JP2012223730A - 二酸化炭素回収システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 二酸化炭素を吸収した吸収液からの二酸化炭素の回収率を高く維持しつつ、回収した二酸化炭素ガス中の酸素濃度を十分に低減することができる二酸化炭素回収システムを提供する。
【解決手段】 燃焼排ガスと二酸化炭素を吸収する吸収液とを接触させて、燃焼排ガス中の二酸化炭素を吸収液に吸収して除去する二酸化炭素吸収塔20と、二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液に、バブリングガスを吹き込む、超音波振動を付与する、又はリッチ吸収液を加熱するうちの少なくとも1つの溶存酸素を除去する手段と、二酸化炭素吸収塔で二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液を旋回流にする、又は撹拌する気泡除去手段30と、溶存酸素除去手段および前記気泡除去手段によって酸素を除去した吸収液から二酸化炭素を放出して、吸収液を再生するとともに、二酸化炭素ガスを得る再生塔40とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、二酸化炭素回収システムに関し、さらに詳しくは、燃焼排ガスから回収する二酸化炭素ガスの酸素濃度を十分に低減することのできる二酸化炭素回収システムに関する。
地球温暖化ガスの一つと呼ばれている二酸化炭素の大気への放出を防ぐため、化石燃料を使用する火力発電所等において、化石燃料の燃焼により発生した排ガスを吸収液と接触させて、燃焼排ガスから二酸化炭素を除去するとともに、二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱して、吸収液から二酸化炭素を放出し、吸収液を再生することが行われている。回収した二酸化炭素ガスは、化学工業の原料として利用したり、石油増進回収法(EOR)のために油田に圧入するガスとして利用することが提案されている。
しかしながら、CO2を回収する燃焼排ガスは常に、燃焼残の酸素(O2)が存在するため、このようにして回収した二酸化炭素ガス中には、通常、二酸化炭素の他、酸素が40〜200ppmの濃度で存在する。この酸素は吸収液に溶解したり、気泡として存在する。この二酸化炭素ガスを化学工業の原料として利用する場合、この酸素が触媒を被毒する等の問題が生じ、また、油田注入ガスとして利用する場合、設備の酸化または腐食の原因となったり、油田内の硫化水素と反応して硫黄(固体)を析出する等の問題が生じる。よって、このような問題の発生を防ぐため、回収する二酸化炭素ガスの酸素濃度を低減することが求められている。
特許第3663117号公報には、二酸化炭素を吸収した吸収液(以下、「リッチ吸収液」)を、充填材が満たされた容器内に落下させることで、リッチ吸収液中の酸素を除去できることが記載されている。また、特許第3754275号公報には、この改良法として、充填材が満たされた容器内にリッチ吸収液を落下させる際に、ストリッピングガスを流すことが記載されている。
米国特許第7829049号明細書には、二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液を70〜140℃に加熱した上でフラッシュさせると、リッチ吸収液中の窒素酸化物が除かれ、回収する二酸化炭素ガス中の窒素酸化物をほぼゼロにまで低減することができることが記載されている。また、この処理によって、二酸化炭素ガス中の酸素も窒素酸化物とともに除去できたことも開示されている。
特許第3663117号公報 特許第3754275号公報 米国特許第7829049号明細書
しかしながら、特許第3663117号公報および特許第3754275号公報に記載された方法では、確かに、リッチ吸収液中の酸素を除去できるものの、依然として、上記の用途では問題が生じ得る濃度の酸素が残存するという問題がある。また、米国特許第7829049号明細書に記載された方法では、リッチ吸収液を加熱してフラッシュさせるため、二酸化炭素が窒素酸化物とともに放出されてしまい、二酸化炭素の回収率が低下するという問題がある。
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、吸収液からの二酸化炭素の回収率を高く維持しつつ、回収した二酸化炭素ガス中の酸素濃度を十分に低減することができる二酸化炭素回収システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る二酸化炭素回収システムは、燃焼排ガスと二酸化炭素を吸収する吸収液とを接触させて、前記燃焼排ガス中の二酸化炭素を前記吸収液に吸収して除去する二酸化炭素吸収手段と、前記二酸化炭素吸収手段で二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液に対し、このリッチ吸収液中の溶存酸素を除去する手段と、前記二酸化炭素吸収手段で二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液に対し、このリッチ吸収液中の酸素の気泡を除去する手段と、前記溶存酸素除去手段および前記気泡除去手段によって酸素を除去した吸収液から二酸化炭素を放出して、吸収液を再生するとともに、二酸化炭素ガスを得る再生手段とを備えるものである。
リッチ吸収液の流れにおいて、前記溶存酸素除去手段の後流側に、前記気泡除去手段を備えてもよい。例えば、前記二酸化炭素吸収手段内に前記溶存酸素除去手段を設け、その後流側に、別途、容器を設置して、この容器内に前記気泡除去手段を設けることができる。
また、リッチ吸収液の流れにおいて、前記気泡除去手段の後流側に、前記溶存酸素除去手段を備えてもよい。例えば、前記二酸化炭素吸収手段の後流側に、リッチ吸収液を貯留する第1および第2の容器を順に設置して、前記第1の容器に前記気泡除去手段を設け、前記第2の容器に前記溶存酸素除去手段を設けることができる。
さらに、前記気泡除去手段と前記溶存酸素除去手段が、リッチ吸収液に同時に処理を行うように設けることができる。例えば、前記二酸化炭素吸収手段の後流側に、リッチ吸収液を貯留する容器を設置して、この容器に前記気泡除去手段と前記溶存酸素除去手段を設けることができる。
前記溶存酸素除去手段として、前記リッチ吸収液にバブリングガスを吹き込む、超音波振動を付与する、又は前記リッチ吸収液を加熱するうちの少なくとも1つの手段を用いることが好ましい。前記気泡除去手段として、前記リッチ吸収液にバブリングガスを吹き込む、若しくは超音波振動を付与する、又は前記リッチ吸収液を旋回流にする、若しくは撹拌するうちの少なくとも1つの手段を用いることが好ましい。なお、前記リッチ吸収液にバブリングガスを吹き込む手段および前記リッチ吸収液に超音波振動を付与する手段は、どちらも、溶存酸素も除去し、且つ酸素の気泡を除去するものであることから、よって、前記溶存酸素除去手段と前記気泡除去手段とを同一の手段とし、この同一の手段として、前記リッチ吸収液にバブリングガスを吹き込む、又は超音波振動を付与する手段を用いることもできる。
このように本発明によれば、リッチ吸収液中に存在する酸素は、吸収液中に溶存するものと、気泡として存在するものの2者があることから、溶存酸素は、バブリングガスを吹き込む、超音波振動を付与する、又はリッチ吸収液を加熱する等により除去するとともに、気泡は、リッチ吸収液を旋回流にする、又は撹拌する等により除去することができるので、リッチ吸収液中の酸素を高度に除去することができ、よって、リッチ吸収液からの二酸化炭素の回収率を何ら下げることなく、回収する二酸化炭素ガス中の酸素濃度を十分に低減することができる。
本発明に係る二酸化炭素回収システムの一実施の形態を示す模式図である。 図1に示す二酸化炭素吸収塔の塔底部を模式的に示す断面図である。 図1に示す旋回流分離器の一例を模式的に示す側面図である。 図3に示す旋回流分離器を模式的に示す平面図である。 図1に示す旋回流分離器の別の例を模式的に示す側面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る二酸化炭素回収システムの一実施の形態について説明する。図1に示すように、本実施の形態の二酸化炭素回収システム1は、ボイラ10から排出された燃焼排ガスを冷却する排ガス冷却塔14と、冷却した燃焼排ガスに吸収液を接触させて排ガスから二酸化炭素を除去する二酸化炭素吸収塔20と、二酸化炭素を吸収した吸収液(以下、「リッチ吸収液」という)を旋回流にして、吸収液中から気泡を分離する旋回流分離器30と、気泡を除去したリッチ吸収液から二酸化炭素を放出させて吸収液を再生する再生塔40とを主に備える。なお、再生塔40でリッチ吸収液から二酸化炭素を除去して再生した吸収液を、以下、「リーン吸収液」という。
ボイラ10は、燃焼排ガスの煙道10aと、燃焼排ガスを大気へ放出する煙突10bを備える。煙道10aと排ガス冷却塔14の塔下部との間には、排ガスが流れる排ガス導入ライン11と、排ガスを送る排ガス送風機16が設けられている。
ガス冷却塔14には、冷却水が塔底部から塔上部へと流れる冷却水循環ライン13が設けられている。ガス冷却塔14の塔頂部と二酸化炭素吸収塔20の塔下部との間には、冷却した排ガスが流れる排ガスライン12が設けられている。
二酸化炭素吸収塔20は、塔中部に位置する二酸化炭素回収部20Aと、塔上部に位置する水洗部20Bとを備えている。二酸化炭素吸収塔20の二酸化炭素回収部20Aと水洗部20Bの間の部分と、再生塔40の塔底部との間には、リーン吸収液が流れるリーン吸収液ライン15が設けられている。二酸化炭素吸収塔20の塔底部と旋回流分離器30との間には、リッチ吸収液が流れるリッチ吸収液ライン17が設けられており、また、旋回流分離器30の底部と再生塔40の塔上部との間にも、リッチ吸収液が流れるリッチ吸収液ライン18が設けられている。
リーン吸収液ライン15とリッチ吸収液ライン18には、間で熱交換を行うためのリッチ/リーンソルベント熱交換器23が設置されている。リーン吸収液ライン15には、二酸化炭素吸収塔20と熱交換器23の間に、リーン吸収液をさらに冷却するリーンソルベントクーラ24と、リーン吸収液を圧送するポンプ25とが設置されている。また、二酸化炭素吸収塔20は、水洗部20Bの下部からガスを取り込み、凝縮水を生成して水洗部20Bの上部へと凝縮水を送る凝縮水循環ライン19と、塔頂部から排ガスを放出する排ガス放出ライン21とを備えている。
二酸化炭素吸収塔20の塔底部には、図2に示すように、リッチ吸収液5が貯留している。そして、二酸化炭素吸収塔20は、塔底部において、バブリングガス供給機34と超音波発振機35を備える。なお、本実施の形態では、これら2つを全て備える場合を説明するが、本発明はこれに限定されず、少なくともいずれか1つを備えればよい。バブリングガス供給機34は、バブリングガスをリッチ吸収液5中に吹き込む複数のノズル38aを備える。超音波発振機35は、振動によりリッチ吸収液5に超音波振動を与える振動子35aを備える。また、二酸化炭素吸収塔20は、塔底部において、撹拌機36を備える。撹拌機36は、その回転軸36が水平方向に延びるように構成されている。
旋回流分離器30としては、リッチ吸収液を圧入して旋回流を形成する圧入型の旋回流分離器や、羽根を回転させて旋回流を形成する羽根型の旋回流分離器を採用することができる。
圧入型の旋回流分離器30Aは、図3及び図4に示すように、旋回流分離器30Aの断面円形の接線方向にリッチ吸収液が流れるようにリッチ吸収液の供給口37を備える。また、この旋回流分離器30Aは、その下部に、バブリングガス供給機38を備え、バブリングガス供給機38は、バブリングガスをリッチ吸収液5中に吹き込む複数のノズル38aを備える。旋回流分離器30Aは、その頂部に、リッチ吸収液から放出された酸素を排出する酸素排出ライン39を備える。
羽根型の旋回流分離器30Bは、図5に示すように、その中心部に垂直状に回転軸42aが延びる旋回羽根42と、旋回羽根42を回転駆動するモータ43を備える。また、この旋回流分離器30Bは、その頂部に、リッチ吸収液から放出された酸素を排出する酸素排出ライン41を備える。
再生塔40には、その塔頂部に、リッチ吸収液から放出された二酸化炭素ガスを排出する二酸化炭素排出ライン26を備える。この二酸化炭素排出ライン26には、二酸化炭素ガス中の水蒸気が凝縮するコンデンサ27と、二酸化炭素ガスと水蒸気を分離する分離ドラム28が設けられている。また、分離ドラム28には、凝縮水を再生塔40の塔上部に供給する凝縮水循環ポンプ29が設けられている。
さらに、再生塔40には、塔下部から抜き出したリーン吸収液を過熱する再生過熱器31と、この再生過熱器31に過熱源の水蒸気を供給する水蒸気ライン32と、過熱により生じた凝縮水と水蒸気とを分離する分離器33とが設置されている。
このような構成によれば、先ず、ボイラ10からの燃焼排ガスを、ガス中の二酸化炭素を回収するために、排ガス送風機16によって煙道10aから排ガス導入ライン11を介して排ガス冷却塔14へと送る。排ガス冷却塔14では、冷却水循環ライン13から供給される冷却水で燃焼排ガスを冷却した後、排ガスライン12を介して二酸化炭素吸収塔20へと送る。
二酸化炭素吸収塔20では、塔中部に位置する二酸化炭素回収部20Aにおいて、燃焼排ガスが、二酸化炭素を吸収するためにアミン系溶液をベースとする吸収液と交向流接触し、これにより排ガス中の二酸化炭素が化学反応、例えば(R−NH2+H2O+CO2→R−NH3HCO3)によって吸収液に吸収される。アミン系溶液としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンが用いることができる。
二酸化炭素が除去された排ガスは、塔上部の水洗部20Bで、凝縮水循環ライン19から供給される凝縮水と気液接触し、排ガスに同伴する吸収液が回収される。水洗後の排ガスは、塔頂部の排ガス放出ライン21から系外に放出する。二酸化炭素回収部20Aで二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液は、二酸化炭素吸収塔20の塔底部へと流下する。
そして、図2に示すように、塔底部に貯留したリッチ吸収液5中に、バブリングガス供給機34の各ノズル34aから窒素ガスを吹き込む。これにより、リッチ吸収液5中の溶存酸素が、窒素の気泡中へ吸い出され、リッチ吸収液5から溶存酸素を除去することができる。バブリングガスとしては、窒素ガスの他、二酸化炭素ガスや水蒸気などを使用してもよい。なお、バブリングガスを吹き込むことにより、リッチ吸収液5中に気泡として存在する酸素も除去することができる。また、このようなバブリングに替えて又は同時に、超音波発振機35の振動子35aを振動させる。塔底部に貯留したリッチ吸収液5に超音波振動を与えることでも、リッチ吸収液5中の溶存酸素を放出することができる。なお、超音波振動を与えることにより、リッチ吸収液5中から酸素の気泡も除去することができる。さらに、撹拌機36によりリッチ吸収液5を撹拌することで、リッチ吸収液5中の酸素の気泡を除去することができる。このようにして溶存酸素が除去され、酸素の気泡が除去されたリッチ吸収液を、リッチソルベントポンプ22によりリッチ吸収液ライン17を介して、旋回流分離器30に送る。
旋回流分離器30として、圧入型を用いる場合、図3及び図4に示すように、旋回流分離器30Aでは、リッチソルベントポンプ22によって昇圧されたリッチ吸収液5を、供給口37から、断面円形の旋回流分離器30Aの接線方向に流入することで、リッチ吸収液5の旋回流が発生する。これにより生じる遠心力で気泡が旋回流分離器30Aの中心に集まり、リッチ吸収液中から酸素の気泡を分離、除去することができる。また、このリッチ吸収液の旋回流中に、バブリングガス供給機38の各ノズル38aからバブリングガスを吹き込むこともでき、これにより、リッチ吸収液5中の気泡として存在する酸素と溶存する酸素とを同時に効率良く除去することができる。リッチ吸収液から分離した酸素は、酸素排出ライン39から排出される。
なお、図3及び図4には示していないが、リッチ吸収液を加熱する手段を、旋回流分離器30に設けることができる。リッチ吸収液を加熱することで、旋回流による酸素の除去効率を向上することができる。リッチ吸収液の加熱温度は50℃〜70℃の範囲が好ましい。また、このようにリッチ吸収液の温度を上げることで、溶存酸素を除去することもできる。リッチ吸収液を加熱する手段としては、リーン吸収液との熱交換などを用いることができる。
旋回流分離器30として、羽根型を用いる場合、図5に示すように、旋回流分離器30Bでは、旋回羽根42の回転によってリッチ吸収液5の旋回流を発生させる。これによって上記と同様にリッチ吸収液中から酸素の気泡を分離、除去することができる。リッチ吸収液から分離した酸素は、酸素排出ライン41から排出される。
このようにして溶存酸素および酸素の気泡が除かれたリッチ吸収液5は、旋回流分離器30の底部からリッチ吸収液ライン18を介して、再生塔40に供給される。なお、リッチ吸収液ライン18に設けられたリッチ/リーンソルベント熱交換器23において、再生塔40で再生された吸収液であるリーン吸収液により加熱されてから、再生塔40に供給される。
再生塔40内にその上部から導入されたリッチ吸収液は、吸熱反応を生じて、大部分の二酸化炭素を放出する。再生塔40内で大部分の二酸化炭素を放出した二酸化炭素吸収液は、再生塔40内を流下し、再生塔40下部に至る頃には、ほぼ全ての二酸化炭素が除去される。二酸化炭素を除去したリーン吸収液は、塔外の再生過熱器31で水蒸気ライン32の水蒸気により過熱された後、再度、再生塔40内に供給する。再生過熱器31で熱交換後の水蒸気は、分離器33に導入され、発生した凝縮水と水蒸気とに分離する。水蒸気は、再度、水蒸気ライン32に戻される。
一方、再生塔40の塔頂部からは、二酸化炭素排出ライン26を介して、リッチ吸収液から放出された水蒸気を伴った二酸化炭素ガスがコンデンサ27に送られる。コンデンサ27では、ガス中の水蒸気が凝縮され、分離ドラム28にて凝縮水が分離された後、系外に放出されて別途回収される。回収された二酸化炭素ガスは、上述したように、酸素が十分に分離、除去されていることから、別途酸素除去を行なわず、そのまま化学工業の原料や、石油増進回収法(EOR)による油田圧入ガスなどに利用することができる。
分離ドラム28にて分離された凝縮水は、凝縮水循環ポンプ29にて再生塔40の上部に供給される。二酸化炭素を放出して再生されたリーン吸収液は、リーンソルベントポンプ25によって、塔底部からリーン吸収液ライン15を介して二酸化炭素吸収塔20に供給される。なお、リーン吸収液は、リーン吸収液ライン15に設けられたリッチ/リーンソルベント熱交換器23においてリッチ吸収液により冷却された後、リーンソルベントクーラ31にて更に冷却されてから、二酸化炭素吸収塔20に供給される。
天然ガス焚のボイラ排ガスをアミン系溶液ベースの吸収液で二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液を、旋回羽根を用いて旋回流にした後、窒素ガスをバブリングしてリッチ吸収液中の酸素を除去する処理を行い、その後、このリッチ吸収液を加熱処理して吸収液中の二酸化炭素を放出させて、二酸化炭素ガスを回収し、回収した二酸化炭素ガス中の酸素濃度をシミュレーションにより求めた。その結果を表1に示す。なお、ボイラ排ガスの酸素濃度は3%、酸素除去処理におけるリッチ吸収液の温度は50℃、リッチ吸収液1000kg(55.5kg-mol)に対し二酸化炭素回収量は2.06kg-mol(90.7kg)とした。
Figure 2012223730
また、バブリングに替えて超音波による処理を行ったことを除き、上記と同様の条件の場合と、バブリング、超音波、または旋回流のみの場合と、上記の酸素除去処理を一切しなかった場合の結果についても表1に併記した。
さらに、ボイラ排ガスに替えてガスタービン排ガスを用いたことを除き、上記と同様の条件の場合の結果を表2に示す。なお、ガスタービン排ガスの酸素濃度は13%とした。
Figure 2012223730
いずれの場合も、旋回流のみの処理では、リッチ吸収液中の酸素の気泡が除去されるだけで、酸素濃度の低減が、二酸化炭素ガスを有効に利用する上で十分ではなかった。これに対し、旋回流による処理と、バブリングや超音波などの溶存酸素を除去する処理とを組み合わせることで、リッチ吸収液中の酸素を大幅に低減することができた。また、バブリングのみ、または超音波のみの処理でも、気泡と溶存の両方の酸素を除去する効果がみられた。
1 二酸化炭素回収システム
10 ボイラ
11 排ガス導入ライン
12 排ガスライン
13 冷却水循環ライン
14 排ガス冷却塔
15 リーン吸収液ライン
16 排ガス送風機
17、18 リッチ吸収液ライン
19 凝縮水循環ライン
20 二酸化炭素吸収塔
21 排ガス放出ライン
22 リッチソルベントポンプ
23 リッチ/リーンソルベント熱交換器
24 リーンソルベントクーラ
25 リーンソルベントポンプ
26 二酸化炭素排出ライン
27 コンデンサ
28 分離ドラム
29 凝縮水循環ポンプ
30 旋回流分離器
31 再生過熱器
32 水蒸気ライン
33 分離器
34 バブリングガス供給機
35 超音波発振機
36 撹拌機
37 供給口
38 バブリングガス供給機
39、41 酸素排出ライン
40 再生塔
42 旋回羽根
43 モータ

Claims (7)

  1. 燃焼排ガスと二酸化炭素を吸収する吸収液とを接触させて、前記燃焼排ガス中の二酸化炭素を前記吸収液に吸収して除去する二酸化炭素吸収手段と、
    前記二酸化炭素吸収手段で二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液に対し、このリッチ吸収液中の溶存酸素を除去する手段と、
    前記二酸化炭素吸収手段で二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液に対し、このリッチ吸収液中の酸素を含有する気泡を除去する手段と、
    前記溶存酸素除去手段および前記気泡除去手段によって酸素を除去した吸収液から二酸化炭素を放出して、吸収液を再生するとともに、二酸化炭素ガスを得る再生手段と
    を備える二酸化炭素回収システム。
  2. リッチ吸収液の流れにおいて、前記溶存酸素除去手段の後流側に、前記気泡除去手段を備える請求項1に記載の二酸化炭素回収システム。
  3. リッチ吸収液の流れにおいて、前記気泡除去手段の後流側に、前記溶存酸素除去手段を備える請求項1に記載の二酸化炭素回収システム。
  4. 前記気泡除去手段と前記溶存酸素除去手段が、リッチ吸収液に同時に処理を行うように設けられた請求項1に記載の二酸化炭素回収システム。
  5. 前記溶存酸素除去手段として、前記リッチ吸収液にバブリングガスを吹き込む、超音波振動を付与する、又は前記リッチ吸収液を加熱するうちの少なくとも1つの手段を用いる請求項2〜4のいずれか一項に記載の二酸化炭素回収システム。
  6. 前記気泡除去手段として、前記リッチ吸収液にバブリングガスを吹き込む、若しくは超音波振動を付与する、又は前記リッチ吸収液を旋回流にする、若しくは撹拌するうちの少なくとも1つの手段を用いる請求項2〜4のいずれか一項に記載の二酸化炭素回収システム。
  7. 前記溶存酸素除去手段と前記気泡除去手段とが同一の手段であり、この同一の手段が、前記リッチ吸収液にバブリングガスを吹き込む、又は超音波振動を付与する手段である請求項4に記載の二酸化炭素回収システム。
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