JP2012211215A - 発泡体 - Google Patents

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Tetsuhiro Kato
哲裕 加藤
Yukinori Kurino
幸典 栗野
Koji Shimonishi
弘二 下西
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Abstract

【課題】常温よりも高い温度環境下においても体積減少が起こりにくく形状が安定している発泡体を提供する。
【解決手段】オレフィン系樹脂(A)、エラストマー(B)、及び導電付与剤(C)を含む発泡体であって、オレフィン系樹脂(A)75〜99質量%及びエラストマー(B)1〜25質量%からなる組成物100質量部に対して、導電付与剤(C)1〜10質量部を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、オレフィン系樹脂及びエラストマーを主成分とする樹脂組成物に発泡処理を施すことにより得られる発泡体に関する。
オレフィン系樹脂及びエラストマーを主成分とする樹脂組成物に発泡処理を施すことによって得られる発泡体として、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等からなる熱可塑性樹脂発泡体や、合成ゴム又は天然ゴムからなるゴム発泡体等が挙げられる。発泡体は、例えば、建築、土木、電気、エレクトロニクス、車輌等の各種分野において、気体又は液体から保護することが必要な部品や筐体(被密封体という)の周縁部分を密封するシール材、振動や衝撃を緩衝する緩衝材等に使用されている。
例えば、発泡体をシール材又は緩衝材として使用する場合には、発泡体の圧縮柔軟性、すなわち発泡体が圧縮状態から回復しようとする反発応力が被密封体の材質や使用条件に見合って適切に設定されていること、及び該発泡体が使用される被密封体の使用可能期間に亘って上記設定された反発応力が維持できることなどが求められる。
これに対して、発泡後に収縮や変形などにより発泡体の体積減少が起こりにくく、被密封体の使用可能期間に亘って所定の反発応力が維持できる発泡体が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載された発泡体であっても、使用環境によっては、体積減少が起こり得ることがわかってきた。例えば、上記発泡体が車輌内装用の緩衝材として用いられる場合、夏場の車内温度は70℃以上になる。また、エンジンルーム内において外装用の緩衝材として用いられる場合、エンジンルームの温度は120℃以上になる。このように、常温よりも高い温度環境では、発泡体の体積減少が起こり得る。
このため、発泡体を常温よりも高い温度環境において使用する場合には、発泡体を配置するときの発泡体の圧縮率を、体積減少を見込んで、常温環境での使用のときよりも高めに設定する措置が必要であり、設計上の困難性を高めていた。
特開2001−348452号公報
本発明は、常温よりも高い温度環境下においても体積減少が起こりにくく形状が安定している発泡体を提供することを目的する。
本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、オレフィン系樹脂及びエラストマーを主成分とし、かつ特定の材料を配合してなる組成物に発泡処理を施すことにより得られる発泡体は、常温よりも高い温度環境下において形状安定性が向上することを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の内容を含む。
[1]オレフィン系樹脂(A)、エラストマー(B)、及び導電付与剤(C)を含む発泡体であって、オレフィン系樹脂(A)75〜99質量%及びエラストマー(B)1〜25質量%からなる組成物100質量部に対して、導電付与剤(C)1〜10質量部を含む発泡体。
[2]オレフィン系樹脂(A)80〜95質量%及びエラストマー(B)5〜20質量%からなる組成物を用いる上記[1]の発泡体。
[3]前記導電付与剤(C)がグラファイト、カーボンブラック、カーボンファイバ、カーボンナノチューブ、及びカーボンナノホーンから選ばれる少なくとも1種の炭素質材料である上記[1]又は[2]の発泡体。
[4]発泡体の発泡倍率は、3.33〜40cm3/gである上記[1]〜[3]の発泡体。
[5]オレフィン系樹脂(A)とエラストマー(B)との合計質量は、前記発泡体の質量の60〜99質量%である上記[1]〜[4]の発泡体。
[6]エラストマー(B)がエチレン−プロピレン−ジエンゴム、及びアイオノマー樹脂から選ばれる少なくとも1種である上記[1]〜[5]の発泡体。
本発明によれば、常温よりも高い温度環境下においても体積減少が起こりにくく形状が安定している発泡体を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[発泡体]
本発明の発泡体は、オレフィン系樹脂(A)、エラストマー(B)、及び導電付与剤(C)を含む発泡体であって、オレフィン系樹脂(A)75〜99質量%及びエラストマー(B)1〜25質量%からなる組成物100質量部に対して、導電付与剤(C)1〜10質量部を含む。
本発明の発泡体では、オレフィン系樹脂(A)80〜95質量%及びエラストマー(B)5〜20質量%からなる組成物を用いることが好ましい。
本発明の発泡体の発泡倍率は、3.33〜40cm3/gであることが好ましく、より好ましくは、8〜38cm3/gであり、さらに好ましくは、16〜36cm3/gである。発泡体の発泡倍率が3.33〜40cm3/gであると、適正な反発応力が得られ、例えば、シール材や緩衝材として用いた際に、気体又は液体から保護することが必要な部品や筐体などの被密封体を変形させることがなく、被密封体の使用可能期間に亘って所定の反発応力を維持できる。これにより、密封性を維持することができる。また、使用可能期間に亘って緩衝材としての機能を維持することができる。
本発明の発泡体の気泡は、実質的に、独立気泡であることが望ましい。なお、本発明において「実質的に」とは、独立気泡率が65%程度以上であることを意味する。止水性の観点から、独立気泡率は、高い方が望ましく、好ましくは、65%以上であり、より好ましくは、85〜100%である。
本発明の発泡体において、オレフィン系樹脂(A)とエラストマー(B)との合計質量は、発泡体の質量の60〜99質量%であることが好ましく、90〜99質量%であることが、より好ましい。
また、本発明の発泡体の25%圧縮応力は、60〜85kPaであることが望ましい。発泡体をシール材として用いる際には、25%圧縮応力の範囲が60〜85kPaに規定することにより、シール材としての密封性を高めることができる。なお、25%圧縮応力が85kPaを超えると、柔軟性が不充分になり、気体又は液体から保護することが必要な部品や筐体などの形状にシール材が十分に追随できず、十分な密封性が得られないことがある。
また、本発明の発泡体では、表面抵抗率が5.0×108Ω/sq.以上あってもよい。表面抵抗率が5.0×108Ω/sq.以上あれば、導電性が求められる場所で利用できる。ここでいう導電性とは、帯電を比較的すみやかに消散させられる程度の導電性を持つ程度の表面抵抗率を有することを意味する。表面抵抗率が5.0×108Ω/sq.以上であると、帯電を比較的すみやかに消散させられると同時に、静電気を物体が接触した場合に、急激な静電気放電(ESD)を起こす可能性を低減できる。
これにより、急激な静電気放電(ESD)による電子機器の誤動作や損傷などの問題や、爆発性雰囲気における爆発を防ぐことができ、電子機器や自動車に使用するシール材や緩衝材に適用できる。
静電気放電は、一般的に、表面抵抗率が1.0×105Ω/sq.以上であると発生し難いとされているが、発泡体は、圧縮された状態で使用されることが多く、圧縮されると導電性が高まる可能性が考えられる。そこで、表面抵抗率は、5.0×108Ω/sq.程度以上であることが好ましい。
表面抵抗率は、1.0×1012Ω/sq.程度以下が好ましく、より好ましくは1.0×1010Ω/sq.以下であり、更に好ましくは1.0×109Ω/sq.以下である。表面抵抗率が5.0×108Ω/sq.程度以上1.0×1012Ω/sq.程度以下であれば、上記観点から、帯電を比較的すみやかに消散させられる程度の導電性を得ることが可能となる。特に、5.0×108Ω/sq.程度以上1.0×109Ω/sq.以下である場合は、急激な静電気放電を防止する効果が得られる。
[オレフィン系樹脂]
本発明の発泡体に含まれるオレフィン系樹脂(A)は、融点が60〜180℃程度、好ましくは80〜160℃の範囲にあることが望ましい。
オレフィン系樹脂(A)としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、プロピレン−エチレンブロック共重合体、エチレンを主成分とするエチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン系樹脂、プロピレンを主成分とするプロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレンを主成分とするエチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体、ポリブテン及びポリメチルペンテンの中から選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。
ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンを主成分とするエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンを主成分とするエチレン−エチルアクリレート共重合体などが挙げられる。
また、プロピレン−エチレンブロック共重合体とは、プロピレン単独重合体又はプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(a)と、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(b)から構成される、通称でのブロック共重合体を意味し、必ずしも成分(a)と成分(b)とが完全にブロック状に結合されたものでなくてもよい。かかるプロピレン−エチレンブロック共重合体としては、例えば、メタロセン系触媒を用いて、第1工程でプロピレン単独又はエチレン含量7質量%以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(a)を30〜95質量%、第2工程で成分(a)よりも3〜20質量%多くのエチレンを含有するプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(b)を70〜5質量%逐次重合することで得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体等が挙げられる。
プロピレン−エチレンブロック共重合体としては、示差走査熱量分析による吸熱ピークの少なくとも1つが155〜165℃であり、JIS K7210によるMFRが1〜10g/10分であるものが好ましい。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられ、上記プロピレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。
オレフィン系樹脂(A)としては、上述したオレフィン系樹脂の中から融点が上記範囲にあるものを適宜選択することができ、これらを単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
[エラストマー]
本発明の発泡体に含まれるエラストマー(B)としては、熱可塑性エラストマーが好適である。
このような熱可塑性エラストマーとしては、例えばエチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEB)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)及びアイオノマー樹脂の中から選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。
これらの中でも、エラストマー(B)としては、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、及びアイオノマー樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
熱可塑性エラストマーは、190℃、0.1rad/秒における複素粘弾性率が1.0×101〜2.0×104GPa程度、好ましくは2.0×101〜4.0×103GPaの範囲にあることが好適である。
アイオノマーとは、エチレン−メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋してなる熱可塑性エラストマーであり、「ハイミラン」という登録商標で、三井・デュポンポリケミカル社が製造販売している。
上述した熱可塑性エラストマーは、一般にガラス転移温度が室温以下(例えば20℃以下)であるため、発泡体に配合したとき、発泡体の柔軟性及び形状追随性を高めることができる。
本発明では、上記例示した熱可塑性エラストマーの中から、複素粘弾性率が上記の範囲にあるものを適宜選択することができ、これらを単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
なお、190℃における複素粘弾性率は、以下に示す方法で測定することができる。すなわち、試料の熱可塑性エラストマーの試験片(幅10mm、長さ50mm、厚さ2mm)について、粘弾性測定装置を使用し、ねじれ0.05%、振動数0.1Hzの条件にて、190℃における複素粘弾性率G*を測定し、可撓性を評価する。値が小さいほど可撓性に優れる。
[導電付与剤]
本発明で用いることのできる導電付与剤としては、グラファイト、グラフェン、カーボンブラック、カーボンファイバ、カーボンナノチューブ及びカーボンナノホーンなどの炭素質材料から選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。
<カーボンブラック>
炭素質材料の中でも、いわゆる導電性カーボンブラックを用いることが好ましい。導電性カーボンブラックとしては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラックなどが挙げられ、中でも、ケッチェンブラックが好ましい。
<カーボンナノチューブ>
カーボンナノチューブは、炭素6員環構造を主構造とする黒鉛(グラファイト)シートが円筒状に閉じた構造を有するチューブ状の炭素多面体である。一般に直径0.1nm〜300nm、アスペクト比10〜1000の中空繊維状のものであって、流動触媒化学気相成長法(CCVD法)、化学気相成長法(CVD法)、レーザーアブレーション法、アーク放電法等によって製造することができる。
カーボンナノチューブには、1層の黒鉛シートが円筒状に閉じた構造を有する単層ナノチューブと、黒鉛シートが何層も同心筒状に閉じた多層構造を有する多層ナノチューブとがある。本発明において使用可能なカーボンナノチューブに、特に制限はないが、量産性と価格の点から、直径5〜200nm、特に直径10〜100nmの単層又は多層ナノチューブが好ましい。多層ナノチューブとしては、昭和電工株式会社製の商品名マルチウォール、VGCF III、VGCF IV、ハイペリオン・カタリシス・インターナショナル社製の商品名 Graphite Fibrils Grades BN、日機装株式会社製の商品名MWCNT、GSIクレオス社製商品名カルベール、本荘ケミカル株式会社製のカーボンナノチューブ等が挙げられる。
<カーボンナノホーン>
カーボンナノホーンは、カーボンナノチューブの先端が閉じている円錐形状を有する。カーボンナノホーンは、主に、固体状黒鉛単体物質のレーザ蒸発法により製造することができる。
<炭素質材料以外の導電材料>
本発明では、上述した炭素質材料以外の導電材料を使用することもできる。炭素質材料以外の導電材料として、炭素繊維が挙げられる。炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、石炭・石油に由来するピッチ系炭素繊維が挙げられる。
また、導電材料として、純金属系フィラー(例えば、銅、銀、金、鉄、白金、ニッケル、アルミニウムなど)、合金系フィラー(例えば、ステンレス、真鍮など)、金属酸化物系フィラー(例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化銀、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウムなど)などが挙げられる。
このほかのフィラーとして、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物、ケイ酸およびその塩類、クレー、タルク、雲母(マイカ)、ベントナイト、シリカ、アルミニウムシリケート、バサルト繊維などが挙げられる。
また、発泡体における導電付与剤の含有量は、オレフィン系樹脂(A)75〜99質量%及びエラストマー(B)1〜25質量%からなる組成物100質量部に対して、1〜10重量部%であることが好ましく、3〜8質量%であることがより好ましい。
オレフィン系樹脂(A)とエラストマー(B)とを含む組成物に対して、導電付与剤の含有量が1質量%以上であれば、常温よりも高い温度環境下においても発泡体の体積減少を起こりにくくするとともに、発泡体の形状を安定化し得る。
[添加剤]
本発明の発泡体には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。添加剤の種類は特に限定されず、発泡体の成形に通常使用される各種添加剤を使用できる。このような添加剤としては、例えば、滑剤、収縮防止剤、充填剤、難燃剤などが挙げられる。
これらの添加剤の添加量は、気泡の形成等を損なわない範囲で適宜選択でき、通常の樹脂の発泡成形に用いられる添加量を採用できる。なお、添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
<滑剤>
滑剤は、オレフィン系樹脂(A)とエラストマー(B)と発泡剤などを含む発泡前の樹脂組成物の流動性を向上させるとともに、発泡前の樹脂組成物の熱劣化を抑制する。滑剤としては、樹脂の流動性の向上に効果があるものであれば特に制限されず、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックスなどの炭化水素系滑剤;ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などの脂肪酸系滑剤;ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、硬化ヒマシ油、ステアリン酸ステアリルなどのエステル系滑剤などが挙げられる。なお、このような滑剤は、単独で又は二種以上組み合わせて用いることができる。
滑剤の添加量は、例えば、樹脂100質量部に対して、0.05〜30質量部程度が好ましく、より好ましくは0.8〜18質量部であり、さらに好ましくは1〜6質量部である。添加量が0.5質量部〜30質量部の範囲にあれば、流動性が高くなりすぎず、気泡破れなどによる発泡倍率の低下が防止できる。また、発泡処理時における樹脂組成物の延伸性の低下を防止でき、気泡からのガス抜けや気泡破れを防ぐことができる。
<収縮防止剤>
収縮防止剤は、発泡体の気泡膜の表面に分子膜を形成して発泡剤ガスの透過を効果的に抑制する作用を有する。本発明の発泡体に使用可能な収縮防止剤としては、発泡剤ガスの透過を抑制する効果を示すものであれば特に限定されず、例えば、脂肪酸金属塩、具体的にはステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などの脂肪酸のアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、リチウム、バリウム、亜鉛、鉛の塩など;脂肪酸アミド[脂肪酸の炭素数12〜38程度、好ましくは12〜22程度の脂肪酸アミド(モノアミド、ビスアミドのいずれであってもよいが、微細セル構造を得るためにはビスアミドが好適に用いられる。)、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ラウリン酸ビスアミドなど]等が挙げられる。なお、このような収縮防止剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
収縮防止剤の添加量は、例えば、樹脂100質量部に対して、通常0.5〜10質量部、好ましくは0.7〜8質量部、さらに好ましくは1〜6質量部である。添加量が5〜10質量部であれば、気泡の成長過程において気泡からのガス抜けを防止でき、発泡倍率の低下を防止できる。
なお、これらの添加剤は、例えば滑剤と収縮防止剤を組み合わせて用いてもよい。例えば、ステアリン酸モノグリセリドなどの滑剤と、エルカ酸アミド、ラウリン酸ビスアミドなどの収縮防止剤を組み合わせて用いてもよい。
<充填剤>
本発明の発泡体を構成する原料組成物には、充填剤が配合されていてもよい。充填剤としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、ベントナイト、カーボンブラック、フュームドシリカ、アルミニウムシリケート、アセチレンブラック、アルミニウム粉等が挙げられる。
<難燃剤>
本発明の発泡体を構成する原料組成物には、難燃剤が配合されていてもよい。難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物の他に、デカブロモジフェニルエーテルなどの臭素系難燃剤、ポリリン酸アンモニウムなどのリン系難燃剤などが挙げられる。
<その他の添加剤>
本発明の発泡体に添加することができるこのほかの添加剤としては、例えば、気泡核剤、結晶核剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、収縮防止剤、補強剤、帯電防止剤、界面活性剤、加硫剤、表面処理剤などが挙げられる。
これらの添加剤の添加量は、気泡の形成等を損なわない範囲で適宜選択でき、通常の樹脂の発泡成形に用いられる添加量を採用できる。なお、添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
[発泡体の製造方法]
<製造方法1>
本発明の発泡体の製造方法は、オレフィン系樹脂とエラストマーとを含む組成物に気泡を形成できる方法であればよく、いわゆるバッチ方式、連続方式等を適用できる。
オレフィン系樹脂、エラストマー、及び導電付与剤を含む組成物(原料組成物という)を単軸押出機、二軸押出機等の押出機を使用して押し出すことにより、原料組成物をシート状に加工する。
あるいは、原料組成物をバンバリーミキサー、加圧ニーダなどの混練機で混練し、この後、カレンダー、押出機、コンベアベルトキャスティングなどを用いて混練しながら連続的に搬送することにより原料組成物をシート状に加工する。
シート状に加工された原料組成物を高圧容器中に入れて、二酸化炭素、窒素、空気などからなるガスを高圧で注入し、原料組成物中にガスを含浸させる。十分に高圧ガスを含浸させた時点で圧力を解放し(通常、大気圧まで)、原料組成物中に気泡核を発生させる。気泡核は、室温で成長させてもよいが、加熱により成長させてもよい。
気泡を成長させた後、原料組成物を冷水などにより冷却し、原料組成物中に形成された気泡の形状を固定する。これにより、発泡体を得ることができる。
なお、原料組成物は、シート状に加工されなくてもよい。用途に応じて種々の形状のものを使用できる。また、発泡に供する成形体は押出成形、プレス成形のほか、射出成形等の他の成形法により作製することもできる。
《製造方法1に用いられる発泡剤》
上述した製造方法では、発泡剤として、高圧の不活性ガスを用いることが好ましい。使用可能な不活性ガスとしては、オレフィン系樹脂及びエラストマーに対して不活性であり、原料組成物の内部に注入可能であれば特に制限されない。例えば、二酸化炭素、窒素ガス、空気等が挙げられる。これらの不活性ガスを混合して用いてもよい。これらの不活性ガスのうち、原料組成物への含浸量が多く、含浸速度が速い二酸化炭素が好適である。
原料組成物に不活性ガスを含浸させる際、不活性ガスは超臨界状態であることが好ましい。超臨界状態では、原料組成物への不活性ガスの溶解度が増大するため、原料組成物中に混入される不活性ガスの濃度を高濃度にすることができる。原料組成物に高濃度の不活性ガスが混入されていると、原料組成物に不活性ガスを含浸した後、急激に圧力を降下すると、より多くの気泡核が発生する。このため、気泡核が成長してできる気泡の密度が高くなり、気孔率に対して微細な気泡が得られる。
なお、二酸化炭素の臨界温度は31℃、臨界圧力は7.4MPaである。
《製造方法1における発泡処理》
製造方法1において、不活性ガスを原料組成物に含浸させるときの圧力条件は、不活性ガスの種類や製造上の操作性等を考慮して適宜選択できるが、6MPa以上(例えば、6〜100MPa程度)、好ましくは8MPa以上(例えば8〜100MPa程度)であることが好ましい。圧力が6MPa以上であれば、本発明の発泡体に好適な気泡径及び気泡密度を得ることができる。
不活性ガスとして、二酸化炭素を用いる場合には、圧力条件は、5〜100MPa程度(好ましくは7.4〜100MPa程度)とすることが好ましい。
不活性ガスを原料組成物に含浸させるときの圧力が低いほど、ガスの含浸量は相対的に少なくなるため、気泡核が形成される速度が低下し、気泡核数が少なくなる。この場合には、1気泡あたりのガス量が増え、圧力を解放した際に、気泡径が成長しやすくなる。
このため、圧力が6MPaより低い場合には、気泡径が大きく成長する傾向があり、平均セル径(平均気泡径)が200μm以下程度の気泡を得るには不向きである。
不活性ガスを原料組成物に含浸させるときの温度条件は、使用する不活性ガスや原料組成物によって適宜選択できるが、製造上の操作性等を考慮すると、例えば、10〜350℃程度とすることが好ましい。不活性ガスが含浸された状態の原料組成物を押し出して成形と同時に発泡を行う連続方式では、60〜350℃とすることが好ましい。
なお、不活性ガスとして二酸化炭素を用いる場合には、上述した超臨界状態を保持するため、32℃以上、特に40℃以上に設定することが好ましい。
不活性ガスの混合量は、特に制限されないが、発泡性や、平均気泡径のサイズの観点から、原料組成物全量に対して1〜15質量%とすることが好ましく、より好ましくは2〜12質量%であり、さらにより好ましくは3〜10質量%である。
<製造方法2>
本発明の発泡体は、加熱により分解して発泡ガスを発生させる熱分解型発泡剤を用いても製造できる。
製造方法2では、オレフィン系樹脂と、エラストマーと、導電付与剤とを含む原料組成物に、さらに熱分解型発泡剤を添加した組成物(発泡性原料組成物という)を用いる。発泡性原料組成物に、必要に応じて、架橋剤、充填剤等を配合してもよい。
製造方法2では、発泡性原料組成物を作製し、発泡性原料組成物をバンバリーミキサー、加圧ニーダなどの混練機で混練する。この後、カレンダー、押出機、コンベアベルトキャスティングなどを用いて混練しながら連続的に搬送することにより発泡性原料組成物をシート状に加工する。加工後、発泡性原料組成物を加熱することによって、熱分解型発泡剤を発泡させる。
発泡性原料組成物を架橋する必要がある場合には、発泡性原料組成物を架橋した後、熱分解型発泡剤を発泡させる。あるいは、熱分解型発泡剤を発泡させた後、発泡性原料組成物を架橋してもよい。
《製造方法2に用いられる発泡剤》
発泡剤は、加熱により分解して発泡ガスを発生させる熱分解型発泡剤であれば、特に限定されることなく使用できるが、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられる。これらの熱分解型発泡剤は単独で用いられてもよく2種以上が併用されてもよい。
発泡性原料組成物中における熱分解型発泡剤の配合量は、オレフィン系樹脂と、エラストマーとの合計100質量部に対して3〜35質量部とすることが好ましく、より好ましくは、6〜33質量部であり、さらに好ましくは、12〜32質量部である。配合量が上記範囲であれば、発泡体の発泡倍率を3.33〜40cm3/gとすることができる。
また、発泡処理方法は、プラスチックフォームハンドブック(牧広、小坂田篤編集 日刊工業新聞社発行 1973年)に記載されている方法を含め、公知の方法を用いることができる。
《製造方法2における架橋処理》
製造方法2において、必要に応じて実行する架橋処理は、電離性放射線による物理架橋処理であってもよいし、有機過酸化物若しくは硫黄化合物による化学架橋処理であってもよい。
(化学架橋処理)
化学架橋処理に使用可能な架橋剤としては、例えば、有機過酸化物、硫黄、硫黄化合物等が挙げられる。なかでも、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、クミルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチルパーオキシクメンなどが挙げられる。
硫黄化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、一塩化硫黄、二塩化硫黄などが挙げられる。
化学架橋処理で用いる架橋剤の1分間半減期温度は、熱分解型発泡剤の分解温度よりも高いことが好ましい。このような熱分解型発泡剤及び架橋剤を用いることにより、発泡成型後に架橋を施すことができる。また、寸法安定性が高く、高倍率・高架橋度の発泡体を得ることができる。ここで、熱分解型発泡剤の分解温度とは、熱分解型発泡剤が急激に分解し始める温度をいい、具体的には、熱重量分析(TG)によって昇温速度1℃/分の条件下にて測定したとき、質量が50%減少するときの温度である。
発泡性原料組成物中における架橋剤の配合量は、適宜、調整することができるが、エラストマー100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、0.5〜4質量部であることがより好ましい。架橋剤の配合量がこの範囲であれば、発泡剤が良好に発泡し、独立気泡を形成することができる。
(物理架橋処理)
物理架橋処理に用いられる電離性放射線としては、例えば、紫外線、γ線、電子線などが挙げられるが、電子線を用いることが好ましい。電子線の場合の照射量としては、エラストマーの特性や発泡体の用途によって適宜調整することができる。例えば、0.5〜10Mradが好ましく、0.7〜5.0Mradがより好ましい。電子線源に制限はないが、例えば、コックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
電離性放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むことが好ましい。紫外線源に制限はないが、例えば、高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
電離性放射線を用いた物理架橋処理を選択する場合には、発泡性原料組成物には、従来公知の光重合開始剤を適量含有させることが好ましい。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
[評価方法]
実施例及び比較例として作製した発泡体を以下に示す方法で評価した。
<発泡体の発泡倍率の測定>
JIS K7222に準拠して測定した。
<発泡体の気泡径>
光学顕微鏡(20倍)による目視観察により測定した。
<発泡体のゲル分率(架橋度)>
ゲル分率は、次のように測定した。発泡体100mgを70℃のエチルメチルケトン25ミリリットル中に7〜22時間に亘って浸漬し、不溶解分を200メッシュの金網で濾過した。金網上の残渣を真空乾燥して乾燥残渣の質量A(mg)を測定し、下記式により算出した。
ゲル分率(質量%)=100×A/100
<加熱による体積変化率>
体積変化率は、次のように測定した。
発泡体の押出方向(以下「縦方向」という)に100mm、発泡体の面方向に沿いであって押出方向に直交する方向(以下「横方向」という)に100mmである矩形状の試験片を作製した。
次に、この試験片を70℃にて22時間養生し、試験片の縦方向、横方向、及び発泡体の表面に対して直交する方向(以下「厚み方向」という)における寸法を測定した。下記式によって各方向における収縮率を算出し、縦方向、横方向、厚み方向のそれぞれの収縮率の平均値を算出した。また、試験片を120℃にて22時間養生し、同様にして体積変化率を算出した。体積変化率は、5.0%未満を「良好」と判断した。
収縮率(%)=100×(養生前の寸法−養生後の寸法)/養生前の寸法
<25%圧縮応力>
JIS K6767に準拠する方法で、試験片の25%圧縮応力を測定した。25%圧縮応力は、60〜85kPaであることが好ましい。
<表面抵抗>
JIS K7194に準拠して、導電性プラスチックの4探針法により、試験片の抵抗率を測定した。表面抵抗率は、5.0×108Ω/sq.以上であることが好ましい。
[実施例1〜2、比較例1〜3]
<実施例1>
オレフィン系樹脂、エラストマー、導電付与剤、その他の成分として酸化防止剤、導電付与剤以外の導電材料を表1に示す配合量で配合して原料組成物を作製した。原料組成物を加圧ニーダ「DS3」(株式会社モリヤマ製)を用いて混練した。この後、原料組成物を二軸スクリュー押出し機「KZW」(株式会社テクノベル製)に供給して混練して押出すとともに、押出機の途中から二酸化炭素を7重量%となるように圧入して押出し、減圧することによって二酸化炭素を発泡させた。押出機の先端に取り付けたT−ダイよって混練された原料組成物を押出し、幅約80〜120mm、厚さ約2〜4mmのシート状の発泡体を得た。シート状の発泡体をペレット化し、発泡体F1のサンプルを得た。各成分の配合量は、表1に示すとおりである。
加圧ニーダーの運転条件は、30rpm、200℃、20分であった。押出機の運転条件は、1000g/h、150rpm、200℃、押出機の先端圧力20MPaであった。また、得られた発泡体の発泡倍率は、26.73cm3/gであった。
<実施例2>
オレフィン系樹脂、エラストマーの割合を変更した以外は、実施例1と同様の条件によって発泡体F2を作製した。得られた発泡体の発泡倍率は、26.23cm3/gであった。各成分の配合量は、表1に示すとおりである。
<比較例1>
オレフィン系樹脂、エラストマーの割合を変更した以外は、実施例1と同様の条件によって発泡体F3を作製した。得られた発泡体の発泡倍率は、30.54cm3/gであった。各成分の配合量は、表1に示すとおりである。
<比較例2>
オレフィン系樹脂、エラストマーの割合を変更した以外は、実施例1と同様の条件によって発泡体F4を作製した。得られた発泡体の発泡倍率は、23.26cm3/gであった。各成分の配合量は、表1に示すとおりである。
<比較例3>
オレフィン系樹脂、エラストマーの割合を変更した以外は、実施例1と同様の条件によって発泡体F5を作製した。得られた発泡体の発泡倍率は、12.82cm3/gであった。各成分の配合量は、表1に示すとおりである。
Figure 2012211215
*1:オレフィン系樹脂 ポリプロピレン「E105PW」(プライムポリマー株式会社製)
*2:エラストマー EPDM「EP21」(JSR株式会社製)
*3:導電付与剤 多層カーボンナノチューブ「FloTube 9000」(シーナノ・テクノロジー社株式会社製)
*4:酸化防止剤 「SUMILIZER(登録商標)TP−D」(住友化学株式会社製)
*5:導電材料 酸化亜鉛(平均粒径0.6μm)(堺化学工業株式会社製)
<評価結果>
評価結果を表2に示す。
Figure 2012211215
上記結果から、オレフィン系樹脂、エラストマー、及び導電付与剤の配合量が、オレフィン系樹脂(A)90質量%、エラストマー(B)10質量%であり、オレフィン系樹脂(A)及びエラストマー(B)からなる組成物100質量部に対して導電付与剤(C)を5質量部配合した実施例1、また、オレフィン系樹脂(A)80質量%、エラストマー(B)20質量%であり、オレフィン系樹脂(A)及びエラストマー(B)からなる組成物100質量部に対して導電付与剤(C)を5質量部配合した実施例2は、70℃体積変化率及び120℃体積変化率がともに5.0%未満にできることが判った。
すなわち、オレフィン系樹脂、エラストマー、及び導電付与剤の配合量が上記範囲で構成された発泡体は、常温よりも高い温度環境下においても体積減少が起こりにくく形状が安定していることがわかった。
また、実施例1,2の発泡体の25%圧縮応力は、71,80kPaであった。したがって、実施例1,2の発泡体は、気密性を必要とする部品や筐体の形状に十分追従することができ、シール材としての密封性を高めることができることがわかった。
また、実施例1,2の発泡体の表面抵抗率が5.0×108Ω/sq.以上あるため、急激な静電気放電(ESD)による電子機器の誤動作や損傷などの問題や、爆発性雰囲気における爆発の誘発を防ぐことができ、電子機器や自動車に使用するシール材や緩衝材として好適に使用できる。

Claims (6)

  1. オレフィン系樹脂(A)、エラストマー(B)、及び導電付与剤(C)を含む発泡体であって、
    オレフィン系樹脂(A)75〜99質量%及びエラストマー(B)1〜25質量%からなる組成物100質量部に対して、導電付与剤(C)1〜10質量部を含む発泡体。
  2. オレフィン系樹脂(A)80〜95質量%及びエラストマー(B)5〜20質量%からなる組成物を用いる請求項1に記載の発泡体。
  3. 前記導電付与剤(C)がグラファイト、カーボンブラック、カーボンファイバ、カーボンナノチューブ、及びカーボンナノホーンから選ばれる少なくとも1種の炭素質材料である請求項1又は2に記載の発泡体。
  4. 発泡体の発泡倍率は、3.33〜40cm3/gである請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
  5. オレフィン系樹脂(A)とエラストマー(B)との合計質量は、前記発泡体の質量の60〜99質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡体。
  6. エラストマー(B)がエチレン−プロピレン−ジエンゴム、及びアイオノマー樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡体。
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