JP2012213709A - 粉体塗膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属基材に対して、低温で焼付硬化しても防錆性に優れた粉体塗膜の形成法を提供する。
【解決手段】金属基材に対して、リン酸イオン及び3価クロムイオンを含む処理液での表面処理により皮膜を形成する工程と、
該皮膜上に下記組成
(A)ポリエステル樹脂 30〜70質量%、
(B)ヒドロキシアルキルアミド硬化剤 0.5〜10質量%、
(C)顔料 20〜60質量%、
を含有する粉体塗料で塗装し、焼付硬化する工程と
を有することを特徴とする粉体塗膜の形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、粉体塗膜の形成方法に関する。更に詳しくは、金属基材に対して、低温で焼付硬化しても防錆性に優れた粉体塗膜の形成方法に関する。
粉体塗料は、塗装時に有機溶剤を大気中に揮散することのない、地球環境に優しい塗料として広く金属製品の塗装等に使用されている。
ところで、自動車や金属製品のような塗装分野においては、低コストや軽量化といった観点から、薄膜で表面外観が良好であることが求められている。更に地球環境・省資源の観点から、塗装の際、未塗着の粉体塗料を回収し、再使用して塗装しても、当初と同等の塗膜外観が得られるなど安定した品質を保持する粉体塗料の開発が求められている。
また、近年ポリエステル樹脂系粉体塗料の硬化剤として低温硬化タイプのヒドロキシルアルキルアミド硬化剤の用途が広がり、塗膜性能についても様々な要求が求められるようになった(例えば、特許文献1〜3参照)。
アクリル樹脂系粉体塗料やポリエステル樹脂系粉体塗料の硬化剤として広く用いられるブロック化イソシアネートを配合したものは、焼付時に解離したブロック剤が煙(スス)やヤニの原因となって乾燥炉内や塗膜表面を汚染することがあった。
これに対して、ヒドロキシルアルキルアミド硬化剤を用いた粉体塗料は焼付時に極微量の水分が発生するのみでこのような問題が起こらず、塗膜の耐候性にも優れる。
更に好ましい点は、従来180℃程度の焼付温度が必要な粉体塗料と異なり、低温での焼付硬化が可能であり(160℃以下)、乾燥炉が低温で使用できることから省エネルギーの観点からも非常に優れているといえる。
しかしながら、金属表面への粉体塗膜の形成においては、表面処理等の状態によって、低温で焼付硬化させた時の防錆性等が不十分な場合があった。
特開平10−017660号公報 特開平11−228676号公報 特開2001−254048号公報
本発明の目的は、このような課題の解決を背景になされたものであり、金属基材に対して、低温で焼付硬化しても防錆性に優れた粉体塗膜の形成方法を提供する。
本発明者等は、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、上記課題が以下の構成によって達成できることを見出し、本発明に達したものである。
本発明に従って、金属基材に対して、リン酸イオン及び3価クロムイオンを含む処理液での表面処理により皮膜を形成する工程と、
該皮膜上に下記組成
(A)ポリエステル樹脂 30〜70質量%、
(B)ヒドロキシアルキルアミド硬化剤 0.5〜10質量%、
(C)顔料 20〜60質量%、
を含有する粉体塗料で塗装し、焼付硬化する工程と
を有することを特徴とする粉体塗膜の形成方法が提供される。
本発明により、金属基材に対して低温で焼付硬化しても防錆性に優れる粉体塗膜の形成方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。まず、本発明に使用される粉体塗料の各構成成分について説明する。
本発明において使用されるポリエステル樹脂(A)は、カルボン酸と多価アルコールとを通常の方法で反応させたものであって、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、β−オキシプロピオン酸等のカルボン酸類とエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類とを反応したものであり、従来から通常粉体塗料用として使用されているポリエステル樹脂又はその変性ポリエステル樹脂が利用出来る。ポリエステル樹脂(A)の含有量は30〜70質量%であり、好ましくは40〜60質量%である。30質量%未満では塗膜強度や防錆性等が十分に得られず、70質量%を超えると塗膜の耐候性が悪くなる。
また、ポリエステル樹脂(A)は、末端がカルボキシル基等の酸基末端ポリエステル樹脂であることが、硬化剤との架橋反応の起こり易さの点から好ましく、その酸価は20〜80mgKOH/g、更には30〜60mgKOH/gのものが特に好ましい。酸価が20mgKOH/gより小さいと、架橋密度が不十分となり、得られる塗膜の物理的強度、耐食性等が低下し、逆に80mgKOH/gより大きいと、得られる塗膜の平滑性が悪くなるので好ましくない。また、ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度Tgは、50〜70℃のものを使用するのが好ましい。ガラス転移温度Tgが50℃より低いと耐ブロッキング性が悪くなり易く、逆に70℃より高いと焼付温度を高くしないと得られる塗膜の平滑性が悪くなる傾向があり、コスト的にも好ましくない。
上記酸基末端ポリエステル樹脂の製造に用いることのできる酸成分としては、例えば、イソフタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等を挙げることができる。また、少量であれば、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸等の三価以上のカルボン酸を併用してもよい。
上記の酸基末端ポリエステル樹脂を製造するのに用いることのできるアルコール成分として、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体等を挙げることができる。
また、上記の酸基末端ポリエステル樹脂を製造するのに、上記の酸成分に加え4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸を少量併用してもよい。本発明で使用する酸基末端ポリエステル樹脂は、上記のような原料を用い、塗料用ポリエステル樹脂製造の常法によって調製することができる。
本発明に使用される粉体塗料は、更に(D)エポキシ樹脂を含有することが金属基材との密着性を向上させることから好ましい。本発明で使用されるエポキシ樹脂は、常温で固体状の樹脂であり、その樹脂の軟化点は、50〜150℃のものが好ましい。このようなエポキシ樹脂としては、従来からエポキシ樹脂粉体塗料の製造に用いられているエポキシ樹脂を特に制限無く使用することができる。
具体的には、例えば、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル樹脂や、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル樹脂、アミノグリシジルエーテル樹脂、ビスフェノールAD型ジグリシジルエーテル樹脂、ビスフェノールZ型ジグリシジルエーテル樹脂、O−クレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、ビフェノールグリシジルエーテル樹脂、シクロペンタジエン骨格エポキシ樹脂、ナフタレン骨格エポキシ樹脂、グリシジルメタクリレート含有アクリル樹脂等、もしくはこれらの樹脂の置換基を他のものに置き換えたもの、例えば、カルボキシル基末端ブタジエン・ニトリルゴム(CTBN)やエステル化等の変成を行ったものも制限無く使用することが出来る。エポキシ樹脂としては、エポキシ当量が、好ましくは300〜1200、特に好ましくは400〜1000であるエポキシ樹脂が適当である。
エポキシ樹脂(D)の含有量は、1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは2〜5質量%である。含有量が1質量%未満であると金属基材との密着性向上の効果が乏しく、10質量%を超えると塗膜の耐候性が悪くなる傾向がある。
本発明に係る粉体塗料は上記の樹脂と共に、硬化剤としてヒドロキシアルキルアミド系硬化剤(B)の含有量を0.5〜10質量%となるように配合する必要があり、好ましくは2〜6質量%である。この硬化剤は、上記ポリエステル樹脂(A)が有する酸基と反応して硬化塗膜を形成することができる。ヒドロキシアルキルアミド系硬化剤としては、例えば、β−ヒドロキシエチルアジパミドであるEMS社製の「Primid XL−552」が挙げられる。
該(B)成分は、ポリエステル樹脂(A)中の酸基1個当たり該(B)成分中のヒドロキシ基が0.5〜2個、好ましくは0.7〜1.5個の範囲の量で配合される。配合割合が上記の範囲から外れるとそれぞれ反応硬化性が低下する。
本発明に係る粉体塗料に用いる顔料(C)については、一般の粉体塗料で使用される着色顔料や体質顔料、光輝顔料等が使用できる。顔料(C)の含有量は20〜60質量%であり、好ましくは30〜50質量%である。20質量%未満では顔料による隠蔽効果が十分に期待できない、60質量%を超えるとバインダー樹脂成分の割合が少なくなるため塗膜が脆くなり、十分な塗膜強度が期待できない。
顔料(C)のうち着色顔料としては、例えば、酸化チタン、黄色酸化鉄、チタン黄、ベンガラ、リトポン及び酸化アンチモン等の無機系顔料や、ハンザイエロー5G、パーマネントイエローFGL、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーRS、パーマネントレッドF5RK及びブリリアントファーストスカーレットG等の有機顔料を挙げることができる。また、体質顔料としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、シリカ粉、珪藻土、タルク、塩基性炭酸マグネシウム及びアルミナホワイト等を挙げることができる。光輝顔料としては、例えば、アルミニウム粉顔料、ニッケル粉顔料、ステンレス粉顔料、銅粉、ブロンズ粉、金粉、銀粉、雲母顔料、グラファイト顔料、ガラスフレーク顔料、薄片状プラスチック顔料及び鱗片状酸化鉄顔料等を挙げることができる。
また、防錆性が必要な金属基材に対しては、防錆顔料を使用することができる。防錆顔料としては、例えば、縮合リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、縮合リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カルシウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム及びモリブデン酸マンガン等が挙げられる。
これらの顔料は各々単独で含有させることも、2種以上を併用することも可能である。
粉体塗料は上記の原料をナウターミキサーやヘンシェルミキサー等の混合機によって、室温で混合した後、1軸又は2軸エクストルーダー等の粉体塗料製造に常用される溶融混練機を用いて溶融混練する。冷却後形成されたペレットをピンミルやジェットミル等の粉砕機を用いて粉砕を行い、得られた微粉末を篩い等を用いて任意の粒度分布に調整し、粉体塗料を得る。
本発明に係る粉体塗料においては、個々の微粒子の体積平均粒子径が10〜150μmであることが好ましい。この体積平均粒子径が10μm未満である場合には、粉体塗料粒子の単位質量当たりの全表面積が大きくなり、静電塗装において粉体塗料の単位体積当たりの帯電量が増加するので、静電塗装において比較的薄膜でも遊電離現象が発生する。一旦、被塗物のエッジ部分に遊電離現象が発生するとその部分から電気の遊離現象により一度付着した粉体が落下し、エッジ部分に塗膜を形成することが出来なくなり、エッジカバーを十分に果たせなくなる。また、体積平均粒子径が150μmを超える場合には、そのような粉体塗料を用いて塗装すると塗膜表面の凹凸が大きくなり、塗膜外観の低下が著しい。その結果、エッジ部にも凹部が発生し、塗膜が部分的に薄くなり、錆の発生や腐食の進行を招くので好ましくない。
本発明で使用する粉体塗料は、金属基材上に塗装し、好ましくは温度150〜200℃、より好ましくは150〜180℃で溶融・焼付硬化することで、粉体塗膜を形成することができる。
本発明に係る表面処理方法において用いられる金属基材は、鉄やステンレス等の鉄系金属、アルミニウムやマグネシウム、亜鉛、それらの合金等の非鉄金属である。上記鉄系基材としては特に限定されず、例えば、冷延鋼板、熱延鋼板、ステンレス鋼板等を挙げることができる。上記非鉄金属基材としては特に限定されず、例えば、アルミニウム鋼板、亜鉛鋼板、マグネシウム合金、アルミニウム−亜鉛合金、亜鉛−ニッケルメッキ鋼板、亜鉛−クロムメッキ鋼板、亜鉛−マグネシウムメッキ鋼板等を挙げることができる。金属基材である被塗物としては、例えば、電化製品、自動車部品(アルミニウムホイール等)、建材、構造物、事務機器等が挙げられるが、本発明においては金属基材が鉄系金属であることが好ましい。
本発明においては、上記金属基材を用いてリン酸イオン及び3価クロムイオンを含む水溶性の処理液で表面処理を行う必要がある。表面処理を行うことにより、金属基材の防錆性が向上し、塗料との密着性も向上する。
本発明で用いられる処理液のリン酸イオンとなる化合物としては特に限定されず、例えば、リン酸やリン酸亜鉛、リン酸鉄等を挙げることができる。リン酸イオンは、本発明に係る処理液中に1000〜6000mg/lの範囲で含有されていることが好ましい。リン酸イオンが1000mg/l未満の場合は、不均一な化成処理皮膜が形成され易く、一方6000mg/lを超えると化成処理皮膜が厚くなり、処理液の使用量が増大しコスト面で好ましくない。本発明においては、処理液中のリン酸イオンは3000〜5000mg/lであることがより好ましい。また、リン酸イオンとなる化合物としては、リン酸鉄であることが、塗膜の耐湿性・耐塩水性に優れる点からより好ましい。
本発明で用いられる処理液の3価クロムイオンとなる化合物としては特に限定されず、例えば、塩化クロム(III)、硫酸クロム(III)、硝酸クロム(III)等が好ましく用いられる。これらは単独でも二種以上を併用して使用することもできる。これらクロムイオン濃度は処理液中に、3価クロムイオンが1〜600mg/lの範囲で含有されていることが好ましい。3価クロムイオンが1mg/l未満の場合は、不均一な化成処理皮膜が形成され易く、一方600mg/lを超えると化成処理皮膜が厚くなり、無用な処理液の使用量が増大しコスト面で好ましくない。本発明においては、処理液中のクロムイオンは10〜500mg/lであることがより好ましい。また、クロムイオンとなる化合物としては、硝酸クロム(III)であることが、塗膜性能やコストパフォーマンスに優れる点からより好ましい。
クロムイオンでも、6価クロムイオンは自然環境や人体に悪影響を及ぼすことから可能な限り使用しない。ただし、処理液中に微量な6価クロムイオンが含まれる場合は、還元剤等を加えておき、クロム(VI)からクロム(III)へ還元されるような工夫をし、焼付後の表面処理皮膜中に6価クロムイオンが取り込まれないようにする必要がある。
本発明で用いられる処理液は、pHが2〜6であることが好ましい。pHが2未満であると、処理液の酸性度が強過ぎて金属基材を腐食する場合がある。一方、pHが6を超えると、化成皮膜の析出量が低下し防錆性が低下することから好ましくない。本発明においては、処理液のpHは3〜6であることがより好ましい。
本発明で用いられる処理液は、上記リン酸イオン、3価クロムイオン以外にも、微量であれば鉄、銅、ニッケル等の金属イオンや塩化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン等の陰イオンを含むことができる。また、それ以外にもpH調整剤、保存安定剤、錯化剤、カップリング剤等を必要に応じて含むことができる。
金属基材に対して処理液を用いて表面処理を行なう方法は、脱脂や化成処理、乾燥等の工程からなり、化成処理は処理液をスプレー又は浸漬することで化成処理皮膜を形成することができる。この場合、処理浴は10〜60℃の温度に維持され、処理皮膜の形成量に応じて処理時間10秒〜60分間で処理する。必要に応じ金属基材表面の酸化皮膜を除去するエッチング工程や水洗工程を経ることが好ましい。
表面処理された金属基材は、上記の粉体塗料を、コロナ帯電式静電塗装又はトリボ帯電式静電塗装により被塗物に塗装されることが好ましい。塗装された金属基板は、熱風炉や赤外炉、誘導加熱炉等で150〜200℃に加熱し焼付硬化させることよって塗膜を形成することが出来る。
<金属基材>
被塗物となる金属基材として、冷延鋼板を使用した。
<表面処理>
表面処理は、下記のような種類の処理液を用い、下記の処理条件で行った。
(処理液A)
[脱脂兼皮膜1]リン酸鉄(リン酸イオン5000mg/l、pH=5)、45℃、スプレー処理2分
[皮膜2・クロム処理]硝酸クロム(III)(3価クロムイオン100mg/l、pH=4)、20℃、スプレー処理1分
(処理液B)
[皮膜]リン酸亜鉛(リン酸イオン10000mg/l、pH=3)、45℃、スプレー処理2分
(処理液C)
[脱脂兼皮膜1]リン酸鉄(リン酸イオン5000mg/l、pH=5)、45℃、スプレー処理2分
[皮膜2・クロム処理]クロム酸(IV)(6価クロムイオン100mg/l、pH=4)、20℃、スプレー処理1分
(処理液D)
[脱脂兼皮膜1]リン酸鉄(リン酸イオン1000mg/l、pH=5)、45℃、スプレー処理2分
[皮膜2・クロム処理]硝酸クロム(III)(3価クロムイオン50mg/l、pH=5)、20℃、スプレー処理1分
<粉体塗料>
塗装に用いる粉体塗料として表1に示されるように配合し、ヘンシェルミキサーで攪拌後、2軸エクストルーダーで混練、ジェットミルで粉砕し、180〜250メッシュの分級機で分級を行い、体積平均粒子径20〜100μmの粉体塗料A〜Fを作製した。
Figure 2012213709
1)ポリエステル樹脂A:ダイセル・サイテック社製 CRYLCOAT 1680−6(カルボキシル基末端ポリエステル樹脂、酸価:50mgKOH/g、Tg:50℃)
2)ポリエステル樹脂B:ユニチカ社製 ER8155(カルボキシル基末端ポリエステル樹脂、酸価:37mgKOH/g、Tg:64℃)
3)エポキシ樹脂A:ジャパンエポキシレジン社製 エピコート1002(エポキシ当量:650g/eq、軟化点:78℃)
4)エポキシ樹脂B:ジャパンエポキシレジン社製 エピコート1004(エポキシ当量:915g/eq、軟化点:97℃)
5)硬化剤A:EMS社製 ヒドロキシアルキルアミド XL−552(ビス−ヒドロキシエチルアジパミド、水酸基価:660mgKOH/g)
6)硬化剤B:EMS社製 ヒドロキシアルキルアミド QM−1260(ビス−ヒドロキシプロピルアジパミド、水酸基価:550〜650mgKOH/g)
<試験板の作製>
上記実施例及び比較例で作製した粉体塗料において、各種表面処理を行った金属基材を用いて、コロナ帯電式静電粉体塗装機(旭サナック社製、PG−1型)又はトリボ帯電式静電塗装機(松尾産業社製、T−1a)を用いて−60KVの電圧で膜厚60〜80μmとなるように静電塗装し、熱風循環式加熱炉にて160℃×20分の条件でそれぞれ焼付硬化させ、そのまま室温になるまで放冷して試験板を作製した。下記に記載した各種評価試験を行い、その結果を表2に示す。
<塗膜の状態>
塗板作製後の塗膜表面の状態を、以下のように目視で評価した。
◎…良好
○…やや良好(一部ツヤ引けや凹凸が見られるが実用上問題なし)
×…不良(ツヤ引け、凹凸等が見られる)
<密着性>
JIS K 5600−5−6(クロスカット法)に準拠し、塗膜を1mm間隔100マスで碁盤目にカットし、粘着テープ貼付後のテープ剥離によって塗膜剥離が生じたマス目の数に応じて、下記のように評価した。
◎…0個(剥離無し)
○…1〜10個
×…11〜100個
<耐湿性>
試験板を50℃・95RH%の耐湿環境下に240時間置き、イオン交換水を用いて水洗・放冷・乾燥後塗膜の状態を目視にて評価する。試験後の塗膜について、上記の塗膜の状態、密着性についてそれぞれ評価した。
<耐塩水噴霧性>
塗板を35℃塩水噴霧環境下に240時間静置し、イオン交換水を用いて水洗・放冷・乾燥後塗膜の状態を目視にて評価する。試験後の塗膜について、上記の塗膜の状態、密着性についてそれぞれ評価した。
(実施例1〜12及び比較例1〜12)
実施例1〜12及び比較例1〜12の表面処理、粉体塗料の種類、塗装法、焼付条件、評価結果をそれぞれ表2〜表5に示す。
Figure 2012213709
Figure 2012213709
Figure 2012213709
Figure 2012213709

Claims (6)

  1. 金属基材に対して、リン酸イオン及び3価クロムイオンを含む処理液での表面処理により皮膜を形成する工程と、
    該皮膜上に下記組成
    (A)ポリエステル樹脂 30〜70質量%、
    (B)ヒドロキシアルキルアミド硬化剤 0.5〜10質量%、
    (C)顔料 20〜60質量%、
    を含有する粉体塗料で塗装し、焼付硬化する工程と
    を有することを特徴とする粉体塗膜の形成方法。
  2. 上記粉体塗料中に、更に(D)エポキシ樹脂を1〜10質量%含有する請求項1に記載の粉体塗膜の形成方法。
  3. 上記(A)ポリエステル樹脂が、酸価20〜80mgKOH/gの酸基末端ポリエステル樹脂である請求項1又は2に記載の粉体塗膜の形成方法。
  4. 上記処理液中に、リン酸イオン濃度として1000〜6000mg/l、又は3価クロムイオン濃度として1〜600mg/lを含有する請求項1〜3の何れかに記載の粉体塗膜の形成方法。
  5. 上記処理液のpHが、2〜6である請求項1〜4の何れかに記載の粉体塗膜の形成方法。
  6. 上記粉体塗料の塗装方法が、コロナ帯電式静電塗装又はトリボ帯電式静電塗装による請求項1〜5の何れかに記載の粉体塗膜の形成方法。
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