JP2020165021A - 脱墨パルプの製造方法 - Google Patents

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Hirohiko Koizumi
博比古 小泉
石川 聡
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聡 石川
佐藤 康之
Yasuyuki Sato
康之 佐藤
誠樹 米重
Seiki Yoneshige
誠樹 米重
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Abstract

【課題】本発明の課題は、脱墨し難い古紙原料から脱墨パルプを製造する技術を提供することをその目的とする。【解決手段】本発明によって、印刷古紙を水中で離解して古紙スラリーを得る工程と、回転型解繊機を用いて古紙スラリーに機械的処理を施す工程と、を含む、脱墨パルプの製造方法が提供され、回転型解繊機がディスク型の固定刃と回転刃を有し、前記固定刃の最外周刃のスリット幅が0.7mm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、印刷古紙を脱墨して脱墨パルプを製造する技術に関する。また本発明は、脱墨フロスなどを含む古紙スラリーを機械的に処理することによってパルプ繊維を効率的に回収し、それを用いて脱墨パルプを製造する技術に関する。本発明によれば、印刷物から優れた品質の脱墨パルプを効率的に製造することができる。
近年、省資源あるいは環境問題といった観点から古紙の利用が拡大している。一方で印刷物の高品質化、多様化が進み、古紙として回収される印刷物の中に、再生し難い印刷古紙、例えば、UV印刷された印刷物や樹脂フィルムで被覆された印刷物などの混入が頻発するようになっている。
これらの印刷物を原料として脱墨パルプ(DIP)を製造する場合、製造工程の操業性が悪化したり、得られた再生紙の品質が低下したりするなどの問題が生じることがある(非特許文献1)。このような再生し難い印刷物を含む古紙原料からパルプを製造する場合、古紙原料に対して強い機械的負荷を付加したり、多くの薬品を使用したりして対応することもあるが、繊維の劣化やコストの増加など新たな問題を生じてしまう。
このような再生し難い印刷物について、これらを選別し、再生し難い印刷物を禁忌品として古紙原料から除去することが検討されてきた。しかし、例えば、UVクリアコートされた印刷物は、既存の水性クリアコートされた印刷物と見た目の違和感が生じないように作られているため、UVクリアコートされた印刷物を目視で判別することは困難である。そのため、印刷物を識別する技術として、特開平10−149473号公報(特許文献1)には、フーリエ変換近赤外線分析装置(FT−NIR)を用いた紙幣等の識別方法が提案されている。また、特開2005−345208号公報(特許文献2)には、溶媒に対する印刷物の印刷面の溶解性から、古紙として再生し難い印刷物を選別する方法が提案されている。
また、脱墨剤の用い方を工夫して、古紙原料からの脱墨を効率的に行うことも検討されている。例えば、特開2007−119955号公報(特許文献3)には、曇点が0〜25℃のポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤をパルパーに添加することによって、効率的に脱墨することが記載されている。また、特表2005−520057号公報(特許文献4)には、曇点の異なる複数の脱墨剤を用いることによってパルプ繊維から効果的にインキを除去することが提案されている。
さらに、アニオン性の界面活性剤を脱墨剤として用いることも提案されている。例えば、特開2007−314894号公報(特許文献5)や特開2009−221636号公報(特許文献6)には、非イオン界面活性剤とアニオン性界面活性剤を併用して脱墨することが提案されている。
特開平10−149473号公報 特開2005−345208号公報 特開2007−119955号公報 特表2005−520057号公報 特開2007−314894号公報 特開2009−221636号公報
「古紙リサイクルにおける阻害性要確認資材等に関する調査報告書」(財団法人古紙再生促進センター発行)
上記のような状況に鑑み、本発明は、UV印刷物などの脱墨し難い古紙原料から脱墨パルプを製造する技術を提供することをその目的とする。
上記課題について鋭意検討したところ、本発明者らは、回転型解繊機による機械的処理を行うことによってパルプから効率的に脱墨できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
これに限定されるものではないが、本発明は、以下の態様を包含する。
(1) 印刷古紙を水中で離解して古紙スラリーを得る工程と、回転型解繊機を用いて古紙スラリーに機械的処理を施す工程と、を含む、脱墨パルプの製造方法であって、回転型解繊機が、ディスク型の固定刃と回転刃を有し、前記固定刃の最外周刃のスリット幅が0.7mm以下である、上記方法。
(2) 前記回転刃の最外周刃のスリット幅が2.0mm以下である、(1)に記載の方法。
(3) 回転型解繊維で処理する前に、古紙スラリーにフローテーション処理を行う、(1)または(2)に記載の方法。
(4) 前記古紙スラリーに含まれるパルプ繊維の70%以上が、繊維長0.6mm以下のパルプ繊維である、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 前記古紙スラリーに含まれるパルプ繊維の50%以上が、繊維長0.6mm以下のパルプ繊維である、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(6) 回転型解繊機で処理する古紙スラリーの濃度が3.5重量%以下である、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7) 回転型解繊維で処理した後に、古紙スラリーにフローテーション処理を行う、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8) (1)〜(7)のいずれかに記載の方法によって製造した脱墨パルプを含む原料から紙を抄造することを含む、紙の製造方法。
本発明によれば、再生し難い印刷物を効率的に脱墨して脱墨パルプを製造することが可能である。本発明に係る技術は、再生し難い印刷物から高品質の脱墨パルプを製造できるため、従来は禁忌品として脱墨パルプの原料として使用できなかったような印刷古紙を資源として有効活用することが可能になる。
図1は、回転式解繊機のディスク状刃物の一態様を示す写真である(左:固定刃、右:回転刃)。
本発明は、古紙原料を脱墨して脱墨パルプ(DIP)を製造する技術に関する。また、本発明は、古紙原料を脱墨して得られる脱墨パルプを用いて再生紙を抄造する技術に関する。
本発明においては、古紙原料として印刷物を使用する。印刷物としては、紙を含む基材に印刷が施されたものであれば特に制限なく使用でき、例えば、紙にフィルムなどを付したものに印刷を施した印刷物、塗工紙に印刷を施した印刷物、非塗工紙に印刷を施した印刷物などに、本発明を適用することができる。具体的には、例えば、新聞用紙、中質紙、上質紙、塗工紙、微塗工紙、感熱記録紙、ノーカーボン紙、色上質紙、PPC用紙(トナー印刷用紙)、紙器、シール・ラベル、帳票、段ボール、白板紙などに印刷した古紙に本発明を適用でき、光沢のある印刷物やOPニスやUVクリアコート等の表面加工処理した印刷物に本発明を適用することも可能である。
本発明を適用する印刷物として、あらゆる印刷方式で印刷した古紙を用いることができ、本発明によれば、脱墨パルプや再生紙の製造に適した印刷物を選別することが可能になる。印刷物に施された印刷の方式としては、例えば、UVインキやハイブリッドUVインキ、高感度UVインキを用いたUV印刷、フレキソ印刷などの凸版印刷、グラビア印刷などの凹版印刷、オフセット印刷などの平版印刷、スクリーン印刷(シルク印刷)などの孔版印刷、静電気を利用した静電印刷(トナー印刷)、パソコン用プリンターなどに広く用いられるインクジェット印刷やレーザー印刷などを挙げることができる。また、印刷されたインキ(インク)についても特に制限はなく、各種印刷方式で用いられる色材が印刷された印刷物を用いることができる。例えば、UV印刷は、UV光によってインキを硬化・定着される印刷方式であるところ、UV印刷物は脱墨し難い印刷として知られており、場合によっては、禁忌品として脱墨パルプの製造工程への混入が避けられている印刷物である。このようなUV印刷物であっても、本発明によれば、脱墨パルプを製造することができる。なお、近年はUV印刷物のリサイクル性を改善させるため、および/または、UV印刷にかかるエネルギー削減のため、ハイブリッドUVインキや通常のUVインキよりもリサイクルしやすい高感度UVインキが開発され、使用されているが、このような高感度UVインキで印刷された印刷物についても、本発明によって脱墨することができる。なおここで高感度UVインキとは、いわゆる省エネUVシステム、ハイブリッドUVシステム、LED−UVシステム等の印刷方式に対応可能なUVインキのことを言う。
本発明において脱墨パルプ(DIP)とは、印刷物から印刷インキなどを除去して再生されたパルプを意味し、一般に、印刷物を離解してスラリーとしつつ、機械的応力、脱墨剤などの薬品を用いてインキを除去することによって得られる。原料となる印刷物としては、例えば、新聞紙、チラシ、雑誌、書籍、事務用紙、封書、感熱紙、ノーカーボン紙、段ボール、白板紙、その他複写機、OA機器から生ずる印刷紙などが含まれる。粘着剤、接着剤、粘着テープ、雑誌の背糊などの粘着物、樹脂などのコーティングやラミネートを含む印刷物も本発明の印刷物として用いることができる。また、印刷物は、灰分と呼ばれる無機粒子を含有してもよい。灰分は無機粒子全般を指し、紙の製造時に内添された、もしくは、塗工された填料、顔料など紙を灰化した際に残存する物質である。例えば、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、二酸化チタン等が挙げられるが、これらに限定するものではない。
本発明においては、印刷物を含む古紙原料を用いて脱墨パルプを製造することができる。脱墨パルプを製造するための方法は特に制限されず、一般に公知の方法を採用することができる。本発明において印刷物を脱墨する際には、公知の脱墨装置や脱墨剤を使用することができる。脱墨工程で用いる装置の例としては、例えば、ニーダーやディスパーザー、フローテーターなどを挙げることができる。脱墨剤の例としては、公知の界面活性剤、例えば、脂肪酸塩、高級アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸などのアルキレンオキシド付加物などの非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、および、有機溶剤、タンパク質、酵素、天然高分子、合成高分子などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。単一成分からなるものであっても2種以上の成分の混合物であっても脱墨剤として使用できることは当然である。例えば、脱墨パルプを製造する一つの態様において、アルカリ性薬品や界面活性剤などを添加して古紙の離解を行う離解処理、機械的シェアとアルカリ条件下でインキをパルプから剥離するインキ剥離処理、パルプから分離されたインキを除去するフローテーション処理および/または洗浄処理、などを実施することができる。また、例えば、パルプを脱水して10〜35質量%のパルプ濃度に調整した後、アルカリ性薬品や界面活性剤などを添加してパルプからインキをさらに剥離させたり(アルカリ浸漬処理や熟成処理)、再度のフローテーション処理や洗浄処理によってパルプからインキを除去したりすることをしてもよい。また、除塵工程(異物除去工程)を設けて異物を除去してもよい。
本発明においては、パルプ繊維に付着しているインキを機械的なシェアを与えることにより剥離する工程のことを「脱インキ工程」といい、剥離されたインキを系外に除去する工程のことを「インキ除去工程」ということもある。
回転型解繊機による機械的処理
本発明では、古紙パルプスラリー(単に古紙スラリーともいう)に回転型解繊機で機械的処理を施す。古紙パルプスラリーには、印刷古紙をパルパー等の機械的解繊を伴う離解装置で離解して古紙をスラリーとしたものだけでなく、古紙パルプスラリーに除塵処理、漂白処理、浮選処理などをする際に生じる脱墨フロス(froth)などのスラリーも含まれる。古紙パルプスラリーは、古紙スラリーに含まれるパルプ繊維の50%以上が、繊維長0.6mm以下であることが好ましい。脱墨フロスの繊維長としては、パルプ繊維の70%以下が、繊維長0.6mm以下のパルプ繊維であるであることが好ましい。
本発明においては、古紙パルプに対して回転型解繊機で機械的処理を施す。すなわち、細かなスリットを持つディスク状またはコニカル状刃物を高速回転させ、そこに古紙パルプを導入することによって、流体力学的衝撃波により脱墨パルプを機械的処理する。このような装置としては、ファイナー、コニファイナー、トップファイナー、セブンファイナー、コニディスク、デフレーカー、コニカルフレーカー、パワーファイナー等が挙げられる。なお、ニーダーやパルパーも解繊機として知られているが、回転型でないため、本発明に係る回転型解繊機には該当しない。
本発明においては、回転型解繊機を用いて脱墨パルプのスラリーに機械的処理を施す。機械的処理の速度(1時間あたりの処理量)は、例えば、20〜100m/hとしてよく、好ましくは30〜95m/h、より好ましくは40〜90m/h、さらに好ましくは50〜85m/hである。
回転型解繊機は、細かなスリットを持つ刃物の高速回転により、古紙パルプのスラリーを処理することができる装置である。送入された原料は、高速回転する細かなスリットを持つ刃物の流体力学的衝撃波により、繊維の損傷を抑えつつ脱墨を促進することができる。好ましい態様において、回転型解繊機には固定刃と回転刃があり、固定刃と回転刃の間を原料が通過する際、回転刃が高速回転することにより、脱墨パルプからインキの剥離・微細化をすることができる。なお、本発明では刃と刃の間のことをスリット幅という。スリット幅のことを刃幅ということもある。
固定刃の最外周刃のスリット幅は0.7mm以下であり、0.3〜0.7mmがより好ましく、0.3〜0.6mmがさらに好ましく、0.3〜0.5mmとしてもよい。
本発明の好ましい態様において、回転刃の最外周刃のスリット幅は0.5〜5.0mmであるが、本発明の好ましい態様において、回転刃の最外周刃のスリット幅は0.5〜2.0mmであり、0.6〜1.5mmが好ましく、0.7〜1.1mmがより好ましく、0.8〜1.0mmがさらに好ましい。
回転刃の内周刃は通常は3層でいずれも外周刃よりもスリット幅が小さい。また、そのスリット幅は最外周へ近いものほど、小さくなっていく。回転刃の内周刃のスリット幅は、通常は1.0〜10mmであり、1.2〜5.0mmがより好ましく、1.4〜4.5mmがさらに好ましく、2.0〜4.5mmとしてもよい。また、好ましい態様において、固定刃の刃幅は0.3〜2.0mmであり、0.4〜1.7mmがより好ましく、0.5〜1.4mmがさらに好ましく、0.6〜1.1mmとしてもよい。
古紙パルプスラリーが、古紙スラリーに含まれるパルプ繊維の50%以上が繊維長0.6mm以下のパルプ繊維を含むものである場合、灰分濃度は、例えば、5重量%以上であるが、8重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましい。古紙パルプスラリーが、古紙スラリーに含まれるパルプ繊維の70%以上が繊維長0.6mm以下のパルプ繊維を含むものである場合、灰分濃度は、例えば、20重量%以上であるが、35重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましい。
古紙パルプスラリーの固形分濃度は、例えば、0.01〜5.0重量%であるが、0.1〜4.0重量%が好ましく、0.2〜3.5重量%がより好ましい。特に、古紙パルプスラリーが脱墨フロスを含む場合、古紙スラリーの固形分濃度が2.0重量%以下で機械的処理を行うことが好ましい。ニーダーなどを用いる従来の処理では、固形分濃度を30%以上にする必要があり、脱水・濃縮処理が必要となるため、歩留りが悪くなっていたが、本発明ではこのような問題がない。
また、古紙スラリーのpHがアルカリ条件である方が、OH活性ラジカルの生成量が増加することから望ましい。例えば、古紙スラリーのpHは、7.0〜11.5であることが好ましく、pHを7.5以上や8.0以上としてもよい。本発明においては、機械的処理の温度は特に制限されないが、5〜80℃が好ましく、10〜70℃がより好ましく、15〜60℃がさらに好ましい。
本発明においては、界面活性剤を添加することで必要なエネルギーを低減することができる。使用する界面活性剤としては、公知または新規の界面活性剤、例えば、脂肪酸塩、高級アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸などのアルキレンオキシド付加物などの非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これらの単一成分からなるものでも2種以上の成分の混合物でも良い。
紙の製造
本発明においては、上記したようにして得られた脱墨パルプを用いて紙を製造することができる。抄紙方法は特に制限されず一般に公知の方法を採用することができる。
本発明の抄紙方法においては、本発明によって得られた脱墨パルプのみを用いて抄紙しなければならないわけでなく、他のパルプを任意の比率で原料パルプとして用いて紙を製造すればよい。
本発明においてはパルプとして、例えば、脱墨パルプ(DIP)、針葉樹または広葉樹クラフトパルプ(NKPまたはLKP)、針葉樹または広葉樹を用いた機械パルプ、例えば、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)等、段ボールを離解した古紙パルプ、塗工紙や塗工原紙、その他の紙を含む損紙を離解してなるコートブローク、及び、これらのパルプの2種以上の混合物を併用して抄紙してもよい。
また本発明においては、パルプから抄紙する際に、薬品や填料を添加してもよい。添加する薬品としては、ロジンエマルションや中性ロジン、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、スチレン/アクリル共重合体などのサイズ剤、カチオン性や両イオン性、アニオン性のポリアクリルアミド、ポリビニルアミン、ポリアクリル酸を含む樹脂、グアーガムなどの乾燥紙力増強剤、カチオン性や両イオン性、アニオン性の変性澱粉、ポリアミドアミンエピクロロヒドリン、カルボキシメチルセルロースなどの湿潤紙力増強剤、濾水性向上剤、着色剤、染料、蛍光染料、凝結剤、嵩高剤、歩留剤などが挙げられる。また、填料としては、一般に無機填料及び有機填料と呼ばれる粒子であれば良く、特に限定はない。具体的には、無機填料として、炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、合成炭酸カルシウム)、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クレー(カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン)、タルク、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、二酸化チタン、ケイ酸ナトリウムと鉱酸から製造されるシリカ(ホワイトカーボン、シリカ/炭酸カルシウム複合体、シリカ/二酸化チタン複合体)、白土、ベントナイト、珪藻土、硫酸カルシウム、脱墨工程から得られる灰分を再生して利用する無機填料および再生する過程でシリカや炭酸カルシウムと複合体を形成した無機填料などが上げられる。炭酸カルシウム−シリカ複合物としては、炭酸カルシウムおよび/または軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物以外に、ホワイトカーボンのような非晶質シリカを併用しても良い。この中でも、中性抄紙やアルカリ抄紙における代表的な填料である炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物が好ましく使用される。
本発明により製造された紙は、例えば、これらに限定されないが、印刷用紙、新聞用紙の他、塗工紙、情報記録用紙、加工用紙、衛生用紙等として使用することができる。情報記録用紙として、さらに詳しくは、電子写真用転写紙、インクジェット記録用紙、感熱記録体、フォーム用紙等が挙げられる。加工用紙として、更に詳しくは、剥離紙用原紙、積層板用原紙、成型用途の原紙等が挙げられる。衛生用紙として、更に詳しくは、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ペーパータオル等が挙げられる。また、段ボール原紙等の板紙として使用することもできる。さらに、塗工紙、情報記録用紙、加工用紙等の顔料を含む塗工層を有する紙の原紙としても使用することができる。
以下に実験例を挙げて本発明をより具体的に示すが、本発明はかかる実験例に限定されるものではない。また、本明細書においては、特記しない限り、数値範囲はその端点を含むものとし、濃度などは重量基準である。
実験1:脱墨パルプの製造
(実施例1)
古紙材料(新聞古紙およびUV印刷物を含む印刷古紙)をパルパーで離解し、古紙スラリーを得た(固形分濃度:約15%)。この古紙スラリーについて、クリーナーおよび粗選スクリーンの順で処理して異物を除去し(固形分濃度:約3%)、フローテーター(ハイパーセルHYP−50型、相川鉄工製)を用いて浮選処理に供した(固形分濃度:約1%)。浮選処理において得られた脱墨フロス側のスラリーを回収し、この古紙スラリー(濃度1.05%、灰分66.8%)を、以下の機械的処理に供した。
リング状刃物を用いた高速回転型解繊機(A型トップファイナー、相川鉄工製)を用いて、脱墨フロスを含む古紙スラリーを機械的に処理し、脱墨パルプを回収した(処理量80m/hr、処理温度20〜40℃)。この装置においては、細かなスリットを持つリング状刃物が高速回転し、流体力学的な衝撃力によって脱墨フロスが機械的に処理される。回転刃と固定刃があり、回転刃の最外周刃のスリット幅は1.0mm、固定刃の最外周刃のスリット幅は0.5mmであった。
(実施例2)
高速回転型解繊機の回転刃の最外周刃のスリット幅を0.8mm、固定刃の最外周刃のスリット幅を0.5mmとした以外は、実施例1と同様にして脱墨パルプを回収した。
(比較例1)
高速回転型解繊機の回転刃の最外周刃のスリット幅を4.5mm、固定刃の最外周刃のスリット幅を0.8mmとした以外は、実施例1と同様にして脱墨パルプを回収した。
(比較例2)
高速回転型解繊機の回転刃の最外周刃のスリット幅を2.0mm、固定刃の最外周刃のスリット幅を0.8mmとした以外は、実施例1と同様にして脱墨パルプを回収した。
(実施例3)
実施例1と同様にして、古紙材料(新聞古紙およびUV印刷物を含む印刷古紙)をパルパーで離解し、古紙スラリーを得た(固形分濃度:約15%)。この古紙スラリーについて、クリーナーおよび粗選スクリーンの順で処理して異物を除去した(固形分濃度:約3%)。
異物を除去した古紙スラリーについて、浮選処理をせずに、実施例1と同様の装置を用いて下表の条件で機械的処理に供した(処理量30m/hr、処理温度20〜40℃)。
次いで、高速回転型解繊機による処理を行ったサンプルを、フローテーター(ハイパーセルHYP−50型、相川鉄工製)を用いて浮選処理に供し、脱墨パルプを回収した(固形分濃度:約1%)。
(比較例3)
高速回転型解繊機の回転刃の最外周刃のスリット幅を4.5mm、固定刃の最外周刃のスリット幅を1.2mmとした以外は、実施例3と同様にして脱墨パルプを回収した。
(繊維長分布の分析)
機械処理前の古紙スラリーに含まれるパルプ繊維について、繊維長測定装置(ファイバーテスター、ローレンツェンアンドベットレー)を用いて繊維長分布を分析し、繊維長が0.6mm以下の繊維の割合を測定した(繊維の総数に対する繊維長が0.6mm以下の繊維の数の割合)。
実験2:脱墨パルプの評価
実験1で得られた脱墨パルプからシートを製造し、ダート個数を分析した。具体的には、実施例1〜2および比較例1〜2で得られた脱墨パルプについては、330メッシュの篩上で水洗してから篩上の残渣を回収し、ろ紙(ADVANTEC No.2)を用いて吸引ろ過して湿紙を作製し、50℃でプレートをあてて乾燥させた(坪量:約60g/m)。また、実施例3および比較例3から得られた脱墨パルプは、JIS P 8222に従って坪量60g/mの手抄きシートを製造した。
得られたパルプシートについて、画像解析装置(Easy Scan、日本製紙ユニテック)を用いてダート個数を計測した。ダートは2つの大きさに分けて計測し(直径が250μm超、直径が350μm超)、ダートの個数とは1mあたりのダートの個数を意味する。
実験1で得られた脱墨パルプに対して、繊維長測定装置(ファイバーテスター、ローレンツェンアンドベットレー)を用いて繊維長を測定した。
結果を表に示すが、古紙パルプスラリーに対して回転型解繊機による機械的処理を施す際、回転型解繊機の固定刃のスリット幅を狭幅化することによって、処理前後のダートのカット率が上昇した。特に本発明によれば、一般的にフローテーターで除くことのできるダートよりも大きなダートを効率的に除去できる傾向にあった。

Claims (8)

  1. 印刷古紙を水中で離解して古紙スラリーを得る工程と、
    回転型解繊機を用いて古紙スラリーに機械的処理を施す工程と、
    を含む、脱墨パルプの製造方法であって、
    回転型解繊機が、ディスク型の固定刃と回転刃を有し、前記固定刃の最外周刃のスリット幅が0.7mm以下である、上記方法。
  2. 前記回転刃の最外周刃のスリット幅が2.0mm以下である、請求項1に記載の方法。
  3. 回転型解繊維で処理する前に、古紙スラリーにフローテーション処理を行う、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記古紙スラリーに含まれるパルプ繊維の50%以上が、繊維長0.6mm以下のパルプ繊維である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記古紙スラリーに含まれるパルプ繊維の70%以上が、繊維長0.6mm以下のパルプ繊維である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  6. 回転型解繊機で処理する古紙スラリーの濃度が3.5重量%以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 回転型解繊維で処理した後に、古紙スラリーにフローテーション処理を行う、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法によって製造した脱墨パルプを含む原料から紙を抄造することを含む、紙の製造方法。
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