JP2012213918A - ゴムローラの押出成形装置および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芯金23の搬送部、ゴム組成物11の投入口を有するシリンダ、該シリンダ内に配設された、該芯金を移送するための貫通孔52を内部に有するスクリュー、および、該シリンダの先端に該スクリューから排出されたゴム組成物を該貫通孔から排出された該芯金に被覆するためのダイ35、を具備するゴムローラの押出成形装置であって、該スクリューが、該貫通孔52の内壁と該芯金23との摩擦を低減させるための摩擦低減部材を有することを特徴とするゴムローラの押出成形装置。摩擦低減部材の代わりに、貫通孔52の内壁に芯金23との摩擦低減のための表面処理を施した押出成形装置。前記押出成形装置にゴム組成物11及び芯金23を供給し、前記ダイ35において前記貫通孔52から排出された前記芯金23に前記ゴム組成物11を被覆するゴムローラの製造方法。
【選択図】図1
Description
以下、本発明に係る押出成形装置を図1〜5を参照して説明する。図1の押出成形装置は、芯金の搬送部と、シリンダ内に配設された内部貫通孔を有するスクリュー51とシリンダ13とを具備する押出機50と、ダイ35を備えている。そして、この貫通孔52の全長に亘って摩擦低減部材としてポリアセタール製スリーブ58が装着されている。
[材料]
摩擦低減部材の材料としては、貫通孔の内壁と芯金との摩擦力を低減できるものであればよく、具体的にはフッ素樹脂やポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンなどの樹脂材料のほかに、セラミック、金属など既知の材料を用いることが出来る。
摩擦低減部材または摩擦低減のための表面処理の芯金と接触する内周面の表面粗さについては特に限定されるものではなく、前記芯金と前記内周面の間に生じる摩擦力の低減効果が高い表面状態を適宜選択することが出来る。
摩擦低減部材または摩擦低減のための表面処理の長さは、前記摩擦低減部材または摩擦低減のための表面処理部のスクリュー貫通孔内周面と芯金の間に生じる芯金周方向の摩擦力を低減することができる大きさであれば特に制限を受けない。また、摩擦低減部材または摩擦低減のための表面処理はスクリュー貫通孔の先端近傍、すなわち芯金排出口近傍において設置または実施することが好ましい。芯金が芯金排出口から排出されながら、スクリューから押出されたゴム組成物を被覆される間、芯金はゴム組成物と芯金排出口によって保持される。このため、摩擦低減部材または摩擦低減のための表面処理を芯金排出口近傍において設置または実施することで、前記芯金が前記芯金排出口から完全に排出されるまでの間、芯金とスクリュー貫通孔の間に生じる摩擦力を低減することが可能となる。従って、前記芯金の回転による前記芯金と前記被覆ゴム被覆層との密着不良を一層防止できるものである。
摩擦低減部材の形態は特に限定されるものではなく、芯金との摩擦力を低減できる形態を選択することができる。具体的にはスリーブ状、円筒状、環状などの形態を選択でき、例えば樹脂製のスリーブである。特に摩擦低減部材としてころがり軸受けを用いると、芯金とスクリューの間に生じる芯金周方向の摩擦力低減効果がより高まる。
本発明の押出成形装置におけるスクリューは、その内部に芯金を移送するための貫通孔と、この貫通孔に具備された摩擦低減部材または摩擦低減手段を有していることが特徴である。ゴム組成物を搬送するためのフライト形状は、スクリュー全長にわたってフライト間隔が一定であるものや、変化するもの、途中でゴム組成物の混練効果やゴム組成物に含まれる水分などを脱気するために溝形状が変化する場合など、所望のフライト形状を用いることができる。
以下に本発明に係る押出成形装置を用いて、ゴムローラの製造方法を説明する。押出機50の投入口12に投入されたゴム組成物11はシリンダ13内にてシリンダと内部貫通孔を有するスクリュー51から受けるせん断力により可塑化および混練されて、押出機の排出口へ搬送される。一方、芯金は、芯金送りロール56によって、スクリューの内部貫通孔へ連続的に移送される。可塑化、混錬されたゴム組成物は、シリンダと芯金外周面で構成される環状流路34にて円筒状に形成されつつ、貫通孔から移送された芯金23の外周部を被覆する。その後に円形状のダイ35にて所望の外径寸法に調整されて、未加硫のゴムローラ21となる。こうして得られたゴムローラを加硫してゴムローラ26を得る。
本発明で使用されるゴム組成物の原料としては、以下のものが挙げられる。天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム。
表1に示す材料をオープンロールで混錬して導電性ゴム組成物を得た。このゴム組成物を図1に示す押出成形装置のゴム組成物投入口12に供給すると共に、直径5.97mm、長さ252mmの鋼製の芯金を芯金導入口53から芯金供給口54の方向へ一定速度で連続的に移送した。これにより芯金の外周面をゴム組成物で被覆し、外周面外径が芯金軸方向に亘って一定(8.9mm)であるゴムローラを得た。
帯電ローラ(導電性ローラ)を、図6の構成を有する電子写真装置であるLBP5500(キヤノン(株)製、商品名)に、被帯電体と共に取り付けた。なお、被帯電体は、ポリカーボネート系樹脂を主体とする電荷輸送層をもつ。そして、温度15℃、湿度10%RHの環境下においてハーフトーン画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を出力した。得られた画像を目視で観察し、帯電ローラの芯金とゴム被覆層の剥離に起因する帯状またはスジ状の「濃度むら」の有無および程度を下記の基準で評価し、全製造数における各基準の割合を算出した。
A:濃度むらは認められない。
B:わずかな濃度むらが認められる。
C:濃度むらが認められる。
D:顕著な濃度むらが認められる。
押出成形後にスクリュー貫通孔に芯金を設置したままスクリューを押出成形装置から取り外し、芯金をスクリュー排出口から抜き取って、ゴム組成物の前記貫通孔への流入長さを測定した。尚、この流入長さが7mm以上になると、芯金移動がスティックスリップを起こすか芯金移動が困難になる場合がある。芯金を抜き取る時に、ばねはかりを芯金に固定して、芯金を引き抜くときの荷重の最大値を測定し、芯金引き抜き力を測定した。芯金引き抜き力が小さいほど押出成形時の芯金の挿通が安定しているが、10Kg以下であれば実用上芯金送りには問題が無い。
図7に示す電子写真用導電性部材の電気抵抗測定装置を用いて帯電ローラの円周方向電気抵抗値のばらつきを測定した。帯電ローラの芯金は両端部を図に示さない押圧手段で500gの荷重で円柱状のステンレスドラム102に圧接され、ステンレスドラム102の駆動に伴い従動回転する。この状態で、帯電ローラ26の芯金23に外部電源105を用いて直流電圧を印加して、ステンレスドラム102に直列に接続した基準抵抗103にかかる電圧から、帯電ローラの電気抵抗値を計算した。
実施例1において、図3のごとくスクリュー貫通孔52の先端に摩擦低減部材として内径6.03mm、長さ10mmで、断面が矩形状であるポリアミド製の円環状部材(回転軸シール)71を装着した。その他は実施例1と同様にして帯電ローラを得て評価した。評価結果を表2に示す。
実施例1において、図2のごとくスクリュー貫通孔52の先端に摩擦低減部材としてアンギュラ玉軸受け72を設置した。アンギュラ玉軸受けの内径は6.09mmであり、その他は実施例1と同様にして帯電ローラを得て評価した。評価結果を表2に示す。
実施例1において、図4のごとくスクリュー貫通孔52の先端に摩擦低減部材として断面がU字型であるフッ素樹脂を主成分とする回転軸シールを設置した。回転軸シールの芯金と接触する内周面の内径は5.95mmであり、その他は実施例1と同様にして帯電ローラを得て評価した。評価結果を表2に示す。
実施例1において、図5のごとくスクリュー貫通孔全域に摩擦低減のための表面処理としてPFAコーティングを施した。PFAコーティング後のスクリュー内部貫通孔の内径は6.10mmであり、その他は実施例1と同様にして帯電ローラを得て評価した。評価結果を表2に示す。
本比較例では、図1に示す押出成形装置において摩擦低減部材および摩擦低減のための表面処理を設置または実施せず、その他は実施例1と同様にして帯電ローラを得て評価した。評価結果を表2に示す。
11・・・ゴム組成物
12・・・ゴム組成物投入口
13・・・シリンダ
14・・・スクリュー
15・・・排出口
21・・・ゴムローラ
22・・・ゴム円筒体
23・・・芯金
35・・・ダイ
51・・・内部貫通孔を有するスクリュー
52・・・スクリュー内部貫通孔
53・・・芯金導入口
54・・・芯金排出口
56・・・芯金送りロール
58・・・スリーブ
60・・・回転軸シール
71・・・回転軸シール(円環状部材)
72・・・ころがり軸受け
78・・・PFA表面処理
Claims (6)
- 芯金の搬送部、ゴム組成物の投入口を有するシリンダ、該シリンダ内に配設された、該芯金を移送するための貫通孔を内部に有するスクリュー、および、該シリンダの先端に該スクリューから排出されたゴム組成物を該貫通孔から排出された該芯金に被覆するためのダイ、を具備するゴムローラの押出成形装置であって、該スクリューが、該貫通孔の内壁と該芯金との摩擦を低減させるための摩擦低減部材を有することを特徴とするゴムローラの押出成形装置。
- 前記摩擦低減部材が、前記スクリューの先端に設置されている請求項1に記載のゴムローラの押出成形装置。
- 前記摩擦低減部材が、ころがり軸受け、回転軸シールまたは前記貫通孔に装着されてなる樹脂製のスリーブである請求項1または2に記載のゴムローラの押出成形装置。
- 芯金の搬送部、ゴム組成物の投入口を有するシリンダ、該シリンダ内に配設された、該芯金を移送するための貫通孔を内部に有するスクリュー、および、該シリンダの先端に該スクリューから排出されたゴム組成物を該貫通孔から排出された該芯金に被覆するためのダイ、を具備するゴムローラの押出成形装置であって、該貫通孔の内壁が、該貫通孔を移送される該芯金との摩擦を低減させるための表面処理が施されていることを特徴とするゴムローラの押出成形装置。
- 前記表面処理が、窒化処理またはフッ素樹脂処理である請求項4に記載のゴムローラの押出成形装置。
- 請求項1〜5のいずれかの一項に記載のゴムローラの押出成形装置にゴム組成物及び芯金を供給し、前記ダイにおいて前記貫通孔から移送された前記芯金に前記ゴム組成物を被覆する工程を有するゴムローラの製造方法。
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