JP2012224762A - 繊維強化abs系樹脂成型体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の繊維樹脂複合材料の特性である機械的特性を兼ね備え、耐衝撃性も低下せず、しかも表面品位が優れ、安価な繊維強化ABS系樹脂成型体、及びこの繊維強化ABS系樹脂成型体が容易に得られる製造方法を提供する。
【解決手段】強化用繊維材料が、熱可塑性アクリル樹脂からなるマトリクス樹脂を長繊維からなる強化用繊維材料と複合させてなる強化用繊維複合材料として供され、強化用繊維複合材料とABS系樹脂材料とを一体化する工程を含む製造方法により、繊維強化ABS系樹脂成型体を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は繊維強化ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)系樹脂成型体に関し、より詳細には炭素繊維等の強化用繊維とABS系樹脂とを一体化させてなる繊維強化ABS系樹脂成型体及びこれを得るための製造方法に関する。
ガラス繊維や炭素繊維等の強化用繊維を、長く連続して方向性を保った状態(以下、これを「長繊維」という)のまま、PA66(ナイロン66)や熱可塑性ポリウレタン(TPU)等のマトリクス樹脂で固定してシート状等にした、強化用繊維と樹脂との複合材料が従来から使用されている。このような繊維樹脂複合材料からは、プレス成型、圧空成型、真空成型、ハイブリッド成型(プレスと射出成型を合せた成型方法)等により成型品が製造される。
しかし、従来の繊維樹脂複合材料をこれらの方法で成型すると、表面の品位が劣る場合があり、また、繊維樹脂複合材料のみで構成される成型体は、機械的特性は優れるが、コストが高くなるという問題を有する。
また一方で、ABS系樹脂等の熱可塑性樹脂成型体の剛性を向上させるために、細かく切断した繊維(以下、これを「短繊維」という)を強化対象となる樹脂に直接混合(コンパウンド)することも行われている。
例えば、特許文献1には、所定の開繊度合及び繊維長を有する繊維で強化された熱可塑性樹脂ペレットが開示されている。
しかし、短繊維を混合した熱可塑性樹脂は、強化していないものに比べて曲げ強度などが向上する一方で、耐衝撃性が低下するという問題があった。
特開平8−60001号公報
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、従来の繊維樹脂複合材料の特性である機械的特性を兼ね備え、耐衝撃性も低下せず、表面品位も優れ、しかも安価で得られる繊維強化ABS系樹脂成型体を提供することを目的とする。また、この繊維強化ABS系樹脂成型体が容易に得られる製造方法を提供することを目的とする。
本発明の繊維強化ABS系樹脂成型体の製造方法は、少なくとも1種のABS樹脂を含むABS系樹脂材料と強化用繊維材料とから繊維強化ABS系樹脂成型体を製造する成型方法であって、上記の課題を解決するために、強化用繊維材料が、熱可塑性アクリル樹脂からなるマトリクス樹脂を長繊維からなる強化用繊維材料と複合させてなる強化用繊維複合材料として供され、この強化用繊維複合材料とABS系樹脂材料とを一体化する工程を含むものとする。
上記本発明の製造方法においては、強化用繊維複合材料を型内に配し、この型内にABS系樹脂材料を射出装置によって供給し、冷却硬化させることにより、前記強化用繊維複合材料とABS系樹脂材料とを一体化することができる。
又は、前記ABS系樹脂材料を押出装置によって供給し、強化用繊維複合材料と重ね合わせてプレス加工することにより一体化することもできる。
又は、前記型内に強化用繊維複合材料とシート状又は任意の形状のABS系樹脂材料とを配し、この型をプレスすることにより、前記強化用繊維複合材料とABS系樹脂材料とを一体化することもできる。なお、ここでシート状とは、表面が平らでかつ加熱して柔らかくした状態で折り曲げ可能な程度の厚みを有する状態を指すものとする。
上記ABS系樹脂材料としては、ABS樹脂、ABS樹脂とポリアミド樹脂とのポリマーアロイ、ABS樹脂とPBT樹脂とのポリマーアロイ、及びABS樹脂とポリカーボネートとのポリマーアロイから選ばれた選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。
また、強化用繊維複合材料を構成する繊維材料としては、繊維を一方向にシート状に引き揃えたもの、織物、編物、不織布、及び編組のスランド状から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。それらの繊維材料は、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイド繊維、ボロン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、及びポリエステル繊維から選ばれた1種又は2種以上から構成することができる。
本発明の繊維強化ABS系樹脂成型体は、上記した本発明の繊維強化ABS系樹脂成型体の製造方法により得られるものとする。
本発明によれば、強化用繊維複合材料のマトリクス樹脂として熱可塑性アクリル樹脂を用いたことにより表面品位が優れ、また用いた熱可塑性アクリル樹脂とABS樹脂との接着性が良好であることにより、従来の繊維強化複合材料の特性である機械的特性も兼ね備え、かつ耐衝撃性が従来より向上した繊維強化ABS系樹脂成型体が、容易な方法により安価で得られる。
本発明において用いる強化用繊維複合材料は、長繊維からなる繊維材料とマトリクス樹脂とからなる。長繊維からなる繊維材料としては、繊維材料を一方向に束状又はシート状に引き揃えたもの、これらを例えば直交に積層したもの、繊維材料を織物や編物、不織布等の布帛に成形したもの、編組等のスランド状のもの等のいずれも用いることができる。
上記繊維材料を構成する繊維としては、無機繊維、有機繊維、金属繊維又はそれらの混合物のいずれも用いることができる。
無機繊維の例としては、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイド繊維、ボロン繊維、ガラス繊維を挙げることができる。有機繊維の例としては、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維が挙げられる。これらの繊維は複数種を組み合せて使用することもできる。
強化用繊維複合材料のマトリクス樹脂としては熱可塑性アクリル樹脂を用いる。マトリクス樹脂として熱可塑性アクリル樹脂を使用することにより、成型体の表面品位が優れ、かつ強化用繊維複合材料とABS系樹脂シートとの接着性が優れ、曲げ強度や耐衝撃性に優れた成型体を得ることができる。
熱可塑性アクリル樹脂の種類は特に限定されず、次式(1)で表されるアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルからなる重合体又はこれらと他のモノマーとの共重合体が用いられる。なお、本発明でいう「熱可塑性アクリル樹脂」には、これらの共重合体からなる樹脂及び変性樹脂も含むものとする。
Figure 2012224762
熱可塑性アクリル樹脂を構成するモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニルなどが挙げられる。また、アクリロニトリル・酢酸ビニル等、ビニル基を有するモノマーも好適に用いられる。このようなモノマーは単独あるいは組み合わせて使用することができる。
但し、ABS系樹脂との接着性をより向上させるために、特定の官能基を有する熱可塑性アクリル樹脂が特に好適に用いられ、そのような官能基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸のようなカルボキシル基含有ビニルモノマー、(メタ)アクリル酸グリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸−2−エチルグリシジルエーテルのようなエポキシ基含有ビニルモノマー、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピルのようなヒドロキシル基含有ビニルモノマー、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミドのようなアミド基含有ビニルモノマー等が挙げられ、これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。特にアミド基含有ビニルモノマーは密着性向上に有効である。
上記熱可塑性アクリル樹脂をマトリクス樹脂として使用する際には、必要に応じて溶剤を使用することができる。使用可能な溶剤の例としては、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸エチル、キシレン、トルエン、ジメチルホルムアミド(DMF)等が挙げられる。
上記繊維材料とマトリクス樹脂とを複合化して強化用繊維複合材料を製造するには、従来から用いられているディッピング(含浸)や塗布等の方法を適宜用いることができる。特にディッピング法で加工する場合、マトリクス樹脂の設計の自由度が増し、様々な組合せが可能となるため好ましい。
本発明で使用する強化用繊維複合材料の厚みは、目的とする成型体により選択され、特に限定されるものではないが、通常は0.1〜3mm程度である。
次に本発明で用いるABS系樹脂材料とは、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、ABS樹脂とポリアミド樹脂とのポリマーアロイ、ABS樹脂とPBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂とのポリマーアロイ、ABS樹脂とポリカーボネートとのポリマーアロイのいずれかを主成分とする樹脂である。これらのABS系樹脂は、上記熱可塑性アクリル樹脂をマトリクス樹脂とする強化用繊維複合材料との接着性に優れるため、曲げ強度及び耐衝撃性に優れた成型体が得られる。ABS系樹脂はグラフト法により得られたものでも、ポリマーブレンドにより得られたものでもよく、市販されているABS系樹脂から適宜選択して使用することができる。
本発明の成型体は、上記強化用繊維複合材料とABS系樹脂材料とが一体化してなるものであり、強化用繊維複合材料が表面層を形成し、ABS系樹脂材料が中間層を形成しているのが好ましい。すなわち、強化用繊維複合材料とシート状ABS系樹脂材料とをそれぞれ1枚ずつ重ねる場合はABS系樹脂材料が裏面層をなすものとするが、本発明で用いる強化用繊維複合材料は表面品位が優れるので、これを表面層及び裏面層に用い、その間にABS系樹脂材料を中間層として配するのが好ましい。
本発明の製法方法においては、射出成型、押出成型、プレス成型、又はハイブリッド成型等の従来から知られている手法を用いることができ、これらの各種成型方法を実施する際に使用する金型、射出装置、押出装置、プレス装置等は、特に限定されず、既知のものを適宜使用することができる。また、成型の際の温度、圧力等の条件も、従来から採用されている条件に準じて、使用する樹脂の種類や、目的とする成型体の形状、大きさ、厚み等に応じて調整すればよく、特に限定されるものではないが、好ましい例としては以下の方法が挙げられる。
すなわち、射出成型の場合は、まず成型金型を予め60〜100℃に加熱し、強化用繊維複合材料を200〜240℃に加熱して、この加熱した成型金型内にセットし、次にこの金型内に、射出装置によって240〜270℃に加熱したABS系樹脂材料を射出して充填し、そのまま冷却してABS系樹脂材料を型内で硬化させることにより、強化用繊維複合材料と一体化させることができ、これを金型から取り出すことにより成型体が得られる。
また射出成型の別の例としては、強化用繊維複合材料を予め所望の形状にプレス成型し、これを60〜100℃に加熱した金型に配し、上記と同様に射出装置によって240〜270℃に加熱したABS系樹脂材料を射出して充填し、冷却してABS系樹脂材料を型内で硬化させることによって、上記プレス成型した強化用繊維複合材料とABS系樹脂とが一体化した成型体を得ることもできる。ここで強化用繊維複合材料のプレス成型は、200〜240℃、圧力80〜100kgf/mmで、1〜10分間程度プレスすることにより行うことができる。
次に、押出成型の場合は、ABS系樹脂材料を240〜270℃に加熱して押出装置でシート状に押し出し、強化用繊維複合材料とこのシート状ABS系樹脂材料とを重ね合わせて、プレス加工した後、冷却することにより強化用繊維複合材料と一体化させることができる。プレス加工の条件は、樹脂材料の種類、厚み等により適宜選択され、これに限定されないが、通常は、温度200〜240℃、圧力50〜100kgf/mmで、1〜10分間程度である。なお、プレス加工に先だって、強化用繊維複合材料とシート状ABS系樹脂材料とをプレスロール機等により貼り合わせることが好ましい。
また、プレス成型の場合は、シート状又は任意の形状のABS系樹脂材料を予め用意し、金型内に上記強化用繊維複合材料とシート状又は任意の形状のABS系樹脂材料とをセットし、この型をプレスすることにより強化用繊維複合材料と一体化させることができる。プレス条件は、通常は、温度200〜240℃、圧力50〜100kgf/mmで、1〜10分間程度である。ここで、シート状又は所望の形状のABS系樹脂材料は、ABS系樹脂材料から目的とする成型体の形状に合わせて任意の成型手段により形成することができ、市販されているものを利用することもできる。
さらにハイブリッド成型の場合は、上記射出成型とプレス成型の方法を組み合わせることにより、ABS系樹脂材料と強化用繊維複合材料とを一体化することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
1.強化用繊維複合材料(熱可塑性アクリル樹脂炭素繊維複合材料)の作成
撹拌器、環流冷却器、温度計、窒素導入管のついた反応器にMIBK150.0重量部、メタクリル酸メチル100重量部、n−ドデシルメルカプタン0.5重量部を仕込み、反応器を70℃に加温して、アゾビスイソブチロニトリル0.25重量部を添加して重合を開始させた。反応器を70℃に保ち、5時間後、アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を追添加して、反応器を75℃に保ち、3時間撹拌して、マトリクス樹脂となるアクリル系共重合体樹脂を得た。
得られたアクリル系共重合体樹脂を炭素繊維織物(東レ(株)製、製品名「CO6343B」)にディッピング法により含浸させ、120℃で1時間乾燥させ、シート状の熱可塑性アクリル樹脂炭素繊維複合材料(厚み:0.25mm)を得た。
2.繊維強化ABS系樹脂成型体の製造
[実施例1](プレス成型による製造)
上記により得られた強化用繊維複合材料2枚を表面及び裏面材料とし、その間に中間材料としてのシート状ABS系樹脂(東レ(株)製、製品名「トヨラック300」、厚み:1.5mm)を挟んだ状態で220℃の成型金型にセットし、加熱冷却一体型圧縮成型機((株)神藤金属工業所製、SFA−37HHC)で、加熱温度200℃で90kgf/mmの条件で5分間プレス成型し、その後室温で6分間冷却し、成型体の表面及び裏面層が熱可塑性アクリル樹脂炭素繊維複合材料からなり、その表面及び裏面層の間の中間層がABS系樹脂材料からなる構造の、プレス後の厚みが2mmの成型体を得た。
また、上記ABS系樹脂シートに替えて厚み3.5mmのABS系樹脂シート(東レ(株)製、製品名「トヨラック300」)を使用した以外は上記と同様にしてプレス後の厚みが4mmの成型体を得た。
[実施例2](プレス成型による製造)
表面及び裏面材料として熱可塑性アクリル樹脂炭素繊維複合材料1枚ずつ、中間材料としてABS樹脂とポリアミド(PA)樹脂とのポリマーアロイ(ダイセルポリマー(株)製、「ノバロイA1300」)からなる樹脂シートを配した以外は上記実施例1と同様にして、繊維強化ABS系樹脂材料からなる成型体を得た。
[実施例3](プレス成型による製造)
表面及び裏面材料として熱可塑性アクリル樹脂炭素繊維複合材料1枚ずつ、中間材料としてABS樹脂とPBT樹脂とのポリマーアロイ(ダイセルポリマー(株)製、「ノバロイB1500」)からなる樹脂シートを配した以外は上記実施例1と同様にして、繊維強化ABS系樹脂材料からなる成型体を得た。
[実施例4](プレス成型による製造)
表面及び裏面材料として熱可塑性アクリル樹脂炭素繊維複合材料1枚ずつ、中間材料としてABS樹脂とポリカーボネート樹脂とのポリマーアロイ(ダイセルポリマー(株)製、「ノバロイS1100」)からなる樹脂シートを配した以外は上記実施例1と同様にして、繊維強化ABS系樹脂材料からなる成型体を得た。
[実施例5](射出成型による製造)
上記により得られた強化用繊維複合材料を予めプレス成型した後、80℃に加熱した成型金型にセットし、ABS樹脂(東レ(株)製、製品名「トヨラック300」)を射出装置((株)井元製作所製、射出成型装置IMC−193C型)により240〜270℃で金型内に充填し、室温で60秒間冷却した後、取り出すことにより、表面材料が熱可塑性アクリル樹脂炭素繊維複合であり、裏面材料がABS系樹脂である構造の、厚み2mmと4mmの繊維強化ABS系樹脂成型体をそれぞれ得た。
[実施例6](押出成型による製造)
ABS樹脂(東レ(株)製、「トヨラック300」)を押出装置((株)井元製作所製、押出成型装置PPKR−mini、IMC−19D3型)により240〜270℃にて押し出し、その両面に上記により得られた強化用繊維複合材料を重ね合わせて、220℃、90kgf/mmで5分間プレスした後、室温で6分間冷却することにより、強化用繊維複合材料によってシート状ABS樹脂が挟まれた構造の、厚み2mmと4mmの繊維強化ABS系樹脂成型体を得た。
[比較例1]
炭素繊維強化ABS樹脂(東レ(株)製、「トヨラックASHT−23」)のみを用いた以外は上記実施例1と同様にして、繊維強化ABS系樹脂材料からなる成型体を得た。
[比較例2]
ガラス繊維強化ABS樹脂(東レ(株)製、「トヨラック100G−20」)のみを用いた以外は上記実施例1と同様にして、繊維強化ABS系樹脂材料からなる成型体を得た。
[比較例3]
炭素繊維強化PA−ABSポリマーアロイ樹脂(ダイセルポリマー(株)製、「ノバロイEAG423」、炭素繊維率30%)のみを用いた以外は上記実施例1と同様にして、繊維強化ABS系樹脂材料からなる成型体を得た。
[比較例4]
ガラス繊維強化PBT−ABSポリマーアロイ樹脂(ダイセルポリマー(株)製、「ノバロイB2506」、ガラス繊維率30%)のみを用いた以外は上記実施例1と同様にして、繊維強化ABS系樹脂材料からなる成型体を得た。
[比較例5]
ガラス繊維強化PC−ABSポリマーアロイ樹脂(ダイセルポリマー(株)製、「ノバロイS1230」、ガラス繊維率30%)のみを用いた以外は上記実施例1と同様にして、繊維強化ABS系樹脂材料からなる成型体を得た。
3.成型体の曲げ強度及び耐衝撃性の評価
上記各実施例・比較例により得られた成型体を、曲げ試験用としては長さ100±1mm×幅15±0.2mm×厚み2±0.4mmの大きさに、またシャルピー衝撃試験用としては長さ80±2mm×幅10±0.2mm×厚み4±0.2mmの大きさに、それぞれ弓鋸で切断し、ノッチ加工をおこない、試験片を得た。
上記により得られた試験片の曲げ強度及び耐衝撃性を次の方法により評価した。結果を表1に示す。
曲げ強度:JIS K 7074に準拠して測定した。
耐衝撃性:JIS K 7111に準拠してシャルピー衝撃強度試験を行った。
Figure 2012224762
表1に示されたように、従来の繊維強化ABS系樹脂材料からなる成型体は、曲げ強度は様々であるがいずれも耐衝撃性が劣っているのに対し、実施例の繊維強化ABS系樹脂成型体は曲げ強度及び耐衝撃性共に顕著に優れていることが確認された。
本発明の製造方法により得られる繊維強化ABS系樹脂成型体は、連続繊維強化の特性と本来の熱可塑性樹脂の特性の長所を併せもつため、車両、航空機、船艇、風車、水車、家庭用電気製品、生産機械、住宅機材、家具、時計、ヘルメット、文房具の部品として応用可能であり、更に広い範囲での用途開発が期待できる。

Claims (8)

  1. ABS系樹脂材料と強化用繊維材料とから繊維強化ABS系樹脂成型体を製造する成型方法であって、
    強化用繊維材料が、熱可塑性アクリル樹脂からなるマトリクス樹脂を長繊維からなる強化用繊維材料と複合させてなる強化用繊維複合材料として供され、
    前記強化用繊維複合材料とABS系樹脂材料とを一体化する工程を含む
    ことを特徴とする、繊維強化ABS系樹脂成型体の製造方法。
  2. 前記強化用繊維複合材料を型内に配し、この型内にABS系樹脂材料を射出装置によって供給し、冷却硬化させることにより、前記強化用繊維複合材料とABS系樹脂材料とを一体化することを特徴とする、請求項1に記載の繊維強化ABS系樹脂成型体の製造方法。
  3. 前記ABS系樹脂材料を押出装置によって供給し、強化用繊維複合材料と重ね合わせてプレス加工することにより一体化することを特徴とする、請求項1に記載の繊維強化ABS系樹脂成型体の製造方法。
  4. 前記型内に強化用繊維複合材料とシート状又は任意の形状のABS系樹脂材料とを配し、この型をプレスすることにより、前記強化用繊維複合材料とABS系樹脂材料とを一体化することを特徴とする、請求項1に記載の繊維強化ABS系樹脂成型体の製造方法。
  5. 上記ABS系樹脂材料として、ABS樹脂、ABS樹脂とポリアミド樹脂とのポリマーアロイ、ABS樹脂とPBT樹脂とのポリマーアロイ、及びABS樹脂とポリカーボネートとのポリマーアロイからなる群から選ばれた1種又は2種以上を用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維強化ABS系樹脂成型体の製造方法。
  6. 前記強化用繊維複合材料を構成する繊維材料として、繊維を一方向にシート状に引き揃えたもの、織物、編物、不織布、及び編組のスランド状からなる群から選ばれた選ばれた1種又は2種以上を用いることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維強化ABS系樹脂成型体の製造方法。
  7. 前記強化用繊維複合材料を構成する繊維材料として、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイド繊維、ボロン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、及びポリエステル繊維からなる群から選ばれた選ばれた1種又は2種以上を用いることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維強化ABS系樹脂成型体の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の繊維強化ABS系樹脂成型体の製造方法により得られた繊維強化ABS系樹脂成型体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115418093A (zh) * 2022-08-15 2022-12-02 广东超邦科技有限公司 一种高强度塑胶玩具生产工艺

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