JP2012218970A - 発熱琺瑯釉薬、加熱電磁加熱装置及び発熱琺瑯製品 - Google Patents

発熱琺瑯釉薬、加熱電磁加熱装置及び発熱琺瑯製品 Download PDF

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Abstract

【課題】電磁波を吸収して発熱する磁性酸化金属粉末を含有する発熱琺瑯釉薬の提供。
【解決手段】無機ガラスを主成分として、電磁波を吸収して発熱する磁性酸化金属粉末を含有し、前記磁性酸化金属粉末を磁性酸化鉄及び複数種の酸化金属を含んで組成してなり、基材11の表面に対して、前記無機ガラス中に前記磁性酸化金属粉末を分散させてなる発熱琺瑯層を形成する発熱琺瑯釉薬である。
【選択図】図10

Description

本発明は、電磁波で発熱する発熱琺瑯層を形成する発熱琺瑯釉薬、発熱琺瑯層を有する電磁誘導加熱装置、及び発熱琺瑯層を形成してなる発熱琺瑯製品に関する。
一般に、食材を調理する調理容器等の金属製品は、耐蝕性及び耐錆性を図るため、調理容器の表面にガラス質の琺瑯層を形成する。ガラス質の琺瑯層は、調理容器の表面に琺瑯釉薬を塗布(施釉)して、焼成することで形成される。
琺瑯釉薬の技術として、特許文献1に開示する技術は、無機ガラス、電解質物質及び金属アルミニウム粉末を含有する組成を開示する。
特許文献1に開示する技術では、琺瑯釉薬と金属製品(調理容器)の密着性を向上して、琺瑯層を効率良く形成できる。
特許文献1に開示する技術において、琺瑯層は、無機ガラス及び金属アルミニウム粉末(非磁性体)で形成しているので、電磁波(マイクロ波)の照射で食材を加熱調理できる温度まで発熱し難いものである。
従って、琺瑯層の調理容器内の食材を電子レンジで加熱調理する際には、電磁波(マイクロ波)で食材中の水分子を振動させる現象を利用して食材を加熱することになるので、琺瑯層の調理容器を使用しても、琺瑯層の発熱では十分に食材を加熱できず、しかも食材を加熱する調理時間も長くなる。
特開平8−302486号公報
本発明は、電磁波を吸収して急激に発熱する発熱琺瑯層を形成する発熱琺瑯釉薬、発熱琺瑯層を有する電磁誘導加熱装置、及び発熱琺瑯層を形成してなる発熱琺瑯製品を提供することにある。
本発明の請求項1に係る発明は、無機ガラスを主成分として、フェライト粉末を含有し、前記フェライト粉末を電磁波の吸収で発熱する酸化鉄及び非磁性酸化金属を含んで組成してなり、基材の表面に対して、前記無機ガラス内に前記フェライト粉末を分散させてなる発熱琺瑯層を形成する発熱琺瑯釉薬である。
本発明の請求項2に係る発明は、電磁波を発振する電磁波発振手段と、被加熱体を収納して、前記電磁波の照射で前記被加熱体を加熱する加熱空間と、基材で形成され、前記加熱空間内で前記被加熱体を支持する支持体を含んで構成される電磁誘導加熱装置であって、前記支持体の基材の表面に、前記電磁波の照射で発熱する発熱琺瑯層を形成し、前記発熱琺瑯層は、無機ガラスを主成分として、フェライト粉末を含有し、前記無機ガラス中に前記フェライト粉末を分散させて形成され、前記フェライト粉末は、前記電磁波を吸収して発熱する酸化鉄及び非磁性酸化金属を含んで組成されることを特徴とする電磁誘導加熱装置である。
本発明の請求項3に係る発明は、前記加熱空間は、基材で区画され、前記基材の表面に、前記発熱琺瑯層を形成してなることを特徴とする請求項2に記載の電磁誘導加熱装置である。
本発明の請求項4に係る発明は、前記基材は、前記発熱琺瑯層を被覆するガラス質の保護琺瑯層を有してなることを特徴とする請求項2又は3に記載の電磁誘導加熱装置である。
本発明の請求項5に係る発明は、製品形状の形成される基材を備え、前記基材の表面に、電磁波の照射で発熱する発熱琺瑯層を形成してなる発熱琺瑯製品であって、前記発熱琺瑯層は、無機ガラスを主成分として、フェライト粉末を含有し、前記無機ガラス中に前記フェライト粉末を分散させて形成され、前記フェライト粉末は、前記電磁波を吸収して発熱する酸化鉄及び非磁性酸化金属を含んで組成されることを特徴とする発熱琺瑯製品である。
本発明の請求項1に係る発明によれば、発熱琺瑯釉薬は、無機ガラスにフェライト粉末を含有し、フェライト粉末を電磁波の吸収で発熱する酸化鉄及び非磁性酸化金属を含んで組成しており、しかも基材の表面に対して、無機ガラス中にフェライト粉末が分散する発熱琺瑯層を形成する。
これにより、無機ガラス中に分散するフェライト粉末は、電磁波(マイクロ波)を吸収すると、急激に発熱して、発熱琺瑯層を急激に温度上昇させる。特に、フェライト粉末は、酸化鉄、及び非磁性酸化金属を含んで組成されるので、酸化鉄の発熱、非磁性酸化金属の発熱による相乗効果で、急激な発熱特性を得られる。
フェライト粉末を無機ガラス中に分散すると、フェライト粉末の発熱は無機ガラスで抑制でき、電磁波を照射しても、発熱琺瑯層は、一定温度まで上昇し、その後一定温度以上に昇温することが抑制される。
基材は、発熱琺瑯層の無機ガラスで被覆されるので、耐蝕性及び耐錆性に優れたものにされる。
フェライト粉末は、無機ガラス中に分散され、無機ガラスで被覆されるので、発熱琺瑯層に電磁波を照射しても、空気(酸素)に触れることなく、発火を防止できる。
フェライト粉末として、第一のフェライト粉末(酸化金属粉末)は、三酸化第二鉄、非磁性酸化金属である酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化ストロンチウム及び酸化クロムで組成され、第二のフェライト粉末は、三酸化第二鉄、非磁性酸化粉末である酸化亜鉛及び酸化マグネシウムで組成され、第三のフェライト属粉末は、三酸化第二鉄(磁性酸化鉄)、非磁性酸化金属である酸化亜鉛、酸化ニッケル及び酸化銅で組成される。
第一〜第三のフェライト粉末の酸化鉄、非磁性酸化金属の配合比率を適宜選択すると、無機発熱琺瑯層の温度、温度上昇幅を制御できる。
琺瑯用基材は、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、銀、金、セラミックス(陶磁)等である。
本発明の請求項2に係る発明によれば、電磁誘導加熱装置の支持体の基材表面に発熱琺瑯層を形成したので、支持体の発熱琺瑯層において、フェライト粉末は、電磁波(マイクロ波)を吸収して急激に発熱する。支持体に支持される被加熱体は、支持体の発熱琺瑯層から直接的に伝達される熱によって急激に加熱される。これにより、被加熱体は、短時間で急激に加熱され、例えば、食材を加熱する調理時間を短縮できる。
本発明の請求項3に係る発明によれば、加熱空間を区画する基材の表面に発熱琺瑯層を形成したので、加熱空間を区画する基材の発熱琺瑯層において、フェライト粉末は、電磁波を吸収して急激に発熱する。支持体に支持される被加熱体は、加熱空間を区画する基材の発熱琺瑯層から加熱空間を通して伝搬される熱によって急激に加熱される。これにより、加熱空間内に収納される被加熱体の全体は、均一に加熱される。
本発明の請求項4に係る発明によれば、発熱琺瑯層を無機ガラス質の琺瑯層で被覆しているので、発熱琺瑯層のフェライト粉末は、無機ガラス中に閉じ込められ、各琺瑯層から露出することが防止され、フェライト粉末が空気(酸素)に触れて発火することを防止できる。
本発明の請求項5に係る発明によれば、発熱琺瑯製品の無機ガラス中に分散するフェライト粉末は、電磁波(マイクロ波)を吸収すると、急激に発熱して、発熱琺瑯層を急激に温度上昇させる。特に、フェライト粉末は、電磁波を吸収して発熱する酸化鉄及び非磁性酸化金属を含んで組成されるので、酸化鉄と非磁性酸化金属の発熱による相乗効果によって、急激な発熱特性を得られる。特に、食材を加熱する発熱琺瑯製品において、発熱琺瑯製品の発熱琺瑯層は急激に発熱して、発熱琺瑯層の熱を直接的に食材に伝達して加熱でき、加熱する時間を短縮できる。
発熱特性試験1において、実施例A〜F及び比較例1〜11の温度上昇幅を示すグラフ図である。 発熱特性試験2において、実施例B1〜B5及び実施例C1〜C4の温度上昇幅を示すグラフ図である。 発熱特性試験2において、実施例B1〜B3及び実施例C3の照射後温度(180T)を示すグラフ図である。 発熱特性試験3において、実施例C6の各照射後温度を示すグラフ図である。 発熱特性試験3において、実施例C7〜C10の照射後温度を示すグラフ図である。 発熱特性試験4において、比較例10〜15及び実施例C11の照射後温度を示すグラフ図である。 発熱特性試験5において、比較例16、17及び実施例C12の各照射後温度を示すグラフ図である。 発熱特性試験6において、実施例B6〜B9の温度上昇幅を示すグラフ図である。 発熱特性試験7において、実施例B10〜B12及び実施例C13〜C16の温度上昇幅を示すグラフ図である。 電磁誘導加熱装置(電子レンジ)を示す正面図である。 図10のA−A断面図である。 図10のB−B断面図である。 基材、発熱琺瑯層及び保護琺瑯層の構成を示す拡大断面図である。 発熱琺瑯製品を示す図である。 発熱琺瑯製品、耐熱樹脂を示す図である。
本発明に係る発熱琺瑯釉薬について説明する。発熱琺瑯釉薬は、無機ガラスを主成分として、フェライト粉末を含有する。フェライト粉末は、電磁波を吸収して発熱する酸化鉄、及び電磁波を吸収して発熱する非磁性酸化金属を含んで組成される。フェライト粉末の具体例として、第一のフェライト粉末Aは、三酸化第二鉄(Fe)、酸化ケイ素(SiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マンガン(MnO)、酸化ストロンチウム(SrO)及び酸化クロム(Cr)で組成する。
第二のフェライト粉末Bは、三酸化第二鉄(Fe)、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化マンガン(MnO)で組成する。
第三のフェライト粉末Cは、三酸化第二鉄(Fe)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)及び酸化銅(CuO)で組成する。
発熱琺瑯釉薬は、基礎釉薬に1種類のフェライト粉末を添加・撹拌して作成される。基礎釉薬は、無機ガラス粉末を水に撹拌して作成され、無機ガラス粉末を水中に懸濁するため、粘土(例:カオリン)や電解質物質(例:亜硝酸ナトリウム、酸化マグネシウム)を添加(配合)することもでき、更に耐火物(例:二酸化ケイ素)や顔料を添加(配合)することもできる。
発熱琺瑯釉薬は、基材の表面に施釉(塗布)され、焼成によって基材の表面に無機ガラス質の発熱琺瑯層を形成する。発熱琺瑯層は、無機ガラス中にフェライト粉末を分散・含有してなる。
基材は、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、銀、金及びセラミックス(陶磁)等である。
発熱琺瑯釉薬の発熱特性試験1〜7について、表1乃至表8、及び図1乃至図9を参照して説明する。
<発熱特性試験1>
発熱特性試験1は、各種の金属粉末を含有する琺瑯層(又は発熱琺瑯層)の関係において、琺瑯層(又は発熱琺瑯層)の温度変化を計測する。
(1)試料板片
本発明の実施例A〜Fの試料板片、及び比較例1〜9の試料板片である(表1参照)。
(比較例1の試料板片)
比較例1において、基礎釉薬に三酸化第二鉄(Fe)粉末を添加・撹拌して試料釉薬1を作成する。
比較例1の試料板片は、試料釉薬1を鋼板片に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に無機ガラス質の琺瑯層を形成する。
比較例1の琺瑯層は、無機ガラス中に三酸化第二鉄粉末:1.6g/0.01molを分散・含有する。
■基礎釉薬の組成及び配合比率は、
無機ガラス:100
粘土:7
電解質物質:0.6
顔料:3
水:50
である。
基礎釉薬の配合比率は、無機ガラス:100に対して、粘土:1〜10、電解質物質:0.1〜3、顔料:0.1〜15、及び水:35〜75の範囲で選択することもできる。
(比較例2の試料板片)
比較例2において、基礎釉薬に酸化亜鉛(ZnO)粉末を添加・撹拌して試料釉薬2を作成する。
比較例2の試料板片は、試料釉薬2を鋼板片に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に無機ガラス質の琺瑯層を形成する。
比較例2の琺瑯層は、無機ガラス中に酸化亜鉛粉末:0.8g/0.01molを分散・含有する。
(比較例3の試料板片)
比較例3において、基礎釉薬に二酸化錫(SnO)粉末を添加・撹拌して試料釉薬3を作成する。
比較例3の試料板片は、試料釉薬3を鋼板片に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に無機ガラス質の琺瑯層を形成する。
比較例3の琺瑯層は、無機ガラス中に二酸化錫粉末:1.5g/0.01molを分散・含有する。
(比較例4の試料板片)
比較例4において、基礎釉薬に酸化錫(SnO)粉末を添加・撹拌して試料釉薬4を作成する。
比較例4の試料板片は、試料釉薬4を鋼板片に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に無機ガラス質の琺瑯層を形成する。
比較例4の琺瑯層は、無機ガラス中に酸化錫粉末:1.3g/0.01molを分散・含有する。
(比較例5の試料板片)
比較例5において、基礎釉薬に酸化銅(CuO)粉末を添加・撹拌して試料釉薬5を作成する。
比較例5の試料板片は、試料釉薬5を鋼板片に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に無機ガラス質の琺瑯層を形成する。
比較例5の琺瑯層は、無機ガラス中に酸化銅粉末:0.8g/0.01molを分散・含有する。
(比較例6の試料板片)
比較例6において、基礎釉薬に二酸化銅(CuO)粉末を添加・撹拌して試料釉薬6を作成する。
比較例6の試料板片は、試料釉薬6を鋼板片に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に無機ガラス質の琺瑯層を形成する。
比較例6の琺瑯層は、無機ガラス中に二酸化銅粉末:1.4g/0.01molを分散・含有する。
(比較例7の試料板片)
比較例7において、基礎釉薬に酸化アルミニウム(Al)粉末を添加・撹拌して試料釉薬7を作成する。
比較例7の試料板片は、試料釉薬7を鋼板片に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に無機ガラス質の琺瑯層を形成する。
比較例7の琺瑯層は、無機ガラス中に酸化アルミニウム粉末:1.0gを分散・含有する。
(比較例8の試料板片)
比較例8において、基礎釉薬に銅(Cu)粉末を添加・撹拌して試料釉薬8を作成する。
比較例8の試料板片は、試料釉薬8を鋼板片に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に無機ガラス質の琺瑯層を形成する。
比較例8の琺瑯層は、無機ガラス中に銅粉末:1.0gを分散・含有する。
(比較例9の試料板片)
比較例9において、基礎釉薬にゲルマニウム(Ge)粉末を添加・撹拌して試料釉薬9を作成する。
比較例9の試料板片は、試料釉薬9を鋼板片に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に無機ガラス質の琺瑯層を形成する。
比較例9の琺瑯層は、無機ガラス中にゲルマニウム粉末:1.0gを分散・含有する。
(実施例Aの試料板片)
実施例Aにおいて、基礎釉薬にフェライト粉末Aを添加・撹拌して発熱琺瑯釉薬Aを作成する。
実施例Aの試料板片は、発熱琺瑯釉薬Aを鋼板片(基材)に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に無機ガラス質の発熱琺瑯層を形成する。
実施例Aの発熱琺瑯層は、無機ガラス中にフェライト粉末A:1gを分散・含有する。
■フェライト粉末Aの組成及び配合比率(mass%)は、
三酸化第二鉄:80
酸化ケイ素:10
酸化亜鉛:5.9
酸化マンガン:2.7
酸化ストロンチウム:0.6
酸化クロム:0.3
である。
(実施例Bの試料板片)
実施例Bにおいて、基礎釉薬にフェライト粉末Bを添付・撹拌して発熱琺瑯釉薬Bを作成する。
実施例Bの試料板片は、発熱琺瑯釉薬Bを鋼板片(基材)に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に無機ガラス質の発熱琺瑯層を形成する。
実施例Bの発熱琺瑯層は、無機ガラス中にフェライト粉末B:1gを分散・含有する。
■フェライト粉末Bの組成及び配合比率(mol%)は、
三酸化第二鉄:52.85
酸化亜鉛:11.92
酸化マンガン:35.23
である。
(実施例Cの試料板片)
実施例Cにおいて、基礎釉薬にフェライト粉末Cを添付・撹拌して発熱琺瑯釉薬Cを作成する。
実施例Cの試料板片は、発熱琺瑯釉薬Cを鋼板片(基材)に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に無機ガラス質の発熱琺瑯層を形成する。
実施例Cの発熱琺瑯層は、無機ガラス中にフェライト粉末C:1gを分散・含有する。
■フェライト粉末Cの組成及び配合比率(mol%)は、
三酸化第二鉄:49.54
酸化亜鉛:23.30
酸化ニッケル:20.91
酸化銅:6.25
である。
(実施例Dの試料板片)
実施例Dにおいて、基礎釉薬にフェライト粉末Dを添加・撹拌して発熱琺瑯釉薬Dを作成する。
実施例Dの試料板片は、発熱琺瑯釉薬Dを鋼板片(基材)に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に無機ガラス質の発熱琺瑯層を形成する。
実施例Dの発熱琺瑯層は、無機ガラス中にフェライト粉末D:1gを分散・含有する。
■フェライト粉末Dの組成及び配合比率(mol%)は、
三酸化第二鉄:49.39
酸化亜鉛:32.14
酸化ニッケル:12.70
酸化銅:5.77
である。
フェライト粉末Dの組成は、上記フェライト粉末Cと同一組成である。
(実施例Eの試料板片)
実施例Eにおいて、上記フェライト粉末Cを1300℃で二時間過熱して過熱・フェライト粉末Eを作成する。基礎釉薬に過熱・フェライト粉末Eを添加・撹拌して発熱琺瑯釉薬Eを作成する。
実施例Eの試料板片は、発熱琺瑯釉薬Eを鋼板片(基材)に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に無機ガラス質の発熱琺瑯層を形成する。
実施例Eの発熱琺瑯層は、無機ガラス中に過熱・フェライト粉末E:1gを分散・含有する。
(実施例Fの試料板片)
実施例Fにおいて、上記フェライト粉末Dを1300℃で二時間過熱して過熱・フェライト粉末Fを作成する。基礎釉薬に過熱・フェライト粉末Fを添加・撹拌して発熱琺瑯釉薬Fを作成する。
実施例Fの試料板片は、発熱琺瑯釉薬Fを鋼板片(基材)に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に無機ガラス質の発熱琺瑯層を形成する。
実施例Fの発熱琺瑯層は、無機ガラス中に過熱・フェライト粉末F:1gを分散・含有する。
(2)試験条件
比較例1〜9の試料板片、実施例A〜Fの試料板片を、電子レンジ(電磁誘導加熱装置)内に装着し、マイクロ波(電磁波)を試料板片の琺瑯層(又は発熱琺瑯層)に照射する。マイクロ波の周波数は、2450MHzとする。
マイクロ波の照射後、比較例1〜9の琺瑯層の温度、及び実施例A〜Fの発熱琺瑯層の温度を計測する。
琺瑯層、発熱琺瑯層の温度は、マイクロ波を照射する前の照射前温度(ST)、及びマイクロ波を3分間照射した後の照射後温度(180FT)を計測する。
(3)発熱特性試験1の結果
発熱特性試験1の結果について、表1、及び図1のグラフに示し、説明する。
表1は、比較例1〜9、及び実施例A〜Fにおいて、金属粉末の配合重量(g)、照射前温度(ST)、照射後温度(180FT)及び温度上昇幅(180HT)を表示している。図1のグラフは、照射前温度(ST)及び照射後温度(180FT)の温度差である温度上昇幅(180HT)を表示している。
上記表1において、比較例1〜7の琺瑯層は、1種類の酸化金属粉末を分散・含有し、照射後温度(180FT):43.3℃〜141.5℃、温度上昇幅(180HT):17.2℃〜115.3℃の温度値を示している。1種類の酸化金属粉末を分散・含有する琺瑯層は、酸化銅又は二酸化銅を分散・含有すると、照射後温度(180FT):140℃前後、温度上昇幅(180HT):115℃前後の温度値を示す発熱特性にできる(図1参照)。
比較例8の琺瑯層は、1種類の銅粉末を分散・含有し、照射後温度(180FT):299.7℃、温度上昇幅(180H):271.4℃の温度値を示し、比較例9の琺瑯層は、1種類のゲルマニウム粉末を分散・含有し、照射後温度(180FT):162.1℃、温度上昇幅(180HT):134.7℃の温度値を示している。
比較例8の銅粉末は、マイクロ波を吸収して繰り返し発熱すると酸化され、比較例5、6の酸化銅粉末、二酸化銅粉末の照射後温度(180FT):140℃前後、及び温度上昇幅(180HT):115℃前後の温度値を示す発熱特性になる。
1種類の金属粉末を分散・含有する琺瑯層は、ゲルマニウム粉末を分散・含有すると、照射後温度(180FT):162℃前後、温度上昇幅(180HT):135℃前後の温度値を示す発熱特性を得られる。
発熱特性試験1において、1種類の酸化金属粉末、又は1種類の金属粉末を分散・含有する琺瑯層(比較例1〜9)は、比較例9において、最高の照射後温度(180FT):162℃前後及び最高の温度上昇幅(180HT):115℃前後の温度値を示す発熱特性を得られる。
上記表1において、実施例Aの発熱琺瑯層は、フェライト粉末Aを分散・含有し、照射後温度(180FT):286.3℃、温度上昇幅(180HT):259.8℃の温度値を示す発熱特性を得ている(図1参照)。
実施例Bの発熱琺瑯層は、フェライト粉末Bを分散・含有し、照射後温度(180FT):200.3℃、温度上昇幅(180HT):161.3℃の温度値を示す発熱特性を得ている。実施例Cの発熱琺瑯層は、フェライト粉末Cを分散・含有し、照射後温度(180FT):218.3℃、温度上昇幅(180HT):179.1℃の温度値を示す発熱特性を得ている。実施例Eの発熱琺瑯層は、過熱・フェライト粉末Eを分散・含有し、照射後温度(180FT):245.5℃、温度上昇幅(180HT):216.0℃の温度値を示す発熱特性を得ている(図1参照)。
実施例A〜C、Eの発熱特性は、比較例1〜9の発熱特性よりも、高温域の照射後温度(180FT)の温度値を示し、温度上昇幅(180HT)も大きい温度上昇幅を示している。これにより、実施例A〜C、Eのフェライト粉末A〜C、Eは、マイクロ波を吸収して急激に発熱し、発熱琺瑯層を200℃程度の照射後温度(180FT)まで温度上昇している。200℃の温度は、食材等を加熱、又は加熱調理するのに適した温度であり、実施例A〜C、Eの発熱琺瑯層は、急激に温度上昇して200℃の温度領域に達し、食材等の加熱を短時間で実施できる。
実施例Aのフェライト粉末Aは、磁性酸化鉄(三酸化第二鉄)粉末、非磁性酸化金属(酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化ストロンチウム、酸化クロム)粉末、及び酸化ケイ素粉末で組成され、実施例Bのフェライト粉末Bは、磁性酸化鉄(三酸化第二鉄)粉末、及び非磁性酸化金属(酸化亜鉛、酸化マンガン)粉末で組成され、実施例C、Eのフェライト粉末C、Eは、磁性酸化鉄(三酸化第二鉄)粉末、及び非磁性酸化金属(酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化銅)粉末で組成される。酸化鉄粉末及び非磁性酸化金属粉末を分散・含有する発熱琺瑯層は、酸化鉄粉末の発熱及び非磁性酸化金属の発熱による相乗効果に加えて、無機ガラスの影響によって、マイクロ波を効率的、急速に吸収して、発熱量を飛躍的に増大していると考えられる。実施例A〜C、Eにおいて、フェライト粉末A〜C、Eは、発熱琺瑯層の無機ガラス中に分散することで、粉末粒子の接触、重なりを最小限にでき、マイクロ波を効率的に吸収していると考えられる。
このように、実施例A〜C、Eの発熱琺瑯層では、フェライト粉末を酸化鉄粉末おy美非磁性酸化金属粉末で組成することで、急激な発熱、急激な温度上昇の発熱特性を得ることができる。
上記表1において、実施例D、Fの発熱琺瑯層は、フェライト粉末D、過熱・フェライト粉末Fを分散・含有し、照射後温度(180FT):131.2℃、110.2℃、温度上昇幅(180HT):103.3℃、82.0℃の温度値を示す発熱特性を得ている(図1参照)。実施例D、Fの発熱特性は、比較例6の二酸化銅粉末と同程度の温度値(発熱特性)を示している。実施例D、Fのフェライト粉末D、Fは、実施例C、Eのフェライト粉末C、Eと同一組成でなり、三酸化第二鉄、酸化亜鉛、酸化ニッケル及び酸化銅の配合比率(mol%)を異にする。
フェライト粉末D、Fの配合比率(mol%)と、フェライト粉末C、Eの配合比率(mol%)を対比すると、三酸化第二鉄の配合比率は同程度(49.54mol%/49.39mol%)であり、酸化亜鉛の配合比率及び酸化ニッケルの配合比率は9(mol%)前後で相異している。
従って、フェライト粉末C〜Dでは、三酸化第二鉄、酸化亜鉛、酸化ニッケル、及び酸化銅の配合比率(mol%)に基づいて、照射後温度(180FT)及び温度上昇幅(180HT)も変動し、照射後温度(180FT)及び温度上昇幅(180HT)の温度値に影響を与える要因になる。
なお、フェライト粉末A、Bにおいても、フェライト粉末C、Dと同様であり、フェライト粉末A、Bの配合比率は、照射後温度(180FT)及び温度上昇幅(180HT)の温度値に影響を与える要因になる。
上記表1において、実施例C、Eのフェライト粉末C、Eは、同一組成及び同一の配合比率(mol%)で構成され、過熱処理によって、実施例Eの発熱琺瑯層は、実施例Cと比較して、高い照射後温度(180FT)及び温度上昇幅(180HT)を示しており、フェライト粉末を過熱することは、電磁波を吸収して発熱する発熱量に影響を与える要因となる。
<発熱特性試験2>
発熱特性試験2は、発熱琺瑯層に分散・含有するフェライト粉末B、Cの重量(g)の関係において、発熱琺瑯層の温度変化を計測する。
(1)試料板片
本発明の実施例B1〜B5の試料板片、及び本発明の実施例C1〜C4の試料板片である(表2参照)
(実施例B1〜B5の試料板片)
実施例B1〜B5の試料板片は、上記実施例Bと同様で、発熱琺瑯釉薬Bで鋼板片(基材)表面に無機ガラス質の発熱琺瑯層を形成する。
実施例B1の発熱琺瑯層は、無機ガラス中にフェライト粉末B:1gを分散・含有する。
実施例B2の発熱琺瑯層は、無機ガラス中にフェライト粉末B:3gを分散・含有する。
実施例B3の発熱琺瑯層は、無機ガラス中にフェライト粉末B:6gを分散・含有する。
実施例B4の発熱琺瑯層は、無機ガラス中にフェライト粉末B:9gを分散・含有する。
実施例B5の発熱琺瑯層は、無機ガラス中にフェライト粉末B:12gを分散・含有する。
(実施例C1〜C4の試料板片)
実施例C1〜C4の試料板片は、上記実施例Cと同様で、発熱琺瑯釉薬Cで鋼板片(基材)表面に無機ガラス質の発熱琺瑯層を形成する。
実施例C1の発熱琺瑯層は、無機ガラス中にフェライト粉末C:1gを分散・含有する。
実施例C2の発熱琺瑯層は、無機ガラス中にフェライト粉末C:3gを分散・含有する。
実施例C3の発熱琺瑯層は、無機ガラス中にフェライト粉末C:6gを分散・含有する。
実施例C4の発熱琺瑯層は、無機ガラス中にフェライト粉末C:9gを分散・含有する。
(2)試験条件
実施例B1〜B5の試料板片、実施例C1〜C4の試料板片を、電子レンジ内に装着し、マイクロ波を試料板片の発熱琺瑯層に照射する。マイクロ波の周波数は、2450MHzとする。
マイクロ波照射後、実施例B1〜B5の発熱琺瑯層の温度、及び実施例C1〜C4の発熱琺瑯層の温度を計測する。
実施例B1〜B3、及び実施例C3の発熱琺瑯層は、照射前温度(ST)、マイクロ波を30秒間照射した後の照射後温度(30FT)、マイクロ波を1分間照射した後の照射後温度(60FT)、マイクロ波を2分間照射した後の照射後温度(120FT)、マイクロ波を3分間照射した後の照射後時間(180FT)、マイクロ波を4分間照射した後の照射後温度(240FT)、マイクロ波を5分間照射した後の照射後温度(300FT)及びマイクロ波を6分間照射した後の照射後温度(360FT)を計測する。
実施例B4、B5、及び実施例C1、C2、C4の発熱琺瑯層は、照射前温度(ST)及び照射後温度(180FT)を計測する。
(3)発熱特性試験2の結果
発熱特性試験2の結果について、表2、表3及び図2のグラフ、図3のグラフに示し、説明する。
表2は、実施例B1〜B5、及び実施例C1〜C4について、照射前温度(ST)、照射後温度(180FT)及び温度上昇幅(180FT)を表示する。図2のグラフは、表2の照射前温度(ST)を25℃に補正して、温度上昇幅(180FT)を表示する。
表3は、実施例B1〜B3、及び実施例C3について、照射前温度(ST)、及び各照射後時間(30FT)〜(360FT)を表示し、更に各照射後時間(30FT)〜(360FT)に関する温度上昇幅(30HT)〜(360HT)を表示する。図3のグラフは、表3の温度前温度を25℃に補正して、実施例B1〜B3、C3の各照射後温度(30FT)〜(360FT)を表示する。
上記表2において、実施例B1〜B5の発熱琺瑯層は、照射後温度(180FT):181.1℃〜228.8℃、温度上昇幅(180HT):158.1℃〜205.9℃の温度値を示し、急激な発熱、及び急激な温度上昇の発熱特性を得ている(図2参照)。実施例B1〜B5の発熱琺瑯層は、無機ガラス中に分散・含有するフェライト粉末Bの重量(g)に起因して、照射後温度(180FT)及び温度上昇幅(180HT)の温度値が変動している。従って、発熱琺瑯層に分散・含有するフェライト粉末Bの重量(g)は、照射後温度及び温度上昇幅の温度値に影響を与える要因となる。特に、フェライト粉末Bの重量(g)の増加に従って、発熱及び温度上昇の発熱特性は急激になる(図2参照)。また、実施例B1〜B5の発熱琺瑯層で、食材等の加熱に適した温度:200℃程度の温度領域まで加熱できる。
実施例C1〜C4の発熱琺瑯層は、照射後温度(180FT):192.6℃〜209.3℃、温度上昇幅(180HT):169.1℃〜184.5℃の温度値を示し、急激な発熱、及び急激な温度上昇の発熱特性を得ている。実施例C1〜C4の発熱琺瑯層は、無機ガラス中に分散・含有するフェライト粉末Cの重量(g)に起因して、照射後温度(180FT)及び温度上昇幅(180HT)の温度値が変動している。従って、発熱琺瑯層に分散・含有するフェライト粉末Cの重量(g)は、照射後温度及び温度上昇幅の温度値に影響を与える要因となる。また、実施例C1〜C4の発熱琺瑯層は、食材等の加熱に適した温度:200℃程度の温度領域まで加熱できる。
上記表3において、実施例B1の発熱琺瑯層は、照射後温度(60FT):161.3℃の温度値を示し、照射時間:1分間で急激な発熱、及び急激な温度上昇の発熱特性を得ている。
実施例B2の発熱琺瑯層は、照射後時間(60FT):175.6℃の温度値を示し、照射時間0〜1分間で急激な発熱、急激な温度上昇の発熱特性を得ている。
実施例B3の発熱琺瑯層は、照射後温度(60FT):190.7℃の温度値を示し、照射時間0〜3分間で急激な発熱、急激な温度上昇の発熱特性を得ている。
実施例B1〜B3の発熱特性を比較すると、図3のグラフに示すように、照射時間:1分間のグラフ温度勾配値(ΔT1)は、急激な温度勾配値を示し、実施例B1<実施例B2<実施例B3の関係になる。
従って、発熱琺瑯層の温度上昇は、実施例B1<実施例B2<実施例B3の関係で急激になり、発熱琺瑯層に分散・含有するフェライト粉末Bの重量(g)は、照射後温度の温度値に影響を与える要因となる。
実施例B1の発熱琺瑯層は、照射後温度(120FT〜360FT):181.3℃、181.3℃、186.2℃、188.0℃、195.0℃の温度値を示し、照射時間:2分間を経過すると、図3のグラフに示すように、グラフ温度勾配値(ΔT2)は、緩やかな温度勾配値を示しており、一定温度範囲(185℃〜200℃)の温度値を示すと考えられる。
実施例B2の発熱琺瑯層は、照射後温度(120FT〜360FT):191.3℃、203.5℃、204.6℃、198.7℃、199.3℃の温度値を示し、照射時間:2分間を経過すると、図3のグラフに示すように、グラフ温度勾配値(ΔT2)は、緩やかな温度勾配値を示しており、一定温度範囲(195℃〜210℃)の温度値を示すと考えられる。
実施例B3の発熱琺瑯層は、照射後温度(120FT〜360FT):203.1℃、210.7℃、220.1℃、223.8℃、236.2℃の温度値を示し、照射時間:2分間を経過すると、図3のグラフに示すように、グラフ温度勾配値(ΔT2)は、緩やかな温度勾配値を示しており、一定温度範囲(225℃〜240℃)の温度値を示すと考えられる。従って、マイクロ波照射時間は、照射後温度の温度値に影響を与える要因となる。
上記表3において、実施例C3の発熱琺瑯層は、照射後温度(120FT):197.3℃、温度上昇幅(120HT):173.7℃の温度値を示し、照射時間:2分間で急激な発熱、急激な温度上昇の発熱特性を得ている。
実施例C3の発熱特性と、実施例B3の発熱特性を比較すると、図3に示すように、グラフ温度勾配値(ΔT1)は、実施例C3<実施例B3の関係になる。
実施例C3、実施例B3において、フェライト粉末B、Cを発熱琺瑯層に分散・含有する重量(g)は同一重量(6g)であるものの、グラフ温度勾配値(ΔT1)は相異し、発熱及び温度上昇の発熱特性も異なる。この発熱特性の相異は、フェライト粉末B、Cの組成の相異によるものである。
実施例B1〜B3、及び実施例C3によれば、図3に示すように、発熱琺瑯層は、短時間のマイクロ波照射で180℃〜200℃範囲に急激に発熱し、その後は一定温度範囲:200℃前後に収束すると考えられ、200℃前後の温度領域で食材等を加熱することができる。
<発熱特性試験3>
発熱特性試験3は、発熱琺瑯層の膜厚の関係において、発熱琺瑯層の温度変化を測定する。
(1)試料板片
本発明の実施例C6〜C10の試料板片である(表4及び表5参照)。
(実施例C6〜C10の試料板片)
実施例C6〜C10において、基礎釉薬:150gにフェライト粉末C:50gを添加し、更に水:20gを追加・撹拌して発熱琺瑯釉薬Gを作成する。
実施例C6〜C10の試料板片は、発熱琺瑯釉薬Gを鋼板片(基材)に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に各種膜厚の発熱琺瑯層を形成する。
実施例C6において、発熱琺瑯層の膜厚は、94マイクロメータ
実施例C7において、発熱琺瑯層の膜厚は、65マイクロメータ
実施例C8において、発熱琺瑯層の膜厚は、100マイクロメータ
実施例C9において、発熱琺瑯層の膜厚は、159マイクロメータ
実施例C10において、発熱琺瑯層の膜厚は、176マイクロメータ
である。
なお、鋼板片(基材)寸法は、100mm×100mm、厚:0.6mmである。
(2)試験条件
実施例C6〜C10の試料板片を、電子レンジ内に装着し、マイクロ波を試料板片の発熱琺瑯層に照射する。マイクロ波の周波数は、2450MHzとする。
マイクロ波照射後、実施例C6〜C10の発熱琺瑯層の温度を計測する。
実施例C6において、照射前温度(ST)、照射後温度(60FT)、照射後温度(120FT)、照射後温度(180FT)及び照射後温度(240FT)を計測する。
実施例C7〜C10において、照射前温度(ST)及び照射後温度(180FT)を計測する。
(3)発熱特性試験3の結果
発熱特性試験3の結果について、表4、表5及び図4のグラフ、図5のグラフに示し、説明する。
表4は、実施例C6について、照射前温度(ST)、照射後時間(60FT)、(120FT)、(180FT)、(240FT)を表示し、更に各照射後時間(60FT)〜(240FT)に関する温度上昇幅(60HT)、(120HT)、(180HT)、(240HT)を表示する。図4のグラフは、表4の照射前温度(ST)を25℃に補正して、照射後温度(60HT)〜(240HT)を表示する。
表5は、実施例C7〜C10について、照射前温度(ST)及び照射後温度(180FT)を表示し、更に照射後温度(180FT)に関する温度上昇幅(180HT)を表示する。図5のグラフは、表5の照射前温度(ST)を25℃に補正して、照射後温度(180FT)を表示す。
上記表4において、実施例C6の発熱琺瑯層は、照射後温度(60FT):177.4℃の温度値を示し、照射時間:1分間で急激な発熱、及び急激な温度上昇の発熱特性を得ている(図4参照)。
上記表4において、実施例C6の発熱琺瑯層は、照射後温度(180FT):186.3℃、温度上昇幅(180HT):165.1℃の温度値を示す発熱特性を得ている。
上記表5において、実施例C7の発熱琺瑯層は、照射後温度(180FT):158.2℃、温度上昇幅(180HT):136.1℃の温度値を示す発熱特性を得ており、実施例C8の発熱琺瑯層は、照射後温度(180HT):166.2℃、温度上昇幅(180HT):142.6℃の温度値を示す発熱特性を得ている。実施例C9の発熱琺瑯層は、照射後温度(180FT):172.8℃、温度上昇幅(180HT):152.6℃の温度値を示す発熱特性を得ており、実施例C10の発熱琺瑯層は、照射後温度(180FT):180.8℃、温度上昇幅(180FT):161.3℃の温度値を示す発熱特性を得ている(図5参照)。
実施例C6〜C10において、発熱琺瑯層の膜厚は、実施例C7(65マイクロメータ)<実施例C6(94マイクロメータ)<実施例C8(100マイクロメータ)<実施例C9(159マイクロメータ)<実施例C10(176マイクロメータ)の関係にあり、発熱琺瑯層の膜厚に起因して、照射後温度及び温度上昇幅の温度値に影響を与える要因となる。
実施例C7〜C9において、照射後温度(180HT)及び温度上昇幅(180HT)は、表5、及び図5のグラフに示すように、発熱琺瑯層の膜厚の増加に従って、高い温度値を示している。特に、発熱琺瑯層の膜厚:65マイクロメータ〜159マイクロメータの範囲において、照射後温度(180FT)は、図5に示すように、比例直線的な温度値の関係を示している。
<発熱特性試験4>
発熱特性試験4は、金属材料、及び琺瑯層、発熱琺瑯層の関係において、金属材料、及び琺瑯層、発熱琺瑯層の温度変化を測定する。
(1)試料板片
比較例10〜15の試料板片、及び本発明の実施例C11の試料片である。
(比較例10〜15の試料板片)
比較例10の試料片は、鋼板片(琺瑯層、発熱琺瑯層:無)である
比較例11の試料板片は、酸洗、ニッケル鍍金処理した鋼板片(琺瑯層、発熱琺瑯層:無)である。
比較例12の試料板片は、酸洗して鋼板片(琺瑯層、発熱琺瑯層:無)である。
比較例13の試料板片は、SUS304ステンレス鋼板片(琺瑯層、発熱琺瑯層:無)である。
比較例14の試料板片は、SUS430ステンレス鋼板片(琺瑯層、発熱琺瑯層:無)である。
比較例15の試料板片は、基礎釉薬を鋼板片に施釉(塗布)し、焼成して無機ガラス質の琺瑯層を形成する。
(実施例C11の試料板片)
実施例C11の試料板片は、発熱特性試験3の発熱琺瑯釉薬Gを鋼板片(基材)に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に発熱琺瑯層を形成する。
(2)試験条件
比較例10〜15の試料板片、及び実施例C11の試料板片を、電子レンジ内に装着し、マイクロ波を比較例10〜14の試料板片、比較例15の試料板片の琺瑯層、及び実施例C11の試料板片の発熱琺瑯層に照射する。マイクロ波の周波数は、2450MHzである。
マイクロ波照射後、比較例10〜14の試料板片の温度、比較例15の琺瑯層の温度、及び実施例C11の発熱琺瑯層の温度を計測する。
比較例10〜15、及び実施例C11において、マイクロ波を3分間照射した後の照射後温度(180FT)を計測する。
(3)発熱特性試験4の結果
発熱特性試験4の結果について、図6グラフに示し、説明する。
図6のグラフは、照射前温度(ST)を25℃に補正して、照射後温度(180FT)を表示する。
図6のグラフにおいて、実施例C11は、照射後温度(180FT):180℃前後の温度値を示し、比較例10〜15の照射後温度(180FT)よりも、高い温度値を示し、急激な発熱、及び急激な温度上昇の発熱特性を得ている。実施例C11の発熱琺瑯層は、食材等の加熱、加熱調理に適した温度:180℃〜200℃まで加熱できる。
<発熱特性試験5>
発熱特性試験5は、鋼板、及び琺瑯層、発熱琺瑯層の関係において、鋼板、及び琺瑯層、発熱琺瑯層の温度変化を計測する。
(1)試料板片
比較例16、17の試料板片、及び本発明の実施例C12の試料板片である(表6参照)。
(比較例16、17の試料板片)
比較例16の試料板片は、鋼板片(琺瑯層、発熱琺瑯層:無)である。
比較例17の試料板片は、基礎釉薬を鋼板片に施釉(塗布)し、焼成して無機ガラス質の琺瑯層を形成する。
なお、鋼板片寸法は、100mm×100mm、厚:0.6mmである。
(実施例C12の試料板片)
実施例C12の試料板片は、発熱特性試験3の発熱琺瑯釉薬Gを鋼板片(基材)に施釉(塗布)し、焼成して鋼板片表面に発熱琺瑯層を形成する。
なお、鋼板片(基材)寸法は、100mm×100mm、厚:0.6mmである。
(2)試験条件
比較例16、17の試料板片、及び実施例C12の試料板片を、電子レンジ内に装着し、マイクロ波を比較例16の試料板片、比較例17の試料板片の琺瑯層、及び実施例C12の試料板片の発熱琺瑯層に照射する。マイクロ波の周波数は、2450MHzである。
マイクロ波照射後、比較例16の試料板片の温度、比較例17の琺瑯層の温度、及び実施例C12の発熱琺瑯層の温度を計測する。
比較例16、17及び実施例C12において、照射前温度(ST)、マイクロ波を30秒間照射した後の照射後温度(30FT)、マイクロ波を1分間照射した後の照射後温度(60FT)、マイクロ波を2分間照射した後の照射後温度(120FT)、マイクロ波を3分間照射した後の照射後温度(180FT)、マイクロ波を4分間照射した後の照射後温度(240FT)、マイクロ波を5分間照射した後の照射後温度(300FT)、及びマイクロ波を6分間照射した後の照射後温度(360FT)を計測する。
(3)発熱特性試験5の結果
発熱特性試験5の結果について、表6及び図7のグラフに示し、説明する。
表6は、比較例16の試料板片(鋼板)、比較例17の琺瑯層、及び実施例C12の発熱琺瑯層について、照射前温度(ST)、各照射後温度(30FT)〜(360FT)を表示し、更に照射後温度(30FT)〜(360FT)に関する温度上昇幅(30HT)〜(360HT)を表示する。図7のグラフは、表7の照射前温度(ST)を25℃に補正して、照射後温度(30FT)〜(360FT)を表示する。
上記表6において、実施例C12は、照射後温度(60FT):124.1℃、温度上昇幅(60HT):101.4℃の温度値を示し、比較例16.17の照射後温度(60FT)及び温度上昇幅(60FT)よりも、高い温度値の発熱特性を得ている。これにより、実施例C12の発熱琺瑯層は、比較例16の鋼板、比較例17の琺瑯層よりも、図7に示すように、グラフ温度勾配値(ΔT3)は急激に傾斜しており、急激に発熱、及び急激に温度上昇する。
上記表6において、実施例C12の発熱琺瑯層は、照射後時間(360FT):200.4℃の温度値を示し、比較例16、17の照射後温度(360FT)よりも、高い温度値を示す発熱特性を得ている。
比較例16の鋼板片は、照射後温度(300FT):177.8℃、照射後温度(360FT):177.3℃の温度値を示し、比較例17の琺瑯層は、照射後温度(300FT):149.6℃、照射後温度(360FT):139、2℃の温度値を示している。比較例16の鋼板片では、照射時間:5分を超えると、照射後温度(300FT)、(360FT)の温度上昇はなく、比較例17の琺瑯層も同様に、照射後温度(300FT)、(360FT)の温度上昇はなくなるので、190℃以上の温度域することは困難であると考えられる。
<発熱特性試験6>
発熱特性試験6は、発熱琺瑯釉薬に添加する磁性酸化粉末の重量(g)と、発熱琺瑯層の膜厚の関係において、発熱琺瑯層の温度変化を計測する。
(1)試料板片
実施例B6〜B9の試料板片である(表7参照)。
実施例B6〜B9において、発熱琺瑯層の膜厚は、同程度の膜厚になるように、100マイクロメート前後に調整している。
なお、鋼板片(基材)寸法は、100mm×100mm、厚:0.5mmである。
(実施例B6の試料板片)
実施例B6において、基礎釉薬:150gにフェライト粉末B:20gを添加・撹拌して発熱琺瑯釉薬Hを作成する。
実施例B6の試料板片は、発熱琺瑯釉薬Hを鋼板片に施釉(塗布)し、焼成して発熱鋼層を形成する。
実施例B6において、発熱琺瑯層の膜厚は108マイクロメータである。
(実施例B7の試料板片)
実施例B7において、基礎釉薬:150gにフェライト粉末B:50gを添加して発熱琺瑯釉薬Iを作成する。
実施例B7の試料板片は、発熱琺瑯釉薬Iを鋼板片に施釉(塗布)し、焼成して発熱琺瑯層を形成する。
実施例B7において、発熱琺瑯層の膜厚は、89マイクロメータである。
(実施例B8の試料板片)
実施例B8において、基礎釉薬:150gにフェライト粉末B:100gを添加して発熱琺瑯釉薬Jを作成する。
実施例B8の試料板片は、発熱琺瑯釉薬Jを鋼板片に施釉(塗布)し、焼成して発熱琺瑯層を形成する。
実施例B8において、発熱琺瑯層の膜厚は、97マイクロメータである。
(実施例B9の試料板片)
実施例B9において、基礎釉薬:150gにフェライト粉末B:150gを添加して発熱琺瑯釉薬Kを作成する。
実施例B9の試料板片は、発熱琺瑯釉薬Kを鋼板片に施釉(塗布)し、焼成して発熱琺瑯層を形成する。
実施例B9において、発熱琺瑯層の膜厚は、109マイクロメータである。
(2)試験条件
実施例B6〜B9の試料板片を、電子レンジ内に装着し、マイクロ波を試料板片の発熱琺瑯層に照射する。マイクロ波の周波数は、2450MHzである。
マイクロ波照射後、実施例B6〜B9の発熱琺瑯層の温度を計測する。
実施例B6〜B9において、照射前温度(ST)、及びマイクロ波を3分間照射した後の照射後温度(180FT)を計測する。
(3)発熱特性試験6の結果
発熱特性試験6の結果について、表7、及び図8のグラフに示し、説明する。
表7は、実施例B6〜B9において、照射前温度(ST)、及び照射後温度(180FT)を表示し、更に照射後温度(180FT)に関する温度上昇幅(180HT)を表示する。図8のグラフは、表7の照射前温度(ST)を25℃に補正して、温度上昇幅(180HT)を表示する。
上記表7において、実施例B6〜B9の発熱琺瑯層は、照射後温度(180FT):161.7℃〜168.3℃、温度上昇幅(180HT):142.8℃〜149.0℃の温度値を示し、急激に発熱、及び急激に温度上昇の発熱特性を得ている(図8参照)。
実施例B6〜B9において、同程度の膜厚であって、基礎釉薬に添加するフェライト粉末Bの重量(g)が相異しても、図8のグラフに示すように、温度上昇幅(18HT)は142℃〜149℃の温度値を示し、同程度の発熱特性を得ている。
<発熱特性試験7>
発熱特性試験7は、発熱琺瑯層の膜厚、金属板片(試料板片)の表面積の関係において、発熱琺瑯層の温度変化を測定する。
(1)試料板片
実施例B10〜12の試料板片、及び実施例C13〜C16の試料板片である(表8参照)。
実施例B10〜B12、及び実施例C13〜C16において、発熱琺瑯層の膜厚は、同程度の膜厚になるように、100マイクロメート前後に調整している。
実施例B10〜B12において、基礎釉薬:150gにフェライト粉末B:50gを添加して発熱琺瑯釉薬Iを作成する。
実施例C13〜C16において、基礎釉薬:150gにフェライト粉末C:50gを添加して発熱琺瑯釉薬Lを作成する。
なお、鋼板片(基材)寸法は、厚:0.5mmである。
(実施例B10の試料板片)
実施例B10の試料板片は、発熱琺瑯釉薬Iを、表面積:25cm(5cm×5cm)の鋼板片(基材)に施釉(塗布)し、焼成して発熱琺瑯層を形成する。
実施例B10において、発熱琺瑯層の膜厚は、98マイクロメータである。
(実施例B11の試料板片)
実施例B11の試料板片は、発熱琺瑯釉薬Iを、表面積:49cm(7cm×7cm)の鋼板片(基材)に施釉(塗布)し、焼成して発熱琺瑯層を形成する。
実施例B10において、発熱琺瑯層の膜厚は、108マイクロメータである。
(実施例B12の試料板片)
実施例B12の試料板片は、発熱琺瑯釉薬Iを、表面積:169cm(13cm×13cm)の鋼板片(基材)に施釉(塗布)し、焼成して発熱琺瑯層を形成する。
実施例B12において、発熱琺瑯層の膜厚は、101マイクロメータである。
(実施例C13の試料板片)
実施例C13の試料板片は、発熱琺瑯釉薬Lを、表面積:25cm(5cm×5cm)の鋼板片(基材)に施釉(塗布)し、焼成して発熱琺瑯層を形成する。
実施例C13において、発熱琺瑯層の膜厚は、104マイクロメータである。
(実施例C14の試料板片)
実施例C14の試料板片は、発熱琺瑯釉薬Lを、表面積:49cm(7cm×7cm)の鋼板片(基材)に施釉(塗布)し、焼成して発熱琺瑯層を形成する。
実施例C14において、発熱琺瑯層の膜厚は、101マイクロメータである。
(実施例C15の試料板片)
実施例C15の試料板片は、発熱琺瑯釉薬Lを、表面積:64cm(8cm×8cm)の鋼板片(基材)に施釉(塗布)し、焼成して発熱琺瑯層を形成する。
実施例C15において、発熱琺瑯層の膜厚は、117マイクロメータである。
(実施例C16の試料板片)
実施例C16の試料板片は、発熱琺瑯釉薬Lを、表面積:169cm(13cm×13cm)の鋼板片(基材)に施釉(塗布)し、焼成して発熱琺瑯層を形成する。
実施例C16において、発熱琺瑯層の膜厚は、105マイクロメータである。
(2)試験条件
実施例B10〜B12、及び実施例C13〜C16の試料板片を、電子レンジ内に装着し、マイクロ波を試料板片の発熱琺瑯層に照射する。マイクロ波の周波数は、2450MHzである。
マイクロ波照射後、実施例B10〜B12、及び実施例C13〜C16の発熱琺瑯層の温度を計測する。
実施例B10〜B12、及び実施例C13〜C16において、照射前温度(ST)、及びマイクロ波を3分間照射した後の照射後温度(180FT)を計測する。
(3)発熱特性試験7の結果
発熱特性試験7の結果について、表8、及び図9のグラフに示し、説明する。
表8は、実施例B10〜B12、及び実施例C13〜C16において、照射前温度(ST)、及び照射後温度(180FT)を表示し、更に照射後温度(180FT)に関する温度上昇幅(180HT)を表示する。図9のグラフは、表8の照射前温度(ST)を25℃に補正して、温度上昇幅(180HT)を表示する。
上記表8において、実施例B10〜B12の発熱琺瑯層は、照射後温度(180FT):180.5℃、177.0℃、172.0℃、温度上昇幅(180HT):161.8℃、157.8℃、153.7℃の温度値を示し、急激な発熱、及び急激な温度上昇の発熱特性を得ている(図9参照)。
実施例B10〜B12において、上記表8、及び図9のグラフに示すように、照射後温度(180FT)は、実施例B10の発熱琺瑯層<実施例B11の発熱琺瑯層<実施例B12の関係にある温度値を示し、温度上昇幅(180HT)は、実施例B10の発熱琺瑯層<実施例B11の発熱琺瑯層<実施例B12の関係にある温度幅を示している。
これは、試料板片に形成される発熱琺瑯層の表面積に起因するもので、表面積が小さくなるに従って、フェライト粉末Bは無機ガラス中に多く分散・含有され、単位面積当たりの無機ガラス中に分散するフェライト粉末Bの重量の相異であると考えられる。
上記表8において、実施例C13〜C19の発熱琺瑯層は、照射後温度(180FT):167.8℃、162.3℃、168.3℃、165.8℃、温度上昇幅(180HT):150.4℃、144.9℃、151.0℃、147.0℃の温度値を示し、急激な発熱、及び急激な温度上昇の発熱特性を得ている(図9参照)。
実施例B10〜B12と、実施例C13〜C16を比較すると、実施例B10〜B12の照射後温度:(180FT)及び温度上昇幅(180HT)は、実施例C13〜C16よりも高い温度値を示しており、フェライト粉末Bは、フェライト粉末Cよりも高い発熱量を放出する特性を有している。
以上、発熱特性試験1〜7に示した通り、本発明の発熱琺瑯釉薬は、電磁波の照射で急激に発熱する発熱琺瑯層を形成でき、比較例1〜17で得られない発熱特性を得られる。
発熱琺瑯釉薬による急激な発熱は、基礎釉薬に添加されるフェライト粉末によるもので、フェライト粉末は効率良く、急速に電磁波を吸収して発熱しており、一定温度まで発熱琺瑯層を温度上昇させる。これは、フェライト粉末を組成する酸化鉄の発熱、及び非磁性酸化金属の発熱によるもので、しかもフェライト粉末を無機ガラス中に分散することで、無機ガラスによりある程度の温度上昇を抑制されていると考えられる。
従って、フェライト粉末を無機ガラス中に分散・含有する発熱琺瑯層は、マイクロ波の照射によって、食材等の加熱、又は加熱調理に適した180℃〜250℃に急激に温度上昇し、食材等を急速に加熱でき、食材等を加熱する発熱体として好適であると言える。しかも、発熱琺瑯層は、マイクロ波照射時間が長くなっても、200℃〜250℃程度の温度に収束するもので、食材等を最適に加熱(加熱調理)できる。
そして、発熱琺瑯層を電磁波の照射で急激に加熱するため、
i)発熱琺瑯釉薬は、基礎釉薬にフェライト粉末A〜Cの1種類を添加・撹拌し、酸化鉄及び非磁性酸化金属の配合比率を調整して作成することが好ましい。
ii)発熱琺瑯釉薬は、基礎釉薬:150に対して、1種類のフェライト粉末:20〜150添加・撹拌して作成し、発熱琺瑯層の膜厚を50マイクロメータ〜180マイクロメータにすることが好ましい。
iii)発熱琺瑯釉薬は、単位面積当たりの発熱琺瑯層に分散・含有されるフェライト粉末の重量を適宜調整することで、急激な発熱の発熱特性を得ることが好ましい。
<発熱琺瑯釉薬(発熱琺瑯層)を適用した具体例>
次に、発熱琺瑯釉薬(発熱琺瑯層)を適用した具体例について、図10乃至図15を参照して説明する。図10乃至図13では電磁誘導加熱装置を説明し、図14及び図15では発熱琺瑯製品を説明する。
<電磁誘導加熱装置>
図10乃至図12において、電磁誘導加熱装置(X)は、例えば、マイクロ波(電磁波)で被加熱体(Z)を加熱する電子レンジで構成される。なお、電磁誘導加熱装置(X)として、電子レンジについて説明するが、これに限定されるものでない。
電磁誘導加熱装置(X:以下「電子レンジ(X)」と称する)は、装置本体(1)、電磁波発振手段(2)、加熱空間(3)及び支持体(5)を含んで構成される。被加熱体は、例えば、食材、液体、及び食材や液体の調理容器(発熱琺瑯層:無)を意味する。
電磁波発振手段(2)は、図10に示すように、マイクロ波を発振するマイクロ波発振装置(マグネトロン)で構成されている。電磁波発振手段(2:以下「マイクロ波発振装置(2)」と称する)は、装置本体(1)内に設置されている。
加熱空間(3)は、被加熱体(Z)を収納して、マイクロ波の照射で被加熱体(Z)を加熱する。加熱空間(3)は、装置本体(1)内に形成され、装置本体(1)前方に開口(3A)する。加熱空間(3)の開口(3A)は、開閉扉(図示しない)で開閉され、開閉扉は装置本体(1)に回転自在に支持されている。
加熱空間(3)は、左右の側基材(8A)、(8B)、上基材(8C)、下基材(8D)及び後基材(8E)で装置本体(1)内に区画されている。各基材(8A)〜(8E)は、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板又はセラミックス等で形成される。
加熱空間(3)とマイクロ波発振装置(2)は、マイクロ波伝送路(9)を通して連通されている。マイクロ波伝送路(9)は、装置本体(1)内に形成され、加熱空間(3)の上基材(8C)に開口している。
マイクロ波発振装置(2)のマイクロ波は、マイクロ波伝送路(9)を通して上基材(8C)の開口から加熱空間(3)内に照射される。
支持体(5)は、加熱空間(3)内で被加熱体(Z)を支持して回転する。支持体(5)は、例えば、ターンテーブルで構成され、回転軸(10)に支持される。回転軸(10)は、加熱空間(3)内に配置され、加熱空間(3)の下基材(8D)側に回転自在として軸支されている。回転軸(10)は、駆動モータ(図示しない)に連結され、駆動モータは装置本体(1)内に設置されている。
支持体(5)は、図11に示すように、基材(11)で円形板状に形成され、基材(11)の表面にマイクロ波の照射で発熱する発熱琺瑯層(HR)を形成している。発熱琺瑯層(HR)は、図11に示すように、無機ガラスを主成分として、マイクロ波を吸収して発熱するフェライト粉末を含有し、無機ガラス中にフェライト粉末を分散・含有している。基材(11)は、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板又はセラミックス等で形成される。
発熱琺瑯層(HR)は、発熱琺瑯釉薬を基材(11)の表面に施釉(塗布)し、焼成して支持体(5)の基材(11)表面に形成される。
発熱琺瑯釉薬は、基礎釉薬に1種類のフェライト粉末を添加・撹拌して作成される。基礎釉薬は、例えば、無機ガラス、粘土、電解質物質、顔料及び水で組成され、無機ガラス、粘土、電解質物質、顔料を水に添加・撹拌して作成する(上記発熱特性試験1の基礎釉薬参照)。
フェライト粉末は、酸化鉄及び非磁性酸化金属を含んで組成され、第一のフェライト粉末Aは、三酸化第二鉄、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化ストロンチウム及び酸化クロムで組成される。第一のフェライト粉末Aの配合比率(mass%)は、例えば、上記発熱特性試験1の実施例Aを同一配合比率にする。
第二のフェライト粉末Bは、三酸化第二鉄、酸化亜鉛及び酸化マンガンで組成される。第二のフェライト粉末Bの配合比率(mol%)は、例えば、上記発熱特性試験1の実施例Bと同一配合比率にする。
第三のフェライト粉末Cは、三酸化第二鉄、酸化亜鉛、酸化ニッケル及び酸化銅で組成される。第三のフェライト粉末Cの配合比率(mol%)は、例えば、上記発熱特性試験1の実施例Cと同一配合比率にする。
電子レンジ(X)において、操作者は、加熱空間(3)の開口(3A)から被加熱体(Z)を加熱空間(3)に収納し、支持体(5)上に載置する。
操作者は、上記開閉扉で加熱空間(3)の開口(3A)を閉じ、マイクロ波照射時間(加熱時間:例えば、3分間)を設定して、スタートボタン(7)を操作する。
電子レンジ(X)は、スタートボタン(7)の操作を受けると、マイクロ波発振装置(2)を作動し、上記駆動モータを駆動させる。
マイクロ波発振装置(2)は、マイクロ波を発振させる。マイクロ波は、マイクロ波伝送路(9)を通して上基体(8C)の開口から加熱空間(3)内に照射される。加熱空間(3)に照射されるマイクロ波は、直接、又は各基材(8A)〜(8E)で反射されて、支持体(5)に照射される。支持体(5)の発熱琺瑯層(HR)において、フェライト粉末は、マイクロ波を吸収して急激に発熱する。支持体(5)に支持される被加熱体(Z)は、支持体(5)の発熱琺瑯層(HR)から直接的に伝達される熱によって急激に加熱される。
上記駆動モータは、回転軸(10)及び支持体(5)を回転させて、支持体(5)上の被加熱体(Z)も回転させる。
電磁誘導加熱装置(X)は、支持体(5)の基材(11)表面に発熱琺瑯層(HR)を形成し、発熱琺瑯層(11)にフェライト粉末を含有するので、フェライト粉末はマイクロ波を吸収して急激に発熱する(上記発熱特性試験1〜7参照)。
これにより、被加熱体(Z)を急激に加熱することができ、被加熱体(Z)を加熱する時間(調理時間)を短縮できる。特に、支持体(5)の発熱琺瑯層(HR)は、食材等の加熱、加熱調理に適した180〜200℃まで急激に発熱し、食材等を加熱できる。
支持体(5)の表面は、無機ガラス質の発熱琺瑯層(HG)で被覆されているので、基材(11)の腐蝕、錆等を防止でき、発熱琺瑯層(HG)に付着した汚れも容易に除去できる。
電磁誘導加熱装置(X)において、加熱空間(3)を区画する各基材(8A)〜(8E)の表面に発熱琺瑯層(HR)を形成する構成を採用できる(図11参照)。
これにより、各基材(8A)〜(8E)は、加熱空間(8)内に照射されるマイクロ波を吸収して急激に発熱する。支持体(5)に支持される被加熱体(Z)は、基材(8A)〜(8E)の発熱琺瑯層(HR)から加熱空間(3)を通して伝搬される熱によって急激に加熱される。
支持体(5)の基材(11)の表面に発熱琺瑯層(HR)を形成し、更に各基材(8A)〜(8E)の表面に発熱琺瑯層(HR)を形成すると、加熱空間(3)内での発熱琺瑯層(HR)の面積を最大にでき、更に被加熱体(Z)の加熱時間(調理時間)の短縮を図れる。
電磁誘導加熱装置(X)において、図13に示すように、支持体(5)の基材(11)、各基材(8A)〜(8E)は、発熱琺瑯層(HR)を被覆するガラス質の保護琺瑯層(GR)を有する構成を採用できる。保護琺瑯層(GH)は、上記基礎釉薬を各基材(11)、(8A)〜(8E)の発熱琺瑯層(HR)に施釉し、焼成して形成する。
これにより、発熱琺瑯層(HR)は、ガラス質の保護琺瑯層(GH)で被覆され、フェライト粉末は無機ガラス中に閉じ込められ、各琺瑯層(HG)、(GH)から露出することが防止され、マイクロ波を吸収して発熱するフェライト粉末の発火を抑制できる。
電磁誘導加熱装置(X)において、支持体(5)は、ターンテーブルに限定されず、回転されず、加熱空間(3)に設置される受皿、ターンテーブル上に設置される受皿であって良く、各受皿の表面に発熱琺瑯層(HR)を形成し、必要に応じて、発熱琺瑯層(HR)を保護琺瑯層(GR)で被覆する構成も採用できる。
<発熱琺瑯製品>
図14において、発熱琺瑯製品(Y)は、調理用鍋を例示している。発熱琺瑯製品(Y:以下「調理用鍋(Y)」と称する)は、鍋本体(51)及び鍋蓋(52)を備え、鍋本体(51)及び鍋蓋(52)は、製品形状に形成される基材(53)で構成される。鍋本体(51)及び鍋蓋(52)は、基材(53)の表面に発熱琺瑯層(HR)を形成してなる。
発熱琺瑯層(HR)は、図14に示すように、無機ガラスを主成分として、マイクロ波を吸収して発熱するフェライト粉末を含有し、無機ガラス中にフェライト粉末を分散・含有している。基材(53)は、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板又はセラミックス(陶磁)等で形成される。
発熱琺瑯層(HR)は、発熱琺瑯釉薬を鍋本体(51)及び鍋蓋(52)の基材(53)の表面に施釉(塗布)し、焼成して鍋本体(51)及び鍋蓋(52)の基材(53)表面に形成される。
発熱琺瑯釉薬は、基礎釉薬に1種類のフェライト粉末を添加・撹拌して作成される。基礎釉薬は、例えば、無機ガラス、粘土、電解質物質、顔料及び水で組成され、無機ガラス、粘土、電解質物質、顔料を水に混入して撹拌する(上記発熱特性試験1の基礎釉薬参照)。
フェライト粉末は、磁性酸化鉄及び複数種の酸化金属を含んで構成され、第一のフェライト粉末Aは、三酸化第二鉄、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化ストロンチウム及び酸化クロムで組成される。第一のフェライト粉末Aの配合比率(mass%)は、例えば、上記発熱特性試験1の実施例Aを同一配合比率にする。
第二のフェライト粉末Bは、三酸化第二鉄、酸化亜鉛及び酸化マンガンで組成される。第二のフェライト粉末Bの配合比率(mol%)は、例えば、上記発熱特性試験1の実施例Bと同一配合比率にする。
第三のフェライト粉末Cは、三酸化第二鉄、酸化亜鉛、酸化ニッケル及び酸化銅で組成される。第三のフェライト粉末Cの配合比率(mol%)は、例えば、上記発熱特性試験1の実施例Cと同一配合比率にする。
図14において、食材等の被加熱体(Z)を調理用鍋(Y)の鍋本体(51)内に収納し、鍋本体(51)を鍋蓋(52)で閉塞する。
図10乃至図12の電子レンジ(X)において、操作者は、加熱空間(3)の開口(3A)から調理用鍋(Y)を加熱空間(3)内に収納し、支持体(5)上に載置する。
操作者は、開閉扉で加熱空間(3)の開口(3A)を閉じ、マイクロ波照射時間(加熱時間:例えば、3分間)を設定して、スタートボタン(7)を操作する。電子レンジ(X)は、スタートボンタン(7)の操作を受けると、マイクロ波発振装置(2)を作動し、駆動モータを駆動させる。
マイクロ波発振装置(2)は、マイクロ波を発振させる。マイクロ波は、マイクロ波伝送路(9)を通して上基材(8C)の開口から加熱空間(3)に照射される。加熱空間(3)内に照射されるマイクロ波は、直接、又は各基材(8A)〜(8E)で反射されて、調理用鍋(Y)に照射される。調理用鍋(Y)の発熱琺瑯層(HR)において、フェライト粉末は、マイクロ波を吸収して急激に発熱する。調理用鍋(Y)内に収納されている被加熱体(Z)は、鍋本体(51)の発熱琺瑯層(HR)から直接的に伝達される熱、及び鍋蓋(52)の発熱琺瑯層(HR)から伝搬される熱によって急激に加熱される。
発熱琺瑯製品(Y)は、基材(53)の表面に発熱琺瑯層(HR)を形成し、発熱琺瑯層(HR)にフェライト粉末を含有するので、フェライト粉末はマイクロ波(電磁波)を吸収して急激に発熱する(上記発熱特性試験1〜7参照)。
これにより、被加熱体(Z)を急激に加熱することができ、被加熱体を加熱する時間を短縮できる。特に、調理用鍋(Y)の発熱琺瑯層(HR)は、食材等の加熱、加熱調理に適した180〜200℃まで急激に発熱し、食材等を加熱できる。
発熱琺瑯製品(Y)は、調理用鍋に限定されず、例えば、食材等の皿、コップ等で被加熱体を電磁波で加熱する各種容器、又は電磁加熱誘導装置(X)を構成する各基材(8A)〜(8E)、(11)等も含まれる。
発熱琺瑯製品(Y)において、発熱琺瑯層の破損等を防止するため、図16に示すように、発熱琺瑯製品(Y)をシリコン等の耐熱樹脂で被覆して、発熱琺瑯製品(Y)に電磁波を照射する構成も採用できる。
発熱琺瑯製品(Y)の発熱琺瑯層(HR)をガラス質の保護琺瑯層(GR)で被覆して、発熱琺瑯層(HR)を保護する構成も採用できる。
本発明は、電磁波を吸収して発熱する発熱体に好適である。
8A〜8E 基材
11 基材
55 基材
X 電磁誘導加熱装置
Y 発熱琺瑯製品
Z 被加熱体
HR 発熱琺瑯層
GR 保護琺瑯層

Claims (5)

  1. 無機ガラスを主成分として、フェライト粉末を含有し、前記フェライト粉末を電磁波の吸収で発熱する酸化鉄及び非磁性酸化金属を含んで組成してなり、
    基材の表面に対して、前記無機ガラス中に前記フェライト粉末が分散する発熱琺瑯層を形成する、
    発熱琺瑯釉薬。
  2. 電磁波を発振する電磁波発振手段と、
    被加熱体を収納して、前記電磁波の照射で前記被加熱体を加熱する加熱空間と、
    基材で形成され、前記加熱空間内で前記被加熱体を支持する支持体を含んで構成される電磁誘導加熱装置であって、
    前記支持体の基材の表面に、前記電磁波の照射で発熱する発熱琺瑯層を形成し、
    前記発熱琺瑯層は、
    無機ガラスを主成分として、フェライト粉末を含有し、前記無機ガラス中に前記フェライト粉末を分散して形成され、
    前記フェライト粉末は、前記電磁波を吸収して発熱する酸化鉄及び非磁性酸化金属を含んで組成される、
    ことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  3. 前記加熱空間は、基材で区画され、
    前記基材の表面に、前記発熱琺瑯層を形成してなる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の電磁誘導加熱装置。
  4. 前記基材は、前記発熱琺瑯層を被覆するガラス質の保護琺瑯層を有してなる、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電磁誘導加熱装置。
  5. 製品形状に形成される基材を備え、前記基材の表面に、電磁波の照射で発熱する発熱琺瑯層を形成してなる発熱琺瑯製品であって、
    前記発熱琺瑯層は、
    無機ガラスを主成分として、フェライト粉末を含有し、前記無機ガラス中に前記フェライト粉末を分散させて形成され、
    前記フェライト粉末は、前記電磁波を吸収して発熱する酸化鉄及び非磁性酸化金属を含んで組成される、
    ことを特徴とする発熱琺瑯製品。
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