JP2012220656A - 波長可変干渉フィルター、光モジュール、および光分析装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】波長可変干渉フィルター5は、固定反射膜56を有する固定基板51と、可動反射膜57を有する可動基板52と、固定電極541および可動駆動電極542を備えた静電アクチュエーター54と、固定検出電極551および可動検出電極552を備えたギャップ検出電極と、を具備し、固定検出電極551は、互いに絶縁された第一固定部分検出電極553Aおよび第二固定部分検出電極553Bを備え、可動検出電極552は、第一固定部分検出電極553Aに対向する第一対向検出領域554Aと、第二固定部分検出電極553Bに対向する第二対向検出領域554Bと、を具備する。
【選択図】図2
Description
第一基板に形成された第一検出電極は、互いに絶縁された第一部分検出電極および第二部分検出電極を備え、第一部分検出電極には第一引出検出電極、第二部分検出電極には第二引出検出電極がそれぞれ接続されている。また、第二基板に形成された第二検出電極は、第一部分検出電極に対向する第一対向検出領域、および第二部分検出電極に対向する第二対向検出領域を備えている。
このような構成では、第一引出駆動電極および第二引出駆動電極間に電圧を印加すると、第一部分駆動電極および第二駆動電極の第一対向駆動領域の間、第二部分駆動電極および第二駆動電極の第二対向駆動領域の間に、それぞれ電圧が印加される。これにより、これらの電極間で発生する静電引力により、第一基板および第二基板のうち少なくともいずれか一方を、他方の基板に向かって撓ませることが可能となり、第一反射膜および第二反射膜間のギャップの寸法を変更させることができる。
そして、第一部分検出電極と、第二検出電極の第一部分検出電極に対向する第一対向検出領域と、で第一部分静電容量を形成する。第二部分検出電極と、第二検出電極の第二部分検出電極に対向する第二対向検出領域と、で第二部分静電容量を形成する。第一部分静電容量、及び、第二部分静電容量はギャップに反比例した値となる。第一部分静電容量と第二部分静電容量は第二検出電極で電気的に直列に接続されている。第一引出駆動電極および第二引出駆動電極間の静電容量を測定することでギャップを検出することができる。
また、例えば、第一基板および第二基板の双方に引出電極が形成され、第一基板を光モジュールの固定部に固定した状態で、これらの引出電極に配線作業を実施する場合、第二基板の引出電極に配線を接続する際に、第二基板を第一基板から引き離す方向に応力が加わる場合がある。この場合、第一基板および第二基板が剥離したり、応力により、基板が撓んで反射膜間のギャップが変動したりするおそれもあり、剥離や基板の撓みを防止するために弱い力で配線を実施すると、配線信頼性が低下してしまうおそれもある。
これに対して、本適用例では、第一基板にのみ第一引出駆動電極、第二引出駆動電極、第一引出検出電極および第二引出検出電極が形成されているため、例えば光モジュールの固定部に第一基板を固定して配線作業を行う場合、第二基板に対して応力が加わらず、剥離や基板撓み等の不都合を防止することができ、十分な配線信頼性をも得ることができる。
また、簡単な構成で波長可変干渉フィルターのギャップを計測できるため、光モジュールにおいても、取り出す光の波長を高精度に制御することができ、測定対象となる光の正確な光量を測定することができる。
この適用例では、光分析装置は、上述したような光モジュールを備えている。光モジュールは、上記のように、高い配線信頼性を有するため、このような光モジュールを備えた光分析装置においても、高い信頼性を得ることができる。
また、光分析装置は、光モジュールにより測定対象光の正確な光量を測定できるので、この測定された光量により、精度の高い光分析処理を実施することができる。
以下、本発明に係る第一実施形態について、図面に基づいて説明する。
〔1.測色装置の全体構成〕
図1は、本発明に係る実施形態の測色装置(光分析装置)の概略構成を示す図である。
この測色装置1は、本発明に係る光分析装置であり、図1に示すように、測定対象Aに光を射出する光源装置2と、本発明に係る光モジュールである測色センサー3と、測色装置1の全体動作を制御する制御装置4とを備えている。そして、この測色装置1は、光源装置2から射出される光を測定対象Aにて反射させ、反射された検査対象光を測色センサー3にて受光し、測色センサー3から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち測定対象Aの色を分析して測定する装置である。
光源装置2は、光源21、複数のレンズ22(図1には1つのみ記載)を備え、測定対象Aに対して白色光を射出する。複数のレンズ22には、コリメーターレンズが含まれていてもよく、この場合、光源装置2は、光源21から射出された白色光をコリメーターレンズにより平行光とし、図示しない投射レンズから測定対象Aに向かって射出する。
なお、本実施形態では、光源装置2を備える測色装置1を例示するが、例えば測定対象Aが液晶パネルなどの発光部材である場合、光源装置2が設けられない構成としてもよい。
測色センサー3は、本発明に係る光モジュールを構成する。この測色センサー3は、図1に示すように、波長可変干渉フィルター5と、波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光して検出する検出部31と、波長可変干渉フィルター5に駆動電圧を印加する電圧制御部32と、波長可変干渉フィルター5のギャップを検出するギャップ検出部33と、を備えている。また、測色センサー3は、波長可変干渉フィルター5に対向する位置に、測定対象Aで反射された反射光(検査対象光)を、内部に導光する図示しない入射光学レンズを備えている。そして、この測色センサー3は、波長可変干渉フィルター5により、入射光学レンズから入射した検査対象光のうち、所定波長の光のみを分光し、分光した光を検出部31にて受光する。
検出部31は、複数の光電交換素子により構成されており、受光量に応じた電気信号を生成する。そして、検出部31は、制御装置4に接続されており、生成した電気信号を受光信号として制御装置4に出力する。
図2は、波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す平面図であり、図3は、波長可変干渉フィルター5の断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、図2に示すように、平面正方形状の板状の光学部材である。この波長可変干渉フィルター5は、図3に示すように、本発明に係る第一基板である固定基板51、および本発明に係る第二基板である可動基板52を備えている。これらの2枚の基板51,52は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスなどの各種ガラスや、水晶などにより形成されている。そして、これらの2つの基板51,52は、外周部近傍に形成される接合部513,523が、例えば常温活性化接合やプラズマ重合膜を用いたシロキサン接合などにより、接合されることで、一体的に構成されている。
さらに、固定基板51と可動基板52との間には、固定反射膜56および可動反射膜57の間のギャップの寸法を調整するための静電アクチュエーター54が設けられている。この静電アクチュエーター54は、固定基板51側に設けられる第一駆動電極としての固定電極541と、可動基板52側に設けられる第二駆動電極としての可動駆動電極542とを備えている。
そして、固定基板51と可動基板52との間には、固定反射膜56および可動反射膜57の間のギャップを検出するためのギャップ検出センサー58が設けられている。このギャップ検出センサー58は、固定基板51側に設けられる本発明に係る第一検出電極としての固定検出電極551と、可動基板52側に設けられる本発明に係る第二検出電極としての可動検出電極552とを備えている。
図4は、第一実施形態の波長可変干渉フィルター5における固定基板51を可動基板52側から見た平面図である。
固定基板51は、厚みが例えば500μmに形成されるガラス基材を加工することで形成される。具体的には、図3に示すように、固定基板51には、エッチングにより電極形成溝511および反射膜固定部512が形成されている。この固定基板51は、可動基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、固定電極541および可動駆動電極542間に電圧を印加した際の静電引力や、固定電極541の内部応力による固定基板51の撓みはない。
また、固定基板51には、電極形成溝511から、固定基板51の外周縁の頂点C1,C3方向に向かって延出する一対の電極引出溝514が設けられている。
この固定電極541は、図4に示すように、固定反射膜56の中心点Oを中心とした仮想円Qの円周上に配置される円弧状の一対の固定部分電極(第一部分駆動電極を構成する第一固定部分電極543A、第二部分駆動電極を構成する第二固定部分電極543B)により構成されている。
これらの固定部分電極543A,543Bは、それぞれ、基板厚み方向から見た平面視における平面形状が同一で、略半円形状となる円弧状に形成され、かつ同一厚み寸法に形成されている。各固定部分電極543A,543Bの幅寸法(円弧の内径部と外径部との距離)は均一となっている。そして、これらの固定部分電極543A,543Bは、平面視において、固定反射膜56の中心点Oを中心とした仮想円Qの円周上で、中心点Oに対して互いに点対称となるように配置されている。
第一引出駆動電極545は、第一固定部分電極543Aの外周縁から、図4における固定基板51の頂点C1方向に延出した電極引出溝514に沿って形成され、その先端部には、電圧制御部32に接続される第一駆動電極パッド545Pが設けられている。
また、第二引出駆動電極546は、第二固定部分電極543Bの外周縁から、図4における固定基板51の頂点C3方向に延出した電極引出溝514に沿って形成され、その先端部には、電圧制御部32に接続される第二駆動電極パッド546Pが設けられている。
さらに、これらの固定部分電極543A,543B上には、固定電極541および可動駆動電極542の間の放電を防止するための絶縁膜(図示略)が積層されている。
この固定検出電極551は、図4に示すように、固定反射膜56の中心点Oを中心とした仮想円Rの円周上に配置される円弧状の一対の固定部分検出電極(本発明に係る第一部分検出電極を構成する第一固定部分検出電極553A、本発明に係る第二部分検出電極を構成する第二固定部分検出電極553B)により構成されている。
これらの固定部分検出電極553A,553Bは、それぞれ、基板厚み方向から見た平面視における平面形状が同一で、略半円形状となる円弧状に形成され、かつ同一厚み寸法に形成されている。各固定部分検出電極553A,553Bの幅寸法(円弧の内径部と外径部との距離)は均一となっている。そして、これらの固定部分検出電極553A,553Bは、平面視において、固定反射膜56の中心点Oを中心とした仮想円Rの円周上で、中心点Oに対して互いに点対称となるように配置されている。
第一引出検出電極555は、第一固定部分検出電極553Aの外周縁から、図4における固定基板51の頂点C2方向に延出した電極引出溝514に沿って形成され、その先端部には、ギャップ検出部33に接続される第一検出電極パッド555Pが設けられている。
また、第二引出検出電極556は、第二固定部分検出電極553Bの外周縁から、図4における固定基板51の頂点C4方向に延出した電極引出溝514に沿って形成され、その先端部には、ギャップ検出部33に接続される第二検出電極パッド556Pが設けられている。
図5は、第一実施形態の波長可変干渉フィルター5における可動基板52を固定基板51側から見た平面図である。
可動基板52は、厚みが例えば200μmに形成されるガラス基材をエッチングにより加工することで形成される。
具体的には、可動基板52は、図2、図5に示すような平面視において、基板中心点を中心とした円形の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、を備えている。
また、可動基板52は、図2および図5に示すように、第一駆動電極パッド545P、第二駆動電極パッド546P、第一検出電極パッド555Pおよび第二検出電極パッド556Pに対向する位置に、切欠部524を備えている。このような構成では、波長可変干渉フィルター5の可動基板52側から見た面に電極パッド545P、546P、555P、556Pが露出する。
ここで、この可動反射膜57は、上述した固定反射膜56と同一の構成の反射膜が用いられる。
この可動検出電極552は、図5に示すように、仮想円Rに沿い、内径寸法と外形寸法との差である幅寸法が仮想円Rの円周方向に沿って同一幅寸法となる円環状に形成されている。ここで、可動検出電極552は、図2に示すような基板厚み方向から見た平面視において、第一固定部分検出電極553Aと重なり合う第一対向検出領域554A、および第二固定部分検出電極553Bと重なり合う第二対向検出領域554Bを含む円環状に形成されている。そして、第一固定部分検出電極553Aと、可動検出電極552の第一対向検出領域554Aとにより、第一部分ギャップ検出センサー58Aが構成され、第二固定部分検出電極553Bと、可動検出電極552の第二対向検出領域554Bとにより、第二部分ギャップ検出センサー58Bが構成される。
このため、保持部522は可動部521よりも撓みやすく、僅かな静電引力により固定基板51側に撓ませることが可能となる。この際、可動部521は、保持部522よりも厚み寸法が大きく、剛性が大きくなるため、静電引力により可動基板52を撓ませる力が作用した場合でも、可動部521の撓みはほぼなく、可動部521に形成された可動反射膜57の撓みも防止できる。
この可動駆動電極542は、図5に示すように、仮想円Qに沿い、内径寸法と外形寸法との差である幅寸法が仮想円Qの円周方向に沿って同一幅寸法となる円環状に形成されている。ここで、可動駆動電極542は、図2に示すような基板厚み方向から見た平面視において、第一固定部分電極543Aと重なり合う第一対向駆動領域544A、および第二固定部分電極543Bと重なり合う第二対向駆動領域544Bを含む円環状に形成されている。そして、第一固定部分電極543Aと、可動駆動電極542の第一対向駆動領域544Aとにより、第一部分アクチュエーター55Aが構成され、第二固定部分電極543Bと、可動駆動電極542の第二対向駆動領域544Bとにより、第二部分アクチュエーター55Bが構成される。
図6は、第一実施形態の静電アクチュエーター54の配線図である。
静電アクチュエーター54は、上述したように、第一固定部分電極543Aおよび可動駆動電極542の第一対向駆動領域544Aにより構成される第一部分アクチュエーター55Aと、第二固定部分電極543Bおよび可動駆動電極542の第二対向駆動領域544Bにより構成される第二部分アクチュエーター55Bと、を備えている。
また、各部分アクチュエーター55A,55Bは、波長可変干渉フィルター5を基板厚み方向から見た平面視において、同一形状に形成され、仮想円Q上で等角度間隔(180度)に配置されている。したがって、各部分アクチュエーター55A,55Bにおける電極間の寸法(電極間ギャップ)をそれぞれd1、d2、第一及び第二固定部分電極543A,543B、第一対向駆動領域544A、および第二対向駆動領域544Bの面積をSD、誘電率をεとすると、各部分アクチュエーター55A,55Bの静電容量CD1,CD2はそれぞれ、以下の式(1)〜(2)で表される。
CD2=εSD/d2 …(2)
したがって、静電引力F1,F2は、上記式(1)〜(3)を代入すると、以下の式(4)〜(5)のように表せる。
F2=E2Q=Q2/εSD …(5)
したがって、例えば、初期ギャップにおいて、電極間ギャップd1、d2の値に、例えば測定精度に影響しない程度の僅かな差があり、静電アクチュエーター54に電圧を印加した場合であっても、これらの電極間ギャップd1、d2の差が開くことがなく、保持部522を均一に撓ませることができる。
図7は、第一実施形態のギャップ検出センサー58の配線図である。
ギャップ検出センサー58は、上述したように、第一固定部分検出電極553Aおよび可動検出電極552の第一対向検出領域554Aにより構成される第一部分ギャップ検出センサー58Aと、第二固定部分検出電極553Bおよび可動検出電極552の第二対向検出領域554Bにより構成される第二部分ギャップ検出センサー58Bと、を備えている。
CS2=εSS/h2 …(7)
なお、本実施形態では、第一検出電極と第一反射膜と、は同一面上に設けられ、第二検出電極と第二反射膜と、も同一面上に設けられている。このため、第一反射膜と第二反射膜間のギャップと第一検出電極と第二検出電極間のギャップは等しくなり、反射膜間のギャップを高精度に検出することができる。
図8は、波長可変干渉フィルター5を測色センサー3に組み込んだ際の配線構造を示す図である。図9は、波長可変干渉フィルター5を測色センサー3に組み込んだ際の配線構造の他の例を示す図である。
この時、波長可変干渉フィルター5への配線方法としては、例えば、図8に示すように、電極パッド545P、546P、555P、556P上に溶融状態のAgペースト等の導電性部材35を設け、導電性部材35が固化する前に、波長可変干渉フィルター5の可動基板52側から、リード線36を接続する。この場合、配線作業を、波長可変干渉フィルター5の可動基板52側から容易にリード線36を接続することができる。
電圧制御部32は、制御装置4からの入力される制御信号に基づいて、静電アクチュエーター54に印加する電圧を制御する。
ギャップ検出部33は、波長可変干渉フィルター5のギャップ検出センサー58の静電容量を検出し、検出信号を制御装置4へ出力する。
制御装置4は、測色装置1の全体動作を制御する。
この制御装置4としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューターなどを用いることができる。
そして、制御装置4は、図1に示すように、光源制御部41、測色センサー制御部42、および本発明に係る分析処理部を構成する測色処理部43などを備えて構成されている。
光源制御部41は、光源装置2に接続されている。そして、光源制御部41は、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置2に所定の制御信号を出力し、光源装置2から所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部42は、測色センサー3に接続されている。そして、測色センサー制御部42は、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー3にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー3に出力する。このとき、測色センサー制御部42は測色センサー3のギャップ検出部33の検出信号に基づいて制御信号を補正することができる。これにより、測色センサー3の電圧制御部32は、制御信号に基づいて、利用者が所望する光の波長のみを透過させるよう、静電アクチュエーター54への印加電圧を設定する。
測色処理部43は、検出部31により検出された受光量から、測定対象Aの色度を分析する。
上述したように、上記実施形態の波長可変干渉フィルター5は、固定電極541が互いに絶縁された第一固定部分電極543Aおよび第二固定部分電極543Bにより構成され、可動駆動電極542は、第一固定部分電極543Aに対向する第一対向駆動領域544Aおよび第二固定部分電極543Bに対向する第二対向駆動領域544Bを含むリング状に形成されている。そして、第一固定部分電極543Aには第一引出駆動電極545が形成され、第二固定部分電極543Bには第二引出駆動電極546が形成されている。
このような構成では、第一引出駆動電極545の第一駆動電極パッド545Pと、第二引出駆動電極546の第二駆動電極パッド546Pとの間に駆動電圧を印加することで、第一固定部分電極543Aおよび可動駆動電極542の第一対向駆動領域544Aにより構成された第一部分アクチュエーター55Aと、第二固定部分電極543Bおよび可動駆動電極542の第二対向駆動領域544Bにより構成された第二部分アクチュエーター55Bを駆動させることができる。
このような構成では、第一引出検出電極555の第一検出電極パッド555Pと、第二引出検出電極556の第二検出電極パッド556Pとの間の静電容量を検出することで、反射膜56,57間のギャップ寸法を検出することができる。
また、第一引出検出電極555、および第二引出検出電極556は、固定基板51上に形成され、それぞれ固定基板51の外周縁に形成された第一検出電極パッド555P、および第二検出電極パッド556Pに接続されている。
このため、波長可変干渉フィルター5を測色センサー3に組み込む際、Agペーストなどの導電性部材35を介してリード線36を接続する際でも、異方性導電層38を介してFPC37を接続する際でも、波長可変干渉フィルター5の可動基板52側から配線作業を簡単に実施できる。また、配線により、固定部34に固定される固定基板51に対して応力が加わることがあったとしても、可動基板52には応力が加わらないので、固定基板51および可動基板52の剥離や、可動基板52の傾斜が発生せず、波長可変干渉フィルターの性能低下を防止できる。また、固定基板51の各電極パッド545P、546P、555P、556Pに対して確実に配線することができるので、配線信頼性が向上し、測色センサー3や測色装置1の信頼性をも向上させることができる。
このため、静電アクチュエーター54に駆動電圧を印加した際に、各部分アクチュエーター55A,55Bに同一大きさの静電引力が作用する。したがって、固定反射膜56および可動反射膜57間のギャップを変動させた場合でも、固定反射膜56および可動反射膜57の平行性を維持することができ、分解能の低下を抑えることができる。
このため、保持部522に作用する可動駆動電極542の膜応力が均一となり、保持部522の応力バランスを均一に保つことができ、可動部521の傾斜を抑えることができる。したがって、反射膜56,57間のギャップ寸法を均一にすることができ、波長可変干渉フィルター5の分解能を高精度に維持することができる。
Claims (5)
- 第一基板と、
前記第一基板に対向する第二基板と、
前記第一基板に設けられた第一反射膜と、
前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜とギャップを介して対向する第二反射膜と、
前記第一基板に設けられた第一駆動電極、および前記第二基板に設けられて前記第一駆動電極に対向する第二駆動電極を備えた静電アクチュエーターと、
前記第一基板に設けられた第一検出電極、および前記第二基板に設けられて前記第一検出電極に対向する第二検出電極を備えたギャップ検出電極と、を具備し、
前記第二基板は、前記第二反射膜が設けられた可動部と、前記可動部を前記第一基板に対して進退可能に保持する保持部と、を備え、
前記第一基板および前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記可動部は円形状に形成され、前記保持部は前記可動部の外周に沿って形成され、
前記第一駆動電極は、前記平面視において、前記可動部の中心点を中心とした仮想円に沿って設けられた第一部分駆動電極および第二部分駆動電極を備え、
前記第一基板には、前記第一部分駆動電極から前記第一基板の外周縁に向かって延出する第一引出駆動電極と、前記第二部分駆動電極から前記第一基板の外周縁に向かって延出する第二引出駆動電極とが設けられ、
前記第二駆動電極は、前記平面視において、前記第一部分駆動電極に重なる第一対向駆動領域と、前記第二部分駆動電極に重なる第二対向駆動領域とを備え、
前記第一検出電極は、前記平面視において、前記可動部の中心点を中心とした仮想円に沿って設けられた第一部分検出電極および第二部分検出電極を備え、
前記第一基板には、前記第一部分検出電極から前記第一基板の外周縁に向かって延出する第一引出検出電極と、前記第二部分検出電極から前記第一基板の外周縁に向かって延出する第二引出検出電極とが設けられ、
前記第二検出電極は、前記平面視において、前記第一部分検出電極に重なる第一対向検出領域と、前記第二部分検出電極に重なる第二対向検出領域とを備えている
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項1に記載に波長可変干渉フィルターにおいて、
前記第一検出電極は、前記第一反射膜と同一面上に設けられ、
前記第二検出電極は、前記第二反射膜と同一面上に設けられた
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項1に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記第一部分検出電極は、第一仮想円に沿う円弧形状であり、
前記第二部分検出電極は、前記第一仮想円に沿う円弧形状であり、前記平面視において、前記第一部分検出電極と同一形状に形成され、かつ、前記可動部の中心点に対し、前記第一部分検出電極と点対称となる位置に設けられた
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の波長可変干渉フィルターと、
前記波長可変干渉フィルターにより取り出された光を検出する検出部と、
を具備したことを特徴とする光モジュール。 - 請求項4に記載の光モジュールと、
前記光モジュールの前記検出部により検出された光に基づいて、前記光の光特性を分析する分析処理部と、
を具備したことを特徴とする光分析装置。
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