JP2010157565A - 電力用半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】P,N,Uの電極導出端子4〜6が、回路基板の上空で絶縁樹脂シート9,10を介して積層され、その積層部11において、絶縁樹脂シートに隣接する一方の電極導出端子の縁の端面位置が当該絶縁樹脂シートの縁の端面位置より内側に配置され、当該絶縁樹脂シートに隣接する他方の電極導出端子の縁の端面位置が当該絶縁樹脂シートの縁の端面位置と一致又は該位置の外側に配置される。
【選択図】図15
Description
半導体スイッチング素子としては、主にMOSFET、IGBTなどのトランジスタが用いられている。大電力用途の半導体装置としては、電動ホークリフトなどの3相モータ駆動回路が挙げられる。車両やリフトなどの電動機の高出力化、騒音対策等により 大電流を高周波数(ホークリフトについては10kHz以上)で変換することが要求されている。
特許文献1においては、その図10に回路図が示され、その図1〜3等に装置外観図が示されている。特許文献1の図11に示されるように、3相モータの駆動回路においては、直列両半導体スイッチング素子の回路がu相、v相、w相に対応して3セット構成される。
特許文献1〜3記載の装置においては、電力線の高電位側をP、低電位側をN、出力線をUとして、これら3電極に対応する平板状の電極導出端子(電極を外部への導出する導体)が平行配置されている。
特許文献6に公開されているように、本件出願人も同様の理論に基づく配線インダクタンスの低減等を目的として、P,N,Uの3つの電極導出端子(4,5,6)が、半導体スイッチング素子が実装される回路基板(2H,2L)の上空で、絶縁材(9,10)を介して間隔を隔てて積層され、少なくともその積層部で回路基板と平行な平板状に形成されてなる構造を採用した電力用半導体装置を出願した。
まず、電極導出端子、制御用端子の位置精度の信頼性を確保し、半導体スイッチング素子が実装される回路基板への確実な接続、配線インダクタンスの低減等の所望の性能を達成する必要がある。また、電極導出端子間に配置される絶縁樹脂シートの位置精度の信頼性を確保し、絶縁信頼性を確保する必要がある。
図18(a)に示すように、P電極導出端子4の縁の端面位置とN電極導出端子5の縁の端面位置とが一致する構造、N電極導出端子5の縁の端面位置とU電極導出端子6の縁の端面位置とが一致する構造がある。また、図18(b)に示すように、P電極導出端子4の縁の端面位置とN電極導出端子5の縁の端面位置とU電極導出端子6の縁の端面位置とが一致する構造がある。
このような隣接する端子の縁の端面位置が一致する構造においては、絶縁樹脂シート9又は10の縁部に沿った各端子間の沿面絶縁距離を十分に確保するために、絶縁樹脂シート9,10の縁部を端子の縁の端面位置より外へ突出させる必要がある。
しかしこの場合には、図18に示すように、型閉め時に、型41,42,43又は44が端子4,5又は6から突出した絶縁樹脂シート9又は10の縁部に干渉して、絶縁樹脂シート9又は10の縁部が損傷、破損するおそれがあり、製造歩留まりを低下させてしまうという問題が生じた。かかる問題は、端子4,5,6及び絶縁樹脂シート9,10の位置精度を向上するだけでは、払拭することはできない。
前記電力線の高電位側をP、低電位側をN、前記出力線をUとして、P,N,Uの3電極に対応する3枚の電極導出端子と、2枚の絶縁樹脂シートとを有し、
前記3枚の電極導出端子が、前記半導体スイッチング素子が実装される回路基板の上空で、前記絶縁樹脂シートを介して積層され、少なくともその積層部で前記回路基板と平行な平板状に形成されてなり、
前記積層部において、前記絶縁樹脂シートに隣接する一方の電極導出端子の縁の端面位置が当該絶縁樹脂シートの縁の端面位置より内側に配置され、当該絶縁樹脂シートに隣接する他方の電極導出端子の縁の端面位置が当該絶縁樹脂シートの縁の端面位置と一致又は該位置の外側に配置されてなることを特徴とする電力用半導体装置である。
前記積層孔の内周において、前記絶縁樹脂シートに隣接する一方の電極導出端子の内縁の端面位置が当該絶縁樹脂シートの内縁の端面位置より外側に配置され、当該絶縁樹脂シートに隣接する他方の電極導出端子の内縁の端面位置が当該絶縁樹脂シートの内縁の端面位置と一致又は該位置の内側に配置されてなることを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体装置である。
前記半導体スイッチング素子のスイッチングを制御するための制御用電極導出端子が前記積層部の上空で前記3つの電極導出端子に交差する構造を有し、
前記樹脂ケースから延設されて連続して形成された樹脂部が、前記積層部の上空で前記制御用電極導出端子を保持するとともに一の前記積層孔に入ってその内面に付着形成されてなる請求項2に記載の電力用半導体装置である。
前記3枚の電極導出端子を前記絶縁樹脂シートを介して積層して3枚の電極導出端子と2枚の絶縁樹脂シートとからなる5層構造体を構成する工程と、
前記5層構造体に構成される2以上の前記積層孔に位置決めピンを挿入して層間の相対位置を位置決めする工程と、
前記位置決めピンを成形型に固定する工程と、
前記位置決めピンにより位置決め固定された前記5層構造体を前記成形型に収めて型閉めする工程と、
型閉めされた前記成形型に樹脂を充填し前記3枚の電極導出端子の一部に付着する樹脂ケースを成型する工程とを備える電力用半導体装置の製造方法である。
前記3枚の電極導出端子を前記絶縁樹脂シートを介して積層して3枚の電極導出端子と2枚の絶縁樹脂シートとからなる5層構造体を構成する工程と、
前記5層構造体に構成される2以上の前記積層孔に、各電極導出端子の孔に嵌合する外径を有した3段状の位置決めピンを、最も大きな孔を有する前記電極導出端子側から挿入して層間の相対位置を位置決めする工程と、
前記位置決めピンを成形型に固定する工程と、
前記位置決めピンにより位置決め固定された前記5層構造体を前記成形型に収めて型閉めする工程と、
型閉めされた前記成形型に樹脂を充填し前記3枚の電極導出端子の一部に付着する樹脂ケースを成型する工程とを備える電力用半導体装置の製造方法である。
前記3枚の電極導出端子を前記絶縁樹脂シートを介して積層して3枚の電極導出端子と2枚の絶縁樹脂シートとからなる5層構造体を構成する工程と、
前記5層構造体に構成される2以上の前記積層孔に位置決めピンを挿入して層間の相対位置を位置決めするとともに、他の位置決めピンを前記制御用電極導出端子の下方に配置される前記積層孔に下から挿入して上端部を当該積層孔から上方へ突出させて前記制御用電極導出端子に接触させることにより当該制御用電極導出端子を支持し、前記5層構造体に対する前記制御用電極導出端子の相対位置を位置決めする工程と、
前記位置決めピンを成形型に固定する工程と、
前記位置決めピンにより位置決め固定された前記5層構造体及び前記制御用電極導出端子を前記成形型に収めて型閉めする工程と、
型閉めされた前記成形型に樹脂を充填し前記3枚の電極導出端子及び前記制御用電極導出端子の一部に付着する樹脂ケースと、前記樹脂ケースから延設されて連続して形成され、前記積層部の上空で前記制御用電極導出端子を保持するとともに、当該制御用電極導出端子下方の前記他の位置決めピンとこれが挿入される積層孔との隙間に入って当該積層孔の内面に付着する樹脂部を成型する工程とを備える電力用半導体装置の製造方法である。
また本件請求項1記載の発明によれば、絶縁樹脂シートの縁部は突出せず、片側の電極導出端子に沿って延在するから、型閉め時に型が絶縁樹脂シートの縁部に干渉しても、この縁部は片側の電極導出端子で支持され、この縁部の損傷、破損が抑えられるという効果があり、もって製造歩留まりを向上することができるという効果がある。
図1は、本実施形態の電力用半導体装置の断面である。本実施形態の電力用半導体装置に適用される電極導出端子インサート型のケースの平面図を図2に、斜視図を図3に示す。図4は、P電極導出端子の平面図である。図5は、N電極導出端子の平面図である。図6は、U電極導出端子の平面図である。図7は、P−N間に配置される絶縁樹脂シートの平面図である。図8は、N−U間に配置される絶縁樹脂シートの平面図である。図9は、P,N,Uの3電極導出端子及び絶縁樹脂シートの分解斜視図である。図10は、回路基板(ボンディングワイヤ無し)の平面図である。図11は、本実施形態の電力用半導体装置の等価回路図である。図12は、3相モータの駆動回路の回路図である。
図1に示すように本実施形態の電力用半導体装置は、放熱板1と、2つの回路基板2H、2L(図10に平面図を示す)と、ケース3とが組立てられて構成され、図11に示す回路を構成する。
図5及び図9に示すように、N電極導出端子5は、平行平板部5aと、垂直平板部5bと、外端接続部5cと、2つの内端接続部5d,5eとに分けて捉えることができる。
図6及び図9に示すように、U電極導出端子6は、平行平板部6aと、垂直平板部6bと、外端接続部6cと、4つの内端接続部6d〜6gとに分けて捉えることができる。
各平行平板部4a,5a,6aは、回路基板2H、2Lに平行に配置される平板状部分である。
各垂直平板部4b,5b,6bは、回路基板2H、2Lに対し垂直に配置され、図9に示すように各平行平板部4a,5a,6aの端部と外端接続部4c,5c,6cの端部とを連結する平板状部分である。
P電極の外端接続部4cは、電源の高電位側からの外部配線が接続される。N電極の外端接続部5cは、電源の低電位側からの外部配線が接続される。U電極の外端接続部6cには、3相モータなどの出力先の装置が接続される。
図9に示すように絶縁樹脂シート9,10は、均一な厚さで形成されている。
積層部11の片側に配置された4つの内端接続部4d,4e,6d,6eについては、先端側からP電極の先端側内端接続部4d、U電極の先端側内端接続部6d、U電極の基端側内端接続部6e、P電極の基端側内端接続部4eの順で配置されている。
積層部11の他の片側に配置された4つの内端接続部5d,5e,6f,6gについては、先端側からU電極の先端側内端接続部6f、N電極の先端側内端接続部5d、N電極の基端側内端接続部5e、U電極の基端側内端接続部6gの順で配置されている。
最も先端側の内端接続部4d,6fの先端側端面は、平行平板部4a、6aの先端、すなわち、積層部11の先端に一致する。
片側4つの内端接続部4d,4e,6d,6eは均等な間隔に配置されず、内端接続部6dと内端接続部6eとの間が相対的に大きく開くことによって、先端側内端接続部4d, 6dと基端側内端接続部4e,6eとが先端側と基端側に偏在するように配置されている。
同様に、他の片側4つの内端接続部5d,5e,6f,6gは均等な間隔に配置されず、内端接続部5dと内端接続部5eとの間が相対的に大きく開くことによって、先端側内端接続部5d, 6fと基端側内端接続部5e,6gとが先端側と基端側に偏在するように配置されている。
内端接続部4eの逆側に平行平板部4aの基端部を拡幅したため、平行平板部4aの積層部11から突出する部分と内端接続部4eとが干渉せず、2つの内端接続部4d,4eの間隔を広く取りつつ、平行平板部4aの積層部11から突出する部分を大きく形成することができる。平行平板部4aの積層部11から突出する部分と垂直平板部4bとにより積層部11から外端接続部4cまでの電流経路の断面積が大きくとられている。
内端接続部6gの逆側に平行平板部6aを拡幅したため、平行平板部6aの積層部11から突出する部分と内端接続部6gとが干渉せず、2つの内端接続部6f, 6gの間隔を広く取りつつ、平行平板部6aの積層部11から突出する部分を大きく形成することができる。平行平板部6aの積層部11から突出する部分と垂直平板部6bとにより積層部11から外端接続部6cまでの電流経路の断面積が大きくとられている。
回路基板2H、2Lは、それぞれ絶縁基板13と絶縁基板13上の導体パターン14,15,16とを有する。導体パターン14は、MOSFET素子12H(12L)のゲート電極、導体パターン15は、MOSFET素子12H(12L)のソース電極, 導体パターン16は、MOSFET素子12H(12L)のドレイン電極と接続する。ゲート用導体パターン14の周りに、ソース用導体パターン15が環状に形成され、さらにソース用導体パターン15の周りに、ドレイン用導体パターン16が環状に形成された回路パターンを有する。
導体パターン14上には各MOSFET素子12H(12L)に対応した16個のゲート抵抗素子17H(17L)が付設されている。
MOSFET素子12H(12L)は、そのドレイン電極を有する裏面を導体パターン16に接合している。MOSFET素子12H(12L)のゲート電極、ソース電極はチップ表面に形成されており、ボンディングワイヤを介して、導体パターン14,15にそれぞれ接続される。
U電極導出端子6の2つの内端接続部6d,6eは回路基板2H側のソース用導体パターン15に半田付けにより接合される。
制御用電極導出端子7Hは、回路基板2H側のゲート用導体パターン14に半田を介して接合される。制御用電極導出端子8Hは、回路基板2H側のソース用導体パターン15に半田付けにより接合される。
N電極導出端子5の内端接続部5d,5eは回路基板2L側のソース用導体パターン15に半田付けにより接合される。
制御用電極導出端子7Lは、回路基板2L側のソース用導体パターン15に半田付けにより接合される。制御用電極導出端子8Lは、回路基板2L側のゲート用導体パターン14に半田付けにより接合される。
電極導出端子4〜6及び絶縁樹脂シート9,10の回路基板2L上空に位置する一側縁には、同一位置に凹部4h,5h,6h,9h,10hが形成されている。これにより、制御用電極導出端子7Lの内端接続部が電極導出端子4〜6及び絶縁樹脂シート9,10に接触しないように回避されている。
図4〜9に示すように、電極導出端子4〜6及び絶縁樹脂シート9,10には、孔a1〜a5が形成されている。これらの孔a1〜a5は、電極導出端子4〜6及び絶縁樹脂シート9,10のそれぞれを貫通する孔である。これら5つの孔a1〜a5が積層することにより、積層部11に積層孔aが形成される。積層部11には同様の積層孔bがもう一つ形成されている。積層孔bは孔b1〜b5からなる。孔a1〜a5及び孔b1〜b5は円形の孔である。積層孔aと積層孔bとは積層部11の長手方向に沿って異なる位置に形成されている。
樹脂成型時には、積層孔c、dに下から位置決めピン31、32が挿入される。位置決めピン31、32は上端方向に沿って細くなるテーパ状である。位置決めピン31、32の上端面が制御用電極導出端子7L,8Lを支持し、U電極導出端子6に対する高さを決める。
樹脂ケース(外囲部分)から延設されて連続して形成された端子保持用樹脂部19a、19bが制御用電極導出端子を支持する。端子保持用樹脂部19bは、樹脂ケース(外囲部分)の内壁から突出して制御用電極導出端子7H,8Hの基端部周りに付着接合しこれらを支持する。
端子保持用樹脂部19aは、積層部11の先端方向に位置する内壁から突出し、積層部11の先端部を上下に挟み込んで保持するとともに、積層部11の上に延設される部分が積層孔c、dの間の部分の上方に位置する制御用電極導出端子7L,8Lに付着接合してこれらを保持するとともに、積層孔c、d内に没入して積層孔c、dの内面に付着接合することにより、端子7L,8L支持の足場を固めるとともに、積層部11の層間位置を固定する。
すなわち外縁については、積層部において、絶縁樹脂シートに隣接する一方の電極導出端子の縁の端面位置が当該絶縁樹脂シートの縁の端面位置より内側に配置され、当該絶縁樹脂シートに隣接する他方の電極導出端子の縁の端面位置が当該絶縁樹脂シートの縁の端面位置と一致又は該位置の外側に配置される。
図17は、型閉め時の様子を示す断面模式図である。例えば図17(a)の左側及び図17(b)に示すように、積層部11において、絶縁樹脂シート9に隣接する一方の電極導出端子4の縁の端面位置が当該絶縁樹脂シート9の縁の端面位置より内側に配置され、当該絶縁樹脂シートに隣接する他方の電極導出端子5の縁の端面位置が当該絶縁樹脂シート9の縁の端面位置の外側(一致してもよい)に配置されている。その他の部分も同じ規律に従って配置されている。
本規律は積層孔a,b,c,dに適用されている。例えば図13に示すように、積層孔a、bの内周において、絶縁樹脂シート10に隣接する一方の電極導出端子6の内縁の端面位置が当該絶縁樹脂シート10の内縁の端面位置より外側に配置され、当該絶縁樹脂シート10に隣接する他方の電極導出端子5の内縁の端面位置が当該絶縁樹脂シート10の内縁の端面位置と一致している(内側に配置してもよい)。その他の部分も同じ規律に従って配置されている。
(工程1)まず、3枚の電極導出端子4〜6を絶縁樹脂シート9,10を介して積層して3枚の電極導出端子4〜6と2枚の絶縁樹脂シート9,10とからなる5層構造体を構成する。電極導出端子4〜6及び絶縁樹脂シート9,10は、それぞれ製作しておく。絶縁樹脂シート9,10の材料としては例えばPPSが適用される。次工程で層間の位置補正を行うから、本工程においては電極導出端子4〜6及び絶縁樹脂シート9,10を単に重ねるだけで、層間の固定は行わない。したがって、接着剤や糊、加熱融着工程等は不要である。すなわち、層間を相対的に摺動可能な状態に保持する。
一方、図16に示すように、他の位置決めピン31,32を制御用電極導出端子7L,8Lの下方に配置される積層孔c、dに下から挿入して上端部を積層孔c、dから上方へ突出させて制御用電極導出端子7L,8Lに接触させることにより制御用電極導出端子7L,8Lを支持し、5層構造体に対する制御用電極導出端子7L,8Lの相対位置を位置決めする。
なお、本工程2を上記工程1の実施とともに実施する場合とは、電極導出端子4〜6及び絶縁樹脂シート9,10の孔a1〜a5,b1〜b5に順次位置決めピン30を挿入して、積層しながら位置決めピン30に係止する場合である。
既に構成した5層構造体に積層孔a,bに順次位置決めピン30を挿入する場合は、上記工程1の後に本工程2を実施する関係になる。
位置決めピン30,31,32を成形型に固定するタイミングは、上記工程1,2の実施と同時でも、前後しても良い。
なお、回路基板2H,2Lは、放熱板1をベースとして放熱板1上に被着形成したセラミック基板等の絶縁層及びさらにその上に形成した導体パターン層によりなる形成当初より放熱板と一体のものでも良い。
すべての電極導出端子4〜6,7H,8H,7L,8Lの外端接続部は枠状のケース3の上端面に配置される。そのため、蓋22は電極導出端子に干渉せず容易に着脱可能である。蓋22を外せば、内部の検査、修理がしやすい。蓋22上に又は蓋22に代えて他の装置、例えば制御用電極導出端子7H,8H,7L,8Lに接続する制御回路基板などを配置できる。
各相に対応した電力用半導体装置の制御用電極導出端子7H,7L,8H,8Lに図示しない制御回路からの制御信号線が接続され、この制御回路の制御によりMOSFET素子12HとMOSFET素子12Lとが交互にスイッチングする。周知のようにu相、v相、w相の各相に対応した電力用半導体装置は相互に120°ずれた位相で制御され、図12の回路全体で位相が120°ずれた3相の交流電流を3相モータMへ出力し、3相モータMを駆動する。
2H,2L 回路基板
3 ケース
4 P電極導出端子
5 N電極導出端子
6 U電極導出端子
4a,5a,6a 平行平板部
4b,5b,6b 垂直平板部
4c,5c,6c 外端接続部
4d,4e,5d,5e, 6d〜6g 内端接続部
7H,7L,8H,8L 制御用電極導出端子
9,10 絶縁樹脂シート
11 積層部
12H,12L MOSFET素子
13 絶縁基板
14 ゲート用導体パターン
15 ソース用導体パターン
16 ドレイン用導体パターン
17H,17L ゲート抵抗素子
19a 端子保持用樹脂部
19b 端子保持用樹脂部
20,21 孔
22 蓋
a,b,c,d 積層孔
30 位置決めピン
31,32 位置決めピン
Claims (7)
- 両端に電源からの電力線が接続される直列接続の両半導体スイッチング素子の互いの接続点から負荷への出力線を引き出した回路を有し、前記両半導体スイッチング素子が相補的に開閉制御されることにより、前記電源の電力を変換して前記負荷へ出力する電力用半導体装置であって、
前記電力線の高電位側をP、低電位側をN、前記出力線をUとして、P,N,Uの3電極に対応する3枚の電極導出端子と、2枚の絶縁樹脂シートとを有し、
前記3枚の電極導出端子が、前記半導体スイッチング素子が実装される回路基板の上空で、前記絶縁樹脂シートを介して積層され、少なくともその積層部で前記回路基板と平行な平板状に形成されてなり、
前記積層部において、前記絶縁樹脂シートに隣接する一方の電極導出端子の縁の端面位置が当該絶縁樹脂シートの縁の端面位置より内側に配置され、当該絶縁樹脂シートに隣接する他方の電極導出端子の縁の端面位置が当該絶縁樹脂シートの縁の端面位置と一致又は該位置の外側に配置されてなることを特徴とする電力用半導体装置。 - 前記積層部に前記3枚の電極導出端子及び前記2枚の絶縁樹脂シートのそれぞれを貫通する孔が積層されてなる積層孔が形成され、
前記積層孔の内周において、前記絶縁樹脂シートに隣接する一方の電極導出端子の内縁の端面位置が当該絶縁樹脂シートの内縁の端面位置より外側に配置され、当該絶縁樹脂シートに隣接する他方の電極導出端子の内縁の端面位置が当該絶縁樹脂シートの内縁の端面位置と一致又は該位置の内側に配置されてなることを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体装置。 - 一の前記積層孔を構成する前記3枚の電極導出端子の各孔が一定の積層方向に沿って次第に大きくなる大小関係を有して形成されてなる請求項2に記載の電力用半導体装置。
- 前記回路基板を包囲する枠状で前記3つの電極導出端子の一部を埋没させてこれらを保持する樹脂ケースを有し、
前記半導体スイッチング素子のスイッチングを制御するための制御用電極導出端子が前記積層部の上空で前記3つの電極導出端子に交差する構造を有し、
前記樹脂ケースから延設されて連続して形成された樹脂部が、前記積層部の上空で前記制御用電極導出端子を保持するとともに一の前記積層孔に入ってその内面に付着形成されてなる請求項2に記載の電力用半導体装置。 - 請求項2に記載の電力用半導体装置の製造方法であって、
前記3枚の電極導出端子を前記絶縁樹脂シートを介して積層して3枚の電極導出端子と2枚の絶縁樹脂シートとからなる5層構造体を構成する工程と、
前記5層構造体に構成される2以上の前記積層孔に位置決めピンを挿入して層間の相対位置を位置決めする工程と、
前記位置決めピンを成形型に固定する工程と、
前記位置決めピンにより位置決め固定された前記5層構造体を前記成形型に収めて型閉めする工程と、
型閉めされた前記成形型に樹脂を充填し前記3枚の電極導出端子の一部に付着する樹脂ケースを成型する工程とを備える電力用半導体装置の製造方法。 - 請求項3に記載の電力用半導体装置の製造方法であって、
前記3枚の電極導出端子を前記絶縁樹脂シートを介して積層して3枚の電極導出端子と2枚の絶縁樹脂シートとからなる5層構造体を構成する工程と、
前記5層構造体に構成される2以上の前記積層孔に、各電極導出端子の孔に嵌合する外径を有した3段状の位置決めピンを、最も大きな孔を有する前記電極導出端子側から挿入して層間の相対位置を位置決めする工程と、
前記位置決めピンを成形型に固定する工程と、
前記位置決めピンにより位置決め固定された前記5層構造体を前記成形型に収めて型閉めする工程と、
型閉めされた前記成形型に樹脂を充填し前記3枚の電極導出端子の一部に付着する樹脂ケースを成型する工程とを備える電力用半導体装置の製造方法。 - 請求項4に記載の電力用半導体装置の製造方法であって、
前記3枚の電極導出端子を前記絶縁樹脂シートを介して積層して3枚の電極導出端子と2枚の絶縁樹脂シートとからなる5層構造体を構成する工程と、
前記5層構造体に構成される2以上の前記積層孔に位置決めピンを挿入して層間の相対位置を位置決めするとともに、他の位置決めピンを前記制御用電極導出端子の下方に配置される前記積層孔に下から挿入して上端部を当該積層孔から上方へ突出させて前記制御用電極導出端子に接触させることにより当該制御用電極導出端子を支持し、前記5層構造体に対する前記制御用電極導出端子の相対位置を位置決めする工程と、
前記位置決めピンを成形型に固定する工程と、
前記位置決めピンにより位置決め固定された前記5層構造体及び前記制御用電極導出端子を前記成形型に収めて型閉めする工程と、
型閉めされた前記成形型に樹脂を充填し前記3枚の電極導出端子及び前記制御用電極導出端子の一部に付着する樹脂ケースと、前記樹脂ケースから延設されて連続して形成され、前記積層部の上空で前記制御用電極導出端子を保持するとともに、当該制御用電極導出端子下方の前記他の位置決めピンとこれが挿入される積層孔との隙間に入って当該積層孔の内面に付着する樹脂部を成型する工程とを備える電力用半導体装置の製造方法。
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