JP2012225540A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空断熱材の撓みの発生を抑えつつ、スペーサーの数を減らすことができるようにする。
【解決手段】外箱1と内箱2の間に、スペーサー60にて支持された真空断熱材3と、この真空断熱材3を埋設するように注入発泡されて充填されたウレタンフォーム4とを備えた箱体を有するものにおいて、スペーサー60を、矩形波型プレート6により構成し、その矩形波型プレート6の各山部の頂面6aを真空断熱材3の受け部とし、またその矩形波型プレート6の各谷部6bの下面を外箱または内箱との当接部とし、さらに矩形波型プレート6の各山部の頂面6aに、それぞれ側方に所定量延出する延長部6dを設ける。
【選択図】図10

Description

本発明は、真空断熱材を用いた冷蔵庫に関する。
近年の冷蔵庫では省エネルギー化のニーズが高まる一方、省スペース化のニーズも高まってきている。そこで、これらのニーズを実現する手段として、硬質ウレタンフォームよりも大幅に断熱性能の良い真空断熱材を利用した製品が出てきている。
そのような冷蔵庫として、例えば外箱と内箱の間に硬質ウレタンフォームと真空断熱材を備え、外箱に接着剤にて真空断熱材を直接貼り付けたものがある。この方法では冷蔵庫製造過程において、貼り付け箇所が平坦なため取り付け作業性が良い。また、内箱の凹凸に干渉されることなく大きな面積の真空断熱材を搭載することが可能になる。
但しこの搭載方法では、外箱に真空断熱材を貼り付けるため、放熱パイプを貼り付けるスペースが減少する。このため、熱漏洩は改善されるが、一方で凝縮力低下によって省エネの改善が得られないことがあった。さらに、真空断熱材の経年的な劣化も抑えることができなかった。
そこで、真空断熱材を両側面、店面、背面、底面及び前面の各面に配置し、外箱の表面積に対し、真空断熱材の被覆率が50%を超え80%以下として省エネルギー効果を高めるとともに、外箱表面温度が外気温度よりも高くなる面において真空断熱材を外箱と内箱の間で硬質ウレタンフォーム内に埋設して真空断熱材の経年的な劣化を抑えるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この場合、外箱及び内箱に接しない状態で真空断熱材の位置を固定するために、スペーサーを設置するが、ウレタンフォーム発泡時に真空断熱材とスペーサーは共に圧力を受けるので、固定位置がずれる可能性がある。真空断熱材の固定位置がずれると、真空断熱材と外箱または内箱との間隔が狭くなり、ウレタンフォーム流路を閉塞してしまい、ウレタンフォームの未充填部が生じ、冷蔵庫の消費電力量が増加してしまう可能性がある。
そこで、外箱と内箱の間に、硬質ウレタンフォームとスペーサーにて支持された真空断熱材とを備え、真空断熱材が外箱及び内箱に接しない状態で埋設したものにおいて、スペーサーのウレタンフォーム流れ方向に対して直交する壁面に、ウレタンフォームの流路となる穴を形成するとともに、ウレタンフォーム発泡時の粘度の変化に応じた真空断熱材と内箱及び外箱の配置位置関係を規定して、ウレタンフォーム発泡時の流動性を確保し、品質の良い断熱性能が得られるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−14368号公報(図3) 特許第4111096号公報(請求項2、図3)
ところで、真空断熱材を外箱及び内箱に接しない状態でスペーサーにて支持させて外箱または内箱に固定し、埋設するようにしたものにあっては、スペーサーの数を増やしたり、スペーサーそのものを大きくすることで、真空断熱材の位置を確実に固定することができる。しかし、このようにスペーサーの数を増やしたり、スペーサーそのものを大きくすることは、スペーサーがウレタンフォームの流れを阻害する要因となり、ウレタンフォームの未充填部が発生する可能性がある。さらに、スペーサーの数や大きさを増加させることは、スペーサーの材料費の増加や組み立て工数の増加につながり、製品のコストアップにつながる。これらのことは、ウレタンフォーム発泡時の流動性を確保したスペーサーにあっても言えることである。
これに対し、単にスペーサーの数を減らした場合、各スペーサー間の間隔が長くなってこれに支持された真空断熱材に撓みが発生する。この真空断熱材の撓みの発生は、真空断熱材と外箱または内箱との間隔を狭める結果を招き、ウレタンフォーム流路を閉塞してしまい、ウレタンフォーム流れの障害となる。
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、真空断熱材の撓みの発生を抑えつつ、スペーサーの数を減らすことができるようにすることを目的とする。
本発明に係る冷蔵庫は、下記の構成からなるものである。すなわち、外箱と内箱の間に、スペーサーと、このスペーサーにて支持された真空断熱材と、この真空断熱材を埋設するように注入発泡されて充填されたウレタンフォームとを備えた箱体を有する冷蔵庫において、スペーサーを、矩形波型プレートにより構成し、その矩形波型プレートの各山部の頂面を真空断熱材の受け部とし、またその矩形波型プレートの各谷部の下面を外箱または内箱との当接部とし、さらに矩形波型プレートの各山部の頂面に、それぞれ側方に所定量延出する延長部を設けたものである。
本発明に係る冷蔵庫においては、スペーサーを、矩形波型プレートにより構成し、その矩形波型プレートの各山部の頂面を真空断熱材の受け部とし、またその矩形波型プレートの各谷部の下面を外箱または内箱との当接部とし、さらに矩形波型プレートの各山部の頂面に、それぞれ側方に所定量延出する延長部を設けているので、スペーサーにおける真空断熱材との接触面積部分のみを側方に向けて増やすことができる。このため、ウレタンフォームの流れを阻害することなく、真空断熱材の撓みの発生を抑えつつ、スペーサーの数を減らすことができる。
本発明の実施形態に係る冷蔵庫のウレタンフォーム注入時の概略説明図である。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫のウレタンフォーム発泡時のウレタンフォーム流れの概略説明図である。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す正面断面図である。 図3のA−A矢視断面図である。 図3のB−B矢視断面図である。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫のスペーサー、真空断熱材、放熱パイプ、及びウレタンフォーム発泡時における流れ方向の関係を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す側面断面図及び背面断面図である。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す側面断面図及び背面断面図である。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫の実験結果の説明図である。 本発明の実施形態に係るスペーサー、放熱パイプ、及びウレタンフォーム発泡方向の関係を示す拡大斜視図である。 本発明の実施形態に係る外箱、内箱、スペーサー、真空断熱材、及び放熱パイプの関係を示す断面図である。
以下、図示実施形態により本発明を説明する。
図1は本発明の実施形態に係る冷蔵庫のウレタンフォーム注入時の概略説明図である。図2は本発明の実施形態に係る冷蔵庫のウレタンフォーム発泡時のウレタンフォーム流れの概略説明図である。本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、図1及び図2のように鉄などの金属性の外箱1とABSなどの合成樹脂製の内箱2(図3)を一体にした箱体を、扉側を下にして据え付ける。外箱1は、側板12で側面を形成し、後板13で背面を形成し、底板15で底面を形成している。ウレタンフォーム注入時には、外箱1の背面を上にして冷蔵庫製品前面すなわち扉側が下向きの状態で、背面と側面の間に設けられた注入口16よりウレタンフォームの原液を注入する。
本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、ウレタンフォームの原液注入が終了すると、ウレタンフォームの発泡が始まり、図2における矢印方向、つまり原液が溜まっている下部から後板13で形成する背面側へウレタンフォームが流動しながら発泡する。このとき、ウレタンフォームの粘性度は、発泡開始時において扉側では液体であるために小さいが、発泡が進むにつれて、すなわち上部へ移動しながら固体へと変化するために上部にいくほど粘性が増大する。つまり、ウレタンフォーム発泡時において、ウレタンフォームの粘性度は、冷蔵庫前面端部が小さく、背面に近づくほど大きくなる。つまり、冷蔵庫の側面に真空断熱材を内箱2と外箱1の中間に埋設する場合、背面に近い部位に搭載すると、ウレタンフォームの粘性度が大きいため、真空断熱材近傍のウレタンフォームの発泡不良が発生する可能性が高くなる。すなわち、側面部では前面部よりが、背面部では内箱よりが粘性度が少しでも小さく流れやすいことになる。
図3は本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す正面断面図である。図3のように金属板からなる外箱1と合成樹脂からなる内箱2の間には、真空断熱材3が配置されている。真空断熱材3は、薄板樹脂製のスペーサー60によって、外箱1から一定距離離して設置されている。また、外箱1と合成樹脂からなる内箱2の間には、真空断熱材3を埋設するように断熱材であるウレタンフォーム4が充填されている。つまり、真空断熱材3は、スペーサー60によって外箱1に一定の距離を確保された後、ウレタンフォーム原液を注入して発泡を実施することで、外箱1と内箱2の間でウレタンフォーム4に埋設されるように設置される。図3においては図の背後から手前に向かってウレタンフォーム原料を注入することになる。
図4は図3のA−A矢視断面図である。図4において、ハッチングで示す真空断熱材3は、グラスウールなどの無機質集合体を複数の金属層などからなる袋内に収納されたものなどを使用する。外箱1に真空断熱材3を固定して支持するスペーサー60は、ウレタンフォーム流れ方向(発泡方向)に沿って延びる例えばABS樹脂製の矩形波型プレートにより構成される。スペーサー60と外箱1の金属や真空断熱材3の外側表面を形成するナイロン樹脂との間は、例えばゴム系接着剤により接着固定している。冷蔵庫の外箱1の側板12と内箱2の側板との間には、真空断熱材3がスペーサー60で固定され、真空断熱材3と側板12との間、及び内箱2と真空断熱材3との間には、ウレタンフォームが流れる。
図10は本発明の実施形態に係るスペーサー、放熱パイプ、及びウレタンフォーム発泡方向の関係を示す拡大斜視図である。図11は本発明の実施形態に係る外箱、内箱、スペーサー、真空断熱材、及び放熱パイプの関係を示す断面図である。スペーサー60は、図10及び図11のようにウレタンフォーム発泡方向に沿って延びる矩形波型プレート6により構成されている。矩形波型プレート6は、側方より見て、連続する波形の形態を有しているもので、各波の山部の頂部と、各波の山部間の谷部の底部とが、平坦面に形成されたものである。以下、各波の山部の頂部の平坦面の上面を「山部の頂面」と称し、また各波の山部間の谷部の底部の下面を「谷部の下面」と称する。矩形波型プレート6は、所定幅(例えば50mm)を有し、その各山部の頂面6aが真空断熱材3の受け部として形成されている。また、矩形波型プレート6は、その各谷部6bの下面が外箱1または内箱2との当接部として形成されている。また、矩形波型プレート6は、その矩形波型プレートの各山部の頂面6aと各谷部6bの下面とを接続する各接続面に、ウレタンフォーム発泡時の流路となる穴6cが形成されている。更に、矩形波型プレート6は、その各山部の頂面6aに、それぞれ側方に所定量(例えば50mm)延出する延長部6dが形成されている。ここで、山部の頂面6aの側方とは、矩形波型プレート6の長手方向に直交する方向を指す。なお、延長部6dは、ここでは隣接する山部相互で逆向きに延出する千鳥状に形成されているが、これに限るものでない。すなわち、延長部6dは、例えば各山部の頂面6aの両側にそれぞれ形成してもよいし、また各山部の頂面6aの一側に形成してもよいものである。
図5は図3のB−B矢視断面図、つまり冷蔵庫箱体の側部を上から見た断面図を示し、上側が後板13でなる背面部、下側が前面部である。図5において、矢印Dはウレタンフォーム原液注入方向を示し、矢印Cはウレタンフォーム発泡方向を示す。放熱パイプ5は、ウレタンフォーム発泡方向に交差する方向に並設され、外箱1の側板12と溶接により固定されている。ただし、この放熱パイプ5の各位置に対して、スペーサー60は、空洞部になっていて直接接していない。すなわち、放熱パイプ5は、矩形波型プレート6の山部の頂面6aでブリッジ状にかわし、ブリッジで囲まれる部位、つまり山部の頂面6aの下部空間部を横切るように配置されている(図10、図11)。この結果、真空断熱材3と側板12との間のみならず、真空断熱材3と放熱パイプ5との間の隙間である空間には、ウレタンフォームが発泡して隙間を充填することになる。このため、本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、放熱パイプ5の周辺をウレタンフォームで囲うことができ、スペーサー60からの熱侵入を防ぐことができる。ウレタンフォーム原液が流れる方向は、主に各スペーサー60間の隙間であり、ウレタンフォームの流れを妨げない構造としているだけでなく、スペーサー60内部の空洞部にもウレタンフォーム原液が流れるようにしてある。このように断熱壁の一部を形成する真空断熱材3は、外箱1と内箱2の間で、スペーサー60を介して外箱1または内箱2に支持され、外箱1内側に設けられた放熱パイプ5との間にも隙間を有して配置される。そして、本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、この真空断熱材3と、この真空断熱材3を内箱2及び放熱パイプ5に接しない状態で埋設するように注入発泡されたウレタンフォーム4とで、外壁が構成される。
図5に示すように、真空断熱材3は、これが搭載される壁面で、外箱1と内箱2との間のウレタンフォーム原液が流れる隙間が最も薄い部分において、外箱1と内箱2の中央位置になるように設置される。つまり、真空断熱材3は、図5に示す当該真空断熱材3と外箱1との間の最小クリアランスd1と当該真空断熱材3と内箱2との間の最小クリアランスd2が等しい位置に設置される。
これにより、本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、ウレタンフォーム発泡時においてウレタンフォーム原液が通過する最も狭い部位が均等になることで、真空断熱材3の内箱側と外箱側の極端なウレタンフォーム原液の流動の抵抗の不均等が回避でき、発泡時のエアボイド発生などの問題を回避することが可能になる。実際に冷蔵庫に厚さ10mmの真空断熱材を搭載する場合には、この図5に示す真空断熱材3と外箱1との最小クリアランスd1と真空断熱材3と内箱2との最小クリアランスd2は共に12mm程度になる。なお、この最も薄い部位には、放熱パイプ5は配置しないようにして、発泡時の邪魔にならないようにしている。図5に示すように、本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、放熱パイプ5を4mm径とすれば、放熱パイプ5と真空断熱材3とのクリアランスd6を5mm程度以上確保することで、真空断熱材3の温度上昇を防ぐことが可能になり、真空断熱材3の断熱効率がアップし、寿命的観点からも有効となる。このように、本発明の実施形態に係る冷蔵庫においては、放熱パイプ5と真空断熱材3との間にウレタンフォームが介在することで、真空断熱材3の温度上昇を抑制し、真空断熱材3の断熱能力が維持でき、真空断熱材3の経年劣化も抑制することが可能になる。
また、図5に示す真空断熱材3と外箱1の前面端部とのクリアランスd3については、外箱前面端部から冷蔵庫奥行き長さ方向に奥行き寸法の17%を超えない範囲の距離に設定すると良く、例えば11%や7%のレベルであれば問題ないという結果が得られている。これは、製品外形奥行き寸法699mmの冷蔵庫の実験結果に基づいているものでd3が80mm以下であれば発泡不良が発生しなかった実験結果に基づいている。ただし、d3の小さいほうの許容値は、発泡をスムーズに行うために、冷蔵庫の外壁を形成する前面部の断熱壁の厚さくらいは必要である。この実験結果を図9に示す。この実験結果は、製品奥行き外形寸法699mmの冷蔵庫で確認したもので、真空断熱材3と外箱1の前面端部とのクリアランスd3を50mm、80mm、120mmの3段階で発泡時のエアボイドの発生を確認している。この試験では、クリアランス80mmまではエアボイドの発生が見られなかった。これにより、ウレタンフォーム発泡時においては、ウレタンフォームの粘性度が低い状態で、真空断熱材の内箱側、外箱側の両側を均等に通過することが可能となることが判明した。このクリアランスd3が冷蔵庫奥行き長さの17%を超えるとウレタンフォーム発泡時にエアボイドが発生することがある。すなわち17%を超える寸法は、避けたほうが良い。真空断熱材3を冷蔵庫前面部に近づけることで、ウレタンフォーム原液注入後、発泡しても液状態のウレタンフォームを粘度の低い状態で真空断熱材近傍を通過させることができる。このため、真空断熱材と外箱1、内箱2のクリアランスが小さくても問題なく発泡が可能となる。
図6は本発明の実施形態に係る冷蔵庫のスペーサー、真空断熱材、放熱パイプ、及びウレタンフォーム発泡時における流れ方向の関係を示す斜視図である。図5に示すスペーサー幅(各山部の頂面6aの矩形波型プレート延長方向の幅)d4が真空断熱材3と外箱1との最小クリアランスd1より大きい場合は、ウレタンフォーム発泡時にウレタンフォーム流動の障害となる。一方、スペーサー幅d4を最小クリアランスd1より小さくした場合は、貼り付け面積が低下し、発泡圧によってスペーサー60が真空断熱材3から剥離してしまう。また、貼り付け面積を確保するために、スペーサー数量を増加させた場合は、既述したように貼り付け工数の増加、スペーサー60の熱伝導による断熱性能悪化などの問題が生じる。そこで、スペーサー60の全体に影響を及ぼすスペーサー幅d4を増すことなく、スペーサー60における真空断熱材との接触面積部分のみを増やすために、各山部の頂面6aには、それぞれ側方に延出する延長部6dを千鳥状に設けている。さらに各山部の頂面6aと各谷部6bの下面とを接続する各接続面には、ウレタンフォーム発泡時の流路となる矩形(円形でもよい)の穴6cを形成している。この穴6cは、図11に示す短辺(円形の場合直径)d5の平均値を最低でも3mm以上とすることで、ウレタンフォーム流路を確保できることが実験によりわかっている。
また、このスペーサー60を設置する場合には、図6及び図10に示すように当該スペーサー60の延長方向の向きを、ウレタンフォーム発泡時におけるウレタンフォーム流れ方向と平行に設置する。これにより、本発明の実施形態に係る冷蔵庫においては、効果的にウレタンフォーム流動の阻害要因を排除することができる。また、スペーサー60には、ウレタンフォーム流れ方向に対して直交する壁面である各接続面に、ウレタンフォーム発泡時の流路となる穴6cを設けている。また、スペーサー60は、ウレタンフォーム発泡方向と交差する方向に対して壁が存在せず、ウレタンフォーム発泡方向と交差する方向へもウレタンフォーム4が流動できるので、発泡時の流れがスムーズに行われる。
要するに、スペーサーをウレタンフォーム流れ方向と平行に設置しなくても、真空断熱材と外箱との最小クリアランスd1以上の幅の壁がウレタンフォーム発泡方向に対して存在しないようにすることが重要である。
また、図3に示すスペーサー形状を側面に使用した場合、一般的には冷媒の放熱パイプ5の形状に制約が発生してしまう。しかし、本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、図6及び図10に示すように、スペーサー60をパイプ逃がし形状(山部の頂面6aの下部空間部)を有する矩形波型プレート6により構成しているので、放熱パイプ5の形状は変更することなく、真空断熱材3を搭載することが可能になる。そしてこのように、山部の頂面6aの下部空間部に放熱パイプ5を配置することで、本発明の実施形態に係る冷蔵庫においては、放熱パイプ5と真空断熱材3との間の隙間にもウレタンフォーム4を流すことができ、ウレタンフォーム発泡時の流れがスムーズに行われる。
また、このようなウレタンフォーム流路及び放熱パイプ逃がし形状を多く持ったスペーサー60を搭載することで、本発明の実施形態に係る冷蔵庫においては、スペーサー60の熱伝導部分を少なくして断熱性能悪化を抑制することができる。すなわち、ウレタンフォームのように発泡された樹脂は、ABS合成樹脂にくらべ熱伝導し難いためである。図6及び図10に示すスペーサー60は、ウレタンフォームの発泡方向に並列になるように山部の頂面6aを真空断熱材3に密着させた状態で、外箱1の側板12の方向へ谷部6bの下面を突き出させ、この谷部6bの下面を外箱1の側板12に密着させて真空断熱材3を支持する構造である。さらに、スペーサー60は、山部の頂面6aの下部空間部に、放熱パイプ5を外箱1に密着させて配置している。これにより、スペーサー60は、放熱パイプ5と真空断熱材3との間に空間を設けることができ、この空間に発泡剤を充填させることができることになる。そして、ウレタンフォーム発泡後は、スペーサー60全体をウレタンフォームが確実に固定する強固な構造とすることができる。
また、矩形波型プレートの各山部の頂面6aと各谷部6bの下面とを接続する各接続面には、ウレタンフォーム発泡時の流路となる穴6cが形成されている。これにより、スペーサー60は、山部の頂面6aを谷部6b側から四隅で支える構造とすることができ、発泡剤の流れに対する障害をより少なくすることができる。
次に、放熱パイプの配置について図7により説明する。図7は本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す側面断面図及び背面断面図である。冷蔵庫の外箱1の中には、真空断熱材3、冷媒回路の放熱パイプ5が取り付けられている。また、内箱2の中には、冷蔵室7、野菜室8、製氷室9、冷凍室10が、上から下へそれぞれ仕切りで仕切られて配置されている。冷蔵室7及び野菜室8は、0℃以上の温度帯に設定される。一方、製氷室9及び冷凍室10は、0℃以下の温度帯に設定される。ここでは、0℃以下の温度帯に設定される庫室の背面壁に真空断熱材3を配置し、また0℃以上の温度帯に設定される庫室の背面壁に放熱パイプ5を集約して配置している。これにより、本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、庫内の温度上昇を抑制する必要がある製氷室9と冷凍室10の断熱能力を強化している。また、0℃以下になると逆に凍結などの問題が生じる冷蔵室7と野菜室8の壁面には、放熱パイプ5を設置することで庫内の温度を適正に保つことが可能になる。なお、ここでは0℃以下の温度帯に設定される庫室の周囲全体を取り巻くように真空断熱材3が設けられている。この真空断熱材3は、外箱1に固着されたものとして形成されている。ただし、この真空断熱材3は、図3などのようにスペーサー60を介して外箱1または内箱2の内壁面に固定し、注入し発泡されたウレタンフォームによりこの真空断熱材3を埋設するようにしても良いことは当然である。この構成により、冷凍温度帯(0℃以下の温度帯)に設定される庫室では、スペースを大きくすることができて有効に活用することができる。さらに、この構成では、断熱効率を確保した上で外箱1の表面積に対し真空断熱材3の被覆率が50%より少なくでき、経済的な冷蔵庫とすることができる。
冷凍サイクル内を冷媒を循環させる圧縮機は、冷蔵庫下部の機械室に設けられている。この圧縮機のモータを回転させて圧縮した高温高圧の冷媒は、先ず放熱パイプ5を循環して高い温度の熱を外箱1の金属を介して外部に放出する。したがって、放熱パイプ5に対向する位置の庫室は、比較的高い温度の影響を受けることになる。図7の野菜室8の野菜凍結防止ヒータ11を、庫室を仕切る仕切り部の野菜室側を加熱する位置に設ける冷蔵庫に適用した場合は、放熱パイプ5の影響を受けて野菜室の温度が高くなる傾向のため、ヒータの通電率が少なくなり、このヒータ通電率の低下により消費電力の低減の効果も得られる。真空断熱材3は、寿命、断熱効率の観点より温度が低いほうが良いため、一般に放熱パイプ5を設ける部分とは異なる部分に配置するが、特に周囲の外気との温度差が大きい0℃以下に設定される庫室を取り巻く断熱材として使用すると良い。特に、真空断熱材3は、温度差の大きな冷蔵庫などへの影響を減らすように−18℃以下の低温度を維持する冷凍室周りを外気や他の庫室と断熱するために用いると効果的である。この際、放熱パイプ5を配置する部分と、冷凍室周りに真空断熱材3を配置する部分が交差する場合には、真空断熱材3に接触しない経路を取るように放熱パイプ5の接合部を配置する。もし、放熱パイプ5の経路が真空断熱材3の配置位置と交差する場合には、0℃以下の冷却を行う庫室、特に冷凍室を上部に配置すればよい。
次に、放熱パイプの配置の他の例について図8により説明する。図8は本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す側面断面図及び背面断面図である。真空断熱材3は冷蔵庫の外箱1または内箱2に、また冷媒回路の放熱パイプ5は外箱に取り付ける。冷蔵庫は、上から冷蔵室7、野菜室8、製氷室9、冷凍室10が配置されている。冷蔵室7及び野菜室8の庫内温度は、0℃以上である。壁断面の断熱厚さd7は、製氷室9や冷凍室10のような0℃以下に設定される庫室の断熱厚さd8に比較して20〜40%ほど断熱構造部が薄く作られている。これは内容積を大きくし、設置サイズを小さくするために、断熱厚さを最低限まで抑制していることによるものである。上部の断熱厚さd7には、真空断熱材3が外箱1に固定され、その内箱側にはウレタン樹脂を発泡させて内箱と外箱から形成する断熱壁の厚さを得ている。一方、下部の断熱厚さd8には、真空断熱材3なしに放熱パイプ5が外箱1に固定されその内箱と外箱の間はウレタン樹脂を発泡させて内箱と外箱から形成する断熱壁の厚さを得ている。なお、図3のようなスペーサー60を使用し、このスペーサー60を外箱1と真空断熱材3との間に配置し、注入し発泡されたウレタンフォームによりこの真空断熱材3を埋設するようにしても良いことは当然である。この場合は、放熱パイプ5が上方に集約され、この放熱パイプ5に接続する配管を、前述のスペーサー60を使用することで、放熱パイプ5と真空断熱材3とを離して簡単に配置することができる。
下部の断熱厚さd8はその厚みで断熱能力を維持でき、断熱厚さの薄い上部は断熱能力の低い冷蔵室7の断熱能力を向上させるため、真空断熱材3を冷蔵室7の背面壁に搭載する。この際、放熱パイプ5は真空断熱材3の寿命、断熱効率の観点より温度が低いほうが良いため、真空断熱材3に接触しない経路をとる。この構成により冷蔵室7など冷蔵スペースを有効に活用できる。また、必要最小限の真空断熱材3を使用し、かつ放熱パイプ5も最短にできるので、経済的な冷蔵庫を製造できる。即ちこの構成では断熱効率を確保した上で外箱の表面積に対し、真空断熱材3の被覆率が50%より少ない経済的な冷蔵庫とすることができる。
本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、図1で説明したように、冷蔵庫製品前面(扉側)が下向きの状態で、上向きとなった冷蔵庫製品背面に設けた注入口16よりウレタンフォームの原液を注入する。また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、ウレタンフォームの原液注入が終了するとウレタンフォームの発泡が始まり、図2で説明したように矢印方向にウレタンが流動しながら発泡する。このときウレタンフォームの粘性度は発泡開始時において液体であるために小さいが、発泡が進むにつれて固体へと変化するため粘性度は増加する。つまり、ウレタンフォーム発泡時においてウレタンフォームの粘性度は、冷蔵庫前面端部が低く、背面に近づくほど高くなる。つまり、冷蔵庫の側板12に真空断熱材3を内箱2と外箱1の間に埋設する場合は、背面に近い部位に搭載するとウレタンフォームの粘性度が高いため真空断熱材近傍のウレタンフォームの発泡不良が発生する可能性が高くなる。
これに対し、本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、外箱1と内箱2の間にウレタンフォーム4と真空断熱材3を備え、真空断熱材3が外箱1及び内箱2に接しない状態で埋設し、真空断熱材3を放熱パイプ5と内箱2の間に設置するとともに、ウレタンフォーム発泡時の粘度の変化に応じた真空断熱材3と内箱2、外箱1の配置関係を規定しているので、品質の良い断熱性能が得られる。これにより、本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、真空断熱材3を搭載した場合にも放熱パイプ5が従来の長さ、放熱形状を維持でき、凝縮能力を低下させる弊害がなく、断熱能力を増すことが可能になる。また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、放熱パイプ5と真空断熱材3との間にウレタンフォーム4が介在することで、真空断熱材3の温度の上昇を抑制し、真空断熱材3の断熱能力が維持でき、真空断熱材3の経年劣化も抑制することが可能になる。
例えば、本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、ウレタンフォーム注入及び発泡時に下部となる冷蔵庫前面端部より製品奥行き寸法の7%以内程度の寸法位置より上に真空断熱材3を設置すると、ウレタンフォームを注入発泡させる際、最大限の断熱性能を確保できる最低の隙間を確保できる。一方、冷蔵庫前面端部より製品奥行き寸法の17%を超えた範囲の距離に真空断熱材3を設定すると、粘度が高くなり、ウレタンフォームの発泡時にエアボイドが発生するなどの品質不良を起こす可能性がある。すなわち、冷蔵庫前面端部より製品奥行き寸法の7%以内程度の寸法位置を選択する場合は、外箱1と内箱2との間の最小クリアランスd1、d2(図5)を、例えば各10mm程度を確保できる最小値とすればよい。また、断熱性能に余裕があり、この位置より上に、すなわち冷蔵庫前面端部より離した位置に真空断熱材3を設置する場合は、ウレタンフォーム発砲の粘度が高くなりすぎない位置、つまりウレタンフォーム発砲時にエアボイドが発生するなどの品質不良を起こさない冷蔵庫前面端部より製品奥行き寸法の17%を超える寸法位置よりも端面に近くする必要がある。本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、冷蔵庫前面端部より製品奥行き寸法の17%を超えない寸法位置に真空断熱材3を設定しているので、冷蔵庫前面端部付近に真空断熱材3が存在しても、確実にウレタンフォームの注入発泡による充填を行うことができて、断熱性能を確保できる所望の品質が得られる冷蔵庫を製造できる。
このように、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、真空断熱材3が冷蔵庫前面端部に近づくことで、ウレタンフォーム原液注入後、液状態のウレタンフォームを粘度の低い状態で真空断熱材3近傍を通過させることができる。このため、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、真空断熱材3と外箱1、内箱2のクリアランスが小さくても問題なく発泡が可能となるし、粘度の高い位置では流動に必要なクリアランスを確保することができる。
また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫において、外箱1と内箱2の間にウレタンフォーム4と真空断熱材3を配置し、真空断熱材3を外箱1及び内箱2に接しない状態で埋設する際には、真空断熱材3と外箱1及び内箱2とのクリアランスを均等に、それぞれ1/3等分程度にすると、効果の良い断熱性能が得られる。両方のクリアランスをそれぞれ冷蔵庫の壁面断熱厚さの1/3以上確保しても良い。
例えば冷蔵庫の製造時におけるウレタンフォーム発泡時に、真空断熱材3とのクリアランスを冷蔵庫壁面断熱厚さの1/3程度にすることで、冷蔵庫の側面断熱厚さが30mm程度、真空断熱材が10mm程度の場合は、真空断熱材3を外箱1と内箱2の中央に埋設することになり、真空断熱材3の両側のウレタンフォーム流路面積が同等となるため、ウレタンフォームの発泡圧力による真空断熱材3へかかる圧力の不均衡による真空断熱材3の変形によるウレタン流動の阻害を阻止することが可能となり、ウレタンフォームのボイドによる箱体強度の低下、外装不良などの問題を回避できる。しかも真空断熱材3が10mm程度の厚みを確保でき、確実な断熱性能を確保できる。
更に、本発明の実施形態に係る冷蔵庫においては、外箱1と内箱2の間にウレタンフォーム4と真空断熱材3とを備え、真空断熱材3を外箱1及び内箱2に接しない状態で埋設する際、ウレタンフォーム発泡時のウレタンフォーム発泡方向及び発泡方向と交差する方向の両方にエアーとウレタンフォームが通過できる流路を有する矩形波型プレート6で構成されたスペーサー60を搭載している。このように、本発明の実施形態に係る冷蔵庫においては、真空断熱材3を支持するスペーサー60そのものにウレタンフォーム流路形状を持たせているので、ウレタンフォーム流動がスペーサー60によって阻害されることがなくなる。さらに、本発明の実施形態に係る冷蔵庫においては、エアーがスペーサー60に設けたウレタンフォーム流路形状部を通過できるため、エアーロックを防止でき、ウレタンフォームの流動を阻害することなく発泡が可能になり、ウレタンフォームのボイドによる箱体強度の低下、外装不良などの問題を回避できる。
また、単純なブロック形状のスペーサーでは、スペーサーそのものの熱伝導により断熱性能を悪化させることが考えられるが、空洞によるウレタンフォーム流路を設けたスペーサー60では、ウレタンフォーム4がスペーサー60と一体となってスペーサー60の一部を形成するので、熱抵抗が大きくなり、スペーサー60から庫内への熱伝導を抑制することが可能になる。
ウレタンフォーム流路を設けたスペーサー60によれば、スペーサー60からの熱伝導やウレタンフォーム4の未充填の問題が解消されるが、さらに矩形波型プレート6の各山部の頂面6aに、それぞれ側方に所定量(例えば50mm)延出する延長部6dを形成することで、スペーサー60の数や大きさを減少させることができる。これにより、本発明の実施形態に係る冷蔵庫においては、ウレタンフォーム発泡時の流動抵抗を小さくでき、箱体強度の低下や外装不良の問題が回避でき、さらに製品コストの低下にもつながる。
また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、冷蔵庫背面に真空断熱材3を搭載する際、断熱厚さが冷蔵庫平均断熱厚さに満たない部位に搭載して、一方、真空断熱材非搭載箇所には放熱パイプ5を集約して設置している。このため、本発明の実施形態に係る冷蔵庫においては、冷蔵庫背面の断熱厚さが薄い部位の断熱能力を向上させることができるとともに、断熱厚さが厚い箇所から庫内への熱侵入を防ぐ効果が得られる。
また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫においては、冷蔵庫背面に真空断熱材3を搭載する際、庫内温度が0℃以下に設定される庫室の壁面に真空断熱材を搭載し、一方、真空断熱材非搭載箇所に放熱パイプ5を集約して設置する構成の採用も可能である。冷蔵庫庫内の温度が0℃以下に設定される庫室の壁面に真空断熱材を搭載して、庫内への熱侵入量を低減し、冷蔵庫庫内の温度が0℃以上のに設定される庫室の壁面に放熱パイプ5を集約することで、0℃以下に設定される庫室の庫内温度を効率的に維持することが可能となる。
本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、図4、図7及び図8のように冷蔵庫製品上下方向にくし型あるいはU字型の放熱パイプ5を設置している。このように、冷蔵庫の上下方向にくし型あるいはU字型の放熱パイプ5を設置することで、本発明の実施形態に係る冷蔵庫においては、パイプの延長距離の確保が容易となり、放熱パイプ5の長さを維持したまま折り返し加工部を減少させることができる。このため、本発明の実施形態に係る冷蔵庫においては、加工コストを減少させることができ、安価な冷蔵庫を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、発泡時のウレタンフォームが粘性度の低い状態で真空断熱材近傍を通過するので、流動性の悪化による冷蔵庫の外装不良及びウレタンフォーム断熱材不良による断熱能力悪化を起こすことなく、真空断熱材3の搭載が可能となる。また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、真空断熱材3を外箱1から浮かせた位置に搭載することで冷蔵庫の放熱パイプ5を従来の冷蔵庫と同様に搭載できるため、凝縮能力を低下させることなく、真空断熱材搭載による断熱能力を向上させ、冷却能力の向上及び消費電力の低減を両立する冷蔵庫を製造することが可能となる。
以上のように、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、真空断熱材3を搭載した場合にも放熱パイプ5が従来の長さ、放熱形状を維持できることで凝縮能力を低下させる弊害がなく断熱能力をアップすることが可能となる。また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、放熱パイプ5と真空断熱材3との間にウレタンフォーム4が介在することで、真空断熱材3の温度が上昇を抑制し、真空断熱材3の断熱能力が維持でき、真空断熱材3の経年劣化も抑制することが可能となる。
また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、冷蔵庫のウレタンフォーム発泡時にウレタンフォームが粘度の低い状態で真空断熱材近傍を通過するため、真空断熱材3と外箱1、内箱2のクリアランスが小さくても問題なく発泡が可能となる。
また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、ウレタンフォーム発泡時に真空断熱材3とのクリアランスを冷蔵庫の壁面断熱厚さの1/3以上に確保することで、ウレタンフォームの流動を阻害することなく発泡が可能となり、ウレタンフォームのボイドによる箱体強度の低下、外装不良などの問題が回避できる。
また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、真空断熱材3を支持するスペーサー60そのものにウレタンフォーム流路形状をもたせているので、ウレタンフォーム流動性を確保でき、ウレタンフォームの流動を阻害することなく発泡が可能となる。また、スペーサー60を矩形波型プレート6により構成し、矩形波型プレート6には、その各山部の頂面6aに、それぞれ側方に所定量(例えば50mm)延出する延長部6dを形成しているので、スペーサー60における真空断熱材3との接触面積部分のみを側方に向けて増やすことができる。このため、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、真空断熱材の撓みの発生を抑えつつ、スペーサーの数を減らすことができる。さらに、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、ウレタンフォーム流動への抵抗を減らすことが可能となるので、ウレタンフォームのボイドによる箱体の強度低下、外装不良などの問題が回避できる。また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、スペーサーの数量を減らすことができるので、削減したスペーサーの分の単価と組み立て工数のコストを抑制することができる。また、単純なブロック形状のスペーサーでは、スペーサー自身の熱伝導により断熱性能を悪化することが考えられるが、本発明の実施形態に係る冷蔵庫のようにウレタンフォーム流路を設けたスペーサーでは、熱抵抗が大きくなり、スペーサーから庫内への熱伝導を抑制することが可能となる。
また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、放熱パイプ5を冷蔵庫の上下方向にくし型あるいはU字型に形成しているので、真空断熱材3を搭載した場合にも、放熱パイプ5の長さを維持したまま折り返し加工部を減少させることができる。このため、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、加工コストが抑制できて安価な冷蔵庫が提供できる。また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、真空断熱材3の温度が上昇を抑制し、真空断熱材3の断熱能力が維持できる。また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、真空断熱材3の経年劣化も抑制することが可能となる。
また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、冷蔵庫背面の断熱厚さが薄い部位に真空断熱材3を搭載して断熱能力を向上させ、一方、断熱厚さが厚い断熱能力の高い部位に放熱パイプ5に設置しているので、庫内への熱侵入を防ぐ効果が得られる。
また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、冷蔵庫庫内の温度が0℃以下に設定される庫室の壁面に真空断熱材3を搭載して、庫内への熱侵入量を低減し、冷蔵庫庫内の温度が0℃以上に設定される庫室の壁面に放熱パイプを集約することで、0℃以下に設定される庫室の庫内温度を効率的に維持することが可能となる。
このように、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、スペーサー60における真空断熱材3との接触面積部分のみを側方に向けて増やすことができるので、真空断熱材の撓みの発生を抑えつつ、スペーサーの数を減らすことができる。また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、真空断熱材3を搭載した場合にも凝縮能力を低下させる弊害がなく断熱能力をアップすることが可能な冷蔵庫が得られる。また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、放熱パイプ5と真空断熱材3との間にウレタンフォーム4を介在することで、真空断熱材3の温度上昇を抑制し、真空断熱材の断熱能力が維持でき、真空断熱材3の経年劣化も抑制することが可能となり、品質の良い冷蔵庫が低コストで得られる。
1 外箱、2 内箱、3 真空断熱材、4 ウレタンフォーム、5 放熱パイプ、6 矩形波型プレート、6a 山部の頂面、6b 谷部、6c 穴、6d 延長部、7 冷蔵室、8 野菜室、9 製氷室、10 冷凍室、11 野菜凍結防止ヒータ、12 側板、13 後板、14 天板、15 底板、16 注入口、60 スペーサー、d1 最小クリアランス、d2 最小クリアランス、d3 クリアランス、d4 スペーサー幅、d5 短辺、d6 クリアランス、d7 断熱厚さ、d8 断熱厚さ。

Claims (12)

  1. 外箱と内箱の間に、スペーサーと、該スペーサーにて支持された真空断熱材と、該真空断熱材を埋設するように注入発泡されて充填されたウレタンフォームとを備えた箱体を有する冷蔵庫において、
    前記スペーサーを、矩形波型プレートにより構成し、その矩形波型プレートの各山部の頂面を前記真空断熱材の受け部とし、またその矩形波型プレートの各谷部の下面を前記外箱または前記内箱との当接部とし、さらに前記矩形波型プレートの各山部の頂面に、それぞれ側方に所定量延出する延長部を設けたことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記矩形波型プレートの各山部の頂面の前記延長部は、隣接する山部相互で逆向きに延出する千鳥状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
  3. 前記矩形波型プレートの各山部の頂面の前記延長部は、各山部の両側にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
  4. 前記矩形波型プレートの各山部の頂面の前記延長部は、各山部の一側に形成されていることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
  5. 放熱パイプを更に備え、
    前記外箱には、前記放熱パイプがウレタン発泡方向に交差する方向に並設するように固定されており、前記スペーサーは、前記矩形波型プレートの各山部の頂面の下部空間部を該放熱パイプがそれぞれ横切るように配置されており、これら矩形波型プレートの各山部の頂面と該放熱パイプとの間にもウレタンフォームが充填されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の冷蔵庫。
  6. 前記真空断熱材が設置されている前記外箱と前記内箱の間で、ウレタンフォームが流れる隙間が最も薄い部分において、前記真空断熱材が前記外箱と前記内箱の中間位置になるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の冷蔵庫。
  7. 前記外箱の背面側に前記ウレタンフォームの注入口が設けられており、前記真空断熱材は、前記外箱の前面端部より奥行き方向に所定距離おいた位置より背面側に設置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の冷蔵庫。
  8. 前記真空断熱材と前記外箱および内箱とのクリアランスとをそれぞれ壁面断熱厚さのほぼ1/3に設定したことを特徴とした請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の冷蔵庫。
  9. 放熱パイプを更に備え、
    前記箱体の背面に前記真空断熱材を搭載する際、庫内温度が0℃以下に設定される庫室の壁面に相当する位置に前記真空断熱材を搭載し、一方真空断熱材非搭載箇所には前記放熱パイプを集約し、断熱壁面厚さを前記真空断熱材を搭載した位置より前記放熱パイプを集約した位置を厚くしたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の冷蔵庫。
  10. 放熱パイプを更に備え、
    前記箱体の背面に前記真空断熱材を搭載する際、外箱と内箱の間の断熱厚さが箱体平均断熱厚さに満たない部位に前記真空断熱材を搭載し、一方前記真空断熱材非搭載箇所に前記放熱パイプを集約することにより、断熱壁面厚さを前記真空断熱材を搭載した位置より前記放熱パイプを集約した位置を厚くしたことを特徴とした請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の冷蔵庫。
  11. 前記放熱パイプは、冷蔵庫上下方向にくし型あるいはU字型のパターンを繰り返すパイプであることを特徴とする請求項5乃至請求項10のいずれかに記載の冷蔵庫。
  12. 前記箱体の背面を上向きにした状態でウレタンフォームを発泡することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の冷蔵庫。
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