JP2012210171A - 可動式栽培用光反射装置およびこれを用いた栽培方法 - Google Patents

可動式栽培用光反射装置およびこれを用いた栽培方法 Download PDF

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【課題】この発明は、高設栽培ベッドによる植物栽培に適用でき、簡易な構成で簡単に任意の反射角を選択できる可動式栽培用光反射装置およびこれを用いた栽培方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
上記の課題を解決するために、この発明の可動式栽培用光反射装置1は、高設栽培ベッド100の側部102に第1側辺3を取り付けられる栽培用光反射面部材2と、栽培用光反射面部材2の第1側辺3に対向する第2側辺4を上向きに押し上げて支持する複数の支持棒材5と、高設栽培ベッド100の長さ方向に沿って設けられ支持棒材5に連結された線状部材6を有し、長さ方向に沿った線状部材6の移動により栽培用光反射面部材2の角度を変えるものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、高設栽培ベッドによりイチゴを栽培する技術に関するものである。
イチゴ苗などを地面に植えて栽培する場合、手入れや収穫などの作業をかがんだ姿勢で行わなければならず、身体への負担が大きいため、一人の作業者が担当できる面積が限定される。これらの作業は農業従事者の高齢化によって、大きな問題となり、農作業の負担を低減するために高設ベッドを使用した高設栽培が普及しつつある。イチゴ栽培の場合、果房を高設ベッドの側部に垂らした状態で栽培すると、果実が高設ベッド間の谷間に位置するため、果実の受光量が少なくなる。受光量が減少することによって、果実の着色が悪くなり、商品価値が低くなる。
そこで、高設ベッドの側部に板状の果実支持板を張り出して、果房をこの果実支持板上に載せる栽培方法も考えられている。しかし、果実支持板の張り出しを長くすると、高設ベッド間の通路が狭くなり、通行や作業の妨げとなる。果実支持板の張り出す長さを短縮すれば通路の問題はある程度軽減されるが、果房の全長をカバーできなくなるため、先端部の果実は果実支持板の外側に垂れ下がり、受光量が減少する。果実支持板を45度程度の角度で下向きに傾斜させても、受光量は減少する。
特許文献1(特開2009−219421号)には、高設栽培ベッド本体と、高設栽培ベッド本体の側部に対して一端を回転自在に取り付けられた果実支持板と、果実支持板を下から支持する支持棒材を有し、支持棒材は果実支持板の長さ方向に沿って複数本設けられており、この支持棒材の上下動によって果実支持板が高設栽培ベッド本体の側部に対して回転するようにしたイチゴ用高設栽培ベッドと高設栽培ベッド本体についての記載がある。さらに、それぞれの支持棒材を上下動させるひも状部材と、高設栽培ベッド本体に沿って設けられ各ひも状部材を連結する連結部材を有し、連結部材の端部に動滑車が接続されていると支持棒材を動かす機構について記載されている。そして、高設栽培ベッド本体の上部に培地とイチゴの株を置き、果実支持板で果実を成長させるものであり、連結部材を進退させることによって複数の支持棒材を連動して上下動させ、果実への日光の照射状態を調整するとイチゴの栽培の中での果実支持板の動かし方について記載されている。
さらに、特許文献2および特許文献3には反射板により反射光を植物に当てること、および、その反射の角度の変更が記載されている。特許文献2には、素掘りした窪地の底面上に多段の植物栽培床を設置し、該植物栽培床の少なくとも一側面側に表面凹凸を有する乱反射板を、該乱反射板からの太陽反射光が植物栽培床へ乱反射するように設置し、かつ窪地上全体をプラスチックシートで気密的に覆った地下式多段植物栽培装置が記載されており(実用新案登録請求の範囲)、さらに任意の角度に調整可能にすることが記載されている。特許文献3には、折りたたみ自在な板状体の表角を光反射面として光反射板を構成し、ウネ間などに簡単且つ安定的に設置でき、またその開き角度を調整することにより、農作物側へ光を十分に反射させて、その生育を促進できるとの記載がある。
特開2009−219421号公開特許公報 実開平5−29351号公開実用新案公報 実開昭62−160837号公開実用新案公報
特許文献1に記載された発明では、イチゴ栽培用高設ベッドの側面に果実支持板の一端を取り付け、さらにその反対側に下から突き上げる支持棒材を取り付け、この支持棒材を上下させることにより果実支持板を高設栽培ベッド本体の側部に対して回転する装置を用意し、この果実支持板にイチゴの株から通路側に下垂した果房を載せ、作業者が収穫や葉かぎ等の作業のため通路を通過する時以外は、支持棒材を上側に突き上げ、果実支持板を水平面まで持上げることにより果実への受光量を増やし、着色の向上を図ろうとするものである。この方法では、果実の重量を支えたまま上下に動かすことから、果実支持板本体には強度が必要であり、そのためある程度の重量となる。その重量と果実の重量を支える支持棒材も強度が必要となり、設備コストの上昇につながるという面もある。
また、特許文献1の発明では、果実支持板の上で果実を生長させることから、果実は果実支持板上に乗っているので、果実支持板の上下運動の際には果実と果実支持板の間に生じる摩擦などによって果実表皮の傷みが発生しないように注意する必要もある。
一方、反射板を利用する方法であれば、直射光に加えて反射光を利用し、より多い光量が得られるという利点がある。しかし、高設ベッドを並設して栽培を行う場合、特許文献2や特許文献3の発明のように大きな反射板の構造体を栽培植物の横に置くようなことはできない。また、そのような大きな構造体の反射板は重くなるので、その角度を変えるには大きな労力が必要であり、さらに、微妙な角度調整などはできない。
この発明は、高設栽培ベッドによる植物栽培に適用でき、簡易な構成で簡単に任意の反射角を選択できる可動式栽培用光反射装置およびこれを用いた栽培方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明の可動式栽培用光反射装置は、高設栽培ベッドの側部に第1側辺を取り付けられる栽培用光反射面部材と、栽培用光反射面部材の第1側辺に対向する第2側辺を上向きに押し上げて支持する複数の支持棒材と、高設栽培ベッドの長さ方向に沿って設けられ支持棒材に連結された線状部材を有し、長さ方向に沿った線状部材の移動により栽培用光反射面部材の角度を変えるものである。高設栽培ベッドの中央線に沿って設けられる線状部材と、高設栽培ベッドの両側部それぞれに取り付けられる栽培用光反射面部材とを備え、この線状部材の両側に支持棒材が連結して、線状部材の移動により高設栽培ベッドの両側部の栽培用光反射面部材の角度を同時に変えるようにしてもよい。あるいは、高設栽培ベッドの支持脚に取り付けられる脚部取付部材と、脚部取付部材に設けられる線状部材支持部材を備え、線状部材を支持脚の外側で支持することにより、高設栽培ベッドの外側に可動式栽培用光反射装置を設けてもよい。
さらに、支持棒材と線状部材が連結棒材を介してリンク状に連結し、少ない力で線状部材を引っ張って栽培用光反射面部材を持ち上げられるようにしてもよい。
また、この発明の植物栽培方法は、上述の可動式栽培用光反射装置を使用し、線状部材により栽培用光反射面部材の角度を調整して反射光を植物に照射しながら高設栽培ベッド上で植物を栽培する。
この発明の可動式栽培用光反射装置および植物栽培方法は、高設栽培ベッド本体の側部に対して上端を取り付けられた栽培用光反射面部材と、栽培用光反射面部材下端を横から支持する支持棒材を有し、支持棒材は栽培用光反射面部材の長さ方向に沿って複数本設けており、この支持棒材の突き出しによって栽培用光反射面部材が高設栽培ベッド本体の側部に対して回転するので、栽培用光反射面部材を斜めに張り出すことによって上部に日光の反射光を照射し、果実や下位葉の受光量を高めることができる。そして、通路を使用するときには栽培用光反射面部材を引き戻すことによって通行や作業のスペースを広くとることができる。また、栽培用光反射面部材の張り出しの仕組みは簡単で、かつ使用部材も少ないことから設置にかかるコストは少なくて済む。
可動式栽培用光反射装置の第1の例を示す正面図である。 同平面図である。 可動式栽培用光反射装置の第1の例の作用を示す概念図である。 可動式栽培用光反射装置の第1の例の動作を示す概念図である。 可動式栽培用光反射装置の第2の例を示す正面図である。 同平面図である。 同側面図である。 可動式栽培用光反射装置の第2の例の作用を示す概念図である。 可動式栽培用光反射装置の第2の例の動作を示す概念図である。 可動式栽培用光反射装置の第3の例を示す正面図である。 同平面図である。 同側面図である。 脚部取付部材を示す斜視図である。 西側表面のイチゴの赤色示数を示すグラフである。 東側表面のイチゴの赤色示数を示すグラフである。
本発明を実施するための形態について、図面に基づいて詳細に説明する。可動式栽培用光反射装置の第1の例を示す正面図、図2は同平面図である。
可動式栽培用光反射装置1は、高設栽培ベッド100に取り付けられるものである。高設栽培ベッド100は、培土ベッド101など栽培用媒体を保持する細長い部材と、これを支持する本体架台部を備え、本体架台部の両側部には水平な直管102があり、これを支持脚103が支えている。
可動式栽培用光反射装置1は、高設栽培ベッド100の側部に第1側辺3を取り付けられる栽培用光反射面部材2と、栽培用光反射面部材2の第1側辺3に対向する第2側辺4を上向きに押し上げて支持する複数の支持棒材5と、高設栽培ベッド100の長さ方向に沿って設けられ支持棒材5に連結された線状部材6を有する。
栽培用光反射面部材2も細長い長方形状の部材であり、パネル状のものやシート状のものなどである。その表面は光を反射する反射面であり、光を全反射させるものでも乱反射させるものでもよい。ここでは、光を乱反射させるシートを使用した。この栽培用光反射面部材2の長辺の一方を第1側辺3とし、高設栽培ベッド100側部の直管102に取り付けている。この第1側辺3に対向する長辺を第2側辺4とし、この第2側辺4には棒状の補強材を設けている。
高設栽培ベッド100の中央線に沿って線状部材6が設けられている。線状部材6としては、細長い棒材などでもよいが、ここではワイヤーを使用していて、高設栽培ベッド100が設置されている地面より20cmほどの高さに張られている。この線状部材6は高設栽培ベッド100のほぼ全長に渡って張られており、その先端部は高設栽培ベッド100の外側に引き出されている(図示省略)。
また、栽培用光反射面部材2の第2側辺4に沿って、複数の支持棒材5が実質的に等間隔かつ平行に設けられ、その端部が第2側辺4に接続されている。また、支持棒材5の他端部は線状部材6に連結されている。
図3は可動式栽培用光反射装置の第1の例の作用を示す概念図である。栽培用光反射面部材2の第2側辺4と支持棒材5、および支持棒材5と線状部材6は、それぞれリング状の部材などを介して相互に回転可能に接続されていて、角度の変化が拘束されないようになっている。また、支持棒材5と線状部材6は、直角ではない角度θになっている。なお、この第1の例では、線状部材6上の各接続点で2本ずつの支持棒材5が左右対称に取り付けられているが、図3ではその一方の線状部材のみを表示している。
支持棒材5と線状部材6の角度θが鋭角である向き(図3において下向き)に牽引力を加えて線状部材6を引っ張ると、線状部材6はその方向に移動し、支持棒材5と線状部材6の角度θが増大する、すなわち、支持棒材5の他端部が線状部材6から離れる方向に押し出される。これによって、栽培用光反射面部材2の第2側辺4には外に押し出そうとする力が加わる。そして、第1側辺3を中心とした円周にほぼ沿って上昇する。
図4は可動式栽培用光反射装置の第1の例の動作を示す概念図である。栽培用光反射面部材2が閉じていてほぼ垂直に垂れている時は、支持棒材5と線状部材6の角度θが最も小さい。栽培用光反射面部材2の第2側辺4にかかる重力により、線状部材6にはその状態を保つような力が加わっているが、それに逆らう方向に引っ張ると線状部材6は移動し、角度θが増大して第2側辺4はある程度押し上げられる(図4b)。さらに線状部材6を引っ張って角度θが直角に近づいたときに、栽培用光反射面部材2は最も開いた状態になる(図4c)。線状部材6への牽引力を調整することによって、栽培用光反射面部材2の反射面を任意の形向きに設定することができ、線状部材6をその位置に固定すれば、栽培用光反射面部材2の形向きが維持される。
この実施例においては、ある高設栽培ベッドの両側の栽培用光反射面部材を同時に同じ傾きに設定することができる。
つぎに、可動式栽培用光反射装置の第2の例について説明する。図5は可動式栽培用光反射装置の第2の例を示す正面図、図6は同平面図、図7は同側面図である。これは前述の第1の例の変形例である。したがって、第1の例と共通する事項については詳述を避け、第2の例に特有な点を主に説明する。
第1の例では、線状部材6と栽培用光反射面部材2の第2側辺4は1本の略直線状の支持棒材5で連結されていた。これに対し、この例では略直線状の支持棒材5と連結棒材7がL字状に結合され、一体的なL字リンクを形成している。たとえば、鋼線を折り曲げて形成することができる。そして、その折れ曲がり部、すなわち、支持棒材5と連結棒材7の結合部には、リング状の遊動支点部材8が設けられている。
線状部材6の両側には、遊動支点支持部材9が平行に設けられている。この遊動支点支持部材9は、リング状の遊動支点部材8を遊動可能に取り付けるものであり、レールやワイヤーなどが使用できる。この遊動支点支持部材9に沿って遊動支点部材8は移動できるが、遊動支点支持部材9から離れるような動きは規制される。また、連結棒材7と線状部材6はひも状部材10を介して接続されている。
図8は可動式栽培用光反射装置の第2の例の作用を示す概念図である。第1の例においては、垂れた状態の栽培用光反射面部材2の引き上げを開始するとき、図3aに示すように支持棒材5と線状部材6の角度θが小さく、強い索引力を加えなければ栽培用光反射面部材2の引き上げに必要なモーメントが得られなかった。一方、この例では、遊動支点8を支点としたてこが構成され、弱い牽引力で線状部材6を引いても、強い押し出し力を支持棒材5に発生させることができる。
図9は可動式栽培用光反射装置の第2の例の動作を示す概念図である。支持棒材5と連結棒材7によりL字アームが形成されている。高設栽培ベッドの長さ方向において、栽培用光反射面部材2の第2側辺4と支持棒材5の連結点の位置と、連結棒材7と線状部材6の連結点の連結点の位置は、相互にずれていて、栽培用光反射面部材2が垂れ下がった状態の時が、そのずれが最も大きい(図9a)。
線状部材6を第2側辺4と支持棒材5の連結点の方向(図9において下向き)に引くと、連結棒材7と線状部材6の連結点は線状部材6を第2側辺4と支持棒材5の連結点の方に移動し、支持棒材5によって第2側辺4が押し上げられる(図9b)。さらに線状部材6を牽引し、第2側辺4と支持棒材5の連結点と連結棒材7と線状部材6の連結点が最も接近したとき、第2側辺4が最も高く持ち上げられる(図9c)。
つぎに、可動式栽培用光反射装置の第3の例について説明する。図10は可動式栽培用光反射装置の第3の例を示す正面図、図11は同平面図、図12は同側面図、図13は脚部取付部材を示す斜視図である。第1の例および第2の例においては、線状部材6などを培土ベッド101の下に設置し、それに外部の栽培用光反射面部材2と連結しなければならない。しかし、培土ベッド101を不織布やとたんなどで作成した場合、厳冬期のイチゴ栽培などでは両側部に培地保温のためにビニールフィルムなどで作られたスカートを取り付けることがある。この場合、培土ベッド101の下に開閉機構の部材を設置することが困難である。この第3の例は、全ての部材をその外側に設置できるようにしたものである。
培土ベッド101は支柱である支持脚103により支えられている。脚部取付部材11は、この支持脚103に装着されるものである。プラスチックなど弾性のある素材で作られており、一部が開口したチューブ状の形状を有し、その内面12は支持脚103の外側面に対応した形状になっている。たとえば、支持脚103が外径22mmの鋼管の場合、脚部取付部材11の内径も22mmか、それより若干小さい程度である。ここでは、スカート16の裾部を固定するための部材として市販されているようなものを流用している。
脚部取付部材11の開口部13の反対側の外側面には穴14が形成され、そこに針金などで作られたガイド部材15が取り付けられている。ガイド部材15はフック状またはリング状の通し穴を有し、線状部材6の横方向の動きを規制するようになっている。
開口部13を押し当てることによって、簡単に脚部取付部材11を支持脚103に装着することができる。スカート16が設けられている場合でも、その上から取り付けることができる。スカートがないときにも取り付けられることはいうまでもない。たとえば、地面から20cmの高さで取り付けていく。
ガイド部材15の通し穴に線状部材6を通していき、高設栽培ベッド100の両端部まで張り渡す。そして、支持棒材5の一端部を線状部材6に、他端部を栽培用光反射面部材の第2側辺4に接続する。
この第3の例の作用は第1の例に似ており、線状部材6を引くことによってI字アームである支持棒材5を長径として回転するカム運動が生じ、栽培用光反射面部材の第2側辺4が外向きに押し出される。
この例の可動式栽培用光反射装置は、高設栽培ベッド100のそれぞれの側部に個別に設けられる。従って、両側部に設けるほか、片側だけに設置することも可能である。また、栽培用光反射面部材2の傾きも独立に設定できるので、それぞれの側面に対する光の入射が異なる場合は、それぞれに最適な角度に設定することが可能である。
この例の可動式栽培用光反射装置を全長11mおよび全長40mのイチゴ栽培用の高設栽培ベッドに対して適用したところ、栽培用光反射面部材2はイチゴ果実に触れることなく、スムーズに開閉できることが確認された。
さらに、この発明の実施例について説明する。この発明の可動式栽培用光反射装置および栽培方法をイチゴ栽培に適用したものである。反射シートとして、タイベック(商品名)、シルバーマルチ(商品名)、ミラーマルチ(商品名)と呼ばれる製品を使用した。反射シートをこの発明の栽培方法によって可動させて栽培した。また、比較として、斜めまたは下垂状態に固定した栽培、および反射シートを使用しない栽培(対照区)も実施した。
高設栽培ベッドは南北に沿って設置されており、西側と東側のイチゴの着色状態を測定した。図14は西側表面のイチゴの赤色示数を示すグラフ、図15は東側表面のイチゴの赤色示数を示すグラフである。赤色示数は果実の赤味を評価する指標であり、ここでは園芸学会を始めとして広く採用されている算定法に基く。明度L*、赤色度a*、黄色度b*より次の式で求める。
赤色示数=a*×1000/(L*×b*)
この数値が大きいほど、赤さの程度が高いことを示す。ここでは、明度L*、赤色度a*、黄色度b*を色彩色差計(ミノルタ社製)で測定した。
グラフより反射シートを可動させた場合、すなわち、この発明の植物栽培方法を適用した場合、着色が向上していることが確認できる。東西ともに同様の傾向であり、着色向上は安定している。また、ガク下への色まわり、着色が速くなり、果実の収穫ペースが早まることが確認された。
イチゴ果実の糖度についても測定した。表1はイチゴ果実の糖度の測定値を示す。これより、この発明の植物栽培方法を適用した場合、糖度も向上し、対照区に比べて0.9〜1.0度高いことがわかる。
Figure 2012210171
1.可動式栽培用光反射装置
2.栽培用光反射面部材(反射シート)
3.栽培用光反射面部材の第1側辺
4.栽培用光反射面部材の第2側辺
5.支持棒材
6.線状部材
7.連結棒材
11.脚部取付部材
15.線状部材支持部材(ガイド部材)
100.高設栽培ベッド
102.高設栽培ベッドの側部(直管)
103.支持脚

Claims (5)

  1. 高設栽培ベッドの側部に第1側辺を取り付けられる栽培用光反射面部材と、栽培用光反射面部材の第1側辺に対向する第2側辺を上向きに押し上げて支持する複数の支持棒材と、高設栽培ベッドの長さ方向に沿って設けられ支持棒材に連結された線状部材を有し、長さ方向に沿った線状部材の移動により栽培用光反射面部材の角度を変える可動式栽培用光反射装置。
  2. 高設栽培ベッドの中央線に沿って設けられる線状部材と、高設栽培ベッドの両側部それぞれに取り付けられる栽培用光反射面部材とを有し、この線状部材の両側に支持棒材が連結されていて、線状部材の移動により高設栽培ベッドの両側部の栽培用光反射面部材の角度を変える請求項1に記載の可動式栽培用光反射装置。
  3. 支持棒材と線状部材が連結棒材を介してリンク状に連結されている請求項1または請求項2に記載の可動式栽培用光反射装置。
  4. 高設栽培ベッドの支持脚に取り付けられる脚部取付部材と、脚部取付部材に設けられる線状部材支持部材を有し、線状部材を支持脚の外側で支持する請求項1に記載の可動式栽培用光反射装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の可動式栽培用光反射装置を使用し、線状部材により栽培用光反射面部材の角度を調整して反射光を植物に照射しながら高設栽培ベッド上で植物を栽培する植物栽培方法。
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