JP2012215699A - カセッテ収納袋の開口保持機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回動構造体を手動操作し、カセッテ収納袋が掛止された各掛止棒を、水平回動軸を中心にしてカセッテ袋詰め位置まで下方回動するので、袋押出し部材が自重で下方スライドし、各カセッテ収納袋の上端部をストッパ部に背後から押し付け、袋口側を下方に向けた傾斜状態でカセッテ収納袋を保持する。このとき、前側シート部の重さで袋口が自重開口し、この状態で、カセッテ挿入ガイド部材によりカセッテを袋口に挿入するので、簡単かつ確実に、片手でカセッテをカセッテ収納袋に収納できる。しかも、搬送中の外部環境との接触を原因としたカセッテへの細菌付着を防止できる。
【選択図】図1
Description
X線フィルム、イメージングプレート、X線平面検出器などのX線記憶媒体は、表面の汚れや衝突による損傷などを防ぐため、通常、カセッテと呼ばれる矩形状のパネルケースに入れて取り扱われる。
そこで、カセッテによる院内感染を予防する従来技術として、例えば特許文献1に記載されたカセッテカバーが知られている。カセッテカバーは直方体形状の袋であり、長手方向の一端に形成された開口部が、袋の上面材に一体形成された蓋により開閉自在となっている。
この発明は、カセッテ収納袋を自重開口状態で保持することができ、しかも簡単かつ確実に、片手でカセッテをカセッテ収納袋に挿入することができ、これにより、カセッテ搬送中、外部環境との接触を原因としたカセッテへの細菌付着を防止することができるカセッテ収納袋の開口保持機を提供することを目的としている。
カセッテ収納袋用の合成樹脂シート(フィルム)の素材としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどを採用することができる。カセッテ収納袋のサイズは、例えば縦590mm×横450mm×厚さ0.03mmなどが挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば界面活性剤、ポリエチレンオキサイドなどを採用することができる。帯電防止剤は、合成樹脂シートの表面(裏面)にコーティングしても、シート製造時に合成樹脂材料に練り込んでもよい。
カセッテ収納袋の使用枚数は、2枚以上であれば任意である。もちろん、1枚でも使用可能である。
機体の素材としては、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム合金などの各種の金属、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどの各種の合成樹脂などを採用することができる。
機体の外観形状は任意である。例えば直方体などが挙げられる。
出入口は、機体の前側(前板)に形成され、その形状および開口サイズはカセッテ収納袋を出し入れ可能であれば任意である。また、出入口とは別に、カセッテを袋詰めしたカセッテ収納袋の取り出し口を、例えば前記直方体形状のケーシングである機体の場合、一方の側板または両方の側板に形成してもよい。
機体の上板は、複数のカセッテ収納袋を各掛止棒に掛止し易いように、水平な蓋回動軸を中心にして開閉(回動)自在な蓋体としてもよい。
掛止棒の素材としては、各種の金属、各種の合成樹脂などを採用することができる。
掛止棒の断面形状は、円形、楕円形、三角形、四角形、五角形以上の多角形の他、短冊板形状なを採用することができる。
掛止棒の使用本数は、2本、3本以上である。なお、短冊板形状の掛止棒の場合には、一本でもよい。
ストッパ部としては、例えば掛止棒の先端部を単に上方へ屈曲させたもの、掛止棒の先端部に着脱可能で、カセッテ収納袋の掛止孔より大径なキャップ、掛止棒の先端部に着脱可能な割りピン(掛止ピン)などを採用することができる。
袋掛止位置における各掛止棒の姿勢は、掛止棒の軸線が水平となる水平姿勢でも、軸線が上方へ傾いた上方傾斜姿勢でもよい。各掛止棒の水平な仮想線を基準とした上方傾斜角度は、カセッテ収納袋を各掛止棒に引っ掛け易い5°〜30°が好ましい。
カセッテ袋詰め位置において、各掛止棒の水平な仮想線を基準とした下方傾斜角度は任意であるものの、20°〜45°(カセッテ収納袋の上部の垂直面を基準とした傾斜角度も20°〜45°)が好ましい。20°未満ではカセッテ収納袋の袋口の自重開口が不十分となり易い。また、45°を超えればカセッテ収納袋にカセッテが挿入しにくい。各掛止棒のさらに好ましい下方傾斜角度は、30°〜40°である。この範囲であれば、カセッテ収納袋の袋口を十分に開口することができ、傾斜角度的にもカセッテを袋口に挿入しやすい。
袋押出し部材は、複数枚のカセッテ収納袋をストッパ部押し付け可能な重量を得るため、厚肉な金属部材とした方が好ましい。袋押出し部材の長さ(機体の幅方向の長さ)は任意であるものの、カセッテ収納袋の幅と同程度とした方が、カセッテ収納袋の下方傾斜を原因とした皺を少なくし、かつ開口時の袋口の開口幅を最大限とすることができるので好ましい。
袋押出し部材には、各掛止棒がスライド自在に挿通される複数のスライド孔が離間して形成されている。
カセッテ挿入ガイド部材の素材は、各種の金属、各種の合成樹脂などを採用することができる。
カセッテ挿入ガイド部材は、機体と一体的に形成しても、機体とは別体として形成してもよい。
カセッテ挿入ガイド部材の形成位置は、例えば機体の上部である。
袋支持板が支持するのは、カセッテ収納袋のうち、最大で下半分である。もちろん、袋口の自重開口に支障がなければ、例えばカセッテ収納袋の下辺からその3分2程度の袋領域を支持してもよい。
袋支持板は、袋詰め後、各掛止棒より引きちぎられて落下したカセッテの衝突時の衝撃を緩和するため、ばね材を使用して、機体の下部に弾性的に連結してもよい。
機体13は、幅方向に離間した略逆L字形状の2枚の側板17と、両側板17の下端面間を連結する矩形状の底板18と、両側板17の下部の後端面間を連結する矩形状の下部背板19と、両側板17の上端部間を連結する細長い上部背板20と、両側板17の上端部の後ろ側の隅部間に横架された水平な蓋回動軸21に元部が固定され、かつ蓋回動軸21を中心にして回動可能な円弧形状の蓋板22とから構成されている。このような構成から、機体13の前面(前側)と、両側面の高さ方向の中間部と、背面の上部および上面の全域とは、それぞれ開口されている。このうち、前面の開口が、内部空間aに多数のカセッテ収納袋12を出し入れする出入口23である。また、機体13の前面の下部には、下方傾斜した複数のカセッテ収納袋12の下部を支持する矩形状の袋支持板24が立設されている。袋支持板24は、その下端部が、左右一対の離間したコイルスプリング25を介して、機体13の底板18の前辺部に下方傾斜状態で支持されている。
開口保持機10を使用する際には、まず図2に示すように蓋板22を開き、この状態で操作レバー35を上方回動して上側掛止ピン36に掛止する。これにより、3本の掛止棒30は10°だけ上方傾斜した袋掛止位置P1に配置される。この状態で、袋押出し部材33を各掛止棒30の外周面に沿って後方へ押し戻しながら、各掛止孔28を介して、複数のカセッテ収納袋12を、重ね合わせ状態で各掛止棒30に掛止する(図2)。その際、複数のカセッテ収納袋12の下部が、袋支持板24により支持される。このとき、カセッテ収納袋12は垂直線を基準としてθ1(約15°)だけ下方傾斜している。そのため、カセッテ収納袋12の袋口12aは若干自重開口するが、カセッテ11を確実かつ円滑に袋口12aへ挿入するために必要な50mm以上(好ましくは70〜150mm)の開口幅dを確保し難い。開口幅dとは、開口の幅(袋厚さ方向の長さ)が最大となる袋口12aの長さ方向の中間部における袋口の幅である。
その時の衝撃により、袋押出し部材33が各掛止棒30上を自重で下方スライドし、複数のカセッテ収納袋12の上端部を、ストッパ部29、実際には凹部30aに掛止されたストッパ板片34に、背後から押し付ける。その結果、袋口12aを有する前面シート部26を下方に向け、かつ各下部が袋支持板24に支持された角度θ(約35°)の傾斜状態で、カセッテ収納袋12が保持される。このとき、カセッテ収納袋12の前面シート部26の重さにより、袋口12aが前記開口幅dの分だけ自重開口する。
また、図5中、符号24Aは、袋押出し部材33Aの凹面に対応して、この凹面とは反対向きの凹面形状に湾曲した袋支持板である。これにより、カセッテ収納袋12の袋口12aに要求される開口幅dをさらに容易に確保することができる。
11 カセッテ、
12 カセッテ収納袋、
12a 袋口、
13 機体、
14 吊下手段、
15 カセッテ挿入ガイド部材、
23 出入口、
24、24A 袋支持板、
26 前面シート部、
27 後面シート部、
28 掛止孔、
29 ストッパ部、
30 掛止棒、
32 回動構造体、
33、33A 袋押出し部材、
P1 袋掛止位置、
P2 カセッテ袋詰め位置、
a 内部空間。
Claims (1)
- X線撮影用のカセッテを袋詰めする多数のカセッテ収納袋を収納する内部空間と、前側に形成され、かつ前記内部空間に連通した前記多数のカセッテ収納袋の出入口とを有する機体と、
前記内部空間に、前記多数のカセッテ収納袋を重ね合わせ状態で吊り下げる吊下手段と、
重ね合わせ状態の前記多数のカセッテ収納袋のうち、最も表側に配置されたものの袋口に、前記カセッテを案内するカセッテ挿入ガイド部材とを備えたカセッテ収納袋の開口保持機であって、
前記多数のカセッテ収納袋は、帯電防止剤を含む1枚の合成樹脂シートを二重に折り返して形成した前面シート部と、上端部が該前面シート部の上縁より突出した後面シート部との両側縁部を融着し、かつ該後面シート部の上端部に、複数の掛止孔を幅方向に離間して形成した矩形状の袋で、
前記吊下手段は、
前記機体の内部空間に配置され、前記多数のカセッテ収納袋の複数の掛止孔にそれぞれ挿入可能で、かつ先端部に前記多数のカセッテ収納袋の落下防止用のストッパ部を有する複数の離間した掛止棒と、
該複数の掛止棒を、先端が前方へ向く水平姿勢または先端を上に向けた上方傾斜姿勢となって、前記多数のカセッテ収納袋を掛止する袋掛止位置から、先端を下に向けた下方傾斜姿勢となることで、前記前面シート部の自重によって前記最も表側に配置されたカセッテ収納袋の袋口が開口するカセッテ袋詰め位置まで、水平回動軸を中心にして手動により回動可能な回動構造体と、
前記複数の掛止棒にスライド自在に設けられ、かつ該複数の掛止棒を前記袋掛止位置から前記カセッテ袋詰め位置まで回動させた際、前記複数の掛止棒に掛止された前記多数のカセッテ収納袋を、自重による下方スライドによって前記ストッパ部に背後から押し付ける袋押出し部材とを有し、
前記カセッテ挿入ガイド部材は、前記カセッテを、前記カセッテ袋詰め位置に達した前記最も表側に配置されたカセッテ収納袋の袋口に案内するもので、
前記機体の前側の下部には、前記カセッテ袋詰め位置で下方傾斜した前記多数のカセッテ収納袋の下部を支持する袋支持板が設けられたカセッテ収納袋の開口保持機。
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