JP2012222179A - プリント配線板 - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱体が発生する熱を効果的に放熱することができるとともに、プリント配線板への実装部品数の制約を回避した好適なプリント配線板及びその構造を提供する。
【解決手段】基板本体1の外層領域Sに発熱体Fを取り付けるべき受熱部12と、放熱体に接触させるべき放熱部13とを備え、その受熱部12と放熱部13との間に放熱径路14を設けてなるプリント配線板Pであって、前記放熱径路14が、前記基板本体1の内層領域に設けた厚銅箔層15と、この厚銅箔層15と前記受熱部12とを連通させ得る位置に設けられ内部に銅製の伝熱柱状体16を配してなる受熱部側スルーホールT1と、前記厚銅箔層15と前記放熱部13とを連通させ得る位置に設けられ内部に銅製の伝熱柱状体15を配してなる放熱部側スルーホールT2とを具備するものとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、放熱性に優れたプリント配線板に関する。
従来から、プリント配線板では、電子部品等の発熱体から発生する熱を外部に放熱させるための方策が種々採用されている。ここで、具体例を図4、図5にて示す。
図4は、プリント配線板Pにおいて、基板本体1の外層領域Sにアルミニウム等を用いたヒートシンクRを接着させ、このヒートシンクRの上面に発熱体Fを設置したものである。このものでは、発熱体Fから発生する熱がヒートシンクRに伝達され、矢印に示すような放熱径路を経て、ヒートシンクRの所定領域から外部に放熱されるように構成されている。
図5は、プリント配線板Pにおいて、基板本体1の内層にアルミニウム等からなるメタルコア層11を設け、このメタルコア層11を外側に表出させたうえで、発熱体Fを接着したものである。このものでは、発熱体Fから発生する熱が矢印に示すように、メタルコア層11に伝達された後、放熱部R1に伝達され、図示しない放熱体を介して外部に放熱されるように構成されている。
なお、特許文献1の記載では、プリント配線板本体を構成するガラスエポキシ板の外層領域(裏面)に銅板及び銅メッキ膜からなる放熱層を設けたものがある。
特開2004―140063
しかしながら、図4に示すようなものであると、アルミニウム等を用いたヒートシンクRとプリント配線板Pの基板本体1とに熱膨張係数の違いがあるため、基板本体1に反りが発生するという不具合が生じる。加えて、この構造では発熱体Fで発生した熱を伝達及び放熱させるために、基板本体1の外層領域Sに所定面積のヒートシンクRを設置する必要があるため、実装部品Jなどの搭載可能数に制約があるという問題も発生する。
また、図5の構造では、メタルコア層11を基板本体1の内層に設けるので、このメタルコア層11と発熱部との間で熱伝達を充分に行うことが出来ない。その為、発熱量が多くなる場合、デバイスの高密度搭載が困難であった。
さらに、特許文献1に記載されたプリント配線板は、プリント配線板本体の外層領域(裏面)に銅板の所定面積を設ける必要があるため、実装部品などの搭載可能数に制約がある。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、発熱体が発生する熱を効果的に放熱することができ、プリント配線板への実装部品数の制約を回避できる好適なプリント配線板を提供することにある。
すなわち、本発明のプリント配線板は、基板本体の外層領域に発熱体を取り付けるべき受熱部と、放熱体に接触させるべき放熱部とを備え、その受熱部と放熱部との間に放熱径路を設けてなるプリント配線板であって、前記放熱径路が、前記基板本体の内層領域に設けた厚銅箔層と、この厚銅箔層と前記受熱部とを連通させ得る位置に設けられ内部に銅製の伝熱柱状体を配してなる受熱部側スルーホールと、前記厚銅箔層と前記放熱部とを連通させ得る位置に設けられ内部に銅製の伝熱柱状体を配してなる放熱部側スルーホールとを具備してなるものであることを特徴とする。
このようなものであれば、発熱体で発生した熱は、基板本体の外層領域に設けられた受熱部から、受熱部側スルーホールに配設された銅製の伝熱柱状体に伝達される。そして、銅製の伝熱柱状体に伝達された熱が、基板本体の内層領域に設けた厚銅箔層に伝達され、さらに、放熱部側スルーホールに配設された銅製の伝熱柱状体に伝達された後、放熱体に接触されるべき放熱部に伝達されるため、発熱体から発生する熱を外部に効果的に放熱することができる。
また、基板本体の外層領域に所定面積のヒートシンクを設ける構成を採用しないため、実装部品数の制約を回避することができる。
なお、前記放熱径路を、前記基板本体に形成された導電径路とは独立させて設けていることが望ましい。このようにすれば、異種金属による電気的腐食を回避できるのみならず、発熱体の熱を専用に設けられた放熱径路から放熱部に伝達することができるため、熱を効果的に放熱部へ伝達することができる。しかも、内層領域に設けた厚銅箔層の厚みを変えることで基板本体の温度分布を制御することができ、他の実装部品に熱的な悪影響を及ぼすことを回避することができる。
更に、前記基板本体は、前記受熱部側スルーホール、及び、前記放熱部側スルーホールをそれぞれ複数本備えていることが望ましい。このようにすれば、発熱体から発生する熱を複数のスルーホールを介して分散して伝達させることができるため、熱伝達が効率よく行われる。しかも、発熱体の発熱量に応じたスルーホール数を設定することができるため、プリント配線板の構造を発熱体の発熱量にあわせて柔軟に変更することができる。
また、銅製の伝熱柱状体が、銅ペーストを用いて構成されたものであることが望ましい。銅ペーストはスルーホールに充填して伝熱柱状体を形成するのに好適な樹脂ペーストであり、かつ、放熱特性が極めて優れたものだからである。
また、銅製の伝熱柱状体が、前記各スルーホールの内周面及び開口端面に形成した銅メッキ層と、この銅メッキ層に囲繞されたホール内空間に充填した銅ペーストとを用いて構成されたものであれば、発熱体から発生する熱を銅メッキ層を介して銅製の伝熱注状体にスムーズに伝達することができ、銅製の伝熱注状体に伝達された熱も銅メッキ層を介して厚銅箔層にスムーズに伝達することができる。
以上説明したように本発明によれば、発熱体から発生した熱を外部に効率よく放熱することができる。しかも、異質な金属を基板本体の外層領域に設けたものでなく、厚銅箔層を基板本体の内層領域に設けたものであるため、プリント配線板本体に反りが発生する等の不具合を解消することができる。さらに、プリント配線板本体の外側表面に所定面積のヒートシンク等を設ける必要がないため、実装部品Pなどの搭載可能数の制約も解消される。
本発明の実施例を示すプリント配線板の概略断面図 本発明の実施例を示す受熱部の概略図 本発明の実施例を示す銅製の伝熱柱状体の概略拡大図 従来例のプリント配線板を示す概略断面図 従来例のプリント配線板を示す概略断面図
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施例のプリント配線板Pの概略断面図である。プリント配線板Pは、基板本体1と、基板本体1の外層領域Sに位置する発熱体Fを取り付けるべき受熱部12と、図示しない放熱体に接触させるべき放熱部13と、受熱部12と放熱部13との間に放熱径路14とを具備する。
さらに、放熱径路14は、基板本体1の内層領域に設けた厚銅箔層15と、厚銅箔層15と受熱部12とを連通させ得る位置に設けられ内部に銅製の伝熱柱状体16を配してなる受熱部側スルーホールT1と、厚銅箔層15と放熱部13とを連通させ得る位置に設けられ内部に銅製の伝熱柱状体15を配してなる放熱部側スルーホールT2とを具備してなる。
基板本体1は、ガラスエポキシ樹脂等の各絶縁性樹脂10と、導電径路17とを形成してなる多層構造のものであるが、絶縁性樹脂は上記に限定されるものではない。
外層領域Sには、発熱体Fを取り付けるべき受熱部12と、図示しないリテーナ等の放熱体に接触させるべき放熱部13とを備えている。発熱体Fは、高電力を消費して発熱する発熱素子であり例えばDC/DCコンバータやIC等の電子部品などである。また、受熱部12は外層領域Sの一方の領域に設けられており、放熱部13は外層領域Sの両方の領域に設けられている。なお、この放熱部13は、図示しない放熱体であるリテーナや、ヒートシンク等に接続される。
厚銅箔層15は、基板本体1の内層領域に設けられる。本実施形態では、放熱径路14を構成する厚銅箔層15が二層設けられており、基板本体1に形成された導電径路17とは独立して設けられている。
なお、厚銅箔層15の厚さはプリント配線板Pの全体重量との関係や熱伝導性を考慮すると100〜300μmのものが好適である。更に、175〜210μmの厚さであればより好ましく、本実施例の厚銅箔層の厚さは175μmとしている。もちろん、本発明はこれらの値に限定されるものではない。基板本体1の大きさや重量等に応じて厚銅箔層をより厚くすることも可能である。
また、厚銅箔層15を本実施例のように2層設けると、確実に発熱体Fから発生した熱を放熱部13の側へ伝達することができる。もちろん、厚銅箔層15は、基板本体1の大きさや重量等に応じて2以上の複数層設けたものでもよい。
受熱部側スルーホールT1は、厚銅箔層15と受熱部12とを連通させ得る位置に設けられ内部に銅製の伝熱柱状体16を配してなる。放熱部側スルーホールT2は、厚銅箔層15と放熱部13とを連通させ得る位置に設けられ内部に銅製の伝熱柱状体16を配してなる。本実施形態における受熱部側スルーホールT1及び放熱部側スルーホールT2は図1及び図2に示されるように基板本体1にそれぞれ複数本備えられている。図2は、発熱体Fが搭載される領域である受熱部12を上から見た概略図である。このように、基板本体1に複数本の受熱部側スルーホールT1を設けることにより、発熱体Fや厚銅箔層15との接触面積をスルーホールT1の径を大きくする場合よりも広いものとすることができる。このため、発熱体Fの発熱量に応じて、銅ペーストが充填された受熱部側スルーホールT1の本数を効果的に調整することが可能である。もちろん、放熱部側スルーホールT2の本数についても、同様に調整することが可能である。
また、銅製の伝熱柱状体16は、銅ペーストを用いて構成されたものである。銅ペーストは放熱特性及び熱伝導性にきわめて優れたものであり、図3に示すように、スルーホールT1の内周面に形成した内周銅メッキ層Iと、スルーホールT1の開口端面に形成した開口銅メッキ層Hとによって囲繞されている。
放熱部13と接触させるべき図示しない放熱体としては、例えば、放熱部13を挟持するリテーナや、放熱部13に接着するアルミニウム合金等を使用したヒートシンクなどがある。
実施形態1における熱伝達作用について、図1を参照して説明する。
図1に点線にて示す通り、受熱部12に取り付けられた発熱体Fから発熱した熱が、受熱部12から受熱部側スルーホールT1の内部に配設された銅製の伝熱柱状体16に伝達される。その後、銅製の伝熱柱状体16に伝達された熱が、厚銅箔層15へ伝達され、厚銅箔層15を介して放熱部側スルーホールT2の方向に伝達される。続いて、厚銅箔層15から熱が放熱部側スルーホールT2の内部に配設された銅製の伝熱柱状体16に伝達され、さらに、図示しない放熱体を接触させるべき放熱部13に伝達され、図示しないリテーナ等の放熱体から放出される。
次に、本発明によるプリント配線板の実施例を説明する。
プリント配線板は、内層に2層の厚銅箔層(それぞれの厚銅箔層の厚さを175μmとした)を有する6層のガラスエポキシ樹脂からなる積層体(縦200mm、横250mm、厚さ2mmとした)3枚を通常の多層板の製法により製造したものである。
以上のプリント配線板を電源ドライバーボードとして温度測定した。測定は、熱源として50Ω抵抗、8W印加した条件で、ソース初期温度の22℃から飽和温度に達するまで行い、その結果、40分後に飽和温度41.6℃を実測した。
上記の飽和温度41.6℃は、一般的な1.6mm厚の積層体に1mm厚のアルミニウム板を貼り付けたプリント配線板を使ったシミュレーション値の温度43℃から2度の範囲内の違いに収まった。このことは従来のアルミベース基板と同等の放熱性を有することを示すものである。よって、従来のアルミベース基板と同様に発熱体からはなれた任意の箇所に所望のヒートシンク等を備えることができ、発熱体のすぐそばでもデバイス部品を高密度に集積させることが可能になった。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…基板本体
12…受熱部
13…放熱部
14…放熱径路
15…厚銅箔層
16…銅製の伝熱柱状体
F…発熱体
P…プリント配線板
S…外層領域
T1…受熱部側スルーホール
T2…放熱部側スルーホール

Claims (5)

  1. 基板本体の外層領域に発熱体を取り付けるべき受熱部と、放熱体に接触させるべき放熱部とを備え、その受熱部と放熱部との間に放熱径路を設けてなるプリント配線板であって、
    前記放熱径路が、前記基板本体の内層領域に設けた厚銅箔層と、この厚銅箔層と前記受熱部とを連通させ得る位置に設けられ内部に銅製の伝熱柱状体を配してなる受熱部側スルーホールと、前記厚銅箔層と前記放熱部とを連通させ得る位置に設けられ内部に銅製の伝熱柱状体を配してなる放熱部側スルーホールとを具備してなるものであることを特徴とするプリント配線板。
  2. 前記放熱径路を、前記基板本体に形成された導電径路とは独立させて設けている請求項1記載のプリント配線板。
  3. 前記受熱部側スルーホール、及び、前記放熱部側スルーホールをそれぞれ複数本備えている請求項1又は2記載のプリント配線板。
  4. 銅製の伝熱柱状体が、銅ペーストを用いて構成されたものである請求項1、2、又は3記載のプリント配線板。
  5. 銅製の伝熱柱状体が、前記各スルーホールの内周面及び開口端面に形成した銅メッキ層と、この銅メッキ層に囲繞されたホール内空間に充填した銅ペーストとを用いて構成されたものである請求項4記載のプリント配線板。
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