JP2012206598A - 推進加勢装置及び船舶 - Google Patents
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Abstract
【課題】船舶のプロペラの駆動をアシスト(加勢)してトータルの燃費を改善することが可能な推進加勢装置及び該推進加勢装置を備える船舶を提供する。
【解決手段】太陽エネルギーを用いてソーラーパネル52が発電した電力によって蓄電池55を充電し、ソーラーパネル52及び蓄電池55の何れか一方又は両方からDC/ACインバータ57を介して電力が供給されるモータ58の駆動力によって船舶のプロペラ1の駆動を加勢する。主機3の主軸31の回転数の高/低に応じて、モータ58の駆動力を小/大に変化させ、主機3の主軸31の回転数が、ガバナ4に対する回転数の設定値より高い場合は、モータ58に電力を供給しないようにする。
【選択図】図1
【解決手段】太陽エネルギーを用いてソーラーパネル52が発電した電力によって蓄電池55を充電し、ソーラーパネル52及び蓄電池55の何れか一方又は両方からDC/ACインバータ57を介して電力が供給されるモータ58の駆動力によって船舶のプロペラ1の駆動を加勢する。主機3の主軸31の回転数の高/低に応じて、モータ58の駆動力を小/大に変化させ、主機3の主軸31の回転数が、ガバナ4に対する回転数の設定値より高い場合は、モータ58に電力を供給しないようにする。
【選択図】図1
Description
本発明は、モータの駆動力によって船舶のプロペラの駆動をアシストする推進加勢装置及び該推進加勢装置を備える船舶に関する。
近年、モータの駆動力によって移動体の駆動をアシストするハイブリッド技術が急速に発達しており、船舶にあってはモータ又はモータ/ジェネレータの駆動力によってプロペラ(スクリュー)の駆動をアシストするハイブリッドシステムが考案されている。
例えば特許文献1では、エンジンが駆動するプロペラに加わる負荷トルクがエンジンの出力トルクを上回っている場合、電力源から電力が供給されるモータ/ジェネレータによってプロペラの駆動をアシストする船舶の推進装置が開示されている。この船舶の推進装置では、プロペラに加わる負荷トルクがエンジンの出力トルクを下回っている場合、エンジンがモータ/ジェネレータを駆動するようにしてあり、モータ/ジェネレータが発電した電力を蓄電池に蓄電することによって蓄電された電力を前記電力源とすることができる。
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、モータ/ジェネレータを発電機として使用しない場合は、モータ/ジェネレータがプロペラの駆動をアシストする際の電力源を確保し続けることが困難となる。一方、モータ/ジェネレータを発電機として使用した場合は、発電された電力を用いるアシストによって節約される燃料よりも、発電のために消費される燃料の方が多くなる場合があり、トータルの燃費が悪化するという問題があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、船舶のプロペラの駆動をアシスト(加勢)してトータルの燃費を改善することが可能な推進加勢装置及び該推進加勢装置を備える船舶を提供することにある。
本発明に係る推進加勢装置は、発電機及び/又は蓄電池から電力が供給されるモータの駆動力によって船舶のプロペラの駆動を加勢する推進加勢装置において、前記発電機は、自然エネルギーを用いて発電するようにしてあり、前記蓄電池は、前記発電機が発電した電力を充電するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、自然エネルギーを用いる発電機が発電した電力によって蓄電池を充電し、発電機及び蓄電池の何れか一方又は両方から電力が供給されるモータの駆動力によって船舶のプロペラの駆動を加勢する。
これにより、自然エネルギーに由来する電力で回転するモータによってプロペラの駆動が加勢される。
これにより、自然エネルギーに由来する電力で回転するモータによってプロペラの駆動が加勢される。
本発明に係る推進加勢装置は、前記プロペラの回転数、又は前記プロペラを駆動する主駆動源の回転数を検出する検出手段を備え、該検出手段の検出結果の高/低に応じて前記モータの駆動力を小/大に変化させるようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、プロペラの回転数又はプロペラの主駆動源の回転数の高/低に応じて、モータの駆動力を小/大に変化させる。
これにより、プロペラが減速機を介して主駆動源に駆動されているか否かに関わらずプロペラの回転数の変化の度合いが把握される。また、プロペラに加わる負荷抵抗が変動してプロペラの回転数が変化する場合に、負荷抵抗の大/小に応じて、プロペラの駆動を加勢するモータの駆動力が大/小に調整される。
これにより、プロペラが減速機を介して主駆動源に駆動されているか否かに関わらずプロペラの回転数の変化の度合いが把握される。また、プロペラに加わる負荷抵抗が変動してプロペラの回転数が変化する場合に、負荷抵抗の大/小に応じて、プロペラの駆動を加勢するモータの駆動力が大/小に調整される。
本発明に係る推進加勢装置は、前記回転数の設定値を取得する取得手段を備え、前記検出手段の検出結果が、前記取得手段の取得結果より高いか否かを判定する手段を備え、該手段が高いと判定した場合、前記モータの駆動力を所定の駆動力より小さくするようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、プロペラの回転数又はプロペラの主駆動源の回転数が、夫々の回転数の設定値より高い場合、モータの駆動力を所定の駆動力より小さくする。
これにより、プロペラに加わる負荷抵抗が小さくなってプロペラの回転数が上昇した場合に、プロペラの駆動を加勢するモータの駆動力が必要最小限に抑制される。
これにより、プロペラに加わる負荷抵抗が小さくなってプロペラの回転数が上昇した場合に、プロペラの駆動を加勢するモータの駆動力が必要最小限に抑制される。
本発明に係る推進加勢装置は、前記プロペラ又は該プロペラの主駆動源の回転角加速度を検出する検出手段を備え、該検出手段の検出結果の大/小に応じて前記モータの駆動力を小/大に変化させるようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、プロペラシャフトの角加速度又はプロペラの主駆動源の主軸の角加速度、即ち、プロペラの回転数の変化率又は主駆動源の回転数の変化率の大/小に応じて、モータの駆動力を小/大に変化させる。
これにより、プロペラに加わる負荷抵抗が変動してプロペラの回転数の変化率が正負に変化する場合に、負荷抵抗の大/小に応じて、プロペラの駆動を加勢するモータの駆動力が大/小に調整される。
これにより、プロペラに加わる負荷抵抗が変動してプロペラの回転数の変化率が正負に変化する場合に、負荷抵抗の大/小に応じて、プロペラの駆動を加勢するモータの駆動力が大/小に調整される。
本発明に係る推進加勢装置は、前記検出手段の検出結果が所定値より大きいか否かを判定する手段を備え、該手段が大きいと判定した場合、前記モータの駆動力を所定の駆動力より小さくするようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、プロペラ又はプロペラの主駆動源の回転角加速度、即ち、プロペラの回転数又は主駆動源の回転数の変化率が、所定値より大きい場合、モータの駆動力を所定の駆動力より小さくする。
これにより、プロペラに加わる負荷抵抗が小さくなってプロペラの回転数が例えば増加傾向となった場合に、プロペラの駆動を加勢するモータの駆動力が必要最小限に抑制される。
これにより、プロペラに加わる負荷抵抗が小さくなってプロペラの回転数が例えば増加傾向となった場合に、プロペラの駆動を加勢するモータの駆動力が必要最小限に抑制される。
本発明に係る推進加勢装置は、前記自然エネルギーは、太陽光であることを特徴とする。
本発明にあっては、太陽光発電による電力をモータに供給すると共に蓄電池に蓄電する。
これにより、日中に発電された豊富な電力が終日にわたって利用される。
これにより、日中に発電された豊富な電力が終日にわたって利用される。
本発明に係る船舶は、上述の推進加勢装置と、プロペラと、該プロペラを駆動する主駆動源とを備え、該主駆動源によるプロペラの駆動を、前記推進加勢装置で加勢するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、主駆動源によるプロペラの駆動を上述の推進加勢装置で加勢するため、自然エネルギーに由来する電力で回転するモータによってプロペラの駆動を加勢する推進加勢装置が船舶に好適に用いられる。
本発明によれば、自然エネルギーに由来する電力で回転するモータによってプロペラの駆動が加勢される。
従って、船舶のプロペラの駆動を加勢してトータルの燃費を改善することが可能となる。
従って、船舶のプロペラの駆動を加勢してトータルの燃費を改善することが可能となる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る船舶の要部構成を示すブロック図である。図中1は船舶を推進させるプロペラであり、プロペラ1のプロペラシャフト11は、減速機2を介して主機(主駆動源)3の主軸31と接続されている。主軸31の回転数は、推進加勢装置5が備える回転数検出器51によって検出され、検出された回転数がガバナ4に与えられる。ガバナ4は、図示しない回転数の設定手段を有しており、設定された回転数と回転数検出器51から与えられる回転数との差分に応じ、アクチュエータ42を用いて燃料ポンプ32による主機3への燃料の供給量を2msごとに調整する。これにより、主機3の主軸31の回転数が、設定された回転数に近づくように制御される。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る船舶の要部構成を示すブロック図である。図中1は船舶を推進させるプロペラであり、プロペラ1のプロペラシャフト11は、減速機2を介して主機(主駆動源)3の主軸31と接続されている。主軸31の回転数は、推進加勢装置5が備える回転数検出器51によって検出され、検出された回転数がガバナ4に与えられる。ガバナ4は、図示しない回転数の設定手段を有しており、設定された回転数と回転数検出器51から与えられる回転数との差分に応じ、アクチュエータ42を用いて燃料ポンプ32による主機3への燃料の供給量を2msごとに調整する。これにより、主機3の主軸31の回転数が、設定された回転数に近づくように制御される。
推進加勢装置5は、太陽光を用いて発電するソーラーパネル(請求項の発電機)52と、該ソーラーパネル52が発電した直流電力を変換するDC/DCコンバータ53と、該DC/DCコンバータ53が変換した直流電力を変換するDC/DCコンバータ54及びDC/ACインバータ56,57と、リチウムイオン電池からなる蓄電池55と、減速機2を介してプロペラ1の駆動を加勢するモータ58とを備える。蓄電池55は双方向のDC/DCコンバータ54と接続されており、モータ58はDC/ACインバータ57と接続されている。図1では、電力の供給路を太い実線で示し、電力が供給される方向を白抜きの矢印で示し、後述する信号の伝送路を矢印付きの細い実線で示す。
推進加勢装置5は、また、DC/DCコンバータ53,54及びDC/ACインバータ56,57の動作を制御する制御部59を備える。制御部59は、CPU591を有し、該CPU591は、プログラム等の情報を記憶するROM及び一時的に発生した情報を記憶するRAM(何れも図示せず)と、DC/DCコンバータ53,54及びDC/ACインバータ56,57を制御する信号の入出力を行うI/Oポート592とにバス接続されている。I/Oポート592には、また、回転数検出器51が検出した回転数と、ガバナ4に設定された回転数とが与えられる。CPU591がI/Oポート592を介してアナログの信号を入出力する場合は、図示しないA/D・D/Aコンバータを用いる。
DC/ACインバータ56が変換した交流電力は、配電盤6を介して船舶内の電力負荷7に与えられる。該電力負荷7には、また、発電機(船内発電機)8,8,8が発電した電力が与えられる。発電機8,8,8から電力負荷7に与えられる電力、即ち発電電力は、配電盤6が有する電力計(図示せず)によって検出され、検出された発電電力がI/Oポート592に与えられる。
CPU591は、前記ROMに予め格納されている制御プログラムに従って、推進加勢装置5の機能を実現するための処理を実行する。具体的には、CPU591は、I/Oポート592を介してDC/DCコンバータ53を制御することにより、ソーラーパネル52が発電する電力について最大電力追従制御(MPPT:Maximum Power Point Tracking )を行うと共に、DC/DCコンバータ53の出力電圧が一定となるようにする。CPU591は、更に、I/Oポート592を介してDC/DCコンバータ54を制御することにより、蓄電池55に対する充放電の切り替えと、充電の停止及び開始の切り替えとを行う。この間、CPU591は、蓄電池55の満充電及び放電終止を検出すると共に、充放電電流を検出して残容量を算出する。
CPU591は、また、I/Oポート592を介してDC/ACインバータ56を制御することにより、電力負荷7に与える交流電力の大きさを調整する。より具体的には、CPU591は、DC/ACインバータ56が生成する交流電圧が、発電機8,8,8が発電する交流電圧と同位相及び同電圧になり、且つ、前記電力計が検出する発電電力が所定電力を超えないように制御する。これにより、発電機8,8,8による電力の供給が加勢される。
次に、DC/ACインバータ57の制御方法について説明する。
図2は、主機3の負荷の変化を模式的に示す説明図である。図中横軸は時間を表し、縦軸は、プロペラ1に加わる抵抗負荷に応じた主機3の負荷を表す。船舶は、風、潮流、波、うねり等の外乱を受けて航行する場合、外乱の変化に応じて船速が変化し、プロペラ1に加わる抵抗負荷及び主機3の負荷も変化する。図2では、簡単のために、周期的な波を受けて船舶が航行する場合について示してある。主機3の負荷を示す曲線を上下略均等に2分割する縦軸の位置は、船舶の巡航状態での負荷を表す。巡航状態では、主軸31は設定された回転数で回転しており、主機3の負荷は一定である。
図2は、主機3の負荷の変化を模式的に示す説明図である。図中横軸は時間を表し、縦軸は、プロペラ1に加わる抵抗負荷に応じた主機3の負荷を表す。船舶は、風、潮流、波、うねり等の外乱を受けて航行する場合、外乱の変化に応じて船速が変化し、プロペラ1に加わる抵抗負荷及び主機3の負荷も変化する。図2では、簡単のために、周期的な波を受けて船舶が航行する場合について示してある。主機3の負荷を示す曲線を上下略均等に2分割する縦軸の位置は、船舶の巡航状態での負荷を表す。巡航状態では、主軸31は設定された回転数で回転しており、主機3の負荷は一定である。
平均的な水位より高い波の山に船舶が差し掛かった場合、船体に加わる波の抵抗が増大すると共に波の傾斜方向上流側に船体が向かうために船速が低下する。これにより、船首方向からプロペラ1に向けて流れる水流の流速が低下し、プロペラ1が受ける負荷抵抗が増大して主機3の負荷が増大する。この負荷は、波のほぼ頂点で極大となる。一方、船舶が波の頂点から谷に向かう場合、船体に加わる波の抵抗が減少すると共に波の傾斜方向下流側に船体が向かうために船速が増大する。これにより、船首方向からプロペラ1に向けて流れる水流の流速が増大し、プロペラ1が受ける負荷抵抗が低下して主機3の負荷が減少する。この負荷は、波のほぼ谷底で極小となる。このようにして、主機3の負荷は、船舶が受ける波の山及び谷に応じて増減する。
ところで、主機3に燃料ポンプ32から供給される燃料が一定の場合、主機3の負荷の増/減に応じて主軸31の回転数が低下/上昇する。上述したガバナ4による制御は、上記増/減を相殺するように燃料ポンプ32による燃料の供給を増/減させるが、その制御周期が2msであることから、主機3が有する複数のシリンダの全てに制御が及んで主軸31の回転数の偏差が抑えられるまでにタイムラグが生じる。
そこで、本実施の形態1では、主機3の負荷の増加に伴って主軸31の回転数が低下した場合、DC/ACインバータ57からモータ58に供給される電力をCPU591が調整することによって、主機3によるプロペラ1の駆動がモータ58の駆動力で加勢されるようにする。主機3の負荷の減少に伴って主軸31の回転数が増加した場合は、プロペラ1の駆動を加勢する必要がなく、主軸31の回転数は、ガバナ4の制御によって設定された回転数に近付けられる。
具体的には、CPU591は、回転数検出器51が検出した回転数が、ガバナ4に設定された回転数より高い場合(又は低い場合)、モータ58に供給する電力がゼロとなるように(又は検出した回転数の高/低に応じてモータ58に供給する電力が小/大に変化するように)DC/ACインバータ57を調整する。このような制御により、図2に斜線で示す範囲の主機3の負荷が、巡航状態での負荷にまで軽減される。
以下では、上述した船舶の推進加勢装置5における制御部59の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。先ず、DC/DCコンバータ54を制御する処理について説明する。
図3及び4は、蓄電池55の充放電を制御するCPU591の処理手順を示すフローチャートである。図3の処理は、CPU591による初期化処理の後、周期的(例えば2msごと)に起動される。本処理が最初に起動されたときは、蓄電池55が充電されるようにDC/DCコンバータ54が設定されており、主機3及び発電機8,8,8についての加勢が可能であることを示す加勢フラグがクリアされている。
図3及び4は、蓄電池55の充放電を制御するCPU591の処理手順を示すフローチャートである。図3の処理は、CPU591による初期化処理の後、周期的(例えば2msごと)に起動される。本処理が最初に起動されたときは、蓄電池55が充電されるようにDC/DCコンバータ54が設定されており、主機3及び発電機8,8,8についての加勢が可能であることを示す加勢フラグがクリアされている。
尚、蓄電池55に対する充放電電流は、図3及び4の処理とは別の周期的処理にて制御される。例えば充電の場合、充電電流の最適値が時々刻々算出されており、DC/DCコンバータ53から十分な直流電力が供給される限り、算出された充電電流で蓄電池55が充電される。放電の場合、DC/DCコンバータ54がDC/ACインバータ56,57に対して出力する電圧は、DC/DCコンバータ53が出力するように設定されている電圧より少し低い一定電圧となるように制御される。これにより、ソーラーパネル52が発電した電力が不足してDC/DCコンバータ53が出力する電圧が低下するまでは、蓄電池55からDC/DCコンバータ54を介して放電する電流が抑制される。
図3の処理が起動された場合、CPU591は、DC/DCコンバータ54の設定によって蓄電池55が充電中になっているか否かを判定し(S11)、充電中になっていない場合(S11:NO)、後述するステップS21(図4参照)に処理を移す。蓄電池55が充電中になっている場合(S11:YES)、CPU591は、蓄電池55が満充電になったか否かを判定し(S12)、満充電になった場合(S12:YES)、DC/DCコンバータ54の動作を停止させることにより、充電を一時的に停止して(S13)図3の処理を終了する。この場合、加勢フラグはセットされており、蓄電池55は充電中でも放電中でもない状態となる。
蓄電池55が満充電になっていない場合(S12:NO)、CPU591は、蓄電池55の残容量が少ないために加勢フラグがクリアされているか否かを判定する(S14)。加勢フラグがクリアされている場合(S14:YES)、CPU591は、他の周期的処理で算出されている蓄電池55の残容量が例えば50%より大きいか否かを判定し(S15)、50%より大きくない場合(S15:NO)、そのまま図3の処理を終了する。残容量が50%より大きい場合(S15:YES)、CPU591は、蓄電池55が放電可能な残容量にまで回復したものとして加勢フラグをセットし(S16)、図3の処理を終了する。
ステップS14で加勢フラグがクリアされていない場合(S14:NO)、CPU591は、後述する図5に示す処理により主機3について加勢中であるか否かを判定し(S17)、加勢中ではない場合(S17:NO)、後述する図6に示す処理により発電機8,8,8について加勢中であるか否かを判定する(S18)。主機3及び発電機8,8,8について加勢中ではない場合(S18:NO)、CPU591は、蓄電池55を充電中にしたまま図3の処理を終了する。主機3について加勢中である場合(S17:YES)、又は発電機8,8,8について加勢中である場合(S18:YES)、CPU591は、実際に加勢できる状態にするために、蓄電池55が放電する(S19)ようにDC/DCコンバータ54を設定して、図3の処理を終了する。
上述した図3の充電中の処理により、蓄電池55が満充電になった場合に充電が一時的に停止され、蓄電池55の残容量が例えば50%まで回復した場合に加勢フラグがセットされ、加勢フラグがセットされている状態で主機3又は発電機8,8,8が加勢中となった場合に蓄電池55が放電に切り替えられる。
図4に移って、ステップS11で蓄電池55が充電中になっていないと判定された場合(S11:NO)、CPU591は、DC/DCコンバータ54の設定によって蓄電池55が放電中になっているか否かを判定し(S21)、放電中にもなっていない場合(S21:NO)、後述するステップS28に処理を移す。蓄電池55が放電中になっている場合(S21:YES)、CPU591は、蓄電池55が放電終止となったか否かを判定し(S22)、放電終止となった場合(S22:YES)、DC/DCコンバータ54の設定によって蓄電池55を充電に切り替える(S23)と共に、加勢できないことを示すために加勢フラグをクリアし(S24)、図4の処理を終了する。
ステップS22で蓄電池55が放電終止となっていない場合(S22:NO)、CPU591は、後述する図5の処理により主機3について加勢中であるか否かを判定し(S25)、加勢中ではない場合(S25:NO)、後述する図6に示す処理により発電機8,8,8について加勢中であるか否かを判定する(S26)。主機3及び発電機8,8,8について加勢中ではない場合(S26:NO)、加勢の必要がなくなったものと判定されるため、CPU591は、DC/DCコンバータ54の設定によって蓄電池55を充電に切り替え(S27)、図4の処理を終了する。主機3について加勢中である場合(S25:YES)、又は発電機8,8,8について加勢中である場合(S26:YES)、CPU591は、蓄電池55を放電中にしたまま図4の処理を終了する。
ステップS21で蓄電池55が放電中にもなっていないと判定された場合(S21:NO)、即ち、蓄電池55が満充電となった後に充電が一時的に停止されている場合(ここでは加勢フラグが必ずセットされている)、CPU591は、蓄電池55の残容量が自然放電等の要因で例えば90%より少なくなったか否かを判定する(S28)。依然として90%より少なくなっていない場合(S28:NO)、CPU591は、主機3又は発電機8,8,8についての加勢が必要か否かを判定するために、図3のステップS17に戻す。残容量が90%より少なくなった場合(S28:YES)、CPU591は、DC/DCコンバータ54の設定によって蓄電池55を充電に切り替えて(S29)図4の処理を終了する。
上述した図4の放電中の処理により、蓄電池55が放電終止になった場合と、放電中に主機3及び発電機8,8,8が何れも加勢中ではなくなった場合とについて蓄電池55が充電に切り替えられる。また、図4(図3の一部を含む)に示す充放電が停止中の処理により、蓄電池55の残容量が90%より少なくなった場合に蓄電池55の充電が再開され、加勢フラグがセットされている状態で主機3又は発電機8,8,8が加勢中となった場合に蓄電池55が放電に切り替えられる。
以下では、DC/ACインバータ56,57を制御する処理について説明する。
図5は、主機3によるプロペラ1の駆動を加勢するCPU591の処理手順を示すフローチャートであり、図6は、発電機8,8,8による電力の供給を加勢するCPU591の処理手順を示すフローチャートである。図5及び6の処理は、終了後に一定の時間間隔(例えば2ms)をおいて継続的に起動される。
図5は、主機3によるプロペラ1の駆動を加勢するCPU591の処理手順を示すフローチャートであり、図6は、発電機8,8,8による電力の供給を加勢するCPU591の処理手順を示すフローチャートである。図5及び6の処理は、終了後に一定の時間間隔(例えば2ms)をおいて継続的に起動される。
図5の処理が起動された場合、CPU591は、加勢フラグがセットされているか否か(S31)、即ち少なくとも主機3についての加勢が可能な状態であるか否かを判定し、セットされていない場合(S31:NO)、図5の処理を終了する。加勢フラグがセットされている場合(S31:YES)、即ち主機3についての加勢が可能な状態にある場合、CPU591は、回転数検出器51が検出した回転数がガバナ4に設定された回転数より低いか否かを判定し(S32)、低くない場合(S32:NO)、主軸31の回転数の制御をガバナ4に委ねることとして図5の処理を終了する。
回転数検出器51が検出した回転数が、ガバナ4に設定された回転数より低い場合(S32:YES)、CPU591は、主機3について加勢を開始する(S33)。ここでの開始と後述する終了とは、図示しないRAMに記憶する(以下同様)。その後、CPU591は、回転数検出器51が新たに検出した回転数が、ガバナ4に設定された回転数以上になったか否かを判定し(S34)、以上になった場合(S34:YES)、主機3について加勢を終了するために、後述するステップS38に処理を移す。
回転数検出器51が検出した回転数が、ガバナ4に設定された回転数以上になっていない場合(S34:NO)、CPU591は、検出された回転数と設定された回転数との差分に基づいて加勢量を調整する(S35)。ここでの調整方法は、DC/ACインバータ57からモータ58に供給する電力を前記差分の大きさに応じて設定する。この場合に設定される電力の大きさは、回転数の偏差が速やかに収束するように、自動制御の理論を適用して適宜定めることができる。
次いで、CPU591は、所定時間(例えば2msの整数倍)の待機(S36)後に、加勢フラグが依然としてセットされているか否かを判定し(S37)、セットされている場合(S37:YES)、処理をステップS34に戻す。ここで所定時間だけ待機するのは、加勢量の調整を所定時間ごとに行うためである。加勢フラグがセットされなくなった場合(S37:NO)、CPU591は、主機3についての加勢を終了して(S38)図5の処理を終了する。
上述した図5の処理により、主機3の加勢が可能な状態にあり、且つ検出回転数が設定回転数を下回る場合に、回転数の偏差に応じて主機3についての加勢量が調整され、加勢が可能な状態ではなくなった場合に加勢が中断される。
次に、図6の処理が起動された場合、CPU591は、加勢フラグがセットされているか否か(S41)、即ち少なくとも発電機8,8,8についての加勢が可能な状態であるか否かを判定し、セットされていない場合(S41:NO)、図6の処理を終了する。加勢フラグがセットされている場合(S41:YES)、即ち発電機8,8,8についての加勢が可能な状態にある場合、CPU591は、配電盤6の図示しない電力計が検出した発電電力が所定電力より大きいか否かを判定し(S42)、大きくない場合(S42:NO)、発電機8,8,8についての加勢が不要であるものとして図6の処理を終了する。
電力計が検出した発電電力が所定電力より大きい場合(S42:YES)、CPU591は、発電機8,8,8について加勢を開始する(S43)。その後、CPU591は、前記電力計が新たに検出した発電電力が、所定電力以下になったか否かを判定し(S44)、以下になった場合(S44:YES)、発電機8,8,8について加勢を終了するために、後述するステップS48に処理を移す。
電力計が検出した発電電力が所定電力以下になっていない場合(S44:NO)、CPU591は、検出された発電電力と所定電力との差分に基づいて加勢量を調整する(S45)。このでの調整方法は、DC/ACインバータ56から配電盤6を介して電力負荷7に供給する電力を前記差分の大きさに応じて設定する。この場合に設定される電力の大きさは、適宜定めることができる。
次いで、CPU591は、所定時間(例えば2msの整数倍)の待機(S46)後に、加勢フラグが依然としてセットされているか否かを判定し(S47)、セットされている場合(S47:YES)、処理をステップS44に戻す。加勢フラグがセットされなくなった場合(S47:NO)、CPU591は、発電機8,8,8についての加勢を終了して(S48)図6の処理を終了する。
上述した図6の処理により、発電機8,8,8の加勢が可能な状態にあり、且つ発電電力が所定電力を上回る場合に、電力の超過量に応じて発電機8,8,8についての加勢量が調整され、加勢が可能な状態ではなくなった場合に加勢が中断される。
以上のように本実施の形態1によれば、ソーラーパネルが発電した電力によって蓄電池を充電し、ソーラーパネル及び蓄電池の何れか一方又は両方からDC/ACインバータを介して電力が供給されるモータの駆動力によって船舶のプロペラの駆動を加勢する。
これにより、自然エネルギーに由来する電力で回転するモータによってプロペラの駆動が加勢される。従って、船舶のプロペラの駆動をアシスト(加勢)してトータルの燃費を改善することが可能となる。
これにより、自然エネルギーに由来する電力で回転するモータによってプロペラの駆動が加勢される。従って、船舶のプロペラの駆動をアシスト(加勢)してトータルの燃費を改善することが可能となる。
また、主機の主軸の回転数の高/低に応じて、モータの駆動力を小/大に変化させる。
従って、プロペラに加わる負荷抵抗が変動してプロペラの回転数が変化する場合に、負荷抵抗の大/小に応じて、プロペラの駆動を加勢するモータの駆動力を大/小に調整することが可能となる。
従って、プロペラに加わる負荷抵抗が変動してプロペラの回転数が変化する場合に、負荷抵抗の大/小に応じて、プロペラの駆動を加勢するモータの駆動力を大/小に調整することが可能となる。
更にまた、主機の主軸の回転数が、ガバナに対する回転数の設定値より高い場合、モータに電力を供給しないようにする。
従って、プロペラに加わる負荷抵抗が小さくなってプロペラの回転数が上昇した場合に、プロペラの駆動を加勢するモータの駆動力を必要最小限に抑制することが可能となる。
従って、プロペラに加わる負荷抵抗が小さくなってプロペラの回転数が上昇した場合に、プロペラの駆動を加勢するモータの駆動力を必要最小限に抑制することが可能となる。
更にまた、太陽光発電による電力を、DC/ACインバータを介してモータに供給すると共に、DC/DCコンバータを介して蓄電池に蓄電する。
従って、日中に発電された豊富な電力を終日にわたって利用することが可能となる。
従って、日中に発電された豊富な電力を終日にわたって利用することが可能となる。
更にまた、主機によるプロペラの駆動を推進加勢装置で加勢するため、自然エネルギーに由来する電力で回転するモータによってプロペラの駆動を加勢する推進加勢装置を船舶に好適に用いることが可能となる。
尚、実施の形態1にあっては、図3に示すステップS17からS19において、主機3又は発電機8,8,8について加勢中である場合に、蓄電池55を放電させたが、これに限定されるものではない。例えば、DC/DCコンバータ53が出力する電圧が、設定されている電圧より低下した場合、即ち、太陽光発電による電力だけでは加勢できない場合に、蓄電池55を放電させるようにしてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1が、双方向のDC/DCコンバータ54を用いて1つの蓄電池55に対する充放電を行う形態であるのに対し、実施の形態2は、充電及び放電夫々のためのDC/DCコンバータを用いて2つの蓄電池に対する充放電を交互に行う形態である。
図7は、本発明の実施の形態2に係る船舶の要部構成を示すブロック図である。ここでは、図1との違いに着目して説明する。
実施の形態1が、双方向のDC/DCコンバータ54を用いて1つの蓄電池55に対する充放電を行う形態であるのに対し、実施の形態2は、充電及び放電夫々のためのDC/DCコンバータを用いて2つの蓄電池に対する充放電を交互に行う形態である。
図7は、本発明の実施の形態2に係る船舶の要部構成を示すブロック図である。ここでは、図1との違いに着目して説明する。
推進加勢装置5は、ソーラーパネル52が発電した直流電力を変換するDC/DCコンバータ53と、該DC/DCコンバータ53が変換した直流電力を変換する充電用のDC/DCコンバータ54aと、該DC/DCコンバータ54aによって充電されるリチウムイオン電池からなる蓄電池55a,55bと、該蓄電池55a,55bが放電した直流電力を変換する放電用のDC/DCコンバータ54bと、該DC/DCコンバータ54bが変換した直流電力を変換するDC/ACインバータ56,57とを備える。DC/DCコンバータ54a,54bの夫々と、蓄電池55a,55bとは、切替器50によって切り替え可能に接続されている。DC/DCコンバータ53,54a,54b、DC/ACインバータ56,57及び切替器50は、制御部59のI/Oポート592と接続されている。
以下では、蓄電池55a及び55bの夫々が、切替器50を介してDC/DCコンバータ54a及び54bに接続されている状態を例にして説明する(切替器50内部の実線参照)。
蓄電池55aが、充電用のDC/DCコンバータ54aから充電されて満充電となった場合、蓄電池55bに充電する空き容量があるときは、切替器50によって蓄電池55aと蓄電池55bとを切り替える(切替器50内部の破線参照)。但し、蓄電池55bに充電する空き容量がないときは、切り替えを行わずに充電を一時的に停止して過充電を回避する。
蓄電池55aが、充電用のDC/DCコンバータ54aから充電されて満充電となった場合、蓄電池55bに充電する空き容量があるときは、切替器50によって蓄電池55aと蓄電池55bとを切り替える(切替器50内部の破線参照)。但し、蓄電池55bに充電する空き容量がないときは、切り替えを行わずに充電を一時的に停止して過充電を回避する。
その後、蓄電池55bが、放電用のDC/DCコンバータ54bから放電して、例えば50%を下回る残容量となった場合、切替器50によって蓄電池55aと蓄電池55bとを切り替える(切替器50内部の破線参照)と共に、新たに充電用のDC/DCコンバータ54aと接続された蓄電池55bに対する充電を開始する。
一方、蓄電池55bが、放電用のDC/DCコンバータ54bから放電して放電終始となった場合、充電中の蓄電池55aに残容量があって放電可能なときは、切替器50によって蓄電池55aと蓄電池55bとを切り替える(切替器50内部の破線参照)。但し、蓄電池55aに残容量がなくて放電不能のときは、切り替えを行わずに放電を一時的に停止して過放電を回避する。
その後、蓄電池55aが、充電用のDC/DCコンバータ54aから充電されて、例えば50%を上回る残容量となった場合、切替器50によって蓄電池55aと蓄電池55bとを切り替える(切替器50内部の破線参照)と共に、新たに放電用のDC/DCコンバータ54bと接続された蓄電池55aからの放電を開始する。
以下では、上述したDC/DCコンバータ54a,54bを制御する処理について説明する。
図8は、蓄電池55a,55bの満充電及び放電終止を監視するCPU591の処理手順を示すフローチャートであり、図9は、蓄電池55a,55bの充電及び放電を再開するCPU591の処理手順を示すフローチャートである。図8及び9の処理は、周期的(例えば2msごと)に起動される。尚、図8及び9では、切替器50の内部が実線で接続されている前提で、蓄電池55a及び55bの夫々を蓄電池A及び蓄電池Bと表示する。切替器50の内部が破線で接続されている場合は、蓄電池A及び蓄電池Bの夫々が蓄電池55b及び55aに対応する。
図8は、蓄電池55a,55bの満充電及び放電終止を監視するCPU591の処理手順を示すフローチャートであり、図9は、蓄電池55a,55bの充電及び放電を再開するCPU591の処理手順を示すフローチャートである。図8及び9の処理は、周期的(例えば2msごと)に起動される。尚、図8及び9では、切替器50の内部が実線で接続されている前提で、蓄電池55a及び55bの夫々を蓄電池A及び蓄電池Bと表示する。切替器50の内部が破線で接続されている場合は、蓄電池A及び蓄電池Bの夫々が蓄電池55b及び55aに対応する。
図8の処理が起動された場合、CPU591は、蓄電池A(蓄電池55a 以下同様)が満充電になったか否かを判定し(S50)、満充電になっていない場合(S50:NO)、後述するステップS54に処理を移す。蓄電池Aが満充電になった場合(S50:YES)、CPU591は、蓄電池B(蓄電池55b 以下同様)の残容量が例えば90%より少ないか否か、即ち、充電する空き容量が10%以上あるか否かを判定する(S51)。残容量が90%より少なくない場合(S51:NO)、CPU591は、DC/DCコンバータ54aの動作を停止させることにより、充電を一時的に停止して(S52)ステップS54に処理を移す。この場合、加勢フラグはセットされており、蓄電池Bはいつでも放電して加勢可能な状態にある。残容量が90%より少ない場合(S51:YES)、CPU591は、蓄電池Bに充電するために、切替器50によって蓄電池A及びBを切り替え(S53)、図8の処理を終了する。
その後、CPU591は、蓄電池Bが放電終止となったか否かを判定し(S54)、放電終止となっていない場合(S54:NO)、図8の処理を終了する。放電終止となった場合(S54:YES)、CPU591は、蓄電池Aの残容量が例えば50%より多いか否か、即ち、放電可能か否かを判定する(S55)。残容量が50%より多くない場合(S55:NO)、CPU591は、DC/DCコンバータ54bの動作を停止させることにより、放電を一時的に停止する(S56)と共に、加勢フラグをクリアして(S57)図8の処理を終了する。この場合、蓄電池Aはいつでも充電が可能な状態にある。残容量が50%より多い場合(S55:YES)、CPU591は、蓄電池Aを放電させるために、切替器50によって蓄電池A及び蓄電池Bを切り替える(S58)と共に、加勢フラグをセットして(S59)図8の処理を終了する。
次に、図9の処理が起動された場合、CPU591は、蓄電池A及び蓄電池Bに充電する空き容量がないためにステップS52の処理によって蓄電池Aの充電を停止しているか否かを判定し(S61)、停止していない場合(S61:NO)、後述するステップS65に処理を移す。蓄電池Aの充電を停止している場合(S61:YES)、即ち、ステップS50の判定で蓄電池Aが一旦満充電となっていた場合、CPU591は、蓄電池Bが放電して残容量が例えば50%より少なくなったか否かを判定し(S62)、少なくなっていない場合(S62:NO)、ステップS65に処理を移す。蓄電池Bの残容量が50%より少なくなった場合(S62:YES)、CPU591は、切替器50によって蓄電池A及び蓄電池Bを切り替え(S63)た後、蓄電池Bを充電するために、DC/DCコンバータ54aの動作を再開させて充電を開始する(S64)。この場合、DC/DCコンバータ54bは、蓄電池Aに放電を開始させる。
その後、CPU591は、蓄電池A及び蓄電池Bに残容量がないためにステップS56の処理によって蓄電池Bの放電を停止しているか否かを判定し(S65)、停止していない場合(S65:NO)、図9の処理を終了する。蓄電池Bの放電を停止している場合(S65:YES)、即ち、ステップS54の判定で蓄電池Bが一旦放電終止となっていた場合、CPU591は、蓄電池Aが充電されて残容量が例えば50%より多くなったか否かを判定し(S66)、多くなっていない場合(S66:NO)、図9の処理を終了する。蓄電池Aの残容量が50%より多くなった場合(S66:YES)、CPU591は、切替器50によって蓄電池A及び蓄電池Bを切り替え(S67)た後、蓄電池Aに放電を開始させる(S68)ために、DC/DCコンバータ54bの動作を再開させて、図9の処理を終了する。この場合、DC/DCコンバータ54aは、蓄電池Bの充電を開始する。
その他、実施の形態1に対応する箇所には同様の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
以上のように本実施の形態2によれば、2つの蓄電池A及び蓄電池Bに対して充放電を行うDC/DCコンバータを双方向にする必要がなく、充放電の制御を簡略化することが可能となる。また、蓄電池A及び蓄電池Bの充放電を頻繁に切り替える必要がなく、電池寿命を延ばすことが可能となる。
尚、実施の形態1及び2にあっては、回転数検出器51で主軸31の回転数を検出したが、ガバナ4がプロペラ1の回転数を設定された回転数に制御する場合は、回転数検出器51でプロペラシャフト11の回転数を検出すればよい。また、減速機2を介してプロペラシャフト11と主軸31とを接続したが、プロペラシャフト11と主軸31とを直結するものであってもよい。
また、実施の形態1及び2にあっては、主軸31の回転数の高/低に応じて、モータ58の駆動力を小/大に変化させ、主軸31の回転数が、ガバナ4に対する回転数の設定値より高い場合は、モータ58に電力を供給しないようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、プロペラ1、プロペラシャフト11又は主軸31の回転角加速度を検出し、検出した回転角加速度の大/小に応じて、モータ58の駆動力を小/大に変化させ、回転角加速度が正の値の場合、即ち回転数が増加傾向にある場合は、モータ58に電力を供給しないようにしてもよい。
更にまた、実施の形態1及び2にあっては、蓄電池55(又は55a,55b)にリチウムイオン電池を用いたが、他の二次電池を用いてもよいし、大容量の電気二重層キャパシタ等を用いてもよい。また、残容量の判定値として90%及び50%を用いたが、これに限定されるものではなく、設定にて適宜変更してもよい。
更にまた、実施の形態1及び2にあっては、太陽光を利用して発電したが、これに限定されるものではなく、風力、潮力、波力等の他の自然エネルギーや、振動、船体動揺等のエネルギーを利用して発電してもよい。
更にまた、実施の形態1及び2にあっては、発電機8,8,8の発電電力が所定電力を上回る場合に加勢したが、設定により、所定電力を適宜変更するようにしてもよい。また、発電機8,8,8の負荷の大きさを他の適当な手段で検出し、検出値が所定値より大きい場合に加勢するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 プロペラ
11 プロペラシャフト
2 減速機
3 主機(主駆動源)
31 主軸
4 ガバナ
5 推進加勢装置
51 回転数検出器(検出手段)
52 ソーラーパネル(請求項の発電機)
55、55a、55b 蓄電池
58 モータ
59 制御部
591 CPU
592 I/Oポート(取得手段)
8 発電機(船内発電機)
11 プロペラシャフト
2 減速機
3 主機(主駆動源)
31 主軸
4 ガバナ
5 推進加勢装置
51 回転数検出器(検出手段)
52 ソーラーパネル(請求項の発電機)
55、55a、55b 蓄電池
58 モータ
59 制御部
591 CPU
592 I/Oポート(取得手段)
8 発電機(船内発電機)
Claims (7)
- 発電機及び/又は蓄電池から電力が供給されるモータの駆動力によって船舶のプロペラの駆動を加勢する推進加勢装置において、
前記発電機は、自然エネルギーを用いて発電するようにしてあり、
前記蓄電池は、前記発電機が発電した電力を充電するようにしてあること
を特徴とする推進加勢装置。 - 前記プロペラの回転数、又は前記プロペラを駆動する主駆動源の回転数を検出する検出手段を備え、
該検出手段の検出結果の高/低に応じて前記モータの駆動力を小/大に変化させるようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の推進加勢装置。 - 前記回転数の設定値を取得する取得手段を備え、
前記検出手段の検出結果が、前記取得手段の取得結果より高いか否かを判定する手段を備え、
該手段が高いと判定した場合、前記モータの駆動力を所定の駆動力より小さくするようにしてあること
を特徴とする請求項2に記載の推進加勢装置。 - 前記プロペラ又は該プロペラの主駆動源の回転角加速度を検出する検出手段を備え、
該検出手段の検出結果の大/小に応じて前記モータの駆動力を小/大に変化させるようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の推進加勢装置。 - 前記検出手段の検出結果が所定値より大きいか否かを判定する手段を備え、
該手段が大きいと判定した場合、前記モータの駆動力を所定の駆動力より小さくするようにしてあること
を特徴とする請求項4に記載の推進加勢装置。 - 前記自然エネルギーは、太陽光であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の推進加勢装置。
- 請求項1から6の何れか1項に記載の推進加勢装置と、
プロペラと、
該プロペラを駆動する主駆動源とを備え、
該主駆動源によるプロペラの駆動を、前記推進加勢装置で加勢するようにしてあること
を特徴とする船舶。
Priority Applications (1)
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JP2011073404A JP2012206598A (ja) | 2011-03-29 | 2011-03-29 | 推進加勢装置及び船舶 |
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