JP2012209528A - 有機tft用ゲート絶縁膜および該絶縁膜を有する有機tft素子 - Google Patents

有機tft用ゲート絶縁膜および該絶縁膜を有する有機tft素子 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、表面撥水性、絶縁性に優れた薄膜を与える硬化性組成物からなる有機TFT用ゲート絶縁膜およびそれを用いた有機薄膜トランジスタ素子を提供することである。
【解決手段】本発明とは、エポキシ基含有化合物を主成分とする硬化性組成物から成り、硬化後の薄膜表面における水接触角が95度以上であることを特徴とする有機TFT用ゲート絶縁膜であり、絶縁性に優れ、かつ表面撥水性が高いことより有機TFT用絶縁膜として適用でき、優れたトランジスタ特性発現する有機TFT素子を与える得ることを特徴する。
【選択図】 図1

Description

本発明は表面撥水性、絶縁性に優れた薄膜を与える硬化性組成物からなる有機TFT用ゲート絶縁膜および該絶縁膜を有する有機TFT素子に関するものである。
次世代ディスプレイとして注目を浴びる電子ペーパーなどをはじめとしたフレキシブルディスプレイ開発のため、プラスチックフィルムを基板として低温かつ印刷法等の簡便に形成できる有機薄膜トランジスタが盛んに研究開発されており、半導体材料としてペンタセン、ポリチオフェン化合物を用いるTFT(特許文献1)が提案されており、中には液晶ディスプレイで用いられているaSiTFT並みの特性を有する半導体材料も見出されている。
一方半導体材料のみならず、ゲート絶縁膜、パッシベーション膜等の絶縁膜についても様々な有機材料が検討開発されており、ポリビニルアルコール(特許文献1)やポリイミド系ポリマー(特許文献2)、シリコン系ポリマー(特許文献3)などの有機材料を絶縁膜として用いたトランジスタが提案されているが、絶縁膜表面に存在する水酸基などの極性基の存在により良好な半導体特性示さず、シランカップリング剤などで表面処理を施してから用いなければ機能せず煩雑なプロセスを必要とし、表面処理無しに単層で未だ満足する特性を示す有機絶縁膜材料は得られていない。
特開2007−027524号公報 特開2004−349319号公報 特開2007−43055号公報
上記事情から本発明の目的は、表面撥水性、絶縁性に優れた薄膜を与える硬化性組成物からなる有機TFT用ゲート絶縁膜および該絶縁膜を有する有機TFT素子を提供することである。
上記事情に鑑み、本発明者らが鋭意検討した結果、下記特長を有する硬化性組成物を用いることにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の構成を有するものである。
1). エポキシ基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物、フェノール基含有化合物から選ばれる化合物を主成分とする硬化性組成物であり硬化後の薄膜表面における水接触角が95度以上となる有機TFT用ゲート絶縁膜。
2). 硬化性組成物が平均重量分子量500〜10000のポリシロキサン化合物を含有することを特徴とする1)に記載の有機TFT用ゲート絶縁膜。
3). ポリシロキサン化合物がビニル基、SiH基、メタクリル基、エポキシ基、アミノ基から選ばれる一種の反応性官能基を含有することを特徴とする2)に記載の有機TFT用ゲート絶縁膜。
4). エポキシ基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物、フェノール基含有化合物がポリシロキサン系化合物であることを特徴とする1)〜3)のいずれか一項に記載の有機TFT用ゲート絶縁膜。
5). エポキシ基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物、フェノール基含有化合物が同一分子中にアルケニル基またはSiH基を有することを特徴とする1)〜4)のいずれか一項に記載の有機TFT用ゲート絶縁膜。
6). エポキシ基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物、フェノール基含有化合物が下記一般式(I)
で表される構造を含有する化合物であることを特徴とする1)〜5)のいずれか一項に記載の有機TFT用ゲート絶縁膜。
7). アルカリ現像性を有することを特徴とする1)〜6)のいずれか一項に記載の有機TFT用ゲート絶縁膜。
8). エポキシ基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物が、下記式(X1)、(X2)で表される各構造と、カルボキシル基とからなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする1)〜7)のいずれか一項に記載の有機TFT用ゲート絶縁膜。
9). 1)〜8)のいずれか一項に記載のゲート絶縁膜を有する有機TFT素子。
本発明の硬化性組成物より得られる薄膜は絶縁性および表面撥水性に優れ、有機薄膜トランジスタ用ゲート絶縁膜として機能し、良好なトランジスタ特性の有機TFT素子を与え得る。
有機TFTの断面参考図
発明の詳細を説明する。
本発明の硬化性組成物は、絶縁性および表面撥水性に優れた有機TFT用ゲート絶縁膜を与え得る。
一般に多官能エポキシ化合物や多官能アクリレート化合物からなる硬化性組成物は硬化後、絶縁性、耐薬品性に優れる薄膜を形成する事より厳しい絶縁性が必要となる例えば、有機TFT用ゲート絶縁膜等の部材に好適である。ただし上記樹脂は親水性官能基を多く含有し硬化後の薄膜表面について親水性となるため、TFTとした際には半導体の電子・キャリアのトラップの影響が大きく、トランジスタ特性としては良好な素子が得られない。
本発明の硬化性組成物は、絶縁性および表面撥水性に優れ、良好なトランジスタ特性を有する有機TFT用のゲート絶縁膜として機能する。
(有機TFT用ゲート絶縁膜について)
本発明において適用する有機薄膜トランジスタ(有機TFT)とは、半導体層を有機化合物で形成されている電界効果トランジスタ(FET)を示し、ソース、ドレイン、ゲート電極から形成されている3端子型、およびバックゲートを含む4端子型のトランジスタのことであり、ゲート電極に電圧印加することで発生するチャネルの電界によりソース/ドレイン間の電流を制御する薄膜型のトランジスタを示す。トランジスタ構造としては、ゲート電極の配置に関してボトムゲート型、トップゲート型、さらにはソース/ドレイン電極の配置に関し、ボトムコンタクト型、トップコンタクト型など適用する表示デバイス構造に応じて様々な組み合わせ、配置で設計可能であり、特にはその構造は限定されない。
用いられる有機半導体層としても様々な素材のものが提案されており、ペンタセン系、オリゴチオフェン系、フタロシアニン系等の化合物が挙げられ、特に限定されず適用できる。また半導体層の形成方法に関しては、蒸着、塗布など様々な工法が提案されており特に限定されない。
電極材料に関しても特に限定せず使用することができるが、簡便に入手できるAu、Al、Pt、Mo、Ti、Cr、Ni、Cu、ITO、PEDOT/PSS等の導電性高分子、導電ペースト、メタルインクなどが好適に用いられる。抵抗が低く、高い導電性を得られることよりAl、Mo、Ti、Cr、Ni、Cuなどが好ましく、また透明性が必要な箇所に適用できる観点からは、ITO、PEDOT/PSSが好ましく、電極表面が酸化されにくくの安定性に優れるという観点からは、Au、Ptが好ましく、印刷プロセスにより形成できることよりPEDOT/PSS等の導電性高分子、導電ペースト、メタルインクが好ましく用いられる。
本発明でいう有機TFTにおけるゲート絶縁膜とは、ゲート電極と半導体層との間に形成される絶縁膜であり、微小な電流リークでも動作不良に影響することから極めて高い絶縁信頼性が必要となる部材である。
形成方法に関しても、CVD法、スパッタリング、蒸着、塗布など様々な工法が提案されているが、有機TFTの場合、印刷プロセスによる低コストプロセス、フレキシブルディスプレイなどへの展開のために塗布により形成できるものが好ましい。さらに塗布方法に関しても特に限定されるものではなく、スピンコーティング、ディップコーティング、ロールコーティング、スクリーンコーティング、スプレーコーティング、スピンキャスティング、フローコーティング、スクリーン印刷、インクジェットまたはドロップキャスティングなどの方法で成膜することができる。また成膜する基材の状態に合わせ適宜、溶剤による粘度調整を行っても良い。
しかしながら、塗布プロセスで形成できる絶縁膜材料として、様々な樹脂化合物が適用・検討されているが、下記トランジスタ特性において満足する材料およびそれを用いる薄膜トランジスタは得られていない。一般的にトランジスタとして、アクティブマトリクス型のフラットパネルディスプレイを安定的に駆動し鮮明な画像を得る為の重要特性としては、キャリア移動度、閾値電圧、ヒステリシス、ON/OFF比が重要特性とされている。
閾値電圧(Vth)とは、電流伝達特性における飽和線形領域のX切片を示し、0Vに近ければ近いほど優れたトランジスタであると言える。ヒステリシスは、トランジスタ反復動作に対し電流伝達特性の再現動作性を示し、反復動作時の閾値電圧の差で表される。ディスプレイとした際の安定した駆動のためには、ヒステリシスが5V以下であることが好ましく、3V以下であることがさらに好ましい。
またON/OFF電流比とは、トランジスタの電流伝達特性におけるソース/ドレイン間に流れる電流Iの最大電流値と最小電流値の比(Ion/Ioff)で表され、大きければ大きいほどスイッチとしての機能に優れることを示し、駆動に大電流を要する方式の駆動も可能となることより10以上であることが好ましい。
キャリア移動度についてもTFTデバイスの良し悪しを示す重要な指標であり、値が大きいほどTFT素子として優れている事を示し、0.1以上であることが好ましい。
特に本発明で得られる表面撥水性の高い薄膜をゲート絶縁膜として用いることにより、ヒステリシスが小さくかつON/OFF電流比の大きい有機TFTを得ることができる。
(表面撥水性について)
一般的に有機TFT用ゲート絶縁膜の表面状態はトランジスタ特性を左右する因子として重要である。硬化性樹脂として一般によく用いられるエポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂は、絶縁性・絶縁耐圧性に優れる薄膜が得られ、様々な電子部品の絶縁膜として用いられている。ただ硬化物、薄膜表面に極性基を多く含有するため、有機TFT用ゲート絶縁膜として適用すると良好なトランジスタ特性が発現されにくいという問題があった。
この問題を解決するため、本発明者は表面の水に対する接触角が高い膜を有機TFTのゲート絶縁膜として用いることにより良好なトランジスタ特性が発現できることを見いだした。その接触角とは95°以上であり、好ましくは99°以上である。特には100°〜110°あるいは101°〜104°が好ましい。
一般的には、表面撥水性の高い塗膜が得られる樹脂は多く知られており、特にフッ素系樹脂(例えば商品名:サイトップ、旭硝子製)や環状オレフィン系炭化水素樹脂(例えば商品名:ゼオネックス、ゼオノア、日本ゼオン製、商品名:アートン、JSR製)、エポキシ基やアクリル基を有しないポリシロキサン系樹脂などが挙げられるが、これら材料では基材上に製膜する際にムラ、ハジキが発生しやすく均一な膜が得られにくく、またエッチング液などのTFT製造プロセスでの薬液耐性や基材密着性に乏しいためTFT用絶縁膜として適用しにくく、加熱による架橋反応を伴う硬化性樹脂の方が好ましい。
本発明のゲート絶縁膜に用いることが出来る硬化性樹脂としては、エポキシ基、アクリロイル基、あるいはフェノール基を含有した化合物を主成分とする硬化性組成物を用いることが出来る。これら組成物は製膜性に優れ、得られる膜は基材との密着性に優れかつ高い表面接触角を有するものとなり、有機TFT用絶縁膜として好適と言える。
(エポキシ基含有化合物)
本発明で言うエポキシ基含有化合物のエポキシ基とは、脂環式エポキシ基、グリシジル基から選ぶことができる。加熱もしくは光エネルギーにより架橋することで絶縁性に優れる膜として機能する。
代表的な化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂類、1,2−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、1,3−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、1,4−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、1,5−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、1,6−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、1,7−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、1,8−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、2,3−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、2,6−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、2,7−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂などのジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂類、トリグリシジルイソシアヌレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルなどの直鎖脂肪族エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビフェニル型エポキシ樹脂、1,4−シクロへキサンジオール型エポキシ樹脂、1,4−シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂などの脂環式エポキシ化合物などが挙げられる。
さらにこれらの絶縁性を増す為に、架橋剤として酸無水物化合物やアミン化合物、リン化合物なども添加しても良い。
また耐薬品性に優れる薄膜が得られる観点よりエポキシ基を有するポリシロキサン化合物であることが好ましい。エポキシ基を有するポリシロキサン化合物を得る方法として、特には限定されないが、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物を縮合させる方法、エポキシ基とアルケニル基とを同一分子内中に有する化合物とSiH基を有するポリシロキサン化合物とをヒドロシリル化反応させて得る方法などが挙げられるが、未反応部位が残りにくく絶縁性に優れる薄膜となりやすい観点より、後者の方法が好適である。
この製法の際使用するエポキシ化合物としては、ビニルシクロヘキセンオキシド、アリルグリシジルエーテル、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等が挙げられ、光重合反応性に優れている観点より、脂環式エポキシ基を有する化合物であるビニルシクロヘキセンオキシドが特に好ましい。またオキセタニル基を有する化合物として、アリルオキセタニルエーテル、ビニルオキセタニルエーテルなどが挙げられる。オキセタニル基を有する化合物を用いる場合、硬化物強度が向上するという観点より好ましい。
またSiH基を有するポリシロキサン化合物としては、ジメチルヒドロシリル基で末端が封鎖されたポリもしくはオリゴシロキサン、側鎖にSiH基を有する環状、鎖状のポリもしくはオリゴシロキサン等が挙げられる。
中でも環状シロキサンを適用する事で強度、耐溶剤性に優れる膜が得られやすいという観点より好ましく、具体例としては、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−メチルー3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジメチルー5,7−ジハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジプロピル−5,7−ジハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリハイドロジェン−7−ヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリハイドロジェン−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタハイドロジェン−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサハイドロジェン−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサン等が例示される。特に入手性の観点より、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが好ましい。
さらに得られる膜の強度向上、密着性向上を目的に、上記光重合性官能基を有するポリシロキサン化合物をヒドロシリル化反応により得る際、上記エポキシ基とアルケニル基とを同一分子内中に有する化合物に加え、以下に示すアルケニル化合物を同時にヒドロシリル化反応させることもできる。ここで使用できるアルケニル化合物とは一分子中炭素―炭素二重結合を有している化合物であれば特に限定されるものではなく、ポリシロキサン化合物、有機化合物にかかわらず特に限定なく使用することができる。またこのアルケニル化合物については、より密着性に優れる薄膜が得られる観点より光重合官能基を有さないものが好ましい。
特に硬化物の透明性および硬化性の観点より、アルケニル基を有するポリシロキサンが好ましく適用できる。またその中でも化合物入手性の観点より、ケイ素基に結合したビニル基(Si−CH=CH基)を有するポリシロキサン化合物であることが好ましい。
具体例としては、ジメチルビニルシリル基で末端が封鎖されたポリもしくはオリゴシロキサン、側鎖にビニル基を有するポリもしくはオリゴシロキサン、テトラメチルジビニルジシロキサン、ヘキサメチルトリビニルトリシロキサン、SiH基を含有する環状シロキサンの例示でSiH基の水素原子をビニル基、アリル基等のアルケニル基に置換したものなどを例示することができる。
具体的には1,3,5,7−ビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジビニル−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリビニル−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタビニル−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサビニル−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサン等の化合物が挙げられる。
アルケニル基含有有機化合物の例としては、シロキサン単位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素としてC、H、N、O、Sおよびハロゲンからなる群から選ばれる原子より構成される化合物であって、1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を有する有機化合物であれば特に限定されない。またSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
上記有機化合物は、有機重合体系の化合物と有機単量体系化合物に分類でき、有機重合体系化合物としては例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物を用いることができる。
また有機単量体系化合物としては例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系:直鎖系、脂環系等の脂肪族炭化水素系:複素環系の化合物およびこれらの混合物等が挙げられる。
単量体系化合物の具体的な例としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、1,4−ブタンジオールジアリルエーテル、ノナンジオールジアリルエーテル、1,4−シクロへキサンジメタノールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ビスフェノールSのジアリルエーテル、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3−ビス(ビニルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス(ビニルオキシ)アダマンタン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、ビニルノルボルネン、ビニルシクロへキセン、ビニルシクロペンテン、ブタジエン、イソプレン、オクタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,9−デカジエン、ジアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、2,5−ジアリルフェノールアリルエーテル等が挙げられる。
特に、透明性および耐熱性、耐光性、絶縁性が高いという観点から下記一般式(II)で表されるトリアリルイソシアヌレート及びその誘導体が特に好ましい。
(式中Rは水素原子または炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい)で表される化合物が好ましい。
上記一般式(II)のRとしては、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、炭素数1〜20の一価の有機基であることが好ましく、炭素数1〜10の一価の有機基であることがより好ましく、炭素数1〜4の一価の有機基であることがさらに好ましい。これらの好ましいRの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
これら化合物の具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノベンジルイソシアヌレート、ジアリルモノプロピルイソシアヌレートが挙げられ、特に入手性の観点よりトリアリルイソシアヌレートが挙げられる。
中でもトランジスタ特性が良好な面から、エポキシ基、SiH基、(X1)あるいは(X2)で示される基を有することが好ましい。
((メタ)アクリロイル基含有化合物)
本発明で用いることが出来る(メタ)アクリロイル基含有化合物としては、エポキシ基含有化合物と同様、加熱もしくは光エネルギーにより架橋することで膜と成すことが出来る化合物である。用いることが出来る(メタ)アクリロイル基含有化合物としては具体的には、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸変性アリルグリシジルエーテル(ナガセケムテックス製、商品名:デナコールアクリレートDA111)、ウレタン(メタ)アクリレート類、エポキシ(メタ)アクリレート類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパン(メタ)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール系(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、 (メタ)アクリレート基含有ポリシロキサン等が挙げられる。
また耐薬品性に優れる薄膜が得られる観点より(メタ)アクリロイル基を有するポリシロキサン化合物であることが好ましい。(メタ)アクリロイル基を有するポリシロキサン化合物を得る方法として、特には限定されないが、(メタ)アクリロイル基を有するアルコキシシラン化合物を縮合させる方法、(メタ)アクリロイル基を有する化合物とSiH基を有するポリシロキサン化合物とをヒドロシリル化反応させて得る方法などが挙げられるが、未反応部位が残りにくく絶縁性に優れる薄膜となりやすい観点より、後者の方法が好適である。
この製法の際使用できる(メタ)アクリロイル基含有化合物としては、上述の(メタ)アクリロイル基含有化合物を用いることが出来る。
またSiH基を有するポリシロキサン化合物としては、前記エポキシ基含有化合物で用いることができる化合物を用いることが出来る。
さらに得られる膜の強度向上、密着性向上を目的に、上記光重合性官能基を有するポリシロキサン化合物をヒドロシリル化反応により得る際、光重合性官能基を有さないアルケニル化合物を同時にヒドロシリル化反応させることもできることも前記エポキシ基含有化合物の場合と同様である。
(フェノール基含有化合物)
本発明でのフェノール基含有化合物としては、ポリビニルフェノール系樹脂やフェノール基を有するポリシロキサン樹脂などが挙げられる。またさらに絶縁性を増す為に、架橋剤としてメラミン化合物を添加しても良い。
また耐薬品性に優れる薄膜が得られる観点よりフェノール基を有するポリシロキサン化合物であることが好ましい。フェノール基を有するポリシロキサン化合物を得る方法として、特には限定されないが、フェノール基を有するアルコキシシラン化合物を縮合させる方法、フェノール基を有するアリル基含有化合物とSiH基を有するポリシロキサン化合物とをヒドロシリル化反応させて得る方法などが挙げられるが、未反応部位が残りにくく絶縁性に優れる薄膜となりやすい観点より、後者の方法が好適である。
この製法の際使用できるフェノール基含有化合物としては、アリルフェノール等のフェノール基含有化合物を用いることが出来る。
またSiH基を有するポリシロキサン化合物としては、前記エポキシ基含有化合物で用いることができる化合物を用いることが出来る。
さらに得られる膜の強度向上、密着性向上を目的に、(メタ)アクリル化合物やエポキシ化合物、さらにはヒドロシリル化反応性化合物(SiH基含有化合物およびアルケニル化合物)などの架橋性化合物を添加することもできる。
(ポリシロキサン化合物について)
本発明では、ポリシロキサン化合物を添加することにより、より表面撥水性の効果を得ることが可能である。用いるポリシロキサン系化合物はエポキシ基含有化合物、アクリロイル基含有化合物、フェノール基含有化合物から選ばれる化合物との相溶性の観点より、平均重量分子量が10000以下であることが好ましく、よりエポキシ基含有化合物やアクリレート基含有化合物や、フェノール基含有化合物と分離しにくく硬化物にムラが生じにくいため8000以下であることがより好ましい。また薄膜形成時に揮発しにくいという観点より、平均分子量は500以上であることが好ましく、より撥水性効果が発現しやすいという観点より1000以上であることがさらに好ましい。この時の分子量は、ポリスチレン換算での数値とする。
またポリシロキサン化合物としては、硬化後の薄膜における耐溶剤性に優れるという観点より、分子中に反応性官能基を有するものが好ましく、反応性官能基としては、ビニル基、SiH基、水酸基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基などが挙げられ特に限定されない。これらの中でもより反応後に極性基が発生しにくいヒドロシリル化反応性を有するビニル基、SiH基を有する化合物が好適に用いることができる。
ジメチルヒドロシリル基で末端が封鎖されたポリもしくはオリゴシロキサン、側鎖にSiH基を有する環状、鎖状のポリもしくはオリゴシロキサン等が挙げられる。具体的には両末端SiH基含有ジメチルポリシロキサン(gelest製、商品名DMS−H03、DMS−H11、DMS−H21、DMS−H11)をあげることができる。
ビニル基を有するポリシロキサン化合物としては、上記した好ましい分子量の化合物が好ましく、例えばジメチルビニルシリル基で末端が封鎖されたポリもしくはオリゴシロキサン、側鎖にビニル基を有するポリもしくはオリゴシロキサン、テトラメチルジビニルジシロキサン、ヘキサメチルトリビニルトリシロキサン、SiH基を含有する環状シロキサンの例示でSiH基の水素原子をビニル基、アリル基等のアルケニル基に置換したものなどが例示できる。
これらの中において、入手性の観点より、ジメチルビニルシリル基で末端が封鎖された直鎖状ポリシロキサンが好ましく、具体的には(MeSiO−)ユニットが5以上20以下であるものが好ましく、接触角向上効果が少量で発現しやすいという観点より7以上15以下であるものがさらに好ましい。具体的には両末端ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(gelest製、商品名DMS−V03、DMS−V05、DMS−V21、DMS−V22)をあげることができる。
またその他環状シロキサン化合物としては、1,3,5,7−ビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジビニル−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリビニル−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタビニル−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサビニル−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサン、ビニル基含有シロキサンオリゴマー(クラリアント製、商品名MQV5、MQV7)等の化合物が挙げられる。
またあらかじめSiH基を有するポリシロキサン化合物とビニル基を有するポリシロキサン化合物とをヒドロシリル化反応し分子量調整したもので好適に使用することができ、上記例示の化合物は特にどの組み合わせも限定せず使用することができる。
ポリシロキサン化合物の使用量としては、エポキシ基含有化合物、アクリロイル基含有化合物、フェノール基含有化合物から選ばれる化合物の重量を越えない範囲(重量)で用いることが好ましい。具体的には、エポキシ基含有化合物、アクリロイル基含有化合物、フェノール基含有化合物から選ばれる化合物100重量部あたり0.05〜50重量部,さらには0.1〜10重量部で用いることが好ましい。
用いる量が少ないと水に対する接触角が安定的に高くし難く、多いと絶縁膜と成し当該膜上に更に積層させる場合、積層物がはじかれる部分がでる等不具合がでる傾向がある。
(ヒドロシリル化触媒)
上記ポリシロキサン系化合物を得る方法として好適に用いられるヒドロシリル化反応させる場合の触媒としては、公知のヒドロシリル化触媒を用いればよい。
触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
触媒の添加量は特に限定されないが、スムーズにヒドロシリル化反応を進行させるため、好ましい添加量の下限は、反応時に仕込んでいるSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合(以下、単に「アルケニル基」と称することがある。)1モルに対して10−8モル、より好ましくは10−6モルであり、好ましい添加量の上限は上記化合物のアルケニル基1モルに対して10−1モル、より好ましくは10−2モルである。
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレート等の1、2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下限は、10−2モル、より好ましくは10−1モルであり、好ましい添加量の上限は10モル、より好ましくは10モルである。
(アルカリ現像性について)
本発明のエポキシ基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物において、分子中に下記式(X1)〜(X2)で表される各構造と、カルボキシル基とからなる群のいずれかの構造を有しているものを用いることで硬化性組成物がアルカリ水溶液への溶解が可能となり、アルカリ現像可能なフォトレジスト機能を付与することができるため好ましい。
特に下記特定構造を有する化合物を簡便に得られる方法として、アルケニル基を有し、かつ、下記式(X1)〜(X2)で表される各構造と、
カルボキシル基とからなる群から選ばれる少なくとも一種を同一分子内に有する化合物とエポキシ基もしくは(メタ)アクリロイル基とSiH基とを有するポリシロキサン化合物を一部ヒドロシリル化反応させることで得る事ができる。
得られる硬化物が耐熱性に優れる観点より、これら有機構造の中において、上記式(X1)〜(X2)およびフェノール性水酸基から選ばれる構造が好ましいく、具体的には、ジアリルイソシアヌル酸、モノアリルイソシアヌル酸、ビニルフェノール、アリルフェノール、ジアリルビスフェノールA、ジアリルビスフェノールS、
が好ましい。
これらの中でもさらに硬化物の透明性の観点よりジアリルイソシアヌル酸、モノアリルイソシアヌル酸が特に好ましい。
また、アルカリ現像性を有する化合物の場合、以下光重合開始剤を含有させる必要がある。光重合官能基の種類によって適宜選択して添加する必要があり、エポキシ基、アルコキシシリル基等の場合にはカチオン重合開始剤を用い、アリロキシ、メタクリロキシ基などのラジカル重合性基の場合には光ラジカル開始剤を用いる。
(カチオン重合開始剤)
カチオン重合開始剤としては、活性エネルギー線によりカチオン種又はルイス酸を発生する、活性エネルギー線カチオン重合開始剤、又は熱によりカチオン種又はルイス酸を発生する熱カチオン重合開始剤であれば、特に限定されず使用できる。
活性エネルギー線カチオン重合開始剤としては、金属フルオロ硼素錯塩及び三弗化硼素錯化合物、ビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メタン金属塩、アリールジアゾニウム化合物、VIa族元素の芳香族オニウム塩、Va族元素の芳香族オニウム塩、IIIa〜Va族元素のジカルボニルキレートチオピリリウム塩、MF6陰イオン(ここでMは燐、アンチモン及び砒素から選択される)の形のVIa元素、アリールスルホニウム錯塩、芳香族ヨードニウム錯塩及び芳香族スルホニウム錯塩、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビスヘキサフルオロ金属塩(例えば燐酸塩、砒酸塩、アンチモン酸塩等);陰イオンがB(C である芳香族ヨードニウム錯塩及び芳香族スルホニウム錯塩の一種以上が包含される。
好ましい活性エネルギー線カチオン重合開始剤には、アリールスルホニウム錯塩、ハロゲン含有錯イオンの芳香族スルホニウム又はヨードニウム塩並びにII族、V族及びVI族元素の芳香族オニウム塩が包含される。これらの塩のいくつかは、FX−512(3M社)、UVR−6990及びUVR−6974(ユニオン・カーバイド社)、UVE−1014及びUVE−1016(ジェネラル・エレクトリック社)、KI−85(デグッサ社)、SP−152及びSP−172(旭電化社)並びにサンエイドSI−60L、SI−80L及びSI−100L(三新化学工業社)、WPI113及びWPI116(和光純薬工業社)、RHODORSIL PI2074(ローディア社)、BBI−102、BBI−103、BBI−105(みどり化学)として商品として入手できる。
(ラジカル重合開始剤)
活性エネルギー線によりラジカル種を発生する、活性エネルギー線ラジカル開始剤であれば特に限定されず使用できる。
活性エネルギー線ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾイン系化合物、ビイミダゾール系化合物、α−ジケトン系化合物、チタノセン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、ケタール系化合物、アゾ系化合物、過酸化物、2,3−ジアルキルジオン系化合物、ジスルフィド系化合物、チウラム化合物類、フルオロアミン系化合物等が用いることができる。
アセトフェノン系化合物の具体例としては、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4'−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2'−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−(4'−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4'−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシー1−〔4−[4−(2−ヒドロキシー2−メチループロピオニル)−ベンジル]フェニル〕−2−メチループロパンー1−オン等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系化合物の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
オキシムエステル系化合物の具体例としては、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
ベンゾイン系化合物の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物の具体例としては、ベンジルジメチルケトン、ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
α−ジケトン系化合物の具体例としては、ジアセチル、ジベンゾイル、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。
ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール等が挙げられる。
多核キノン系化合物の具体例としては、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン等が挙げられ、キサントン系化合物の具体例としては、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,5−ジエチルジオキサントン等が挙げられる。
トリアジン系化合物の具体例としては、1,3,5−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2'−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4'−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2'−メトキシフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4'−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(2'−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4'−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3',4'−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4'−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2'−ブロモ−4'−メチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2'−チオフェニルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
特に薄膜硬化性に優れるという観点より、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシー1−〔4−[4−(2−ヒドロキシー2−メチループロピオニル)−ベンジル]フェニル〕−2−メチループロパンー1−オン、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)が好ましい。
特に硬化物が透明性に優れるという観点より、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4'−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2'−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシアセトフェノンが好ましい。
また、これらの光重合開始剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。その使用量は、エポキシ基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物、フェノール基含有化合物から選ばれる化合物の総重量100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.1〜10重量部の量である。光重合開始剤量が少ないと、硬化が不十分でアルカリ現像時にコントラストが得られない傾向がある。開始剤量が多いと、硬化膜自体が着色するために好ましくない。
(硬化性組成物の調整方法および硬化方法)
硬化性組成物の調製方法は特に限定されず、種々の方法で調製可能である。各種成分を硬化直前に混合調製しても良く、全成分を予め混合調製した一液の状態で低温貯蔵しておいても良い。
本発明の硬化性組成物の使用方法は、特に限定されるものではなくスピンコートやスリットコートによるコーティング、ディスペンスによるポッティング等を用いて使用することができる。また基材の状態に合わせ適宜、溶剤による粘度調整、界面活性剤による表面張力調整を行っても良い。
また本発明の樹脂組成物は、光照射により架橋反応を進行させて硬化物とすることができる。その際用いることができる光源としては、使用する重合開始剤や増感剤の吸収波長を発光する光源を使用すればよく、200〜450nmの範囲の波長を含む光源が好ましい。具体的には例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、発光ダイオードなどを使用できる。
露光量は特に制限されないが、好ましい露光量の範囲は1〜5000mJ/cm、より好ましくは1〜1000mJ/cmである。露光量が少ないと硬化しない。露光量が多いと急硬化のために変色することがある。好ましい硬化時間の範囲は1〜120秒、より好ましくは1〜60秒である。硬化時間が長いと、光硬化の速硬化の特徴が生かされない。
成膜後の加熱温度は特に限定されるものではないが、周辺の耐熱性の低い部材への影響が小さいという観点より250℃以下であることが好ましく、200℃以下が好ましい。樹脂基板などを用いる場合には、寸法安定性等を考慮すると160℃以下であることが好ましい。
(フォトリソグラフィーについて)
また本発明の硬化性組成物についてアルカリ現像性を有するものの場合、現像により微細パターニングすることも可能である。そのパターニング形成について特に限定される方法はなく、一般的に行われる浸漬法やスプレー法等の現像方法により未露光部を溶解・除去し所望のパターン形成させることができる。
アルカリ現像が可能となる事で、一般の半導体製造、ディスプレイ製造で使用するフォトリソグラフィー設備を活用した大面積でのパターン形成、パターン精度の均一性向上が可能となり、特殊現像液を使用するプロセスと比較してコスト的に有利となるため好ましい。
現像に用いる現像液については、一般に使用するものであれば特に限定なく使用することができ、具体例としては、一般の安価に入手可能な有機溶剤、例えばアセトン、MEK、MIBK等のケトン系溶剤やメタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤などが挙げられる。またアルカリ現像の場合には、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液やコリン水溶液等の有機アルカリ水溶液や、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸リチウム水溶液などの無機アルカリ水溶液やこれら水溶液に溶解速度等の調整のためにアルコールや界面活性剤などを添加したもの等を挙げることができる。
また水溶液濃度に関しては、露光部と未露光部のコントラストがつきやすいという観点より、25重量%以下であることが好ましく、より好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下であることが好ましい。
(増感剤)
本発明の硬化性組成物には、光エネルギーで硬化させる場合には、光の感度向上のおよびg線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)と言われるような高波長の光に感度を持たせるために、適宜、増感剤を添加する事ができる。これら増感剤は、上記カチオン重合開始剤及び/またはラジカル重合開始剤等と併用して使用し、硬化性の調整を行うことができる。
添加する化合物には、アントラセン系化合物、チオキサントン系化合物などが挙げることができる。
アントラセン系化合物の具体例としては、アントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジメチルアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、1,4−ジメトキシアントラセン、9−メチルアントラセン、2−エチルアントラセン、2−tert−ブチルアントラセン、2,6−ジ−tert−ブチルアントラセン、9,10−ジフェニル−2,6−ジ−tert−ブチルアントラセン等が挙げられ、特に入手しやすい観点より、アントラセン、9,10−ジメチルアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン等が好ましい。
また硬化物の透明性に優れる観点からはアントラセンが好ましく、硬化性組成物との相溶性に優れる観点からは9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン等が好ましい。
チオキサントン系の具体例としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,5−ジエチルジオキサントン等が挙げられる。
またこれらの増感剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。さらにゲート絶縁膜としてさらに良好に機能する為には、高い絶縁性を発現させることが重要であり、上記組成物においてエポキシ基もしくは(メタ)アクリロイル基の架橋反応とヒドロシリル化反応を適用する事により、さらに緻密な架橋体となり絶縁信頼性に優れた絶縁膜を形成する事ができるためより好ましい。
ヒドロシリル化反応性組成物とは、アルケニル基とSiH基およびヒドロシリル化触媒を含有している樹脂組成物を示す。上記エポキシ基もしくは(メタ)アクリロイル基を有する化合物とヒドロシリル化反応性を有する化合物とを混合し使用しても良いし、エポキシ基もしくは(メタ)アクリロイル基とヒドロシリル化反応基とを同一分子中に有する化合物を用いても良い。エポキシ基もしくは(メタ)アクリロイル基を有する化合物が同一分子内にアルケニル基またはSiH基を有する場合には、その有していない一方の官能基を有する化合物とヒドロシリル化触媒とを添加することでヒドロシリル化反応性を付与できる。
またアルケニル基を有する化合物については、上記例示のアルケニル化合物であれば特に限定なく使用することができる。これらの中でも、下記一般式(II)
(式中Rは水素原子または炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい)で表される構造を含むことにより、構造上緻密な膜となり絶縁性、耐圧性に優れる絶縁膜となりうる観点より好ましい。
当該構造を硬化性組成物に導入する手法としては特に限定されないが、汎用のイソシアヌル環含有化合物を添加する手法が挙げられる。イソシアヌル環含有化合物としては、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、モノアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノプロピルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、ジアリルモノベンジルイソシアヌレートなどが挙げられ、硬化性組成物の架橋反応に応じて適宜選択して使用することができる。
SiH基を有する化合物については、上記例示にある化合物は特に限定なく使用することができる。また強靭な薄膜が得られるという観点より、あらかじめポリシロキサン化合物同士または有機化合物とポリシロキサン化合物とを部分的に反応させているオリゴマーも用いることが好ましい。この一部架橋させる反応としては特には限定されるものではないが、加水分解縮合と比較して反応後に電気的および熱的に安定なC−Si結合を形成し、また反応制御が容易で未架橋基が残りにくいという観点より、ヒドロシリル化反応を適用することが好ましい。
部分架橋させるモノマーとしては特に限定されるものではなく、上記SiH基を有するシロキサン化合物とアルケニル基を有するシロキサン化合物または有機化合物を適宜組み合わせて用いることができる。また上記ヒドロシリル化反応させる場合の触媒としては、公知のヒドロシリル化触媒を用いればよい。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(接着性改良剤)
本発明の硬化性組成物には、接着性改良剤を添加することもできる。接着性改良剤としては一般に用いられている接着剤の他、例えば種々のカップリング剤、エポキシ化合物、オキセタン化合物、フェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン−フェノール樹脂、α−メチルスチレン−ビニルトルエン共重合体、ポリエチルメチルスチレン、芳香族ポリイソシアネート等を挙げることができる。
カップリング剤としては例えばシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
シランカップリング剤の添加量としては種々設定できるが、変性ポリシロキサン化合物100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.3〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化性や硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。また、これらのカップリング剤、シランカップリング剤、エポキシ化合物等は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(熱可塑性樹脂)
硬化性組成物には特性を改質する等の目的で、種々の熱可塑性樹脂を添加することも可能である。具体的には例えば、メチルメタクリレートの単独重合体あるいはメチルメタクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリメチルメタクリレート系樹脂(例えば日立化成社製オプトレッツ等)、ブチルアクリレートの単独重合体あるいはブチルアクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリブチルアクリレート系樹脂等に代表されるアクリル系樹脂、ビスフェノールA、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデンビスフェノール等をモノマー構造として含有するポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート系樹脂(例えば帝人社製APEC等)、ノルボルネン誘導体、ビニルモノマー等を単独あるいは共重合した樹脂、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂、あるいはその水素添加物等のシクロオレフィン系樹脂(例えば、三井化学社製APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONEX、JSR社製ARTON等)、エチレンとマレイミドの共重合体等のオレフィン−マレイミド系樹脂(例えば東ソー社製TI−PAS等)、ビスフェノールA、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン等のビスフェノール類やジエチレングリコール等のジオール類とテレフタル酸、イソフタル酸、等のフタル酸類や脂肪族ジカルボン酸類を重縮合させたポリエステル等のポリエステル系樹脂(例えば鐘紡社製O−PET等)、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の他、天然ゴム、EPDMといったゴム状樹脂が例示されるがこれに限定されるものではない。
熱可塑性樹脂としては架橋性基を有していてもよい。この場合の架橋性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、架橋性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
熱可塑製樹脂の分子量としては、特に限定はないが、変性シロキサン化合物との相溶性が良好となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。逆に、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以上であることが好ましく、100000以上であることがより好ましい。分子量分布についても特に限定はないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂の配合量としては特に限定はないが、好ましい使用量の範囲は硬化性組成物全体の5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%である。添加量が少ないと得られる硬化物が脆くなり易い。添加量が多いと耐熱性(高温での弾性率)が低くなり易い。熱可塑性樹脂としては単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂は変性ポリシロキサン化合物に溶解して均一な状態として混合してもよいし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶媒に溶かして混合する等して分散状態としてもよい。得られる硬化物がより透明になりやすいという点においては、変性ポリシロキサン化合物に溶かして均一な状態として混合することが好ましい。この場合も、熱可塑性樹脂を変性ポリシロキサン化合物に直接溶解させてもよいし、溶媒等を用いて均一に混合してもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態或いは/お及び混合状態としてもよい。
熱可塑性樹脂を分散させて用いる場合は、平均粒子径は種々設定できるが、好ましい平均粒子径の下限は10nmであり、好ましい平均粒子径の上限は10μmである。粒子系の分布はあってもよく、単一分散であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、硬化性組成物の粘度が低く成形性が良好となり易いという観点からは、粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
(老化防止剤)
本発明の硬化性組成物には老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤としては、ヒンダートフェノール系等一般に用いられている老化防止剤の他、クエン酸やリン酸、硫黄系老化防止剤等が挙げられる。ヒンダートフェノール系老化防止剤としては、チバスペシャリティーケミカルズ社から入手できるイルガノックス1010をはじめとして、各種のものが用いられる。
硫黄系老化防止剤としては、メルカプタン類、メルカプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類や、ヒンダードフェノール系スルフィド類を含むスルフィド類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類、スルホキシド類等が挙げられる。また、これらの老化防止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(紫外線吸収剤)
本発明の硬化性組成物には紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤としては、例えば2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート等が挙げられる。また、これらの紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(溶剤)
本発明の硬化性組成物に使用される、変性ポリシロキサン化合物が高粘度である場合、溶剤に溶解して用いることも可能である。使用できる溶剤は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)、エチレングリコールジエチルエーテル等のグリコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。
溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、クロロホルムが好ましい。
使用する溶媒量は適宜設定できるが、用いる硬化性組成物1gに対しての好ましい使用量の下限は0.1mLであり、好ましい使用量の上限は10mLである。使用量が少ないと、低粘度化等の溶媒を用いることの効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラック等の問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。これらの、溶媒は単独で使用してもよく、2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。
(その他添加剤)
本発明の硬化性組成物には、その他、着色剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、界面活性剤、消泡剤、乳化剤、レベリング剤、はじき防止剤、アンチモン−ビスマス等のイオントラップ剤、チクソ性付与剤、粘着性付与剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、反応性希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、熱伝導性付与剤、物性調整剤等を本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。
(実施例1〜8、比較例1〜4)
実施例1〜8および比較例1〜4で得た硬化性組成物に対し、下記方法を用いて評価を行った。その結果を表1に示す。
本発明の硬化性組成物より形成した薄膜は、比較例の組成物と比較して高い表面撥水性を示し、この薄膜をゲート絶縁膜とする有機TFT素子は優れた特性を示すトランジスタ素子として機能する。
(接触角評価方法)
ガラス基板30×30mm上に実施例1〜8および比較例1〜4で得られた硬化性組成物をスピンコートにより1.5μm厚で製膜し、ホットプレートにて100℃、2min乾燥、露光機にて100mJ/cmUV照射後180℃、60min(実施例7、8および比較例2,3は、120℃、10min)加熱して薄膜サンプルを得た。接触角計(協和界面化学製、DM−301)を用い、膜表面の水接触角を測定した。
(トランジスタ作成方法)
ガラス基板1にアルミ(Al)を用いて厚さ500Åのゲート電極2を形成し、その上に実施例1〜8および比較例1〜4で得られた樹脂組成物を2000rpm、30secの条件でスピンコートにより塗布し、180℃、60min(実施例7、8および比較例2,3は、加熱条件を120℃、10min)でポストベイクしゲート絶縁膜3を形成した。さらに基板温度は常温、レート0.1nm/secの条件でペンタセンを蒸着し厚さ1000Åの有機半導体層4を形成させ、その上にチャネル長さ(L)80μm、チャネル幅(W)2mmのマスクを用いて蒸着によって厚さ300Åのソース/ ドレインAu電極5,6を形成し薄膜トランジスタを製作した。
(誘電率測定方法)
Mo膜(2000Å)付ガラス基板上に実施例1〜8および比較例1〜4で得られた樹脂組成物を2000rpm、30secの条件でスピンコートにより塗布し、180℃、60min(実施例7、8および比較例2,3は、120℃、10min)でポストベイクし薄膜を形成した。さらに真空蒸着製膜装置により厚さ500Å、3mmφのアルミ電極3を形成し、コンデンサを製作した。
作製したコンデンサについて、半導体パラメーターアナライザ(Keithley4200)を用い1kHz、10V印加時での実施例および比較例で作成した薄膜の静電容量C(F)を測定した。絶縁膜の膜厚は段差計(アルバック製、Dektak)を用いて測定し、ε=C×t/ε×A
C:静電容量(F)
ε:真空の誘電率(8.85X10−12
t:膜厚(m)
A:面積(m
絶縁膜の誘電率εを上記式により算出した。
(トランジスタ特性評価)
当該発明の手法を用いて下記実施例および比較例のゲート絶縁膜を用いて作成した有機薄膜トランジスタについて、半導体特性評価システム4200(ケースレー製)を用いて以下駆動条件での電流伝達特性の曲線よりON/OFF比・キャリア移動度を評価した。
・駆動条件
作製したトランジスタにおいてソース/ドレイン間に−40Vの電圧を印加した状態で、ゲート電極に20〜−40Vで印加した際のソース/ドレイン間電流量(I)をプロットし伝達特性とした。
・ON/OFF電流比
オン時の電流Ionは、電流伝達特性の曲線において飽和領域での最大電流値とし、オフ時の電流Ioffは、オフ状態の最小電流から求めた。ON/OFF電流比Ion/Ioffは、オン状態の最大電流値とオフ状態の最小電流値との比から算出した。
・閾値電圧(Vth
閾値電圧は電流伝達特性における電流飽和領域間(ゲート電圧V=30〜40V)における接線のX切片電圧値を閾値電圧とした。
・キャリア移動度
μ=2(L×I)/(W×(ε/d)×(V−Vth
L:チャネル長(80μm) W:チャネル幅(2mm)
ε:誘電率(2.57E−11) d:膜厚
:ゲート電圧 Vth:閾値電圧
:ソースドレイン間電流
キャリア移動度μは上記計算式を用いて、電流伝達特性でのゲート電圧V=40VにおけるI値を代入して算出した。
(合成実施例1:エポキシ基含有化合物の合成)
500mL四つ口フラスコにトルエン100g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン20gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温90℃で加熱、攪拌した。ビニルシクロヘキセンオキシド20.67g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0078g、トルエン20.67gの混合液を滴下した。滴下後H−NMRでビニル基由来のピーク消失を確認し、反応を終了した。
トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物A」を得た。H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でエポキシ基5.0mmol/g、SiH基4.0mmol/gを有するポリシロキサン系化合物であることを確認した。
(合成実施例2:エポキシ基含有化合物の合成)
500mL四つ口フラスコにトルエン100g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン20gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温90℃で加熱、攪拌した。トリアリルイソシアヌレート7.90g、ビニルシクロヘキセンオキシド10.33g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0078g、トルエン10.33gの混合液を滴下した。滴下後H−NMRでビニル基およびアリル基由来のピーク消失を確認し、反応を終了した。
トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物B」を得た。H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でエポキシ基4.3mmol/g、SiH基4.0mmol/gを有するポリシロキサン系化合物であることを確認した。
(合成実施例3:エポキシ基含有化合物の合成)
500mL四つ口フラスコにトルエン100g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン20gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温90℃で加熱、攪拌した。ジアリルイソシアヌレート7.90g、ビニルシクロヘキセンオキシド10.33g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0078g、トルエン10.33gの混合液を滴下した。滴下後H−NMRでビニル基およびアリル基由来のピーク消失を確認し、反応を終了した。
トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物C」を得た。H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でエポキシ基3.5mmol/g、SiH基4.5mmol/gを有するポリシロキサン系化合物であることを確認した。
(合成実施例4:アクリロイル基含有化合物の合成)
500mL四つ口フラスコにトルエン100g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン20gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温80℃で加熱、攪拌した。メタクリル酸アリル50g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0078g、トルエン20.67gの混合液を滴下した。滴下後H−NMRでSiH基由来のピーク消失を確認し、反応を終了した。
トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物D」を得た。H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でメタクリロイル基7.0mmol/gを有するポリシロキサン系化合物であることを確認した。
(合成実施例5:フェノール基含有化合物の合成)
500mL四つ口フラスコにトルエン100g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン20gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温80℃で加熱、攪拌した。o−アリルフェノール20g、ビニルシクロヘキセンオキシド10g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0078g、トルエン20.67gの混合液を滴下した。滴下後H−NMRでSiH基由来のピーク消失を確認し、反応を終了した。
トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物E」を得た。H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でフェノール基2.0mmol/g、エポキシ基1.8mmol/g、SiH基6.0mmol/gを有するポリシロキサン系化合物であることを確認した。
(合成実施例6:エポキシ基含有化合物の合成)
500mL四つ口フラスコにトルエン80g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン20gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温105℃で加熱、攪拌した。ジアリルイソシアヌレート6.29g、トリアリルイソシアヌレート3.16g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0186g、ジオキサン41.83gの混合液を滴下した。滴下後H−NMRでアリル基由来のピーク消失を確認し、反応を終了後、トルエンおよび未反応のシクロシロキサンを減圧留去し、無色透明液体の反応物を得た。
さらに得られたこの反応物10gに再びトルエン40g加えたものを105℃に加熱、混合した。ビニルシクロヘキセンオキシド2.53gとトルエン2.53gの混合液を滴下した。滴下後H−NMRでビニル基由来のピーク消失を確認し反応を終了した。
トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物F」を得た。H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でエポキシ基2.5mmol/g、SiH基3.5mmol/gを有するポリシロキサン系化合物であることを確認した。
(実施例1〜8、比較例1〜4)
合成実施例1〜6で得られた反応物A〜F、光重合開始剤(1)(光酸発生剤、ローディア製、商品名:PI2074)、光重合開始剤(2)(光ラジカル発生剤、チバスペシャリティーケミカルズ製、商品名:Irgacure184)、光重合開始剤(3)(光酸発生剤、みどり化学製、商品名:BBI−103)、ポリシロキサン化合物として両末端ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(gelest製、商品名DMS−V05、平均重量分子量:800)、両末端SiH基含有ジメチルポリシロキサン(gelest製、商品名DMS−H11、平均重量分子量:1100)、ビニル基含有シロキサンオリゴマー(クラリアント製、商品名MQV7、平均重量分子量:1000)、トリアリルイソシアヌレート、PTVTSC3.0X(白金ビニルシロキサン錯体、NEケムキャット製)、2−メチルー3−ブチンー2−オール、溶剤(PGMEA:プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート)を表1に記載の割合で調合し光硬化性組成物を調整した。
1 基板
2 ゲート電極
3 有機絶縁膜
4 有機半導体層
5 ソース電極
6 ドレイン電極

Claims (9)

  1. エポキシ基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物、フェノール基含有化合物から選ばれる化合物を主成分とする硬化性組成物であり硬化後の薄膜表面における水接触角が95度以上となる有機TFT用ゲート絶縁膜。
  2. 硬化性組成物が平均重量分子量500〜10000のポリシロキサン化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機TFT用ゲート絶縁膜。
  3. ポリシロキサン化合物がビニル基、SiH基、メタクリル基、エポキシ基、アミノ基から選ばれる一種の反応性官能基を含有することを特徴とする請求項2に記載の有機TFT用ゲート絶縁膜。
  4. エポキシ基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物、フェノール基含有化合物がポリシロキサン系化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機TFT用ゲート絶縁膜。
  5. エポキシ基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物、フェノール基含有化合物が同一分子中にアルケニル基またはSiH基を有することを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか一項に記載の有機TFT用ゲート絶縁膜。
  6. エポキシ基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物、フェノール基含有化合物が下記一般式(I)
    で表される構造を含有する化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機TFT用ゲート絶縁膜。
  7. アルカリ現像性を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機TFT用ゲート絶縁膜。
  8. エポキシ基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物が、下記式(X1)、(X2)で表される各構造と、カルボキシル基とからなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機TFT用ゲート絶縁膜。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のゲート絶縁膜を有する有機TFT素子。
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