JP2012209027A - ブスバー構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂モールド成型する金属板状導体の屈曲部への樹脂の注入を容易にして応力集中を緩和し、ボイドやクラックを防止すると共に成形時に発生するばりを防止して容易に製作できる低インダクタンスの樹脂モールド型のブスバー構造体を提供する。
【解決手段】少なくとも2枚の金属板状導体1、2を並置すると共に、少なくとも一カ所の屈曲部3を形成し、樹脂により一体にモールド成型するものである。各金属板状導体1、2間は、予め定めた間隔Gで並置し、しかもこの間隔Gに比べて屈曲部3において内側に位置する金属板状電極1の平均曲げ半径Rと外側の位置する金属板状電極2の平均曲げ半径Rとの差(R−R)を大きくしてブスバー構造体を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は車両用のインバータ機器等に使用するブスバー構造体に係り、特に積層する複数の金属板状電極を樹脂モールドにより一体に成形するブスバー構造体に関する。
ハイブリッド電気自動車等の車両では、使用するモータを駆動制御する電気機器には、PWM(Pulse Width Modulation)制御方式のインバータが用いられている。そして、PWM制御のインバータにおけるスイッチング回路の通電導体には、銅やアルミニウム等の如き金属材料製の複数の金属板状導体を積層してなるブスバー構造体が使用されている。
ブスバー構造体は、インバータ回路のノイズ低減のために複数の金属板状導体を並置し、低インダクタンス化したものを使用する。この種のブスバー構造体は、図2に示すように例えば内側と外側の2枚の金属板状導体1、2を平行に積層すると共に、適用箇所を考慮してそれぞれ所定の曲率半径R、Rの曲げ加工を施して形成した屈曲部3を有する形状にされている。
並置する金属板状導体1、2は、相互間の間隔Gができるだけ均一になるように積層しているから、これらの一部に形成される屈曲部3は各曲率半径R、Rの双方とも大きく変わらないように一体に曲げた構造になっている。
一般に、複数の金属板状電極を積層したブスバー構造体としては、特許文献1に記載された積層型ブスバーアセンブリの如き樹脂モールド型の構造、又は特許文献2に記載された積層バスバーの如き絶縁シート型の構造に大別することができる。
樹脂モールド型の例である特許文献1のブスバー構造体は、複数の金属板状導体が小間隔を隔てて平行に配置され、しかも金属板状導体は一部に小孔を形成している。これら金属板状導体の全体は、絶縁性を有する樹脂材で被覆すると共に、金属板状導体の間の小間隔や小孔にも充填して一体に樹脂モールド成型して構成している。このブスバー構造体の構成とすることで、各金属板状導体を機械的に強固に支持でき、モールド時の位置ずれを防止している。
また、連縁シート型の例である特許文献2のブスバー構造体は、複数の金属板状導体を対向させて配置するとき、各金属板状導体間に薄い電気絶縁樹脂シートを介在させて積層し、各金属板状導体と電気絶縁樹脂シートとを接着層によって接着して構成している。しかも、このブスバー構造体の構成では、双方の金属板状導体の一部に屈曲部を含む時の対策として、両金属板状導体の屈曲部の曲げ半径を曲げ半径を異ならせて、双方間に曲げから外れた位置のものよりも広い間隙を形成し、電気絶縁樹脂シートの接着層がない絶縁材曲げ部を形成することにより、曲げ部にクラックや割れ発生の原因となる多数の連続する細かなしわが発生を防止している。
特開2007−215340号公報 特開2000−215735号公報
ところが、特許文献1に記載の樹脂モールド型のブスバー構造体では、金型を用いて樹脂モールドする際に、図2に示す如く金属板状導体1、2を曲げ加工した屈曲部3の樹脂部分に、製造時の残留応力が集中して発生する。また、ブスバー構造体を使用する環境が、温度変化の激しい場所であるときには、金属板状導体と樹脂との線膨張係数差に基づいて熱応力が発生する。
樹脂モールド型のブスバー構造体における樹脂の応力は、特に金属板状導体の屈曲部を被覆して絶縁層を形成する樹脂に剥離が発生するし、また樹脂の流動性と金属板状導体の形状から樹脂モールド部分にボイドやクラックが発生し、長期間の使用に耐えなくなる問題があった。
また、インバータ機器用のブスバー構造体では、低インダクタンスにするために、流動特性評価であるスパイラルフローの高い樹脂を用いてモールド成型した場合、成型時に一部がはみ出す所謂ばりが発生し易くなってしまい、製造する上で問題があった。
更に、特許文献2に記載の絶縁シート型のブスバー構造体は、金属板状導体間に電気絶縁樹脂シートを配置し、接着層により接着した上で曲げ加工をすると、屈曲部において絶縁シートに皺や剥離が発生してしまう恐れがある。電気絶縁樹脂シートに皺や剥離が発生した部分があると、この箇所から放電劣化を起し、最終的には絶縁破壊に至ってしまう問題がある。また、各金属板状導体に金属板状導体間に電気絶縁樹脂シートを介在させて製作する場合、電気絶縁樹脂シートを配置することが難しく、製造の際の歩留りを向上させることができず、製造効率を上げることができないという問題があった。
本発明の目的は、樹脂モールド成型する金属板状導体の屈曲部への樹脂の注入を容易にして応力集中を緩和し、ボイドやクラックを防止すると共に成形時に発生するばりを防止して容易に製作できる低インダクタンスの樹脂モールド型のブスバー構造体を提供することにある。
本発明のブスバー構造体は、少なくとも2枚の金属板状導体を並置すると共に、前記各金属板状導体は少なくとも一カ所の屈曲部を形成し、前記各金属板状導体を樹脂により一体にモールド成型するものであって、前記各金属板状導体間は予め定めた間隔で並置し、かつ前記金属板状電極間の間隔に比べて、前記屈曲部において内側に位置する金属板状電極の平均曲げ半径と外側の位置する金属板状電極の平均曲げ半径との差を大きくしたことを特徴としている。
好ましくは、前記金属板状導体間の間隔は0.2mm以上から0.5mm以下にされ、前記屈曲部において内側に位置する金属板状電極の平均曲げ半径と外側の位置する金属板状電極の平均曲げ半径との差は、前記金属板状導体間の間隔に比べて0.3mmから0.8mm大きいことを特徴としている。また好ましくは、モールド成型に使用する前記樹脂は、スパイラルフローが90cm以上で240cm以下であることを特徴としている。
本発明のブスバー構造体のように構成すれば、各金属板状導体に形成する屈曲部は、内側に位置する金属板状導体の平均曲げ半径と外側に位置する金属板状導体の平均曲げ半径との差を、金属板状導体間の間隔よりも大きくしたので、モールド成型時に樹脂が屈曲部へ注入し易くできるから応力集中を緩和させ、ボイドやクラックの発生を防止すると共に製造時に発生し易いばりも防止することができる。このため、低インダクタンス化できるブスバー構造体を容易に製造することができる。
本発明のブスバー構造体に用いる金属板状導体の一実施例を示す平面図である。 従来のブスバー構造体に用いる金属板状導体を示す平面図である。
以下、本発明のモールド成型するブスバー構造体について、図1を用いて説明する。このブスバー構造体では、外側に位置する金属板状導体1と内側に位置する金属板状導体2の2枚は、相互間の間隔Gを予め定めた均一の間隔にして並置している。具体的には、金属板状導体1、2間の間隔Gは0.2mm以上から0.5mm以下にされ、樹脂を注入してのモールド成型を問題なく行えるようにする。
また、並置する金属板状導体1、2は、少なくとも一カ所の屈曲部3を形成しており、この屈曲部3において内側に位置する金属板状電極1の平均曲げ半径Rと外側の位置する金属板状電極2の平均曲げ半径Rの差を、金属板状導体1、2間の間隔Gに比べて大きくしている。双方の平均曲げ半径RとRの差は、上記した如く金属板状導体1、2間の間隔Gは0.2mm以上から0.5mm以下であるので、これよりも0.3mmから0.8mm大きく形成している。
並置する金属板状導体1、2は、金型(図示せず)内に配置して樹脂を注入して一体にモールド成型するが、使用する樹脂はスパイラルフローが90cm以上で240cm以下のものを使用する。このような樹脂を用いてモールド成型すれば、特に屈曲部3にボイドやばりがなくて低インダクタンスの低いブスバー構造体を、成型性を損なわずに容易に製造することができる。
次に、図1の本発明による実施例、及び図2の比較例について説明する。全ての実施例と比較例は、金属板状導体1、2にはアルミニュウム材(JIS規格:A6061)を使用し、長さ150mm、幅10mm、厚さ2mmにしてブスバー構造体を製造した。並置する金属板状導体1、2間の間隔Gは、実施例では0.2mmから0.5mmで、比較例では0.1mmから0.6mmの均一にしており、しかも長さの半分である75mmの中央一カ所に屈曲部3を形成した構造である。
また、モールド成型の樹脂は、ベースポリマとしてノボラック系エポキシ樹脂に、シリカフィラを25Vol%加えたスパイラルフロー265cmの材料Aと、同様にシリカフィラを30Vol%加えたスパイラルフロー240cmの材料Bと、同様にシリカフィラを67Vol%加えたスパイラルフロー93cmの材料Cと、同様にシリカフィラを70Vol%加えたスパイラルフロー61cmの材料Dを用いた。
実施例及び比較例のブスバー構造体は、以下のような手順によって製造した。金属板状導体1、2の双方は、打ち抜き加工で製造し、その後曲げ加工を施して屈曲部3を形成して組み合わせ、金型内に配置した。金型内の金属板状導体1、2の両端部は金属スペーサにて固定し、更にネジ止めをおこなってモールド成型して製造した。
樹脂のモールド成型には、シングルゲート用のトランスファモールド装置(多加良製作所、モデル:TTMMS72)で、スパイラルフローが直径3.6mmの半円形断面流路をもつものを用いた。モールド成型の条件は、金型の温度を180℃、注入圧力を10MPa、保持時間を180秒とした。
製造したブスバー構造体は、インダクタンスの評価、耐電圧試験、ボイドとクラック、樹脂モールド成型時のバリや金型からの漏れについて、それぞれ以下に述べるように評価した。まず、インダクタンスの評価は、数値解析ソフト(CADAS)とインピーダンスアナライザを使用し、電圧はAC10Vrms、周波数は10MHzとした。高周波使用を前提にし、周波数1MHzでサージ電圧10MA以下という条件で、インダクタンス10nH以下で合格とした。
耐電圧試験は、温度サイクル試験1000回後に正弦波交流実効値2kVを60秒印加し、絶縁破壊しなければ合格とした。温度サイクルの条件は、−40℃、30分⇔150℃、30分とした。また、ボイドとクラックは、樹脂モールド成型した構造体ブスバーを分解し、目視にて確認を行って判定した。
ブスバー構造体を樹脂モールド成型する時に発生するばりや金型からの漏れは、成型装置と金型に悪影響を及ぼすため、評価項目に追加したものであり、目視により判定を行い、ばりが殆ど無い場合は○と評価、ばりと金型からの漏れが多く悪影響を及ぼす場合は×と評価した。
実施例1
金属板状導体2の曲げ半径R=6mmとして、内側に位置する金属板状導体1の曲げ半径R=7.0mmとし、材料Cを用いトランスファモールド成型を行った。製造したブスバー構造体のインダクタンスは、金属板状導体1、2の間隔Gが0.5mmであると8.8nHであり、屈曲部3の間隔が曲げ半径差R−R=1.0mmに広がっても9.2nHであって10nH以下となった。このブスバー構造体は、耐電圧試験に合格し、ボイドやクラックもない良好なものが得られた。
実施例2
外側に位置する金属板状導体2の曲げ半径R=6mmとし、内側に位置する金属板状導体1の曲げ半径R=6.7mmとし、材料Cを用いトランスファモールド成型を行った。製造したブスバー構造体のインダクタンスは、金属板状導体1、2の間隔Gが0.4mmであると7.1nHであり、屈曲部3での間隔が曲げ半径差R−R=0.7mmに広がっても7.3nHと10nH以下となった。このブスバー構造体は、耐電圧試験に合格し、ボイドやクラックも無い良好なものが得られた。
実施例3
外側に位置する金属板状導体2の曲げ半径6mmとし、内側に位置する金属板状導体1の曲げ半径を6.4mmとし、材料Cを用いトランスファモールド成型を行った。製造したブスバー構造体のインダクタンスは、金属板状導体1、2の間隔Gが0.2mmであると3.8nHであり、屈曲部3の間隔が曲げ半径差R−R=0.4mmに広がっても4.1nHと10nH以下となった。このブスバー構造体は、耐電圧試験に合格し、ボイドやクラックも無い良好なものが得られた。
実施例4
外側に位置する金属板状導体の曲げ半径R=6mmとし、内側の曲げ半径R=6.8mmとし、材料Bを用いトランスファモールド成型を行った。製造したブスバー構造体のインダクタンスは、金属板状導体1、2の間隔Gが0.5mmであると8.8nHであり、屈曲部3の間隔が曲げ半径差0.8mmに広がっても8.3nHと10nH以下となった。このブスバー構造体も耐電圧試験に合格し、ボイドやクラックも無い良好なものが得られた。
比較例1
外側に位置する金属板状導体2の曲げ半径R=6mmとし、内側に位置する金属板状導体1の曲げ半径R=6.1mmとし、材料Bを用いトランスファモールド成型を行った。製造したブスバー構造体のインダクタンスは1.9nHであり、10nH以下となるが、耐電圧試験は短絡してしまい不合格、樹脂の充填が不十分でボイドが屈曲部3とそれ以外に見られた。金属板状導体1、2の間隔Gが0.1mmであると屈曲部以外でも樹脂充填性が著しく低下した。
比較例2
外側に位置する金属板状導体2の曲げ半径R=6mmとし、内側に位置する金属板状導体1の曲げ半径R=6.5mmとし、材料Dを用いトランスファモールド成型を行った。インダクタンスは8.8nHであり、10nH以下となるが、耐電圧試験は短絡してしまい不合格、樹脂充填が不十分でボイドが屈曲部3に見られる。スパイラルフローが短いのと屈曲部3の間隔によって樹脂の充填が不十分であった。
比較例3
外側に位置する金属板状導体2の曲げ半径R=6mmとして、内側に位置する金属板状導体1の曲げ半径R=6.8mmとし、材料Dを用いトランスファモールド成型を行った。製造したブスバー構造体のインダクタンスは7.5nHであり、10nH以下となるが、耐電圧試験は短絡し不合格、樹脂の充填が不十分でボイドが屈曲部3に見られた。スパイラルフローが短いことによって樹脂の充填が不十分であった。
比較例4
外側に位置する金属板状導体2の曲げ半径R=6mmとし、内側に位置する金属板状導体1の曲げ半径R=6.3mmとし、材料Bを用いトランスファモールド成型を行った。製造したブスバー構造体のインダクタンスは5.3nHであり、10nH以下となるが、耐電圧試験は短絡し不合格、樹脂の充填が不十分でボイドが屈曲部3に見られた。樹脂の充填が屈曲部3以外で先に完了してしまって、屈曲部では充填が不十分であった。
比較例5
外側に位置する金属板状導体2の曲げ半径R=6mmとし、内側に位置する金属板状導体1の曲げ半径R=6.4mmとし、材料Cを用いトランスファモールド成型を行った。製造したブスバー構造体のインダクタンスは7.9nHであり、10nH以下となるが、耐電圧試験は短絡し不合格、樹脂充填が不十分でボイドが屈曲部に見られる。屈曲部3が他の金属板状導体1、2の間隔Gよりも狭くなっており、樹脂の充填が屈曲部以外の部分で先に完了し、屈曲部では充填が不十分でボイドが発生した。
比較例6
外側に位置する金属板状導体1の曲げ半径R=6mmとし、内側に位置する金属板状導体1の曲げ半径を7.0mmとし、材料Cを用いトランスファモールド成型を行った。製造したブスバー構造体は耐電圧試験合格し、ボイド・クラックも無いが、インダクタンスは11.0nHであり、10nH以上となる。金属板状導体1、2の間隔Gが大きいので成型性は良いのが、インダクタンスは増加した。
比較例7
外側に位置する金属板状導体2の曲げ半径R=6mmとし、内側に位置する金属板状導体1の曲げ半径R=7mmとし、材料Cを用いトランスファモールド成型を行った。製造したブスバー構造体のインダクタンスは9.0nHであり、10nH以下となるが、耐電圧試験は短絡し不合格、樹脂充填が不十分でボイドが屈曲部3に見られる。樹脂の充填が屈曲部では不十分で、ボイドが発生した。
比較例8
外側に位置する金属板状導体2の曲げ半径R=6mmとし、内側に位置する金属板状導体1の曲げ半径R=7.4mmとし、材料Cを用いトランスファモールド成型を行った。製造したブスバー構造体は耐電圧試験合格し、ボイドやクラックも無いが、インダクタンスは11.2nHであり、10nH以上となる。屈曲部3の金属板状導体1、2の間隔が大きいので成形性は良いのであるが、インダクタンスは増加した。
比較例9
外側に位置する金属板状導体2の曲げ半径R=6mmとして、内側に位置する金属板状導体1の曲げ半径R=6.8mmとし、材料Aを用いトランスファモールド成型を行った。製造したブスバー構造体は、スパイラルフロー265cmであるために樹脂の流動性が良すぎて、ばり及び金型からの樹脂漏れが多く発生し成形性が著しく低下した。
表1に、上記した実施例1〜4及び比較例1〜9で得られたブスバー構造体について評価した結果を示している。この表1では、各測定項目でそれぞれ測定して判定しており、ばりと金型からの漏れのない良好なブスバー構造体は○印に、不良のブスバー構造体は×印に表示している。
Figure 2012209027
上記したブスバー構造体の各実施例及び各比較例とを検討した結果について、以下に纏めて説明する。実施例1と実施例3では、ボイドは無く樹脂は充填されていたが、比較例1では屈曲部3以外にもボイドがみられた。このことから、ブスバー構造体は金属板状導体1、2間の間隔Gとして0.2mm以上が必要である。更に、実施例1ではインダクタンス値は9.2nHとなっているが、比較例6ではインダクタンス値が10nHより大きくなり、金属板状導体間1、2の間隔Gは0.5mm以下でなくてはならない。
実施例1では、屈曲部3にも樹脂は充填されていたが、これと金属板状導体1、2間の間隔Gが同じ0.5mmの比較例2及び比較例5では、十分な曲げ半径差(R−R)がないために樹脂が屈曲部に充填されていなかった。
また、実施例2と実施例3ではスパイラルフロー93cmの樹脂を使用しており、金属板状導体1、2の間隔Gに十分に充填されている。実施例4ではスパイラルフロー240cmの樹脂を使用しており、これも金属板状導体1、2の間隔Gにも十分に充填されている。しかし、比較例9ではスパイラルフロー265cmの樹脂を使用しているために、ばりや金型からの樹脂の漏れがあり、樹脂モールド時の成型性が著しく損なわれた。更に、比較例3ではスパイラルフロー61cmの樹脂を使用しているために、屈曲部3以外にもボイドが見受けられ充填が不十分であった。
表1に示した本発明のブスバー構造体の実施例について検討した結果は、纏めると以下のようになる。ブスバー構造体において、10nH以下の低インダクタンスとボイドやクラックがないことの両立ができる最適な条件は、低インダクタンスを維持する観点から、金属板状導体1、2の間隔Gは0.2mm以上で0.5mm以下である。
また、ブスバー構造体の金属板状導体1、2の曲げ半径差(R−R)は、樹脂を均一に充填する観点から、金属板状導体1、2の間隔Gよりも0.3mmから0.8mm大きくすれば、インダクタンスの増加を抑えられ、しかも屈曲部3への樹脂の充填性も十分に確保することができる。更に、ブスバー構造体のモールド成型に使用する樹脂は、スパイラルフローが90cmから240cmものを用いると、成型物にボイドやばりがなくて低インダクタンスでかつ成形性を向上することができる。
なお、樹脂の圧力損失は、並行な平板では金属板状導体間の間隔の3乗に反比例することが知られており、本発明のブスバー構造体では屈曲部3の間隔が、並行な部分の金属板状導体1、2間の間隔Gよりも大きいから、樹脂の圧力効果が軽減され、樹脂流動し易くなる。金属板状導体1、2間の間隔Gが0.5mmの時に、屈曲部3の曲げ半径差を1.0mmとすると、最大屈曲部間隔が1.12mmとなり、屈曲部3の圧力損失がその他の部分よりも約10%低下するため、屈曲部3にも樹脂が流れ易くなり、低インダクタンスでかつ成形性も良好なものが得られる。
1、2…金属板状導体、3…屈曲部。

Claims (3)

  1. 少なくとも2枚の金属板状導体を並置すると共に、前記各金属板状導体は少なくとも一カ所の屈曲部を形成し、前記各金属板状導体を樹脂により一体にモールド成型したブスバー構造体において、前記各金属板状導体間は予め定めた間隔で並置し、かつ前記金属板状電極間の間隔に比べて、前記屈曲部において内側に位置する金属板状電極の平均曲げ半径と外側の位置する金属板状電極の平均曲げ半径との差を大きくしたことを特徴とするブスバー構造体。
  2. 請求項1において、前記金属板状導体間の間隔は0.2mm以上から0.5mm以下にされ、前記屈曲部において内側に位置する金属板状電極の平均曲げ半径と外側の位置する金属板状電極の平均曲げ半径との差は、前記金属板状導体間の間隔に比べて0.3mmから0.8mm大きいことを特徴とするブスバー構造体。
  3. 請求項1又は2において、前記樹脂は、スパイラルフローが90cm以上で240cm以下であることを特徴とするブスバー構造体。
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