nTEはフィルム平面方向の偏光で測定した屈折率であり、nTMはフィルム面法線方向の偏光で測定した屈折率である。]
次に、Re(λnm)はKOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが一軸又は二軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λnm)は算出される。
Rth(λnm)は前記Re(λnm)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50°まで10°ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、λに関する記載が特になく、Re、Rthとのみ記載されている場合は、波長590nmの光を用いて測定した値のことを表す。また、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率及び入力された膜厚値を基に、以下の式(3)及び式(4)よりRthを算出することもできる。
式(3)
Figure 2012226060
[式中、Re(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表す。また、nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する厚み方向の屈折率を表し、dはフィルムの膜厚を表す。]
式(4): Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
測定されるフィルムが一軸や二軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λnm)は算出される。
Rth(λnm)は前記Re(λnm)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。これら平均屈折率と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
また、上記の測定において、平均屈折率は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することもできる。平均屈折率の値が既知でないものについては、前述の方法で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
[湿度依存性]
本発明のセルロースエステルフィルムは、25℃10%RHにおける厚み方向のレターデーションRth(10%RH)と25℃80%RHにおける厚み方向のレターデーションRth(80%RH)との差が、下記式を満たすことが好ましい。
Rth(10%RH)−Rth(80%RH) < 8nm
上記湿度を変化させた場合のRthの変化を小さくすることにより、信頼性の高い液晶表示装置を提供することができる。また、本発明のセルロースエステルフィルムのΔRthを低減させることによって、液晶表示装置を表示面の斜めから観察した際に視認される円形状の色ムラが改善されるという好ましい効果も得られる。
25℃相対湿度H%におけるRth(H%RH)は、フィルムを25℃、相対湿度60%にて24時間調湿後、25℃、相対湿度60%において、粘着剤を介してガラス板に貼合する。これを60℃、相対湿度90%にて48時間調湿後、25℃、相対湿度H%にて24時間調湿した後に、25℃、相対湿度H%において、前述の方法と同様にして、相対湿度H%における測定波長が590nmであるときのRth値を測定、算出したものである。
[フィルムの重量減少率]
本発明のセルロースエステルフィルムは、140℃で1時間保持した際のフィルムの重量減少率が0.25%未満であることが好ましく、0.15%未満がより好ましく、0.10%未満が更に好ましい。重量減少率が0.25%未満であると、セルロースエステルフィルムからのポリエステル等の添加剤の揮散が抑制されていることを意味し、光学的又は機械的な性能変化の発生(例えば、フィルム面状の悪化)を防ぐことができる。
フィルムの重量減少率については、TG−DTA(示差熱熱重量測定)により測定することができる。フィルム重量減少率は下記式にて算出することができる。
重量減少率(%)=(140℃1時間での重量変化量/初期フィルム重量)×100
[フィルムの弾性率]
更に、液晶表示装置を斜めから観察した際に視認される円形状の色ムラは、フィルムの弾性率を低減することによっても、より視認されにくくすることができる。本発明のセルロースエステルフィルムの引っ張り弾性率は、3.0GPa未満であることが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0GPaであり、更に好ましくは1.2〜2.8GPaである。具体的な測定方法としては、東洋ボールドウィン(株)製万能引っ張り試験機“STM T50BP”を用い、25℃、60RH%雰囲気中、引張速度10%/分で0.1%伸びと0.5%伸びにおける応力を測定し、その傾きから弾性率を求めた。弾性率の測定において、サンプルを切り出す方位を変化させることによって、弾性率の異方性を求めることができ、製造時の搬送方向と弾性率が最大となる方位とがなす角θは、特に限定されることはないが、0±10°若しくは90±10°であることが好ましい。なお、弾性率が最大となる方位は、後述の音波伝播速度が最大となる方向として評価することもできる。
フィルムの弾性率と、液晶表示装置を斜めから観察したときの色ムラの視認性との関係の詳細は不明であるが、フィルムの引っ張り弾性率を低減することにより、フィルムがガラスの如く剛性の高い支持体に固定された状態で環境湿度の変化に伴って発生する内部応力を低減することができ、その結果、フィルムのレターデーション変化をより抑制できるためと考えることができる。
[フィルムのヘイズ]
本発明のセルロースエステルフィルムのヘイズは、小さいほうが好ましく、0.01〜2.0%であることが好ましい。より好ましくは1.0%以下、更に好ましくは0.5%以下である。但し、これらの好ましい範囲よりも高いヘイズ値であっても、本発明のフィルムのヘイズは、表面形状に起因する表面ヘイズ成分が支配的であるため、例えば接着剤を用いて偏光膜と接着させたり、粘着剤を塗工したりして、表面形状を変化させると消滅し、液晶表示装置の表示特性に及ぼす影響はない。しかし、圧力がかかった部分とそうでない部分とで視認されるヘイズムラは、光学フィルム用途のフィルム外観としては問題がある。そのため、本発明のフィルムのヘイズ分布として評価されるヘイズムラは、0.5%以下であることが好ましく、0.3%以下であることがより好ましく、0.1%以下であることが更に好ましく、0.05%以下であることが最も好ましい。ヘイズの測定は、本発明の光学フィルム試料40mm×80mmを、25℃,60%RHでヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)などを用いて、JIS K−6714に従って測定することができる。
[表面粗さ(Ra)]
本発明のセルロースエステルフィルムの表面について、走査型プローブ顕微鏡(SPA400、エスアイアイ・ナノテクノロジー製)を用いて、AFMモードにて観察し、100μm×100μmの範囲の表面平均面粗さ(Ra)を求めた。本発明の光学フィルムの表面粗さは、50nm以下であることが好ましい。50nm以下であるとフィルムのヘイズ低減の観点から好ましい。なお、1nm以上であるとベースの滑り性や偏光子との密着性の観点から好ましい。前記表面粗さは1〜30nmであることが好ましく、1〜10nmであることがより好ましく、1.5〜5nmであることが更に好ましく、1.5〜3nmであることが最も好ましい。なお、表面粗さが3nmを超える場合には、表面硬度が後述の範囲であることが好ましい。
[分光特性、分光透過率]
セルロースエステルフィルムの試料13mm×40mmを、25℃、60%RHで分光光度計“U−3210”{(株)日立製作所}にて、波長300〜450nmにおける透過率を測定することができる。傾斜幅は72%の波長−5%の波長で求めることができる。限界波長は、(傾斜幅/2)+5%の波長で表し、吸収端は、透過率0.4%の波長で表すことができる。これより380nm及び350nmの透過率を評価することができる。
本発明のセルロースエステルフィルムは、偏光板の液晶セルに面した保護フィルムの対向側に用いる場合には、上記方法により測定した波長380nmにおける分光透過率が45%以上95%以下であり、かつ波長350nmにおける分光透過率が10%以下であることが好ましい。
[フィルムの平衡含水率]
本発明のセルロースエステルフィルムの含水率(平衡含水率)は特に限定されることはないが、偏光板の保護フィルムとして用いる際、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーとの接着性を損なわないために、膜厚のいかんに関わらず、25℃、80%RHにおける含水率が、0〜4質量%であることが好ましい。0.1〜3.5質量%であることがより好ましく、1〜3質量%であることが特に好ましい。平衡含水率が4質量%以下であれば、位相差フィルムの支持体として用いる際に、レターデーションの湿度変化による依存性が大きくなりすぎることがなく好ましい。
含水率の測定法は、本発明のセルロースエステルフィルム試料7mm×35mmを水分測定器、試料乾燥装置“CA−03”及び“VA−05”{共に三菱化学(株)製}にてカールフィッシャー法で測定した。水分量(g)を試料質量(g)で除して算出した。
[フィルムの透湿度]
フィルムの透湿度は、JIS Z−0208をもとに、40℃、90%RHの条件において測定される。本発明の光学フィルムの透湿度は特に限定されることはないが、50〜1500g/m・24hであることが好ましい。100〜1000g/m・24hであることがより好ましく、200〜800g/m・24hであることが特に好ましい。透湿度がこの範囲であれば、偏光板加工性と、湿度若しくは湿熱に対する偏光板の耐久性とを両立することができ、好ましい。
[光弾性係数]
本発明のセルロースエステルフィルムを偏光板保護フィルムとして使用した場合には、偏光子の収縮による応力などにより複屈折(Re、Rth)が変化する場合がある。このような応力に伴う複屈折の変化は光弾性係数として測定できるが、その範囲は、15×1012Pa−1以下(15Br以下)であることが好ましく、−5×1012Pa−1〜12×1012Pa−1であることがより好ましく、−2×1012Pa−1〜11×1012Pa−1であることが更に好ましい。
[アルカリ鹸化処理によるフィルム表面の接触角]
本発明のセルロースエステルフィルムを偏光板保護フィルムとして用いる場合の表面処理の有効な手段の1つとしてアルカリ鹸化処理が挙げられる。この場合、アルカリ鹸化処理後のフィルム表面の接触角が55°以下であることが好ましい。より好ましくは50°以下であり、45°以下であることが更に好ましい。
[表面処理]
本発明のセルロースエステルフィルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースエステルフィルムと各機能層(例えば、下塗層及びバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸又はアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10−3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
[機能層]
本発明のセルロースエステルフィルムは、その用途として、例えば、光学用途と写真感光材料への適用が挙げられる。特に光学用途として、偏光板の保護フィルムとして用い、該偏光板を液晶表示装置に用いることが好ましい。液晶表示装置としては、TN、IPS、FLC、AFLC、OCB、STN、ECB、VA及びHANが好ましい。
その際に、本発明のセルロースエステルフィルムに各種の機能層を付与することが実施される。それらは、例えば、帯電防止層、硬化樹脂層(透明ハードコート層)、反射防止層、易接着層、防眩層、光学補償層、配向層、液晶層などである。これらの機能層及びその材料としては、界面活性剤、滑り剤、マット剤、帯電防止層、ハードコート層などが挙げられ、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁〜45頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
《位相差フィルム》
本発明のセルロースエステルフィルムは、位相差フィルムとして用いることができる。なお、「位相差フィルム」とは、一般に液晶表示装置等の表示装置に用いられ、光学異方性を有する光学材料のことを意味し、位相差板、光学補償フィルム、光学補償シートなどと同義である。液晶表示装置において、位相差フィルムは表示画面のコントラストを向上させたり、視野角特性や色味を改善したりする目的で用いられる。
本発明のセルロースエステルフィルムを用いることで、レターデーションが自在に制御され、偏光膜との密着性に優れた位相差フィルムを作製することができる。
また、本発明のセルロースエステルフィルムを複数枚積層したり、本発明のセルロースエステルフィルムと本発明外のフィルムとを積層したりしてReやRthを適宜調整して位相差フィルムとして用いることもできる。フィルムの積層は、粘着剤や接着剤を用いて実施することができる。
また、場合により、本発明のセルロースエステルフィルムを位相差フィルムの支持体として用い、その上に液晶等からなる光学異方性層を設けて位相差フィルムとして使用することもできる。位相差フィルムに適用される光学異方性層は、例えば、液晶性化合物を含有する組成物から形成してもよいし、複屈折を持つポリマーフィルムから形成してもよいし、本発明の光学フィルムから形成してもよい。この際、本発明の製造方法を光学異方性層の形成工程の後工程として実施する場合には、少なくとも該光学異方性層を形成させた面と反対側の面に有機溶媒を接触させることが好ましい。
前記液晶性化合物としては、ディスコティック液晶性化合物又は棒状液晶性化合物が好ましい。
[ディスコティック液晶性化合物]
前記液晶性化合物として使用可能なディスコティック液晶性化合物の例には、様々な文献(例えば、C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang etal.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載の化合物が含まれる。
前記光学異方性層において、ディスコティック液晶性分子は配向状態で固定されているのが好ましく、重合反応により固定されているのが最も好ましい。また、ディスコティック液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。ディスコティック液晶性分子を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。重合性基を有するディスコティック液晶性分子については、特開2001−4387号公報に開示されている。
[棒状液晶性化合物]
前記液晶性化合物として使用可能な棒状液晶性化合物の例には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が含まれる。また、前記棒状液晶性化合物としては、以上のような低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。
前記光学異方性層において、棒状液晶性分子は配向状態で固定されているのが好ましく、重合反応により固定されているのが最も好ましい。本発明に使用可能な重合性棒状液晶性化合物の例は、例えば、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4,683,327号明細書、同5,622,648号明細書、同5,770,107号明細書、国際公開第95/22586号パンフレット、同95/24455号パンフレット、同97/00600号パンフレット、同98/23580号パンフレット、同98/52905号パンフレット、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、及び特開2001−328973号公報等に記載の化合物が含まれる。
《偏光板》
本発明の偏光板は、本発明のセルロースエステルフィルムを少なくとも一枚含有する。
本発明のセルロースエステルフィルムは、偏光板(本発明の偏光板)の保護フィルムとして用いることができる。本発明の偏光板は、偏光膜とその両面を保護する二枚の偏光板保護フィルム(光学フィルム)からなり、本発明のセルロースエステルフィルムは少なくとも一方の偏光板保護フィルムとして用いることが特に好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムを前記偏光板保護フィルムとして用いる場合、本発明のセルロースエステルフィルムには前記表面処理(特開平6−94915号公報、同6−118232号公報にも記載)を施して親水化しておくことが好ましく、例えば、グロー放電処理、コロナ放電処理、又は、アルカリ鹸化処理などを施すことが好ましい。前記表面処理としてはアルカリ鹸化処理が最も好ましく用いられる。
また、前記偏光膜としては、例えば、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬して延伸したもの等を用いることができる。ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬して延伸した偏光膜を用いる場合、接着剤を用いて偏光膜の両面に本発明の光学フィルムの表面処理面を直接貼り合わせることができる。本発明の製造方法においては、このように前記光学フィルムが偏光膜と直接貼合されていることが好ましい。前記接着剤としては、ポリビニルアルコール又はポリビニルアセタール(例えば、ポリビニルブチラール)の水溶液や、ビニル系ポリマー(例えば、ポリブチルアクリレート)のラテックスを用いることができる。特に好ましい接着剤は、完全鹸化ポリビニルアルコールの水溶液である。
一般に液晶表示装置は二枚の偏光板の間に液晶セルが設けられるため、4枚の偏光板保護フィルムを有する。本発明の光学フィルムは、4枚の偏光板保護フィルムのいずれに用いてもよいが、本発明の光学フィルムは、液晶表示装置における偏光膜と液晶層(液晶セル)との間に配置される保護フィルムとして、特に有利に用いることができる。また、前記偏光膜を挟んで本発明の光学フィルムの反対側に配置される保護フィルムには、透明ハードコート層、防眩層、反射防止層などを設けることができ、特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムとして好ましく用いられる。
偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。又、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明のセルロースエステルフィルムを適用した偏光板保護フィルムはどの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムには透明ハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられるため、該偏光板保護フィルムをこの部分に用いることが特に好ましい。
《液晶表示装置》
本発明のセルロースエステルフィルム及び偏光板は、様々な表示モードの液晶表示装置に用いることができる。以下にこれらのフィルムが用いられる各液晶モードについて説明する。これらのモードのうち、本発明のセルロースエステルフィルム及び偏光板は、全てのモードにおいて好ましく用いることができるが、特にVAモード及びIPSモードの液晶表示装置に好ましく用いられる。これらの液晶表示装置は、透過型、反射型及び半透過型のいずれでもよい。
(TN型液晶表示装置)
本発明のセルロースエステルフィルムは、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の位相差フィルムの支持体として好ましく用いられる。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置とについては、古くからよく知られている。TN型液晶表示装置に用いる位相差フィルムについては、特開平3−9325号、特開平6−148429号、特開平8−50206号及び特開平9−26572号の各公報の他、モリ(Mori)他の論文(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.36(1997)p.143や、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.36(1997)p.1068)に記載がある。
(STN型液晶表示装置)
本発明のセルロースエステルフィルムフィルムは、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の位相差フィルムの支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δnd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる位相差フィルムについては、特開2000−105316号公報に記載がある。
(VA型液晶表示装置)
本発明のセルロースエステルフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の位相差フィルムや位相差フィルムの支持体として特に有利に用いられる。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であっても構わない。これらの態様において本発明のセルロースエステルフィルムを用いた偏光板は視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。
(IPS型液晶表示装置及びECB型液晶表示装置)
本発明のセルロースエステルフィルムは、IPSモード及びECBモードの液晶セルを有するIPS型液晶表示装置及びECB型液晶表示装置の位相差フィルムや位相差フィルムの支持体、又は偏光板の保護フィルムとして特に有利に用いられる。これらのモードは黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で液晶分子を基板面に対して平行配向させて、黒表示する。これらの態様において本発明のセルロースエステルフィルムを用いた偏光板は視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。
また、|Rth|<25が好ましいが、更に450〜650nmの領域において、Rthが0nm以下であることが、色味の変化が小さく、特に好ましい。
この態様においては、液晶セルの上下の前記偏光板の保護フィルムのうち、液晶セルと偏光板との間に配置された保護フィルム(セル側の保護フィルム)に本発明のセルロースエステルフィルムを用いた偏光板を液晶セルの上下に用いることが好ましい。また、更に好ましくは、偏光板の保護フィルムと液晶セルの間に光学異方性層のレターデーションの値を、液晶層のΔn・dの値の2倍以下に設定した光学異方性層を片側に配置するのが好ましい。
(OCB型液晶表示装置及びHAN型液晶表示装置)
本発明のセルロースエステルフィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置或いはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の位相差フィルムの支持体としても有利に用いられる。OCB型液晶表示装置或いはHAN型液晶表示装置に用いる位相差フィルムには、レターデーションの絶対値が最小となる方向が位相差フィルムの面内にも法線方向にも存在しないことが好ましい。OCB型液晶表示装置或いはHAN型液晶表示装置に用いる位相差フィルムの光学的性質も、光学的異方性層の光学的性質、支持体の光学的性質及び光学的異方性層と支持体との配置により決定される。OCB型液晶表示装置或いはHAN型液晶表示装置に用いる位相差フィルムについては、特開平9−197397号公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.38(1999)p.2837)に記載がある。
(反射型液晶表示装置)
本発明のセルロースエステルフィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の位相差フィルムとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くからよく知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号、国際公開第98/48320号パンフレット、特許第3022477号公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる位相差フィルムについては、国際公開第00/65384号パンフレットに記載がある。
(その他の液晶表示装置)
本発明のセルロースエステルフィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の位相差フィルムの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置とについては、クメ(Kume)他の論文(Kume et al.,SID 98 Digest 1089(1998))に記載がある。
更に、本発明のセルロースエステルフィルムは、3D立体映像表示を表示することができる映像表示パネルで好ましく用いられる位相差フィルムや、位相差フィルムの支持体として用いることもできる。具体的には、本発明のセルロースエステルフィルムの全面にλ/4層を形成させたり、例えばライン状に交互に複屈折率が異なるパターン化された位相差層を形成させたりすることができる。本発明のセルロースエステルフィルムは、従来のセルロースアシレートフィルムと比較して、湿度変化に対する寸法変化率が小さいため、特に後者において好ましく用いることができる。
(ハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルム)
本発明のセルロースエステルフィルムは、ハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルムへ適用することができる。LCD、PDP、CRT、EL等のフラットパネルディスプレイの視認性を向上する目的で、本発明の光学フィルムの片面又は両面にハードコート層、防眩層、反射防止層の何れかあるいは全てを付与することができる。このような防眩フィルム、反射防止フィルムとしての望ましい実施態様は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の54頁〜57頁に詳細に記載されており、本発明のセルロースエステルフィルムを好ましく用いることができる。
(透明基板)
本発明のセルロースエステルフィルムは光学的異方性をゼロに近く作ることもでき、優れた透明性を持っており、かつ湿熱環境下で保持してもレターデーション変化が小さいことから、液晶表示装置の液晶セルガラス基板の代替、すなわち駆動液晶を封入する透明基板としても用いることもできる。
液晶を封入する透明基板はガスバリア性に優れる必要があることから、必要に応じて本発明のセルロースエステルフィルムの表面にガスバリアー層を設けてもよい。ガスバリアー層の形態や材質は特に限定されないが、本発明のセルロースエステルフィルムの少なくとも片面にSiO等を蒸着したり、あるいは塩化ビニリデン系ポリマーやビニルアルコール系ポリマーなど相対的にガスバリアー性の高いポリマーのコート層を設けたり、これら無機層と有機層とを積層する方法が考えられ、これらを適宜使用できる。
また液晶を封入する透明基板として用いるには、電圧印加によって液晶を駆動するための透明電極を設けてもよい。透明電極としては特に限定されないが、本発明の光学フィルムの少なくとも片面に、金属膜、金属酸化物膜などを積層することによって透明電極を設けることができる。中でも透明性、導電性、機械的特性の点から、金属酸化物膜が好ましく、なかでも酸化スズを主として酸化亜鉛を2〜15%含む酸化インジウムの薄膜が好ましく使用できる。これら技術の詳細は例えば、特開2001−125079や特開2000−227603などに公開されている。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、
使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
《測定法》
まず、特性の測定法及び評価法を以下に示す。
[置換度]
セルロースアシレートのアシル置換度は、Carbohydr.Res.273(1995)83−91(手塚他)に記載の方法で13C−NMRにより求めた。
[レターデーション]
フィルムの幅方向5点(フィルムの中央部、端部(両端からそれぞれ全幅の5%の位置)、及び中央部と端部の中間部2点)を長手方向に100mごとにサンプリングし、5cm角の大きさのサンプルを取り出し、前述の方法に従って評価した各点の平均値を算出し、それぞれRth、ΔRthを求めた。
[重量減少率]
TG−DTA6200(SII社製)を用い、フィルムを140℃1時間熱処理したときの重量変化から、重量変化率を算出した。
《1》セルロースエステルフィルムの製造と評価
本発明のセルロースエステルフィルムは、以下に示す材料と製造方法から表1及び表2記載のものを選択して製造した。
(セルロースアシレート溶液の調製)
1〕セルロースアシレート
置換度の異なるセルロースアシレートA、Bを使用した。各セルロースアシレートは120℃に加熱して乾燥し、含水率を0.5質量%以下とした後、20質量部を使用した。
・セルロースアシレートA:
置換度が2.86のセルロースアセテートの粉体を用いた。セルロースアシレートAの粘度平均重合度は300、6位のアセチル基置換度は0.89、アセトン抽出分は7質量%、質量平均分子量/数平均分子量比は2.3、含水率は0.2質量%、6質量%ジクロロメタン溶液中の粘度は305mPa・s、残存酢酸量は0.1質量%以下、Ca含有量は65ppm、Mg含有量は26ppm、鉄含有量は0.8ppm、硫酸イオン含有量は18ppm、イエローインデックスは1.9、遊離酢酸量は47ppmであった。粉体の
平均粒子サイズは1.5mm、標準偏差は0.5mmであった。
・セルロースアシレートB:
置換度が2.90とする以外は上記セルロースアシレートAと同等の性能を示すセルロースアセテートの粉体を用いた。
2〕溶媒
下記の溶媒Aを使用した。各溶媒の含水率は0.2質量%以下であった。
・溶媒A ジクロロメタン/メタノール/ブタノール=81/18/1(質量比)
3〕ポリエステル及びその他の添加剤
下記表1記載のポリエステル、及び下記のレターデーション調整剤を使用した。また、支持体面用、及びエアー面用ドープには、加えて下記の二酸化ケイ素微粒子を下記の記載の質量部で使用した。
ポリエステルの数平均分子量(Mn)及び分子量500以下の成分の比率はGPCにて測定した。なお、ポリエステルの分子量500以下の低分子量成分は蒸留により除去した。
Figure 2012226060
表1中、AAはアジピン酸、EGはエチレングリコール、PGは1,2−プロピレングリコール、Acは酢酸を示す。
Figure 2012226060
・二酸化ケイ素微粒子(粒子サイズ20nm、モース硬度約7)(0.02質量部)
4〕溶解
攪拌羽根を有する4000リットルのステンレス製溶解タンクに、前記溶媒及び添加剤を投入して撹拌、分散させながら、前記セルロースアシレートを徐々に添加した。投入完了後、室温にて2時間撹拌し、3時間膨潤させた後に再度撹拌を実施し、セルロースアシレート溶液を得た。
なお、攪拌には、5m/sec(剪断応力5×10kgf/m/sec〔4.9×10N/m/sec〕)の周速で攪拌するディゾルバータイプの偏芯攪拌軸及び中心軸にアンカー翼を有して周速1m/sec(剪断応力1×10kgf/m/sec〔9.8×10N/m/sec〕)で攪拌する攪拌軸を用いた。膨潤は、高速攪拌軸を停止し、アンカー翼を有する攪拌軸の周速を0.5m/secとして実施した。膨潤した溶液をタンクから、ジャケット付配管で50℃まで加熱し、更に1.2MPaの加圧化で90℃まで加熱し、完全溶解した。加熱時間は15分であった。この際、高温にさらされるフィルター、ハウジング、及び配管はハステロイ合金(登録商標)製で耐食性の優れたものを利用し保温加熱用の熱媒を流通させるジャケットを有する物を使用した。次に36℃まで温度を下げ、セルロースアシレート溶液を得た。
このようにして得られた濃縮前ドープを80℃で常圧のタンク内でフラッシュさせて、蒸発した溶剤を凝縮器で回収分離した。フラッシュ後のドープの固形分濃度は、23.5質量%となった。なお、凝縮された溶剤は調製工程の溶剤として再利用すべく回収工程に回された(回収は蒸留工程と脱水工程などにより実施されるものである)。フラッシュタンクでは、中心軸にアンカー翼を有する軸を周速0.5m/secで回転させることにより攪拌して脱泡を行った。タンク内のドープの温度は25℃であり、タンク内の平均滞留時間は50分であった。
5〕ろ過
次に、最初公称孔径10μmの焼結繊維金属フィルターを通過させ、ついで同じく10μmの焼結繊維フィルターを通過させた。ろ過後のドープ温度は、36℃に調整して2000Lのステンレス製のストックタンク内に貯蔵した。
(フィルムの作製)
1)流延工程
続いてストックタンク内のドープを送液した。流延ダイは、幅が2.1mであり共流延用に調整したフィードブロックを装備して、主流のほかに両面にそれぞれ積層して3層構造のフィルムを成形できるようにした装置を用いた。以下の説明において、主流から形成される層を中間層と称し、支持体面側の層を支持体面と称し、反対側の面をエアー面と称する。なお、ドープの送液流路は、中間層用、支持体面用、エアー面用の3流路を用い、各々の固形分濃度は、溶媒を添加して低下させたり、固形分濃度の高い溶液を添加して上昇させたりして、適宜調整した。なお、中間層用、支持体面用、エアー面用のドープの違いは、前述の通り、支持体面用及びエアー面用ドープに二酸化ケイ素微粒子を用いる以外は、表2に示す同一のセルロースアシレート、ポリエステル及びその他の添加剤を用いた。
そして、流延幅を2000mmとしてダイ突出口のドープの流量を調整して流延を行った。ドープの温度を36℃に調整するため、流延ダイにジャケットを設けてジャケット内に供給する伝熱媒体の入口温度を36℃とした。ダイ、フィードブロック、配管はすべて作業工程中は36℃に保温した。
2)流延ダイ
ダイの材質は、オーステナイト相とフェライト相との混合組成を持つ2相系ステンレス鋼であり、熱膨張率が2×10−6(℃−1)以下の素材であり、電解質水溶液での強制腐食試験でSUS316と略同等の耐腐食性を有する素材を使用した。また、流延ダイのリップ先端には、溶射法によりWCコーティングを形成したものを用いた。また、ドープを可溶化する溶剤である混合溶媒(ジクロロメタン/メタノール/ブタノール(83/15/2質量部))をビード端部とスリットの気液界面に片側で0.5ml/分で供給した。
3)金属支持体
ダイから押出されたドープは、支持体として幅2.1mで直径が3mのドラムである鏡面ステンレス支持体を利用した。表面はニッケル鋳金及びハードクロムメッキを行った。ドラムの表面粗さは0.01μm以下に研磨し、50μm以上のピンホールは皆無であり、10μm〜50μmのピンホールは1個/m以下、10μm以下のピンホールは2個/m以下である支持体を使用した。このとき、ドラムの温度は−5℃に設定し、ドラムの周速度が50m/分となるようにドラムの回転数を設定した。なお、流延に伴ってドラム表面が汚れた場合には、適宜、清掃を実施した。
4)流延乾燥
続いて、15℃に設定された空間に配置されているドラム上に流延され、冷却されてゲル化したドープは、ドラム上で320°回転した時点でゲル化フィルム(ウェブ)として剥ぎ取られた。このとき、支持体速度に対して剥ぎ取り速度は106%に設定した。
5)テンター搬送・乾燥工程条件
剥ぎ取られたウェブは、ピンクリップを有したテンターで両端を固定されながら乾燥ゾーン内を搬送され、乾燥風により乾燥した。
6)後乾燥工程条件
前述した方法で得られたポリマーフィルムを、ローラー搬送ゾーンで更に乾燥した。該ローラーの材質はアルミ製若しくは炭素鋼製であり、表面にはハードクロム鍍金を施した。ローラーの表面形状はフラットなものとブラストによりマット化加工したものとを用いた。
7)後処理、巻取り条件
乾燥後のポリマーフィルムは、30℃以下に冷却して両端耳切りを行った。耳切りはフィルム端部をスリットする装置をフィルムの左右両端部に、2基ずつ設置して(片側当たりスリット装置数は2基)、フィルム端部をスリットした。更にフィルムの両端にナーリングを行った。ナーリングは片側からエンボス加工を行うことで付与した。こうして、最終製品幅1400mmのフィルムを得て、巻取り機により巻き取った。
このようにして、最終製品幅1400mmのセルロースアシレートフィルムを得て、巻取り機により巻き取った。巻取り室は、室内温度25℃、湿度60%に保持した。巻き芯の径は169mmとした。巻取り全長は2600mであった。
(フィルムの面状評価)
作製した各セルロースアシレートフィルムの面状を反射光観察環境下にて以下の基準で評価した。評価結果は、下記表2に示す。下記評価基準において「変形故障」とは、フィルム表面に発生する直径2mm以上の円形状の凹凸変形のことを示す。
◎: フィルム長手5000mの範囲内に変形故障なし
○: フィルム長手5000mの範囲内に変形故障が2個以下
×: フィルム長手5000mの範囲内に変形故障が2個より多い
《2》偏光板の作製と評価
(偏光板の作製)
1〕フィルムの鹸化
実施例及び比較例で作製した各セルロースアシレートフィルム及びフジタックTD60UL(富士フイルム(株)製)を37℃に調温した4.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(けん化液)に1分間浸漬した後、フィルムを水洗し、その後、0.05mol/Lの硫酸水溶液に30秒浸漬した後、更に水洗浴を通した。そして、エアナイフによる水切りを3回繰り返し、水を落とした後に70℃の乾燥ゾーンに15秒間滞留させて乾燥し、鹸化処理したフィルムを作製した。
2〕偏光膜の作製
特開2001−141926号公報の実施例1に従い、2対のニップロール間に周速差
を与え、長手方向に延伸し、厚み20μmの偏光膜を調製した。
3〕貼り合わせ
このようにして得た偏光膜と、前記鹸化処理したセルロースアシレートフィルムのうちから1枚とフジタックTD60ULとで前記偏光膜を挟んだ後、PVA((株)クラレ製、PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、偏光軸とセルロースアシレートフィルムの長手方向とが直交するようにロールツーロールで貼り合わせて偏光板を作成した。
3〕液晶表示装置への実装評価
(IPS型液晶表示装置への実装)
市販の液晶テレビ(IPSモードのスリム型42型液晶テレビ)から、液晶セルを挟んでいる偏光板を剥がし取り、前記作製した偏光板を、表2記載のセルロースアシレートフィルム側が液晶セル側に配置されるように、粘着剤を介して液晶セルに再貼合した。組みなおした液晶テレビの表示特性を確認し、正面及び斜めからの輝度、色味を確認したところ、偏光板を剥がし取る前と同等の特性を示した。
また、装置正面から観察した場合の黒表示時の輝度ムラを観察し、以下の基準で評価した(初期評価)。
評価結果を表2に示す。
(正面方向の光ムラレベル)
装置正面から観察した場合の黒表示時の輝度ムラを観察し、以下の基準で評価した。
◎ :照度100lxの環境下でムラが全く視認されない
○ :照度100lxの環境下でムラがほとんど視認されない
△ :照度100lxの環境下で淡いムラが視認される
× :照度100lxの環境下で明確なムラが視認される
××:照度300lxの環境下で明確なムラが視認される
更に、40℃80%RHの環境で20日間保持した後に、25℃60%RHの環境に移し、黒表示状態で点灯させ続け、48時間後に目視観察して、以下の基準で正面方向及び斜め方向から観察したときの光ムラを評価した(強制評価)。評価結果を表2に示す。
(正面方向の光ムラレベル)
装置正面から観察した場合の黒表示時の輝度ムラを観察し、以下の基準で評価した。
◎ :照度100lxの環境下でムラが全く視認されない
○ :照度100lxの環境下でムラがほとんど視認されない
△ :照度100lxの環境下で淡いムラが視認される
× :照度100lxの環境下で明確なムラが視認される
××:照度300lxの環境下で明確なムラが視認される
(斜め方向の光ムラレベル)
装置正面からの方位角方向45度、極角方向70度における黒表示時の輝度ムラを観察し、以下の基準で評価した。
◎ :照度100lxの環境下でムラが全く視認されない
○ :照度100lxの環境下でムラがほとんど視認されない
△ :照度100lxの環境下で淡いムラが視認される
× :照度100lxの環境下で明確なムラが視認される
××:照度300lxの環境下で明確なムラが視認される
Figure 2012226060
表2に示されるように、本発明のセルロースエステルフィルムはフィルム面状が良好で、該フィルムを偏光板保護フィルムとして用いた偏光板に組み込んだ液晶表示装置は、表示面での光ムラ発生を抑制できた。

Claims (11)

  1. 少なくとも一種のポリエステルを含むセルロースエステルフィルムであって、
    該ポリエステルの数平均分子量が2500以下であり、該ポリエステルにおける分子量が500以下の成分の比率が8%未満であるセルロースエステルフィルム。
  2. 前記ポリエステルが、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとの重縮合エステルである請求項1に記載のセルロースエステルフィルム。
  3. 前記ポリエステルの両末端が、脂肪族モノカルボン酸のエステル誘導体である請求項2に記載のセルロースエステルフィルム。
  4. 前記脂肪族ジオールの平均炭素数が2以上3以下である請求項2又は3に記載のセルロースエステルフィルム。
  5. 前記脂肪族ジカルボン酸の平均炭素数が4以上6以下である請求項2〜4のいずれか1項記載のセルロースエステルフィルム。
  6. 前記ポリエステルをセルロースエステルに対して30質量%以上含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
  7. 更に、少なくとも一種以上の含窒素芳香族化合物を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
  8. 25℃60%RHにおける、面内レターデーションReが0〜5nm、厚み方向のレターデーションRthが−20〜10nmであり、
    25℃10%RHにおける厚み方向のレターデーションRth(10%RH)と25℃80%RHにおける厚み方向のレターデーションRth(80%RH)との差が、下記式を満たす請求項1〜7のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
    Rth(10%RH)−Rth(80%RH) < 8nm
  9. 140℃で1時間保持した際のフィルムの重量減少率が0.25%未満である請求項1〜8のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムを少なくとも1枚含む偏光板。
  11. 請求項10に記載の偏光板を含む液晶表示装置。
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