JP2012211252A - セルロース誘導体フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フィルムを、セルロース誘導体と、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するフルオレン化合物[例えば、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類および9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン類から選択された少なくとも1種と]で少なくとも構成する。このようなフィルムにおいて、フルオレン化合物の割合は、セルロース誘導体100重量部に対して、1〜60重量部程度であってもよい。
【選択図】なし
Description
セルロース誘導体としては、特に制限されず、種々のセルロース誘導体、例えば、セルロースエステル、セルロースカーバメート(例えば、セルロースフェニルカーバメートなど)、セルロースエーテルなどが使用できる。
セルロース誘導体組成物(又はフィルム)は、フルオレン化合物を含む。このようなフルオレン化合物は、前記のように、前記セルロース誘導体の可塑剤として機能しているようである。なお、フルオレン化合物は、セルロース誘導体との間の化学的相互作用のためか、分子レベル又は分子レベルに近い状態でセルロース誘導体に相溶可能である。そのため、従来、困難であったセルロース誘導体(特に、セルローストリアセテートなど)の溶融成形プロセスを可能にする。しかも、フルオレン化合物の割合が多くても、ブリードアウトを防止又は抑制することができるとともに、比較的少量でも、セルロース誘導体を効果的に可塑化可能である。そのため、本発明では、フルオレン化合物の使用により、樹脂組成物において、流動性(溶融流動性)、耐水性、表面硬さなどの諸特性を付与又は改善(又は向上)することもできる。
上記式(1)において、環Aで表される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環の他、少なくともベンゼン環骨格を有する縮合多環式芳香族炭化水素環[例えば、縮合二環式炭化水素環(インデン環、ナフタレン環などのC8−20縮合二環式炭化水素環、好ましくはC10−16縮合二環式炭化水素環など)、縮合三環式炭化水素環(アントラセン環、フェナントレン環など)などの縮合二乃至四環式炭化水素環など]などが挙げられる。なお、フルオレンの9位に置換する2つの環Aは、異なっていてもよく、同一であってもよいが、通常、同一の環である場合が多い。環Aのうち、ベンゼン環、ナフタレン環(特にベンゼン環)などが好ましい。
(b)環Aがベンゼン環又はナフタレン環であり、X1がヒドロキシル基であり、R1がC2−4アルキレン基であり、R2が、C1−6アルキル基、フェニル基、ハロゲン原子又はシアノ基であり、R3がC1−6アルキル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基又はN−モノC1−6アルキルアミノ基であり、kが0〜2の整数であり、mが1であり、n及びpが、同一又は異なって、0〜2の整数である化合物;
(c)環Aがベンゼン環であり、X1がヒドロキシル基であり、R1がC2−3アルキレン基であり、R2が、C1−4アルキル基又はフェニル基であり、R3がC1−4アルキル基、ヒドロキシル基であり、kが0又は1であり、mが1であり、n及びpが、同一又は異なって、0又は1である化合物;
(d)環Aがベンゼン環であり、X1がヒドロキシル基であり、R1がC2−3アルキレン基であり、kが0又は1であり、mが1であり、n及びpが0である化合物;及び
(e)環Aがベンゼン環であり、X1がヒドロキシル基であり、R1がエチレン基であり、R2がC1−3アルキル基であり、R3がC1−3アルキル基であり、kが0又は1であり、mが1であり、n及びpが、同一又は異なって、0又は1である化合物など。
本発明の樹脂組成物は、使用される用途などに応じて、本発明の効果を損なわない範囲で必要により、慣用の添加剤、例えば、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤(耐熱安定剤)など)、難燃剤、難燃助剤、他の可塑剤、耐衝撃改良剤、充填剤(又は補強剤)、分散剤、帯電防止剤、発泡剤、抗菌剤、滑剤、レタデーション上昇剤、波長分散調整剤などが挙げられる。これらの添加剤は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
前記樹脂組成物は、前記各成分(少なくともセルロース誘導体とフルオレン化合物と)を混合することにより製造できる。このような混合により、セルロース誘導体が、フルオレン化合物により可塑化される。
本発明のフィルムは、セルロース誘導体とフルオレン化合物を含んでおり、各種特性において優れている。例えば、セルロース誘導体としてセルローストリアセテートを用いると、比較的光学的等方性のフィルムを得やすい。また、本発明のフィルムは、セルロース誘導体だけでなく、フルオレン化合物を含んでいるので、光学的特性、耐熱性、耐溶剤性、耐水性などの特性において優れている。
偏光顕微鏡(NIKON製、OPTIPHOT−POL)を用い、複屈折の正負について判断するとともに、コンペンセータ法によるレタデーション値の測定を行った。
分光光度計((株)島津製作所製、UV3600)を用い、波長200〜800nmの範囲の光線に対する透過率(光線透過率(%))を測定した。
表1に示す成分を表1に示す割合で使用し、二軸押出機(テクノベル社製 KZW15/30 MG)を用いて220〜290℃のシリンダー温度にて溶融混練し、ペレット状のセルロース誘導体組成物を得た。得られたペレット状の樹脂組成物を、プレス成形機でホットプレスし、フィルム(厚み100〜150μm)を作製した。
BPEF:9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(大阪ガスケミカル(株)製)
安定剤:リン系酸化防止剤(住友化学(株)製、SUMILIZER GP)
Claims (13)
- セルロース誘導体と9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するフルオレン化合物とを含むフィルム。
- セルロース誘導体がセルローストリアセテートで構成されている請求項1記載のフィルム。
- フルオレン化合物が、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類および9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン類から選択された少なくとも1種である請求項1又は2の記載のフィルム。
- フルオレン化合物の割合が、セルロース誘導体100重量部に対して、1〜60重量部である請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム。
- さらに、フェノール系化合物、アミン系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物及びエポキシ系化合物から選択された少なくとも一種の安定化剤を含む請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム。
- 安定化剤の割合が、セルロース誘導体及びフルオレン化合物の合計100重量部に対して0.001〜10重量部である請求項5記載のフィルム。
- 延伸フィルムである請求項1〜6のいずれかに記載のフィルム。
- レタデーション値−3〜0nmを有する延伸フィルムである請求項1〜7のいずれかに記載のフィルム。
- セルロース誘導体および9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するフルオレン化合物を含む樹脂組成物をフィルム状に成形するフィルム成形工程を含む請求項1〜8のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
- さらに、少なくともセルロース誘導体および9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するフルオレン化合物を溶融混合する溶融混合工程を含み、フィルム成形工程において、この溶融混合工程を経て得られた溶融混合物をフィルム成形する請求項9記載の製造方法。
- フィルム成形工程を経て得られたフィルムを、さらに、延伸処理する延伸工程を含む請求項9又は10記載の製造方法。
- 延伸工程を経て、レタデーション値−3〜0nmを有する延伸フィルムを得る請求項11記載の製造方法。
- 延伸工程において、フィルムを各方向に1.3倍以上の延伸倍率で二軸延伸する請求項11又は12記載の製造方法。
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