JP2012217876A - 超音波を用いた非接触クリーニング方法 - Google Patents

超音波を用いた非接触クリーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固体状のクリーニング対象物の表面に堆積・付着した微細なゴミを、クリーニング対象物を液中に浸すことなく、かつ非接触で除去することができる超音波を用いたクリーニング方法を提供する。
【解決手段】本発明の超音波を用いた非接触クリーニング方法は、固体状のクリーニング対象物の表面に付着した微細な塵埃等の固形微小物を除去するために、気相中で超音波を対抗する面から非接触でクリーニング対象物の表面に照射することで、固形微小物を振動させてはじき出し、もしくは剥離させた後に遊離させ、音圧の節にリフトアップさせて捕捉しもしくは跳ね飛ばして除去可能な状態とした後、除去することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波を固体表面に照射することにより、通常の吸気方式の掃除機では除去できない固体表面に堆積・付着した微細な塵埃等の微小物体をも除去するために、固体表面に超音波を照射して微小物体を振動させて固体表面からはじき出し、もしくは剥離させた後に遊離させ、捕捉もしくは除去可能な状態とした後、除去を行う超音波を用いた非接触クリーニング方法に関するものである。
従来より、微細化された電子部品に関しては、半導体工場におけるシリコンウェハ上の微細な塵埃、電子基板上における切り屑など、固体表面に堆積・付着した微小物体を除去することが必要とされている。
微細な塵埃を除去するためには、クリーニング対象物(以下、単に対象物とも称する)を液体中に浸して超音波を照射する方式の超音波洗浄器を用いることが一般的である。液体中では、超音波のキャビテーションにより発生する衝撃波により、微細な塵埃は対象物から剥離して洗浄液中を浮遊するため、洗浄液を洗い流すことで除去することが可能である。しかし、そのためには高価な純水等を洗浄液として多量に消費し、かつ洗浄後に対象物を乾燥させる等の複雑なプロセスを追加する必要があり、多大なコストの増加につながり、好ましくない。
そのため乾式で微細な塵埃を除去することが望まれる。また、液体中で超音波洗浄を行う場合でも、前処理として事前に乾式で可能な限り塵埃を除去しておくことは、洗浄液の量を節約するために有効である。
しかしながら、数十ミクロンの大きさの微小物体は、通常の吸気式の掃除機では除去できない。吸気式の掃除機は気体と共に塵埃を吸い込むため、対象物を気体の流れに乗せなければならない。空気を固体表面に吹き付けた場合、その流れは一定ではなく、固体表面の流速は固体から離れた箇所に比べて遅くなる。一般に、流体の流れは固体表面では流体の粘性抵抗により遅くなるため、高速な流体の流れを作り出しても、洗浄する対象物の近傍では流れは無くなり、固体表面の境界層以下の微小物体を除去することができない。
また、特許文献1では、気相中でパイプ管内に付着した汚れを、パイプの外壁に取り付けた音源から超音波を伝搬させてパイプを振動させ、内壁の汚れを除去することを提案している。しかし、これは直接パイプを外部から振動させる方式であり、薄いパイプ壁の背面に音源を取り付ける必要がある。
半導体や電子基板の製造過程では、微細な塵埃等のゴミが付着して製品不良の原因となるため、ゴミを除去する必要がある。100ミクロン以上の大きなゴミは空気を吹き付けて空気と共に吸気することで除去する(バキューム式掃除機)ことが可能であるが、それより小さい微細なゴミを除去することは難しい。特に電子基板のように両面に部品を装着するような場合には、背面から振動を与えることは制限される。
さらに、対象物によっては液中に浸すと、その材質や機能に影響を及ぼすものも少なからずある。
特開2004−24959号公報(特許第4505624号)
本発明は、以上のような従来技術の問題を解消し、クリーニング対象物である固体表面に堆積・付着した塵埃等の微細なゴミを、クリーニング対象物を液中に浸すことなく、かつ非接触で効果的に除去することができる超音波を用いたクリーニング方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明では以下の技術的手法を提案する。
第1には、固体状のクリーニング対象物の表面に堆積・付着した微細な塵埃等の固形微小物を除去するために、気相中で超音波を対抗する面から非接触でクリーニング対象物の表面に照射することで、固形微小物を振動させてはじき出し、もしくは剥離させた後に遊離させ、音圧の節にリフトアップさせて捕捉しもしくははね飛ばして除去可能な状態とした後、除去することを特徴とする超音波を用いた非接触クリーニング方法を提供する。
第2には、上記第1の発明において、クリーニング対象物表面に凹凸があり、入り組んだ形状であっても、超音波が回り込むことで固形微小物に力を作用させ、また周囲の空気に流れを発生させることで、固形微小物を振動させてはじき出し、もしくは剥離させた後に遊離させて除去することを特徴とする超音波を用いた非接触クリーニング方法を提供する。
第3には、上記第1又は第2の発明において、クリーニング対象物の表面上に除去対象とする固形微小物より大きく超音波の半波長以下のサイズの物体を配置することを特徴とする超音波を用いた非接触クリーニング方法を提供する。
第4には、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、音源面の形状を平板円形とすることを特徴とする超音波を用いた非接触クリーニング方法を提供する。
第5には、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、音源面の形状を球の内側の一部の形状とし、その焦点位置をクリーニング対象物表面と一致させることにより、音源面から放射された超音波をクリーニング対象物表面上の焦点に集束させ、超音波を1点に集中照射させることを特徴とする超音波を用いた非接触クリーニング方法を提供する。
第6には、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、音源面の形状を円筒の内側の一部の形状とし、その線状に延びる焦点位置をクリーニング対象物表面と一致させることにより、音源面から放射された超音波をクリーニング対象物表面上に直線状に集束させることを特徴とする超音波を用いた非接触クリーニング方法を提供する。
第7には、上記第1ないし第63のいずれかの発明において、超音波の発生音源とクリーニング対象物の位置を相対的に変化させて二次元的にスキャンすることで、クリーニング対象物の表面を二次元的にクリーニングすることを特徴とする超音波を用いた非接触クリーニング方法を提供する。
第8には、上記第1ないし第7のいずれかの発明において、超音波の周波数を10kHz〜100kHzの周波数とすることを特徴とする超音波を用いた非接触クリーニング方法を提供する。
第9には、上記第1ないし第8のいずれかの発明において、超音波音源から対象物までの距離を、定在波音場が形成される条件を満たし、かつ、超音波の最終極大位置より以遠とすることを特徴とする超音波を用いた非接触クリーニング方法を提供する。
第10には、上記第3ないし第9のいずれかの発明において、超音波音源と対象物との間に挿入する物体のサイズが0.5mm〜15mmであることを特徴とする超音波を用いた非接触クリーニング方法を提供する。
本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)超音波を離れたところからクリーニング対象物に照射することで、比較的大きなゴミのみならず、塵埃等の固形微小物をはじき出し、もしくは剥離させた後に遊離させ、音圧の節に捕捉しもしくは除去可能な状態とした後、除去することが可能となる。
(2)音場中に固形微小物とはスケールの異なる物体を投入することで音場を変化させて、強固に付着する塵埃等の固定微小物を剥離することが可能となる。
(3)クリーニング面側から超音波を照射するためクリーニング対象物の背面の状況に関わらず適応可能である。
(4)非接触で気体媒質を介して離れた位置から超音波を照射するため、電子基板等における塵埃除去の際には、基板上に配線されている銅箔や配置済みの部品等に影響を与えることなく、微細な塵埃のみを除去することが可能である。
(5)超音波の伝搬方向の鉛直面に関しては、振動子面積相当の比較的広い領域に力の作用範囲を分布させることができる。
超音波照射による塵埃等の微小物体の除去操作の概念図であり、(a)は超音波の進行波により塵埃を直接はじき飛ばす様子を示し、(b)は超音波の進行波で固体状のクリーニング対象物の表面を振動させて塵埃をはじき出す様子を示し、(c)は超音波の定在波の音圧の節にはじき出した塵埃を捕捉して除去する様子を示す。(d)は、超音波の定在波の音圧の節に塵埃等の固形微小物とはスケールの異なる物体が投入されることで音場が乱れ、激しく変化する音波が塵埃等に照射され塵埃を除去する様子を示す。 音源と反射板の間に生成される定在波音場中の音圧分布を示す図であり、逆位相の音波が干渉してキャンセルし合い音圧0となる音圧の節と、同位相の音圧が干渉することで音波の周期で音圧が激しく変動する音圧の腹が4分の1波長間隔で発生することを示す。 2次元面をクリーニングするために、音源を2次元スキャンする様子を示す図であり、(a)は概念図、(b)は2次元スキャンすることで2次元平面をクリーニングできることを示す。 実施例1で用いた装置と粒子の挙動を示す写真である。 強力な音場を生成するために、凹面型音源を用いて対象物上の焦点に音波を集束させることを示す図であり、(a)は概念図、(b)は二次元スキャンすることで二次元平面をクリーニングする様子を示す図である。 強力な音場を生成するために、線集束型音源を用いて対象物上の焦線に音波を集束させることを示す図であり、(a)は概念図、(b)は焦線を移動させることで二次元平面をクリーニングする様子を示す。
次に、本発明について図面を用いて更に詳細に説明する。
本発明による超音波を用いた非接触クリーニング方法は、気相中で超音波音源1により発生した超音波2を、固体状のクリーニング対象物3の固体表面3Aに垂直に照射させて、固体表面3Aで超音波2を反射させて定在波音場を生成させる。超音波2は気相中を伝搬して固体表面3Aに到達するため、固体表面3Aに堆積・付着した微細な塵埃4をも直接振動させ、はじき飛ばすことが可能である(図1(a))。照射する超音波2の周波数は、良好なはじき出し・剥離効果を得る観点から10kHz〜100kHzであることが好ましい。
さらに、固体表面3Aで反射する際には、超音波2は固体表面3Aを押し振動させる(図1(b))。これは固体表面3Aに付着している微小物体4をはじき出し、もしくは剥離させた後に遊離させる効果を奏する。また、固体表面3Aで超音波2が反射して、音源1からの進行波と固体表面3Aからの反射波が干渉することで、定在波音場が発生する。
定在波音場中では、固体表面3Aは音圧の腹となり激しく音圧が変動するため、微小物体4には斥力が働き、固体表面3Aからはじき出し、もしくは剥離させた後に遊離させする力が作用する。そして、反射面である固体表面3Aから4分の1波長離れた位置に音圧の節ができるため、この音場中に存在する微小物体4には、音圧の腹から節に向かう力が作用する。そのため、固体表面3Aから剥離された微小物体4は、音圧の節に捕捉される(図1(c))。なお、超音波2を対象物3に照射すると瞬時に反射波が発生して定在波音場が生成される。説明のために図1(a)と図1(b)、図1(c)を分けて示したが、実際には、瞬時に図1(c)の状態となる。
また、固体表面3Aの上に超音波の波長の数分の一程度の物体5を載置しておき、定在波音場中の音圧の節に、この物体5を捕捉した場合、その物体5で音波は反射、吸収、回折されることにより音場が変化し、そのために物体5が捕捉される位置が変化してさらに音場が変化して、物体5は連続して動き続け、音場は激しく変化することとなる(図1(d))。
このように、固体表面(以下、反射面とも称す)3Aの位置は音圧の腹となるため微小物体4を激しく振動させ、浮き上がらせた物体を4分の1波長離れた位置に捕捉したり、はじき飛ばしたりすることが可能となる。超音波2による激しい振動で固体表面3Aから浮き上がらせた微小物体4は、吸気式の掃除機で除去するようにしてもよい。
また、超音波2は気相中を伝搬する過程において減衰する。そのエネルギは、気相を超音波2の伝搬方向に押す力として作用するため、気相中には音響流と呼ばれる流れが発生する。一般に、ポンプ等により加圧されてノズルから放出される流体の流れは、ノズル先端において最大速度であり、伝搬距離と共に速度は減少する。しかし、音響流による流れは、超音波2の作用範囲内で常に超音波2のエネルギが気体を押す力に変換されるため、距離と共に流速が早くなる加速流であるという特徴を持っている。
さて、平滑な面であれば、布などの柔らかい繊維状の物で拭くことで、固体表面3Aに体積・付着した塵埃を除去することが可能であるが、凹凸面ではこの方法は使えない。しかし、このように対象面に凹凸があり入り組んだ形状の場合でも、超音波が回り込んで到達できれば、凹面のくぼみに付着した微小物体4に力を作用させ、また先の閉ざされた空洞内に空気の圧力変動すなわち流れを引き起こすことが可能である。
音源1と反射面3Aの間に生成される一次元上の音圧分布を、図2に示す。反射面3Aの超音波2が反射する位置が音圧の腹となり、そこを基点として4分の1波長間隔で音圧の節と腹が交互に存在する。音圧の節は進行波と反射波が常に同じ大きさで、かつ逆位相で重畳する箇所であり、音圧が打ち消し合って0となる箇所である。逆に音圧の腹とは、常に同位相の進行波と反射波が重畳して、音波の周期で音圧が激しく変動する箇所である。すなわち、音圧の腹では、音波の周期で加圧と減圧を繰り返すことになる。音源1と反射面3Aの間隔が4分の1波長の奇数倍となる場合、複数回の反射波の位相が合致して音場は共鳴するため強力な音圧を得られるが、主として作用するのは音源1からの進行波と最初の反射波であるため、音源1と反射面3Aの間隔を厳密に制御する必要はない。
超音波2の照射面で本発明のクリーニング効果を期待できるが、音源1と反射面3Aが近接する場合、音波が作用するのは音源面相当の範囲である。必要なクリーニング範囲の大きさの音源面を持つ音源1を用意すればよいが困難である。現実には、小型の音源1を用いて大面積の範囲をクリーニングできることが望まれる。音源1と反射面3Aの相対位置を二次元的にスキャンすることで、二次元に広がる平面上をクリーニングすることが可能である(図3)。
超音波音源1の近傍では近距離音場のため、音圧の変化が激しい。そこで、位置による変化が緩やかな箇所とすることが必要である。音源1の形状が平面円形の場合、次式で表される超音波2の最終極大位置xより以遠に反射面3Aの位置に一致させることが有効である。また、この場合、定在波音場を形成できるようにする必要がある。
ここで、aは音源1の半径、λは超音波2の波長である。
また、固体表面3Aに強力に付着している塵埃等の微小物体4を固体表面3Aから剥離させるには、連続して同一の力を加えるのではなく、加える力を変化させることが有効である。しかし、超音波2の照射を断続的に行うことでも有効ではあるが、間欠駆動は音源1にダメージを与える。そこで、本発明では、音場中に、図1(d)で示すような超音波2の波長の数分の一程度の軽量な物体5を複数個投入する。超音波2を照射すると、その物体5は定在波音場中の音圧の節に捕捉される。そして、音圧の節に物体5が捕捉されたことで音場が変化し、物体5の捕捉位置が変化する。そして、物体5が移動したことでさらに音場が変化して物体5は移動する。この現象が繰り返し起こり、複数個の物体5が不安定に回転するなどの挙動を示す。そして、そのために音場は連続して変化し、付着している塵埃等の微小物体4に作用する音響放射力の強度、方向等が変化することで、より効率的に微小物体4をはじき出したり、剥離させた後に遊離させる力が作用する。投入する物体のサイズは微小物体4のサイズより大きく、超音波2の半波長以下のサイズであることが好ましく、たとえば50μm〜15mmの範囲のものが上記はじき出し・剥離作用のより効果的な向上のために好ましい。
ここで、別の実施形態を述べる。
超音波の音響放射圧が物体(除去対象)に作用する力は、物体の大きさにより異なり、小さな物体ほど作用する力は弱くなる。そこで、小さな物体をクリーニング対象物3からはじき出し、あるいは剥離させた後に遊離するためには、より強力な超音波を用いる必要がある。超音波は、音波を1点に集束させることで強力な音場を生成して物体に強い力を作用させることができる。そこで、超音波音源として、図5(a)に示すように、音源面を球の内面の一部とする円形凹面型音源6を用いると、その球の中心位置である焦点に向けて集束する超音波を照射することが可能となる。そして、クリーニングを行う対象物3の表面に円形凹面型音源6の焦点位置を一致させることで強力な定在波音場をクリーニングすべき面に生成することができ、強力なクリーニング効果を得ることができる。
凹面型音源6を用いれば、焦点面にて強力なクリーニング効果を期待できるが、そのクリーニング範囲はピンポイントの狭い領域である。そこで、音源と対象面の相対位置を二次元的にスキャンすることで、二次元に広がる平面をクリーニングすることができる(図5(b))。
ところで、対象平面をクリーニングするために、二次元的にスキャンすることは、かなりの時間と二軸の駆動装置を必要とする。これをより簡素化し、かつ強力な超音波音場を得るためには、図6(a)に示すように、音源面を円筒の内面の一部とする線集束型音源7を用いることが有効である。この線集束型音源7は、その円筒の中心軸である焦線に向けて集束するように超音波を照射することができる。クリーニングする面に線集束型音源の焦線位置を一致させることで、強力な定在波音場をクリーニング面に生成することができ、強力なクリーニング効果を得ることができる。そして、図6(b)に示すように、クリーニングする対象面上で焦線の位置をこの焦線の方向と直角な方向に移動させると、二次元面を効率的にクリーニングすることが可能となる。
次に、検証例について述べる。
本例では、平板上に複数の微小物体を置き、上方から超音波を照射して生成される定在波音場中で粒子に力が作用して移動し、平板から4分の1波長離れた位置にある音圧の節に捕捉することを試みた。
本例で用いた実験装置を図4(a)に示す。平板上に複数個の直径2mmの発泡スチロール球を置き、その上方40mmの位置に音源を下向きに配置した。音源は、直径25mmの平板円形音源、28kHz、振動振幅15μmのランジェバン型振動子である。空気中の音速を340m/sとすると、波長は約12mmであり、音源から最終極大位置までの距離は9.8mmである。
超音波を照射したところ、一部の発泡スチロール球は浮き上がり、4分の1波長(3mm)上方の音圧の節に捕捉された。また、他の粒子は音場からはじき飛ばされた。図4(b)に、その結果の写真を示す。音源直下の粒子は浮いており、周辺部には、板の上に載っている粒子が確認される。さらに、数mm角の紙片、数mm角のビニール片、数mm角のアルミ箔片、1mm以下のアルミ箔を丸めた物等で実験を行ったところ、いずれの微小物体でも同様の現象が見られた。また、激しく回転するなどの動きを示した後、音場から飛び出すなどの挙動が見られるものもあった。いずれにしても、超音波照射を行った部位の異物は除去された。
次に、上記例で用いた装置にて、平板の上に直径10μmのアルミナ粒子を散布するとともに、直径2mmの発泡スチロール球を約10個程度配置した。超音波を照射すると、発泡スチロール球は上記例と同様に平板から3mm離れた音圧の節に捕捉されて回転を始めた。そして、アルミナ粒子も、煙のように巻き上げられたり、平板の上で円を描いて回転するなどの挙動が見られた。
また、上記において、発泡スチロール球の代わりに直径50μmの中空のガラスビーズ(見かけの比重0.45)を約0.01g配置し、同様の実験を行ったところ、同様にガラスビーズが平板上で動き、かつ音圧の節に捕捉するなどの挙動が、アルミナ粒子のみの場合よりも激しく動く様子が見られた。この状態で空気を吹き付けることにより、その流れに乗せて超音波照射面からはじき出されたり、遊離したの異物を除去することが可能となる。
1 超音波音源
2 超音波
3 クリーニング対象物
3A 固体表面(反射面)
4 微小物体
5 物体
6 凹面型音源
7 線集束型音源

Claims (10)

  1. 固体状のクリーニング対象物の表面に堆積・付着した微細な塵埃等の固形微小物を除去するために、気相中で超音波を対抗する面から非接触でクリーニング対象物の表面に照射することで、固形微小物を振動させてはじき出し、もしくは剥離させた後に遊離させ、音圧の節にリフトアップさせて捕捉しもしくは跳ね飛ばして除去可能な状態とした後、除去することを特徴とする超音波を用いた非接触クリーニング方法。
  2. クリーニング対象物表面に凹凸があり、入り組んだ形状であっても、超音波が回り込むことで固形微小物に力を作用させ、また周囲の空気に流れを発生させることで、固形微小物を振動させてはじき出し、もしくは剥離させた後に遊離させて除去することを特徴とする請求項1に記載の超音波を用いた非接触クリーニング方法。
  3. クリーニング対象物の表面上に除去対象とする固形微小物より大きく超音波の半波長以下のサイズの物体を配置することを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波を用いた非接触クリーニング方法。
  4. 音源面の形状を平板円形とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の超音波を用いた非接触クリーニング方法。
  5. 音源面の形状を球の内側の一部の形状とし、その焦点位置をクリーニング対象物表面と一致させることにより、音源面から放射された超音波をクリーニング対象物表面上の焦点に集束させ、超音波を1点に集中照射させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の超音波を用いた非接触クリーニング方法。
  6. 音源面の形状を円筒の内側の一部の形状とし、その線状に延びる焦点位置をクリーニング対象物表面と一致させることにより、音源面から放射された超音波をクリーニング対象物表面上に直線状に集束させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の超音波を用いた非接触クリーニング方法。
  7. 超音波の発生音源とクリーニング対象物の位置を相対的に変化させて二次元的にスキャンすることで、クリーニング対象物の表面を二次元的にクリーニングすることを特徴とする請求項1ないし6に記載の超音波を用いた非接触クリーニング方法。
  8. 超音波の周波数を10kHz〜100kHzの周波数とすることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の超音波を用いた非接触クリーニング方法。
  9. 超音波音源から対象物までの距離を、定在波音場が形成される条件を満たし、かつ、超音波の最終極大位置より以遠とすることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の超音波を用いた非接触クリーニング方法。
  10. 超音波音源と対象物との間に挿入する粒子のサイズが50μm〜15mmであることを特徴とする請求項3ないし9のいずれか一項に記載の超音波を用いた非接触クリーニング方法。
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