JP2012206980A - 球状チタン微粒子粉体及びそれを含有する化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】球状チタン粒子を100nmより大きい粒子径に制御でき、均一な球形で且つ十分な紫外線遮断効果を示す球状酸化チタン微粒子粉体とその球状酸化チタン微粒子粉体を含有する化粧料を提供する。
【解決手段】ヒドロキシプロピルセルロース、又は、ポリエチレングリコールを溶解させたアルコール溶液に、水を添加し、一般式Ti(OR2)4(式中R2は炭素数が1以上の飽和炭化水素基を表す。)にて示される化合物の1種又は2種以上を加え、アルコキシチタネートを加水分解、重合することにより、ヒドロキシプロピルセルロース、又はポリエチレングリコールが複合化された球状酸化チタン微粒子粉体を得る。
【選択図】なし
【解決手段】ヒドロキシプロピルセルロース、又は、ポリエチレングリコールを溶解させたアルコール溶液に、水を添加し、一般式Ti(OR2)4(式中R2は炭素数が1以上の飽和炭化水素基を表す。)にて示される化合物の1種又は2種以上を加え、アルコキシチタネートを加水分解、重合することにより、ヒドロキシプロピルセルロース、又はポリエチレングリコールが複合化された球状酸化チタン微粒子粉体を得る。
【選択図】なし
Description
本発明は、球状酸化チタン微粒子粉体とその球状酸化チタン微粒子粉体を含有する化粧料に関するものである。
酸化チタンは、着色力や隠蔽性に優れ、構造的にも安定であり、安全性の高い着色顔料の一つである。また、粒子径が1μmサイズ以下になると、いわゆる体積効果や表面効果の影響により、優れた紫外線遮断効果等を示すようになる。このため、スキンケア及びメークアップに配合される化粧品等に紫外線遮断効果を付与する場合には、微粒子酸化チタンが主に紫外線遮断剤として広く配合されている。
しかし、スキンケア及びメークアップに配合される化粧品は汗や皮脂と接触することにより付着性が経時的に劣化することがあったり、酸化チタン自体の皮膚への付着性が不十分でムラ付きを起こしたりするため、紫外線遮断効果が必ずしも十分でない場合があった。また、皮膚への適用時の感触が悪い、又は、人体への安全性の問題を有しているという問題点もあった。これらの課題を解決する方法として、板状酸化チタンを作製する手法(特許文献1参照)や、シリカベースの多孔質粒子に無機顔料を含有する手法(特許文献2参照)が採られてきた。いずれの手法によっても、紫外線防御効果の向上と、防御剤の配合量を少なくすることによる使用感の向上を期待することができるが、安全性への懸念も含め、100nmより大きな粒子径で制御された酸化チタン微粒子のさらなる効果が望まれている。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、球状チタン粒子を100nmより大きい粒子径に制御でき、均一な球形で且つ十分な紫外線遮断効果を示す球状酸化チタン微粒子粉体を提供し、併せてその球状酸化チタン微粒子粉体を含有する化粧料を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1)
にて示されるヒドロキシプロピルセルロース、又は、下記一般式(2)
にて示されるポリエチレングリコールを溶解させたアルコール溶液に、水を添加し、下記一般式(3)
Ti(OR2)4 ・・・・・(3)
(式中R2は炭素数が1以上の飽和炭化水素基を表す。)
にて示される化合物の1種又は2種以上を加え、アルコキシチタネートを加水分解、重合することにより、ヒドロキシプロピルセルロース、又はポリエチレングリコールが複合化された球状酸化チタン微粒子粉体を得ることができ、この球状酸化チタン微粒子粉体が前記目的を達成することができることを見い出し、本発明を完成させるに至ったものである(第1発明)。
Ti(OR2)4 ・・・・・(3)
(式中R2は炭素数が1以上の飽和炭化水素基を表す。)
にて示される化合物の1種又は2種以上を加え、アルコキシチタネートを加水分解、重合することにより、ヒドロキシプロピルセルロース、又はポリエチレングリコールが複合化された球状酸化チタン微粒子粉体を得ることができ、この球状酸化チタン微粒子粉体が前記目的を達成することができることを見い出し、本発明を完成させるに至ったものである(第1発明)。
また、第1発明にて得られる複合化された球状酸化チタン微粒子粉体は、非晶性であるため、700℃以上の温度で焼成し、アナターゼ型又はルチル型に結晶化させた安定な球状酸化チタン微粒子粉体を得るに至ったものである(第2発明)。
前記各発明において、球状酸化チタン微粒子粉体の中位径は100nm〜500nmの範囲にあるのが好ましく、また100nm以下の粒子径の体積積算値が10%以下の範囲であり、且つ球形の最長径と最短径の比率(最長径/最短径)が1.0〜1.3の範囲にあるのが好ましい(第3発明)。
また、前記各発明において、アルコール溶媒に対するアルコキシチタネートのモル濃度が0.01〜3.0M、水のモル濃度が0.04〜15M、ヒドロキシプロピルセルロースの濃度が0.01〜10g/Lの範囲の配合で作製されるのが好ましい(第4発明)。
第5発明は、前記第1発明〜第4発明のいずれかの球状酸化チタン微粒子粉体を含有したことを特徴とする化粧料である。
第1発明によれば、アルコール/水混合溶媒中でヒドロキシプロピルセルロース、又はポリエチレングリコールを溶解し、さらにアルコキシチタネートを添加することにより、加水分解と重合が起こり、粒径の揃った球状酸化チタン微粒子粉体を作製することが可能である。
第2発明によれば、前記球状酸化チタン微粒子粉体を700℃以上の温度で焼成することにより、球状酸化チタン微粒子粉体が非晶性からアナターゼ型又はルチル型に結晶化し、活性を抑えた球状酸化チタン微粒子粉体を作製することが可能である。
第3発明によれば、球状酸化チタン微粒子粉体の中位径を100nm〜500nmの範囲にし、100nm以下の粒子径の体積積算値を10%以下の範囲にすることにより、紫外線遮断効果を持ち、さらに透明感に優れた球状又は略球状の酸化チタン微粒子粉体を作製することが可能である。
第4発明によれば、アルコール溶媒に対する水及びアルコキシチタネートのモル濃度とヒドロキシプロピルセルロース、又はポリエチレングリコールの配合量により、酸化チタン粒子の粒子径を制御でき、且つ粒子サイズが均一な球状チタン微粒子粉体を作製することが可能である。
第5発明によれば、前記各発明の球状酸化チタン微粒子粉体を用いることにより、透明感があり、感触が良く、紫外線遮断効果があり、安全性の高い化粧料を得ることができる。
次に、本発明による球状酸化チタン微粒子粉体及びそれを含有する化粧料の具体的な実施の形態について説明する。
第1発明による球状酸化チタン微粒子粉体は次の手順によって作製される。
1)アルコール又はアルコール/水の混合溶媒に、前記一般式(1)で示されるヒドロキシプロピルセルロース、又は前記一般式(2)で示されるポリエチレングリコールを溶解させる。
2)前記一般式(3)で示されるアルコキシチタネートを加え撹拌し、加水分解、重合させて、ヒドロキシプロピルセルロースが複合化された球状酸化チタン微粒子粉体を合成する。
3)必要に応じて水洗、ろ過する。
第2発明による球状酸化チタン微粒子粉体については、その後、ろ過後乾燥させ、これを700℃以上の温度で焼成し、最終生成物を得る。
1)アルコール又はアルコール/水の混合溶媒に、前記一般式(1)で示されるヒドロキシプロピルセルロース、又は前記一般式(2)で示されるポリエチレングリコールを溶解させる。
2)前記一般式(3)で示されるアルコキシチタネートを加え撹拌し、加水分解、重合させて、ヒドロキシプロピルセルロースが複合化された球状酸化チタン微粒子粉体を合成する。
3)必要に応じて水洗、ろ過する。
第2発明による球状酸化チタン微粒子粉体については、その後、ろ過後乾燥させ、これを700℃以上の温度で焼成し、最終生成物を得る。
本発明で用いられる前記一般式(1)に示されるヒドロキシプロピルセルロースの例としては、日本曹達から日曹HPCの名称で、また三栄源エフ・エフ・アイからKlucel Nutraの名称で市販されているヒドロキシプロピルセルロースなどを挙げることができる。また前記一般式(2)に示されるポリエチレングリコールの例としては、三洋化成、日本油脂、第一工業製薬からPEGの名称で市販されているポリエチレングリコールなどを挙げることができる。
最も一般的な酸化チタン微粒子の製造方法は、硫酸法及び塩酸法である。市販されている酸化チタン微粒子の合成方法としては、高温(373K以上)・高圧の水を溶媒に用いる水熱合成法、四塩化チタンの燃焼分解法、含水酸化チタンの化学処理、加熱法、ゾルゲル法等が挙げられる。しかし、これらの合成方法により製造される酸化チタン微粒子はその形状が不定形であり、粒度分布も広く、純度も低い。近年、チタンアルコシキドを原料としてアルコールを用いた湿式法により、粒子の揃った純度の高い酸化チタンを得る手法が特開2004−315356号公報に見られるようにすでに発表されている。
本発明において、ヒドロキシプロピルセルロース、又はポリエチレングリコールの存在下、アルコキシチタンの加水分解、重合によりサブミクロンサイズの粒径の揃った球状酸化チタン微粒子を作製することが可能となる。球状酸化チタン微粒子に吸着している高分子量化合物の吸着量は、熱重量分析計を用いて分析するのが好ましい。また本発明において、球状チタン微粒子の粒子径は、溶媒の種類によってある程度制御することが可能であり、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどの溶媒を用いることができ、これらを単独又は2種以上併用することもできる。また、球状酸化チタン微粒子の粒子サイズの確認は、電子顕微鏡により観察する方法、粒度分布計による測定によるのが好適である。
また、本発明に用いられる溶媒には、微量の水が含まれていることが必要である。必要とされる水の含有量は、最低でもアルコキシチタネートに含まれるアルコキシ基と同じモル量が好ましく、水が過剰でも構わない。水の含有量が、アルコキシ基のモル数より少ないモル量の場合、アルコキシチタネートの加水分解・重合がうまく進行しないため、粒子サイズのばらつきや収率の低下の原因になる。
アルコキシチタネートは、下記一般式(3)
Ti(OR2)4 ・・・・・(3)
(式中R2は炭素数が1以上の飽和炭化水素基を表す。)
で表される化合物である。R2で示される飽和炭化水素基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等がその代表として挙げられるが、テトライソプロポキシチタンが最も一般的である。
Ti(OR2)4 ・・・・・(3)
(式中R2は炭素数が1以上の飽和炭化水素基を表す。)
で表される化合物である。R2で示される飽和炭化水素基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等がその代表として挙げられるが、テトライソプロポキシチタンが最も一般的である。
本発明において、球状酸化チタン微粒子粉体の中位径は100nm〜500nmの範囲が好ましい。中位径が500nmを越えると可視部の透過率が悪くなるため透明感が劣る。また、球状酸化チタン微粒子の球形の最長径と最短径の比率(最長径/最短径)は1.0〜1.3の範囲が好ましい。この比率が1.3を越えると不均一な粒形になるため、感触が悪くなる懸念がある。
本発明において、前記一般式(1)で示されるヒドロキシプロピルセルロース、又は前記一般式(2)で示されるポリエチレングリコールのアルコール溶媒に対する配合量は0.01〜10g/Lの範囲が好ましいが、0.01〜5g/Lの範囲がより好ましい。
ヒドロキシプロピルセルロース、又はポリエチレングリコールを配合しない場合、大きな酸化チタン粒子の凝集体となり、十分な紫外線防御効果が発揮できない。配合量が増すと球状酸化チタン微粒子のサイズが小さくなる傾向にあるため、100nmより小さい微粒子ができ、強い凝集が起きる懸念がある。一方、アルコール溶媒に対するアルコキシチタネートのモル濃度は0.01〜3.0Mの範囲が好ましいが、0.01〜1.0Mの範囲がより好ましい。モル濃度が増すと、球状酸化チタン微粒子の粒子径の制御が困難になる傾向がある。
本発明において、球状酸化チタン微粒子粉体の紫外線防御効果の評価方法として、UV・可視透過測定、SPF(Sun Protection Factor)測定を挙げることができるが、SPF測定を用いる方法が簡便で好ましい。
本発明に係る球状酸化チタン微粒子粉体は、さらにそれ自体従来公知の各種の表面処理を施すことができる。この表面処理の例としては、以下の処理が挙げられる。なお、これらの処理を複数組み合わせて用いることも可能である。
a)フッ素化合物処理・・・パーフルオロアルキルリン酸エステル処理やパーフルオロアルキルシラン処理、パーフルオロポリエーテル処理、フルオロシリコーン処理、フッ素化シリコーン樹脂処理など
b)シリコーン処理・・・メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、気相法テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン処理など
c)ペンダント処理・・・気相法シリコーン処理後にアルキル鎖などを付加する方法
d)シランカップリング剤処理
e)チタンカップリング剤処理
f)アルミニウムカップリング剤処理
g)油剤処理
h)N−アシル化リジン処理
i)ポリアクリル酸処理
j)金属石鹸処理・・・ステアリン酸塩処理やミリスチン酸塩処理など
k)アクリル樹脂処理
l)金属酸化物処理
a)フッ素化合物処理・・・パーフルオロアルキルリン酸エステル処理やパーフルオロアルキルシラン処理、パーフルオロポリエーテル処理、フルオロシリコーン処理、フッ素化シリコーン樹脂処理など
b)シリコーン処理・・・メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、気相法テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン処理など
c)ペンダント処理・・・気相法シリコーン処理後にアルキル鎖などを付加する方法
d)シランカップリング剤処理
e)チタンカップリング剤処理
f)アルミニウムカップリング剤処理
g)油剤処理
h)N−アシル化リジン処理
i)ポリアクリル酸処理
j)金属石鹸処理・・・ステアリン酸塩処理やミリスチン酸塩処理など
k)アクリル樹脂処理
l)金属酸化物処理
本発明の球状酸化チタン微粒子粉体は、化粧料に配合することにより、使用感が良く、安全であり、且つ紫外線防御効果がある化粧料を得ることができる。この場合、配合量としては、0.1〜100質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜60質量%である。化料の剤型としては、二層状、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、ジェル状、スプレー、ムース状、油性、固形状等の従来公知の剤型を使用することができる。勿論、本発明の化粧料を得るのに、他の公知の着色顔料、体質顔料、樹脂粉体、光輝性粉体、又はそれらの粉体の表面処理粉体と、界面活性剤、油剤を組み合わせることができるのは言うまでもない。
次に、本発明による球状酸化チタン微粒子粉体及びそれを含有する化粧料の具体的な実施例について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、以下に述べる実施例に限定されるものではない。
(粉体調製実施例1)
100mlのメタノールに、イオン交換水0.7mlを添加した混合溶媒に、アクロス社から市販されているヒドロキシプロピルセルロース(平均分子量10万)0.05g、さらに無水酢酸溶液0.15gを溶解させた。テトライソプロポキシチタン10mlをゆっくり添加した後、30℃で2時間撹拌した。イオン交換水を0.5ml滴下し、1時間撹拌して反応を促した。これを4回繰り返した。得られたスラリーに6000rpm、10分間遠心分離を行い、上澄み液を除去した後、減圧下80℃で一晩乾燥、粉砕し、球状酸化チタン微粒子粉体を得た。
100mlのメタノールに、イオン交換水0.7mlを添加した混合溶媒に、アクロス社から市販されているヒドロキシプロピルセルロース(平均分子量10万)0.05g、さらに無水酢酸溶液0.15gを溶解させた。テトライソプロポキシチタン10mlをゆっくり添加した後、30℃で2時間撹拌した。イオン交換水を0.5ml滴下し、1時間撹拌して反応を促した。これを4回繰り返した。得られたスラリーに6000rpm、10分間遠心分離を行い、上澄み液を除去した後、減圧下80℃で一晩乾燥、粉砕し、球状酸化チタン微粒子粉体を得た。
(粉体調製実施例2)
100mlのメタノールに、イオン交換水0.7mlを添加した混合溶媒に、アクロス社から市販されているヒドロキシプロピルセルロース(平均分子量10万)0.05g、さらに無水酢酸溶液0.15gを溶解させた。テトライソプロポキシチタン10mlをゆっくり添加した後、30℃で2時間撹拌した。イオン交換水を0.5ml滴下し、1時間撹拌して反応を促した。これを4回繰り返した。得られたスラリーに6000rpm、10分間遠心分離を行い、上澄み液を除去した後、減圧下80℃で一晩乾燥した。得られた粉体を700℃2時間焼成後、粉砕し、球状酸化チタン微粒子粉体を得た。
100mlのメタノールに、イオン交換水0.7mlを添加した混合溶媒に、アクロス社から市販されているヒドロキシプロピルセルロース(平均分子量10万)0.05g、さらに無水酢酸溶液0.15gを溶解させた。テトライソプロポキシチタン10mlをゆっくり添加した後、30℃で2時間撹拌した。イオン交換水を0.5ml滴下し、1時間撹拌して反応を促した。これを4回繰り返した。得られたスラリーに6000rpm、10分間遠心分離を行い、上澄み液を除去した後、減圧下80℃で一晩乾燥した。得られた粉体を700℃2時間焼成後、粉砕し、球状酸化チタン微粒子粉体を得た。
粉体調製実施例1で作製した球状酸化チタン微粒子粉体はアモルファス状態であるが、粉体調製実施2で作製した球状酸化チタン微粒子粉体は700℃で2時間加熱処理することにより、アナターゼ型及びルチル型両方を含む結晶型になることをX線回折により確認した(図1)。
(粉体調整実施例3)
100mlのメタノールに、イオン交換水0.7mlを添加した混合溶媒に、和光純薬社から市販されているポリエチレングリコール(平均分子量6千) 0.05g、さらに無水酢酸溶液0.15gを溶解させた。テトライソプロポキシチタン10mlをゆっくり添加した後、30℃で2時間撹拌した。イオン交換水を0.5ml滴下し、1時間撹拌して反応を促した。これを4回繰り返した。得られたスラリーに6000rpm、10分間遠心分離を行い、上澄み液を除去した後、減圧下80℃で一晩乾燥、粉砕し、球状酸化チタン微粒子粉体を得た。
100mlのメタノールに、イオン交換水0.7mlを添加した混合溶媒に、和光純薬社から市販されているポリエチレングリコール(平均分子量6千) 0.05g、さらに無水酢酸溶液0.15gを溶解させた。テトライソプロポキシチタン10mlをゆっくり添加した後、30℃で2時間撹拌した。イオン交換水を0.5ml滴下し、1時間撹拌して反応を促した。これを4回繰り返した。得られたスラリーに6000rpm、10分間遠心分離を行い、上澄み液を除去した後、減圧下80℃で一晩乾燥、粉砕し、球状酸化チタン微粒子粉体を得た。
(粉体調製実施例4)
100mlのメタノールに、イオン交換水0.7mlを添加した混合溶媒に、和光純薬社から市販されているポリエチレングリコール(平均分子量6千)0.05g、さらに無水酢酸溶液0.15gを溶解させた。テトライソプロポキシチタン10mlをゆっくり添加した後、30℃で2時間撹拌した。イオン交換水を0.5ml滴下し、1時間撹拌して反応を促した。これを4回繰り返した。得られたスラリーに6000rpm、10分間遠心分離を行い、上澄み液を除去した後、減圧下80℃で一晩乾燥した。得られた粉体を700℃2時間焼成後、粉砕し、球状酸化チタン微粒子粉体を得た。
100mlのメタノールに、イオン交換水0.7mlを添加した混合溶媒に、和光純薬社から市販されているポリエチレングリコール(平均分子量6千)0.05g、さらに無水酢酸溶液0.15gを溶解させた。テトライソプロポキシチタン10mlをゆっくり添加した後、30℃で2時間撹拌した。イオン交換水を0.5ml滴下し、1時間撹拌して反応を促した。これを4回繰り返した。得られたスラリーに6000rpm、10分間遠心分離を行い、上澄み液を除去した後、減圧下80℃で一晩乾燥した。得られた粉体を700℃2時間焼成後、粉砕し、球状酸化チタン微粒子粉体を得た。
(粉体調製比較例1)
500mlのメタノールに、イオン交換水2.5mlを添加した混合溶媒に、テトライソプロポキシチタン10mlをゆっくり添加した後、30℃で2時間撹拌した。得られたスラリーに6000rpm、10分間遠心分離を行い、上澄み液を除去した後、減圧下80℃で一晩乾燥、粉砕し、酸化チタン粉体を得た。
500mlのメタノールに、イオン交換水2.5mlを添加した混合溶媒に、テトライソプロポキシチタン10mlをゆっくり添加した後、30℃で2時間撹拌した。得られたスラリーに6000rpm、10分間遠心分離を行い、上澄み液を除去した後、減圧下80℃で一晩乾燥、粉砕し、酸化チタン粉体を得た。
表1には、粉体調製実施例1,3及び粉体調製比較例1について、電子顕微鏡により粒子の状態と粒子サイズを比較した結果が示されている。
表1の結果からヒドロキシプロピルセルロースを含む粉体調製実施例1、及びポリエチレングリコールを含む粉体調製実施例3は球形で且つ粒子サイズが均一な単分散の粒子であり、粒子の状態が良好であることがわかった。一方、粉体調整比較例1は球形の粒子が凝集しており粒子サイズも不均一であった。
(化粧料調製実施例1)
表2に示す処方に従ってパウダーファンデーションを得た。製造に際しては、成分Aを粗混合した後、均一に溶解した成分Bを加えて良く撹拌した後、容器に充填して製品を得た。
表2に示す処方に従ってパウダーファンデーションを得た。製造に際しては、成分Aを粗混合した後、均一に溶解した成分Bを加えて良く撹拌した後、容器に充填して製品を得た。
(化粧料調製実施例2)
上記化粧料調製実施例1において、粉体調製実施例1で作製した球状酸化チタン微粒子粉体を、粉体調製実施例2で作製した球状酸化チタン微粒子粉体に変えた以外は、化粧料調製実施例1と同様にしてパウダーファンデーションを得た。
上記化粧料調製実施例1において、粉体調製実施例1で作製した球状酸化チタン微粒子粉体を、粉体調製実施例2で作製した球状酸化チタン微粒子粉体に変えた以外は、化粧料調製実施例1と同様にしてパウダーファンデーションを得た。
(化粧料調製実施例3)
上記化粧料調製実施例1において、粉体調製実施例1で作製した球状酸化チタン微粒子粉体を、粉体調製実施例3で作製した球状酸化チタン微粒子粉体に変えた以外は、化粧料調製実施例1と同様にしてパウダーファンデーションを得た。
上記化粧料調製実施例1において、粉体調製実施例1で作製した球状酸化チタン微粒子粉体を、粉体調製実施例3で作製した球状酸化チタン微粒子粉体に変えた以外は、化粧料調製実施例1と同様にしてパウダーファンデーションを得た。
(化粧料調製実施例4)
上記化粧料調製実施例1において、粉体調製実施例1で作製した球状酸化チタン微粒子粉体を、粉体調製実施例4で作製した球状酸化チタン微粒子粉体に変えた以外は、化粧料調製実施例1と同様にしてパウダーファンデーションを得た。
上記化粧料調製実施例1において、粉体調製実施例1で作製した球状酸化チタン微粒子粉体を、粉体調製実施例4で作製した球状酸化チタン微粒子粉体に変えた以外は、化粧料調製実施例1と同様にしてパウダーファンデーションを得た。
(化粧料調製比較例1)
上記化粧料調製実施例1において、粉体調製実施例1で作製した球状酸化チタン微粒子粉体を、粉体調製比較例1で作製した酸化チタン粉体に変えた以外は、化粧料調製実施例1と同様にしてパウダーファンデーションを得た。
上記化粧料調製実施例1において、粉体調製実施例1で作製した球状酸化チタン微粒子粉体を、粉体調製比較例1で作製した酸化チタン粉体に変えた以外は、化粧料調製実施例1と同様にしてパウダーファンデーションを得た。
(パウダーファンデーションの評価)
上記化粧料調製実施例1〜4及び化粧料調製比較例1の各パウダーファンデーションを、女性パネラー10人に使用してもらい、その感触の良さをアンケート形式で回答してもらった。評価が悪い場合を0点、評価が良い場合を5点とし、パネラーの平均点数で評価結果とした。この評価結果が表3に示されている。表において点数が高いほど評価が優れていることを示している。
上記化粧料調製実施例1〜4及び化粧料調製比較例1の各パウダーファンデーションを、女性パネラー10人に使用してもらい、その感触の良さをアンケート形式で回答してもらった。評価が悪い場合を0点、評価が良い場合を5点とし、パネラーの平均点数で評価結果とした。この評価結果が表3に示されている。表において点数が高いほど評価が優れていることを示している。
表3の結果から球状酸化チタン微粒子粉体をパウダーファンデーションに配合した化粧料調製実施例1及び化粧料調製実施例3は、化粧料調製比較例1と比較して感触、透明感共に優れていることがわかった。また焼成した球状酸化チタン微粒子粉体をパウダーファンデーションに配合した化粧料調製実施例2及び化粧料調製実施例4は、化粧料調製比較例1と比較して感触、透明感共に優れていることがわかり、より肌に近い自然な化粧仕上がりになる傾向があった。
本発明によれば、均一な球形で、十分な紫外線遮断効果を示す球状酸化チタン微粒子粉体を得ることができ、またその球状酸化チタン微粒子粉体を配合した化粧料は、透明感があり、感触が良く、紫外線遮断効果があり、安全性が高いことから、スキンケア化粧料やメークアップ化粧料などに適用してその実施効果が大である。
Claims (5)
- 前記請求項1に記載のヒドロキシプロピルセルロースが複合化された球状酸化チタン微粒子粉体を700℃以上の温度で焼成したことを特徴とする球状酸化チタン微粒子粉体。
- 中位径が100nm〜500nmの範囲にあり、100nm以下の粒子径の体積積算値が10%以下の範囲であり、且つ球形の最長径と最短径の比率(最長径/最短径)が1.0〜1.3の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の球状酸化チタン微粒子粉体。
- アルコール溶媒に対するアルコキシチタネートのモル濃度が0.01〜3.0M、水のモル濃度が0.04〜15M、ヒドロキシプロピルセルロースの濃度が0.01〜10g/Lの範囲の配合で作製されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の球状酸化チタン微粒子粉体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の球状酸化チタン微粒子粉体を含有したことを特徴とする化粧料。
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