JP2010199390A - 薄膜トランジスタの製造方法、及び薄膜トランジスタ並びに表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板21上に、ゲート電極22、ゲート絶縁膜23、半導体層24及びソース・ドレイン電極26を形成する工程、チャネル領域29を形成する工程、チャネル領域29の半導体層24表面の酸化膜を除去する工程、並びに前記酸化膜を除去する工程に次いで有機材料を含んでなるパッシベーション膜を成膜する工程、を備える。
【選択図】図2
Description
更に本発明のほかの目的は、前記薄膜トランジスタを有する表示装置を提供することにある。
また、本発明によれば、基板上に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体層及びソース・ドレイン電極を形成する工程、ウェットエッチングによりチャネル領域を形成する工程、前記チャネル領域を形成する工程に次いで有機材料を含んでなるパッシベーション膜を成膜する工程、を有する薄膜トランジスタの製造方法が提供される。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法において、ウェットエッチングによりチャネル領域を形成する工程が、フッ酸を含有する溶液を用いるものであることが好ましい。
12…ソース電極
13…半導体層
14…ドレイン電極
21…基板
22…ゲート電極
23…ゲート絶縁膜
24…半導体層
25…不純物添加半導体層
26…ソース・ドレイン電極
27…ソース電極
28…ドレイン電極
29…チャネル領域
30…ソース電極が存在する領域にある不純物添加半導体層
31…ドレイン電極が存在する領域にある不純物添加半導体層
また、本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、基板上に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体層及びソース・ドレイン電極を形成する工程、ウェットエッチングによりチャネル領域を形成する工程、前記チャネル領域を形成する工程に次いで有機材料を含んでなるパッシベーション膜を成膜する工程、を有する。
塗布法は、樹脂組成物を、チャネル領域の半導体層表面の酸化膜を除去する工程まで経た薄膜トランジスタが形成されている基板上に塗布したのち、溶媒を除去する方法である。樹脂組成物を前記基板上に塗布する方法としては、例えば、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、ドクターブレード法、回転塗布法、バー塗布法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。溶媒除去は、塗布膜を乾燥、好ましくは加熱乾燥することにより行う。その場合乾燥温度は、各成分の種類や配合剤に応じて適宜選択することができるが、通常、30〜250℃である。乾燥時間は、各成分の種類や配合割合に応じて適宜選択することができるが、通常、0.5〜150分間である。
フィルム積層法は、樹脂組成物を、樹脂フィルムや金属フィルム等のBステージフィルム形成用基板上に塗布し、溶媒を除去してBステージフィルムを得、次いで、このBステージフィルムを前記基板上に積層する方法である。溶媒除去は、塗布後のBステージフィルム形成用基板を乾燥、好ましくは加熱乾燥することにより行う。その場合、乾燥条件は、各成分の種類や配合割合に応じて適宜選択することができるが、乾燥温度は、通常、30〜150℃であり、乾燥時間は、通常、0.5〜90分間である。フィルム積層は、加圧ラミネータ、プレス、真空ラミネータ、真空プレス、ロールラミネータ等の圧着機を用いて行うことができる。
これらの樹脂は、それぞれ単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
本発明において、プロトン性極性基を有する環状オレフィン樹脂に結合しているプロトン性極性基の数に特に限定はなく、また、相異なる種類のプロトン性極性基が含まれていてもよい。
環状オレフィン樹脂の全構造単位中、環状オレフィン単量体単位の割合は、通常、30〜100重量%、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%である。
本発明において、プロトン性極性基を有する環状オレフィン樹脂は、単量体(a)と、単量体(b)及び/又は単量体(c)とから構成されることが好ましく、単量体(a)と単量体(b)とから構成されることが更に好ましい。
シアノ基を有する環状オレフィンとしては、例えば、9−シアノテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチル−9−シアノテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が挙げられる。
ハロゲン原子を有する環状オレフィンとしては、例えば、9−クロロテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチル−9−クロロテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン等が挙げられる。
これらのプロトン性極性基以外の極性基を有する環状オレフィン単量体(b)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの極性基を一切持たない環状オレフィン単量体(c)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの環状オレフィン以外の単量体(d)は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
プロトン性極性基を有しない重合体は、前記単量体(b)〜(d)を任意に組み合わせて重合することによって得ることができる。
このような化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、アトロパ酸、ケイ皮酸等の不飽和カルボン酸;アリルアルコール、メチルビニルメタノール、クロチルアルコール、メタリルアルコール、1−フェニルエテン−1−オール、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、4−メチル−4−ぺンテン−1−オール、2−ヘキセン−1−オール等の不飽和アルコール;等が挙げられる。
この変性剤を用いる環状オレフィン樹脂の変性反応は、常法に従えばよく、通常、ラジカル発生剤の存在下で行われる。
重合触媒としては、例えば、モリブデン、ルテニウム、オスミウム等の金属錯体が好適に用いられる。これらの重合触媒は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。重合触媒の量は、重合触媒中の金属化合物:環状オレフィンのモル比で、通常、1:100〜1:2,000,000、好ましくは1:500〜1:1,000,000、より好ましくは1:1,000〜1:500,000の範囲である。
水素添加触媒としては、例えば、オレフィン化合物の水素添加に際して一般的に使用されているものを用いることができる。具体的には、チーグラータイプの均一系触媒、貴金属錯体触媒、及び担持型貴金属系触媒等が利用できる。
これらの水素添加触媒のうち、官能基が変性する等の副反応が起きず、重合体中の主鎖の炭素−炭素不飽和結合を選択的に水素添加できる点から、ロジウム、ルテニウム等の貴金属錯体触媒が好ましく、電子供与性の高い含窒素複素環式カルベン化合物又はホスフィン類が配位したルテニウム触媒が特に好ましい。
樹脂(A)の水素化率は、1H−NMRスペクトルにより、測定することができる。例えば、水素化された炭素−炭素二重結合モル数の、水素添加前の炭素−炭素二重結合モル数に対する割合として求めることができる。
R’で示される、置換基を有していてもよいアルキル基は、通常、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜7のアルキル基であり、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。置換基を有していてもよい芳香族基は、通常、炭素数6〜10の芳香族基であり、その例としては、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。これらのアルキル基や芳香族基の置換基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;フェニル基、キシリル基、トリル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基;等が挙げられる。
R’で示されるプロトン性極性基としては、上述したような基が挙げられる。
アクリル基を有するカルボン酸無水物の具体例としては、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物等;
エポキシ基含有アクリレート化合物の具体例としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル;等が挙げられる。
これらのうち、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル等が好ましい。本発明で「(メタ)」とは、メタクリルとアクリルのいずれかを意味する。
これらの化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記単量体の重合方法は、常法に従えばよく、例えば、懸濁重合法,乳化重合法,溶液重合法等が採用される。
環状構造を構成している4級炭素原子に二つの環状構造が結合した骨格構造の具体例としては、フルオレン骨格、ビスフェノールフルオレン骨格、ビスアミノフェニルフルオレン骨格、エポキシ基を有するフルオレン骨格、アクリル基を有するフルオレン骨格等が挙げられる。
本発明で使用するカルド樹脂は、このカルド構造を有する骨格がそれに結合している官能基間の反応等により重合して形成される。カルド樹脂は、主鎖と嵩高い側鎖が一つの元素で繋がれた構造(カルド構造)をもち、主鎖に対してほぼ垂直方向に環状構造を有している。
エポキシグリシジルエーテル構造を有するカルド構造の例を式(III)に示す。
カルド樹脂は、カルド構造を有する単量体を重合して得られる重合体であるが、その他の共重合可能な単量体との共重合体であってもよい。
上記単量体の重合方法は、常法に従えばよく、例えば、開環重合法や付加重合法等が採用される。
式(IV)のnは0から3の整数を表す。n=0の場合は4官能性シラン、n=1の場合は3官能性シラン、n=2の場合は2官能性シラン、n=3の場合は1官能性シランである。
ポリイミドの原料として使用できる酸二無水物としては、具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物や、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族のテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。これらの酸二無水物は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
樹脂(A)の分子量分布は、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)比で、通常、4以下、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下である。
樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)や分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、測定することができる。例えば、テトラヒドロフラン等の溶媒を溶離液とし、ポリスチレン換算分子量として求めることができる。
この中でも、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロペンタノン、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
これらの化合物(C)は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる
酸性基は、酸性の官能基であればよく、その具体例としては、スルホン酸基、リン酸基等の強酸性基;カルボキシ基、チオール基及びカルボキシメチレンチオ基等の弱酸性基;が挙げられる。これらの中でも、カルボキシ基、チオール基またはカルボキシメチレンチオ基が好ましく、カルボキシ基が特に好ましい。また、これらの酸性基の中でも、酸解離定数pKaが3.5以上5.0以下の範囲にあるものが好ましい。なお、酸性基が2つ以上ある場合は第一解離定数pKa1を酸解離定数とする。なお、pKaは、希薄水溶液条件下で、酸解離定数Ka=[H3O+][B-]/[BH]である。ここでBHが有機酸を表し、B-は有機酸の共役塩基を表す。pKaはpKa=−logKaである。
また、pKaの測定方法は、例えばpHメーターを用いて水素イオン濃度を測定し、該当物質の濃度と水素イオン濃度から算出することができる。
本発明において、これらの酸性基を有する化合物(C)を使用することにより、本発明の樹脂組成物から形成されるパッシベーション膜は、薄膜トランジスタの信頼性向上に優れる。
このような置換基としては、アルキル基、アリール基等の炭化水素基のほか、ハロゲン原子;アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ヘテロ環オキシ基;アルキル基又はアリール基又は複素環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基;アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基;等のプロトンを有しない極性基、これらのプロトンを有しない極性基で置換された炭化水素基、等を挙げることができる。
これらの中でも、薄膜トランジスタの安定性を更に良好にするという観点から、酸性基の数は、2つ以上であることが好ましく、2つが特に好ましい。
酸性基を2つ有する化合物としては、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、1,2―シクロヘキサンジカルボン酸、ベンゼン−1,2−ジカルボン酸(「フタル酸」ともいう。)、ベンゼン−1,3−ジカルボン酸(「イソフタル酸」ともいう。)、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸(「テレフタル酸」ともいう。)ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、2−(カルボキシメチル)安息香酸、3−(カルボキシメチル)安息香酸、4−(カルボキシメチル)安息香酸、2−メルカプト安息香酸、4−メルカプト安息香酸、2−メルカプト−6−ナフタレンカルボン酸、2−メルカプト−7−ナフタレンカルボン酸、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,4−ナフタレンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール、2,7−ナフタレンジチオールの2つの酸性基を有する芳香族化合物;ピロール−2,3−ジカルボン酸、ピロール−2,4−ジカルボン酸、ピロール−2,5−ジカルボン酸、ピロール−3,4−ジカルボン酸、イミダゾール−2,4−ジカルボン酸-、イミダゾール−2,5−ジカルボン酸、イミダゾール−4,5−ジカルボン酸、ピラゾール−3,4−ジカルボン酸、ピラゾール−3,5−ジカルボン、チオフェン−2,3−ジカルボン酸、チオフェン−2,4−ジカルボン酸、チオフェン−2,5−ジカルボン酸、チオフェン−3,4−ジカルボン酸、チアゾール−2,4−ジカルボン酸、チアゾール−2,5−ジカルボン酸、チアゾール−4,5−ジカルボン酸、イソチアゾール−3,4−ジカルボン酸、イソチアゾール−3,5−ジカルボン酸、1,2,4−チアジアゾール−2,5−ジカルボン酸、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジカルボン酸、(5−メルカプト−1,2,4−チアジアゾール−3−イルチオ)酢酸、(5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ)酢酸、ピリジン−2,3−ジカルボン酸、ピリジン−2,4−ジカルボン酸、ピリジン−2,5−ジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、ピリジン−3,4−ジカルボン酸、ピリジン−3,5−ジカルボン酸、ピリダジン−3,4−ジカルボン酸、ピリダジン−3,5−ジカルボン酸、ピリダジン−3,6−ジカルボン酸、ピリダジン−4,5−ジカルボン酸、ピリミジン−2,4−ジカルボン酸、ピリミジン−2,5−ジカルボン酸、ピリミジン−4,5−ジカルボン酸、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸、ピラジン−2,3−ジカルボン酸、ピラジン−2,5−ジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、トリアジン−2,4−ジカルボン酸の2つの酸性基を有する複素環化合物;が好ましい。
これらの化合物を使用することにより、本樹脂組成物から形成される有機パッシベーション膜を有する薄膜トランジスタの安定性を更に良好にするという効果を得ることができる。
また、前記ヒドロカルビルオキシ基は、炭素数1〜18のヒドロカルビルオキシ基であることが好ましい。
このプロトン性極性基と反応し得る官能基は、イソシアネート基、メルカプト基、エポキシ基、又はアミノ基であることが好ましく、エポキシ基であることが、更に好ましい。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−エチル(トリメトキシシリルプロポキシメチル)オキセタン、3−エチル(トリエトキシシリルプロポキシメチル)オキセタン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのトリアルコキシシラン類、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−へプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのジアルコキシシラン類の他、
メチルトリアセチルオキシシラン、ジメチルジアセチルオキシシラン、商品名X−12−414、KBP−44(信越化学工業株式会社製)、217FLAKE、220FLAKE、233FLAKE、z6018(東レダウコーニング株式会社製)等のケイ素原子含有化合物;
(アセトアルコキシアルミウムジイソプロピレート)等のアルミニウム原子含有化合物;
(テトラノルマルプロポキシジルコニウム、テトラノルマルブトキシジルコニウム、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムものブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシステアレート)等のジルコニウム原子含有化合物;が挙げられる。
前記プロトン性極性基と反応し得る官能基を有する化合物としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、n−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、n−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−n−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、n−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランが特に好ましい。
これらの化合物(D)は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で使用する感放射線化合物(E)は、紫外線や電子線等の放射線の照射により、化学反応を引き起こすことのできる化合物である。本発明において感放射線化合物(E)は、樹脂組成物から形成される樹脂膜のアルカリ溶解性を制御できるものが好ましい。
本発明においては感放射線化合物(E)として光酸発生剤を使用することが好ましい。
これらの中でも、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライドとフェノール性水酸基を有する化合物との縮合物が好ましく、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン(1モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド(2.5モル)との縮合物がより好ましい。
これらの感放射線化合物は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤(F)としては、樹脂(A)と反応し得る官能基を、分子内に2つ以上、好ましくは3つ以上有するものが用いられる。架橋剤(F)の有する官能基はバインダー樹脂中の官能基や不飽和結合等と反応しうるものであれば、特に限定されないが、プロトン性極性基と反応し得るものが好ましい。
かかる官能基としては、例えば、アミノ基、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基等が挙げられ、より好ましくはアミノ基、エポキシ基及びイソシアネート基であり、更に好ましくはエポキシ基である。
これらの中でも、エポキシ化合物が好ましく、脂環構造を有するエポキシ化合物が、本樹脂組成物から形成される有機パッシベーション膜を有する薄膜トランジスタの安定性を更に良好にするため、更に好ましい。
本発明の樹脂組成物における架橋剤(F)の含有量は、樹脂(A)100重量部に対して、通常、0.1〜200重量部、好ましくは1〜150重量部、より好ましくは5〜100重量部の範囲である。架橋剤の使用量がこの範囲にあれば、十分な耐熱性が得られ、好ましい。
界面活性剤は、ストリエーション(塗布筋あと)の防止、現像性の向上等の目的で使用される。その具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシエチレンジアルキルエステル類等のノニオン系界面活性剤;フッ素系界面活性剤;シリコーン系界面活性剤;メタクリル酸共重合体系界面活性剤;アクリル酸共重合体系界面活性剤;等が挙げられる。
光安定剤は、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、金属錯塩系等の紫外線吸収剤、ヒンダ−ドアミン系(HALS)等、光により発生するラジカルを捕捉するもの等のいずれでもよい。これらのなかでも、HALSはピペリジン構造を有する化合物で、本発明の組成物に対し着色が少なく、安定性がよいため好ましい。具体的な化合物としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられる。
混合の方法は特に限定されないが、樹脂組成物の各構成成分を有機溶媒(B)に溶解又は分散して得られる溶液又は分散液を混合するのが好ましい。これにより、本発明の樹脂組成物は、溶液又は分散液の形態で得られる。
前記基板上に形成されたパッシベーション膜の架橋は、樹脂(A)の架橋反応により行うことができ、好ましくは架橋剤を用いる。架橋は、架橋剤の種類に応じて適宜方法を選択すればよいが、通常、加熱により行なう。加熱方法は、例えば、ホットプレート、オーブン等を用いて行なうことができる。加熱温度は、通常、180〜250℃であり、加熱時間は、パッシベーション膜の大きさや厚さ及び使用機器等により適宜選択され、例えばホットプレートを用いる場合は、通常、5〜90分間、オーブンを用いる場合は、通常、30〜120分間の範囲である。加熱は、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。不活性ガスとしては、酸素を含まず且つパッシベーション膜を酸化させないものであればよく、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン等が挙げられる。これらの中でも窒素とアルゴンが好ましく、特に窒素が好ましい。特に、酸素含有量が0.1体積%以下、好ましくは0.01体積%以下の不活性ガス、特に窒素が好適である。これらの不活性ガスは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
基板上に形成されたパッシベーション膜のパターン化は、例えば、フォトレジストをマスクとしてドライエッチングをする方法や、樹脂組成物に感放射線性物質を含有させ、該樹脂組成物を用いて形成した樹脂膜に活性放射線を用いて潜像パターンを形成し、現像液を用いて潜像パターンを顕在化させる方法などにより行うことができる。
潜像パターンを有するパッシベーション膜に現像液を接触させる方法としては、例えば、パドル法、スプレー法、ディッピング法等の方法が用いられる。現像は、通常、0〜100℃、好ましくは5〜55℃、より好ましくは10〜30℃の範囲で、通常、30〜180秒間の範囲で適宜選択される。
更に、必要に応じて、光酸発生剤を失活させるために、パターン化パッシベーション膜を有する基板全面に活性放射線を照射することもできる。活性放射線の照射には、上記潜像パターンの形成に例示した方法を利用できる。照射と同時に又は照射後にパッシベーション膜を加熱してもよい。加熱方法としては、例えば、基板をホットプレートやオーブン内で加熱する方法が挙げられる。温度は、通常、100〜300℃、好ましくは120〜200℃の範囲である。
架橋は、上述した基板上に形成されたパッシベーション膜の架橋と同様に行なえばよい。
なお、本実施例において、「部」及び「%」は、特に断りのない限り、それぞれ、「重量部」及び「重量%」である。
(1)薄膜トランジスタ特性
半導体パラメータアナライザ(Agilent社製4156A)を用いて、作成直後の測定用試料(薄膜トランジスタを有する基板)の、ゲート電圧の変化に対するソースドレイン間電流の変化を測定した。ゲート電圧が−3Vの時のソースドレイン間電流の値と、ゲート電圧が10Vの時のソースドレイン間電流の値との比率をON/OFF比として観測した。続いて、測定用試料を温度60℃、湿度90%に設定した恒温恒湿槽(エスペック社製プラチナスPR−2KP)のなかに設置した。設置後、5時間ごとに前記方法によりON/OFF比を測定した。その後、ON/OFF比が初期の値から10分の1になった時間を薄膜トランジスタ特性として観測した。評価基準は下記に従った。この分析によれば、薄膜トランジスタ特性が長いほど、薄膜トランジスタの信頼性が高くなる。
A+:400時間以上
A:300時間以上400時間未満
B:200時間以上300時間未満
C:100時間以上200時間未満
D:100時間未満
(2)透過率
作成直後の測定用試料(薄膜トランジスタを有する基板)を、分光光度計(日本分光株式会社製、「紫外可視分光光度計V−560(製品名)」を用いて、波長400nmでの透過率の測定を行った。なお、透過率測定に際しては、測定用試料の基板上において、ガラス基板、ゲート絶縁膜及びパッシベーション膜が積層されている部分であって、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、半導体層及び不純物添加半導体層を含まない部分を用いて測定を行った。波長400nmにおける透過率が80%以上あれば非常に透明性が高い。この分析によれば、透過率が高いほど、薄膜トランジスタ基板の透明性が高くなる。
(プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体の製造)
プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体として9−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンを60部、プロトン性極性基を有さない環状オレフィン単量体としてテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン(「テトラシクロドデセン」ともいう。)を40部、1,5−ヘキサジエン2.8部、触媒として(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド0.05部及び溶媒としてジエチレングリコールエチルメチルエーテル400部を、窒素置換した耐圧ガラス反応器に仕込み、撹拌下に80℃で2時間重合反応を行って開環メタセシス重合体a1を含有する重合反応溶液を得た。重合転化率は、99.9%以上であった。この重合体a1の重量平均分子量は3,200、数平均分子量は1,900、分子量分布は1.68であった。
樹脂(A)(製造例1で得られた水素化物a3)100重量部(固形分換算)、シリコーン系界面活性剤〔信越化学工業社製、KP341(商品名)〕0.05重量部及び溶媒(B)(ジエチレングリコールエチルメチルエーテル)を、固形分濃度が24%となるように溶媒(B)の量をして添加し、混合、攪拌し、混合物溶液を得た。混合物は、5分以内に均一な溶液になった。この溶液を孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して、樹脂組成物a4を調整した。
次いで、ゲート電極を覆ってゲート絶縁膜となる450nm厚のシリコン窒化物膜、半導体層となる250nm厚のa−Si層(アモルファスシリコン層)、不純物添加半導体層となる50nm厚のn+Si層をそれぞれCVD法により順に形成した。次いで、前記半導体層及び不純物添加半導体層を島状にパターニングするため、エッチングのマスクとして使用するポジ型フォトレジスト(日本ゼオン社製ZPP−1800U3)をスピンコート法により不純物添加半導体層上に塗布し、ホットプレートを用いて溶媒を除去することで1.5μmのレジスト膜を形成した。次いで、露光工程、現像工程を経てレジスト膜をパターニングした。次いで、ドライエッチングにより、不純物添加半導体層と半導体層とをアイランド状にパターニングした。次いで、レジスト膜を、モノエタノールアミン(MEA)とジメチルスルホキシド(DMSO)の混合溶液(MEA/DMSO=7/3)の剥離液にて除去した。次いで、ゲート絶縁膜及び不純物添加半導体層の上に、ソース・ドレイン電極となる200nm厚のクロム膜をスパッタリング法により形成した。次いで、前記ソース・ドレイン電極をパターニングしてソース電極とドレイン電極を形成するため、エッチングのマスクとして使用するポジ型フォトレジスト(日本ゼオン社製ZPP−1800U3)をスピンコート法によりソース・ドレイン電極上に塗布し、ホットプレートを用いて溶媒を除去することで1.5μmのレジスト膜を形成した。次いで、露光工程、現像工程を経てレジスト膜をパターニングした。次いで、硝酸二アンモニウムセリウムをエッチング液に用いて、ウェットエッチングによりソース・ドレイン電極をパターニングした。次いで、ソース・ドレイン電極のパターニングの際に利用したフォトレジストを利用して、n+Si層を六フッ化硫黄ガスを用いてドライエッチングを行った。次いで、レジスト膜をモノエタノールアミン(MEA)とジメチルスルホキシド(DMSO)の混合溶液(MEA/DMSO=7/3)の剥離液を用いて除去した。次いで、前記工程まで経た基板を25℃の0.5%フッ酸溶液に3分間浸漬させることにより、ソース電極及びソース電極が存在する領域にある不純物添加半導体層の、ゲート電極側端部と、ドレイン電極及びドレイン電極が存在する領域にある不純物添加半導体層の、ゲート電極側端部と、の間に形成されたチャネル領域の半導体層表面の酸化膜を除去した。次いで、前記工程まで経た基板を超純水で30秒間リンスを行い、リンス時に付着した超純水を窒素を利用して基板表面から除去した。次いで、有機材料を含んでなるパッシベーション膜となる前記の樹脂組成物a4をスピンコート法により前記工程まで経た基板上に塗布し、ホットプレートを用いて90℃で2分間加熱乾燥(プリベーク)して、膜厚2.5μmの樹脂膜を形成した。次いで、230℃で60分間加熱した。これにより、有機パッシベーション膜が形成された薄膜トランジスタを得た。
次いで、得られた薄膜トランジスタの特性の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、硝酸二アンモニウムセリウムをエッチング液に用いて、ウェットエッチングによりソース・ドレイン電極をパターニングする工程と、次いでソース・ドレイン電極のパターニングの際に利用したフォトレジストを利用して、n+Si層を六フッ化硫黄ガスを用いてドライエッチングする工程と、次いでレジスト膜をモノエタノールアミン(MEA)とジメチルスルホキシド(DMSO)の混合溶液(MEA/DMSO=7/3)の剥離液を用いて除去する工程と、次いで0.5%フッ酸溶液を用いて半導体層表面の酸化膜を除去する工程と、の4つの工程を、硝酸二アンモニウムセリウムをエッチング液に用いて、ウェットエッチングによりソース・ドレイン電極をパターニングし、次いでレジスト膜をモノエタノールアミン(MEA)とジメチルスルホキシド(DMSO)の混合溶液(MEA/DMSO=7/3)の剥離液を用いて除去し、次いで基板を室温の硝酸水溶液(61%硝酸水溶液)とフッ酸(50%フッ化水素水溶液)との混合溶液(重量比が硝酸とフッ酸を体積比率で100:0.5の比率で混合させた溶液)に5秒間浸漬させることによりウェットエッチングを行い、前記ウェットエッチング時に同時に半導体層表面の酸化膜を除去を行う工程に変更した以外は、実施例1と同様にして薄膜トランジスタを作製し、評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、樹脂組成物として、樹脂組成物a4に、さらに酸性化合物(C)として、フタル酸を10重量部加えて固形分濃度が24%となるように調整した樹脂組成物a5を用いて有機パッシベーション膜を形成した以外は、実施例1と同様にして薄膜トランジスタを作成し、評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例3において、樹脂組成物として、樹脂組成物a5に、ケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子及びジルコニウム原子の中から選ばれる1つの原子を有し、かつ該原子に結合したヒドロカルビルオキシ基又はヒドロキシ基を有する化合物(D)として、2―(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを10重量部加えて固形分濃度が24%となるように調整した樹脂組成物a6を用いて有機パッシベーション膜を形成した以外は、実施例3と同様にして薄膜トランジスタを作成し、評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、パッシベーション膜を、シランガスとアンモニウムガスを原料としたCVD法により成膜したシリコン窒化膜(SiNx膜)に変更した以外は実施例1と同様にして薄膜トランジスタを作成し、評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、フッ酸による酸化膜を除去する工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にして薄膜トランジスタを作成し、評価を行った。その結果を表1に示す。
Claims (11)
- 基板上に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体層及びソース・ドレイン電極を形成する工程、
チャネル領域を形成する工程、
前記チャネル領域の半導体層表面の酸化膜を除去する工程、
並びに前記酸化膜を除去する工程に次いで有機材料を含んでなるパッシベーション膜を成膜する工程、を有する薄膜トランジスタの製造方法。 - 基板上に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体層、ソース・ドレイン電極を形成する工程、
ウェットエッチングによりチャネル領域を形成する工程、
並びに前記チャネル領域を形成する工程に次いで有機材料を含んでなるパッシベーション膜を成膜する工程、を有する薄膜トランジスタの製造方法。 - 酸化膜を除去する工程が、フッ酸を含有する溶液を用いるものである請求項1に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- ウェットエッチングによりチャネル領域を形成する工程が、フッ酸を含有する溶液を用いるものである請求項2に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- パッシベーション膜が、樹脂(A)及び有機溶剤(B)を含有する樹脂組成物により形成される膜である請求項1または2に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 樹脂組成物が、さらに酸性基を有する化合物(C)を含有するものである請求項5に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 樹脂組成物が、さらに、ケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子及びジルコニウム原子の中から選ばれる1つの原子を有し、かつ該原子に結合したヒドロカルビルオキシ基又はヒドロキシ基を有する化合物(D)を、含有するものである請求項5に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 樹脂組成物が、さらに酸性基を有する化合物(C)、並びに、ケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子及びジルコニウム原子の中から選ばれる1つの原子を有し、かつ該原子に結合したヒドロカルビルオキシ基又はヒドロキシ基を有する化合物(D)を、含有するものである請求項5に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 樹脂(A)が、環状オレフィン樹脂、アクリル樹脂、カルド樹脂、ポリシロキサン樹脂及びポリイミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものである請求項5〜8のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法により得られる薄膜トランジスタ。
- 請求項10に記載の薄膜トランジスタを有する表示装置。
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