JP2012214953A - 紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、繊維分級の技術を応用して特徴のあるパルプを効率的に調製し、そのパルプを利用して特徴のある紙、特に強度の強い紙を製造する技術を提供することである。
【解決手段】本発明によって、古紙パルプを含む固形分濃度が1.5重量%以上であるパルプスラリーを、0.1mm〜0.3mmのスリット幅の開口部を有するアウトワード型スリットスクリーンを用いて長繊維画分と短繊維画分に分級する工程であって、長繊維画分と短繊維画分の固形分比が10:90〜60:40であり、長繊維画分と短繊維画分のカナダ標準濾水度の差が100ml〜300mlである工程、短繊維画分のパルプスラリーに1つ以上の抄紙用添加剤を添加する工程、抄紙用添加剤を添加した短繊維画分のパルプスラリーを用いて抄紙する工程、を含む紙の製造方法が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、紙の製造方法に関する。本発明は、特定の方法で分級した、微細繊維を比較的多く含む短繊維画分のパルプスラリーを用いて、強度の強い紙を効率的に製造する方法に関する。
古紙から再生パルプを低コストで製造するためには、古紙に含まれるインキや粘着異物を繊維から効率良く取り除く必要がある。インキは繊維や灰分に固着していることから、繊維を機械的なインキ剥離装置で処理してインキ剥離を促進し、その後、洗浄またはフローテーションによってインキを除去することが一般的である。また、粘着異物の除去については、スリット幅の狭いスクリーンを用いて低濃度のパルプスラリーを処理することが、最も効果的であることが知られている。
一方で、近年、印刷物の多様化からUVインキ・ニスのような除去し難いインキが増加しており、シールや粘着テープ由来の粘着異物の混入も増加していることから、再生パルプの品質は悪化する傾向にある。これらの品質低下を補うため、再生パルプの製造プロセスはより重装備になる傾向にあり、それに伴い、収率の低下と電力コストの増加などが問題となっている。
このように原料品質が悪化する中で再生パルプを低コストで製造することと品質を良好に保つことを両立することは困難であった。このような課題を解決しようとして、繊維分級を再生パルプの製造工程で適用し、分画後の画分を別々に処理して紙に配合する試みが行われている。
特許文献1では、インワード形式のスクリーンを用いて長繊維と短繊維に分画し、長繊維側を精選工程で処理し、短繊維側をフローテーションで処理した後、両者を併せてクリーナーで処理し、脱水して再生パルプを得る方法が試みられている。この方法でのメリットとして、長繊維側をフローテーション処理しないことによる設備のコンパクト化が挙げられている。しかしながら、この方法では原料が詰り易いインワード形式のスクリーンを用いているため、1%前後の低濃度で繊維分級を行う必要があり大型のスクリーンが必要であること、更に、インキを多く含む短繊維をフローテーションで処理する際に、インキが微細繊維や灰分に固着していることから、インキを除くためにはフローテーションでの収率が低下し、収率を良好に保つためにはインキ除去が進まず白色度が低下するといった欠点があった。
特許文献2では、無選別古紙を離解し粗選スクリーンで処理した後に、フローテーションを行い、その後の懸濁液を0.05〜0.12mmのスリット幅を有するスクリーンを用いて分級する方法が試みられている。この方法では、分級前にフローテーションを行うため、処理する容積が大きくなり大型のフローテーション設備が必要であった。例えば、100BDトン/日の再生パルプを得るためには、4トン/時以上の固形分を処理する必要があり、フローテーション効率が良いとされる濃度1重量%程度でフローテーション処理する場合、スラリーとして400トン/時以上処理できる大型のフローテーション設備が必要となる。
特許文献3では、パルプを加圧ソータまたはスクリュープレス、ハイドロサイクロンを用いてファインフラクションとコースフラクションに分級して、両フラクションを別個に異なる条件でフローテーションを行う方法が試みられている。しかしながら、スクリュープレスでは分級条件のコントロールが難しいこと、ハイドロサイクロンでは低濃度の分離となり設備が大型化し消費エネルギーが増加する割に分離効率が悪いといった欠点があった。加圧ソータを使用した場合においても、再生パルプの製造プロセスにおいて最も収率が低下し易いフローテーションを両フラクションで行うため、収率が低下して高コストになり易いといった点が問題であった。更には、特許文献1と同じく、ファインフラクション中の微細繊維や灰分に固着しているインキを、これら微細繊維や灰分から分離する手段を持たずにコースフラクションよりも高い濃度でフローテーションを行うことから、インキの分離効率が低く、良好な白色度を得るためには収率の低下が避けられないという欠点があった。
特許第2986525号公報 特開2004−131892号 特開2006−316400号
本発明の目的は、繊維分級の技術を応用して特徴のあるパルプを効率的に調製し、そのパルプを利用して特徴のある紙、特に強度の強い紙を製造する技術を提供することである。
上記課題について本発明者が鋭意検討したところ、古紙を含むパルプスラリーを特定の方法で繊維分級することによって特徴のある短繊維画分が効率的に得られることを見出した。すなわち、再生パルプの製造工程において、古紙離解後のパルプスラリーを、固形分濃度1.5重量%以上という高濃度で、0.1mm〜0.3mmのスリット幅の開口部を有するアウトワード型スリットスクリーンを用いて長繊維画分と短繊維画分に分級し、この際、長繊維画分と短繊維画分の固形分比を10:90〜60:40、長繊維画分と短繊維画分のカナダ標準濾水度の差を100ml〜300mlとすることによって、特徴のある長繊維画分と短繊維画分を少ないエネルギーで製造することができた。
そして、さらに検討を進めたところ、この短繊維画分を特定の方法で前処理してから抄紙することによって、長繊維と比較して紙力が低下しやすいとされる短繊維を用いても高強度な紙を製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、これに限定されるものではないが、以下の発明を包含する。
(1) 古紙パルプを含む固形分濃度が1.5重量%以上であるパルプスラリーを、0.1mm〜0.3mmのスリット幅の開口部を有するアウトワード型スリットスクリーンを用いて長繊維画分と短繊維画分に分級する工程であって、長繊維画分と短繊維画分の固形分比が10:90〜60:40であり、長繊維画分と短繊維画分のカナダ標準濾水度の差が100ml〜300mlである工程、短繊維画分のパルプスラリーに1つ以上の抄紙用添加剤を添加する工程、抄紙用添加剤を添加した短繊維画分のパルプスラリーを用いて抄紙する工程、を含む、紙の製造方法。
(2) 前記抄紙用添加剤が有機高分子である、(1)に記載の方法。
(3) 短繊維画分のパルプスラリーに対して前記抄紙用添加剤とともに填料を添加する、(1)または(2)に記載の方法。
(4) 抄紙用添加剤を添加した短繊維画分のパルプスラリーを長繊維画分のパルプスラリーと混合してから抄紙する、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 長繊維画分のパルプスラリーと混合して得たパルプスラリーに別の抄紙用添加剤をさらに添加してから抄紙する、(4)に記載の方法。
(6) 前記填料が炭酸カルシウムを含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7) 短繊維画分のパルプスラリーに添加される抄紙用添加剤がポリアクリルアミドを含む、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、特定の方法で繊維分級することにより特徴のあるパルプを効率的に調製し、そのパルプに対して特定の前処理を施すことによって強度の強い紙を製造することが可能になる。
本発明においては、古紙パルプを含む固形分濃度が1.5重量%以上であるパルプスラリーを、0.1mm〜0.3mmのスリット幅の開口部を有するアウトワード型スリットスクリーンを用いて長繊維画分と短繊維画分に分級することを含み、長繊維画分と短繊維画分の固形分比が10:90〜60:40であり、長繊維画分と短繊維画分のカナダ標準濾水度の差が100ml〜300mlとなるように分級する。
(再生パルプ)
本発明において再生パルプとは、古紙から再生されたパルプを意味し、古紙を離解した古紙パルプや古紙を離解後にインキを除去した脱墨パルプが含まれる。原料となる古紙としては、例えば、新聞紙、チラシ、雑誌、書籍、事務用紙、封書、感熱紙、ノーカーボン紙、段ボール、白板紙、その他複写機、OA機器から生ずる印刷紙などが含まれる。粘着剤、接着剤、粘着テープ、雑誌の背糊等の粘着物を含む雑誌古紙等も本発明の再生パルプの原料として用いることができる。
これら再生パルプの原料となる古紙は、灰分と呼ばれる無機粒子を含有しても良い。灰分は無機粒子全般を指し、紙の製造時に内添された、もしくは、塗工された填料、顔料など紙を灰化した際に残存する物質である。例えば、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、二酸化チタン等が挙げられるが、これらに限定するものではない。
再生パルプに対しては、必要に応じて水酸化ナトリウム、珪酸ソーダ、その他のアルカリ薬品、脱墨剤、酸化性漂白剤、還元性漂白剤を加えることができる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加しても何ら問題はない。
古紙から脱墨を行う際には脱墨剤を使用することができ、脱墨剤の例としては、公知または新規の界面活性剤、例えば、脂肪酸塩、高級アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸などのアルキレンオキシド付加物などの非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、および、有機溶剤、タンパク質、酵素、天然高分子、合成高分子などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの単一成分からなるものでも2種以上の成分の混合物でも良い。
(分級)
本発明においては、古紙パルプを含む固形分濃度が1.5重量%以上であるパルプスラリーを、0.1mm〜0.3mmのスリット幅の開口部を有するアウトワード型スリットスクリーンを用いて長繊維画分と短繊維画分に分級する。
本発明で用いることができるパルプの分級手段としては、アウトワード形式のスリットスクリーン(アウトワード型スリットスクリーン)であればいかなるものでも良く、例えば、相川鉄工製のマックスセーバーなどのリジェクトスクリーンの利用が好適である。
アウトワード形式のスクリーンとは、処理される原料がスクリーンバスケットの内側から外側に向かって開口部を通過するタイプのスクリーンである。このタイプのスクリーンは、内側よりも外側の開口部の面積が大きく、内側よりも外側の方が圧力が低い傾向にあること、外側に向かって遠心力が働くことから、原料が通過し易い。一方、インワード形式のスクリーンとは、原料がスクリーンバスケットの外側から内側に向かって開口部を通過するタイプのスクリーンであり、本発明で用いるアウトワード形式のスクリーンよりも原料が通り難く、特に固形分濃度が1.5重量%以上と高濃度の場合に詰り易いため、不適である。従来、アウトワード形式のスクリーンと比較して、インワード形式のスクリーンの方が精密な繊維分級が可能とされてきたが、本発明においてはアウトワード形式のスクリーンを用いて固形分濃度の高いパルプスラリーを処理する。
本発明の分級には、スクリーンの開口部がスリット状であるスリットスクリーンを使用する。従来、繊維分級には、スクリーンの開口部が丸穴状の丸穴スクリーンが一般的に使用されてきたが、本発明ではスリットスクリーンを使用する。丸穴状の開口部では、穴径を小さくするとバスケットの開口面積が小さくなり、大きな設備が必要になるとともに原料や異物の詰りが生じ易いことから、濃度を高くすることが困難である。穴径を大きくした場合は、粘着異物などの分離が不十分となってしまい、本発明の目的にそぐわない。
本発明においてスリット幅は0.1〜0.3mmであり、好ましくは0.13〜0.2mm、更に好ましくは0.13〜0.15mmである。スリット幅が0.1mmより小さい場合、やはり詰り易くなることから、固形分濃度1.5重量%以上での処理は困難であり、本発明にあるように濃度2.0重量%以上で運転することは極めて困難となる。一方、スリット幅が0.3mmを超える場合、粘着異物の分離が不十分となるため、特に短繊維側に粘着異物が多くなってしまい、精選スクリーン処理を行わないと短繊維画分から得られる完成パルプの品質が低下する。
本発明の分級条件としては、処理するパルプスラリーの固形分濃度を1.5重量%以上とすれば、他は特に制限されない。濃度1.5重量%以上4.0%未満でスクリーン処理することが好ましく、濃度1.8重量%以上3.5%未満で処理することがより好ましく、濃度2.2重量%以上3.0%未満で処理することが更に好ましい。好ましい態様において、古紙離解後のパルプスラリーを、固形分濃度1重量%前後まで希釈することなしに粗選スクリーンにかけてから、上述のアウトワード型スクリーンで処理することができる。
濃度を1.5%未満とすると分級効率は向上するものの、分級処理設備が大きくなること、処理後の短繊維画分(アクセプト側)の濃度が低くなり、濃縮機の大型化など、後工程の設備も大きくなることから、本発明で得られるような省エネ・コンパクト化のメリットが得られない。一方、濃度を4%以上とするとスクリーンでの分級が困難になり、詰り等の問題を生じ易いことから不適である。
また、分級処理を行うパルプスラリーの濃度を上記のように高くすることによって、分級直後の長繊維画分の濃度を2.0重量%以上とすることができるため、長繊維画分について、低濃度濃縮機を経ることなく中〜高濃度濃縮機を用いて高濃度化できるため効率的であり、また、例えば25重量%以上まで高濃度化した後の長繊維画分は、インキ剥離装置により極めて効率的にインキを剥離することができる。
本発明におけるスクリーンの運転条件は、所謂、通常の精選スクリーンの運転条件とは、至適な範囲が異なる。すなわち、本発明のアウトワード型スクリーンの好ましい通過流速は、通常の精選スクリーンよりも遅く、0.6〜1.2m/sの範囲が好ましく、0.7〜1.0m/sの範囲がより好ましい。更に、スクリーン内部のアジテータの周速については、通常より速く、14〜20m/sが好ましく、16〜19m/sがより好ましい。
(長繊維画分と短繊維画分)
本発明における長繊維画分とは、パルプスラリーをスクリーンで処理した際にリジェクト側として回収される画分であり、処理前のパルプスラリーの中の比較的長い繊維を多く含む画分のことである。短繊維画分とは、スクリーンのアクセプト側として回収される画分であり、処理前のパルプスラリーの中の比較的短い繊維や微細繊維、灰分を多く含む画分のことである。
本発明では、得られる長繊維画分/短繊維画分の固形分分級比が10:90〜60:40となるように分級するが、本発明の効果は、分級比が20:80〜50:50である場合に更に顕著であり、30:70〜50:50である場合に特に顕著である。長繊維画分/短繊維画分の分級比に占める長繊維の割合が10:90よりも小さい場合は、所謂、異物除去に用いられる精選スクリーンなどと同じ働きとなり、分級という点でも長繊維画分に分離される繊維の量が少なく、その後の処理を別個に行うメリットが小さくなる。長繊維の割合が60:40より大きい場合は、スクリーンのリジェクト側をアクセプト側よりも多く出す必要があり、スリットの目詰まりやリジェクト配管の詰りなどが生じ易いなどの問題があるため不適である。
また本発明では、得られる長繊維画分と短繊維画分のカナダ標準濾水度の差が100〜300mlとなるように分級するが、本発明の効果は、カナダ標準濾水度の差が150〜200mlの場合に特に顕著となる。濾水度の差が100mlより小さい場合は、長繊維と短繊維の分級があまり上手くいかず、それに伴い、インキや粘着異物などの分配も上手く行かないことから、完成パルプの品質低下を招くため不適である。特に、長繊維のみにスクリーン処理を行ったり、短繊維のみにフローテーション処理を行う場合、長繊維のインキ除去や短繊維の粘着異物除去が不十分となってしまう。一方、濾水度差を300ml以上とするためには、長繊維のみを取り出す必要があり、結果として、分級比に占める長繊維の割合が小さすぎて、パルプスラリーを分級してから別個に処理を行うメリットが小さくなる。
本発明において、上記のように分級した後の長繊維画分には、比較的繊維長の長い繊維に加えて、粗大なダートや粘着異物が多く、逆に微細なインキや灰分が少ないことから、例えば、高濃度インキ剥離装置を用いてダートの微細化と精選スクリーンを用いた粘着異物除去が長繊維画分に対して特に有効であり、高品質の長繊維完成パルプを製造するために好適である。
一方、分級後の短繊維画分には、比較的繊維長の短い繊維や微細繊維、インキ、灰分が多く、粗大なダートや粘着異物が少ないことから、例えば、洗浄またはフローテーションによってインキ除去を行うことが特に有効であり、高品質の短繊維完成パルプを製造するために好適である。
(長繊維画分の処理)
本発明においては、長繊維画分に対してインキ剥離工程および異物除去工程を行って再生パルプを得てもよい。好ましい態様において本発明では、パルプスラリーを固形分濃度1.5重量%以上で上記スクリーンを用いて分級することで、分級直後の長繊維画分の濃度を2.0重量%以上とし、長繊維画分について、低濃度濃縮機を経ること無しに、中〜高濃度濃縮機を用いて高濃度化できるため効率的であり、例えば、固形分濃度25%以上まで脱水した後の長繊維画分は、高濃度インキ剥離装置などを用いて長繊維に固着したインキや粗大なダートを微細化し極めて効率的にインキを剥離することができ、さらに、例えば、固形分濃度0.5〜1.2%まで希釈して精選スクリーン処理して異物を分離除去することによって、効率的に長繊維完成パルプを得ることができる。
本発明における低濃度濃縮機とは、濃度1%前後のパルプを脱水濃縮して、濃度約3重量%以上にするような予備脱水装置である。例えば、ディスクエキストやディスウシックナーのようなパルプマットを用いてろ過脱水するものや、SPフィルターやトロンメルのようなフィルター・脱水エレメントを用いて自然脱水する装置などが挙げられる。これらの装置はいずれも低濃度のスラリーを処理するため、処理容量が大きい必要があり、また、ディスクやフィルターの目詰まりなどから維持管理のコストが高いという難点がある。
本発明においては、固形分濃度1.5重量%以上で上記スクリーンを用いた分級を行うことで、スクリーンのリジェクトが濃縮されることを利用して、リジェクトとして排出される長繊維画分の濃度が高いため、低濃度濃縮機を用いずに後処理することが可能であり、設備のコンパクト化と省エネを図ることができる。
本発明における中〜高濃度脱水機とは、スクリューシックナーや傾斜エキストラクター、スクリュープレスやパワープレスなど、2〜3重量%前後の濃度のパルプを10重量%前後に脱水する装置や10重量%前後の濃度のパルプを25〜30重量%程度に脱水する装置である。
本発明における高濃度インキ剥離装置としては、低速のニーダーや高速のディスパーザーなどが挙げられる。ニーダーとしては一軸や二軸、四軸のものが使用でき、二つ以上のニーディング部を持つ、ニーダーも利用できる。ディスパーザーとしてはディスクタイプやコニカルタイプのものが利用できる。
本発明では、分級後の長繊維画分から、再度スリットスクリーンを用いて異物の分離除去を行うことができる。分級の際に、長繊維画分はスクリーンのリジェクトにあたることから、該画分に粘着異物が多量に混入している可能性が高い。そこで、0.1〜0.2mm、好ましくは0.13〜0.15mmのスリット幅を有するスクリーンを用いて異物を分離することが好適である。
長繊維画分のスクリーン処理では、長繊維や粗大な異物の割合が多いことから、処理濃度を0.5〜1.2重量%することが好ましく、0.6〜1.0重量%とすることがより好ましく、0.6〜0.8重量%とすることが特に好ましい。処理濃度0.5重量%未満では、処理する設備が大きくなるため製造コストが高くなり不利である。1.2重量%より高い場合は、長繊維の割合が多いことから原料が詰り易く、また、長繊維が多量に排出されることから歩留が低下しコストアップとなる。
本発明によれば、再生パルプを製造するプロセスにおいて最も収率の低下するフローテーションをパルプスラリー全体に行わずに済むため製造効率を向上させることができ、また、長繊維画分については、0.1〜0.2mmのスリット幅のスクリーンで異物除去することによってフローテーションによるインキ除去工程が不要になるため、完成パルプの品質を保ちながら設備のコンパクト化と省エネを図ることができる。
(短繊維画分の処理)
本発明においては、短繊維画分に対してインキ除去工程を行って再生パルプを得てもよい。好ましい態様において本発明では、短繊維画分について、固形分濃度5重量%以下でインキ剥離を行った後に、脱水洗浄および/またはフローテーションによるインキ除去を行うことで、残インキの少ない短繊維完成パルプを得ることができる。
固形分濃度5%以下でインキ剥離を行う方法は特に制限されず、公知のインキ剥離方法を適用することができるが、好ましい態様において、パルプスラリーに対してキャビテーション気泡を積極的に導入し、微細気泡の崩壊エネルギーを用いて繊維や灰分からインキを剥離する方法を利用できる。キャビテーション気泡を積極的に導入する方法については、特に制限は無いが、例えば特許第4291819号公報に記載の方法を用いることができる。すなわち、液体噴流を用いてキャビテーション気泡を発生させ、これをパルプ懸濁液に接触させてパルプ繊維からインキを剥離することができる。
本発明によれば、再生パルプを製造するプロセスにおいて最も収率の低下するフローテーションをパルプスラリー全体に行うことなしに、短繊維画分にのみ処理を行うことができるため、完成パルプの品質を保ちながら設備のコンパクト化と省エネを図ることができる。
(紙の製造)
本発明によって得られた長繊維完成パルプと短繊維完成パルプについては、それぞれ別個に原料として配合し紙を製造することができる。また、任意の比率で混合することで、ホールパルプを用いて抄紙して得られる従来の紙に対して、特徴のある紙を得ることができる。例えば、長繊維完成パルプの比率を多くすると、より嵩高となり、引裂き強さが高くなる。逆に短繊維完成パルプの比率を多くすると、より密度の高い紙になり、引っ張り強さ(裂断長)が高くなり、平滑・透気抵抗度が高くなる。
本発明においては、上記のようにして得られた短繊維に対して予め抄紙用添加剤を添加して前処理を行う。このような前処理を行うことによって、微細繊維を含む短繊維が紙に効率よく歩留るとともに紙の強度にも寄与し、強度の高い紙を得ることができる。
本発明で用いる抄紙用添加剤とは、以下に制限されるものではないが、抄紙工程で添加される添加剤のことであり、例えば、一般に紙力向上剤および/または歩留向上剤および/または凝結剤として使用される抄紙用添加剤を好適に使用することができる。このような薬品は、製紙用薬品として開発されており、パルプ繊維に対する定着性などが一般に良好である。これらは、無機分子を主に構成されるもの、有機高分子を主に構成されるものがあるが、有機高分子からなるものを好適に使用することができる。
無機分子の抄紙用添加剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダや、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アルミニウム化合物や、水に易分解性のアルミナゾル等の水溶性アルミニウム化合物、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の多価金属化合物、シリカゾル等などが挙げられる。
本発明で用いる有機高分子に特に制限はないが、一般に紙力向上剤および/または歩留向上剤として使用される有機高分子を好適に使用することができる。このような薬品は、製紙用薬品として開発されており、パルプ繊維に対する定着性などが一般に良好である。
有機高分子としては、イオン性ポリマー、すなわち、カチオンポリマー、アニオン性ポリマー、両性ポリマーおよび、これらからなるポリイオンコンプレックスを好適に使用することができ、また、デンプンおよびその誘導体も好適に使用することができる。また、本発明においては、有機高分子として複数種類を組み合わせて使用することも可能である。好ましい有機高分子としては、ポリアクリルアミド、ポリビニルアミン、デンプン、グアーガム、ポリアミドアミンエピクロルヒドリン、カルボキシメチルセルロース、セルロースナノファイバー、キトサン、アルギン酸およびその誘導体などが挙げられ、ポリアクリルアミド系ポリマー、デンプン類がより好ましく、ポリアクリルアミド系ポリマーがさらに好ましい。ポリアクリルアミド系ポリマーとしては、分子量100万以上であるものが良く、両性であり、カチオンリッチであることが良い。澱粉類としては、生澱粉や、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉、アルデヒド化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉などが使用される。生澱粉の原料としてはコーン、タピオカ、ポテトなどが挙げられる。
短繊維に添加する抄紙用添加剤の量は特に制限されないが、短繊維絶乾固形分重量に対して0.01〜6.0%の範囲の添加が好ましく、0.01〜2.0%がより好ましく、0.01〜0.4%の添加がさらに好ましい。また、全紙料固形分に対して0.01〜5.0%の範囲の添加が好ましく、0.01〜1.0 %がより好ましく、0.01〜0.3 %がさらに好ましい。このような範囲で抄紙用添加剤を予め添加することにより、紙の強度を効果的に向上させることができる。
本発明の好ましい態様において、短繊維画分のパルプスラリーに対して抄紙用添加剤とともに填料を添加する。このようにして微細繊維を含む短繊維に填料を予め定着させることによって、ホールパルプに填料を添加した後に抄紙用添加剤を添加した場合よりもさらに紙力を向上させることができる。
短繊維パルプに対する填料と抄紙用添加剤の添加方法については特に制限はなく、短繊維に填料を添加した後に抄紙用添加剤を加えることや、抄紙用添加剤を添加した後に填料を加えてもよく、短繊維に対して予め填料と抄紙用添加剤を混合したものを添加してもよいが、特に短繊維パルプに填料を添加した後に抄紙用添加剤を添加した場合に、填料の短繊維パルプへの定着性が高く、微細繊維などのフィブリルに填料を絡めることができるため効果が高くなる。
前処理に用いる填料に特に制限はなく、一般に無機填料及び有機填料と呼ばれる粒子が使用できる。例えば、無機填料として、炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム)、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クレー(カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン)、タルク、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、二酸化チタン、ケイ酸ナトリウムと鉱酸から製造されるシリカ(ホワイトカーボン、シリカ/炭酸カルシウム複合体、シリカ/二酸化チタン複合体)、白土、ベントナイト、珪藻土、硫酸カルシウム、脱墨工程から得られる灰分を再生して利用する無機填料および再生する過程でシリカや炭酸カルシウムと複合体を形成した無機填料などが挙げられる。炭酸カルシウム−シリカ複合物としては、炭酸カルシウムおよび/または軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物以外に、ホワイトカーボンのような非晶質シリカを併用しても良い。この中でも、中性抄紙やアルカリ抄紙における代表的な填料である炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムーシリカ複合物が好ましく使用される。有機填料としては、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子、アクリルアミド複合体、木材由来の物質(微細繊維、ミクロフィブリル繊維、粉体ケナフ)、変性不溶化デンプン、未糊化デンプンなどが挙げられる。これらは単独でも2種類以上の組み合わせでも構わない。
好ましい填料としては、軽質炭酸カルシウムや重質炭酸カルシウムなどの炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタンなどを挙げることができる。
短繊維に添加する填料の量は特に制限されないが、短繊維絶乾固形分に対して1〜70固形分重量%の範囲での添加が好ましく、10〜60固形分重量%がより好ましく、20〜50固形分重量%がさらに好ましい。また、全紙料固形分に対して1〜50固形分重量%が好ましく、10〜40固形分重量%がより好ましく、15〜30固形分重量%がさらに好ましい。このような範囲で填料を予め添加することにより、紙の強度を効果的に向上させることができる。
本発明においては、このように前処理した短繊維パルプを用いて抄紙することによって、紙力に優れた紙を得ることができる。前処理した短繊維パルプは、適宜、その他の原料に配合して紙料を調成し、紙を製造しても良い。その他の原料としては、針葉樹または広葉樹クラフトパルプ(NKPまたはLKP)、針葉樹または広葉樹を用いた機械パルプ、例えば、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)等、段ボールを離解した古紙パルプ、塗工紙や塗工原紙、その他の紙を含む損紙を離解してなるコートブローク、及び、これらのパルプの2種以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、多層抄き抄紙機において、本発明によって得られた長繊維完成パルプ、または、短繊維完成パルプ、または両者を任意の比率で、各層の紙料に配合して多層紙を製造することもできる。
本発明によって得られた長繊維完成パルプまたは短繊維完成パルプに、別個に薬品および/または填料を添加して抄紙することができる。特に長繊維完成パルプに澱粉や紙力剤を、短繊維パルプに填料を添加した後に歩留剤や凝結剤、紙力剤、澱粉を添加し、それぞれ配合して紙を製造することで、高灰分であっても強度の高い紙など特徴のある紙を製造することができる。
添加する薬品としては、ロジンエマルションや中性ロジン、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、スチレン/アクリル共重合体などのサイズ剤、カチオン性や両イオン性、アニオン性のポリアクリルアミド、ポリビニルアミン、ポリアクリル酸を含む樹脂、グアーガムなどの乾燥紙力増強剤、カチオン性や両イオン性、アニオン性の変性澱粉、ポリアミドアミンエピクロロヒドリン、カルボキシメチルセルロースなどの湿潤紙力増強剤、濾水性向上剤、着色剤、染料、蛍光染料などの従来から使用されている内添薬品、更に紙を嵩高化(低密度化)するための紙用嵩高剤などが挙げられる。
また、凝結剤としては、ポリエチレンイミンおよび第三級および/または四級アンモニウム基を含む改質ポリエチレンイミン、ポリアルキレンイミン、ジシアンジアミドポリマー、ポリアミン、ポリアミン/エピクロヒドリン重合体、並びにジアルキルジアリル第四級アンモニウムモノマー、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド及びジアルキルアミノアルキルメタクリルアミドとアクリルアミドの重合体、モノアミン類とエピハロヒドリンからなる重合体、ポリビニルアミン及びビニルアミン部を持つ重合体やこれらの混合物などのカチオン性のポリマーに加え、前記ポリマーの分子内にカルボキシル基やスルホン基などのアニオン基を共重合したカチオンリッチな両イオン性ポリマー、カチオン性ポリマーとアニオン性または両イオン性ポリマーとの混合物などが挙げられる。
更に、歩留剤として、カチオン性や両イオン性、アニオン性の高分子ポリマー、特にポリアクリルアミド系物質や、同物質を含む共重合ポリマーに加えて、少なくとも一種以上のカチオン性またはアニオン性の薬品を併用するいわゆるデュアルポリマーやマイクロポリマーと呼ばれる歩留りシステムでもよく、少なくとも一種類以上のアニオン性のベントナイトやコロイダルシリカ、ポリ珪酸、ポリ珪酸もしくはポリ珪酸塩ミクロゲルおよびこれらのアルミニウム改質物などの無機微粒子やアクリルアミドが架橋重合したいわゆるマイクロポリマーといわれる粒径100μm以下の有機系の微粒子を一種以上併用する歩留りシステムであってもよい。また、これらを組合せた多成分歩留システムであっても良い。
また、短繊維の前処理に用いる填料とは別に、填料を紙料に添加してもよく、添加する填料としては、一般に無機填料及び有機填料と呼ばれる粒子であれば良く、特に限定はない。具体的には、無機填料として、炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、合成炭酸カルシウム)、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クレー(カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン)、タルク、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、二酸化チタン、ケイ酸ナトリウムと鉱酸から製造されるシリカ(ホワイトカーボン、シリカ/炭酸カルシウム複合体、シリカ/二酸化チタン複合体)、白土、ベントナイト、珪藻土、硫酸カルシウム、脱墨工程から得られる灰分を再生して利用する無機填料および再生する過程でシリカや炭酸カルシウムと複合体を形成した無機填料などが上げられる。炭酸カルシウム−シリカ複合物としては、炭酸カルシウムおよび/または軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物以外に、ホワイトカーボンのような非晶質シリカを併用しても良い。この中でも、中性抄紙やアルカリ抄紙における代表的な填料である炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムーシリカ複合物が好ましく使用される。有機填料としては、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子、アクリルアミド複合体、木材由来の物質(微細繊維、ミクロフィブリル繊維、粉体ケナフ)、変性不溶化デンプン、未糊化デンプンなどが挙げられる。これらは単独でも2種類以上の組み合わせでも構わない。
更に、セルロースナノファイバーや微粉砕セルロース、または、これらを改質したものなどを添加しても良い。
本発明においては、前処理した短繊維を、繊維分級によって得られた長繊維画分の長繊維と再配合して紙料を調成することもできる。このようにすれば、原料の古紙を有効に利用することができるため特に好適にである。再配合の比率は特に制限されず、紙の用途や要求品質に応じて適宜調整すればよい。
本発明において抄紙方法や抄紙条件は特に制限されず、公知の抄紙法によって紙を製造することができる。抄紙する紙の種類、坪量なども自由であり、必要に応じて、紙表面に接着剤のクリア塗工層や顔料を含む顔料塗工層を設けることができる。
以下に本発明の実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、本明細書において部および%はそれぞれ重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
評価方法
得られた長繊維画分および短繊維画分の濃度および濾水度、分級に要した電力(電力原単位)、ならびに、水使用量を、以下のように評価した。また、分級前の繊維、及び、長繊維画分と短繊維画分について、灰分並びに平均繊維長、篩分繊維組成と粘着異物個数を測定した。さらに、坪量60g/mの手抄きシートをJIS P 8209に基づき丸形手抄き機を用いて作製し、ダート個数、白色度、インキ量を測定した。
(濾水度CSF)
カナダ標準濾水度測定法JIS P 8121:1995に基づき測定した。
(電力原単位)
スクリーン運転時のモーター負荷と一時間あたりの処理量から、分級に要した電力を電力原単位として算出した。この値が高ければ高いほど、製造コストが高くなる。
(水使用量)
スクリーン処理時の時間あたりの処理流量を処理固形分で割り、パルプ1トンあたりの水の量として算出した。この値が高ければ高いほど、固形分1トンのパルプを処理するために必要な水の量が多くなり、また、処理能力(容積)の大きな設備が必要になる。
(灰分)
JIS P 8251:2003に従い測定した。
(平均繊維長)
ファイバーテスター(Lorentzen&Wettre社製)を用いて長さ加重平均繊維長を測定した。
(篩分繊維組成)
JIS P 8207:1976に従い、24メッシュ、42メッシュ、80メッシュ、150メッシュのふるいを用いて繊維組成を測定した。なお、以下の表2・表3において、24mesh onは、24メッシュのふるいを用いて篩い分けを行った場合にふるい上に残る繊維の割合を示すものである。また、42mesh onは、24メッシュのふるいは通過するが、42メッシュのふるい上に残る繊維の割合を示すものである(80mesh on、150mesh onもそれぞれ同様の意味である)。さらに、150mesh passは、150メッシュのふるいを通過する繊維の割合を示すものである。
(ダート個数)
夾雑物測定装置(スペックスキャン2000:アポジーテクノロジー製)を用いて、異なる5枚の手抄きシート上の0.05mm以上のダートを画像処理にて測定し、1mあたりのダート個数を算出した。
(白色度)
JIS P 8148に準じて、色差計(村上色彩製)で測定した。
(残インキ量)
残インキを測定するため、微細インキについて残インキ測定装置(カラータッチ:テクニダイン製)を用いてERIC(有効残インキ濃度)値を測定した。
(粘着異物)
パルプスラリー絶乾約1kgを精秤し、6カットフラットスクリーンで処理して、スクリーン上に残った残渣を回収し、ろ紙の間でホットプレスした後、疎水性染料を用いて着色した。染料によって着色した異物を画像解析にて計数した。
実験1:パルプの分級
(実施例1)
相川鉄工株式会社パイロットテストプラントにて、新聞古紙と雑誌古紙を重量比が7:3となるように高濃度パルパーに仕込み、仕込み量固形分に対して苛性ソーダ(純分)1重量%、珪酸ソーダ(有姿)1重量%、過酸化水素(純分)0.5%、高級アルコール系脱墨剤(有姿)0.2%を添加し、温度40℃で15分間離解した。離解後のパルプについて、0.2mmのスリット幅を有する粗選スクリーンを用いて固形分濃度2.5重量%で処理し、粗大粘着異物などの異物の除去を行い、古紙パルプを含むパルプスラリーを得た(古紙パルプスラリーA)。
その後、固形分濃度を1.9重量%に調整した古紙パルプスラリーAについて、アウトワード型スリットスクリーンを用いて長繊維画分と短繊維画分に分級した。具体的には、アウトワード型スリットスクリーンとして相川鉄工社製リジェクトスクリーン(マックスセーバー:MXS−1)を用い、スリット幅0.15mm、通過流速1.0m/s、アジテータ周速16m/sの条件で処理し、長繊維画分と短繊維画分を得た。ここで、スクリーンのリジェクト分が長繊維画分であり、アクセプト分が短繊維画分であり、長繊維画分と短繊維画分の固形分比(分級比率)は21:79だった。
(実施例2)
分級スクリーンの入口流量とリジェクト流量を調節することで、長繊維画分と短繊維画分の分級比率を47:53とした以外は、実施例1と同様にした。
(実施例3)
古紙パルプスラリーAの固形分濃度を1.6重量%に調整し、スリット幅0.13mm、通過流速0.9m/s、アジテータ周速14m/sの条件で処理し、分級スクリーンの入口流量とリジェクト流量を調節することで、長繊維画分と短繊維画分の分級比率を22:78にした以外は、実施例1と同様にした。
(実施例4)
通過流速0.7m/s、アジテータ周速13m/sの条件で処理し、分級スクリーンの入口流量とリジェクト流量を調節することで、長繊維画分と短繊維画分の分級比率を26:74にした以外は、実施例3と同様にした。
(実施例5)
相川鉄工株式会社パイロットテストプラントにて、新聞古紙と雑誌古紙を重量比が8:2となるように高濃度パルパーに仕込み、仕込み量固形分に対して苛性ソーダ(純分)1重量%、珪酸ソーダ(有姿)1重量%、過酸化水素(純分)0.17%、高級アルコール系脱墨剤(有姿)0.18%を添加し、温度40℃で15分間離解した。離解後のパルプについて、0.2mmのスリット幅を有する粗選スクリーンを用いて固形分濃度3.3重量%で処理し、粗大粘着異物などの異物の除去を行い、古紙パルプを含むパルプスラリーを得た(古紙パルプスラリーB)。
固形分濃度を2.4重量%に調整した古紙パルプスラリーBについて、実施例1と同じアウトワード型スリットスクリーンを用いて、スリット幅0.13mm、通過流速0.8m/s、アジテータ周速18m/sの条件で分級した(長繊維画分と短繊維画分の分級比率は24:76)。
(実施例6)
分級スクリーンの入口流量とリジェクト流量を調節することで、長繊維画分と短繊維画分の分級比率を30:70とした以外は、実施例5と同様にした。
(実施例7)
分級スクリーンの入口流量とリジェクト流量を調節することで、長繊維画分と短繊維画分の分級比率を44:56とした以外は、実施例5と同様にした。
(実施例8)
分級スクリーンの入口流量とリジェクト流量、および入口/出口の差圧を調節することで、長繊維画分と短繊維画分の分級比率を40:60とした以外は、実施例5と同様にした。
(比較例1)
分級スクリーンの入口流量とリジェクト流量を調節することで、長繊維画分と短繊維画分の分級比率を65:35とした以外は、実施例1と同様にした。
(比較例2)
古紙パルプスラリーAの固形分濃度を1.3重量%に調整し、分級スクリーンの入口流量とリジェクト流量を調節することで、長繊維画分と短繊維画分の分級比率を22:78とした以外は、実施例1と同様にした。
(比較例3)
分級スクリーンの入口流量とリジェクト流量を調節することで、長繊維画分と短繊維画分の分級比率を48:52とした以外は、比較例2と同様にした。
(比較例4)
長繊維画分と短繊維画分の分級比率を分級スクリーンの入口流量とリジェクト流量を調節することで、60:40とした以外は、比較例2と同様にした。
(比較例5)
フローテーション処理によるインキ除去を行ってから分級処理を行った。すなわち、実施例5の古紙パルプBについて、相川鉄工製マックセルフローテーターを用いて、固形分濃度1%、40℃でフローテーション処理し、フローテーションのアクセプト原料を得た。次いで、固形分濃度0.8重量%のアクセプト分について、実施例1と同じアウトワード型スリットスクリーンを用いて、スリット幅0.13mm、通過流速0.8m/s、アジテータ周速16.5m/sの条件で処理し、長繊維画分と短繊維画分の分級比率が39:61となるように分級した。
(比較例6)
相川鉄工株式会社パイロットテストプラントにて、新聞古紙と雑誌古紙を重量比が8:2となるように高濃度パルパーに仕込み、仕込み量固形分に対して苛性ソーダ(純分)1重量%、珪酸ソーダ(有姿)1重量%、過酸化水素(純分)0.5%、高級アルコール系脱墨剤(有姿)0.2%を添加し、温度40℃で15分間離解した。離解後のパルプについて、0.2mmのスリット幅を有する粗選スクリーンを用いて固形分濃度2.3重量%で処理し、粗大粘着異物などの異物の除去を行い、更に固形分濃度1.2%、40℃でフローテーションを行いインキを除去して古紙パルプを含むパルプスラリーを得た(古紙パルプスラリーC)。
固形分濃度を0.9重量%に調整した古紙パルプスラリーCについて、インワード型スリットスクリーンを用いて長繊維画分と短繊維画分に分級した。具体的には、インワード型スリットスクリーンとして相川鉄工社製スクリーン(FH−400)を用いて、スリット幅0.10mm、通過流速1.0m/s、アジテータ周速16.5m/sの条件で処理し、長繊維画分と短繊維画分の分級比率が64:36になるように分級した。
(比較例7)
長繊維画分と短繊維画分の分級比率を39:61とした以外は、比較例6と同様にした。
<評価結果>
評価結果を表1および表2に示す。
実施例1・2と比較例2〜5より、分級スクリーンでの処理濃度を1.5重量%より低くした場合、長繊維画分の濃度が低くなるため、後工程の設備を大きくする必要があり、製造コストが高くなる。また、水の使用量が多くなることから製造コストが高くなるため不利である。
実施例1〜8と比較例1・4より、長繊維画分の分級比率を60%より大きくすると、長繊維画分と短繊維画分の濾水度差が100ml未満となり、篩分繊維組成の違いが小さくなるとともに、ダートやインキの分配も小さくなることから、両画分にインキ除去にダート微細化工程が必要となるため、製造コストが高くなる。
実施例8と比較例5より、分級前にフローテーションを行うと、その後の分級処理濃度が低くなり、処理に要する電力が高くなり、水使用量が多くなる。また、長繊維画分の濃度が低くなるため、後工程の設備を大きくする必要があり、製造コストが高くなる。
実施例1〜8と比較例6・7より、インワード形式のスクリーンを用いた場合、詰り易いことから処理濃度を上げることができずに長繊維画分の濃度が低くなる。また、処理に要する電力が高くなり、水使用量が多くなることから、製造コストが高くなるため不利である。
Figure 2012214953
Figure 2012214953
実験2:紙の製造
以下の方法で紙を製造し、灰分、厚さ、坪量、密度、裂断長、層間強度(紙の厚さ方向の強度)を測定した。なお、本実験における添加率は、全紙料固形分重量に対しての数値である。
・灰分:JIS P 8251:2003に従った。
・厚さ:JIS P 8118:1998に従った。
・坪量:JIS P 8124:1998に従った。
・密度:厚さ(紙厚)、坪量の測定値より算出した。
・引張り強さ:JIS P 8113に準じて測定した。
・裂断長:JIS P 8113:1998に従った。
・層間強度:L&W ZD Tensile Tester SE 155(Lorentzen&Wettre社製)で層間強度を測定した。(TAPPI T 541, ISO 15754)
(実施例2−1)
新聞古紙と雑誌古紙の重量比が8:2である古紙を用い、長繊維画分と短繊維画分の分級比率を20:80にした以外は、実施例1と同様にして長繊維画分と短繊維画分を得た。
短繊維画分を固形分濃度0.5%まで希釈し、スリーワン・モーターにて500rpmの速度で攪拌しながら、軽質炭酸カルシウム(平均粒子径2.5μm)を10%添加・混合し、さらに抄紙用添加剤として紙力剤(ポリアクリルアミド、ハリマ化成製EX288:重量平均分子量約400万、カチオン電荷密度0.61meg/g)を0.2%添加して、短繊維を前処理した。
このように前処理した短繊維を、2%の硫酸バンドを添加した長繊維画分のパルプスラリー(固形分濃度0.5%)と長繊維:短繊維の重量比が20:80となるように混合し、抄紙用添加剤として歩留向上剤(ハイモ株式会社製ND300:重量平均分子量約1500万、カチオン電荷密度2.1meg/g)を100ppmとなるように添加・混合し、紙料を調成した。
この紙料を用いて、JIS P 8209に基づいて坪量60g/mの手抄シートを作製した。
(実施例2−2)
紙力剤の添加量を0.4質量%にした以外は、実施例2−1と同様にして抄紙した。
(実施例2−3)
短繊維に対して軽質炭酸カルシウムを添加しなかった以外は、実施例2−1と同様にして短繊維を前処理した。
このように前処理した短繊維を、2%の硫酸バンドを添加した長繊維画分のパルプスラリー(固形分濃度0.5%)と長繊維:短繊維の重量比が20:80となるように混合し、軽質炭酸カルシウム(平均粒子径2.5μm)を10%添加・混合後、さらに抄紙用添加剤として歩留向上剤(ハイモ株式会社製ND300:重量平均分子量約1500万、カチオン電荷密度2.1meg/g)を100ppmとなるように添加・混合し、紙料を調成した。
この紙料を用いて、実施例2−1と同様にして坪量60g/mの手抄シートを抄紙した。
(実施例2−4)
紙力剤の添加量を0.4質量%にした以外は、実施例2−3と同様にして抄紙した。
(比較例2−1)
長繊維と短繊維を20:80の重量比で混合した後、硫酸バンド(添加量2%)、紙力剤(ポリアクリルアミド、ハリマ化成製EX288、添加量0.2%)、軽質炭酸カルシウム(平均粒子径2.5μm、添加量10%)、歩留向上剤(ハイモ株式会社製ND300、添加量100ppm)をこの順番で添加して紙料を調成した以外は、実施例2−1と同様にして抄紙した。
(比較例2−2)
紙力剤の添加量を0.4質量%にした以外は、比較例2−1と同様にして抄紙した。
(比較例2−3)
炭酸カルシウムのスラリーをスリーワン・モーターにて500rpmの速度で攪拌しながら、抄紙用添加剤として紙力剤(ポリアクリルアミド、ハリマ化成製EX288)を添加した(試料A)。長繊維と短繊維を20:80の重量比で混合した後、硫酸バンド(添加量2%)、試料A、歩留向上剤(添加量100ppm)をこの順番で添加して紙料を調成した(紙料中の炭酸カルシウム濃度は10%、紙力剤濃度は0.2%)。それ以外は、実施例2−1と同様にして抄紙した。
(比較例2−4)
紙力剤の添加量を0.4質量%にした以外は、比較例2−3と同様にして抄紙した。
<評価結果>
評価結果を表3に示す。短繊維を予め抄紙用添加剤で処理した実施例の手抄き紙は、前処理を行わなかった比較例と比べて、裂断長や層間強度が高くなる傾向にあった。また、短繊維に紙力剤と填料を予め添加して前処理を行うと(実施例2−1、2−2)、抄紙用添加剤のみで短繊維を前処理した場合(実施例2−3,2−4)よりも裂断長、層間強度がさらに高くなった。さらに、填料を抄紙用添加剤で前処理した場合(比較例2−3,2−4)と比べて、本発明の実施例は、裂断長、層間強度ともに高くなる傾向があった。
Figure 2012214953
実験3:紙の製造
(実施例3−1)
新聞古紙と雑誌古紙の重量比が8:2である古紙を用い、長繊維画分と短繊維画分の分級比率を40:60にした以外は、実施例1と同様にして長繊維画分と短繊維画分を得た。この分級後の原料に対して以下の薬品処理を行った。添加率は、全紙料固形分重量に対しての数値である。
<試料B> 長繊維のスラリー(濃度0.5%)に、スリーワン・モーターにて500rpmの速度で攪拌しながら、硫酸バンドを2%添加して混合した。
<試料C> 短繊維のスラリー(濃度0.5%)に、スリーワン・モーターにて500rpmの速度で攪拌しながら、軽質炭酸カルシウムを17%添加・混合し、その後抄紙用添加剤として紙力剤(ポリアクリルアミド、ハリマ化成社製EX288)を0.2%添加した。
この試料Bと試料Cを混合後、抄紙用添加剤として歩留向上剤(ハイモ株式会社製ND300)を100ppmとなるように添加・混合し、紙料を調製した。次に、JIS P 8209に基づいて坪量60g/mの手抄シート10枚を抄紙した。
(実施例3−2)
軽質炭酸カルシウムの添加率を22%にした以外は、実施例3−1と同様にして抄紙した。
(実施例3−3)
紙力剤に代えてアニオン性の歩留向上剤(ハーキュレス社製SP7200)を0.02%添加した以外は、実施例3−2と同様にして抄紙した。
(実施例3−4)
紙力剤に代えて凝結剤(ハイモ社製FR740)を0.04%添加した以外は、実施例3−2と同様にして抄紙した。
(実施例3−5)
歩留向上剤として、カチオン性歩留向上剤(ハイモ社製ND300)0.02%とアニオン性歩留向上剤(ハイモ社製FA230)0.02%とを併用した以外は、実施例3−2と同様にして抄紙した。この2種類の歩留向上剤の添加順はカチオン性歩留向上剤、アニオン性歩留向上剤の順である。
(比較例3−1)
長繊維スラリー(濃度0.5%)と短繊維スラリー(濃度0.5%)を混合した後、硫酸バンド、抄紙用添加剤として紙力剤(ポリアクリルアミド、ハリマ化成社製EX288)、軽質炭酸カルシウム、抄紙用添加剤として歩留向上剤(ハイモ株式会社製ND300)の順番で添加した。それ以外は、実施例3−1と同様にして抄紙した。
(比較例3−2)
軽質炭酸カルシウムの添加率を22%にした以外は、比較例3−1と同様にして抄紙した。
<評価結果>
評価結果を表4に示す。実施例3−1は、比較例3−1に比べて、灰分歩留が若干向上し裂断長や層間強度が高くなった。実施例3−2と、比較例3−2を比べても同様であった。実施例3−3は、比較例3−2に比べて、灰分歩留はほぼ同等で裂断長、層間強度ともに高くなった。実施例3−4および3−5は、比較例3−2に比べて、灰分歩留が低下するものの裂断長、層間強度ともに高くなった。以上のことから、抄紙用添加剤を用いて填料を短繊維に定着させることで、紙力が向上することを見出した。本発明の実施例3は、裂断長、層間強度ともに高くする傾向があった。
Figure 2012214953
実験4:紙の製造
(実施例4−1)
新聞古紙と雑誌古紙の重量比が8:2である古紙を用い、長繊維画分と短繊維画分の分級比率を40:60にした以外は、実施例1と同様にして長繊維画分と短繊維画分を得た。この分級後の原料に対して以下の薬品処理を行った。添加率は、全紙料固形分重量に対しての数値である。
<試料D> 長繊維スラリー(濃度0.5%)に、スリーワン・モーターにて500rpmの速度で攪拌しながら、硫酸バンドを2%添加・混合した。
<試料E> 短繊維スラリー(濃度0.5%)に、スリーワン・モーターにて500rpmの速度で攪拌しながら、軽質炭酸カルシウムを22%添加・混合し、その後抄紙用添加剤として紙力剤(カチオン化澱粉、日本エヌエスシー社製Cato304)を0.5%添加した。
この試料Dと試料Eを混合後、抄紙用添加剤として歩留向上剤(ハイモ株式会社製ND300)を100ppmとなるように添加・混合し、紙料を調製した。次に、JIS P 8209に基づいて坪量60g/mの手抄シート10枚を抄紙した。
(実施例4−2)
紙力剤の添加率を0.3%にした以外は、実施例4−1と同様にして抄紙した。
(比較例4−1)
長繊維スラリー(濃度0.5%)と短繊維スラリー(濃度0.5%)を混合した後、硫酸バンド、抄紙用添加剤として紙力剤(カチオン化澱粉、日本エヌエスシー社製Cato304)を0.5%添加し、軽質炭酸カルシウムを22%添加し、抄紙用添加剤として歩留向上剤(ハイモ株式会社製ND300)を100ppmとなるように順番に添加した。それ以外は、実施例4−1と同様にして抄紙した。
<評価結果>
評価結果を表5に示す。実施例4−1は、比較例4−1に比べて、灰分歩留が大幅に向上し、層間強度も高くなった。実施例4−2は、比較例4−1に比べて、抄紙用添加剤の添加率が低いにも関わらず灰分歩留が向上し、層間強度も高くなった。以上のことから、抄紙用添加剤を用いて填料を短繊維に定着させることで、灰分歩留、および紙力が向上することを見出した。本発明の実施例4は、灰分歩留を向上させ、層間強度ともに高くする傾向があった。灰分歩留と層間強度を同時に向上させていることは、以下のグラフからも明らかである。
Figure 2012214953
実験5:紙の製造
(実施例5−1)
新聞古紙と雑誌古紙の重量比が8:2である古紙を用い、長繊維画分と短繊維画分の分級比率を40:60にした以外は、実施例1と同様にして長繊維画分と短繊維画分を得た。この分級後の原料に対して以下の薬品処理を行った。添加率は、全紙料固形分重量に対しての数値である。
<試料F> 長繊維スラリー(濃度0.5%)に、スリーワン・モーターにて500rpmの速度で攪拌しながら、硫酸バンドを2%添加・混合した。
<試料G> 短繊維スラリー(濃度0.5%)に、スリーワン・モーターにて500rpmの速度で攪拌しながら、軽質炭酸カルシウムを17%添加・混合し、その後紙力剤(カチオン化澱粉、日本エヌエスシー社製Cato304)を0.3%添加した。
この試料Fと試料Gを混合後に、抄紙用添加剤として紙力剤(ポリアクリルアミド、ハリマ化成社製EX288)を0.15%添加し、抄紙用添加剤として歩留向上剤(ハイモ株式会社製ND300)を100ppmとなるように順番に添加・混合し、紙料を調製した。次に、JIS P 8209に基づいて坪量60g/mの手抄シート10枚を抄紙した。
(実施例5−2)
軽質炭酸カルシウムの添加率を22%にした以外は、実施例5−1と同様にして抄紙した。
(実施例5−3)
試料Gに添加する抄紙用添加剤をポリアクリルアミド(ハリマ化成社製EX288)の0.15%添加とし、試料Fと試料Gを混合後に添加する抄紙用添加剤をカチオン化澱粉(日本エヌエスシー社製Cato304)の0.3%添加とした以外は、実施例5−1と同様にして抄紙した。
(実施例5−4)
軽質炭酸カルシウムの添加率を22%にした以外は、実施例5−3と同様にして抄紙した。
(比較例5−1)
長繊維スラリー(濃度0.5%)と短繊維スラリー(濃度0.5%)を混合した後、硫酸バンド、抄紙用添加剤としてカチオン化澱粉(日本エヌエスシー株式会社製Cato304)を0.3%添加、ポリアクリルアミド(ハリマ化成社製EX288)を0.15%添加、軽質炭酸カルシウムを17%添加、抄紙用添加剤として歩留向上剤(ハイモ株式会社製ND300)を100ppmとなるように、この順番に添加して、紙料を調成した。この紙料を用いて、実施例5−1と同様にして抄紙した。
(比較例5−2)
軽質炭酸カルシウムの添加率を22%にした以外は、比較例5−1と同様にして抄紙した。
<評価結果>
評価結果を表6に示す。実施例5−1および実施例5−3は、比較例5−1に比べて、裂断長および層間強度が高くなった。実施例5−2および実施例5−4と比較例5−2を比べても、この傾向は同様であった。以上のことから、抄紙用添加剤を用いて填料を短繊維に定着させることで、紙力が向上することを見出した。
Figure 2012214953

Claims (7)

  1. 古紙パルプを含む固形分濃度が1.5重量%以上であるパルプスラリーを、0.1mm〜0.3mmのスリット幅の開口部を有するアウトワード型スリットスクリーンを用いて長繊維画分と短繊維画分に分級する工程であって、長繊維画分と短繊維画分の固形分比が10:90〜60:40であり、長繊維画分と短繊維画分のカナダ標準濾水度の差が100ml〜300mlである工程、
    短繊維画分のパルプスラリーに1つ以上の抄紙用添加剤を添加する工程、
    抄紙用添加剤を添加した短繊維画分のパルプスラリーを用いて抄紙する工程、
    を含む、紙の製造方法。
  2. 前記抄紙用添加剤が有機高分子である、請求項1に記載の方法。
  3. 短繊維画分のパルプスラリーに対して前記抄紙用添加剤とともに填料を添加する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 抄紙用添加剤を添加した短繊維画分のパルプスラリーを長繊維画分のパルプスラリーと混合してから抄紙する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 長繊維画分のパルプスラリーと混合して得たパルプスラリーに別の抄紙用添加剤をさらに添加してから抄紙する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記填料が炭酸カルシウムを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 短繊維画分のパルプスラリーに添加される抄紙用添加剤がポリアクリルアミドを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
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