JP2012207091A - 熱硬化性樹脂組成物及び成形材料 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及び成形材料 Download PDF

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大輔 北原
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Abstract

【課題】成形時のガス抜きを必要とせず、成形性及び耐トラッキング性に優れる。
【解決手段】本発明は、(A)ビス(2−オキサゾリン)化合物と、(B)フェノール樹脂とを含み、150℃で1時間加熱したとき、加熱前の重量(W)と加熱後の重量(W)との差(W−W)が、加熱前の重量(W)に対して5重量%以下である、熱硬化性樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物及び成形材料に関する。
熱硬化性樹脂組成物は、成形品の基材となる材料同士を結合させるバインダーや成形品の補強剤として広く用いられている。中でも、フェノール樹脂は、優れた機械的特性や電気的特性、接着性を有することから、様々な分野で使用されている。
フェノール樹脂は合成時の触媒の種類を変化させることによりノボラックとレゾールの二種類の樹脂を得ることができるが、ノボラック型フェノール樹脂は、熱可塑性であり、加熱しただけでは硬化しないため、一般的にヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤が加えられる。しかしながら、ヘキサメチレンテトラミンによる硬化物は、硬化に際し、ヘキサメチレンテトラミンの分解に由来するアンモニアガスが発生し、成形品中に、ボイド、亀裂等を生じさせて成形品の外観が悪くなる、機械的強度が低下する等の問題があった。これを避けるため、成形時にガス抜き作業をすることもできるが、工程が複雑かつ長時間になり効率や作業性が悪いという問題もあった。さらに、アンモニアガスによる臭気、毒性等の環境問題、ヘキサメチレンテトラミンあるいはその分解生成物が硬化物中に残存することによる物性の低下という問題が指摘されていた。
そこで、例えば、特許文献1記載の技術が開発されている。特許文献1には、ノボラック型フェノール樹脂にレゾール型フェノール樹脂を配合することにより、アンモニア等の環境に悪影響を与える反応副生物の生成がまったくなく、硬化時間をより短縮することができるフェノール樹脂組成物が得られることが記載されている。
特開2007−31638号公報
しかしながら、近年の電子機器の小型化、集積化の傾向により、電気・電子部品自体も薄肉小型化している。そのため、絶縁距離が短くなり、成形品の高度な耐トラッキング性が求められている。
一方、特許文献1のフェノール樹脂組成物では、耐トラッキング性について、さらなる改善の余地があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、成形時のガス抜きを必要とせず、成形性及び耐トラッキング性に優れる熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明によれば、
(A)ビス(2−オキサゾリン)化合物と、
(B)フェノール樹脂と、
を含み、
150℃で1時間加熱したとき、加熱前の重量(W)と加熱後の重量(W)との差(W−W)が、加熱前の重量(W)に対して5重量%以下である、熱硬化性樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記の熱硬化性樹脂組成物を樹脂成分として含む、成形材料が提供される。
本発明によれば、熱硬化性樹脂にビス(2−オキサゾリン)化合物を含有させ、150℃で1時間加熱したとき発生するガスを、加熱前の5重量%以下とするため、成形時のガス抜きを必要とせず、成形性及び耐トラッキング性に優れる熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)ビス(2−オキサゾリン)化合物と、(B)フェノール樹脂とを含み、150℃で1時間加熱したとき、加熱前の重量(W)と加熱後の重量(W)との差(W−W)が、加熱前の重量(W)に対して5重量%以下である。
本発明において、(A)ビス(2−オキサゾリン)化合物としては、式(1)記載のものがある。
Figure 2012207091
〔式(1)中、Rは炭素間結合又は2価の炭化水素基を示し、R、R、R及びRはそれぞれ水素、アルキル基又はアリール基を示す。〕
式(1)中Rが2価の炭化水素基のとき、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基とすることができる。
式(1)で示すビス(2−オキサゾリン)化合物の具体例として、Rが炭素間結合のとき、例えば、2,2'−ビス(2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(5−メチル−2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(5,5'−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4,4,4',4'−テトラメチル−2−オキサゾリン)等を挙げることができる。また、式(1)で示すビス(2−オキサゾリン)化合物において、Rが2価の炭化水素基であるときは、例えば、1,2−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)エタン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ブタン、1,6−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ヘキサン、1,8−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)オクタン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)シクロヘキサン、1,2−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,2−ビス(5−メチル−2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,3−ビス(5−メチル−2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(5−メチル−2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(4,4'−ジメチル−2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン等を挙げることができる。これらは、単独で、又は二種類以上を併用して用いることができる。
本発明においては、中でも、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン由来の構造単位を含み、分子内にアミド結合を有する共重合体が特に好ましい。
本発明においては、式(1)で示すビス(2−オキサゾリン)化合物と共に、モノ(2−オキサゾリン)化合物を併用することができる。かかるモノ(2−オキサゾリン)化合物の具体例としては、例えば、2−メチルオキサゾリン、2,4−ジメチルオキサゾリン、2−エチルオキサゾリン、2,5−ジメチルオキサゾリン、4,5−ジメチルオキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2−(m−トリル)オキサゾリン、2−(p−トリル)オキサゾリン、5−メチル−2−フェニルオキサゾリン等を挙げることができる。
(B)フェノール樹脂は、レゾール型とノボラック型とに大別され、いずれも用いることができるが、コストの面を考慮すると、ノボラック型フェノール樹脂を用いるとより好ましい。
具体的には、(B)フェノール樹脂として、例えば、下記一般式(2)で表されるノボラック型フェノール樹脂を用いることができる。
Figure 2012207091
〔式(2)中、Rは、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、互いに同じであっても異なっていてもよい。aは0〜2の整数であり、nは0〜20の整数である。〕
(B)フェノール樹脂としては、中でも、式(2)中、aが0であり、nが0〜9のノボラック型フェノール樹脂が好ましい。
ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを酸性触媒の存在下で反応させて得ることができる。
ノボラック型フェノール樹脂の合成に用いるフェノール類は、特に限定されないが、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシノールなどが挙げられる。これらを単独または2種類以上併用して用いることができる。
ノボラック型フェノール樹脂の合成に用いるアルデヒド類としても特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド等のアルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド等が挙げられる。ホルムアルデヒド源としては、ホルマリン(水溶液)、パラホルムアルデヒド、アルコール類とのヘミホルマール、トリオキサン等が挙げられる。これらを単独または2種類以上併用して用いることができる。
ノボラック型フェノール樹脂の合成時のフェノール類(P)とアルデヒド類(F1)との反応モル比率(F1/P)は、特に限定されないが、通常、0.3〜1.0として反応させ、特に0.6〜0.9とすることが好ましい。
ノボラック型フェノール樹脂の合成に用いる酸性触媒としては特に限定されないが、例えば、蓚酸、酢酸等の有機カルボン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1'−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸等の有機ホスホン酸、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸等を用いることができる。なお、これらの酸性触媒は単独、または2種類以上併用して使用することもできる。酸性触媒の添加量は特に限定されないが、フェノール類100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、特に0.1〜3重量部が好ましい。
また、(B)フェノール樹脂は、変性のフェノール樹脂であっても良いし、未変性のフェノール樹脂であっても良い。変性のフェノール樹脂としては、カシューナットオイル(カルドール、カルダノール、アナカルド酸等)、亜麻仁油、エノ油、桐油、ゴマ油、ナタネ油、綿実油、大豆油、ツバキ油、オリーブ油、ヒマシ油、トールオイル(オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、エレオステアリン酸等)等の植物油脂、ロジン(アビエチン酸、ピマール酸等) を含む各種テルペン類、各種変性シリコーンオイル等で変性したオイル変性のノボラック型フェノール樹脂が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、可撓性や耐衝撃性を付与する目的で、さらに(B)フェノール樹脂以外の樹脂成分を含むことができる。このような樹脂成分としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、芳香族アミン型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂;ビスフェノール型フェノキシ樹脂、ノボラック型フェノキシ樹脂、ナフタレン型フェノキシ樹脂、ビフェニル型フェノキシ樹脂などのフェノキシ樹脂;キシレン樹脂およびメシチレン樹脂が例示される。これらは、単独で、又は二種類以上を併用して用いることができる。
本発明において、化合物(A)は、熱硬化性樹脂組成物全体に対して、10〜90重量%用いることが好ましい。また、化合物(B)は、化合物(A)の重量に対しては、10〜90重量%が好ましく、20〜80重量%用いることがより好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、硬化反応を効率よく進行させるための触媒を含むことが好ましく、中でも酸触媒を含むことが好ましい。具体的には、例えば、リン酸、硫酸、硝酸等のオキソ酸;塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫化水素等の水素酸等の鉱酸;メタンスルホン酸等のアルカンスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のアレーンスルホン酸;リン酸エステル、亜リン酸エステル、ホスホン酸、亜ホスホン酸、ホスフィン酸、亜ホスフィン酸、酸性リン酸エステル等の有機リン化合物;スルホン酸エステル;ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等の硫酸エステル;塩化アルミニウム、塩化第二スズ等のルイス酸;ヨウ化メチル、塩化ブチル、臭化ブチル、臭化ベンジル等の有機ハロゲン化物を含むことが好ましい。これらのうち、触媒能及び溶解性に優れるという点から、有機リン化合物又はスルホン酸エステルを含むことがより好ましい。これらは、単独で、又は二種類以上を併用して用いることができる。
有機リン化合物としては、従来公知のものでよく、特に制限はないが、例えば、リン酸メチル、リン酸ジメチル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル;亜リン酸、亜リン酸メチル、亜リン酸フェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリフェニル等の亜リン酸エステル;フェニルホスホン酸、メチルホスホン酸等のホスホン酸;メチル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸等の亜ホスホン酸;ジメチルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸等のホスフィン酸;ジメチル亜ホスフィン酸、ジフェニル亜ホスフィン酸、フェニルメチル亜ホスフィン酸等の亜ホスフィン酸;ラウリルアシッドホスフェイト、トリデシルアシッドホスフェイト、ステアリルアシッドホスフェイト等の酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルの塩類等が挙げられる。中でも亜リン酸エステルが好ましい。
スルホン酸エステルとしては、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸n−ブチル等のアルカンスルホン酸アルキルエステル;ベンゼンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸n−ブチル、ドデシルベンゼンスルホン酸メチル、ナフタレン−α−スルホン酸メチル等のアレーンスルホン酸アルキルエステルが好ましい。
本発明において、上記の触媒は、熱硬化性樹脂組成物全体に対して、0.1〜20重量%の範囲で用いることができ、より好ましくは、0.5〜10重量%の範囲で用いられる。
上記で述べたように、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、150℃で1時間加熱したとき、加熱前の重量(W)と加熱後の重量(W)との差(W−W)が、加熱前の重量(W)に対して5重量%以下であるが、好ましくは、1重量%以下とすることができ、より好ましくは、0.5重量%以下とすることができる。これにより、成形時に予熱やガス抜きをすることなく成形した場合にも、ボイド、膨れ、亀裂なく成形することが可能になる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の用途としては、成形材料用素材、有機繊維粘結剤、ゴム配合剤、研磨材用粘結剤、摩擦材用粘結剤、耐火物用粘結剤、無機繊維粘結剤、電子電気部品被覆剤、摺動部材粘結剤、エポキシ樹脂原料及びエポキシ樹脂硬化剤などが挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いて、例えば、成形材料を製造する方法としては、本発明の熱硬化性樹脂組成物に、無機基材、有機基材、顔料、添加物等を混合した後、加熱ロールなどの装置により溶融混練し、冷却後粉砕または造粒して製造する。混練時の加熱温度は、触媒の使用の有無、用いる触媒の種類やその使用量のほか、材料の選択及びその使用量にもよるが、80℃以上、好ましくは100〜300℃、特に好ましくは、150〜200℃とする。反応時間も、反応温度や、触媒の使用の有無、用いる触媒の種類やその使用量のほか、材料の選択及びその使用量にもよるが、通常、1分〜2時間である。本発明の成形材料では、かかる反応条件により、(B)ノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基が化合物(A)のオキサゾリ環に作用してオキサゾリ環を開環し、付加重合して、分子内にアミド結合を形成させる。成形材料全体中、本発明の熱硬化性樹脂組成物の含有量は、10〜80重量%であることが好ましく、20〜70重量%であることがより好ましい。
無機基材としては特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、ケイソウ土、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛等が挙げられるが、強度を向上させるという点では、ガラス繊維が好ましい。また、良好な難燃性が得られるという観点からは、クレー、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛が好ましい。これらを単独又は二種類以上を併用して用いることができる。上記無機基材の配合量としては特に限定されないが、成形材料全体に対して、10〜90重量%とすることが好ましく、30〜70重量%とすることがより好ましい。これにより、耐熱性、寸法精度を向上させることができる。
有機基材としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂硬化物の粉砕物、紙繊維基材にフェノール樹脂やメラミン樹脂などを含浸させた積層板や化粧板の粉砕物、あるいは、木紛、パルプ、布粉砕粉、紙粉砕粉など、セルロースやコットン等の植物繊維またはその粉砕物、椰子ガラ粉、モミガラ粉などの植物果殻粉砕物等が挙げられる。上記有機基材の配合量としては特に限定されないが、成形材料全体に対して、0.1〜10重量%であることが好ましい。さらに好ましくは1〜5重量%である。これにより、熱溶融時に適度な流動性を得ることができ、成形性を向上させることができる。
顔料としては、硬化物の表面抵抗率を下げるため、カーボンブラック等の顔料を含むことができる。その配合量は、特に限定されないが、成形材料全体に対して、0.1〜1重量%であることが好ましい。
添加剤としては、通常の熱硬化性の成形材料に用いられる安定剤、内部離型剤、難燃剤等の任意の添加剤を用いることができる。
こうした成形材料を用いて、射出成形、トランスファー成形、圧縮成形等の方法を用いて、種々の成形体を製造することができる。例えば、破砕顆粒又は造粒された成形材料をトランスファー成形又は射出成型で成形する際は、130〜250℃、1分間〜2時間成形することで、トランスボビン等の成形体を得ることができる。
例えば、上記得られた成形材料を厚み25μmのアルミカップに入れ、175℃雰囲気下で成型したものは、耐トラッキング性が400V以上であり、より好ましくは、600V以上とすることができる。
また、上記成形体の貯蔵弾性率は、5×10Pa以上とすることができ、好ましくは、6×10〜1×1010Pa、より好ましくは7×10〜9×10Paとすることができる。
また、上記成形体の曲げ弾性率は、2×10Pa以上とすることができ、好ましくは、5×10〜1×1010Pa、より好ましくは7×10〜9×10Paとすることができる。
また、上記成形体の曲げ強さは、5×10Pa以上とすることができ、好ましくは、7×10〜1×10Paとすることができる。
また、上記成形体の曲げたわみ量は、1mm以上とすることができ、好ましくは、2〜5mmとすることができる。
また、上記成形体のシャルピー衝撃強度は、2kJ/m以上とすることができ、好ましくは、2〜5kJ/m、より好ましくは、2.5〜3.0kJ/mとすることができる。
なお、本発明において、耐トラッキング性は、IEC法60112第4版JIS C2134に基づき測定したものである。貯蔵弾性率は、上記アルミカップで成形したものを厚さ1mm程度に切り出し、DMA法(引っ張り、正弦波モード、JIS K7244−4)により25℃、10Hzにおける貯蔵弾性率を測定したものである。曲げ強さ、曲げ弾性率、たわみ量、シャルピー衝撃試験は、JIS K 6911に基づき25℃で測定したものである。
このように本発明によれば、(A)ビス(2−オキサゾリン)化合物と(B)フェノール樹脂とを含み、150℃で1時間加熱したとき、加熱前の重量(W)と加熱後の重量(W)との差(W−W)が、加熱前の重量(W)に対して5重量%以下とするため、成形時のガス抜きを必要とせず、成形性に優れ、かつ、得られる成形品は、耐トラッキング性及び強度に優れる。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、ハロゲン系難燃剤を使用せずに高い難燃性を有するため、環境負荷や人体への健康被害の懸念もない。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
実施例1〜4
1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン(1,3−PBO)と、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製スミライトレジン、PR−51714)とを表1に示すように配合した後、組成物全体に対してパラトルエンスルホン酸メチルの配合割合が2重量%となるように加えた。
比較例1
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製スミライトレジン、PR−51714)とヘキサメチレンテトラミンとを表1に示すように配合した。
[評価1]
実施例1〜4、比較例1で得られた熱硬化性樹脂組成物について、下記の方法により評価した。
1.ガス発生量
各実施例又は比較例の熱硬化性樹脂組成物10gを厚み25μmのアルミカップに加えて、150℃、1時間で加熱した後、評量した。加熱前の重量をWとし、加熱後の重量をWとして、下記式(I)から、ガス発生量を算出した。
ガス発生量={(W−W)/W}×100・・・(I)
2.耐トラッキング性
各実施例又は比較例の熱硬化性樹脂組成物を厚み25μmのアルミカップに加えて175℃雰囲気下で1時間加熱して成形した後、IEC法60112第4版JIS C2134に基づき測定した。
3.貯蔵弾性率
各実施例又は比較例の熱硬化性樹脂組成物を厚み25μmのアルミカップに加えて175℃雰囲気下で1時間加熱して成形した後、厚さ1mm程度に切り出し、DMA法(JIS K 6911)により25℃、10Hzでの貯蔵弾性率を測定した。
4.成形性
厚み25μmのアルミカップに加えて175℃雰囲気下で1時間加熱して成形した後、視覚で亀裂、膨れを確認して、以下の評価基準で評価した。
A:膨れ、亀裂がなく、良好に成形できた。
B:ボイドが確認されたが、成形できた。
C:膨れ、亀裂が表じ、成形不能であった。
Figure 2012207091
実施例5、比較例2
表2に示した配合からなる熱硬化性樹脂組成物を用意した。
[評価2]
実施例5、比較例2で得られた熱硬化性樹脂組成物について、下記の方法により評価した。
1.ガス発生量
各実施例又は比較例の熱硬化性樹脂組成物10gを厚み25μmのアルミカップに加えて、150℃、1時間で加熱した後、評量した。加熱前の重量をWとし、加熱後の重量をWとして、上記式(I)から、ガス発生量を算出した。
2.曲げ強さ、曲げ弾性率、たわみ量及びシャルピー衝撃試験
ロールにて100℃で加熱混練した後、試験片をトランスファー成形(金型温度:175℃、反応時間:1時間)により作成し、JIS K6911に基づき25℃で測定した。
3.耐トラッキング性
ロールにて100℃で加熱混練し、樹脂成形材料を得た。試験片をトランスファー成形(金型温度:175℃、反応時間:1時間)により作成した。IEC法60112第4版JIS C2134に基づき測定した。
4.成形性
ロールにて100℃で加熱混練し、樹脂成形材料を得た。試験片をトランスファー成形(金型温度:175℃、反応時間:1時間)により予熱・ガス抜きをせずに作成し、評価1と同様な基準で成形性を評価した。
Figure 2012207091
表1、2で示すように、本発明の樹脂成形材料は、成形時のガス発生量が少なく、成形性にも優れる。また、得られる成形品は、耐トラッキング性及び強度に優れる。

Claims (5)

  1. (A)ビス(2−オキサゾリン)化合物と、
    (B)フェノール樹脂と、
    を含み、
    150℃で1時間加熱したとき、加熱前の重量(W)と加熱後の重量(W)との差(W−W)が、加熱前の重量(W)に対して5重量%以下である、熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記(A)ビス(2−オキサゾリン)化合物が、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼンである、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(B)フェノール樹脂が、ノボラック型フェノール樹脂である、請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(B)フェノール樹脂が、下記一般式(2)で表されるノボラック型フェノール樹脂である、請求項3に記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2012207091
    〔式(2)中、Rは、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、互いに同じであっても異なっていてもよい。aは0〜2の整数であり、nは0〜20の整数である。〕
  5. 請求項1乃至4いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を樹脂成分として含む、成形材料。
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