次に、図面を参照して、本発明の第1〜第3の実施形態に係る波形ボード、及びこの波形ボードを用いた組立体を例示的に説明する。以下の説明で参照する図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。又、以下の説明や特許請求の範囲の記載における「上」と「下」は、説明の便宜上の単なる方位の選択に過ぎず、「上」を「下」と置き換え、「下」を「上」とし、「上面」を「下面」とし、「下面」を「上面」とする変更や、重力の方向に対し、任意の斜め方向に積層の方向や配置の方向を選択することが可能であることは勿論である。更に、以下に示す第1〜第3の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
《第1の実施形態》
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る波形ボード3は、厚さt=0.05〜5mm程度の木製の薄板が上面と下面で定義される厚みの間を、ピッチp1で脈動する形状をなしている。第1の実施形態に係る波形ボード3の厚さtを0.05mm程度以下にすることも可能ではあるが、現状の薄板加工技術の制約や、製品として要求される強度を考慮すると、0.05mm程度以下の厚さtとすることは、工業的な観点から好ましくない。一方、厚さtを、5mm程度以上とすることも可能ではあるが、以下に説明する本発明の第1の実施形態に係る波形ボードの製造法の特徴から、5mm程度以上の厚さtとすることは、水につける時間が長くなる等、加工に過度な時間が必要であり、又、プレス時の電力等エネルギ資源等も必要になり、工業的な観点から現実的ではない。製造上の容易性の意味では、第1の実施形態に係る波形ボード3の厚さt=0.05〜3mm程度が好ましく、厚さt=0.05〜2mm程度がより好ましく、厚さt=0.05〜1.5mm程度が更に好ましいが、製品として要求される仕様を考慮して厚さtを選択すれば良い。
樹木等の維管束植物の根には、根毛が無数にあって、水や水にとけた無機養分を吸収しやすくしている。吸収された水や無機養分は根の道管(輸送経路)に入り、茎の道管を通って、葉や花や果実などに運ばれる。葉には気孔があるので、ここから水分を蒸散する。葉の蒸散作用によって、根は更に水や無機養分を吸収することができる。この維管束植物の道管(輸送経路)が「維管束組織」であり、「木部」と「篩部」からなる。木部は道管や柔組織からなる水や無機養分の通路であり、道管は細胞が縦に並び、細胞壁の穴で連結して管となった組織である。篩部は葉でつくった有機養分を下方に運ぶ通路であり、篩管や柔組織からなる。維管束組織とは、いわゆる維管束植物の茎の中を縦に走る柱状の組織の集まりである。普通は茎の中に一定の配列で並び、そこから分枝して葉や根に入り、先端近くまで伸びて終わる。多くの維管束植物では、これらの組織が一定の配列で集まってパイプの集合体のような束状の構造となって維管束植物体全体を貫く。そのような束は、複数あり、茎の断面を見れば、それらが一定の配列で維管束植物体の中に配置しているのが見られる。葉など茎から出た器官には茎の維管束組織の分枝が入っており、その内部では更に枝分かれして物質の輸送と器官の機械的支持の役割を担う。
即ち、針葉樹材を形成している組織は、仮導管・柔組織・放射組織などであり、仮導管は、樹体の指示と水養分の運搬を行う両端の細長い紡錐形(円柱形の両端がとがった形)の細胞で、材の90%を占めている。夏材部と春材部では仮導管の細胞膣の大きさや壁厚に違いがあり、夏材部の細胞膣が小さく壁が厚いので機械的性質は優れている道管と同じく水液の通路だが、一本の長い管状にはならず、機能的には道管に劣る。一方、広葉樹は、針葉樹より進化しており、材を形成する組織として道管・正木繊維・柔組織・放射組織などからできている。広葉樹の道管は、根から呼吸した水分や栄養分を上部に送るもので、細長い細胞が一列に連なり、大部分の横壁は消失して長い管状となおり、細胞壁は木化となる。正木繊維は、樹体の支持という機械的な作用をしている。材の構成割合は55〜75%を占めており、広葉樹の柔組織は、針葉樹より数も多く、道管のまわりに散在しているものや長く帯状のものなど配列は様々である。広葉樹の放射組織も針葉樹より数も多く、単列のものより多例のものが非常に多く、幅も広く高さもある。
図1に示す本発明の第1の実施形態に係る波形ボード3では、この針葉樹材の仮導管の方向、或いは、広葉樹の道管の方向に垂直となる方向、即ち「維管束組織の方向」に垂直となる方向に、ピッチp1で脈動する形状であり、維管束組織の方向には変化がないトポロジーを有した3次元(3D)構造である。図1では、円弧状(正弦波状)の脈動形状を開示しているが、例示であり、脈動形状は、円弧状(正弦波状)の他,台形波状,三角波状等であっても良く、円弧,台形,三角の組み合わせ形状でも構わない。又、図1では、維管束組織の伸びる方向(以下において「維管束方向」という。)に直交する方向に、ピッチp1で脈動する形状を開示しているが、例示であり、一定ピッチで周期的に変化する連続形状であることは必ずしも必要ではなく、断続的に変化する形状や、断続的なトポロジーと周期的なトポロジーの組み合わせ形状であっても構わない。
図1に示すような、維管束方向に直交する方向(以下において「維管束直交方向」という。)にピッチp1で周期的に脈動するトポロジーに限定して議論すれば、第1の実施形態に係る波形ボード3はピッチp1=2〜50mm程度の範囲で、製品として要求される仕様を考慮して、任意に設計可能である。なお、ピッチp1の最小値は、幾何学的な考察から定められることは勿論であり、ピッチp1の最小値は波形ボード3の最小膜厚tmin.に依存する。即ち、ピッチp1の最小値は、理論的には、空隙部の厚さを考慮すれば最小膜厚tmin.の4倍程度以上になるが、通常は、ピッチp1の最小値8倍程度以上は必要であり、ピッチp1は、好ましくは20倍以上となる。よって、第1の実施形態に係る波形ボード3の厚さtの下限を0.05mmとした場合、ピッチp1=2mmは、幾何学的に可能な限界にかなり近い値となるが、ピッチp1が2mm程度以下になると、製造歩留まりが低下する恐れもある。強度的な問題はあるが、第1の実施形態に係る波形ボード3のtmin.を0.05mm以下とすれば、ピッチp1=1mm程度以下とすることは、不可能ではない。
他方、本発明の第1の実施形態の変形例に係る波形ボード3bとして図15に示したとおり、ピッチp1よりも大きなピッチp2を有する波形ボード3bを採用することも可能である。例えば、ピッチp1=6mm、ピッチp2=12mmと、製品として要求される仕様に応じて任意のピッチが採用可能であり、ピッチが50mm程度以上のトポロジーも技術上可能ではある。しかしながら、意匠的な側面等、第1の実施形態に係る波形ボード3としてのトポロジー的な特徴が薄くなる。但し、波形ボード3,3bの厚さtが大きい場合等、製品として要求される仕様がピッチが50mm程度以上となるトポロジーを要求するのであれば、ピッチを50mm程度以上としても構わない。
図1に示す第1の実施形態に係る波形ボード3、図15に示す第1の実施形態の変形例に係る波形ボード3bは、いずれも、維管束直交方向に曲げ加工を繰り返しているので、木材の本来の性質と、波形ボード3、3bの幾何学的構造による蛇腹効果により、より維管束直交方向の柔軟性が良くなり、フレキシブルな板材となる。よって、第1の実施形態に係る波形ボード3及び第1の実施形態の変形例に係る波形ボード3bは、振動したり、伸び縮みをする板材とすることにより、その有利な効果を奏することが可能になる。
(波形ボードの製造方法)
図2〜図14を用いて、本発明の第1の実施の形態に係る波形ボードの製造方法を説明する。なお、以下に述べる波形ボードの製造方法は、一例であり、特許請求の範囲に記載した趣旨の範囲内であれば、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である。第1の実施の形態に係る波形ボードの製造方法の原材料としては、カバ,ブナ、ナラ、オーク等の広葉樹、或いは、ヒバ、杉等の針葉樹のいずれでも構わない。広葉樹、或いは針葉樹であっても、木材は、水分を含ませ高温にすると曲げやすくなる性質を有する。第1の実施の形態に係る波形ボードの製造方法は、薄板3pの水分吸収による伸びを利用した手法である。木材は、木材の成長方向である維管束方向は、水中においても殆ど伸びないが、維管束直交方向(幅方向)には、一割弱伸びる性質を有することを本発明者は確認した。
本発明者の実験によれば、表1に示すとおり、カバ、ブナ等の広葉樹材ではt=0.5mmの桂剥きの板目材の薄板3pでは、乾燥時300mmが30分以上水中で20mm伸びるという知見を得た。
又、本発明者の実験によれば、表2に示すとおり、広葉樹材を30秒〜5分の短時間、水分吸収させることによっても15mm伸び、その後乾燥させるとほぼ元の300mmに戻ることを確認した。
一方、ヒバ、杉等の針葉樹材のt=0.5mmの正目材の薄板3pは、表3に示すとおり、維管束方向は水中、温水中でもいずれも伸びないが、維管束直交方向(幅方向)では水中、温水中でヒバでは、120mmが125mmに5mm伸び、杉では、150mmが153mmに3mm伸びたという知見を得た。その後乾燥すると、ヒバ、杉材とも元の寸法に戻ったことを確認した。
上記のように、広葉樹、或いは針葉樹であっても、木材の薄板3pは、水分を含ませると、維管束方向に強度があり、維管束方向に伸びが少ないが,維管束直交方向(幅方向)は伸びて変形しやすくなるので、薄板3pを曲げやすくするため,薄板3pを高温(材料にもよるが80℃以上)の湯又はスチーム蒸気中に置く。薄板3pは、高温水中であれば30秒ほどでも曲げやすくなる。以下において、図2〜図14を参照しながら説明する第1の実施の形態に係る波形ボードの製造方法では、一般には、薄板3pを30分ほど温水に浸してから曲げ加工をする。
第1の実施の形態に係る波形ボードの製造方法においては、図3〜5に示すような、薄板3pの幅、長さに合わせた曲げ加工治具を、予め用意しておく。図3〜5に示すように、第1の実施の形態に係る波形ボードの製造方法に用いる曲げ加工治具は、下面側成形用台座部1と、上面側プレス部2とを備え、下面側成形用台座部1と、上面側プレス部2との間に、高温の湯又はスチーム蒸気中に置いて曲げやすくした薄板3pを挟む。下面側成形用台座部1は、複数のローラ状の下面側成形用凸部LD0,LD1,LD2,LD3,…,LDj-1,LDj,LDj+1,…,LDn,LDn+1を、製品の仕様に合わせたピッチp1で周期的に配列し固定する複数の台座梁11a,11b,11cと、台座梁11a,11b,11cを支持する複数の脚部12a,12b,12c,12dを備える。図5の鳥瞰図から分かるように、複数の台座梁11a,11b,11cは互いに平行に配列され、複数の脚部12a,12b,12c,12dと直交するように構成されている。なお、図3〜5は、図1に示すピッチp1で脈動する形状をなす波形ボード3の製造方法に用いる曲げ加工治具として便宜的に説明しているので、下面側成形用凸部LD0,LD1,LD2,LD3,…,LDj-1,LDj,LDj+1,…,LDn,LDn+1はピッチp1で周期的に配列した場合が例示されているが、より一般には、製品の仕様に合わせれば良く、下面側成形用凸部LD0,LD1,LD2,LD3,…,LDj-1,LDj,LDj+1,…,LDn,LDn+1は必ずしも周期的に配列されている必要はない。図3は、図5の鳥瞰図のCC面で切った断面図に相当し、台座梁11cのみが示されているが、図3の紙面の手前側には、他の台座梁11b,11cが、台座梁11cに平行に配列されている。同様に、図4は、図5の鳥瞰図のCC面で切った断面を含む鳥瞰図に相当し、台座梁11cのみが示されているが、図4の手前側には、他の台座梁11b,11cが、台座梁11cに平行に配列されている。図1に示すような円弧状(正弦波状)の脈動形状の製品を製造するのであれば、下面側成形用凸部LD0,LD1,LD2,LD3,…,LDj-1,LDj,LDj+1,…,LDn,LDn+1の少なくとも上面は、製品の下面の形状に合わせた円弧状の形状(ローラ形状)を有することは勿論である。図1は例示であり、脈動形状が円弧以外の台形波状,三角波状等であれば、下面側成形用凸部LD0,LD1,LD2,LD3,…,LDj-1,LDj,LDj+1,…,LDn,LDn+1の少なくとも上面が、製品の下面の形状に合わせた台形波状,三角波状等になることは勿論である。
図3〜5に示すように、上面側プレス部2も、複数のローラ状のプレス用凸部UD1,UD2,UD3,…,UDi-1,UDi,UDi+1,…,UDn-1,UDnを、製品の仕様に合わせたピッチp1で周期的に配列している。 更に、上面側プレス部2は、図3及び図4に示すように、複数のプレス用凸部UD1,UD2,UD3,…,UDi-1,UDi,UDi+1,…,UDn-1,UDnを、それぞれを下端部に固定する接続用可動子C1,C2,C3,…,Ci-1,Ci,Ci+1,…,Cn-1,Cnと、接続用可動子C1,C2,C3,…,Ci-1,Ci,Ci+1,…,Cn-1,Cnをそれぞれ、下面側成形用台座部1方向に向けて駆動する駆動ボルトB1b,B2b,B3b,…,B(i-1)b,Bib ,B(i+1)b,…,B(n-1)b,Bnbと、駆動ボルトB1b,B2b,B3b,…,B(i-1)b,Bib ,B(i+1)b,…,B(n-1)b,Bnbのそれぞれを可動可能に収納する雌ねじをそれぞれ備えたボルト固定梁22bと、ボルト固定梁22bを固定するベースプレート21bを備える。図3及び図4では図示を省略しているが、図5に示すように、駆動ボルトB1b,B2b,B3b,…,B(i-1)b,Bib ,B(i+1)b,…,B(n-1)b,Bnbに対向して、図3及び図4の紙面の手前側には駆動ボルトB1a,B2a,B3a,…,B(i-1)a,Bia ,B(i+1)a,…,B(n-1)a,Bnaが更に配置されている。そして、図5に示すように、第1の実施の形態に係る波形ボードの製造方法に用いる曲げ加工治具は、駆動ボルトB1a,B2a,B3a,…,B(i-1)a,Bia ,B(i+1)a,…,B(n-1)a,Bnaのそれぞれを可動可能に収納する雌ねじをそれぞれ備えたボルト固定梁22aと、ボルト固定梁22aを固定するベースプレート21aを更に備える。なお、図3〜5は、図1に示すピッチp1で脈動する形状をなす波形ボード3の製造方法に用いる曲げ加工治具として便宜的に説明しているので、下面側成形用凸部LD0,LD1,LD2,LD3,…,LDj-1,LDj,LDj+1,…,LDn,LDn+1に対して説明したのと同様に、プレス用凸部UD1,UD2,UD3,…,UDi-1,UDi,UDi+1,…,UDn-1,UDnは、ピッチp1で周期的に配列した場合が例示されているが、より一般には、プレス用凸部UD1,UD2,UD3,…,UDi-1,UDi,UDi+1,…,UDn-1,UDnの配列は、製品の仕様に合わせれば良く、プレス用凸部UD1,UD2,UD3,…,UDi-1,UDi,UDi+1,…,UDn-1,UDnが必ずしも周期的に配列されている必要はない。
下面側成形用凸部LD0,LD1,LD2,LD3,…,LDj-1,LDj,LDj+1,…,LDn,LDn+1と同様に、図1に示すような円弧状(正弦波状)の脈動形状の製品を製造するのであれば、ローラ状のプレス用凸部UD1,UD2,UD3,…,UDi-1,UDi,UDi+1,…,UDn-1,UDnの少なくとも下面は、製品の上面の形状に合わせた円弧状の形状を有することは勿論である。脈動形状が円弧以外の台形波状,三角波状等であれば、プレス用凸部UD1,UD2,UD3,…,UDi-1,UDi,UDi+1,…,UDn-1,UDnの少なくとも下面が、製品の上面の形状に合わせた台形波状,三角波状等になることも、下面側成形用凸部LD0,LD1,LD2,LD3,…,LDj-1,LDj,LDj+1,…,LDn,LDn+1と同様である。
(a)先ず、図2に示すように、所定の刃物51を用いて、木材31を正目又は板目(桂剥き、スライス材)にスライスし、厚さt=0.05〜5mm程度、好ましくは厚さt=0.05〜3mm程度、より好ましくは厚さt=0.05〜2mm程度、更に好ましくは厚さt=0.05〜1.5mm程度の薄板3pに加工する。
(b)そして、図6に示すように、曲げ加工治具の下面側成形用台座部1上に上面側プレス部2を下降させ、下面側成形用台座部1の下面側成形用凸部LD0,LD1,LD2,LD3,…,LDj-1,LDj,LDj+1,…,LDn,LDn+1と、上面側プレス部2のプレス用凸部UD1,UD2,UD3,…,UDi-1,UDi,UDi+1,…,UDn-1,UDnとの間に、高温の湯又はスチーム蒸気中に置いて曲げやすくした薄板3pを挟む。そして、薄板3pを挟んだ曲げ加工治具の全体を温水に浸す。
(c)薄板3pを挟んだ曲げ加工治具の全体を30分ほど温水に浸してから後、図7〜11に示すように、温水中で駆動ボルトB1b,B2b,B3b,…,B(i-1)b,Bib ,B(i+1)b,…,B(n-1)b,Bnbを順に降下させ、これにより、接続用可動子C1,C2,C3,…,Ci-1,Ci,Ci+1,…,Cn-1,Cnを順に降下させる。接続用可動子C1,C2,C3,…,Ci-1,Ci,Ci+1,…,Cn-1,Cnを順に降下させることにより、ローラ状のプレス用凸部UD1,UD2,UD3,…,UDi-1,UDi,UDi+1,…,UDn-1,UDnを順に降下させ、温水中で薄板3pを片側から曲げ加工を行う。
図7〜11は、図5の鳥瞰図のCC面で切った断面図に対応する工程図であり、図5に示すように、駆動ボルトB1b,B2b,B3b,…,B(i-1)b,Bib ,B(i+1)b,…,B(n-1)b,Bnbに対向して、駆動ボルトB1a,B2a,B3a,…,B(i-1)a,Bia ,B(i+1)a,…,B(n-1)a,Bnaが配置されているので、実際には、駆動ボルトB1b,B2b,B3b,…,B(i-1)b,Bib ,B(i+1)b,…,B(n-1)b,Bnbのそれぞれに対向する駆動ボルトB1a,B2a,B3a,…,B(i-1)a,Bia ,B(i+1)a,…,B(n-1)a,Bnaを、駆動ボルトB1b,B2b,B3b,…,B(i-1)b,Bib ,B(i+1)b,…,B(n-1)b,Bnbと同期して順に降下させることにより、接続用可動子C1,C2,C3,…,Ci-1,Ci,Ci+1,…,Cn-1,Cnを順に降下させる。そして、接続用可動子C1,C2,C3,…,Ci-1,Ci,Ci+1,…,Cn-1,Cnを順に降下させることにより、ローラ状のプレス用凸部UD1,UD2,UD3,…,UDi-1,UDi,UDi+1,…,UDn-1,UDnを順に降下させて、薄板3pを片側から曲げ加工を行う。以下の
図7〜14の説明では、駆動ボルトB1b,B2b,B3b,…,B(i-1)b,Bib ,B(i+1)b,…,B(n-1)b,Bnb側の動作に着目して説明するが、図7〜14の紙面の手前側にある駆動ボルトB1a,B2a,B3a,…,B(i-1)a,Bia ,B(i+1)a,…,B(n-1)a,Bnaが、駆動ボルトB1b,B2b,B3b,…,B(i-1)b,Bib ,B(i+1)b,…,B(n-1)b,Bnbと同期して動作していることに留意されたい。
即ち、図7に示すように温水中で、左端の駆動ボルトB1bを先ず降下させ、これにより、接続用可動子C1を降下させる。接続用可動子C1を降下させることにより、ローラ状のプレス用凸部UD1を降下させ、薄板3pの左端に対し、温水中で曲げ加工を行う。
次に、図8に示すように温水中で、左から2番目の駆動ボルトB2bを、駆動ボルトB1bに引き続き降下させ、これにより、接続用可動子C2を、接続用可動子C1に引き続き降下させる。接続用可動子C2を降下させることにより、ローラ状のプレス用凸部UD2が、プレス用凸部UD1に引き続き降下し、薄板3pの左から2番目の周期の位置に対し、温水中で曲げ加工を行う。
次に、図9に示すように、左から3番目の駆動ボルトB3bの降下を経て、温水中で、左から4番目の駆動ボルトB4bを順に降下させ、これにより、接続用可動子C4を接続用可動子C3の降下に続いて降下させる。接続用可動子C4を接続用可動子C3の降下に引き続き降下させることにより、ローラ状のプレス用凸部UD4をプレス用凸部UD3に引き続き降下させ、薄板3pの左から4番目の周期の位置に対し、温水中で曲げ加工を行う。
次に、図10に示すように、左から(i−1)番目の駆動ボルトB(i-1)bの降下を経て、左からi番目の駆動ボルトBib を順に降下させ、これにより、左から(i−1)番目の接続用可動子Ci-1の降下に引き続き、接続用可動子Ciを順に降下させる。接続用可動子Ciをその左側の接続用可動子Ci-1降下に引き続き降下させることにより、温水中でローラ状のプレス用凸部UDiをその左側のプレス用凸部UDi-1の降下に引き続き降下させ、薄板3pの左からi番目の周期の位置に対し、温水中で曲げ加工を行う。
次に、図11に示すように、左から(n−1)番目の駆動ボルトB(n-1)bの降下を経て、左からn番目の駆動ボルトBnbをその左側の駆動ボルトB(n-1)bの降下に引き続き降下させ、これにより、接続用可動子Cnをその左側の接続用可動子Cn-1の降下に引き続き降下させる。接続用可動子Cnをその左側の接続用可動子Cn-1の降下に引き続き降下させることにより、ローラ状のプレス用凸部UDnをその左側のプレス用凸部UDn-1の降下に引き続き降下させ、温水中で、薄板3pの左からn番目の周期の位置、即ち一番右端の位置に対し、曲げ加工を行う。薄板3pの全体を同時に曲げると引っ張り力が働くので,図7〜11に示すように、左から順に曲げ加工することにより、薄板3pの材料に曲げの力のみで、大きな引っ張り力を発生させないようにできる。なお、図7〜11では、左から順に曲げ加工する場合を説明したが、例示であり、逆に、右から順に曲げ加工しても良く、中央から順に曲げ加工しても良い。第1の実施の形態に係る波形ボードの製造方法においては、片側又は中央から順に曲げ加工することにより、材料に曲げの力のみで、大きな引っ張り力を発生させないようにする
(d)その後、図12〜13に示すように、温水中で、駆動ボルトB1b,B2b,B3b,…,B(i-1)b,Bib ,B(i+1)b,…,B(n-1)b,Bnbを順に上昇させ、これにより、接続用可動子C1,C2,C3,…,Ci-1,Ci,Ci+1,…,Cn-1,Cnを順に上昇させる。接続用可動子C1,C2,C3,…,Ci-1,Ci,Ci+1,…,Cn-1,Cnを順に上昇させることにより、ローラ状のプレス用凸部UD1,UD2,UD3,…,UDi-1,UDi,UDi+1,…,UDn-1,UDnを、プレス後、必要量だけストロークの除去して、下面側成形用台座部1の下面側成形用凸部LD0,LD1,LD2,LD3,…,LDj-1,LDj,LDj+1,…,LDn,LDn+1と、上面側プレス部2のプレス用凸部UD1,UD2,UD3,…,UDi-1,UDi,UDi+1,…,UDn-1,UDnとの間に、薄板3pを挟んだ状態で、薄板3pを乾燥させる。即ち、図12に示すように、左から3番目の駆動ボルトB3bの上昇を経て、左から4番目の駆動ボルトB4bを順に上昇させ、これにより、接続用可動子C4を接続用可動子C3の上昇に続いて上昇させる。接続用可動子C4を接続用可動子C3の上昇に引き続き上昇させることにより、ローラ状のプレス用凸部UD4をプレス用凸部UD3に引き続き上昇させ、薄板3pに対し、プレス後、必要量だけストロークの除去する。
更に、図13に示すように、左から(n−1)番目の駆動ボルトB(n-1)bの上昇を経て、温水中で、左からn番目の駆動ボルトBnbをその左側の駆動ボルトB(n-1)bの上昇に引き続き上昇させ、これにより、接続用可動子Cnをその左側の接続用可動子Cn-1の上昇に引き続き上昇させる。接続用可動子Cnをその左側の接続用可動子Cn-1の上昇に引き続き上昇させることにより、ローラ状のプレス用凸部UDnをその左側のプレス用凸部UDn-1の上昇に引き続き上昇させ、薄板3pに対し、プレス後、温水中で、必要量だけストロークを除去し、下面側成形用凸部LD0,LD1,LD2,LD3,…,LDj-1,LDj,LDj+1,…,LDn,LDn+1と、プレス用凸部UD1,UD2,UD3,…,UDi-1,UDi,UDi+1,…,UDn-1,UDnとの間に薄板3pを挟んだ状態で、薄板3pを乾燥させる。このように、図11に示したような、すべての周期の位置における温水中での曲げ加工の完了後に、プレス用凸部UD1,UD2,UD3,…,UDi-1,UDi,UDi+1,…,UDn-1,UDnのストローク(押し込み)を温水中で少し戻すことにより、薄板3pの材料が乾燥により収縮する自由度を与える。図12〜13に示すように、プレス後、必要量だけストロークの除去することにより、薄板3pの材料が乾燥により収縮する自由度を与えられるので、薄板3pの乾燥時に薄板3pの収縮による割れや薄板3pの表面の荒れを防ぐことができる。但し、図12〜13に示す工程で、あまり大きく負荷を解除しすぎると、薄板3pの乾燥時に材料が暴れ、加工後の歪みが大きくなる。
(e)そして、薄板3pを挟んだ曲げ加工治具の全体を温水から引出、乾燥工程に入る。乾燥工程は、自然乾燥でも強制乾燥でも構わないが、乾燥工程に合わせて、ストロークの最適な解除を選択する必要がある。薄板3pの乾燥後、下面側成形用台座部1の上面側から、上面側プレス部2を上昇させ、図14に示すように、下面側成形用台座部1と上面側プレス部2とを分離させる。図14に示すように、下面側成形用台座部1から上面側プレス部2が分離すると、下面側成形用台座部1の下面側成形用凸部LD0,LD1,LD2,LD3,…,LDj-1,LDj,LDj+1,…,LDn,LDn+1のそれぞれの間に波形形状を挟まれた第1の実施形態に係る波形ボード3が完成する。
曲げ加工時に薄板3pの表面に強制的に引っ張り力が働いてしまうが、図12〜13に示したストロークの除去工程により、引っ張り力を解除でき、表4に示すとおり、完成品としての第1の実施形態に係る波形ボード3の表面の荒れ(微小な表面の割れ)がなくすことができる。
表4は、下面側成形用凸部LD0,LD1,LD2,LD3,…,LDj-1,LDj,LDj+1,…,LDn,LDn+1及び、プレス用凸部UD1,UD2,UD3,…,UDi-1,UDi,UDi+1,…,UDn-1,UDnのそれぞれを6mm径とし、1mmギャップで水中連続曲げした場合の、ストローク戻しの大きさの効果を示したものであるが、曲げ加工後、水中でストロークを2mm戻した場合では、維管束方向の部分的な小さな割れが認められるものの、曲げ加工後、水中でストロークを3mm戻した場合は、割れは認められないものの、乾燥後の変形が大きいことが分かる。これに対し、曲げ加工後に、水中でストロークを2mm戻した後、空気中に出し、その10分後、更にストロークを1mm戻した場合は、割れも変形も発生しないことが確認できた。
一方、下面側成形用凸部LD0,LD1,LD2,LD3,…,LDj-1,LDj,LDj+1,…,LDn,LDn+1及びプレス用凸部UD1,UD2,UD3,…,UDi-1,UDi,UDi+1,…,UDn-1,UDnのそれぞれを12mm径とし、薄板3pを90℃で30分以上水中に浸漬し、1mmギャップでの高温水中での連続曲げをし、その後室温・空気中で自然乾燥した場合は、曲げ加工後、ストローク戻しがない場合は、維管束方向の大きな割れが多数認められた。しかし、曲げ加工後、ストロークを大きく戻し、且つ、曲げ加工に用いた部材(鉄の円柱)の自重がかかった状態で保持した場合は、割れも変形もないという結果が得られた。
図12〜13に示したストロークの除去工程には、波形ボード3の表面の荒れ(微小な表面の割れ)がなくすことができる効果に加え、曲げ加工時には、薄板3pは水分を吸収することにより1割弱の維管束直交方向(幅方向)の伸びが生じているが、これを加工ストロークの解除により薄板3pが元に戻る自由度を与えることができる効果もある。維管束直交方向(幅方向)の伸びが元に戻る自由度を与えることによって、薄板3pの割れの発生を抑えることができる。即ち、薄板3pは、図1で説明したような、維管束直交方向に沿って連続的に曲げる時は、温水中で維管束直交方向(幅方向)に伸びているので、ストロークを戻すことで、薄板3pが元の長さに戻る自由度を与えることができるので、大きな変形が連続して加工できる。
図12〜13に示したストロークの除去工程で、大きくストロークを戻しすぎると曲げた薄板3p(完成品としての第1の実施形態に係る波形ボード3)に全体の歪が起きるので、この薄板3pの曲げ加工ストロークの解除の方法は、表4に示したとおり、ストロークを加工後の変形が最小になるように最小限のストロークを戻すようにするのが好ましい。一度の戻し、又は時間的に戻す量を制御しても良いし、薄板3pの曲げ加工後に一定の加重(加工部品の自重又はばね等)による一定のテンションをかける、など方法を用いることも可能である。
なお、図6〜14を用いて説明したプレスからストロークの除去、乾燥まで一連の工程は、種々の変更が可能であり、プレスから除去、乾燥まで一連の工程をコンピュータ制御して、自動で行うシステムを構成しても良い。又、特殊形状であれば、プレスから除去、乾燥まで一連の工程の一部を手動で行うようにしても良い。又、図4及び図5に示した曲げ加工治具は例示であり、種々の構造や大きさの曲げ加工治具が採用可能である。
又、上記の説明において、図6〜14のプレスからストロークの除去に至る一連の工程の殆どを、図4及び図5に例示した曲げ加工治具の全体を温水に浸した状態で実施する場合について、例示的に説明したが、第1の実施の形態に係る波形ボードの製造方法は、上記のような曲げ加工治具の全体を温水中に浸した状態で実施する場合に限定されるように解釈されるべきものではない。即ち、第1の実施の形態に係る波形ボードの製造方法は、例えば、図6〜14を用いて説明したような、プレス及びその後のストロークの除去に至る一連の工程の一部又は全部を、曲げ加工治具の全体をスチーム中、若しくは飽和蒸気圧に近い高湿度の大気中等に配置して実施するような変形例を含むものである。
或いは、曲げ加工治具の全体を空気中に配置し、曲げ加工治具の下方向若しくは上方向からスチームを吹き付け、水蒸気により薄板3pを蒸らしながら、図6〜14を用いて説明したような、プレス及びその後のストロークの除去に至る一連の工程の一部又は全部を、薄板3pに対し実施しても良い。この場合、曲げ加工治具の全体をスチームとほぼ同一温度になるように加熱制御して、アイロンプレスによるプレス及びその後のストロークの除去をしてもよい。又、少なくとも、曲げ加工治具の下面側成形用凸部LD0,LD1,LD2,LD3,…,LDj-1,LDj,LDj+1,…,LDn,LDn+1及びプレス用凸部UD1,UD2,UD3,…,UDi-1,UDi,UDi+1,…,UDn-1,UDnを、それぞれ、スチームとほぼ同一温度に近い、所定の温度に加熱制御した状態で、アイロンプレスによるプレス及びその後のストロークの除去の工程の一部又は全部を実施してもよい。よって、ストロークの除去の工程が、薄板3pの下方向若しくは上方向からスチームを吹き付け、水蒸気により薄板3pを蒸らしながら行う段階を少なくとも一部に含むようにしても良い。
《第2の実施形態》
図1に示した第1の実施形態に係る波形ボード3及び図15に示した第1の実施形態の変形例に係る波形ボード3bは、木材の本来の性質と波形ボード3,3bの幾何学的構造による蛇腹効果により、より維管束直交方向の柔軟性が良くなり、フレキシブルな板材となる特徴を有していたが、
図1や図15で説明した維管束直交方向に沿って連続的に曲げるトポロジーは例示であり、維管束方向に沿って連続的に曲げるトポロジーも可能である。即ち、本発明の波形ボードは、木材からなり、この木材の維管束が伸延する方向である維管束方向と、この維管束方向に直交する方向である維管束直交方向により定義される基準面上に選ばれた任意の一方向に脈動するトポロジーを有すれば良いので、選ばれた任意の一方向が、第1の実施形態に係る波形ボード3及び第1の実施形態の変形例に係る波形ボード3bのように、維管束直交方向であっても、第2の実施形態に係る波形ボードのように、維管束方向であっても構わない。
木材は、繊維が維管束方向に成長しているため、維管束方向の曲げには強く、維管束直交方向の曲げに弱い性質がある。本発明の第2の実施形態に係る波形ボードは、維管束方向に沿って連続的に曲げるトポロジーの採用により、維管束直交方向に強度を増すことができる。したがって、第2の実施形態に係る波形ボードによれば、より薄くて軽量な部材とすることができるという有利な効果を奏することができる。
例えば、カバ材を用いて、維管束方向に沿って連続的に曲げた後、ストロークを2mm戻し、その後10分経過後、更にストロークを1mm戻すことにより、薄くて軽量な波形ボードが実現できることが確認されている。維管束方向に沿って連続的に曲げた場合は、加工後は繊維の関係で変形しやすいという結果が得られている。
第2の実施形態に係る波形ボードの維管束方向に沿って連続的に曲げるトポロジーを採用する場合は、薄板3pの維管束直交方向に温水中で伸びているため、乾燥工程で、引っ張り力が加わってくるので、維管束直交方向に連続して曲げる場合よりも、材料の乾燥による収縮分大きくストロークを解除するのが好ましい。
《第3の実施形態》
図1に示した本発明の第1の実施形態に係る波形ボード3や図15に示した第1の実施形態の変形例に係る波形ボード3bでは、円弧状(正弦波状)の脈動形状を例示したが、既に述べたとおり、脈動形状は、円弧状の他,台形波状,三角波状等であっても良く、円弧,台形,三角の組み合わせ形状でも構わない。図16に示す本発明の第3の実施形態に係る波形ボード3cは、維管束方向の垂直方向に、ピッチp3で矩形波状に脈動する形状を、他の例として示す。
図16に示すような、維管束方向の垂直方向にピッチp3で周期的に脈動する矩形波状のトポロジーの場合も、第1の実施形態に係る波形ボード3と同様に、ピッチp3=2〜50mm程度の範囲で、製品として要求される仕様を考慮して、任意に設計可能である。但し、木材の薄板を加工する都合上、矩形波の折り曲がり部にはR=1〜2mm程度のコーナ部が存在する。矩形波の折り曲がり部のR値は、波形ボード3cの最小膜厚tmin.に依存する。即ち、ピッチp3の最小値は、最小膜厚tmin.の2〜3倍程度以上である。通常は、矩形波の折り曲がり部のR値はとして、ピッチp3の最小値5倍程度以上は必要である。
第3の実施形態に係る波形ボード3cは、第1の実施の形態に係る波形ボードの製造方法に用いたのと同様な、図17に示すような曲げ加工治具を用いて製造することができる。即ち、第3の実施の形態に係る波形ボードの製造方法に用いる曲げ加工治具は、下面側成形用台座部1と、上面側プレス部2とを備え、下面側成形用台座部1bと、上面側プレス部2bとの間に、高温の湯又はスチーム蒸気中に置いて曲げやすくした薄板3cpを挟む。下面側成形用台座部1bは、複数のローラ状の下面側成形用凸部LD1b,LD2b,LD3b,LD4b,LD5b,LD6b,LD7b,…を、製品の仕様に合わせたピッチp3で周期的に配列し固定する複数の台座梁11cb,…と、台座梁11cb,…を支持する複数の脚部12ab,12bb,…を備える。図5の鳥瞰図から推定されるように、複数の台座梁11cb,…は互いに平行に配列され、複数の脚部12ab,12bb,…と直交するように構成されている。図17の紙面の手前側には、他の台座梁11bb,11cbが、台座梁11cbに平行に配列されている。第3の実施形態では、図16に示すような矩形形状の脈動形状の製品を製造するので、下面側成形用凸部LD1b,LD2b,LD3b,LD4b,LD5b,LD6b,LD7b,…の少なくとも上面は、製品の下面の形状に合わせた矩形の形状(ローラ形状)を有することは勿論である。なお、図17は、図16に示すピッチp3で脈動する形状をなす波形ボード3cの製造方法に用いる曲げ加工治具として便宜的に説明しているので、下面側成形用凸部LD1b,LD2b,LD3b,LD4b,LD5b,LD6b,LD7b,…がピッチp3で周期的に配列した場合が例示されているが、より一般には、製品の仕様に合わせれば良く、下面側成形用凸部LD1b,LD2b,LD3b,LD4b,LD5b,LD6b,LD7b,…は必ずしも周期的に配列されている必要はない。
図17に示すように、上面側プレス部2bも、複数のローラ状のプレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,UD4b,UD5b,UD6b,UD7b,…を、製品の仕様に合わせたピッチp3で周期的に配列している。 更に、上面側プレス部2bは、図17に示すように、複数のプレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,UD4b,UD5b,UD6b,UD7b,…を、それぞれを下端部に固定する接続用可動子C1b,C2b,C3b,C4b,C5b,C6b,C7b,…と、接続用可動子C1b,C2b,C3b,C4b,C5b,C6b,C7b,…をそれぞれ、下面側成形用台座部1b方向に向けて駆動する駆動ボルトB1bb,B2bb,B3bb,B4bb,B5bb ,B6bb,B7bb,…と、駆動ボルトB1bb,B2bb,B3bb,B4bb,B5bb ,B6bb,B7bb,…のそれぞれを可動可能に収納する雌ねじをそれぞれ備えたボルト固定梁22bbと、ボルト固定梁22bbを固定するベースプレート21bbを備える。図17では図示を省略しているが、図5に示すように、駆動ボルトB1bb,B2bb,B3bb,B4bb,B5bb ,B6bb,B7bb,…に対向して、図17の紙面の手前側には駆動ボルトB1ba,B2ba,B3ba,B4ba,B5ba ,B6ba,B7ba,…が更に配置されていることは勿論である。下面側成形用凸部LD1b,LD2b,LD3b,LD4b,LD5b,LD6b,LD7b,…と同様に、図16に示すような矩形形状の脈動形状の製品を製造するために、プレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,UD4b,UD5b,UD6b,UD7b,…の少なくとも下面は、製品の上面の形状に合わせた矩形の形状を有する。なお、図17は、図16に示すピッチp3で脈動する形状をなす波形ボード3cの製造方法に用いる曲げ加工治具として便宜的に説明しているので、プレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,UD4b,UD5b,UD6b,UD7b,…がピッチp3で周期的に配列した場合が例示されているが、より一般には、製品の仕様に合わせれば良いので、プレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,UD4b,UD5b,UD6b,UD7b,…は必ずしも周期的に配列されている必要はないことは、下面側成形用凸部LD1b,LD2b,LD3b,LD4b,LD5b,LD6b,LD7b,…と同様である。又、図17では、下面側成形用凸部LD1b,LD2b,LD3b,LD4b,LD5b,LD6b,LD7b,…及びプレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,UD4b,UD5b,UD6b,UD7b,…のそれぞれの角部が、あたかも直角であるかのように示されているが、便宜上の模式的表示であり、実際には製品の仕様に合わせて、それぞれの角部が必要なR部を備えることは勿論である。
本発明の第3の実施の形態に係る波形ボードの製造方法は、既に図2〜図14を用いて説明した第1の実施の形態に係る波形ボードの製造方法と同様に木材は、水分を含ませ高温にすると曲げやすくなる性質を有し、薄板3cpの水分吸収による伸びを利用した手法である。即ち、先ず、図17に示すように、下面側成形用台座部1b上に上面側プレス部2bを下降させ、下面側成形用台座部1bの下面側成形用凸部LD1b,LD2b,LD3b,LD4b,LD5b,LD6b,LD7b,…と、上面側プレス部2bのプレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,UD4b,UD5b,UD6b,UD7b,…との間に、高温の湯又はスチーム蒸気中に置いて曲げやすくした薄板3cpを挟む。その後、第1の実施の形態で図7〜11に示したのと同様に、駆動ボルトB1bb,B2bb,B3bb,B4bb,B5bb ,B6bb,B7bb,…を順に降下させ、これにより、接続用可動子C1b,C2b,C3b,C4b,C5b,C6b,C7b,…を順に降下させる。接続用可動子C1b,C2b,C3b,C4b,C5b,C6b,C7b,…を順に降下させることにより、下面が矩形形状のプレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,UD4b,UD5b,UD6b,UD7bを順に降下させ、薄板3cpを片側から曲げ加工を行う。 そして、接続用可動子C1b,C2b,C3b,C4b,C5b,C6b,C7b,…を順に降下させることにより、下面が矩形形状のプレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,UD4b,UD5b,UD6b,UD7bを順に降下させて、薄板3cpを片側から曲げ加工を行う。
即ち、図示を省略しているが、図7に示したのと同様に、先ず左端の駆動ボルトB1bbを先ず降下させ、これにより、接続用可動子C1bを降下させる。接続用可動子C1bを降下させることにより、下面が矩形形状のプレス用凸部UD1bを降下させ、薄板3cpの左端に対し、曲げ加工を行う。更に、順に左から降下させる処理を進行して、図17に示すように、左から3番目の駆動ボルトB3bbの降下を経て、左から4番目の駆動ボルトB4bbを順に降下させ、これにより、接続用可動子C4bを接続用可動子C3bの降下に続いて降下させる。接続用可動子C4bを接続用可動子C3bの降下に引き続き降下させることにより、下面が矩形形状のプレス用凸部UD4bをプレス用凸部UD3bに引き続き降下させ、薄板3cpの左から4番目の周期の位置に対し、曲げ加工を行う。
図示を省略しているが、更に、順に左から降下させる処理を進行し、図11に示したのと同様に、左から(n−1)番目の駆動ボルトB(n-1)bbの降下を経て、左からn番目の駆動ボルトBnbbをその左側の駆動ボルトB(n-1)bbの降下に引き続き降下させ、これにより、接続用可動子Cnbをその左側の接続用可動子C(n-1)bの降下に引き続き降下させる。接続用可動子Cnbをその左側の接続用可動子C(n-1)bの降下に引き続き降下させることにより、ローラ状のプレス用凸部UDnbをその左側のプレス用凸部UD(n-1)bの降下に引き続き降下させ、薄板3pの左からn番目の周期の位置、即ち一番右端の位置に対し、曲げ加工を行う。このように、左から順に曲げ加工することにより、薄板3cpの材料に曲げの力のみで、大きな引っ張り力を発生させないようにできる。
その後、図示を省略しているが、図12〜13に示したのと同様に、駆動ボルトB1bb,B2bb,B3bb,…,B(i-1)bb,Bibb ,B(i+1)bb,…,B(n-1)bb,Bnbbを順に上昇させ、これにより、接続用可動子C1b,C2b,C3b,…,C(i-1b)b,Cib,C(i+1b)b,…,C(n-1b)b,Cnbを順に上昇させる。接続用可動子C1b,C2b,C3b,…,C(i-1b)b,Cib,C(i+1b)b,…,C(n-1b)b,Cnbを順に上昇させることにより、下面が矩形形状のプレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,…,UD(i-1b)b,UDi,UD(i+1b)b,…,UD(n-1b)b,UDnbを、プレス後、必要量だけストロークの除去して、下面側成形用台座部1の下面側成形用凸部LD0,LD1b,LD2b,LD3b,…,LDj-1b,LDj,LDj+1b,…,LDnb,LDnb+1bと、上面側プレス部2のプレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,…,UD(i-1b)b,UDi,UD(i+1b)b,…,UD(n-1b)b,UDnbとの間に、薄板3cpを挟んだ状態で、薄板3cpを乾燥させる。このように、すべての周期の位置における曲げ加工の完了後に、プレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,…,UD(i-1b)b,UDi,UD(i+1b)b,…,UD(n-1b)b,UDnbのストローク(押し込み)を少し戻すことにより、薄板3cpの材料が乾燥により収縮する自由度を与え、薄板3cpの乾燥時に薄板3cpの収縮による割れや薄板3cpの表面の荒れを防ぐことにより、第3の実施形態に係る波形ボード3cが完成する。
図1では、円弧状(正弦波状)の脈動形状を開示し、図16では、矩形波状の脈動形状を開示したが、これらはいずれも、例示であり、脈動形状は、図18に示すような台形波状,図19に示すような三角波状等であっても良い。図18では、維管束直交方向にピッチp4で周期的に脈動する台形波のトポロジーの波形ボード3dを例示し、図19では、維管束直交方向にピッチp5で周期的に脈動する三角波のトポロジーの波形ボード3eを例示しているが、ピッチp3,p4,p5は、製品として要求される仕様を考慮して任意に設計可能であり、且つ、一定ピッチで周期的に変化する連続形状であることは必ずしも必要ではなく、断続的に変化する形状や、断続的なトポロジーと周期的なトポロジーの組み合わせ形状であっても構わない。
又、第2の実施形態に係る波形ボードと同様に、第3の実施の形態に係る波形ボードにおいて、
図16の矩形波状、図18の台形波状,図19の三角波状等の場合であっても、維管束方向に沿って連続的に曲げるトポロジーの採用により、維管束直交方向に強度を増すことができ、より薄くて軽量な部材とすることができるという有利な効果を奏することができる。
又、図18に示したような維管束直交方向にピッチp4で周期的に脈動する台形波のトポロジーの波形ボード3dの場合であれば、下面側成形用凸部LD1b,LD2b,LD3b,LD4b,LD5b,LD6b,LD7b,…の少なくとも上面は、製品の下面の形状に合わせた台形の形状とし、プレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,UD4b,UD5b,UD6b,UD7b,…の少なくとも下面は、製品の上面の形状に合わせた台形の形状を有するようにすれば良い。同様に、図19に示したような維管束直交方向にピッチp5で周期的に脈動する三角波のトポロジーの波形ボード3eの場合は、下面側成形用凸部LD1b,LD2b,LD3b,LD4b,LD5b,LD6b,LD7b,…の少なくとも上面は、製品の下面の形状に合わせた三角形の形状とし、プレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,UD4b,UD5b,UD6b,UD7b,…の少なくとも下面は、製品の上面の形状に合わせた三角形の形状を有するようにすれば良い。又、より一般には、下面側成形用凸部LD1b,LD2b,LD3b,LD4b,LD5b,LD6b,LD7b,…の配列、及びプレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,UD4b,UD5b,UD6b,UD7b,…の配列は、製品の仕様に合わせれば良いので、下面側成形用凸部LD1b,LD2b,LD3b,LD4b,LD5b,LD6b,LD7b,…の配列、及びプレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,UD4b,UD5b,UD6b,UD7b,…の配列が一定ピッチで、周期的に配列されることは、必ずしも必要ではない。更に、下面側成形用凸部LD1b,LD2b,LD3b,LD4b,LD5b,LD6b,LD7b,…の上面の形状、及びプレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,UD4b,UD5b,UD6b,UD7b,…の下面の形状は、製品の仕様に合わせれば良いので、下面側成形用凸部LD1b,LD2b,LD3b,LD4b,LD5b,LD6b,LD7b,…の上面の形状が同一形状であることは必ずしも必要ではなく、同様に、プレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,UD4b,UD5b,UD6b,UD7b,…の下面の形状が同一形状であることは必ずしも必要ではない。例えば、製品の仕様に合わせて、下面側成形用凸部LD1b,LD2b,LD3b,LD4b,LD5b,LD6b,LD7b,…の上面の形状が、台形と三角形の形状とを繰り返し、プレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,UD4b,UD5b,UD6b,UD7b,…の下面の形状も、台形と三角形の形状とを繰り返すような配列もあり得るし、製品の仕様によっては、下面側成形用凸部LD1b,LD2b,LD3b,LD4b,LD5b,LD6b,LD7b,…の上面の形状が円弧状と矩形の形状とを繰り返し、プレス用凸部UD1b,UD2b,UD3b,UD4b,UD5b,UD6b,UD7b,…の下面の形状も円弧状と矩形の形状とを繰り返すような配列もあり得る。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1〜第3の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、本発明における「上」と「下」の定義は単なる方位の選択に過ぎないので、「上」を「下」と置き換え、「下」を「上」としてもよいことは既に述べたとおりであるが、更に、図3〜5及び図17に示した曲げ加工治具の構成において、「下面側成形用台座部1」と、「上面側プレス部2」との機能を入れ替え、厚さt=0.05〜5mm程度の薄板をその下面側からプレスするような構成にしても良い。この場合は、薄板を下方からプレスするために、複数のプレス用凸部を製品の仕様に合わせて下面側に配置し、この複数のプレス用凸部を、それぞれを上端部に固定する接続用可動子、この接続用可動子をそれぞれ、上方向に向けて駆動する駆動ボルト等をも、下面側に可動可能に設けるように構成し、上面側には、複数のローラ状の上側成形用凸部を、製品の仕様に合わせたて配列して固定するようにすれば良いことは勿論である。
更に、図3〜5及び図17に示した曲げ加工治具の構成において、厚さt=0.05〜5mm程度の薄板を、薄板の上面側と、薄板の下面側の両方からプレスするような構成にしても良い。
更に、既に述べた第1〜第3の実施形態の説明において、図1では、維管束直交方向にピッチp1で周期的に脈動する円弧状(正弦波状)の波形ボード3を、図15では、維管束直交方向にピッチ2(p1<p2)で周期的に脈動する円弧状(正弦波状)の波形ボード3bを、図16では、維管束直交方向にピッチp3で周期的に脈動する矩形波状の波形ボード3cを、図18では、維管束直交方向にピッチp4で周期的に脈動する台形波状の波形ボード3dを、図19では、維管束直交方向にピッチp5で周期的に脈動する三角波状の波形ボード3eを、それぞれ例示したが、これらの例では、波形の形状を特徴づける谷線、尾根線を示す曲率構造線や折れ曲がり線の方向が、維管束方向となる場合を例示した。しかし、第2の実施形態の説明でも明らかなように、谷線、尾根線、折れ曲がり線等の方向は、維管束方向に平行方向に限定される必要はなく、維管束直交方向に対し、90°以外の角度の、斜め方向の傾斜角を有して、維管束直交方向に進行する脈動形状であっても良い。即ち、本発明の波形ボードは、木材からなり、この木材の維管束が伸延する方向である維管束方向と、この維管束方向に直交する方向である維管束直交方向により定義される基準面上に選ばれた任意の一方向に脈動するトポロジーを有すれば良く、脈動方向として選ばれた任意の一方向が、維管束直交方向であっても、維管束方向であっても、或いは、維管束方向及び維管束直交方向のいずれとも異なる斜め方向であっても構わない。更に、脈動方向として基準面上に選ばれる任意の一方向が、途中で変更されるようなトポロジーでも良い。よって、例えば、谷線、尾根線、折れ曲がり線等の方向に着目した場合、谷線、尾根線、折れ曲がり線等の維管束直交方向に対する傾斜角が、維管束直交方向に進行するに従い、途中で変更するようなトポロジーでも構わない。
又、波形ボード3,3b,3c,3d,3eの脈動の振幅を定義する上面と下面は、水平面である必要はなく、振幅を定義する上面と下面とが平行に大きくうねるようなトポロジーでも構わないし、振幅を定義する上面と下面とが平行に大きく曲がり、全体として、リングや四角い曲率又はループ状になるトポロジーでも構わない。又、脈動形状の波の振幅を定義する上面と下面の間隔が一定ではなく、脈動の振幅が変化するようなトポロジーでも良い。
更に、図20に示すように、第1の実施形態で説明した波形ボード3の脈動の振幅を定義する上面の位置に平板形状の上面薄板33aを設け、下面の位置に平板形状の下面薄板33bを設け、平板形状の上面薄板33aと平板形状の下面薄板33bとで、中間ウェブとしての波形ボード3を挟み込み、波形ボード3と上面薄板33aとを接着剤で接着し、波形ボード3と下面薄板33bとを接着剤で接着した組立体を構成すれば、軽量で強度の強い、建築用部材や包装用部材を構成することが可能である。図示を省略しているが、同様に、第1の実施形態の変形例で説明した波形ボード3b、第3の実施形態で説明した波形ボード3c,3d,3eについても、波形ボード3b,3c,3d,3eの脈動の振幅を定義する上面の位置に平板形状の上面薄板33aを設け、下面の位置に平板形状の下面薄板33bを設け、平板形状の上面薄板33aと平板形状の下面薄板33bとで、波形ボード3b,3c,3d,3eを挟み込み、波形ボード3b,3c,3d,3eと上面薄板33aとを接着剤で接着し、波形ボード3b,3c,3d,3eと下面薄板33bとを接着剤で接着した組立体を構成すれば、軽量で強度の強い、建築用部材や包装用部材を構成することが可能である。同様に、第2の実施形態の波形ボードの脈動の振幅を定義する上面の位置に平板形状の上面薄板33aを設け、下面の位置に平板形状の下面薄板33bを設け、平板形状の上面薄板33aと平板形状の下面薄板33bとで、第2の実施形態の波形ボードを挟み込み、第2の実施形態の波形ボードと上面薄板33aとを接着剤で接着し、第2の実施形態の波形ボードと下面薄板33bとを接着剤で接着した組立体を構成すれば、軽量で強度の強い、建築用部材や包装用部材を構成することが可能である。更に、これら組立体を積層して、更に大型の組立体を構成しても良い。
更に、図21に示すように、第1の実施形態で説明した厚さt2の波形ボード3の上面に厚さt1の樹脂等の高分子薄膜35aを接着剤等を用いて貼り合わせることにより、強度を持たせることができる。又、図21に示した波形ボード3の上面に厚さt1の高分子薄膜35aを貼り合わせた構造で、更に、波形ボード3の下面に厚さt3の高分子薄膜35bを接着剤等を用いて貼り合わせることにより、3層構造として、更に、強度を持たせることができる。図示を省略しているが、同様に、第1の実施形態の変形例で説明した波形ボード3b、第3の実施形態で説明した波形ボード3c,3d,3eについても、波形ボード3c,3d,3eのそれぞれの上面に厚さt1の高分子薄膜35aを貼り合わせることにより、それぞれ、強度を持たせることができる。又、波形ボード3c,3d,3eの下面に厚さt3の樹脂等の高分子薄膜35bを貼り合わせることにより、3層構造として、更に、強度を持たせることもできる。同様に、第2の実施形態の波形ボードについても、第2の実施形態の波形ボードの上面に厚さt1の高分子薄膜35aを貼り合わせることや、第2の実施形態の波形ボードの下面に厚さt3の高分子薄膜35bを貼り合わせて3層構造とすることにより、強度を持たせることもできる。
更に、図示を省略しているが、図21に示した構造において、高分子薄膜35aの代わりに、同一形状、同一ピッチの第1の実施形態の波形ボード3を用いて接着剤で貼り合わせる構造でも良い。即ち、第1の実施形態の波形ボード3の上面に同一形状、同一ピッチの第1の実施形態の波形ボード3を貼り合わせて2層構造とすることにより、強度を持たせることができる。このような第1の木材からなり、この第1の木材の維管束が伸延する方向である維管束方向と、この維管束方向に直交する方向である維管束直交方向により定義される第1の基準面上の一方向に脈動するトポロジーを有する第1の波形ボードと、第2の木材からなり、第2の木材の維管束方向と、この第2の木材の維管束方向に直交する方向である維管束直交方向により定義される第2の基準面上の一方向に脈動するトポロジーを有する第2の波形ボードとが、互いに積層された組立体において、第1の木材と第2の木材とは、同一種類の木材でも、互いに異なる種類の木材でもよい。例えば、第1の木材を広葉樹、第2の木材を針葉樹としても良い。ボード3の下面にも同一形状、同一ピッチの第1の実施形態の波形ボード3を貼り合わせることにより、3層構造として、更に、強度を持たせることができるし、更に4層構造以上の多層構造にして所望の板厚を実現し、厚い板材としての十分な強度を持たせることができる。このような多層構造に、互いに積層された組立体において、積層されるそれぞれの波形ボードの材料は、すべて同一種類の木材で構成しても良く、少なくとも1層の波形ボードの材料が、他の層の波形ボードの材料と互いに異なる種類の木材で積層されてもよく、すべての層の波形ボードの材料が、他の層の波形ボードの材料と互いに異なる種類の木材で積層されるように構成してもよい。同様に、第1の実施形態の変形例で説明した波形ボード3b、第3の実施形態で説明した波形ボード3c,3d,3eについても、波形ボード3c,3d,3eのそれぞれの上面に同一形状、同一ピッチの波形ボード3c,3d,3eを貼り合わせることにより、2層構造としたり、波形ボード3c,3d,3eの下面に同一形状、同一ピッチの波形ボード3c,3d,3eを貼り合わせることにより、3層構造として、更に、強度を持たせることもできし、更に4層構造以上の多層構造にして所望の板厚を実現し、厚い板材としての十分な強度を持たせることができる。同様に、第2の実施形態の波形ボードについても、第2の実施形態の波形ボードの上面に同一形状、同一ピッチの第2の実施形態の波形ボードを貼り合わせて2層構造とすることや、第2の実施形態の波形ボードの下面に第2の実施形態の波形ボードを貼り合わせて3層構造とすることにより、強度を持たせることもできるし、更に4層構造以上の多層構造にして所望の板厚を実現し、厚い板材としての十分な強度を持たせることもできる。そして、これらの多層構造の組立体において、それぞれの層の波形ボードの材料が、すべて同一種類の木材で構成されても良く、少なくとも1層の波形ボードの材料が、他の層の波形ボードの材料と互いに異なる種類の木材で積層されてもよく、すべての層の波形ボードの材料が、他の層の波形ボードの材料と互いに異なる種類の木材で積層されるように構成してもよいことは、前述したのと同様である。
従来、例えば、厚さ20mm以上の厚い板材は、曲げ加工しても小さな曲率2mmR程度の曲げを連続して加工することができない。しかしこの手法であれば、薄い波形ボードを貼り合わせて多層構造とすることにより、2mmR程度の曲げの連続であっても、容易に実現可能である。例えば、t=2mmの波形ボード3,3b,3c,3d,3eを10層貼り合わせれば、厚さ20mmの合板でありながら、2mmR程度の曲げの連続する構造を容易に実現できる。又、フレキシブルな波形ボード3,3b,3c,3d,3eの脈動の振幅を定義する上面と下面とを平行に大きくうねらせることが可能な性質を利用して、フレキシブルな波形ボード3,3b,3c,3d,3eのマクロな構造の全体として、リングや四角い曲率又はループ状にすることが可能なので、薄い波形ボードを貼り合わせて多層構造とすることにより、所望の立体的寸法を実現し、リング等任意の3次元形状の組立体(構造物)を実現可能となる。
又、上記のような同一形状、同一ピッチの波形ボードを貼り合わせて多層構造とする構成を利用して、維管束方向、若しくは、維管束直交方向に、複数の波形ボードを2次元的に連続的に逐次接続し、大面積の組立体を構成することもできる。即ち、複数の波形ボードの2次元方向の接続部において、上層波形ボードと下層波形ボードとの間で互いに位相をずらし、且つ上層波形ボードと下層波形ボードのそれぞれをタイル張りするように連続させて、2次元的に連続的に逐次接続した2層構造の組立体とすれば、2次元方向の接続部の強度を維持できる。或いは、上層波形ボードと中間層波形ボードとの間で、それぞれ、互いに位相をずらしてタイル張りした3層構造の組立体とすれば、2次元方向の接続部の強度を維持できる。更に4層構造以上の多層構造にして、所望の面積と板厚を同時実現し、大型な構造物として、十分な強度を持たせることもできる。
更に、図23に示すように、第1の実施形態で説明した厚さtの波形ボード3-1,波形ボード3-2及び波形ボード3-3の3枚を互いに谷線、尾根線を示す曲率構造線が直交するように積層して組立体を構成しても良い。即ち、第1の実施形態で説明した厚さtの波形ボード3-1の下面に、曲率構造線が波形ボード3-1と直交するようにして、厚さtの波形ボード3-2を接着剤等により貼り合わせ、更に、波形ボード3-2の下面に曲率構造線が波形ボード3-2と直交するようにして、厚さtの波形ボード3-3を接着剤等により貼り合わせ3層構造として組立体を構成し、強度を持たせることができる。図示を省略しているが、同様に、第1の実施形態の変形例で説明した波形ボードの3枚を互いに曲率構造線が直交するように積層して組立体を構成しても良く、第2の実施形態で説明した波形ボードについても、波形ボードの3枚を互いに曲率構造線が直交するように積層して組立体を構成しても良い。第3の実施形態の波形ボードについても、波形ボードの3枚を互いに曲率構造線が直交するように積層して組立体を構成しても良い。又、
図23では、3層構造の組立体を例示したが、4層構造以上の多層構造の組立体にすれば所望の厚さを実現できることは勿論であり、波形ボード3-1と波形ボード3-2との間に、更に平板状の薄板を挟み、波形ボード3-2と波形ボード3-3との間にも平板状の薄板を挟むような構造とした組立体を構成しても良い。又、これらの平板状の薄板に格子状の補強リブ(力骨)を設けたり、平板状の薄板の周囲にリブフレームを取り付けたりして補強しても良い。
更に、図24に示すように、第3の実施形態で説明したのとほぼ同様な、維管束直交方向にピッチp4で周期的に脈動する台形波のトポロジーの波形ボード3d-1,波形ボード3d-2及び波形ボード3d-3の3枚を、互いに台形の平坦部(上面又は下面)で接着可能なように、例えば、半周期(p4/2周期)程度ずらして互いに接着して、3層構造の組立体を構成しても良い。即ち、第3の実施形態で説明したとほぼ同様なトポロジーを有する厚さtの波形ボード3d-1の下面に、p4/2周期ずらして厚さtの波形ボード3d-2を接着剤等により台形の平坦部同士を貼り合わせ、更に、波形ボード3d-2の下面にp4/2周期ずらして厚さtの波形ボード3d-3を接着剤等により台形の平坦部同士を貼り合わせ3層構造として組立体を構成し、強度を持たせることができる。
図24では、3層構造の組立体を例示したが、4層構造以上の多層構造の組立体にし、所望の厚さを実現するようにしても良いことは勿論である。
なお、図24では山と谷の幅が等しい対称性を有する台形波のトポロジーであるので、3枚の波形ボードを互いに半周期(p4/2周期)程度ずらすことになるが、図18に示したように、山と谷の幅が異なる非対称な台形波のトポロジーの場合は、図18で示したような非対称の波形ボード3d-1の下面に、波形ボード3d-1と上下を裏返した非対称の波形ボード3d-2を接着剤等により台形の平坦部同士を貼り合わせ、更に、波形ボード3d-2の下面に波形ボード3d-2と上下を裏返した非対称の波形ボード3d-3を接着剤等により台形の平坦部同士を貼り合わせ3層構造として組立体を構成し、強度を持たせることができる。
又、図24に示した組立体の構造において、波形ボード3d-1と波形ボード3d-2との間に、更に平板状の薄板を挟み、波形ボード3d-2と波形ボード3d-3との間にも平板状の薄板を挟むような構造とした組立体を構成しても良い。平板状の薄板を挟むような構造にすれば、波形ボード3d-1,波形ボード3d-2及び波形ボード3d-3の3枚を、互いに台形の平坦部(上面又は下面)で接着可能なように、例えば、半周期(p4/2周期)程度ずらすことは必ずしも必要ではなく、波形ボード3d-1,波形ボード3d-2及び波形ボード3d-3の3枚をの脈動の位相が等しくても構わない。このような、上層波形ボードと中間層波形ボードとの間に平板状の薄板を挟み、中間層波形ボードと下層波形ボードとの間にも平板状の薄板を挟むような構造であれば、これらの上層波形ボード、中間層波形ボード、下層波形ボードとして、それぞれ、第1の実施形態で説明した波形ボード3、第1の実施形態の変形例で説明した波形ボード3b、第3の実施形態で説明した波形ボード3c,3e等の任意のトポロジーの波形ボードを採用することが可能であり、それぞれの層間に平板状の薄板を挟み、4層構造以上の多層構造の組立体にし、所望の厚さを実現するようにしても良い。更に、図23で述べたのと、同様に、層間の薄板に格子状の補強リブを設けたり、薄板の周囲にリブフレームを取り付けたりして補強しても良い。
図23及び図24に関連して、層間の薄板に格子状の補強リブを設けたり、薄板の周囲にリブフレームを取り付けたりして補強することを説明したが、補強リブは、第1の実施形態で説明した波形ボード3、第1の実施形態の変形例で説明した波形ボード3b、第2の実施形態で説明した波形ボード、第3の実施形態で説明した波形ボード3c,3d,3eそれ自体に、そのトポロジーに合わせて適宜付することも可能である。例えば、脈動の谷線、尾根線を示す曲率構造線や折れ曲がり線に沿って、曲率構造線の曲率や折れ曲がり線の角度に合わせた構造の平リブを設けても良い。或いは、曲率構造線に直交する方向に平リブを設けた組立体を構成しても良く、或いは周囲にリブフレームを設けた組立体を構成して、軽量の特徴を維持しながら補強して強度を増大させた組立体を実現することも可能である。
更に、このような曲率構造線や折れ曲がり線に沿って補強リブを設ける構造や、曲率構造線に直交する方向に補強リブを設けた構造を利用して、曲率構造線方向、及び曲率構造線方向に直交する方向に、複数の波形ボードを2次元的に連続的に逐次接続し、大面積の組立体を構成することもできる。
第1の実施の形態の図3〜図14で説明した曲げ加工治具、或いは、第3の実施の形態の図17で説明した曲げ加工治具はプレス手段の一例に過ぎない。例えば、図25に示すような、外周に周期的な第1の凹凸を設けた円筒状の第1熱ローラ75aと、第1の凹凸と噛み合う第2の凹凸を設け、第1熱ローラ75aと反対方向に回転する円筒状の第2熱ローラ75bとを有するプレス手段を曲げ加工治具として、第1〜第3の実施の形態等で説明した波形ボードを製造することも可能である。即ち、図25に示す曲げ加工治具の第1熱ローラ75aと第2熱ローラ75bとの間に、厚さt=0.05〜1.5mm程度、好ましくは厚さt=0.15mm〜1.0mm程度の板3qを、最適なクリアランスを設けて導入することにより、板3qに対しプレスを実施して曲げ加工をすることが可能である。最適なクリアランスは、ほぼ厚さtに比例した値になるが、被加工物である板3qの材質や乾燥の程度等の状態を考慮して、事前に予備実験をして、最適値を決定しておけばよい。既に述べたとおり、薄板をt=0.05mm程度以下の厚みでスライスすることが、現状の一般的な技術レベルでは困難であるが、今後のスライス技術の進展を考慮すれば、t=0.05mm程度以下の曲げ加工を否定するものではない。一方、厚さt=1.5mm程度以上については、第1熱ローラ75aと第2熱ローラ75bによるプレスの条件の種々の設定が、均一な成型品を連続的に実現する上で難しくなるので、工業的な生産性の面で好ましくはないが、技術的には不可能ではない。
図示を省略しているが、第1熱ローラ75aと第2熱ローラ75bは内部にヒータ等の加熱手段を有し、第1熱ローラ75a及び第2熱ローラ75bは、120℃〜180℃の範囲、好ましくは130℃〜170℃の範囲に加熱可能である。よって、第1熱ローラ75aと第2熱ローラ75bの材質はローラの加熱温度と、曲げ加工に対する第1及び第2の凹凸の摩耗、機械強度や寿命等を考慮して、金属等の材料を選択すればよい。図26〜図27に示すように、第1熱ローラ75aと第2熱ローラ75bを互いに逆方向に回転して板3qを、一方向(図25においては右方向であるが、一例であり、左方向でもよい。)に搬送することが可能であり、図26〜図27では、第1熱ローラ75aを反時計方向に回転させ、第2熱ローラ75bを時計方向に回転させることにより、板3qを一方向(図25に例示した構成では右方向)に、例えば送り速度0.2〜0.4m/分程度で搬送し、板3qの一部に対し逐次、プレスを連続的に進行させることができる。そして、第1熱ローラ75a及び第2熱ローラ75bが互いに反対方向に回転し、第1熱ローラ75aと第2熱ローラ75bの間を板3qの一部が連続的に通過することにより、通過した部分の板3qに対するプレスが逐次解除される。第1熱ローラ75aと第2熱ローラ75bの外周に設ける凹凸の形状を変えることにより、第1〜第3の実施の形態で説明した種々のトポロジーの波形ボードの曲げ加工が可能となる。
曲げ加工治具を構成する第1熱ローラ75a及び第2熱ローラ75bは、図25に示すような、ローラ間隔調整機構(63,65a〜65d,67,68,69)に収納されて、第1熱ローラ75aと第2熱ローラ75bとの間隔が、薄板3qの厚さtを考慮した最適なクリアランスとなるように調整される。ローラ間隔調整機構(63,65a〜65d,67,68,69)は、図25に示すように底板63と、底板63に下端を固定され、それぞれ垂直に立脚した結合柱65a,65b,65c,65dと、この結合柱65a,65b,65c,65dのそれぞれの上端に固定された、中央部に開口部を有する上板67と、この上板67の開口部を塞ぐように上板67の中央部の上に設けられたボルト固定板68と、このボルト固定板68に設けられた雌ねじを介してボルト固定板68貫通するクリアランス調整ボルト69とを備える。
図25に示すように、ローラ間隔調整機構(63,65a〜65d,67,68,69)は、下面を脚部61b,61cで支持された台座62cの上に固定されている。脚部61bには水平方向に延伸する連結梁62bを介し、脚部61aに接続され、脚部61aには、更にテーブル固定梁62aと、テーブル固定梁62aに下端を固定され、垂直に立脚したテーブル固定柱66と、テーブル固定柱66に下面を固定されたテーブル71とが設けられている。更に、テーブル71とローラ間隔調整機構(63,65a〜65d,67,68,69)との間には、第1の下部駆動ギア81a,第1の下部駆動ギア81aに対応して離間して設けられた第2の下部駆動ギア81b,第1の下部駆動ギア81aと第2の下部駆動ギア81bとによって駆動される下部コンベア72aが設けられている。下部コンベア72aの上方の一部には、第1の上部駆動ギア82a,第1の上部駆動ギア82aに対応して離間して設けられた第2の上部駆動ギア82b,第1の上部駆動ギア82aと第2の上部駆動ギア82bとによって駆動される上部コンベア72bが設けられている。下部コンベア72a及び上部コンベア72bとしては、金属製のメッシュコンベアやゴム製のコンベア等、種々のコンベアが採用可能である。
先ず被加工物である板3qを、先端部が下部コンベア72aにかかるようにしてテーブル71の上に載置すると、テーブル71の上に載置された板3qは、下部コンベア72aによって上部コンベア72bの下まで一方向(図25において右方向)に搬送される。更に、板3qは、下部コンベア72aと上部コンベア72bによって一方向(図25において右方向)に搬送されて、第1熱ローラ75aと第2熱ローラ75bとの間に導入される。上部コンベア72bの近傍には蒸気噴射ノズル73a,73b,73c,73dが設けられているので、蒸気噴射ノズル73a,73b,73c,73dから噴出した蒸気によって、板3qに所定の水分を含ませることができる。
板3qに所定の水分を含ませた後、板3qは、下部コンベア72aと上部コンベア72bによって搬送されて、互いに逆方向に回転している第1熱ローラ75aと第2熱ローラ75bとの間に導入され、第1熱ローラ75aと第2熱ローラ75bの回転に伴い、板3qが一方向(図25において右方向)に搬送されることにより、プレスが板3qの一部に対し、連続的に逐次進行し、連続的に曲げ加工が実施される。第1熱ローラ75aと第2熱ローラ75bの間を、板3qの一部が連続的に通過することにより、通過した部分に対する板3qに対するプレスが逐次解除されて、曲げ加工が連続的に進行する。曲げ加工治具を構成する台座62cの右側には、回収テーブル保持梁64bと、回収テーブル保持梁64bにより斜め方向に支持された回収テーブル64aからなる回収機構64が設けられている。このため、連続的に曲げ加工されて、搬送されてきた板3qは、回収テーブル64a上をスライドして回収されることが可能である。図25〜図27に示したような、第1熱ローラ75aと第2熱ローラ75bを曲げ加工治具として用いる構成によれば、どんな長尺の被加工物に対しても曲げ加工を実施することが可能である。
更に、第1の実施形態で説明した波形ボード3、第1の実施形態の変形例で説明した波形ボード3b、第2の実施形態で説明した波形ボード、第3の実施形態で説明した波形ボード3c,3d,3eそれ自体に、樹脂等を塗装又は含浸させることにより強度を増すようにしても良い。更に、図20,23,24等で説明した構造体や、それらの変形例に係る構造体に対し、樹脂等を塗装又は含浸させることにより強度を増すようにした組立体を実現することも可能である。
能である。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。