発明の目的および利点は、請求の範囲に具体的に記載された構成要素および組み合わせによって実現され達成される。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、典型例および説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない、と理解される。
本発明の非限定的な実施形態を、図面を参照して説明する。図面において、同様のコンポーネントおよび要素には同じ参照番号が付されている。
既知の残高不足通知システムでは、電車の利用者が交通ICカードで駅の入口の改札機を通って入場したときに、交通ICカードに目的の駅までの運賃分の前払い残高以上の額があれば、残高不足を利用者に通知することはない。一方、利用者は、交通ICカードで改札機を通って入場した後で、駅構内の売店等において商品を購入してその支払いをICカードで精算することができる。
発明者は、利用者が交通ICカードで駅の入口の改札機を通って入場し、その後で交通ICカードで駅構内の売店等で商品を購入してその支払いを交通カードで精算すると、交通ICカードの前払い残高が運賃について不足状態になることがある、と認識した。発明者は、利用者が、交通ICカードで改札機を通って入場し交通ICカードで購入商品の支払いを精算した後で残高の不足を通知されても、手遅れとなり、その後の運賃の精算に手間が掛かることがある、と認識した。発明者は、利用者が交通ICカードで改札機を通って入場した後、交通ICカードの残高を予測運賃分についてその他の支払いに使用できなくすれば、出場する駅においてICカードの残高不足が生じる可能性が低くなる、と認識した。
実施形態の目的は、利用者が前払いカード機能で料金ゲートを通って入場した後で、例えばICカードのような前払いカードの残高が交通利用料について不足状態になる可能性を低くすることである。実施形態の別の目的は、例えばICカードのような前払いカードの残高不足を回避または防止するために加えるシステムの変更をできるだけ小さくすることである。
実施形態では一例として鉄道路線に関して説明するが、実施形態は、例えば、鉄道、サービスエリアを含む高速道路または有料道路、乗継ぎ可能なバス、フェリーおよび/または客船を含む交通機関または交通網における交通ICカードまたは前払いカードの利用にも適用できる。
図1は、改札機または料金ゲート機30、交通料金用の料金端末40、運賃または交通料金精算以外用のその他の精算機50、サーバ装置60、ICカード10、およびICカード機能付き携帯端末20を含むシステムの例を示している。この場合、料金端末40は、例えば、前払い残高を積み増しする機能を含むチャージ機もしくは入金機、券売機、または残高照会機、等の駅務機であってもよい。精算機50は、例えば、ICカードで交通料金以外の商品の支払額を精算可能なPOS端末、レジ端末、自動販売機、コインロッカー、駐車場料金精算機、等であってもよい。携帯端末20は、例えば、携帯電話機であってもよい。
改札機(自動改札機)30、料金端末40および精算機50は、ネットワーク5を介してサーバ装置60に接続される。携帯端末20は、移動体無線基地局またはアクセス・ポイント72およびネットワーク7および5を介してサーバ装置40に接続される。ネットワーク5は、LAN(Local Area Network)、インターネット、公衆交換電話網(PSTN)、パケット交換網(PSN)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、移動体通信網、および/または専用回線を含んでいてもよい。ネットワーク7は、移動体通信網を含み、さらに、例えば、LAN、インターネット、公衆交換電話網、および/またはISDNを含んでいてもよい。
サーバ装置60は、情報処理装置であり、例えば、プロセッサ602、ネットワーク・インタフェース(NW I/F)608、およびデータベースを含む記憶部64を含んでいる。サーバ装置60は、記憶部64または他の記憶装置に、データベース(DB)66を格納する。
図2は、ICカード10の概略的な構成(configuration)の例を示している。
ICカード10は、非接触通信機能を含む情報記憶装置であり、例えば、プロセッサまたは制御部102、メモリ104、非接触通信部106および電源部110を含んでいる。
図3は、ICカード機能付き携帯端末20の概略的な構成(configuration)の例を示している。
ICカード機能付き携帯端末20は、例えば、ICカード機能部210、携帯端末機能部220、および再充電可能バッテリを含む電源部240を備えている。ICカード機能部210は、非接触通信機能を含む情報記憶装置であり、例えば、プロセッサまたは制御部102、メモリ104、および非接触通信部106を備えている。携帯端末機能部220は、例えば、プロセッサまたは制御部222、メモリ224、移動体通信用の無線通信部226、ICカード制御部228、表示部230、音声入出力部232、および例えばキー等の入力部234を含んでいる。ICカード制御部228は、ICカード機能部210における改札機30および精算機50等との間での要求および応答の送受信を監視し検出する。プロセッサ222は、その送受信の検出に応答して、例えば、ICカード情報、予測運賃(仮の運賃または交通利用額)、SF残高、等の情報の読み出し、書き込み、更新、等の処理を行う。プロセッサ222の機能の少なくとも一部は、ICカード制御部228に含ませてもよい。携帯端末20は、記録媒体247を読み取るための外部ドライブ240に接続可能であってもよい。
ICカード10、または携帯端末20のICカード機能部210のプロセッサ102は、非接触通信部106を介して、改札機(自動改札機)30、料金端末40、および精算機50との間で、情報を搬送するRF信号を非接触で送受信する。非接触通信部106は、バッテリを含まず例えば電磁誘導により電力を受け取る受動型の非接触通信部であってもよい。
携帯端末20の携帯端末機能部220のプロセッサ222は、移動体通信用の無線通信部226、移動体無線基地局72、ネットワーク7および5を介してサーバ装置60と通信することができる。
プロセッサ102は、例えば集積回路として実装された専用のプロセッサであってもよい。また、プロセッサ102は、メモリ104に格納されたアプリケーション・プログラムに従って動作するものであってもよい。そのアプリケーション・プログラムは、料金端末40から非接触通信部40を介してICカード10またはICカード機能部210に転送またはダウンロードされ、ICカード10またはICカード機能部210にインストールされてもよい。代替形態として、そのアプリケーション・プログラムは、サーバ装置60から携帯端末20の携帯端末機能部220にダウンロードされ、プロセッサ222によって、ICカード機能部210にインストールされてもよい。
図4は、改札機30の概略的な構成(configuration)の例を示している。
改札機30は、例えば、プロセッサまたは制御部302、メモリ304、非接触通信部または読取り書込み部306、ネットワーク通信部308、ドア制御部312、人感センサまたは赤外線(IR)センサのような検知部314、および表示部316を含んでいる。改札機30は、交通利用料金精算装置または運賃精算装置の機能を含んでいる。プロセッサ302は、非接触通信部306を介してICカード10または携帯端末20のICカード機能部210との間で、情報を搬送するRF信号を非接触で送受信する。非接触通信部306は、ICカード10またはICカード機能部210の非接触通信部106に、例えば電磁誘導により非接触で電力を供給してもよい。
図5は、料金端末40の概略的な構成(configuration)の例を示している。
料金端末40は、例えば、プロセッサまたは制御部402、メモリ404、非接触通信部または読取り書込み部406、ネットワーク通信部408、表示部410、および入力部434を含んでいる。プロセッサ402は、非接触通信部406を介してICカード10または携帯端末20のICカード機能部210との間で、情報を搬送するRF信号を非接触で送受信する。非接触通信部406は、ICカード10またはICカード機能部210の非接触通信部106に、例えば電磁誘導により非接触で電力を供給してもよい。
図6は、交通料金精算用以外の精算機50の概略的な構成(configuration)の例を示している。
精算機50は、例えば、プロセッサまたは制御部502、メモリ504、非接触通信部または読取り書込み部506、ネットワーク通信部508、表示部510、商品価格読取部512、入力部534および算出部536を含んでいる。商品価格読取部512は、例えばバーコード・リーダであってもよい。商品価格読取部512および/または入力部534は、商品の価格を入力または選択入力するための商品価格入力部であってもよい。プロセッサ502は、非接触通信部506を介してICカード10または携帯端末20のICカード機能部210との間で、情報を搬送するRF信号を非接触で送受信する。非接触通信部506は、ICカード10またはICカード機能部210の非接触通信部106に、例えば電磁誘導により非接触で電力を供給してもよい。算出部536はプロセッサ502に含まれていてもよい。
携帯端末20は、例えばCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置、ハードディスク・ドライブ(HDD)、半導体メモリ、バス、入力装置、出力装置、通信インタフェース、等を含む携帯電話機または携帯情報処理装置であってもよい。
プロセッサ222は、コンピュータ用のCPU(Central Processing Unit)であってもよい。メモリ224には、例えば、主記憶装置および半導体メモリ等が含まれる。入力部234は、例えば、キーまたはタッチパネルを含んでいてもよい。ドライブ240は、プログラムが記録された例えば光ディスクまたは磁気ディスクのような記録媒体247を読み取るためのものであってもよい。
プロセッサ222は、例えば集積回路として実装された専用のプロセッサであってもよい。また、プロセッサ222は、メモリ224に格納されたアプリケーション・プログラムに従って動作するものであってもよい。アプリケーション・プログラムは、記録媒体247に格納されていて、ドライブ240によって記録媒体307から読み出されて携帯端末20にインストールされてもよい。代替形態として、アプリケーション・プログラムは、サーバ装置60から、無線通信部226を介して携帯端末機能部220にダウンロードされ、携帯端末20にインストールされてもよい。
図7Aは、ICカード10および携帯端末20のICカード機能部210における格納情報の種類の例を示している。ICカード10およびICカード機能部210のメモリ104は、例えば、利用者識別情報(ID)、SF(Stored Fare)残高、定期券情報、入出場記録、利用履歴、予測運賃、および、例えば入金処理等に関する契約を表す情報を格納する。SF残高は、ICカード10およびICカード機能部210内に入金され格納された、交通利用料金またはその他の料金の支払い等に利用できる金銭的な価値を表す。
図7Bは、携帯端末20の携帯端末機能部220におけるアプリケーション用の格納情報の種類の例を示している。携帯端末20のメモリ224は、例えば、利用履歴、および交通利用料金テーブルまたは運賃テーブルを表す情報を格納する。交通利用料金テーブルは、路線上の複数の点または駅の間の利用料金情報を含んでいる。
図7Cは、改札機30、料金端末40および精算機50における格納情報の例を示している。改札機30のメモリ304、料金端末40のメモリ404、および精算機50のメモリ504は、交通利用料金テーブルまたは運賃テーブルを表す情報を格納している。
図7Dは、サーバ装置60の記憶装置64における格納情報の種類の例を示している。記憶装置64は、データベース66に利用履歴および交通利用料金テーブルまたは運賃テーブルを表す情報を含み、ダウンロードのための携帯端末用のアプリケーション・プログラムおよび更新プログラムを格納している。
実施形態によれば、利用者の交通利用額の予測には、次の2つの形態(A1)および(A2)のいずれかを採用することができる。
(A1)交通利用額予測形態1
ICカード10または携帯端末20が料金ゲート機(改札機)30を通って入場したときに、料金ゲート機30が、ICカード10または携帯端末20のICカード機能部210に交通路線または経路上の開始点または入場駅に関する情報を書き込む。料金ゲート機30は、さらに、開始点に関する情報と利用者の利用履歴情報に基づいて利用者の行先と交通利用額を予測して、仮の交通利用額(予測交通利用額)および任意に仮の行先を生成してICカード10または携帯端末20のICカード機能部210に書き込む。
後で説明する形態(B4)では、料金ゲート機30は、さらに、ICカード10またはICカード機能部210から受け取った残高から仮の交通利用額を減算して仮の残高を生成し、その仮の残高をICカード10またはICカード機能部210に書き込む。
(A2)交通利用額予測形態2
ICカード10または携帯端末20が料金ゲート機30を通って入場したときに、料金ゲート機30が、ICカード10または携帯端末20のICカード機能部210に開始点に関する情報を書き込む。その後、携帯端末20の携帯端末機能部220(アプリケーション)が、ICカード10または携帯端末20のICカード機能部210のICカード情報を読み出す。携帯端末機能部220は、開始点に関する情報と利用者の利用履歴情報に基づいて利用者の行先と交通利用額を予測して、携帯端末20のICカード機能部210に仮の交通利用額(予測交通利用額)および任意に仮の行先を書き込む。
後で説明する形態(B4)では、携帯端末機能部220は、さらに、ICカード10またはICカード機能部210から受け取った残高から仮の交通利用額を減算して仮の残高を生成し、その仮の残高をICカード10またはICカード機能部210に書き込む。
図8A〜8Dは、実施形態による、ICカード10、または携帯端末20のICカード機能部210における残高不足の回避のための4つの形態(B1)〜(B4)を例示している。ICカード10、または携帯端末20のICカード機能部210には、形態(B1)〜(B4)のいずれかを採用することができる。
形態(B1)および(B4)では、ICカード10およびICカード機能部210は、仮の残高および仮の交通利用額を内部に保存する。形態(B2)と(B3)では、ICカード10およびICカード機能部210は、実際の残高および仮の交通利用額を内部に保存する。
形態(B1)および(B2)では、ICカード10およびICカード機能部210は、交通料金精算用の処理では実際の残高を入出力し、交通料金精算以外用の処理では仮の残高を入出力する。そのために、形態(B1)では、ICカード10およびICカード機能部210は、交通料金精算用の処理において、内部の仮の残高に仮の交通利用額を加算してその合計額を実際の残高として外部に供給し、受け取った更新後の実際の残高から仮の交通利用額を減算してその差額を仮の残高として内部に格納する。一方、形態(B2)では、ICカード10およびICカード機能部210は、交通料金精算以外用の処理において、内部の実際の残高から仮の交通利用額を減算してその差額を仮の残高として外部に供給し、受け取った更新後の仮の残高に仮の交通利用額を加算してその合計額を実際の残高として内部に格納する。この場合、料金ゲート機30および精算機50、および/または形態(A2)の場合の携帯端末20のアプリケーションの機能および処理負荷を小さくできる。
形態(B3)および(B4)では、ICカード10およびICカード機能部210は、交通料金精算用の処理か交通料金精算以外用の処理かに関係なく、内部に保存されている実際の残高または仮の残高をそのまま外部に供給し、受け取った更新後の実際の残高または仮の残高をそのまま内部に格納する。この場合、ICカード10およびICカード機能部210の機能および処理負荷を小さくできる。
形態(B3)では、ICカード10およびICカード機能部210は、交通料金精算用の処理か交通料金精算以外用の処理かに関係なく、内部に保存されている実際の残高をそのまま外部に供給し、受け取った更新後の実際の残高をそのまま内部に格納する。そのために、実際の残高から仮の交通利用額を減算して仮の残高を生成する処理、および仮の残高に仮の交通利用額を加算して実際の残高を生成する処理は、外部のまたは他の装置によって行われる。
形態(B4)では、ICカード10およびICカード機能部210は、交通料金精算用の処理か交通料金精算以外用の処理かに関係なく、内部に保存されている仮の残高をそのまま外部に供給し、受け取った更新後の仮の残高をそのまま内部に格納する。そのために、仮の残高に仮の交通利用額を加算して実際の残高を生成する処理、および実際の残高から仮の交通利用額を減算して仮の残高を生成する処理は、外部のまたは他の装置によって行われる。
具体的には、形態(B1)〜(B4)は次の通りである。
(B1)残高不足回避形態1
利用者の入場のために路線上の開始点において料金ゲート機30の非接触通信部306の通信範囲に入ったとき、ICカード10またはICカード機能部210は次のように動作する。ICカード10またはICカード機能部210は、内部の“実際の残高”を料金ゲート機30に供給する。ICカード10またはICカード機能部210は、料金ゲート機30から路線上の開始点を表す情報を受け取って内部に格納する。ICカード10またはICカード機能部210は、さらに、交通利用額予測形態(A1)では料金ゲート機30から、交通利用額予測形態(A2)では携帯端末20の携帯端末機能部220から、“仮の交通利用額”を受け取って内部に格納し、実際の残高から仮の交通利用額を減じて得た“仮の残高”を内部に格納する。その際、内部の“実際の残高”が“仮の残高”に書き替えられる。
入場後の交通利用料以外の支払の精算の場合、ICカード10またはICカード機能部210は次のように動作する。ICカード10またはICカード機能部210は、内部の“仮の残高”を精算機50へ供給する。そのために、精算機50は、交通料金以外の精算処理を表す情報を含み、開始点に関する情報の要求を含まない、残高に関する情報の要求を、ICカード10またはICカード機能部210へ送信してもよい。次いで、精算機50は、“仮の残高”と“支払額”を比較して残高不足かどうかを判定し、“仮の残高”で支払額を精算する。次いで、ICカード10またはICカード機能部210は、精算機50から“更新後の仮の残高”を受け取って、“更新後の仮の残高”を内部に書き込む。代替形態として、ICカード10またはICカード機能部210は、精算機50から“支払額”を受け取って、“仮の残高”から“支払額”を減算して、残高を更新してもよい。
利用者の出場のために終了点において料金ゲート機30の非接触通信部306の通信範囲に入ったとき、ICカード10またはICカード機能部210は次のように動作する。ICカード10またはICカード機能部210は、内部の“仮の残高”と“仮の交通利用額”を加算して得た“実際の残高”と、開始点を表す情報とを料金ゲート機30へ供給する。そのために、料金ゲート機30は、交通料金精算処理を表す情報を含む、開始点および残高に関する情報の要求を、ICカード10またはICカード機能部210へ送信してもよい。次いで、料金ゲート機30は、開始点と終了点(または到着点)の間の交通利用料金情報に基づいて“実際の残高”から“実際の交通利用額”を減じて精算する。次いで、ICカード10またはICカード機能部210は、料金ゲート機30から“更新後の実際の残高”を受け取って内部に書き込み、仮の交通利用額を削除するかまたは初期値ゼロ(0)に書き替える。それによって、内部の“仮の残高” が“実際の残高”に書き替えられる。代替形態として、ICカード10またはICカード機能部210は、料金ゲート機30から“実際の交通利用額”を受け取って、その加算して得られた“実際の残高”から“実際の交通利用額”を減算して“更新後の残高”を生成して、その“更新後の残高”で残高を更新してもよい。
(B2)残高不足回避形態2
利用者の入場のために路線上の開始点において料金ゲート機30の非接触通信部306の通信範囲に入ったとき、ICカード10またはICカード機能部210は次のように動作する。ICカード10またはICカード機能部210は、内部の“実際の残高”を料金ゲート30に供給する。次いで、ICカード10またはICカード機能部210は、料金ゲート機30から路線上の開始点を表す情報を受け取って内部に格納する。ICカード10またはICカード機能部210は、さらに、交通利用額予測形態(A1)では料金ゲート機30から、交通利用額予測形態(A2)では携帯端末20の携帯端末機能部220から、“仮の交通利用額”を受け取って内部に格納し、“実際の残高”をそのまま保持する。
入場後の交通利用料以外の支払の精算の場合、ICカード10またはICカード機能部210は次のように動作する。ICカード10またはICカード機能部210は、内部の“実際の残高”から“仮の交通利用額”を減じて得た“仮の残高”を精算機50へ供給する。そのために、精算機50は、交通料金以外の精算処理を表す情報を含み、開始点に関する情報の要求を含まない、残高に関する情報の要求を、ICカード10またはICカード機能部210へ送信してもよい。次いで、精算機50は、“仮の残高”と支払額を比較して残高不足かどうかを判定し、“仮の残高”で支払額を精算する。次いで、ICカード10またはICカード機能部210は、精算機50から“更新後の仮の残高”を受け取って、“更新後の仮の残高”に“仮の交通利用額”を加算して得た“実際の残高”を内部に書き込む。代替形態として、ICカード10またはICカード機能部210は、精算機50から“支払額”を受け取って、“実際の残高”から“支払額”を減算して、残高を更新してもよい。
利用者の出場のために終了点において料金ゲート機30の非接触通信部306の通信範囲に入ったとき、ICカード10またはICカード機能部210は次のように動作する。ICカード10またはICカード機能部210は、内部の“実際の残高”と、開始点を表す情報とを料金ゲート機30へ供給する。そのために、料金ゲート機30は、交通料金精算処理を表す情報を含む、開始点および残高に関する情報の要求を、ICカード10またはICカード機能部210へ送信してもよい。次いで、料金ゲート機30は、開始点と終了点の間の交通利用料金情報に基づいて“実際の残高”から“実際の交通利用額”を減じて精算する。次いで、ICカード10またはICカード機能部210は、料金ゲート機30から“更新後の実際の残高”を受け取って内部に書き込み、仮の交通利用額を削除するかまたはゼロ(0)に書き替える。代替形態として、ICカード10またはICカード機能部210は、料金ゲート機30から“実際の交通利用額”を受け取って、“実際の残高”から“実際の交通利用額”を減算して、残高を更新してもよい。
(B3)残高不足回避形態3
利用者の入場のために路線上の開始点において料金ゲート機30の非接触通信部306の通信範囲に入ったとき、ICカード10またはICカード機能部210は次のように動作する。ICカード10またはICカード機能部210は、内部の“実際の残高”を料金ゲート機30に供給する。次いで、ICカード10またはICカード機能部210は、料金ゲート機30から路線上の開始点を表す情報を受け取って内部に格納する。ICカード10またはICカード機能部210は、さらに、交通利用額予測形態(A1)では料金ゲート機30から、交通利用額予測形態(A2)では携帯端末20の携帯端末機能部220から、“仮の交通利用額”を受け取って内部に格納し、“実際の残高”をそのまま保持する。
入場後の交通利用料以外の支払の精算の場合、ICカード10またはICカード機能部210は次のように動作する。ICカード10またはICカード機能部210が、内部の“実際の残高”および“仮の交通利用額”を精算機50に供給する。そのために、精算機50は、交通料金以外の精算処理を表す情報を含み、開始点に関する情報の要求を含まない、残高に関する情報の要求を、ICカード10またはICカード機能部210へ送信してもよい。次いで、精算機50は、例えば“実際の残高”から“仮の交通利用額”を減じて得た“実際の残高”と支払額を比較して、残高不足かどうかを判定し、“実際の残高”で支払額を精算する。次いで、ICカード10またはICカード機能部210は、精算機50から“更新後の実際の残高”を受け取って内部に書き込む。代替形態として、ICカード10またはICカード機能部210は、精算機50から“支払額”を受け取って、“実際の残高”から“支払額”を減算して、残高を更新してもよい。
利用者の出場のために終了点において料金ゲート機30の非接触通信部306の通信範囲に入ったとき、ICカード10またはICカード機能部210は次のように動作する。ICカード10またはICカード機能部210は、内部の“実際の残高”と、開始点を表す情報とを料金ゲート機30へ供給する。そのために、料金ゲート機30は、交通料金精算処理を表す情報を含む、開始点および残高に関する情報の要求を送信してもよい。次いで、料金ゲート機30は、開始点と終了点の間の交通利用料金情報に基づいて“実際の残高”から実際の交通利用額を減じて精算する。次いで、ICカード10またはICカード機能部210は、料金ゲート機30から“更新後の実際の残高”および仮の交通利用額=ゼロ(0)を受け取って内部に書き込む。代替形態として、ICカード10またはICカード機能部210は、料金ゲート機30から“実際の交通利用額”を受け取って、“実際の残高”から“実際の交通利用額”を減算して、残高を更新してもよい。
(B4)残高不足回避形態4
利用者の入場のために路線上の開始点において料金ゲート機30の非接触通信部306の通信範囲に入ったとき、ICカード10またはICカード機能部210は次のように動作する。ICカード10またはICカード機能部210が、内部の“実際の残高”を料金ゲート機30に供給する。次いで、ICカード10またはICカード機能部210は、料金ゲート機30から路線上の開始点を表す情報を受け取って内部に格納する。ICカード10またはICカード機能部210は、さらに、交通利用額予測形態(A1)では料金ゲート機30から、交通利用額予測形態(A2)では携帯端末20の携帯端末機能部220から、“仮の交通利用額”および“仮の残高”を受け取って内部に格納する。その際、内部の“実際の残高”が“仮の残高”に書き替えられる。“仮の残高”は“実際の残高”から“仮の交通利用額”を減じた差額である。
入場後の交通利用料以外の支払の精算の場合、ICカード10またはICカード機能部210は次のように動作する。ICカード10またはICカード機能部210が、内部の“仮の残高”を精算機50に供給する。そのために、精算機50は、交通料金以外の精算処理を表す情報を含み、開始点に関する情報の要求を含まない、残高に関する情報の要求を、ICカード10またはICカード機能部210へ送信してもよい。次いで、精算機50は、“仮の残高”と支払額を比較して残高不足かどうかを判定し、“仮の残高”で支払い額を精算する。次いで、ICカード10またはICカード機能部210は、精算機50から“更新後の仮の残高”を受け取って内部に書き込む。代替形態として、ICカード10またはICカード機能部210は、“支払額”を受け取って、“実際の残高”から“支払額”を減算して、残高を更新してもよい。
利用者の出場のために終了点において料金ゲート機30の非接触通信部306の通信範囲に入ったとき、ICカード10またはICカード機能部210は次のように動作する。ICカード10またはICカード機能部210は、内部の“仮の残高”および“仮の交通利用額”と、開始点を表す情報とを料金ゲート機30へ供給する。そのために、料金ゲート機30は、交通料金精算処理を表す情報を含む、開始点および残高に関する情報の要求を、ICカード10またはICカード機能部210へ送信してもよい。次いで、料金ゲート機30は、開始点と終了点の間の交通利用料金情報に基づいて、“仮の残高”に“仮の交通利用額”を加算して得た“実際の残高”から、実際の交通利用額を減じて精算する。次いで、ICカード10またはICカード機能部210は、料金ゲート機30から“更新後の実際の残高”および仮の交通利用額=ゼロ(0)を受け取って内部に書き込む。それによって、内部の“仮の残高”が“実際の残高”に書き替えられる。
次に、交通利用額予測形態(A1)の場合について、一例として鉄道に関して、改札機30によって運賃が予測される場合の改札機30、料金端末40、および精算機50の動作の例を説明する。
図9Aおよび9Bは、交通利用額予測形態(A1)の場合に、主に改札機30によって実行される、ICカード10または携帯端末20のICカード情報に基づいて利用者の運賃を予測する処理のためのフローチャートの例を示している。説明を簡単するために、以下、ICカード10について説明するが、ICカード10の代わりに携帯端末20のICカード機能部210を用いることができる。
図9Aを参照すると、利用者が入場するためにICカード10(または携帯端末20)を改札機30の非接触通信部306に当て、ICカード10(またはICカード機能部210)が改札機30の非接触通信部306の通信範囲に入る。すると、ステップ522において、プロセッサ302は、非接触通信部306にICカード10と非接触で通信させて、ICカード10からICカード情報を読み取る。そのために、プロセッサ302は、交通料金精算に関連する改札機を表す識別情報と、全てのICカード情報の要求をICカード10に送信してもよい。あるいは、プロセッサ302は、例えば、利用者識別情報、交通料金精算に関連する改札機を表す識別情報と、入出場記録、SF残高、予測運賃(または仮の運賃)、有効期限、利用履歴、および入金処理の契約、等に関する所要の情報の要求とを送信してもよい。形態(B1)〜(B3)の場合、その情報の要求には、予測運賃の要求が含まれていなくてもよい。ICカード10は、要求された情報をメモリ104から読み出して改札機30に送信する。
ICカード10は、最初は、残高不足の回避のための形態(B1)〜(B4)に関係なく、初期の“実際の残高”(SF残高)を含み予測運賃を含まない(または予測運賃の初期値ゼロ(0)を含む)ICカード情報、または要求された情報を、改札機30に送信する。この場合、初期の予測運賃の値はゼロ(0)円なので、“実際の残高”は“仮の残高”と均しい。
ステップ524において、プロセッサ302は、受け取ったICカード情報(利用者識別情報、SF残高、入出場記録、等)に基づいてICカード10の有効性を検査する。ステップ530において、プロセッサ302は、ICカード情報またはICカード10が有効であるかどうかを判定する。ICカード情報が有効でないと判定された場合は、手順はステップ532に進む。ICカード情報が有効であると判定された場合は、手順はステップ542に進む。
ステップ532において、プロセッサ302は、入場不可を表す情報を表示部316に表示し、ドア制御部312に改札機30のドアを閉じさせる。ICカード情報が有効でない場合とは、例えば、ICカードの有効期限が切れている場合、残高が初乗り運賃未満で残高不足の場合、対応する出場記録のない先の入場記録があること、等であってもよい。入場不可を表す情報は、例えば、ICカードの有効期限切れ、残高不足、駅員への照会依頼、等であってもよい。その後、手順は図9Aおよび9Bのルーチンを出る。
ステップ542において、プロセッサ302は、ICカード情報の利用履歴を参照して、利用者の行先を予測する。その予測において、プロセッサ302は、例えば、利用者の現在の駅からの最も高い頻度の行先を決定しても、または利用者の同じ曜日および同じ時間帯における現在の駅からの最も高い頻度の行先を決定してもよい。利用履歴に同じ曜日および同じ時間帯における現在の駅からの利用の記録がない場合には、プロセッサ302は、例えば、現在の駅から最も短い距離にある駅を行先として決定しても、または一般的な乗客の最も高い頻度の行先の駅を行先として決定してもよい。代替形態として、プロセッサ302は、ネットワーク5を介してサーバ装置60と通信して、利用者識別情報を含むICカード情報を送信し、利用者の行先および/または運賃の予測をサーバ装置60に要求してもよい。この場合、プロセッサ302は、データベース66中の利用履歴情報に基づいて予測された行先および/または運賃をサーバ装置60から受信する。
ステップ544において、プロセッサ302は、メモリ304中の交通利用料金テーブルを参照して、現在の駅からその予測された行先の駅までの運賃を計算することによって、利用者の運賃を予測する。
ステップ546において、プロセッサ302は、その予測された運賃をICカード情報の初期のSF残高(実際の残高)と比較して、残高不足かどうかを判定する(残高<予測運賃?)。初期の“仮の残高”は“実際の残高”と均しく、初期の予測運賃はゼロ(0)円である。残高が不足していないと判定された場合は、手順はステップ552に進む。残高が不足していると判定された場合は、手順は図9Bのステップ560に進む。
ステップ552において、プロセッサ302は、予測された行先と予測運賃を表示部316に表示する。ICカード10が仮の残高を格納する場合(B4)は、ステップ554において、プロセッサ302は、ICカード情報の“実際の残高”(=“仮の残高”)から“予測運賃”を減算して“更新後の仮の残高”を生成し、その“更新後の仮の残高”をSF残高とする更新の要求を生成する。この場合、ICカード10のプロセッサ102は、“更新後の仮の残高”をメモリ104中のICカード情報の領域に格納する(後で説明する図20A)。その他の形態(B1)〜(B3)の場合、ステップ554は実行されない。
ステップ552または554の後のステップ556において、プロセッサ302は、ICカード10に対して、ICカード情報における“予測運賃”の更新を求める要求を生成する。ICカード10のプロセッサ102は、その要求に従って、受け取った“予測運賃”に基づいてICカード情報の“予測運賃”を更新する(後で説明する図17A、18A、19A、20A)。“予測運賃”とともに、予測された行先の駅の識別情報がICカード情報の領域に格納されてもよい。ICカード情報における予測運賃の初期値はゼロ(0)である。形態(B1)の場合、ICカード10のプロセッサ102は、ICカード情報の“実際の残高”からその受け取った“予測運賃”を減算して“更新後の仮の残高”を生成して、ICカード情報の“実際の残高”を“更新後の仮の残高”に更新する(図17A)。代替形態として、ステップ554はステップ556の後で実行されてもよい。その後、手順は図9Bのステップ578に進む。
図9Bを参照すると、ステップ578において、プロセッサ302は、ICカード情報への入場記録の書き込みを求める要求を生成する。ステップ580において、プロセッサ302は、ICカード10に、実際に、それまでに生成された全ての要求に従ってICカード情報を一括して更新させる。ICカード10のプロセッサ102は、実際に、その要求に従って、ICカード情報を一括して更新する(図17A、18A、19Aまたは20A、および/または図17F、18F、19Fまたは20F)。
ステップ582において、プロセッサ302は、利用者の入場を許可し、即ちドア制御部312に改札機30のドアを開かせる。ステップ584において、プロセッサ302は、利用履歴、即ち入場記録、入金情報(例えば、入金金額、クレジット・カード番号、銀行口座番号、等)、等をサーバ装置60へネットワーク5を介して送信する。入場記録は、例えば、ICカード情報における利用者識別情報、入場した駅および改札機30の識別情報および入場した日時、予測運賃、仮のまたは実際のSF残高、等を含んでいてもよい。サーバ装置60のプロセッサ602は、受信した利用履歴をデータベース66に記録する。その後、手順は図9Aおよび9Bのルーチンを出る。
ステップ546において残高不足と判定された場合、ステップ560において、プロセッサ302は、ICカード情報の契約情報を参照して自動入金処理(オートチャージ)が可能かどうかを判定する。自動入金処理は、利用者がクレジット会社または銀行等と予め契約していた場合に、ICカード10で残高不足が生じたときに予め定められた金額をクレジット会社または銀行口座から自動的にICカード10への入金処理を行う処理である。自動入金処理が可能でないと判定された場合は、手順はステップ574に進む。自動入金処理が可能であると判定された場合は、手順はステップ564に進む。
ステップ564において、プロセッサ302は、予め定められた入金金額をICカード情報のSF残高(実際の残高)に加算して、入金後すなわち更新後のSF残高と入金情報とを生成する。この段階では、予測運賃はゼロ(0)円であり、実際の残高は仮の残高と均しい。サーバ装置60は、利用履歴を受信した(ステップ584)後で、入金情報に基づいてクレジット・カードまたは銀行口座による決済処理を行ってもよい。代替形態として、プロセッサ302は、ネットワーク5を介してサーバ装置60に接続して、入金情報に基づいてクレジット・カードまたは銀行口座による決済処理を行ってもよい。ステップ566において、プロセッサ302は、ICカード10に対して、交通料金精算に関する入金処理(チャージ)の実行の要求を生成する。ICカード10のプロセッサ102は、その要求に従って、後で説明する図17F、18F、19Fまたは20Fの処理を実行する。それによって、入金金額が加算された“実際の残高”または“仮の残高”がICカード10のICカード情報の領域に格納される。ステップ568において、プロセッサ302は、ICカード情報の利用履歴の更新の要求を生成する。ICカード10のプロセッサ102は、その要求に従ってICカード情報の利用履歴を更新する。その後、手順は図9Aのステップ546に戻る。
ステップ574において、プロセッサ302は、改札機30の表示部316に、残高不足を表す注意メッセージを表示する。その後、手順はステップ578に進む。この場合、予測運賃に対して残高不足の場合、予測運賃に基づく処理は行われない。
代替形態として、ステップ574の後のステップ576において、プロセッサ302は、さらに予測運賃(仮の運賃)をSF残高(実際の残高)と均しい金額に設定変更してもよい(“予測運賃=SF残高”)。ここで、SF残高は、初乗り運賃以上かつ予測運賃未満の金額である。それによって、“仮の残高”は初期値ゼロ(0)となる。それによって、SF残高が運賃以外の精算に使用されることが回避できる。その後、手順はステップ546に戻る。
図10Aおよび10Bは、主に料金端末40によって実行される、ICカード10または携帯端末20における残高を照会しまたは入金する処理のためのフローチャートの例を示している。
利用者は、入場の後で、ICカード10を料金端末40の非接触通信部406に当てて、残高照会または入金処理を行うことがある。
図10Aを参照すると、ステップ622において、利用者がICカード10または携帯端末20を料金端末40の非接触通信部406に当て、ICカード10が非接触通信部406の通信範囲に入る。すると、料金端末40のプロセッサ402は、非接触通信部406にICカード10と非接触で通信させて、ICカード10のICカード情報を読み取る。そのために、プロセッサ402は、交通料金精算に関連する料金端末を表す識別情報と、全てのICカード情報の要求をICカード10に送信してもよい。あるいは、プロセッサ402は、交通料金精算に関連する料金端末を表す識別情報と、例えば、利用者識別情報、入出場記録、SF残高(仮のまたは実際の残高)、予測運賃、有効期限、利用履歴、入金処理の契約、等に関する所要の情報の要求とを送信してもよい。形態(B1)〜(B3)の場合、その要求には、予測運賃の要求が含まれていなくてもよい。ICカード10は、要求された情報をメモリ104から読み出して送信する。
形態(B1)〜(B3)の場合、ICカード10は、“実際の残高”を含むICカード情報または要求された情報を料金端末40に送信する(図17D、18D、19D)。形態(B4)の場合、ICカード10は、“仮の残高”を含むICカード情報または要求された情報を料金端末40に送信する(図20D)。
ステップ624において、プロセッサ402は、読み取ったICカード情報をサーバ装置60へネットワーク5を介して送信する。ステップ626において、サーバ装置60のプロセッサ602は、ICカード情報に基づいてデータベース66における利用者の利用履歴情報を参照して、例えば前述した形態で、行先およびその運賃を予測し、予測した行先および運賃を料金端末40にネットワーク5を介して送信する。ステップ628において、プロセッサ402は、予測された行先および予測運賃をサーバ装置60から受信する。ステップ624〜628は実行されなくてもよい。この場合、ステップ622の後、手順はステップ632に進む。
ステップ632において、プロセッサ402は、ICカード情報中のまたはサーバ装置60から受信した予測された行先および予測運賃を表示部410に表示して、利用者に確認させる。利用者は、予測された行先および予測運賃を入力部434の確認用のキーを操作して確認し、または料金端末40の入力部434を操作してその行先を変更してもよい。行先が変更された場合、プロセッサ402は、変更された行先を表示部410に表示し、利用者に再度確認させる。
ステップ634において、プロセッサ402は、メモリ404中の交通利用料金テーブルを参照して、利用者によって確認された行先に基づいて運賃を再予測する。
図10Bを参照すると、ステップ640において、プロセッサ402は、その再予測された“予測運賃”をICカード情報の“実際の残高”(SF残高)と比較して、残高が不足しているかどうかを判定する(残高<予測運賃?)。そのために、形態(B4)の場合、プロセッサ402は、受け取った“仮の残高”と“予測運賃”を加算して“実際の残高”を生成し、その生成された“実際の残高”とその再予測された“予測運賃”とを比較する。ステップ640において残高不足でないと判定された場合は、手順はステップ650に進む。残高不足であると判定された場合は、手順はステップ642に進む。
ステップ642において、プロセッサ402は、入金金額を設定するよう指示するメッセージを表示部410に表示して、利用者に入金金額を入力させる。利用者は、料金端末40の入力部434を操作して入金金額を入力する。プロセッサ402は、入力された入金金額を設定し、クレジット・カード決済、銀行口座引落し、または現金入金を選択するよう指示するメッセージを表示部410に表示して、入金処理を行う。現金入金の場合は、料金端末40は現金を収納する。
ステップ644において、プロセッサ402は、ICカード情報の受け取った残高に入金金額を加算して、入金後のSF残高を生成し、入金情報を生成する。形態(B1)〜(B3)では、加算後の残高が“更新後の実際の残高”となり、また、形態(B4)では、加算後の残高が“更新後の仮の残高”となる。ステップ646において、プロセッサ402は、ICカード10に、交通料金精算に関する入金処理(チャージ)の実行の要求を生成する。ICカード10は、その要求に従って、後で説明する図17F、18F、19Fまたは20Fの処理を実行する。形態(B1)、(B4)では、入金金額が加算された更新後の“仮の残高”がICカード10のICカード情報の領域に格納される(図17F、20F)。形態(B2)、(B3)では、入金金額が加算された更新後の“実際の残高”が、ICカード10のICカード情報の領域に格納される(図18F、19F)。
ステップ648において、プロセッサ402は、ICカード情報の利用履歴の更新の要求を生成する。
形態(B4)の場合、ステップ650において、プロセッサ402は、ICカード情報の“仮の残高”から、再予測された“予測運賃”とICカード情報の“予測運賃”の差額(“更新後の予測運賃”−“更新前の予測運賃”)を減算して“更新後の仮の残高”を生成し、その“更新後の仮の残高”をSF残高とする更新の要求を生成する。この場合、ICカード10(プロセッサ102)は、“更新後の仮の残高”をICカード情報の領域に格納する(図20A)。その他の形態(B1)〜(B3)では、ステップ650は実行されない。
ステップ648または650の後のステップ652において、プロセッサ402は、ICカード情報における“予測運賃”の更新の要求を生成する。ICカード10(プロセッサ102)は、その要求に従って、受け取った“予測運賃”に従ってICカードの“予測運賃”を更新する(図17A、18A、19A、20A)。“予測運賃”とともに、確認された行先の駅の識別情報が、予測された行先の駅の識別情報としてICカード情報の領域に格納されてもよい。代替形態として、ステップ650はステップ652の後で実行されてもよい。
ステップ654において、プロセッサ302は、ICカード10に、実際に、生成された全ての要求に従ってICカード情報を一括して更新させる。ICカード10(プロセッサ102)は、実際に、その要求に従って、ICカード情報を一括して更新する(図17A、18A、19Aまたは20A、および/または図17F、18F、19Fまたは20F)。
ステップ656において、プロセッサ402は、利用履歴情報、即ち入金情報(例えば、入金金額)、等をサーバ装置60へ送信する。その後、手順は図10Aおよび10Bのルーチンを出る。
図11A〜11Cは、主に交通料金以外用の精算機50によって実行される、ICカード10または携帯端末20における残高で支払を精算しまたは入金する処理のためのフローチャートの例を示している。
利用者は、入場の後で店または自動販売機等で物を購入し、店員または利用者がICカード10を用いて交通料金以外用の精算機50の非接触通信部506に当てて、支払金額を精算することがある。
図11Aを参照すると、ステップ661において、売店の店員または利用者の操作に従って、プロセッサ502または算出部536は、例えば入力部534を手動操作することによってまたは商品価格読取部512によって入力された精算対象の商品の価格を受け取る。プロセッサ502または算出部536は、その入力された商品の価格に基づいて、精算対象の商品の購入のための支払額を算出して、表示部510に表示する。ステップ662において、店員または利用者がその支払額を精算するためにICカード10または携帯端末20を精算機50の非接触通信部406に当て、ICカード10が非接触通信部506の通信範囲に入る。すると、精算機50のプロセッサ502は、非接触通信部506にICカード10と非接触で通信させて、ICカード10のICカード情報を読み取る。そのために、プロセッサ502は、交通料金精算以外に関する精算機を表す識別情報と、全てのICカード情報の要求をICカード10に送信してもよい。あるいは、プロセッサ502は、交通料金精算以外に関する精算機を表す識別情報と、例えば、利用者識別情報、仮のまたは実際の残高、予測運賃、有効期限、利用履歴、入金処理の契約、等に関する所要の情報の要求とを送信してもよい。形態(B1)、(B2)、(B4)の場合、その要求には、予測運賃の要求が含まれていなくてもよい。ICカード10は、要求された情報をメモリ104から読み出して送信する。
形態(B1)、(B2)、(B4)の場合、ICカード10は、“仮の残高”を含むICカード情報または要求された情報を精算機50に送信する(図17B、18B、20B)。形態(B3)の場合、ICカード10は、“実際の残高”および“予測運賃”を含むICカード情報または要求された情報を精算機50に送信する(図19D)。
ステップ666において、プロセッサ502は、その支払額を、ICカード情報における“仮の残高”か、または“実際の残高”から“予測運賃”を減じた差額(実際の残高−予測運賃=仮の残高)と比較して、残高不足かどうかを判定する(仮の残高<支払額?)。形態(B3)の場合、プロセッサ402は、受け取った“実際の残高”から“予測運賃”を減算して“仮の残高”を生成し、その“仮の残高”と“支払額”を比較してもよい。ステップ666において残高不足でないと判定された場合は、手順は図11Bのステップ682に進む。残高不足であると判定された場合は、手順はステップ668に進む。
ステップ668において、プロセッサ502は、精算機50の表示部510に、残高不足を表す注意メッセージを表示する。ステップ672において、プロセッサ502は、予測された行先および予測運賃を表示部510に表示して、利用者に確認させる。店員または利用者は、予測された行先および予測運賃を入力部534の確認用のキーを操作して確認し、または精算機50の入力部534を操作してその行先を変更してもよい。店員は、利用者から行先を尋ねてもよい。行先が変更された場合、プロセッサ502は、変更された行先を表示部510に表示し、店員または利用者に再度確認させる。
ステップ674において、プロセッサ502は、メモリ504中の交通利用料金テーブルを参照して、確認された行先に基づいて運賃を再予測する。
形態(B4)の場合、ステップ676において、プロセッサ502は、ICカード情報の“仮の残高”から、再予測された“予測運賃”とICカード情報の“予測運賃”の差額(“更新後の予測運賃”−“更新前の予測運賃”)を減算して“更新後の仮の残高”を生成してもよい。プロセッサ502は、さらに、その“更新後の仮の残高”をSF残高とする更新の要求を生成する。この場合、ICカード10(プロセッサ102)は、“更新後の仮の残高”をICカード情報の領域に格納する(図20A)。その他の形態(B1)〜(B3)の場合、ステップ676は実行されない。
ステップ674または676の後のステップ678において、プロセッサ502は、ICカード10に対する、ICカード情報における“予測運賃”の更新の要求を生成する。ICカード10(プロセッサ102)は、その要求に従って、受け取った“予測運賃”に従ってメモリ104中のICカード情報の“予測運賃”を更新する(図17A、18A、19A、20A)。“予測運賃”とともに、確認された行先の駅の識別情報が、予測された行先の駅の識別情報としてICカード情報の領域に格納されてもよい。代替形態として、ステップ676はステップ678の後で実行されてもよい。
図11Bを参照すると、ステップ680において、プロセッサ502は、その支払額を、ICカード情報における“仮の残高”か、または“実際の残高”から“予測運賃”を減じた差額(実際の残高−予測運賃=仮の残高)と比較して、残高不足かどうかを判定する(仮の残高<支払額?)。ステップ680はステップ666と同様である。残高不足でないと判定された場合は、手順はステップ682に進む。残高不足であると判定された場合は、手順は図11Cのステップ690に進む。
ステップ682において、プロセッサ502は、形態(B1)、(B2)、(B4)の場合、“仮の残高”から支払金額を減算して精算し、精算後の“更新後の仮の残高”を算出する。形態(B3)の場合は、プロセッサ502は、“実際の残高”から支払金額を減算して精算し、精算後の“更新後の実際の残高”を算出する。
ステップ684において、プロセッサ502は、ICカード10に対する、交通料金精算以外のための残高の更新の要求を生成する。ICカード10のプロセッサ102は、その要求に従って、図17C、18C、19Cまたは20Cの処理を実行する。形態(B1)、(B4)では、支払金額を減算して得られた更新後の“仮の残高”がICカード10のICカード情報の領域に格納される(図17C、20C)。形態(B2)、(B3)では、支払金額を減算して得られた更新後の“実際の残高”が、ICカード10のICカード情報の領域に格納される(図18C、19C)。
ステップ686において、プロセッサ502は、ICカード情報の利用履歴の更新の要求を生成する。ステップ687において、プロセッサ502は、ICカード10に、実際に、生成された全ての要求に従ってICカード情報を一括して更新させる。ICカード10(プロセッサ102)は、実際に、その要求に従って、ICカード情報を一括して更新する(図17A、18A、19Aまたは20A、図17C、18C、19Cまたは20C、および/または図17F、18F、19Fまたは20F)。
ステップ688において、プロセッサ502は、利用履歴、即ち支払記録、入金情報、(例えば、入金金額)、等をサーバ装置60へ送信する。支払記録は、例えば、ICカード情報における利用者識別情報、支払を精算した精算機50の識別情報および精算した日時、支払金額、予測運賃、仮の残高または実際の残高、等を含んでいてもよい。その後、手順は図11A〜11Cのルーチンを出る。
図11Cを参照すると、図11Bのステップ680において残高不足と判定された場合、ステップ690において、プロセッサ502は、ICカード情報の契約情報を参照して自動入金処理(オートチャージ)が可能かどうかを判定する。自動入金処理が可能でないと判定された場合は、手順はステップ699に進む。自動入金処理が可能であると判定された場合は、手順はステップ692に進む。
ステップ692において、プロセッサ502は、予め定められた入金金額をICカード情報のSF残高(仮の残高または実際の残高)に加算して、入金後すなわち更新後のSF残高と入金情報とを生成する。サーバ装置60は、利用履歴を受信した(ステップ584)後で、入金情報に基づいてクレジット・カードまたは銀行口座による決済処理を行ってもよい。代替形態として、プロセッサ502は、ネットワーク5を介してサーバ装置60に接続して、入金情報に基づいてクレジット・カードまたは銀行口座による決済処理を行ってもよい。形態(B3)では、プロセッサ502による加算後の残高が“更新後の実際の残高”となり、また、形態(B1)、(B2)および(B4)では、プロセッサ502による加算後の残高が“更新後の仮の残高”となる。ステップ694において、プロセッサ502は、ICカード10に対する、交通料金精算以外のための残高の更新の要求または入金処理(チャージ)の実行の要求を生成する。ICカード10は、その要求に従って、図17C、18C、19Cまたは20Cの処理を実行する。形態(B1)、(B4)では、入金金額を加算した“更新後の仮の残高”がICカード10のICカード情報の領域に格納される(図17C、20C)。形態(B2)、(B3)では、入金金額を加算した“更新後の実際の残高”がICカード10のICカード情報の領域に格納される(図18C、19C)。
ステップ696において、プロセッサ502は、ICカード情報の利用履歴の更新の要求を生成する。その後、手順は図11Bのステップ680に戻る。
ステップ699において、プロセッサ502は、店員または利用者に対して、ICカード10に対して入金処理(チャージ)を行うかどうかを質問する表示を表示部510に表示する。店員または利用者は、入力部534を操作して、入金処理を行うかどうか表す指示を精算機50に入力する。そのために、店員は利用者に入金処理を行うかどうかを尋ねてもよい。ステップ700において、プロセッサ502は、その入力された指示に従って入金処理を行うかどうかを判定する。入金処理を行うと判定された場合は、手順はステップ702に進む。入金処理を行わないと判定された場合は、手順はステップ710に進む。
ステップ710において、プロセッサ502は、店員または利用者に対して支払額を現金で精算させる。その後、手順は図11A〜11Cのルーチンを出る。
ステップ702において、プロセッサ502は、入金金額を設定するよう指示するメッセージを表示部510に表示して、店員または利用者に入金金額を入力させる。店員または利用者は、入力部534を操作して入金金額を精算機50に入力する。プロセッサ502は、入力された入金金額を設定し、クレジット・カード決済、銀行口座引落し、または現金入金を選択するよう指示するメッセージを表示部510に表示して、入金処理を行う。現金入金の場合は、店員または利用者は精算機50に利用者の現金を入れる。
ステップ704において、プロセッサ502は、ICカード情報中の受け取った残高に入金金額を加算して、入金後のSF残高を生成する。形態(B3)では、プロセッサ502による加算後の残高が“更新後の実際の残高”となり、また、形態(B1)、(B2)および(B4)では、プロセッサ502による加算後の残高が“更新後の仮の残高”となる。ステップ706において、プロセッサ502は、ICカード10に、交通料金精算以外のための残高の更新の要求または入金処理(チャージ)の実行の要求を生成する。ICカード10は、その要求に従って、図17C、18C、19Cまたは20Cの処理を実行する。形態(B1)、(B4)では、入金金額が加算された更新後の“仮の残高”がICカード10のICカード情報の領域に格納される(図17C、18C)。形態(B2)、(B3)では、入金金額が加算された更新後の“実際の残高”が、ICカード10のICカード情報の領域に格納される(図18C、19C)。
ステップ708において、プロセッサ502は、ICカード情報の利用履歴の更新の要求を生成する。その後、手順は図11Bのステップ680に戻る。
図12A〜12Cは、主に改札機30によって実行される、ICカード10または携帯端末20のICカード情報に基づいて利用者の運賃を精算する処理のためのフローチャートの例を示している。
図12Aを参照すると、利用者が出場するためにICカード10(または携帯端末20)を改札機30の非接触通信部306に当て、ICカード10(またはICカード機能部210)が改札機30の非接触通信部306の通信範囲に入る。ステップ522〜530は図9Aのものと同様である。ステップ522において、ICカード10は、“実際の残高”、または“仮の残高”および“予測運賃”を含むICカード情報または要求された情報を改札機30に送信する。
ステップ530においてICカード情報が有効でないと判定された場合は、ステップ533において、プロセッサ302は、出場不可を表す情報を表示部316に表示し、ドア制御部312に改札機30のドアを閉じさせる。ICカード情報が有効でない場合とは、例えば、ICカードの有効期限が切れている場合、入場記録がないこと、等であってもよい。その後、手順は図12Aおよび12Bのルーチンを出る。ICカード情報が有効でないと判定された場合は、利用者は、精算機50で精算するかまたは精算窓口で精算する。
ステップ530においてICカード情報が有効であると判定された場合、ステップ710において、プロセッサ302は、交通利用料金テーブルを参照して、入場した駅から現在の出場する駅までの運賃を計算する。
ステップ712において、プロセッサ302は、その実際の運賃を、ICカード10から受け取った“実際の残高”か、または受け取った“仮の残高”と“予測残高”を加算した合計額と比較して、残高が不足しているかどうかを判定する(実際の残高<実際の運賃?)。形態(B1)、(B2)、(B3)の場合、プロセッサ302は、受け取った“実際の残高”と“実際の運賃”を比較する。形態(B4)の場合、プロセッサ302は、受け取った“仮の残高”と“予測運賃”を加算して“実際の残高”を生成し(受け取った“仮の残高”+“予測運賃”=“実際の残高”)、その“実際の残高”と“実際の運賃”を比較する。
ステップ712において残高不足でないと判定された場合は、手順は図12Bのステップ730に進む。残高不足であると判定された場合は、手順はステップ513に進む。
ステップ513において、プロセッサ302は、出場不可を表す情報と、精算機等の料金端末40で入金処理を行うかまたは現金で精算処理するよう指示するメッセージを表示部510に表示し、ドア制御部312に改札機30のドアを閉じさせる。その後、手順は図12Aおよび12Bのルーチンを出る。その後、利用者は、料金端末50(入金機またはチャージ機)で入金処理を行い(図10A、10B参照)、再びICカード10で改札機30を通って出場する(図12Aおよび12B)。
代替形態として、ステップ712において残高が不足していると判定された場合、ステップ513の前に、自動入金処理に関する図12Cのステップ560が実行されてもよい。ステップ560において自動入金処理が可能でないと判定された場合に、手順は図12Aのステップ513に進む。ステップ560において自動入金処理が可能であると判定された場合は、図12Cのステップ564〜568が実行される。ステップ560〜568は、図9Bと同様のものである。その後、手順は図12Aのステップ712に戻る。
図12Bを参照すると、ステップ730において、プロセッサ302は、“予測運賃”を初期値ゼロ(0)に設定し、“実際の残高”から“実際の運賃”を減算した差額を、更新後の“実際の残高”として設定する。ここで、“更新後の残高”は、“実際の残高”(“仮の残高”+“予測運賃”)から“実際の運賃”を減算した差額であり、プロセッサ302によって計算された値である。そのために、形態(B1)〜(B3)の場合、プロセッサ302は、受け取った“実際の残高”から実際の運賃を減算した差額を精算後の“更新後の残高”として設定する(“更新後の残高”=受け取った“実際の残高”−“実際の運賃”)。形態(B4)の場合、プロセッサ302は、例えば、受け取った“仮の残高”と“予測運賃”を加算して“実際の残高”を生成し、その“実際の残高”から“実際の運賃”を減算した差額を精算後の“更新後の残高”として設定してもよい(“更新後の残高”=受け取った“仮の残高”+“予測運賃”−“実際の運賃”)。代替形態として、形態(B1)、(B2)の場合、プロセッサ302は、“実際の運賃”の情報とともに、ICカード10に対する、“実際の残高”から“実際の運賃”を減算して残高を更新するよう求める要求を設定してもよい。
ステップ732において、プロセッサ302は、ICカード10に、ICカード情報における交通料金精算のための残高更新の要求を生成する。ICカード10(プロセッサ102)は、その要求に従って、図17E、18E、19Eまたは20Eの処理を実行する。
そのために、形態(B1)では、プロセッサ302は、ICカード10に、“予測運賃”を削除しまたは初期値ゼロ(0)に更新し、ICカード情報において“実際の残高”(=SF残高+予測運賃)を、“実際の運賃”で精算した後の“実際の残高”(差額)へ更新するよう求める要求を生成する(“更新後の残高”=受け取った“実際の残高”−“実際の運賃”)。ここで、“更新後の残高”は、“実際の残高”(“仮の残高”+“予測運賃”)から“実際の運賃”を減算した差額であり、プロセッサ302によって計算された値である。それによって、ICカード情報において“仮の残高”が“実際の残高”に書き替えられる。代替形態として、プロセッサ302は、“実際の運賃”の情報とともに、ICカード10に対する、“実際の残高”(=SF残高+予測運賃)から“実際の運賃”を減算して残高を更新するよう求める要求を生成してもよい。その要求に応答して、ICカード(プロセッサ102)は、例えば、“仮の残高”と“予測運賃”を加算して“実際の残高”を生成し、その“実際の残高”から、受け取った“実際の運賃”を減算した差額を精算後の“更新後の残高”として設定し、残高を更新してもよい(“更新後の残高”= “仮の残高”+“予測運賃”−受け取った“実際の運賃”)。この場合、“予測運賃”の削除または初期値への更新の要求がなくても、ICカード10(プロセッサ102)が、その残高の更新の要求に応答して、“予測運賃”を削除しまたは初期値ゼロ(0)にクリアするようにしてもよい。
形態(B2)では、プロセッサ302は、ICカード10に、“予測運賃”を削除しまたは初期値ゼロ(0)に更新し、ICカード情報において“実際の残高”を、“実際の運賃”で精算した後の“更新後の残高”(差額)へ更新するよう求める要求を生成する(“更新後の残高”=受け取った“実際の残高”−“実際の運賃”)。ここで、“更新後の残高”は、“実際の残高”から“実際の運賃”を減算した差額であり、プロセッサ302によって計算された値である。代替形態として、プロセッサ302は、“実際の残高”の情報とともに、ICカード10に対する、“実際の残高”から“実際の運賃”を減算して残高を更新するよう求める要求を生成してもよい。この場合、“予測運賃”の削除または初期値への更新の要求がなくても、ICカード10(プロセッサ102)が、その残高の更新の要求に応答して、“予測運賃”を削除しまたは初期値ゼロ(0)にクリアするようにしてもよい。
形態(B3)では、プロセッサ302は、ICカード情報において、“予測運賃”を削除しまたは初期値ゼロ(0)に更新させ、“実際の残高”を“更新後の残高”(差額)へ更新するよう求める要求を生成する。ここで、“更新後の残高”は、“実際の残高”から“実際の運賃”を減算した差額であり、プロセッサ302によって計算された値である。
形態(B4)では、プロセッサ302は、ICカード情報において、“予測運賃”を削除しまたは初期値ゼロ(0)に更新させ、“仮の残高”を“更新後の残高”へ更新するよう求める要求を生成する。それによって、ICカード情報において“仮の残高”が“実際の残高”に書き替えられる。ここで、“更新後の残高”は、“実際の残高”(“仮の残高”+“予測運賃”)から“実際の運賃”を減算した差額であり、プロセッサ302によって計算された値である。
ステップ734において、プロセッサ302は、ICカード情報の領域への出場記録の書き込みの要求を生成する。出場記録は、例えば、ICカード情報における利用者識別情報、入場した駅、出場した駅および改札機30の識別情報、および出場した日時、実際の利用運賃、更新後のSF残高、等を含んでいてもよい。ステップ736において、プロセッサ302は、ICカード情報の利用履歴の更新の要求を生成する。ステップ738において、プロセッサ302は、ICカード10に、実際に、生成された全ての要求に従ってICカード情報を一括して更新させる。ICカード10(プロセッサ102)は、実際に、その要求に従って、ICカード情報を一括して更新する(図17E、18E、191Eまたは20E、および/または図17F、18F、19Fまたは20F)。
ステップ740において、プロセッサ302は、利用者の出場を許可して、即ちドア制御部312に改札機30のドアを開かせる。ステップ742において、プロセッサ302は、利用履歴、即ち出場記録、利用運賃、入金情報(例えば、入金金額)、等をサーバ装置60へ送信する。その後、手順は図12Aおよび12Bのルーチンを出る。
交通利用額の予測形態(A1)によれば、利用者がICカード10またはICカード機能を含む携帯端末20で改札機30を通って入場した後で、ICカード10または携帯端末20(ICカード機能部210)の残高が運賃について不足になる可能性を低くすることができる。この場合、携帯端末20を使用する場合でもその携帯端末機能部220に加える変更を小さくできる。また、残高不足の回避のための形態(B1)、(B2)によれば、改札機30、料金端末40および精算機50に施す変更を小さくできる。残高不足の回避のための形態(B3)、(B4)によれば、ICカード10およびICカード機能を含む携帯端末20に施す変更を小さくできる。また、残高不足の回避のための形態(B1)、(B2)、(B4)によれば、精算機50において、ICカード10またはICカード機能210の仮の残高にのみアクセスして精算することが可能な場合もあり、ICカード10またはICカード機能210のセキュリティを高くすることができる。
次に、交通利用額予測形態(A2)の場合について、一例として鉄道に関して、携帯端末20のアプリケーションによって運賃が予測される場合の改札機30、精算機50、および携帯端末20の動作の例を説明する。この場合、利用者は、携帯端末20のアプリケーションによって入金処理を行えるので、料金端末40を利用しなくてもよい。
図13は、携帯端末20のプロセッサ222によって実行される、ICカード情報における残高を運賃に関して管理するためのアプリケーション(プログラム)をダウンロードしまたは更新する処理のためのフローチャートの例を示している。
利用者は、携帯端末20において入力部234を操作して携帯端末20をネットワーク7および5を介してサーバ装置60に接続して、携帯端末20で利用可能な残高および運賃の管理のためのアプリケーションをダウンロードまたは更新する。
ステップ752において、携帯端末20のプロセッサ222は、アプリケーションを新しくダウンロードするかまたは更新するかを判定する。アプリケーションをダウンロードすると判定された場合は、手順はステップ762に進む。アプリケーションを更新すると判定された場合は、手順はステップ754に進む。
ステップ762において、プロセッサ222は、サーバ装置60からアプリケーションをダウンロードしてメモリ224に格納し携帯端末20にインストールする。プロセッサ222は、ステップ764においてサーバ装置60から利用履歴情報をダウンロードしてメモリ224に格納し、ステップ766においてサーバ装置60から交通利用料金テーブルをダウンロードしてメモリ224に格納する。その後、手順は図13のルーチンを出る。
ステップ754において、プロセッサ222は、サーバ装置60からアプリケーションの更新プログラムをダウンロードしてメモリ224に格納し、携帯端末20におけるアプリケーションを更新する。ステップ756において、プロセッサ222は、サーバ装置60から更新された交通利用料金テーブルをダウンロードしてメモリ224に格納する。その後、手順は図13のルーチンを出る。
図14は、主に改札機30によって実行される、携帯端末20のICカード機能部210のICカード情報を処理するためのフローチャートの例を示している。
図14を参照すると、ステップ522〜532は図9Aのものと同様である。ステップ530においてICカード情報が有効であると判定された場合は、手順はステップ578に進む。ステップ578〜584は図9Bのものと同様である。ステップ580において、携帯端末20のICカード機能部210のプロセッサ102は、要求に従ってICカード情報を更新する。
図15Aおよび15Bは、交通利用額予測形態(A2)の場合に、主に携帯端末20のプロセッサ222によって実行される、利用者の運賃を予測する処理のためのフローチャートの例を示している。
図14のステップ580においてICカード機能部210におけるICカード情報が更新されたとき、図15Aのステップ802において、プロセッサ222は、ICカード制御部228を介してICカード情報の更新を検出する。プロセッサ222は、その検出に応答して、ICカード機能部210のメモリ104中のICカード情報を読み取ってメモリ224に格納する。
ステップ804において、プロセッサ222は、メモリ224中のICカード情報の利用履歴を参照して、利用者の行先を予測する。その予測の方法は、図9Aのステップ542におけるものと同様である。
ステップ806において、プロセッサ222は、メモリ224中の交通利用料金テーブルを参照して、現在の駅からその予測された行先の駅までの運賃を計算することによって、運賃を予測する。
ステップ808において、プロセッサ222は、その予測運賃をICカード情報の初期のSF残高(実際の残高)と比較して、残高不足かどうかを判定する(残高<予測運賃?)。初期の“仮の残高”は“実際の残高”と均しく、初期の予測運賃は初期値ゼロ(0)円である。予測運賃が初期値でなく正の値を有する場合には、プロセッサ222は、その予測された“予測運賃”をICカード情報の“実際の残高”(SF残高)と比較して、残高が不足しているかどうかを判定する(残高<予測運賃?)。そのために、形態(B4)の場合、プロセッサ222は、受け取った“仮の残高”と“予測運賃”を加算して“実際の残高”を生成し、その生成された“実際の残高”とその再予測された“予測運賃”とを比較する。残高不足でないと判定された場合、手順は、形態(B4)の場合はステップ810に進み、または形態(B1)〜(B3)の場合はステップ812に進む。残高不足であると判定された場合は、手順はステップ822に進む。
形態(B4)では、ステップ810において、プロセッサ222は、ICカード情報の“仮の残高”(=“実際の残高”)から“予測運賃”を減算して“更新後の仮の残高”を生成し、“更新後の仮の残高”を“SF残高”とする更新の要求を生成する。この場合、ICカード機能部210のプロセッサ102は、その要求に従って、“更新後の仮の残高”をメモリ104中のICカード情報の領域に格納する(図20A)。それによって、ICカード機能部210のメモリ104中のICカード情報の“実際の残高”が“仮の残高”に書き替えられる。その他の形態(B1)〜(B3)の場合、ステップ810は実行されない。
ステップ808で残高不足でないと判定された後またはステップ810の後のステップ812において、プロセッサ222は、ICカード機能部210に対する、ICカード情報における“予測運賃”の更新の要求を生成する。ICカード機能部210のプロセッサ102は、その要求に従って、受け取った“予測運賃”に基づいてICカード情報の“予測運賃”を更新する(図17A、18A、19A、20A)。“予測運賃”とともに、予測された行先の駅の識別情報がICカード情報の領域に格納されてもよい。ICカード情報における予測運賃の初期値は初期値ゼロ(0)である。形態(B1)の場合、ICカード機能部210のプロセッサ102は、ICカード情報の“実際の残高”からその受け取った“予測運賃”を減算して“更新後の仮の残高”を生成して、ICカード情報の“実際の残高”を“更新後の仮の残高”に更新する(図17A)。代替形態として、ステップ810はステップ812の後で実行されてもよい。
ステップ822において、プロセッサ222は、携帯端末20の表示部230に、残高不足を表す注意メッセージを表示する。
ステップ824において、プロセッサ222は、メモリ224またはメモリ104中のICカード情報の予測された行先および予測運賃を表示部230に表示して、利用者に確認させる。利用者は、予測された行先および予測運賃を入力部234の確認用のキーを操作して確認し、または携帯端末20の入力部234を操作してその行先を変更してもよい。行先が変更された場合、プロセッサ222は、変更された行先を表示部230に表示し、利用者に再度確認させる。
ステップ826において、プロセッサ222は、メモリ224中の交通利用料金テーブルを参照して、利用者によって確認された行先に基づいて運賃を再予測する。
ステップ828において、プロセッサ222は、その予測運賃をICカード情報の初期のSF残高(実際の残高)と比較して、残高不足かどうかを判定する(残高<予測運賃?)。ステップ828はステップ808と同様である。残高不足でないと判定された場合、手順は、形態(B4)の場合はステップ810に進み、または形態(B1)〜(B3)の場合はステップ812に進む。残高不足であると判定された場合は、手順は図15Bのステップ830に進む。
図15Bを参照すると、残高不足と判定された場合、ステップ830において、プロセッサ222は、自動入金処理(オートチャージ)が可能かどうかを判定する。自動入金処理が可能でないと判定された場合は、手順はステップ839に進む。自動入金処理が可能であると判定された場合は、手順はステップ832に進む。
ステップ832において、プロセッサ222は、予め定められた入金金額をICカード情報のSF残高(実際の残高)に加算して、入金後すなわち更新後のSF残高と入金情報とを生成する。この段階では、予測運賃は初期値ゼロ(0)円であり、実際の残高は仮の残高と均しい。プロセッサ222は、ネットワーク7、5を介してサーバ装置60に接続して、入金情報に基づいてクレジット・カードまたは銀行口座による決済処理を行ってもよい。
ステップ834において、プロセッサ222は、ICカード機能部210に対する、交通料金精算に関する入金処理(チャージ)の実行の要求を生成する。ICカード機能部210のプロセッサ102は、その要求に従って、図17F、18F、19Fまたは20Fの処理を実行する。それによって、入金金額が加算された“実際の残高”または“仮の残高”がICカード機能部210のメモリ104のICカード情報の領域に格納される。ステップ836において、プロセッサ222は、ICカード機能部210に対する、ICカード情報の利用履歴の更新の要求を生成する。ICカード機能部210のプロセッサ102は、その要求に従ってICカード情報利用履歴を更新する。その後、手順は図15Aのステップ828に戻る。
ステップ839において、プロセッサ222は、利用者に対して、ICカード機能部210に対して入金処理(チャージ)を行うかどうかを質問する表示を表示部230に表示する。利用者は、入力部234を操作して、入金処理を行うかどうか表す指示を入力する。ステップ840において、プロセッサ222は、その入力された指示に従って入金処理を行うかどうかを判定する。入金処理を行うと判定された場合は、手順はステップ852に進む。入金処理を行わないと判定された場合は、手順は図15Aおよび15Bのルーチンを出る。代替形態として、ステップ828(YES)の後のステップ844において、プロセッサ222は、さらに予測運賃(仮の運賃)をSF残高(実際の残高)と均しい金額に設定変更してもよい(“予測運賃=SF残高”)。ここで、SF残高は、初乗り運賃以上かつ予測運賃未満の金額である。それによって、“仮の残高”は初期値ゼロ(0)となる。それによって、SF残高が運賃以外の精算に使用されることが回避できる。その後、手順は図15Aのステップ828に戻る。
ステップ852において、プロセッサ222は、入金金額を設定するよう指示するメッセージを表示部230に表示して、利用者に入金金額を入力させる。利用者は、入力部234を操作して入金金額を携帯端末20に入力する。プロセッサ222は、入力された入金金額を設定する。
ステップ854において、プロセッサ222は、入金金額をICカード情報のSF残高(実際の残高)に加算して、入金後のSF残高を生成する。この段階では、予測運賃は初期値ゼロ(0)円であり、実際の残高は仮の残高と均しい。プロセッサ222は、ネットワーク7、5を介してサーバ装置60に接続して、入金情報に基づいてクレジット・カードまたは銀行口座による決済処理を行ってもよい。
ステップ856において、プロセッサ222は、ICカード機能部210に対する、交通料金精算に関する入金処理(チャージ)の実行の要求を生成する。ICカード機能部210のプロセッサ102は、その要求に従って、図17F、18F、19Fまたは20Fの処理を実行する。それによって、入金金額が加算された“仮の残高”または“実際の残高”がICカード機能部210のICカード情報の領域に格納される。ステップ858において、プロセッサ222は、ICカード情報の利用履歴を更新する要求を生成する。ICカード機能部210のプロセッサ102は、その要求に従ってICカード情報利用履歴を更新する。その後、手順は図15Aのステップ828に戻る。
交通利用額予測形態(A2)において携帯端末20によって予測運賃を生成する場合、携帯端末20において、精算機50におけるのと同様に、ICカード情報の残高を照会しまたは入金できるようにしてもよい。また、利用者は、通常の料金端末において、または図10Aおよび10Bのフローチャートに従って動作する料金端末50において、携帯端末20のICカード機能部210への入金を行ってもよい。この場合、通常の料金端末は、ICカード機能部210のICカード情報のSF残高(仮の残高または実際の残高)に入金金額を加算して、ICカード情報のSF残高を更新する。プロセッサ222は、ICカード制御部228を介してICカード情報の更新を検出して、ICカード機能部210のICカード情報を読み取り、図15Aおよび15Bのフローチャートを実行してもよい。それによって、予測運賃を再び生成してICカード機能部210に書き込むことができ、またはICカード機能部210の予測運賃を更新することができる。
交通利用額予測形態(A2)において携帯端末20によって予測運賃を生成する場合でも、精算機50を利用することができる。この場合、交通料金精算以外の精算について、主に精算機50によって実行される図11A〜11Cのフローチャートが同様に適用される。
交通利用額予測形態(A2)において携帯端末20によって予測運賃を生成する場合、利用者の交通料金精算について、図12A〜12Cのフローチャートが同様に適用できる。図12Aのステップ513で出場不可と表示されドアが閉じられた場合、利用者は、携帯端末20のICカード機能部210に対して、前述したように通常の料金端末または図1の料金端末50で入金処理を行ってもよい。あるいは、携帯端末20の形態端末機能部220において入金処理を行ってもよい(図15B、ステップ830〜858参照)。
図16は、交通利用額予測形態(A2)の場合に、図12Bのステップ738においてICカード機能部210のICカード情報が更新された後で、携帯端末20のプロセッサ222によって実行される、利用者の運賃を精算した後の処理のためのフローチャートの例を示している。
図12Bのステップ738においてICカード機能部210におけるICカード情報が更新されたとき、プロセッサ222はICカード制御部228を介してICカード機能部210のICカード情報の更新を検出する。図16を参照すると、その検出に応答して、ステップ950において、プロセッサ222は、ICカード機能部210の利用履歴を読み出して、未格納分(未コピー分)の利用履歴を携帯端末20のメモリ224の利用履歴に格納(コピー)する。この処理は、図15Aのステップ802の後に行ってもよい。
交通利用額の予測形態(A2)によれば、利用者がICカード機能を含む携帯端末20で改札機30を通って入場した後で、携帯端末20のICカード機能部210の残高が運賃について不足になる可能性を低くすることができる。この場合、携帯端末20によって行先および運賃の予測が行われ、従って改札機30の処理負荷を小さくできる。また、残高不足の回避のための形態(B1)、(B2)によれば、改札機30、精算機50および携帯端末機能部220に施す変更を小さくできる。残高不足の回避のための形態(B3)、(B4)によれば、ICカード機能を含む携帯端末20に施す変更を小さくできる。また、残高不足の回避のための形態(B1)、(B2)、(B4)によれば、精算機50において、ICカード10またはICカード機能210の仮の残高にのみアクセスして精算することが可能な場合もあり、ICカード10またはICカード機能210のセキュリティを高くすることができる。携帯端末20では、ICカード10の利用履歴情報よりも多くの利用履歴情報を保存して利用することができるので、より正確な予測が可能である。
次に、残高不足の回避のための4つの形態(B1)〜(B4)における、ICカード10、または携帯端末20のICカード機能部210の動作の例を説明する。以下、主にICカード10について説明するが、携帯端末20のICカード機能部210でも同様である。
図17A〜17Fは、形態(B1)でICカード10または携帯端末20のICカード機能部210のプロセッサ102によって実行される、改札機30、料金端末40、精算機50または携帯端末20の携帯端末機能部220(A2)の要求に応答動作する処理のためのフローチャートの例を示している。
図17Aは、改札機30、料金端末40または精算機50、または携帯端末20の携帯端末機能部220(A2)による予測運賃の更新の要求に応答して、ICカード10に格納された予測運賃を更新する処理のためのフローチャートの例を示している。
改札機30、料金端末40または精算機50による予測運賃の更新の要求に応答して、プロセッサ102は、ステップ1002においてICカード情報から更新前の予測運賃を読み出し、ステップ1004において、受け取った更新後の予測運賃をICカード情報に書き込む。ステップ1006において、プロセッサ102は、更新後の予測運賃から更新前の予測運賃を減算して差額予測運賃を計算する(差額予測運賃=更新後の予測運賃−更新前の予測運賃)。差額予測運賃は負の値であってもよい。ステップ1008において、プロセッサ102は、ICカード情報から読み出された仮の残高から差額予測運賃を減算し、その結果の仮の残高をICカード情報に書き込んで、残高を更新する。
図17Bは、精算機50によるICカード情報の読み出し要求に応答して、ICカード10に格納された仮の残高を含む応答を出力する処理のためのフローチャートの例を示している。
交通料金精算以外の精算用の装置または処理を表す情報を含むICカード情報の読み出し要求に応答して、プロセッサ102は、ステップ1012においてICカード情報から仮の残高を読み出し、ステップ1014において読み出した仮の残高を残高とする応答を出力する。交通料金精算以外用の装置または処理を表す情報は、例えば、精算機50の識別情報であっても、入出場記録の読み出し要求のない読み出し要求の受信であってもよい。
図17Cは、精算機50による残高更新の要求に応答して、ICカード10に格納された仮の残高を更新する処理のためのフローチャートの例を示している。図17Cのフローチャートは、例えば図17Bのフローチャートの後に実行される。
例えば精算機50による残高更新の要求に応答して、プロセッサ102は、ステップ1018において、受け取った更新後の残高をICカード情報に更新後の仮の残高として書き込んで、残高を更新する。
図17Dは、改札機30または料金端末40、または携帯端末20の携帯端末機能部220(A2)による交通料金精算に関する残高読み出し要求に応答して、交通料金精算に関して、ICカード10に格納された実際の残高を含む応答を出力する処理のためのフローチャートの例を示している。
交通料金精算用の装置または処理を表す情報を含む交通料金精算に関する残高読み出し要求に応答して、プロセッサ102は、ステップ1022においてICカード情報から仮の残高を読み出し、ステップ1024においてICカード情報から予測運賃を読み出す。交通料金精算用の装置または処理を表す情報は、例えば、改札機30、料金端末40または携帯端末20の識別情報であっても、入出場記録の読み出し要求を含む要求の受信であってもよい。ステップ1026において、プロセッサ102は仮の残高と予測運賃の合計を残高とする応答を出力する。
図17Eは、改札機30による残高更新の要求に応答して、交通料金精算に関して、ICカード10に格納された仮の残高を更新する処理のためのフローチャートの例を示している。図17Eのフローチャートは、例えば図17Dのフローチャートの後に実行される。
例えば改札機30による残高更新の要求に応答して、プロセッサ102は、ステップ1032においてICカード情報における予測運賃を初期値ゼロ(0)にクリアする。ステップ1034において、プロセッサ102は、受け取った更新後の残高をIC情報カードに書き込む。代替形態として、プロセッサ102は、ICカード情報における仮の残高を読み出し、読み出した仮の残高に予測運賃を加算し(実際の残高)、受け取った実際の運賃を減算し(残高=仮の残高+予測運賃−実際の運賃)、その計算結果の残高をICカード情報に書き込んでもよい。
図17Fは、改札機30、料金端末40、または携帯端末20の携帯端末機能部220(A2)による交通料金精算に関する入金処理の要求に応答して、ICカード10において入金処理を行うためのフローチャートの例を示している。
交通料金精算用の装置または処理を表す情報を含む交通料金精算に関する入金処理の要求に応答して、ステップ1036において、プロセッサ102は、ICカード情報から予測運賃を読み出し、受け取った更新後の残高(実際の残高)から予測運賃を減算して仮の残高を生成する。交通料金精算用の装置または処理を表す情報は、例えば、改札機30、料金端末40または携帯端末20の識別情報であっても、入出場記録の読み出し要求を含む要求の受信であってもよい。ステップ1038において、プロセッサ102は、その仮の残高をICカード情報の残高として書き込んで、残高を更新する。
図18A〜18Fは、形態(B2)でICカード10または携帯端末20のICカード機能部210のプロセッサ102によって実行される、改札機30、料金端末40、精算機50または携帯端末20の携帯端末機能部220(A2)の要求に応答動作する処理のためのフローチャートの例を示している。
図18Aは、改札機30、料金端末40または精算機50、または携帯端末20の携帯端末機能部220(A2)による予測運賃の更新の要求に応答して、ICカード10に格納された予測運賃を更新する処理のためのフローチャートの例を示している。
改札機30、料金端末40または精算機50による予測運賃の更新の要求に応答して、プロセッサ102は、ステップ1042において、更新前の予測運賃を削除し、受け取った更新後の予測運賃をICカード情報に書き込む。
図18Bは、精算機50によるICカード情報の読み出し要求に応答して、ICカード10に格納された残高を含む応答を出力する処理のためのフローチャートの例を示している。
交通料金精算以外用の装置または処理を表す情報を含むICカード情報の読み出し要求に応答して、プロセッサ102は、ステップ1046においてICカード情報から実際の残高を読み出し、ステップ1048においてICカード情報から予測運賃を読み出す。交通料金精算以外用の装置または処理を表す情報は、例えば、精算機50の識別情報であっても、入出場記録の読み出し要求のない読み出し要求を含む要求の受信であってもよい。ステップ1050において、読み出した実際の残高から予測運賃を減算して仮の残高を生成し(仮の残高=残高−予測運賃)、その計算結果の仮の残高を残高とする応答を出力する。
図18Cは、精算機50による残高更新の要求に応答して、ICカード10に格納された仮の残高を更新する処理のためのフローチャートの例を示している。図18Cのフローチャートは、例えば図18Bのフローチャートの後に実行される。
例えば精算機50による残高更新の要求に応答して、プロセッサ102は、ステップ1054において、受け取った更新後の仮の残高に、読み出した予測運賃を加算して実際の残高を生成する。プロセッサ102は、ステップ1056において、その生成された実際の残高をICカード情報に残高として書き込んで、残高を更新する。
図18Dは、改札機30または料金端末40、または携帯端末20の携帯端末機能部220(A2)による交通料金精算に関する残高読み出し要求に応答して、交通料金精算に関して、ICカード10に格納された実際の残高を含む応答を出力する処理のためのフローチャートの例を示している。
交通料金精算用の装置または処理を表す情報を含む交通料金精算に関する残高読み出し要求に応答して、プロセッサ102は、ステップ1062においてICカード情報から実際の残高を読み出す。交通料金精算用の装置または処理を表す情報は、例えば、改札機30、料金端末40または携帯端末20の識別情報であっても、入出場記録の読み出し要求を含む要求の受信であってもよい。ステップ1064において、プロセッサ102は、読み出した実際の残高を残高とする応答を出力する。
図18Eは、改札機30による残高更新の要求に応答して、交通料金精算に関して、ICカード10に格納された実際の残高を更新する処理のためのフローチャートの例を示している。図18Eのフローチャートは、例えば図18Dのフローチャートの後に実行される。
例えば改札機30による残高更新の要求に応答して、プロセッサ102は、ステップ1066においてICカード情報における予測運賃を初期値ゼロ(0)にクリアする。ステップ1068において、プロセッサ102は、受け取った更新後の残高をIC情報カードに書き込む。代替形態として、プロセッサ102はICカード情報における実際の残高を読み出し、読み出した実際の残高から、受け取った実際の運賃を減算し(残高=実際の残高−実際の運賃)、その計算結果の残高をICカード情報に書き込んでもよい。
図18Fは、改札機30、料金端末40、または携帯端末20の携帯端末機能部220(A2)による交通料金精算に関する入金処理の要求に応答して、ICカード10において入金処理を行うためのフローチャートの例を示している。
交通料金精算用の装置または処理を表す情報を含む交通料金精算に関する入金処理の要求に応答して、ステップ1072において、プロセッサ102は、受け取った更新後の実際の残高をICカード情報に残高として書き込む。交通料金精算用の装置または処理を表す情報は、例えば、改札機30、料金端末40または携帯端末20の識別情報であっても、入出場記録の読み出し要求を含む要求の受信であってもよい。
図19A〜19Fは、形態(B3)でICカード10または携帯端末20のICカード機能部210のプロセッサ102によって実行される、改札機30、料金端末40、精算機50または携帯端末20の携帯端末機能部220(A2)の要求に応答動作する処理のためのフローチャートの例を示している。
図19Aは、改札機30、料金端末40または精算機50、または携帯端末20の携帯端末機能部220(A2)による予測運賃の更新の要求に応答して、ICカード10に格納された予測運賃を更新する処理のためのフローチャートの例を示している。ステップ1042は図18Aのものと同様である。
図19Bは、精算機50によるICカード情報の読み出し要求に応答して、ICカード10に格納された実際の残高を含む応答を出力する処理のためのフローチャートの例を示している。
例えば精算機50によるICカード情報の読み出し要求に応答して、プロセッサ102は、ステップ1086においてICカード情報から実際の残高を読み出し、ステップ1088においてICカード情報から予測運賃を読み出す。ステップ1090において、プロセッサ102は、読み出した予測運賃および実際の残高を含む応答を出力する。プロセッサ102は、ICカード情報の読み出し要求が交通料金精算以外用の処理または装置を表す情報を含む場合に、ステップ1086〜1090を実行してもよい。交通料金精算以外用の装置または処理を表す情報は、例えば、精算機50の識別情報であっても、入出場記録の読み出し要求のない読み出し要求の受信であってもよい。
図19Cは、精算機50による残高更新の要求に応答して、ICカード10に格納された実際の残高を更新する処理のためのフローチャートの例を示している。図19Cのフローチャートは、例えば図19Bのフローチャートの後に実行される。
例えば精算機50による残高更新の要求に応答して、ステップ1094において、プロセッサ102は、受け取った更新後の実際の残高をICカード情報に書き込む。
図19Dは、改札機30または料金端末40、または携帯端末20の携帯端末機能部220(A2)による交通料金精算に関する残高読み出し要求に応答して、交通料金精算に関して、ICカード10に格納された実際の残高を含む応答を出力する処理のためのフローチャートの例を示している。
例えば、改札機30、料金端末40または携帯端末20による交通料金精算に関する残高読み出し要求に応答して、プロセッサ102は、ステップ1102においてICカード情報から実際の残高を読み出し、ステップ1104においてICカード情報から予測運賃を読み出す。ステップ1106において、プロセッサ102は、読み出した実際の残高および予測運賃を含む応答を出力する。プロセッサ102は、常に、実際の残高および予測運賃を含む応答を出力するようにすることによって、その動作が簡単になる。代替形態として、ステップ1104は実行されなくてもよく、ステップ1106において予測運賃は応答に含められなくてもよい。プロセッサ102は、交通料金精算に関する残高読み出し要求が交通料金精算用の装置または処理を表す情報を含む場合に、ステップ1102〜1106かまたはステップ1102および1106を実行してもよい。交通料金精算用の装置または処理を表す情報は、例えば、改札機30、料金端末40または携帯端末20の識別情報であっても、入出場記録の読み出し要求を含む要求の受信であってもよい。
図19Eは、改札機30による残高更新の要求に応答して、交通料金精算に関して、ICカード10に格納された実際の残高を更新する処理のためのフローチャートの例を示している。図19Eのフローチャートは、例えば図19Dのフローチャートの後に実行される。
例えば改札機30による残高更新の要求に応答して、プロセッサ102は、ステップ1112において、更新前の予測運賃を削除し、受け取った更新後の予測運賃(初期値ゼロ(0))をICカード情報に書き込む。ステップ1114において、プロセッサ102は、受け取った更新後の実際の残高をICカード情報に残高として書き込んで、残高を更新する。
図19Fは、改札機30、料金端末40、または携帯端末20の携帯端末機能部220(A2)による交通料金精算に関する入金処理の要求に応答して、ICカード10において入金処理を行うためのフローチャートの例を示している。ステップ1072は、図18Fのものと同様である。
図20A〜20Fは、形態(B4)でICカード10または携帯端末20のICカード機能部210のプロセッサ102によって実行される、改札機30、料金端末40、精算機50または携帯端末20の携帯端末機能部220(A2)の要求に応答動作する処理のためのフローチャートの例を示している。
図20Aは、改札機30、料金端末40または精算機50、または携帯端末20の携帯端末機能部220(A2)による予測運賃の更新の要求に応答して、ICカード10に格納された予測運賃を更新する処理のためのフローチャートの例を示している。
改札機30、料金端末40または精算機50による予測運賃の更新の要求に応答して、プロセッサ102は、ステップ1122において、受け取った予測運賃をICカード情報に書き込み、ステップ1124において受け取った更新後の仮の残高をICカード情報に残高として書き込む。
図20Bは、精算機50によるICカード情報の読み出し要求に応答して、ICカード10に格納された仮の残高を含む応答を出力する処理のためのフローチャートの例を示している。
例えば精算機50によるICカード情報の読み出し要求に応答して、プロセッサ102は、ステップ1126においてICカード情報から仮の残高を読み出し、ステップ1128においてICカード情報から予測運賃を読み出す。ステップ1130において、プロセッサ102は、読み出した仮の残高と予測運賃を含む応答を出力する。プロセッサ102は、常に、仮の残高および予測運賃を含む応答を出力するようにすることによって、その動作が簡単になる。代替形態として、ステップ1128は実行されなくてもよく、ステップ1130において予測運賃は応答されなくてもよい。プロセッサ102は、ICカード情報の読み出し要求が交通料金精算以外用の処理または装置を表す情報を含む場合に、ステップ1126〜1130かまたはステップ1126および1130を実行してもよい。交通料金精算以外用の装置または処理を表す情報は、例えば、精算機50の識別情報であっても、入出場記録の読み出し要求のない読み出し要求の受信であってもよい。
図20Cは、精算機50による残高更新の要求に応答して、ICカード10に格納された仮の残高を更新する処理のためのフローチャートの例を示している。ステップ1018は、図17Cのものと同様である。図20Cのフローチャートは、例えば図20Bのフローチャートの後に実行される。
図20Dは、改札機30または料金端末40、または携帯端末20の携帯端末機能部220(A2)による交通料金精算に関する残高読み出し要求に応答して、交通料金精算に関して、ICカード10に格納された仮の残高を含む応答を出力する処理のためのフローチャートの例を示している。
例えば、改札機30、料金端末40または携帯端末20による交通料金精算に関する残高読み出し要求に応答して、プロセッサ102は、ステップ1142においてICカード情報から仮の残高を読み出し、ステップ1144においてICカード情報から予測運賃を読み出す。プロセッサ102は、交通料金精算に関する残高読み出し要求が交通料金精算用の装置または処理を表す情報を含む場合に、ステップ1142を実行してもよい。交通料金精算用の装置または処理を表す情報は、例えば、改札機30、料金端末40または携帯端末20の識別情報であっても、入出場記録の読み出し要求を含む要求の受信であってもよい。ステップ1146において、プロセッサ102は、読み出した予測運賃と仮の残高を含む応答を出力する。
図20Eは、改札機30による残高更新の要求に応答して、交通料金精算に関して、ICカード10に格納された残高を更新する処理のためのフローチャートの例を示している。ステップ1112および1114は図19Eのものと同様である。図20Eのフローチャートは、例えば図20Dのフローチャートの後に実行される。
図20Fは、改札機30、料金端末40、または携帯端末20の携帯端末機能部220(A2)による交通料金精算に関する入金処理の要求に応答して、ICカード10において入金処理を行うためのフローチャートの例を示している。
交通料金精算用の装置または処理を表す情報を含む交通料金精算に関する入金処理の要求に応答して、プロセッサ102は、ステップ1158において、受け取った更新後の仮の残高をICカード情報に書き込む。交通料金精算用の装置または処理を表す情報は、例えば、改札機30、料金端末40または携帯端末20の識別情報であっても、入出場記録の読み出し要求を含む要求の受信であってもよい。
残高不足回避形態(B1)、(B2)によれば、ICカード10またはICカード機能部210によって実際の残高から仮の残高が生成されるので、改札機30、料金端末40、精算機50および携帯端末機能部220の処理負荷を小さくできる。また、残高不足回避形態(B3)によれば、精算機50によって実際の残高から仮の残高が生成されるので、ICカード機能を含む携帯端末20の処理負荷を小さくできる。また、残高不足回避形態(B4)によれば、改札機30、料金端末40および携帯端末機能部220によって実際の残高から仮の残高が生成されるので、ICカード機能を含む携帯端末20の処理負荷を小さくできる。また、残高不足の回避のための形態(B1)、(B2)、(B4)によれば、精算機50において、ICカード10またはICカード機能210の仮の残高にのみアクセスして精算することが可能な場合もあり、ICカード10またはICカード機能210のセキュリティを高くすることができる。
実施形態において改札機30またはそのプロセッサ302、および料金端末40のプロセッサ402によって実行されるものとして説明した処理の一部は、サーバ装置60またはそのプロセッサ602によって実行されてもよい。
さらに、ICカード10またはICカード機能部210は、改札機30または携帯端末20の携帯端末機能部220、料金端末40および精算機50の機能または動作形態に応じて、残高不足回避形態(B1)〜(B4)のいずれかで選択的に動作するようにしてもよい。また、改札機30または携帯端末20の携帯端末機能部220、料金端末40および精算機50は、ICカード10またはICカード機能部210の機能または動作形態(B1)〜(B4)に応じて、形態(B1)〜(B4)のいずれかに対応する形態で選択的に動作するようにしてもよい。
ここで挙げた全ての例および条件的表現は、発明者が技術促進に貢献した発明および概念を読者が理解するのを助けるためのものであり、ここで具体的に挙げたそのような例および条件に限定することなく解釈され、また、明細書におけるそのような例の編成は本発明の優劣を示すこととは関係ない、と理解される。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それに対して種々の変更、置換および変形を施すことができる、と理解される。
以上の実施例を含む実施形態に関して、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)交通の路線上の開始点を表す情報および終了点を表す情報を含む利用履歴情報と、残高とを記憶する第1の記憶部に、外部装置から受け取った前記開始点を表す情報を格納し、
前記第1の記憶部に格納された前記開始点を表す情報と前記利用履歴情報とに基づいて仮の終了点を予測し、
交通の路線上の複数点間の利用料金情報を格納する第2の記憶部を参照して、前記第1の記憶部に格納された前記開始点を表す情報および前記仮の終了点を表す情報に基づいて仮の交通利用額を予測して前記第1の記憶部に格納し、
前記第1の記憶部に格納された残高から前記仮の交通利用額を減算して前記残高を更新し、
外部装置から交通料金精算以外の精算のための残高に関する情報の要求を受け取ったことに応答して、前記第1の記憶部に格納された前記残高を表す情報を応答として出力し、
外部装置から交通料金精算のための路線上の開始点および残高に関する情報の要求を受け取ったことに応答して、前記第1の記憶部から前記開始点を表す情報、前記残高および前記仮の交通利用額を読み出して、前記開始点を表す情報と、前記残高と、前記仮の交通利用額とを含む情報を出力する
処理を携帯端末に実行させるためのプログラム。
(付記2)さらに、外部装置から交通料金精算のための路線上の開始点および残高に関する情報の要求を受け取ったことに応答して、前記第1の記憶部から前記開始点を表す情報、前記残高および前記仮の交通利用額を読み出して、前記開始点を表す情報と、前記残高に前記仮の交通利用額を加算した合計値を表す情報とを応答として出力する
処理を前記携帯端末に実行させる、付記1に記載のプログラム。
(付記3)前記残高を表す情報を含む情報を応答として出力した後、外部装置から更新後の残高を表す情報を受け取った場合には、前記第1の記憶部における前記残高をその更新後の残高で更新し、
前記開始点を表す情報と、前記合計値を表す情報とを含む情報を応答として出力した後、外部装置から更新後の残高を表す情報を受け取った場合には、前記第1の記憶部における前記残高をその更新後の残高で更新し、前記第1の記憶部における前記仮の交通利用額を削除しまたは初期値0に更新する
ことを特徴とする、付記1に記載のプログラム。
(付記4)交通の路線上の開始点を表す情報および終了点を表す情報を含む利用履歴情報と、残高とを記憶する第1の記憶部に、外部装置から受け取った前記開始点を表す情報を格納し、
交通の路線上の複数点間の利用料金情報を格納する第2の記憶部を参照して、前記第1の記憶部に格納された前記開始点を表す情報と前記利用履歴情報とに基づいて仮の交通利用額を予測して前記第1の記憶部に格納し、
外部装置から交通料金精算以外の精算のための残高に関する情報の要求を受け取ったことに応答して、前記第1の記憶部から前記残高および前記仮の交通利用額を読み出して前記残高から前記仮の交通利用額を減算した差の値を生成して前記差の値を表す情報を応答として出力し、
外部装置から交通料金精算のための路線上の開始点および残高に関する情報の要求を受け取ったことに応答して、前記第1の記憶部から前記路線上の開始点を表す情報および前記残高を読み出して、前記路線上の開始点を表す情報と前記残高を表す情報とを応答として出力する
処理を携帯端末に実行させるためのプログラム。
(付記5)前記差の値を表す情報を応答として出力した後、外部装置から更新後の残高を表す情報を受け取った場合には、前記第1の記憶部における前記残高を前記更新後の残高に前記仮の交通利用額を加算した合計値で更新し、
前記残高を表す情報を応答として出力した後、外部装置から更新後の残高を表す情報を受け取った場合には、前記第1の記憶部における前記残高をその更新後の残高で更新し、前記第1の記憶部における前記仮の交通利用額を削除しまたは初期値0に更新することを特徴とする、付記4に記載のプログラム。
(付記6)交通の路線上の複数点間の利用料金情報を格納する記憶部と、
ICカードから交通の路線上の開始点を表す情報および終了点を表す情報を含む利用履歴情報を含む第1のICカード情報を読み取る読取り書込み部と、
前記第1のICカード情報の読み取り地点である第1の開始点を表す情報と前記利用履歴情報とに基づいて仮の終了点を予測し、前記記憶部に格納された前記利用料金情報を参照して、前記第1の開始点を表す情報と前記仮の終了点を表す情報とに基づいて仮の交通利用額を予測し、前記第1の開始点を表す情報および前記仮の交通利用額を前記読取り書込み部を介して前記ICカードに書き込む制御部と、
を含む交通利用料金精算装置。
(付記7)前記読取り書込み部が前記ICカードから読み取る第1のICカード情報には、残高が含まれ、
前記制御部は、さらに、前記第1のICカード情報に含まれる前記残高から前記仮の交通利用額を減算した差の値を生成して、前記差の値を残高として前記読取り書込み部を介して前記ICカードに書き込むものであることを特徴とする、付記6に記載の交通利用料金精算装置。
(付記8)前記読み取り書き込み部は、さらに、前記ICカードから前記第1の開始点を表す情報と、前記仮の交通利用額と、残高とを含む第2のICカード情報を読み取り、
前記制御部は、さらに、前記記憶部に格納された前記利用料金情報を参照して、前記第1の開始点を表す情報と前記第2のICカード情報の読み取り地点である第1の終了点を表す情報に基づいて実際の交通利用額を求め、前記残高から前記実際の交通利用額を減算して差の値を求め、前記差の値を更新後の残高として前記読取り書込み部を介して前記ICカードに書き込み、前記ICカードに格納された前記仮の交通利用額を削除するものであることを特徴とする、付記6に記載の交通利用料金精算装置。
(付記9)前記読み取り書き込み部は、さらに、前記ICカードから前記第1の開始点を表す情報と前記仮の交通利用額と前記残高とを含む第2のICカード情報を読み取り、
前記制御部は、さらに、前記記憶部に格納された前記利用料金情報を参照して、前記第1の開始点を表す情報と前記第2のICカード情報の読み取り地点である第1の終了点を表す情報に基づいて実際の交通利用額を求め、前記残高に対して前記仮の交通利用額を加算し前記実際の交通利用額を減算して得られた値を更新後の残高として前記読取り書込み部を介して前記ICカードに書き込むものであることを特徴とする、付記6に記載の交通利用料金精算装置。
(付記10)非接触通信部と、
利用履歴情報と、残高とを格納する記憶部と、
外部装置から交通の路線上の開始点を表す情報および予測された仮の交通利用額を前記非接触通信部を介して受け取って前記記憶部に格納し、前記記憶部における残高から前記仮の交通利用額を減算した差の値を生成して前記記憶部に前記残高として格納し、外部装置から交通料金精算以外の精算のための残高に関する情報の要求を前記非接触通信部を介して受け取ったことに応答して、前記記憶部から前記残高を表す情報を応答として前記非接触通信部を介して出力し、外部装置から交通料金精算のための路線上の開始点および残高に関する情報の要求を前記非接触通信部を介して受け取ったことに応答して、前記記憶部から前記路線上の開始点を表す情報、前記残高および前記仮の交通利用額を読み出して、前記路線上の開始点を表す情報と、前記残高に前記仮の交通利用額を加算した合計値を表す情報とを応答として前記非接触通信部を介して出力する制御部と、
を含む、情報記憶装置。
(付記11)非接触通信部と、
利用履歴情報と、残高とを格納する記憶部と、
外部装置から交通の路線上の開始点を表す情報および予測された仮の交通利用額を表す情報を前記非接触通信部を介して受け取って前記記憶部に格納し、外部装置から交通料金精算以外の精算のための残高に関する情報の要求を前記非接触通信部を介して受け取ったことに応答して、前記記憶部から前記残高および前記仮の交通利用額を読み出して前記残高から前記仮の交通利用額を減算した差の値を生成して前記差の値を表す情報を応答として前記非接触通信部を介して出力し、外部装置から交通料金精算のための路線上の開始点および残高に関する情報の要求を前記非接触通信部を介して受け取ったことに応答して、前記記憶部から前記路線上の開始点を表す情報および前記残高を読み出して、前記路線上の開始点を表す情報と前記残高を表す情報とを応答として前記非接触通信部を介して出力する制御部と、
を含む、情報記憶装置。
(付記12)精算対象の商品の価格を入力する商品価格入力部と、
前記入力された商品の価格を基に基づいて前記精算対象の商品の購入のための支払金額を算出する算出部と、
外部記憶装置から残高に関する情報および予測された仮の交通利用額を表す情報を読み取る読取り書込み部と、
前記残高から前記仮の交通利用額を減算して第1の差の値を生成し、前記第1の差の値と前記算出された支払金額とを比較して前記第1の差の値が前記支払金額以上であると判定された場合に、前記残高から前記支払金額を減算して第2の差の値を生成し、前記第2の差の値を更新後の残高として、前記読取り書込み部を介して前記外部記憶装置に出力する制御部と、
を含む装置。