JP2012216323A - 作業車両のバッテリユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストを抑制でき、冷却性能に優れた作業車両のバッテリユニットを提供すること。
【解決手段】作業車両のバッテリユニット1は、複数のバッテリ3と、バッテリ3を端子を上側にして収容する有底箱状の複数のバッテリケース2と、各バッテリケース2上に設けられて各バッテリケース2の対向する側壁部23間を掛渡す複数の掛渡しプレート4〜6とを備え、各バッテリケース2は、全て同一形状であり、かつ掛渡しプレート4〜6上に載置されて上下方向に積層されている
【選択図】図2
【解決手段】作業車両のバッテリユニット1は、複数のバッテリ3と、バッテリ3を端子を上側にして収容する有底箱状の複数のバッテリケース2と、各バッテリケース2上に設けられて各バッテリケース2の対向する側壁部23間を掛渡す複数の掛渡しプレート4〜6とを備え、各バッテリケース2は、全て同一形状であり、かつ掛渡しプレート4〜6上に載置されて上下方向に積層されている
【選択図】図2
Description
本発明は、作業車両のバッテリユニットに関する。
従来、バッテリを駆動源としたバッテリフォークリフトが知られている(例えば、特許文献1)。一般的に、このようなフォークリフトでは、複数のバッテリからなるバッテリユニットを搭載しており、このバッテリユニットからの電気エネルギを電動モータに供給して車輪等の駆動部分を駆動している。
特許文献1に記載のフォークリフトでは、複数のブラケット上にバッテリを配置し、これらブラケットをケース本体内に積層して収容することにより、バッテリユニットを構成している。
しかしながら、特許文献1に記載のバッテリユニットでは、バッテリを配置する各ブラケットの形状が異なっている上、これらブラケットをケース本体内に収容しなければならない。このため、バッテリユニットの製造コストが高くなる傾向にあった。
また、バッテリユニット全体がケース本体とケース本体上の電源コントローラとで覆われているため、バッテリユニットの冷却が十分に行われないおそれがあった。
また、バッテリユニット全体がケース本体とケース本体上の電源コントローラとで覆われているため、バッテリユニットの冷却が十分に行われないおそれがあった。
本発明の目的は、製造コストを抑制でき、冷却性能に優れた作業車両のバッテリユニットを提供することにある。
本発明のバッテリユニットは、作業車両のバッテリユニットであって、複数のバッテリと、前記バッテリを端子を上側にして収容する有底箱状の複数のバッテリケースと、各バッテリケース上に設けられて前記各バッテリケースの対向する側壁部間を掛渡す複数の掛渡しプレートとを備え、前記各バッテリケースは、全て同一形状であり、かつ前記掛渡しプレート上に載置されて上下方向に積層されていることを特徴とする。
本発明のバッテリユニットにおいて、前記複数のバッテリケースのうちの互いに近接する上下のバッテリケース同士は、同一形状の連結プレートにより連結されていることが望ましい。
本発明のバッテリユニットにおいて、前記各バッテリケースの底面部には、直下のバッテリの前記端子に対応する位置に前記端子との接触を防止する接触防止孔が形成されていることが望ましい。
本発明の作業車両のバッテリユニットによれば、バッテリを収容する各バッテリケースは全て同一形状であるため、バッテリケースの形状を1つに絞ることができる。また、バッテリユニットは、バッテリケースの側壁部間を掛渡す掛渡しプレートを備えているため、強度を確保しつつ、バッテリケースの構造に簡素化することができる。従って、バッテリケースの製造コストを低減でき、バッテリユニット全体での製造コストを抑制できる。
また、各バッテリケースは、掛渡しプレート上に載置されて上下方向に積層されているため、各バッテリケース間に掛渡しプレートの厚さ寸法分の隙間が確保される。従って、バッテリ上方の隙間が大きくなってバッテリの冷却が促進され、冷却性能を向上させることができる。
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また、各バッテリケースは、掛渡しプレート上に載置されて上下方向に積層されているため、各バッテリケース間に掛渡しプレートの厚さ寸法分の隙間が確保される。従って、バッテリ上方の隙間が大きくなってバッテリの冷却が促進され、冷却性能を向上させることができる。
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本発明のバッテリユニットにおいて、複数のバッテリケースのうちの互いに近接する上下のバッテリケース同士が、同一形状の連結プレートにより連結されている場合、近接する上下のバッテリケース同士を連結プレートで連結して固定するだけで、バッテリケースの積層数を増やすことができる。反対に、近接する上下のバッテリケースを連結している連結プレートを取り外すだけで、バッテリケースの積層数を減らすことができる。従って、バッテリケースの積層数の増減を容易に行うことができ、バッテリユニットの製造コストを抑制できる。
本発明のバッテリユニットにおいて、各バッテリケースの底面部には、直下のバッテリの端子に対応する位置に前記端子との接触を防止するための接触防止孔が形成されている場合、端子から底面部までの距離が確保されて、端子との接触が防止される。従って、バッテリケースとバッテリの端子との接触を気にすることなく、バッテリケースを積層することができるので、バッテリユニットの製造時間を短縮でき、バッテリユニットの製造コスト一層抑制できる。
〔フォークリフトの概略構成〕
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る作業車両としてのフォークリフト100全体を示す側面図である。フォークリフト100は、車体110の前後にそれぞれ左右の前輪111および後輪112を備えた4輪型であり、バッテリユニット1からの電気エネルギで駆動されるバッテリフォークリフトである。ただし、本発明のフォークリフトとしては、後輪112が1つだけの3輪型であってもよい。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る作業車両としてのフォークリフト100全体を示す側面図である。フォークリフト100は、車体110の前後にそれぞれ左右の前輪111および後輪112を備えた4輪型であり、バッテリユニット1からの電気エネルギで駆動されるバッテリフォークリフトである。ただし、本発明のフォークリフトとしては、後輪112が1つだけの3輪型であってもよい。
車体110の前側には、荷役用の作業機120が設けられている。作業機120は、鉛直に立設されたマスト121と、マスト121に沿って昇降するフォーク爪122と、フォーク爪122を昇降駆動するリフトシリンダ123と、車体110に対して作業機120全体を所定角度範囲で前後に傾斜させるチルトシリンダ124とを備えている。このうちのリフトシリンダ123およびチルトシリンダ124は、図示しない油圧ポンプから供給される圧油によって駆動される。
車体110には、オペレータが着座するための運転席130が設けられている。運転席130の上方は、車体110上に取り付けられたヘッドガード140で覆われている。運転席130は下方のフードパネル150に一体に設けられている。フードパネル150は上下に開閉自在に設けられ、フードパネル150の下方には、バッテリユニット1が収容されている。
車体110の後側には、カウンターウェイト160が設けられている。カウンターウェイト160内の空間には、キャパシタ170等が収容されている。キャパシタ170は、バッテリユニット1と共に、フォークリフト100の電源として機能する。また、キャパシタ170は重量が比較的大きいため、カウンターウェイト160内に収容することで、カウンターウェイト160の一部としての役割を有する。
〔バッテリユニットの構成〕
以下には、バッテリユニット1について詳説する。
図2および図3に示すように、バッテリユニット1は、上下方向に積層された同一形状の複数のバッテリケース2と、バッテリケース2に収容されたバッテリ3と、バッテリケース2に取り付けられる掛渡しプレートとしての第1掛渡しプレート4、第2掛渡しプレート5、および第3掛渡しプレート6と、バッテリケース2同士を連結して固定する連結プレート7と、バッテリケース2単体またはバッテリユニット1全体を吊り上げる際に用いられる吊上用部材8と、バッテリケース2上に取り付けられる電源コントローラ9と、バッテリケース2に取り付けられてバッテリユニット1の位置ずれを防止する位置ずれ防止部としての位置ずれ防止ブラケット10とを備えている。
以下には、バッテリユニット1について詳説する。
図2および図3に示すように、バッテリユニット1は、上下方向に積層された同一形状の複数のバッテリケース2と、バッテリケース2に収容されたバッテリ3と、バッテリケース2に取り付けられる掛渡しプレートとしての第1掛渡しプレート4、第2掛渡しプレート5、および第3掛渡しプレート6と、バッテリケース2同士を連結して固定する連結プレート7と、バッテリケース2単体またはバッテリユニット1全体を吊り上げる際に用いられる吊上用部材8と、バッテリケース2上に取り付けられる電源コントローラ9と、バッテリケース2に取り付けられてバッテリユニット1の位置ずれを防止する位置ずれ防止部としての位置ずれ防止ブラケット10とを備えている。
このようなバッテリユニット1は、従来のバッテリフォークリフトの図示しないバッテリ収容室に収容される形状および大きさを有している。従って、車体110(図1参照)としては、従来からの車体をそのまま流用することが可能である。
図4に示すように、バッテリケース2は、有底箱状に形成されており、底面部21と、底面部21を挟んで対向する一対の第1側壁部22と、第1側壁部22と共に四周を囲う一対の側壁部としての第2側壁部23とを備えている。
底面部21には、図5にも示すように、直下のバッテリケース2に収容されたバッテリ3の端子31に対応する位置に、接触防止孔211,212が形成されている。接触防止孔211,212の内径寸法は、端子31から底面部21までの距離に応じて決定され、端子31から底面部21までの距離が近付くにつれて大きくなる。この接触防止孔211,212により、端子31から底面部21までの距離が所定値以上確保されて、端子31と底面部21との接触が防止される。
第1側壁部22の上部には、図示しないバッテリケーブルを挿通するために切り欠かかれたケーブル挿通部221と、直上のバッテリケース2と連結するための上側連結部222とが設けられている。上側連結部222は、第1側壁部22から面外方向に延出して形成され、上側連結部222の上面部223には、ねじ孔224が上下方向に刻設または適宜なナット部材等により設けられている。
一方、第1側壁部22の下部には、直下のバッテリケース2と連結するための下側連結部225が設けられている。下側連結部225は、第1側壁部22と平行に設けられて第1側壁部22に支持されており、この下側連結部225にも、ねじ孔226が刻設または適宜なナット部材等により設けられている。
第2側壁部23には、掛渡しプレート4〜6取り付け用のねじ孔231と、このねじ孔231に螺合してバッテリケース2から突出した状態のボルト24(図2および図3参照)を保護するボルト保護部232とが設けられている。なお、ボルト保護部232は、後述する位置ずれ防止ブラケット10と同様の位置ずれ防止部としても機能し、図示しないバッテリ収容室の内壁に当接してバッテリユニット1の移動を規制する。
図5に示すように、このようなバッテリケース2には、合計8個のバッテリ3が収容される。ただし、バッテリケース2に収容するバッテリ3の数は任意であり、フォークリフト100全体のシステムに要求される出力電圧や、バッテリ3単体の出力電圧等を勘案して決められてよい。
バッテリ3は、端子31を上側にしてバッテリケース2に収容される。ここで、本実施形態のバッテリ3は、補水が不要な制御弁式鉛蓄電池であり、1つのバッテリ3は12Vの出力電圧を有するとともに、短時間での急速充電に対応可能である。バッテリ3の上下寸法は、バッテリケース2の上下寸法と同程度である。
図6(A)に示すように、各掛渡しプレート4〜6は、それぞれ異なった形状を有しており、機能に応じて使い分けられる。
第1掛渡しプレート4は、中央部分で幅方向の寸法が絞られた板状の本体部41と、本体部41の両端に設けられた折曲部42と、折曲部42の両側に設けられた係止部43とを備えている。
第1掛渡しプレート4は、中央部分で幅方向の寸法が絞られた板状の本体部41と、本体部41の両端に設けられた折曲部42と、折曲部42の両側に設けられた係止部43とを備えている。
図6(B)に示すように、第2掛渡しプレート5は、第1掛渡しプレート4に凸状部54を加えた構成となっている。すなわち、第2掛渡しプレート5は、本体部51、折曲部52、係止部53、および凸状部54を備えている。凸状部54は、本体部51から折曲部52の折曲方向とは反対の方向に突出して形成されている。
図6(C)に示すように、第3掛渡しプレート6は、本体部61、折曲部62、係止部63、凸状部64、および遮熱板65を備え、第2掛渡しプレート5に遮熱板65を加えた構成となっている。遮熱板65は、切り欠き形状の被挿入部651と貫通孔状に形成された被挿入部652とを有しており、これら被挿入部651,652に凸状部64が挿入された状態で本体部61に取り付けられている。また、遮熱板65には、バッテリ3の端子31に対応する位置が切り欠かれた接触防止部653が形成されている。接触防止部653の切り欠き量は、端子31から遮熱板65までの距離に応じて決定され、端子31から遮熱板65までの距離が近付くにつれて大きくなる。この接触防止部653により、端子31から遮熱板65までの距離が所定値以上確保されて、端子31と遮熱板65との接触が防止される。
このような掛渡しプレート4〜6は、図7および図8に示すように、バッテリ3を収容した状態のバッテリケース2上に着脱自在に取り付けられて、バッテリケース2の第2側壁部23間を掛渡す。具体的に、各掛渡しプレート4〜6は、係止部43,53,63がバッテリケース2の第2側壁部23の上部端縁233上に係止され、折曲部42,52,62が第2側壁部23にボルト24で固定される。このように、掛渡しプレート4〜6が、第2側壁部23間を掛渡してバッテリケース2に取り付けられているため、簡易な構造により、バッテリケース2の強度を確保することができる。
図2に戻り、連結プレート7は、板状部材が折曲されて側面視L字状に形成されている。この連結プレート7には、互いに直交してバッテリケース2に当接する2つの当接部71,72が設けられ、各当接部71,72には、ボルト25,26挿通用のボルト挿通孔が形成されている。ここで、一方の当接部71のボルト挿通孔は、他方の当接部72と垂直する方向の径寸法が大きい長孔状に形成されている。このような連結プレート7では、長孔状のボルト挿通孔を有する一方の当接部71が上側のバッテリケース2の下側連結部225と当接し、他方の当接部72が下側のバッテリケース2の上側連結部222と当接する。各当接部71,72は、それぞれボルト25,26によりバッテリケース2に固定され、近接する上下のバッテリケース2のみを連結して固定する。
吊上用部材8は、互いに直行する2つの平面部81,82を備え、側面視L字状に形成されている。一方の平面部81には、ボルト26挿通用のボルト挿通孔811(図8参照)が設けられると共に、ねじ孔812が刻設または適宜なナット部材等により設けられている。ねじ孔812には、アイボルト83が螺合される。
電源コントローラ9は、図示しない電源ラインを介して、前輪111駆動用の電動モータ、車体110に設けられた油圧ポンプ駆動用の電動モータ、およびキャパシタ170(いずれも図1参照)等に接続されており、バッテリユニット1からの電気エネルギを各電動モータに供給するとともに、バッテリユニット1の充放電を制御する。
また、電源コントローラ9は、電動モータが発電機として機能した場合には、電動モータで回生された電気エネルギをキャパシタ170に送り、蓄電させる。これにより、キャパシタ170は、バッテリユニット1と共に電源として機能し、電動モータの駆動をアシストする。つまり、本実施形態のバッテリユニット1は、バッテリユニット1側とキャパシタ170側との2系統の電源を有するバッテリハイブリッドシステムの一部を構成する。
位置ずれ防止ブラケット10は、板状部11と、この板状部11の上部から面外方向に突出してバッテリケース2の上側連結部222に支持される図示しない第1支持部と、板状部11の下部から面外方向に突出してバッテリケース2の下側連結部225に支持される第2支持部12とを備えている。このような位置ずれ防止ブラケット10を設けることにより、位置ずれ防止ブラケット10が、図示しないバッテリ収容室の内壁に当接してバッテリユニット1の移動を規制するため、バッテリユニット1の位置ずれが防止される。また、防止ブラケット10により、バッテリユニット1と図示しないバッテリ収容室との間に常に隙間を確保できるので、バッテリユニット1の冷却性能を向上させることができる。
以上のような構成のバッテリユニット1では、バッテリ3が収容された各バッテリケース2が順に積み上げられ、上下方向に積層される。
具体的には、図7に示すように、先ず、最下段となるバッテリケース2にバッテリ3を収容する。そして、図示しないバッテリケーブルで各バッテリ3を直列に接続し、バッテリケーブルをケーブル挿通部221から外部に引き出す。このバッテリケース2には、第1掛渡しプレート4を取り付けておく。
具体的には、図7に示すように、先ず、最下段となるバッテリケース2にバッテリ3を収容する。そして、図示しないバッテリケーブルで各バッテリ3を直列に接続し、バッテリケーブルをケーブル挿通部221から外部に引き出す。このバッテリケース2には、第1掛渡しプレート4を取り付けておく。
同様に、中段となるバッテリケース2にもバッテリ3を収容し、バッテリ3をバッテリケーブルで直列に接続する。また、このバッテリケース2にも第1掛渡しプレート4を取り付ける。すなわち、これら2つのバッテリケース2は同一に構成される。
ここで、中段となるバッテリケース2には、さらに吊上用部材8をボルトで固定しておく。そして、吊上用部材8のアイボルト83にフック等を引っ掛けてバッテリケース2を吊り上げ、最下段となるバッテリケース2の第1掛渡しプレート4上に載せる。この際、中段のバッテリケース2の重量は、最下段のバッテリケース2の第1掛渡しプレート4で支えられることになる。この状態で、中段のバッテリケース2の位置決めを行った後、連結プレート7の一方の当接部72を最下段のバッテリケース2の上側連結部222に当接させ、他方の当接部71を中段のバッテリケース2の下側連結部225と当接させる。
図2に示すように、連結プレート7の各当接部71,72は、それぞれボルト25,26により中段および最下段のバッテリケース2に固定されるところ、最下段のバッテリケース2から立ち上がっている当接部71には、長孔に形成されたボルト挿通孔が設けられている。このボルト挿通孔が長孔に形成されることにより、掛渡しプレート4〜6間の高さ寸法差や掛渡しプレート4〜6に作用する重量差等に起因する各バッテリケース2間の間隔差を吸収することができる。従って、各バッテリケース2間の間隔差にばらつきがある場合でも、当接部71のボルト挿通孔と下側連結部225のねじ孔226との位置を容易に重ねることができ、連結プレート7によるバッテリケース2同士の連結をスムーズに行うことができる。
一方、図8に示すように、最上段となるバッテリケース2には、最下段および中段のバッテリケース2の場合とは異なり、第2掛渡しプレート5および第3掛渡しプレート6を取り付ける。これは、最上段のバッテリケース2上に、発熱量の大きい電源コントローラ9が取り付けられることから、この電源コントローラ9を冷却し易くする必要があるからである。
すなわち、図3に示すように、凸状部54,64を有する第2および第3掛渡しプレート5,6を最上段のバッテリケース2に取り付けることで、電源コントローラ9が第2および第3掛渡しプレート5,6に載置された際には、バッテリケース2および電源コントローラ9間の隙間が、凸状部54,64の分だけ、中段および最下段のバッテリケース2間の隙間よりも大きくなる。この隙間量の増加により、電源コントローラ9を冷却し易くするとともに、第3掛渡しプレート6の遮熱板65により、電源コントローラ9からの熱がバッテリケース2内のバッテリ3に伝わらないようにすることができる。
さらに、最上段となるバッテリケース2には、中段のバッテリケース2から取り外した吊上用部材8を取り付けた後、電源コントローラ9を第2掛渡しプレート5および第3掛渡しプレート6上に載せる。この状態で電源コントローラ9の位置決めを行った後、上側連結部222との間に吊上用部材8を介した状態で、最上段となるバッテリケース2に電源コントローラ9を連結し固定する。
このようにして積み上げ準備が整ったら、アイボルト83にフック等を引っ掛けてバッテリケース2および電源コントローラ9を一緒に吊り上げ、中段のバッテリケース2の第1掛渡しプレート4上に載せる。この状態で、バッテリケース2の位置決めを行った後、最上段および中段のバッテリケース2を連結プレート7およびボルト25,26で連結し、互いを固定する。
なお、位置ずれ防止ブラケット10は、バッテリケース2の積層前または積層後のいずれの段階でもバッテリケース2に取り付けることができるが、バッテリケース2上の作業スペースを広く取れることから、バッテリケース2の積層前に取り付けるのが望ましい。
以上の本実施形態のバッテリユニット1によれば、各バッテリケース2は同一形状に形成されているため、バッテリケース2の種類を低減することができる。また、互いに近接する上下のバッテリケース2同士を同一形状の連結プレート7で連結して固定するため、バッテリケース2の積層数の増減を容易に行うことができる。
さらに、バッテリケース2は、各掛渡しプレート4〜6上に載置されて上下方向に積層されているため、バッテリケース2間に掛渡しプレート4〜6の厚さ寸法分の隙間が確保される。従って、バッテリケースに収容されたバッテリの冷却が促進され、冷却性能を向上させることができる。
また、掛渡しプレート4〜6は、バッテリケース2に着脱自在であるため、バッテリケース2間またはバッテリケース2および電源コントローラ9間に必要とされる隙間の大きさや、遮熱板65の要否に応じて、掛渡しプレート4〜6を選択的にバッテリケース2上に取り付けることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、バッテリケース2間に第1掛渡しプレート4を設け、バッテリケース2および電源コントローラ9間に第2および第3掛渡しプレート5,6を設けていたがこれに限られず、バッテリケース2には掛渡しプレート4〜6のうちの任意のものを取り付けることができる。
例えば、前記実施形態では、バッテリケース2間に第1掛渡しプレート4を設け、バッテリケース2および電源コントローラ9間に第2および第3掛渡しプレート5,6を設けていたがこれに限られず、バッテリケース2には掛渡しプレート4〜6のうちの任意のものを取り付けることができる。
前記実施形態では、第2および第3掛渡しプレート5,6にそれぞれ凸状部54,64を設けて、第2および第3掛渡しプレート5,6の厚さ寸法を第1掛渡しプレート4の厚さ寸法よりも大きくしていたがこれに限られない。例えば、第2および第3掛渡しプレート5,6の本体部51,61の厚さ寸法を第1掛渡しプレート4の本体部41の厚さ寸法より大きくすれば、第2および第3掛渡しプレート5,6に凸状部54,64を設けなくても、同様の効果を得ることができる。
前記実施形態において、遮熱板65は、第3掛渡しプレート6のみに設けられていたがこれに限られず、例えば、遮熱板を第1掛渡しプレート4に設けてもよい。
また、前記実施形態において、遮熱板65の接触防止部653は、バッテリ3の端子31に対応する位置を切り欠いて形成していたがこれに限られない。要するに、バッテリ3の端子31から遮熱板65までの距離が所定値以上確保されていればよく、例えば、バッテリケース2の接触防止孔211と同様に、バッテリ3の端子31に対応する位置に貫通孔を設けて接触防止部としてもよい。
また、前記実施形態において、遮熱板65の接触防止部653は、バッテリ3の端子31に対応する位置を切り欠いて形成していたがこれに限られない。要するに、バッテリ3の端子31から遮熱板65までの距離が所定値以上確保されていればよく、例えば、バッテリケース2の接触防止孔211と同様に、バッテリ3の端子31に対応する位置に貫通孔を設けて接触防止部としてもよい。
前記実施形態では、連結プレート7はバッテリケース2とは別部材とされていたがこれに限られず、バッテリケース2と一体に形成してもよい。この場合、連結プレート7は、バッテリケース2の上側連結部222の上面部223に設けられることになる。これにより、連結プレート7の当接部71がバッテリケース2の両側に立設することになるので、バッテリケース2を積み上げる際は、下側のバッテリケース2の当接部71間に配置すればよく、バッテリケース2の積層時の位置決めが容易になる。
また、前記実施形態では、連結プレート7の一方の当接部71のボルト挿通孔のみが長孔とされていたが、両方の当接部71のボルト挿通孔を長孔としてもよい。
本発明は、バッテリからの電気エネルギで駆動されるフォークリフトや、小型の油圧ショベル、ホイールローダ等の作業車両に利用できる。
1…バッテリユニット、2…バッテリケース、3…バッテリ、4…第1掛渡しプレート(掛渡しプレート)、5…第2掛渡しプレート(掛渡しプレート)、6…第3掛渡しプレート(掛渡しプレート)、7…連結プレート、8…吊上用部材、9…電源コントローラ、10…位置ずれ防止ブラケット、21…底面部、22…第1側壁部、23…第2側壁部(側壁部)、31…端子、65…遮熱板、100…フォークリフト(作業車両)、211…接触防止孔、653…接触防止部。
Claims (3)
- 作業車両のバッテリユニットであって、
複数のバッテリと、
前記バッテリを端子を上側にして収容する有底箱状の複数のバッテリケースと、
各バッテリケース上に設けられて前記各バッテリケースの対向する側壁部間を掛渡す複数の掛渡しプレートとを備え、
前記各バッテリケースは、全て同一形状であり、かつ前記掛渡しプレート上に載置されて上下方向に積層されている
ことを特徴とする作業車両のバッテリユニット。 - 請求項1に記載の作業車両のバッテリユニットにおいて、
前記複数のバッテリケースのうちの互いに近接する上下のバッテリケース同士は、同一形状の連結プレートにより連結されている
ことを特徴とする作業車両のバッテリユニット。 - 請求項1または請求項2に記載の作業車両のバッテリユニットにおいて、
前記各バッテリケースの底面部には、直下のバッテリの前記端子に対応する位置に前記端子との接触を防止する接触防止孔が形成されている
ことを特徴とする作業車両のバッテリユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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