JP2012205400A - ブラシ装置及びブラシ装置を備えたモータ - Google Patents

ブラシ装置及びブラシ装置を備えたモータ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、整流子とブラシとの当接面における接触面圧を整流子回転上流側と下流側とで変化させることにより接触抵抗を変化させ、ブラシと整流子とが離間する際に生じる火花放電を防止することが可能なブラシ装置及びブラシ装置を備えたモータを提供することにある。
【解決手段】一方向に回転する整流子4と当接する当接面Tを、厚み方向の前端面に有するブラシ本体11と、このブラシ本体11を、整流子4方向に付勢する付勢手段13と、を備えたブラシ装置に関する。
付勢手段13は、当接面Tの整流子4回転上流側に向けて、ブラシ本体11を押圧する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシ装置及びブラシ装置を備えたモータに係り、特に、厚み方向に沿って付勢されて整流子と当接するブラシ本体を備えたブラシ装置、及び当該ブラシ装置を有するブラシ装置付きのモータに関するものである。
一般に直流モータなどでは、ブラシ装置を用いて整流子への整流を行っている。
このブラシ装置には、厚み方向に沿って付勢されて整流子と当接するブラシ本体が備わっており、かかるブラシ本体が整流子と当接することによって整流が行われる。
ところで、従来の直流モータでは、電機子コイルのインダクタンス等により整流時の電流変化が非常に遅れて整流不足となることがあった。
このような場合、整流終了時において電流変化が大きくなる結果、大きなリアクタンス電圧が発生し、ブラシ本体と整流子との間に火花放電が発生してしまうことがある。
この火花放電は、整流子表面を粗くして、整流子表面に凹凸面を形成してしまうため、ブラシ本体の磨耗量が大きくなり、機器寿命を著しく減少させることとなる。
更に、このような状態においては、ブラシ本体の振動音が大きくなり、モータの品質に関わる問題となっている。
火花放電を抑制する方法としては、ブラシ本体の抵抗を高くする抵抗整流が一般的である。
しかし、高抵抗のブラシ本体を用いるとモータの効率が低下してしまう。
この対策として、整流子の回転方向に高抵抗の部分と低抵抗の部分を層状に重ねてブラシ本体を構成し、整流不足が生じる整流後期には、ブラシ本体のうち、高抵抗の部分を整流子と接触させるブラシ装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、積層ブラシに関する技術が開示されている。
特許文献1に記載の積層ブラシは、Cuの含有量を調整することにより抵抗値を異ならせた低抵抗部と高抵抗部との2層が一体成形されることにより構成されている。
この技術においては、積層ブラシの磨耗量を抑制するためにCu含有量(低抵抗部に含まれるCu量≦50%)及び低抵抗部と高抵抗部との厚さ比(低抵抗部の厚さに対する高抵抗部の厚さの比0.3〜1.0)を調整するとともに、火花発生抑制効果を得るために低抵抗部と高抵抗部との抵抗比(低抵抗部に対する高抵抗部の抵抗比5倍以上)を調整している。
特開平04−046546号公報
このように、特許文献1に記載されたような積層ブラシを使用した抵抗整流によれば、モータの効率低下を抑えながら整流不足による火花放電を抑制することが可能になる。
但し、モータの使用時間の経過に伴ってブラシ本体が徐々に磨耗すると、磨耗量に応じて、整流子に向けてブラシ本体に作用する付勢力が小さくなることとなる。
この結果、ブラシ本体と整流子間の接触抵抗が大きくなり、ブラシの磨耗状態により整流及びモータの出力特性に差異が生じるという問題が生じていた。
つまり、磨耗が少ない段階でブラシ本体に作用する付勢力が強い状態であれば、整流子との接触性が高まり低抵抗状態となり、反対に磨耗が多い段階となりブラシ本体に作用する付勢力が低い状態であれば、整流子との接触性が低下して高抵抗状態となるため、各段階におけるモータ出力特性に差異が生じるという問題が生じていた。
本発明の目的は、上記各問題点を解決することにあり、整流子とブラシとの当接面における接触面圧を整流子回転上流側と下流側とで変化させることにより接触抵抗を変化させ、ブラシと整流子とが離間する際に生じる火花放電を防止することが可能なブラシ装置及びブラシ装置を備えたモータを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、ブラシ本体の材質と形状に改良を加えることにより、ブラシ本体の磨耗度合いを問わずに、良好な整流を実現して火花放電を抑制しつつ、モータの性能を安定させることが可能なブラシ装置及びブラシ装置を備えたモータを提供することにある。
上記課題は、本発明に係るブラシ装置によれば、一方向に回転する整流子と当接する当接面を、厚み方向の前端面に有するブラシ本体と、該ブラシ本体を、前記整流子方向に付勢する付勢手段と、を備えたブラシ装置であって、前記付勢手段は、前記当接面の前記整流子回転上流側に向けて、前記ブラシ本体を押圧することにより解決される。
このように構成されていることにより、付勢手段から付加される押付け荷重による面圧は整流子回転上流側が高くなり、整流子回転下流側が低くなる。
よって、整流子回転上流側におけるブラシ本体と整流子の接触抵抗値は低くなり、整流子回転下流側におけるブラシ本体と整流子との接触抵抗値は高くなる。
この結果、ブラシ本体と整流子との接触抵抗は整流が進むにつれて高くなるため、抵抗整流と同様に不足整流を有効に防止することができる。
つまり、整流後期には、整流子回転下流方向への低い押付け荷重により接触抵抗が高い状態でブラシ本体と整流子が摺接するため、抵抗整流が実現され、不足整流が防止される。
このように、不足整流が防止された結果、火花放電が有効に防止される。
このとき具体的には、前記ブラシ本体は、前記整流子より離隔する方向で前記前端面と対向する後端面を有して構成されており、前記後端面は、前記前端面と前記後端面との距離が、前記整流子の回転上流側が回転下流側に比して大きくなるように構成された斜面として形成され、前記後端面には、弾性部材として構成された前記付勢手段の一端部が連結されているよう構成されていると好適である。
このように構成されていると、通常ブラシ装置に備えられている付勢手段(通常は、付勢バネが弾性部材として使用される)の一端部を斜面として構成されたブラシ後端面の略中央部に連結するのみで、前端面である当接面の整流子回転上流側に向けて、ブラシ本体を確実に押圧することができる。
また、ブラシ本体をこのような形状に形成することによって、整流子との摩擦変動が生じても、ブラシ本体は一方向に傾くこととなり安定する。
更に、前記ブラシ本体の抵抗値は、前記整流子との当接面である前記前端面側が最も高く、前記後端面側が最も低くなるように変化するように構成されており、前記当接面は、前記後端面に向けて磨耗により後退するよう構成されていると好適である。
このように構成されていると、ブラシ本体の磨耗により付勢手段からの付勢力が弱くなって、ブラシ本体と整流子との面圧が低くなり接触抵抗が大きくなっても、ブラシ本体と整流子との接触抵抗が高くなり過ぎることを抑制することができる。
つまり、ブラシ本体は、ブラシ本体の磨耗に対して、その接触抵抗値を徐変させることが可能となる。
このため、ブラシ本体の磨耗状態により生じる整流の変動を有効に防止することが可能となる。
また、具体的には、前記ブラシ本体は、互いの抵抗値の異なる複数のブラシ本体片を層状に積層して構成されていると好適である。
更に、本発明に係るモータは、一方向に回転する整流子と、請求項1乃至請求項4いずれか一項に記載のブラシ装置と、を少なくとも備える。
本発明によれば、付勢手段からの付勢力の付加方向を、当接面の整流子回転上流側方向に向けることにより、整流子とブラシとの当接面における接触面圧を整流子回転上流側と下流側とで変化させ、接触抵抗を整流子回転上流側と下流側と変化させる。
これにより、ブラシと整流子とが離間する際に生じる火花放電を防止することができる。
また、本発明では、ブラシ本体の後端面を、前端面と後端面との距離が、整流子の回転上流側が回転下流側に比して大きくなるように構成された斜面として形成している。
よって、通常ブラシ装置に備えられている付勢手段の一端部を、斜面として構成されたブラシ後端面の略中央部に連結するのみで、前端面である当接面の整流子回転上流側に向けて、ブラシ本体を確実に押圧することができるとともに、ブラシ本体をこのような形状に形成することによって、整流子との摩擦変動が生じても、ブラシ本体は一方向に傾くこととなり安定する。
更に、本発明によると、ブラシ本体の抵抗値は、前端面側が最も高く、後端面側が最も低くなるように変化するよう構成されているため、ブラシ本体の磨耗により付勢手段からの付勢力が弱くなって、ブラシ本体と整流子との面圧が低くなり接触抵抗が大きくなっても、ブラシ本体と整流子との接触抵抗が高くなり過ぎることを抑制することができる。
このため、ブラシ本体の磨耗状態により生じる整流の変動を有効に防止することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、良好な整流を実現させることが可能となり、火花放電を防止することができるとともに、耐久性の向上、電磁ノイズの低減、モータ出力特性の安定化を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態に係るモータの概略構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るブラシ装置の説明図である。 本発明の一実施形態に係るブラシ本体の立体図である。 ブラシ本体に係る面圧及び抵抗の大小を示す説明図である。 ブラシ本体の合成抵抗値の大小の概念を示す説明図である。 従来例のブラシ本体及び本実施形態に係るブラシ本体の整流曲線を示すグラフである。 従来例のブラシ本体及び本実施形態に係るブラシ本体の磨耗量に対する接触抵抗値変化を示すグラフである。 ブラシ本体の安定性を示す説明図である。 他の実施形態を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本実施形態は、整流子とブラシ本体との当接面における接触面圧を整流子回転上流側と下流側とで変化させることにより接触抵抗を変化させ、ブラシ本体と整流子とが離間する際に生じる火花放電を防止することができるブラシ装置及びこれを備えたモータに関するものであり、重ねて、ブラシ本体の磨耗度合いを問わずに、良好な整流を実現して火花放電を抑制しつつ、モータの性能を安定させることができるブラシ装置及びこれを備えたモータに関するものである。
図1乃至図8は、本発明の一実施形態を示すものであり、図1はモータの概略構成を示す断面図、図2はブラシ装置の説明図、図3はブラシ本体の立体図、図4はブラシ本体に係る面圧及び抵抗の大小を示す説明図、図5はブラシ本体の合成抵抗値の大小の概念を示す説明図、図6は従来例のブラシ本体及び本実施形態に係るブラシ本体の整流曲線を示すグラフ、図7は従来例のブラシ本体及び本実施形態に係るブラシ本体の磨耗量に対する接触抵抗値変化を示すグラフ、図8はブラシ本体の安定性を示す説明図である。
なお、図9は他の実施形態を示す説明図である。
図1により、本実施形態に係るモータMの構成の一例について説明する。
本実施形態に係るモータMは、ブラシ装置Sを除いて、公知のブラシ付き直流モータの構成を採用したものである。
本実施形態に係るモータMは、図1に示すように、出力軸となるシャフト1と、コイル2が形成された鉄心3と、整流子4と、界磁機構としての磁石5と、ブラシ装置Sと、これらを内部に収納するハウジング6とを主たる構成要素として構成されている。
なお、ブラシ装置Sは、本発明の主要要素であるため、その他の構成の説明の後に詳述する。
シャフト1は、軸受7を介して回転自在にハウジング6に支持されている。
なお、本実施形態においてはモータMとして一方向回転モータを例示しているため、シャフト1は一方向に回転する構成となる。
シャフト1には鉄心3が固定されており、その周囲には鉄心3の外周を囲むように磁石5が配置されている。
また、シャフト1には整流子4もまた固定されている。
整流子4は、シャフト1と一体的に一方向に回転する円筒状の部材であり、その回転方向に沿って一定間隔毎に配置された複数の整流子片4aを備える。
この整流子4は、回転に伴って、ブラシ装置Sのブラシ本体11と当接する整流子片4aが切り替わることにより、コイル2を流れる電流の向きを切り替える。
次いで、本実施形態に係るブラシ装置Sについて説明する。
図1及び図2に示すように、ブラシ装置Sは、整流子4を通じてコイル2に電流を流すものであり、ブラシ本体11と、収納ボックス12と、付勢手段としての付勢バネ13と、給電用のリード線であるピグテール14とを主たる構成要件として構成されている。
ブラシ本体11は、銅を含有した黒鉛から構成された立体形状の部材である。
このブラシ本体11の形状は、後に詳述する。
なお、本明細書において、ブラシ本体11の厚み方向とは整流子4の径方向に沿う方向を、ブラシ本体11の高さ方向とはシャフト1の軸方向に沿う方向と定義する(図2参照)。
ブラシ本体11は、当接面T側の端部を突出させた状態で、その他部分が収納ボックス12に収納されており、同じく収納ボックス12内に収納された付勢バネ13によって、整流子4側へ向けて付勢される。
なお、本実施形態においては、後述するブラシ本体11の形状によって、この付勢バネ13は、ブラシ本体11を整流子4の回転方向上流側へと向けて付勢することとなる。
このように、付勢バネ13が付加する付勢力によって、ブラシ本体11は、その厚み方向の前端に位置する当接面Tにて回転状態の整流子4と当接することとなる。
換言すると、整流子4は、その外周面においてブラシ本体11の前端面(当接面T)に接しながら同面上を摺動することとなる。
この結果、ブラシ本体11は、当接面Tが上記の厚み方向に沿って後退するように磨耗することになる。
すなわち、ブラシ本体11は、未消費の状態からモータMの利用時間の経過に伴って徐々に厚み方向に磨耗し、ブラシ本体11として適当に機能することができなくなるまで消費される。
なお、本実施形態において、ブラシ本体11が消費され始めてから消費され終わるまでの期間(つまり、ブラシ本体11の寿命)は、モータMが使用され始めた時点から、当接面Tが所定位置(例えば、ピグテール14の接続位置から幾分手前の位置)まで後退した時点までの期間である。
次いで、図2乃至図5により、本実施形態に係るブラシ本体11の形状及び構成を詳述する。
ブラシ本体11は、略くさび形状の部材であり、略直方体形状の後端面側が斜面状に切り欠かれた形状を有する。
図3にブラシ本体11の立体形状の説明図を記す。
図2及び図3に示すように、ブラシ本体11は、整流子4の回転方向上流側の厚み(L1)が、整流子4の回転方向下流の厚み(L2)より大きくなるようにその後端面側が斜面状に切り欠かれ、全体として略くさび形状を呈する。
また、図4に示すように、ブラシ本体11は、前端面側が高抵抗となり、後端面側へ向けて徐々に抵抗が低くなるように構成されている。
つまり、前端面側が最も抵抗が大きく、後端面側が最も抵抗が小さくなるように構成されている。
ブラシ本体11の形状を、上記のように、整流子4の回転方向上流側の厚み(L1)が、整流子4の回転方向下流の厚み(L2)より大きくなるように後端面側を斜面状に切り欠いた構成としたため、付勢バネ13が付加するブラシ本体11の整流子4への押付け荷重は、図4の白抜矢印Aに示すようになる。
つまり、従来のブラシ本体の後端面は斜面状とはなっていないため、付勢バネによる押圧力は、整流子4方向に向けて直下に付加されるが、本実施形態に係るブラシ本体11の後端面は斜面状となっているため、付勢バネ13は、整流子4回転方向上流側へ向けてブラシ本体11に押圧力を付加することとなる。
このため、付勢バネ13が付加する押付け荷重は、整流子4の回転上流側は高くなるとともに、整流子4の回転下流側は低くなる。
つまり、押付け荷重による面圧は整流子4の回転上流側が高くなり、これに伴い回転上流側におけるブラシ本体11と整流子4との接触抵抗値は低くなる。
また、押付け荷重による面圧は整流子4の回転下流側が低くなり、これに伴い回転下流側におけるブラシ本体11と整流子4との接触抵抗値は高くなる。
なお、付勢バネ13が付加するブラシ本体11の整流子4への押付け荷重を、図4の白抜矢印Aに示す方向に付加する方法はこれに限られることはない。
例えば、付勢バネ13の他端側(ブラシ本体13と連結されている側の端部と反対側の端部)の位置、収納ボックス12の形状、ブラシ本体11後端面の形状等を変化させてもよいが、上記に示したように、ブラシ本体11の後端面を斜面として形成する構成が好適である。
また、本実施形態においては、図5に示すように、本実施形態に係るブラシ本体11においては、ブラシ本体11にかかる面圧による接触抵抗変化及びブラシ本体11の厚み方向への抵抗変化の両抵抗変化の合成により、白抜き矢印Bの方向へ向かって(その部分が整流子4と接触した際の)抵抗値が変化(高抵抗→低抵抗)することとなる。
つまり、本実施形態においては、ブラシ本体11前端面の整流子4回転下流側(高抵抗)から、ブラシ本体11後端面の整流子4回転上流側(低抵抗)へ向けて、(その部分が整流子4と接触した際の)抵抗が小さくなるよう構成されている。
このように、本実施形態に係るブラシ本体11を使用すると、以下の効果が奏せられる。
本実施形態に係るブラシ本体11においては、その後端面側を斜面状に切り欠いた形状となっている。
よって、従来のブラシ本体における付勢力の方向と、本実施形態に係るブラシ本体11における付勢力の方向が異なることとなる。
つまり、本実施形態に係るブラシ本体11には、整流子4の回転上流側へと向いた付勢力が付加されることとなる。
このため、押付け荷重による面圧は、整流子4の回転上流側が高くなり、整流子4の回転下流側方向に向けて徐々に低くなる。この結果、ブラシ本体11と整流子4との接触抵抗値は、回転上流側が低くなり、整流子4の回転下流側方向に向けて徐々に高くなる。
結果として、ブラシ本体11と整流子4との接触抵抗は整流が進むにつれて高くなるため、抵抗整流と同様に不足整流を有効に防止することができる。
つまり、整流後期には、整流子4回転下流方向への低押付け荷重により接触抵抗が高い状態でブラシ本体11と整流子4が摺接するため、抵抗整流が実現され、不足整流が防止される。
また、本実施形態に係るブラシ本体11は、前端面側が高抵抗となり後端面側へ向けて徐々に抵抗が低くなるように材質が形成されているため、上記の押付け荷重による接触抵抗変化との合成接触抵抗値は、ブラシ本体11前端面の整流子4回転下流側から、ブラシ本体11後端面の整流子4回転上流側へ向けて小さくなる(図5参照)。
このことにより、ブラシ本体11の磨耗により付勢力が弱くなって、ブラシ本体11と整流子4の面圧が低くなっても、ブラシ本体11と整流子4との接触抵抗が高くなり過ぎることを有効に抑制することができる。
つまり、本実施形態に係るブラシ本体11は、整流進行及びブラシ本体11の磨耗に対して、連続的にその接触抵抗値を徐変させることが可能となる。
このため、ブラシ本体11の磨耗状態により生じる整流の変動を有効に防止することが可能となる。
本実施形態に係るブラシ本体11を使用した場合の、整流時間に対する電流値変化を図6に示し、ブラシ磨耗量に対する接触抵抗値を図7に示す。
上述したように、整流初期には、整流子4回転上流方向への高押付け荷重により接触抵抗が低い状態でブラシ本体11と整流子4が摺接するため、モータ性能が優先されて高い電流値で推移するが、整流後期には、整流子4回転下流方向への低押付け荷重により接触抵抗が高い状態でブラシ本体11と整流子4が摺接するため、抵抗整流が実現される(図6参照)。
よって、特に整流後期には、従来のブラシ本体を用いた場合の整流曲線に比して、緩やかな変化を示す整流曲線を描いて電流値が変化するため、急激な電流変化により生じる火花放電が有効に防止される。
このように、本実施形態に係るブラシ本体11を使用すると、良好な整流を実現することが可能となる。
また、従来のブラシ本体は、磨耗が進行して整流子4方向に作用する付勢力が小さくなると、整流子4との接触抵抗が高くなり、この接触抵抗の変化は、図7に示すように右肩上がりのグラフとなる。
しかし、上述したように、本実施形態におけるブラシ本体11は、前端面側が高抵抗となり後端面側へ向けて徐々に抵抗が低くなるように材質が形成されているため、ブラシ本体11の磨耗に伴って接触抵抗値が上昇することを有効に防止することができ、図7に示すように接触抵抗値が一定のフラットなグラフとなる。
よって、ブラシ本体11と整流子4との接触抵抗が上昇することにより生じるもモータの出力特性の低下という問題を解消することが可能となる。
このように、本実施形態に係るブラシ本体11によれば、その後端面側をテーパ状に切り欠かいた形状により、付勢力の方向を変更(整流子4回転上流方向側に高面圧)することにより、特に整流後期に緩やかな変化を示す整流曲線を描いて電流値が変化し、急激な電流変化により生じる火花放電が有効に防止されるという効果を奏する。
また、この効果とともに、本実施形態に係るブラシ本体11は、前端面側が高抵抗となり後端面側へ向けて徐々に抵抗が低くなるように構成されているため、ブラシ本体11の磨耗によつ接触抵抗の上昇を抑え、モータの出力特性の低下を有効に防止するという効果を奏する。
なお、上記、ブラシ本体11の形状及び材質による抵抗変化の相乗効果により、ブラシ本体11の合成抵抗は、前端面整流子4回転下流側を最高値として後端面整流子4回転上流側へ向けて除々に小さくなるため、電流が急激に変化することを回避することができ、安定した良好な整流を行うことができ、この結果、ブラシ本体11の耐久性が向上し、騒音や電子ノイズを低減することができるという有利な効果を更に奏することとなる。
また、本実施形態に係るブラシ本体11を、その後端面側をテーパ状に切り欠かいた形状とし、厚みが大きい側(L1)を整流子4回転上流方向側に配設するとともに、厚みが小さい側(L2)を整流子4の回転方向下流側に配設することにより奏される更なる効果を図8に示す。
図8に示すように、本実施形態に係るブラシ本体11の上記形状によると、整流子4とブラシ本体11との摩擦変動が生じた場合であっても、ブラシ本体11は一方向に傾き(後端部が整流子4回転上流方向に傾き)安定することとなる。
また、上記実施形態では、ブラシ本体11の抵抗値を除々に変化させる例を示したが、他の実施形態を図9に示す。
図9に示すように、ブラシ本体11の抵抗値変化を抵抗値の異なる部分を多層化することにより実現することも可能である。
図9には、3層構造とした例を示した。
つまり、整流子4と初期に接触する側から高抵抗値→中抵抗値→低抵抗値と順に抵抗値が低くなるように層構造を形成することにより抵抗値変化を実現させていてもよい。
なお、図9は一例であり、層構造の層数、層厚等はこれに限られることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でどのように構成されていてもよい。
また、本例では、整流子4回転方向に対して略水平方向に多層を形成したが、これに限られることはなく、斜方向に多層を形成してもよい。
このように形成されることにより、整流子4の回転にそってブラシ本体11が磨耗した際に、その磨耗面には、抵抗値の異なる部分が共存するようになり、その磨耗進行に応じて、整流子4との当接面Tにおける抵抗値の異なる部分の面積比率が異なるため、より細やかに連続的な抵抗値のグラデーションを形成することができる。
以上のように、本実施形態においては、ブラシ本体11の構造を、その後端面側をテーパ状に切り欠いた形状とし、厚みが大きい側(L1)を整流子4回転上流方向側に配設するとともに、厚みが小さい側(L2)を整流子4の回転方向下流側に配設した。
また、これとともに、ブラシ本体11の材質を前端面側が高抵抗となり後端面側へ向けて徐々に抵抗が低くなるように構成した。
このように構成されているため、抵抗整流と同様に不足整流を防止することが可能となるとともに、ブラシ本体11が磨耗して付勢バネ13による付勢力が減少した場合であっても整流の変動を有効に防止することができる。
よって、本実施形態によれば、ブラシ磨耗状態に関わらず良好な整流を実現することができ、耐久性が向上するとともに、騒音及び電磁を低減することができる。
また、ブラシ本体11と整流子4との接触抵抗変化を抑制して、モータ出力特性の安定化を図ることができる。
1‥シャフト、2‥コイル、3‥鉄心、4‥整流子、4a‥整流子片、
5‥磁石、6‥ハウジング、7‥軸受、
11‥ブラシ本体、12‥収納ボックス、
13‥付勢バネ(付勢手段)、14‥ピグテール、
M‥モータ、S‥ブラシ装置、T‥当接面

Claims (5)

  1. 一方向に回転する整流子と当接する当接面を、厚み方向の前端面に有するブラシ本体と、
    該ブラシ本体を、前記整流子方向に付勢する付勢手段と、を備えたブラシ装置であって、
    前記付勢手段は、前記当接面の前記整流子回転上流側に向けて、前記ブラシ本体を押圧することを特徴とするブラシ装置。
  2. 前記ブラシ本体は、前記整流子より離隔する方向で前記前端面と対向する後端面を有して構成されており、
    前記後端面は、前記前端面と前記後端面との距離が、前記整流子の回転上流側が回転下流側に比して大きくなるように構成された斜面として形成され、
    前記後端面には、弾性部材として構成された前記付勢手段の一端部が連結されていることを特徴とする請求項1に記載のブラシ装置。
  3. 前記ブラシ本体の抵抗値は、前記整流子との当接面である前記前端面側が最も高く、前記後端面側が最も低くなるように変化するように構成されており、
    前記当接面は、前記後端面に向けて磨耗により後退するよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載のブラシ装置。
  4. 前記ブラシ本体は、互いの抵抗値の異なる複数のブラシ本体片を層状に積層して構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のブラシ装置。
  5. 一方向に回転する整流子と、
    前記請求項1乃至請求項4いずれか一項に記載のブラシ装置と、を少なくとも備えたモータ。
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JP2019009941A (ja) * 2017-06-27 2019-01-17 山本電気株式会社 直流モータ及びその製造方法

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